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技術 弾性波情報取得方法

出願人 羽田野甫
発明者 羽田野甫
出願日 2018年5月2日 (2年7ヶ月経過) 出願番号 2018-088558
公開日 2019年11月7日 (1年1ヶ月経過) 公開番号 2019-194541
状態 未査定
技術分野 超音波による材料の調査、分析 機械的振動・音波の測定
主要キーワード 振動付与装置 ハンマー打撃 トーンバースト信号 受信軸 試供体 ひずみエネルギー テーパ形 打撃装置
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

対象部側に発生させた弾性波を、マイクロフォンを用いて検出する弾性波情報取得方法において、弾性波情報をより簡易な構成でより高精度に検出することのできる弾性波検出方法を提供することを課題としている

解決手段

対象部に発生させた弾性波の情報を取得する弾性波情報取得方法であって、振動工程と、受信工程と、解析工程とを有し、前記受信工程では、前記対象物に発生させた弾性波に起因して前記対象面から放出される音波である対象音波を前記マイクロフォンで受信する際に、前記マイクロフォンの指向性が最大となる軸である受信軸と、前記対象面に垂直な軸である基準軸との間の角度を、空気の音速と、弾性波の対象面における伝搬速度に基づいて算出して設定した。

概要

背景

ハンマー等の打撃装置によってコンクリート構造物等の対象部を打撃したことによって該対象部を伝搬する弾性波を発生させ、加速度センサマイクロフォン等からなる弾性波検出手段によって、該対象部の表面を伝搬する弾性波の情報を取得することができる特許文献1に記載の弾性波情報取得方法が従来公知である。

概要

対象部側に発生させた弾性波を、マイクロフォンを用いて検出する弾性波情報取得方法において、弾性波情報をより簡易な構成でより高精度に検出することのできる弾性波検出方法を提供することを課題としている対象部に発生させた弾性波の情報を取得する弾性波情報取得方法であって、振動工程と、受信工程と、解析工程とを有し、前記受信工程では、前記対象物に発生させた弾性波に起因して前記対象面から放出される音波である対象音波を前記マイクロフォンで受信する際に、前記マイクロフォンの指向性が最大となる軸である受信軸と、前記対象面に垂直な軸である基準軸との間の角度を、空気の音速と、弾性波の対象面における伝搬速度に基づいて算出して設定した。

目的

本発明は、対象部側に発生させた弾性波を、マイクロフォンを用いて検出する弾性波情報取得方法において、弾性波情報をより簡易な構成でより高精度に検出することのできる弾性波検出方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

対象部に発生させた弾性波の情報を取得する弾性波情報取得方法であって、前記対象部のフラットに形成された対象面上に弾性波を発生させる振動工程と、前記弾性波によって発生し且つ前記対象面から放出される音波を、該対象面から所定距離離したマイクロフォンによって受信する受信工程と、前記マイクロフォンによって受信した音波から前記弾性波の解析を行う解析工程とを有し、前記受信工程では、前記対象物に発生させた弾性波に起因して前記対象面から放出される音波である対象音波を前記マイクロフォンで受信する際に、前記マイクロフォンの指向性が最大となる軸である受信軸と、前記対象面に垂直な軸である基準軸との間の角度を、空気の音速と、弾性波の対象面における伝搬速度に基づいて算出して設定したことを特徴とする弾性波情報取得方法。

請求項2

前記受信工程では、前記受信軸と前記対象面の交点が、前記弾性波の発生位置又はその近傍となるように前記マイクロフォンの位置及び姿勢を設定した請求項1に記載の弾性波情報取得方法。

請求項3

前記受信工程では、前記マイクロフォンの受信軸を、前記基準軸に対して傾斜した状態となるように設定した請求項1又は2の何れかに記載の弾性波情報取得方法。

請求項4

前記解析工程の後に、該解析工程によって検出された弾性波の情報から、対象部の診断を行う診断工程を設けた請求項1乃至3に記載の弾性波情報取得方法。

請求項5

前記振動工程では、前記対象部の対象面上に外力を付与することにより弾性波を発生させる弾性波発生手段を用いた請求項1乃至4の何れかに記載の弾性波情報取得方法。

請求項6

前記受信工程では、前記受信軸と、前記基準軸との間の角度θが、空気の音速をVa、弾性波の対象面における伝搬速度をVsとして、θ=sin-1(Va/Vs)±10°の範囲内に収まるように前記マイクロフォンを配置した請求項1乃至5の何れかに記載の弾性波情報取得方法。

技術分野

0001

本発明は、対象部に発生させた弾性波の情報を取得する弾性波情報取得方法に関する。

背景技術

0002

ハンマー等の打撃装置によってコンクリート構造物等の対象部を打撃したことによって該対象部を伝搬する弾性波を発生させ、加速度センサマイクロフォン等からなる弾性波検出手段によって、該対象部の表面を伝搬する弾性波の情報を取得することができる特許文献1に記載の弾性波情報取得方法が従来公知である。

先行技術

0003

特開2008−309622号公報

発明が解決しようとする課題

0004

記文献では、前記弾性波検出手段によってコンクリート構造物の表面を伝搬する弾性波の情報を取得することによって、コンクリート構造物の診断等に利用できるものであるが、該弾性波検出手段によって検出される弾性波が微弱であるため、検出された弾性波を入力アンプ変換器を介して人が可聴可能な周波数域に変換する作業工程を有するものであって、手間とコストが掛かるとともに、検出された弾性波のデータを加工したことにより精度も十分でない場合があるという課題があった。

0005

本発明は、対象部側に発生させた弾性波を、マイクロフォンを用いて検出する弾性波情報取得方法において、弾性波情報をより簡易な構成でより高精度に検出することのできる弾性波検出方法を提供することを課題としている。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決するため、第1に、対象部に発生させた弾性波の情報を取得する弾性波情報取得方法であって、前記対象部のフラットに形成された対象面上に弾性波を発生させる振動工程と、前記弾性波によって発生し且つ前記対象面から放出される音波を、該対象面から所定距離離したマイクロフォンによって受信する受信工程と、前記マイクロフォンによって受信した音波から前記弾性波の解析を行う解析工程とを有し、前記受信工程では、前記対象物に発生させた弾性波に起因して前記対象面から放出される音波である対象音波を前記マイクロフォンで受信する際に、前記マイクロフォンの指向性が最大となる軸である受信軸と、前記対象面に垂直な軸である基準軸との間の角度を、空気の音速と、弾性波の対象面における伝搬速度に基づいて算出して設定したことを特徴としている。

0007

第2に、前記受信工程では、前記受信軸と前記対象面の交点が、前記弾性波の発生位置又はその近傍となるように前記マイクロフォンの位置及び姿勢を設定したことを特徴としている。

0008

第3に、前記受信工程では、前記マイクロフォンの受信軸を、前記基準軸に対して傾斜した状態となるように設定したことを特徴としている。

0009

第4に、前記解析工程の後に、該解析工程によって検出された弾性波の情報から、対象部の診断を行う診断工程を設けたことを特徴としている。

0010

第5に、前記振動工程では、前記対象部の対象面上に外力を付与することにより弾性波を発生させる弾性波発生手段を用いたことを特徴としている。

0011

第6に、前記受信工程では、前記受信軸と、前記基準軸との間の角度θが、空気の音速をVa、弾性波の対象面における伝搬速度をVsとして、θ=sin-1(Va/Vs)±10°の範囲内に収まるように前記マイクロフォンを配置したことを特徴としている。

発明の効果

0012

前記対象面に振動を付与したことにより対象物に生じる弾性波に起因して前記対象面から放出される音波である対象音波をマイクロフォンで受信するにあたり、前記マイクロフォンの指向性が最大となる軸である受信軸と、前記対象面に垂直な軸である基準軸との間の角度を、空気の音速と、弾性波の対象面における伝搬速度に基づいて算出して設定したことによって、弾性波に起因する対象音波がより高精度に検出され、対象面上を伝搬した弾性波情報をより高精度に取得できることを見出した。

0013

また、前記受信工程では、前記受信軸と前記対象面の交点が、前記弾性波の発生位置又はその近傍となるように前記マイクロフォンを配置したものによれば、減衰の少ない前記対象音波を受信できるため、より高精度な弾性波情報を取得することができる。

0014

また、前記受信工程では、前記マイクロフォンの受信軸を、前記基準軸に対して傾斜した状態となるように設定したものによれば、マイクロフォンによってより効率的に対象音波を受信することができる。

0015

また、前記解析工程の後に、該解析工程によって検出された弾性波の情報から、対象部の診断を行う診断工程を設けたものによれば、簡易な構成で取得された弾性波の情報を対象部の診断に用いることができるため、対象部の診断をより簡易且つ低コストで行うことができる。

0016

なお、前記振動工程では、前記対象部の対象面上に外力を付与することにより弾性波を発生させる弾性波発生手段を用いたものによれば、対象部に予め設定した弾性波を発生させることができるため、対象音波の受信をより安定して行うことができる。

図面の簡単な説明

0017

本発明による弾性波情報取得方法に用いられる弾性波情報取得システムの構成を示した概要図である。
受信装置の構成を示した要部側断面図である。
本発明に基づく弾性波情報取得方法を示したフロー図である。
(A)及び(B)は、打撃後0.48ms経過時と、0.976ms経過時の打音データ波面形状を示したモデル図である。
対象面を伝搬する弾性波と、該弾性波に起因して空中に放射された対象音波を示した概念図である。
(A)乃至(C)は、マイクロフォンを適切に傾けた状態で20kHz、40kHz、60kHzの振動を付与した場合に検出された弾性波情報を示したグラフである。
(A)乃至(C)は、マイクロフォンの傾きが不適切な状態で20kHz、40kHz、60kHzの振動を付与した場合に検出された弾性波情報を示したグラフである。
(A)は、コンクリート面に浮きがない場合の弾性波情報を示したグラフであり、(B)は、コンクリート面に浮きがある場合の弾性波情報を示したグラフである。

実施例

0018

本願発明者らは、フラットな対象面上を伝搬した弾性波に起因して放出された対象音波をマイクロフォン等で検出することによって、対象面上を伝搬した弾性波の情報を取得する弾性波情報取得方法、所謂アコスティックエミッションAE)法において、前記マイクロフォンの指向性が最大となる軸である受信軸と、前記対象面に垂直な軸である基準軸との間の角度θを、空気の音速と、弾性波の対象面における伝搬速度に基づいて算出して設定したことによって、簡易な構成でより高精度に弾性波情報を取得できることを見出した。

0019

以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明による弾性波情報取得方法に用いられる弾性波情報取得システムの構成を示した概要図であり、図2は、受信装置の構成を示した要部側断面図である。弾性波情報取得システム1は、コンクリート構造物等である対象部に弾性波を発生させる振動付与装置(弾性波発生手段)2と、対象部から放出される音波データを受信する受信装置3と、該受信装置3によって受信された対象データから対象となる弾性波情報を解析して取得する情報処理装置4とを備えている。

0020

前記振動付与装置2は、コンクリート構造物等の対象部のうち、略フラットに形成された対象面の所定箇所に対して振動を付与することができるハンマー等の打撃装置である。該打撃装置は、例えば、ハンマーを回動可能に支持する支持部(図示しない)と、該ハンマーを所定位置で保持する保持部(図示しない)とを有し、該ハンマーを予め設定された強さ(エネルギー)で対象面を打撃することのできる打撃装置であっても良い。

0021

また、該振動付与装置2は、対象面上に伝搬される弾性波を発生させることのできる振動を付与できるものであれば良く、対象面を打撃する上記打撃装置に限られない。例えば、対象面上の所定箇所に添付(載置)されて対象部に向けて超音波等の振動を直接出力する深触子や、対象面に向けて非接触で超音波や光等を照射する装置であっても良い。

0022

ちなみに、本実施例では、ハンマーや深触子等の前記振動付与装置2によって、対象部に弾性波を発生させているが、該振動付与装置2に代えて、対象部に荷重掛け弾性変形させたり、対象部に亀裂を発生させたりすることによってひずみエネルギーを弾性波として放出させる(アコースティック・エミッションを対象とした)装置であっても良い。

0023

前記受信装置3は、焦点Fを内側に有するように凹曲面状成形されて一端側が開放された音響フード6と、該音響フード6の開放端側と反対側の部分から該反対方向に突出した筒状ケース7と、該筒状ケース7内に少なくとも一部が収容され且つ焦点F側に配置されたマイクロフォン8とを備え、該マイクロフォン8がより効率的に音波を検出することができるように構成されている(図2参照)。

0024

上記音響フード6は、開放した方向(前方)に向かって径が徐々に拡大する回転体形状を有し、少なくとも音響フード6の内面は、音波を反射し易い素材で構成されている。また、該音響フード6は、内面のみが開放側に向かって径が次第に拡大する形状に成形されていればよく、外面の形状は自由に選択することができる。

0025

上記筒状ケース7は、音響フード6と同一軸芯となって且つ焦点を有さないか或いは上記焦点Fとは異なる焦点を有する円筒状に成形され、この筒状ケース7の突出方向(後方)側の端部は、一体成形された底部7aによって、全部又は大部分が塞がれるとともに、前方側の端部は、音響フード6内の空間と連通するように全面的に開放されている。

0026

上記マイクロフォン8は、その受音面が音響フード6の開放側(前方)に向けられている。この受音面は、上記焦点F又はその近傍に位置されており、マイクロフォン8の全長は、筒状ケース7の軸方向の長さと略同一に設定されている。

0027

また、該マイクロフォン8の外周面と、筒状ケース7の内周面側との間に、充填空間S1が形成され、該充填空間S1には、グラスウール等からなる吸音材9が充填されている。該吸音材9により、前記マイクロフォン8は、弾力的に筒状ケース7内に支持されている。

0028

上記構成の受信装置3によれば、音響フード6内に入射した音波は、反射面6aによって、焦点F側に配置された前記マイクロフォン8の受音面に集められるため、効率的に集音できる。この他、反射面6aを多重反射して、意図しない方向に進む音波は、吸音材9によって吸音される他、筒状ケース7のテーパ形状によって抑制され、音波同士の干渉も抑制されるため、高精度の集音作業を行うことが可能になる。

0029

前記情報処理装置4は、前記受信装置3によって検出した音波データから、前記打撃装置2によって発生した打音等を取除き、対象面上を伝搬する弾性波によって放出された対象音波のみを抽出することができる。また、該情報処理装置4は、検出された対象音波から、該対象音波の音源となった対象面上を伝搬した弾性波の情報を解析することができるように構成されている。該情報処理装置4はパソコン等であっても良い。

0030

該情報処理装置4によって解析された弾性波情報は、情報処理装置4が有する表示部や、該情報処理装置に別途に接続されたモニタ等の出力ユニット(図示しない)に出力することができる。

0031

また、前記情報処理装置4は、コンクリート構造物等である前記対象部そのものを構成する部材の情報や、前記振動付与装置2によって付与する振動の振幅振動数等の情報、検出された対象音波に基づいて解析された弾性波情報等に基づいて、対象部の状態(具体的には内部・外部の損傷や亀裂等の有無)を診断することもできるように構成されている。

0032

なお、図1に示されるように、前記情報処理装置4と、前記受信装置3との間に、受信装置3によって検出された音波データを増幅する増幅器10を設けても良い。

0033

上述のように構成された弾性波情報取得システム1によれば、フラットに形成された対象面上に弾性波を発生させるとともに、対象面上を伝搬した弾性波の情報を取得することができる。以下、対象面上を伝搬した弾性波情報の具体的な取得方法(工程)について説明する。

0034

図3は、本発明に基づく弾性波情報取得方法を示したフロー図である。図示する弾性波情報取得方法は、振動工程と、受信工程と、解析工程と、診断工程とを有している。

0035

前記振動工程は、コンクリート構造物等である対象部を固定装置(図示しない)によって固定し、前記振動付与装置2を用いて対象部のうち略フラットに形成された対象面上の所定箇所に振動を付与することによって、所定箇所から対象面上に沿って伝搬する弾性波を発生させる。

0036

前記受信工程は、前記受信装置3を用いて、前記振動工程によって対象部に振動を付与したことによって空気中に伝搬する音波データを受信する。このとき、該受信装置3は、対象面側から所定距離を設けた場所に設置するとともに、該受信装置3内の前記マイクロフォン8の指向性が最大となる軸である受信軸Xが、前記対象面に垂直となる軸である基準軸に対して傾斜させた姿勢で対象音波の受信が行われるように構成されている。該受信工程における前記受信装置3(マイクロフォン8)の設置位置及び姿勢の詳細については後述する。

0037

前記解析工程は、前記情報処理装置4によって、検出された音波データから対象部の対象面上を伝搬した弾性波に起因して発生した対象音波のみを抽出するとともに、該対象音波に基づいて、対象面上を伝搬した弾性波の弾性波情報を取得する。

0038

前記診断工程は、前記情報処理装置4等によって、解析工程によって取得された弾性波情報に基づいて、対象部の表面の状態や亀裂等の有無を診断することができる。これにより、対象部を破壊することなく対象部内部及び外部の状態を診断することができる。

0039

次に、図3乃至5に基づき、前記受信工程について詳述する。図4(A)及び(B)は、打撃後0.48ms経過時と、0.976ms経過時の音波データの波面形状を示したモデル図であり、図5は、対象面を伝搬する弾性波と、該弾性波に起因して空中に放射された対象音波を示した概念図である。

0040

前記受信工程によって受信する音波データは、前記振動工程によって対象面の所定位置に打撃が加えられた場合、図4(A)及び(B)に示されるように、打撃装置2によって対象面上に打撃を加えた箇所から発生する打音を示す音波のデータと、該打撃によって対象面上を伝搬した弾性波に起因して対象面から放出される対象音波のデータとを有している。

0041

このとき、前記打音による音波は、対象面上の所定箇所から半円状の波面を形成しながら空気中を伝搬する一方で、前記弾性波に起因する対象音波は、打撃装置によって打撃を加えた箇所から、対象面上を弾性波が高速で伝搬するとともに、対象面上を弾性波が伝搬した箇所から順次空気中へ対象音波が伝搬する。すなわち、弾性波に起因した対象音波は、打撃装置によって打撃した位置からの距離が遠くなるほど、対象面と垂直な方向に伝搬するタイミングが遅れるため、該対象音波は、フラットな対象面に対して傾斜した波面が形成されている(図4及び図5参照)。

0042

ちなみに、対象面から伝搬する打音の音波と、弾性波に起因する対象音波とは、空気中を伝搬する速度は略同じ(約340m/s)である一方で、打撃装置2によって打撃された位置から対象面上を伝搬する弾性波は、各音波と比較して早い速度(約1500〜2500m/s)で伝搬するため、前記対象音波による波面と、対象面との間の角度θは、空気の音速Vaと、弾性波の対象面に沿った伝搬速度Vsとに基づいて算出することができる(図4及び図5参照)。

0043

このため、前記受信工程では、前記受信装置3を、マイクロフォン8の前記受信軸Xを、該受信装置3の受信軸Xが対象音波の波面に対して略垂直か、これに近い傾きとなるような姿勢で、前記対象音波の受信を行うように構成した。

0044

具体的に説明すると、前記受信装置3は、前記マイクロフォン8の受信軸Xと、前記基準軸との間の角度θを、空気の音速をVa、弾性波の対象面に沿った伝搬速度をVsに基づいて算出して設定した。具体的には、前記受信装置3は、マイクロフォン8の受信軸の角度θが、θ=sin-1(Va/Vs)±10°の範囲内となるような姿勢に設定した(図1参照)。

0045

該構成によれば、前記受信装置3によって検出する弾性波に起因した対象音波をより効率的且つ高精度に検出することができる。以下に、具体的な実験例を示す。

0046

次に、図6及び図7に基づき、弾性波情報取得システムを用いた弾性波情報の取得方法の具体的な実施例を示す。
(実施例1)

0047

弾性波情報の取得を行う対象部として、厚さ25cm、縦横が各1mに成形されたモルタル製試供体を用いた。前記受信装置3は、開口側の直径が20cmの音響フード6と、直径1/4インチ計測用コンデンサマイクロフォン8とを備えたものを使用した。

0048

該受信装置3は、前記受信工程において対象音波を受信するにあたり、前記マイクロフォン8によって、対象音波の波面を正面側から受信できるように傾けた姿勢で配置した。

0049

このとき、前記対象音波による波面と、対象面との間の角度θは、空気中の音速Vaを340m/s、試供体の対象面上を伝搬する弾性波の速度Vsを2000m/sとすると、上記より角度θ=9.8度と算出されるため、前記受信装置3は、前記マイクロフォン8の受信軸Xと、対象面から垂直な基準軸との間の角度θが、9.8度となるように傾けた姿勢で配置した。

0050

前記振動付与装置2は、試供体の対象面上に直接載置される直接接触型超音波深触子を使用し、該直接接触型超音波深触子が設置された所定箇所から試供体へトーンバースト信号印加(付与)した。このとき、試供体に印加するトーンバースト信号の周波数を20kHz,40kHz,60kHzの各パターンで行った。各パターンの周波数を印加した際に計測された弾性波情報を示す測定結果図6に示す。

0051

図6(A)乃至(C)は、マイクロフォンを適切に傾けた状態で20kHz、40kHz、60kHzの振動を付与した場合に検出された弾性波情報を示したグラフである。図6に示されるように、前記マイクロフォン8の受信軸Xが対象音波の波面と略垂直となるように傾けたことにより、その周波数においても弾性波情報を良好に取得することができた。

0052

これに対し、前記受信装置3の傾きについて、前記マイクロフォン8の受信軸Xと、対象面から垂直な基準軸との間の角度θが、θ=sin-1(Va/Vs)±10°の範囲外となる、45度となるように傾けて配置し、同様にして弾性波情報の検出を行った。各パターンの測定結果を図7に示す。

0053

図7(A)乃至(C)は、マイクロフォンの傾きが不適切な状態で20kHz、40kHz、60kHzの振動を付与した場合に検出された弾性波情報を示したグラフである。図7に示されるように、前記マイクロフォン8の前記受信軸Xと、前記基準軸との間の角度θが、θ=sin-1(Va/Vs)±10°の範囲外となると、対象面に何れの周波数が印加された場合においても弾性波情報の検出感度が大幅に低下していることが確認できた。

0054

次に、図8に基づき、弾性波検出システムを用いた対象部の診断方法の具体的な実施例を示す。
(実施例2)

0055

対象部として、厚さ6cmの浮き(剥離)を有するコンクリート試験体と、浮きを有さないコンクリート試験体とを用いて、上述の前記弾性波情報取得システム1によって、試験体の表面に伝搬する弾性波情報を取得し、取得された弾性波情報に基づいてコンクリート試験体の浮きの有無を診断可能か否かの確認を行った。

0056

前記振動付与装置2として、コンクリート試験体の対象面上を打撃するハンマーを使用し、ハンマー打撃によって発生する弾性波の情報取得を試みた。前記受信装置3は、前記マイクロフォン8の受信軸Xが対象音波の波面と略垂直となるように傾けて配置した。

0057

前記情報処理装置4は、前記受信装置3のマイクロフォン8によって出力された音波データから、打音による音波を除外するために800〜8000kHzを通過域とするバンドパスフィルタに通した。これにより、各コンクリート試験体から取得された対象音波の波形を取得した。各コンクリート試験体から取得された弾性波情報を図8に示す。

0058

図8(A)は、コンクリート面に浮きがない場合の弾性波情報を示したグラフであり、図8(B)は、コンクリート面に浮きがある場合の弾性波情報を示したグラフである。図8に示されるように、浮きのあるコンクリート試験体から得られた波形には、対象面上の浮きの部分の屈曲振動に起因すると推定される波形形状が得られていることが確認できた。

0059

2振動付与装置(振動付与手段)
8 マイクロフォン

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