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技術 半導体装置の製造方法、基板処理装置およびプログラム

出願人 株式会社KOKUSAIELECTRIC
発明者 出貝求
出願日 2018年3月27日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2018-059822
公開日 2019年10月10日 (9ヶ月経過) 公開番号 2019-175911
状態 未査定
技術分野 CVD 半導体の電極
主要キーワード アフターパージ ガス供給ステップ 収容動作 金属含有ガス チャンネル形状 断熱筒 残留ガス除去 チャネルポリシリコン
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (17)

課題

均一性の高い薄膜を有する半導体装置を形成する。

解決手段

表面に下地膜が形成された基板ハロゲン含有ガスを供給して、前記基板表面にハロゲン終端を形成する工程と、酸素成分及び水素成分を含むOH含有ガスを前記基板に供給して、前記基板表面をOH終端化する工程とを有する技術を提供する。

概要

背景

近年、半導体装置高集積化の傾向にあり、それを実現すべく、膜の極薄化が求められている。このような半導体装置は、例えば特許文献1に開示されている。

概要

均一性の高い薄膜を有する半導体装置を形成する。表面に下地膜が形成された基板ハロゲン含有ガスを供給して、前記基板表面にハロゲン終端を形成する工程と、酸素成分及び水素成分を含むOH含有ガスを前記基板に供給して、前記基板表面をOH終端化する工程とを有する技術を提供する。

目的

本発明は、均一性の高い薄膜を有する半導体装置を形成可能な技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

表面に下地膜が形成された基板ハロゲン含有ガスを供給して、前記基板表面にハロゲン終端を形成する工程と、酸素成分及び水素成分を含むOH含有ガスを前記基板に供給して、前記基板表面をOH終端化する工程と、を有する半導体装置の製造方法。

請求項2

前記ハロゲン終端を形成する工程と前記OH終端化する工程との間には、前記基板が収容された処理室雰囲気排気する工程を有する請求項1記載の半導体装置の製造方法。

請求項3

前記OH終端化する工程では、前記OH含有ガスの供給と排気とを交互に行う請求項1又は2記載の半導体装置の製造方法。

請求項4

基板を収容する処理室と、ハロゲン含有ガスを前記処理室に供給するハロゲン含有ガス供給部と、酸素成分及び水素成分を含むOH含有ガスを前記処理室に供給するOH含有ガス供給部と、前記ハロゲン含有ガス供給部と前記OH含有ガス供給部を制御して、表面に下地膜が形成された基板にハロゲン含有ガスを供給して、前記基板表面にハロゲン終端を形成する処理と、OH含有ガスを前記基板に供給して、前記ハロゲン成分を脱離し、空いた結合手OH基を結合させて、前記基板表面をOH終端化する処理とを行うよう構成される制御部と、を有する基板処理装置

請求項5

表面に下地膜が形成された基板が収容された基板処理装置の処理室に対してハロゲン含有ガスを供給して、前記基板表面にハロゲン終端を形成する手順と、酸素成分及び水素成分を含むOH含有ガスを前記基板に供給して、前記基板表面をOH終端化する手順と、をコンピュータによって前記基板処理装置に実行させるプログラム

技術分野

0001

本発明は、半導体装置の製造方法、基板処理装置およびプログラムに関する。

背景技術

0002

近年、半導体装置は高集積化の傾向にあり、それを実現すべく、膜の極薄化が求められている。このような半導体装置は、例えば特許文献1に開示されている。

先行技術

0003

特開2017−69407号公報

発明が解決しようとする課題

0004

半導体装置では、様々な種類の薄膜を重ねて回路を構成している。半導体装置の特性を維持するためには、それぞれの薄膜の特性を向上させる必要がある。そして、薄膜の特性を向上させるためには、生成する薄膜の均一性を高める必要がある。

0005

本発明は、均一性の高い薄膜を有する半導体装置を形成可能な技術を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明の一態様によれば、表面に下地膜が形成された基板ハロゲン含有ガスを供給して、前記基板表面にハロゲン終端を形成する工程と、
酸素成分及び水素成分を含むOH含有ガスを前記基板に供給して、前記基板表面をOH終端化する工程と、
を有する技術が提供される。

発明の効果

0007

本発明に係る技術によれば、均一性の高い薄膜を有する半導体装置を形成可能な技術を提供することができる。

図面の簡単な説明

0008

電極を三次元的に構成した三次元構造の半導体装置の構造を説明するための図である。
図1に示した半導体装置を生成する際の具体的な処理を順次説明するためのフローチャートである。
(A)は、ホール形成工程S110を説明するための側面図であり、(B)は、上面から見た図である。
(A)は、ホール充填工程S112を説明するための側面図であり、(B)は、積層膜108を説明するための図である。
犠牲膜除去工程S114を説明するための図である。
膜組成不均一性が引き起こす問題について説明するための図である。
(A)は、成膜初期核形成密度が高い場合に、隣接した核どうしが合体して連続的な膜が形成される様子を説明するための図であって、(B)は、成膜初期の核形成密度が低い場合に、隣接した核どうしが合体せずに不均一な膜が形成される様子を説明するための図である。
(A)は、水酸基OH基)によるOH終端が吸着サイトとなる場合の様子を示す図であって、(B)は、結合が切れ欠陥部位ダングリングボンド)が吸着サイトとなる場合の様子を示す図である。
本発明の一実施形態における基板処理装置の縦型処理炉の概略を示す縦断面図である。
図9におけるA−A線概略横断面図である。
本発明の一実施形態における基板処理装置のコントローラ概略構成図であり、コントローラの制御系ブロック図で示す図である。
本発明の一実施形態におけるガス供給のタイミングを示す図である。
(A)は、WF6ガスによる暴露前のシリコン酸化膜が形成されたウエハ200表面の様子を示すモデル図であり、(B)は、ウエハ200表面をWF6ガスにより暴露した直後の状態を示すモデル図であり、(C)は、WF6ガスによる暴露後のウエハ200表面の様子を示すモデル図である。
(A)は、H2Oガスが供給された直後のウエハ200表面の状態を示すモデル図であり、(B)は、H2Oガスによる暴露後のウエハ200表面の様子を示すモデル図である。
吸着サイトの数密度が低い下地膜上にTiN膜を形成した場合のTiN膜成膜後の熱酸化膜表面のSEM画像を示す図である。
フッ酸処理後に成膜したTiN膜の抵抗率と、800℃アニール処理後に成膜したTiN膜の抵抗率を示す図である。

実施例

0009

<本発明の一実施形態>
以下に本発明の第一実施形態について説明する。

0010

まず、本技術を用いて形成される薄膜を一構成とするデバイス構造の一例について説明する。このデバイスは、電極を三次元的に構成した三次元構造の半導体装置である。この半導体装置は、図1に記載のように、ウエハ100上に絶縁膜102と電極となる導電膜112とを交互に積層する構造である。以下に、図2を用いてこの半導体装置を生成する際の具体的な処理を順次説明する。

0011

(第一絶縁膜形成工程S102)
先ず、第一絶縁膜形成工程S102では、共通ソースライン(CSL)101が形成されているウエハ100上に絶縁膜102を形成する。ここでは絶縁膜102はシリコン酸化(SiO2)膜により構成される。SiO2膜は、ウエハ100を所定温度に加熱すると共に、シリコン含有ガス酸素含有ガスとをウエハ100上に供給することにより形成される。

0012

(犠牲膜形成工程S104)
次に、犠牲膜形成工程S104について説明する。ここでは、図3に記載のように、形成された第一絶縁膜102上に犠牲膜103が形成される。犠牲膜103は、後述する犠牲膜除去工程S114にて除去されるものであり、絶縁膜102に対してエッチング選択性を有するものである。エッチングの選択性を有するとは、エッチング液に晒された際、犠牲膜103はエッチングされ、絶縁膜102はエッチングされない性質を有することを意味する。

0013

犠牲膜103は、例えばシリコン窒化(SiN)膜により構成される。SiN膜は、ウエハ100を所定温度に加熱すると共に、シリコン含有ガスと窒素含有ガスとをウエハ100上に供給することにより形成する。詳細は後述する。

0014

(S106)
次に、上述の絶縁膜形成工程S102と犠牲膜形成工程S104の組み合わせが所定回数実施されたか否かが判断される。即ち、図1に示した絶縁膜102と犠牲膜103の組み合わせが所定数積層されたか否かが判断される。本実施形態においては、生成する積層数を例えば8層とし、絶縁膜102を8層(絶縁膜102(1)から絶縁膜102(8))、犠牲膜103を8層(犠牲膜103(1)から犠牲膜103(8))を交互に形成するものとして説明する。

0015

所定回数実施していないと判断されたら、「NO」を選択し、第一絶縁膜形成工程S102に移行する。所定回数実施したと判断されたら、即ち所定層数形成されたと判断されたら、「YES」を選択し、第二絶縁膜形成工程S108に移行する。

0016

(第二絶縁膜形成工程S108)
次に、8層ずつ形成された絶縁膜102、犠牲膜103の上にさらに絶縁膜105を形成する。絶縁膜105は絶縁膜102と同様の方法で形成されるものであり、犠牲膜103上に形成される。

0017

(ホール形成工程S110)
次に、ホール形成工程S110を図3を用いて説明する。図3(A)は、図1と同様側面から見た図であり、図3(B)は上面から見た図である。なお、図3(B)におけるα−α’における断面図が図3(A)に相当する。

0018

ここでは、絶縁膜102、105と犠牲膜103の積層構造に対して、ホール106が形成される。図3(A)に記載のように、ホール106はCSL101を露出させるように形成される。ホール106は図3(B)に記載のように絶縁膜105の面内に複数設けられる。

0019

(ホール充填工程S112)
続いて、ホール充填工程S112を図4を用いて説明する。ホール充填工程S112では、ホール形成工程S110において形成されたホール106の内側を電荷トラップ膜108等により充填する処理が行われる。ホール106内には、外周側から順に保護膜107(メタル酸化(Al2O3)膜)、積層膜108、チャネルポリシリコン膜109、充填絶縁膜(シリコン酸化(SiO2)膜)110が形成される。各膜は筒状に構成される。

0020

積層膜108は、ゲート電極間絶縁膜(SiO2膜)108a、電荷トラップ膜(シリコン窒化膜SiN)108b、トンネル絶縁膜(SiO2膜)108cで構成される。ゲート電極間絶縁膜108aは保護膜107と電荷トラップ膜108bとの間に配される。トンネル絶縁膜108cは、電荷トラップ膜108bとチャネルポリシリコン膜109の間に配される。

0021

電荷トラップ膜108が犠牲膜103と同様の組成であるため、犠牲膜103を除去する際に同時に除去される恐れがある。それを避けるべく、ホール106の内壁表面に、保護膜107を設け、電荷トラップ膜108が除去されることを防ぐ。

0022

(犠牲膜除去工程S114)
続いて、図5を用いて犠牲膜除去工程S114を説明する。犠牲膜除去工程S114では、改質された犠牲膜103がウエットエッチングにより除去される。除去した結果、犠牲膜103が形成されていた位置に空隙111が形成される。

0023

(導電膜形成工程S116)
続いて、図1を用いて導電膜形成工程S116を説明する。導電膜形成工程S116では、犠牲膜除去工程S114において形成された空隙111に、電極となる導電膜112が形成される。導電膜112は例えばタングステン等により構成される。このようにして導電膜112が形成されることにより、図1に示したような半導体装置が生成される。

0024

以上説明した構造においては、例えばホール106内に充填される保護膜107、積層膜108、チャネルポリシリコン膜109、充填絶縁膜110の極薄膜化が求められている。

0025

ところで、極薄の薄膜をデバイス構造に採用する場合、抵抗値電荷移動度等の特性が均一となるよう求められている。それらを実現するには、膜組成の均一性を向上させる必要がある。

0026

次に膜組成の不均一性が引き起こす問題について、図6を用いて説明する。図6電極間絶縁膜108aを例にした説明図である。図6では、電極間絶縁膜108aには、低密度部113と高密度部114とが存在している。低密度部113は膜組成密度が低い部分である。また、低密度部113はピンホールとも呼ばれる。高密度部114は所望の膜組成密度を満たした部分である。そして、低密度部113の膜組成密度は、高密度部114の膜密度よりも低くなっている。

0027

前述のように電極間絶縁膜108aは電荷トラップ膜108bに隣接する。つまり、図6においては、電極間絶縁膜108aはXY平面に隣接するよう配される。電極間絶縁膜108aは、所定の膜組成密度があることによって電荷トラップ膜108bからのリーク電流を抑制しているが、膜組成密度が低い場合にはリーク電流が発生してしまう。すなわち、高密度部114ではリーク電流が発生しないものの、低密度部113ではリーク電流が発生する恐れがある。

0028

また、電極間絶縁膜108aに替わって、回路等に用いる金属膜であった場合について説明する。金属膜の場合、例えばXY平面に隣接するよう絶縁膜が形成されている。したがって、金属膜中に流れる電荷はX軸方向に流れる。高密度部114と低密度部113とでは抵抗値が異なるため、電荷の流れる量が異なったり、あるいは電荷の流れが乱れる恐れがある。

0029

このように膜組成密度のばらつきがあると、半導体装置の特性が低下する恐れがある。

0030

次に、膜組成密度のばらつきが起きる原因について説明する。
発明者は鋭意研究の結果、膜組成密度がばらつく一因として、下地膜における吸着サイトが不連続である点を発見した。

0031

まず、図7を用いて薄膜が不連続になる要因を説明する。図7は、シリコン酸化膜上に膜を形成する例である。薄膜は以下のステップ成長する。(1)原料分子の吸着サイトへの吸着、(2)吸着した原料分子をきっかけとして膜の構成元素からなる微小な核が形成される、(3)核の成長、(4)核が成長するうちに隣り合った核どうしが合体する。図7(A)に示すように成膜初期の核形成密度が高い場合は、核が少し成長すると隣接した核どうしが合体して連続的な膜が形成される。

0032

しかし、図7(B)に示すように成膜初期の核形成密度が低い場合には、核が成長しても隣接する核との間隔が大きいため核どうしが合体できずに不連続な膜になってしまう。以上のように連続な薄膜の形成には成膜初期の核形成密度が高いことが重要である。

0033

それには薄膜の成長ステップである(1)のステップにおいて原料分子が吸着する下地膜の吸着サイトの数密度を高くすることが必要である。原料分子の吸着サイトとしては、図8(A)に示すように水酸基(OH基)によるOH終端や、図8(B)に示すような結合が切れた欠陥部位(ダングリングボンド)がある。

0034

下地膜の吸着サイトの数密度が低くなる要因としては、例えば下地膜上に膜を形成する際に、吸着サイトと結合する分解されたプリカーサが下地膜に接触することである。例えば、分解されたプリカーサが下地膜に接触し、それが吸着サイトを空けてしまったり、あるいは吸着サイトと結合することがある。

0035

また、下地膜を改質するためにアニール処理等を行うことが考えられるが、アニール処理によって一部の吸着サイトが除去されてしまい、吸着サイト間の距離が長くなってしまうことが考えられる。しかし、吸着サイト間の間隔を意図的に管理することは難しく、従って吸着サイトにばらつきが起きる。すなわち、吸着サイトの数密度が低くなる。

0036

そこで本技術では、吸着サイトの数密度を高くし、形成する薄膜の組成密度を均一とする。以下、詳細を説明する。

0037

<本発明の一実施形態における基板処理装置10>
以下、図9〜12を参照しながら説明する。基板処理装置10は半導体装置の製造工程において使用される装置の一例として構成されている。なお、以下の説明においては、シリコン酸化(SiO2)膜上に薄膜として窒化チタン(TiN)膜を形成する場合を用いて説明する。なお、図8(B)に示したような欠陥部位を吸着サイトとして意図的に生成することは困難である。そのため、本実施形態では、図8(A)に示したような水酸基によるOH終端を吸着サイトとしてシリコン酸化膜の表面上に生成する。

0038

(1)基板処理装置の構成
基板処理装置10は、加熱手段(加熱機構加熱系)としてのヒータ207が設けられた処理炉202を備える。ヒータ207は円筒形状であり、保持板としてのヒータベース(図示せず)に支持されることにより垂直に据え付けられている。

0039

ヒータ207の内側には、ヒータ207と同心円状に反応容器処理容器)を構成するアウタチューブ203が配設されている。アウタチューブ203は、例えば石英(SiO2)、炭化シリコン(SiC)などの耐熱性材料からなり、上端閉塞下端が開口した円筒形状に形成されている。アウタチューブ203の下方には、アウタチューブ203と同心円状に、マニホールドインレットフランジ)209が配設されている。マニホールド209は、例えばステンレス(SUS)などの金属からなり、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。マニホールド209の上端部と、アウタチューブ203との間には、シール部材としてのOリング220aが設けられている。マニホールド209がヒータベースに支持されることにより、アウタチューブ203は垂直に据え付けられた状態となる。

0040

アウタチューブ203の内側には、反応容器を構成するインナチューブ204が配設されている。インナチューブ204は、例えば石英(SiO2)、炭化シリコン(SiC)などの耐熱性材料からなり、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。主に、アウタチューブ203と、インナチューブ204と、マニホールド209とにより処理容器(反応容器)が構成されている。処理容器の筒中空部(インナチューブ204の内側)には処理室201が形成されている。

0041

処理室201は、基板としてのウエハ200を後述するボート217によって水平姿勢で鉛直方向に多段に配列した状態で収容可能に構成されている。

0042

処理室201内には、ノズル410,420,430がマニホールド209の側壁及びインナチューブ204を貫通するように設けられている。ノズル410,420,430には、ガス供給管310,320,330が、それぞれ接続されている。ただし、本実施形態の処理炉202は上述の形態に限定されない。

0043

ガス供給管310,320,330には上流側から順に流量制御器流量制御部)であるマスフローコントローラMFC)312,322,332がそれぞれ設けられている。また、ガス供給管310,320,330には、開閉弁であるバルブ314,324,334がそれぞれ設けられている。ガス供給管310,320,330のバルブ314,324,334の下流側には、不活性ガスを供給するガス供給管510,520,530がそれぞれ接続されている。ガス供給管510,520,530には、上流側から順に、流量制御器(流量制御部)であるMFC512,522,532及び開閉弁であるバルブ514,524,534がそれぞれ設けられている。

0044

ガス供給管310,320,330の先端部にはノズル410,420,430がそれぞれ連結接続されている。ノズル410,420,430は、L字型のノズルとして構成されており、その水平部はマニホールド209の側壁及びインナチューブ204を貫通するように設けられている。ノズル410,420,430の垂直部は、インナチューブ204の径方向外向きに突出し、かつ鉛直方向に延在するように形成されているチャンネル形状溝形状)の予備室201aの内部に設けられており、予備室201a内にてインナチューブ204の内壁に沿って上方(ウエハ200の配列方向上方)に向かって設けられている。

0045

ノズル410,420,430は、処理室201の下部領域から処理室201の上部領域まで延在するように設けられており、ウエハ200と対向する位置にそれぞれ複数のガス供給孔410a,420a,430aが設けられている。これにより、ノズル410,420,430のガス供給孔410a,420a,430aからそれぞれウエハ200に処理ガスを供給する。このガス供給孔410a,420a,430aは、インナチューブ204の下部から上部にわたって複数設けられ、それぞれ同一の開口面積を有し、さらに同一の開口ピッチで設けられている。ただし、ガス供給孔410a,420a,430aは上述の形態に限定されない。例えば、インナチューブ204の下部から上部に向かって開口面積を徐々に大きくしてもよい。これにより、ガス供給孔410a,420a,430aから供給されるガスの流量をより均一化することが可能となる。

0046

ノズル410,420,430のガス供給孔410a,420a,430aは、後述するボート217の下部から上部までの高さの位置に複数設けられている。そのため、ノズル410,420,430のガス供給孔410a,420a,430aから処理室201内に供給された処理ガスは、ボート217の下部から上部までに収容されたウエハ200の全域に供給される。ノズル410,420,430は、処理室201の下部領域から上部領域まで延在するように設けられていればよいが、ボート217の天井付近まで延在するように設けられていることが好ましい。

0047

ガス供給管310からは、六フッ化タングステン(WF6)等のハロゲン元素を含む処理ガス(ハロゲン含有ガス)、または四塩化チタン(TiCl4)等の金属元素を含む原料ガス金属含有ガス)が、MFC312、バルブ314、ノズル410を介して処理室201内に供給される。

0048

ガス供給管320からは、酸素成分及び水素成分を含む処理ガス(OH含有ガス)、例えば水蒸気(H2O)ガスが、MFC322、バルブ324、ノズル420を介して処理室201内に供給される。

0049

ガス供給管330からは、処理ガスとして、反応ガスが、MFC332、バルブ334、ノズル430を介して処理室201内に供給される。反応ガスとしては、例えば窒素(N)を含むN含有ガスが用いられ、その一例としてアンモニア(NH3)ガスを用いることができる。

0050

ガス供給管510,520,530からは、不活性ガスとして、例えば窒素(N2)ガスが、それぞれMFC512,522,532、バルブ514,524,534、ノズル410,420,430を介して処理室201内に供給される。以下、不活性ガスとしてN2ガスを用いる例について説明するが、不活性ガスとしては、N2ガス以外に、例えば、アルゴン(Ar)ガス、ヘリウム(He)ガス、ネオン(Ne)ガス、キセノン(Xe)ガス等の希ガスを用いてもよい。

0051

主に、ガス供給管310,320,330、MFC312,322,332、バルブ314,324,334、ノズル410,420,430により処理ガス供給系が構成されるが、ノズル410,420,430のみを処理ガス供給系と考えてもよい。処理ガス供給系は単にガス供給系と称してもよい。ガス供給管310から原料ガスを流す場合、主に、ガス供給管310、MFC312、バルブ314により原料ガス供給系が構成されるが、ノズル410を原料ガス供給系に含めて考えてもよい。また、ガス供給管320から還元ガスを流す場合、主に、ガス供給管320、MFC322、バルブ324により還元ガス供給系が構成されるが、ノズル420を還元ガス供給系に含めて考えてもよい。また、ガス供給管330から反応ガスを流す場合、主に、ガス供給管330、MFC332、バルブ334により反応ガス供給系が構成されるが、ノズル430を反応ガス供給系に含めて考えてもよい。ガス供給管330から反応ガスとして窒素含有ガスを供給する場合、反応ガス供給系を窒素含有ガス供給系と称することもできる。また、主に、ガス供給管510,520,530、MFC512,522,532、バルブ514,524,534により不活性ガス供給系が構成される。

0052

本実施形態におけるガス供給の方法は、インナチューブ204の内壁と、複数枚のウエハ200の端部とで定義される円環状の縦長の空間内の予備室201a内に配置したノズル410,420,430を経由してガスを搬送している。そして、ノズル410,420,430のウエハと対向する位置に設けられた複数のガス供給孔410a,420a,430aからインナチューブ204内にガスを噴出させている。より詳細には、ノズル410のガス供給孔410a、ノズル420のガス供給孔420a及びノズル430のガス供給孔430aにより、ウエハ200の表面と平行方向に向かって原料ガス等を噴出させている。

0053

排気孔排気口)204aは、インナチューブ204の側壁であってノズル410,420,430に対向した位置に形成された貫通孔であり、例えば、鉛直方向に細長く開設されたスリット状の貫通孔である。ノズル410,420,430のガス供給孔410a,420a,430aから処理室201内に供給され、ウエハ200の表面上を流れたガスは、排気孔204aを介してインナチューブ204とアウタチューブ203との間に形成された隙間からなる排気路206内に流れる。そして、排気路206内へと流れたガスは、排気管231内に流れ、処理炉202外へと排出される。

0054

排気孔204aは、複数のウエハ200と対向する位置に設けられており、ガス供給孔410a、420a、430aから処理室201内のウエハ200の近傍に供給されたガスは、水平方向に向かって流れた後、排気孔204aを介して排気路206内へと流れる。排気孔204aはスリット状の貫通孔として構成される場合に限らず、複数個の孔により構成されていてもよい。

0055

マニホールド209には、処理室201内の雰囲気を排気する排気管231が設けられている。排気管231には、上流側から順に、処理室201内の圧力を検出する圧力検出器圧力検出部)としての圧力センサ245,APC(Auto Pressure Controller)バルブ243,真空排気装置としての真空ポンプ246が接続されている。APCバルブ243は、真空ポンプ246を作動させた状態で弁を開閉することで、処理室201内の真空排気及び真空排気停止を行うことができ、更に、真空ポンプ246を作動させた状態で弁開度を調節することで、処理室201内の圧力を調整することができる。主に、排気孔204a,排気路206,排気管231,APCバルブ243及び圧力センサ245により、排気系が構成される。真空ポンプ246を排気系に含めて考えてもよい。

0056

マニホールド209の下方には、マニホールド209の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219は、マニホールド209の下端に鉛直方向下側から当接されるように構成されている。シールキャップ219は、例えばSUS等の金属からなり、円盤状に形成されている。シールキャップ219の上面には、マニホールド209の下端と当接するシール部材としてのOリング220bが設けられている。シールキャップ219における処理室201の反対側には、ウエハ200を収容するボート217を回転させる回転機構267が設置されている。回転機構267の回転軸255は、シールキャップ219を貫通してボート217に接続されている。回転機構267は、ボート217を回転させることでウエハ200を回転させるように構成されている。シールキャップ219は、アウタチューブ203の外部に垂直に設置された昇降機構としてのボートエレベータ115によって鉛直方向に昇降されるように構成されている。ボートエレベータ115は、シールキャップ219を昇降させることで、ボート217を処理室201内外搬入及び搬出することが可能なように構成されている。ボートエレベータ115は、ボート217及びボート217に収容されたウエハ200を、処理室201内外に搬送する搬送装置搬送機構)として構成されている。

0057

基板支持具としてのボート217は、複数枚、例えば25〜200枚のウエハ200を、水平姿勢で、かつ、互いに中心を揃えた状態で鉛直方向に間隔を空けて配列させるように構成されている。ボート217は、例えば石英やSiC等の耐熱性材料からなる。ボート217の下部には、例えば石英やSiC等の耐熱性材料からなる断熱板218が水平姿勢で多段(図示せず)に支持されている。この構成により、ヒータ207からの熱がシールキャップ219側に伝わりにくくなっている。ただし、本実施形態は上述の形態に限定されない。例えば、ボート217の下部に断熱板218を設けずに、石英やSiC等の耐熱性材料からなる筒状の部材として構成された断熱筒を設けてもよい。

0058

図10に示すように、インナチューブ204内には温度検出器としての温度センサ263が設置されており、温度センサ263により検出された温度情報に基づきヒータ207への通電量を調整することで、処理室201内の温度が所望の温度分布となるように構成されている。温度センサ263は、ノズル410,420及び430と同様にL字型に構成されており、インナチューブ204の内壁に沿って設けられている。

0059

図11に示すように、制御部(制御手段)であるコントローラ121は、CPU(Central Processing Unit)121a,RAM(Random Access Memory)121b,記憶装置121c,I/Oポート121dを備えたコンピュータとして構成されている。RAM121b,記憶装置121c,I/Oポート121dは、内部バスを介して、CPU121aとデータ交換可能なように構成されている。コントローラ121には、例えばタッチパネル等として構成された入出力装置122が接続されている。

0060

記憶装置121cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶装置121c内には、基板処理装置の動作を制御する制御プログラム、後述する半導体装置の製造方法の手順や条件などが記載されたプロセスレシピなどが、読み出し可能に格納されている。プロセスレシピは、後述する半導体装置の製造方法における各工程(各ステップ)をコントローラ121に実行させ、所定の結果を得ることができるように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、このプロセスレシピ、制御プログラム等を総称して、単に、プログラムともいう。本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合は、プロセスレシピ単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、プロセスレシピ及び制御プログラムの組み合わせを含む場合がある。RAM121bは、CPU121aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。

0061

I/Oポート121dは、上述のMFC312,322,332,512,522,532、バルブ314,324,334,514,524,534、圧力センサ245、APCバルブ243、真空ポンプ246、ヒータ207、温度センサ263、回転機構267、ボートエレベータ115等に接続されている。

0062

CPU121aは、記憶装置121cから制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置122からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置121cからレシピ等を読み出すように構成されている。CPU121aは、読み出したレシピの内容に沿うように、MFC312,322,332,512,522,532による各種ガス流量調整動作、バルブ314,324,334,514,524,534の開閉動作、APCバルブ243の開閉動作及びAPCバルブ243による圧力センサ245に基づく圧力調整動作、温度センサ263に基づくヒータ207の温度調整動作、真空ポンプ246の起動及び停止、回転機構267によるボート217の回転及び回転速度調節動作、ボートエレベータ115によるボート217の昇降動作、ボート217へのウエハ200の収容動作等を制御するように構成されている。

0063

コントローラ121は、外部記憶装置(例えば、磁気テープフレキシブルディスクハードディスク等の磁気ディスク、CDやDVD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスクUSBメモリメモリカード等の半導体メモリ)123に格納された上述のプログラムを、コンピュータにインストールすることにより構成することができる。記憶装置121cや外部記憶装置123は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成されている。以下、これらを総称して、単に、記録媒体ともいう。本明細書において記録媒体は、記憶装置121c単体のみを含む場合、外部記憶装置123単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。コンピュータへのプログラムの提供は、外部記憶装置123を用いず、インターネット専用回線等の通信手段を用いて行ってもよい。

0064

(2)基板処理工程(成膜工程)
半導体装置(デバイス)の製造工程の一工程として、下地膜としてシリコン酸化膜(SiO2)が形成されたウエハ200上に、例えば窒化チタン(TiN)膜を形成する工程の一例について、図12を用いて説明する。窒化チタン膜を形成する工程は、上述した基板処理装置10の処理炉202を用いて実行される。以下の説明において、基板処理装置10を構成する各部の動作はコントローラ121により制御される。

0065

本実施形態による基板処理工程(半導体装置の製造工程)では、下地膜としてシリコン酸化膜(SiO2)が形成されたウエハ200を処理室201に搬入する工程と、
下地膜が形成されたウエハ200にハロゲン含有ガスである六フッ化タングステン(WF6)ガスを供給して、下地膜の結合を切断してハロゲン含有ガスに含まれるハロゲン成分フッ素成分)を結合させて、ウエハ200表面にハロゲン終端を形成する工程と、
酸素成分及び水素成分を含むOH含有ガスである水蒸気ガスをウエハ200に供給して、ハロゲン成分を脱離し、空いた結合手にOH基を結合させて、ウエハ200表面をOH終端化する工程と、
OH終端化されたウエハ200表面上に窒化チタン膜を形成する工程と、
を実行することによりウエハ200上の下地膜上に窒化チタン膜を生成する。

0066

なお、ウエハ200表面にハロゲン終端を形成する工程および、ウエハ200表面をOH終端化する工程は、それぞれ複数回実行するようにしてもよい。なお、このウエハ200表面にハロゲン終端を形成する工程および、ウエハ200表面をOH終端化する工程を合せてフッ酸処理工程と呼ぶ。そして、OH終端化されたウエハ200表面上に窒化チタン膜を形成する工程を成膜処理と呼ぶ。

0067

本明細書において「ウエハ」という言葉を用いた場合は、「ウエハそのもの」を意味する場合や、「ウエハとその表面に形成された所定の層や膜等との積層体」を意味する場合がある。本明細書において「ウエハの表面」という言葉を用いた場合は、「ウエハそのものの表面」を意味する場合や、「ウエハ上に形成された所定の層や膜等の表面」を意味する場合がある。本明細書において「基板」という言葉を用いた場合も、「ウエハ」という言葉を用いた場合と同義である。

0068

ウエハ搬入
複数枚のウエハ200がボート217に装填(ウエハチャージ)されると、図9に示されているように、複数枚のウエハ200を支持したボート217は、ボートエレベータ115によって持ち上げられて処理室201内に搬入(ボートロード)される。この状態で、シールキャップ219はOリング220を介して反応管203の下端開口を閉塞した状態となる。

0069

(圧力調整および温度調整)
処理室201内が所望の圧力(真空度)となるように真空ポンプ246によって真空排気される。この際、処理室201内の圧力は、圧力センサ245で測定され、この測定された圧力情報に基づき、APCバルブ243がフィードバック制御される(圧力調整)。真空ポンプ246は、少なくともウエハ200に対する処理が完了するまでの間は常時作動させた状態を維持する。また、処理室201内が所望の温度となるようにヒータ207によって加熱される。この際、処理室201内が所望の温度分布となるように、温度センサ263が検出した温度情報に基づきヒータ207への通電量がフィードバック制御される(温度調整)。ヒータ207による処理室201内の加熱は、少なくともウエハ200に対する処理が完了するまでの間は継続して行われる。

0070

A.フッ酸処理工程
先ず、フッ酸処理工程により、下地膜であるシリコン酸化膜の表面に数密度の高いOH終端を生成する。

0071

A−1:[ハロゲン終端工程]
(WF6ガス供給)
バルブ314を開き、ガス供給管310内に処理ガスであるWF6ガスを流す。WF6ガスは、MFC312により流量調整され、ノズル410のガス供給孔410aから処理室201内に供給され、排気管231から排気される。このとき、ウエハ200に対してWF6ガスが供給される。これと並行してバルブ514を開き、ガス供給管510内にN2ガス等の不活性ガスを流す。ガス供給管510内を流れたN2ガスは、MFC512により流量調整され、WF6ガスと一緒に処理室201内に供給され、排気管231から排気される。このとき、ノズル420,430内へのWF6ガスの侵入を防止するために、バルブ524,534を開き、ガス供給管520,530内にN2ガスを流す。N2ガスは、ガス供給管320,330、ノズル420,430を介して処理室201内に供給され、排気管231から排気される。

0072

このときAPCバルブ243を調整して、処理室201内の圧力を、例えば5〜1000Paの範囲内の圧力とする。MFC312で制御するWF6ガスの供給流量は、例えば5〜500sccmの範囲内の流量とする。MFC512,522で制御するN2ガスの供給流量は、それぞれ例えば10〜1000sccmの範囲内の流量とする。このときヒータ207の温度は、ウエハ200の温度が、例えば200〜400℃の範囲内の温度となるような温度に設定する。

0073

このとき処理室201内に流しているガスはWF6ガスとN2ガスである。WF6の供給により、ウエハ200表面の結合が切断されてWF6ガスに含まれるフッ素成分(F)を結合させてウエハ200表面にハロゲン終端が形成される。

0074

このようなハロゲン終端が形成される様子を図13に示す。図13(A)は、WF6ガスによる暴露前のシリコン酸化膜が形成されたウエハ200表面の様子を示すモデル図であり、図13(B)は、ウエハ200表面をWF6ガスにより暴露した直後の状態を示すモデル図であり、図13(C)は、WF6ガスによる暴露後のウエハ200表面の様子を示すモデル図である。

0075

そして、WF6ガスの供給を開始してから所定時間経過後に、ガス供給管310のバルブ314を閉じて、WF6ガスの供給を停止する。

0076

図13(C)を参照すると、WF6ガスによる暴露後のウエハ200表面では、シリコン酸化膜表面がフッ素成分により終端(ハロゲン終端)されているのが分かる。

0077

A−2:[第1のパージ工程]
残留ガス除去
次に、WF6ガスの供給が停止されると、処理室201内のガスを排気するパージ処理が行われる。このとき排気管231のAPCバルブ243は開いたままとして、真空ポンプ246により処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留する未反応のWF6ガスもしくはシリコン酸化膜表面をハロゲン終端した後のWF4ガスを処理室201内から排除する。このときバルブ514,524は開いたままとして、N2ガスの処理室201内への供給を維持する。N2ガスはパージガスとして作用し、処理室201内に残留する未反応のWF6ガスもしくはWF4ガスを処理室201内から排除する効果を高めることができる。

0078

(所定回数実施)
上記したハロゲン終端工程および第1のパージ工程を順に行うサイクルを1回以上(所定回数(n回))行うことにより、ウエハ200上に形成されたシリコン酸化膜表面はハロゲン終端される。

0079

なお、上述したハロゲン終端を形成する工程では、WF6ガスの供給と排気とが交互に行われる。WF6ガスと下地膜であるシリコン酸化膜とが反応して発生した副生成物(例えばWF4)がウエハ200上に滞留すると、これらの副生成物によりOH含有ガスがウエハ200上に到達することを邪魔する可能性がある。そのため、このような副生成物を排気する。これにより副生成物による弊害の発生を防ぎ、連続的なハロゲン終端が形成されるようにする。

0080

A−3:[OH終端工程]
(H2Oガス供給)
次に、処理室201内の残留ガスを除去した後、バルブ324を開き、ガス供給管320内に、処理ガスとしてH2Oガスを流す。H2Oガスは、MFC322により流量調整され、ノズル420のガス供給孔420aから処理室201内に供給され、排気管231から排気される。このときウエハ200に対して、H2Oガスが供給される。これと並行してバルブ524を開き、ガス供給管520内にN2ガスを流す。ガス供給管520内を流れたN2ガスは、MFC522により流量調整される。N2ガスはH2Oガスと一緒に処理室201内に供給され、排気管231から排気される。このとき、ノズル410,430内へのH2Oガスの侵入を防止するために、バルブ514,534を開き、ガス供給管510,530内にN2ガスを流す。N2ガスは、ガス供給管310,330、ノズル410,430を介して処理室201内に供給され、排気管231から排気される。

0081

このときAPCバルブ243を調整して、処理室201内の圧力を、例えば100〜1000Paの範囲内の圧力とする。MFC322で制御するH2Oガスの供給流量は、例えば10〜500sccmの範囲内の流量とする。MFC512,522で制御するN2ガスの供給流量は、それぞれ例えば10〜1000sccmの範囲内の流量とする。H2Oガスをウエハ200に対して供給する時間は、例えば5〜1000秒の範囲内の時間とする。このときヒータ207の温度は、ウエハ200の温度が、例えば200〜400℃の範囲内の温度となるような温度に設定する。

0082

このとき処理室201内に流しているガスは、H2OガスとN2ガスである。H2Oガスは、ハロゲン終端工程において下地膜表面をハロゲン終端したハロゲン成分を脱離して、空いた結合手にOH基を結合させて、ウエハ200表面をOH終端化する。

0083

このようなOH終端が形成される様子を図14に示す。図14(A)は、H2Oガスが供給された直後のウエハ200表面の状態を示すモデル図であり、図14(B)は、H2Oガスによる暴露後のウエハ200表面の様子を示すモデル図である。

0084

そして、H2Oガスの供給を開始してから所定時間経過後に、ガス供給管320のバルブ324を閉じて、H2Oガスの供給を停止する。

0085

図14(B)を参照すると、H2Oガスによる暴露後のウエハ200表面では、シリコン酸化膜表面がOH基により終端されOH終端化されているのが分かる。

0086

A−4:[第2のパージ工程]
(残留ガス除去)
次に、H2Oガスの供給が停止されると、上述した第1のパージ工程と同様の処理手順により、処理室201内のガスを排気するパージ処理が行われる。このとき排気管231のAPCバルブ243は開いたままとして、真空ポンプ246により処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留する未反応のH2Oガスもしくはハロゲン終端されたシリコン酸化膜をOH終端することにより発生したHFガスを処理室201内から排除する。また、このときバルブ514,524は開いたままとして、N2ガスの処理室201内への供給を維持する。N2ガスはパージガスとして作用し、処理室201内に残留する各種ガスを処理室201内から排除する効果を高めることができる。

0087

(所定回数実施)
上記したOH終端工程、第2のパージ工程を順に行うサイクルを1回以上(所定回数(m回))行うことにより、ハロゲン終端化されたウエハ200表面をOH終端化する処理を行う。

0088

なお、上述したOH終端を形成する工程では、H2Oガスの供給と排気とが交互に行われる。H2Oガスとハロゲン終端とが反応すると、プラス帯電された水素と、マイナスに帯電されたフッ素とがシリコン酸化膜表面に発生するが、分離された水素はシリコン酸化膜表面のフッ素と結合しようとする。そして、分離された水素がシリコン酸化膜表面のフッ素と結合してしまうと、OH基とシリコン酸化膜のSiとの結合を邪魔してしまう。そのため、プラスに帯電された水素や、マイナスに帯電されたフッ素を排気することによりこのような弊害の発生を防ぎ、連続的なOH終端が形成されるようにする。

0089

なお、ハロゲン終端工程とOH終端工程との間には、上述した第1のパージ工程があることにより、ハロゲン終端を形成する工程とOH終端化する工程との間には、ウエハ200が収容された処理室201の雰囲気を排気する工程が存在していることになる。ハロゲン含有ガスであるWF6とOH含有ガスであるH2Oガスとが同時に処理室201内に存在すると、これらのガスどうしが処理室201内で反応して、その反応により生成された副生成物がウエハ200上に滞留し、H2Oガスがウエハ200に到達することを邪魔してしまう。また、ウエハ200上に副生成物が付着すると、その副生成物が目的の膜と異なる成分の場合には、生成する膜にとっては不純物となる。そのため、ハロゲン終端を形成する工程とOH終端化する工程との間に排気工程を設けることにより、生成された副生成物を排気して、このような弊害の発生が防がれる。

0090

また、ハロゲン含有ガスとOH含有ガスとの反応によってHFガスが発生した場合、このHFガスにより排気管を腐食させてしまうことになる。そのため、ハロゲン終端を形成する工程とOH終端化する工程との間に排気工程を設け、生成された副生成物を排気する。副生成物を排気することで、それによる弊害の発生が防がれる。

0091

B.成膜処理工程
次に、フッ酸処理工程によりシリコン酸化膜の表面がOH終端化されたウエハ200上に窒化チタン(TiN)膜を生成する。

0092

B−1:[第1の工程]
(TiCl4ガス供給)
バルブ314を開き、ガス供給管310内に原料ガスであるTiCl4ガスを流す。TiCl4ガスは、MFC312により流量調整され、ノズル410のガス供給孔410aから処理室201内に供給され、排気管231から排気される。このとき、ウエハ200に対してTiCl4ガスが供給される。これと並行してバルブ514を開き、ガス供給管510内にN2ガス等の不活性ガスを流す。ガス供給管510内を流れたN2ガスは、MFC512により流量調整され、TiCl4ガスと一緒に処理室201内に供給され、排気管231から排気される。このとき、ノズル420,430内へのTiCl4ガスの侵入を防止するために、バルブ524,534を開き、ガス供給管520,530内にN2ガスを流す。N2ガスは、ガス供給管320,330、ノズル420,430を介して処理室201内に供給され、排気管231から排気される。

0093

このときAPCバルブ243を調整して、処理室201内の圧力を、例えば10〜1000Paの範囲内の圧力、例えば50Paとする。MFC312で制御するTiCl4ガスの供給流量は、例えば0.01〜1slmの範囲内の流量とする。MFC512,522,532で制御するN2ガスの供給流量は、それぞれ例えば0.1〜2slmの範囲内の流量とする。TiCl4ガスをウエハ200に対して供給する時間は、例えば0.1〜60秒の範囲内の時間とする。このときヒータ207の温度は、ウエハ200の温度が、例えば200〜600℃の範囲内の温度、例えば250℃となるような温度に設定する。

0094

このとき処理室201内に流しているガスはTiCl4ガスとN2ガスのみである。TiCl4ガスの供給により、ウエハ200(表面の下地膜)上にTi含有層が形成される。Ti含有層は、Clを含むTi層であってもよいし、TiCl4の吸着層であってもよいし、それらの両方を含んでいてもよい。

0095

B−2:[第2の工程]
(残留ガス除去)
Ti含有層を形成した後、バルブ314を閉じて、TiCl4ガスの供給を停止する。
そして、処理室201内に残留する未反応もしくはTi含有層の形成に寄与した後のTiCl4ガスや反応副生成物を処理室201内から排除する。

0096

B−3:[第3の工程]
NH3ガス供給)
処理室201内の残留ガスを除去した後、バルブ334を開き、ガス供給管330内に、反応ガスとしてNH3ガスを流す。NH3ガスは、MFC332により流量調整され、ノズル430のガス供給孔430aから処理室201内に供給され、排気管231から排気される。このときウエハ200に対して、NH3ガスが供給される。これと並行してバルブ534を開き、ガス供給管530内にN2ガスを流す。ガス供給管530内を流れたN2ガスは、MFC532により流量調整される。N2ガスはNH3ガスと一緒に処理室201内に供給され、排気管231から排気される。このとき、ノズル410,420内へのNH3ガスの侵入を防止するために、バルブ514,524を開き、ガス供給管510,520内にN2ガスを流す。N2ガスは、ガス供給管310,320、ノズル410,420を介して処理室201内に供給され、排気管231から排気される。

0097

このときAPCバルブ243を調整して、処理室201内の圧力を、例えば10〜2000Paの範囲内の圧力、例えば50Paとする。MFC332で制御するNH3ガスの供給流量は、例えば0.1〜10slmの範囲内の流量とする。MFC512,522,532で制御するN2ガスの供給流量は、それぞれ例えば0.1〜10slmの範囲内の流量とする。NH3ガスをウエハ200に対して供給する時間は、例えば10〜200秒の範囲内の時間とする。このときのヒータ207の温度は、TiCl4ガス供給ステップと同様の温度に設定する。

0098

このとき処理室201内に流しているガスは、NH3ガスとN2ガスのみである。NH3ガスは、第1の工程でウエハ200上に形成されたTi含有層の少なくとも一部と置換反応する。置換反応の際には、Ti含有層に含まれるTiとNH3ガスに含まれるNとが結合して、ウエハ200上にTiとNとを含むTiN層が形成される。

0099

B−2:[第4の工程]
(残留ガス除去)
TiN層を形成した後、バルブ334を閉じて、NH3ガスの供給を停止する。
そして、上述した第2の工程と同様の処理手順により、処理室201内に残留する未反応もしくはTiN層の形成に寄与した後のNH3ガスや反応副生成物を処理室201内から排除する。

0100

(所定回数実施)
上記した第1の工程〜第4の工程を順に行うサイクルを1回以上(所定回数(n回))行うことにより、ウエハ200上に、所定の厚さ(例えば0.5〜5.0nm)のTiN層を形成する。上述のサイクルは、複数回繰り返すのが好ましい。

0101

アフターパージおよび大気圧復帰
ガス供給管510,520,530のそれぞれからN2ガスを処理室201内へ供給し、排気管231から排気する。N2ガスはパージガスとして作用し、これにより処理室201内が不活性ガスでパージされ、処理室201内に残留するガスや副生成物が処理室201内から除去される(アフターパージ)。その後、処理室201内の雰囲気が不活性ガスに置換され(不活性ガス置換)、処理室201内の圧力が常圧に復帰される(大気圧復帰)。

0102

(ウエハ搬出)
その後、ボートエレベータ115によりシールキャップ219が下降されて、反応管203の下端が開口される。そして、処理済ウエハ200がボート217に支持された状態で反応管203の下端から反応管203の外部に搬出(ボートアンロード)される。その後、処理済のウエハ200は、ボート217より取り出される(ウエハディスチャージ)。

0103

(4)本発明の一実施形態による効果
本実施形態では、先ずWF6ガスにより下地膜表面をハロゲン終端して、その後に水蒸気(H2O)により下地膜表面をOH終端化している。その理由は、H2O単体では下地膜表面の結合を切断する力が弱いため下地膜表面とH2Oが反応してOH終端とする活性化エネルギーが高く、充分な密度のOH終端を形成することができないからである。そのため、先ず下地膜表面の結合を切断する力が強いWF6ガスにより下地膜表面をハロゲン終端としている。そして、ハロゲン終端とH2Oとが反応してOH終端に置き替わる反応は活性化エネルギーが低く、容易にOH終端に置き替えることができる。

0104

その結果、本実施形態によれば、薄膜を形成する前の下地膜表面をOH終端化して数密度の高い吸着サイトが生成される。そのため、本実施形態によれば、均一性の高い薄膜を有する半導体装置を形成可能な技術を提供することができる。

0105

(5)実験
次に、上記で説明したOH終端が形成されたシリコン酸化膜上に窒化チタン(TiN)膜を形成した場合と、OH終端が形成されていないシリコン酸化膜上に窒化チタン膜を形成した場合とで、生成されるTiN膜にどのような差があるかについて説明する。なお、OH終端は800℃アニール処理により除去されることが知られている。そのため、フッ酸処理後に800℃アニール処理を行ったウエハをOH終端が形成されていないウエハとして比較を行う。

0106

なお、フッ酸処理後には下地膜であるシリコン酸化膜表面は、図8(A)に示したように、吸着サイトとなるOH基に覆われているが、800℃アニール処理を行った後は、図8(B)に示すように、OH基はほとんど存在せずに吸着サイトとなるのは部分的に存在する欠陥部位(ダングリングボンド)であると考えられる。

0107

このようなフッ酸処理後のシリコン酸化膜と、フッ酸処理後にさらに800℃アニール処理を行った後のシリコン酸化膜にTiN膜を形成した結果を説明する。なお、本実験例では、上記の実施形態において説明したようにTi原料としてTiCl4、N原料としてNH3を用いて、温度250℃、圧力50Paで膜厚2nm程度のTiN膜の成膜処理を行った。

0108

図15は、800℃アニール処理を行った後にTiN膜を形成した場合の結果、つまり吸着サイトの数密度が低い下地膜上にTiN膜を形成した場合のTiN膜成膜後の熱酸化膜表面のSEM(Scanning Electron Microscope:走査電子顕微鏡)画像を示す。図15に示したSEM画像では、吸着サイトとなるOH基の数密度が低い状態で窒化チタン膜の形成処理が行われているため、不連続な膜となっているのが分かる。

0109

次に、図16にフッ酸処理後に成膜したTiN膜の抵抗率と、800℃アニール処理後に成膜したTiN膜の抵抗率を示す。フッ酸処理後のOH基で覆われた表面に成膜したTiN膜より、800℃アニール処理後のOH基が除去された表面に成膜したTiN膜の方が、抵抗率が高くなっている。800℃アニール処理後のOH基が除去された表面に成膜したTiN膜では膜が不連続になっているため抵抗率が高くなると考えられる。以上の結果から下地膜表面のOH終端化を行うことにより均一で連続的な薄膜を得ることができることが分かる。

0110

[変形例]
なお、上記実施形態では、ハロゲン含有ガスとして、六フッ化タングステン(WF6)ガスを用いる場合について説明したが、本発明はこのような場合に限定されるものではない。ハロゲン含有ガスとして、三フッ化塩素(ClF3)ガス、三フッ化窒素(NF3)ガス、フッ化水素(HF)ガス、フッ素(F2)ガス等の他のガスを用いる場合でも同様に本発明を適用可能である。

0111

同様に、上記実施形態では、酸素成分及び水素成分を含むOH含有ガスとして、水蒸気(H2O)ガスを用いる場合について説明したが、本発明はこのような場合に限定されるものではない。OH含有ガスとして、過酸化水素(H2O2)ガス等の他のガスを用いる場合でも同様に本発明を適用可能である。

0112

また、上記実施形態では、下地膜としてシリコン酸化膜(SiO2)の表面をOH終端化する場合を用いて説明したが、本発明はこのような場合に限定されるものではない。例えば、シリコン膜(Si)、シリコン窒化膜(SiN)、酸化アルミニウム膜(AlO)、酸化ハフニウム膜(HfO)、酸化ジルコニウム膜(ZrO)等の下地膜の表面をOH終端化する場合でも同様に本発明を適用することができるものである。

0113

以上、本発明の種々の典型的な実施形態を説明してきたが、本発明はそれらの実施形態に限定されず、適宜組み合わせて用いることもできる。

0114

10基板処理装置
121コントローラ
200ウエハ(基板)
201 処理室

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