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技術 穀物類の収量を増加させる方法、穀物類の栽培用植物体を栽培する方法、穀物類の収量増加用組成物及び微生物

出願人 白鶴酒造株式会社国立大学法人京都大学
発明者 太田淳山内隆寛明石貴裕阪井康能由里本博也
出願日 2018年4月17日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-078786
公開日 2019年10月24日 (9ヶ月経過) 公開番号 2019-180361
状態 未査定
技術分野 植物の栽培 微生物、その培養処理
主要キーワード 対照試験区 山田錦 窒素固定細菌 増収効果 栽培場所 米選機 メタノール資化性細菌 共生関係
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

簡易、かつ安全に穀物類の収量を増加させることができる穀物類の収量を増加させる方法及び穀物類の栽培用植物体栽培する方法、並びに穀物類の収量増加用組成物及び新規微生物を提供すること。

解決手段

メタノール資化性細菌細胞壁含有物を穀物類の栽培用植物体に接種することを含む、穀物類の収量を増加させる方法及び穀物類の栽培用植物体を栽培する方法、メタノール資化性細菌の細胞壁含有物を含む穀物類の収量増加用組成物並びに受託番号NITEP−02628のメチロバクテリウムエスピー(Methylobacterium sp.)Rst株である微生物である。

概要

背景

イネ科植物等の穀物類の収量を増加させることは、非常に重要であり、従来、多量の肥料を使用したり、肥料を栄養価の高いものにしたり、植物成長調節剤が使われたり、遺伝子導入などによる品種改良が行われたりしてきた。
しかしながら、これらの技術では、合成品を用いることによる土壌に対する影響の問題や、組換え植物は一般に受け入れ難いという問題などがあり、新たな技術が求められている。

これまでに、イネの生育促進と種子増量効果を得るために、窒素固定細菌をイネに感染させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、前記提案では、生きた菌を使用しなければならないため、製剤化や品質管理が難しく、また、使用した際の環境安全面でのリスクもあるという問題がある。

したがって、簡易、かつ安全に穀物類の収量を増加させることができる新たな技術の速やかな提供が強く求められている。

概要

簡易、かつ安全に穀物類の収量を増加させることができる穀物類の収量を増加させる方法及び穀物類の栽培用植物体栽培する方法、並びに穀物類の収量増加用組成物及び新規微生物を提供すること。メタノール資化性細菌細胞壁含有物を穀物類の栽培用植物体に接種することを含む、穀物類の収量を増加させる方法及び穀物類の栽培用植物体を栽培する方法、メタノール資化性細菌の細胞壁含有物を含む穀物類の収量増加用組成物並びに受託番号NITEP−02628のメチロバクテリウムエスピー(Methylobacterium sp.)Rst株である微生物である。なし

目的

本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

メタノール資化性細菌細胞壁含有物穀物類栽培用植物体接種することを含むことを特徴とする穀物類の収量を増加させる方法。

請求項2

メタノール資化性細菌の細胞壁含有物を穀物類の栽培用植物体に接種することを含むことを特徴とする穀物類の栽培用植物体を栽培する方法。

請求項3

前記接種が、出穂前30日から出穂後30日の間に行われる請求項1から2のいずれかに記載の方法。

請求項4

前記メタノール資化性細菌が、受託番号NITEP−02628のメチロバクテリウムエスピー(Methylobacteriumsp.)Rst株である請求項1から3のいずれかに記載の方法。

請求項5

前記メタノール資化性細菌の細胞壁含有物が、死菌体及び菌体細胞壁の少なくともいずれかを含む請求項1から4のいずれかに記載の方法。

請求項6

前記穀物類が米である請求項1から5のいずれかに記載の方法。

請求項7

前記米が酒米である請求項6に記載の方法。

請求項8

メタノール資化性細菌の細胞壁含有物を含むことを特徴とする穀物類の収量増加用組成物

請求項9

前記メタノール資化性細菌が、受託番号NITEP−02628のメチロバクテリウムエスピー(Methylobacteriumsp.)Rst株である請求項8に記載の組成物。

請求項10

前記メタノール資化性細菌の細胞壁含有物が、死菌体及び菌体細胞壁の少なくともいずれかを含む請求項8から9のいずれかに記載の組成物。

請求項11

受託番号NITEP−02628のメチロバクテリウムエスピー(Methylobacteriumsp.)Rst株であることを特徴とする微生物

技術分野

0001

本発明は、穀物類の収量を増加させる方法、穀物類の栽培用植物体栽培する方法、穀物類の収量増加用組成物及び微生物に関する。

背景技術

0002

イネ科植物等の穀物類の収量を増加させることは、非常に重要であり、従来、多量の肥料を使用したり、肥料を栄養価の高いものにしたり、植物成長調節剤が使われたり、遺伝子導入などによる品種改良が行われたりしてきた。
しかしながら、これらの技術では、合成品を用いることによる土壌に対する影響の問題や、組換え植物は一般に受け入れ難いという問題などがあり、新たな技術が求められている。

0003

これまでに、イネの生育促進と種子増量効果を得るために、窒素固定細菌をイネに感染させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、前記提案では、生きた菌を使用しなければならないため、製剤化や品質管理が難しく、また、使用した際の環境安全面でのリスクもあるという問題がある。

0004

したがって、簡易、かつ安全に穀物類の収量を増加させることができる新たな技術の速やかな提供が強く求められている。

先行技術

0005

特開2003−274779号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、簡易、かつ安全に穀物類の収量を増加させることができる穀物類の収量を増加させる方法及び穀物類の栽培用植物体を栽培する方法、並びに穀物類の収量増加用組成物及び新規微生物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、前記目的を達成するべく鋭意検討を行った結果、メタノール資化性細菌細胞壁を含有する組成物を穀物類の栽培用植物体に接種することにより、不稔籾を減少させ、穀物類の収量を増加させることができることを知見した。

0008

本発明は、本発明者らの前記知見等に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1>メタノール資化性細菌の細胞壁含有物を穀物類の栽培用植物体に接種することを含むことを特徴とする穀物類の収量を増加させる方法である。
<2> メタノール資化性細菌の細胞壁含有物を穀物類の栽培用植物体に接種することを含むことを特徴とする穀物類の栽培用植物体を栽培する方法である。
<3> 前記接種が、出穂前30日から出穂後30日の間に行われる前記<1>から<2>のいずれかに記載の方法である。
<4> 前記接種が出穂の前と後に行われる前記<1>から<3>のいずれかに記載の方法である。
<5> 前記メタノール資化性細菌が植物体の表面から単離された前記<1>から<4>のいずれかに記載の方法である。
<6> 前記メタノール資化性細菌の単離が、前記メタノール資化性細菌を前記植物体の表面から洗い流して得た洗浄液又は前記植物体を液体培地に入れて培養して得られた液を、培地に接種し、増殖してきたコロニーを同定し、前記メタノール資化性細菌のコロニーを単離することにより行われる前記<5>に記載の方法である。
<7> 前記メタノール資化性細菌の単離に用いる植物体が、及び籾の少なくともいずれかである前記<5>から<6>のいずれかに記載の方法である。
<8> 前記接種が、前記メタノール資化性細菌の細胞壁含有物を含む液を前記栽培用植物体に噴霧することにより行われる前記<1>から<7>のいずれかに記載の方法である。
<9> 前記メタノール資化性細菌が、受託番号NITEP−02628のメチロバクテリウムエスピー(Methylobacterium sp.)Rst株である前記<1>から<8>のいずれかに記載の方法である。
<10> 前記メタノール資化性細菌の細胞壁含有物が、死菌体及び菌体細胞壁の少なくともいずれかを含む前記<1>から<9>のいずれかに記載の方法である。
<11> 前記死菌体が破砕菌体を含む前記<1>から<10>のいずれかに記載の方法である。
<12> 前記穀物類が米である前記<1>から<11>のいずれかに記載の方法である。
<13> 前記米が酒米である前記<12>に記載の方法である。
<14> 前記酒米が白鶴錦である前記<13>に記載の方法である。
<15> メタノール資化性細菌の細胞壁含有物を含むことを特徴とする穀物類の収量増加用組成物である。
<16> 前記メタノール資化性細菌が、受託番号NITE P−02628のメチロバクテリウム エスピー(Methylobacterium sp.)Rst株である前記<15>に記載の組成物である。
<17> 前記メタノール資化性細菌の細胞壁含有物が、死菌体及び菌体細胞壁の少なくともいずれかを含む前記<15>から<16>のいずれかに記載の組成物である。
<18> 受託番号NITE P−02628のメチロバクテリウム エスピー(Methylobacterium sp.)Rst株であることを特徴とする微生物である。

発明の効果

0009

本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、簡易、かつ安全に穀物類の収量を増加させることができる穀物類の収量を増加させる方法及び穀物類の栽培用植物体を栽培する方法、並びに穀物類の収量増加用組成物及び新規微生物を提供することができる。

0010

本発明の穀物類の収量を増加させる方法(以下、「穀物類の増収方法」と称することがある。)及び本発明の穀物類の栽培用植物体を栽培する方法(以下、「穀物類の栽培方法」と称することがある。)は、いずれもメタノール資化性細菌の細胞壁含有物を穀物類の栽培用植物体に接種する工程(以下、「接種工程」と称することがある。)を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。そのため、以下では、穀物類の増収方法及び穀物類の栽培方法について、まとめて説明する。
また、本発明の微生物は本発明の穀物類の収量増加用組成物に好適に用いることができ、本発明の穀物類の収量増加用組成物は本発明の穀物類の増収方法及び穀物類の栽培方法に好適に用いることができる。そのため、本発明の微生物及び本発明の穀物類の収量増加用組成物についても、本発明の穀物類の増収方法及び穀物類の栽培方法の説明と併せて説明する。

0011

(穀物類の増収方法及び穀物類の栽培方法)
前記穀物類の増収方法及び穀物類の栽培方法は、接種工程を含む限り、特に制限はなく、通常の穀物類の栽培方法を目的に応じて適宜選択することができる。

0012

<接種工程>
前記接種工程は、メタノール資化性細菌の細胞壁含有物を穀物類の栽培用植物体に接種する工程である。

0013

<<メタノール資化性細菌の細胞壁含有物>>
前記メタノール資化性細菌の細胞壁含有物は、メタノール資化性細菌の細胞壁を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。

0014

−メタノール資化性細菌−
前記メタノール資化性細菌は、メチロバクテリウム(Methylobacterium)属に属する細菌であり、シソやイネ等の植物表面上に生育し、植物由来メタノールを利用するとともに、植物へはビタミン植物ホルモンなどを供給し、共生関係にあることが知られている。

0015

前記メタノール資化性細菌としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、植物体の表面から単離されたものを用いることができる。

0016

前記メタノール資化性細菌の単離の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、培地の炭素源としてメタノールのみを使用する集積培養などが挙げられる。
前記単離の方法の具体例としては、例えば、前記メタノール資化性細菌を前記植物体の表面から洗い流して得た洗浄液を、培地に接種し、増殖してきたコロニーを同定し、前記メタノール資化性細菌のコロニーを単離することにより行う方法、前記植物体を液体培地に入れて培養して得られた液を、培地に接種し、増殖してきたコロニーを同定し、前記メタノール資化性細菌のコロニーを単離することにより行う方法などが挙げられる。

0017

前記メタノール資化性細菌の単離に用いる植物体の部位としては、メタノール資化性細菌が生育している部位であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、穀物類の茎、籾などが挙げられる。前記部位は、1箇所を用いてもよいし、2箇所以上を用いてもよい。

0018

前記培地の組成、培養の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0019

前記メタノール資化性細菌の中でも、本発明の新規微生物であるメチロバクテリウムエスピー(Methylobacterium sp.)Rst株が好適に挙げられる。前記Rst株は、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(〒292−0818 千葉県木更津市かずさ足2−5−8)に寄託申請し、NITEP−02628として、2018年2月7日に受託されている。

0020

−菌体細胞壁−
前記メタノール資化性細菌の細胞壁を調製する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。例えば、培養し、回収した培養菌体を50mMEDTAと2% SDSを含有する水溶液に懸濁し、37℃程度で60分間程度インキュベートした後遠心分離し、その上清に3M酢酸ナトリウムエタノールを加え混和し、遠心分離を行い、ペレット状の菌体細胞壁を調製する方法などが挙げられる。
前記菌体細胞壁成分の有無を確認する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェノール硫酸法を用い、多糖指標として確認する方法などが挙げられる。

0021

前記菌体細胞壁のメタノール資化性細菌の細胞壁含有物における含有量としては、特に制限はなく、植物体への接種量などに応じて適宜選択することができる。

0022

−その他の成分−
前記メタノール資化性細菌の細胞壁含有物におけるその他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、賦形剤乳化剤湿潤剤分散剤可溶化剤懸濁剤展着剤浸透剤、安定剤等の公知の製剤用添加剤などが挙げられる。前記その他の成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、殺菌剤殺虫剤植物生長調節剤などを配合してもよい。
前記その他の成分のメタノール資化性細菌の細胞壁含有物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0023

前記メタノール資化性細菌の細胞壁含有物の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記メタノール資化性細菌の生菌体を含む態様、前記メタノール資化性細菌の死菌体を含む態様、前記メタノール資化性細菌の菌体細胞壁を含む態様などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記メタノール資化性細菌の死菌体及び菌体細胞壁の少なくともいずれかを含む態様が、製剤化や品質管理が容易であり、使用した際の環境安全面でのリスクも少ない点で、好ましい。

0024

前記メタノール資化性細菌の生菌体の調製方法としては、特に制限はなく、公知の方法を目的に応じて適宜選択することができ、例えば、培養した菌体を回収する方法などが挙げられる。

0025

前記メタノール資化性細菌の死菌体の調製方法としては、特に制限はなく、公知の方法を目的に応じて適宜選択することができ、例えば、培養し、回収した培養菌体をオートクレーブ滅菌する方法などが挙げられる。前記死菌体は、破砕処理された破砕菌体であってもよい。
前記破砕処理の方法としては、特に制限はなく、公知の方法を目的に応じて適宜選択することができる。前記破砕の程度としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0026

前記メタノール資化性細菌の菌体細胞壁の調製方法の例は、上述したとおりである。

0027

前記メタノール資化性細菌の細胞壁含有物の形態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉状、液体状などが挙げられる。
前記メタノール資化性細菌の細胞壁含有物の剤型としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、液剤乳剤油剤、水溶液、懸濁液、水和剤フロアブル粉剤微粒剤粒剤エアゾールペースト剤などが挙げられる。

0028

<<穀物類の栽培用植物体>>
前記穀物類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イネ科植物、マメ科植物などが挙げられる。
前記イネ科植物の具体例としては、例えば、コムギオオムギライムギエンバク、ハダカムギ等のムギ類、イネ、モロコシトウモロコシアワキビヒエシコクビエトウジンビエなどが挙げられる。
前記マメ科植物の具体例としては、例えば、ダイズアズキリョクトウササゲインゲンマメライマメラッカセイエンドウソラマメなどが挙げられる。

0029

前記穀物類の中でも、本発明の方法は、イネ(米)に好適に用いることができる。

0030

前記米の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、白鶴錦、山田錦、五百万石、美山錦、雄、八反、八反錦、吟風、ゆめさんさ、若水、の香等の酒米、日本晴、コシヒカリ、ひとめぼれ、ヒノヒカリ、あきたこまちキヌヒカリ、ななつぼし、はえぬき等の食用米などが挙げられる。これらの中でも、本発明の方法は、酒米に好適に用いることができる。

0031

前記穀物類の栽培用植物体の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、播種前の種子、発又は定植などにより栽培場所で生育するときの通常の態様などが挙げられる。

0032

<<接種>>
前記接種の時期としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、播種前の種子の段階、出穂前の段階、出穂後の段階などが挙げられる。前記接種の時期は、1つの時期であってもよいし、2つ以上の時期であってもよい。これらの中でも、出穂前30日から出穂後30日の間が好ましく、出穂の前と後の両方で行われることがより好ましく、出穂前1日〜30日の間と、出穂後1日〜30日の間とに行われることが更に好ましく、出穂前15日〜30日の間と、出穂後5日〜25日の間とに行われることが特に好ましい。前記好ましい時期に接種を行うと、穀物類の収量をより増加させることができる点で、有利である。

0033

前記接種の回数としては、1回であってもよいし、複数回であってもよい。また、接種時期が複数の場合における、各接種時期における接種の回数としても、1回であってもよいし、複数回であってもよい。

0034

前記メタノール資化性細菌の細胞壁含有物の前記穀物類の栽培用植物体への接種量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、OD600換算でODが0.5相当になるように調製したメタノール資化性細菌の細胞壁含有物の栽培用植物体1株あたりの接種量として、1mL以上が好ましく、2mL以上がより好ましく、3mL以上が特に好ましい。前記好ましい接種量であると、穀物類の収量をより増加させることができる点で、有利である。なお、前記接種量は、各接種時において、等量を接種してもよいし、異なる量を接種してもよい。

0035

前記接種の方法としては、前記メタノール資化性細菌の細胞壁含有物を前記穀物類の栽培用植物体の少なくとも一部分に接触させ得る限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、噴霧、塗布、浸漬などが挙げられる。これらは、1種単独で行ってもよいし、2種以上を組み合わせて行ってもよい。これらの中でも、前記メタノール資化性細菌の細胞壁含有物を含む液を前記栽培用植物体に噴霧することにより行われることが好ましい。

0036

前記メタノール資化性細菌の細胞壁含有物を接種する前記穀物類の栽培用植物体の部位としては、特に制限はなく、接種する時期に応じて適宜選択することができ、例えば、種子に接種したり、出穂の前に接種する場合は栽培用植物体の地上部に接種したり、出穂の後に接種する場合は栽培用植物体の地上部に接種したりするなどが挙げられる。本発明によれば、前記メタノール資化性細菌の細胞壁含有物の接種が、根圏まで行き渡らなくても、栽培用植物体の地上部に接種することで、穀物類の増収効果を得ることもできる。そのため、肥料として加えるよりも簡便で、農薬との併用も可能な点で、有利である。

0037

前記接種では、殺菌剤、殺虫剤、植物生長調節剤などを併用してもよい。

0038

<その他の工程>
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、通常の穀物類の栽培における工程を目的に応じて適宜選択することができる。
前記栽培は、水耕であってもよいし、土耕であってもよい。

0039

<穀物類の収量増加用組成物>
本発明の穀物類の収量増加用組成物は、前記メタノール資化性細菌の細胞壁含有物を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。

0040

前記穀物類の収量増加用組成物における前記メタノール資化性細菌の細胞壁含有物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記穀物類の収量増加用組成物は、前記メタノール資化性細菌の細胞壁含有物のみからなるものであってもよい。

0041

前記穀物類の収量増加用組成物におけるその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、上記したメタノール資化性細菌の細胞壁含有物におけるその他の成分と同様のものなどが挙げられる。前記穀物類の収量増加用組成物におけるその他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0042

以下、製造例及び試験例を示して本発明を説明するが、本発明はこれらの製造例及び試験例に何ら限定されるものではない。

0043

(製造例1:メタノール資化性細菌の単離)
イネの茎を試料とし、NMS培地(Whittenbury, R., K. C. Phillips, and J. F. Wilkinson. 1970. Enrichment, isolation and some properties of methane−utilizing bacteria. J. Gen. Microbiol. 61:205−218.)に0.01%イーストエクストラクトと0.5%メタノールを添加した培地で集積培養を行った。集積培養後の培養液を同組成の平板培地画線し、生じたコロニーを単離し、メチロバクテリウムエスピー(Methylobacterium sp.)Rst株を得た。

0044

前記メチロバクテリウムエスピー(Methylobacterium sp.)Rst株は、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(〒292−0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)に寄託申請し、NITEP−02628として、2018年2月7日に受託された。

0045

(製造例2:メタノール資化性細菌の細胞壁含有物の調製)
<前培養>
前記製造例1で得られたメチロバクテリウムエスピーRst株を、Hypho最少培地(Delaney N.F., Kaczmarek M.E., Ward L.M., Swanson P.K., Lee M.C. & Marx C.J. Development of an optimized medium, strain and high−throughput culturing methodsfor Methylobacterium extorquens.PLoS One 8, e62957 (2013))に0.2%コハク酸ナトリウムを添加した培地5mLを用い、試験管にて、28℃で48時間培養した。

0046

本培養
Hypho最少培地に0.5%メタノールを添加した培地100mLに、前記前培養した培養液をOD600が0.002となるように加え、500mLのバッフル付き三角フラスコ(2個)にて、28℃、180rpmで72時間培養した。なお、集菌時のOD600は2.9〜3.3であった。

0047

<製造例2−1:生菌体>
前記本培養を行った後、遠心分離により培養菌体を回収した。その後、滅菌水で2回洗浄し、ペレットをOD600換算でODが0.5相当になるように下記組成の展着剤にて調製した。
−展着剤−
ポリオキシエチレン(9)ノニルフェニルエーテル0.2g/L
カルボキシメチルセルロースナトリウム1g/L
超純水にて調製

0048

<製造例2−2:死菌体>
前記本培養を行った後、遠心分離により培養菌体を回収した。その後、滅菌水で2回洗浄した。洗浄後の菌体をオートクレーブで121℃、20分間滅菌した。滅菌後のペレットを菌液時のOD600換算でODが0.5相当になるように前記展着剤にて調製した。

0049

<製造例2−3:菌体細胞壁>
前記本培養を行った後、遠心分離により培養菌体を回収した。その後、50mMNaCl水溶液で2回洗浄した。培養液量当量(100mL)の50mMEDTAと2% SDSを含有する水溶液に懸濁した。50mLのコーニングチューブ2本に前記懸濁液を分け、37℃の湯浴で60分間インキュベートした。8,000×gで5分間遠心し、上清を10mLずつ50mLコーニングチューブに分けた。コーニングチューブ1本に対し1mLの3M酢酸ナトリウムと30mLのエタノールを加え混和した。−20℃で一晩保存した。8,000×gで5分間遠心し、ペレット状にし、70%エタノールで1回洗浄した。ペレットを菌液時のOD600換算でODが0.5相当になるように前記展着剤にて調製した。
なお、細胞壁成分の有無は、フェノール−硫酸法を用い、多糖を指標として確認した。具体的には、サンプル100μLに対して100μLの5%フェノールと500μLの硫酸を加え混和し、溶液の黄色への変色により、多糖の存在を確認した。

0050

(試験例1)
穀物類の一例として酒米の1つである白鶴錦を用い、以下のようにして穀物類の増収を試験した。

0051

<試料の散布
庫県多可町東安田地区圃場にて、各試験区(下記参照)につき約110株の白鶴錦に対して試料を散布した。1回目の散布は8月初旬の穂肥前(出穂の約20日前)に行い、2回目の散布は1回目の散布の1ヵ月後(出穂の約10日後)に実施した。1回あたりの散布量は約400mLであり、噴霧器を用いて稲全体に均一に散布した。
試験区
対照散布試験区 ・・・展着剤のみ
・生菌体散布試験区 ・・・ 製造例2−1で調製した生菌体
・死菌体散布試験区 ・・・ 製造例2−2で調製した死菌体
・菌体細胞壁散布試験区 ・・・ 製造例2−3で調製した菌体細胞壁

0052

<各試験区の解析
稲刈りは通常時期に行い、各試験区の株数面積を算出した。圃場にて3週間乾燥した後に脱穀、籾摺り、小型米選機による選別を行い、精玄米重を算出した。結果を表1に示す。

0053

実施例

0054

表1に示されるように、各試料の面積あたりの精玄米重、株あたりの精玄米重を比較したところ、生菌体散布試験区、死菌体散布試験区、及び菌体細胞壁散布試験区は、対照試験区より増加していた。また、菌体細胞壁散布試験区で最も増加したことから、メタノール資化性細菌の菌体成分のうち細胞壁が穀物類の増収に関わっている可能性が示唆された。

0055

NITEP−02628

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