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技術 液晶ポリエステル樹脂、その製造方法およびそれからなる成形品

出願人 東レ株式会社
発明者 小西彬人宮本皓平梅津秀之
出願日 2018年4月13日 (2年10ヶ月経過) 出願番号 2018-077266
公開日 2019年10月24日 (1年3ヶ月経過) 公開番号 2019-183040
状態 未査定
技術分野 ポリエステル、ポリカーボネート 高分子組成物
主要キーワード 最低充填 冷却液タンク 電磁弁用 ウォッシャー液タンク リレーベース 一般生活 ポテンショメーター 薄肉形状
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年10月24日)のものです。
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図面 (1)

課題

薄肉流動性および靭性に優れた液晶ポリエステル樹脂およびそれからなる成形品を提供すること。

解決手段

液晶ポリエステル樹脂の全構造単位100モル%に対して、芳香族ヒドロキシカルボン酸由来する構造単位を15〜80モル%、芳香族ジオールに由来する構造単位を7〜40モル%、芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位を7〜40モル%含む液晶ポリエステル樹脂であって、前記液晶ポリエステル樹脂100重量%に対して、下記一般式(A)で表される末端構造を、0.01〜5重量%含む液晶ポリエステル樹脂。−O−(R1−O)n−R2 (A)(上記一般式(A)中、nは2〜100の範囲を表す。R1は炭素数2〜10の2価の炭化水素基、R2は炭素数1〜30の1価の炭化水素基を表す。式中に含まれるn個のR1は同じでも異なってもよい。)

概要

背景

液晶ポリエステル樹脂は、その液晶構造のため、耐熱性流動性、寸法安定性に優れる。このため、それらの特性が要求されるコネクタリレーなどの電気電子部品を中心に需要が拡大している。特に近年の機器高性能化に伴い、上記部品の小型化や薄肉化が進み、さらなる流動性が求められており、例えば、液晶ポリマー低分子量化合物溶融混練して低溶融粘度の液晶ポリマーを得ることによる流動性向上が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。また、非液晶ポリエステル樹脂では、ポリオキシアルキレン構造末端変性することにより、低溶融粘度化したポリエチレンテレフタレートが提案されている(例えば、特許文献3参照)。

概要

薄肉流動性および靭性に優れた液晶ポリエステル樹脂およびそれからなる成形品を提供すること。液晶ポリエステル樹脂の全構造単位100モル%に対して、芳香族ヒドロキシカルボン酸由来する構造単位を15〜80モル%、芳香族ジオールに由来する構造単位を7〜40モル%、芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位を7〜40モル%含む液晶ポリエステル樹脂であって、前記液晶ポリエステル樹脂100重量%に対して、下記一般式(A)で表される末端構造を、0.01〜5重量%含む液晶ポリエステル樹脂。−O−(R1−O)n−R2 (A)(上記一般式(A)中、nは2〜100の範囲を表す。R1は炭素数2〜10の2価の炭化水素基、R2は炭素数1〜30の1価の炭化水素基を表す。式中に含まれるn個のR1は同じでも異なってもよい。)なし

目的

本発明は、上述の課題を解決し、薄肉流動性や靭性に優れた成形品を得ることのできる液晶ポリエステル樹脂、および成形品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

液晶ポリエステル樹脂全構造単位100モル%に対して、芳香族ヒドロキシカルボン酸由来する構造単位を15〜80モル%、芳香族ジオールに由来する構造単位を7〜40モル%、芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位を7〜40モル%含む液晶ポリエステル樹脂であって、前記液晶ポリエステル樹脂100重量%に対して、下記一般式(A)で表される末端構造を0.01〜5重量%含む液晶ポリエステル樹脂。−O−(R1−O)n−R2(A)(上記一般式(A)中、nは2〜100の範囲を表す。R1は炭素数2〜10の2価の炭化水素基、R2は炭素数1〜30の1価の炭化水素基を表す。式中に含まれるn個のR1は同じでも異なってもよい。)

請求項2

液晶ポリエステル樹脂が、芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する構造単位として、下記構造単位(I)を含み、芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位として、下記構造単位(II)を含み、構造単位(I)と構造単位(II)の合計が、液晶ポリエステル樹脂の全構造単位100モル%に対して60〜80モル%である、請求項1記載の液晶ポリエステル樹脂。

請求項3

液晶ポリエステル樹脂が、芳香族ジオールに由来する構造単位として、下記構造単位(III)を含み、構造単位(III)が、液晶ポリエステル樹脂の全構造単位100モル%に対して2〜20%である請求項1または2記載の液晶ポリエステル樹脂。

請求項4

前記一般式(A)中、nが16〜100である請求項1〜3のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂。

請求項5

前記一般式(A)で表される末端構造を含まない液晶ポリエステル樹脂および、前記一般式(A)で表される末端構造を有する化合物を配合してなる請求項1〜4のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂。

請求項6

前記一般式(A)で表される末端構造を含まない液晶ポリエステル樹脂および、前記一般式(A)で表される末端構造を有する化合物を溶融混練する請求項1〜5のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂の製造方法。

請求項7

請求項1〜5のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂100重量部に対し、充填材を10〜200重量部含む、液晶ポリエステル樹脂組成物

請求項8

請求項1〜5のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂、または請求項7に記載の液晶ポリエステル樹脂組成物からなる成形品

請求項9

成形品が、コネクタリレー、スイッチ、コイルボビンランプソケットカメラモジュール、および集積回路封止材からなる群から選択される、請求項8に記載の成形品。

技術分野

0001

本発明は、液晶ポリエステル樹脂およびそれからなる成形品に関する。より詳しくは、流動性および靭性に優れた成形品を得ることのできる液晶ポリエステル樹脂、およびそれからなる成形品に関するものである。

背景技術

0002

液晶ポリエステル樹脂は、その液晶構造のため、耐熱性、流動性、寸法安定性に優れる。このため、それらの特性が要求されるコネクタリレーなどの電気電子部品を中心に需要が拡大している。特に近年の機器高性能化に伴い、上記部品の小型化や薄肉化が進み、さらなる流動性が求められており、例えば、液晶ポリマー低分子量化合物溶融混練して低溶融粘度の液晶ポリマーを得ることによる流動性向上が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。また、非液晶ポリエステル樹脂では、ポリオキシアルキレン構造末端変性することにより、低溶融粘度化したポリエチレンテレフタレートが提案されている(例えば、特許文献3参照)。

先行技術

0003

特表2002−511513号公報
特開2018−44108号公報
国際公開第2015/186653号

発明が解決しようとする課題

0004

一方で、前記特許文献1、2に記載された方法で液晶ポリエステル樹脂を低溶融粘度化した場合、用いる低分子化合物自体の耐熱性が低く、液晶ポリエステル樹脂の高い加工温度で分解してガスが増加し、靭性が低下するという問題があり、薄肉流動性についても不十分であった。また、前記特許文献3に記載されたポリエチレンテレフタレートは、非液晶ポリエステル樹脂であるので、薄肉流動性について不十分であった。よって本発明は、上述の課題を解決し、薄肉流動性や靭性に優れた成形品を得ることのできる液晶ポリエステル樹脂、および成形品を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0005

本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の末端構造を少量有する液晶ポリエステル樹脂により、薄肉流動性や靭性に優れた成形品を得ることのできることを見出し、本発明に到達した。

0006

すなわち本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)液晶ポリエステル樹脂の全構造単位100モル%に対して、芳香族ヒドロキシカルボン酸由来する構造単位を15〜80モル%、芳香族ジオールに由来する構造単位を7〜40モル%、芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位を7〜40モル%含む液晶ポリエステル樹脂であって、前記液晶ポリエステル樹脂100重量%に対して、下記一般式(A)で表される末端構造を0.01〜5重量%含む液晶ポリエステル樹脂。
−O−(R1−O)n−R2 (A)
(上記一般式(A)中、nは2〜100の範囲を表す。R1は炭素数2〜10の2価の炭化水素基、R2は炭素数1〜30の1価の炭化水素基を表す。式中に含まれるn個のR1は同じでも異なってもよい。)
(2)液晶ポリエステル樹脂が、芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する構造単位として、構造単位(I)を含み、芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位として、下記構造単位(II)を含み、構造単位(I)と構造単位(II)の合計が、液晶ポリエステル樹脂の全構造単位100モル%に対して60〜80モル%である、請求項1記載の液晶ポリエステル樹脂。

0007

0008

(3)液晶ポリエステル樹脂が、芳香族ジオールに由来する構造単位として、下記構造単位(III)を含み、構造単位(III)が、液晶ポリエステル樹脂の全構造単位100モル%に対して2〜20%である(2)記載の液晶ポリエステル樹脂。

0009

0010

(4)前記一般式(A)中、nが16〜100である(1)〜(3)のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂。
(5)一般式(A)で表される末端構造を含まない液晶ポリエステル樹脂および、一般式(A)で表される末端構造を有する化合物を配合してなる(1)〜(4)のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂。
(6)一般式(A)で表される末端構造を含まない液晶ポリエステル樹脂および、一般式(A)で表される末端構造を有する化合物を、溶融混練する(1)〜(5)のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂の製造方法。
(7)(1)〜(5)のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂100重量部に対し、充填材を10〜200重量部含む、液晶ポリエステル樹脂組成物
(8)(1)〜(5)のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂、または(7)に記載の液晶ポリエステル樹脂組成物からなる成形品。
(9)成形品が、コネクタ、リレー、スイッチ、コイルボビンランプソケットカメラモジュール、および集積回路封止材からなる群から選択される、(8)に記載の成形品。

発明の効果

0011

本発明の液晶ポリエステル樹脂によれば、薄肉流動性や靭性に優れる成形品を得ることができる。かかる樹脂は、特に薄肉形状を有するコネクタ、リレー、スイッチ、コイルボビン、ランプソケット、カメラモジュール、集積回路封止材などの電気・電子部品や機械部品に好適である。

図面の簡単な説明

0012

実施例において作製したコネクタ成形品の斜視図である。

0013

以下、本発明を詳細に説明する。

0014

<液晶ポリエステル樹脂>
本発明で使用する液晶ポリエステル樹脂は、異方性溶融相を形成するポリエステルである。液晶ポリエステル樹脂としては、例えば、後述するオキシカルボニル単位、ジオキシ単位、ジカルボニル単位などから異方性溶融相を形成するよう選ばれた構造単位から構成されるポリエステルなどが挙げられる。

0015

次に、液晶ポリエステル樹脂を構成する構造単位について説明する。

0016

本発明の液晶ポリエステル樹脂は、オキシカルボニル単位として、液晶ポリエステル樹脂の全構造単位100モル%に対して、芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する構造単位を15〜80モル%含む。15%未満であると、液晶性が損なわれるため薄肉流動性が低下する。流動性やウェルド強度向上の観点から、20モル%以上が好ましく、25モル%以上がより好ましい。一方で、80モル%より多いと、液晶ポリエステル樹脂の結晶性および融点の制御が困難となり、流動性や靭性が低下する。流動性や靭性向上の観点から、75モル%以下が好ましく、70モル%以下がより好ましい。

0017

オキシカルボニル単位の具体例としては、p−ヒドロキシ安息香酸m−ヒドロキシ安息香酸や6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸などに由来する構造単位を使用することができる。

0018

本発明の液晶ポリエステル樹脂は、ジオキシ単位として、液晶ポリエステル樹脂の全構造単位100モル%に対して、芳香族ジオールに由来する構造単位を7〜40モル%含む。5モル%未満であると、液晶ポリエステル樹脂の結晶性および融点の制御が困難となり、流動性や靭性が低下する。流動性や靭性向上の観点から、10モル%以上が好ましく、15モル%以上がより好ましい。一方で、40モル%より多いと、液晶性が損なわれるため流動性が低下する。流動性や靭性向上の観点から、37モル%以下が好ましく、35モル%以下がより好ましい。

0019

芳香族ジオールに由来する構造単位としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニルハイドロキノンレゾルシノール、t−ブチルハイドロキノンフェニルハイドロキノンクロロハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、3,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニルプロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンなどに由来する構造単位が挙げられる。優れた離型性を保持しつつ、流動性および寸法安定性に優れる観点から、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンに由来する構造単位を使用することが好ましい。また、エチレングリコールプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの脂肪族ジオールに由来する構造単位や、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式ジオールに由来する構造単位などを、液晶性や特性を損なわない程度の範囲でさらに有することができる。

0020

本発明の液晶ポリエステル樹脂は、ジカルボニル単位として、液晶ポリエステル樹脂の全構造単位100モル%に対して、芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位を7〜40モル%含む。7モル%未満であると、液晶ポリエステル樹脂の結晶性および融点の制御が困難となり、流動性や靭性が低下する。流動性や靭性向上の観点から、10モル%以上が好ましく、15モル%以上がより好ましい。一方で、40モル%より多いと、液晶性が損なわれるため流動性が低下する。流動性やウェルド強度向上の観点から、37モル%以下が好ましく、35モル%以下がより好ましい。

0021

芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位としては、例えば、テレフタル酸イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、3,3’−ジフェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸などに由来する構造単位が挙げられる。優れた離型性を保持しつつ、流動性およびウェルド強度に優れる観点から、テレフタル酸、イソフタル酸に由来する構造単位を使用することが好ましい。また、アジピン酸アゼライン酸セバシン酸ドデカンジオン酸ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂肪族ジカルボン酸に由来する構造単位、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸に由来する構造単位などを液晶性や特性を損なわない程度の範囲でさらに有することができる。

0022

また、上記構造単位に加えて、p−アミノ安息香酸、p−アミノフェノールなどから生成した構造単位を、液晶性や特性を損なわない程度の範囲でさらに有することができる。

0023

上記の各構造単位を構成する原料モノマーは、各構造単位を形成しうる構造であれば特に限定されないが、各構造単位の水酸基アシル化物、各構造単位のカルボキシル基エステル化物酸ハロゲン化物、酸無水物などのカルボン酸誘導体などが使用されてもよい。

0024

本発明の液晶ポリエステル樹脂は、芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する構造単位として、下記構造単位(I)を含み、芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位として、下記構造単位(II)を含み、構造単位(I)と構造単位(II)の合計が、液晶ポリエステル樹脂の全構造単位100モル%に対して、60〜80モル%であることが好ましい。液晶ポリエステル樹脂の結晶性および融点を制御した上で、薄肉流動性に優れる観点から、好ましくは63モル%以上、さらに好ましくは67モル%以上である。一方で、構造単位(I)と構造単位(II)の合計が80モル%を超えると、液晶ポリエステル樹脂の結晶性および融点の制御が困難となり、成形加工性が低下する。液晶ポリエステル樹脂の結晶性および融点を制御した上で、薄肉流動性や靭性に優れる観点から、好ましくは78%以下である。また、構造単位(I)と構造単位(II)は、いずれか一方の構造単位を有し、もう一方の構造単位が0モル%であってもよいが、液晶ポリエステル樹脂の結晶性および融点を制御する観点から、それぞれが0モル%を超えることが好ましい。

0025

本発明の液晶ポリエステル樹脂の構造単位(I)の含有量は、薄肉流動性に優れる観点から、30モル%以上が好ましく、50モル%以上がより好ましい。一方で、液晶ポリエステル樹脂の結晶性および融点を制御した上で、薄肉流動性や靭性に優れる観点から、70モル%以下が好ましく、65モル%以下が好ましい。

0026

本発明の液晶ポリエステル樹脂の構造単位(II)の含有量は、薄肉流動性に優れる観点から、5モル%以上が好ましく、10モル%以上が好ましい。一方で、薄肉流動性や靭性に優れる観点から、30モル%以下が好ましく、20モル%以下が好ましい。

0027

本発明の液晶ポリエステル樹脂は、芳香族ジオールに由来する構造単位として、下記構造単位(III)を含み、構造単位(III)を液晶ポリエステル樹脂の構造単位全量100モル%に対して2〜20モル%含有することが好ましい。構造単位(III)はハイドロキノンに由来する構造単位である。2モル%以上含有することにより、薄肉流動性や靭性をより向上させることができる。より好ましくは4モル%以上であり、さらに好ましくは7.5モル%以上である。一方で、20モル%以下含有することにより、薄肉流動性や靭性をより向上させることができる。より好ましくは15モル%以下であり、さらに好ましくは12モル%以下である。

0028

本発明の液晶ポリエステル樹脂は、芳香族ジオールに由来する構造単位として、下記構造単位(IV)を含み、構造単位(IV)を液晶ポリエステル樹脂の構造単位全量100モル%に対して、3〜30モル%含有することが好ましい。構造単位(IV)は4,4’−ジヒドロキシビフェニルに由来する構造単位である。3モル%以上含有することにより、液晶ポリエステル樹脂の結晶性および融点を制御でき、耐熱性が向上する。好ましくは5モル%以上であり、より好ましくは7モル%以上である。一方で、30モル%以下含有することにより、液晶ポリエステル樹脂の結晶性および融点を制御でき、成形加工性および靭性が向上する。より好ましくは25モル%以下であり、さらに好ましくは20モル%以下である。

0029

本発明の液晶ポリエステル樹脂は、芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位として、下記構造単位(V)を含み、構造単位(V)を液晶ポリエステル樹脂の構造単位全量100モル%に対して、1〜10モル%含有することが好ましい。下記構造単位(V)はイソフタル酸に由来する構造単位である。1モル%以上含有することにより、液晶ポリエステル樹脂の結晶性および融点を制御でき、成形加工性および靭性が向上する。好ましくは2モル%以上であり、より好ましくは3モル%以上である。一方で、10モル%以下含有することにより、液晶ポリエステル樹脂の結晶性および融点を制御でき、耐熱性が向上する。より好ましくは9モル%以下であり、さらに好ましくは8モル%以下である。

0030

0031

本発明の液晶ポリエステル樹脂は、下記一般式(A)で表される末端構造を有する。下記一般式(I)で表される構造は、エーテル結合を有するため得られるポリマー分子運動性が高い。液晶ポリエステル樹脂の末端にある構造が、液晶ポリエステル樹脂分子鎖の間に介在して、ポリマーの自由体積が増加し、絡み合いが減少する。その結果、ポリマーの分子運動性が大幅に増大し、その結果薄肉流動性が向上する。かかる効果は、ポリアルキレンエーテル構造を液晶ポリエステル樹脂の主鎖に主として有する場合に比べて、極めて高い。
−O−(R1−O)n−R2 (A)

0032

上記一般式(A)中、nは2〜100の範囲を表す。nが小さいと、薄肉流動性および靭性が低下する。nは5以上が好ましく、8以上がより好ましく、16以上がさらに好ましい。一方、nが大きすぎると、耐熱性が不十分となり、薄肉流動性および靭性が低下する。nは70以下が好ましく、50以下がより好ましい。なお、液晶ポリエステル樹脂の主たる構造単位に由来する特性を維持する観点から、上記一般式(A)で表される構造を末端のみに有することが好ましい。

0033

上記一般式(A)中、R1は炭素数2〜10の2価の炭化水素基を表す。薄肉流動性の観点から、炭素数2〜6の炭化水素基がより好ましく、炭素数2〜4の炭化水素基がより好ましい。液晶ポリエステル樹脂の熱安定性および着色防止の観点から、飽和炭化水素基がさらに好ましい。R1としては、例えば、エチレン基、1,3−トリメチレン基イソプロピレン基、1,4−テトラメチレン基、1,5−ペンタメチレン基、1,6−ヘキサメチレン基などが挙げられ、n個のR1は、異なる炭素数の炭化水素基の組合せであってもよい。薄肉流動性の観点から、液晶ポリエステル樹脂のエステル結合との親和性の高いエチレン基および自由体積の大きいイソプロピレン基から構成されることがより好ましく、薄肉流動性への効果をより効果的に発現させることができる。この場合、一般式(A)で表される構造はエチレン基を10個以上、かつイソプレン基6個以下含有することが好ましい。これは所望に近い量を液晶ポリエステル樹脂の末端に導入することができ、薄肉流動性向上効果をより高めることができるからである。また、R2は炭素数1〜30の1価の炭化水素基を表す。R2の炭素数が少ないほど液晶ポリエステル樹脂のエステル結合との親和性に優れるため、炭素数1〜20の炭化水素基が好ましい。液晶ポリエステル樹脂の熱安定性および着色防止の観点から、R2は1価の飽和炭化水素基がさらに好ましい。

0034

液晶ポリエステル樹脂は、上記一般式(A)で表される末端構造を、少なくとも一部の液晶ポリエステル樹脂末端に有する。

0035

上記一般式(A)で表される末端構造を、液晶ポリエステル樹脂100重量%中0.01〜1重量%含む。液晶ポリエステル樹脂中に上記一般式(A)で表される末端構造が0.01重量%以下の場合、薄肉流動性および靭性が低下する。薄肉流動性および靭性に優れる観点から、0.03重量%以上が好ましく、0.05重量%以上がより好ましい。一方、液晶ポリエステル樹脂中に上記一般式(A)で表される末端構造が1重量%以上の場合、耐熱性が不十分となり、薄肉流動性および靭性が低下する。薄肉流動性および靭性に優れる観点から、0.7重量%以下が好ましく、0.5重量%以下が好ましい。

0036

本発明の液晶ポリエステル樹脂について、各構造単位および上記一般式(A)で表される末端構造の含有量の算出法を以下に示す。まず、液晶ポリエステル樹脂をNMR核磁気共鳴試験管量りとり、液晶ポリエステル樹脂が可溶な溶媒(例えば、ペンタフルオロフェノール/重テトラクロロエタン−d2混合溶媒)に溶解する。次に、得られた溶液について、1H−NMRスペクトル測定を行い、各構造単位由来のピーク面積比から算出することができる。

0037

本発明の液晶ポリエステル樹脂の融点(Tm)は、耐熱性の観点から220℃以上が好ましく、270℃以上がより好ましく、300℃以上がさらに好ましい。一方、加工時の液晶ポリエステル樹脂の劣化を抑制し、靭性に優れる観点から、液晶ポリエステル樹脂の融点(Tm)は、360℃以下が好ましく、355℃以下がより好ましく、350℃以下がさらに好ましい。

0038

融点(Tm)の測定は、示差走査熱量測定により行う。具体的には、まず、重合を完了したポリマーを室温から20℃/分の昇温条件で加熱することにより吸熱ピーク温度(Tm1)を観測する。吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、吸熱ピーク温度(Tm1)+20℃の温度でポリマーを5分間保持する。その後、20℃/分の降温条件で室温までポリマーを冷却する。そして、20℃/分の昇温条件でポリマーを加熱することにより吸熱ピーク温度(Tm2)を観測する。融点(Tm)とは、該吸熱ピーク温度(Tm2)を指す。

0039

本発明の液晶ポリエステル樹脂の溶融粘度は、加工性機械強度に優れる観点から1Pa・s以上が好ましく、3Pa・s以上がより好ましく、5Pa・s以上がさらに好ましい。一方、薄肉流動性に優れる観点から、液晶ポリエステル樹脂の溶融粘度は、50Pa・s以下が好ましく、20Pa・s以下が好ましく、10Pa・s以下がさらに好ましい。

0040

なお、この溶融粘度は、液晶ポリエステル樹脂の融点(Tm)+20℃の温度で、かつ、せん断速度1000/秒の条件下で、高化式フローテスターによって測定した値である。

0041

<液晶ポリエステル樹脂の製造方法>
本発明で使用する液晶ポリエステル樹脂を製造する方法は、下記の方法が挙げられる。
(a)後述の公知のポリエステルの重縮合法に準じて製造する際に、上記一般式(A)で表される末端構造を有する化合物を添加する方法。
(b)後述の公知のポリエステルの重縮合法に準じて、上記一般式(A)で表される末端構造を含まない液晶ポリエステル樹脂を製造したあと、上記一般式(A)で表される末端構造を有する化合物を配合する方法。

0042

短時間で液晶ポリエステル樹脂とエステル交換反応することにより、上記一般式(A)で表される末端構造の熱劣化を抑制しつつ、液晶ポリエステル樹脂の末端へ導入可能であり、薄肉流動性や靭性をより向上させることができる観点より、(b)上記一般式(A)で表される末端構造を含まない液晶ポリエステル樹脂を製造したあと、上記一般式(A)で表される末端構造を有する化合物を配合する方法が好ましい。なお、これらを配合する方法としては、後述の液晶ポリエステル樹脂組成物の製造方法に記載される方法が挙げられる。

0043

上記一般式(A)で表される末端構造を有する化合物としては、メトキシポリ(エチレングリコール)、メトキシポリ(トリメチレングリコール)、メトキシポリ(プロピレングリコール)、メトキシポリ(テトラメチレングリコール)、メトキシポリ(エチレングリコール)ポリ(プロピレングリコール)などが挙げられる。2種類のポリアルキレングリコールが含まれる場合、ブロック重合構造をとっていてもよいし、ランダム共重合構造をとっていてもよい。また上記した末端変性用化合物は2種以上用いてもよい。

0044

上記(B)の方法で液晶ポリエステル樹脂を製造する場合、上記一般式(A)で表される末端構造の含有量を所望の範囲とし、薄肉流動性や靭性に優れる観点から、液晶ポリエステル樹脂100重量部に対して、上記一般式(A)で表される末端構造を有する化合物を0.01重量部以上含有することが好ましい。より好ましくは0.03重量部以上、さらに好ましくは0.05重量部以上である。一方で、上記一般式(A)で表される末端構造の含有量を所望の範囲とし、薄肉流動性や靭性に優れる観点から、液晶ポリエステル樹脂100重量部に対して、上記一般式(A)で表される末端構造を有する化合物を1重量部以下含むことが好ましい。より好ましくは0.7重量部以下、さらに好ましくは0.5重量部以下である。

0045

公知のポリエステルの重縮合法としては、p−ヒドロキシ安息香酸に由来する構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルに由来する構造単位、ハイドロキノンに由来する構造単位、テレフタル酸に由来する構造単位、およびイソフタル酸に由来する構造単位からなる液晶ポリエステル樹脂を例に、以下が挙げられる。

0046

(1)p−アセトキシ安息香酸および4,4’−ジアセトキシビフェニルジアセトキシベンゼンとテレフタル酸、イソフタル酸から脱酢酸縮重合反応によって液晶ポリエステル樹脂を製造する方法。

0047

(2)p−ヒドロキシ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、テレフタル酸、およびイソフタル酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基アセチル化した後、脱酢酸重合することによって液晶ポリエステル樹脂を製造する方法。

0048

(3)p−ヒドロキシ安息香酸フェニルおよび4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンとテレフタル酸ジフェニルイソフタル酸ジフェニルから脱フェノール重縮合反応により液晶ポリエステル樹脂を製造する方法。

0049

(4)p−ヒドロキシ安息香酸およびテレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に所定量のジフェニルカーボネートを反応させて、それぞれフェニルエステルとした後、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物を加え、脱フェノール重縮合反応により液晶ポリエステル樹脂を製造する方法。

0050

なかでも(2)p−ヒドロキシ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、テレフタル酸、およびイソフタル酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアセチル化した後、脱酢酸重縮合反応によって液晶ポリエステル樹脂を製造する方法が、液晶ポリエステル樹脂の末端構造の制御および重合度の制御に工業的に優れる点から、好ましく用いられる。

0051

本発明で使用する液晶ポリエステル樹脂の製造方法として、固相重合法により重縮合反応を完了させることも可能である。固相重合法による処理としては、例えば、以下の方法が挙げられる。まず、液晶ポリエステル樹脂のポリマーまたはオリゴマー粉砕機粉砕する。粉砕したポリマーまたはオリゴマーを、窒素気流下、または、減圧下において加熱し、所望の重合度まで重縮合することで、反応を完了させる。上記加熱は、液晶ポリエステルの融点−50℃〜融点−5℃(例えば、200〜300℃)の範囲で1〜50時間行うことができる。

0052

液晶ポリエステル樹脂の重縮合反応は、無触媒でも進行するが、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート酢酸カリウムおよび酢酸ナトリウム三酸化アンチモン金属マグネシウムなどを触媒として使用することもできる。

0053

<液晶ポリエステル樹脂組成物>
本発明の液晶ポリエステル樹脂は、液晶ポリエステル樹脂の機械強度その他の特性を付与するために充填材を含有してもよい。本発明で使用される充填材は、特に限定されるものではないが、例えば、繊維状、ウィスカー状、板状、粉末状、粒状などの充填材を挙げることができる。具体的には、繊維状、ウィスカー状充填材としては、ガラス繊維、PAN系やピッチ系炭素繊維ステンレス繊維アルミニウム繊維黄銅繊維などの金属繊維芳香族ポリアミド繊維液晶ポリエステル繊維などの有機繊維石膏繊維、セラミック繊維アスベスト繊維ジルコニア繊維アルミナ繊維シリカ繊維酸化チタン繊維炭化ケイ素繊維ロックウールチタン酸カリウムウィスカーチタン酸バリウムウィスカーホウ酸アルミニウムウィスカー窒化ケイ素ウィスカー、および針状酸化チタンなどが挙げられる。板状充填材としては、マイカタルクカオリンガラスフレーククレー二硫化モリブデン、およびワラステナイトなどが挙げられる。粉状、粒状の充填材としては、シリカガラスビーズ酸化チタン酸化亜鉛ポリリン酸カルシウムおよび黒鉛などが挙げられる。本発明に使用される上記の充填材は、その表面を公知のカップリング剤(例えば、シラン系カップリング剤チタネート系カップリング剤など)、その他の表面処理剤で処理されていてもよい。また、本発明に使用される上記の充填材は、2種以上を併用してもよい。

0054

上記充填材中、特に引張強度曲げ強度などの機械的強度、耐熱性に優れる点から、ガラス繊維を使用することが好ましい。ガラス繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用いるものであれば特に限定はなく、例えば、長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストランドミルドファイバーなどを挙げることができる。また、薄肉流動性に優れる点から、マイカを使用することが好ましい。

0055

上記充填材は、その表面が公知のカップリング剤(例えば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤など)、その他の表面処理剤により処理されていてもよい。また、ガラス繊維は、エチレン酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂被覆あるいは集束されていてもよい。

0056

本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲でさらに酸化防止剤熱安定剤(例えば、ヒンダードフェノール、ハイドロキノン、ホスファイトチオエーテル類およびこれらの置換体など)、紫外線吸収剤(例えば、レゾルシノール、サリシレート)、亜リン酸塩次亜リン酸塩などの着色防止剤滑剤および離型剤モンタン酸およびその金属塩、そのエステル、そのハーフエステルステアリルアルコールステアラミドおよびポリエチレンワックスなど)、染料または顔料を含む着色剤導電剤あるいは着色剤としてカーボンブラック結晶核剤可塑剤難燃剤臭素系難燃剤燐系難燃剤赤燐シリコーン系難燃剤など)、難燃助剤、および帯電防止剤から選択される通常の添加剤を配合することができる。

0057

本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物において、充填材の含有量は、液晶ポリエステル樹脂100重量部に対し、10〜200重量部が好ましい。充填材含有量が10重量部以上であれば、成形品の機械強度を向上させることができるため好ましい。15重量部以上がより好ましく、20重量部以上がさらに好ましい。一方、充填材含有量が200重量部以下であれば、成形性、靭性および薄肉流動性に優れた液晶ポリエステル樹脂組成物が得られるため好ましい。150重量部以下がより好ましく、100重量部以下がさらに好ましい。

0058

<液晶ポリエステル樹脂組成物の製造方法>
本発明の液晶ポリエステル樹脂に、上記一般式(A)で表される末端構造を有する化合物、充填材、および他の添加剤等を配合する方法としては、例えば、上記一般式(A)で表される末端構造を含まない液晶ポリエステル樹脂に、上記一般式(A)で表される末端構造を有する化合物、充填材およびその他の固体状の添加剤等を配合するドライブレンド法や、上記一般式(A)で表される末端構造を含まない液晶ポリエステル樹脂、上記一般式(A)で表される末端構造を有する化合物および充填材にその他の液体状の添加剤等を配合する溶液配合法、上記一般式(A)で表される末端構造を有する化合物、充填材およびその他の添加剤を上記一般式(A)で表される末端構造を含まない液晶ポリエステル樹脂の重合時に添加する方法や、上記一般式(A)で表される末端構造を含まない液晶ポリエステル樹脂、上記一般式(A)で表される末端構造を有する化合物、充填材およびその他の添加剤を溶融混練する方法などを用いることができる。なかでも溶融混練する方法が好ましい。溶融混練には公知の方法を用いることができる。たとえば、バンバリーミキサーゴムロール機ニーダー単軸もしくは二軸押出機などを用い、液晶ポリエステル樹脂の融点+50℃以下で溶融混練して液晶ポリエステル樹脂組成物とすることができる。なかでも二軸押出機が好ましい。

0059

二軸押出機については、液晶ポリエステル樹脂、および充填材の分散性を向上させるため、ニーディング部を1箇所以上設けていることが好ましく、2箇所以上設けていることがより好ましい。ニーディング部を上記のように設け、液晶ポリエステル樹脂を上述の(b)の方法で製造する場合、上記一般式(A)で表される末端構造を含まない液晶ポリエステル樹脂と、上記一般式(A)で表される末端構造を有する化合物の分散性が向上し、液晶ポリエステル樹脂との適度なエステル交換反応により、薄肉流動性や靭性をより向上させることができる。ニーディング部の設置箇所は、例えば、充填材をサイドフィーダーから添加する場合、液晶ポリエステル樹脂の可塑化を促進させるために、充填材のサイドフィーダーより上流側に1箇所以上、液晶ポリエステル樹脂と充填材との分散性を向上させるため、サイドフィーダーよりも下流側に1箇所以上の計2箇所以上設置することが好ましい。

0060

また、二軸押出機中の水分や混練中に生じた分解物を除去するため、ベント部を設けていることが好ましく、2箇所以上設けていることがより好ましい。ベント部の設置箇所は、例えば、充填材をサイドフィーダーから添加する場合、液晶ポリエステル樹脂の付着水分を除去するために、充填材を投入するサイドフィーダーより上流側に1箇所以上、溶融混練時分解ガス、充填材供給時の持ち込み空気を除去するため、サイドフィーダーよりも下流側に1箇所以上の計2箇所以上設置することが好ましい。ベント部は、常圧下としてもよく、減圧下としてもよい。

0061

混練方法としては、上記一般式(A)で表される末端構造を含まない液晶ポリエステル樹脂、上記一般式(A)で表される末端構造を有する化合物、充填材およびその他の添加剤を元込めフィーダーから一括で投入して混練する方法(一括混練法)、2)上記一般式(A)で表される末端構造を含まない液晶ポリエステル樹脂、上記一般式(A)で表される末端構造を有する化合物、およびその他の添加剤を元込めフィーダーから投入して混練した後、充填材およびその他添加剤をサイドフィーダーから添加して混練する方法(サイドフィード法)、3)上記一般式(A)で表される末端構造を含まない液晶ポリエステル樹脂、上記一般式(A)で表される末端構造を有する化合物、およびその他の添加剤を高濃度に含むマスターペレットを作製し、次いで規定の濃度になるようにマスターペレットを液晶ポリエステル樹脂および充填材と混練する方法(マスターペレット法)など、どの方法を用いてもかまわない。

0062

本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は、射出成形射出圧縮成形圧縮成形押出成形ブロー成形プレス成形紡糸などの公知の溶融成形を行うことによって、優れた表面外観(色調)および機械的性質、耐熱性、難燃性を有する成形品に加工することが可能である。ここでいう成形品としては、射出成形品押出成形品プレス成形品シートパイプ未延伸フィルム一軸延伸フィルム二軸延伸フィルムなどの各種フィルム未延伸糸、超延伸糸などの各種繊維などが挙げられる。特に加工性の観点から射出成形であることが好ましい。

0063

本発明の液晶ポリエステル樹脂または液晶ポリエステル組成物を成形して得られる成形品は、例えば、各種ギヤー、各種ケースセンサーLEDランプ、コネクタ、ソケット抵抗器リレーケースリレーベース、リレー用スプール、スイッチ、コイルボビン、カメラモジュール、コンデンサーバリコンケース光ピックアップ発振子、各種端子板、変成器プラグプリント配線板チューナースピーカーマイクロフォンヘッドフォン小型モーター磁気ヘッドベースパワーモジュールハウジング半導体、集積回路封止材、液晶ディスプレー部品、FDキャリッジ、FDDシャーシ、HDD部品、モーターブラッシュホルダーパラボラアンテナコンピューター関連部品などに代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロンヘアードライヤー炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品オーディオレーザーディスク登録商標)・コンパクトディスクなどの音声機器部品;照明部品冷蔵庫部品、エアコン部品、パソコン部品などに代表される家庭、事務電気製品部品;オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具オイルレス軸受船尾軸受、水中軸受などの各種軸受、モーター部品などに代表される機械関連部品;顕微鏡双眼鏡カメラ時計などに代表される光学機器精密機械関連部品;オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクターICレギュレーター、ライトディマーポテンショメーターベース排気ガスバルブなどの各種バルブ燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケルインテークマニホールド燃料ポンプエンジン冷却水ジョイントキャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー排気ガスセンサー冷却水センサー、油温センサースロットルポジションセンサークランクシャフトポジションセンサーエアーフローメーターブレーキバット磨耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、エアコン用モーターインシュレーターパワーウインド等の車載用モーターインシュレーター、暖房温風フローコントロールバルブラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラータービンインワイパーモーター関係部品デュトリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、トランスミッションワイヤーハーネスウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁弁用コイルヒューズ用コネクタ、ホーンターミナル、電装部品絶縁板ステップモーターローターランプベゼル、ランプソケット、ランプリフレクターランプハウジングブレーキピストンソレノイドボビンエンジンオイルフィルター、点火装置ケースなどの自動車車両関連部品シャンプーリンス液体石鹸洗剤等の各種薬剤用ボトル薬液保存用タンク、ガス保存用タンク、冷却液タンクオイル液用タンク、消毒液用タンク輸血ポンプ用タンク、燃料タンクキャニスターウォッシャー液タンクオイルリザーバータンクなどの薬液・ガス保存用タンク;医療器具用途部品;醤油ソースケチャップマヨネーズドレッシング等の調味料味噌食酢等の発酵食品サラダ油等の油脂食品清酒ビール、みりんウィスキー焼酎ワイン等の酒類炭酸飲料ジューススポーツドリンク牛乳コーヒー飲料ウーロン茶紅茶ミネラルウォーター等の清涼飲料水などの食品保存容器;および一般生活器具部品としてのタンク、ボトル状成形品やまたはそれらタンクなどの中空容器などに用いることができる。薄肉流動性や靭性に優れることから、特に薄肉形状を有するコネクタ、リレー、スイッチ、コイルボビン、ランプソケット、カメラモジュール、集積回路封止材などの電気・電子部品に有用である。

0064

以下、実施例を用いて本発明を説明するが、本発明が実施例により限定されるものではない。実施例中、液晶ポリエステル樹脂の組成および特性評価は以下の方法により測定した。

0065

(1)液晶ポリエステル樹脂の組成分析および上記一般式(A)で表される末端構造の重量比
液晶ポリエステル樹脂の組成分析は、1H−核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)測定により実施した。液晶ポリエステル樹脂をNMR試料管に50mg量し、溶媒(ペンタフルオロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン−d2=65/35(重量比)混合溶媒)800μLに溶解して、UNITY INOVA500型NMR装置バリアン社製)を用いて観測周波数500MHz、温度80℃で1H−NMR測定を実施し、7〜9.5ppm付近に観測される各構造単位に由来するピーク面積比から組成を分析した。また、3.5ppm付近に観測される上記一般式(A)で表される末端構造に由来するピーク面積比から上記一般式(A)で表される末端構造の重量比を分析した。

0066

(2)液晶ポリエステル樹脂の融点(Tm)
示差走査熱量計DSC−7(パーキンエルマー製)により、液晶ポリエステル樹脂を室温から20℃/分の昇温条件で昇温度した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、Tm1+20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温までいったん冷却し、再度20℃/分の昇温条件で昇温度した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm2)を融点とした。以下の製造例においては、融点(Tm2)をTmと記載する。

0067

(3)液晶ポリエステル樹脂の溶融粘度
高化式フローテスターCFT−500D(オリフィス0.5φ×10mm)(島津製作所製)を用いて、Tm+20℃、せん断速度1000/sの条件で液晶ポリエステル樹脂の溶融粘度を測定した。

0068

(4)薄肉流動性
各実施例および比較例により得られたペレットを、熱風乾燥機を用いて150℃3時間熱風乾燥した後、ファナック製ファナックα30C射出成形機に供し、樹脂温度を液晶ポリエステルの融点+20℃、金型温度:90℃として、射出圧力を100MPa、速度を最低充填速度に設定し、図1aに示す端子間ピッチが0.4mm、製品最小肉厚部(隔壁部3)が0.2mm、外形寸法が幅3mm×高さ2mm×長さ30mmのコネクタ成形品を得た。図1aは上記コネクタ成形品の斜視図である。コネクタ成形品の片側の短尺面2に設置したピンゲートG1(ゲート径0.3mm)から液晶ポリエステル樹脂または樹脂組成物充填した。500ショット成形を行い、ゲート対面側の壁角部の充填性について未充填発生件数を評価した。該角部は充填量がばらつくことで未充填が発生しやすい部分であり、未充填発生件数が少ないほど薄肉流動性に優れる。

0069

(5)靭性
ファナックロボショットα−30C(ファナック(株)製)射出成形機で、シリンダー温度を液晶ポリエステル樹脂の融点+20℃、金型温度:90℃として、幅12.6mm×長さ63.5mm×厚み3.2mmの試験片に成形した。測定温度23℃でASTMD−256に準拠して試験片の衝撃吸収エネルギー値の測定をした。試験n数は10であり、値はその平均値である。この値が大きいほど、靭性に優れているとした。

0070

[実施例1]
撹拌翼留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸932重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル283重量部、ハイドロキノン99重量部、テレフタル酸284重量部、イソフタル酸90重量部、上記一般式(A)で表される末端構造でありn=16であるメトキシポリエチレングリコール)8重量部および無水酢酸1242重量部(フェノール性水酸基合計の1.05当量)を仕込み窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で1時間反応させた後、ジャケット温度を145℃から350℃までを4時間で昇温させた。その後、重合温度を350℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、撹拌に要するトルクが8kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶ポリエステル樹脂(A−1)を得た。
Tmは327℃、溶融粘度は9Pa・sであった。

0071

[実施例2]
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸870重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル338重量部、ハイドロキノン119重量部、テレフタル酸247重量部、イソフタル酸202重量部、上記一般式(A)で表される末端構造でありn=16であるメトキシ(ポリエチレングリコール)8重量部および無水酢酸1324重量部(フェノール性水酸基合計の1.07当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で1時間反応させた後、ジャケット温度を145℃から330℃まで4時間で昇温させた。その後、重合温度を330℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、撹拌に要するトルクが10kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶ポリエステル樹脂(A−2)を得た。
Tmは308℃、溶融粘度は9Pa・sであった。

0072

[比較例1]
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸932重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル283重量部、ハイドロキノン99重量部、テレフタル酸284重量部、イソフタル酸90重量部および無水酢酸1242重量部(フェノール性水酸基合計の1.05当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で1時間反応させた後、ジャケット温度を145℃から350℃までを4時間で昇温させた。その後、重合温度を350℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、撹拌に要するトルクが8kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶ポリエステル樹脂(A−3)を得た。
Tmは328℃、溶融粘度は9Pa・sであった。

0073

[比較例2]
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸870重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル338重量部、ハイドロキノン119重量部、テレフタル酸247重量部、イソフタル酸202重量部および無水酢酸1302重量部(フェノール性水酸基合計の1.07当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で1時間反応させた後、ジャケット温度を145℃から330℃まで4時間で昇温させた。その後、重合温度を330℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、撹拌に要するトルクが10kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶ポリエステル樹脂(A−4)を得た。
Tmは310℃、溶融粘度は9Pa・sであった。

0074

[比較例3]
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート216重量部および無水酢酸960重量部(フェノール性水酸基合計の1.10当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で1時間反応させた後、145℃から320℃まで4時間で昇温させた。その後、重合温度を320℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、撹拌に要するトルクが15kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶ポリエステル樹脂(A−5)を得た。
Tmは312℃、溶融粘度は9Pa・sであった。

0075

[比較例4]
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸808重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル503重量部、テレフタル酸374重量部、イソフタル酸75重量部、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸85重量部および無水酢酸1254重量部(フェノール性水酸基合計の1.05当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で1時間反応させた後、ジャケット温度を145℃から360℃までを4時間で昇温させた。その後、重合温度を360℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、撹拌に要するトルクが10kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶ポリエステル樹脂(A−6)を得た。
Tmは350℃、溶融粘度は9Pa・sであった。

0076

[比較例5]
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸497重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル285重量部、ハイドロキノン228重量部、テレフタル酸598重量部、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸85重量部および無水酢酸1206重量部(フェノール性水酸基合計の1.05当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で1時間反応させた後、ジャケット温度を145℃から350℃までを4時間で昇温させた。その後、重合温度を350℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、撹拌に要するトルクが10kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶ポリエステル樹脂(A−7)を得た。
Tmは333℃、溶融粘度は9Pa・sであった。

0077

[比較例6]
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸932重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル419重量部、テレフタル酸254重量部、イソフタル酸120重量部および無水酢酸1206重量部(フェノール性水酸基合計の1.05当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で1時間反応させた後、ジャケット温度を145℃から340℃までを4時間で昇温させた。その後、重合温度を340℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、撹拌に要するトルクが10kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶ポリエステル樹脂(A−8)を得た。
Tmは328℃、溶融粘度は9Pa・sであった。

0078

[比較例7]
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸31重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル524重量部、テレフタル酸467重量部、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸1016重量部および無水酢酸1206重量部(フェノール性水酸基合計の1.05当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で1時間反応させた後、ジャケット温度を145℃から360℃までを4時間で昇温させた。その後、重合温度を360℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、撹拌に要するトルクが10kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶ポリエステル樹脂(A−9)を得た。
Tmは350℃、溶融粘度は9Pa・sであった。

0079

[比較例8]
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート216重量部、上記一般式(A)で表される末端構造でありn=16であるメトキシ(ポリエチレングリコール)7重量部および無水酢酸963重量部(フェノール性水酸基合計の1.10当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で1時間反応させた後、145℃から320℃まで4時間で昇温させた。その後、重合温度を320℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、撹拌に要するトルクが15kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶ポリエステル樹脂(A−10)を得た。
Tmは311℃、溶融粘度は9Pa・sであった。

0080

実施例1、2および比較例1〜8で得られたペレットについて、上記(1)に記載の方法で測定した評価結果、および(4)〜(6)の評価を行った結果を表1に示す。

0081

0082

続いて、液晶ポリエステル樹脂(A−3)〜(A−9)に対して、さらに添加剤(a−1)〜(a’−5)を溶融混練した液晶ポリエステル樹脂を作製した。各実施例および比較例において用いた化合物を次に示す。
(a−1):一般式(A)で表される末端構造を有し、n=8であるメトキシ(ポリエチレングリコール)
(a−2):一般式(A)で表される末端構造を有し、n=16であるメトキシ(ポリエチレングリコール)
(a−3):一般式(A)で表される末端構造を有し、n=32であるメトキシ(ポリエチレングリコール)
(a’−4):一般式(A)のR2をヒドロキシル基にした以外は(a−2)と同様のメトキシ(ポリエチレングリコール)
(a’−5):両末端をメトキシ基にした以外は(a−2)と同様のメトキシ(ポリエチレングリコール)

0083

実施例3〜12、比較例9〜12
サイドフィーダーを備えた東機械TEM35B型軸押出機で、シリンダーC1(元込めフィーダー側ヒーター)〜C6(ダイ側ヒーター)の、C3部にサイドフィーダーを設置し、C5部に真空ベントを設置した。ニーディングブロックをC2部、C4部に組み込んだスクリューアレンジを用い、液晶ポリエステル樹脂(A−3)〜(A−9)、および添加剤(a−1)〜(a’−5)を表2に示す配合量で元込めフィーダーから投入し、シリンダー温度を液晶ポリエステル樹脂の融点+10℃、スクリュー回転数を200rpmに設定し、溶融混練してペレットとした。得られた液晶ポリエステル樹脂のペレットについて、熱風乾燥機を用いて150℃3時間熱風乾燥した後、上記(4)〜(6)の評価を行った。結果は表2に示す。

0084

0085

続いて、各実施例および比較例において用いた、無機充填材(b−1)〜(b−3)を次に示す。
(b−1):ヤマグチマイカ(株)製 マイカ “NJ−030”
(b−2):富士タルク工業(株)製 タルク “RL217”
(b−3):日本電気硝子(株)製EPG(70MD−01N)/P9W

0086

実施例13、14、比較例13〜20
液晶ポリエステル樹脂(A−1)〜(A−10)を表3に示す配合量で元込めフィーダーから投入し、無機充填材(b−1)〜(b−3)を表3に示す配合量でサイドフィーダーから投入した以外は、実施例3〜11および比較例9〜13と同様に溶融混練してペレットとし、上記(4)〜(6)の評価を行った。結果は表3に示す。

0087

0088

実施例15〜25、比較例21〜24
無機充填材(b−1)〜(b−3)を表4に示す配合量でサイドフィーダーから投入した以外は、実施例3〜11および比較例9〜13と同様に溶融混練してペレットとし、上記(4)〜(6)の評価を行った。結果は表4に示す。

0089

実施例

0090

表1〜4の結果から、本発明の液晶ポリエステル樹脂および液晶ポリエステル樹脂組成物は、薄肉流動性および靭性に優れていることが分かる。そのため、薄肉形状を有するコネクタ、リレー、スイッチ、コイルボビン、ランプソケット、カメラモジュール、集積回路封止材などの電気・電子部品や機械部品用途への使用に適しているといえる。

0091

本発明の液晶ポリエステル樹脂および液晶ポリエステル樹脂組成物は、薄肉流動性および靭性に優れるため、薄肉形状を有するコネクタ、リレー、スイッチ、コイルボビン、ランプソケット、カメラモジュール、集積回路封止材などの電気・電子部品や機械部品用途に好適である。

0092

長尺
2短尺面
G1 ピンゲート

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