図面 (/)

技術 訓練装置及び指装具

出願人 国立研究開発法人理化学研究所トヨタ自動車株式会社
発明者 岡島正太郎山崎弘嗣イトコネン,マティ,サカリコスタガルシア,アルバロ柴田アルナジャールファディエスケー下田真吾山田整吉澤真太郎廣本建一
出願日 2018年5月18日 (2年7ヶ月経過) 出願番号 2018-096416
公開日 2019年11月21日 (1年1ヶ月経過) 公開番号 2019-198576
状態 未査定
技術分野 リハビリ用具
主要キーワード 長手軸回り 指屈曲 屈曲機構 水平棒 オプション部品 弾性帯 時系列グラフ 伸展状態
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年11月21日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (17)

課題

本明細書は、物体把持動作訓練に適した訓練装置を提供する。

解決手段

訓練装置2は、指装具20と、梁7と、アクチュエータ40を備えている。指装具20は、被験者の手THの母指以外の四指を拘束するとともに四指の屈曲方向に屈曲可能に構成されている。梁7の一端は、訓練装置2に置かれた腕の手首背屈屈回りの回転軸同軸に回転可能になるように土台3に連結されている。梁7の他端は、指装具20の基部に連結されている。アクチュエータ40は、指装具20を屈曲させると同時に梁7(指装具20)を手の背屈方向に回転させる。訓練装置2は、母指以外の四指を屈曲させると同時に手THを背屈させる。訓練装置2は、母指を除く四指の屈曲と手の背屈を連動させることで、物を把持する動作に近い動き模擬することができる。

概要

背景

脳血管障害などにより、手を動かすことが不自由になることがある。手の動作を訓練する訓練装置リハビリ装置)が例えば特許文献1−7に開示されている。特許文献1−6の訓練装置は、手首を固定したまま、母指以外の指を屈曲させる動作を訓練する装置である。特許文献7の訓練装置は、母指以外の指を屈曲させる動作と、手首を屈曲させる動作を訓練する。ただし、指の屈曲動作の訓練と、手首の屈曲動作の訓練は独立に行われる。

概要

本明細書は、物体把持動作の訓練に適した訓練装置を提供する。訓練装置2は、指装具20と、梁7と、アクチュエータ40を備えている。指装具20は、被験者の手THの母指以外の四指を拘束するとともに四指の屈曲方向に屈曲可能に構成されている。梁7の一端は、訓練装置2に置かれた腕の手首の背屈屈回りの回転軸同軸に回転可能になるように土台3に連結されている。梁7の他端は、指装具20の基部に連結されている。アクチュエータ40は、指装具20を屈曲させると同時に梁7(指装具20)を手の背屈方向に回転させる。訓練装置2は、母指以外の四指を屈曲させると同時に手THを背屈させる。訓練装置2は、母指を除く四指の屈曲と手の背屈を連動させることで、物を把持する動作に近い動き模擬することができる。

目的

本明細書が開示する訓練装置は、母指を除く四指の屈曲と手の背屈を連動させることで、物を把持する動作に近い動きを模擬し、物体把持機能回復に効果的な訓練を被験者に提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

被験者の手の母指以外の四指に沿って延びており、前記四指の屈曲方向に屈曲可能な指装具と、一端が手首背屈屈回りの回転軸同軸に回転可能となるように土台に連結されており、他端が前記指装具の基部に連結されている梁と、前記指装具を屈曲させると同時に前記梁を前記手の背屈方向に回転させるアクチュエータと、を備えている、訓練装置

請求項2

前記指装具は、前記四指の両側方に位置しており、前記四指の長手方向に延びているとともに、前記四指の屈曲方向に屈曲可能な一対の多リンク機構と、前記四指に対向するように一対の前記多リンク機構の下側に掛け渡されている第1弾性帯を備えている、請求項1に記載の訓練装置。

請求項3

前記指装具は、被験者の母指以外の四指を拘束する、請求項1に記載の訓練装置。

請求項4

前記指装具は、前記四指の両側方に位置しており、前記四指の長手方向に延びているとともに、前記四指の屈曲方向に屈曲可能な一対の多リンク機構と、一対の前記多リンク機構の下側に掛け渡されている第1弾性帯と、一対の前記多リンク機構の上側に掛け渡されており、前記第1弾性帯との間に前記四指が挿通可能な第2弾性帯と、を備えている、請求項3に記載の訓練装置。

請求項5

前記手が背屈する際に母指を押さえつけて母指CM関節を屈曲させる母指関節屈曲機構を備えている、請求項1から4のいずれか1項に記載の訓練装置。

請求項6

前記母指関節屈曲機構は、前記手の母指球に装着可能な母指装具と、前記土台に固定されており、真直ぐに伸びた状態の前記四指の長手方向に延びている棒と、前記棒の長手方向に摺動可能かつ長手軸回りに回転可能に前記棒に連結されているとともに、前記母指装具に連結されるスライダと、を備えている、請求項5に記載の訓練装置。

請求項7

前記スライダと前記母指装具はスナップボタン着脱自在に連結されている、請求項6に記載の訓練装置。

請求項8

前記母指装具は、前記手に装着するグローブの母指球部分に取り付けられている、請求項6又は7に記載の訓練装置。

請求項9

前記アクチュエータは、前記指装具に沿って延びており、前記指装具を屈曲/伸展させる一対の第1ワイヤと、前記梁を回転させる第2ワイヤと、前記第1ワイヤが巻き付けられている第1ドラムと、前記第1ドラムと同軸に配置されているとともに、前記第1ドラムとは異なる直径を有しており、前記第2ワイヤが巻き付けられている第2ドラムと、前記第1ドラムと前記第2ドラムを回転させるモータと、を備えている、請求項1から8のいずれか1項に記載の訓練装置。

請求項10

前記指装具によって前記四指を屈曲させる際に前記手に把持させる弾性体をさらに備えている、請求項1から9のいずれか1項に記載の訓練装置。

請求項11

前記四指の両側方に位置しており、前記四指の長手方向に延びているとともに、前記四指の屈曲方向に屈曲可能な一対の多リンク機構と、一対の前記多リンク機構の下側に掛け渡されている第1弾性帯と、を備えている、指装具。

請求項12

一対の前記多リンク機構の上側に掛け渡されており、前記第1弾性帯との間に前記四指が挿通可能な第2弾性帯をさらに備えている、請求項11に記載の指装具。

請求項13

一対の前記多リンク機構の夫々は、4個以上のリンクが一列に連結されている、請求項11または12に記載の指装具。

請求項14

請求項11から13のいずれか1項に記載の指装具と、前記指装具を支持する土台と、前記指装具を屈曲させるアクチュエータと、を備えている、訓練装置。

請求項15

前記アクチュエータは、前記指装具に沿って延びており、前記指装具を屈曲/伸展させる一対の第1ワイヤと、前記第1ワイヤが巻き付けられている第1ドラムと、前記第1ドラムを回転させるモータと、を備えている、請求項14に記載の訓練装置。

技術分野

0001

本明細書が開示する技術は、訓練装置指装具に関する。特に、手の把持動作の訓練装置と、そのような訓練装置に適した指装具に関する。

背景技術

0002

脳血管障害などにより、手を動かすことが不自由になることがある。手の動作を訓練する訓練装置(リハビリ装置)が例えば特許文献1−7に開示されている。特許文献1−6の訓練装置は、手首を固定したまま、母指以外の指を屈曲させる動作を訓練する装置である。特許文献7の訓練装置は、母指以外の指を屈曲させる動作と、手首を屈曲させる動作を訓練する。ただし、指の屈曲動作の訓練と、手首の屈曲動作の訓練は独立に行われる。

先行技術

0003

特開2010−017349号公報
特開2013−017718号公報
特開2012−249674号公報
特開2010−284451号公報
特開2012−016497号公報
特開2016−096892号公報
特開2016−097295号公報

発明が解決しようとする課題

0004

発明者らが調査したところ、単に指を円滑に動かせるようになるだけではなく、物を掴む機能を取り戻したいという要望が多いことがわかった。物を把持するには指の屈曲が必須であるが、一般に把持動作においては指の屈曲と手首の回転が連動することが多い。そのため、指の屈曲だけを単独で訓練する従来の訓練装置には改善の余地がある。本明細書は、人の把持動作の訓練に適した訓練装置を提供する。また、本明細書は、指の屈曲の訓練に適した指装具と訓練装置も提供する。

課題を解決するための手段

0005

本明細書が開示する訓練装置は、指装具と、梁と、アクチュエータを備えている。指装具は、被験者の手の母指以外の四指を拘束するとともに四指の屈曲方向に屈曲可能に構成されている。梁の一端は、訓練装置に置かれた腕の手首の背屈屈回りの回転軸同軸に回転可能になるように土台に連結されている。なお、土台とは、訓練装置の多くの部品を支持する部材である。梁の他端は、指装具の基部に連結されている。アクチュエータは、指装具を屈曲させると同時に梁を手の背屈方向に回転させる。この訓練装置は、母指以外の四指を屈曲させると同時に手を背屈させることができる。本明細書が開示する訓練装置は、母指を除く四指の屈曲と手の背屈を連動させることで、物を把持する動作に近い動き模擬し、物体把持機能回復に効果的な訓練を被験者に提供することができる。

0006

本明細書が開示する訓練装置の特徴の一つは、四指を拘束する指装具の全体を手首背屈方向へ回転させることで手首に回転力を与える点にある。手首から比較的に遠い指に手首背屈方向の力を加えることで、手首関節に動きを与える。一般に、人が動作する際、回転する関節そのものの位置が動く。即ち、関節の回転中心が移動する。手首の近くを拘束して手首に回転を与える機構では、機構の駆動軸と手首関節の回転中心がずれたときに被験者に違和感を与えてしまう。四指を拘束する指装具の全体を動かすことによって手首を回転させることで、手首には比較的自由に移動できるように余裕を持たせ、機構の回転中心と手首関節の回転中心のずれに対する違和感を軽減することができる。

0007

指装具の一態様は、一対の多リンク機構と、複数の第1弾性帯、第2弾性帯を備えている。一対の多リンク機構の夫々は、四指の両側方に位置している。多リンク機構は、四指の長手方向に延びているとともに、四指の屈曲方向に屈曲可能に構成されている。第1弾性帯は、一対の多リンク機構の下側に掛け渡されている。第2弾性帯は、一対の多リンク機構の上側に掛け渡されている。下側の第1弾性帯と上側の第2弾性帯の間に四指が挿通されて拘束される。

0008

本明細書が開示する訓練装置は、手が背屈する際に母指を押さえつけて母指CM関節を屈曲させる母指関節屈曲機構を備えているとよい。物を把持する動作では、手首だけでなく、母指も連動する場合が多い。特に、把持の際には母指のCM関節が掌方向に屈曲する。母指関節屈曲機構は、手首の背屈動作を利用し、専用のアクチュエータを要することなく、母指以外の四指の屈曲に合わせて母指CM関節を屈曲させる。母指関節屈曲機構を備えることで、より一層、実際の把持動作に近い動作を模擬することができる。

0009

母指関節屈曲機構の一実施形態は、手の母指球に装着可能な母指装具と、土台に固定されており、真直ぐに伸びた状態の四指の長手方向に延びている棒と、棒に連結されているスライダを備えている。スライダは、棒の長手方向に摺動可能かつ長手軸回りに回転可能に棒に連結されている。また、スライダは、母指装具に連結される。母指装具に連結されたスライダは、手首関節の背屈の際、棒に対して摺動しつつ回転する。把持動作の際、手首関節が背屈すると母指球の位置も移動する。スライダは、摺動によって常に母指球の位置に追従する。また、スライダは、母指を押さえつけつつ棒に対して回転することで、母指球を掌方向へ押し込み、CM関節の屈曲を促す。この母指関節屈曲機構は、専用のアクチュエータを備える必要がなく母指CM関節を動かすことができる。また、この母指関節屈曲機構は、四指の屈曲と手首の背屈に連動して母指CM関節を屈曲させることで、より自然な把持動作を模擬することができる。スライダと母指装具は連結されているので、手が背屈状態から元の状態に戻る際、スライダが母指を外側へ引っ張り、母指も元の状態に戻る。

0010

スライダと母指装具はスナップボタン着脱自在に連結されていてもよい。また、母指装具は、手に装着するグローブの母指球部分に取り付けられていてもよい。さらに、母指関節屈曲機構は、手の右側と左側に取り付け自在であるとよい。左右のいずれの手に対しても適用することができるからである。

0011

本明細書が開示する訓練装置のアクチュエータの一態様は、一対の第1ワイヤ、第2ワイヤ、第1ドラム、第2ドラム、モータで構成されている。夫々の第1ワイヤは、指装具の上側(伸展側)と下側(屈曲側)に沿って延びている。下側の第1ワイヤを引っ張り、上側の第1ワイヤを緩ませると、指装具が屈曲する。上側の第1ワイヤを引っ張り、下側の第1ワイヤを緩ませると、多リンク機構が伸展する。第2ワイヤは、指装具に連結されている梁を回転させるように梁又は指装具に連結されている。第1ワイヤは第1ドラムに巻き付けられており、第2ワイヤは第2ドラムに巻き付けられている。第1ドラムと第2ドラムは同軸に配置されている。モータは、第1ドラムと第2ドラムを同時に回転させる。第2ドラムの径は第1ドラムの径とは異なっている。このアクチュエータは、1個のモータで指装具の屈曲/伸展と、梁の回転を同時に行うことができる。また、ドラムの径を変えることで、指装具の屈曲のスピードと梁の回転のスピードを異ならしめることができる。即ち、訓練における四指の屈曲のスピードと手首背屈のスピードをドラムの径で調整することができる。

0012

本明細書が開示する訓練装置は、さらに、手の四指を屈曲させる際に手に把持させる弾性体を備えているとよい。指を屈曲させて弾性体に触れると、被験者は弾性体(把持対象物)からの圧力を感じる。発明者らの検討によると、指を屈曲させる際に指に圧を感じさせることで、指の屈曲に関連する腕の屈筋刺激され筋電励起されることが判明した。このことは、被験者の運動学習が刺激されることを意味する。すなわち、指を屈曲させる際に、把持対象物(弾性体)から指へ圧力を加えることで、物を把持する動作の感覚が被験者にフィードバックされる。把持動作の模擬の際に感覚フィードバック喚起することで、より効果的な訓練(リハビリテーション)を行うことができる。

0013

発明者らの検討によると、上記した指装具(多リンク機構と弾性帯を備えた指装具)は、屈曲する指によくなじむ。指装具の多リンク機構は、人の指の骨の数(即ち3)よりも多くのリンクを備えているとよい。即ち、多リンク機構は、4個以上のリンク(小)を備えているとよい。詳しくは、多リンク機構は、4個以上のリンクが一列に連結されており、隣接するリンク同士指屈曲軸方向を向く回転軸の回りに回転可能に連結されている構造を備えているとよい。そのような多リンク機構を有する指装具は、指が屈曲したときに指の関節回転軸メカニカルな回転軸がずれても被験者に与える違和感が少ない。他方、メカニカルな多リンク機構は、布あるいは柔軟な樹脂で作られたグローブタイプの指装具と比較して、指をしっかりと支持することができる。

0014

従って、上記した指装具を使った指屈曲の訓練装置もまた、従来の訓練装置よりも優れている。指屈曲の訓練装置は、上記した指装具と、指装具を支持する土台と、指装具を屈曲させるアクチュエータを備えていればよい。そのような訓練装置は、指をしっかり支持するとともに、指が屈曲するときに被験者に与える違和感が少ない。

0015

上側の第2弾性帯がなく、四指を拘束しない指装具も、以下の効果を奏することができる。すなわち、4個以上のリンクで構成される多リンク機構の指装具であれば、指が屈曲したときに指の関節回転軸とメカニカルな回転軸がずれても被験者に与える違和感が少ないという効果を奏する。また、弾性体を備えることで、下側の第1弾性帯を通して把持対象物(弾性体)から指へ圧力を加えることで、物を把持する動作の感覚が被験者にフィードバックされる。

0016

本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。

図面の簡単な説明

0017

第1実施例の訓練装置の外観図である(完成図)。
第1実施例の訓練装置の外観図である(分解図)。
指装具の先端部分の斜視図である。
多リンク機構の動作を示す側面図である(1)。
多リンク機構の動作を示す側面図である(2)。
多リンク機構の動作を示す側面図である(3)。
指装具の屈曲と回転の連携動作を示す図である(指装具伸展状態)。
指装具の屈曲と回転の連携動作を示す図である(指装具屈曲状態)。
母指関節屈曲機構部分の拡大図である。
被験者の手に装着するグローブと、グローブの母指球部分に装着される母指装具と、母指関節屈曲機構のスライダ33を示した図である。
母指関節屈曲機構の動きを説明する図である(四指伸展状態)。図8(A)は後面図であり、図8(B)は側面図である。
母指関節屈曲機構の動きを説明する図である(四指屈曲状態)。図9(A)は後面図であり、図9(B)は側面図である。
弾性体を使った把持訓練の様子を示す側面図である。
弾性体あり/なしのときの筋電位時系列グラフである。図11(A)は弾性体を握らせたときの筋電位のグラフであり、図11(B)は、弾性体なしの場合の筋電位のグラフである。
第2実施例の訓練装置の側面図である(指装具伸展状態)。
第2実施例の訓練装置の側面図である(指装具屈曲状態)。

実施例

0018

(第1実施例)図面を参照して第1実施例の訓練装置2を説明する。訓練装置2は、被験者の物体把持動作の訓練(リハビリ)を行うためのデバイスである。図1に、訓練装置2の外観図(完成図)を示し、図2に、訓練装置2の外観図(分解斜視図)を示す。図1図2には被験者の前腕TAと手THも示してある。

0019

説明の便宜上、被験者の前腕TAと手THが一直線に伸びた状態で訓練装置2にセットしたとき、指の延びる方向を「前」と定義し、手THのが向く方向を「上」と定義し、前軸上軸の双方に直交する方向を「横」と定義する。

0020

訓練装置2は、土台3と、被験者の母指以外の四指に装着する指装具20と、指装具20を支持する梁7と、アクチュエータ40と、母指関節屈曲機構30を備えている。以下、「四指」とは、母指以外の指を意味するものとする。

0021

土台3は、訓練装置2の部品全体を支え基礎である。土台3は、ベースプレート言い換えてもよい。土台3には、被験者の前腕TAを支持する前腕支持部4が固定されている。被験者の前腕TAは、前腕支持部4の上に載置されるだけであり、拘束はされない。

0022

指装具20は、後述する梁7を介して土台3に支持される。梁7は、回転可能に土台3に連結される。即ち、指装具20も、土台3に対して回転可能である。指装具20は、一対の多リンク機構21a、21bと、複数の弾性帯22a、22bで構成されている。一対の多リンク機構21a、21bは、土台3に載置された腕の四指の両側方に位置しているとともに、四指の延設方向に沿って延びている。多リンク機構21a、21bは、複数の小駒23が一列に連結された構造を有している。図1図2では、いくつかの小駒にのみ符号23を付し、残りの小駒には符号を省略している。なお、「小駒」は、「リンク機構」の「リンク」に相当する。即ち、「小駒」は、「リンク」と換言することができる。

0023

多リンク機構21a、21bは、被験者の四指の屈曲方向と同じ方向に屈曲することができる。多リンク機構21a、21bの可動範囲は、概ね、四指の屈曲の可動範囲と同じである。

0024

ここからは、図1、2とともに、図3図4A図4Cを参照しつつ、指装具20について詳しく説明する。図3は、指装具20の先端部分の斜視図である。図4A図4Cは、多リンク機構21aの動作を示す側面図である。図4A図4Cは、多リンク機構21aの一部を示している。

0025

一対の多リンク機構21a、21bの間に、複数の弾性帯22a、22bが掛け渡されている(図3参照)。弾性帯22a、22bは、例えば硬質ゴムで作られている。複数の弾性帯22aは、多リンク機構21a、21bの各小駒23の下側(屈曲側)に取り付けられている。複数の弾性帯22bは、多リンク機構21a、21bの各小駒23の上側(伸展側)に取り付けられている。上側の弾性帯22bと下側の弾性帯22aの間に被験者の母指を除く四指が挿入される。別言すれば、複数の弾性帯22a、22bは、被験者の四指を拘束する。弾性帯22a、22bによる拘束によって、母指を除く四指は、一対の多リンク機構21a、21bの動作に案内されて屈曲動作と背屈動作を行うことが可能となる。

0026

先に述べたように、多リンク機構21aは、複数の小駒23が一列に連結された構造を有している。隣接する小駒23は、横方向(指屈曲軸の方向)を向く回転軸23aを軸に回転可能に連結されている。指装具20の基部側の小駒23以外の小駒23は、回転軸23aを軸に回転することができる。複数の小駒23を、一対の第1ワイヤ24a、24bが貫いている。なお、第1ワイヤ24a、24bは、図4A図4Cにのみ描いてあり、図1図3ではその図示を省略してある。

0027

一方の第1ワイヤ24aは、小駒23の上側を貫いており、他方の第1ワイヤ24bは、小駒23の下側を貫いている。一対の第1ワイヤ24a、24bの一端は、多リンク機構21aの先端の小駒23に固定されている。一対の第1ワイヤ24a、24bの他端は、後述する第1ドラム41に巻き掛けられている。第1ドラム41が正回転すると、上側の第1ワイヤ24aが緩み、下側の第1ワイヤ24bが引っ張られる。その結果、図中の右側の2個の小駒23は、右回転し(図4B、4C参照)、多リンク機構21aの全体が屈曲する。第1ドラム41が逆回転すると、上側の第1ワイヤ24aが引っ張られ、下側の第1ワイヤ24bが緩む。その結果、図4Cの右側の2個の小駒23と、図4Bの右端の小駒23は、左回転し、多リンク機構21aの全体が伸展し、元の直線状態に戻る。このように、多リンク機構21aは、一対の第1ワイヤ24a、24bによって、屈曲/伸展することができる。多リンク機構21bも同様に動作する。

0028

図1図2に示されている指装具20の説明に戻る。指装具20は、一対の梁7を介して土台3に回転可能に支持されている。夫々の梁7は、一対の多リンク機構21a、21bの夫々に対応し、被験者の掌の両側に位置する。一対の梁7の一端は、土台3に置かれた被験者の手首の背屈/掌屈の回転軸と同軸で回転可能となるように土台3に連結されている。説明の便宜上、梁7の回転軸を手首軸11と称する。「手首軸11」は、後に参照する図5A図5Bに図示されている。手首軸11は、被験者の手首の背屈/掌屈の回転軸と同軸となるように、土台3に設けられた回転軸である。手首軸11は、図中の座標系横軸方向に延びている。

0029

梁7の他端は指装具20の基部20a(図5A、5B参照)に連結されている。梁7が回転すると、指装具20の全体が手THの背屈方向に回転する。別言すれば、梁7によって、被験者の手首付近を回転軸として指装具20の全体が、上方(手の背屈方向)へ跳ね上げられる。指装具20は母指を除く四指を拘束しているため、指装具20が上方に跳ね上げられると、被験者の手THの全体が背屈する。なお、梁7は、指装具20が水平となる箇所で止まるように可動範囲が規制されている。

0030

アクチュエータ40は、指装具20(多リンク機構21a、21b)を屈曲させるのと同時に指装具20全体を回転させることが可能である。アクチュエータ40の動力部は、1個のモータ44である。モータ44の出力軸43には、第1ドラム41と第2ドラム42が同軸に連結されている。第1ドラム41の径は、第2ドラム42の径と異なる。第1ドラム41は2個備えられており、一対の多リンク機構21a、21bの夫々に対応するように、被験者の手首の両側に位置している。第2ドラム42も2個備えられており、それぞれ、第1ドラム41の隣に位置している。

0031

先に述べたように、第1ドラム41には、多リンク機構21a、21bを屈曲/伸展させる第1ワイヤ24a、24bが巻き掛けられている。第2ドラム42には、梁7を回転させる第2ワイヤ8が巻き掛けられている。第2ワイヤ8は、土台3に固定されているガイド9のプーリ9aとガイド10のプーリ10a、10bを介して、上方から指装具20の基部20aへ向けて延びている。そして、第2ワイヤ8は、指装具20の基部20aに連結されている。なお、図1図2では、第2ワイヤ8の図示は省略してある。第2ワイヤ8は、後述する図5A、5Bで図示する。第2ドラム42が回転すると、第2ワイヤ8が上方へ引っ張られ、梁7が回転し、指装具20の全体が手首軸11の回りに回転する。

0032

モータ44が回転すると、第1ドラム41と第2ドラム42が同時に回転する。それゆえ、多リンク機構21a、21bが屈曲すると同時に指装具20の全体が手首軸11の回りに回転する(手THの背屈方向に回転する)。図5A、5Bを参照して、アクチュエータ40による指装具20の屈曲と回転の連携動作を説明する。

0033

図5Aは、指装具20(多リンク機構21a、21b)が真直ぐな状態を示している。図5Aの状態からモータ44(図5A、5Bでは不図示)が正回転すると、第1ドラム41と第2ドラム42が回転する。図5Bに示した矢印Aが正回転方向を示している。第1ドラム41が正回転すると、第1ドラム41に巻き掛けられている上側の第1ワイヤ24aが緩み、下側の第1ワイヤ24bが引っ張られる。図5Bの矢印Bが、第1ワイヤ24a、24bの移動方向を示している。その結果、指装具20(多リンク機構21a、21b)が屈曲する(図5Bの矢印C)。同時に、第2ドラム42が正回転するので、第2ドラム42に巻き掛けられている第2ワイヤ8が引っ張られ、梁7が跳ね上げられる。図5Bの矢印Dが、第2ワイヤや8の移動方向を示している。その結果、指装具20の全体が、手THの背屈方向へ回転する。図5Bの矢印Eが、指装具20の全体の回転を示している。

0034

このように、アクチュエータ40は、1個のモータ44(図5A、5Bでは不図示)によって、指装具20を屈曲させると同時に、指装具20全体を手THの背屈方向へ回転させることができる。モータ44を逆回転させると、屈曲した指装具20が伸展すると同時に、背屈した指装具20が水平方向へ向けて回転する。

0035

先にのべたように、指装具20の一対の多リンク機構21a、21bの夫々は、複数の小駒23が一列に連結された構造を有している。隣接する小駒23は、横方向に延びる回転軸23aを軸に指屈曲方向に回転可能に連結されている。図5A、5Bに示すように、多リンク機構21aは、8個の小駒23で構成されている(基部20aに固定されている小駒23を除く)。他方の多リンク機構21aも同様に、8個の小駒23で構成されている(基部20aに固定されている小駒23を除く)。即ち、多リンク機構21a、21bは、8リンク機構である。一方、人の指は、3個の骨(基節骨中節骨、末節骨)と、3個の関節(MP関節PIP関節DIP関節)で構成されている3リンク機構である。指の骨の数より多いリンク(小駒)を備えた指装具20は、屈曲する指に良くなじむ。これは、次の理由による。

0036

即ち、指の骨の数と同じ数のリンク機構を採用すると、指の夫々の関節に対してメカニカルな関節が一対一に対応する。そうすると、指が屈曲するときにわずかでも指の関節回転軸とメカニカルな関節回転軸がずれると指装具から指に不自然な力が作用する。この不自然な力が被験者に違和感を与える。一方、リンクの数が指の骨の数より多リンク機構21a、21bは、指よりも滑らかに屈曲するので、指の関節回転軸がメカニカルな関節回転軸とずれても屈曲する指によく追従する。それゆえ、多リンク機構から指へ不自然な力が生じることがなく、被験者に違和感を与えない。他方、多リンク機構21a、21bは、布あるいは柔軟な樹脂で作られたグローブよりははるかにしっかり四指を支持することができる。多リンク機構は、指の骨の数(即ち3)よりも多くのリンク(小駒)を備えていればよい。即ち、多リンク機構は、4個以上のリンク(小駒)を備えていれば、指が屈曲したときに被験者に与える違和感が少ない。

0037

図1図2に戻って訓練装置2の母指関節屈曲機構30を説明する。母指関節屈曲機構30は、土台3に載置された被験者の手THの母指の横に配置されている。母指関節屈曲機構30は、被験者の手THが背屈する際に母指を外側から押さえつけ、母指CM関節を掌方向へ屈曲させる。図1における母指関節屈曲機構30の付近の拡大図を図6に示す。

0038

母指関節屈曲機構30は、前腕支持部4(土台3)から上方へ延びている立柱31と、立柱31から前方(直線状態の四指の長手方向)へ延びている水平棒32と、水平棒32に連結されているスライダ33を備えている。母指関節屈曲機構30には、そのほか、後述する母指装具51が含まれる。立柱31は、被験者の手首付近に位置している。水平棒32は、被験者の手首付近から前方へ延びている。水平棒32は、土台3の前腕支持部4に固定される。スライダ33は、水平棒32に対して摺動可能であるとともに、水平棒32の長手方向を軸に回転可能である。図6に示されているように、スライダ33は、被験者の母指球TBの外側に接する。図6では示されていないが、より具体的には、被験者の母指球には母指装具51(後述)が取り付けられ、スライダ33は、母指装具51に連結される。

0039

図7に、被験者の手に装着されるグローブ50と、スライダ33の斜視図を示す。グローブ50の母指球部位には母指装具51が取り付けられている。図7では、母指装具51から外されたスライダ33と水平棒32を実線で描いてあり、母指装具51に連結されたスライダ33を仮想線で描いてある。スライダ33と母指装具51は、スナップボタン34a、34bにより着脱自在に連結される。なお、母指装具51は、グローブ50を介して被験者の母指球に取り付けられてもよいし、グローブ50なしに直接に被験者の母指球に取り付けられてもよい。グローブ50を用いると、被験者への母指装具51の着脱が容易になる。その上、グローブ50は、訓練中の被験者の手THの保護にも役立つ。

0040

図8、9を参照して母指関節屈曲機構30の機能について説明する。図8図9は、母指関節屈曲機構30(水平棒32とスライダ33)と被験者の手THのみを示しており、訓練装置2のほかの部品は図示を省略している。図8は、不図示の指装具20が伸展しており、指装具20に拘束された四指が伸展している状態を示している。図9は、不図示の指装具20が屈曲し、指装具20に拘束された四指も屈曲している状態を示している。図9は、指装具20全体が回転し、手THが背屈した状態でもある。図8(A)、図9(A)は、後面図であり、図8(B)、図9(B)は側面図である。

0041

母指関節屈曲機構30のスライダ33は、被験者の手THの母指球TBの外側に接している(先に述べたように、図8図9では、母指装具51は省略されている)。手THが背屈するにつれて、母指球TBの位置は上昇する。母指球TBの上昇に伴って、母指球TBに接しているスライダ33(母指装具51を介して連結されているスライダ33)は、水平棒32に対して回転する。スライダ33が回転すると、スライダ33の母指球TBとの接触面が母指側へ移動し、母指球TBを掌側へ押し込む。その結果、母指CM関節が掌側へ屈曲する(図9(A)の矢印参照)。即ち、母指関節屈曲機構30は、手THの背屈の動きを利用して母指CM関節を掌側へ屈曲させる。なお、手THが背屈するにつれて、母指球TBは後方へ移動する。母指球TBの移動に伴って、スライダ33も水平棒32に対して後退する(図9(B)の矢印参照)。従って、手THが背屈方向へ回転する間、スライダ33は母指球TBの同じ位置に接触することができる。スライダ33が水平棒32に対して回転するとともに摺動することで、スライダ33は母指球TBの移動に追従し、母指球TBを内側に押し込む。その結果、母指CM関節が自然に内側に屈曲する。

0042

実施例の訓練装置2の利点を説明する。訓練装置2は、被験者の手の四指(母指を除く四指)を屈曲させると同時に手を背屈させる。手と四指のこの動きは、物体を把持する際の自然な動きに近い。実施例の訓練装置2は、自然な把持動作を模擬することができるので、把持動作の訓練に適している。

0043

また、訓練装置2は、四指を拘束している指装具20を上方へ跳ね上げることで、被験者の手THを背屈させる。手首関節から比較的遠い箇所に上方への力を加えて手THを背屈させる。背屈の際に手首関節の位置がずれても被験者に与える違和感は小さい。

0044

訓練装置2は、母指関節屈曲機構30を備えている。母指関節屈曲機構30は、手THが背屈する際に母指CM関節を掌側へ屈曲させる。一般に、把持動作では、四指が屈曲すると同時に母指CM関節が内側へ屈曲する。訓練装置2は、母指関節屈曲機構30を備えていることで、より自然な把持動作を模擬することができる。

0045

母指関節屈曲機構30は、手THが背屈する際、母指球の外側に当接するスライダ33が回転することで母指を掌側に押し付け、母指CM関節を屈曲させる。母指関節屈曲機構30は、手THの背屈動作を利用し、動力なしに母指CM関節を屈曲させることができる。また、スライダ33は、水平棒32の長手軸回りに回転可能であるとともに、長手方向に摺動可能である。手THが背屈する際、母指球は後方に移動する。スライダ33は、母指球の移動に伴って後方へ移動することができるので、背屈動作の間、常に適正に母指球の外側に接することができる。

0046

スライダ33は、母指装具51に連結されている。従って、図9の状態から図8の状態に移行することができる。即ち、背屈した手THが元の状態に戻る際、スライダ33は回転しつつ母指球を外側へ引っ張り、屈曲した母指CM関節を伸展させる。母指関節屈曲機構30を備えた訓練装置2は、手THを背屈させつつ五指を屈曲させる把持動作と、背屈を元に戻しつつ五指を開く動作の双方を行わせることができる。モータ44の正回転と逆回転を繰り返すと、手THを背屈させつつ五指を屈曲させる把持動作の訓練と、背屈を元に戻しつつ五指を開く動作の訓練を繰り返し実施することがきる。

0047

訓練装置2は、把持動作訓練の際に被験者に握らせる弾性体を備えていてもよい。図10に、弾性体60を握らせた訓練の様子を示す。なお、図10では、被験者の手THを仮想線で描いてある。図10では手THの四指と指装具20が干渉しているが、実際には、弾性帯22a、22bが湾曲し四指を挟み込む。

0048

弾性体60を握らせると、指装具20を屈曲させた際、被験者の手THは弾性体60から抵抗を受ける。別言すれば、被験者の手THは弾性体60から圧力を受ける。圧力は、指装具20(四指)を屈曲させるほど強くなる。手THが受けた圧力は、感覚フィードバックとして、指を屈曲させる屈筋を刺激する。この感覚フィードバックにより、被験者の反射系は、物を確実に掴むべく、屈筋がより一層働く。

0049

図11に、指の屈曲に関係する前腕部位の筋電位の時系列グラフを示す。図11(A)は、弾性体60を使った訓練のときの波形であり、図11(B)は弾性体60を使わなかったときの波形である。縦軸は筋電位(電圧)を示しており、横軸は時間を示している。グレーのグラフは筋電位の生データである。太線は、カットオフ周波数0.1[Hz]のローパスフィルタを通した波形である。図11(A)では、9、17、25、35、42秒にピークがみられる。これらの時刻は、指装具20が最も屈曲したタイミングに相当する。一方、図11(B)では、顕著なピークがみられない。このように、弾性体60を握らせておくと、指が受ける圧力による感覚反射により屈筋が刺激されることがわかる。弾性体60を伴う訓練装置2は、把持動作の訓練において感覚フィードバックが喚起され、指の屈筋が刺激される。その結果、被験者の運動学習が効果的に促進されることが予想される。

0050

弾性体60が訓練装置2のオプション部品である。手THにグローブ50(図7参照)を嵌めた場合、訓練中に落下しないように弾性体60はグローブに固定される。

0051

第1実施例で説明した技術に関する留意点を述べる。図1では、母指関節屈曲機構30の立柱31は、手THの右側で前腕支持部4に取り付けてある。立柱31は、手THの反対側(左側)で前腕支持部4に取り付けることも可能である。そうすると、訓練装置2は、被験者の左手の訓練にも用いることができる。即ち、訓練装置2は、左右のいずれの手であっても訓練することができる。

0052

母指装具51とスライダ33はスナップボタンで容易に着脱することができる。このことは、訓練装置2の利用者の労力を軽減する。また、グローブ50は、被験者の手の保護に役立つ。一方、グローブを使わずに訓練装置2を利用することも可能である。

0053

実施例の訓練装置2は、1個のモータ44で四指を屈曲させると同時に手を背屈させることができる。1個のモータ44で両方の動作を同時にできることが好ましいが、四指の屈曲と手の背屈を別々のモータで行ってもよい。

0054

母指関節屈曲機構30は訓練装置2のオプション部品である。母指関節屈曲機構30がなくとも、訓練装置2によって良好な把持動作訓練を行うことができる。母指関節屈曲機構30を採用すると、一層効果的な把持動作訓練を行うことができる。グローブ50と弾性体60も訓練装置2のオプション部品である。グローブ50と弾性体60がなくとも、訓練装置2によって良好な把持動作訓練を行うことができる。グローブ50及び/又は弾性体60を採用すると、より一層効果的な把持動作訓練を行うことができる。

0055

(第2実施例)次に、第2実施例の訓練装置を説明する。第2実施例の訓練装置2aは、指の屈曲の訓練装置である。第2実施例の訓練装置2aの側面図を図12A、12Bに示す。訓練装置2aは、第1実施例の訓練装置2から、手を背屈させる機構と、母指関節屈曲機構30を除いたものである。図12A図12Bにおいて、第1実施例の訓練装置2の部品と同じ部品には同じ符号を付してある。

0056

第2実施例の訓練装置2aは、土台3と、指装具20と、アクチュエータ140を備えている。指装具20は、第1実施例の訓練装置2の指装具と同じ構造を有している。即ち、指装具20は、被験者の手THの四指の両側に位置する一対の多リンク機構21a(21b)と、一対の多リンク機構21a(21b)の上側と下側のそれぞれに掛け渡されている弾性帯22a、22bで構成されている。弾性帯22aは、一対の多リンク機構21a(21b)の下側に掛け渡されている。弾性帯22bは、一対の多リンク機構21a(21b)の上側に掛け渡されている。なお、図12A、12Bでは、一方の多リンク機構21bは、多リンク機構21aに隠れて見えない。多リンク機構21a(21b)は、8個の小駒(リンク)23が一列に連結された構造を有している。上側の弾性帯22bと下側の弾性帯22aの間に手THの四指が挿通される。

0057

土台3には、前腕支持部4が固定されており、その前腕支持部4には、支持梁107が固定されている。支持梁107の先端に指装具20の基部20aが支持されている。指装具20の基部20aは、土台3に固定されており、動かない。前腕支持部4に被験者の前腕TAが載置される。載置された前腕TAの手THの四指が指装具20に挿通される。

0058

指装具20の一列に連なっている小駒23の上側と下側を第1ワイヤ24a、24bが貫いている。第1ワイヤ24a、24bは、アクチュエータ140の第1ドラム41に巻き付けられている。第1ドラム41は、モータ44で回転する。図12Aは、指装具20が真直ぐに伸びた状態を示している。図12Aの状態からモータ44が正回転すると、第1ドラム41が回転する。図12Bに示した矢印Aが正回転方向を示している。第1ドラム41が正回転すると、第1ドラム41に巻き掛けられている上側の第1ワイヤ24aが緩み、下側の第1ワイヤ24bが引っ張られる。図12Bの矢印Bが、第1ワイヤ24a、24bの移動方向を示している。その結果、指装具20(多リンク機構21a、21b)が屈曲する(図12Bの矢印C)。モータ44(第1ドラム41)が逆回転すると、下側の第1ワイヤ24bが緩み、上側の第1ワイヤ24aが引っ張られ、指装具20が伸展する。

0059

第2実施例の訓練装置2aは、指の屈曲を訓練する。先に述べたように、4個以上のリンク(小駒23)が連なっている多リンク機構21a、21bを備える指装具20は、屈曲したときに被験者に与える違和感が少ない。

0060

訓練装置2aは、指装具20によって被験者の四指を屈曲させる際に手THに把持させる弾性体60を備えている。弾性体60は、指を屈曲させた際に被験者の指に圧を感じさせる。屈曲とともに指に圧を与えることで、指の屈曲に関連する腕の屈筋が刺激され筋電が励起される。この刺激により、物を把持する動作の感覚が被験者にフィードバックされる。訓練装置2aも、把持動作の模擬の際に感覚フィードバックを喚起することで、より効果的な訓練(リハビリテーション)を行うことができる。

0061

上側の弾性帯22bを備えず、四指を拘束しない指装具20も、以下の効果を奏することができる。すなわち、4個以上の小駒(リンク)で構成される多リンク機構の指装具であれば、指が屈曲したときに指の関節回転軸とメカニカルな回転軸がずれても被験者に与える違和感が少ないという効果を奏する。また、弾性体を備えることで、下側の第1弾性帯を通して把持対象物(弾性体)から指へ圧力を加えることで、物を把持する動作の感覚が被験者にフィードバックされる。

0062

多リンク機構21a、21bの下側に掛け渡されている弾性帯22aが第1弾性帯の一態様に対応する。多リンク機構21a、21bの上側に掛け渡されている弾性帯22bが第2弾性帯の一態様に対応する。

0063

以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。

0064

2、2a:訓練装置
3:土台
4:前腕支持部
7:梁
8:第2ワイヤ
9、10:ガイド
9a、10a、10b:プーリ
11:手首軸
20:指装具
21a、21b:多リンク機構
22a、22b:弾性帯
23:小駒(リンク)
23a:回転軸
24a、24b:第1ワイヤ
30:母指関節屈曲機構
31:立柱
32:水平棒
33:スライダ
34a、34b:スナップボタン
40:アクチュエータ
41:第1ドラム
42:第2ドラム
43:出力軸
44:モータ
50:グローブ
51:母指装具
60:弾性体
107:支持梁
140:アクチュエータ
TA:前腕
TB:母指球
TH:手

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社PlusTipsの「 運動支援システム」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】運動開始のトリガーとなる刺激を適切に伝え、少ない刺激の数量で動作部位ごとに動かすべき方向を認識可能な運動支援システムを提供すること。【解決手段】使用者に装着され、順に動作する複数の刺激手段を有... 詳細

  • 国立大学法人東京農工大学の「 手指運動推定システム」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】手指の使用量を高精度に推定すること。【解決手段】手指運動推定システム1は、手指に装着される指輪型デバイス10とマイコン60とを備えており、指輪型デバイス10は、赤外線を出力すると共に該赤外線の... 詳細

  • 株式会社JARTAinternationalの「 トレーニング方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】外部情報の認知機能および情報処理速度を効率的に高めることができるトレーニング方法を提供すること。【解決手段】一態様において、本発明は、対象のトレーニング方法であって、該方法は、(A)該対象が装... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ