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技術 インクジェット捺染用前処理液、捺染物の製造方法及びインクジェット捺染用インクセット

出願人 理想科学工業株式会社
発明者 甲こころ林暁子山崎貴久魚住俊介
出願日 2018年5月18日 (2年7ヶ月経過) 出願番号 2018-096019
公開日 2019年11月21日 (1年1ヶ月経過) 公開番号 2019-199670
状態 未査定
技術分野 繊維製品への有機化合物の付着処理 インキ、鉛筆の芯、クレヨン 染色 インクジェット(インク供給、その他)
主要キーワード 会社マスター 自己乳化型樹脂 中空樹脂微粒子 粒子電荷 ブリリアントカーミン6B 表面電荷量 黒色ベタ画像 処理液全量
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課題

捺染物の湿潤摩擦による退色の抑制と捺染物の画像濃度の向上とが可能なインクジェット捺染用前処理液を提供する。

解決手段

セルロース繊維を含む布帛に、顔料及び水を含むインクジェット捺染用インクを用いてインクジェット記録法により画像を形成するインクジェット捺染用前処理液であって、水、及び、重量平均分子量が50,000以上のセルロース系高分子を含む、インクジェット捺染用前処理液。

概要

背景

布帛文字、絵、図柄等の画像を捺染する方法として、顔料インクを用いたダイレクト
方式のインクジェット捺染方法が注目されている。

布帛はインクの吸収性が高く、顔料が布帛表層に残りにくいため、顔料インクを用いた
インクジェット捺染方法では、発色性が低くなりやすい傾向がある。
特許文献1は、発色性が高い印捺物を得る手段として、インクを布帛に印捺する前に、
布帛に、カチオンポリマーを含む前処理剤によって前処理を行うことを開示している。
特許文献2は、水溶性多価金属塩、及びカルボキシメチルセルロース等を含む処理液
及び、この処理液を用いた、画像濃度が高く、インク塗膜耐久性等に優れたインクジェ
ット捺染方法を開示している。

水性顔料インクでは、一般に疎水性の顔料に親水基吸着させて水分散性を高めている
ため、顔料は水になじみやすく、捺染物を湿潤摩擦すると退色が生じやすい傾向がある。
捺染物の堅牢性については、特許文献3は、インクジェット捺染加工中、前処理にて布
帛に形成したインク受容層が、布帛の伸び縮みや搬送などによる振動により布帛から脱落
することを防ぐ手段として、カルボキシメチルセルロースを含む処理液でインク受容層を
設けることを開示し、このインク受容層を設けた布帛に染料を含むインクを用いて捺染物
を得ることを開示している。

概要

捺染物の湿潤摩擦による退色の抑制と捺染物の画像濃度の向上とが可能なインクジェット捺染用前処理液を提供する。セルロース繊維を含む布帛に、顔料及び水を含むインクジェット捺染用インクを用いてインクジェット記録法により画像を形成するインクジェット捺染用前処理液であって、水、及び、重量平均分子量が50,000以上のセルロース系高分子を含む、インクジェット捺染用前処理液。なし

目的

本発明の一目的は、捺染物の湿潤摩擦による退色の抑制と捺染物の画像濃度の向上とが
可能なインクジェット捺染用前処理液、並びに、捺染物の湿潤摩擦による退色の抑制と捺
染物の画像濃度の向上とが可能な、捺染物の製造方法及び捺染用インクセットを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

セルロース繊維を含む布帛に、顔料及び水を含むインクジェット捺染用インクを用いてインクジェット記録法により画像を形成するインクジェット捺染用前処理液であって、水、及び、重量平均分子量が50,000以上のセルロース系高分子を含む、インクジェット捺染用前処理液。

請求項2

水分散性樹脂をさらに含む、請求項1に記載のインクジェット捺染用前処理液。

請求項3

前記インクジェット捺染用前処理液全量に対する、前記セルロース系高分子の含有量(質量%)をA 、前記水分散性樹脂の含有量(質量%)をBとしたとき、下記式(1)及び(2)を満たす、請求項2に記載のインクジェット捺染用前処理液。式(1)2.0<A+B<15.0式(2)0.5<B/A<15.0

請求項4

前記水分散性樹脂が、カチオン性の水分散性樹脂を含む、請求項2又は3に記載のインクジェット捺染用前処理液。

請求項5

前記水分散性樹脂が、カチオン性の水分散性ウレタン樹脂を含む、請求項2〜4のいずれか1項に記載のインクジェット捺染用前処理液。

請求項6

前記セルロース系高分子が、ヒドロキシプロピルメチルセルロースヒドロキシエチルメチルセルロース、及びメチルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット捺染用前処理液。

請求項7

請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット捺染用前処理液を、セルロース繊維を含む布帛に付与する工程と、前記インクジェット捺染用前処理液が付与された布帛に、顔料及び水を含むインクジェット捺染用インクを用いてインクジェット記録法により画像を形成する工程とを含む、捺染物の製造方法。

請求項8

請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット捺染用前処理液と、顔料及び水を含むインクジェット捺染用インクとを含み、セルロース繊維を含む布帛用である、インクジェット捺染用インクセット

技術分野

0001

本発明の実施形態は、インクジェット捺染用前処理液捺染物の製造方法、及びインク
ジェット捺染用インクセットに関する。

背景技術

0002

布帛文字、絵、図柄等の画像を捺染する方法として、顔料インクを用いたダイレクト
方式のインクジェット捺染方法が注目されている。

0003

布帛はインクの吸収性が高く、顔料が布帛表層に残りにくいため、顔料インクを用いた
インクジェット捺染方法では、発色性が低くなりやすい傾向がある。
特許文献1は、発色性が高い印捺物を得る手段として、インクを布帛に印捺する前に、
布帛に、カチオンポリマーを含む前処理剤によって前処理を行うことを開示している。
特許文献2は、水溶性多価金属塩、及びカルボキシメチルセルロース等を含む処理液
及び、この処理液を用いた、画像濃度が高く、インク塗膜耐久性等に優れたインクジェ
ット捺染方法を開示している。

0004

水性顔料インクでは、一般に疎水性の顔料に親水基吸着させて水分散性を高めている
ため、顔料は水になじみやすく、捺染物を湿潤摩擦すると退色が生じやすい傾向がある。
捺染物の堅牢性については、特許文献3は、インクジェット捺染加工中、前処理にて布
帛に形成したインク受容層が、布帛の伸び縮みや搬送などによる振動により布帛から脱落
することを防ぐ手段として、カルボキシメチルセルロースを含む処理液でインク受容層を
設けることを開示し、このインク受容層を設けた布帛に染料を含むインクを用いて捺染物
を得ることを開示している。

先行技術

0005

特開2011-168912号公報
国際公開第2009/084600号
特開2007−217829号公報

発明が解決しようとする課題

0006

特許文献1は、カチオンポリマーを含む前処理剤を用いることを記載し、特許文献2は
多価金属塩を含む前処理剤を用いることを記載している。しかしながらカチオンポリマー
および多価金属塩は水溶性のため、これらを含む前処理液で処理した場合、湿潤摩擦によ
る退色の抑制が不十分であるという問題がある。
また、特許文献3の開示する技術は、顔料インクに適用した場合に、画像濃度が不十分
であるという問題がある。
本発明の一目的は、捺染物の湿潤摩擦による退色の抑制と捺染物の画像濃度の向上とが
可能なインクジェット捺染用前処理液、並びに、捺染物の湿潤摩擦による退色の抑制と捺
染物の画像濃度の向上とが可能な、捺染物の製造方法及び捺染用インクセットを提供する
ことである。

課題を解決するための手段

0007

本発明の一実施形態によれば、セルロース繊維を含む布帛に、顔料及び水を含むインク
ジェット捺染用インクを用いてインクジェット記録法により画像を形成するインクジェッ
ト捺染用前処理液であって、水、及び、重量平均分子量が50,000以上のセルロース
系高分子を含む、インクジェット捺染用前処理液が提供される。
本発明の他の実施形態によれば、前記インクジェット捺染用前処理液を、セルロース繊
維を含む布帛に付与する工程と、前記インクジェット捺染用前処理液が付与された布帛に
、顔料及び水を含むインクジェット捺染用インクを用いてインクジェット記録法により画
像を形成する工程とを含む、捺染物の製造方法が提供される。
本発明の他の実施形態によれば、前記インクジェット捺染用前処理液と、顔料及び水を
含むインクジェット捺染用インクとを含み、セルロース繊維を含む布帛用である、インク
ジェット捺染用インクセットが提供される。

発明の効果

0008

本発明の実施形態により、捺染物の湿潤摩擦による退色の抑制と捺染物の画像濃度の向
上が可能なインクジェット捺染用前処理液を提供することができる。
本発明の他の実施形態により、捺染物の湿潤摩擦による退色の抑制と捺染物の画像濃度
の向上が可能な、捺染物の製造方法を提供することができる。
本発明の他の実施形態により、捺染物の湿潤摩擦による退色の抑制と捺染物の画像濃度
の向上が可能な、捺染用インクセットを提供することができる。

0009

以下、本発明の実施形態を詳しく説明するが、本発明がこれらの実施形態に限定される
ことはなく、様々な修正や変更を加えてもよいことは言うまでもない。

0010

<前処理液>
実施形態のインクジェット捺染用前処理液は、セルロース繊維を含む布帛に、顔料及び
水を含むインクジェット捺染用インクを用いてインクジェット記録法により画像を形成す
るインクジェット捺染用前処理液であって、水、及び、重量平均分子量が50,000以
上のセルロース系高分子を含む、インクジェット捺染用前処理液である。
以下、「インクジェット捺染用前処理液」を、単に「前処理液」という場合がある。ま
た、「インクジェット捺染用インク」を、単に「インク」という場合がある。

0011

この前処理液により、捺染物の湿潤摩擦による退色の抑制と捺染物の画像濃度の向上と
が可能となる。
特定の理論に拘束されるものではないが、その理由として、この前処理液がセルロ
ス繊維を含む布帛に付与されることで、前処理液に含まれるセルロース系高分子の水酸基
と布帛のセルロース繊維の水酸基との相互作用により、布帛との接着強度が高い皮膜が布
帛上に形成され、分子量の大きいセルロース系高分子を使用することで、布帛上に形成さ
れる前処理液の皮膜の破断強度がさらに高まり、アンカー効果により接着強度が向上する
ためと考えられる。さらにこの皮膜は、分子量の大きいセルロースによって耐水性が高い
と推測できる。布帛との接着強度及び耐水性が高い皮膜が形成されることで、摩擦による
皮膜の剥離が抑制されるとともに、水分により皮膜が膨潤してもろくなり破壊することが
低減され、さらに、皮膜により、摩擦による布帛自体のダメージも低減されると考えられ
る。このようにして、湿潤摩擦により皮膜が剥がれ落ちて退色することが抑制されると考
えられる。
また、このようにして、皮膜が布帛上に形成されると、布帛表面の空隙が皮膜により埋
められ、インクの顔料が布帛表層に残りやすくなり、画像濃度が向上すると考えられる。

0012

前処理液は、布帛にインクを用いてインクジェット記録法により画像を形成する前に、
布帛に付与することができる。
前処理液は、重量平均分子量が50,000以上のセルロース系高分子を含むことが好
ましい。
セルロース系高分子の重量平均分子量は、湿潤摩擦による退色の抑制の観点から、50
,000以上が好ましく、60,000以上がより好ましく、70,000以上がさらに
好ましい。セルロース系高分子の重量平均分子量が50,000以上であるとき、耐水性
及び布帛との接着強度の高い皮膜を布帛上に形成し、湿潤摩擦による退色の抑制を可能と
すると考えられる。
セルロース系高分子の重量平均分子量は、例えば、5,000,000以下であってよ
く、1,000,000以下であってよい。
セルロース系高分子の重量平均分子量は粘度法で得られた値である。

0013

重量平均分子量が50,000以上のセルロース系高分子としては、例えば、ヒドロキ
エチルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロースヒドロキシエチルメチル
ルロース、メチルセルロース等を用いることができる。
湿潤摩擦による退色の抑制のさらなる向上の点から、重量平均分子量が50,000以
上のセルロース系高分子としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシ
チルメチルセルロース、メチルセルロースが好ましい。これらは、皮膜の耐水性を更に高
め、湿潤摩擦による退色の抑制をさらに向上させ得ると考えられる。一実施形態において
、重量平均分子量が50,000以上のセルロース系高分子が、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、及びメチルセルロースからなる群か
ら選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。

0014

重量平均分子量50,000以上のセルロース系高分子としては、市販品を用いること
ができる。重量平均分子量50,000以上のセルロース系高分子の市販品としては、例
えば、三晶株式会社製のSANHEC L(ヒドロキシエチルセルロース重量平均分子
量90,000)、SANHEC M(ヒドロキシエチルセルロース、重量平均分子量
720,000)、信越化学工業株式会社のメトローズ65SH−50(ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース、重量平均分子量100,000)、メトローズ65SH−400
(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、重量平均分子量170,000)、メトローズ
SEB−04T(ヒドロキシエチルメチルセルロース、重量平均分子量300,000)
、メトローズSM−15(メチルセルロース、重量平均分子量70,000)、メトロ
ズSM−100(メチルセルロース、重量平均分子量120,000)、メトローズSM
−400(メチルセルロース、重量平均分子量170,000)等が挙げられる。

0015

重量平均分子量が50,000以上のセルロース系高分子は、1種を単独で用いてもよ
く、2種以上を組合せて用いてもよい。
前処理液中の重量平均分子量が50,000以上のセルロース系高分子の量は、前処理
液の皮膜によって布帛の表面を十分に被覆し、布帛と前処理液の皮膜との接着強度を高め
て湿潤摩擦による退色を抑制する点から、前処理液全量に対して、0.2質量%以上が好
ましく、1.0質量%以上がさらに好ましく、2.0質量%以上がさらに好ましい。また
、前処理液中の重量平均分子量が50,000以上のセルロース系高分子の量は、前処理
液が皮膜を形成する際のレベリングを生じやすくして前処理液の皮膜の表面を均一にし、
インクの皮膜と前処理液の皮膜との接着強度を高めて湿潤摩擦による退色を抑制する点か
ら、前処理液全量に対して、10.0質量%以下が好ましく、8.0質量%以下がさらに
好ましい。

0016

前処理液は、水性溶媒として主に水を含むことが好ましい。水としては、特に制限され
ないが、例えば、イオン交換水蒸留水超純水等が挙げられる。
水は、前処理液中に、前処理液全量に対して60質量%以上含まれることが好ましく、
65質量%以上含まれることがより好ましい。前処理液中の水の含有量は、例えば、99
質量%以下であってよく、95質量%以下であってよく、90質量%以下であってよい。

0017

前処理液は、水分散性樹脂を含むことが好ましい。
水分散性樹脂は、水に溶解することなく粒子状に分散して、水中油(O/W)型のエマ
ルションを形成できるものである。
前処理液に水分散性樹脂を加えることで、布帛と皮膜との接着強度をさらに向上させる
ことができると考えられる。また、水分散性樹脂は水に不溶であり、得られた皮膜耐水性
が高い傾向がある。これらにより、湿潤摩擦による退色をさらに抑制することが可能にな
ると考えられる。

0018

水分散性樹脂の例としては、水分散性ウレタン樹脂水分散性アクリル樹脂、水分散性
酢酸ビニル樹脂、水分散性スチレン・(メタアクリル樹脂、水分散性塩化ビニル樹脂
水分散性ポリアミド樹脂等が挙げられる。
ウレタン樹脂は、ウレタン骨格を有するが、ウレタン樹脂としては、ウレタン結合以外
に、主鎖にエーテル結合を含むポリエーテル型ウレタン樹脂、主鎖にエステル結合を含む
ポリエステル型ウレタン樹脂、主鎖にカーボネート結合を含むポリカーボネート型ウレタ
樹脂、などを使用できる。

0019

水分散性樹脂としては、例えば、カチオン性アニオン性ノニオン性のいずれを用い
てもよい。
カチオン性の水分散性樹脂は、粒子の表面がプラス帯電した、正電荷を帯びた樹脂粒
子を形成できる。自己乳化型樹脂のように、樹脂が有するカチオン性の官能基が粒子表面
に存在するものでもよいし、樹脂粒子表面にカチオン性の分散剤を付着させる等の表面処
理されたものでもよい。カチオン性の官能基は、代表的には第1級、第2級又は第3級ア
ミノ基、ピリジン基イミダゾール基ベンズイミダゾール基トリアゾール基ベンゾ
トリアゾール基、ピラゾール基、又はベンゾピラゾール基等であり、カチオン性の分散剤
は、例えば、1級、2級、3級又は4級アミノ基含有アクリルポリマーポリエチレン
ミン、カチオン性ポリビニルアルコール樹脂、カチオン性水溶性多分岐ポリエステルアミ
ド樹脂等である。
カチオン性水分散性樹脂の表面電荷量は、粒子電荷計で評価することができる。カチオ
性樹脂の表面電荷量は、+50eq/g以上であることが好ましく、+80eq/g以
上であることがさらに好ましい。粒子電荷計としては、日本ルフト株式会社製コロイド
電荷量計Model CAS等を用いることができる。
アニオン性水分散性樹脂は、樹脂粒子の表面がマイナスに帯電した、負電荷を帯びた樹
脂粒子を形成できる。自己乳化型樹脂のように、樹脂が有するアニオン性の官能基が粒子
表面に存在するものでもよいし、樹脂粒子表面にアニオン性の分散剤を付着させる等の表
面処理がされたものでもよい。アニオン性の官能基は、代表的にはカルボキシ基スルホ
基等であり、アニオン性の分散剤は、例えば、アニオン性界面活性剤等である。
アニオン性水分散性樹脂の表面電荷量は、粒子電荷計で評価することができる。アニ
ン性水分散性樹脂の表面電荷の表面電荷量は、−30eq/g以上であることが好ましく
、−60eq/g以上であることがさらに好ましい。粒子電荷計としては、日本ルフト株
式会社製コロイド粒子電荷量計Model CAS等を用いることができる。

0020

画像濃度のさらなる向上の点から、水分散性樹脂としては、カチオン性の水分散性樹脂
が好ましい。カチオン性の水分散性樹脂の正電荷により顔料表面の負電荷が中和されて顔
料が凝集し、凝集した顔料は布帛の表層に残りやすくなり、画像濃度が高まると考えられ
る。
なかでもカチオン性の水分散性ウレタン樹脂がより好ましく、水分散性樹脂は、カチオ
ン性の水分散性ウレタン樹脂を含むことがより好ましい。

0021

水分散性樹脂のガラス転移温度は、特に限定されないが、−40℃以上が好ましく、−
20℃以上がより好ましい。ガラス転移温度がこの範囲のとき、アンカー効果により接着
強度がさらに高まり、湿潤摩擦による退色をさらに抑制することが可能になると考えられ
る。
水分散性樹脂のガラス転移温度は、例えば、50℃以下であってよい。

0022

水分散性樹脂としては、市販品を用いることができる。市販品の例として、例えば、第
一工業製薬株式会社のスーパーフレックス620(カチオン性の水分散性ポリエステル
ウレタン樹脂、ガラス転移温度43℃)、スーパーフレックス650(カチオン性の水分
散性ポリカーボネート型ウレタン樹脂、ガラス転移温度−17℃)、スーパーフレックス
500M(ノニオン性の水分散性ポリエステル型ウレタン樹脂、ガラス転移温度−39℃
)、日本合成化学工業株式会社のモビニール7820(カチオン性の水分散性アクリル
脂、ガラス転移温度4℃)、モビニール3500(カチオン性の水分散性酢酸ビニル樹脂
、ガラス転移温度30℃)、第一工業製薬株式会社のスーパーフレックス150(アニオ
ン性の水分散性ポリエステル・ポリエーテル型ウレタン樹脂、ガラス転移温度40℃)、
スーパーフレックス210(アニオン性の水分散性ポリエステル型ウレタン樹脂、ガラス
転移温度41℃)、スーパーフレックス420(アニオン性の水分散性ポリカーボネート
型ウレタン樹脂、ガラス転移温度−10℃)、スーパーフレックス460(アニオン性の
水分散性ポリカーボネート型ウレタン樹脂、ガラス転移温度−21℃)、スーパーフレ
クス470(アニオン性の水分散性ポリカーボネート型ウレタン樹脂、ガラス転移温度−
31℃)、スーパーフレックス740(アニオン性の水分散性ポリエステル型ウレタン
脂、ガラス転移温度−34℃)、スーパーフレックス820(アニオン性の水分散性ポリ
エステル型ウレタン樹脂、ガラス転移温度46℃)、スーパーフレックス860(アニオ
ン性の水分散性ポリエステル型ウレタン樹脂、ガラス転移温度36℃)、スーパーフレッ
クスE−2000(ノニオン性の水分散性ポリエステル型ウレタン樹脂、ガラス転移温度
−38℃)、スーパーフレックスE−4800(ノニオン性の水分散性ポリエーテル型ウ
タン樹脂、ガラス転移温度−68℃)等が挙げられる。

0023

水分散性樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
前処理液中の水分散性樹脂の量は、湿潤摩擦による退色の抑制のさらなる向上の点から
、前処理液全量に対して、1.0質量%以上が好ましく、1.5質量%以上がより好まし
い。また、前処理液中の水分散性樹脂の量は、湿潤摩擦による退色の抑制のさらなる向上
の点から、前処理液全量に対して、20.0質量%以下が好ましく、15.0質量%以下
がさらに好ましい。

0024

湿潤摩擦時の退色をさらに抑制する観点から、前処理液全量に対する重量平均分子量が
50,000以上のセルロース系高分子の含有量(質量%)をA、前処理液全量に対する
水分散性樹脂の含有量(質量%)をBとした場合、2.0<A+B<15.0を満たすこ
とが好ましい。A+Bが2.0より大きいとき、前処理液の皮膜と布帛との接着強度がさ
らに向上し、湿潤摩擦時の退色がさらに抑制されやすい。A+Bが15.0より小さいと
き、前処理液の粘度があまり高くならないため、アンカー効果による接着強度の向上効果
が得やすく、湿潤摩擦時の退色がさらに抑制されやすいと考えられる。A+Bは、2.5
以上がより好ましい。また、A+Bは、14.5以下がより好ましく、14.0以下がさ
らに好ましい。
前処理液全量に対する重量平均分子量が50,000以上のセルロース系高分子の含有
量(質量%)Aに対する、前処理液全量に対する水分散性樹脂の含有量(質量%)Bの比
B/Aは、0.5<B/A<15.0を満たすことが好ましい。B/Aが0.5より大き
いとき、布帛と処理液皮膜の接着強度向上効果が得られやすく、湿潤摩擦時の退色がさら
に抑制されやすい。B/Aが15.0より小さいとき、前処理液の皮膜の耐水性を確保し
やすく、湿潤摩擦時の退色がさらに抑制されやすい。B/Aは、1.0以上がより好まし
く、1.2以上がさらに好ましい。また、B/Aは、14.0以下がより好ましく、13
.0以下がさらに好ましい。

0025

湿潤摩擦時の退色をさらに抑制する観点から、前処理液全量に対する重量平均分子量が
50,000以上のセルロース系高分子の含有量(質量%)A、前処理液全量に対する水
分散性樹脂の含有量(質量%)Bは、2.0<A+B<15.0、及び、0.5<B/A
<15.0を満たすことがより好ましい。

0026

前処理液は、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤としては、インクに使用できる
ものと同様のものを1種または2種以上選択して用いることができる。
前処理液中の界面活性剤の量は、前処理液全量に対して、0.1質量%以上が好ましく
、0.3質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましい。前処理液中の
界面活性剤の量は、前処理液全量に対して、30質量%以下が好ましく、20質量%以下
が好ましく、10質量%以下が好ましい。

0027

前処理液は、必要に応じて、例えば、水溶性有機溶剤消泡剤pH調整剤酸化防止
剤、防腐剤等の他の成分を含有してもよい。

0028

前処理液の製造方法は、特に限定されず、公知の方法により適宜製造することができる
。例えば、公知の攪拌機に全成分を一括又は分割して投入して撹拌して調製できる。

0029

本実施形態の前処理液は、セルロース繊維を含む布帛に、顔料及び水を含むインクジェ
ット捺染用インクを用いてインクジェット記録法により画像を形成するインクジェット
染用として好ましく用いることができる。
ここで、前処理液とともに用いることができる、セルロース繊維を含む布帛、及びイン
クジェット捺染用インクについて説明する。

0030

布帛は、セルロース繊維を含むことが好ましい。布帛としては、織物編物、または不
織布等が挙げられる。セルロース繊維としては、公知のものであればどのようなものでも
用いることができ、例えば、綿、レーヨンテンセルキュプラ等を用いることができる
。セルロース繊維の他に、例えばポリエステル繊維ナイロン繊維等の他種繊維混紡
混繊、交撚、交織、交編されたものでも良いが、画像濃度の向上及湿潤摩擦時の退色の抑
制がより発揮されやすい点から、布帛としては、セルロース繊維を50質量%以上含む布
帛が好ましく、セルロース繊維を75質量%以上含む布帛がより好ましい。セルロース繊
維100質量%であってもよい。

0031

インクジェット捺染用インクは、顔料及び水を含むことが好ましい。

0032

顔料は、当該技術分野で一般に用いられているものを任意に使用することができる。
顔料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
顔料の配合量は、使用する顔料の種類によっても異なるが、発色等の観点から、インク
中に、インク全量に対して0.1〜30質量%程度含まれていることが好ましく、0.1
〜15質量%であることがより好ましい。

0033

非白色の顔料としては、たとえば、アゾ系、フタロシアニン系、染料系縮合多環系
ニトロ系、ニトロソ系等の有機顔料ブリリアントカーミン6BレーキレッドCウォ
チングレッド、ジスアゾイエロー、ハンザイエロー、フタロシアニンブルーフタロシ
アニングリーンアルカリブルーアニリンブラック等);コバルト、鉄、クロム、銅、
亜鉛、鉛、チタンバナジウムマンガンニッケル等の金属類金属酸化物および硫化
物、ならびに黄土群青紺青等の無機顔料ファーネスカーボンブラックランプブラ
ック、アセチレンブラックチャンネルブラック等のカーボンブラック類を用いることが
できる。これらの顔料の平均粒径は、発色性の観点から50nm以上であることが好まし
く、吐出定性の観点から500nm以下であることが好ましい。これらの顔料の平均粒
径は、例えば、50〜500nmであることが好ましく、50〜200nmであることが
より一層好ましい。

0034

白色顔料としては、酸化チタン亜鉛華硫化亜鉛酸化アンチモン酸化ルコニウ
ムなどの無機顔料が挙げられる。無機顔料以外に、中空樹脂微粒子や、高分子微粒子を使
用することもできる。中でも、隠蔽力の観点から、酸化チタンを使用することが好ましい
。酸化チタンの平均粒径は、隠蔽性の観点から50nm以上であることが好ましく、吐出
安定性の観点から500nm以下であることが好ましい。酸化チタンを使用する場合は、
光触媒作用を抑制するために、アルミナシリカ表面処理されたものを使用することが
好ましい。表面処理量は、顔料中に5〜20質量%程度であることが好ましい。

0035

インク中に顔料を安定に分散させるために、高分子分散剤界面活性剤型分散剤に代表
される顔料分散剤を使用することが好ましい。
高分子分散剤としては、たとえば市販品として、EVONIK社製のTEGディスパ
スシリーズ(TEGOディスパース740W、TEGOディスパース750W、TEG
Oディスパース755W、TEGOディスパース757W、TEGOディスパース760
W)、日本ルーブリゾール株式会社製のソルスパースシリーズ(ソルスパース20000
、ソルスパース27000、ソルスパース41000、ソルスパース41090、ソルス
パース43000、ソルスパース44000、ソルスパース46000)、ジョンソン
リマー社製のジョンクリルシリーズ(ジョンクリル57、ジョンクリル60、ジョンクリ
ル62、ジョンクリル63、ジョンクリル71、ジョンクリル501)、BYK製のDI
SPERBYK−102、DISPERBYK−185、DISPERBYK−190、
DISPERBYK−193、DISPERBYK−199、第一工業製薬株式会社製の
ポリビニルピロリドンK−30、ポリビニルピロリドンK−90等が挙げられる。
界面活性剤型分散剤としては、たとえば、花王株式会社製デモールシリーズ(デモール
EP、デモールN、デモールRN、デモールNL、デモールRNL、デモールT−45)
などのアニオン性界面活性剤、花王株式会社製エマルゲンシリーズ(エマルゲンA−60
、エマルゲンA−90、エマルゲンA−500、エマルゲンB−40、エマルゲンL−4
0、エマルゲン420)などの非イオン性界面活性剤が挙げられる。

0036

これらの顔料分散剤は、複数種を組み合わせて使用することもできる。
顔料分散剤を使用する場合のインク中の配合量は、その種類によって異なり特に限定は
されないが、一般に、有効成分(固形分量)の質量比で顔料1に対し、0.005〜0.
5の範囲で使用されることが好ましい。

0037

顔料表面を親水性官能基で修飾した自己分散顔料を使用してもよい。自己分散顔料の市
販品としては、たとえば、富士色素株式会社製FUJI SPBLACK8154、
キャボット社製CAB−O−JETシリーズ(CAB−O−JET200、CAB−O−JET300、CAB−O−JET250C、CAB−O−JET260M、CAB−O−JET270)、オリヱント化学株式会社製BONJET BLACK CW−1S、CW−2、CW−3などが挙げられる。
顔料を樹脂で被覆したマイクロカプセル化顔料を使用してもよい。

0038

インクは、水性溶媒として主に水を含むことが好ましい。水としては、特に制限されな
いが、イオン成分をできる限り含まないものが好ましい。特に、インクの保存安定性の観
点から、カルシウム等の多価金属イオンの含有量が低いことが好ましい。水としては、例
えば、イオン交換水、蒸留水、超純水等が挙げられる。
水は、粘度調整の観点から、インク中に、インク全量に対して20質量%〜80質量%
含まれていることが好ましく、30質量%〜70質量%含まれていることがより好ましい

0039

インクは、水溶性有機溶剤を含有することが好ましい。
水溶性有機溶剤としては、粘度調整と保湿効果の観点から、室温で液体であって水に溶
解可能な水溶性有機溶剤が好ましい。たとえば、メタノールエタノール、1−プロパノ
ール、イソプロパノール、1−ブタノール2−ブタノールイソブタノール、t−ブタ
ノール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール
、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2−メチル−2−プロパノー
ル等の低級アルコール類;エチレングリコールジエチレングリコールトリエチレン
リコールテトラエチレングリコールペンタエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコールトリプロピレングリコールブチレングリコール等のグリ
コール類;グリセリンジグリセリン等のグリセリン類アセチン類(モノアセチン、ジ
アセチン、トリアセチン);ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテルジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ
ルモノエチルエーテルアセテートトリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリ
エチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル
トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチル
テル、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールモノ
メチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコ
ルモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレン
グリコールジエチルエーテルプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノn‐ブチルエーテル等のグリコール類誘導体トリエタノールアミン、2−ピロ
ドン、1−メチル−2−ピロリドン、β−チオジグリコールスルホラン、メチルエチ
ルケトン酢酸エチル等を用いることができる。平均分子量200、300、400、6
00等の平均分子量が190〜630の範囲にあるポリエチレングリコール、平均分子量
400等の平均分子量が200〜600の範囲にあるジオールポリプロピレングリコー
ル、平均分子量300、700等の平均分子量が250〜800の範囲にあるトリオール
ポリプロピレングリコール、等の低分子量ポリアルキレングリコールを用いることもで
きる。

0040

これらの水溶性有機溶剤は、単独で、または2種以上を組み合わせて使用することがで
きる。
水溶性溶剤は、粘度調整と保湿効果の観点から、インク中に、インク全量に対して、1
〜80質量%含まれていることが好ましく、1〜60質量%であることがより好ましく、
例えば、1〜50質量%、5〜40質量%であってよい。

0041

インクは、水分散性樹脂を含有することが好ましい。水分散性樹脂としては、例えば、
前述の前処理液が含むことができる水分散性樹脂として説明したものを1種または2種以
上を組み合わせて用いることができる。水分散性樹脂としては、アニオン性、カチオン性
、ノニオン性のいずれでものよく、アニオン性水分散性樹脂が好ましい。

0042

インク中の水分散性樹脂の量は、インク全量に対して、0.1質量%以上が好ましく、
1質量%以上がより好ましい。また、インク中の水分散性樹脂の量が、インク全量に対し
て、20質量%以下が好ましく、10質量%以下が好ましい。

0043

インクは、その他の成分を適宜含んでもよい。その他の成分としては、表面張力調整剤
(界面活性剤)、酸化防止剤、防腐剤、架橋剤等が挙げられる。

0044

表面張力調整剤として、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤両性界面活性
剤、非イオン性界面活性剤、または高分子系、シリコーン系フッ素系の界面活性剤を使
用できる。

0045

この界面活性剤を配合することにより、インクジェット方式でインクを安定に吐出させ
ることがより容易となり、かつ、インクの浸透を適切に制御しやすくすることができるた
めに好ましい。その添加量は(顔料分散剤として界面活性剤が使用される場合はその合計
量として)、界面活性剤の種類によっても異なるが、インクの表面張力、及び、布帛等の
基材への浸透速度の観点から、インク中に0.1〜10質量%の範囲であることが好まし
い。

0046

具体的には、アニオン性界面活性剤としては、花王株式会社製エマールシリーズ(エマ
ール0、エマール10、エマール2F、エマール40、エマール20C)、ネオレック
スシリーズ(ネオペレックスGS、ネオペレックスG−15、ネオペレックスG−25、
ネオペレックスG−65)、ペレックスシリーズ(ペレックスOT−P、ペレックスTR
、ペレックスCS、ペレックスTA、ペレックスSS−L、ペレックスSS−H)、デモ
ールシリーズ(デモールN、デモールNL、デモールRN、デモールMS)が挙げられる

カチオン性界面活性剤としては、たとえば、花王株式会社製アセタミンシリーズ(アセ
タミン24、アセタミン86)、コータミンシリーズ(コータミン24P、コータミン8
6P、コータミン60W、コータミン86W)、サニゾールシリーズ(サニゾールC、サ
ニゾールB−50)が挙げられる。

0047

非イオン性界面活性剤としては、エアプロダクツ社製サーフィノールシリーズ(サーフ
ィノール104E、サーフィノール104H、サーフィノール420、サーフィノール4
40、サーフィノール465、サーフィノール485)及び日信化学工業株式会社製のオ
フィンE1004、オルフィンE1010、オルフィンE1020などのアセチレン
リコール系界面活性剤や、花王株式会社製エマルゲンシリーズ(エマルゲン102KG、
エマルゲン103、エマルゲン104P、エマルゲン105、エマルゲン106、エマル
ゲン108、エマルゲン120、エマルゲン147、エマルゲン150、エマルゲン22
0、エマルゲン350、エマルゲン404、エマルゲン420、エマルゲン705、エマ
ルゲン707、エマルゲン709、エマルゲン1108、エマルゲン4085、エマルゲ
ン2025G)などのポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤が挙げられる。

0048

両性界面活性剤としては、花王株式会社製アンヒトールシリーズ(アンヒトール20B
S、アンヒトール24B、アンヒトール86B、アンヒトール20YB、アンヒトール2
0N)などが挙げられる。

0049

インクの粘度は適宜調節することができるが、たとえば吐出性の観点から、23℃にお
ける粘度が1〜30mPa・sであることが好ましい。

0050

インクの製造方法は、特に限定されず、公知の方法により適宜製造することができる。
例えば、公知の攪拌機又は分散機に全成分を一括又は分割して投入して撹拌又は分散させ
、所望により、メンブレンフィルター等の公知のろ過機を通すことにより調製できる。

0051

インクのインクジェット記録方式としては、例えば、ピエゾ方式静電方式サーマル
方式など、いずれの方式であってもよい。

0052

<捺染物の製造方法>
実施形態の捺染物の製造方法は、インクジェット捺染用前処理液を、セルロース繊維を
含む布帛に付与する工程(以下、「工程1」という場合もある。)と、前処理液が付与さ
れた布帛に、顔料及び水を含むインクジェット捺染用インクを用いてインクジェット記録
法により画像を形成する工程(以下、「工程2」という場合もある。)とを含む。
インクジェット捺染用前処理液については、上述のインクジェット捺染用前処理液を用
いることができる。インクジェット捺染用インク、及び、セルロース繊維を含む布帛につ
いては、それぞれ、上述のインクジェット捺染用前処理液とともに用いることができるも
のとして説明したものを用いることができる。
この捺染物の製造方法によれば、捺染物の画像濃度の向上と湿潤摩擦による退色の抑制
が可能となる。

0053

工程1において、前処理液は、布帛の、少なくとも工程2で画像を形成する領域(以下
、「印刷領域」という場合もある。)に付与することが好ましく、印刷領域を含む布帛の
全面に付与してもよい。
工程1における前処理液の付与は、特に限定されないが、例えば、パディング法、コー
ティング法、スクリーン印刷法インクジェット法、又はスプレー法等の方法によって行
うことができる。
前処理液の布帛への付与量は、例えば、30〜200g/m2、または、80〜150
g/m2であってよい。また、前処理液の布帛への付与量は、布帛質量に対して、例えば
、10〜120質量%、または、20〜100質量%であってよい。

0054

工程2では、インクジェットヘッドを布帛上で走査してインクを所望の位置に付与する
ことにより、布帛上に画像を形成することができる。使用するインクジェット記録法及び
装置としては公知のものを使用できる。使用するインクジェット記録装置は、ピエゾ方式
、静電方式、サーマル方式など、いずれの方式のものであってもよく、例えば、デジタル
信号に基づいてインクジェットヘッドからインクの液滴を吐出させ、吐出されたインク液
滴を基材上に付着させる。

0055

市販されているインクジェット記録装置の例としては、セイコーエプソン株式会社製E
PSON PX−V700、EPSON PM−40000PX、株式会社ミマキエンジ
ニアリング製TX−1600S、富士フイルム株式会社製FUJIFILDMP−2
831、株式会社マスターマインド製MMP−8130などが挙げられるが、これらに限
定されるものではない。

0056

インクの布帛への付与量は特に限定されないが、風合いの観点から、布帛の単位面積
たり、500g/m2以下であることが好ましく、100g/m2以下であることがより
好ましく、50g/m2以下であることがさらに好ましい。

0057

捺染物の製造方法は、布帛を加熱処理する加熱工程をさらに含んでもよい。
例えば、工程1の後、及び/又は、工程2の後に、布帛を加熱処理する加熱工程を行う
ことが好ましい。加熱処理を行うことで、樹脂を布帛の表面に融着させ、かつ、インク及
び前処理液に含まれる水分を蒸発させることができる。加熱工程を行うことにより、より
耐刷性に優れた画像が得られる傾向がある。加熱処理方法は、特に限定されないが、例え
ば、ホットプレートでの加熱、ヒートプレス法、常圧スチーム法高圧スチーム法、及び
サーモフィックス法が挙げられる。加熱処理時の温度は、例えば、樹脂を融着し、かつ、
水分を蒸発させることができればよく、100℃〜220℃が好ましく、120〜180
℃程度がより好ましい。

0058

インクジェット捺染用インクセット
実施形態のインクセットは、インクジェット捺染用前処理液と、顔料及び水を含むイン
クジェット捺染用インクとを含み、セルロース繊維を含む布帛用である、インクジェット
捺染用インクセットである。インクジェット捺染用前処理液及びインクジェット捺染用イ
ンクとして、それぞれ上述のインクジェット捺染用前処理液及びインクジェット捺染用イ
ンクを用いることができる。このインクセットは、上述のセルロース繊維を含む布帛に好
ましく用いることができる。
このインクセットによれば、捺染物の画像濃度の向上と湿潤摩擦による退色の抑制が可
能となる。

0059

以下、本発明を実施例に基づきより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに
限定されるものではない。特に断らない限り、「%」は「質量%」である。表中の各成分
の配合量も「質量%」で示す。

0060

<インクの調製>
表1に記載の材料を、表1に記載の配合比で混合し、混合後0.8μmのセルロースア
セテートメンブレンフィルターでろ過して粗粒を除去し、インクを得た。

0061

0062

表1に記載の材料は以下の通りである。
FUJI SPBLACK8154:水系カーボンブラック分散体(冨士色素株式会
社製)
スーパーフレックス460:ポリカーボネート型ウレタン樹脂の水分散体(第一工業製薬
株式会社製)
オルフィンE1010:アセチレングリコール系界面活性剤(非イオン性界面活性剤)(
日信化学工業株式会社)
グリセリン:和光純薬工業株式会社製

0063

<前処理液の調製>
表2〜5に記載の原材料を表2〜5の配合比で混合し、各実施例及び比較例の前処理液
を得た。
表2〜5において、「Tg」はガラス転移温度を示す。「Mw」は重量平均分子量を示
す。「A」は前処理液全量に対するセルロース系高分子の含有量(質量%)、「B」は前
処理液全量に対する水分散性樹脂の含有量(質量%)を示す。
表2〜5に記載のセルロース系高分子の重量平均分子量は粘度法で測定した数値である

0064

表2〜5に記載の材料は以下の通りである。
(水分散性樹脂)
スーパーフレックス620:ポリエステル型ウレタン樹脂の水分散体(第一工業製薬株式
会社製)
スーパーフレックス650:ポリカーボネート型ウレタン樹脂の水分散体(第一工業製薬
株式会社製)
スーパーフレックス500M:ポリエステル型ウレタン樹脂の水分散体(第一工業製薬株
式会社製)
モビニール7820:アクリル樹脂の水分散体(日本合成化学工業株式会社製)
モビニール3500:酢酸ビニル樹脂の水分散体(日本合成化学工業株式会社製)
スーパーフレックス210:ポリエステル型ウレタン樹脂の水分散体(第一工業製薬株式
会社製)

0065

(セルロース系高分子)
SANHEC L:ヒドロキシエチルセルロース(三晶株式会社製)
SANHEC M:ヒドロキシエチルセルロース(三晶株式会社製)
メトローズ65SH−50:ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業株式会
社製)
メトローズ65SH−400:ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業株式
会社製)
メトローズSEB−04T:ヒドロキシエチルメチルセルロース(信越化学工業株式会社
製)
メトローズSM−4:メチルセルロース(信越化学工業株式会社製)
メトローズSM−15:メチルセルロース(信越化学工業株式会社製)
メトローズSM−100:メチルセルロース(信越化学工業株式会社製)
メトローズSM−400:メチルセルロース(信越化学工業株式会社製)

0066

<捺染物の作製>
綿100%のオックスフォード生地を210mm×74mmに裁断したものを試験片
した。
表2〜5に記載の前処理液をパディング法で試験片(布帛)に付与した。前処理液の付
与量は試験(布帛)質量の100質量%とした。前処理液付与後、試験片をHotron
ix Fusionヒートプレス(Stahls Hotronix社製)を用いて15
0℃で60秒間加熱した。なお、比較例1では前処理液付与及びその後の加熱処理を省い
た。
続いて、マスターマインド社製インクジェットプリンターMMP813BT−3に用い
、上記で調製したインクにより、試験片に黒色ベタ画像を印刷した。インク付与量は約2
0g/m2とした。印刷後、Hotronix Fusionヒートプレスを用いて15
0℃で60秒間加熱した。

0067

<評価>
作製した捺染物の画像濃度及び湿潤摩擦による退色を、以下の方法で評価した。結果を
表2〜5に示す。

0068

(画像濃度)
捺染物のOD値分光測色計X−Rite eXact(エックスライト社製)を用い
て測定し、下記の評価基準で評価した。
A:OD値1.25以上
B:OD値1.18以上1.25未満
C:OD値1.18未満

0069

(湿潤摩擦による退色)
学振試験機RT−200(株式会社大栄科学精器製作所製)を使用し、重り無しの状態
で100往復擦過した。試験機に取り付ける布帛は綿100%カナキン3号とし、布帛と
同質量のイオン交換水で湿らせて使用した。摩擦した部分のOD値を分光測色計X−Ri
te eXactを用いて測定し、摩擦前と摩擦後のOD値から、下記式に基づいて退色
率を算出した。
退色率(%)=((摩擦前のOD値)—(摩擦後のOD値))/(摩擦前のOD値)
算出した退色率を下記の評価基準で評価した。
A:退色率が15%未満
B:退色率が15%以上22%未満
C:退色率が22%以上

0070

0071

0072

0073

実施例

0074

重量平均分子量が50,000以上のセルロース系高分子を含む前処理液を用いた実施
例1〜23では、画像濃度が高く、湿潤摩擦による退色を抑制することが可能であった。
前処理液を使用しなかった比較例1、前処理液中に分子量の低いセルロース系高分子を
含有した比較例2、前処理液中にセルロース系高分子を含有しなかった比較例3は、いず
れも画像濃度の低下や湿潤摩擦による退色が生じた。

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