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技術 ポリアミド組成物

出願人 ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー
発明者 マティアス・ビーンミュラーヨッヘン・エントナー
出願日 2019年3月25日 (1年11ヶ月経過) 出願番号 2019-056518
公開日 2019年10月10日 (1年4ヶ月経過) 公開番号 2019-172991
状態 拒絶査定
技術分野 高分子組成物
主要キーワード 行程範囲 半完成製品 中央繊維 性能プロファイル 鉛クリスタルガラス 一次製品 エンドレス繊維 マトリックスプラスチック
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課題

特に電気自動車のためのバッテリーシステムの分野で必要とされる、高い安定性及び高温多湿気候条件下であってさえも低い表面変化傾向を示し、ホウ酸亜鉛を使用する必要がない、極めて高い曲げ強度を有するハロゲンフリーの難燃化ポリアミド組成物の提供。

解決手段

炭素繊維、少なくとも1種のホスホン酸アルミニウム塩、並びに1種又は複数の有機ホスフィン酸の塩及び/又は1種または複数のジホスフィン酸の塩を含む、ポリアミド6及び/又はポリアミド66をベースとする組成物

概要

背景

ポリアミドは、それらの良好な機械的安定性、それらの耐化学薬品性、良好な加工性のために、特に自動車のための構成部品の分野においては、重要な熱可塑性プラスチック材料である。そのような理由で、ガラス繊維強化ポリアミドは、要求の厳しい自動車用途において、長年にわたって、重要な構成要素であり続けてきた。内燃エンジンが、駆動要素として長年圧倒的に使用されてきたものの、それに代わる駆動要素のための検討の過程で、材料選択に関して、新しい要求が生じてきた。そこで大きな役割を受け持つのが、電気自動車であり、そこでは内燃エンジンが、1基または複数の電気モーターにより、部分的(ハイブリッド自動車)または全面的(電気自動車)にとって代わられるが、それらのモーターは典型的には、バッテリーから電気エネルギーを得ている。バッテリーの1回の充電で到達可能な距離にもよるが、バッテリーシステムが、その車両の全重量のかなりの割合を占める。したがって、(非特許文献1)によれば、約150kmの行程範囲小型電気自動車でも既に、約200kgの質量を有する蓄電池を必要とする。このためには、一方では、車両にそのような質量を安全に搭載するための新規な技術と材料の考え方が必要であり、他方では、バッテリーによって増える質量を少なくとも部分的には相殺し、それと共にその車両のエネルギー消費量を削減する目的で、より密度の低い材料により大きな注目が集まる。バッテリーシステムおよび/または電力伝達装置においては高電圧、高電流であるために、特に故障の際には、温度の急上昇スパーク、または電弧など、さらなる危険性が存在し、そのことによって、そのような車両の構成部品の火災安全性についてはさらに高い要求性能が加えられる。内燃エンジンを有する自動車で確立された、最初に述べたようなガラス繊維強化ポリアミドが、この追加の要求性能である極めて高い剛性と組み合わさった極めて高い強度および低密度および難燃性を考慮に入れると、それらの限界に達したという、総合的な結論がもたらされた。このことは、自動車産業において典型的なさらなる要求性能、特に、温度変化や、高温多湿気候条件に対する抵抗性も含めると、なお一層あてはまる

ポリアミド6(PA6)およびポリアミド66(PA66)中で炭素繊維を使用することは、文献からも公知である。(非特許文献2)。しかし、当業者は、この文献中には、高くなった難燃性の具体的な要求を解決するための技術的手段に関して何の教示も見出せないであろう。しかし、たとえば鉱物質繊維またはガラス繊維とは異なり、炭素繊維は、それらが炭素を含んでいるために、燃焼の際に熱の追加量に寄与するので(炭素の発熱量を文献(非特許文献3)から引用すると32.8MJ/kgである)、自動車製造において使用するためには、炭素繊維強化PA6およびPA66製品の難燃性が極めて重要である。

難燃性ポリアミドを改良するためには、多くの場合、難燃剤を用いて変性する。近年では、それらのために好適に使用されていたハロゲン化難燃剤が、世の中の関心の高まりを踏まえた技術的理由のために、ハロゲンフリー代替え物にますます置きかえられつつあるが、そのようなものとしては、たとえば以下のものが挙げられる:有機リン化合物ベースとするもの、たとえば、(特許文献1)に記載の、有機的に置換されたホスフィン酸金属塩、または(特許文献2)に記載の、難燃剤と亜リン酸アルミニウムとの混合物。有機的に置換されたホスフィン酸の金属塩は、一般的には、たとえば窒素含有難燃剤をベースとする難燃性相乗剤との組合せ、またはその他の助剤たとえば金属のホウ酸塩、特に(特許文献3)に記載のホウ酸亜鉛との組合せ、または、(特許文献4)に記載のメラミン縮合反応生成物またはメラミン−リン酸反応生成物との組合せで使用される。

(特許文献5)には、補強材(なかんずく、炭素繊維を含む)、有機的に置換されたホスフィン酸の金属塩、少なくとも1種の、ホスホン酸アルミニウム塩、および少なくとも1種の多価アルコール(たとえば、ジペンタエリスリトール)を含む、熱安定化されたポリアミド組成物が教示されており、そこでは、理想的にはホウ酸亜鉛を回避することができるが、しかし、炭素繊維強化ポリアミドでの難燃性に関わる、起こりうる、より具体的な問題についての詳しい説明はない。(特許文献5)にはさらに、温度変化や、高温多湿な気候条件下での、そこに記載された組成物挙動や安定性についても何の指摘も与えられていない。

概要

特に電気自動車のためのバッテリーシステムの分野で必要とされる、高い安定性及び高温多湿な気候条件下であってさえも低い表面変化傾向を示し、ホウ酸亜鉛を使用する必要がない、極めて高い曲げ強度を有するハロゲンフリーの難燃化ポリアミド組成物の提供。炭素繊維、少なくとも1種のホスホン酸のアルミニウム塩、並びに1種又は複数の有機ホスフィン酸の塩及び/又は1種または複数のジホスフィン酸の塩を含む、ポリアミド6及び/又はポリアミド66をベースとする組成物。なし

目的

本発明が取り組む課題は、高い安定性および高温多湿な気候条件下であってさえも低い表面変化傾向を示し、そのため、理想的なことには、ホウ酸亜鉛を使用する必要がない、極めて高い曲げ強度を有するハロゲンフリーの難燃化ポリアミド組成物を提供する

効果

実績

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請求項1

A)それぞれの場合において、80〜180ml/gの範囲の、ISO307に従って96重量%硫酸中の0.5重量%溶液を用いて25℃で測定可能粘度数を有する、ポリアミド6および/またはポリアミド66、B)炭素繊維、C)少なくとも1種の、ホスホン酸アルミニウム塩、D)1種または複数の式(I)の有機ホスフィン酸の塩、および/または1種または複数の式(II)のジホスフィン酸の塩、および/またはそれらのポリマー[式中、R1、R2は、同一であるかまたは異なっていて、直鎖状もしくは分岐状のC1〜C6−アルキルおよび/またはC6〜C14−アリールを表し、R3は、直鎖状もしくは分岐状のC1〜C10−アルキレン、C6〜C10−アリーレン、またはC1〜C6−アルキル−C6〜C10−アリーレン、またはC6〜C10−アリール−C1〜C6−アルキレンを表し、Mは、アルミニウム亜鉛、またはチタンを表し、mは、1〜4の整数を表し;nは、1〜3の整数を表し、xは、1および2を表し、ここで、式(II)におけるn、xおよびmは同時には、式(II)のジホスフィン酸の塩が全体として電荷を持たなくなるような整数値のみを取ることができる]を含む、組成物

請求項2

A)ポリアミド6(80〜180ml/gの範囲の、ISO307に従って96重量%硫酸中の0.5重量%溶液を用いて25℃で測定可能な粘度数を有する)、B)炭素繊維、C)ホスホン酸アルミニウム(式Al2(HPO3)3・(H2O)q、ここでqは、0〜4の範囲である)、およびD)トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、(ここで、成分B)の長さの測定は、USB顕微鏡較正機能付き)を使用して実施される)を含む、請求項1に記載の組成物。

請求項3

A)ポリアミド66(80〜180ml/gの範囲の、ISO307に従って96重量%硫酸中の0.5重量%溶液を用いて25℃で測定可能な粘度数を有する)、B)炭素繊維(好ましくは4〜7mmの範囲の平均長さを有する)、C)ホスホン酸アルミニウム(式Al2(HPO3)3・(H2O)q、ここでqは、0〜4の範囲である)、およびD)トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、(ここで、成分B)の長さの測定は、USB顕微鏡(較正機能付き)を使用して実施される)を含む、請求項1に記載の組成物。

請求項4

成分B)が、4〜7mmの範囲の平均長さを有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。

請求項5

成分A)の100質量部あたり、2〜120質量部の成分B)、3〜30質量部の成分C)、および8〜80質量部の成分D)が採用される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。

請求項6

成分A)、B)、C)およびD)に加えて、さらにE)少なくとも1種の、立体障害フェノールの群からの熱安定剤が存在する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。

請求項7

成分E)が、100質量部の成分A)を規準にして、0.02〜4質量部の量で存在する、請求項6に記載の組成物。

請求項8

成分E)が、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサンジオールビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネートペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド、およびトリエチレングリコールビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、の群からの少なくとも1種の熱安定剤である、請求項6または7に記載の組成物。

請求項9

成分E)として、N,N’−ヘキサメチレンビス−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミドが適用される、請求項8に記載の組成物。

請求項10

成分A)〜E)に加えて、あるいは成分E)に代えて、さらにF)ガラス繊維が存在する、請求項6〜8のいずれか1項に記載の組成物。

請求項11

成分F)が、100質量部の成分A)を規準にして、10〜150質量部の量で存在する、請求項10に記載の組成物。

請求項12

成分A)〜F)に加えて、あるいは成分E)および/またはF)に代えて、さらにG)少なくとも1種の、成分B)およびF)とは異なる、充填剤または補強材が存在する、請求項6〜11のいずれか1項に記載の組成物。

請求項13

成分G)が、100質量部の成分A)を規準にして、1〜150質量部の量で存在する、請求項12に記載の組成物。

請求項14

成分A)〜G)に加えて、あるいは成分E)および/またはF)および/またはG)に代えて、さらにH)少なくとも1種の、成分B)〜G)とは異なる、さらなる添加剤が存在する、請求項6〜13のいずれか1項に記載の組成物。

請求項15

成分H)が、100質量部の成分A)を規準にして、0.01〜80質量部の量で存在する、請求項14に記載の組成物。

請求項16

成分H)が、半芳香族ポリアミドおよび/またはポリアルキレンテレフタレートである、請求項15に記載の組成物。

請求項17

前記半芳香族ポリアミドおよび/またはポリアルキレンテレフタレートが、100質量部の成分A)を規準にして、1〜50質量部の量で存在する、請求項16に記載の組成物。

請求項18

請求項1〜17のいずれか1項に記載の組成物をベースとする製品、好ましくはバッテリーシステム構成要素。

請求項19

製品を製造するためのプロセスであって、請求項1〜17のいずれか1項に記載の組成物を、射出成形ガスインジェクション技術、水インジェクション技術、およびプロジェクタイルインジェクション技術の特化されたプロセスを含む)、押出し成形プロセス(異形押出し成形を含む)、またはブロー成形において使用する、プロセス。

請求項20

請求項1〜17のいずれか1項に記載の組成物の使用であって、製品、好ましくは電気駆動の車両の電力伝達装置および/またはバッテリーシステムにおいて使用するための製品を製造するための、射出成形(ガスインジェクション技術、水インジェクション技術、およびプロジェクタイルインジェクション技術の特化されたプロセスを含む)、押出し成形プロセス(異形押出し成形を含む)、またはブロー成形における成形材料としての、使用。

技術分野

0001

本発明は、炭素繊維、少なくとも1種の、ホスホン酸アルミニウム塩、ならびに1種または複数の有機ホスフィン酸の塩および/または1種または複数のジホスフィン酸の塩を含む、ポリアミド6および/またはポリアミド66をベースとする組成物に関する。

背景技術

0002

ポリアミドは、それらの良好な機械的安定性、それらの耐化学薬品性、良好な加工性のために、特に自動車のための構成部品の分野においては、重要な熱可塑性プラスチック材料である。そのような理由で、ガラス繊維強化ポリアミドは、要求の厳しい自動車用途において、長年にわたって、重要な構成要素であり続けてきた。内燃エンジンが、駆動要素として長年圧倒的に使用されてきたものの、それに代わる駆動要素のための検討の過程で、材料選択に関して、新しい要求が生じてきた。そこで大きな役割を受け持つのが、電気自動車であり、そこでは内燃エンジンが、1基または複数の電気モーターにより、部分的(ハイブリッド自動車)または全面的(電気自動車)にとって代わられるが、それらのモーターは典型的には、バッテリーから電気エネルギーを得ている。バッテリーの1回の充電で到達可能な距離にもよるが、バッテリーシステムが、その車両の全重量のかなりの割合を占める。したがって、(非特許文献1)によれば、約150kmの行程範囲小型電気自動車でも既に、約200kgの質量を有する蓄電池を必要とする。このためには、一方では、車両にそのような質量を安全に搭載するための新規な技術と材料の考え方が必要であり、他方では、バッテリーによって増える質量を少なくとも部分的には相殺し、それと共にその車両のエネルギー消費量を削減する目的で、より密度の低い材料により大きな注目が集まる。バッテリーシステムおよび/または電力伝達装置においては高電圧、高電流であるために、特に故障の際には、温度の急上昇スパーク、または電弧など、さらなる危険性が存在し、そのことによって、そのような車両の構成部品の火災安全性についてはさらに高い要求性能が加えられる。内燃エンジンを有する自動車で確立された、最初に述べたようなガラス繊維強化ポリアミドが、この追加の要求性能である極めて高い剛性と組み合わさった極めて高い強度および低密度および難燃性を考慮に入れると、それらの限界に達したという、総合的な結論がもたらされた。このことは、自動車産業において典型的なさらなる要求性能、特に、温度変化や、高温多湿気候条件に対する抵抗性も含めると、なお一層あてはまる

0003

ポリアミド6(PA6)およびポリアミド66(PA66)中で炭素繊維を使用することは、文献からも公知である。(非特許文献2)。しかし、当業者は、この文献中には、高くなった難燃性の具体的な要求を解決するための技術的手段に関して何の教示も見出せないであろう。しかし、たとえば鉱物質繊維またはガラス繊維とは異なり、炭素繊維は、それらが炭素を含んでいるために、燃焼の際に熱の追加量に寄与するので(炭素の発熱量を文献(非特許文献3)から引用すると32.8MJ/kgである)、自動車製造において使用するためには、炭素繊維強化PA6およびPA66製品の難燃性が極めて重要である。

0004

難燃性ポリアミドを改良するためには、多くの場合、難燃剤を用いて変性する。近年では、それらのために好適に使用されていたハロゲン化難燃剤が、世の中の関心の高まりを踏まえた技術的理由のために、ハロゲンフリー代替え物にますます置きかえられつつあるが、そのようなものとしては、たとえば以下のものが挙げられる:有機リン化合物をベースとするもの、たとえば、(特許文献1)に記載の、有機的に置換されたホスフィン酸金属塩、または(特許文献2)に記載の、難燃剤と亜リン酸アルミニウムとの混合物。有機的に置換されたホスフィン酸の金属塩は、一般的には、たとえば窒素含有難燃剤をベースとする難燃性相乗剤との組合せ、またはその他の助剤たとえば金属のホウ酸塩、特に(特許文献3)に記載のホウ酸亜鉛との組合せ、または、(特許文献4)に記載のメラミン縮合反応生成物またはメラミン−リン酸反応生成物との組合せで使用される。

0005

(特許文献5)には、補強材(なかんずく、炭素繊維を含む)、有機的に置換されたホスフィン酸の金属塩、少なくとも1種の、ホスホン酸のアルミニウム塩、および少なくとも1種の多価アルコール(たとえば、ジペンタエリスリトール)を含む、熱安定化されたポリアミド組成物が教示されており、そこでは、理想的にはホウ酸亜鉛を回避することができるが、しかし、炭素繊維強化ポリアミドでの難燃性に関わる、起こりうる、より具体的な問題についての詳しい説明はない。(特許文献5)にはさらに、温度変化や、高温多湿な気候条件下での、そこに記載された組成物の挙動や安定性についても何の指摘も与えられていない。

0006

欧州特許出願公開第0 792 912A2号明細書
国際公開第2013/083247A1号パンフレット
国際公開第2006/029711A1号パンフレット
米国特許出願公開第2007/173573A1号明細書
欧州特許出願公開第3 034 553A1号明細書

先行技術

0007

https://de.wikipedia.org/wiki/Elektroauto
Becker,G.,Braun,D.(ed.)(1998)Plastics Handbook,3.,Engineering Thermoplastics;4.,Polyamides(Munich;Vienna;Hanser),revised edition,p.106
https://de.wikipedia.org/wiki/Heizwert

発明が解決しようとする課題

0008

したがって、特にバッテリーシステムの分野における、電気自動車のための用途および製品を特に視野に入れた、本発明が取り組む課題は、高い安定性および高温多湿な気候条件下であってさえも低い表面変化傾向を示し、そのため、理想的なことには、ホウ酸亜鉛を使用する必要がない、極めて高い曲げ強度を有するハロゲンフリーの難燃化ポリアミド組成物を提供することであった。

課題を解決するための手段

0009

驚くべきことには、炭素繊維含有PA6またはPA66、および少なくとも1種の、ホスホン酸のアルミニウム塩、およびさらに少なくとも1種の有機のホスフィン酸の金属塩をベースとする組成物、ならびにそれから製造することが可能な製品が、顕著に改良された曲げ強度および高温多湿な気候条件下での低い表面変化傾向を示し、しかもUL94試験における難燃性が損なわれることがなく、またホウ酸亜鉛を使用する必要もないということが今や見出された。

0010

本明細書において高温多湿な気候条件下での表面変化の尺度として使用するのは、元々ブラックな表面の、温度85℃、相対湿度85%で14日保存した後での変色であって、その変色は、ISO 105−A02に従ったグレースケールに従って評価する(参照:hhtps://www.carl−von−gehlen.de/graumassstaebe.html)。

0011

本発明は、以下のものを含む組成物を提供する:
A)それぞれの場合において、80〜180ml/gの範囲の、ISO 307に従って96重量%硫酸中の0.5重量%溶液を用いて25℃で測定可能粘度数を有する、ポリアミド6および/またはポリアミド66、
B)炭素繊維、
C)少なくとも1種の、ホスホン酸のアルミニウム塩、および
D)1種または複数の、式(I)の有機ホスフィン酸の塩、および/または1種または複数の、式(II)のジホスフィン酸の塩、



[式中、
R1、R2は、同一であるかまたは異なっていて、直鎖状もしくは分岐状のC1〜C6−アルキルおよび/またはC6〜C14−アリールを表し、
R3は、直鎖状もしくは分岐状のC1〜C10−アルキレン、C6〜C10−アリーレン、またはC1〜C6−アルキル−C6〜C10−アリーレン、またはC6〜C10−アリール−C1〜C6−アルキレンを表し、
Mは、アルミニウム亜鉛、またはチタンを表し、
mは、1〜4の整数を表し;
nは、1〜3の整数を表し、そして
xは、1および2を表すが、
ここで、式(II)におけるn、xおよびmは同時には、式(II)のジホスフィン酸の塩が全体として電荷を持たなくなるような整数値のみを取ることができる]および/またはそれらのポリマー

0012

しかし、本発明はさらに、以下のものを含む組成物をベースとする、製品、好ましくはバッテリーシステムの構成部品に関する:
A)それぞれの場合において、80〜180ml/gの範囲の、ISO 307に従って96重量%硫酸中の0.5重量%溶液を用いて25℃で測定可能な粘度数を有する、ポリアミド6および/またはポリアミド66、
B)炭素繊維、
C)少なくとも1種の、ホスホン酸のアルミニウム塩、および
D)1種または複数の、式(I)の有機ホスフィン酸の塩、および/または1種または複数の、式(II)のジホスフィン酸の塩、



[式中、
R1、R2は、同一であるかまたは異なっていて、直鎖状もしくは分岐状のC1〜C6−アルキルおよび/またはC6〜C14−アリールを表し、
R3は、直鎖状もしくは分岐状のC1〜C10−アルキレン、C6〜C10−アリーレン、またはC1〜C6−アルキル−C6〜C10−アリーレン、またはC6〜C10−アリール−C1〜C6−アルキレンを表し、
Mは、アルミニウム、亜鉛、またはチタンを表し、
mは、1〜4の整数を表し;
nは、1〜3の整数を表し、そして
xは、1および2を表すが、
ここで、式(II)におけるn、xおよびmは同時には、式(II)のジホスフィン酸の塩が全体として電荷を持たなくなるような整数値のみを取ることができる]および/またはそれらのポリマー。

0013

好ましい製品は、電力伝達装置および/または電気駆動を有する車両(ハイブリッド自動車または電気自動車)のバッテリーシステム、特に好ましくはバッテリーシステム分野において使用するためのものである。本発明の文脈において特に好ましいバッテリーシステム構成要素は、バッテリーシステムまたはバッテリーシステムの個々の構成要素、好ましくは電池モジュール冷却装置、またはバッテリー管理システム支持具、固定手段、および架台である。

0014

誤解がないように付言すれば、本発明の範囲には、以下において、「一般的な条項として」、または「好ましい範囲として」特定される定義およびパラメーターのすべてが、各種所望の組合せで包含されるということに注意されたい。引用した各種の標準は、本出願の出願日に施行されている版を意味すると考えられたい。

0015

さらなる用途のための本発明による組成物の調製は、少なくとも1種の混合装置の中で、反応剤として使用される成分A)〜D)を混合することにより実施される。このことによって、中間体としての、本発明による組成物をベースとする成形材料が得られる。それらの成形材料は、もっぱら成分A)〜D)のみで構成されていてもよいし、あるいは、成分A)〜D)に加えてさらなる成分を含んでいてもよい。

0016

曲げ強度の測定については、C.Jaroschek,Zeitschrift Kunststofftechnik,8(2012)5、516〜524を参照されたいが、それは、本発明の文脈においては、射出成形した直後の、80mm×10mm×4mmの寸法を有する試験片について、ISO 178−Aに従って求めるが、ここで本発明の文脈においては、曲げモジュラスを、曲げ強度の尺度として使用する。

0017

本発明の文脈においては、特に式(I)および(II)においては、「アルキル」という用語は、直鎖または分岐状の飽和炭化水素基を意味していると理解されたい。たとえば1〜4個の炭素原子を有するアルキル基またはポリアルキレン基が使用される場合には、これを「低級アルキル基」と呼ぶことができ、好ましくは、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル、特にn−プロピルおよびイソプロピルブチル、特にn−ブチルイソブチル、sec−ブチル、またはtert−ブチルを含むことができる。

0018

アリール基」(略称Arまたはアリール)は、芳香族骨格を有する有機化学基である。「アリール」は、芳香族炭化水素から、環に結合されている1個の水素原子を除去することにより誘導される、単一の原子基(single atom radical)のための一般的な用語である。本発明において好ましいアリール基は、ベンゼン(C6H6)から誘導される。特に好ましいアリール基は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、9−アントリル、および9−フェナントリルである。極めて特に好ましいのは、フェニル(Ph)すなわち(−C6H5)である。

0019

本出願の文脈において引用されている標準は、本発明の出願日における最新の版を指している。

0020

好ましい実施形態においては、本発明は、以下のものを含む組成物をベースとする組成物/製品に関する:
A)それぞれの場合において、80〜180ml/gの範囲の、ISO 307に従って96重量%硫酸中の0.5重量%溶液を用いて25℃で測定可能な粘度数を有する、ポリアミド6および/またはポリアミド66の100質量部あたり、
B)2〜120質量部、好ましくは9〜90質量部、特には12〜70質量部の、炭素繊維、
C)3〜30質量部、好ましくは5〜20質量部、特に好ましくは7〜15質量部の、少なくとも1種の、ホスホン酸のアルミニウム塩、および
D)8〜80質量部、好ましくは10〜55質量部、特に好ましくは8〜45質量部の、1種または複数の式(I)の有機ホスフィン酸の塩および/または1種または複数の式(II)のジホスフィン酸の塩、



[式中、
R1、R2は、同一であるかまたは異なっていて、直鎖状もしくは分岐状のC1〜C6−アルキルおよび/またはC6〜C14−アリールを表し、
R3は、直鎖状もしくは分岐状のC1〜C10−アルキレン、C6〜C10−アリーレン、またはC1〜C6−アルキル−C6〜C10−アリーレン、またはC6〜C10−アリール−C1〜C6−アルキレンを表し、
Mは、アルミニウム、亜鉛、またはチタンを表し、
mは、1〜4の整数を表し;
nは、1〜3の整数を表し、そして
xは、1および2を表すが、
ここで、式(II)におけるn、xおよびmは同時には、式(II)のジホスフィン酸の塩が全体として電荷を持たなくなるような整数値のみを取ることができる]および/またはそれらのポリマー。

0021

好ましい実施形態においては、その組成物/製品が、成分A)、B)、C)およびD)に加えてさらに、E)少なくとも1種の、立体障害フェノールの群からの熱安定剤を、それぞれの場合において100質量部の成分A)を規準にして、好ましくは0.02〜4質量部、特に好ましくは0.1〜2質量部、極めて特に好ましくは0.2〜1.5質量部の量で含んでいる。

0022

さらなる好ましい実施形態においては、その組成物が、成分A)〜E)に加えて、またはE)に代えてさらに、F)ガラス繊維を、それぞれの場合において100質量部の成分A)を規準にして、好ましくは10〜150質量部、特に好ましくは15〜80質量部、極めて特に好ましくは20〜50質量部の量で含む。

0023

さらなる好ましい実施形態においては、その組成物が、成分A)〜F)に加えて、またはE)および/またはF)に代えてさらに、G)少なくとも1種の、成分B)およびF)とは異なる、充填剤または補強材を、それぞれの場合において100質量部の成分A)を規準にして、好ましくは1〜150質量部、特に好ましくは5〜80質量部、極めて特に好ましくは10〜50質量部の量で含む。

0024

さらなる好ましい実施形態においては、その組成物が、成分A)〜G)に加えて、またはE)および/またはF)および/またはG)に代えてさらに、H)少なくとも1種の、成分B)〜G)とは異なる、さらなる添加剤を、それぞれの場合において100質量部の成分A)を規準にして、好ましくは0.01〜80質量部、特に好ましくは0.05〜50質量部、極めて特に好ましくは0.1〜30質量部の量で含む。

0025

成分A)
成分A)として、本組成物には、それぞれの場合において、80〜180ml/gの範囲の、ISO 307に従って96重量%硫酸中の0.5重量%溶液を用いて25℃で測定可能な粘度数を有する、PA6[CAS No.25038−54−4]および/またはPA66[CAS No.32131−17−2]を含む。PA6および/またはPA66をベースとするコポリアミドも、本発明の主題に含まれる。

0026

本出願の文脈において使用されるポリアミドの命名法は、国際的な標準に準じたものであって、最初の数が出発ジアミン中の炭素原子の数を表し、最後の数がジカルボン酸中の炭素原子の数を表している。たとえばPA6の場合のように、数字が一つしか表記されていないのなら、このことは、その出発物質がα,ω−アミノカルボン酸か、またはそれから誘導されるラクタムすなわち、PA6の場合であればε−カプロラクタムであったということを意味している。さらなる情報については、次の文献を参照されたい:H.Domininghaus,Die Kunststoffe und ihre Eigenschaften,p.272ff,VDI−Verlag,1976。

0027

成分A)として使用するためのポリアミド6は、好ましくは85〜160ml/gの範囲、特に好ましくは90〜140ml/gの範囲、特別に好ましくは95〜115ml/gの範囲の、ISO 307に従って96重量%硫酸中の0.5重量%溶液を用いて25℃で測定可能な粘度数を有している。

0028

あるいは、成分A)として使用するためのポリアミド66は、好ましくは90〜170ml/gの範囲、特に好ましくは95〜160ml/gの範囲、そして特別に好ましくは100〜135ml/gの範囲の、ISO 307に従って96重量%硫酸中の0.5重量%溶液を用いて25℃で測定可能な粘度数を有している。

0029

溶液中での粘度測定を使用して、K値が求められるが、これは、それによってプラスチック流動性特徴付けることが可能な分子パラメーターである。単純化した式は:[η]=2.303×(75k2+k)であるが、ここでK値=1000k、[η]=Staudinger粘度である。粘度数VN(単位:ミリリットルグラム)は、複雑な換算をしなくても、それから、ISO 307に従って、求めることができる。

0030

http://www.mhaeberl.de/KUT/3Kunststoffschmelze.htm.を参照のこと。実際には、K値を粘度数VNに換算するための表が存在している。

0031

Hans Domininghaus,”Die Kunststoffe und ihre Eigenschaften”,5th edition(1998),p.14によれば、「熱可塑性ポリアミド」という用語は、その分子鎖が、側鎖をまったく有さないか、または、大小の長さで各種の数の側鎖を有し、加熱をすると軟化し、事実上無限成形が可能なポリアミドを意味していると理解されたい。成分A)として使用するためのポリアミド、PA6およびPA66は、半晶質のポリアミドである。独国特許出願公開第10 2011 084 519A1号明細書によれば、半晶質のポリアミドは、ISO 11357に従うDSC法で、第二加熱における溶融ピークを積分することによって測定して、4〜25J/gの範囲の融解エンタルピーを有している。それとは対照的に、非晶質のポリアミドは、ISO 11357に従うDSC法で、第二加熱において溶融ピークを積分することによって測定して、4J/g未満の融解エンタルピーしか有していない。

0032

成分A)として使用するためのポリアミドPA6およびPA66は、単独で使用してもよいし、あるいは、加工助剤、安定剤、またはそうでなければポリマーアロイ相手、好ましくはエラストマーと組み合わせて、特定の性能を組み合わせて有する材料を得るようにしてもよい。他のポリマー、好ましくはポリエチレンポリプロピレンアクリロニトリルブタジエンスチレンコポリマー(ABS)をある程度の割合で含むブレンド物もまた好適であるが、場合によっては、1種または複数の相溶化剤を採用することも可能である。エラストマーを添加することによって、PA6/PA66の性質、たとえば耐衝撃性を改良することも可能である。可能な組合せが多数あることによって、極めて広く各種の性質を有する極めて多くの製品を製造することが可能となる。

0033

成分A)として採用されるポリアミド6は、ε−カプロラクタムから得ることができる。成分A)として採用されるポリアミド66は、ヘキサメチレンジアミンアジピン酸とから得ることができる。

0034

さらに、PA6、PA66、またはポリマー鎖の中のそれぞれのポリアミド基に3〜11個のメチレン基、特に好ましくは4〜6個のメチレン基が存在しているようなそれらのコポリアミドをベースとする化合物のほとんどのものが、好ましい。

0035

本発明において成分A)として使用するためのポリアミド6は、Lanxess Deutschland GmbH(Cologne)からDurethan(登録商標)B24の名称で得ることができ、本発明において成分A)として使用するためのポリアミド66は、BASFSE(Ludwigshafen)からUltramid(登録商標)A24E01の名称で得ることができる。

0036

成分B)
組成物には成分B)として炭素繊維が含まれる。成分B)は、以下のように実装されるのが好ましい。

0037

第一の実施形態は、成分B)を、チョップド繊維として、またはチョップド繊維束もしくはエンドレス繊維束として採用するのが好ましいことを特徴としている。

0038

さらなる好ましい実施形態は、成分B)として使用するための炭素繊維が、0.1〜50mmの範囲、好ましくは2〜26mmの範囲、特に好ましくは4〜8mmの範囲の平均長さを有していることを特徴としているが、ここで、本発明の文脈においては、その長さの測定は、USB顕微鏡較正機能付き)、特にDino−Lite Edge AM7915MZTデジタル顕微鏡(Dino Capture 2.0ソフトウェア付き);Dino Lite−Europe/IDCP B.V.(Naarden,the Netherlands)を使用して実施する。

0039

それに加えるかまたはその代わりとして、本発明において成分B)として使用するのに好ましい炭素繊維は、電子顕微鏡で測定して、5〜40μmの範囲、特に好ましくは5〜10μmの範囲の平均直径を有することを特徴としている。

0040

上の記述はすべて、A)に組み入れて成形材料とする直前の、成分B)のための出発物質に関するものである。A)に組み入れて成形材料としたり、および/または下流側の加工操作たとえば射出成形にかけたりすると、炭素繊維を短くしてしまう可能性がある。

0041

さらなる好ましい実施形態は、成分B)として使用するための炭素繊維を、セルロースベースの繊維、ピッチ、またはポリアクリロニトリル(PAN)を出発原料とした熱分解プロセスで製造することを特徴としているが、PANから製造したものが、本発明においては極めて特に好ましい。

0042

成分B)として使用するための炭素繊維は、数百から数十万の個別のフィラメント、好ましくは、電子顕微鏡で測定して5〜10μmの範囲のフィラメント径を有するものから形成させるのがよい。https://de.wikipedia.org/wiki/Kohlenstofffaserによれば、1000〜24,000本の個別繊維を有するマルチフィラメントヤーンと、120,000〜400,000本の個別繊維を有するHT(High Tensity=高張力)タイプのものとの間では違いがある。

0043

さらなる好ましい実施形態においては、その成分B)として使用するための炭素繊維が、それらの加工性を改良または可能としたり、成分A)として使用されるポリアミドとの良好な相溶性をもたらしたりする目的で、それらの表面の上に、サイジング系または接着促進剤系を備えていてもよい。

0044

さらなる好ましい実施形態においては、(必要があり、また密度上昇という不利が伴うことを承知の上ならば)特に電磁遮蔽の必要性が高い場合に、最終的な製品における導電性の改良を達成する目的で、成分B)として使用するための炭素繊維に金属質コーティングを施しておいてもよい。この場合、その金属としては、ニッケルが特に好ましい。この点に関しては、たとえば、欧州特許第2 788 542B1号明細書およびその中に引用されている文献を参照されたい。

0045

USB顕微鏡の手段により求めた長さが4〜7mmの範囲にあるチョップド炭素繊維が、好ましくはエクストルーダーを介するか、または射出成形機の手段によって、炭素繊維束の形態で成形材料の中に特に好適に混合されるような場合が、本発明においては極めて特に好ましい。

0046

成分B)の炭素繊維が、エクストルーダー中で成分A)と混合されれば特に好ましいが、ここで、好ましくはサイドエクストルーダーを介して、そのエクストルーダーの後方領域の中への導入するのが、極めて特に好ましい。「後方(at the rear)」という用語は、エクストルーダーの紡糸ノズルに、より近い領域を指しており、それに対して「前方(at the front)」という用語は、紡糸ノズルから、より遠い部分を指していると理解されたい。

0047

必要があるならば、成分B)として使用するための炭素繊維を、それに代えて、好ましくはエクストルーダーのメインホッパーを介して、前方領域で添加してもよいが、このことは、典型的には、成形材料における炭素繊維をよりシビアに短くすることとなり、その結果剛性が低下する。

0048

それらに代わる実施形態においては、炭素繊維を、炭素繊維マスターバッチの形態で成分A)と混合して、本発明における成形材料を得てもよい。

0049

本発明において成分B)として使用するための炭素繊維は、一般的に、たとえばToho Tenax Europe GmbHから、Tenax(登録商標)−E−HTC604 6mm、またはTenax(登録商標)−J HT C493 6mmの商品名で市販されているが、後者が特に好ましい。

0050

成分C)
成分C)としては、組成物には、少なくとも1種の、ホスホン酸のアルミニウム塩が含まれる。

0051

Wikipediaによれば、「ホスホン酸」とは、実験式H3PO3を有する物質[CAS No.13598−36−2]を意味していると理解されたい(http://de.Wikipedia.org/wiki/Phosphons%C3%A4ure)。ホスホン酸の塩(salt of phosphonic acid)が、ホスホン酸塩(phosphonate)と呼ばれる。ホスホン酸は、二つの互変異性形で存在することが可能であり、それらの内の一つは、リン原子の上に自由電子対を有しており、他の一つは、リンに対して二重結合された酸素(P=O)を有している。互変異性の平衡は、二重結合酸素の形の方に、大きく偏っている。A.F.Holleman,E.Wiberg:Textbook of inorganic chemistry,101st Edition(Walter de Gruyter(Berlin/New York),1995,ISBN 3−11−012641−9),p.764によれば、「亜リン酸」および「亜リン酸塩」という用語は、リンの上に自由電子対を有する互変異性化学種に対してのみ使用されるべきである。しかし、「亜リン酸(phosphorous acid)」および「亜リン酸塩(phosphite)」という用語は、以前は、リンに二重結合した酸素を有する互変異性の形態に対しても使用されており、したがって、ホスホン酸および亜リン酸、ならびにホスホン酸塩および亜リン酸塩は、本発明においては、同義語として使用される。

0052

成分C)としては、以下の群からの、少なくとも1種の、ホスホン酸のアルミニウム塩が選択されるのが好ましい:
第一ホスホン酸アルミニウム[Al(H2PO3)3]、
塩基性ホスホン酸アルミニウム[Al(OH)H2PO3)2・2H2O]、
Al2(HPO3)3・xAl2O3・nH2O(ここで、Xは2.27〜1の範囲であり、そしてnは、0〜4の範囲である)、
式(III)のAl2(HPO3)3・(H2O)q(ここで、qは、0〜4の範囲である)、特に、ホスホン酸アルミニウム・四水和物[Al2(HPO3)3・4H2O]、または第二ホスホン酸アルミニウム[Al2(HPO3)3]、
式(IV)のAl2Mz(HPO3)y(OH)v・(H2O)w(ここで、Mはアルカリ金属イオンを表し、zは、0.01〜1.5の範囲であり、yは、2.63〜3.5の範囲であり、vは、0〜2の範囲であり、そしてwは、0〜4の範囲である)、ならびに
式(V)のAl2(HPO3)u(H2PO3)t・(H2O)s(ここで、uは、2〜2.99の範囲であり、tは、2〜0.01の範囲であり、そしてsは、0〜4の範囲である)、
ここで、式(IV)におけるz、yおよびv、ならびに式(V)におけるuおよびtは、それと関連するホスホン酸のアルミニウム塩が、全体として電荷を有さないような数だけを取る。

0053

式(IV)における好ましいアルカリ金属は、ナトリウムおよびカリウムである。

0054

記載されたホスホン酸のアルミニウム塩は、個別に使用することも、混合物中で使用することも可能である。

0055

特に好ましいホスホン酸のアルミニウム塩は、以下の群から選択される:
第一ホスホン酸アルミニウム[Al(H2PO3)3]、
第二ホスホン酸アルミニウム[Al2(HPO3)3]、
塩基性ホスホン酸アルミニウム[Al(OH)H2PO3)2・2H2O]、
ホスホン酸アルミニウム・四水和物[Al2(HPO3)3・4H2O]、および
Al2(HPO3)3・xAl2O3・nH2O(ここで、xは2.27〜1の範囲であり、そしてnは、0〜4の範囲である)。

0056

極めて特に好ましいのは、第二ホスホン酸アルミニウム〔[Al2(HPO3)3]、CAS No.71449−76−8〕および第二ホスホン酸アルミニウム・四水和物〔[Al2(HPO3)3[4H2O]、CAS No.156024−71−4]であるが、第二ホスホン酸アルミニウム[Al2(HPO3)3]〕が特別に好ましい。

0057

本発明における成分C)として使用するためのホスホン酸のアルミニウム塩の製造は、たとえば、国際公開第2013/083247A1号パンフレットに記載されている。前記の製造は、典型的には、アルミニウム源、好ましくはアルミニウムイソプロポキシド硝酸アルミニウム塩化アルミニウムまたは水酸化アルミニウムを、リン源、好ましくはホスホン酸、ホスホン酸アンモニウム、アルカリ金属のホスホン酸塩と反応させることにより、実施される。場合によっては、そのためにテンプレートが使用される。その反応は、溶媒中、20℃〜200℃で、最大では4日かけて実施される。この目的のためには、アルミニウム源とリン源とを混合し、水熱反応条件下またはリフラックス条件下で加熱し、濾過し、洗浄し、乾燥させる。

0058

好ましいテンプレートは、1,6−ヘキサンジアミングアニジンカーボネート、またはアンモニアである。

0059

溶媒としては、水が好ましい。

0060

成分D)
成分D)としては、本発明による組成物には、1種または複数の、上述の式(I)の有機ホスフィン酸の塩、および/または1種または複数の、上述の式(II)のジホスフィン酸の塩、および/またはそれらのポリマーが含まれる。本発明の文脈においては、ホスフィン酸の塩とジホスフィン酸の塩とは、同じようにホスフィン酸の塩とも呼ばれる。

0061

式(I)または(II)において、Mは、好ましくは、アルミニウムを表す。式(I)および(II)において、R1およびR2が、同一であるかまたは異なっていて、直鎖状もしくは分岐状のC1〜C6−アルキルおよび/またはフェニルを表しているのが好ましい。R1およびR2が、同一であるかまたは異なっていて、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチルおよび/またはフェニルを表しているのが特に好ましい。

0062

式(II)のR3が、メチレンエチレン、n−プロピレンイソプロピレン、n−ブチレン、tert−ブチレン、n−ペンチレン、n−オクチレン、n−ドデシレンフェニレンナフチレン、メチルフェニレン、エチルフェニレン、tert−ブチルフェニレン、メチルナフチレン、エチルナフチレン、tert−ブチルナフチレン、フェニルメチレンフェニルエチレン、フェニルプロピレン、またはフェニルブチレンを表しているのが好ましい。R3が、フェニレンまたはナフチレンを表していれば特に好ましい。好適なホスフィン酸の塩が、国際公開第A97/39053号パンフレットの中に記載されているが、ホスフィン酸の塩に関するその内容は、本出願にも組み込まれる。本発明の文脈において特別に好ましいホスフィン酸の塩は、ホスフィン酸ジメチルホスフィン酸エチルメチル、ホスフィン酸ジエチル、およびホスフィン酸メチル−n−プロピルならびにおよびそれらの混合物のアルミニウム塩および亜鉛塩である。

0063

式(I)におけるmは、好ましくは2および3、特に好ましくは3を表している。

0064

式(II)におけるnは、好ましくは1および3、特に好ましくは3を表している。

0065

式(II)におけるxは、好ましくは1および2、特に好ましくは2を表している。

0066

成分D)として採用するのに極めて特に好ましいのは、トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム[CAS No.225789−38−8]であり、このものは、たとえば、Clariant International Ltd.(Muttenz,Switzerland)から、Exolit(登録商標)OP1230またはExolit(登録商標)OP1240の商品名で供給されている。

0067

成分E)
成分E)として、その組成物に、立体障害フェノールの群から選択される、少なくとも1種の熱安定剤が含まれていてもよい。

0068

それらは、フェノール構造を有し、そのフェノール環の上に少なくとも1個の立体的に窮屈な基を有する化合物である。好ましい立体障害フェノールは、式(VI):



[式中、R4およびR5は、アルキル基、置換されたアルキル基、または置換されたトリアゾール基を表すが、ここで、基R4とR5は、同一であるかまたは異なっていてよく、そしてR6は、アルキル基、置換されたアルキル基、アルコキシ基、または置換されたアミノ基を表す]の分子構成単位を有する化合物である。

0069

有機化学においては、立体障害とは、反応のプロセスにおける、分子の空間的な広がりの影響のことを表している。その用語は、反応に関与する原子の近傍に大きく、嵩高い基が存在していると、反応が極めて遅いか、または全く進行しないという事実を伝えている。立体障害の影響のよく知られた例は、Grignard反応におけるケトンの反応である。Grignard反応でジ−tert−ブチルケトンを使用すると、その極めてバルキーなtert−ブチル基が、その反応を厳しく制限して、最大でもメチル基は導入することができるが、それに対して、それよりも大きい基は、全く反応できない。

0070

極めて特に好ましい式(VI)の熱安定剤は、抗酸化剤として、たとえば米国特許第A4 360 617号明細書に記載されている(その特許の内容をすべて、本出願に取り入れたものとする)。好ましい立体障害フェノールのさらなる群は、置換されたベンゼンカルボン酸、特に置換されたベンゼンプロピオン酸から誘導される。このタイプの特に好ましい化合物は、式(VII):



[式中、R7、R8、R10、およびR11は、互いに独立して、それ自体置換されていてもよいC1〜C8−アルキル基(それらの内の少なくとも1個は、立体的に窮屈な基である)を表し、そしてR9は、1〜10個の炭素原子を有する二価のアルキル基を表すが、それは、その主鎖の中にCO結合を有していてもよい]の化合物である。好ましい式(VII)の化合物は、式(VIII)、(IX)および(X)の化合物である。

0071

式(VIII)は、BASFSE製のIrganox(登録商標)245[CAS No.36443−68−2]であり、それの化学名は、トリエチレングリコールビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルプロピオネートである。

0072

式(IX)は、BASFSE製のIrganox(登録商標)259[CAS No.35074−77−2]であり、それの化学名は、1,6−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−(tert)−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメートである。

0073

式(X)は、BASFSE製のIrganox(登録商標)1098[CAS No.23128−74−7]であり、それの化学名は、N,N’−ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド]である。

0074

成分E)として使用するのに極めて特に好ましい熱安定剤は、以下のものの群から選択される:2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ジステアリル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、2,6,7−トリオキサ−1−ホスファビシクロ[2.2.2]オクト−4−イルメチル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル−3,5−ジステアリルチオトリアルアミン、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルジメチルアミン

0075

成分E)として使用するのに特に好ましい、立体障害フェノールの群からの熱安定剤は、以下のものである:2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサンジオールビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(Irganox(登録商標)259)、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、およびN,N’−ヘキサメチレンビス−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド(Irganox(登録商標)1098)、および上述の、BASFSE(Ludwigshafen,Germany)製のIrganox(登録商標)245。

0076

本発明において特別に極めて特に好ましい、立体障害フェノールの群からの熱安定剤は、N,N’−ヘキサメチレン−ビス−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド[CAS No.23128−74−7]であって、このものは、BASFSE(Ludwigshafen,Germany)からIrganox(登録商標)1098として、またはなかんずく、Weihai Jinwei ChemIndustry Co.,Ltd.から、Lowinox(登録商標)HD 98として得ることができる。

0077

成分F)
成分F)として、本組成物にはガラス繊維が含まれていてもよい。

0078

http://de.wikipedia.org/wiki/Faser−Kunststoff−Verbundによれば、0.1〜1mmの範囲の長さを有するチョップド繊維(短繊維とも呼ばれる)と、1〜50mmの長さを有する長繊維と、L>50mmの長さを有する連続繊維とは、区別される。短繊維は、射出成形において採用され、エクストルーダーを用いて直接的に加工することも可能である。長繊維もやはり、エクストルーダーで加工することができる。前記繊維は、繊維スプレー(fibre spraying)法で広く使用されている。長繊維は、熱硬化性樹脂に充填剤として添加されることが多い。エンドレス繊維は、ロービングまたはファブリックの形態で、繊維強化プラスチックにおいて使用される。エンドレス繊維を含む製品により、最高の剛性および強度の値が達成される。同様に利用することが可能なのが、摩砕したガラス繊維であって、摩砕した後のそれらの長さは、典型的には、70〜200μmの範囲である。

0079

本発明において成分F)として好適に採用されるのは、1〜50mmの範囲、特に好ましくは1〜10mmの範囲、極めて特に好ましくは2〜7mmの範囲の出発時の長さを有する、チョップドガラス長繊維であるが、その出発時の長さとは、成形材料の中に組み入れ/コンパウンディングする直前の長さを指しており、チョップドガラス長繊維の長さは、USB顕微鏡(較正機能付き)の手段、特に、Dino−Lite Edge AM7915MZTデジタル顕微鏡(Dino Capture 2.0ソフトウェア付き);Dino−Lite Europe/IDCP B.V.(Naarden,the Netherlands)により、求められる。

0080

成分F)として使用するのに好ましいガラス繊維は、7〜18μmの範囲、特に好ましくは9〜15μmの範囲の繊維直径を有しているが、ここでその繊維直径は、USB顕微鏡(較正機能付き)、特にDino−Lite Edge AM7915MZTデジタル顕微鏡(Dino Capture 2.0ソフトウェア付き);Dino−Lite Europe/IDCP B.V.(Naarden,the Netherlands)を用いて求めることができる。好ましい実施形態においては、成分F)のガラス繊維を、適切なサイジング系または接着促進剤系を用いて変性している。シランベースのサイジング系/接着促進剤を採用するのが好ましい。それらに代わる接着促進剤は、欧州特許第1 713 848B1号明細書に見出すことができる。

0081

成分F)として使用するためのガラス繊維を処理するのに特に好ましいシランベースの接着促進剤は、一般式(XI)
(X−(CH2)q)k−Si−(O−CrH2r+1)4−k (XI)
[式中、
Xは、NH2−、カルボキシル−、HO−、または次式を表し、



式(XI)中のqは、2〜10、好ましくは3〜4の整数を表し、
式(XI)中のrは、1〜5、好ましくは1〜2の整数を表し、そして
式(XI)中のkは、1〜3の整数、好ましくは1を表す]のシラン化合物である。

0082

特に好ましい接着促進剤は、アミノプロピルトリメトキシシランアミノブチルトリメトキシシランアミノプロピルトリエトキシシラン、アミノブチルトリエトキシシラン置換基Xとしてグリシジル基またはカルボキシル基(カルボキシル基が特別に極めて特に好ましい)を含む、それらに相当するシランの群からのシラン化合物である。

0083

成分F)として使用されるガラス繊維を変性するためには、接着促進剤、好ましくは式(XI)のシラン化合物を、それぞれの場合において成分F)の100重量%を基準にして、好ましくは0.05重量%〜2重量%の量、特に好ましくは0.25重量%〜1.5重量%の量、極めて特に好ましくは0.5重量%〜1重量%の量で採用する。

0084

組成物を得るため、および製品を得るための加工をした結果、その中の成分F)のガラス繊維は、元々採用したガラス繊維よりは短くなる可能性がある。したがって、加工後のガラス繊維の長さの算術平均は、多くの場合、わずか150μm〜300μmの範囲である。

0085

「http://www.r−g.de/wiki/Glasfasern」によれば、ガラス繊維は、溶融紡糸プロセスダイドローイングロッドドローイングおよびダイブローイングプロセス)で製造される。ダイドローイングプロセスにおいては、加熱されたガラス素材が、白金紡糸口金プレートの中の数百個のダイ孔を通して、重力下に流れ出る。それらのフィラメントは、3〜4km/分の速度で、無限の長さに引き出すことができる。

0086

当業者は、各種のタイプのガラス繊維を区別しているが、例として、そのいくつかをここに列記する。
Eガラス:最善の費用−便益比を有する、最も一般的に使用されている材料(R&G製のEガラス)
・ Hガラス:重量を減少させるための中空ガラス繊維(R&G製の中空ガラス繊維、160g/m2および216g/m2)
・ R,Sガラス:機械的に高性能が要求される用途のため(R&G製のS2ガラス)
Dガラス電気的に高性能が要求される用途のためのボロシリケートガラス
Cガラス:高い耐化学薬品性を有する
石英ガラス:高い熱安定性を有する

0087

さらなる例は、「http://de.wikipedia.org/wiki/Glasfaser」に見出すことができる。Eガラス繊維は、プラスチックの強化には最大級の重要性を達成した。「E」は電気絶縁ガラスを表しているが、その理由は、それが元々、特に電気産業で使用されていたからである。Eガラスを製造するためには、純粋な石英に、石灰石カオリンおよびホウ酸を加えて、ガラス溶融物が製造される。二酸化ケイ素とともに、それらは、各種の量で各種の金属酸化物を含んでいる。それらの組成が、製品の性質を決定する。本発明において成分F)として好適に採用されるのは、Eガラス、Hガラス、R,Sガラス、Dガラス、Cガラス、および石英ガラスの群からの少なくとも1種のタイプのガラス繊維であるが、特に好ましいガラス繊維は、Eガラスである。

0088

成分G)
その組成物には、成分G)として、少なくとも1種の、成分B)およびF)とは異なる、さらなる充填剤または補強材を含んでいてよい。

0089

さらに採用可能なのは、好ましくは以下のものをベースとする、2種以上の充填剤および/または補強材の混合物である:タルクマイカシリケート、非晶質石英ガラス石英粉ウォラストナイト、カオリン、非晶質シリカナノスケール鉱物、特に好ましくはモンモリロナイト炭酸マグネシウムチョーク長石硫酸バリウム、またはそうでなければ、未処理の表面変性または表面サイジングの、ガラス製の球状充填剤および補強材。しかし、また別な実施形態においては、必要があれば、成分G)としてナノベーマイトを採用することもまた可能である。タルク、マイカ、シリケート、ウォラストナイト、カオリン、非晶質シリカ、炭酸マグネシウム、チョーク、長石および/または硫酸バリウムをベースとする、鉱物質微粒子状充填剤を採用するのが好ましい。タルク、ウォラストナイト、および/またはカオリンをベースとする、鉱物質の粒状充填剤を採用するのが特に好ましい。

0090

同様に好適に採用されるのは、針状の鉱物質充填剤である。本発明においては、「針状の鉱物質充填剤(acicular mineral filler)」という用語は、極めて著しい針状特性を有する鉱物質充填剤を意味していると理解されたい。針状ウォラストナイトが好ましい。その針状の鉱物質充填剤が、(2:1)から(35:1)までの範囲、特に好ましくは(3:1)から(19:1)までの範囲、特別に好ましくは(4:1)から(12:1)までの範囲の、(長さ:直径)の比率を有しているのが好ましい。針状の鉱物質充填剤の平均粒径は、CILAS GRANULOMETERで測定して、好ましくは20μm未満、特に好ましくは15μm未満、特別に好ましくは10μm未満である。

0091

しかし、特に好ましいのはさらに、d90が5〜250μmの範囲、好ましくは10〜150μmの範囲、特に好ましくは15〜80μmの範囲、極めて特に好ましくは16〜25μmの範囲の粒径分布を有する、非繊維状で非発泡の摩砕ガラスである。好ましいのは、さらにd10が、0.3〜10μmの範囲、好ましくは0.5〜6μmの範囲、特に好ましくは0.7〜3μmの範囲であるような、非繊維状で非発泡の摩砕ガラスの使用である。特に好ましいのは、さらに、d50が3〜50μmの範囲、好ましくは4〜40μmの範囲、特に好ましくは5〜30μmの範囲であるような、非繊維状で非発泡の摩砕ガラスであるが、ここでその粒径分布は、Ankersmid粒径分析器を使用して求めるが、それはレーザー遮蔽法(laser obscuration)の原理によって動作する(Eye Tech(登録商標)(EyeTech(登録商標)ソフトウェアを含む)、およびACM−104測定セル、Ankersmid lab(Oesterhout,the Netherlands)製)。

0092

d10、d50、およびd90の値、その測定、およびその意味合いに関しては、Chemie Ingenieur Technik(72),P.273〜276,3/2000(Wiley−VCH Verlags GmbH(Weinheim),2000)も参考になるが、それによると、d10は、その粒径より下に粒子の量の10%が入る粒径であり、d50は、その粒径より下に粒子の量の50%が入る粒径(中央値)であり、d90は、その粒径より下に粒子の量の90%が入る粒径である。

0093

それぞれの場合において特定される粒径分布/粒径は、上述のAnkersmid粒径分析器を使用した、成形材料に組み入れる直前に求めた粒径に関わるものであるが、この装置は、レーザー遮蔽法の原理により動作する(Eye Tech(登録商標)(EyeTech(登録商標)ソフトウェアを含む)、およびACM−104測定セル、Ankersmid lab(Oesterhout,the Netherlands)製)。本発明においては、その非繊維状で非発泡の摩砕ガラスが、粒状で、非円筒形をしており、5未満、好ましくは3未満、より好ましくは2未満の長さ対厚みの比を有しているのが好ましい。ゼロの値があり得ないことは、理解されるであろう。

0094

成分G)として使用するのに特に好適な非発泡で非繊維状の摩砕ガラスはさらに、繊維状ガラスに典型的な、5より大の長さ対直径の比(L/D比)の円筒状または楕円状の断面のガラスの形状を有していないことを特徴としている。

0095

本発明において成分G)として使用するのに特に好ましい非発泡で非繊維状の摩砕ガラスは、好ましくは、ミル、好ましくはボールミルを用いてガラスを粉砕し、特に好ましくはそれに続けて篩別(siftingまたはsieving)することにより得る。考慮の対象となる出発物質としては、あらゆる形状の固化させたガラスが挙げられる。

0096

本発明において成分G)として使用するための非繊維状で非発泡の摩砕ガラスを得るための粉砕に使用するのに好適な出発物質としてはさらに、たとえば特にガラス製品を製造する際に、望ましくない副生物として、および/または規格外一次製品として発生するような、ガラス廃棄物が挙げられる。これに含まれるのは、特に、廃棄ガラスリサイクルガラス、およびたとえば特に窓ガラスやガラスの製造の際、およびガラス含有充填剤および補強材の製造の際に発生する可能性があるガラス破片、特に、いわゆるメルトケーキ(melt cake)の形状のものである。そのガラスは着色していてもよいが、出発物質としては非着色のガラスが好ましい。

0097

粉砕のために有用な、出発原料のガラスには、原理的には、たとえばDIN 1259−1に記載されているすべてのタイプのガラスが含まれる。好ましいのは、ソーダ石灰ガラスフロートガラス、石英ガラス、鉛クリスタルガラス、ボロシリケートガラス、Aガラス、およびEガラスであり、特に好ましいのは、ソーダ石灰ガラス、ボロシリケートガラス、Aガラス、およびEガラスであり、極めて特に好ましいのは、AガラスおよびEガラス、特にはEガラスである。Eガラスの物理的データおよび組成については、「http://wiki.r−g.de/index.php?title=Glasfasern」を参照されたい。本発明において使用するのに特に好ましい非繊維状で非発泡の摩砕したEガラスは、表Iに記載した次の特性の少なくとも一つを有している。

0098

0099

成分G)として使用するための非発泡で非繊維状のガラスを製造するのに同様に特に好ましいのは、そのK2O含量が、ガラスの全成分を規準にして2重量%以下であるタイプのガラスである。本発明において成分G)として使用するための非発泡で非繊維状の摩砕ガラスは、VitroMinerals(Covington,GA,USA)から市販されている。それは、CS Glass Powderの規格CS−325、CS−500、およびCS−600、またはそうでなければLA400として供給されている。(または、「www.glassfillers.com」、またはChris DeArmitt,Additives Feature,Mineral Fillers,COMPOUNDING WORLD,February 2011,pages 28〜38、および「www.compoundingworld.com」を参照のこと)。

0100

好ましい実施形態において成分G)として使用される非発泡で非繊維状の摩砕ガラスは、好ましくは2400〜2700kg/m3の範囲、特に好ましくは2400〜2600kg/m3の範囲の、ASTMC 693による密度(嵩密度ではない!)を有しており、そのため、発泡ガラス(foamed glass)(密度=100〜165kg/m3)、発泡ガラスペレット(密度=130〜170kg/m3)、および膨張ガラス(expanded glass)(密度=110〜360kg/m3)とは明らかに区別される(または、AGY製品カタログ、Pub.No.LIT−2006−111 R2(02/06)を参照のこと)。

0101

成分G)として使用するための非発泡で非繊維状の摩砕ガラスが、アミノアルキルトリアルコキシシランをベースとした、表面変性またはサイジングを備えていれば、本発明においては好ましい。別な実施形態または好ましい実施形態においては、その非発泡で非繊維状の摩砕ガラスは、好ましくはグリシジル官能化、カルボキシル官能化、アルケニル官能化、アクリロイルオキシアルキル官能化、および/またはメタクリロイルオキシアルキル官能化したトリアルコキシシランまたはそれらの水性加水分解物、およびそれらの組合せを用いた、シランベースまたはシロキサンベースのさらなる表面変性またはサイジングを備えているのが良い。

0102

好ましいアミノアルキルトリアルコキシシランは、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノブチルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノブチルトリエトキシシラン、またはそれらの水性加水分解物であり、極めて好ましいのは、アミノプロピルトリエトキシシランである。

0103

表面コーティングのためには、アミノアルキルトリアルコキシシランを、非発泡で非繊維状の摩砕ガラスを基準にして、好ましくは0.01重量%〜1.5重量%の量、特に好ましくは0.05重量%〜1.0重量%の量、極めて特に好ましくは0.1重量%〜0.5重量%の量で使用する。

0104

摩砕のための出発物質のガラスが、表面変性またはサイジングの処理をあらかじめ受けていてもよい。同様にして、本発明において成分G)として使用するための非発泡で非繊維状の摩砕ガラスに、摩砕した後で表面変性またはサイジングの処理を施すこともまた可能である。

0105

具体的に採用可能なのは、Lanxess Deutschland GmbH(Cologne)製のMF7900で、これは、Eガラスをベースとした非繊維状で非発泡の摩砕ガラスであって、上述のレーザー遮蔽法(粒径分析器、Ankersmid製)で求めて、それぞれの場合において、粒子の表面積を規準にして、54μmのd90、14μmのd50、2.4μmのd10、そして21μmの中央粒径を有し、そして約0.1重量%のトリエトキシ(3−アミノプロピル)シランのサイジングを含む。

0106

本発明において成分G)として使用するための非発泡で非繊維状の摩砕ガラスは、本発明の組成物を得るため、またはそれから製造することが可能な製品を得るための加工の結果として、および製品そのものの中では、元々採用された摩砕粒子よりは小さいd90またはd50またはd10値、および/またはより小さい中央粒径を有している可能性がある。

0107

非発泡で非繊維状の摩砕ガラスはさておき、好ましい実施形態において成分G)として挙げられたその他の充填剤および/または補強材もまた、好ましくは接着促進剤または接着促進剤系を用いて、より好ましくはシランをベースとする接着促進剤系を用いて、表面変性をしておく。しかし、前処理が必須であるという訳ではない。好適な接着促進剤としては同様に、既に先に述べた一般式(XI)のシラン化合物が挙げられる。

0108

成分G)を変性するためには、シラン化合物は、成分G)の鉱物質充填剤を基準にして、一般的には0.05重量%〜2重量%の量、好ましくは0.25重量%〜1.5重量%の量、特には0.5重量%〜1重量%の量で、表面コーティングに使用される。

0109

これらのさらに挙げた成分G)の充填剤は、組成物を得るため、またはそれから製造される製品を得るための加工の結果として、または製品そのものの中では、やはり、元々採用された充填剤よりは、小さなd97またはd50を有している。

0110

成分H)
H)として採用されるのは、少なくとも1種の、成分B)〜G)とは異なる、さらなる添加剤である。

0111

成分H)として使用するのに好適な添加剤は、以下のものである:抗酸化剤および/または熱安定剤、UV安定剤、ガンマ線安定剤、加水分解安定剤、帯電防止剤乳化剤成核剤可塑剤、加工助剤、耐衝撃性改良剤染料顔料レーザー吸収剤潤滑剤、および/または離型剤、ならびに、成分B)〜G)とは異なる、水の吸収を抑制するための成分、さらには、成分C)およびD)とは異なる、さらなる難燃剤、流動助剤、またはエラストマー変性剤。成分H)として使用するための添加剤は、個別で使用してもよいし、あるいは、混合物中、またはマスターバッチの形で使用してもよい。

0112

成分H)の好ましい熱安定剤としては以下のものが挙げられる:ホスファイトヒドロキノン芳香族二級アミンたとえばジフェニルアミン、置換レソルシノールサリチレートベンゾトリアゾール、およびベンゾフェノン、さらには、それらの群の各種置換された代表的化合物またはそれらの混合物。

0113

また別の実施形態においては、必要があれば、成分H)として、銅塩、特にヨウ化銅(I)を、好ましくはヨウ化カリウム、および/または次亜リン酸ナトリウムNaH2PO2と組み合わせて使用することもまた可能である。

0114

使用されるUV安定剤は、好ましくは、置換されたレソルシノール、サリチレート、ベンゾトリアゾール、およびベンゾフェノンである。

0115

成分H)として使用するための着色剤としては、以下のものが挙げられる:好ましくは無機顔料、特にウルトラマリンブルー酸化鉄二酸化チタン硫化亜鉛、またはカーボンブラック、ならびにさらに有機顔料、特にフタロシアニンキナクリドンペリレン、および染料、好ましくはニグロシンおよびアントラキノン

0116

成分H)として使用するための成核剤としては、好ましくはフェニルホスフィン酸ナトリウムまたはフェニルホスフィン酸カルシウム酸化アルミニウム、または二酸化ケイ素、そして極めて特に好ましくはタルクであるが、ここに列挙したものに限定される訳ではない。

0117

成分H)として使用するための流動助剤は、好ましくは、少なくとも1種のα−オレフィンと、少なくとも1種の脂肪族アルコールメタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルとのコポリマーである。ここで特に好ましいのは、そのα−オレフィンがエテンおよび/またはプロペンから構成され、そのメタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルが、そのアルコール成分として、6〜20個のC原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル基を含んでいる、コポリマーである。極めて特に好ましいのは、アクリル酸2−エチルヘキシル[CAS No.26984−27−0]である。流動助剤として好適なコポリマーの特徴は、それらの組成だけではなく、それらが低分子量であることである。したがって、本発明において熱分解から保護されるべき組成物に好適なコポリマーは特に、190℃、加重2.16kgで測定したMFI値が、少なくとも100g/10分、好ましくは少なくとも150g/10分、より好ましくは少なくとも300g/10分であるようなものである。MFI、すなわちメルトフローインデックスが、熱可塑性プラスチック溶融物流動特性を特徴付けるが、これは、標準のISO 1133またはASTMD 1238に規定されている。

0118

成分H)として使用するのに好適な可塑剤は、フタル酸ジオクチルフタル酸ジベンジルフタル酸ブチルベンジル炭化水素オイル、またはN−(n−ブチル)ベンゼンスルホンアミドである。

0119

成分H)として使用するためのエラストマー変性剤としては、好ましくは、なかんずく、1種または複数の、以下のもののグラフトポリマーが挙げられる:
H.1:5重量%〜95重量%、好ましくは30重量%〜90重量%の、少なくとも1種のビニルモノマー、および
H.2:95〜5重量%、好ましくは70〜10重量%の、10℃未満、好ましくは0℃未満、より好ましくは−20℃未満のガラス転移温度を有する、1種または複数のグラフト基材

0120

グラフト基材のH.2は、一般的には0.05〜10μm、好ましくは0.1〜5μm、特に好ましくは0.2〜1μmの平均粒径(d50)を有している。

0121

H.1のモノマーは、以下のものの混合物であるのが好ましい:
H.1.1:50〜99重量%の、ビニル芳香族化合物および/または環置換されたビニル芳香族化合物、特には、スチレンα−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、および/またはメタクリル酸(C1〜C8)−アルキル、特にはメタクリル酸メチルメタクリル酸エチル、ならびに
H.1.2:1重量%〜50重量%の、ビニルシアニド、特には不飽和ニトリル、たとえばアクリロニトリルおよびメタクリロニトリル、および/または(メタアクリル酸(C1〜C8)−アルキル、特にはメタクリル酸メチル、メタクリル酸グリシジルアクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、および/または不飽和カルボン酸誘導体、特には無水物およびイミド、特には無水マレイン酸またはN−フェニルマレイミド

0122

好適なモノマーH.1.1は、スチレン、α−メチルスチレンおよびメタクリル酸メチルのモノマーの少なくとも1種から選択され、好適なモノマーH.1.2は、アクリロニトリル、無水マレイン酸、メタクリル酸グリシジル、およびメタクリル酸メチルのモノマーの少なくとも1種から選択される。

0123

特に好適なモノマーは、H.1.1ではスチレン、H.1.2ではアクリロニトリルである。

0124

エラストマー変性剤において使用するグラフトポリマーに好適なグラフト基材のH.2は、たとえば、ジエンゴムEPDMゴム、すなわちエチレン/プロピレンおよび場合によってはジエンをベースとするもの、さらには、アクリル酸エステル、ポリウレタンシリコーンクロロプレン、およびエチレン/酢酸ビニルゴムである。EPDMは、エチレン−プロピレン−ジエンゴムを表している。

0125

好適なグラフト基材H.2は、ジエンゴム、特にブタジエン、イソプレンなどをベースとするもの、またはジエンゴムもしくはジエンゴムのコポリマーもしくはそれらの混合物と、さらなる共重合性モノマー、特にH.1.1およびH.1.2に記載のものとの混合物であるが、ただし、成分H.2のガラス転移温度は、10℃未満、好ましくは0℃未満、より好ましくは−10℃未満である。

0126

特に好ましいグラフト基材H.2は、ABSポリマー(エマルション法、バルク法、および懸濁法のABS)であるが、ここでABSは、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、たとえば以下に記載されているようなものを表している:米国特許第A3 644 574号明細書または英国特許出願公開第A1 409 275号明細書、または、Ullmann,Enzyklopaedie der Technischen Chemie,vol.19(1980),p.277〜295。グラフト基材のH.2のゲル含量は、(トルエン中で測定して)好ましくは少なくとも30重量%、特に好ましくは少なくとも40重量%である。

0127

それらのエラストマー変性剤/グラフトポリマーは、フリーラジカル重合、好ましくはエマルション重合懸濁重合溶液重合、またはバルク重合、特には、エマルション重合またはバルク重合で製造される。

0128

特に好適なグラフトゴムとしてはさらに、ABSポリマーが挙げられるが、このものは、米国特許第A4 937 285号明細書に従った、有機過酸化物アスコルビン酸とからなる重合開始剤系を用いた酸化還元開始法によって製造される。

0129

周知のように、グラフト化反応においては、グラフトモノマーが、グラフトベースの上に全部がグラフトされなければならないという訳ではないので、グラフトポリマーは、本発明においては、グラフトベースの存在下にグラフトモノマーを(共)重合させ、さらに仕上げ作業によって得られた反応生成物を意味していると理解されたい。

0130

同様に好適なアクリレートゴムは、好ましくはアクリル酸アルキルのポリマーであるグラフト基材H.2をベースとしていて、それは、場合によっては、H.2を基準にして最高40重量%までの、その他の重合性エチレン性不飽和モノマーを組み合わせたものである。好適な重合性アクリル酸エステルとしては、以下のものが挙げられる:C1〜C8−アルキルエステル、たとえばメチル、エチル、ブチル、n−オクチルおよび2−エチルヘキシルエステルハロアルキルエステル、好ましくはハロC1〜C8−アルキルエステル、たとえばアクリル酸クロロエチルグリシジルエステル、およびそれらのモノマーの混合物。コアとしてアクリル酸ブチルを、そしてシェルとしてメタクリル酸メチルを含むグラフトポリマーが、特に好ましい。Paraloid(登録商標)EXL2300(Dow Corning Corporation(Midland,Michigan,USA)製)が特に好ましい。

0131

架橋は、2個以上の重合性二重結合を有する共重合性モノマーによって達成することが可能である。架橋性モノマーの好ましい例としては、以下のものが挙げられる:3〜8個の炭素原子を有する不飽和モノカルボン酸と、3〜12個の炭素原子を有する不飽和一価アルコールまたは2〜4個のOH基および2〜20個の炭素原子を有する飽和ポリオールとのエステル、好ましくは、エチレングリコールジメタクリレートメタクリル酸アリルポリ飽和ヘテロサイクリック化合物、好ましくはトリビニルシアヌレートおよびトリアリルシアヌレート多官能ビニル化合物、好ましくはジビニルベンゼンおよびトリビニルベンゼン、さらにはリン酸トリアリルおよびフタル酸ジアリル

0132

好適な架橋性モノマーは、メタクリル酸アリル、エチレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリル、および少なくとも3個のエチレン性不飽和基を有するヘテロサイクリック化合物である。

0133

特に好適な架橋性モノマーは、環状モノマーのトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアクリイルヘキサヒドロ−s−トリアジントリアリルベンゼンである。架橋されたモノマーの量は、グラフト基材H.2を規準にして、好ましくは0.02〜5重量%、特には0.05〜2重量%である。

0134

少なくとも3個のエチレン性不飽和基を有する環状の架橋性モノマーの場合には、グラフト基材H.2の1重量%未満の量に制限するのが有利である。

0135

アクリルエステルに加えて、場合によってはグラフト基材H.2を製造するために使用することが可能な、好ましい「その他の」重合性で、エチレン性不飽和モノマーとしては以下のものが挙げられる:アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリルアミド、ビニルC1〜C6−アルキルエーテル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸グリシジル、ブタジエン。グラフト基材H.2として使用するのに好ましいアクリレートゴムは、少なくとも60重量%のゲル含量を有するエマルションポリマーである。

0136

H.2に従うさらなる好ましいグラフト基材は、たとえば以下の特許に記載されている、グラフト活性サイトを有するシリコーンゴムである:米国特許第4 859 740号明細書、米国特許第4 861 831号明細書、米国特許第4 806 593号明細書、および米国特許第4 812 515号明細書。

0137

グラフトポリマーをベースとするエラストマー変性剤と同様に、グラフトポリマーをベースとせず、10℃未満、好ましくは0℃未満、特に好ましくは−20℃未満のガラス転移温度を有するエラストマー変性剤を使用することも可能である。好ましくは、これらには、ブロックコポリマー構造を有するエラストマーおよびそれに加えて、熱可塑性的に溶融することが可能なエラストマー、特に、EPM、EPDMおよび/またはSEBSゴム(EPM=エチレン−プロピレン・コポリマー、EPDM=エチレン−プロピレン−ジエン・ゴム、SEBS=スチレン−エテン−ブテン−スチレン・コポリマー)が含まれる。

0138

成分H)として使用するのに好適な難燃剤は、成分C)または成分D)とは異なる、鉱物質難燃剤、窒素含有難燃剤、またはリン含有難燃剤である。

0139

好ましい窒素含有難燃剤は、以下のものである:トリクロロトリアジンピペラジン、およびCAS No.1078142−02−5のモルホリンの反応生成物、特にはMCA PPM Triazine HF(MCA Technologies GmbH(Biel−Benken,Switzerland)製)、メラミンシアヌレート、およびメラミンの縮合反応生成物、たとえばメレム(melem)、メラム(melam)、メロン(melon)、またはこのタイプでさらに縮合度の高い化合物。好適な無機窒素含有化合物は、アンモニウム塩である。

0140

脂肪族もしくは芳香族スルホン酸の塩または鉱物質難燃剤添加剤、特に、水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグネシウム、ならびに、炭酸Ca−Mg水和物(たとえば、独国特許出願公開第A4 236 122号明細書)を使用することもまた可能である。

0141

同様に好適なのが、酸素含有窒素含有または硫黄含有金属化合物の群からの難燃性相乗剤であって、特に好ましいのが、先に説明したように亜鉛を含まない化合物、特に酸化モリブデン酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム酸化カルシウム窒化チタン窒化ホウ素窒化マグネシウムリン酸カルシウムホウ酸カルシウムホウ酸マグネシウム、またはそれらの混合物である。

0142

それに代わる実施形態においては、(必要があり、また上述の不利が伴うことを承知の上ならば)、成分H)として亜鉛化合物を使用することもまた可能である。それらとしては、好ましくは、酸化亜鉛、ホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛ヒドロキシスズ酸亜鉛、硫化亜鉛、および窒化亜鉛、またはそれらの混合物が挙げられる。

0143

それに代わる実施形態においては、(必要があり、また随伴する不利が伴うことを承知の上ならば)、成分H)としてハロゲン含有難燃材を使用することもまた可能である。

0144

好ましいハロゲン含有難燃剤は市販されている有機ハロゲン化合物であって、特に好ましくはエチレン−1,2−ビステトラブロモフタルイミドデカブロモジフェニルエタンテトラブロモビスフェノールエポキシオリゴマー、テトラブロモビスフェノールAオリゴカーボネートテトラクロロビスフェノールAオリゴカーボネート、ポリペンタブロモベンジルアクリレート臭素化ポリスチレン、または臭素化ポリフェニレンエーテルであるが、それらは単独で使用することもできるし、あるいは相乗剤、特に三酸化アンチモンまたは五酸化アンチモンと組み合わせて使用することもできる。

0145

成分C)またはD)とは異なる、好ましいリン含有難燃剤としては以下のものが挙げられる:赤リン無機金属次亜リン酸塩、特に次亜リン酸アルミニウム、金属のホスホン酸塩、特にホスホン酸カルシウム、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン10−オキシドの誘導体(DOPO誘導体)、レソルシノールビス(ジフェニルホスフェート)(RDP)(オリゴマーを含む)、およびビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)(BDP)(オリゴマーを含む)、さらには、メラミンピロホスフェート、ならびに、必要とあれば、メラミンポリホスフェート、さらには、メラミンポリ(リン酸アルミニウム)、メラミンポリ(リン酸亜鉛)、またはフェノキシホスファゼンオリゴマー、およびそれらの混合物。

0146

成分H)として使用されるさらなる難燃剤としては、炭化層形成物、特に好ましくはフェノール−ホルムアルデヒド樹脂ポリカーボネートポリイミドポリスルホンポリエーテルスルホンまたはポリエーテルケトン、および、滴り防止剤(anti−drippingagent)、特にはテトラフルオロエチレンポリマーが挙げられる。

0147

難燃剤は、純品の形で添加してもよいし、あるいはマスターバッチまたはコンクテートとして添加してもよい。

0148

成分H)として使用するための潤滑剤および/または離型剤としては、好ましくは、以下のものが挙げられる:長鎖脂肪酸、特にステアリン酸またはベヘン酸、それらの塩、特にステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸亜鉛、およびそれらのエステル誘導体またはアミド誘導体、特にエチレンビスステアリルアミドモンタンワックス、および低分子量ポリエチレンもしくはポリプロピレンワックス

0149

本発明の文脈においては、モンタンワックスは、28〜32個の炭素原子の鎖長を有する、直鎖の飽和カルボン酸の混合物である。

0150

本発明において特に好ましいのは、8〜40個の炭素原子を有する飽和もしくは不飽和の脂肪族カルボン酸と、2〜40個の炭素原子を有する脂肪族飽和アルコールまたはアミンとからのエステルまたはアミド、ならびに8〜40個の炭素原子を有する飽和もしくは不飽和の脂肪族カルボン酸の金属塩の群からの潤滑剤および/または離型剤の使用である。

0151

極めて特に好ましいのは、エチレンビスステアリルアミド、ステアリン酸カルシウム、およびエチレングリコールジモンタネートの群からの少なくとも1種の潤滑剤および/または離型剤の使用である。

0152

ステアリン酸カルシウム[CAS No.1592−23−0]またはエチレンビスステアリルアミド[CAS No.110−30−5]を使用するのが、特に好ましい。

0153

エチレンビスステアリルアミド(Loxiol(登録商標)EBS、Emery Oleochemicals製)を使用するのが、極めて特に好ましい。

0154

成分H)として使用する、水の吸収を抑制するのに好ましい成分は、半芳香族(semiaromatic)のポリアミドおよび/またはポリアルキレンテレフタレートであり、ポリアルキレンテレフタレートが極めて特に好ましい。

0155

半芳香族ポリアミドの中でも、さらに好ましいのは、α,ω−ジアミンと、ベンゼンジカルボン酸イソフタル酸、およびテレフタル酸、好ましくはイソフタル酸とから製造されたものである。好ましい芳香族構造単位は、イソフタル酸、テレフタル酸、フェニレンジアミンキシリレンジアミンの群の反応剤から選択される。好ましいα,ω−ジアミンは、1,4−ジアミノブタンヘキサブチレンジアミン)または1,6−ジアミノブタン(ヘキサメチレンジアミン)である。水の吸収を抑制するための成分として使用するのに極めて特に好ましい半芳香族ポリアミドは、イソフタル酸(PA6I)[CAS No.25668−34−2]またはテレフタル酸(PA6T)[CAS No.24938−70−3]と、ヘキサメチレンジアミン[CAS No.124−09−4]とから製造される。極めて特に好ましいのは、PA6Iであった、これは、なかんずく、LANXESS Deutschland GmbH(Cologne)からDurethan(登録商標)T40として入手することが可能である。

0156

半芳香族ポリアミドは、それぞれの場合において、100質量部の成分A)を規準にして、1〜50質量部の範囲の量、特に好ましくは3〜40質量部の範囲の量、極めて特に好ましくは8〜25質量部の範囲の量で好適に使用される。

0157

水の吸収を抑制するための成分としては、ポリアルキレンテレフタレートの中でも、ポリブチレンテレフタレートおよび/またはポリエチレンテレフタレートを使用するのが特に好ましく、ポリエチレンテレフタレートが極めて特に好ましい。ポリアルキレンテレフタレートは、それぞれの場合において、100質量部の成分A)を規準にして、1〜50質量部の範囲の量、特に好ましくは3〜40質量部の範囲の量、極めて特に好ましくは8〜25質量部の範囲の量で好適に使用される。本発明において使用するためのポリエチレンテレフタレートは、たとえば、PET V004(ホモポリマー;Invista(Gersthofen,Germany)製)として、またはPET Lighter(登録商標)C93(コポリマー;Equipolymers(Milan,Italy)製)として市販されている。

0158

成分H)として使用するのに好適なレーザー吸収剤は、好ましくは、以下の群から選択される:三酸化アンチモン、酸化スズオルトリン酸スズ、チタン酸バリウム、酸化アルミニウム、ヒドロキシリン酸銅、オルトリン酸銅、二リン酸銅カリウム、水酸化銅アンチモンスズ酸化物三酸化ビスマス、およびアントラキノン。特に好ましいのは、三酸化アンチモンおよびアンチモンスズ酸化物である。極めて特に好ましいのは、三酸化アンチモンである。

0159

レーザー吸収剤、特に三酸化アンチモンは、粉体として直接使用してもよいし、あるいはマスターバッチの形で使用してもよい。好ましいマスターバッチは、ポリアミドをベースとするもの、またはポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン−ポリプロピレン・コポリマー、無水マレイン酸をグラフトされたポリエチレンおよび/または無水マレイン酸をグラフトされたポリプロピレンをベースとするものであるが、ここで三酸化アンチモンのマスターバッチのためのポリマーは、個別に使用しても、あるいは混合物として使用してもよい。極めて特に好ましいのは、ポリアミド−6ベースのマスターバッチの形態の中で三酸化アンチモンを使用することである。

0160

レーザー吸収剤は、個別に使用することもできるし、あるいは2種以上のレーザー吸収剤の混合物として使用することもできる。

0161

レーザー吸収剤は、特定の波長レーザー光を吸収することができる。実際のところ、その波長は、157nm〜10.6μmの範囲である。これらの波長のレーザーの例は、国際公開第2009/003976A1号パンフレットに記載されている。1064、532、355、および266nmの波長を達成することが可能な、Nd:YAGレーザーおよびCO2レーザーを使用するのが好ましい。

0162

好ましい実施形態においては、本発明は、以下のものを含む組成物をベースとする、組成物/製品、好ましくはバッテリーシステムの構成部品に関する:
A)ポリアミド6(80〜180ml/gの範囲の、ISO 307に従って96重量%硫酸中の0.5重量%溶液を用いて25℃で測定可能な粘度数を有する)、
B)炭素繊維(好ましくは4〜7mmの範囲の平均長さを有する)、
C)ホスホン酸アルミニウム(式Al2(HPO3)3・(H2O)q、ここでqは、0〜4の範囲である)、
D)トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、
(ここで、成分B)の長さの測定は、USB顕微鏡(較正機能付き)を使用して実施される)。

0163

好ましい実施形態においては、本発明は、以下のものを含む組成物をベースとする、組成物/製品、好ましくはバッテリーシステムの構成部品に関する:
A)ポリアミド66(80〜180ml/gの範囲の、ISO 307に従って96重量%硫酸中の0.5重量%溶液を用いて25℃で測定可能な粘度数を有する)、
B)炭素繊維(好ましくは4〜7mmの範囲の平均長さを有する)、
C)ホスホン酸アルミニウム(式Al2(HPO3)3・(H2O)q、ここでqは、0〜4の範囲である)、
D)トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、
(ここで、成分B)の長さの測定は、USB顕微鏡(較正機能付き)を使用して実施される)。

0164

好ましい実施形態においては、本発明は、以下のものを含む組成物をベースとする、組成物/製品、好ましくはバッテリーシステムの構成部品に関する:
A)ポリアミド6(80〜180ml/gの範囲の、ISO 307に従って96重量%硫酸中の0.5重量%溶液を用いて25℃で測定可能な粘度数を有する)、
B)炭素繊維(好ましくは4〜7mmの範囲の平均長さを有する)、
C)ホスホン酸アルミニウム(式Al2(HPO3)3・(H2O)q、ここでqは、0〜4の範囲である)、
D)トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、および
E)以下の群からの少なくとも1種の熱安定剤、
2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、
1,6−ヘキサンジオールビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート、
ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
N,N’−ヘキサメチレンビス−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド、および
トリエチレングリコールビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、
(ここで、成分B)の長さの測定は、USB顕微鏡(較正機能付き)を使用して実施される)。

0165

好ましい実施形態においては、本発明は、以下のものを含む組成物をベースとする、組成物/製品、好ましくはバッテリーシステムの構成部品に関する:
A)ポリアミド66(80〜180ml/gの範囲の、ISO 307に従って96重量%硫酸中の0.5重量%溶液を用いて25℃で測定可能な粘度数を有する)、
B)炭素繊維(好ましくは4〜7mmの範囲の平均長さを有する)、
C)ホスホン酸アルミニウム(式Al2(HPO3)3・(H2O)q、ここでqは、0〜4の範囲である)、
D)トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、および
E)以下の群からの少なくとも1種の熱安定剤、
2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、
1,6−ヘキサンジオールビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート、
ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
N,N’−ヘキサメチレンビス−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド、および
トリエチレングリコールビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、
(ここで、成分B)の長さの測定は、USB顕微鏡(較正機能付き)を使用して実施される)。

0166

好ましい実施形態においては、本発明は、以下のものを含む組成物をベースとする、組成物/製品、好ましくはバッテリーシステムの構成部品に関する:
A)ポリアミド6(80〜180ml/gの範囲の、ISO 307に従って96重量%硫酸中の0.5重量%溶液を用いて25℃で測定可能な粘度数を有する)、
B)炭素繊維(好ましくは4〜7mmの範囲の平均長さを有する)、
C)ホスホン酸アルミニウム(式Al2(HPO3)3・(H2O)q、ここでqは、0〜4の範囲である)、
D)トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、および
E)N,N’−ヘキサメチレンビス−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド、
(ここで、成分B)の長さの測定は、USB顕微鏡(較正機能付き)を使用して実施される)。

0167

好ましい実施形態においては、本発明は、以下のものを含む組成物をベースとする、組成物/製品、好ましくはバッテリーシステムの構成部品に関する:
A)ポリアミド66(80〜180ml/gの範囲の、ISO 307に従って96重量%硫酸中の0.5重量%溶液を用いて25℃で測定可能な粘度数を有する)、
B)炭素繊維(好ましくは4〜7mmの範囲の平均長さを有する)、
C)ホスホン酸アルミニウム(式Al2(HPO3)3・(H2O)q、ここでqは、0〜4の範囲である)、
D)トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、および
E)N,N’−ヘキサメチレンビス−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド、
(ここで、成分B)の長さの測定は、USB顕微鏡(較正機能付き)を使用して実施される)。

0168

好ましい実施形態においては、本発明は、以下のものを含む組成物をベースとする、組成物/製品、好ましくはバッテリーシステムの構成部品に関する:
A)ポリアミド6(80〜180ml/gの範囲の、ISO 307に従って96重量%硫酸中の0.5重量%溶液を用いて25℃で測定可能な粘度数を有する)、
B)炭素繊維(好ましくは4〜7mmの範囲の平均長さを有する)、
C)ホスホン酸アルミニウム(式Al2(HPO3)3・(H2O)q、ここでqは、0〜4の範囲である)、
D)トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、および
H)少なくとも1種の半芳香族ポリアミド、
(ここで、成分B)の長さの測定は、USB顕微鏡(較正機能付き)を使用して実施される)。

0169

好ましい実施形態においては、本発明は、以下のものを含む組成物をベースとする、組成物/製品、好ましくはバッテリーシステムの構成部品に関する:
A)ポリアミド66(80〜180ml/gの範囲の、ISO 307に従って96重量%硫酸中の0.5重量%溶液を用いて25℃で測定可能な粘度数を有する)、
B)炭素繊維(好ましくは4〜7mmの範囲の平均長さを有する)、
C)ホスホン酸アルミニウム(式Al2(HPO3)3・(H2O)q、ここでqは、0〜4の範囲である)、
D)トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、および
H)少なくとも1種の半芳香族ポリアミド、
(ここで、成分B)の長さの測定は、USB顕微鏡(較正機能付き)を使用して実施される)。

0170

好ましい実施形態においては、本発明は、以下のものを含む組成物をベースとする、組成物/製品、好ましくはバッテリーシステムの構成部品に関する:
A)ポリアミド6(80〜180ml/gの範囲の、ISO 307に従って96重量%硫酸中の0.5重量%溶液を用いて25℃で測定可能な粘度数を有する)、
B)炭素繊維(好ましくは4〜7mmの範囲の平均長さを有する)、
C)ホスホン酸アルミニウム(式Al2(HPO3)3・(H2O)q、ここでqは、0〜4の範囲である)、
D)トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、および
E)以下の群からの少なくとも1種の熱安定剤、
2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、
1,6−ヘキサンジオールビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート、
ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
N,N’−ヘキサメチレンビス−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド、および
トリエチレングリコールビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、および
H)少なくとも1種の半芳香族ポリアミド、
(ここで、成分B)の長さの測定は、USB顕微鏡(較正機能付き)を使用して実施される)。

0171

好ましい実施形態においては、本発明は、以下のものを含む組成物をベースとする、組成物/製品、好ましくはバッテリーシステムの構成部品に関する:
A)ポリアミド66(80〜180ml/gの範囲の、ISO 307に従って96重量%硫酸中の0.5重量%溶液を用いて25℃で測定可能な粘度数を有する)、
B)炭素繊維(好ましくは4〜7mmの範囲の平均長さを有する)、
C)ホスホン酸アルミニウム(式Al2(HPO3)3・(H2O)q、ここでqは、0〜4の範囲である)、
D)トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、および
E)以下の群からの少なくとも1種の熱安定剤、
2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、
1,6−ヘキサンジオールビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート、
ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
N,N’−ヘキサメチレンビス−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド、および
トリエチレングリコールビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、および
H)少なくとも1種の半芳香族ポリアミド、
(ここで、成分B)の長さの測定は、USB顕微鏡(較正機能付き)を使用して実施される)。

0172

好ましい実施形態においては、本発明は、以下のものを含む組成物をベースとする、組成物/製品、好ましくはバッテリーシステムの構成部品に関する:
A)ポリアミド6(80〜180ml/gの範囲の、ISO 307に従って96重量%硫酸中の0.5重量%溶液を用いて25℃で測定可能な粘度数を有する)、
B)炭素繊維(好ましくは4〜7mmの範囲の平均長さを有する)、
C)ホスホン酸アルミニウム(式Al2(HPO3)3・(H2O)q、ここでqは、0〜4の範囲である)、
D)トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、および
E)N,N’−ヘキサメチレンビス−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド、および
H)少なくとも1種の半芳香族ポリアミド、
(ここで、成分B)の長さの測定は、USB顕微鏡(較正機能付き)を使用して実施される)。

0173

好ましい実施形態においては、本発明は、以下のものを含む組成物をベースとする、組成物/製品、好ましくはバッテリーシステムの構成部品に関する:
A)ポリアミド66(80〜180ml/gの範囲の、ISO 307に従って96重量%硫酸中の0.5重量%溶液を用いて25℃で測定可能な粘度数を有する)、
B)炭素繊維(好ましくは4〜7mmの範囲の平均長さを有する)、
C)ホスホン酸アルミニウム(式Al2(HPO3)3・(H2O)q、ここでqは、0〜4の範囲である)、
D)トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、および
E)N,N’−ヘキサメチレンビス−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド、および
H)少なくとも1種の半芳香族ポリアミド、
(ここで、成分B)の長さの測定は、USB顕微鏡(較正機能付き)を使用して実施される)。

0174

プロセス
本発明はさらに、PA6−ベースおよび/またはPA66ベースの組成物、およびそれから(好ましくは射出成形法により)製造することが可能な製品を製造するためのプロセスにも関するが、それは、従来技術の組成物に比較して、UL94V法に従ったUL94試験において、特に壁厚1.5mmで、V−0等級が達成され、および/または、高温多湿な気候条件下で貯蔵した後で、表面品質が損なわれる程度が低いことを特徴としているが、ここで、前記プロセスには、以下のもの相互の組合せを採用することが含まれる:
炭素繊維(好ましくは4〜7mmの範囲の平均長さを有する)、
と共に、
少なくとも1種の、ホスホン酸のアルミニウム塩、および
1種または複数の、式(I)の有機ホスフィン酸の塩、および/または1種または複数の、式(II)のジホスフィン酸の塩、



[式中、
R1、R2は、同一であるかまたは異なっていて、直鎖状もしくは分岐状のC1〜C6−アルキルおよび/またはC6〜C14−アリールを表し、
R3は、直鎖状もしくは分岐状のC1〜C10−アルキレン、C6〜C10−アリーレン、またはC1〜C6−アルキル−C6〜C10−アリーレン、またはC6〜C10−アリール−C1〜C6−アルキレンを表し、
Mは、アルミニウム、亜鉛、またはチタンを表し、
mは、1〜4の整数を表し;
nは、1〜3の整数を表し、そして
xは、1および2を表すが、
ここで、式(II)におけるn、xおよびmは同時には、式(II)のジホスフィン酸の塩が全体として電荷を持たなくなるような整数値のみを取ることができる]および/またはそれらのポリマー、
ここで、それぞれのポリアミドが、ISO 307に従って96重量%硫酸中の0.5重量%溶液で25℃にて測定して、80〜180ml/gの範囲の粘度数を有し、ここで、その炭素繊維の長さの測定が、USB顕微鏡(較正機能付き)を使用して実施される。

0175

本発明は、好ましくは、PA6ベースおよび/またはPA66ベースの組成物およびそれから(好ましくは射出成形により)製造することが可能な製品を製造するためのプロセスに関するが、それは、従来技術の組成物に比較して、UL94V法に従ったUL94試験において、特に壁厚1.5mmで、V−0等級が達成され、および/または、高温多湿な気候条件下で貯蔵した後で、表面品質が損なわれる程度が低いことを特徴としているが、ここで、前記プロセスには、以下のもの相互の組合せを採用することが含まれ、炭素繊維(好ましくは4〜7mmの範囲の平均長さを有する)と、国際公開第2013/083247A1号パンフレットの実施例2に従って製造した、式Al2(HPO3)3・(H2O)qの第二ホスホン酸アルミニウム(ここで、qは、0〜4の範囲である)と、トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、ここで、それぞれのポリアミドが、ISO 307に従って96重量%硫酸中の0.5重量%溶液で25℃にて測定して、80〜180ml/gの範囲の粘度数を有し、ここで、その炭素繊維の長さの測定が、USB顕微鏡(較正機能付き)を使用して実施される。

0176

本発明はさらに、特化させたプロセスのGIT(ガスインジェクション技術)、WIT(水インジェクション技術)およびPIT(プロジェクタイルインジェクション技術)も含めた射出成形において、ならびに異形押出し成形も含めた押出し成形において、またはブロー成形プロセスにおいて、本発明による組成物を使用することによる、製品、好ましくは以下の用途で使用するための製品を製造するためのプロセスにも関する:電気駆動の車両、特にハイブリッド自動車または電気自動車の電力伝達装置および/またはバッテリーシステム、特に好ましくはバッテリーシステムの分野、特別に好ましくは、バッテリーシステムおよび/またはバッテリーシステムの個々の構成要素を、保持、固定、および懸架するための構造的構成要素のため、特に電池モジュール、冷却装置および/またはバッテリー管理システム。

0177

これらの製品を製造するために、本発明の組成物の個々の成分を、最初に少なくとも1種の混合装置の中で混合/コンパウンディングし、次いで成形材料の形態をとる、その混合物を、その少なくとも1種の混合装置の出口を介して、さらなる加工工程に直接送るか、または押出し成形して、ペレタイザー、好ましくは回転ブレードローラーの手段によって、その後の加工操作に使用できるような所望の長さのペレットに切断する。当業者ならば理解していることであるが、「コンパウンディング」という用語は、特定な性能プロファイルに最適化する目的で、添加物質(充填剤、添加剤など)を混合することによるプラスチックのための仕上げプロセスを記述する、プラスチック加工同義の、プラスチック業界用語を意味している(参照:https://de.wikipedia.org/wiki/Compoundierung)。コンパウンディングは、エクストルーダー中で実施するのが好ましい。コンパウンディングには、搬送、溶融、分散、混合、脱ガス、および加圧プロセス操作が含まれる。

0178

多くの加工業者はペレットの形態のプラスチックを希望するので、本発明の組成物から得ることが可能な成形組成物ペレット化は、重要な役割をはたす。ホットカットコールドカットは、根本的に区別される。加工法に応じて、異なった粒子形態が得られる。ホットカットの場合においては、本発明の組成物を含むペレットは、ビーズ状またはレンズ状の形態で得られるし、コールドカットの場合には、円筒状または立方体の形態でペレットが得られる。本発明の組成物を含むペレットの形態の成形組成物は、コールドカットによって得るのが好ましい。

0179

当業者は、本発明の組成物から得られる成形組成物の中の成分の混合に関して最適な混合効果を達成させるのに適した、各種の混合装置を自由に使用してよい。本発明の文脈においては、エクストルーダーが好ましい混合装置である。好ましいエクストルーダーは、一軸スクリューエクストルーダーまたは二軸スクリューエクストルーダーおよびそれぞれのサブグループであり、最も好ましくは通常の一軸スクリューエクストルーダー、搬送(conveying)一軸スクリューエクストルーダー、逆回転二軸スクリューエクストルーダー、または共回転二軸スクリューエクストルーダー、プラネタリーギアエクストルーダー、またはコニーダーである。

0180

これらは、以下の文献からも当業者にはよく知られている:Technische Thermoplaste 4.、Polyamide,eds.:G.W.Becker and D.Braun,Carl Hanser Verlag,1998,p.311〜314、およびK.Brast,学位論文表題「Verarbeitung von Langfaser−verstaerkten Thermoplasten im direkten Plastifizier−/Pressverfahren」,Rheinisch−Westfaelische Technische Hockschule(Aahen),2001,p.30〜33。

0181

本発明において成形組成物またはペレットの形態で存在している組成物は、最終的には、成形法を使用して、本発明による製品を製造するために使用される。好ましい成形法は、射出成形法または押出し成形法である。

0182

押出し成形または射出成形によって製品を製造するための本発明におけるプロセスは、好ましくは230℃〜330℃の範囲の溶融温度、特に好ましくは250℃〜300℃の範囲の溶融温度で、そしてさらに、好ましくは2500bar以下の圧力、特に好ましくは2000bar以下の圧力、極めて特に好ましくは1500bar以下の圧力、特別に好ましくは750bar以下の圧力で、実施される。

0183

使用
本出願はさらに、本発明による組成物から、極めて高い曲げモジュラス、高い難燃性、および高温多湿の周囲条件下での低レベルの表面変化を有する本発明の製品を製造する目的で、以下の成形法における成形材料としての、本発明による組成物の使用を提供する:射出成形法(特化されたプロセスの、GIT(ガスインジェクション技術)、WIT(水インジェクション技術)、およびPIT(プロジェクタイルインジェクション技術)を含む)、押出し成形プロセス(異形押出し成形を含む)、ブロー成形、特に好ましくは標準的な押出しブロー成形プロセス、3D押出しブロー成形法、またはサクションブロー成形プロセス、およびさらには3−D印刷法

0184

本発明はさらに、製品、好ましくは以下の用途のための製品を製造するための本発明による組成物の使用にも関する:電気駆動(ハイブリッド自動車または電気自動車)の車両の電力伝達装置および/またはバッテリーシステム、特に好ましくはバッテリーシステムの分野、特別に好ましくは、バッテリーシステムおよび/またはバッテリーシステムの個々の構成要素を、保持、固定、および懸架するための構造的構成要素のため、好ましくは電池モジュール、冷却装置および/またはバッテリー管理システム。

0185

本発明さらに好ましくは、金属、機能要素および/または繊維−マトリックス半完成製品(後者の方が好ましい)のオーバーモールディングサラウンド・モールディング、アンダー・モールディングまたはモールディング・オンのための成形材料としての、本発明による組成物の使用を提供する。オーバー・モールディング、サラウンド・モールディング、アンダー・モールディング、またはモールディング・オンは、注型成形、または射出成形、好ましくは射出成形で実施される。これは、総合的、または部分的、または循環的な方法で実施することができる。射出成形は、アンダー・モールディングおよび/またはモールディング・オンおよび/またはサラウンド・モールディングであってよい。この技術は、インモールド成形IMF)として知られ、異なった構造原料からハイブリッド構造部材を製造するために使用される組込み型の特化された射出成形プロセスである(参照、http://www.industrieanzeiger.de/home/−/article/12503/11824771/)。IMFによって、繊維−マトリックス半完成製品の縁の部分に露出した補強繊維を含ませることが可能となる。このことによって、構造部材が特に滑らかな縁を有するようになる。しかし、IMFでは、モールディング・オンのための機能要素を成形し、それと同時に、特にさらなる接着剤を使用しなくても繊維−マトリックス半完成製品の構成要素に接合させることが可能となる。IMFの原理は、独国特許出願公開第4101106A1号明細書、米国特許第6036908B号明細書、米国特許第6475423B1号明細書、または国際公開第2005/070647A1号パンフレットからも公知である。

0186

IMFにおいて、本発明において好ましいやり方で使用するための、繊維−マトリックス半完成製品に適したマトリックスプラスチックは、本発明における成形材料のためのポリマーとして既に使用しているのと同じプラスチック、すなわちPA6および/またはPA66であるのが好ましい。

0187

オーバー・モールディング、サラウンド・モールディング、アンダー・モールディング、またはモールディング・オンにかけるための繊維−マトリックス半完成製品の織物補強では、その中で多数の個々のフィラメントが適切に相互結合されている、織物の半完成製品を採用する。ここでの関心事項は、特に、織布、NCF、多軸NCF、ステッチド布、ブレイド、不織布、フェルトマット、および一方向繊維ストランド、好ましくは織布または、エンドレス繊維および場合によっては長繊維もベースとするNCFの群からシート様の織物半完成製品である。

0188

織物半完成製品のために使用するのに好ましいエンドレス繊維は、軽量で高い機械的性能を特徴としている。これらは、好ましくは、工業用繊維、特にガラス繊維または炭素繊維であるが、その中でも、本発明においては炭素繊維が好ましい。

0189

本発明において使用するために好ましい繊維−マトリックス半完成製品はさらに、たとえば欧州特許出願公開第3 257 893A1号明細書に記載されているようにして、変性させておいて難燃性としてもよい。

0190

射出成形成分から製造される好ましい機能要素は、固定具または支持具ならびに、繊維−マトリックス半完成製品成分によってではなく、形状的な複雑さが起こりうるために、IMFにより、射出成形成分によって成形しなければならないその他の用途である。

0191

IMFを実施するには、単一層の繊維−マトリックス半完成製品を、適切な形状の金型キャビティを有する金型、好ましくは射出成形金型の中に置く。次いで射出成形成分を射出する。ここでの目的は、繊維−マトリックス半完成製品成分のマトリックスポリマーと射出成形成分のポリマーとの間で、凝集的な接合を起こさせることである。そのような凝集的な接合は、それら2種のポリマーのそれぞれが、たとえば、マトリックスポリマーとしてPA6、そして射出成形成分としてのPA6のように、同一のポリマーをベースとしているときに、最善の効果が得られる。同じことは、PA66の場合にもあてはまる。本発明においては、両方の成分が、本発明による組成物をベースとしているのが好ましく、その場合、IMFもまた、たとえば溶融温度や圧力のようなプロセスパラメーターに依存する。

0192

本明細書および実施例は、説明のためのものであって、本発明を限定するものではなく、そして本発明の精神および範囲の中に入るその他の実施形態もそれ自体当業者には示唆を与えるであろうということは理解されるであろう。

0193

本発明に記載の性質における改良を示すために、まず、コンパウンディングによって相当するポリマー組成物を調製した。この目的のためには、表IIに記載の個々の成分を、二軸スクリューエクストルーダー(ZSK26コンパウンダー、Coperion Werner & Pfleiderer(Stuttgart,Germany)製)の中で270℃〜300℃の範囲の温度で混合し、押出し加工し、ペレット化が可能となるまで冷却し、ペレット化したが、ここで炭素繊維は、エクストルーダーの後方(ダイエンド)領域で、サイドエクストルーダーを使用して導入した。一般的には、真空乾燥キャビネット中80℃で2日間の乾燥をさせた後で、270〜290℃の範囲の温度でペレットを加工して、それぞれの試験のための標準試験片を得た。

0194

125mm×13mm×1.5mmの寸法を有する試験片の難燃性は、UL94V法(Underwriters Laboratories Inc., Standard of Safety,「Test for Flammability of Plastic Materials for Parts in Devices and Appliances」、p.14〜18,Northbrook,1998)に従って求めた。曲げモジュラスは、ISO 178−Aに従い、80mm×10mm×4mmの寸法を有する試験片について求めた。

0195

表面変化の評価は、それぞれ60mm×40mm×4mmの寸法を有する、表IIに記載の組成物をベースとする黒色プレートに関して、温度85℃、相対湿度85%での貯蔵の前と14日後との間での色変化を、ISO 105−A02に記載のグレースケールに従って評価することにより実施した。貯蔵は、Binder(Tuttlingen,Germany)製のKMF240タイプの一定条件の耐候試験機の中で実施し、それに対して色変化の評価は、Macbeth Judge タイプII照明ブース、X−Rite(Grand Rapids(MI,United States)製)の中で、「デイ」セッティング(“Day” setting)を使用して実施した。次いで評価をグレースケールに従った段階で実施したが、ここで、グレースケール5は、色変化がまったく観察されなかったことを意味し、グレースケール1は、元の色から極めて大きな開きが観察されたことを意味している。比較可能な評価を確保する目的で、表IIの中の配合に従ったすべての組成物には、0.3%のカーボンブラック(Blackpearls 800、Cabot(Scaffhausen,Switzerland)製)が含まれていた。

0196

採用した実験物質:
成分A/1:ポリアミド6(Durethan(登録商標)B24、LANXESS Deutschland GmbH(Cologne,Germany)製、ISO 307に従って96重量%硫酸中の0.5重量%溶液を用いて25℃で測定して、107ml/gの範囲の粘度数を有している、
成分B/1:チョップド炭素繊維、平均切断長さ6mm(Tenax(登録商標)−JHTC493、Toho Tenax(Wuppertal,Germany)製)(その長さは、USB顕微鏡(較正機能付き)(Dino−Lite Edge AM7915MZTデジタル顕微鏡(Dino Capture 2.0ソフトウェア付き);Dino−Lite Europe/IDCP B.V.(Naarden,the Netherlands)の手段により求めたものである)、
成分C/1:第二ホスホン酸アルミニウム、式Al2(HPO3)3・(H2O)q(ここで、qは、0〜4の範囲である)のホスホン酸アルミニウム(国際公開第2013/083247A1号パンフレットの実施例2に従って製造)、
成分D/1:トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、[CAS No.225789−38−8](Exolit(登録商標)OP1230、Clariant SE(Muttenz,Switzerland)製)、
成分E/1:熱安定剤、Irganox(登録商標)1098、BASF(Ludwigshafen,Germany)製、
成分F/1:CS 7928チョップドガラス繊維、LANXESS Deutschland GmbH(Cologne,Germany)製、[平均繊維直径:11μm、平均中央繊維長さ:4.5mm、Eガラス]、
成分H/1:エチレンビスステアリルアミド[CAS No.110−30−5]、Loxiol(登録商標)EBSの形態で得られたもの、Emery Oleochemicals製、
成分H/2:カーボンブラック、Blackpearls 800の形態[CAS No.1333−86−4]、Cabot(Schaffhausen,Switzerland)製、
成分H/3:タルク[CAS No.14807−96−6](Mistron R10,Imerys(Paris,France)製)。

0197

採用した比較例:
成分X1:メラミンポリホスフェート(Melapur 200/70、BASFSE(Ludwigshafen,Germany)製)、
成分X2:ホウ酸亜鉛無水物[CAS No.12767−90−7](Firebrake 500、Borax Europe Limited(London,United Kingdom)製)。

0198

実施例

0199

表IIの中の本発明実施例は、成分B/1およびC/1を用いた本発明の組合せが、曲げモジュラスおよび高温多湿な気候条件下での貯蔵後での表面品質において顕著な改良をもたらし、しかも炭素繊維を使用しているにも関わらず、UL94により求めた難燃性においてもいかなる低下もないということを示している。このことは、驚くべきことであるが、その理由は、成分B/1の単独使用でC/1を含まない比較例2では、高温高湿貯蔵の後では色変化の面で同等の表面品質を示さなかったし、また別の理由は、成分D/1、X/1およびX/2のみを含む従来技術の難燃剤系を用いた比較例2では、成分B/1を使用して、難燃剤系の合計濃度を同一にしたにも関わらず、V−0等級がもはや達成できなかったからである(このことは、炭素繊維に代えてガラス繊維を使用した場合(比較例1)では可能である)。

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