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技術 ナノファイバー、ナノファイバー繊維集積体、複合膜、高分子固体電解質およびリチウムイオン電池

出願人 公立大学法人首都大学東京
発明者 川上浩良田中学渡辺司
出願日 2019年7月8日 (1年4ヶ月経過) 出願番号 2019-127265
公開日 2019年10月24日 (1年0ヶ月経過) 公開番号 2019-183379
状態 特許登録済
技術分野 炭素―炭素不飽和結合外反応のその他樹脂等 合成繊維 二次電池(その他の蓄電池) 含窒素連結基の形式による高分子化合物一般 不織物 導電材料
主要キーワード 一部拡大写真 非爆発性 昇華管 繰返しユニット 測定限界値 スライダック 形態評価 直鎖高分子
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

高い伝導性を有するリチウムイオン電池用固体電解質を提供すること。

解決手段

高分子材料からなるナノファイバーであって、該高分子材料は、リチウムイオンを含有し、前記高分子材料は、下記A)、B)の構成成分を有し、前記高分子材料は、エチレンオキサイドユニットを主鎖に有するポリエチレンオキサイド高分子およびその共重合体ポリエチレンオキサイドユニットを側鎖グラフト構造として有するグラフト高分子、および該ポリエチレンオキサイド高分子と形状安定化を志向した異種高分子ブレンド物からなる群により選択される高分子材料であるナノファイバー。A)脂肪族あるいは芳香族ポリマーの主鎖あるいは/かつ側鎖に、エチレンオキサイドユニットを含む繰り返し単位を有する。B)前記エチレンオキシドユニット相互作用するリチウム塩あるいはリチウムイオンを含有する

概要

背景

現在、一般的に実用化されているリチウムイオン電池は、リチウムイオン輸送する電解質として有機電解液が多く用いられている。しかし、有機電解液は、可燃性揮発性を有し液漏れに伴う危険性があるため、代替材料が求められている。そこで固体高分子電解質の利用は、非爆発性繰返し充放電に伴う電極短絡抑制など安全性、信頼性の飛躍的な向上が期待される。一般的に固体高分子中におけるリチウムイオンは、高い分子運動性を有する高分子鎖相互作用しながら伝導することが知られている。そのため多くの固体電解質ゴム高分子が用いられる。しかし、ゴム状高分子は、融点およびガラス転移点を有することが知られ、温度変化(低温領域)において結晶構造を形成し、リチウムイオン伝導性の著しい低下が、実用化に向けて課題となっている。課題解決に向けては、電解質の伝導性向上、薄膜化による抵抗の低減が求められる。さらに電池の長期安定性のためには、寸法安定性、化学的安定性も求められる。
これまでに、前記の課題を解決する手法の1つとして、電解質材料への様々な添加剤が検討されてきた。その中で、高強度を有する高分子ナノファイバー複合材料として用いた研究では、薄膜化による抵抗の低減や寸法安定性の向上が報告されている。
しかし、ナノファイバー自身にリチウムイオンなどのイオン伝導性をもたせた報告例はなく、報告例におけるナノファイバー自身はデットボリュームとして寄与してしまう。

概要

高い伝導性を有するリチウムイオン電池用固体電解質を提供すること。高分子材料からなるナノファイバーであって、該高分子材料は、リチウムイオンを含有し、前記高分子材料は、下記A)、B)の構成成分を有し、前記高分子材料は、エチレンオキサイドユニットを主鎖に有するポリエチレンオキサイド高分子およびその共重合体ポリエチレンオキサイドユニットを側鎖グラフト構造として有するグラフト高分子、および該ポリエチレンオキサイド高分子と形状安定化を志向した異種高分子ブレンド物からなる群により選択される高分子材料であるナノファイバー。A)脂肪族あるいは芳香族ポリマーの主鎖あるいは/かつ側鎖に、エチレンオキサイドユニットを含む繰り返し単位を有する。B)前記エチレンオキシドユニットと相互作用するリチウム塩あるいはリチウムイオンを含有するなし

目的

本発明の目的は、高いイオン伝導性を有するナノファイバー、それを用いたナノファイバー集積体、ナノファイバー集積体の複合膜、該ナノファイバー集積体又は該複合膜を用いた、高いイオン伝導性を有するリチウムイオン電池用の高分子固体電解質並びにリチウムイオン電池を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

高分子材料からなるナノファイバーであって、前記高分子材料は、リチウムイオンを含有し、且つ下記A)及びB)の構成成分を有する高分子材料であって、エチレンオキサイドユニットを主鎖に有するポリエチレンオキサイド高分子、及びその共重合体からなる群より選択される高分子物具備する高分子材料であるナノファイバー。A)脂肪族あるいは芳香族ポリマーの主鎖あるいは/かつ側鎖に、エチレンオキサイドユニットを含む繰り返し単位を有する。B)前記エチレンオキシドユニット相互作用するリチウム塩あるいはリチウムイオンを含有する。

請求項2

前記ポリエチレンオキサイド高分子およびその共重合体の骨格が下記式で表されることを特徴とする請求項1記載のナノファイバー。

請求項3

請求項1又は2記載のナノファイバーを集積してなるナノファイバー繊維集積体

請求項4

請求項3に記載のナノファイバー集積体と、少なくとも該ナノファイバー集積体の内部空隙充填されてなるリチウムイオンを含有する高分子材料とからなるナノファイバー繊維集積体の複合膜

請求項5

請求項3に記載のナノファイバー繊維集積体又は請求項4に記載の複合膜を具備してなることを特徴とする、リチウムイオン伝導性高分子固体電解質

請求項6

請求項5に記載の高分子固体電解質を具備することを特徴とする、リチウムイオン二次電池

技術分野

0001

本発明は、高いイオン伝導性を有するナノファイバー、該ナノファイバーからなるナノファイバー集積体、ナノファイバー集積体の複合膜、該ナノファイバー集積体又は該複合膜を具備し、高いイオン伝導性を有するリチウムイオン電池用高分子固体電解質並びにリチウムイオン電池に関する。

背景技術

0002

現在、一般的に実用化されているリチウムイオン電池は、リチウムイオン輸送する電解質として有機電解液が多く用いられている。しかし、有機電解液は、可燃性揮発性を有し液漏れに伴う危険性があるため、代替材料が求められている。そこで固体高分子電解質の利用は、非爆発性繰返し充放電に伴う電極短絡抑制など安全性、信頼性の飛躍的な向上が期待される。一般的に固体高分子中におけるリチウムイオンは、高い分子運動性を有する高分子鎖相互作用しながら伝導することが知られている。そのため多くの固体電解質ゴム高分子が用いられる。しかし、ゴム状高分子は、融点およびガラス転移点を有することが知られ、温度変化(低温領域)において結晶構造を形成し、リチウムイオン伝導性の著しい低下が、実用化に向けて課題となっている。課題解決に向けては、電解質の伝導性向上、薄膜化による抵抗の低減が求められる。さらに電池の長期安定性のためには、寸法安定性、化学的安定性も求められる。
これまでに、前記の課題を解決する手法の1つとして、電解質材料への様々な添加剤が検討されてきた。その中で、高強度を有する高分子ナノファイバー複合材料として用いた研究では、薄膜化による抵抗の低減や寸法安定性の向上が報告されている。
しかし、ナノファイバー自身にリチウムイオンなどのイオン伝導性をもたせた報告例はなく、報告例におけるナノファイバー自身はデットボリュームとして寄与してしまう。

発明が解決しようとする課題

0003

したがって、本発明の目的は、高いイオン伝導性を有するナノファイバー、それを用いたナノファイバー集積体、ナノファイバー集積体の複合膜、該ナノファイバー集積体又は該複合膜を用いた、高いイオン伝導性を有するリチウムイオン電池用の高分子固体電解質並びにリチウムイオン電池を提供することにある。

課題を解決するための手段

0004

本発明者らは、前記課題を解消すべく鋭意検討した結果、リチウムイオン伝導性高分子ナノファイバー化に着目した。エレクトロスピニング法により作製されるナノファイバーは、高電圧印加により瞬時に形成することが知られている。そのため、溶媒キャスト法など徐々に溶媒揮発させる作製法と比較して結晶成長の抑制が期待できると考えた。またファイバー軸方向に分子鎖延伸されることでリチウムイオンと高分子のイオン双極子相互作用力の変化が予想される。この仮説を明らかにするために、直鎖高分子グラフト高分子ブレンド高分子をそれぞれ合成、ナノファイバー化し、ファイバー内の結晶化度、伝導性を算出し、実験結果から優位性を明らかにすると共にエレクトロスピニング装置を用いて種々のリチウムイオン伝導性高分子をナノファイバーすることで、形成過程で結晶成長が抑制され、溶媒キャスト法により形成される同一組成の緻密膜と比較して、伝導性が向上することを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の各発明を提供するものである。
1.高分子材料からなるナノファイバーであって、
前記高分子材料は、リチウムイオンを含有し、且つ下記A)及びB)の構成成分を有する高分子材料であって、エチレンオキサイドユニットを主鎖に有するポリエチレンオキサイド高分子、及びその共重合体からなる群より選択される高分子物を具備する高分子材料であるナノファイバー。
A)脂肪族あるいは芳香族ポリマーの主鎖あるいは/かつ側鎖に、エチレンオキサイドユニットを含む繰り返し単位を有する。
B)前記エチレンオキシドユニットと相互作用するリチウム塩あるいはリチウムイオンを含有する。
2.前記ポリエチレンオキサイド高分子およびその共重合体の骨格が下記式で表されることを特徴とする1記載のナノファイバー。



3.1又は2記載のナノファイバーを集積してなるナノファイバー繊維集積体
4.3に記載のナノファイバー集積体と、少なくとも該ナノファイバー集積体の内部空隙充填されてなるリチウムイオンを含有する高分子材料とからなるナノファイバー繊維集積体の複合膜。
5.3に記載のナノファイバー繊維集積体又は4に記載の複合膜を具備してなることを特徴とする、リチウムイオン伝導性の高分子固体電解質。
6.5に記載の高分子固体電解質を具備することを特徴とする、リチウムイオン二次電池

発明の効果

0005

本発明のナノファイバーは、高いイオン伝導性を有するものであり、本発明のナノファイバー集積体は、本発明のナノファイバーを用いてなるもので、高いイオン伝導性を有するものである。
また、本発明のリチウムイオン伝導性の高分子固体電解質は、本発明のナノファイバーを有するので、高いイオン伝導性を有し、本発明のリチウムイオン電池は、本発明の高分子固体電解質を有するので各種電池特性に優れると共に長期安定性にも優れるものである。

図面の簡単な説明

0006

図1は実施例1で作製したナノファイバーのSEM像を示す写真図面代用写真)である。
図2は実施例2で作製したナノファイバーのSEM像を示す写真(図面代用写真)である。
図3は実施例3で作製したナノファイバーのSEM像を示す写真(図面代用写真)である。
図4は実施例4で作製したナノファイバーのSEM像を示す写真(図面代用写真)である。
図5は実施例5で作製したナノファイバーのSEM像を示す写真(図面代用写真)である。
図6は実施例6で作製したナノファイバーのSEM像を示す写真(図面代用写真)である。
図7は実施例7で作製したナノファイバーのSEM像を示す写真(図面代用写真)である。
図8は実施例8で作製したナノファイバーのSEM像を示す写真(図面代用写真)である。
図9は実施例9で作製したナノファイバーのSEM像を示す写真(図面代用写真)である。
図10は、実施例15で得たコイン電池充放電試験を行った結果を示すチャ−トである。
図11は、比較例8で得たコイン電池の充放電試験を行った結果を示すチャ−トである。
図12は、実施例7で得られたナノファイバーのSEM写真(図面代用写真)である。
図13は、実施例18で得られたナノファイバー複合膜のSEM写真(図面代用写真)であり、(a)は側面を示すSEM写真であり、(b)は複合状態を示すための(a)の一部拡大写真である。

0007

以下、本発明をさらに詳細に説明する。
〔ナノファイバー〕
本発明のナノファイバーは、高分子材料からなるナノファイバーであって、該高分子材料は、リチウムイオンを含有することを特徴とする。
<高分子材料>
前記高分子材料は、下記A)及びB)の構成成分を有するのが好ましい。
A)脂肪族あるいは芳香族ポリマーの主鎖あるいは/かつ側鎖に、エチレンオキサイドユニットを含む繰り返し単位を有する。
B)前記エチレンオキシドユニットと相互作用するリチウム塩あるいはリチウムイオンを含有する。
具体的には、前記高分子材料は、エチレンオキサイドユニットを主鎖に有するポリエチレンオキサイド高分子およびその共重合体からなる群より選択される高分子物を含み、この高分子物に後述するリチウム塩又はリチウムイオンを含有させてリチウムイオンを含有する高分子材料としてなるものである。なお、参考として、この高分子の他に好ましく用いることができる、ポリエチレンオキサイドユニットを側鎖グラフト構造として有するグラフト高分子、及び該ポリエチレンオキサイド高分子と形状安定化を志向した異種高分子ブレンド物からなる群より選択される高分子物を含み、この高分子物に後述するリチウム塩又はリチウムイオンを含有させてリチウムイオンを含有する高分子材料についても説明する。
以下、上記高分子物についてさらに具体的に説明する。
(ポリエチレンオキサイド高分子)
前記ポリエチレンオキサイド高分子及びその共重合体としては、エチレンオキサイドユニットを主鎖に有するものであればとくに制限されないが、具体的には、下記骨格を有するものが挙げられる。

0008

0009

一般式(2)及び(3)中、m、n及びlは、それぞれ整数であり、
mは、 1 〜 25000 、
nは、 1 〜 25000 、
lは、 1 〜 25000 を示す。
また、xは、0〜20の整数を示す。
また、bは、ブロック構造あるいはランダム構造であることを示す。
また、上記高分子材料の平均分子量(Mw)は
1.0×103〜1.0×107
とするのが好ましい。

0010

(グラフト高分子)
前記グラフト高分子は、下記骨格を有するものが挙げられる。

0011

0012

上記式(4)、(5)及び(6)中、n、1−n及びmはそれぞれ(重合分率)を示し、nは、0≦n≦1の数を示し、mは側鎖重合度満足する数、すなわち1〜1000の数を示す。
上記各式を満足するグラフト高分子としては、特に具体的には、3,5−ジアミノ安息香酸(DABA)と、2,2−ビスフェニルヘキサフルオロイソプロピリデンカルボン酸二無水物(6FDA)とを反応させて得られるポリイミドの側鎖にテトラエチレングリコールモノメチルエーテルTEGME、m=4)を反応させて側鎖にポリエチレングリコールユニットからなるグラフト構造を導入した化合物(6FDA−DABA−g−TEGME、一般式(4)において下線を引いた基を具備し、RがCOOである高分子)、等を挙げることができる
また、前記グラフト高分子における側鎖導入率((導入された側鎖mol数)/(主鎖繰返しユニットのmol数)×100)は、50〜150%であるのが好ましい。
前記グラフト高分子の重量平均分子量(Mw)は、1.0×104〜1.0×107であるのが好ましい。
リチウムイオンの導入量は上述のポリエチレンオキサイド高分子における導入量と同様である。

0013

(ブレンド物)
前記ブレンド物は、前記ポリエチレンオキサイド高分子と、ポリエチレンオキサイド高分子と形状安定化を志向した異種高分子、具体的は前記グラフト高分子とを混合してなるものが好ましい。
前記ブレンド物における前記ポリエチレンオキサイド高分子と前記グラフト高分子との混合割合は、前記ポリエチレンオキサイド高分子10〜90重量部に対して前記グラフト高分子90〜10重量部とするのが好ましく、前記ポリエチレンオキサイド高分子20〜80重量部に対して前記グラフト高分子80〜20とするのがさらに好ましい。
リチウムイオンの導入量は上述のポリエチレンオキサイド高分子における導入量と同様である。

0014

(リチウムイオン)
本発明における上記高分子材料はリチウムイオンを含有するが、リチウムイオンは、リチウム塩を上記高分子物と混合して上記高分子材料に上記リチウムイオンを含有させるか、上記高分子物にリチウムイオンを導入して上記高分子材料に上記リチウムイオンを含有させることで、上記高分子材料に含有させることができる。
本発明においてリチウムイオンの導入に際して用いられるリチウム化合物(リチウム塩)としては、リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド(LiTFSI)、リチウムクロライド(LiCl)、リチウムブロマイド(LiBr)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、テトラフルオロボレ−ト(LiBF4)、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)、ヘキサフルオロヒ酸リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、リチウムビスフルオロスルホニルイミド(LiFSI)、リチウムビスパ−フルオロエチルスルホニルイミド(LiBETI)、リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド(LiTFSI)リチウムフルオロアルキルボレ−ト(LiFAB)、リチウムジフルオロオキサラ−トボレ−ト(LiFOB)、リチウムビスオキサレ−トボラ−ト(LiBOB)などを挙げることができる。
リチウムイオンの導入量は、PEOのエーテル酸素2〜48個に対してリチウムが1個配位する量とするのが好ましい。
このリチウムイオンに関する記載は上記高分子物がポリエチレンオキサイド高分子及びその共重合体の場合だけでなく、他のグラフト高分子及びブレンド物についても妥当する。

0015

<高分子ナノファイバー>
前記高分子ナノファイバーの繊維径(直径)は、ポリエチレンオキサイド高分子、グラフト高分子及びブレンド物のいずれにおいても50nm〜1000nmとするのが好ましい。また、繊維長は10μm以上であるのが好ましく、アスペクト比は100以上であるのが好ましい。

0016

<ナノファイバー繊維集積体>
本発明のナノファイバー繊維集積体は、前記高分子材料をエレクトロスピニング法によりナノファイバー化してなる高分子ナノファイバーを用いて形成された繊維集合体であり、その厚みは5〜50μmであるのが好ましく、坪量は1〜4g/m2であるのが好ましい。
<複合膜>
本発明の複合膜は、ナノファイバー繊維集積体と、上記高分子材料(リチウムイオンを含有する高分子材料)からなる。該複合膜は、上記ナノファイバー繊維集積体に上記高分子材料をキャストすることで形成されるものであり、該複合膜は、図13に示すように、上記ナノファイバー繊維集積体のナノファイバー繊維間に存在する空隙が上記高分子材料(高分子電解質)で充填された構造となる。なお、ナノファイバー繊維集積体の表面に上記高分子材料が付着して被膜となる場合もある。
ナノファイバー繊維集積体と高分子膜との構成比は、ナノファイバー繊維集積体5〜95重量部に対して高分子膜95〜5重量部とするのが好ましい。

0017

<他の成分>
本発明のナノファイバー及びナノファイバー繊維集積体においては、上述の各成分のほか、本発明の所望の効果を損なわない範囲で種々成分を添加することができる。

0018

<製造方法>
本発明のナノファイバーは、まず、前記高分子物とリチウム化合物(リチウム塩)とを混合し溶媒に溶解してリチウム塩含有高分子材料溶液を調製し、次いで、エレクトロスピニング装置「エスプレイヤES−1000」(商品名、Fuence社製)に、リチウム塩含有高分子材料溶液が充填されたシリンジをセットして、エレクトロスピニング法を行うことにより得ることができる。なお、コレクターとしては、テフロン登録商標基板の上にアルミ箔を設置したものを用いることができる。また、溶液の放出量は0.0001〜0.01mL/Secとすることができ、シリンジと基板との距離は、5〜20cmとすることができ、シリンジ−基板間に印加する電圧は5〜30kVとすることができる。この際得られるナノファイバー繊維を集積させることにより、ナノファイバーを調整すると同時に繊維集積体を調整することができる。この際用いる溶媒としてはこの種のエレクトロスピニング法に用いられるものを特に制限なく用いることができるが、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド等の極性溶媒等を用いることができる。また、溶液の濃度は特に制限されずエレクトロスピニング法において採用される濃度を適宜採用できる。

0019

<リチウムイオン伝導性高分子固体電解質及びリチウムイオン二次電池>
本発明のリチウムイオン伝導性高分子固体電解質は、上述のナノファイバー繊維集積体を含むことを特徴とし、本発明のリチウムイオン二次電池は、前記のリチウムイオン伝導性高分子固体電解質を含むことを特徴とする。
すなわち、本発明のリチウムイオン伝導性高分子固体電解質及びリチウムイオン二次電池は、それぞれ上述の本発明の繊維集積体を含有することを特徴とし、その他の成分や製造方法は常法に従って適宜選択することができる。

0020

本発明は上述した実施形態に何ら制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。

0021

以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0022

(実施例1)
[リチウム塩含有高分子ナノファイバーの作製(A−1)]
アセトニトリル(脱水)にMw=2.0×105のポリエチレンオキシド(PEO)を両者の合計量中18重量%になるように加えて、撹拌により完全に溶解させた後、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)を、PEOのエーテル酸素24個に対してリチウムが1個配位するように加え、室温で一晩撹拌溶解させ、リチウム塩含有PEO溶液を調製した。溶液の粘度は、回転粘度計LE−85L(TOKISANGYO社製)により測定し、1.8Pas(回転速度1rpm)であった。作製した高分子溶液導電率は、セブンイージーS30(メトラー・トレド社製)により測定し、6.91mS/cmであった。

0023

[エレクトロスピニング法によるナノファイバーの作製(B−1)]
次に、エレクトロスピニング装置エスプレイヤーES−1000(Fuence社製)に、A−1で調製したリチウム塩含有PEO溶液が充填されたシリンジをセットして、エレクトロスピニング法によりナノファイバーを作製した。なお、コレクターとして、テフロン(登録商標)基板の上にアルミ箔を設置した。溶液の放出量を0.0010mL/Sec、シリンジと基板の距離を10cmとし、シリンジ−基板間に15kVの電圧を印加した。これにより、ナノファイバー集積体としてナノファイバーをガラス上に作製した。

0024

形態評価(C−1)]
B−1で作製したナノファイバーを室温で12時間真空乾燥した後、金でコ−ティングし、走査型電子顕微鏡(SEM)JSM−6100(JEOL社製)によるナノファイバー集積体の観察を行った。また、図1に、B−1で作製したナノファイバーのSEM像を示す。ファイバー直径は、551±91nmであった。また、高分子の融点、結晶化度を算出するためにDSC−60(SHIMADZU製)を用いてDSC測定を行った。測定は、−60℃から80℃の範囲で、昇温速度は5℃/minで行った。解析結果から、融点は、47.6℃、結晶化度は、32.8%であった。さらに作製したファイバーマット上に、純水を5μl乗せ、水接触角測定装置ERAINC製G−1)を用いて水接触角の測定を行った。測定結果は、純水が瞬時にマット中浸透し、0°であった。

0025

(比較例1)
[PEOキャスト膜の作製、および形態評価]
実施例1で得られたリチウム塩含有PEO溶液をテフロン(登録商標)シャーレ上にキャストし、30℃、減圧下で溶媒を蒸発させ、キャスト膜を作製した。膜厚は、100μmであった。またC−1と同様の条件でDSC測定を行った。
解析結果から、融点は、48.5℃、結晶化度は、34.5%であった。さらに得られたキャスト膜を用いて、実施例1のC−1と同様の条件で水接触角測定を行った。接触角は、純水を滴下した直後が44°で、20分後には膜内に浸透し0°であった。

0026

(実施例2)
[異なる一次電圧によるナノファイバー作製(B−2)]
実施例1A−1で調製したリチウム塩含有PEO溶液を用いて、エレクトロスピニング時に印加される電圧を10kV、20kVとしてナノファイバー集積体としてナノファイバーを作製した。SEM観察によりファイバー形態を確認した。その結果を図2に示す。図2に示すように、ファイバー直径は、10kVで743±164nm、20kVでは736±134nmでそれぞれファイバー同士が溶着した様子が観察された。

0027

(参考例3)
[異なるリチウム塩種によるナノファイバー作製]
リチウムクロライド(LiCl)を、実施例1で用いたMw=2.0×105のポリエチレンオキシド(PEO)のエーテル酸素12個に対してリチウムが1個配位するように加え、一晩撹拌溶解させ、合計量中15重量%のリチウム塩含有PEO溶液(溶媒は純水、濃度は実施例1と同じ)を調製、エレクトロスピニングを行った。その際の条件は、溶液の放出量を0.0010mL/Secとして、シリンジと基板の距離を10cmとし、シリンジ−基板間に15kVの電圧を印加する条件とした。得られた物についてSEM観察を行ったがファイバー形態は観察されなかった。その結果を図3に示す。

0028

(実施例4)
[異なる分子量を有するPEOのナノファイバー化]
アセトニトリル(脱水)にMw=6.0×105および8.0×106のPEOに実施例1と同様にLiTFSIを添加し、エレクトロスピニングを電圧以外の条件を実施例1のB−1と同一条件で行い、ナノファイバー集積体をアルミ基板上に作製した。この際の電圧条件は 20kVとした。得られたナノファイバー集積体をSEM観察によりファイバー形態を確認した。その結果を図4に示す。図4に示すように溶着している様子が伺える。

0029

(合成例1)
[6FDA−DABA(ポリイミド1)の合成(グラフト高分子系)]
3,5−ジアミノ安息香酸(DABA)9gに、蒸留水180ml、活性炭素0.9g加え、その後90℃で2時間撹拌した。ろ過により、ろ液回収し、窒素雰囲気下で1時間冷却し、再結晶を行った。また2,2−ビスフェニルヘキサフルオロイソプロピリデントカルボン酸二無水物(6FDA)16gを昇華管に導入し、マントルヒーターおよびスライダックにより加熱し、昇華精製を行った。窒素雰囲気下において、精製した6FDA5.0gとDABA1.7124gに脱水ジメチルアセトアミドDMAc)110mlを加え、25℃で24時間撹拌した。その後、無水酢酸8.46ml(89.6mmol)、トリエチルアミン12.48ml(89.6mmol)の順番に加え、25℃で24時間撹拌した。メタノールを用いてポリマー沈殿させた後、ろ物をメタノールで数回洗浄して回収した。さらに、回収したポリイミド1は、60℃で12時間真空乾燥を行い、溶媒を完全に除去した。

0030

構造解析
FT/NMR装置Burker−500(Burker社製)を用いて、ポリイミド1の1HNMRスペクトルを測定した。主鎖骨格由来のピ−クとして7.75ppm(s、2H)、7.83ppm(s、1H)7.95ppm(d、2H)、8.15ppm(s、1H)、8.20ppm(d、2H)が観測され、副反応なく重縮合が進行したことがわかる。さらに分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ−(GPC)装置RI−2031plus(JASCO社製)を用いて測定し、ポリスチレン換算でMw=2.4×106であった。

0031

(合成例2)
[6FDA−DABA−g−TEGME(PEGグラフト1)の合成]
溶媒として脱水ジメチルホルムアミド(50ml)を用い合成例1で合成したポリイミド1を3.4g(6.1mmol)を室温で24時間撹拌し、溶解させた。その後、1.3−ジシクロヘキシルカルボジイミド3.755g(18.2mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド2.09g(18.2mmol)を加え0℃で溶解させた後、ジメチルアミノピリジン0.2468g(2.02mmol)、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル(TEGME)6.40ml(30.3mmol)を加え、窒素雰囲気下で30℃、48時間撹拌した。メタノールを用いてポリマーを沈殿させた後、ろ物をメタノールで数回洗浄して回収した。PEGグラフト1は、70℃で12時間真空乾燥を行い、溶媒を完全に除去し回収した。また上述の構造解析と同様の装置を用いて1H−NMR測定を行い、3.51ppm(t、16H)にPEG側鎖のCH2に由来するピ−クが、4.45ppm(s、3H)にPEG鎖末端のCH3がそれぞれ観測され、主鎖骨格とのピ−ク積分比から、側鎖導入率76%と算出された。

0032

(合成例3)
[異なるPEG鎖長を有する高分子(PEGグラフト2)の合成]
溶媒としてジメチルホルムアミド(60ml)を用い合成例1で合成したポリイミド1を2g(3.57mmol)室温で24時間撹拌し、溶解させた。その後、1.3−ジシクロヘキシルカルボジイミド2.209g(10.7mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド1.23g(10.7mmol)を加え0℃で溶解させた後、ジメチルアミノピリジン0.1441g(1.18mmol)、Mw=550のポリエチレングリコールモノメチルエーテル4.5g(8.18mmol)を加え、窒素雰囲気下で20時間撹拌した。メタノールを用いて沈殿させた後、ろ物をメタノールで数回洗浄して回収した。さらに、回収した、PEGグラフト2は、70℃で12時間真空乾燥を行い、溶媒を完全に除去した。また上述の構造解析と同様の装置を用いて1H−NMR測定を行い、3.51ppm、3.33ppm(t、48H)にPEG側鎖のCH2に由来するピ−クが観測された。側鎖導入率は88%であった。

0033

(合成例4)
[PEG鎖導入量の異なる6FDA−DABA−g−TEGME(PEGグラフト3)の合成]
合成例1で得たポリイミド1に対し合成例2の場合とほぼ同様にして、TEGME導入を行った。ただし、反応時間を144時間とし、TEGME導入量の異なるPEGグラフト3を得た。合成例1と同様の精製を行い、1HNMR測定より、TEGME導入率(側鎖導入率)143.1%と算出した。一部イミド環解裂し、ポリアミドとなっていることが予想される。

0034

(実施例5)
[PEGグラフト1のナノファイバー化]
ジメチルホルムアミドに合成例2で合成したPEGグラフト1を両者の合計量中24重量%となるように加えて、25℃24時間撹拌により完全に溶解させた。エレクトロスピニングは、溶液の放出量を0.0010mL/Sec、シリンジと基板の距離を10cm、シリンジ−基板間に15kVの電圧を印加する条件で行い、リチウム塩を含有しないナノファイバーからなる、ナノファイバー集積体をアルミ基板上に作製した。SEM観察によりファイバー径は、256±67nmであった。その結果を図5に示す。

0035

(実施例6)
Li塩添加PEGグラフト1のナノファイバー化]
ジメチルホルムアミドに合成例2で合成したPEGグラフト1を両者の合計量中26重量%となるように加えて溶解させた後、LiTFSIをPEG側鎖のエーテル酸素12個に対してリチウムが1個配位するように加え、一晩撹拌し、Li塩添加PEGグラフト1溶液を調製した。エレクトロスピニングは、溶液の放出量を0.0010mL/Sec、シリンジと基板の距離を10cm、シリンジと基板間に15kVの電圧を印加する条件で行い、ナノファイバー集積体としてナノファイバーをアルミ基板上に作製した。SEM観察によりファイバー径は、94±13nmであった。その結果を図6に示す。

0036

(実施例7)
[PEGグラフト2のナノファイバー化]
ジメチルホルムアミドに合成例3で合成したPEGグラフト2を両者の合計量中24重量%となるように加えて溶解させた後、LiTFSIをPEG側鎖のエーテル酸素12個に対してリチウムが1個配位するように加え、一晩撹拌し、Li塩添加PEGグラフト1溶液を調製した。得られた溶液をエレクトロスピニング処理した。エレクトロスピニングは、溶液の放出量を0.0010mL/Sec、シリンジと基板の距離を10cm、シリンジ−基板間に15kVの電圧を印加する条件で行い、ナノファイバー繊維集積体としてナノファイバーをアルミ基板上に作製した。SEM観察によりファイバー径は、151±18nmであった。その結果を図12に示す。

0037

[PEGグラフト1、PEGグラフト2のDSC測定]
合成例2で得たPEGグラフト1および合成例3で得たPEGグラフト2を用いて、実施例1のC−1と同様の条件でDSC測定を行った。解析結果から、PEGグラフト1の融点は、47.2℃、PEGグラフト2の融点は39.2℃であった。

0038

[合成例5]
[6FDA−6FAP(ポリイミド2)の合成(ブレンド物)]
160mlのジメチルアセトアミド溶媒に6FDA14.64g(0.328mol)と2.2−ジアミノジフェニルヘキサフルオロプロパン[6FAP:Mw= 334.26]10.96g(0.328mol)を加え24時間撹拌溶解した。脱水触媒としてポリアミック酸溶液にポリマーの5倍モルの無水酢酸15.30mlを滴下させた。次に、5倍モルのイミド化触媒としてトリエチルアミン23ml(0.1618mol)を滴下し、さらに24時間撹拌した。メタノールを用いて沈殿させた後、ろ物をメタノールで数回洗浄して回収した。さらに、回収したポリイミド2は、80℃で12時間真空乾燥を行い、溶媒を完全に除去した。また上述の構造解析と同様の装置を用いて1H−NMR測定を行い、7.55ppm(d、4H)、7.64ppm(d、4H)、7.75ppm(s、2H)、7.95ppm(d、2H)、8.19ppm(d、2H)に主鎖骨格由来のピ−クが観察され、また未反応のアミック酸由来のピ−クが観察されなかったことから、副反応なく重合が進んだことが分かる。さらにポリイミド2の重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィ−(GPC)装置RI−2031plus(JASCO社製)を用いて測定し、1.36×105であった。

0039

(実施例8)
[ブレンドナノファイバーの作製(ブレンド比50:50)]
N,N−ジメチルホルムアミドに合成例5で得られたポリイミド2とMw=2.0×105のPEOとを重量比50:50となるように加えて、全合計量中両者の合計量が12重量%となるように溶解させた後、LiTFSIをPEOのエーテル酸素12個に対してリチウムが1個配位するように加え、一晩撹拌し、Li塩添加ポリマーブレンド溶液を調製した。溶液粘度は、1.02Pasであった。エレクトロスピニングは溶液の放出量を0.0010mL/Sec、シリンジと基板の距離を10cm、シリンジ−基板間に15kVの電圧を印加する条件で行い、ナノファイバー集積体としてナノファイバーをアルミ基板上に作製した。SEM観察によりファイバー形態を確認しファイバー径平均は、230±19nmであった。その結果を図7に示す。

0040

(実施例9)
[ブレンドナノファイバーの作製(ブレンド比80:20)]
N,N−ジメチルホルムアミドに合成例5で得られたポリイミド2とMw=200.000のPEOを重量比80:20となるように加えて、15重量%となるように溶解させた後、LiTFSIをPEOのエーテル酸素12個に対してリチウムが1個配位するように加え、一晩撹拌し、Li塩添加ポリマーブレンド溶液を調製した。溶液粘度は、1.22Pasであった。エレクトロスピニングは実施例8と同様にしてナノファイバー集積体としてナノファイバーを作製した。SEM観察によりファイバー形態を確認し、ファイバー径平均は、211±20nmであった。その結果を図8に示す。

0041

(実施例10)
[ブレンドナノファイバーの作製(ブレンド比20:80)]
N,N−ジメチルホルムアミドに合成例5で得られたポリイミド2とMw=200.000のPEOを重量比20:80となるように加えて、15重量%となるように溶解させた後、LiTFSIをPEOのエーテル酸素12、24個に対してリチウムが1個配位するように加え、一晩撹拌し、Li塩添加ポリマーブレンド溶液を調製した。溶液粘度は、5.24Pasであった。エレクトロスピニングは実施例8と同条件で行った。SEM観察により、12個では、ファイバー形態は観察されなかったのに対して24個では、溶着したファイバー形態が観察された。その結果を図9に示す。

0042

(比較例2、3、4)
[各種ブレンドポリマー緻密膜の作製]
実施例8〜10で調製した溶液を、それぞれテフロン(登録商標)シャーレ上にキャストし、30℃、減圧下で溶媒を蒸発させ、キャスト膜を作製した。膜厚はそれぞれ80μmであった。尚、実施例8を比較例2、実施例9を比較例3、実施例10を比較例4に対応させた。

0043

[各種ブレンドナノファイバーの水接触角測定]
実施例8〜10および比較例4で作製したファイバーマットおよび緻密膜上に、純水を5ml乗せ、水接触角測定装置(ERMAINC製G−1)を用いて測定を行った。測定は、5分毎に完全に浸透するまで行った。結果は、表1に示す。

0044

[ブレンドナノファイバーのDSC測定]
実施例8で作製したナノファイバーの高分子の融点、結晶化度を算出するためにDSC−60(SHIMADZU製)を用いてDSC測定を行った。測定は、−60℃から80℃の範囲で、昇温速度は5℃/minで行った。融点は38.5℃、結晶化度は1.6%であった。同様に実施例9で作製したサンプルの融点は、60.1℃、結晶化度は1.9%、実施例10で作製したサンプルの融点は、53.9℃、結晶化度は3.4%であった。

0045

ブレンド膜のDSC測定]
比較例2で作製した実施例8に対応する緻密膜を用いて前記のDSC測定と同様の条件でDSC測定を行った。解析結果から、融点は、52.7℃、結晶化度は、7.3%であった。同様に比較例3で作製した緻密膜の融点、結晶化度は観察されず、比較例4で作製した緻密膜の融点は、61.6℃、結晶化度は、2.9%であった。

0046

(実施例11)
伝導度測定コイン型セルの作製]
実施例1で得られたナノファイバー集積体をアルゴンガスで充填したバキュームグローブボックスmini(UNICO製)内に導入し、18φのポンチを用いて円状に抜き、48時間乾燥後、2032型コインセル部材である、ケースガスケットワッシャースペーサーアルミ電極組合せてコイン電池を作製した。

0047

(実施例12)
[ナノファイバーの伝導度測定]
次に、インピダンスアナライザ−3532−50(日置社製)を用いて、50kHz〜5MHzまでの周波数応答性を測定して、実施例11で作製したコイン型セルにおけるナノファイバー集積体の伝導度電極間距離30μm)を測定した。なお、伝導度測定時の温度は、恒温器を用いて、30℃および60℃に保持した。

0048

式電極間距離[cm]/サンプル面積[cm2]×抵抗[Ω])から、リチウムイオン伝導度A[S/cm]を算出した。実施例11のコイン電池におけるサンプル伝導度は、30℃で9.40×10−2mS/cm、60℃で4.39×10−1mS/cmであった。

0049

(比較例5)
[リチウム塩含有PEO膜の伝導度測定]
比較例1で得られたリチウム塩含有PEO緻密膜を18φのポンチを用いて円状に抜き、実施例11と同様にコイン電池を作製し、実施例12と同条件でインピ−ダンス測定を行った。伝導度は30℃で6.05×10−3mS/cm、60℃で3.73×10−1mS/cmであった。

0050

(実施例13)
[ブレンドナノファイバーの伝導度測定]
実施例8で得られたブレンド物からなるナノファイバー集積を用いて、実施例11と同様にコイン電池を作製し、インピ−ダンス測定を行った。伝導度は、30℃で6.36×10−4mS/cm、60℃で1.96×10−2mS/cmであった。

0051

(比較例6)
[ブレンド膜の伝導度測定]
比較例2で作製した実施例8と同一組成のブレンド膜を用いて、実施例11と同様にコイン電池を作製し、インピ−ダンス測定を行った。伝導度は、30℃で6.12×10−4mS/cm、60℃で5.63×10−3mS/cmであった。

0052

(実施例14)
[グラフト1ナノファイバーの伝導度測定]
実施例6で作製したグラフト高分子1からなるナノファイバー集積体を用いて実施例11と同様にコイン電池を作製し、インピ−ダンス測定を行った。伝導度は、30℃では測定限界値以下、60℃で3.73×10−3mS/cmであった。

0053

(実施例15)
[PEGグラフト2ナノファイバーの伝導度測定]
実施例7で作製したグラフト高分子2からなるナノファイバー集積体を用いて実施例11と同様にコイン電池を作製し、インピ−ダンス測定を行った。伝導度は、30℃で1.77×10−5mS/cm、60℃で9.43×10−4mS/cmであった。

0054

(比較例7)
[PEGグラフト1膜の伝導度測定]
実施例6と同一組成の材料から作製した膜を用いて実施例11と同様にコイン電池を作製し、インピ−ダンス測定を行った。伝導度は、30℃で6.04×10−6mS/cm、60℃で1.72×10−4mS/cmであった。

0055

(比例例8)
[PEGグラフト2膜の伝導度測定]
実施例7と同一組成の材料から作製した膜を用いて実施例11と同様にコイン電池を作製し、インピ−ダンス測定を行った。伝導度は、30℃で7.55×10−6mS/cm、60℃で1.95×10−4mS/cmであった。
測定した伝導度について表2にまとめて示す。

0056

0057

表2に示されるように、リチウム塩添加量の増加に伴い、抵抗が減少することが明らかとなった。これから、本発明において用いられる高分子からなるファイバーがリチウムイオン伝導性を有することがわかる。

0058

(実施例16)
[充放電試験用コイン電池の作製]
実施例1で作製したサンプルを用いて、ポンチで18φにくりぬいた。正極材としてリン酸鉄リチウム、負極材として、リチウム金属を用い、ガスケット、スペーサー、ワッシャーを組み合わせることで充放電測定用コイン電池を作製した。

0059

(実施例17)
ナノファイバーマットの充放電試験]
実施例16で作製したコイン電池を用いて、充放電試験を行った。測定温度25℃、レート速度0.01Cで8サイクルまで実施した。測定結果より、最大放電容量は180μAhであった。その結果を図10に示す。

0060

(比較例8)
[緻密膜の充放電試験]
比較例1で得られた緻密膜を用いて実施例17の条件と同様に充放電試験を行った。測定結果より、最大放電容量は56μAhであった。その結果を図11に示す。

実施例

0061

〔実施例18〕
グラフト化ポリマーナノファイバーとポリエーテル鎖を含有するマトリクスポリマー複合化による複合膜)
実施例7で作製したPEGグラフト2にLiTFSIを添加してなるナノファイバー繊維集積体に、実施例1で得られたリチウム塩添加ポリマーを高分子材料(マトリクス)としてナノファイバー繊維集積体100重量部に対して、高分子材料70重量部となるようにキャストし、一晩真空乾燥して、ナノファイバー繊維集積体内部の空隙に高分子材料が充填されてなる複合材料としての複合膜を作製した。得られた複合膜は、SEM観察により緻密な構造であることを確認した。その結果を図13に示す。
得られたナノファイバーを含有する複合膜を用いて実施例11と同様にコイン電池を作製し、インピ−ダンス測定を行った。伝導度は、30℃で5.71×10−2mS/cm、60℃で2.81×10−1mS/cmであった。

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