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図面 (5)

課題

チャネルオプシン−2(Chop2)の変異の同定および使用法の提供。

解決手段

本発明は、変異体チャネルロドプシン−2(ChR2)タンパク質をコードする、少なくとも1つの核酸またはポリペプチド分子を含む組成物およびキットを提供する。変異体ChR2を含む組成物を、被験体投与して、光伝達を維持、改善、または回復することを含む。好ましくは、視覚障害を有する被験体に提供し、それによって視覚を正常レベルまで回復する。一局面において、変異Chop2の単離されたポリペプチド分子が提供され、ここで132位のアミノ酸ロイシン(L)ではない。

概要

背景

網膜は、光受容体(または光受容細胞桿体および錐体)から成る。光受容体は、光伝達、または視覚系において一連事象伝播し、最終的に我々の世界の表示を生成する(電磁放射の形態での)光の電気的および化学的シグナルへの変換を担う、高度に特殊化されたニューロンである。

概要

チャネルオプシン−2(Chop2)の変異の同定および使用法の提供。本発明は、変異体チャネルロドプシン−2(ChR2)タンパク質をコードする、少なくとも1つの核酸またはポリペプチド分子を含む組成物およびキットを提供する。変異体ChR2を含む組成物を、被験体投与して、光伝達を維持、改善、または回復することを含む。好ましくは、視覚障害を有する被験体に提供し、それによって視覚を正常レベルまで回復する。一局面において、変異Chop2の単離されたポリペプチド分子が提供され、ここで132位のアミノ酸ロイシン(L)ではない。なし

目的

本発明は、チャネルオプシン−2(Chop2)遺伝子の有利な変異、および/またはその組み合わせの発現による、光受容細胞の光感受性を回復および/または増大させる方法に対する、長年のニーズに関する解決策を提供し、そして続いてチャネルオプシン−2(Chop2)に基づく遺伝子治療のための方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

図面に記載の発明。

技術分野

0001

関連出願
この出願は、2012年3月5日に出願された米国仮出願第61/606,663号に対する優先権およびその利益を主張する。この仮出願の内容は、その全体が参考として本明細書に援用される。

0002

政府支援
本発明は、National Institutes of Health/National Eye Instituteの助成金NIH EY 17130の下、米国政府の支援を受けてなされた。政府は、本発明に一定の権利を有する。

0003

本発明は一般的に、分子生物学の分野に関連する。チャネルオプシン(channelopsin)−2(Chop2)遺伝子の変異を同定する。変異体Chop2遺伝子を含む組成物を、視力喪失を改善および回復するための治療方法において使用する。

背景技術

0004

網膜は、光受容体(または光受容細胞桿体および錐体)から成る。光受容体は、光伝達、または視覚系において一連事象伝播し、最終的に我々の世界の表示を生成する(電磁放射の形態での)光の電気的および化学的シグナルへの変換を担う、高度に特殊化されたニューロンである。

発明が解決しようとする課題

0005

光受容体の喪失または変性は、網膜内の視覚情報の光伝達を、完全に阻害はしないにしても、ひどく損なう。光受容細胞の喪失および/または光受容細胞機能の喪失は、視力の低下、光感受性の低下、および失明の主な原因である。当該分野において、視力喪失を経験している被験体の網膜の羞明を回復する組成物および方法に対する、長年のニーズが存在する。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、チャネルオプシン−2(Chop2)遺伝子の有利な変異、および/またはその組み合わせの発現による、光受容細胞の光感受性を回復および/または増大させる方法に対する、長年のニーズに関する解決策を提供し、そして続いてチャネルオプシン−2(Chop2)に基づく遺伝子治療のための方法を提供する。

0007

チャネルオプシン−2(Chop2)に基づく遺伝子治療は、光受容体の変性後に、網膜の光感受性を回復するためのすぐれた戦略を提供する。Chop2遺伝子のタンパク質産物は、光異性化可能な発色団オールトランスレチナールに結合した場合、チャネルロドプシン−2(ChR2)と呼ばれる、機能的な光ゲートチャネルを形成する。天然のChR2は、低い光感受性を示す。最近、2つの変異体ChR2、L132CおよびT159Cが、その光感受性を著しく増大させることが報告された(Kleinlogelら(2011)Nat Neurosci.14:513−8;Berndtら(2011)Proc Natl Acad Sci USA.108:7595−600;Priggeら(2012)J Biol Chem.287(38)3104:12;そのそれぞれの内容は、それらの全体が本明細書に援用される)。これらの2つのChR2変異体(すなわち、L132CおよびT159C)の特性を調査し、そしてこれらの2つの部位における多くの二重変異体と比較して、治療方法のために適当な候補を同定した。これらの変異のうち1つまたはそれより多くを含む組成物が、視覚を回復する目的のために、その必要のある被験体に提供される。具体的には、Chop2遺伝子の望ましい変異を、細胞に導入する、および/または細胞のゲノムDNAに組み込んで、視覚を改善または回復する。視覚を改善または回復するために細胞に導入されるChop2遺伝子の望ましい変異はまた、ゲノムDNAに組み込まれずに、エピソーム性のままであり得る。

0008

Chop2(および従って、できたChR2)のL132またはT159アミノ酸位置の変異は、ChR2媒介性の光電流を誘発するために必要な光強度閾値を、著しく低下させる。アミノ酸位置L132およびT159における二重変異体はさらに、低い光強度における光電流を増大させ、対応する単一の変異のいずれのものも超える。L132およびT159位置における二重変異体を発現する網膜神経節細胞は、通常の屋外照明条件の範囲内に入る光強度に応答し得るが、依然として、有用な視覚を回復するために適当な、十分かつ高い時間分解能を維持しなければならない。従って、視覚を回復または改善するために、改善された光感受性を有する変異体ChR2を形成する、本発明の変異体Chop2タンパク質を、単独で、または組み合わせて使用する。

0009

具体的には、本発明は、配列番号26を含む、またはそれから成る、単離されたポリペプチド分子を提供し、ここで配列番号26の位置132のアミノ酸ロイシン(L)ではない。単離されたポリペプチド分子のある実施態様において、位置132のアミノ酸はシステイン(C)またはアラニン(A)である。位置132のアミノ酸がシステイン(C)である場合、そのポリペプチド分子は、配列番号13を含み得る、またはそれから成り得る。位置132のアミノ酸がアラニン(A)である場合、そのポリペプチド分子は、配列番号20を含み得る、またはそれから成り得る。

0010

本発明は、配列番号26を含む、またはそれから成る単離されたポリペプチド分子を提供し、ここで配列番号26の位置159のアミノ酸は、トレオニン(T)ではない。単離されたポリペプチド分子のある実施態様において、位置159のアミノ酸は、システイン(C)、セリン(S)、またはアラニン(A)である。位置159のアミノ酸がシステイン(C)である場合、そのポリペプチド分子は、配列番号14を含み得る、またはそれから成り得る。位置159のアミノ酸がセリン(S)である場合、そのポリペプチド分子は、配列番号17を含み得る、またはそれから成り得る。位置159のアミノ酸がアラニン(A)である場合、そのポリペプチド分子は、配列番号23を含み得る、またはそれから成り得る。

0011

本発明は、配列番号26を含む、またはそれから成る単離されたポリペプチド分子を提供し、ここで配列番号26の位置132のアミノ酸はロイシン(L)ではなく、そして位置159のアミノ酸は、トレオニン(T)ではない。配列番号26の位置132のアミノ酸がロイシン(L)ではなく、そして位置159のアミノ酸がトレオニン(T)ではない、配列番号26を含む、またはそれから成る単離されたポリペプチド分子のある実施態様において、位置132のアミノ酸はシステイン(C)であり、そして位置159のアミノ酸はシステイン(C)である。この単離されたポリペプチド分子の好ましい実施態様において、そのポリペプチド分子は、配列番号16を含む、またはそれから成る。本発明は、配列番号16を含む、またはそれから成る、単離されたポリペプチドをコードする、単離された核酸分子を提供する。好ましくは、配列番号16を含む、またはそれから成る単離されたポリペプチドをコードする、単離された核酸分子は、配列番号15を含む、またはそれから成る核酸分子である。

0012

配列番号26の位置132のアミノ酸がロイシン(L)ではなく、そして位置159のアミノ酸がトレオニン(T)ではない、配列番号26を含む、またはそれから成る単離されたポリペプチド分子のある実施態様において、位置132のアミノ酸はシステイン(C)であり、そして位置159のアミノ酸はセリン(S)である。配列番号26の位置132のアミノ酸がロイシン(L)ではなく、そして位置159のアミノ酸がトレオニン(T)ではない、配列番号26を含む、またはそれから成る単離されたポリペプチド分子は、配列番号19を含み得る、またはそれから成り得る。あるいは、またはそれに加えて、配列番号26の位置132のアミノ酸がロイシン(L)ではなく、そして位置159のアミノ酸がトレオニン(T)ではない、配列番号26を含む、またはそれから成る単離されたポリペプチド分子は、配列番号19を含み得る、またはそれから成り得、ここで位置132のアミノ酸はシステインであり、そしてここで位置159のアミノ酸はセリンである。本発明は、配列番号19を含む、またはそれから成る単離されたポリペプチドをコードする、単離された核酸分子を提供する。好ましくは、その核酸分子は、配列番号18を含む、またはそれから成る。

0013

配列番号26の位置132のアミノ酸がロイシン(L)ではなく、そして位置159のアミノ酸がトレオニン(T)ではない、配列番号26を含む、またはそれから成る単離されたポリペプチド分子のある実施態様において、位置132のアミノ酸はアラニン(A)であり、そして位置159のアミノ酸はシステイン(C)である。配列番号26の位置132のアミノ酸がロイシン(L)ではなく、そして位置159のアミノ酸がトレオニン(T)ではない、配列番号26を含む、またはそれから成る単離されたポリペプチド分子は、配列番号22を含み得る、またはそれから成り得る。あるいは、またはそれに加えて、配列番号26の位置132のアミノ酸がロイシン(L)ではなく、そして位置159のアミノ酸がトレオニン(T)ではない、配列番号26を含む、またはそれから成る単離されたポリペプチド分子は、配列番号22を含み得る、またはそれから成り得、ここで位置132のアミノ酸はアラニン(A)であり、そしてここで位置159のアミノ酸はシステイン(C)である。本発明は、配列番号22を含む、またはそれから成る単離されたポリペプチドをコードする、単離された核酸分子を提供する。好ましくは、その核酸分子は、配列番号21を含む、またはそれから成る。

0014

配列番号26の位置132のアミノ酸がロイシン(L)ではなく、そして位置159のアミノ酸がトレオニン(T)ではない、配列番号26を含む、またはそれから成る単離されたポリペプチド分子のある実施態様において、位置132のアミノ酸はシステイン(C)であり、そして位置159のアミノ酸はアラニン(A)である。配列番号26の位置132のアミノ酸がロイシン(L)ではなく、そして位置159のアミノ酸がトレオニン(T)ではない、配列番号26を含む、またはそれから成る単離されたポリペプチド分子は、配列番号25を含み得る、またはそれから成り得る。あるいは、またはそれに加えて、配列番号26の位置132のアミノ酸がロイシン(L)ではなく、そして位置159のアミノ酸がトレオニン(T)ではない、配列番号26を含む、またはそれから成る単離されたポリペプチド分子は、配列番号25を含み得る、またはそれから成り得、ここで位置132のアミノ酸はシステイン(C)であり、そしてここで位置159のアミノ酸はアラニン(A)である。本発明は、配列番号25を含む、またはそれから成る単離されたポリペプチドをコードする、単離された核酸分子を提供する。好ましくは、その核酸分子は、配列番号24を含む、またはそれから成る。

0015

本発明は、本明細書中で記載された、単離されたポリペプチド分子のいずれか1つを提供し、ここでそのポリペプチド分子は、変異体ChR2を形成する変異体Chop2タンパク質をコードし、それは野生型ChR2タンパク質の閾値よりも低い光強度閾値に応答して電流を誘発する。さらに、その電流は陽イオン伝導する。代表的な陽イオンは、H+、Na+、K+、およびCa2+イオンを含むがこれに限らない。ChR2野生型および本明細書中で記載された変異体タンパク質は、非特異的に陽イオンを伝導する。従って、その電流は以下のものの1つまたはそれより多くを伝導する:H+、Na+、K+、およびCa2+イオン。

0016

本発明は、薬学的に受容可能なキャリアをさらに含む、本明細書中で記載された、単離されたポリペプチド分子のいずれか1つを提供する。本発明はまた、少なくとも1つの、本明細書中で記載された、単離されたポリヌクレオチド分子を含む組成物を提供する。その組成物はさらに、薬学的に受容可能なキャリアを含み得る。

0017

本発明は、本明細書中で記載された、単離されたポリペプチドのいずれかをコードする、単離された核酸分子を提供する。さらに、その単離された核酸分子はさらに、薬学的に受容可能なキャリアを含み得る。本発明はまた、少なくとも1つの、本明細書中で記載された、単離された核酸分子を含む組成物を提供する。その組成物はさらに、薬学的に受容可能なキャリアを含み得る。

0018

本発明は細胞を提供し、ここでその細胞は、本発明の単離されたポリペプチド分子と接触した、またはそれを含む。さらに、本発明は細胞を提供し、ここでその細胞は、本発明の単離されたポリペプチド分子をコードする、単離された核酸分子と接触した、またはそれを含む。本発明は、本発明の単離されたポリペプチド分子、または本発明の単離されたポリペプチド分子をコードする核酸分子を含む細胞を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成る組成物を提供する。本発明の細胞を、単離されたポリペプチドまたはそのポリペプチドをコードする単離された核酸分子と、インビトロエキソビボインビボ、またはインサイチュで接触させ得る。本発明のある実施態様において、その細胞は、光受容体;水平細胞双極細胞アマクリン細胞、および特に、AIIアマクリン細胞;または光感受性網膜神経節細胞を含む網膜神経節細胞である。好ましくは、その細胞は、網膜神経節細胞、光感受性網膜神経節細胞、双極細胞、ON型双極細胞、桿体双極細胞、またはAIIアマクリン細胞である。本発明のある局面において、その細胞は、光受容体、双極細胞、桿体双極細胞、ON型錐体双極細胞、網膜神経節細胞、光感受性網膜神経節細胞、水平細胞、アマクリン細胞、またはAIIアマクリン細胞である。

0019

本発明は、被験体に、本明細書中で記載された組成物のいずれか1つを投与する事を含む、視覚を改善または回復する方法を提供する。本発明はさらに、被験体に、本明細書中で記載された組成物のいずれか1つを投与する事を含む、視覚を維持する予防的な方法を提供する。

0020

本明細書中で記載される方法は、健康な、盲目の(部分的なまたは完全な)被験体、および/または網膜の変性(桿体および/または錐体光受容細胞の喪失によって特徴付けられる)を有する被験体にも適用され得るが、周囲の光レベルの決定に関して光感受性網膜神経節細胞の活性に依存し得る。例えば、本明細書中で記載される方法を、24時間の明/暗サイクル概日リズム同調するための光情報の伝達、瞳孔の調節および反射、およびメラトニン放出の光による制御を媒介する、光感受性網膜神経節細胞の活性を維持、改善、または回復するために使用し得る。

0021

本発明の方法のある実施態様において、その被験体は、正常な視覚または視覚障害を有し得る。あるいは、またはそれに加えて、その被験体は、視覚の障害を引き起こす眼科疾患発症するリスクを有し得る。例えば、その被験体は、黄斑変性および網膜色素変性を含む、眼科疾患の家族歴を有し得る。その被験体は、網膜の光感受性細胞に損傷を引き起こす眼の損傷を負うリスクを有し得る。その被験体は、視覚障害、低視力、法的盲、部分的な盲目、または完全な盲目をもたらす、遺伝マーカーまたは遺伝性先天性状態を有し得る。被験体は、近視(myopia)(近視(near−sightedness))または遠視(hyperopia)(遠視(far−sightedness))を引き起こす屈折欠陥を有し得る。

0022

本発明の方法の組成物を、全身的または局所的のいずれかで被験体に投与し得る。局所投与の好ましい経路は、硝子体内注射である。

0023

本発明の他の特徴および利点が、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかになり、そしてそれに含まれる。
特定の実施形態では、例えば以下が提供される:
項目1)
配列番号26を含む、単離されたポリペプチド分子であって、ここで配列番号26の132位のアミノ酸はロイシン(L)ではない、単離されたポリペプチド分子。
(項目2)
132位のアミノ酸がシステイン(C)またはアラニン(A)である、項目1に記載のポリペプチド分子。
(項目3)
132位のアミノ酸がシステイン(C)であり、かつ前記ポリペプチド分子が配列番号13を含む、項目2に記載のポリペプチド分子。
(項目4)
132位のアミノ酸がアラニン(A)であり、かつ前記ポリペプチド分子が配列番号20を含む、項目2に記載のポリペプチド分子。
(項目5)
配列番号26を含む、単離されたポリペプチド分子であって、ここで配列番号26の159位のアミノ酸はトレオニン(T)ではない、単離されたポリペプチド分子。
(項目6)
159位のアミノ酸がシステイン(C)、セリン(S)またはアラニン(A)である、項目5に記載のポリペプチド分子。
(項目7)
159位のアミノ酸がシステイン(C)であり、かつ前記ポリペプチド分子が配列番号14を含む、項目6に記載のポリペプチド分子。
(項目8)
159位のアミノ酸がセリン(S)であり、かつ前記ポリペプチド分子が配列番号17を含む、項目6に記載のポリペプチド分子。
(項目9)
159位のアミノ酸がアラニン(A)であり、かつ前記ポリペプチド分子が配列番号23を含む、項目6に記載のポリペプチド分子。
(項目10)
配列番号26を含む、単離されたポリペプチド分子であって、ここで配列番号26の132位のアミノ酸はロイシン(L)ではなく、かつ159位のアミノ酸はトレオニン(T)ではない、単離されたポリペプチド分子。
(項目11)
132位のアミノ酸がシステイン(C)であり、159位のアミノ酸がシステイン(C)である、項目10に記載のポリペプチド分子。
(項目12)
配列番号16を含む、項目10または11に記載のポリペプチド分子。
(項目13)
項目12に記載の単離されたポリペプチドをコードする、単離された核酸分子。
(項目14)
配列番号15を含む、項目13に記載の核酸分子。
(項目15)
132位のアミノ酸がシステイン(C)であり、159位のアミノ酸がセリン(S)である、項目10に記載のポリペプチド分子。
(項目16)
配列番号19を含む、項目10または15に記載のポリペプチド分子。
(項目17)
項目16に記載の単離されたポリペプチドをコードする、単離された核酸分子。
(項目18)
配列番号18を含む、項目17に記載の核酸分子。
(項目19)
132位のアミノ酸がアラニン(A)であり、159位のアミノ酸がシステイン(C)である、項目10に記載のポリペプチド分子。
(項目20)
配列番号22を含む、項目10または19に記載のポリペプチド分子。
(項目21)
項目22に記載の単離されたポリペプチドをコードする、単離された核酸分子。
(項目22)
配列番号21を含む、項目21に記載の核酸分子。
(項目23)
132位のアミノ酸がシステイン(C)であり、159位のアミノ酸がアラニン(A)である、項目10に記載のポリペプチド分子。
(項目24)
配列番号25を含む、項目10または23に記載のポリペプチド分子。
(項目25)
項目24に記載の単離されたポリペプチドをコードする、単離された核酸分子。
(項目26)
配列番号24を含む、項目25に記載の核酸分子。
(項目27)
項目1、3、4、5、6、7、8、9、10、11、15、16、19、20、23および24のいずれか一項に記載の単離されたポリペプチドをコードする、単離された核酸分子。
(項目28)
前記単離されたポリペプチドが、約315アミノ酸長、約310アミノ酸長、約300アミノ酸長、約275アミノ酸長、約250アミノ酸長、約225アミノ酸長、約200アミノ酸長、約175アミノ酸長または約160アミノ酸長である、項目27に記載の単離された核酸分子。
(項目29)
薬学的に受容可能なキャリアをさらに含む、項目27または28に記載の単離された核酸分子。
(項目30)
前記ポリペプチド分子が、野生型ChR2タンパク質の光強度閾値よりも低い光強度閾値に応答して電流を誘発する変異体ChR2タンパク質をコードする、項目1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、15、16、19、20、23および24のいずれか一項に記載の単離されたポリペプチド分子。
(項目31)
前記ポリペプチド分子が、約315アミノ酸長、約310アミノ酸長、約300アミノ酸長、約275アミノ酸長、約250アミノ酸長、約225アミノ酸長、約200アミノ酸長、約175アミノ酸長または約160アミノ酸長である、項目30に記載の単離されたポリペプチド分子。
(項目32)
薬学的に受容可能なキャリアをさらに含む、項目30または31に記載の単離されたポリペプチド分子。
(項目33)
項目27、28および29のいずれか一項に記載の単離された核酸分子を含む組成物。
(項目34)
項目1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、15、16、19、20、23、24、29、30および31のいずれか一項に記載の単離されたポリペプチド分子を含む組成物。
(項目35)
項目1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、15、16、19、20、23、24、29、30および31のいずれか一項に記載の単離されたポリペプチド分子を含む細胞。
(項目36)
項目1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、15、16、19、20、23、24、29、30および31のいずれか一項に記載の単離されたポリペプチド分子をコードする単離された核酸分子を含む細胞。
(項目37)
項目27または28に記載の単離された核酸分子を含む細胞。
(項目38)
項目35、36および37のいずれか一項に記載の細胞を含む組成物。
(項目39)
前記細胞が、前記単離されたポリペプチドまたは該ポリペプチドをコードする単離された核酸分子とインビトロ、エキソビボ、インビボ、またはインサイチュで接触させられる、項目35、36および37に記載の細胞。
(項目40)
前記細胞が、光受容体、双極細胞、桿体双極細胞、ON型錐体双極細胞、網膜神経節細胞、光感受性網膜神経節細胞、水平細胞、アマクリン細胞、またはAIIアマクリン細胞である、項目35、36および37に記載の細胞。
(項目41)
前記細胞が、網膜神経節細胞または光感受性網膜神経節細胞である、項目40に記載の細胞。
(項目42)
被験体に項目33に記載の組成物を投与するステップを含む、視覚を改善または回復する方法。
(項目43)
被験体に項目34に記載の組成物を投与するステップを含む、視覚を改善または回復する方法。
(項目44)
被験体に項目38に記載の組成物を投与するステップを含む、視覚を改善または回復する方法。
(項目45)
前記被験体が、正常な視覚を有する、項目42、43および44に記載の方法。
(項目46)
前記被験体が、視覚障害を有する、項目42、43および44に記載の方法。
(項目47)
前記被験体が、眼科疾患に罹患している、項目42、43および44に記載の方法。
(項目48)
前記眼科疾患が、黄斑変性または網膜色素変性である、項目47に記載の方法。
(項目49)
前記組成物が、硝子体内注射または網膜下注射によって投与される、項目42、43および44に記載の方法。
(項目50)
前記視覚を改善または回復することが、以下:光感受性を増大させること;光電流を誘発するのに必要とされる光強度閾値を低下させること;および視覚皮質において視覚誘発電位を増大させること、のうちのいずれかを含む、項目42、43および44に記載の方法。

図面の簡単な説明

0024

図1は、その光感受性の比較のための、HEK細胞における、野生型(WT)ChR2、L132C、L132C/T159C、およびL132C/159S変異体からの、光誘発電流の代表的な記録を示す(A)。光刺激(460nmにおける光子/cm2.s)を、キセノンアークランプによって産生し、そして濃度フィルターによって減弱した:ND4.0(2.8×1014)、ND3.0(1.4×1015)、ND2.5(4.8×1015);ND2.0(1.6×1016)、ND1.0(1.3×1017)、ND0(1.2×1018)。(B)同じ電流トレースを、異なる電流スケールで示す。矢印によって示されるトレースは、同じ光強度(ND2.5)によって誘発される。
図2は、その非活性化時間の過程消灯後の減衰時間の過程)の比較のための、HEK細胞における、10msの光パルス(460nmにおける1.2×1018光子/cm2/s)に対する、野生型(WT)ChR2、T159C、L132C、L132C/T159C、およびL132C/T159S変異体からの、光誘発電流の代表的な記録を示す。
図3は、その光感受性の比較のための、網膜全組織標本における、網膜神経節細胞からの、WT ChR2、L132C、L132C/T159C、およびL132C/T159Sに媒介されるスパイク活性の代表的な多チャンネルアレイの記録を示す。光刺激(光子/cm2/s)を、473nmの青色レーザーによって産生し、そして濃度フィルターによって減弱した:ND0(6.3×1016)、ND1.0(7.4×1015)、ND1.5(2.7×1015)、ND2.0(7.3×1014)、ND2.5(3.2×1014)、ND3.0(8.5×1013)、ND3.5(3.8×1013)、およびND4.0(9.5×1012)。
図4は、その時間的動態の比較のための、網膜全組織標本における、網膜神経節細胞からの、WT ChR2、L132C、L132C/T159C、およびL132C/T159Sに媒介されるスパイク活性の代表的な多チャンネルアレイの記録を示す。各パネルにおいて、単一のニューロンから由来する10個の連続する光誘発スパイクのラスタープロット(上)および平均スパイク率のヒストグラム(下)を示す。異なる頻度の光パルスを、各変異体の閾値強度よりも約1log単位高い強度で、473nmの青色レーザーによって産生した。WT ChR2およびL132Cの記録を(A)に示し、そしてL132C/T159CおよびL132C/T159Sの記録を(B)に示す。
図4は、その時間的動態の比較のための、網膜全組織標本における、網膜神経節細胞からの、WT ChR2、L132C、L132C/T159C、およびL132C/T159Sに媒介されるスパイク活性の代表的な多チャンネルアレイの記録を示す。各パネルにおいて、単一のニューロンから由来する10個の連続する光誘発スパイクのラスタープロット(上)および平均スパイク率のヒストグラム(下)を示す。異なる頻度の光パルスを、各変異体の閾値強度よりも約1 log単位高い強度で、473nmの青色レーザーによって産生した。WT ChR2およびL132Cの記録を(A)に示し、そしてL132C/T159CおよびL132C/T159Sの記録を(B)に示す。

0025

視覚系
中枢神経系は、視覚系に存在する特殊化した細胞および独特シグナル伝達方法によって、視覚(本明細書中で視力(sight)とも呼ばれる)を媒介する。視覚系の主な責務は、電磁放射の形態である光を、周囲の世界の表示または画像に変換することである。この系の「視覚」機能に加えて、視覚系はまた、瞳孔対光反射PLR)、周期的な明/暗サイクルに対する概日性光同調、およびホルモンであるメラトニンの放出を制御する。

0026

網膜の細胞は、光(様々な波長および強度の電磁放射)に遭遇する視覚または神経系の最初の細胞である。光子は、角膜、瞳孔、および水晶体を通り、その後網膜に達する。直接光子を吸収する光受容細胞が、網膜の外側層に位置するので、網膜は、独特の構造を有する。水晶体を横切った光子は、まず網膜神経節細胞の内側層(そのうちの少数オプシンメラノプシンの発現によって光感受性である)および双極細胞の中間層に遭遇し、その後、光受容細胞(桿体および錐体としても公知である)の外側層に達する。桿体光受容体は、薄暗い照明条件で作用し(暗所視)、一方錐体光受容体は、色覚を担い、明るい照明条件で作用する(明所視)。錐体光受容体は、ONおよびOFF型錐体双極細胞に直接シナプス伝達(synapse)し、それは次にONおよびOFF型網神経節細胞にシナプス伝達する。桿体光受容体は、桿体双極細胞(独特の型の双極細胞、ON型)にシナプス伝達し、それはAIIアマクリン細胞にシナプス伝達する。AIIアマクリン細胞は次いで、視覚シグナルを、ギャップ結合によってON型の錐体双極細胞に、および抑制性グリシン作動性シナプスによってOFF型錐体双極細胞およびOFF神経節細胞に伝える。網膜神経節細胞は、視覚情報を脳のニューロンに関係付けることを担う。

0027

光伝達
網膜内で、光受容細胞は光子粒子を吸収し、そして光の周波数および波長の生データを、化学的、および続いて電気シグナルに変換し、それがこの最初の情報を視覚および神経系を通して伝える。具体的には、光受容体(桿体、錐体、および/または光感受性網膜神経節細胞)の表面に位置するオプシンタンパク質が光子を吸収し、そして細胞内シグナル伝達カスケードが開始し、それが光受容体の過分極をもたらす。暗所において、そのオプシンタンパク質は光子を吸収せず、光受容体は脱分極する。光受容体の視覚シグナルは次いで、双極細胞、アマクリン細胞、および神経節細胞によって、脳の高次視覚中枢へ伝わる。具体的には、桿体および錐体光受容体が脱分極した場合(暗所において)、それらは桿体双極細胞およびON型錐体双極細胞の脱分極を引き起こすが、OFF型錐体双極細胞の過分極を引き起こし、それは次にAIIアマクリン細胞の脱分極、およびON型網膜神経節細胞のスパイクの増大、およびOFF型網膜神経節細胞のスパイクの減少を引き起こす。桿体および錐体光受容体が過分極した場合(光に応答して)、反対のことが起こる(桿体、ONおよびOFF型双極細胞、AIIアマクリンおよびONおよびOFF型神経節細胞に対して)。

0028

光情報は、光受容体、双極細胞、水平細胞、アマクリン細胞、および網膜神経節細胞の作用によって、処理および有意に精密化される。この系の複雑性に加えるために、光受容体は、桿体、錐体(そのうち3つの型が、区別できる波長の光に最も強く応答する)、および光感受性網膜神経節細胞を含む、3つの主な種類で見出される。従って、情報処理の最初の層は、光の特定の波長および強度に異なって応答する、光受容体のレベルで起こる。網膜の双極細胞は、光受容細胞および水平細胞の両方から情報を受け取る。網膜の水平細胞は、複数の光受容細胞から情報を受け取り、そして従って、細胞型間および網膜内の距離をわたり情報を統合する。双極細胞はさらに、網膜神経節細胞に主に段階電位(graded potential)を産生することによって、光受容細胞および水平細胞からの情報を直接統合するが、いくつかの最近の研究は、いくつかの双極細胞は活動電位を産生し得ることを示す。錐体双極細胞は、網膜神経節細胞およびアマクリン細胞にシナプス伝達し、一方桿体双極細胞は、AIIアマクリン細胞のみにシナプス伝達する。水平細胞と同様、ほとんどのアマクリン細胞は、網膜内で情報を側方に統合する。水平細胞と異なり、ほとんどのアマクリン細胞は、抑制性(GABA作動性介在ニューロンである。それぞれのアマクリン細胞は、特定の型の双極細胞(10種類の双極細胞のうち1つ)に特異的にシナプス伝達するので、アマクリン細胞はまた、水平細胞より特殊化されている。特に、AIIアマクリン細胞は、桿体経路において重要な中継ニューロンである(錐体光受容体が応答しない暗所視において)。AIIアマクリン細胞は、桿体双極細胞からシナプスの入力を受け、そして次いでONおよびOFF型錐体双極細胞を介して、上記で記載したようなONおよびOFF型神経節細胞へ、シグナルを錐体経路へ伝達する(piggy−back)。従って、桿体双極細胞またはAIIアマクリン細胞における、Chop2の発現、およびその結果としてのChR2の形成は、網膜神経節細胞においてONおよびOFFの応答の両方を生じ得る。さらに、網膜神経節細胞は、双極細胞由来の情報およびアマクリン細胞由来の情報を統合する。網膜神経節細胞は、サイズ、接続性、および視覚刺激(例えば視野)に対する応答に関して有意に異なるが、全ての網膜神経節細胞は、長い軸索を脳に伸ばす。瞳孔対光反射および概日同調に関する非視覚情報を伝達する網膜神経節細胞のわずかな部分を除いて、網膜神経節細胞から伸びる軸索の全体は、視神経視神経交差、および中枢神経系の視索を形成する。結果として、かなりの量の情報処理が、網膜自体で起こる。

0029

光受容細胞は、ロドプシンのような内因性オプシンタンパク質を発現する。本発明の変異体Chop2タンパク質は、あらゆる細胞型で発現され得、そして機能的なChR2チャネルを形成し得る。好ましくは、その細胞は網膜の細胞である。代表的な細胞は、光受容細胞(例えば桿体、錐体、および光感受性網膜神経節細胞)、水平細胞、双極細胞、アマクリン細胞、および網膜神経節細胞を含むがこれに限らない。

0030

チャネルオプシン−2(Chop2)
チャネルオプシン−2(Chop2)は、緑藻類、Chlamydomonas reinhardtiiから最初に単離された。チャネルオプシン−2は、7回膜貫通型ドメインタンパク質であり、発色団オールトランスレチナールと結合した場合、光スイッチ可能(光感受性)になる。Chop2は、シッフ塩基結合によってレチナール分子と結合した場合、チャネルロドプシン−2(Chop2レチニリデン(retinalidene)、ChR2と省略される)と呼ばれる、光ゲート、非特異的、内向き整流性、陽イオンチャネルを形成する。

0031

本明細書中で言及する場合、「チャネルオプシン−2」または「Chop2」は、チャネルオプシン−2をコードする遺伝子を指し、それは次いで一旦レチナールに結合すればチャネルロドプシン−2(ChR2)を形成する。本発明の遺伝子構築物は、主にチャネルオプシン−2(すなわちレチナールを含まない)を指し、そして本明細書中で開示される全てのChop2変異体は、機能的なチャネルロドプシン−2改変体を形成する。本明細書中で開示される方法は、外来性のレチナール無しに、Chop2を細胞へ送達することを含み得る。細胞(すなわち網膜ニューロン)においてChop2が発現した時に、内因性の利用可能なレチナールが、野生型Chop2または本発明のChop2変異体に結合して、機能的な光ゲートチャネル、WT ChR2または変異体ChR2を形成することが理解される。従って、本明細書中で言及されるChop2タンパク質はまた、ChR2と同義であり得る。

0032

本明細書中で使用される場合、「チャネルロドプシン−2」または「ChR2」は、レチナールに結合した機能的光感受性チャネルを指す。1つの実施態様において、その結合したレチナールは、外来性に提供され得る。好ましい実施態様において、その結合したレチナールは、細胞において利用可能な内因性レベルから提供される。本発明はまた、本明細書中で記載されたChop2変異体をコードするポリペプチドおよびポリヌクレオチドによって形成された、機能的チャネルロドプシン−2チャネルを含む。

0033

好ましい線量の光放射によって照射された場合に、ChR2はチャネルの孔を開き、それを通って細胞外スペースから細胞内にH+、Na+、K+、および/またはCa2+イオンが流入する。ChR2チャネルの活性化は、典型的にはそのチャネルを発現する細胞の脱分極を引き起こす。脱分極した細胞は、段階電位および/または活動電位を生じ、Chop2/ChR2発現細胞から、網膜または脳の他の細胞へ情報を運ぶ

0034

ChR2の野生型形態または高い時間分解能を有する変異体ChR2が、神経科学研究の中心的な焦点となった。哺乳動物ニューロンにおいて発現された場合、ChR2は、インビトロまたはエキソビボの培養の、光で制御された脱分極を媒介する。野生型ChR2または高い時間分解能を有する変異体ChR2(後者は通常低い光感受性を示す)は、視覚回復の目的のためにそれらを使用することを可能にするために取り組まなければならない、いくつかの困難を提示した。視覚回復の目的のためには、高い時間分解能よりも高い光感受性を有するChR2が望ましい。

0035

野生型ChR2タンパク質は、完全な活性化のために、強い青色光強度照明を必要とする(すなわち、480nmの波長で、1018〜1019光子s−1cm−2)。この型の連続的な照明は、細胞を損傷し得る。

0036

野生型ChR2タンパク質の動態は、チャネル有効性最大化するために最適ではない。野生型ChR2タンパク質の1つまたはそれより多くのアミノ酸を修飾することによって、有効性を上昇させ得、チャネルの開口状態延長し得る、またはチャネルの単位コンダクタンスを増大させ得る、またはその両方である。野生型ChR2の単一チャネルコンダクタンスは小さい。従って、インビボにおけるニューロンの活性化は、野生型チャネルの高い発現か、または好ましい波長の青色光による非常に強力な活性化のいずれかを必要とする。チャネルコンダクタンスを変化させること、またはチャネル開口時間を延長することによって、より単純な解決策を見出し得る。これらのメカニズムのいずれか1つ、および特にこれらのメカニズムの組み合わせが、より低い、およびより安全な光強度を使用して、同じレベルの細胞脱分極を達成することを可能にする。

0037

例えば、本発明の変異体ChR2タンパク質は、チャネル開口状態の延長によって、より高い光感受性を達成する。結果として、各変異体ChR2チャネルは、同じ光強度によって活性化された場合、野生型ChR2チャネルよりも大きい光電流を伝導する。従って、その変異体チャネルは、野生型ChR2チャネルの活性化に必要なものよりも低い光強度によって活性化される。定量的に、変異体ChR2タンパク質を発現する網膜神経節細胞の検出可能なスパイク活性を、野生型ChR2を発現する網膜神経節細胞からスパイク活性を誘発するために必要な光強度より、1.5〜2log単位低い光強度によって誘発し得る。従って、変異体ChR2タンパク質を活性化するために必要な光強度は、通常の屋外照明条件に近いか、またはその範囲内に入る。

0038

以下の配列は、野生型および変異体Chop2タンパク質、および本発明の当該WTおよび変異体Chop2タンパク質をコードし、そして本発明のWTおよび変異体ChR2を形成するポリヌクレオチドの制限しない例を提供する。

0039

本発明の野生型(WT)Chop2は、以下のChlamydomonas reinhardtiiクラミオシン(chlamyopsin)4光ゲートイオンチャネルCOP4)mRNA配列によってコードされ得る(GenBankアクセッション番号XM_001701673、および配列番号1):

0040

0041

本発明の野生型(WT)ChR2は、以下のChlamydomonas reinhardtiiクラミオプシン4光ゲートイオンチャネル(COP4)アミノ酸配列によってコードされ得る(GenBankアクセッション番号XP_001701725、および配列番号2):

0042

本発明の野生型(WT)Chop2は、以下のChlamydomonas reinhardtiiレチナール結合タンパク質(cop4)遺伝子配列によってコードされ得る(GenBankアクセッション番号AF461397、および配列番号3):

0043

0044

本発明の野生型(WT)Chop2は、以下のChlamydomonas reinhardtiiレチナール結合タンパク質(cop4)アミノ酸配列によってコードされ得る(GenBankアクセッション番号AAM15777、および配列番号4):

0045

本発明の野生型(WT)Chop2は、以下のChlamydomonas reinhardtii感覚性オプシンB(CSOB)mRNA配列によってコードされ得る(GenBankアクセッション番号AF508966、および配列番号5):

0046

0047

本発明の野生型(WT)Chop2は、以下のChlamydomonas reinhardtii感覚性オプシンB(CSOB)アミノ酸配列によってコードされ得る(GenBankアクセッション番号AAM44040、および配列番号6):

0048

0049

本発明の野生型(WT)Chop2は、以下のChlamydomonas reinhardtiiの、古細菌型オプシン2核酸配列のacop2mRNAによってコードされ得る(GenBankアクセッション番号AB058891、および配列番号7):

0050

本発明の野生型(WT)Chop2は、以下のChlamydomonas reinhardtiiの、古細菌型オプシン2アミノ酸配列のacop2mRNAによってコードされ得る(GenBankアクセッション番号BAB68567、および配列番号8):

0051

ChR2変異体
本発明は、1つまたはそれより多くのアミノ酸が変異したChop2変異体を提供する。いくつかの実施態様において、そのChop2は、少なくとも1つのアミノ酸変異を有する、配列番号2、4、6、および8のような、全長ポリペプチドである。いくつかの実施態様において、その変異はアミノ酸132および/またはアミノ酸159においてである。いくつかの好ましい実施態様において、位置132のアミノ酸は、ロイシンからシステインまたはアラニンに変異している。いくつかの好ましい実施態様において、位置159のアミノ酸は、トレオニンからアラニン、システイン、またはセリンに変異している。全ての実施態様において、そのChop2変異体は、機能的なChR2チャネルを形成する。

0052

本発明はまた、Chop2タンパク質およびChop2の生物学的に活性な断片、または保存的アミノ酸置換または他の変異改変体をコードする核酸を含む。有用な断片の制限しない例は、野生型Chop2のアミノ酸1−315をコードするポリペプチド、すなわち配列番号26を含み、ここで、例えばアミノ酸位置132および/または159において、少なくとも1つのアミノ酸が変異されているかまたは保存的に置換されている。野生型Chop2のより小さい断片も、本発明において有用であり得、ここで少なくとも1つのアミノ酸が変異されているかまたは保存的に置換されている(すなわちアミノ酸位置132および/または159において)。よって、本発明のChop2ポリペプチドおよび核酸はさらに、野生型Chop2のアミノ酸1−315、1−310、1−300、1−275、1−250、1−225、1−200、1−175、または1−160をコードする、生物学的に活性な断片を含むがこれに限らず、ここで例えばアミノ酸位置132および/または159において、少なくとも1つのアミノ酸が変異されているかまたは保存的に置換されている。他の実施態様において、本発明のChop2ポリペプチドおよび核酸は、315アミノ酸長、310アミノ酸長、300アミノ酸長、275アミノ酸長、250アミノ酸長、225アミノ酸長、200アミノ酸長、175アミノ酸長、または160アミノ酸長までであるか、または約315アミノ酸長、約310アミノ酸長、約300アミノ酸長、約275アミノ酸長、約250アミノ酸長、約225アミノ酸長、約200アミノ酸長、約175アミノ酸長、または約160アミノ酸長であり得る。

0053

本発明の単一変異体Chop2は、以下の合成構築物VChR1−mKate−betahChR2(L132C)遺伝子配列(GenBankアクセッション番号JN836746、および配列番号9)によってコードされ得、注釈は以下の通りである、GFP配列は太字であり、L132C Chop2配列には下線が引かれている:

0054

0055

本発明の単一変異体ChR2は、以下の合成構築物hVChR1−mKate−betahChR2(L132C)アミノ酸配列(GenBankアクセッション番号AER29839、および配列番号10)によってコードされ得、注釈は以下の通りである、GFP配列は太字であり、L132C Chop2配列には下線が引かれている:

0056

本発明の単一変異体Chop2は、以下の合成構築物hVChR1−mKate−betahChR2(L132C)遺伝子配列(GenBankアクセッション番号JN836745、および配列番号11)によってコードされ得、注釈は以下の通りである、GFP配列は太字であり、L132C Chop2配列には下線が引かれている:

0057

0058

本発明の単一変異体Chop2は、以下の合成構築物hVChR1−mKate−betahChR2(L132C)アミノ酸配列(GenBankアクセッション番号AER29838、および配列番号12)によってコードされ得、注釈は以下の通りである、GFP配列は太字であり、L132C Chop2配列には下線が引かれている:

0059

本発明のL132C単一変異体Chop2は、以下のアミノ酸配列によってコードされ得る(位置132は下線および太字、配列番号13):

0060

本発明のT159C単一変異体Chop2は、以下のアミノ酸配列によってコードされ得る(位置159は下線および太字、配列番号14):

0061

本発明のL132C/T159C二重変異体Chop2は、以下のヌクレオチド配列によってコードされ得る(配列番号15):

0062

本発明のL132C/T159C二重変異体Chop2は、以下のアミノ酸配列によってコードされ得る(位置132および159は下線および太字、配列番号16):

0063

0064

本発明のT159S単一変異体Chop2は、以下のアミノ酸配列によってコードされ得る(位置159は下線および太字、配列番号17):

0065

本発明のL132C/T159S二重変異体Chop2は、以下のヌクレオチド配列によってコードされ得る(配列番号18):

0066

本発明のL132C/T159S二重変異体Chop2は、以下のアミノ酸配列によってコードされ得る(位置132および159は下線および太字、配列番号19):

0067

本発明のL132A単一変異体Chop2は、以下のアミノ酸配列によってコードされ得る(位置132は下線および太字、配列番号20):

0068

本発明のL132A/T159C二重変異体Chop2は、以下のヌクレオチド配列によってコードされ得る(配列番号21):

0069

本発明のL132A/T159C二重変異体Chop2は、以下のアミノ酸配列によってコードされ得る(位置132および159は下線および太字、配列番号22):

0070

本発明のT159A単一変異体Chop2は、以下のアミノ酸配列によってコードされ得る(位置159は下線および太字、配列番号23):

0071

本発明のL132C/T159A二重変異体Chop2は、以下のヌクレオチド配列によってコードされ得る(配列番号24):

0072

本発明のL132C/T159A二重変異体Chop2は、以下のアミノ酸配列によってコードされ得る(位置132および159は下線および太字、配列番号25):

0073

本発明の野生型(WT)Chop2は、以下のアミノ酸配列によってコードされ得る(配列番号26):

0074

本発明の変異体ChR2タンパク質はまた、より遅いチャネル動態を示す。より高い光感受性は、より遅いチャネル動態と関連することが見出され、光感受性とチャネル動態との間の二律背反を示した。本発明のChR2タンパク質を形成するChop2タンパク質はまた、ChR2のチャネル動態を改善し得る、または非活性化速度を増大させ得る、さらなる変異または修飾を含み得る。特に好ましいChR2変異体は、光感受性の閾値とチャネル動態の釣り合いを保つ。

0075

組成物およびキット
本発明の組成物およびキットは、本発明の変異体Chop2タンパク質、および結果として生じるChR2をコードする、少なくとも1つの核酸分子またはポリペプチド分子を含む。本発明の変異体Chop2タンパク質をコードする、少なくとも1つの核酸分子またはポリペプチド分子はさらに、薬学的に受容可能なキャリアを含み得る。本発明のキットはさらに、本発明の組成物を被験体に投与するための説明書を含む。

0076

治療的使用
L132(ロイシン132)およびT159(トレオニン159)部位において単一および二重変異を生じるために、コドン最適化Chop2−GFP融合タンパク質に変異を作製した。各変異体ChR2、またはその組み合わせの機能的特性を、まずHEK細胞において調査した。CAGプロモーターによって駆動される変異体Chop2−GFP構築物を保持するAAV2ウイルスベクターを作成し、そして成体マウスの眼に硝子体内注射した。変異体Chop2により媒介される光応答を、網膜全組織標本(whole−mount retina)からの多電極アレイ記録を用いて調査した。

0077

単一変異体ChR2、すなわちL132CおよびT159Cは、ChR2により媒介される光電流を誘発するために必要な光強度の閾値を、著しく下げる。さらに、L132C/T159C、L132A/T159C、およびL132C/T159Sを含む、いくつかの二重変異体ChR2改変体は、低い光強度で、どの単一変異体ChR2の結果よりも上回って、光電流をさらに増大させることが見出された。その二重変異体は、より遅いoff速度を示し、それはおそらく低い光強度における光電流の増大に寄与する。L132C/T159C二重変異体によって媒介される網膜神経節細胞のスパイク活性が、1013光子/cm2/sの光強度および473nmの波長で観察された。この光レベルは、野生型ChR2でスパイク活性を誘発するために必要な光レベルより、約1.5から2log単位低い。L132C/T159Cを発現する網膜神経節細胞のスパイク発火は、15Hzまでの光明滅頻度に追従し得る。進行中の研究は、網膜ニューロンにおける、本発明の変異体ChR2の長期の発現および安全性を評価している。

0078

さらに、本発明の変異体Chop2タンパク質、および結果として生じるChR2タンパク質の発現は、マウスにおいてウイルス注射の2ヶ月後まで、神経毒性を引き起こさないことが見出され、治療的使用のための本発明の安全性を示した。

0079

本発明において使用するためのベクターは、プラスミドおよび組換えウイルス、すなわち組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)、組換えアデノウイルス組換えレトロウイルス、組換えレンチウイルス、および当該分野で公知の他のウイルスのような、様々なウイルスベクターを含み得る。

0080

いくつかの実施態様において、本発明のChop2タンパク質の発現は、構成的プロモーター、すなわちCAGプロモーター、CMVプロモーターLTRによって駆動される。他の実施態様において、そのプロモーターは、誘導性または細胞特異的プロモーターである。特定の細胞の亜集団、すなわち網膜ニューロン細胞、または変性細胞において、Chop2タンパク質の発現を可能にする、細胞型特異的プロモーターが好ましくあり得る。これらの細胞は、網膜神経節細胞、光受容細胞、双極細胞、桿体双極細胞、ON型錐体双極細胞、網膜神経節細胞、光感受性網膜神経節細胞、水平細胞、アマクリン細胞、またはAIIアマクリン細胞を含み得るがこれに限らない。細胞型特異的プロモーターは、当該分野で周知である。特に好ましい細胞型特異的プロモーターは、mGluR6、NK−3、およびPcp2(L7)を含むがこれに限らない。

0081

いくつかの実施態様において、本発明の変異体Chop2タンパク質および標的化遺伝子発現に加えて、異なるオプシン遺伝子の使用はさらに、光感受性を増大させ得る、または視覚を改善し得る。視覚情報は、2つの経路:光のONをシグナル伝達するON経路、および光のOFFをシグナル伝達するOFF経路によって、網膜を通して処理される。対比感度の増強のために、ONおよびOFF経路の存在が重要である。ON経路の視覚シグナルは、ON錐体双極細胞から、ON神経節細胞へ伝わる。ON錐体双極細胞およびON神経節細胞はどちらも、光に応答して脱分極する。他方、OFF経路の視覚シグナルは、OFF錐体双極細胞から、OFF神経節細胞へ伝わる。OFF錐体双極細胞およびOFF神経節細胞はどちらも、光に応答して過分極(hypopolarized)する。薄明かりで見る能力(暗所視)を担う桿体双極細胞は、ON双極細胞である(光に応答して脱分極する)。桿体双極細胞は、視覚シグナルを、AIIアマクリン細胞(ON型網膜細胞)を通して、ONおよびOFF錐体双極細胞に伝える。

0082

よって、視覚処理および視力に不可欠な、ONおよびOFF経路を再現するために、二重ロドプシンシステムを使用し得る。簡単には、本発明のChop2タンパク質を、ON型網膜ニューロン(すなわち、ON型神経節細胞および/またはON型双極細胞)に特異的に標的化し得、一方、過分極(hypopolarizing)する光センサー(すなわち、ハロロドプシンまたは当該分野で公知の他のクロライドポンプ)を、OFF型網膜ニューロン(すなわち、OFF型神経節細胞および/またはOFF型双極細胞)に標的化して、ONおよびOFF経路を生じ得る。好ましい細胞亜集団への特異的標的化を、異なる細胞型特異的プロモーターを用いることによって達成し得る。例えば、Chop2の発現を、ON型網膜ニューロン(すなわち、ON型神経節細胞および/またはON型双極細胞)における標的化発現のために、mGluR6プロモーターによって駆動し得、一方、ハロロドプシンのような過分極(hypopolarizing)するチャネルの発現を、OFF型網膜ニューロン(すなわち、OFF型神経節細胞および/またはOFF型双極細胞)における標的化発現のために、NK−3プロモーターによって駆動する。

0083

網膜においてONおよびOFF経路を回復するための代替アプローチを、ChR2のような脱分極する光センサーを、桿体双極細胞またはAIIアマクリンに発現することによって達成する。このアプローチにおいて、桿体双極細胞またはAIIアマクリン細胞の脱分極は、錐体双極細胞および下流の網膜神経節細胞のレベルにおけるONおよびOFF応答を引き起こし得る。従って、網膜において固有のONおよびOFF経路が維持される。

0084

本発明を、被験体または患者に投与するために適当な、薬学的組成物または医薬に処方し得る。適当な投与経路は、例えば硝子体内注射、眼内注射、または網膜下注射を含む。

0085

そのような処方物は、生理学的pHを維持するための、緩衝化食塩水または他の緩衝液、例えばHEESのような、薬学的および/または生理学的に受容可能なビヒクル希釈剤、キャリア、または賦形剤を含む。そのような成分およびその処方物の議論のために、一般的に、Gennaro,AE.、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、Lippincott Williams & Wilkins Publishers;2003または最新版を参照のこと。WO00/15822も参照のこと。もしその調製物長期間保存するなら、例えばグリセロールの存在下で、それを凍結し得る。

0086

上記で記載した薬学的組成物を、標的化される網膜層に依存して、あらゆる適当な経路によって、好ましくは硝子体内注射または網膜下注射によって、視覚疾患または失明疾患(blinding disease)を有する被験体に投与する。

0087

Bennettおよび同僚らの開示(本明細書中で引用される)は、網膜色素上皮硝子体空間から最も遠位の層の標的化を懸念する。本発明によって、Chop2構築物またはポリペプチドを、網膜細胞、すなわち網膜神経節細胞または双極細胞に標的化する。そのような細胞は、本明細書中で開示されるような硝子体内注射に適度に良好に接近可能であることが公知である。硝子体内および/または網膜下注射は、特に変性のために光受容細胞層が存在しない状況においては、双極細胞に対して必要な接近を提供し得、それは本発明が克服することを意図するある形態の変性において当てはまる

0088

AAV媒介性の送達によって、特に哺乳動物網膜ニューロンにおいて、本発明のChop2変異体を発現するベクターの能力を試験するために、SV40ポリA配列に結合した、LacZまたはGFPのようなリポーター遺伝子に結合した好ましいプロモーター配列の組み合わせを、プラスミドに挿入し、そしてrAAVウイルス粒子にパッケージングし、濃縮し、混入アデノウイルスに関して試験し、そして感染中心アッセイ(infectious center assay)を用いてrAAVに関して力価測定(titer)し得る。多くの試験被験体、好ましくは近交系マウス右目に、約1μlのrAAV調製物(例えば約1010感染単位(infectious unit)mlより多い)を網膜下注射し得る。2週間後、半分の動物右眼(試験)および左眼コントロール)を除去し、固定し、そして適当な基質または抗体または他の物質で染色して、リポーター遺伝子の存在を明らかにし得る。注射した眼の試験網膜の大部分は、局在化した網膜の剥離を生じる、注射したウイルスの網膜下のブレブと一致して、限局性染色領域、例えばLacZ/Xgalについては青、またはGFPについては緑を示す。全てのコントロール眼は、リポーター遺伝子産物に関して陰性であり得る。より後の時期に屠殺したマウスにおいて調査したリポーター遺伝子発現を、注射の少なくとも10週間後に検出し、それはリポーター導入遺伝子持続する発現を示唆する。

0089

1つの実施態様において、導入遺伝子送達のために、Chop2構築物を、アデノウイルスベクターにパッケージングする。選択したプロモーター、好ましくは構成的CMVプロモーターまたはmGluR6のような細胞特異的プロモーターの制御下で、Chop2DNAをコードする核酸配列を保持するrAAVビリオンの有効量は、注射あたり約150および約800μlの間の容積で、好ましくは約1010から約1013rAAV感染単位の間の範囲である。rAAV感染単位を、McLaughlin,SKら、1988、J Virol 62:1963によって測定し得る。より好ましくは、その有効量は、約1010および約1012rAAV感染単位の間であり、そして注射容積は、好ましくは約250および約500μlの間である。好ましくはこれらの範囲内であるが、あるいはその外側である可能性もある、他の投与量および容積を、年齢、体重、一般的な健康、およびその特定の眼の障害の性質および重症度を含む、処置されている被験体(好ましくはヒト)の身体的状態を考慮して、処置する専門家が選択し得る。

0090

本核酸またはrAAV組成物のさらなる用量(「追加免疫(booster)」)を投与することも望ましくあり得る。例えば、眼の標的細胞内の導入遺伝子の発現期間に依存して、第2の処置を、6ヶ月後または毎年投与し得、そして同様に反復し得る。使用する経路および用量の観点から、AAVに対する中和抗体は産生されないことが予測され、従って反復回の処置を可能にする。

0091

そのようなさらなる用量の必要性を、例えば周知の電気生理学的および他の網膜および視覚機能試験および視覚行動試験を用いて、処置する専門家がモニターし得る。処置する専門家は、当該分野における日常的な技術を適用して、適切な試験を選択し得る。関連する結果パラメーターをさらに改善するために、単回用量または複数回用量のいずれかで、より多い量の組成物を注射することが望ましくあり得る。

0092

眼の障害
本Chop2タンパク質、および結果として生じるChR2タンパク質が意図され、そして視覚の1つまたはそれより多くのパラメーターを改善するために使用し得る眼の障害は、眼の前方および後方部分の両方に影響する発生異常を含むがこれに限らない。前方部分の障害は、緑内障白内障角膜ジストロフィー円錐角膜を含む。後方部分の障害は、網膜ジストロフィーおよび変性によって引き起こされる、光受容体の機能不全および/または死によって引き起こされる、失明障害を含む。網膜の障害は、先天性停止性夜盲加齢性黄斑変性、先天性錐体ジストロフィー、および網膜色素変性(RP)関連障害の大きなグループを含む。これらの障害は、様々な年齢で起こる、網膜の光受容細胞、桿体、および錐体の、遺伝的に素因のある死を含む。年齢とともに進行し、そして小児期および成人期初期に失明を引き起こす、RP自体のサブタイプのような重度網膜症、およびしばしば0時のように早く、小児期の間に視覚の喪失をもたらす、LCAの遺伝的サブタイプのようなRP関連疾患が含まれる。後者の障害は一般的に、光受容細胞、桿体および錐体の、重度の減少、および多くの場合完全な喪失によって特徴付けられる(Trabulsi,EI編、Genetic Diseases of the Eye、Oxford University Press、NY、1998)。

0093

特に、本発明のChop2およびChR2タンパク質は、機能喪失にも関わらず眼の組織構造長期保存によって、および機能喪失と被験体の眼の細胞における正常遺伝子の欠損または欠如との間の関連によって特徴付けられる、RPE関連網膜症のような、眼の障害に起因して視覚を失った被験体に対して処置および/または少なくとも部分的な視覚の回復に有用である。小児期に発症する失明疾患、網膜色素変性、黄斑変性、および糖尿病性網膜症、および当該分野で公知の眼の失明疾患のような、様々なそのような眼の障害が公知である。これらの他の障害、および現在原因が未知であり、後に上記と同じ説明によって特徴付けられる失明障害も、本発明のChop2およびChR2タンパク質によってうまく処置され得ることが予測される。従って、本発明によって処置される特定の眼の障害は、上記で述べた障害、およびまだ特徴付けられていない多くの疾患を含み得る。

0094

オプトジェネティクス(optogenetics)
出現しつつあるオプトジェネティクスの分野は、生きた組織標的化細胞において、特定のイベントを制御する遺伝的および光学的方法の組み合わせを含む。オプトジェネティクスを、自由に動く哺乳動物および他の動物において使用し得る。さらに、オプトジェネティクス法の時間的精度(ミリ秒タイムスケール)は、インタクト生物学的システムにおいて機能するために十分である。

0095

本発明は、網膜細胞に、少なくとも1つのChop2の変異体形態をコードする核酸またはポリペプチドを導入することによって、眼の網膜組織に対してChop2遺伝子治療を提供する。本発明の変異体Chop2/ChR2タンパク質は、その野生型の対応物より低い光強度の閾値で光活性化されるように特異的に適合されている。よって、本発明の変異体Chop2/ChR2タンパク質を、より損傷の少ない照射源を用いて網膜および視覚系の細胞を活性化するために使用し得る。その変異体Chop2/ChR2タンパク質はまた、活性化時により大きい光電流を伝導し、変異体Chop2/ChR2発現細胞からより確固とした、または有効な応答をもたらす。

0096

例えば、本発明のChop2タンパク質を、変異体Chop2をコードする核酸分子、変異体Chop2ポリペプチド分子、または変異体Chop2/ChR2を発現する細胞の局所、硝子体内、または網膜下注射を介して、被験体に投与する。被験体の網膜細胞は、細胞膜内に変異体Chop2タンパク質を発現する。トランスフェクトした、または形質転換した網膜細胞が、光放射と遭遇した場合、そのトランスフェクトした、または形質転換した網膜細胞は、改善または回復したシグナルを伝達する。

0097

これらの方法を、正常な視覚および/または視覚障害を有する被験体において使用し得る。本発明のChop2/ChR2変異体は、視覚を維持、改善、または回復し得る。さらに、本発明のChop2/ChR2変異体を、光感受性網膜神経節細胞から脳への、非視覚情報の伝達を維持、改善、または回復するために使用する。

0098

本明細書中で使用される「視覚」という用語は、識別または行動のために刺激として光を有用に検出する生物の能力として定義される。視覚は、以下のものを含むことが意図される:
1.光の検出または知覚−光が存在するかどうかを見分ける能力;
2.光投影能−光刺激が来る方向を見分ける能力;
3.分解能格子または文字標的において、異なる明るさレベル(すなわちコントラスト)を検出する能力;
4.認識−標的内の異なるコントラストレベルを参照することによって、視覚標的の形状を認識する能力。

0099

従って、「視覚」は、単に光の存在を検出する能力を含む。本発明の変異体Chop2をコードするポリペプチドおよびポリヌクレオチドを使用して、視覚を改善または回復し得、ここでその視覚の改善または回復は、例えば、光の検出または知覚の増大、光刺激に応答した光感受性または羞明の増大、光刺激が来る方向を見分ける能力の増大、異なる明るさレベルを検出する能力の増大、視覚的標的の形状を認識する能力の増大、および視覚誘発電位または網膜から皮質への伝達の増大を含む。従って、視覚の改善または回復は、視力の完全な回復、すなわち、本発明で処置された患者の視覚が、罹患していない個体の視覚の程度まで回復されることを含み得る、または含まないかもしれない。下記で記載する動物実験において記載される視覚の回復は、ヒトの関係において、完全な視力を回復することなく、視覚の1つの局面(すなわち、光感受性、または視覚誘発電位)を増大させることによって、そのヒトを視覚機能の下端に置き得る。それにも関わらず、そのようなレベルにすることは、有意に有益である。なぜなら、これらの個体は、運動性(mobility)において、および潜在的に低分解能タスクにおいて訓練し得、それは完全な盲目と比較して、非常に改善したレベルの視覚的な独立を彼らに提供するからである。基本的な光の知覚さえ、視覚に障害のある個体によって使用され得、その視覚は本組成物および方法を用いて改善されて、特定の毎日のタスクを達成し、そして一般的な運動性、能力、および生活の質を改善する。

0100

視覚の回復の程度を、例えばChop2をコードするDNAを含むベクターを投与する前、および好ましくはその後に視覚を測定することによって決定し得る。当該分野において周知の多くの方法、またはまだ確立されていない方法のいずれかを用いて、視覚を測定し得る。本発明によって改善または回復した視覚を、以下の視覚応答のいずれかによって測定し得る:
1.光刺激に曝露した後の被験体による光検出応答、ここで明かり点灯した場合に、その対象の個体による、光のおおよその方向の指示または動作の信頼性の高い応答に関して証拠探す
2.光刺激への曝露後の被験体による光投影応答、ここで明かりを点灯した場合に、その個体による、光の特定の方向の指示または動作の信頼性の高い応答に関して証拠を探す;
3.光対暗パターン化視覚刺激の被験体による光分解能、それは以下のものによって証明される、光対暗パターン化視覚刺激を解像する被験体の能力を測定する:
a.明白な、信頼性の高い、視動性に生じた眼振様の眼の動き、および/もしくは標的(上記を参照のこと)の追跡を示す関連する頭部または体の運動の存在、ならびに/または
b.パターン化視覚刺激を識別する、およびそのような識別を、言語、もしくは例えば指差し、またはバーまたはボタンを押すことを含む非言語的手段によって示す、信頼性の高い能力の存在;あるいは
4.閃光刺激またはパターン視覚刺激に対する視覚皮質応答の電気的記録、それは回復した網膜から視覚皮質への電気的伝達エンドポイントであり、視覚誘発電位(VEP)とも呼ばれる。測定は、皮質表面における、視覚皮質領域の頭皮表面における電気的記録、および/または視覚皮質の細胞内の記録により得る。

0101

従って、本発明による視覚の改善または回復は、網膜細胞の光刺激に応答した、光電流の振幅または動態、または電気的応答の増大、網膜細胞の光感受性の増大(すなわち、光刺激に応答した光電流または電気的応答の開始に必要な光強度閾値の低下、それによる光電流を誘発するために必要な光の減少または低下)、光誘発性スパイクまたはスパイク発火の数または振幅の増大、網膜または網膜細胞から、視覚皮質または脳に伝達される視覚誘発電位の増大を含む、視覚皮質に対する光応答の増大を含み得るがこれに限らない。

0102

本発明の様々なパラメーターを評価するために、ヒトの眼の失明障害の、認識された動物モデルを含む、インビトロおよびインビボ研究の両方を使用し得る。ヒト網膜症、例えば小児期の失明の大型動物モデルは有用である。本明細書中で提供される実施例は、当業者が、この方法を一連の網膜疾患を処置するために同様に使用し得ることを、容易に予測することを可能にする。

0103

他の人々による初期の研究は、網膜の変性を遺伝子治療技術によって遅らせ得ることを示したが、本発明は、機能の明確な生理学的回復を示し、それは行動パラメーターを含む、視覚の様々なパラメーターを産生または改善することが期待される。

0104

公知の動物モデルおよび試験、例えば、視覚が維持されている、または様々な程度に回復した被験体が、光に向かって泳ぐ水迷路における成績を用いて、行動の測定値を得ることができる(Hayes,JMら、1993、Behav Genet 23:395〜403)。

0105

成体の間に盲目が誘導されるか、または個体が視覚を失う前にその個体が視覚を経験するのに十分ゆっくりと先天性の盲目が進行するモデルにおいて、様々な試験でその被験体の訓練を行い得る。この方法において、その視覚回復効果に関して本組成物および方法の有効性を試験するために、これらの試験を視覚喪失後に再び施す場合、動物は盲目状態で新規にタスクを学習する必要がない。他の行動試験は、学習を必要とせず、そしてある行動の本能的であること(instinctiveness)に依存する。例は、視動性眼振試験である(Balkema GWら、1984、Invest Ophthalmol Vis Sci.25:795−800;Mitchiner JCら、1976、Vision Res.16:1169−71)。

0106

本発明をまた、視覚を改善または回復することが当該分野で公知である他の形態の視覚治療と組み合わせて使用し得る。例えば、網膜インプラント角膜インプラント外側膝状体核インプラント、または視神経インプラントを含む、視覚プロテーゼ(visual prostheses)の使用。従って、本方法を用いた生存網膜ニューロンの遺伝的修飾に加えて、処置されている被験体に、分子的方法を採用する前に、それと同時に、またはその後に視覚プロテーゼ(visual prosthesis)を提供し得る。視覚プロテーゼ(visual prosthetics)の有効性を、その個体の訓練によって改善し、従って本明細書中で企図される、患者細胞のChop2形質転換の潜在的な影響を増強し得る。(i)様々なレベルの光および/またはパターン刺激、および/または(ii)当業者によって理解されるような、一般的な光源または物体からの環境刺激を認識するように被験体を訓練することによって特徴付けられる習慣訓練;および局所的な物体を視覚的に検出し、そして訓練無しよりも効率的に当該物体の間を移動するように被験体を訓練することによって特徴付けられる、見当識および運動性訓練のような訓練法。実際、低視覚のリハビリテーションの分野で典型的に使用される、あらゆる視覚刺激技術を、ここに適用可能である。

0107

実施例1:標識変異体Chop2構築物の生成
コドン最適化Chop2−GFP融合タンパク質に対して変異を作製し、L132(ロイシン132)およびT159(トレオニン159)部位において単一および二重変異を産生した。いくつかの変異体、例えば、L132A、L132C、T159A、T159C、およびT159Sのような単一変異体、およびL132C/T159C、L132C/T159S、L132A/T159C、およびL132C/T159Aのような二重変異体を産生した。Chop2‐GFP導入遺伝子を、当該分野で公知の方法を用いて、CAGプロモーターの制御下でrAAVベクタークローニングした。

0108

実施例2:変異体Chop2構築物のインビトロ分析
各変異体Chop2、またはその組み合わせの機能的特性を、最初にHEK細胞において調査した。Chop2構築物を、例えばアデノウイルスの感染によって、HEK細胞に送達した。WTまたは変異体Chop2の発現時に、機能的WTおよび変異体ChR2チャネルが形成された。ChR2チャネルの光感受性および他の特性の測定値を、本明細書中で記載したように評価した。光刺激(460nmにおいて光子/cm2.s)を、キセノンアークランプによって産生し、そして濃度フィルターによって減弱した:ND4.0(2.8×1014)、ND3.0(1.4×1015)、ND2.5(4.8×1015);ND2.0(1.6×1016)、ND1.0(1.3×1017)、ND0(1.2×1018)。光誘発電流を、野生型ChR2、T159C、L132C、L132C/T159C、およびL132C/T159Sから測定した。当該分野で公知の方法を用いて、パッチクランプ記録を行った。

0109

Chop2構築物の間で光感受性を比較したこの実験からの代表的な記録は、L132における変異は単独で、またはT159における変異と組み合わせて、WTと比較して光電流の増大を示すことを実証した(図1Aおよび1B)。図1Bは、WT ChR2およびChR2変異体の間の、光電流の振幅の差異をより明らかに示すために、同じ電流トレースを異なるスケールで示す。図1Bは、4.8×1015光子/cm2/sと同等の、濃度フィルター(ND2.5)を用いた光刺激から生じる電流トレースを具体的に比較する;そのトレースを矢印によって示す。L132C変異体の光電流の振幅は、WTのものより大きい;二重変異体L132C/T159Cの光電流の振幅は、L132Cのものより大きい;およびL132C/T159S変異体の光電流の振幅は、L132C/T159Cのものより大きい。ChR2変異体、特に二重変異体L132C/T159CおよびL132C/T159Sの電流トレースはまた、WTおよびL132Cと比較した場合に、より遅い非活性化動態を示す。

0110

図2は、消灯後の非活性化時間の過程、または減衰時間の過程を比較するために、10msの光パルス(460nmの波長で1.2×1018光子/cm2/s)による刺激後の、WT ChR2、L132C、L132C/T159C、およびL132C/T159Sからの光誘発電流の代表的な記録を示す。変異体ChR2は、より長い非活性化時間の過程を示し、二重変異体L132C/T159Sが最も長かった。L132C/T159CおよびL132C/T159Sによって示されるような、より高い光感受性は、より遅いチャネル動態と関連し得る。

0111

実施例3:変異体Chop2構築物のインビボにおける眼への投与および分析
CAGプロモーターによって駆動される変異体Chop2−GFP構築物を保持するAAV2ウイルスベクターを作製し、そしてC57BL/6J成体マウスの眼に硝子体内注射した。成体マウスを、ケタミン(100mg/kg)およびキシラジン(10mg/kg)のIP注射によって麻酔した。解剖顕微鏡下で、眼瞼ハサミ切開し、強膜露出した。針で水晶体の後方の強膜領域に小さい穿孔をあけ、そして約1011ゲノム粒子/mlの濃度の0.8〜1.5μlのウイルスベクター懸濁液を、32ゲージ平滑末端針を有するハミルトンシリンジで、その孔から硝子体内スペースに注射した。各動物に関して、通常一方の眼のみに、Chop2構築物を有するウイルスベクターを注射し、そして他方の眼には注射しないか、またはGFPのみを有するコントロールウイルスベクターを注射した。WTまたは本発明の変異体Chop2の発現時に、内因性レチナールを用いて機能的WTまたは変異体ChR2チャネルが形成され、そしてこれらのChR2タンパク質の特性を、本明細書中で記載したように評価した。

0112

ChR2に媒介される光応答を、全組織標本網膜由来の多電極アレイ記録によって調査した。光刺激(光子/cm2/s)を、473nmの青色レーザーで産生し、そして濃度フィルターによって減弱した:ND0(6.3×1016)、ND1.0(7.4×1015)、ND1.5(2.7×1015)、ND2.0(7.3×1014)、ND2.5(3.2×1014)、ND3.0(8.5×1013)、ND3.5(3.8×1013)、およびND4.0(9.5×1012)。

0113

多電極アレイ記録は、TianおよびCopenhagen(2003)によって報告された手順に基づいていた。簡単には、網膜を切開し、そして光受容体側を下にしてニトロセルロースフィルターペーパー片(Millipore Corp.、Bedford、MA)に置いた。標本にした(mounted)網膜を、神経節細胞層を記録電極に面して、200μm離しておいた直径30μmの電極の、MEA−60多電極アレイ記録チャンバーに置いた(Multi Channel System MCS GmbH、Reutlingen、Germany)。その網膜を、全ての実験の間、34℃の酸素添加細胞外溶液で持続的に灌流した。その細胞外溶液は、以下のものを含んでいた(mM):NaCl、124;KCl、2.5;CaCl2、2;MgCl2、2;NaH2PO4、1.25;NaHCO3、26;およびグルコース、22(pH7.35、95%O2および5%CO2)。通常、網膜を記録チャンバーに置いてから60分後に記録を開始した。各光刺激の開始の間の間隔は、10〜15sであった。シグナルを、200Hz(低カットオフ)および20kHz(高カットオフ)の間でフィルタリングした。個々のニューロンからの応答を、Offline Sorterソフトウェア(Plexon,Inc.、Dallas、TX)を用いて分析した。

0114

単一変異体Chop2/ChR2変異体、すなわちL132およびT159Cは、ChR2に媒介される光電流を誘発するために必要な光強度閾値を著しく低下させる。さらに、L132C/T159C、L132A/T159C、およびL132C/T159Sを含む、いくつかの二重変異体は、低い光強度で、光電流をさらに増大させることが見出された。異なる濃度フィルターを使用して、光刺激を減弱して、低い光におけるChop2構築物の光誘発応答を区別した。本発明の変異体によって媒介される、網膜神経節細胞のスパイク活性を、野生型ChR2でスパイク活性を誘発するために必要な光レベルより、約1.5から2log単位低い光強度で観察した(図3)。具体的には、WT ChR2は、濃度フィルター2.5による光刺激(3.2×1014光子/cm2/s)に応答していかなるスパイク活性も示さない一方、ChR2変異体(L132C、L132C/T159C、およびL132C/T159S)は、スパイク活性を示した。実際、ChR2変異体は、濃度フィルター3.0および3.5による光に応答して、依然としてスパイク活性を示した。従って、本発明のChR2変異体は、より高い光感受性を有し、そして従って、ChR2に媒介される光電流を誘発するために必要な光強度閾値が著しく低い。さらに、ChR2二重変異体は、単一変異体、すなわちL132Cよりも高い光感受性を有する。それに加えて、L132C/T159CおよびL132/T159Sを発現する網膜神経節細胞のスパイク発火は、それぞれ15Hzおよび5Hzまでの光明滅頻度に追従し得る(図4)。

0115

L132C/T159A変異体は、高い光感受性を示し、おそらくこれらの変異体のうちで最も高い光感受性を示すが、それはまた極めて遅いオフ速度を示す(チャネルは、消灯後、長い秒数にわたって開口し続ける)。興味深いことに、黄色光のような長い波長の光を用いて、それをより迅速にオフにすることができる。L132C/T159A変異体(配列番号24および25番によってコードされる)は、有意な可能性を示す。

0116

光感受性およびチャネル動態の間の二律背反を考慮して、L132C/T159CまたはL132C/T159Sのような、光感受性およびチャネル動態の間のバランスを示すChop2/ChR2変異体が、視覚回復の適用のために適当であり得る。

0117

実施例4:疾患のマウスモデルにおける、変異体Chop2構築物の分析
変性眼科疾患のマウスモデルが、当該分野で公知である。例えば、ホモ接合rd1(rd1/rd1)マウスは、一般的に使用される光受容体変性モデルである。Rd1マウスは、サイクリックGMPホスホジエステラーゼ、PDE6にヌル変異を有し、ヒトにおける一部の形態の網膜色素変性に類似する。ChR2変異体の安全性および有効性を示すために特に関心のあり得る、他のよく確立された眼科疾患のマウスモデルは、rds(PrphRd2としても公知である)、rd3、rd4、rd5、rd6、rd7、rd8、rd9、Pde6brd10、またはcpfl1マウスを含む。

0118

本発明のChop2−GFP構築物を、新生仔(P1)または2〜12ヶ月齢の成体マウスの眼に硝子体内注射し得る。GFPシグナルを、Chop2−GFPを注射した網膜において観察し得、ChR2発現のレベル、または網膜神経節細胞のような、特定の細胞集団における発現を決定し得る。変異体Chop2−GFPの発現を、ウイルス注射後、所定の時間量、すなわち3〜6ヶ月、または1年間、モニターし得る。当該分野で公知の、および本明細書中で記載された方法を用いて、パッチクランプおよび多チャンネルアレイ記録を行って、インビボで変異体Chop2−GFPを発現する細胞の光誘発応答を測定し得る。

0119

光感受性または視覚の回復に関して試験するために、さらなる技術および試験が、当該分野でよく確立されている。Chop2−GFP発現細胞または視覚皮質からの視覚誘発電位を、PCT公開WO2007/131180において記載されたように調査し得る。他の試験は、マウスにおける視力の行動評価、すなわち擬似視覚運動試験(vertual optomotor test)および視覚水迷路を含む。

0120

実施例5:変異体Chop2構築物の網膜ニューロンへの投与の、長期発現および安全性の分析
本発明のChop2構築物を注射したC57BL/6J成体マウスにおいて、神経毒性を評価した。網膜におけるChop2変異体発現の安全性を、強力な青色光に2週間曝露した後に、免疫染色および細胞計数によって評価した。どのマウスも、注射後2ヶ月までの間、神経毒性の症状を示さなかったことが見出された。

0121

さらなる進行中の試験は、網膜ニューロンにおける、本発明のChop2/ChR2変異体の長期発現および安全性を評価している。

0122

他の実施態様
本発明を、その詳細な説明とあわせて記載したが、前述の説明は、例証することを意図し、そして添付の特許請求の範囲によって規定される、本発明の範囲を制限しない。他の局面、利点、および修飾は、以下の特許請求の範囲内である。

0123

本明細書中で参照される特許および科学論文は、当業者が入手可能な知識を確立する。本明細書中で引用される、全ての米国特許および公開または非公開米国特許出願は、参考文献に組み込まれる。本明細書中で引用される、全ての公開された外国特許および特許出願は、本明細書中で参考文献に組み込まれる。本明細書中で引用された、全ての他の出版された参考文献、文書原稿、および科学論文は、本明細書中で参考文献に組み込まれる。

実施例

0124

本発明を、具体的に示し、そしてその好ましい実施態様に関して記載したが、添付の請求によって含まれる本発明の範囲から離れることなく、そこで形態および詳細における様々な変更をし得ることが、当業者によって理解される。

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