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技術 消化酵素抗体およびそれを有する卵と卵を原料とする加工品および抗体を含む組成物と製造方法

出願人 オーストリッチファーマ株式会社
発明者 塚本康浩
出願日 2019年8月8日 (1年4ヶ月経過) 出願番号 2019-146548
公開日 2019年11月21日 (1年1ヶ月経過) 公開番号 2019-199480
状態 未査定
技術分野 ペプチド又は蛋白質 食品の着色及び栄養改善 微生物、その培養処理
主要キーワード 目玉焼き 麻酔科 卵料理 継時的 最大希釈倍率 プロット点 混和液 各栄養素
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年11月21日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (9)

課題

体内に有する消化酵素抗原として鳥類の雌に接種し、鳥類の体内で産生された抗体を提供すること。

解決手段

過食飽食、偏食が原因となる疾病は、多く報告されている。そしてその治療法および治療薬もさまざまなものが提案されている。これらの疾病の予防として、食べても体内に吸収されにくい方法の提案は多くはなかった。本発明は体内に有する消化酵素を抗原として鳥類の雌に接種し、鳥類の体内で産生された抗体で、消化酵素の活性阻害することで、タンパク質や脂質や糖質の分解を阻害し、体内への吸収を低減させる。このような抗体は、抗原を与えた鳥類の雌が産んだから得ることができ、また卵自体が抗体を含む。したがって、このような抗体を有する卵を原料とする食品は、タンパク質や脂質や糖質の低い食品となる。

概要

背景

過食飽食、偏食が原因となる疾病は、多く報告されている。そしてその治療法および治療薬もさまざまなものが提案されている。これらの疾病の予防として、食べても体内に吸収されにくい方法の提案は多くはなかった。

特許文献1には、グァバ葉ポリフェノール消化・吸収時における糖の生成を抑制し、腸管への糖の吸収の抑制、効果的な肥満防止などの効能が期待できるという記載がある。

また、特許文献2には、フラビンアデニンジヌクレオチド結合型グルコース脱水素酵素等の所定の酸化還元酵素胃内環境下又は腸内条件化においてもグルコース基質とする酸化還元反応触媒でき、胃内や腸内のグルコースを低減させることができると記載されている。

概要

体内に有する消化酵素抗原として鳥類の雌に接種し、鳥類の体内で産生された抗体を提供すること。過食、飽食、偏食が原因となる疾病は、多く報告されている。そしてその治療法および治療薬もさまざまなものが提案されている。これらの疾病の予防として、食べても体内に吸収されにくい方法の提案は多くはなかった。本発明は体内に有する消化酵素を抗原として鳥類の雌に接種し、鳥類の体内で産生された抗体で、消化酵素の活性阻害することで、タンパク質や脂質や糖質の分解を阻害し、体内への吸収を低減させる。このような抗体は、抗原を与えた鳥類の雌が産んだから得ることができ、また卵自体が抗体を含む。したがって、このような抗体を有する卵を原料とする食品は、タンパク質や脂質や糖質の低い食品となる。なし

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

本明細書に記載の発明。

技術分野

0001

本発明は消化酵素抗原として得た抗体とその抗体を有するおよびその抗体を有する卵を原料とする加工品および抗体を含む組成物に係るものである。

背景技術

0002

過食飽食、偏食が原因となる疾病は、多く報告されている。そしてその治療法および治療薬もさまざまなものが提案されている。これらの疾病の予防として、食べても体内に吸収されにくい方法の提案は多くはなかった。

0003

特許文献1には、グァバ葉ポリフェノール消化・吸収時における糖の生成を抑制し、腸管への糖の吸収の抑制、効果的な肥満防止などの効能が期待できるという記載がある。

0004

また、特許文献2には、フラビンアデニンジヌクレオチド結合型グルコース脱水素酵素等の所定の酸化還元酵素胃内環境下又は腸内条件化においてもグルコース基質とする酸化還元反応触媒でき、胃内や腸内のグルコースを低減させることができると記載されている。

先行技術

0005

国際公開第2010/041343号
国際公開第2011/007792号

発明が解決しようとする課題

0006

特許文献に開示される方法は、脂質、糖質タンパク質といった栄養素自体に働きかけ、身体への吸収を低減させようとするものである。

0007

一方、栄養素の体内への吸収のプロセスを考えると以下のようになる。食品酵素によって、最小単位分子まで分解され腸管より吸収される。脂肪の場合はリパーゼによって脂肪酸グリセリンに分解され、最終産物が腸の粘膜から吸収されて栄養となる。炭水化物の場合は、炭水化物分解酵素であるマルターゼラクターゼやフルクターゼなどにより
最終的にブドウ糖(グルコース)に分解され、これが腸菅粘膜から吸収される。

0008

また、タンパク質の場合は、タンパク質分解酵素によりアミノ酸まで分解され腸菅で吸収される。つまり、食物は消化酵素により消化され、その最小単位に分解されなければ体内に吸収されず、栄養として利用されない。つまり、食品中の脂肪、炭水化物が消化されずに糞便として排出される。

0009

本発明は、消化酵素自体に働きかけ、酵素活性阻害する抗体で、体内での消化活動自体を低下させ、栄養素の身体への吸収を低減させるものである。

課題を解決するための手段

0010

より具体的に本発明に係る消化酵素を抗原とする抗体は、消化酵素を抗原として鳥類の雌に接種し、前記鳥類の雌が産んだことを特徴とする卵およびその卵を原料とする加工品(料理を含む)である。また、この卵から得た抗体を有する組成物である。

発明の効果

0011

本発明に係る抗体は消化酵素の働きを阻害することが可能である。特定の消化酵素を抗原にした抗体は、特定の栄養素の吸収を抑制することができる。例えば、肥満症中性脂肪の高い人への応用としては、リパーゼに対する抗体(抗リパーゼ抗体)を経口摂取すれば、消化管内で抗体とリパーゼが結合することにより、リパーゼの機能が抑制される。

0012

そして、食物中の脂肪の分解が抑制され、結果的に脂肪の分解産物であるグリセライドが減るため、腸からの吸収量が減り、血中のグリセライド値が減少する。つまり、脂肪の吸収が抑制されるため、高脂血症の改善や肥満の予防、改善が可能となる。

0013

また、炭水化物分解酵素(マルターゼやラクターゼやフルクターゼなど)に対する抗体を摂取すれば、炭水化物の最終産物であるブドウ糖(グルコース)への分解量が減り、腸から吸収されるブドウ糖量を低減させることができる。これにより、血糖値の上昇が抑制される。したがって、糖尿病患者は、血糖値を気にせず通常の食事が可能になる。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
消化酵素を抗原としてダチョウの雌に接種する工程と、
前記ダチョウの雌が産卵した卵から抗体を精製する工程を含むことを特徴とする消化酵素抗体の製造方法。
(項目2)
前記抗原は、リパーゼ、ラクターゼ、マルターゼ、サッカラーゼアミラーゼのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする項目1に記載された消化酵素抗体の製造方法。
(項目3)
項目1または2のいずれかの方法で製造された抗体を原料とする組成物であって、前記抗体が消化酵素と結合することを特徴とする組成物。
(項目4)
消化酵素を抗原として鳥類の雌に接種し、前記鳥類の雌が産んだことを特徴とする卵。
(項目5)
前記鳥類がダチョウであることを特徴とする項目1に記載された卵。
(項目6)
項目4または5に記載の前記卵を原料とする加工品。

図面の簡単な説明

0014

ダチョウ抗体量と膵リパーゼ活性の関係を示すグラフである。
ダチョウ卵黄抗体量と投与前後の血中トリグリセライド量の関係を示すグラフである。
ダチョウ卵黄投与量と投与前後の血中トリグリセライド量の関係を示すグラフである。
加熱処理したダチョウ卵黄投与量と投与前後の血中トリグリセライド量の関係を示すグラフである。
若齢マウスに抗リパーゼ抗体を摂取させた時の体重増加を示すグラフである。
老齢マウスに抗リパーゼ抗体を摂取させた時の体重増加を示すグラフである。
図5体重増加率として換算したグラフである。
図6を体重増加率として換算したグラフである。
老齢ラットに抗マルターゼ・ダチョウ抗体を摂取させた時の血中血糖値の変化を示すグラフである。

0015

以下本発明に係る抗体について説明する。なお、以下の説明は本発明の一実施形態を示すものであり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、以下の実施形態および実施例は改変されてもよい。

0016

本発明で抗体の対象とできるのは、消化酵素であれば特に限定されない。リパーゼ、ラクターゼ、マルターゼ、サッカラーゼ、アミラーゼなどが好適に利用できる。また、消化酵素は、ヒト型に限らず、他の生物の消化酵素であってもよい。なお、他の生物は哺乳類であればより好適である。

0017

また、酵素を産生させる鳥類には特に限定はない。鳥類と哺乳類のホモロジーは低いため、哺乳類の消化酵素は容易に異物として認識できるからである。また、ダチョウを利用すると、同一ロットで大量の抗体を得ることができるので好適である。

0018

本発明では、消化酵素を抗原として鳥類の雌に接種し、その雌が産んだ卵自体から利用が可能となる。鳥類では、体内で産生された抗体が卵に移動するからである。また、抗体は卵黄、卵白ともに含まれる。したがって、卵黄若しくは卵白だけを利用する料理を含む加工品にも利用が可能である。

0019

特に、ダチョウの場合、卵黄抗体は酸アルカリに強く、耐熱性が高い。具体的には、120℃でも抗体活性が維持される。また、胃内の低pH環境でも抗体活性は維持される。したがって、卵焼き目玉焼きプリンなどの卵料理にしても、抗体活性は失われない。また、ケーキに用いられるクリームに使用する卵白に用いることもできる。さらに、マヨネーズといった加工品に利用しても効果が発揮されると考えられる。

0020

もちろん、卵から精製された抗体も、消化剤若しくは整腸剤として利用することができる。抗体の利用は、他の薬剤などと共に服用してもよい。また、食事の際に飲むお混入させることもできるし、ふりかけとして利用してもよい。このように、本発明に係る抗体を成分の1つとする組成物全般に利用が可能である。

0021

本発明に係る抗体は、それ自体若しくは卵を素材とした料理として食前、食後、食中に摂取することで、抗体が消化管内で消化酵素と吸着し、酵素活性を阻害する。その結果、各栄養素への消化・分解が抑制される。結果的に、グリセライドやブドウ糖などの吸収を抑制することができる。

0022

本発明に係る抗体は、消化酵素を限定することで、特定の栄養素だけの吸収を抑制することができる。したがって、生活習慣病である肥満、高脂血症、糖尿病患者に広く利用することができる。

0023

<抗体の作製>
成熟したメス(ダチョウ、ニワトリウズラ)を用いた。各抗原(リパーゼ、ラクターゼ、マルターゼ、サッカラーゼ、アミラーゼ)50μgをフロイント完全アジュバント0.2mLと混和し、ダチョウに初回免疫した。各抗原を個別に5羽のダチョウ、5羽のニワトリ、5羽のウズラに接種した。ダチョウもニワトリもウズラも同量の抗原を接種したことになる。

0024

初回免疫後、2週目と4週目に50μgの抗原とフロイントの不完全アジュバント混和液を、各鳥に追加免疫した。初回免疫後8週目に得られた各鳥からの卵の卵黄より卵黄抗体(IgY)を精製した。得られた卵黄抗体の反応性ELISA(Enzyme−Linked Immuno Sorbent Assay)により検証した。

0025

抗体の精製は以下の手順で行った。具体的には、まず、得られた卵の卵黄に5倍量のTBS(20mMのTris−HCl、0.15MのNaCl、0.5%NaN3)と同量の10%デキストラン硫酸/TBSを加え20分攪拌した。

0026

次に1MのCaCl2/TBSを卵黄と同量加え攪拌し、12時間静置した。その後、15000rpmで20分遠心上清回収した。そして、最終濃度が40%になるように硫酸アンモニウムを加え4℃で12時間静置した。

0027

12時間の静置後、15000rpmで20分遠心し、沈殿物を回収した。最後に、卵黄と同量のTBSに再懸濁し、TBSにて透析した。以上の方法で、各卵から純度90%の抗体(IgY)が回収できた。

0028

<ELISAによる検証>
各抗体が消化酵素に対する反応性を以下のようにして調べた。96穴ELISAプレートの各穴に各抗原(リパーゼ、ラクターゼ、マルターゼ、サッカラーゼ、アミラーゼ)10μgを別々に固層化した(室温で4時間)。その後、ダチョウ抗体(各3羽のダチョウから得た卵黄からの抗体の混合物)、ニワトリ抗体(各3羽のニワトリから得た卵黄からの抗体の混合物)、ウズラ抗体(各3羽のウズラから得た卵黄からの抗体の混合物)の段階希釈液原液は2mg/mL)を各穴に滴下し、室温で1時間反応させた。

0029

洗浄後、各抗体に対するHRP標識2次抗体を室温で1時間反応させた。十分な洗浄後、ペルオキシダーゼ用発色キット(S−Bio SUMILON)を用いてプレートリーダーにて吸光度(450nm)を測定した。免疫前の各鳥種の卵黄抗体の2倍以上の吸光度値を示す最大希釈倍率をELISA値として示した。

0030

0031

ダチョウ、ニワトリ、ウズラにリパーゼ、ラクターゼ、マルターゼ、サッカラーゼ、アミラーゼをそれぞれ免疫することで、高感度の卵黄抗体が作製されることが判明した。特に、各鳥種には同量の抗原を免疫したのにもかかわらず、巨大なダチョウが最も反応性が高い抗体が産生された。これはダチョウを使えば、少量の抗原でも高感度の抗体が産生できることを示している。

0032

次に抗体の効果について調べた。
<膵リパーゼ活性に及ぼすダチョウ抗体(抗リパーゼ抗体)の阻害作用
膵リパーゼ活性はトリオレインからのオレイン酸遊離量を測定することによって算出した。トリオレイン80mg(SIGMA)、レシチン10mg(和光純薬工業)、胆汁酸(SIGMA)を9mlの0.1Mトリス緩衝液(pH7.0)中で10分間超音波処理を行うことで均一な懸濁液とし、これを基質液として用いた。

0033

実験操作としては、基質液0.1mlに由来膵リパーゼ液0.05ml(SIGM
A)(最終濃度1μg/ml)及びダチョウ抗体液0.1mlを加え、37℃、30分間反応させ、遊離した脂肪酸を銅試薬法で定量した。活性値はダチョウ抗体無添加(control)の値を100%とし、各検体(ダチョウ抗体液1μg,10μg,100μg/mL)の活性値を算出した。

0034

結果を図1に示す。横軸はダチョウ抗体量(μg/mL)およびコントロール(ダチョウ抗体量ゼロ)の種類を示し、縦軸は膵リパーゼ活性(%)を示す。ダチョウ抗体量が増加すると、膵リパーゼの活性は低下した。したがって、リパーゼに対するダチョウ抗体は濃度依存的に膵臓リパーゼの活性(つまり脂肪の消化・分解)を阻害することが判明した。

0035

コーンオイル負荷後のラット血漿中の中性脂肪の変動に及ぼすダチョウ抗体(抗リパーゼ抗体)の影響>
ラットを1群6匹として対照群(control)、ダチョウ抗体投与群(1,10,50mg/匹)の4群に分け、一晩絶食し、コーンオイル負荷実験を行った。対照群ではコーンオイルエマルジョン1ml及び免疫前抗体50mgの混合液を非麻酔科でラットに経口投与した。

0036

ダチョウ抗体投与群ではコーンオイルエマルジョン1mlとダチョウ抗体液の混合液をラットに投与した。コーンオイル投与直前(0min)、投与後120分(120min)に非麻酔科でラットの尾静脈より採血した。血漿中の中性脂肪含量の測定は、和光純薬のトリグリセライドE−テストキットを用いて測定した。グラフの値は各群のラット6匹での平均値を示したものである。

0037

結果を図2に示す。横軸は、ダチョウ抗体量(mg)とコーンオイル投与直前(0min)および(120min)の種類である。なお、コントロールはダチョウ抗体量がゼロ(mg)の場合である。また、縦軸は、血中トリグリセライド量(mg/dL)である。

0038

対照群ではコーンオイル摂取後120分目には、血中トリグリセライド値が5倍程度増加するが、ダチョウ抗体投与群では、コーンオイル摂取後の血中トリグリセライド値の増加が著しく抑制された。低量(1mg)でも飛躍的な抑制効果が認められた。

0039

リパーゼの免疫により作製したダチョウ抗体の摂取により、リパーゼ活性が阻害され、脂肪のトリグリセライドへの消化・分解が抑制されたため、腸管からの吸収が抑制され、結果的に血中トリグリセライド値の増加が抑制されたものと結論づけられる。

0040

<コーンオイル負荷後のラット血漿中の中性脂肪の変動に及ぼすダチョウ卵黄(抗リパーゼ抗体含有)の影響>
使用したダチョウ卵黄は、リパーゼを免疫したダチョウの卵(初回免疫後8週目)からの卵黄(生)である。ラットを1群6匹として対照群(control)、ダチョウ卵黄投与群(10,100,1000mg/匹)の4群に分け、一晩絶食し、コーンオイル負荷実験を行った。対照群ではコーンオイルエマルジョン1ml及び免疫前卵黄1000mgの混合液を非麻酔科でラットに経口投与した。

0041

ダチョウ卵黄投与群ではコーンオイルエマルジョン1mlとダチョウ卵黄の混合液をラットに投与した。コーンオイル投与直前(0min)、投与後120分(120min)に非麻酔科でラットの尾静脈より採血した。血漿中の中性脂肪含量の測定は、和光純薬のトリグリセライドE−テストキットを用いて測定した。グラフの値は各群のラット6匹での平均値を示したものである。

0042

結果を図3に示す。横軸は、ダチョウ卵黄投与量(mg)とコーンオイル投与直前(0
min)および(120min)の種類である。なお、コントロールはダチョウ卵黄量がゼロ(mg)の場合である。また、縦軸は、血中トリグリセライド量(mg/dL)である。

0043

対照群ではコーンオイル摂取後120分目には、血中トリグリセライド値が5倍程度増加するが、ダチョウ卵黄投与群では、コーンオイル摂取後の血中トリグリセライド値の増加が卵黄量依存的に著しく抑制された。低量(10mg)でも飛躍的な抑制効果が認められた。

0044

リパーゼの免疫後のダチョウから得られる卵黄の摂取により、リパーゼ活性が阻害され、脂肪のトリグリセライドへの消化・分解が抑制されたため、腸管からの吸収が抑制され、結果的に血中トリグリセライド値の増加が抑制されたものと結論づけられる。このように、本発明の場合卵黄自体を摂取することでも消化酵素の活性阻害を生じさせることができる。

0045

<コーンオイル負荷後のラット血漿中の中性脂肪の変動に及ぼす加熱処理ダチョウ卵黄(抗リパーゼ抗体含有)の影響>
使用したダチョウ卵黄は、リパーゼを免疫したダチョウの卵(初回免疫後8週目)からの卵黄(生)を加熱処理(120℃10分)したものである。ラットを1群6匹として対照群(control)、加熱処理ダチョウ卵黄投与群(10,100,1000mg/匹)の4群に分け、一晩絶食し、コーンオイル負荷実験を行った。対照群ではコーンオイルエマルジョン1ml及び免疫前卵黄1000mgの混合液を非麻酔科でラットに経口投与した。

0046

加熱処理ダチョウ卵黄投与群ではコーンオイルエマルジョン1mlと加熱処理ダチョウ卵黄の混合液をラットに投与した。コーンオイル投与直前(0min)、投与後120分(120min)に非麻酔科でラットの尾静脈より採血した。血漿中の中性脂肪含量の測定は、和光純薬のトリグリセライドE−テストキットを用いて測定した。グラフの値は各群のラット6匹での平均値を示したものである。

0047

結果を図4に示す。横軸は、加熱処理されたダチョウ卵黄投与量(mg)とコーンオイル投与直前(0min)および(120min)の種類である。なお、コントロールは加熱処理されたダチョウ卵黄投与量がゼロ(mg)の場合である。また、縦軸は、血中トリグリセライド量(mg/dL)である。

0048

対照群ではコーンオイル摂取後120分目には、血中トリグリセライド値が5倍程度増加するが、加熱処理ダチョウ卵黄投与群では、コーンオイル摂取後の血中トリグリセライド値の増加が加熱処理ダチョウ卵黄量依存的に著しく抑制された。低量(10mg)でも飛躍的な抑制効果が認められた。

0049

リパーゼの免疫後のダチョウから得られる卵黄の摂取により、リパーゼ活性が阻害され、脂肪のトリグリセライドへの消化・分解が抑制されたため、腸管からの吸収が抑制され、結果的に血中トリグリセライド値の増加が抑制されたものと結論づけられる。さらに、この卵黄は加熱処理を行っても効果が維持される。つまり、ダチョウ卵を料理したものを摂取しても、血中トリグリセライド値の十分な増加抑制が認められることから、リパーゼ免疫ダチョウの卵料理は高脂血症の予防、さらには肥満予防や改善につながると考えられる。

0050

肥満抑制効果
若齢および老齢マウスに高脂肪食およびダチョウ卵黄抗体液(抗リパーゼ抗体)(飲水
に添加)を自由摂取させ、経時的に体重を測定した。より具体的に各グループは、若齢マウスで抗リパーゼ抗体を摂取させたグループ(6匹)、若齢マウスで抗リパーゼ抗体を摂取させなかったグループ(6匹)、老齢マウスで抗リパーゼ抗体を摂取させたグループ(6匹)、老齢マウスで抗リパーゼ抗体を摂取させなかったグループ(6匹)である。

0051

なお、ここで若齢マウスとは体重約39gのマウスであり、老齢マウスとは体重約51gのマウスである。これらのマウスに与えた高脂肪食は牛脂40%を含む市販(オリエンタ酵母社の商品AIN76)のものを用いた。摂取方法は自由摂取である。

0052

高脂肪食給餌の際には、抗リパーゼ抗体を接収させなかったグループのマウスにはPBS(Phosphate buffered saline:リン酸緩衝生理食塩水)を自由摂取させた。また、抗リパーゼ抗体を摂取させたグループのマウスには抗リパーゼ・ダチョウ抗体液(15mg/mL PBS)を自由摂取させた。高脂肪食の投与開始から継時的に体重を測定し、各グループ全頭(6匹)の平均体重を算出した。

0053

結果を図5図6に示す。図5は、若齢マウスによる結果であり、図6は老齢マウスによる結果である。それぞれ横軸は投与期間(日)であり、縦軸はマウスの体重(g)である。抗リパーゼ抗体を摂取させなかったマウス(図では「抗体無し(control)マウス」と記載)のプロット点は丸印であり、抗リパーゼ抗体を摂取させたマウス(図では「ダチョウ抗体投与マウス」と記載)のプロット点は四角とした。

0054

図5図6を参照して、抗リパーゼ抗体を摂取させなかったマウスは、若齢マウス、高齢マウスとも、高脂肪食の摂取により急激な体重増加が認められた。しかし、ダチョウ抗体摂取マウスでは、若齢、老齢にかかわらず体重増加が抑制された。

0055

図7図8には、図5図6の縦軸を体重増加率(%)とした場合の結果を示す。図7は若齢マウスの結果であり、図8は老齢マウスの結果である。横軸は図5図6と同じ投与期間(日)である。

0056

図7を参照して、若齢マウスの場合は、体重増加率の抑制効果は、抗体無し(control)マウスに対して、5%程度であった。しかし図8を参照して、老齢マウスの場合は、15%近い体重増加率の抑制効果があった。老齢マウスは基礎代謝が若齢マウスに比べ、低いと考えられる。したがって、高脂肪食の摂取は、体重の急激な増加として表れる。抗リパーゼ抗体は、このような場合に、脂肪の吸収を抑制する。つまり、本発明に係る抗リパーゼ抗体は、基礎代謝が低下した個体の肥満抑制に特に効果があると言える。

0057

<ダチョウ抗体摂取による血糖値上昇抑制効果
炭水化物を摂取すると炭水化物消化酵素により最小単位であるブドウ糖(グルコース)まで消化分解され、腸管粘膜毛細血管にグルコースが取り込まれることで血中グルコース値(血糖値)が上昇する。その後、インシュリン分泌により血糖値は正常値へと戻る。糖尿病では、食後の血糖値の上昇が著しく、その後の正常値化も不完全となる。食後血糖値の上昇を抑えることは、糖尿病の悪化や予防につながるとされている。

0058

そこで、ダチョウにより作製した抗炭水化物消化酵素抗体を用いて食後血糖値上昇の抑制を試みた。高濃度の炭水化物溶液マルトースが主成分)1g/kg b.w.を老齢ラットに経口投与し、直後にダチョウ抗体を経口投与した。その後、尾静脈から経時的に血液を採取し、血糖値を測定した(グルコースオキシダーゼ活性による酸化還元反応)。なお、老齢ラットとは約2以上の寿命に近い年齢のラットをいう。

0059

抗体無し(これをcontrolとする。)ラットには、マルトース0.5g/mL
PBS溶液を与えた。一方、抗体投与マウスには、マルトース0.5g/mLと抗マルターゼ・ダチョウ抗体20mg/mL溶液を与えた。

0060

結果を図9に示す。横軸は投与後時間(分)であり、縦軸は血糖値(mg/dL)である。抗体無しラットのプロット点は丸印であり、抗体投与ラットのプロット点は四角である。抗体無しラットでは、血糖値は炭水化物摂取後一過性に上昇した。しかし、ダチョウ抗体投与ラットの場合は、血糖値の上昇が著しく抑制された。このことより、マルトース摂取時に同時に抗マルターゼ・ダチョウ抗体を摂取することにより、炭水化物の消化が抑制され、結果として吸収されるブドウ糖量が減少したと考えられた。

実施例

0061

本発明に係る抗体は、卵内の卵黄および卵白にも存在するため、どちらかを選択して調理される料理に使用することでカロリーの過剰摂取が抑制される。また精製した抗体を食事の前後に摂取することで、特定の栄養素の体内への吸収を阻害することができる。抗体は、薬剤はもとより、お茶、ふりかけ、調味料といった副食品に混入させることもできる。

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