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技術 超音波検査装置及び超音波検査方法

出願人 株式会社日立パワーソリューションズ
発明者 酒井薫宮本敦
出願日 2018年4月12日 (2年8ヶ月経過) 出願番号 2018-076468
公開日 2019年10月24日 (1年2ヶ月経過) 公開番号 2019-184449
状態 未査定
技術分野 超音波による材料の調査、分析
主要キーワード 局所ピーク トリガポイント ピーク密度 全測定領域 参照波形 剥離欠陥 参照ピーク 逐次走査
関連する未来課題
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図面 (13)

課題

被検査体内の構造物薄型化した場合でも、微小剥離等を高感度に検出する。

解決手段

被検査体(試料5)の各測定点より得られる反射波について被検査体(試料5)における特定の界面から発生する局所ピークを抽出し、抽出した局所ピークの極性参照極性と比較し、抽出した局所ピークの極性が参照極性と異なる測定点を異常として検出する処理部7を有する。

概要

背景

被検査体の画像から欠陥検査する非破壊検査方法として、被検査体に超音波照射してその反射波を検出して生成した超音波画像を用いる方法がある。

一般的に、多層構造を有する被検査体内に存在する欠陥を超音波で検出するには、音響インピーダンスの違いによる反射特性を利用する。超音波は液体固体物質中を伝搬し、音響インピーダンスの異なる物質境界面や空隙のところで、反射波(エコー)が生じる。

ここで、剥離などの欠陥からの反射波は、欠陥のないところからの反射波に比べてその強度が高い。このため、被検査体の各層の境界面での反射強度を画像化することで、被検査体内に存在する剥離欠陥顕在化された画像を得ることができる。

しかし、近年、電子部品を代表とする被検査体は配線パターン微細化が進み、検出すべき剥離も微小になっており、反射強度のみで剥離の有無を特定することが困難になってきている。

超音波は音響インピーダンスの小さい物質から大きい物質に入射する場合、剥離欠陥からの反射波は、剥離のない箇所からの反射波に対して位相反転する性質がある。この位相反転を捉えて反射強度の低い剥離欠陥を検出する処理を行うことで微小な剥離やボイド高感度検出が実現可能となる。

このような剥離等を検出する方法として、例えば、特許文献1がある。特許文献1では、反射波の立ち上がりピーク極性を、送信波の立ち上がりピークの極性と比較して、極性が異なれば剥離と判定する。

概要

被検査体内の構造物薄型化した場合でも、微小な剥離等を高感度に検出する。被検査体(試料5)の各測定点より得られる反射波について被検査体(試料5)における特定の界面から発生する局所ピークを抽出し、抽出した局所ピークの極性を参照極性と比較し、抽出した局所ピークの極性が参照極性と異なる測定点を異常として検出する処理部7を有する。

目的

本発明の目的は、被検査体内の構造物が薄型化した場合でも、微小な剥離等を高感度に検出することにある

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

音波探触子被検査体の表面を走査して前記超音波探触子から被検査体に向けて超音波を出射し、前記被検査体から戻る反射波を受信して受信した前記反射波の特徴に基づき前記被検査体の内部状態検査する処理部を有し、前記処理部は、前記被検査体の各測定点より得られる前記反射波について、前記被検査体における特定の界面から発生する局所ピークを抽出し、抽出した前記局所ピークの極性参照極性と比較し、抽出した前記局所ピークの極性が前記参照極性と異なる測定点を異常として検出することを特徴とする超音波検査装置

請求項2

前記処理部は、前記特定の界面から発生する前記局所ピークの抽出を、前記反射波の各々より複数の前記局所ピークを検出し、前記反射波の各々より検出された複数の前記局所ピークを全反射波の間で対応付けて、前記特定の界面から発生する前記局所ピークを前記全反射波より抽出することにより行うことを請求項1に記載の超音波検査装置。

請求項3

前記処理部は、前記局所ピークの前記全反射波の間での対応付けを、前記反射波の各々について前記局所ピークを算出し、前記局所ピークの各々について発生時間を含む複数種の特徴量を算出し、算出した複数種の前記特徴量から極性反転を考慮して算出した類似度に基づいて行うことを特徴とする請求項2に記載の超音波検査装置。

請求項4

前記処理部は、前記参照極性を事前に設定しておき、前記局所ピークの極性を、事前に設定された前記参照極性と比較することを特徴とする請求項1に記載の超音波検査装置。

請求項5

前記処理部は、前記参照極性を、前記被検査体の表面から反射して受信された反射信号より算出することを特徴とする請求項1に記載の超音波検査装置。

請求項6

前記処理部は、前記参照極性を、対応付けされた前記全反射波の前記局所ピークの極性分布より特定することを特徴とする請求項2に記載の超音波検査装置。

請求項7

超音波探触子で被検査体の表面を走査して前記超音波探触子から被検査体に向けて超音波を出射し、前記被検査体から戻る反射波を受信して受信した前記反射波の特徴に基づき前記被検査体の内部状態を検査する超音波検査装置であって、前記被検査体の所望の界面から発生する局所ピークを、1つの測定点の前記反射波内で設定する手段と、前記被検査体に向け出射する前記超音波の一波長以下の時間長のゲートを設定する手段と、前記被検査体の所望の異種界面から発生する前記局所ピークの極性を設定する手段と、設定された前記局所ピークと同じ前記異種界面から発生した前記局所ピークを、設定された前記時間長の前記ゲートを用いて他の前記反射波の各々より順次探索して特定する手段と、特定した前記局所ピークの反射強度に基づき、前記異種界面の断面画像を生成して表示する手段と、探索して特定された各測定点より得られる前記反射波の前記局所ピークの極性が設定された前記局所ピークの極性と異なれば異常と判定し、異常と判定された測定箇所を前記生成した前記断面画像上に表示して出力する手段と、を有することを特徴とする超音波検査装置。

請求項8

前記ゲートを設定する手段は、前記超音波の前記一波長以下の前記時間長として、前記極性が正と負の前記局所ピークがそれぞれ1つ含まれる時間長を設定することを特徴とする請求項7に記載の超音波検査装置。

請求項9

超音波探触子で被検査体の表面を走査し、前記超音波探触子から被検査体に向けて超音波を出射し、前記被検査体から戻る反射波を受信し、受信した前記反射波の特徴に基づき前記被検査体の内部状態を検査する超音波検査方法であって、前記被検査体の各測定点より得られる前記反射波について、前記被検査体における特定の界面から発生する局所ピークを抽出し、抽出した前記局所ピークの極性を参照極性と比較し、抽出した前記局所ピークの極性が前記参照極性と異なる測定点を異常として検出することを特徴とする超音波検査方法。

請求項10

前記被検査体は、異種接合界面を有する多層構造体であり、前記測定点の異常を、前記多層構造体の前記異種接合界面における剥離として検出することを特徴とする請求項9に記載の超音波検査方法。

技術分野

0001

本発明は、超音波検査装置及び超音波検査方法に関する。

背景技術

0002

被検査体の画像から欠陥検査する非破壊検査方法として、被検査体に超音波照射してその反射波を検出して生成した超音波画像を用いる方法がある。

0003

一般的に、多層構造を有する被検査体内に存在する欠陥を超音波で検出するには、音響インピーダンスの違いによる反射特性を利用する。超音波は液体固体物質中を伝搬し、音響インピーダンスの異なる物質境界面や空隙のところで、反射波(エコー)が生じる。

0004

ここで、剥離などの欠陥からの反射波は、欠陥のないところからの反射波に比べてその強度が高い。このため、被検査体の各層の境界面での反射強度を画像化することで、被検査体内に存在する剥離欠陥顕在化された画像を得ることができる。

0005

しかし、近年、電子部品を代表とする被検査体は配線パターン微細化が進み、検出すべき剥離も微小になっており、反射強度のみで剥離の有無を特定することが困難になってきている。

0006

超音波は音響インピーダンスの小さい物質から大きい物質に入射する場合、剥離欠陥からの反射波は、剥離のない箇所からの反射波に対して位相反転する性質がある。この位相反転を捉えて反射強度の低い剥離欠陥を検出する処理を行うことで微小な剥離やボイド高感度検出が実現可能となる。

0007

このような剥離等を検出する方法として、例えば、特許文献1がある。特許文献1では、反射波の立ち上がりピーク極性を、送信波の立ち上がりピークの極性と比較して、極性が異なれば剥離と判定する。

先行技術

0008

特開2012−154877号公報

発明が解決しようとする課題

0009

特許文献1の方法は、各測定点より得られた反射波毎に、所望の界面からの反射波の立ち上がりピーク極性を送信波の立ち上がりピーク極性と比較するため、測定点間でのピークの対応付けを不要とする。

0010

しかし、被検査体内の構造物薄型化により各界面からの反射波(ピーク)の発生時間が近接してくると、所望の界面からの反射波を特定することが難しくなる。この結果、微小な剥離等を高感度に検出することが困難となる。

0011

本発明の目的は、被検査体内の構造物が薄型化した場合でも、微小な剥離等を高感度に検出することにある。

課題を解決するための手段

0012

本発明の一態様の超音波検査装置は、超音波探触子で被検査体の表面を走査して前記超音波探触子から被検査体に向けて超音波を出射し、前記被検査体から戻る反射波を受信して受信した前記反射波の特徴に基づき前記被検査体の内部状態を検査する処理部を有し、前記処理部は、前記被検査体の各測定点より得られる前記反射波について、前記被検査体における特定の界面から発生する局所ピークを抽出し、抽出した前記局所ピークの極性を参照極性と比較し、抽出した前記局所ピークの極性が前記参照極性と異なる測定点を異常として検出することを特徴とする。

0013

本発明の一態様の超音波検査装置は、超音波探触子で被検査体の表面を走査して前記超音波探触子から被検査体に向けて超音波を出射し、前記被検査体から戻る反射波を受信して受信した前記反射波の特徴に基づき前記被検査体の内部状態を検査する超音波検査装置であって、前記被検査体の所望の界面から発生する局所ピークを、1つの測定点の前記反射波内で設定する手段と、前記被検査体に向け出射する前記超音波の一波長以下の時間長のゲートを設定する手段と、前記被検査体の所望の異種界面から発生する前記局所ピークの極性を設定する手段と、設定された前記局所ピークと同じ前記異種界面から発生した前記局所ピークを、設定された前記時間長の前記ゲートを用いて他の前記反射波の各々より順次探索して特定する手段と、特定した前記局所ピークの反射強度に基づき、前記異種界面の断面画像を生成して表示する手段と、探索して特定された各測定点より得られる前記反射波の前記局所ピークの極性が設定された前記局所ピークの極性と異なれば異常と判定し、異常と判定された測定箇所を前記生成した前記断面画像上に表示して出力する手段とを有することを特徴とする。

0014

本発明の一態様の超音波検査方法は、超音波探触子で被検査体の表面を走査し、前記超音波探触子から被検査体に向けて超音波を出射し、前記被検査体から戻る反射波を受信し、受信した前記反射波の特徴に基づき前記被検査体の内部状態を検査する超音波検査方法であって、前記被検査体の各測定点より得られる前記反射波について、前記被検査体における特定の界面から発生する局所ピークを抽出し、抽出した前記局所ピークの極性を参照極性と比較し、抽出した前記局所ピークの極性が前記参照極性と異なる測定点を異常として検出することを特徴とする。

発明の効果

0015

本発明の一態様によれば、被検査体内の構造物が薄型化した場合でも、微小な剥離等を高感度に検出することができる。

図面の簡単な説明

0016

実施例に係る多層構造体をもつ半導体パッケージの超音波検査方法の処理手順の例を示す図である。
実施例に係る超音波検査装置の概念を示すブロック図である。
実施例に係る超音波検査装置の概略の構成を示すブロック図である。
実施例において検査対象とする多層構造体をもつ半導体パッケージの縦構造の模式図である。
検査対象とする多層構造体をもつ半導体パッケージから得られる反射エコーと従来のゲート制御方式によるゲート設定の例を示す図である。
ゲート設定の例を示す図である。
局所ピークのラベル付けの例を示す図である。
局所ピークの対応付け処理の例を示す図である。
反射エコー間の局所ピークの対応付け結果の例を示す図である。
対応付けされた局所ピークに基づく内部歪み形状計測の例を示す図である。
対応付けされた局所ピークと参照信号との比較の例を示す図である。
本発明の実施例に係る対応付けされた局所ピークの特徴分布の例を示す図である。

0017

実施形態は、超音波を用いて電子部品などの被検査体の内部に存在する剥離、ボイドなどの欠陥の有無判定及び内部状態の可視化を行う超音波検査装置及び超音波検査方法に関する。

0018

複雑かつ多層構造からなる2.5次元、3次元実装部品などを対象とした超音波検査においては、表面の凹凸(例えば、モールド樹脂の厚さむらなど)や内部の構造物の傾斜及び歪み(例えば、チップの反りなど)、もしくは実装部品の高さの違いなどにより異種界面間の距離が測定点によって変動することがある。

0019

このような場合においても、実施形態では、例えば、複雑かつ多層構造を有する被検査体から得られる各測定点の反射波に対して、局所ピークを抽出して特徴量を算出し、この特徴量に基づき全反射波間で極性反転を考慮した局所ピークの対応付けを行う。また、全反射波間で対応付けされた特定の境界面の局所ピークを、参照ピーク信号と比較することで位相が反転したピークを検出する。

0020

実施形態では、超音波による非破壊検査において、簡単な条件設定で、複雑な多層構造からなる被検査体の異種境界面からの反射波を認識し、クリアな断面画像を生成すると共に、極性反転が生じた測定箇所を特定可能とする。例えば、ICチップなどのシリコンモールドされた多層構造を検査対象とし、シリコンの厚みむらや構造物の歪みがあっても、ユーザが所望する異種構造物の接合界面の画像を簡単な条件設定のみで生成する。

0021

このように、実施形態では、半導体電子部品を対象とした超音波検査において、異種接合面より反射して受信される局所ピーク信号を認識し、参照信号との位相反転を捉える。これにより、被検査体内の構造物が薄型化した場合でも、微小な剥離等を高感度に検出することが可能になる。

0022

以下、図面を用いて実施例について説明する。

0023

超音波の特性として、被検査体内部を伝搬し、材料特性(音響インピーダンス)が変わる境界があると、その一部が反射する。特に、空隙があると大部分が反射するため、異種境界面でボイドや剥離などの欠陥を超音波の反射強度から高感度に検出することができる。以下、多層構造品の異種接合界面における剥離を検出対象として説明する。

0024

図2を参照して、超音波検査装置の構成について説明する。
図2に示すように、超音波検査装置は、検出部1とA/D変換機6、信号処理部7及び全体制御部8を有する。検出部1は、超音波プローブ(超音波探触子)2及び探傷器3を有する。探傷器3は超音波プローブ2にパルス信号を与えることで、超音波プローブ2を駆動する。探傷器3で駆動された超音波プローブ2は超音波を発生させ、水を媒介にして被検査体である試料5に送信される。送信された超音波が多層構造を有する試料5に入射すると、試料5の表面あるいは異種境界面から反射波4が発生し、反射波4は超音波プローブ2で受信され、探傷器3にて必要な処理が施されて反射強度信号に変換される。

0025

次に、この反射強度信号は、A/D変換器6にてデジタル波形データに変換され、信号処理部7に入力される。この超音波の送信及び受信を試料5上の検査領域内逐次走査して行う。なお、説明の便宜上、超音波プローブ2が発生する超音波を「送信波」、超音波プローブ2が受信する超音波を「反射波」と称す。

0026

信号処理部7は、画像生成部7−1、欠陥検出部7−2、データ出力部7−3を適宜有して構成される。A/D変換器6から信号処理部7に入力された波形データに対し、画像生成部7−1において、後述する信号変換を行い、デジタル波形データから試料5の特定の接合面の断面画像を生成する。欠陥検出部7−2は画像生成部7−1で生成された接合面の断面画像内で、後述する処理を行い、剥離などの欠陥を検出する。データ出力部7−3では、欠陥検出部7−2で検出された欠陥個々の情報や断面の観察用画像などの検査結果として出力するデータを生成して全体制御部8に出力する。

0027

次に、図3を参照して、図2に示す構成を実現する具体的な超音波検査装置100の一構成例について説明する。図3において、10はX,Y,Zの直交3軸の座標系を示している。図3の1は、図2で説明した検出部1に相当する。

0028

検出部1に含まれる11はスキャナ台、12はスキャナ台11の上に設けられた水槽、13はスキャナ台11上で水槽12を跨ぐように設けられたX、Y、Z方向の移動が可能なスキャナである。スキャナ台11はほぼ水平に設置された基台である。水槽12には水14が点線で示す高さまで注入されており、水槽12の底部(水中)に試料5が置かれている。試料5は、前述の通り、多層構造等を含むパッケージング製品である。水14は、超音波プローブ2から出射された超音波を、試料5の内部に効率的に伝搬せるために必要な媒体である。16はメカニカルコントローラであり、スキャナ13をX、Y、Z方向に駆動する。

0029

試料5に対して、超音波プローブ2は、下端の超音波出射部から超音波を送信し、試料5から戻ってきた反射波を受信する。超音波プローブ2は、ホルダ15に取り付けられており、メカニカルコントローラ16で駆動されるスキャナ13によってX、Y、Z方向に自在に移動可能となっている。これにより、超音波プローブ2はX、Y方向に移動しながら試料5の事前に設定された複数の測定点で反射波を受信し、測定領域(XY平面)内の接合面の二次元画像を得て、欠陥を検査することができる。超音波プローブ2はケーブル22を介し、反射波を反射強度信号に変換する探傷器3と接続されている。

0030

超音波検査装置100は、更に、図2で説明した通り、A/D変換器6、信号処理部7と、全体制御部8と、メカニカルコントローラ16を有する。

0031

信号処理部7は、A/D変換機6でA/D変換された反射強度信号を処理して試料5の内部欠陥を検出する。信号処理部7は、画像生成部7−1、欠陥検出部7−2、データ出力部7−3、パラメータ設定部7−4を備えている。

0032

画像生成部7−1は、XY平面上にあらかじめ設定された試料5の測定範囲において表面及び各異種境界面等から戻ってきて超音波プローブ2で受信された反射波をA/D変換機6でA/D変換して得られるデジタルデータから画像を生成する。欠陥検出部7−2は、画像生成部7−1で生成した画像を処理して内部欠陥を顕在化、もしくは検出する。データ出力部7−3は、欠陥検出部7−2で内部欠陥を顕在化もしくは検出した検査結果を出力する。パラメータ設定部7−4は、外部から入力される測定条件などのパラメータ受け付け、欠陥検出部7−2およびデータ出力部7−3へセットする。そして、信号処理部7において、例えばパラメータ設定部7−4はデータベース18と接続されている。

0033

全体制御部8は、各種制御を行うCPU(全体制御部8に内蔵)を備え、ユーザからのパラメータなどを受け付ける。さらに、全体制御部8は、信号処理部7で検出された欠陥の画像、欠陥数、欠陥個々の座標や寸法などの情報を表示する表示手段と入力手段を持つユーザインターフェース部(GUI部)17及び信号処理部7で検出された欠陥の特徴量や画像等を記憶する記憶装置18と適宜接続されている。メカニカルコントローラ16は、全体制御部8からの制御指令に基づいてスキャナ13を駆動する。尚、信号処理部7、探傷器3等も全体制御部8からの指令により駆動される。

0034

図4を参照して、試料5の一例について説明する。
ここで、400は、主な検査対象となる多層構造を有する電子部品(被検査体)の縦構造を模式的に示した例である。
被検査体400は、最下層のプリント配線基板40の上にはんだボール41を介して半導体デバイス42が接合されたものである。半導体デバイス42は、複数のチップ(ここでは43、44、45の3個)が積層され、インターポーザ基板46とバンプ47を介して接続されて生成され、樹脂48(図中の網掛け部)で外部から保護されている。被検査体400の表面側(図中の上方)から超音波49が入射されると超音波49は被検査体400の内部へと伝達し、表面及び各チップ間の境界面、バンプ層などの音響インピーダンスの違いのある箇所で反射し、これらが1つの反射波として超音波プローブ2で受信される。

0035

図5の50は超音波プローブ2で受信した反射波の一部の例であり、横軸に受信時間(路程)をとり、縦軸に反射強度(波高値)をとったときの波形である。時間は被検査体400の深さを示すものであり、縦軸にとった波高値は中央を0として、そこから上方向は正の極性、下方向は負の極性を示す。反射波は、極性の異なるピークが交互に現れる。以下、個々のピークを局所ピークと記載する。

0036

一般的なゲート制御方式では、まず、表面からの反射波を検出するためのSゲート51を設定する。そして、Sゲートで設定された時間範囲において、最初にしきい値を越えるピークが発生するタイミングを表面からの反射信号、すなわちトリガポイントとする。図中では、53がトリガポイントとなる。

0037

次に、トリガポイント53より、あらかじめ設定された時間だけ遅延した時間領域に映像化ゲート(Fゲート)がかけられ(図中の52)、Fゲート52内で、あらかじめ設定された極性をもつピークのうち、波高値が最大となる(極性が負の場合には、波高値が最小となる)局所ピークを検出する。正の極性が設定されている場合には、局所ピーク54が検出される。このような処理を行うため、Fゲートは、極性が正の局所ピークと負の局所ピークの両方が最低でも1つ以上含まれる時間長とする必要がある。

0038

信号処理部7の画像生成部7−1は、測定領域(XY平面)内で走査して得られる各反射波から、トリガポイント算出、固定の時間だけ遅延した時間領域にFゲートを設定、設定された極性で波高値が最大となる局所ピークの検出及び波高値を濃淡値に変換(例えば、256階調の画像を生成する場合、0〜255)を繰り返すことで、表面から一定の深さにある断面の画像を生成する。

0039

このように、従来のゲート制御方式は、図4の400のように、表面から各チップの境界面までの距離が一定である場合に効果がある。しかし、モードル樹脂の厚さのむらや内部のチップの反り等により表面(トリガポイント)から各チップ境界面までの距離が不均一である場合に、測定領域全面に亘り所望の境界面の画像を生成することができない。また、近年、電子部品の小型・薄型化の進展により、内部構造物も薄型化が進み、Fゲートを図5の52のような時間長に設定すると、複数の境界面からの反射信号がFゲート内で混在し、誤った境界面の信号を検出することになる。

0040

ここで、境界面における超音波の反射強度、つまり波高値は、反射前後の材質の音響インピーダンスの差が大きいほど大きくなる。しかし、境界面に剥離(空隙)があると、音響インピーダンスはほぼ0であるため、超音波は全反射し、剥離のない箇所に比べて大きくなる。また、音響インピーダンスの小さい物質から大きい物質に超音波が入射する場合、そこに剥離(空隙)があると、通常、境界での反射波は剥離のない箇所に対して位相の反転が起きる。しかし、従来のゲート制御方式では、極性の反転を検出することはできない。

0041

これに対し、実施例による超音波検査装置は、モールド樹脂の厚みむら(表面の凹凸)や内部構造物の歪みに起因して表面と各境界面との距離が不均一な場合であっても、所望の境界面からの反射信号に対応する局所ピークを全測定領域より得られる反射波において特定する。そして、その極性の反転を検出することで、波高値の大小によらず剥離を検出する。

0042

図1を参照して、実施例の超音波検査装置の処理方法について説明する。本処理は、図2に示す画像生成部7−1で行われる。
ここで、画像生成部7−1は、例えば、被検査体(試料5)の所望の界面から発生する局所ピークを1つの測定点の反射波内で設定する手段と、被検査体(試料5)に向け出射する超音波の一波長以下の時間長のゲートを設定する手段と、被検査体(試料5)の所望の異種界面から発生する局所ピークの極性を設定する手段と、設定された局所ピークと同じ異種界面から発生した局所ピークを設定された時間長の前記ゲートを用いて他の反射波の各々より順次探索して特定する手段と、特定した局所ピークの反射強度に基づき所望の異種界面の断面画像を生成して表示する手段とから構成される。

0043

欠陥検出部7−2は、探索して特定された各測定点より得られる反射波の局所ピークの極性が設定された局所ピークの極性と異なれば異常と判定する。データ出力部7−3は、異常と判定された測定箇所を生成した断面画像上に表示して出力する手段を構成する。

0044

ここで、上記ゲートを設定する手段は、例えば、超音波の一波長以下の時間長として、極性が正と負の前記局所ピークがそれぞれ1つ含まれる時間長を設定する。

0045

まず、所望の境界面より剥離を検出する条件として、ゲート位置(境界面の深さ)、ゲート幅(局所ピーク探索範囲)、参照極性などの条件が入力される(S101)。条件は基本的にはユーザが設定するもので、図6にその一例の概念図を示す。60は、被検査体であり、モールド樹脂の厚みむらがあるため表面が平坦ではないことを示す。

0046

まず、62に示す座標系のXY面内で被検査体60に対する測定範囲が設定され、ゲートを設定するための測定範囲内の任意の測定点が指定される(図中のM601)。601は、指定された測定点M601より得られた反射波、G601は、設定されたゲートの例である。ゲート幅は極性が正と負の局所ピークがそれぞれ1つ含まれる程度の狭い時間長ΔTに設定される。ここで、参照極性として「正」が設定された場合、基準となる局所ピークとしてP601を選択する。602は、測定点M601とはXY空間上で離れた測定点M602より得られた反射波を示す。モールド樹脂の厚みむらの影響を受け、反射波602は、601に対し、表面及び界面からの反射信号が時間的に遅れて受信されていることがわかる。

0047

このため、ゲートを適正な時間範囲にずらし(G602へ移動)、ゲートG602内の2つの局所ピークのうち、基準ピークに最も特徴的に類似する局所ピークを選択する。これを全測定点より得られる反射波の各々に対して行うことで、局所ピークの極性によらず、設定ピークP601に対応する局所ピークを順次決定する。

0048

そのために、まず、測定範囲内の各測定点で反射波を取得する(S102)。そして入力された測定範囲内の全測定点について、反射波の取得が終了したら(S103→Yes)、全反射波間で局所ピークの対応付けを行う。

0049

各反射波について、まず、局所ピークを検出する(S104)。局所ピーク検出方法の一例としては、2次元多項式適合による平滑化微分がある。これは各反射波に対して、一次式重み係数によりデコンボリューションすることによって微分波形を得て(式1)、この微分波形の符号が正から負、もしくは負から正になるところを局所ピーク位置する。これは、局所ピーク検出方法の一例であって、他の方法でもよい。

0050

S(z)= −(a*f(z−2)+b*f(z−1))+c*f(z)+(b*f(z+1)+c*f(z+2)) (式1)
S(z):微分波形
f(z):反射エコー
a=2,b=1,c=0

0051

次に、検出した局所ピーク各々について特徴量を演算する(S105)。一例としては、その発生時間(z)、そのときの波高値(f(z))を特徴量とするが、特徴量は1つ以上の複数種であり、発生時間近傍での局所ピーク数ピーク密度)、参照波形との相互相関関数など、局所ピークの特徴を表すものなら他の特徴でもよい。また、相互相関関数を特徴量とするときの参照波形は、送信波、良品より得られた反射波、表面からの反射波などが一例として挙げられる。

0052

そして、初期設定したゲートG601内にあるか否かで各局所ピークを二種のクラスにグルーピングし、二種のラベルのうちのいずれかを付与する(S106)。以上のS105、S106を、検出された全局所ピークに対して実施する。

0053

図7の70は反射波、P1〜P8は反射波70から検出された局所ピークの一部である。P1〜P8各々について設定ゲートG701内にあるか外にあるかを局所ピークの特徴量とし、ラベル付けを行う。
図7の71は、局所ピークP1〜P8にラベルL0、L1のいずれかを付与した例を示す。本例では、設定ゲートG701内にあるP1、P2にラベルL0、P3〜P8にラベルL1がそれぞれ付与されている。

0054

取得した全反射波に対してS104〜S106を行った後、反射波間で局所ピークの対応付けを行う(S107)。これは、同じ境界面から発生した局所ピークを全反射波から特定することを意味する。

0055

局所ピークの対応付け処理S107の一例を図8に示す。着目する測定点Uより得られた反射波81において、既に基準ピークに対する局所ピークがP801に特定されていたとする。

0056

実施例では、対応する局所ピークが特定された測定点Uの近傍の測定点M、Dより得られる反射波から、ピークP801に対応する局所ピークを特定する。

0057

まず、測定点Mより得られた反射波82の各局所ピークから、特徴がピークP801に最も類似するピークを特定する。本例ではP802となる。そして、P802を含むようにゲート位置を更新する(S108)。G802は更新されたケーを示す。これと同時に、反射波82の局所ピークのラベルも更新する。

0058

次に、測定点Dより得られた反射波83の各局所ピークから、特徴がピークP802に最も類似するピークを特定する。本例ではP803となる。同様の処理をXY空間で距離の離れた測定点に順次、展開していくことで全反射波に対し、ピークの対応付けを行う。

0059

以上の通り、ゲートを時間方向にシフトさせながら局所ピークを特定する。これにより、トリガポイントからの時間差が一定ではない、もしくは、発生時間が固定ではないような特定の界面からの反射信号の検出が可能となる。また、複数の特徴量を使って類似度を評価することで、極性の違いによらず、対応付けが可能となる。

0060

以上の説明では、反射波間の局所ピークと局所ピークの対応付けを複数の特徴と狭ゲートの更新により行う例を示したが、反射波と反射波で一括の対応付けを動的計画法に基づく弾性マッチングで行ってもよい。このように対応付けの方法は複数種あるが、局所ピークの対応付けを全反射波間で行うことで、表面からの反射信号が得られない場合、つまり、トリガポイントが得られないような反射波に対しても、境界面からの反射信号を得ることが可能となる。

0061

図9は、設定された基準ピークP20に対し、図1処理フローに従い、全反射波から所望の界面に対応する局所ピーク(図9では、P21、P22、P23、P24)を抽出(S108)した結果の例である。
画像生成部7−1において、これらの対応付けされた局所ピークの波高値を濃淡値に変換し、各測定点の画素値とすることで接合界面画像1−1を生成する。

0062

一方、図10のD20、D21、D22、D23、D24は、図9で対応付けされた局所ピーク(P21、P22、P23、P24)の路程を示す。画像生成部7−1において、測定領域内のこれらの路程分布を生成し、それを距離に換算して内部歪み形状1−3を生成する。これにより、指定した界面における構造物の傾きや剥離の角度の自動計測及び可視化が可能となる。

0063

最後に、図2の欠陥検出部7−2において、図1のS101にて設定された参照極性と、各反射波より特定した所望の境界面からの局所ピークの極性を比較し(S109)、参照極性と極性が一致していれば正常、不一致であれば剥離として抽出する(1−2)。

0064

抽出結果は界面画像1−1上に色を変えるなどして重ねて表示する。図11のP110、P111、P112は、反射波1100、1101、1102より対応付けされた、同一界面からの反射信号の例を示す。参照極性が負に設定された場合、極性が正の反射信号P110を剥離欠陥として検出する。なお、極性ではなく、信号自体を参照値として設定することもできる。

0065

その一例は送信信号であり、送信信号と位相が反転した反射信号を剥離欠陥として検出する。また、表面からの反射信号を参照信号に設定し、位相が反転した反射信号を剥離欠陥とすることもできる。

0066

図11のS110、S111、S112は、表面からの反射信号を示す。この場合、反射信号P111、P112を剥離欠陥として検出する。

0067

更に、参照極性や参照信号を設定されない場合は、対応付けされた局所ピークの特徴分布から剥離を検出することも可能である。図12の1200、1201は各測定点より検出した同一界面からの反射信号の特徴分布の例である。分布1200は検出された局所ピークの極性の分布で、白で示す部分が正の極性、黒で示す部分が負の極性を示す。この黒と白の領域の面積比や分布の形状から正、負のどちらが剥離部に該当するかを判断することができる。ここでは、面積少数で形状が円状に広がっている正の極性となる領域を剥離として抽出する。

0068

1201は、検出された局所ピークの波高値と参照信号の波高値の比較値強度差)の分布である。ここでは、比較値が一定のしきい値より大きい領域を剥離とする。また、1200、1201の組合せで欠陥を判定することも可能である。特徴分布は、極性、参照信号との強度差に限らず、参照信号との相関関数、立ち上がりピークの極性、正のピークと負のピークの波高値の比など、いずれでもよい。

実施例

0069

以上に説明した通り、実施例によれば、被検査体の測定領域より得られる全反射波について、同一界面より得られた局所ピークを反射波間で極性の違いによらず、対応付けを行うことで高精度に位相の反転している箇所を捉えることが可能となる。これにより、微小な剥離やボイドなどの欠陥の検出を可能とする。

0070

1 検出部
2超音波プローブ
3探傷器
4反射波
5試料
6 A/D変換器
7信号処理部、
7−1画像生成部
7−2欠陥検出部
7−3データ出力部
8 全体制御部
11スキャナ台
12水槽
13 スキャナ
15ホルダ
16メカニカルコントローラ
17ユーザインターフェース
100 超音波検査装置

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