図面 (/)

技術 制振装置、及びそれを備えた建築材

出願人 株式会社ティ・カトウ
発明者 加藤俊行
出願日 2018年5月14日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-093122
公開日 2019年11月21日 (8ヶ月経過) 公開番号 2019-199888
状態 特許登録済
技術分野 異常な外部の影響に耐えるための建築物 防振装置
主要キーワード 各可動プレート 内側筐体 外側筐体 初期振動 筋交い材 両ブレース 内フランジ 可動プレート
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年11月21日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (8)

課題

簡素な構造で且つ設置コストを低減しつつ、加振時に引張力押圧力との双方を効果的に制振することができる、制振性能を高めた制振装置、及びそれを備えた建築材を提供する。

解決手段

内側筐体4と、弾性ダンパー10と、外側筐体2と、軸部材8と、固定部材16、18と、一端部12に押圧力が作用したとき、内側筐体4内において弾性ダンパー10を軸線方向に縮短させる第1押圧部材18と、第1押圧部材18により弾性ダンパー10が縮短したとき、内側筐体4内における弾性ダンパー10の軸線方向の変位規制する第1規制部材6と、一端部12に引張力が作用したとき、内側筐体4内において弾性ダンパー10を軸線方向に縮短させる第2押圧部材8aと、第2押圧部材8aにより弾性ダンパー10が縮短したとき、内側筐体4内における弾性ダンパー10の軸線方向の変位を規制する第2規制部材20とを備える。

概要

背景

建築物制振構造としては、例えば、柱と梁とから形成される軸組構造内に筋交い材を設け、筋交い材と軸組構造を構成する柱や梁との間に制振装置を設けることが知られている。この種の制振装置は、各種の可動プレート弾性ダンパーから構成され、軸組構造の変形に伴って弾性ダンパーを塑性変形させることで、地震によるエネルギ弾性減衰エネルギとして吸収し、制振効果を得ることができる。

特許文献1には、弾性ダンパーを、軸組構造内の上下何れか一方側へ配置して、固定プレートを梁の中央部へ固定する一方、弾性ダンパーの配置側と反対側での柱と梁との仕口部に、略同じ長さの一対のブレース(筋交い材)の一端をそれぞれ固定して互いの中間部位で交差させ、両ブレースの他端を可動プレートに連結した、制振装置が開示されている。

概要

簡素な構造で且つ設置コストを低減しつつ、加振時に引張力押圧力との双方を効果的に制振することができる、制振性能を高めた制振装置、及びそれを備えた建築材を提供する。内側筐体4と、弾性ダンパー10と、外側筐体2と、軸部材8と、固定部材16、18と、一端部12に押圧力が作用したとき、内側筐体4内において弾性ダンパー10を軸線方向に縮短させる第1押圧部材18と、第1押圧部材18により弾性ダンパー10が縮短したとき、内側筐体4内における弾性ダンパー10の軸線方向の変位規制する第1規制部材6と、一端部12に引張力が作用したとき、内側筐体4内において弾性ダンパー10を軸線方向に縮短させる第2押圧部材8aと、第2押圧部材8aにより弾性ダンパー10が縮短したとき、内側筐体4内における弾性ダンパー10の軸線方向の変位を規制する第2規制部材20とを備える。

目的

本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

内側筐体と、前記内側筐体の内面に緩嵌される弾性ダンパーと、前記内側筐体の外面に緩嵌される外側筐体と、前記内側筐体、前記弾性ダンパー、及び前記外側筐体に挿通され、一端部に押圧力又は引張力が作用する軸部材と、前記一端部を前記外側筐体に固定する固定部材と、前記一端部に押圧力が作用したとき、前記軸部材及び前記外側筐体の軸線方向の変位に伴い、前記内側筐体内において前記弾性ダンパーを前記軸線方向に縮短させる第1押圧部材と、前記第1押圧部材により前記弾性ダンパーが縮短したとき、前記内側筐体内における前記弾性ダンパーの前記軸線方向の変位を規制する第1規制部材と、前記一端部に引張力が作用したとき、前記軸部材及び前記外側筐体の前記軸線方向の変位に伴い、前記内側筐体内において前記弾性ダンパーを前記軸線方向に縮短させる第2押圧部材と、前記第2押圧部材により前記弾性ダンパーが縮短したとき、前記内側筐体内における前記弾性ダンパーの前記軸線方向の変位を規制する第2規制部材とを備える、制振装置

請求項2

前記第1及び第2規制部材は、前記弾性ダンパーが伸長したとき、前記内側筐体内における前記弾性ダンパーの軸線方向の変位を規制する、請求項1に記載の制振装置。

請求項3

前記弾性ダンパーは、その軸線方向における両端部がそれぞれ前記第1規制部材、前記第2規制部材に当接した状態において前記軸線方向に縮短されている、請求項2に記載の制振装置。

請求項4

前記第1規制部材と前記第2規制部材との前記軸線方向における離間距離を調整する調整機構を備える、請求項3に記載の制振装置。

請求項5

前記弾性ダンパーは、コイルばねと、前記コイルばねの両端が係止される一対のホルダとを有する、請求項1から4の何れか一項に記載の制振装置。

請求項6

前記弾性ダンパーを複数備える、請求項1から5の何れか一項に記載の制振装置。

請求項7

請求項1から6の何れか一項に記載の制振装置を備えた、建築材

請求項8

前記建築材は木造軸組構造を構成する筋交い材である、請求項7に記載の建築材。

技術分野

0001

本発明は、制振装置、及びそれを備えた建築材に関する。

背景技術

0002

建築物制振構造としては、例えば、柱と梁とから形成される軸組構造内に筋交い材を設け、筋交い材と軸組構造を構成する柱や梁との間に制振装置を設けることが知られている。この種の制振装置は、各種の可動プレート弾性ダンパーから構成され、軸組構造の変形に伴って弾性ダンパーを塑性変形させることで、地震によるエネルギ弾性減衰エネルギとして吸収し、制振効果を得ることができる。

0003

特許文献1には、弾性ダンパーを、軸組構造内の上下何れか一方側へ配置して、固定プレートを梁の中央部へ固定する一方、弾性ダンパーの配置側と反対側での柱と梁との仕口部に、略同じ長さの一対のブレース(筋交い材)の一端をそれぞれ固定して互いの中間部位で交差させ、両ブレースの他端を可動プレートに連結した、制振装置が開示されている。

先行技術

0004

特開2006−152722号公報

発明が解決しようとする課題

0005

このような制振装置は、多数のプレートリンク機構で連結した複雑な構造となり、製造コストがかかる。また、制振装置を固定するのみならず、一対の筋交い材に各可動プレートを連結しなければならないため、設置コストがかかる。また、軸組構造への加振時には、筋交い材に作用する引張力によって可動プレートが初めて動作する。このため、軸組構造への加振時に筋交い材に押し付け力押圧力)が作用した場合について格別な配慮がなされていない。

0006

本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡素な構造で且つ設置コストを低減しつつ、加振時に引張力と押圧力との双方を効果的に制振することができる、制振性能を高めた制振装置、及びそれを備えた建築材を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

上記目的を達成するため、本発明の制振装置は、内側筐体と、内側筐体の内面に緩嵌される弾性ダンパーと、内側筐体の外面に緩嵌される外側筐体と、内側筐体、弾性ダンパー、及び外側筐体に挿通され、一端部に押圧力又は引張力が作用する軸部材と、一端部を外側筐体に固定する固定部材と、一端部に押圧力が作用したとき、軸部材及び外側筐体の軸線方向の変位に伴い、内側筐体内において弾性ダンパーを軸線方向に縮短させる第1押圧部材と、第1押圧部材により弾性ダンパーが縮短したとき、内側筐体内における弾性ダンパーの軸線方向の変位を規制する第1規制部材と、一端部に引張力が作用したとき、軸部材及び外側筐体の軸線方向の変位に伴い、内側筐体内において弾性ダンパーを軸線方向に縮短させる第2押圧部材と、第2押圧部材により弾性ダンパーが縮短したとき、内側筐体内における弾性ダンパーの軸線方向の変位を規制する第2規制部材とを備える。

0008

好ましくは、前述した第1及び第2規制部材は、弾性ダンパーが伸長したとき、内側筐体内における弾性ダンパーの軸線方向の変位を規制する。
好ましくは、前述した弾性ダンパーは、その軸線方向における両端部がそれぞれ第1規制部材、第2規制部材に当接した状態において軸線方向に縮短されている。

0009

好ましくは、前述した第1規制部材と第2規制部材との軸線方向における離間距離を調整する調整機構を備える。
好ましくは、前述した弾性ダンパーは、コイルばねと、コイルばねの両端が係止される一対のホルダとを有する。
好ましくは、前述した弾性ダンパーを複数備える。

0010

一方、本発明の建築材は、前述の何れかの制振装置を備える。
好ましくは、前述した建築材は木造軸組構造を構成する筋交い材である。

発明の効果

0011

本発明の制振装置、及びそれを備えた建築材によれば、簡素な構造で且つ設置コストを低減しながら、加振時に引張力と押圧力との双方を制振することにより制振性能を高めることができる。

図面の簡単な説明

0012

本発明の第1実施形態に係る制振装置の(a)上面図、(b)側面図、(c)下面図である。
図1の制振装置の使用前調整を行った後の縦断面図である。
図2の制振装置に押圧力が作用したときの縦断面図である。
図2の制振装置に引張力が作用したときの縦断面図である。
本発明の第2実施形態に係る制振装置の(a)上面図、(b)縦断面図、(c)下面図である。
図5の制振装置を建築物の木造軸組構造に適用した場合の構造図である。
図6の木造軸組構造に水平方向の加振が行われた場合を示す構造図である。

実施例

0013

以下、図面に基づき本発明の各実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る制振装置1の(a)上面図、(b)側面図、(c)下面図を示す。制振装置1は、外側筐体2、内側筐体4、調整部材(第1規制部材、調整機構)6、及び軸部材8を備えている。

0014

図2は、制振装置1の使用前調整を行った後の縦断面図である。内側筐体4は、本実施形態の場合、断面円形をなす筒状であり、その内側には弾性ダンパー10が配置されている。外側筐体2、内側筐体4、調整部材6、弾性ダンパー10の長手方向は、軸部材8の軸線方向Xと一致している。このため、以降、軸線方向Xは、これらの部材2、4、6、10の長手方向と同じ意味で使用する。

0015

弾性ダンパー10は、内側筐体4の内面4aに緩嵌され、内側筐体4に対して軸線方向Xに移動可能である。図1(a)、(b)に示すように、外側筐体2は、本実施形態の場合、断面円形をなす筒状であり、その内側に内側筐体4の一部が配置されている。外側筐体2は、内側筐体4の外面4bに緩嵌され、内側筐体4に対して軸線方向Xに移動可能である。

0016

軸部材8は、調整部材6、内側筐体4、弾性ダンパー10、及び外側筐体2に挿通されている。軸部材8の一端部12には、図示しない制振対象物の加振による押圧力又は引張力が作用する。詳しくは、軸部材8の一端部12は、外側筐体2の外端部2Aに位置している。外端部2Aは、制振装置1において軸線方向Xで見て外側の一端に位置する。図2に示すように、外端部2Aには外側筐体2の径方向内側に環板状に突出した内フランジ部14が形成されている。

0017

軸部材8は、内フランジ部14を挿通され、内フランジ部14から一端部12が突出されている。本実施形態の場合、軸部材8は、ボルトであって、ヘッド(第2押圧部材)8aとねじ部8bとから構成されている。ヘッド8aは、内側筐体4の外端部4Aに位置している。外端部4Aは、制振装置1において軸線方向Xで見て、外端部2Aと反対側の外側の他端に位置する。一方、ねじ部8bの先端は、前述した一端部12である。一端部12には、ナット(固定部材)16が内フランジ部14に至るまで螺進される。

0018

外側筐体2内において、軸部材8の外面、すなわち、ねじ部8bには、位置決め部材(固定部材、第1押圧部材)18が緩嵌されている。位置決め部材18は、断面円形をなす筒状であり、内フランジ部14と弾性ダンパー10の一端部10aとに当接される。位置決め部材18は、制振装置1の作動中、内フランジ部14に対する弾性ダンパー10の離間距離L1を一定に保持するべく弾性ダンパー10の位置決めを行う。ナット16は、位置決め部材18が当接する内フランジ部14に至るまで螺進され、一端部12に締結される。これにより、軸部材8は、一端部12において外側筐体2に固定される。

0019

調整部材6は、図1(b)、(c)に示すように、本実施形態の場合、断面円形をなす筒状であり、その外面には雄ねじ部6aが形成されている。調整部材6は、弾性ダンパー10の他端部10bに当接されている。一方、内側筐体4には、外端部4Aと反対側に位置する内端部4Bの内側に、図1及び図2の状態において、弾性ダンパー10の一端部10aが当接するとともに内フランジ部14と離間する係止部(第2規制部材)20が形成されている。また、内側筐体4の外端部4Aにおける内面4aには、雌ねじ部(調整機構)4cが形成されている。

0020

内側筐体4の雌ねじ部4cに対して調整部材6の雄ねじ部6aを螺合し、その螺進量を変更することにより、調整部材6と係止部20との軸線方向Xにおける離間距離L2が調整される。一方、弾性ダンパー10は、コイルばね22と、弾性ダンパー10の一端部10aにおいてコイルばね22の一端が係止されるホルダ24aと、さらに、コイルばね22の他端が係止されるホルダ24bとから形成されている。

0021

ここで、図1に示す制振装置1は、制振装置1の出荷時の初期状態であり、調整部材6によってコイルばね22が自然長に伸長し切った離間距離L2に調整されている。この状態において、調整部材6と係止部20とは、弾性ダンパー10の両端部10a,10bに当接し、内側筐体4内における弾性ダンパー10の軸線方向Xの変位を規制している。

0022

一方、制振装置1の使用前調整が終わった図2に示す制振装置1においても、調整部材6と係止部20とは、弾性ダンパー10の両端部10a,10bにそれぞれ当接し、内側筐体4内における弾性ダンパー10の軸線方向Xの変位を規制している。さらに、図2の場合には、内側筐体4に対して調整部材6を螺進させたことにより、コイルばね22、ひいては弾性ダンパー10が軸線方向Xに縮短され、離間距離L2が図1の場合に比して短くなっている。

0023

すなわち、弾性ダンパー10の両端部10a、10bは、調整部材6と係止部20とに当接した状態において軸線方向Xに縮短されている。この離間距離L2は、内側筐体4に対する調整部材6の螺進長さL3を変更することにより調整可能である。そして、このように構成された制振装置1は、例えば、外側筐体2の外端部2Aが図示しない制振対象部材に接続される。一方、内側筐体4の外端部4A、又は調整部材6の外端部6Aが図示しない固定側部材に固定される。

0024

図3は、図2の制振装置1に押圧力が作用したときの縦断面図である。図3に示すように、外側筐体2の外端部2A、すなわち一端部12に、矢印方向の押圧力が作用したとき、この矢印方向への軸部材8及び外側筐体2の軸線方向Xの変位に伴い、位置決め部材18が内側筐体4内において弾性ダンパー10を軸線方向Xに縮短させる。このとき、弾性ダンパー10の一端部10aは係止部20から離間し、弾性ダンパー10の他端部10bは調整部材6に当接し、内フランジ部14に係止部20が当接する。

0025

このように、位置決め部材18により弾性ダンパー10が縮短されたときであっても、内側筐体4内における弾性ダンパー10の軸線方向Xの変位が調整部材6により規制される。すなわち、弾性ダンパー10は、位置決め部材18によって調整部材6に押し付けられることにより縮短し、この縮短に伴うコイルばね22の弾性力により一端部12に作用した押圧力が緩衝され、これより押圧加振の場合の制振が行われる。

0026

図4は、図2の制振装置1に引張力が作用したときの縦断面図である。図4に示すように、一端部12に矢印方向の引張力が作用したとき、この矢印方向への軸部材8及び外側筐体2の軸線方向Xの変位に伴い、ヘッド8aが内側筐体4内において弾性ダンパー10を軸線方向Xに縮短させる。このとき、弾性ダンパー10の一端部10aは係止部20に当接し、弾性ダンパー10の他端部10bは調整部材6から離間する。また、内フランジ部14から係止部20及び一端部10aが離間する。

0027

このように、ヘッド8aにより弾性ダンパー10が縮短されたときであっても、内側筐体4内における弾性ダンパー10の軸線方向Xの変位が調整部材6により規制される。すなわち、弾性ダンパー10は、ヘッド8aによって、係止部20に押し付けられることにより縮短され、この縮短に伴うコイルばね22の弾性力により一端部12に作用した引張力が緩衝され、これより引張加振の場合の制振が行われる。

0028

また、図3の状態である押圧加振が行われた直後に図4の状態である引張加振が行われた場合であっても、弾性ダンパー10の伸長ではなく、あくまでも押圧加振のときと同様、縮短に伴うコイルばね22の弾性力により一端部12に作用した引張力が緩衝される。これにより、加振による振動が減衰するまで、コイルばね22の伸長、縮短が長期にわたって繰り返される、いわゆるハンチングのような現象が防止される。従って、加振による振動を早期に減衰させることができるため、軸組構造の損傷を効果的に抑制することができる。

0029

以上のように本実施形態の制振装置1は、簡素な構造で且つ設置コストを低減しつつ、加振時に引張力と押圧力との双方を効果的に制振することができ、制振性能を高めることができる。具体的には、制振装置1の主たる構成部材は、内側筐体4、コイルばね22を有する弾性ダンパー10、外側筐体2、及び軸部材8であり、さらに、調整部材6、ナット16、及び位置決め部材18を有するだけである。これにより、簡素な構造の制振装置1を実現している。

0030

また、外側筐体2の外端部2Aを制振対象部材に接続する一方、内側筐体4の外端部4A、又は調整部材6の外端部6Aを固定側部材に固定するだけで制振装置1の設置を行うことができる。これにより、制振装置1の設置コストを低減することができる。

0031

さらに、軸部材8の一端部12を外側筐体2にナット16で固定したうえで、一端部12に押圧力が作用したときに弾性ダンパー10を位置決め部材18で縮短させるとともに弾性ダンパー10の変位を調整部材6で規制する。一方、一端部12に引張力が作用したときに弾性ダンパー10をヘッド8aで縮短させるとともに弾性ダンパー10の変位を内側筐体4の係止部20で規制する。これにより、加振時の引張力と押圧力との双方を、1つの弾性ダンパー10の縮短のみによって、効果的に制振することができ、制振性能を高めた制振装置1を提供することができる。

0032

また、図1に示したように、調整部材6及び係止部20は、弾性ダンパー10が伸長したとき、内側筐体4内における弾性ダンパー10の軸線方向Xの変位を規制する。これにより、コイルばね22を自然長のまま制振装置1を保管しておくことができるため、制振装置1の使用前において、コイルばね22、ひいては弾性ダンパー10の不要な負荷を排除することができる。従って、制振装置1の耐久性を向上することができる。また、内側筐体4内における弾性ダンパー10の不要ながたつきや、不要ながたつきに起因した制振装置1の破損を防止可能である。

0033

また、図2に示したように、弾性ダンパー10は、その軸線方向Xにおける両端部10a、10bがそれぞれ調整部材6、係止部20に当接した状態において軸線方向Xに縮短されている。これにより、調整後の制振装置1は、一端部12に押圧力も引張力も作用していない加振前の状態においても、弾性ダンパー10が作動し得る、すなわち、制振装置1が制振性能を発揮し得る状態になっている。従って、制振装置1は、加振時の初期振動を効果的に制振することができる。

0034

また、調整部材6と係止部20との軸線方向Xにおける離間距離L2を調整部材6により調整することができる。これにより、内側筐体4に対する調整部材6の螺進長さL3を変更するだけの簡単な作業により、制振装置1において、加振時の初期振動における制振性能を調整することができる。

0035

また、弾性ダンパー10は、コイルばね22と、コイルばね22の両端が係止される一対のホルダ24a、24bとから形成される。これにより、より一層簡素な構造で制振性能を高めた制振装置1を実現することができる。

0036

<第2実施形態>
以下、図5を参照して、第2実施形態に係る制振装置30について説明する。なお、以下の説明においては、第1実施形態と異なる特徴を主として説明し、第1実施形態と同様の特徴については、明細書又は図面に同符号を付して説明を省略し、或いは、記載自体を省略することがある。

0037

図5は、制振装置30の(a)上面図、(b)縦断面図、(c)下面図を示す。制振装置30は、図5(a)〜(c)に示すように、断面矩形角筒状又はコの字状をなす、外側筐体32、内側筐体34、調整部材36を有する。内側筐体34の内側には、第1実施形態の場合と同様の弾性ダンパー10が2つ配置されている。すなわち、制振装置30は、第1実施形態の制振装置1を実質的に2つ搭載し、制振装置1のほぼ2倍の制振性能を有している。

0038

調整部材36は、内側筐体34の外面に緩嵌され、調整部材36の側壁が内側筐体34に複数のねじ38で締結固定される。各ねじ38の先端は内側筐体34の内側に突出し、各弾性ダンパー10の他端部10b、つまりホルダ24bを係止している。各弾性ダンパー10は縮短された状態で各ねじ38に係止されている。

0039

このため、制振装置30は、押圧力も引張力も作用していない加振前の状態においても制振性能を発揮し得る状態になっている。なお、調整部材36を内側筐体34に締結する際に、各ねじ38をスライドさせながら締結可能となる図示しない長孔を内側筐体34に設けることにより、調整部材36に離間距離L2を調整可能な調整機構を設けることも可能である。

0040

図6は、制振装置30を建築物の木造軸組構造40に適用した場合の構造図を示す。木造軸組構造40は、例えば、対となる、柱42、梁44、筋交い材46等の建築材を軸組みすることにより建築物を支持する。図6に示す場合、制振装置30は、各筋交い材46の長手方向における下側部分46aにおいて、それぞれ筋交い材46の一部をなす形で接続されている。なお、制振装置30は、筋交い材46に内蔵する形で配置しても良い。

0041

また、制振装置30は、前述したように、各弾性ダンパー10が既に縮短されていることから、押圧力も引張力も作用していない加振前の状態においても、図6に示す破線矢印方向に各筋交い材46の上端部分46bの側を押圧する。従って、制振装置30は、加振時の初期振動を効果的に制振することができる。

0042

図7は、木造軸組構造40に水平方向の加振が行われた場合を示す。矢印方向の引張力が木造軸組構造40に作用したと仮定すると、図7において左側に位置する制振装置30では、筋交い材46が実線矢印方向に引っ張られることにより、制振装置30も実線矢印方向に引っ張られる。これにより、図4に示した場合と同様に、弾性ダンパー10が縮短され、この縮短に伴うコイルばね22の弾性力により引張力が緩衝され、これより引張加振の場合の制振が行われる。

0043

一方、図7において右側に位置する制振装置30では、筋交い材46が実線矢印方向に押し付けられることにより、制振装置30も実線矢印方向に押し付けられる。これにより、図3に示した場合と同様に、弾性ダンパー10が縮短され、この縮短に伴うコイルばね22の弾性力により押圧力が緩衝され、これより押圧加振の場合の制振が行われる。

0044

以上のように本実施形態の制振装置30は、第1実施形態の場合と同様に、簡素な構造で且つ設置コストを低減しつつ、加振時に引張力と押圧力との双方を効果的に制振することができ、制振性能を高めることができる。特に本実施形態の場合には、弾性ダンパー10が2つ配置されているため、引張力と押圧力との双方をより一層効果的に制振することができる。

0045

また、木造軸組構造40の建築材、特に筋交い材46ように、木造軸組構造40に作用する加振の方向に応じて引張力と押圧力との双方を制振する必要がある場合には、本実施形態の制振装置30の適用が好適である。

0046

本発明は上記各実施形態に制約されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、外側筐体2、内側筐体4、調整部材6、軸部材8、弾性ダンパー10の構成は、前述した形態に厳密に限定されるものではない。また、ヘッド8a、位置決め部材18、ナット16、係止部20、雌ねじ部4cは、制振装置1や制振装置30の前述した各機能を実現できるのであれば、これらの部位、部材を異なる形態としても良い。

0047

また、第2実施形態における制振装置30の場合、弾性ダンパー10は2つに限らず、3つ以上設けても良い。
また、制振装置30を適用する木造軸組構造40の建築材は、筋交い材46以外の建築材であっても良い。また、制振装置1、30は、制振性能が要求されるその他の装置、構造にも適用可能である。

0048

1制振装置
2外側筐体
4内側筐体
4a内面
4b 外面
4c雌ねじ部(調整機構)
6調整部材(第1規制部材、調整機構)
8軸部材
8aヘッド(第2押圧部材)
10弾性ダンパー
12 一端部
16ナット(固定部材)
18位置決め部材(固定部材、第1押圧部材)
20係止部(第2規制部材)
22コイルばね
24a、24bホルダ
40木造軸組構造
46建築材、筋交い材

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社竹中工務店の「 建物」が 公開されました。( 2020/06/04)

    【課題】地震時にスロープから建物躯体に引張力が入力され難い建物を提供する。【解決手段】建物は、建物躯体(梁14)と、長手方向の一部分が建物躯体に接合され、他の部分が建物躯体に滑り支承50を介して載置さ... 詳細

  • 田村まりの「 ヘッドシェル及びその製造方法」が 公開されました。( 2020/06/04)

    【課題】防振効果に優れ、簡易に着脱可能なヘッドシェルを提供すること。【解決手段】導電性プラスチックで成形されたヘッドシェル本体1の上下面に着脱可能なゲル状のアブソーバー4を備え、ピックアップカートリッ... 詳細

  • 日立化成株式会社の「 金属制振材料」が 公開されました。( 2020/06/04)

    【課題】制振性能に優れる金属制振材料を提供することである。【解決手段】金属基地と、気孔部とを含む多孔質金属材料によって形成され、多孔質金属材料の気孔部に、金属基地と異なる無機材料が含まれる、金属制振材... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ