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技術 超音波探触子および超音波診断装置

出願人 コニカミノルタ株式会社
発明者 北垣育大
出願日 2018年4月9日 (2年8ヶ月経過) 出願番号 2018-074885
公開日 2019年10月24日 (1年2ヶ月経過) 公開番号 2019-180786
状態 未査定
技術分野 超音波診断装置 超音波変換器
主要キーワード シリンドリカル型 送信感度 液晶性エポキシ樹脂 環状脂肪族ポリアミン 快削性 音速差 多層グラフェン ABS樹脂
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年10月24日)のものです。
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図面 (5)

課題

放熱性および超音波減衰性を共に高めることができる、超音波探触子および超音波診断装置を提供すること。

解決手段

超音波の送受信をするための圧電素子と、前記圧電素子の背面側に配置された信号電極と、前記信号電極の背面側に配置されたバッキングと、を有する超音波探触子であって、前記バッキングは、8K/W以下の熱抵抗を有し、前記バッキングは、前記超音波探触子の送受信感度がその最大値から20dB低下する周波数のうち、最も低い周波数の超音波を、10dB以上減衰させる。

概要

背景

超音波診断装置は、当該超音波診断装置に接続され、または超音波診断装置と通信可能に構成された超音波探触子を、ヒトやその他の動物などを含む被検体体表に当てるかまたは体内へ挿入するという簡単な操作で、組織の形状および動きなどを超音波診断画像として得ることを可能とする。超音波診断装置は、安全性が高いため繰り返して検査を行うことができるという利点を有する。

超音波探触子は、超音波を送受信する圧電素子などを内蔵する。圧電素子は、超音波診断装置からの電気信号送信信号)を受信し、受信した送信信号を超音波信号に変換して送波し、生体内反射された超音波を受信して電気信号(受信信号)に変換し、電気信号に変換された受信信号を超音波診断装置に送信する。

また、超音波探触子は、圧電素子よりも被検体とは反対の方向に、バッキングを有する(なお、以下、超音波探触子を構成する部材に関して、より被検体に近くなる方向を向いた面を「前面」ともいい、より被検体から遠くなる方向を向いた面を「背面」ともいう。)。バッキングは、圧電素子から背面側に送波された超音波を減衰(吸収・散乱を含む)して、上記背面側に送波された超音波がバッキング端面から反射することによるノイズアーチファクト)の発生などを抑制する。また、バッキングは、圧電素子から背面側へ熱を放出して、圧電素子で発生した熱による、被検体と接する音響レンズ過熱などを抑制する。

ここで、「減衰」の大きさは、バッキングの形状(厚さ)と減衰率とで決まる。バッキングの減衰が大きい(バッキングの厚さが大きい)ほど、圧電体の背面側からの超音波の反射を少なくすることができる。

バッキングの放熱性を高めるための工夫が知られている。特許文献1に記載の超音波探触子は、振動子ユニットバッキング部材中に、複数枚熱伝導体薄板を一定の間隔を置いて配置するか、またはバッキング部材中に、複数本の熱伝導体の線状部材を一定の間隔を置いて配置している。

特許文献2に記載の超音波探触子は、超音波を送波する超音波振動子と、超音波振動子における被検体側とは反対側の面に設けられ、超音波振動子から送波される超音波を反射する反射層と、反射層における超音波振動子側とは反対側に設けられ、熱伝導率が100W/(m・K)以上である材料から構成されるバッキング層と、を有する。

概要

放熱性および超音波の減衰性を共に高めることができる、超音波探触子および超音波診断装置を提供すること。超音波の送受信をするための圧電素子と、前記圧電素子の背面側に配置された信号電極と、前記信号電極の背面側に配置されたバッキングと、を有する超音波探触子であって、前記バッキングは、8K/W以下の熱抵抗を有し、前記バッキングは、前記超音波探触子の送受信感度がその最大値から20dB低下する周波数のうち、最も低い周波数の超音波を、10dB以上減衰させる。

目的

本発明の目的は、放熱性および超音波の減衰性を共に高めることができる超音波探触子および超音波診断装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

音波送受信をするための圧電素子と、前記圧電素子の背面側に配置された信号電極と、前記信号電極の背面側に配置されたバッキングと、を有する超音波探触子であって、前記バッキングは、8K/W以下の熱抵抗を有し、前記バッキングは、前記超音波探触子の送受信感度がその最大値から20dB低下する周波数のうち、最も低い周波数の超音波を、10dB以上減衰させる、超音波探触子。

請求項2

前記バッキングは、母材熱伝導性フィラーとを含有する、請求項1に記載の超音波探触子。

請求項3

前記バッキングは、さらに中空粒子を含有する、請求項1または請求項2に記載の超音波探触子。

請求項4

請求項1〜3のいずれか一項に記載の超音波探触子を有する超音波診断装置

技術分野

0001

本発明は、超音波探触子および超音波診断装置に関する。

背景技術

0002

超音波診断装置は、当該超音波診断装置に接続され、または超音波診断装置と通信可能に構成された超音波探触子を、ヒトやその他の動物などを含む被検体体表に当てるかまたは体内へ挿入するという簡単な操作で、組織の形状および動きなどを超音波診断画像として得ることを可能とする。超音波診断装置は、安全性が高いため繰り返して検査を行うことができるという利点を有する。

0003

超音波探触子は、超音波を送受信する圧電素子などを内蔵する。圧電素子は、超音波診断装置からの電気信号送信信号)を受信し、受信した送信信号を超音波信号に変換して送波し、生体内反射された超音波を受信して電気信号(受信信号)に変換し、電気信号に変換された受信信号を超音波診断装置に送信する。

0004

また、超音波探触子は、圧電素子よりも被検体とは反対の方向に、バッキングを有する(なお、以下、超音波探触子を構成する部材に関して、より被検体に近くなる方向を向いた面を「前面」ともいい、より被検体から遠くなる方向を向いた面を「背面」ともいう。)。バッキングは、圧電素子から背面側に送波された超音波を減衰(吸収・散乱を含む)して、上記背面側に送波された超音波がバッキング端面から反射することによるノイズアーチファクト)の発生などを抑制する。また、バッキングは、圧電素子から背面側へ熱を放出して、圧電素子で発生した熱による、被検体と接する音響レンズ過熱などを抑制する。

0005

ここで、「減衰」の大きさは、バッキングの形状(厚さ)と減衰率とで決まる。バッキングの減衰が大きい(バッキングの厚さが大きい)ほど、圧電体の背面側からの超音波の反射を少なくすることができる。

0006

バッキングの放熱性を高めるための工夫が知られている。特許文献1に記載の超音波探触子は、振動子ユニットバッキング部材中に、複数枚熱伝導体薄板を一定の間隔を置いて配置するか、またはバッキング部材中に、複数本の熱伝導体の線状部材を一定の間隔を置いて配置している。

0007

特許文献2に記載の超音波探触子は、超音波を送波する超音波振動子と、超音波振動子における被検体側とは反対側の面に設けられ、超音波振動子から送波される超音波を反射する反射層と、反射層における超音波振動子側とは反対側に設けられ、熱伝導率が100W/(m・K)以上である材料から構成されるバッキング層と、を有する。

先行技術

0008

特開2005−347804号公報
特開2017−99504号公報

発明が解決しようとする課題

0009

超音波探触子には、放熱性を高めることと、超音波の減衰性を高めて背面側に送波された超音波の反射を抑制することと、の双方が求められる。

0010

特許文献1に記載の超音波探触子は、熱伝導体薄板をバッキング材で挟んだものをバッキング部として超音波探触子に組み込んでいるため、バッキング材で挟まれている熱伝導体の薄板が内部で音を反射してしまい、超音波を十分に減衰させることができない。また、特許文献2に記載の超音波探触子は、グラファイトなどを含有するバッキングを有しているため、超音波を十分に減衰させることができない。そのため、バッキングからの反射の影響による画質劣化を抑制するために、超音波振動子とバッキング層との間に反射層を配置しなければならない。

0011

本発明の目的は、放熱性および超音波の減衰性を共に高めることができる超音波探触子および超音波診断装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0012

本発明に係る超音波探触子は、超音波の送受信をするための圧電素子と、前記圧電素子の背面側に配置された信号電極と、前記信号電極の背面側に配置されたバッキングと、を有する超音波探触子であって、前記バッキングは、8K/W以下の熱抵抗を有し、前記バッキングは、前記超音波探触子の送受信感度がその最大値から20dB低下する周波数のうち、最も低い周波数の超音波を、10dB以上減衰させる。

0013

本発明に係る超音波診断装置は、上記超音波探触子を有する。

発明の効果

0014

本発明によれば、放熱性および超音波の減衰性を共に高めることができる超音波探触子および超音波診断装置を提供できる。

図面の簡単な説明

0015

図1は、本発明の実施形態に係る超音波探触子の全体構造の一例を示す断面図である。
図2は、バッキングの厚さの違いによる熱抵抗とレンズ表面の上昇温度との関係を示すグラフである。
図3は、一般的な低周波プローブの周波数の特性を示すグラフである。
図4は、本発明の実施形態に係る超音波探触子を備える超音波診断装置の一例を示す模式図である。

実施例

0016

以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。

0017

(超音波探触子)
図1は、本発明の第1の実施形態に関する超音波探触子100の全体構造の一例を示す断面図である。

0018

図1に示されるように、超音波探触子100の構造は、音響レンズ160と、音響レンズ160の背面側に配置された音響マッチング層150と、音響マッチング層150の背面側に配置された超音波の送受信をするための圧電素子110と、圧電素子110の前面側に配置された接地電極120および圧電素子110の背面側に配置された信号電極130と、信号用電気端子140と、信号電極130の背面側に配置されたバッキング170と、から構成される。

0019

圧電素子110は、電圧印加により超音波を送波する複数個の圧電体(不図示)が図1中X方向に1次元に配列されて形成される。圧電素子110の厚さは、例えば0.05mm以上0.4mm以下とすることができる。それぞれの圧電体は、チタン酸ジルコン酸鉛PZT)系などの圧電セラミックマグネシウムニオブ酸鉛チタン酸鉛固溶体(PMN−PT)および亜鉛酸ニオブ酸鉛・チタン酸鉛固溶体(PZN−PT)などの圧電単結晶、ならびにこれらの材料と高分子材料複合した複合圧電体、などにより形成される。

0020

接地電極120は、圧電素子110の前面に配置した電極であり、信号電極130は、圧電素子110の背面に配置した電極である。接地電極120および信号電極130は、金および銀などの、蒸着スパッタリングおよび銀の焼き付けなどの方法で形成したり、銅などの導体絶縁性基板に貼り付けてパターニングしたりして、形成することができる。信号用電気端子140は、信号電極130の背面側に接して配置され、信号電極130と超音波診断装置10の本体部11に配置された外部の電源などとを接続する。本実施形態では、信号電極130は、銅などの導体を絶縁性の基板に貼り付けてパターニングして形成した、フレキシブルプリント基板FPC)である。

0021

音響マッチング層150は、圧電素子110と音響レンズ160との間の音響特性整合させるための層であり、圧電素子110と音響レンズ160との概ね中間の音響インピーダンスを有する材料により構成される。本実施形態では、音響マッチング層150は、第1の音響マッチング層150a、第2の音響マッチング層150bおよび第3の音響マッチング層150cの3層からなる。

0022

本実施形態において、第1の音響マッチング層150aは、音響インピーダンスが8MRayls以上20MRayls以下である、シリコン水晶快削性セラミックス金属粉充填したグラファイト、および金属または酸化物などのフィラーを充填したエポキシ樹脂などの材料から形成される。第2の音響マッチング層150bは、音響インピーダンスが3MRayls以上8MRayls以下である、グラファイト、および金属または酸化物などのフィラーを充填したエポキシ樹脂から形成される。第3の音響マッチング層150cは、音響インピーダンスが1.9MRayls以上2.3MRayls以下である、ゴム材料を混合したプラスチック材、およびシリコーンゴム粉を充填した樹脂などから形成される。このように音響マッチング層150を多層化することで、超音波探触子100の広帯域化を図れる。なお、音響マッチング層150を多層化するときは、音響レンズ160に近づくにつれて音響レンズ160の音響インピーダンスに段階的または連続的に近づくように、各層の音響インピーダンスが設定されることがより好ましい。また、多層化された音響マッチング層150の各層は、エポキシ系接着剤などの、当該技術分野で通常使用される接着剤接着されてもよい。

0023

なお、音響マッチング層150の材料は上記材料に限定されず、アルミニウムアルミニウム合金マグネシウム合金、マコールガラス、ガラス、溶融石英、コッパーグラファイトおよび樹脂などを含む公知の材料を使用することが可能である。樹脂の例には、ポリエチレンポリプロピレンポリカーボネートABS樹脂AAS樹脂AES樹脂、ナイロンポリフェニレンオキシドポリフェニレンスルフィドポリフェニレンエーテルポリエーテルエーテルケトンポリアミドイミドポリエチレンテレフタレート、エポキシ樹脂およびウレタン樹脂が含まれる。

0024

音響レンズ160は、生体に近い音響インピーダンスを有し、かつ生体とは異なる音速を有する、例えば、軟質の高分子材料などにより構成されており、生体と音響レンズ160との音速差による屈折を利用して圧電素子110から送波された超音波を集束して、分解能を向上させる。本実施形態では、音響レンズ160は、図中Y方向(圧電体の配列方向Xに直交する方向)に沿って延び、Z方向に凸状となる、シリンドリカル型の音響レンズ160である。音響レンズ160は、上記超音波をY方向に集束させて超音波探触子100の外部に出射する。

0025

軟質の高分子材料の例には、シリコーンゴムが含まれる。

0026

バッキング170は、圧電素子110を保持し、かつ、圧電素子110から背面側に送波された超音波を減衰させる層である。バッキング170は、通常、音響インピーダンスを調整するための材料を充填した合成ゴム天然ゴム、エポキシ樹脂および熱可塑性樹脂などから形成される。バッキング170の形状は、送波された超音波を減衰することができれば、特に限定されない。

0027

バッキング170上には、FPCである信号電極130が配置され、さらに信号電極130(FPC)を挟んで、バッキング170に対向するように、圧電素子110が配置されている。ここで、バッキング170が圧電素子110に接する面の面積は、圧電素子110よりも大きいことが好ましい。

0028

バッキング170には、圧電素子110からの発熱を背面側に放熱することと、圧電素子110から背面側に送波された超音波を減衰させることと、の両立が求められる。ここで、放熱量をより多くするためには、バッキング170の熱抵抗を下げる必要があり、そのためには、バッキング170をより薄く形成する必要がある。一方で、超音波の減衰量をより高めるためには、バッキング170をより厚く形成する必要がある。このように、バッキング170からの放熱量をより多くすることと、バッキング170における超音波の減衰量を高めることとは、両立させることが困難であった。

0029

(バッキングの厚みと音響レンズの表面温度との関係について)
図2は、バッキング170の厚さの違いによる熱抵抗と音響レンズ160の表面の温度上昇との関係を示すグラフである。ここで、図2縦軸は、音響レンズ160の表面の温度上昇(K)を示し、横軸はバッキング170の熱抵抗(K/W)を示す。

0030

ここで、「熱抵抗」とは、バッキング170の形状(厚さと接触面積)と、熱伝導率とで決まる量のことである。すなわち、バッキング170の熱抵抗が小さい(バッキング170の厚さが小さい)ほど、超音波の送信に用いる電圧を上げることができる。

0031

図2では、バッキング170の厚さを1、2、4、6、8、12mmとし、バッキング170の各厚さにおける熱抵抗を1、4、8、12、16、20、24、28、32K/Wとして、それぞれの厚さおよび熱抵抗における音響レンズ160の表面の温度上昇量(温度上昇量が低いほど、バッキング170の放熱量は高い)を調べている。そのなかで、図2の横軸は5〜30K/Wの熱抵抗を示している。いずれのバッキング170の厚さにおいても、バッキングの熱抵抗を下げることにより、音響レンズ160の表面の温度上昇は抑制される。特に、バッキング170の熱抵抗が8K/W以下になると、バッキング170の厚さに係わらず、音響レンズ160の表面の温度は、ほぼ同一の温度上昇を示すことがわかる。この結果から、熱抵抗が8K/W以下であるバッキング170を使用することで、バッキング170の厚さをより大きくしても、放熱量が下がらないことがわかる。

0032

セクタプローブの周波数の特性)
図3は、低周波プローブであるセクタプローブの周波数の特性を示すグラフである。ここで、図3の縦軸は、送受信感度の最大値を基準としたときの感度(dB)を示し、横軸は周波数(MHz)を示す。

0033

図3では、縦軸は、送受信感度の最大値を基準としたときの感度(dB)を示し、最大値を0とし、最低値を−60としている。また、横軸は周波数(MHz)を示し、最小値を0とし、最大値を10としている。超音波診断においては、画質のよい超音波画像を得るために、上記感度が−20以上となる周波数を用いて超音波画像を生成することが望ましい。ここで、セクタプローブは、主に循環器および腹部の検査で使用される。特に、血流の様子を観察するためのモード(例えば、カラードプラ法、パルスドプラ法など)においては、低周波における超音波探触子の送受信感度が重要となる。そのため、上記したように低周波数領域(1.5〜4.2MHz)の超音波の送受信感度を最大値から20dB低下する範囲内で向上させることが望ましい。

0034

そのため、本実施形態では、低周波数の超音波による超音波画像の画質を高めるため、バッキング170は、上記感度が−20以上となる周波数のうち、最も低い周波数の超音波に対する減衰量がより多いことが望ましい。具体的には、本実施形態では、バッキング170は、上記最も低い周波数の超音波を、10dB以上減衰させる。

0035

(バッキング)
本実施形態では、バッキング170の熱伝導率を適切に高めることで、バッキング170の熱抵抗が8K/W以下になるようにし、同時に、バッキング170の厚みが上記最も低い周波数の超音波を10dB以上減衰させるような厚みとなるようにする。たとえば、バッキング170は、熱伝導率を高めるため、母材熱伝導性フィラーとを含有することが好ましい。さらに、バッキング170の音響インピーダンスを調整し、超音波探触子100の送信感度を向上させるために中空粒子を含有することが好ましい。

0036

母材の例には、天然ゴム、フェライトゴム、エポキシ樹脂、熱可塑性樹脂が含まれる。本実施形態では、エポキシ樹脂であることが好ましい。エポキシ樹脂の例には、ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールFタイプ、レゾールノボラックタイプフェノール変性ノボラックタイプなどのノボラック型エポキシ樹脂ナフタレン構造含有タイプ、アントラセン構造含有タイプおよびフルオレン構造含有タイプなどの多環芳香族型エポキシ樹脂;水添脂環型エポキシ樹脂および液晶性エポキシ樹脂が含まれる。エポキシ樹脂は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。バッキング170の形状は、圧電素子110の形状または超音波探触子100の形状に応じて、適宜設計されうる。

0037

また、母材には反応性希釈剤を添加してもよい。反応性希釈剤の例には、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルフェニルグリシジルエーテルオルソクレジルグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルが含まれる。反応性希釈剤は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。

0038

母材にエポキシ樹脂を使用する場合、さらに硬化剤を添加する必要がある。硬化剤の例には、ジエチレントリアミントリエチレンテトラミン、ジプロピレンジアミンジエチルアミノプロピルアミンなどの鎖状脂肪族ポリアミンN−アミノエチルピペラジン、メンセンジアミンイソフォロンジアミンなどの環状脂肪族ポリアミンm−キシレンジアミンメタフェニレンジアミンジアミノジフェニルメタンジアミノジフェニルスルフォンなどの芳香族アミンポリアミド樹脂ピペリジン、N,N−ジメチルピペラジントリエチレンジアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの2級アミンおよび3級アミン;2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテートなどのイミダゾール類液状ポリメルカプタンおよびポリスルフィド無水フタル酸無水トリメリット酸メチルテトラヒドロ無水フタル酸メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸などの酸無水物が含まれる。硬化剤は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。

0039

母材に添加する熱伝導性フィラーの例には、グラファイト、カーボンナノチューブ炭化ケイ素窒化アルミニウム窒化ホウ素、銅および多層グラフェン(熱伝導率600〜800W/m/K)が含まれる。本実施形態では、多層グラフェンであることが好ましい。熱伝導性フィラーは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。熱伝導性フィラーを添加することにより、バッキング170の熱伝導率を調整することができる。

0040

母材に添加する中空粒子の例には、Expancel 551DE40d42が含まれる。中空粒子は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。中空粒子を添加することにより、バッキング170の音響インピーダンスを調整して、超音波探触子100の送信感度を向上させることができる。

0041

特に、本実施形態では、熱伝導性フィラーと中空粒子との双方を添加することにより、バッキング170の熱伝導性および音響インピーダンスを調整し、さらに、超音波探触子100の送信感度を向上させることができる。

0042

以下の実験例に示すように、材料を適切に選択することにより、8K/W以下の熱抵抗を有し、超音波探触子の送受信感度がその最大値から20dB低下する周波数のうち、最も低い周波数の超音波を、10dB以上減衰させるバッキング170を製造することができる。

0043

[実験1]
(バッキングの作製)
主剤A(エポキシ樹脂)「Albidur EP2240:NANORESIN社製、「Albidur」は同社登録商標である」80質量部と、硬化剤D(エポキシ樹脂硬化剤)「jERキュアST−12:三菱ケミカル株式会社製、「jERキュア」は同社の登録商標である)24質量部とを混合し、次いで、熱伝導性フィラーF(炭化珪素粉末)「SSC−A15(平均粒子径19μm):信濃電気製錬株式会社製」150質量部と、フィラー複合粒子X(平均粒径215μm)125質量部とを加え、さらに混合して混合物1を得た。フィラー複合粒子Xは、液状シリコーンゴム(主剤)「TSE3032(A):モメンティブ・パフォーマンスマテリアルズ社製」、液状シリコーンゴム(硬化剤)「TSE3032(B):モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製」、酸化タングステン「C3−WO3:株式会社アライドマテリアル製」、球状炭化ケイ素「SSC−A30:信濃電気製錬株式会社製」を91:9:250:220(質量比)で混合したものである。

0044

混合物1を100mm×100mm×30mmの金型に入れ、真空電熱プレス機「OHV−H」(王子機械株式会社製)により、9.9MPa(100kg/cm2)の圧力で加圧した状態で、室温において4時間静置し、60℃において3時間加熱し、バッキングブロック密度2.1g/cm3、音響インピーダンス2.5MRayls、減衰量7.0dB/MHz)を作製した。このバッキングブロックをワイヤーソー「CS−203」(ムサシノ電子株式会社製)により切断し、さらに精密研磨装置「MA−200」(ムサシノ電子株式会社製)で厚み1.3mmに研磨した。これにより、熱抵抗が2.1K/Wであるバッキングブロック1を得た。

0045

[実験2]
バッキングブロックの厚みを4.9mmにして、密度が2.1g/cm3、音響インピーダンスが2.5MRayls、減衰量が26.5dB/MHz、熱抵抗が8.0K/Wになるようにした以外は、実験1と同様にして、バッキングブロック2を得た。

0046

[実験3]
実験1の主剤A(80質量部)を主剤B「jER828:三菱ケミカル株式会社製、「jER」は同社の登録商標である」68質量部に変更し、硬化剤D(24質量部)を硬化剤E「jERキュア113:三菱ケミカル株式会社製」25質量部に変更した。また、熱伝導性フィラーF(150質量部)を熱伝導性フィラーG「iGurafen−αS:株式会社アイテック製、「iGurafen」は同社の登録商標である」10質量部に、フィラー複合粒子X(125質量部)をフィラー複合粒子Y(平均粒径198μm)205質量部に変更した。また、中空粒子Z「Expancel 551DE40d42:AkzoNovel社製、「Expancel」は同社の登録商標である」0.4質量部を加えた。バッキングブロックの厚みを1.7mmにして、密度が1.8g/cm3、音響インピーダンスが2.3MRayls、減衰量が7.0dB/MHz、熱抵抗が0.6K/Wになるようにした以外は、実験1と同様にして、バッキングブロック3を得た。フィラー複合粒子Yは、液状シリコーンゴム(主剤)「TSE3032(A)(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)」、液状シリコーンゴム(硬化剤)「TSE3032(B)(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)」、酸化タングステン「C3−WO3(株式会社アライドマテリアル製)」、グラフェン「iGurafen−αS(株式会社アイテック製)」を91:9:420:53(質量比)で混合したものである。

0047

[実験4]
バッキングブロックの厚みを22.1mmにして、密度が1.8g/cm3、音響インピーダンスが2.3MRayls、減衰量が90.6dB/MHz、熱抵抗が8.0K/Wになるようにした以外は、実験3と同様にして、バッキングブロック4を得た。

0048

[実験5]
フィラー複合粒子X(125質量部)をフィラー複合粒子W(平均粒径116μm)380質量部に変更した。バッキングブロックの厚みを0.5mmにして、密度が2.6g/cm3、音響インピーダンスが2.7MRayls、減衰量が3.8dB/MHz、熱抵抗が8.0K/Wになるようにした以外は、実験1と同様にして、バッキングブロック5を得た。フィラー複合粒子Wは、液状シリコーンゴム(主剤)「TSE3032(A):モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製」、液状シリコーンゴム(硬化剤)「TSE3032(B):モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製」、酸化タングステン「C3−WO3:株式会社アライドマテリアル製」を91:9:730(質量比)で混合したものである。

0049

バッキングブロック1〜5の構成要素と、組成比とを表1に示す。

0050

0051

バッキングブロック1〜5の物性値を表2に示す。

0052

実験1〜4に示されるように、熱伝導性フィラーを母材に含有することにより、実験5(熱伝導性フィラーなし)と比較して、良好な減衰量を得られることがわかる。特に、熱抵抗を8K/Wにした実験2と実験5のバッキングブロックを比較すると、実験2では母材に熱伝導性フィラーを含有することによりバッキングブロックが厚くても良好な減衰量が得られることがわかる。さらに、熱抵抗を8K/Wにした実験4と実験5のバッキングブロックを比較すると、実験4では母材に熱伝導性フィラーおよび中空粒子を含有することにより、音響インピーダンスを調整することができ、かつ、バッキングブロックが厚くても、熱抵抗が8K/W以下の良好な放熱特性が得られることがわかる。したがって、圧電板の背面側に反射層を設けない構造であっても、診断画像の劣化を引き起こすことなく十分な放熱性を有するバッキングを得ることができる。また、バッキングの厚さを厚くしても放熱量が下がらないことから、減衰量の調整をバッキング170の厚さを調整することで行うことができる。

0053

以上により、本発明の超音波探触子は、熱抵抗を8K/W以下にした場合であっても減衰を10dB以上にすることができる。

0054

バッキング170は、バッキング170の背面側またはその周囲に熱伝導材を有してもよい。熱伝導材の例には、アルミニウム、銅、マグネシウムなどの金属、グラファイト、多層グラフェンが含まれる。

0055

さらに、バッキング170は、その背面側に熱伝導性のポッティング材を有してもよい。ポッティング材の例には、液状シリコーンゴム、エポキシ樹脂、およびこれらの材料に酸化アルミニウムなどの熱伝導性フィラーを混合したものが含まれる。

0056

超音波探触子100は、圧電素子110などを生体との接触による圧力から保護するための保護部材であるウインドウ(不図示)を、超音波探触子100の被検体と接触する側を被覆する位置に有してもよい。また、超音波探触子100は、ウインドウと音響レンズ160などとの間に、ウインドウと圧電素子110の送受波面との間を音響的に整合させるための音響媒体液(不図示)を有してもよい。

0057

また、超音波探触子100は、圧電素子110を揺動させ超音波信号を走査するための揺動機構部(不図示)を、バッキング170の背面側に有してもよい。さらに、圧電素子110の背面側に音響反射層(不図示)を有してもよい。

0058

超音波探触子100は、熱伝導体と超音波探触子100の筐体(不図示)は熱伝導材で接続されてもよい。熱伝導体の例には、アルミニウム、銅、マグネシウムなどの金属、グラファイト、多層グラフェンが含まれる。また、熱伝導材の例にはアルミニウム、銅、マグネシウムなどの金属、グラファイト、多層グラフェンが含まれる。さらに、超音波探触子100の筐体は、筐体に沿う方向に熱伝導体を有してもよい。このとき、筐体と熱伝導体は接触していてもよいし、離間していてもよい。

0059

(超音波診断装置)
図4は、超音波探触子100を備える超音波診断装置10の一例を示す模式図である。超音波診断装置10は、超音波探触子100、本体部11、コネクタ部12およびディスプレイ13を備える。

0060

超音波探触子100は、コネクタ部12に接続されたケーブル14を介して超音波診断装置10と接続される。

0061

超音波診断装置10からの電気信号(送信信号)は、ケーブル14を通じて超音波探触子100の圧電素子110に送信される。この送信信号は、圧電素子110において超音波に変換され、生体内に送波される。送波された超音波は生体内の組織などで反射され、当該反射波の一部がまた圧電素子110に受波され電気信号(受信信号)に変換され、超音波診断装置10の本体部11に送信される。受信信号は、超音波診断装置10の本体部11において画像データに変換されディスプレイ13に表示される。

0062

本発明の超音波診断装置は、本発明の超音波探触子を有することから画質のよい超音波画像を生成することができる。

0063

本発明によれば、低周波領域において、感度に優れて画質のよい超音波画像を得ることを目的とする超音波装置の超音波探触子として有用である。

0064

10超音波診断装置
11 本体部
12コネクタ部
13ディスプレイ
14ケーブル
100 超音波探触子
110圧電素子
120接地電極
130信号電極
140信号用電気端子
150 音響マッチング層
150a 第1の音響マッチング層
150b 第2の音響マッチング層
150c 第3の音響マッチング層
160音響レンズ
170 バッキング

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