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図面 (11)

課題

放電灯の状態をより精度よく把握できるプロジェクターを提供する。

解決手段

本発明のプロジェクターの一つの態様は、第1電極および第2電極を有する放電灯に駆動電流を供給する放電灯駆動部と、放電灯駆動部を制御する制御部と、温度および照度のうち少なくとも一方を検出する検出部と、放電灯から射出される光を画像信号に応じて変調する光変調装置と、光変調装置により変調された光を投射する投射光学装置と、を備え、検出部は、放電灯と投射光学装置との間において、放電灯から射出される光の光軸鉛直方向上側と光軸の鉛直方向下側とのうちの少なくとも一方に配置され、制御部は、検出部による検出結果に基づいて、第1電極の突起の鉛直方向の移動および第2電極の突起の鉛直方向の移動を検出することを特徴とする。

概要

背景

ランプ電圧に基づいてランプの状態を検出する方法が知られている。例えば、特許文献1には、ランプ電圧に基づいてランプの異常を検出する方法が記載されている。

概要

放電灯の状態をより精度よく把握できるプロジェクターを提供する。本発明のプロジェクターの一つの態様は、第1電極および第2電極を有する放電灯に駆動電流を供給する放電灯駆動部と、放電灯駆動部を制御する制御部と、温度および照度のうち少なくとも一方を検出する検出部と、放電灯から射出される光を画像信号に応じて変調する光変調装置と、光変調装置により変調された光を投射する投射光学装置と、を備え、検出部は、放電灯と投射光学装置との間において、放電灯から射出される光の光軸鉛直方向上側と光軸の鉛直方向下側とのうちの少なくとも一方に配置され、制御部は、検出部による検出結果に基づいて、第1電極の突起の鉛直方向の移動および第2電極の突起の鉛直方向の移動を検出することを特徴とする。

目的

本発明の一つの態様は、上記問題点に鑑みて成されたものであって、放電灯の状態をより精度よく把握できるプロジェクターを提供する

効果

実績

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請求項1

第1電極および第2電極を有する放電灯駆動電流を供給する放電灯駆動部と、前記放電灯駆動部を制御する制御部と、温度および照度のうち少なくとも一方を検出する検出部と、前記放電灯から射出される光を画像信号に応じて変調する光変調装置と、前記光変調装置により変調された光を投射する投射光学装置と、を備え、前記検出部は、前記放電灯と前記投射光学装置との間において、前記放電灯から射出される光の光軸鉛直方向上側と前記光軸の鉛直方向下側とのうちの少なくとも一方に配置され、前記制御部は、前記検出部による検出結果に基づいて、前記第1電極の突起の鉛直方向の移動および前記第2電極の突起の鉛直方向の移動を検出することを特徴とするプロジェクター

請求項2

前記制御部は、前記検出部による検出結果に基づいて、前記第1電極の突起の鉛直方向位置および前記第2電極の突起の鉛直方向位置を検出する、請求項1に記載のプロジェクター。

請求項3

前記検出部は、前記光軸の鉛直方向上側に配置される第1検出部と、前記光軸の鉛直方向下側に配置される第2検出部と、を有し、前記制御部は、前記第1検出部の検出結果と前記第2検出部の検出結果とに基づいて、前記突起の鉛直方向の移動を検出する、請求項1または2に記載のプロジェクター。

請求項4

前記光変調装置の光入射側に配置される偏光素子と、前記偏光素子を保持する保持フレームと、をさらに備え、前記第1検出部および前記第2検出部は、前記保持フレームにおいて前記偏光素子の光入射側と同じ側に配置される、請求項3に記載のプロジェクター。

請求項5

前記第1検出部および前記第2検出部は、温度を検出し、前記制御部は、前記第1検出部によって検出された温度と前記第2検出部によって検出された温度との差が変化した場合に、前記突起の鉛直方向の移動を検出する、請求項3または4に記載のプロジェクター。

請求項6

前記第1検出部および前記第2検出部は、照度を検出し、前記制御部は、前記第1検出部によって検出された照度と前記第2検出部によって検出された照度との差が変化した場合に、前記突起の鉛直方向の移動を検出する、請求項3から5のいずれか一項に記載のプロジェクター。

請求項7

前記放電灯を冷却する冷却部をさらに備え、前記制御部は、前記検出部の検出結果に基づいて、前記冷却部を制御する、請求項1から6のいずれか一項に記載のプロジェクター。

請求項8

前記冷却部は、前記放電灯における鉛直方向上側の上部を冷却可能であり、前記制御部は、前記突起の鉛直方向上側への移動が検出された場合、前記上部に対する冷却レベルを、前記放電灯に供給される駆動電力に応じて前記上部に対して設定されている設定値よりも大きくする、請求項7に記載のプロジェクター。

請求項9

前記冷却部は、前記放電灯における鉛直方向上側の上部を冷却可能であり、前記制御部は、前記突起の鉛直方向下側への移動が検出された場合、前記上部に対する冷却レベルを、前記放電灯に供給される駆動電力に応じて前記上部に対して設定されている設定値よりも小さくする、請求項7または8に記載のプロジェクター。

請求項10

外部に情報を報知する報知部をさらに備え、前記制御部は、前記検出部の検出結果に基づいて、前記報知部を制御する、請求項1から9のいずれか一項に記載のプロジェクター。

請求項11

前記報知部は、前記放電灯の交換に関する情報を外部に報知可能であり、前記制御部は、前記検出部の検出結果、前記放電灯の電極間電圧、および前記放電灯に供給される駆動電力に基づいて、前記放電灯の交換に関する情報を前記報知部に報知させる、請求項10に記載のプロジェクター。

請求項12

第1電極および第2電極を有する放電灯から射出される光を画像信号に応じて変調する光変調装置と、前記光変調装置により変調された光を投射する投射光学装置と、を備えるプロジェクターの制御方法であって、前記放電灯と前記投射光学装置との間において、前記放電灯から射出される光の光軸の鉛直方向上側と前記光軸の鉛直方向下側とのうちの少なくとも一方における温度および照度のうち少なくとも一方を検出することと、前記検出の結果に基づいて、前記第1電極の突起の鉛直方向の移動および前記第2電極の突起の鉛直方向の移動を検出することと、を含むことを特徴とするプロジェクターの制御方法。

技術分野

0001

本発明は、プロジェクター、およびプロジェクターの制御方法に関する。

背景技術

0002

ランプ電圧に基づいてランプの状態を検出する方法が知られている。例えば、特許文献1には、ランプ電圧に基づいてランプの異常を検出する方法が記載されている。

先行技術

0003

特開2007−059281号公報

発明が解決しようとする課題

0004

上記のようなランプ(放電灯)においては、電極先端突起鉛直方向上側に移動する場合がある。この場合、ランプの発光管に加えられる熱が大きくなり、失透が生じやすくなる場合がある。しかし、上述したようにしてランプ電圧(電極間電圧)を検出しても、突起の移動までは検出できないため、ランプの状態を正確に把握できない問題があった。そのため、例えば失透への対処等において、適切な対応を取ることが困難な場合があった。

0005

本発明の一つの態様は、上記問題点に鑑みて成されたものであって、放電灯の状態をより精度よく把握できるプロジェクターを提供することを目的の一つとする。また、放電灯の状態をより精度よく把握できるプロジェクターの制御方法を提供することを目的の一つとする。

課題を解決するための手段

0006

本発明のプロジェクターの一つの態様は、第1電極および第2電極を有する放電灯に駆動電流を供給する放電灯駆動部と、前記放電灯駆動部を制御する制御部と、温度および照度のうち少なくとも一方を検出する検出部と、前記放電灯から射出される光を画像信号に応じて変調する光変調装置と、前記光変調装置により変調された光を投射する投射光学装置と、を備え、前記検出部は、前記放電灯と前記投射光学装置との間において、前記放電灯から射出される光の光軸の鉛直方向上側と前記光軸の鉛直方向下側とのうちの少なくとも一方に配置され、前記制御部は、前記検出部による検出結果に基づいて、前記第1電極の突起の鉛直方向の移動および前記第2電極の突起の鉛直方向の移動を検出することを特徴とする。

0007

本発明のプロジェクターの一つの態様によれば、制御部は、検出部の検出結果に基づいて、第1電極の突起の鉛直方向の移動および第2電極の突起の鉛直方向の移動を検出する。そのため、制御部は、突起の鉛直方向の移動による放電灯の上部に加えられる熱量の変化を把握することができ、放電灯における失透の発生、失透の進行程度、および放電灯の寿命等をより精度よく把握することができる。したがって、本発明のプロジェクターの一つの態様によれば、放電灯の状態をより精度よく把握できるプロジェクターが得られる。

0008

前記制御部は、前記検出部による検出結果に基づいて、前記第1電極の突起の鉛直方向位置および前記第2電極の突起の鉛直方向位置を検出する構成としてもよい。
この構成によれば、突起の鉛直方向の位置に応じて、放電灯の上部に加えられる熱量をより正確に把握することができる。したがって、より精度よく放電灯の状態を把握できる。

0009

前記検出部は、前記光軸の鉛直方向上側に配置される第1検出部と、前記光軸の鉛直方向下側に配置される第2検出部と、を有し、前記制御部は、前記第1検出部の検出結果と前記第2検出部の検出結果とに基づいて、前記突起の鉛直方向の移動を検出する構成としてもよい。
この構成によれば、第1検出部と第2検出部との検出結果の差から、突起の移動(鉛直方向位置)をより精度よく検出することができる。また、駆動電力等が変化して、第1検出部および第2検出部で検出できる値の絶対値が変化した場合であっても、検出結果の差に基づくことで、突起の移動(鉛直方向位置)を精度よく検出することができる。したがって、より精度よく放電灯の状態を把握できる。

0010

前記光変調装置の光入射側に配置される偏光素子と、前記偏光素子を保持する保持フレームと、をさらに備え、前記第1検出部および前記第2検出部は、前記保持フレームにおいて前記偏光素子の光入射側と同じ側に配置される構成としてもよい。
この構成によれば、放電灯から射出された光の一部が各検出部に照射されやすく、放電灯から射出された光の光軸のずれを検出しやすい。これにより、突起の移動をより検出しやすい。

0011

前記第1検出部および前記第2検出部は、温度を検出し、前記制御部は、前記第1検出部によって検出された温度と前記第2検出部によって検出された温度との差が変化した場合に、前記突起の鉛直方向の移動を検出する構成としてもよい。
この構成によれば、第1検出部および第2検出部は温度を計測するため、例えば、放電灯から射出された光が直接照射されなくても、射出された光が照射された部分の温度変化を検出することで、突起の鉛直方向の移動を検出できる。したがって、検出部の配置自由度を向上できる。

0012

前記第1検出部および前記第2検出部は、照度を検出し、前記制御部は、前記第1検出部によって検出された照度と前記第2検出部によって検出された照度との差が変化した場合に、前記突起の鉛直方向の移動を検出する構成としてもよい。
この構成によれば、第1検出部および第2検出部は、照度を検出するため、温度を検出する場合よりも放電灯からの光の光軸AXがずれたことをより直接的に検出しやすい。

0013

前記放電灯を冷却する冷却部をさらに備え、前記制御部は、前記検出部の検出結果に基づいて、前記冷却部を制御する構成としてもよい。
この構成によれば、制御部は、突起の鉛直方向の移動に応じて、冷却部の出力を調整し、放電灯の上部の冷却レベルを調整することができる。これにより、放電灯の冷却を好適に行うことができ、突起の移動が生じた場合であっても、失透を発生しにくくできる。したがって、放電灯の寿命を向上させることができる。

0014

前記冷却部は、前記放電灯における鉛直方向上側の上部を冷却可能であり、前記制御部は、前記突起の鉛直方向上側への移動が検出された場合、前記上部に対する冷却レベルを、前記放電灯に供給される駆動電力に応じて前記上部に対して設定されている設定値よりも大きくする構成としてもよい。
この構成によれば、突起が鉛直方向上側に移動して、放電灯の上部に加えられる熱が大きくなった場合に、放電灯の上部の冷却レベルを大きくすることができる。これにより、失透が生じることを抑制できる。

0015

前記冷却部は、前記放電灯における鉛直方向上側の上部を冷却可能であり、前記制御部は、前記突起の鉛直方向下側への移動が検出された場合、前記上部に対する冷却レベルを、前記放電灯に供給される駆動電力に応じて前記上部に対して設定されている設定値よりも小さくする構成としてもよい。
この構成によれば、突起が鉛直方向下側に移動して、放電灯の上部に加えられる熱が小さくなった場合に、放電灯の上部の冷却レベルを小さくすることができる。これにより、黒化が生じることを抑制できる。

0016

外部に情報を報知する報知部をさらに備え、前記制御部は、前記検出部の検出結果に基づいて、前記報知部を制御する構成としてもよい。
この構成によれば、突起の移動を考慮した放電灯の状態に関する情報を外部に報知できる。これにより、使用者の利便性を向上できる。

0017

前記報知部は、前記放電灯の交換に関する情報を外部に報知可能であり、前記制御部は、前記検出部の検出結果、前記放電灯の電極間電圧、および前記放電灯に供給される駆動電力に基づいて、前記放電灯の交換に関する情報を前記報知部に報知させる構成としてもよい。
この構成によれば、突起の移動を考慮した失透の発生および失透の進行程度に基づいて、より好適なタイミングで放電灯の交換時期を使用者に伝達することができる。これにより、使用者の利便性を向上できる。

0018

本発明のプロジェクターの制御方法の一つの態様は、第1電極および第2電極を有する放電灯から射出される光を画像信号に応じて変調する光変調装置と、前記光変調装置により変調された光を投射する投射光学装置と、を備えるプロジェクターの制御方法であって、前記放電灯と前記投射光学装置との間において、前記放電灯から射出される光の光軸の鉛直方向上側と前記光軸の鉛直方向下側とのうちの少なくとも一方における温度および照度のうち少なくとも一方を検出することと、前記検出の結果に基づいて、前記第1電極の突起の鉛直方向の移動および前記第2電極の突起の鉛直方向の移動を検出することと、を含むことを特徴とする。

0019

本発明のプロジェクターの制御方法の一つの態様によれば、上述したのと同様にして、放電灯の状態をより精度よく把握できる。

図面の簡単な説明

0020

第1実施形態のプロジェクターの概略構成図である。
第1実施形態の光源装置の構成を示す断面図である。
第1実施形態の放電灯の部分拡大断面図である。
第1実施形態の放電灯点灯装置および制御装置回路図である。
第1実施形態の制御装置の一構成例を示すブロック図である。
第1実施形態のプロジェクターの各種構成要素を示すブロック図である。
第1実施形態における液晶ライトバルブを光が入射する側から視た図である。
放電灯における電極先端の突起の移動の例を示す図である。
第1実施形態における制御装置の制御手順の一例を示すフローチャートである。
第2実施形態における制御装置の制御手順の一例を示すフローチャートである。

実施例

0021

以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るプロジェクターについて説明する。適宜図面に示すZ軸方向は、鉛直方向とする。また、以下の説明においては、Z軸方向の正の側(+Z側)を鉛直方向上側と呼ぶ場合があり、Z軸方向の負の側(−Z側)を鉛直方向下側と呼ぶ場合がある。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。

0022

<第1実施形態>
図1は、本実施形態のプロジェクター500の概略構成図である。プロジェクター500は、横長の画像および縦長の画像を投射可能なプロジェクターである。図1に示すように、本実施形態のプロジェクター500は、光源装置200と、平行化レンズ305と、照明光学系310と、色分離光学系320と、3つの液晶ライトバルブ330R,330G,330Bと、クロスダイクロイックプリズム340と、投射光学系(投射光学装置)350と、を備える。

0023

光源装置200から射出された光は、平行化レンズ305を通過して照明光学系310に入射する。平行化レンズ305は、光源装置200からの光を平行化する。

0024

照明光学系310は、光源装置200から射出される光の照度を、液晶ライトバルブ330R,330G,330B上において均一化するように調整する。さらに、照明光学系310は、光源装置200から射出される光の偏光方向を一方向に揃える。その理由は、光源装置200から射出される光を液晶ライトバルブ330R,330G,330Bで有効に利用するためである。

0025

照度分布と偏光方向とが調整された光は、色分離光学系320に入射する。色分離光学系320は、入射光赤色光(R)、緑色光(G)、青色光(B)の3つの色光に分離する。3つの色光は、各色光に対応付けられた液晶ライトバルブ330R,330G,330Bにより、映像信号画像情報)に応じてそれぞれ変調される。すなわち、液晶ライトバルブ330R,330G,330Bは、放電灯90から射出される光を画像情報に応じて変調する。

0026

液晶ライトバルブ330R,330G,330Bは、後述する液晶パネル(光変調装置)560R,560G,560Bと、後述する保持フレーム333と、入射側偏光板(偏光素子)331R,331G,331Bと、射出側偏光板332R,332G,332Bと、を備えている。入射側偏光板331R,331G,331Bは、液晶パネル560R,560G,560Bのそれぞれにおける光が入射する側(光入射側)に配置される。射出側偏光板332R,332G,332Bは、液晶パネル560R,560G,560Bにおける光が射出される側(光射出側)に配置される。なお、液晶ライトバルブ330R,330G,330Bを特に区別しない場合には、液晶ライトバルブ330と呼ぶ場合がある。入射側偏光板331R,331G,331Bを特に区別しない場合には、入射側偏光板331と呼ぶ場合がある。

0027

変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム340により合成される。合成光は投射光学系350に入射する。投射光学系350は、入射光をスクリーン700(図6参照)に投射する。すなわち、投射光学系350は、液晶ライトバルブ330R,330G,330Bにより変調された光を投射する。これにより、スクリーン700上に映像が表示される。なお、平行化レンズ305、照明光学系310、色分離光学系320、クロスダイクロイックプリズム340、投射光学系350の各々の構成としては、周知の構成を採用することができる。

0028

光源装置200は、光源ユニット210と、放電灯点灯装置10と、制御装置(制御部)40と、冷却装置(冷却部)50と、を有する。
図2は、光源装置200の構成を示す断面図である。図2には、光源ユニット210の断面図が示されている。図2においては、制御装置40と冷却装置50との図示を省略している。

0029

光源ユニット210は、図2に示すように、放電灯90と、主反射鏡反射鏡)112と、副反射鏡113と、を有する。放電灯90は、光を射出する。放電灯点灯装置10は、放電灯90に駆動電流Iを供給して放電灯90を点灯させる。主反射鏡112は、放電灯90から射出された光を照射方向(所定方向)Dに向けて反射する。照射方向Dは、放電灯90の光軸AXと平行である。

0030

放電灯90は、放電灯本体(発光部)510と、第1電極92および第2電極93と、を有する。放電灯本体510の形状は、照射方向Dに沿って延びる棒状である。放電灯本体510の一方の端部、すなわち、放電灯90の一方の端部を第1端部90e1とする。放電灯本体510の他方の端部、すなわち、放電灯90の他方の端部を第2端部90e2とする。放電灯本体510の材料は、例えば、石英ガラス等の透光性材料である。放電灯本体510の中央部は球状に膨らんでおり、その内部は放電空間91である。放電空間91には、ハロゲン、水銀、希ガス金属ハロゲン化合物等を含む放電媒体であるガス封入されている。ハロゲンは、例えば、臭素Brを含む。

0031

放電空間91には、第1電極92および第2電極93の先端が突出している。第1電極92は、放電空間91の第1端部90e1側に配置されている。第2電極93は、放電空間91の第2端部90e2側に配置されている。第1電極92および第2電極93の形状は、光軸AXに沿って延びる棒状である。放電空間91には、第1電極92および第2電極93の電極先端部が、所定距離だけ離れて対向するように配置されている。第1電極92および第2電極93の材料は、例えば、タングステン等の金属である。

0032

放電灯本体510は、下壁部(下部)510aおよび上壁部(上部)510bを有する。下壁部510aは、放電灯本体510における鉛直方向下側の下部である。上壁部510bは、放電灯本体510における鉛直方向上側の上部である。本実施形態において、下壁部510aおよび上壁部510bは、放電空間91に対して、第1電極92および第2電極93が並ぶ方向と直交する方向に配置される壁部である。下壁部510aは、放電空間91の鉛直方向下側に位置する壁部であり、上壁部510bは、放電空間91の鉛直方向上側に位置する壁部である。

0033

図3は、放電灯90の部分を示す拡大断面図である。
第1電極92は、図3に示すように、芯棒533と、コイル部532と、本体部531と、突起531pと、を有する。第1電極92は、放電灯本体510への封入前の段階において、芯棒533に電極材(タングステン等)の線材巻き付けてコイル部532を形成し、形成されたコイル部532を加熱・溶融することにより形成される。これにより、第1電極92の先端側には、熱容量が大きい本体部531と、アークARの発生位置となる突起531pが形成される。

0034

第2電極93は、芯棒543と、コイル部542と、本体部541と、突起541pと、を有する。第2電極93は、第1電極92と同様にして形成される。
なお、第1電極92と第2電極93とは、同様の構成であるため、以下の説明においては、代表して第1電極92についてのみ説明する場合がある。また、第1電極92の先端の突起531pと第2電極93の先端の突起541pとは、同様の構成であるため、以下の説明においては、代表して突起531pについてのみ説明する場合がある。

0035

図2に示すように、放電灯90の第1端部90e1には、第1端子536が設けられている。第1端子536と第1電極92とは、放電灯90の内部を貫通する導電性部材534により電気的に接続されている。同様に、放電灯90の第2端部90e2には、第2端子546が設けられている。第2端子546と第2電極93とは、放電灯90の内部を貫通する導電性部材544により電気的に接続されている。第1端子536および第2端子546の材料は、例えば、タングステン等の金属である。導電性部材534,544の材料としては、例えば、モリブデン箔が利用される。

0036

第1端子536および第2端子546は、放電灯点灯装置10に接続されている。放電灯点灯装置10は、第1端子536および第2端子546に、放電灯90を駆動するための駆動電力を供給する。その結果、第1電極92および第2電極93の間でアーク放電が起きる。アーク放電により発生した光(放電光)は、破線の矢印で示すように、放電位置から全方向に向かって放射される。

0037

図3に示すように、放電灯90を点灯すると、放電空間91内に封入されたガスは、アークARの発生により加熱され、放電空間91内において対流する。詳細には、アークARおよびその付近の領域は極めて高温となるため、放電空間91内において、アークARから鉛直方向上側に流れる対流AF図3に一点鎖線の矢印で示す)が形成される。対流AFは、放電灯本体510の内壁に当たって放電灯本体510の内壁に沿って移動し、第1電極92および第2電極93の芯棒533,543等を通過することによって冷却されつつ降下する。

0038

降下した対流AFは、放電灯本体510の内壁に沿って更に降下するが、アークARの鉛直方向下側で互いに衝突して上方のアークARに戻されるように上昇する。対流AFが、放電灯本体510の内壁を沿って移動することによって、放電灯本体510は加熱される。ここで、対流AFは、アークARの鉛直方向上側において最も温度が高く、アークARの鉛直方向下側において最も温度が低い。そのため、アークARの鉛直方向上側において対流AFと接触する放電灯本体510の上壁部510bが、放電灯本体510(放電灯90)において最も高温となる最熱部となる。また、アークARの鉛直方向下側において対流AFと接触する放電灯本体510の下壁部510aが、放電灯本体510(放電灯90)において最も低温となる最冷部となる。

0039

主反射鏡112は、図2に示すように、固定部材114により、放電灯90の第1端部90e1に固定されている。主反射鏡112は、放電光のうち、照射方向Dと反対側に向かって進む光を照射方向Dに向かって反射する。主反射鏡112の反射面(放電灯90側の面)の形状は、放電光を照射方向Dに向かって反射できる範囲内において、特に限定されず、例えば、回転楕円形状であっても、回転放物線形状であってもよい。例えば、主反射鏡112の反射面の形状を回転放物線形状とした場合、主反射鏡112は、放電光を光軸AXに略平行な光に変換することができる。これにより、平行化レンズ305を省略することができる。

0040

副反射鏡113は、固定部材522により、放電灯90の第2端部90e2側に固定されている。副反射鏡113の反射面(放電灯90側の面)の形状は、放電空間91の第2端部90e2側の部分を囲む球面形状である。副反射鏡113は、放電光のうち、主反射鏡112が配置された側と反対側に向かって進む光を主反射鏡112に向かって反射する。これにより、放電空間91から放射される光の利用効率を高めることができる。

0041

固定部材114,522の材料は、放電灯90からの発熱に耐え得る耐熱材料である範囲内において、特に限定されず、例えば、無機接着剤である。

0042

図4は、放電灯点灯装置10および制御装置40の回路構成の一例を示す図である。
放電灯点灯装置10は、図4に示すように、電力制御回路20と、極性反転回路30と、動作検出部60と、イグナイター回路70と、を有する。

0043

電力制御回路20は、放電灯90に供給する駆動電力を生成する。本実施形態においては、電力制御回路20は、直流電源装置80からの電圧を入力とし、入力電圧降圧して直流電流Idを出力するダウンチョッパー回路で構成されている。

0044

電力制御回路20は、スイッチ素子21、ダイオード22、コイル23およびコンデンサー24を含んで構成される。スイッチ素子21は、例えば、トランジスターで構成される。本実施形態においては、スイッチ素子21の一端は直流電源装置80の正電圧側に接続され、他端はダイオード22のカソード端子およびコイル23の一端に接続されている。

0045

コイル23の他端にコンデンサー24の一端が接続され、コンデンサー24の他端はダイオード22のアノード端子および直流電源装置80の負電圧側に接続されている。スイッチ素子21の制御端子には、制御装置40から電流制御信号が入力されてスイッチ素子21のON/OFFが制御される。電流制御信号には、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)制御信号が用いられてもよい。

0046

スイッチ素子21がONすると、コイル23に電流が流れ、コイル23にエネルギーが蓄えられる。その後、スイッチ素子21がOFFすると、コイル23に蓄えられたエネルギーがコンデンサー24とダイオード22とを通る経路で放出される。その結果、スイッチ素子21がONする時間の割合に応じた直流電流Idが発生する。

0047

極性反転回路30は、電力制御回路20から入力される直流電流Idを所定のタイミングで極性反転させる。これにより、極性反転回路30は、制御された時間だけ継続する直流である駆動電流I、もしくは、任意の周波数を持つ交流である駆動電流Iを生成し、出力する。本実施形態において、極性反転回路30は、インバーターブリッジ回路(フルブリッジ回路)で構成されている。

0048

極性反転回路30は、例えば、トランジスターなどで構成される第1のスイッチ素子31、第2のスイッチ素子32、第3のスイッチ素子33、および第4のスイッチ素子34を含んでいる。極性反転回路30は、直列接続された第1のスイッチ素子31および第2のスイッチ素子32と、直列接続された第3のスイッチ素子33および第4のスイッチ素子34と、が互いに並列接続された構成を有する。第1のスイッチ素子31、第2のスイッチ素子32、第3のスイッチ素子33、および第4のスイッチ素子34の制御端子には、それぞれ制御装置40から極性反転制御信号が入力される。この極性反転制御信号に基づいて、第1のスイッチ素子31、第2のスイッチ素子32、第3のスイッチ素子33および第4のスイッチ素子34のON/OFF動作が制御される。

0049

極性反転回路30においては、第1のスイッチ素子31および第4のスイッチ素子34と、第2のスイッチ素子32および第3のスイッチ素子33と、を交互にON/OFFさせる動作が繰り返される。これにより、電力制御回路20から出力される直流電流Idの極性が交互に反転する。極性反転回路30は、第1のスイッチ素子31と第2のスイッチ素子32との共通接続点、および第3のスイッチ素子33と第4のスイッチ素子34との共通接続点から、制御された時間だけ同一極性状態を継続する直流である駆動電流I、もしくは制御された周波数をもつ交流である駆動電流Iを生成し、出力する。

0050

すなわち、極性反転回路30は、第1のスイッチ素子31および第4のスイッチ素子34がONのときには第2のスイッチ素子32および第3のスイッチ素子33がOFFであり、第1のスイッチ素子31および第4のスイッチ素子34がOFFのときには第2のスイッチ素子32および第3のスイッチ素子33がONであるように制御される。したがって、第1のスイッチ素子31および第4のスイッチ素子34がONのときには、コンデンサー24の一端から第1のスイッチ素子31、放電灯90、第4のスイッチ素子34の順に流れる駆動電流Iが発生する。第2のスイッチ素子32および第3のスイッチ素子33がONのときには、コンデンサー24の一端から第3のスイッチ素子33、放電灯90、第2のスイッチ素子32の順に流れる駆動電流Iが発生する。

0051

本実施形態において、電力制御回路20と極性反転回路30とを合わせた部分が放電灯駆動部230に対応する。すなわち、放電灯駆動部230は、放電灯90を駆動する駆動電流Iを放電灯90に供給する。

0052

動作検出部60は、放電灯90のランプ電圧を検出して制御装置40にランプ電圧情報を出力する電圧検出部を含む。また、動作検出部60は、駆動電流Iを検出して制御装置40に駆動電流情報を出力する電流検出部などを含む。本実施形態においては、動作検出部60は、第1の抵抗61、第2の抵抗62および第3の抵抗63を含んで構成されている。

0053

本実施形態において、動作検出部60の電圧検出部は、放電灯90と並列に、互いに直列接続された第1の抵抗61および第2の抵抗62で分圧した電圧によりランプ電圧を検出する。また、本実施形態において、電流検出部は、放電灯90に直列に接続された第3の抵抗63に発生する電圧により駆動電流Iを検出する。

0054

イグナイター回路70は、放電灯90の点灯開始時にのみ動作する。イグナイター回路70は、放電灯90の点灯開始時に放電灯90の電極間(第1電極92と第2電極93との間)を絶縁破壊して放電路を形成するために必要な高電圧(放電灯90の通常点灯時よりも高い電圧)を、放電灯90の電極間(第1電極92と第2電極93との間)に供給する。本実施形態においては、イグナイター回路70は、放電灯90と並列に接続されている。

0055

制御装置40は、プロジェクター500の動作開始から動作停止に至るまでの各種の動作を制御する。制御装置40は、駆動電流Iの駆動電流波形に従って放電灯駆動部230を制御する。また、制御装置40は、冷却装置50および後述する報知部45を制御する。図4の例では、制御装置40は、電力制御回路20および極性反転回路30を制御することにより、駆動電流Iが同一極性を継続する保持時間、駆動電流Iの電流値周波数等パラメーターを制御する。制御装置40は、極性反転回路30に対して、駆動電流Iの極性反転タイミングにより、駆動電流Iが同一極性で継続する保持時間、駆動電流Iの周波数等を制御する極性反転制御を行う。制御装置40は、電力制御回路20に対して、出力される直流電流Idの電流値を制御する電流制御を行う。

0056

制御装置40の構成は、特に限定されない。本実施形態においては、制御装置40は、システムコントローラー41、電力制御回路コントローラー42、および極性反転回路コントローラー43を含んで構成されている。なお、制御装置40は、その一部または全てを半導体集積回路で構成してもよい。

0057

システムコントローラー41は、電力制御回路コントローラー42および極性反転回路コントローラー43を制御することにより、電力制御回路20および極性反転回路30を制御する。システムコントローラー41は、動作検出部60が検出したランプ電圧および駆動電流Iに基づき、電力制御回路コントローラー42および極性反転回路コントローラー43を制御してもよい。

0058

本実施形態においては、システムコントローラー41には、記憶部44が接続されている。
システムコントローラー41は、記憶部44に格納された情報に基づき、電力制御回路20および極性反転回路30を制御してもよい。記憶部44には、例えば、駆動電流Iが同一極性で継続する保持時間、駆動電流Iの電流値、周波数、波形変調パターン等の駆動パラメーターに関する情報が格納されていてもよい。

0059

電力制御回路コントローラー42は、システムコントローラー41からの制御信号に基づき、電力制御回路20へ電流制御信号を出力することにより、電力制御回路20を制御する。

0060

極性反転回路コントローラー43は、システムコントローラー41からの制御信号に基づき、極性反転回路30へ極性反転制御信号を出力することにより、極性反転回路30を制御する。

0061

制御装置40は、専用回路を用いて実現され、上述した制御や後述する処理の各種制御を行うようにすることができる。これに対して、制御装置40は、例えば、記憶部44に記憶された制御プログラムを実行することによりコンピューターとして機能し、これらの処理の各種制御を行うようにすることもできる。

0062

図5は、制御装置40の他の構成例について説明するための図である。図5に示すように、制御装置40は、制御プログラムにより、電力制御回路20を制御する電流制御手段40−1、極性反転回路30を制御する極性反転制御手段40−2として機能するように構成されてもよい。

0063

冷却装置50は、光源ユニット210の放電灯90を冷却する。冷却装置50は、例えば、ファンにより構成されている。冷却装置50のファンは、例えば、シロッコファンで構成されている。冷却装置50のファンは、プロジェクター500の筐体内外の空気を吸引して、冷却空気を光源ユニット210に送風する。

0064

図3に示すように、冷却装置50のファンは、第1冷却ファン50aと、第2冷却ファン50bと、を含む。第1冷却ファン50aは、放電灯本体510の下壁部510aに冷却空気を送風し、下壁部510aを冷却する。第2冷却ファン50bは、放電灯本体510の上壁部510bに冷却空気を送風し、上壁部510bを冷却する。これにより、冷却装置50は、放電灯90における鉛直方向上側の上部(上壁部510b)を冷却可能である。第1冷却ファン50aの出力と第2冷却ファン50bの出力とは、制御装置40によって、それぞれ独立に制御される。これにより、冷却装置50は、下壁部510aと上壁部510bとを冷却可能であり、かつ、下壁部510aに対する冷却レベルと、上壁部510bに対する冷却レベルと、をそれぞれ独立に変更可能である。

0065

以下、プロジェクター500の回路構成について説明する。
図6は、本実施形態のプロジェクター500の回路構成の一例を示す図である。プロジェクター500は、図1に示した構成の他、図6に示すように、画像信号変換部501と、直流電源装置80と、液晶パネル560R,560G,560Bと、画像処理装置570と、報知部45と、を備える。

0066

画像信号変換部501は、外部から入力された画像信号502(輝度色差信号アナログRGB信号など)を所定のワード長デジタルRGB信号に変換して画像信号512R,512G,512Bを生成し、画像処理装置570に供給する。

0067

画像処理装置570は、3つの画像信号512R,512G,512Bに対してそれぞれ画像処理を行う。画像処理装置570は、液晶パネル560R,560G,560Bをそれぞれ駆動するための駆動信号572R,572G,572Bを液晶パネル560R,560G,560Bに供給する。

0068

直流電源装置80は、外部の交流電源600から供給される交流電圧を一定の直流電圧に変換する。直流電源装置80は、トランス(図示しないが、直流電源装置80に含まれる)の2次側にある画像信号変換部501、画像処理装置570およびトランスの1次側にある放電灯点灯装置10に直流電圧を供給する。

0069

放電灯点灯装置10は、起動時に放電灯90の電極間に高電圧を発生し、絶縁破壊を生じさせて放電路を形成する。以後、放電灯点灯装置10は、放電灯90が放電を維持するための駆動電流Iを供給する。

0070

液晶パネル560R,560G,560Bは、前述した液晶ライトバルブ330R,330G,330Bにそれぞれ設けられている。液晶パネル560R,560G,560Bは、それぞれ駆動信号572R,572G,572Bに基づいて、前述した光学系を介して各液晶パネル560R,560G,560Bに入射される色光の透過率(輝度)を変調する。すなわち、液晶パネル560R,560G,560Bは、通過する光を画像信号512R,512G,512Bに応じて変調する。

0071

報知部45は、プロジェクター500の外部に情報を報知可能である。報知部45が報知する情報は、放電灯90の交換に関する情報、プロジェクター500の設置姿勢が不適正な場合の警告、およびプロジェクター500の使用方法が不適正な場合の警告等を含む。報知部45による情報の報知は、使用者に情報を報知できる態様ならば、特に限定されない。報知部45は、例えば、情報を文字として出力してもよいし、情報を音声として出力してもよいし、情報をプロジェクター500に取り付けられたインジケーターランプの点滅として出力してもよい。情報を文字として出力する場合、報知部45は、文字情報を、例えば、スクリーン700に投射される画像内に表示してもよいし、プロジェクター500に取り付けられたディスプレイに表示してもよい。

0072

図7は、本実施形態における液晶ライトバルブ330を光が入射する側から視た図である。図7に示すように、本実施形態のプロジェクター500は、検出部810をさらに備える。本実施形態において検出部810は、第1温度センサー(第1検出部)811と、第2温度センサー(第2検出部)812と、を有する。第1温度センサー811と第2温度センサー812とは、温度を検出可能である。本実施形態において第1温度センサー811および第2温度センサー812は、保持フレーム333に固定されている。保持フレーム333は、入射側偏光板331を囲んで保持する。すなわち、検出部810は、放電灯90と投射光学系350との間に配置される保持フレーム333に設けられている。保持フレーム333は、矩形枠状である。

0073

第1温度センサー811および第2温度センサー812は、保持フレーム333において入射側偏光板331の光入射側と同じ側に固定されている。第1温度センサー811は、保持フレーム333の鉛直方向上側の部分に固定されている。第2温度センサー812は、保持フレーム333の鉛直方向下側の部分に固定されている。第1温度センサー811および第2温度センサー812は、放電灯90から射出され入射側偏光板331に入射する光の光軸AXを、鉛直方向に挟んで配置されている。第1温度センサー811は、光軸AXの鉛直方向上側に配置されている。第2温度センサー812は、光軸AXの鉛直方向下側に配置されている。各温度センサーが固定された保持フレーム333には、液晶ライトバルブ330に対して照射される光の一部が照射される。

0074

本実施形態において制御装置40は、各温度センサーによって温度を検出することで、光軸AXのずれを検出でき、放電灯90における突起531p,541pの移動を検出することができる。すなわち、制御装置40は、検出部810による検出結果に基づいて、第1電極92の突起531pの鉛直方向の移動および第2電極93の突起541pの鉛直方向の移動を検出する。以下、詳細に説明する。

0075

図8は、突起531p,541pの移動の例を示す図である。図8における上下方向は、図7における上下方向と同じ鉛直方向(Z軸方向)であり、かつ、上下関係も同じであるとする。例えば、突起531p,541pが図8において実線で示す位置にある場合に、入射側偏光板331の中心を光の光軸AXが通るとする。このときの突起531p,541pの位置(図8において実線で示す位置)が正常な位置であるとする。

0076

ここで、突起531p,541pが図8において二点鎖線で示す位置に移動した場合について考える。この場合、突起531p,541pの間に生じるアーク放電の位置が図8における上側にずれ、放電灯90から射出される光の光軸AXも上側にずれる。この場合、突起531p,541pが図8の実線で示す位置にある場合に比べて、光軸AXの鉛直方向上側に配置される第1温度センサー811の温度が高くなり、光軸AXの鉛直方向下側に配置される第2温度センサー812の温度が低くなる。そのため、第2温度センサー812の温度に対する第1温度センサー811の温度の差ΔTeが大きくなったことを検出することで、突起531p,541pが図8において二点鎖線に示す位置に移動したことを検出できる。

0077

一方、突起531p,541pが鉛直方向下側にずれた場合には、光軸AXの鉛直方向上側に配置される第1温度センサー811の温度が低くなり、光軸AXの下側に配置される第2温度センサー812の温度が高くなる。そのため、第2温度センサー812の温度に対する第1温度センサー811の温度の差ΔTeが小さくなったことを検出することで、突起531p,541pが鉛直方向下側に移動したことを検出できる。このようにして、本実施形態において制御装置40は、第1温度センサー811の検出結果と第2温度センサー812の検出結果とに基づいて、突起531p,541pの鉛直方向の移動を検出する。

0078

また、制御装置40は、温度の差ΔTeの大きさに基づいて、突起531p,541pがどの程度、鉛直方向に移動したかを検出することもできる。例えば、温度の差ΔTeが大きい程、突起531p,541pは、鉛直方向上側に位置する。このように、制御装置40は、検出部810による検出結果に基づいて、第1電極92の突起531pの鉛直方向位置および第2電極93の突起541pの鉛直方向位置を検出する。

0079

なお、放電灯90から入射側偏光板331までの間の光学系次第では、図7の液晶ライトバルブ330と、図8の放電灯90における突起531p,541pとの間の上下関係が逆になる場合もある。すなわち、例えば、突起531p,541pが図8において二点鎖線で示す位置に移動してアーク放電の位置が鉛直方向上側にずれた場合、放電灯90から射出された光が入射側偏光板331に導かれるまでの間で上下関係が逆となり、入射側偏光板331に入射する光の光軸AXが鉛直方向下側にずれる。そのため、図7において光軸AXの鉛直方向上側に配置される第1温度センサー811の温度が低くなり、光軸AXの鉛直方向下側に配置される第2温度センサー812の温度が高くなる。

0080

また、光軸AXが入射側偏光板331の中心を通る場合(突起531p,541pが正常な位置にある場合)、第1温度センサー811によって検出される温度は、例えば、第2温度センサー812によって検出される温度よりも大きい。これは、熱せられた周囲の空気が対流によって上昇し、第1温度センサー811の周囲の温度が上昇しているためである。そのため、第1温度センサー811によって検出される温度と第2温度センサー812によって検出される温度との差ΔTeから突起531p,541pの移動を検出する場合には、光軸AXが入射側偏光板331の中心を通る場合における第1温度センサー811および第2温度センサー812によって検出される温度の差を考慮する必要がある。

0081

なお、突起531p,541pの移動が生じると、第1電極92と第2電極93との電極間距離広がり、ランプ電圧Vlaが増加する。例えば、図8では、実線で示す突起531p,541p同士の電極間距離W1に対して、二点鎖線で示す突起531p,541p同士の電極間距離W2の方が大きい。

0082

上述した制御を行う制御装置40を備えるプロジェクター500は、プロジェクターの制御方法としても表現できる。すなわち、本実施形態のプロジェクターの制御方法の一つの態様は、第1電極92および第2電極93を有する放電灯90から射出される光を画像信号に応じて変調する液晶パネル560R,560G,560Bと、液晶パネル560R,560G,560Bにより変調された光を投射する投射光学系350と、を備えるプロジェクター500の制御方法であって、放電灯90と投射光学系350との間において、放電灯90から射出される光の光軸AXの鉛直方向上側と光軸AXの鉛直方向下側との両方における温度を検出することと、その検出の結果に基づいて、第1電極92の突起531pの鉛直方向の移動および第2電極93の突起541pの鉛直方向の移動を検出することと、を含むことを特徴とする。

0083

本実施形態において制御装置40は、上述したように、検出部810の検出結果に基づいて突起531p,541pの移動を検出し、報知部45を制御する。以下、詳細に説明する。図9は、本実施形態の制御装置40による制御手順の一例を示すフローチャートである。

0084

制御装置40は、図9に示すように、放電灯90が点灯した後(ステップS11)、放電灯タイマーカウントアップを開始する(ステップS12)。放電灯タイマーのカウントアップは、放電灯90が寿命を迎えるまでのカウントアップである。より具体的には、例えば、放電灯タイマーのカウントアップは、放電灯90の失透面積所定面積以上になって、最低限の照度を維持できなくなるまでのカウントアップである。放電灯タイマーは、放電灯90が点灯している間、例えば、所定時間毎加算される。

0085

放電灯タイマーの所定時間毎の加算値は、例えば、放電灯90における放電灯本体510の上壁部510bに加えられる熱量の値で決まる。そのため、放電灯タイマーの所定時間毎の加算値は、放電灯90に供給される駆動電力Wd、および放電灯90のランプ電圧Vlaに基づいて決められる。これは、最熱部となる上壁部510bに失透が生じるまでの時間および失透が生じた後の失透の進行程度は、放電灯90の上壁部510bに加えられた熱量の総計によってある程度予測できるためである。一例として、放電灯タイマーの所定時間毎の加算値は、駆動電力Wdが大きくなった場合に大きく設定される。

0086

ここで、放電灯90の上壁部510bに加えられる熱量は、突起531p,541pの鉛直方向の位置によっても変化する。例えば、突起531p,541pの位置が鉛直方向上側に移動している場合、アーク放電の位置が上壁部510bに近づくため、上壁部510bに加えられる熱量が大きくなる。一方、突起531p,541pの位置が鉛直方向下側に移動している場合、アーク放電の位置が上壁部510bから遠ざかるため、上壁部510bに加えられる熱量が小さくなる。そこで、本実施形態では、駆動電力Wdおよびランプ電圧Vlaから求められた放電灯タイマーの所定時間毎の加算値に、突起531p,541pの鉛直方向位置に応じた加算係数Tkを乗じた値を加算値として、所定時間毎に放電灯タイマーに加算する。

0087

放電灯タイマーのカウントアップを開始した後、制御装置40は、第2温度センサー812の温度に対する第1温度センサー811の温度の差ΔTeを検出し、温度の差ΔTeの値について判断する(ステップS13)。具体的に、制御装置40は、温度の差ΔTeが、基準温度差Te1と同じか、基準温度差Te1よりも大きいか、基準温度差Te1よりも小さいか、を判断する。

0088

基準温度差Te1は、突起531p,541pの位置が正常な位置にある場合(例えば、光軸AXが入射側偏光板331の中心を通る場合)における第2温度センサー812の温度に対する第1温度センサー811の温度の差である。基準温度差Te1は、例えば、駆動電力Wdごとの値が記憶部44に格納されている。基準温度差Te1は、例えば、実験的、経験的に求められる値である。なお、基準温度差Te1は、所定の温度範囲を有していてもよい。この場合、制御装置40は、ステップS13において、温度の差ΔTeが、基準温度差Te1が有する温度範囲内に含まれるかを判断する。

0089

温度の差ΔTeが基準温度差Te1と同じ場合(ステップS13:ΔTe=Te1)、制御装置40は、突起531p,541pが正常な位置にある、すなわち、突起531p,541pの鉛直方向の移動が発生していないと判断して、加算係数Tkを1に設定する(ステップS14)。すなわち、制御装置40は、放電灯タイマーの所定時間毎の加算値を、駆動電力Wdおよびランプ電圧Vlaから求められた値とする。

0090

一方、温度の差ΔTeが基準温度差Te1よりも大きい場合(ステップS13:Te1<ΔTe)、制御装置40は、突起531p,541pが鉛直方向上側に移動していると判断する。すなわち、制御装置40は、第1温度センサー811によって検出された温度と第2温度センサー812によって検出された温度との差ΔTeが変化した場合に、突起531p,541pの鉛直方向の移動を検出する。そして、制御装置40は、加算係数Tkを1よりも大きく設定する(ステップS15)。すなわち、制御装置40は、放電灯タイマーの所定時間毎の加算値を、駆動電力Wdおよびランプ電圧Vlaから求められた値よりも大きくする。このとき、加算係数Tkの値は、ΔTeが大きい程、大きく設定される。

0091

また、温度の差ΔTeが基準温度差Te1よりも小さい場合(ステップS13:ΔTe<Te1)、制御装置40は、突起531p,541pが鉛直方向下側に移動していると判断する。すなわち、制御装置40は、第1温度センサー811によって検出された温度と第2温度センサー812によって検出された温度との差ΔTeが変化した場合に、突起531p,541pの鉛直方向の移動を検出する。そして、制御装置40は、加算係数Tkを1よりも小さく設定する(ステップS16)。すなわち、制御装置40は、放電灯タイマーの所定時間毎の加算値を、駆動電力Wdおよびランプ電圧Vlaから求められた値よりも小さくする。このとき、加算係数Tkの値は、ゼロより大きい範囲内で、ΔTeが小さい程、小さく設定される。
制御装置40は、上述したようにして設定された加算係数Tkを乗じた加算値を放電灯タイマーに加算する(ステップS17)。

0092

次に、制御装置40は、放電灯タイマーの値が所定値よりも大きいか否かを判断する(ステップS18)。本実施形態において所定値は、放電灯90の寿命が近くなり、放電灯90の交換が推奨される時期となる値である。所定値は、実験的、経験的に得られたデータ等に基づいて決定され、予め記憶部44に格納されている。

0093

放電灯タイマーの値が所定値以下の場合(ステップS18:NO)、制御装置40は、ステップS13に移行して、再び温度の差ΔTeを判断し、放電灯タイマーの加算を続ける(ステップS17)。一方、放電灯タイマーの値が所定値よりも大きい場合(ステップS18:YES)、制御装置40は、報知部45によって放電灯90の交換時期となったことを報知する(ステップS19)。

0094

以上に説明したように、本実施形態において制御装置40は、ランプ電圧Vlaおよび駆動電力Wdから得られる加算値に対して、検出部810から得られた突起531p,541pの鉛直方向位置に基づいた加算係数Tkを乗じた値を放電灯タイマーに加算していく。そして、制御装置40は、放電灯タイマーの値が所定値よりも大きくなった場合に、報知部45から放電灯90の交換に関する情報を報知する。すなわち、本実施形態において制御装置40は、検出部810の検出結果、放電灯90のランプ電圧Vla、および放電灯90に供給される駆動電力Wdに基づいて、放電灯90の交換に関する情報を報知部45に報知させる。

0095

上述したように、放電灯90における失透の発生および失透の進行程度は、放電灯本体510の上壁部510bに加えられた熱量の総計によって、ある程度予測できる。しかし、駆動電力Wdとランプ電圧Vlaとのみに基づいた予測では、突起531p,541pの移動による熱量の変化に対応できず、失透の予測が困難であった。そのため、放電灯90の状態の把握精度が低下する問題があった。

0096

これに対して、本実施形態によれば、制御装置40は、検出部810の検出結果に基づいて、第1電極92の突起531pの鉛直方向の移動および第2電極93の突起541pの鉛直方向の移動を検出する。そのため、制御装置40は、突起531p,541pの鉛直方向の移動による上壁部510bに加えられる熱量の変化を把握することができ、放電灯90における失透の発生、失透の進行程度、および放電灯90の寿命等をより精度よく把握することができる。具体的に本実施形態では、上述したようにして、突起531p,541pの移動を考慮した放電灯タイマーのカウントアップが可能となり、放電灯90における失透の発生および失透の進行程度の把握精度を向上できる。以上により、本実施形態によれば、放電灯90の状態をより精度よく把握できるプロジェクター500が得られる。

0097

また、本実施形態によれば、制御装置40は、検出部810による検出結果に基づいて、第1電極92の突起531pの鉛直方向の位置および第2電極93の突起541pの鉛直方向の位置を検出する。そのため、突起531p,541pの鉛直方向の位置に応じて、上壁部510bに加えられる熱量をより正確に把握することができる。具体的に本実施形態では、放電灯タイマーに加算する値を調整することができる。したがって、より精度よく放電灯90の状態を把握できる。

0098

また、本実施形態によれば、制御装置40は、第1温度センサー811の検出結果と第2温度センサー812の検出結果とに基づいて、突起531p,541pの鉛直方向の移動を検出する。そのため、第1温度センサー811と第2温度センサー812との温度の差ΔTeから、突起531p,541pの移動(鉛直方向位置)をより精度よく検出することができる。また、駆動電力Wd等が変化して、第1温度センサー811および第2温度センサー812で検出できる温度の絶対値が変化した場合であっても、温度の差ΔTeに基づくことで、突起531p,541pの移動(鉛直方向位置)を精度よく検出することができる。したがって、より精度よく放電灯90の状態を把握できる。

0099

また、本実施形態によれば、第1温度センサー811および第2温度センサー812は、入射側偏光板331を保持する保持フレーム333において入射側偏光板331の光入射側と同じ側に配置される。そのため、放電灯90から射出された光の一部が各温度センサーに照射されやすく、放電灯90から射出された光の光軸AXのずれを検出しやすい。これにより、突起531p,541pの移動をより検出しやすい。

0100

また、本実施形態によれば、制御装置40は、第1温度センサー811によって検出された温度と第2温度センサー812によって検出された温度との差ΔTeが変化した場合に、突起531p,541pの鉛直方向の移動を検出する。このように、第1温度センサー811および第2温度センサー812は温度を計測するため、例えば、放電灯90から射出された光が直接照射されなくても、射出された光が照射された部分の温度変化を検出することで、突起531p,541pの鉛直方向の移動を検出できる。したがって、検出部810の配置自由度を向上できる。

0101

また、本実施形態によれば、制御装置40は、検出部810の検出結果に基づいて、報知部45を制御する。そのため、突起531p,541pの移動を考慮した放電灯90の状態に関する情報を外部に報知できる。これにより、使用者の利便性を向上できる。

0102

また、本実施形態によれば、制御装置40は、検出部810の検出結果、ランプ電圧Vla、および駆動電力Wdに基づいて、放電灯90の交換に関する情報を報知部45に報知させる。そのため、突起531p,541pの移動を考慮した失透の発生および失透の進行程度に基づいて、より好適なタイミングで放電灯90の交換時期を使用者に伝達することができる。これにより、使用者の利便性を向上できる。

0103

<第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態に対して、制御装置40が、検出部810の検出結果に基づいて、冷却装置50を制御する点が異なる。本実施形態において制御装置40は、検出部810の検出結果に基づいて、冷却装置50のうち放電灯本体510の上壁部510bを冷却する第2冷却ファン50bの出力を調整する。これにより、制御装置40は、検出部810の検出結果に基づいて、上壁部510bの冷却レベルを調整する。

0104

なお、本明細書において、ある対象に対する「冷却レベル」とは、ある対象が冷却される度合いを示すものであり、例えば、本実施形態のようにファンによって送られる冷却空気によって、ある対象が冷却される場合、ある対象に送られる冷却空気の時間当たりの風量、および冷却空気の温度等から総合して決まるものである。本実施形態では、冷却レベルの変化は、ファンによって送られる冷却空気の時間当たりの風量の変化、すなわちファンに印加されるファン電圧の大きさの変化と等価なものとする。すなわち、本実施形態において、上壁部510bを冷却する第2冷却ファン50bのファン電圧は、上壁部510bに対する冷却レベルに相当する。

0105

以下、本実施形態における制御装置40の具体的な制御について詳細に説明する。図10は、本実施形態の制御装置40による制御手順の一例を示すフローチャートである。図10に示すように、本実施形態において制御装置40は、放電灯90が点灯した後(ステップS21)、第2温度センサー812の温度に対する第1温度センサー811の温度の差ΔTeを検出し、温度の差ΔTeの値について判断する(ステップS22)。具体的に、制御装置40は、温度の差ΔTeが、基準温度差Te1と同じか、基準温度差Te1よりも大きいか、基準温度差Te1よりも小さいか、を判断する。

0106

温度の差ΔTeが基準温度差Te1と同じ場合(ステップS22:ΔTe=Te1)、制御装置40は、突起531p,541pが正常な位置にある、すなわち、突起531p,541pの鉛直方向の移動が発生していないと判断して、上壁部510bの冷却レベルを設定値に設定する(ステップS23)。具体的に、制御装置40は、第2冷却ファン50bのファン電圧を設定値に設定する。設定値とは、放電灯90に供給される駆動電力Wdに応じて上壁部510bに対して設定されている冷却レベル(ファン電圧)の値である。

0107

一方、温度の差ΔTeが基準温度差Te1よりも大きい場合(ステップS22:Te1<ΔTe)、制御装置40は、突起531p,541pが鉛直方向上側に移動していると判断し、上壁部510bの冷却レベルを設定値よりも大きく設定する(ステップS24)。すなわち、制御装置40は、突起531p,541pの鉛直方向上側への移動が検出された場合、上壁部510bに対する冷却レベルを、駆動電力Wdに応じて上壁部510bに対して設定されている設定値よりも大きくする。具体的に、制御装置40は、第2冷却ファン50bのファン電圧を設定値よりも大きく設定する。このとき、冷却レベル(ファン電圧)は、温度の差ΔTeが大きい程、大きく設定される。

0108

また、温度の差ΔTeが基準温度差Te1よりも小さい場合(ステップS22:ΔTe<Te1)、制御装置40は、突起531p,541pが鉛直方向下側に移動していると判断し、上壁部510bの冷却レベルを設定値よりも小さく設定する(ステップS25)。すなわち、制御装置40は、突起531p,541pの鉛直方向下側への移動が検出された場合、上壁部510bに対する冷却レベルを、駆動電力Wdに応じて上壁部510bに対して設定されている設定値よりも小さくする。具体的に、制御装置40は、第2冷却ファン50bのファン電圧を設定値よりも小さく設定する。このとき、冷却レベル(ファン電圧)は、温度の差ΔTeが小さい程、小さく設定される。

0109

以上のようにして、本実施形態によれば、制御装置40は、検出部810の検出結果に基づいて、冷却装置50を制御する。そのため、制御装置40は、突起531p,541pの鉛直方向の移動に応じて、冷却装置50(第2冷却ファン50b)の出力を調整し、上壁部510bの冷却レベルを調整することができる。これにより、放電灯90の冷却を好適に行うことができ、突起531p,541pの移動が生じた場合であっても、失透を発生しにくくできる。したがって、放電灯90の寿命を向上させることができる。

0110

また、本実施形態によれば、制御装置40は、突起531p,541pの鉛直方向上側への移動が検出された場合、上壁部510bに対する冷却レベルを、駆動電力Wdに応じて上壁部510bに対して設定されている設定値よりも大きくする。そのため、突起531p,541pが鉛直方向上側に移動して、上壁部510bに加えられる熱が大きくなった場合に、上壁部510bの冷却レベルを大きくすることができる。これにより、失透が生じることを抑制できる。

0111

また、例えば、突起531p,541pが鉛直方向下側に移動した場合には、上壁部510bに加えられる熱が小さくなる。そのため、上壁部510bの冷却レベルを設定値のままとすると、上壁部510bが冷却され過ぎて、放電灯90に黒化が生じやすくなる場合があった。

0112

これに対して、本実施形態によれば、制御装置40は、突起531p,541pの鉛直方向下側への移動が検出された場合、上壁部510bに対する冷却レベルを、駆動電力Wdに応じて上壁部510bに対して設定されている設定値よりも小さくする。そのため、突起531p,541pが鉛直方向下側に移動して、上壁部510bに加えられる熱が小さくなった場合に、上壁部510bの冷却レベルを小さくすることができる。これにより、黒化が生じることを抑制できる。

0113

なお、本実施形態においては、突起531p,541pの移動による上壁部510bに加えられる熱量の変化を冷却レベルの調整により相殺できる。そのため、第1実施形態のように放電灯タイマーの加算値を検出部810の検出結果に基づいて調整しなくても、放電灯90の状態を精度よく把握することができる。しかし、例えば、冷却レベルの調整をしても、突起531p,541pの移動による上壁部510bに加えられる熱量の変化を完全には相殺できないような場合には、第1実施形態と同様に放電灯タイマーの加算値を検出部810の検出結果に基づいて調整することで、より精度よく放電灯90の状態を把握することができる。

0114

なお、上述した各本実施形態においては、以下の構成および方法を採用してもよい。

0115

検出部810は、温度および照度のうち少なくとも一方を検出すればよい。すなわち、第1検出部および第2検出部として、第1温度センサー811および第2温度センサー812の代わりに、一対の照度センサーが設けられてもよい。一対の照度センサーは、照度を検出可能である。この場合、制御装置40は、一対の照度センサーが検出する照度の変化によって、アーク放電のずれを検出し、突起531p,541pの移動を検出する。すなわち、制御装置40は、一方の照度センサーによって検出された照度と他方の照度センサーによって検出された照度との差が変化した場合に、突起531p,541pの移動を検出する。これにより、上述した各温度センサーによる場合と同様に、放電灯90の状態を精度よく把握することができる。また、照度センサーは、照度を検出するため、温度を検出する場合よりも放電灯90からの光の光軸AXがずれたことをより直接的に検出しやすい。

0116

また、第1検出部および第2検出部として、温度および照度の両方が検出可能なセンサーが設けられてもよい。また、検出部は、一対の温度センサーと一対の照度センサーとを、それぞれ有してもよい。

0117

また、検出部810は、放電灯90と投射光学系350との間において、光軸AXの鉛直方向上側と光軸AXの鉛直方向下側とのうちの少なくとも一方に配置されればよい。すなわち、上述した実施形態の例では、第1温度センサー811と第2温度センサー812とのいずれか一方が設けられなくてもよい。また、検出部810は、鉛直方向と直交する水平方向両側(例えば、図7の左右方向両側)に配置される第3検出部と第4検出部とのうちの少なくとも一方を有してもよい。この構成によれば、突起531p,541pの水平方向の移動を検出することができ、放電灯90の状態をより精度よく検出できる。

0118

また、上述した実施形態では、冷却装置50が2つの冷却ファンを有する構成としたが、これに限られない。冷却装置50は、1つの冷却ファンで構成され、この1つの冷却ファンからの送風が、ダクト等によって放電灯本体510の下壁部510aと上壁部510bとに分配される構成であってもよい。また、この場合においては、ダクトの分岐部整流板を設けて、下壁部510aに分配される風量と、上壁部510bに分配される風量と、を調整できる構成としてもよい。

0119

また、例えば、プロジェクター500が鉛直方向に反転した向きで使用されるような場合には、下壁部510aが放電灯90における鉛直方向上側の上部となる。この場合、下壁部510aに加えられる熱量に基づいて、上述したのと同様に、放電灯90の状態を把握する。また、プロジェクター500が鉛直方向のいずれの向きでも使用される場合には、下壁部510aに加えられる熱量に基づいた放電灯タイマーと、上壁部510bに加えられる熱量に基づいた放電灯タイマーとを、それぞれ独立してカウントアップしていき、いずれか一方が所定値よりも大きくなった場合に、報知部45から放電灯90の交換に関する情報を報知させてもよい。

0120

また、上記の各実施形態において、透過型のプロジェクターに本発明を適用した場合の例について説明したが、本発明は、反射型のプロジェクターにも適用することも可能である。ここで、「透過型」とは、液晶パネル等を含む液晶ライトバルブが光を透過するタイプであることを意味する。「反射型」とは、液晶ライトバルブが光を反射するタイプであることを意味する。なお、光変調装置は、液晶パネル等に限られず、例えばマイクロミラーを用いた光変調装置であってもよい。

0121

また、上記の各実施形態において、3つの液晶パネル560R,560G,560B(液晶ライトバルブ330R,330G,330B)を用いたプロジェクター500の例を挙げたが、本発明は、1つの液晶パネルのみを用いたプロジェクター、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクターにも適用可能である。

0122

また、上記説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。

0123

40…制御装置(制御部)、45…報知部、50…冷却装置(冷却部)、90…放電灯、92…第1電極、93…第2電極、230…放電灯駆動部、331,331R,331G,331B…入射側偏光板(偏光素子)、333…保持フレーム、350…投射光学系(投射光学装置)、500…プロジェクター、502,512R,512G,512B…画像信号、510b…上壁部(上部)、531p,541p…突起、560R,560G,560B…液晶パネル(光変調装置)、810…検出部、811…第1温度センサー(第1検出部)、812…第2温度センサー(第2検出部)、AX…光軸、I…駆動電流、Wd…駆動電力

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