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技術 静電荷像現像用トナー、静電潜像現像剤、トナーカートリッジ及びプロセスカートリッジ。

出願人 富士ゼロックス株式会社
発明者 佐藤成真齋藤絵理奈川本結加水谷則之吉原宏太郎石塚大輔
出願日 2018年3月23日 (2年8ヶ月経過) 出願番号 2018-057226
公開日 2019年10月3日 (1年2ヶ月経過) 公開番号 2019-168618
状態 未査定
技術分野 電子写真における現像剤
主要キーワード pH計 平均面積率 熱分解ユニット 領域境界線 高温保管後 分散圧力 滞留物 画像形成処理枚数
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年10月3日)のものです。
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図面 (5)

課題

低温定着性を有し、高温保管後フィルミングを抑制する静電荷像現像用トナーを提供すること。

解決手段

ポリエステル樹脂以外の非晶性樹脂ユニット及び結晶性ポリエステル樹脂ユニットを化学結合したハイブリッド樹脂と、ビニル系樹脂と、を含む結着樹脂と、炭化水素系ワックスを含む離型剤と、を含有するトナー粒子と、外添剤と、を有し、前記トナー粒子中に前記ハイブリッド樹脂のドメイン及び前記離型剤のドメインを有し、前記トナー粒子の表面から前記ハイブリッド樹脂のドメインの中心までの平均距離Lhybと、前記トナー粒子の表面から前記離型剤のドメインの中心までの平均距離Lwaxとの関係が、Lwax<Lhybである、静電荷像現像用トナーである。

概要

背景

従来から、電子写真方式画像形成において、静電荷像現像用トナーを用いる技術が知られている。
ここで、特許文献1には、「特定の熱的特性を有するポリエステル樹脂以外の非晶性樹脂ユニット結晶性ポリエステル樹脂ユニットとが化学的に結合したハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂と、非晶性樹脂とを含む結着樹脂を含有する静電荷像現像用トナー」が開示されている。

特許文献2には、「ハイブリッド結晶性樹脂を含む結着樹脂と、特定の結晶核剤と、を含有するトナー母体粒子を含有する静電潜像現像用トナー」が開示されている。

特許文献3には、「少なくとも結着樹脂を含有し、ドメインマトリクス構造を有するトナー母体粒子を含む静電潜像現像用トナー」が開示されている。
また、特許文献3には、該ドメイン・マトリクス構造が、スチレンアクリル系樹脂を含有するマトリクスと、ビニル重合セグメントポリエステル系重合セグメントとが結合した非晶性樹脂を含有し個数平均径が150nm以上1000nm以下であるドメインと、からなることも開示されている。

特許文献4には、「ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂をエチレン性不飽和単量体に溶解した油相液を用いてミニエマルション重合することによって得る結着樹脂と、着色剤と、を含有し、結着樹脂微粒子着色剤微粒子とを凝集させ、融着して形成する静電荷像現像用トナー」が開示されている。

また、特許文献5には、「特定の酸価及び熱的特性を有するウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂及び非晶性樹脂を含む結着樹脂と、着色剤と、離型剤とを含有するトナー粒子
を含む静電荷像現像用トナー」が開示されている。

概要

低温定着性を有し、高温保管後フィルミングを抑制する静電荷像現像用トナーを提供すること。ポリエステル樹脂以外の非晶性樹脂ユニット及び結晶性ポリエステル樹脂ユニットを化学結合したハイブリッド樹脂と、ビニル系樹脂と、を含む結着樹脂と、炭化水素系ワックスを含む離型剤と、を含有するトナー粒子と、外添剤と、を有し、前記トナー粒子中に前記ハイブリッド樹脂のドメイン及び前記離型剤のドメインを有し、前記トナー粒子の表面から前記ハイブリッド樹脂のドメインの中心までの平均距離Lhybと、前記トナー粒子の表面から前記離型剤のドメインの中心までの平均距離Lwaxとの関係が、Lwax<Lhybである、静電荷像現像用トナーである。

目的

本発明では、該ハイブリッド樹脂及びビニル系樹脂を含む結着樹脂と、離型剤と、を含有するトナー粒子と、外添剤と、を含む静電荷像現像用トナーにおいて、トナー粒子の表面からハイブリッド樹脂のドメインの中心までの平均距離Lhybと、トナーの表面から離型剤のドメインの中心までの平均距離Lwaxとの関係が、Lwax>Lhybである場合に比べ、低温定着性を有し、高温保管後のフィルミングを抑制する静電荷像現像用トナーを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ポリエステル樹脂以外の非晶性樹脂ユニット及び結晶性ポリエステル樹脂ユニットを化学結合したハイブリッド樹脂と、ビニル系樹脂と、を含む結着樹脂と、炭化水素系ワックスを含む離型剤と、を含有するトナー粒子と、外添剤と、を有し、前記トナー粒子中に前記ハイブリッド樹脂のドメイン及び前記離型剤のドメインを有し、前記トナー粒子の表面から前記ハイブリッド樹脂のドメインの中心までの平均距離Lhybと、前記トナー粒子の表面から前記離型剤のドメインの中心までの平均距離Lwaxとの関係が、Lwax<Lhybである、静電荷像現像用トナー

請求項2

前記Lwaxが0.4μm以上1.0μm以下である、請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。

請求項3

ポリエステル樹脂以外の非晶性樹脂ユニット及び結晶性ポリエステル樹脂ユニットを化学結合したハイブリッド樹脂と、ビニル系樹脂と、を含む結着樹脂と、炭化水素系ワックスを含む離型剤と、を含有するトナー粒子と、外添剤と、を有し、前記トナー粒子中に前記ハイブリッド樹脂のドメイン及び前記離型剤のドメインを有し、前記トナー粒子中の表面から前記トナー粒子の中心までの距離の半分以内の領域に存在する前記離型剤のドメインの平均面積率が、該領域内に存在する前記ハイブリッド樹脂のドメインの平均面積率よりも大きく、且つ、前記トナー粒子中の表面から前記トナー粒子の中心までの距離の半分超えの領域に存在する前記離型剤のドメインの平均面積率が、該領域内に存在する前記ハイブリッド樹脂のドメインの平均面積率よりも小さい、静電荷像現像用トナー。

請求項4

前記結晶性ポリエステル樹脂ユニットが、多価カルボン酸成分多価アルコール成分とから得られる結晶性脂肪族ポリエステル樹脂である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。

請求項5

前記多価カルボン酸成分の炭素数と前記多価アルコール成分の炭素数の和Ccryが8以上22以下である、請求項4に記載の静電荷像現像用トナー。

請求項6

前記炭化水素系ワックスの炭素数Cwaxが35以上70以下である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。

請求項7

前記多価カルボン酸成分の炭素数と前記多価アルコール成分の炭素数の和Ccryと、前記炭化水素系ワックスの炭素数Cwaxとの関係が、0.25<Ccry/Cwax<0.5である、請求項5又は請求項6に記載の静電荷像現像用トナー。

請求項8

前記ポリエステル樹脂以外の非晶性樹脂ユニットが、ポリスチレン樹脂を含む、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。

請求項9

前記ポリエステル樹脂以外の非晶性樹脂ユニットが、ポリウレタン樹脂を更に含む、請求項8に記載の静電荷像現像用トナー。

請求項10

前記離型剤のドメインの平均径が0.5μm以上2.0μm未満である、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。

請求項11

前記ハイブリッド樹脂のドメインの平均径に対する、前記離型剤のドメインの平均径の比が、0.3以上1.0以下である、請求項10に記載の静電荷像現像用トナー。

請求項12

前記トナー粒子全体に対する前記離型剤のドメインの平均面積率と、前記トナー粒子全体に対する前記ハイブリッド樹脂のドメインの平均面積率との比が、0.5以上2.0以下である、請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。

請求項13

前記トナー粒子に対する前記離型剤の含有量が、5質量%以上9質量%未満である、請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。

請求項14

前記離型剤に対する前記ハイブリッド樹脂の含有量が、50質量%以上300質量%以下である、請求項13に記載の静電荷像現像用トナー。

請求項15

前記ビニル系樹脂は、スチレンメタアクリル樹脂を含む、請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。

請求項16

請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電潜像現像剤

請求項17

請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、画像形成装置着脱されるトナーカートリッジ

請求項18

請求項16に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像トナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ

技術分野

背景技術

0002

従来から、電子写真方式画像形成において、静電荷像現像用トナーを用いる技術が知られている。
ここで、特許文献1には、「特定の熱的特性を有するポリエステル樹脂以外の非晶性樹脂ユニット結晶性ポリエステル樹脂ユニットとが化学的に結合したハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂と、非晶性樹脂とを含む結着樹脂を含有する静電荷像現像用トナー」が開示されている。

0003

特許文献2には、「ハイブリッド結晶性樹脂を含む結着樹脂と、特定の結晶核剤と、を含有するトナー母体粒子を含有する静電潜像現像用トナー」が開示されている。

0004

特許文献3には、「少なくとも結着樹脂を含有し、ドメインマトリクス構造を有するトナー母体粒子を含む静電潜像現像用トナー」が開示されている。
また、特許文献3には、該ドメイン・マトリクス構造が、スチレンアクリル系樹脂を含有するマトリクスと、ビニル重合セグメントポリエステル系重合セグメントとが結合した非晶性樹脂を含有し個数平均径が150nm以上1000nm以下であるドメインと、からなることも開示されている。

0005

特許文献4には、「ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂をエチレン性不飽和単量体に溶解した油相液を用いてミニエマルション重合することによって得る結着樹脂と、着色剤と、を含有し、結着樹脂微粒子着色剤微粒子とを凝集させ、融着して形成する静電荷像現像用トナー」が開示されている。

0006

また、特許文献5には、「特定の酸価及び熱的特性を有するウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂及び非晶性樹脂を含む結着樹脂と、着色剤と、離型剤とを含有するトナー粒子
を含む静電荷像現像用トナー」が開示されている。

先行技術

0007

特開2016−161782号公報
特開2016−224367号公報
特開2015−052643号公報
特開2016−004060号公報
特許5983653号

発明が解決しようとする課題

0008

従来、非晶性樹脂ユニット及び結晶性樹脂ユニットを化学結合したハイブリッド樹脂と、ビニル系樹脂と、を含む結着樹脂と、離型剤を含有するトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーを使用すると、低温定着性が得られることが知られている。しかしながら、この静電荷像現像用トナーでは、トナー成分ブレードすり抜け、トナー成分が像保持体の表面に付着して皮膜が形成される現象フィルミング)が発生することがある。
そこで、本発明では、該ハイブリッド樹脂及びビニル系樹脂を含む結着樹脂と、離型剤と、を含有するトナー粒子と、外添剤と、を含む静電荷像現像用トナーにおいて、トナー粒子の表面からハイブリッド樹脂のドメインの中心までの平均距離Lhybと、トナーの表面から離型剤のドメインの中心までの平均距離Lwaxとの関係が、Lwax>Lhybである場合に比べ、低温定着性を有し、高温保管後のフィルミングを抑制する静電荷像現像用トナーを提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0009

上記課題は、以下の手段により解決される。

0010

<1>ポリエステル樹脂以外の非晶性樹脂ユニット及び結晶性ポリエステル樹脂ユニットを化学結合したハイブリッド樹脂と、ビニル系樹脂と、を含む結着樹脂と、
炭化水素系ワックスを含む離型剤と、
を含有するトナー粒子と、
外添剤と、
を有し、
前記トナー粒子中に前記ハイブリッド樹脂のドメイン及び前記離型剤のドメインを有し、
前記トナー粒子の表面から前記ハイブリッド樹脂のドメインの中心までの平均距離Lhybと、前記トナー粒子の表面から前記離型剤のドメインの中心までの平均距離Lwaxとの関係が、Lwax<Lhybである、静電荷像現像用トナー。

0011

<2> 前記Lwaxが0.4μm以上1.0μm以下である、前記<1>に記載の静電荷像現像用トナー。

0012

<3>ポリエステル樹脂以外の非晶性樹脂ユニット及び結晶性ポリエステル樹脂ユニットを化学結合したハイブリッド樹脂と、ビニル系樹脂と、を含む結着樹脂と、
炭化水素系ワックスを含む離型剤と、
を含有するトナー粒子と、
外添剤と、
を有し、
前記トナー粒子中に前記ハイブリッド樹脂のドメイン及び前記離型剤のドメインを有し、
前記トナー粒子中の表面から前記トナー粒子の中心までの距離の半分以内の領域に存在する前記離型剤のドメインの平均面積率が、該領域内に存在する前記ハイブリッド樹脂のドメインの平均面積率よりも大きく、且つ、
前記トナー粒子中の表面から前記トナー粒子の中心までの距離の半分超えの領域に存在する前記離型剤のドメインの平均面積率が、該領域内に存在する前記ハイブリッド樹脂のドメインの平均面積率よりも小さい、静電荷像現像用トナー。

0013

<4> 前記結晶性ポリエステル樹脂ユニットが、多価カルボン酸成分多価アルコール成分とから得られる結晶性脂肪族ポリエステル樹脂である、前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。

0014

<5> 前記多価カルボン酸成分の炭素数と前記多価アルコール成分の炭素数の和Ccryが8以上22以下である、前記<4>に記載の静電荷像現像用トナー。

0015

<6> 前記炭化水素系ワックスの炭素数Cwaxが35以上70以下である、前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。

0016

<7> 前記多価カルボン酸成分の炭素数と前記多価アルコール成分の炭素数の和Ccryと、
前記炭化水素系ワックスの炭素数Cwaxとの関係が、
0.25<Ccry/Cwax<0.5
である、前記<5>又は<6>に記載の静電荷像現像用トナー。

0017

<8> 前記ポリエステル樹脂以外の非晶性樹脂ユニットが、ポリスチレン樹脂を含む、前記<1>〜<7>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。

0018

<9> 前記ポリエステル樹脂以外の非晶性樹脂ユニットが、ポリウレタン樹脂を更に含む、前記<8>に記載の静電荷像現像用トナー。

0019

<10> 前記離型剤のドメインの平均径が0.5μm以上2.0μm未満である、前記<1>〜<9>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。

0020

<11> 前記ハイブリッド樹脂のドメインの平均径に対する、前記離型剤のドメインの平均径の比が、0.3以上1.0以下である、前記<10>に記載の静電荷像現像用トナー。

0021

<12> 前記トナー粒子全体に対する前記離型剤のドメインの平均面積率と、前記トナー粒子全体に対する前記ハイブリッド樹脂のドメインの平均面積率との比が、0.5以上2.0以下である、前記<1>〜<11>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。

0022

<13> 前記トナー粒子に対する前記離型剤の含有量が、5質量%以上9質量%未満である、前記<1>〜<12>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。

0023

<14> 前記離型剤に対する前記ハイブリッド樹脂の含有量が、50質量%以上300質量%以下である、前記<13>に記載の静電荷像現像用トナー。

0024

<15> 前記ビニル系樹脂は、スチレン(メタアクリル樹脂を含む、前記<1>〜<14>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。

0025

<16> 前記<1>〜<15>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電潜像現像剤。

0026

<17> 前記<1>〜<15>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、画像形成装置着脱されるトナーカートリッジ。

0027

<18> 前記<16>に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像トナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。

発明の効果

0028

<1>、<4>、<8>、<9>又は<15>に記載の発明によれば、
ポリエステル樹脂以外の非晶性樹脂ユニット及び結晶性ポリエステル樹脂ユニットを化学結合したハイブリッド樹脂とビニル系樹脂とを含む結着樹脂と、
炭化水素系ワックスを含む離型剤と、
を有するトナー粒子と、
外添剤と、
を含む静電荷像現像用トナーにおいて、
トナー粒子の表面からハイブリッド樹脂のドメインの中心までの平均距離Lhybと、トナーの表面から離型剤のドメインの中心までの平均距離Lwaxとの関係が、Lwax>Lhybである場合に比べ、
低温定着性を有し、高温保管後のフィルミングを抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。

0029

<2>に記載の発明によれば、Lwaxが0.4μm未満又は1.0μm超えである場合に比べ、低温定着性を有し、高温保管後のフィルミングを抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。

0030

<3>、<4>、<8>、<9>又は<15>に記載の発明によれば、
ポリエステル樹脂以外の非晶性樹脂ユニット及び結晶性ポリエステル樹脂ユニットを化学結合したハイブリッド樹脂とビニル系樹脂とを含む結着樹脂と、
炭化水素系ワックスを含む離型剤と、
を有するトナー粒子と、
外添剤と、
を含む静電荷像現像用トナーにおいて、
トナー粒子中の表面からトナー粒子の中心までの距離の半分以内の領域に存在する前記離型剤のドメインの面積が、該領域内に存在する前記ハイブリッド樹脂のドメインの面積よりも小さく、
且つ、
トナー粒子中の表面からトナー粒子の中心までの距離の半分超えの領域に存在する前記離型剤のドメインの面積が、該領域内に存在する前記ハイブリッド樹脂のドメインの面積よりも大きい場合に比べ、
低温定着性を有し、高温保管後のフィルミングを抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。

0031

<5>に記載の発明によれば、多価カルボン酸成分の炭素数と多価アルコール成分の炭素数の和Ccryが、8未満又は22超えである場合に比べ、低温定着性を有し、高温保管後のフィルミングを抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。

0032

<6>に記載の発明によれば、炭化水素系ワックスの炭素数Cwaxが35未満、又は70超えである場合に比べ、低温定着性を有し、高温保管後のフィルミングを抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。

0033

<7>に記載の発明によれば、多価カルボン酸成分の炭素数と多価アルコール成分の炭素数の和Ccryと、炭化水素系ワックスの炭素数Cwaxとの関係(Ccry/Cwax)が、0.25以下又は0.5以上である場合に比べ、低温定着性を有し、高温保管後のフィルミングを抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。

0034

<10>に記載の発明によれば、離型剤のドメインの平均径が0.5μm未満又は2.0μm以上である場合に比べ、低温定着性を有し、高温保管後のフィルミングを抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。

0035

<11>に記載の発明によれば、ハイブリッド樹脂のドメインの平均径に対する、離型剤のドメインの平均径の比が、0.3未満又は1.0超えである場合に比べ、低温定着性を有し、高温保管後のフィルミングを抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。

0036

<12>に記載の発明によれば、トナー粒子中の、離型剤のドメインに対するハイブリッド樹脂のドメインの平均面積率の比が、0.5未満又は2.0超えである場合に比べ、低温定着性を有し、高温保管後のフィルミングを抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。

0037

<13>に記載の発明によれば、トナー粒子に対する離型剤の含有量が、5質量%未満又は9質量%以上である場合に比べ、低温定着性を有し、高温保管後のフィルミングを抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。

0038

<14>に記載の発明によれば、離型剤に対するハイブリッド樹脂の含有量が、50質量%未満又は300質量%超えである場合に比べ、低温定着性を有し、高温保管後のフィルミングを抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。

0039

<16>、<17>又は<18>に記載の発明によれば、
ポリエステル樹脂以外の非晶性樹脂ユニット及び結晶性ポリエステル樹脂ユニットを化学結合したハイブリッド樹脂とビニル系樹脂とを含む結着樹脂と、
炭化水素系ワックスを含む離型剤と、
を有するトナー粒子と、
外添剤と、
を含む静電荷像現像用トナーにおいて、
トナー粒子の表面からハイブリッド樹脂のドメインの中心までの平均距離Lhybと、トナーの表面から離型剤のドメインの中心までの平均距離Lwaxとの関係が、Lwax>Lhybである静電荷像現像用トナーを備える場合に比べ、
低温定着性を有し、高温保管後のフィルミングを抑制する静電荷像現像剤、トナーカートリッジ又はプロセスカートリッジが提供される。

図面の簡単な説明

0040

本実施形態に係るトナー粒子の断面の一例を示す模式図である。
本実施形態に係るトナー粒子の断面の一例を示す模式図である。
本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。

0041

以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
なお、本実施形態において、対象物中の各成分の量は、対象物中に各成分に該当する物質複数種存在する場合、特に断らない限り、対象物中に存在する該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。

0042

−静電荷像現像用トナー−
第一実施形態及び第二実施形態では、静電荷像現像用トナーを、単に「トナー」とも称す。また、第一実施形態及び第二実施形態では、ポリエステル樹脂以外の非晶性樹脂ユニット及び結晶性ポリエステル樹脂ユニットを化学結合した樹脂を、ハイブリッド樹脂と称す。

0043

第一実施形態に係るトナーは、ハイブリッド樹脂及びビニル系樹脂を含む結着樹脂と、離型剤と、を含有するトナー粒子と、外添剤と、を有する。
第一実施形態に係るトナーは、トナー粒子中にハイブリッド樹脂のドメイン及び離型剤のドメインを有する。また、トナー粒子の表面からハイブリッド樹脂のドメインの中心までの平均距離Lhybと、トナー粒子の表面から離型剤のドメインの中心までの平均距離Lwaxとの関係が、Lwax<Lhybである。

0044

従来、ハイブリッド樹脂及びビニル系樹脂を含む結着樹脂と離型剤とを含有するトナー粒子と外添剤とを含むトナーを使用すると、低温定着性が得られることが知られている。しかしながら、上記構成のトナーを高温保管(例えば、45℃)後に、これを用いて画像を形成すると、像保持体とブレードとの接触部に滞留するトナー成分の滞留物が、ブレードをすり抜け、トナー成分が像保持体の表面に付着し皮膜が形成される現象(フィルミング)が発生する傾向にある。このフィルミングが生じる要因は必ずしも明らかではないが、以下のように考えることができる。

0045

トナー粒子に外添剤を外添したトナーを上記画像形成装置に適用すると、外添剤は、例えば、機械的負荷等の外的な力の影響及び転写の際に、トナー粒子から遊離する。そして、接触部の先端(ブレードと像保持体の接触部の像保持体回転方向下流側の領域)において、トナー粒子がき止められ、ブレードからの圧力により凝集した凝集体(以下「トナーダム」とも称する)を形成する。さらに、遊離した前記外添剤は、接触部に到達すると、接触部の先端領域において前記トナーダムよりもブレードと像保持体の接触部により近い位置において、堰き止められ、ブレードからの圧力により凝集した凝集体(以下「外添ダム」とも称する)を形成する。この外添ダムによって、クリーニング性(トナーの掻き取り性)が向上する。

0046

一方、トナーとしては、例えば、トナーを高温保管すると、ハイブリッド樹脂が、トナー粒子の表面側へと移動することがある。ハイブリッド樹脂がトナー粒子の表面側へと移動すると、ハイブリッド樹脂に含まれる結晶性ポリエステル樹脂ユニットが柔らかい性質を有するため、トナー粒子の表面に付着している外添剤が陥没する傾向にある。外添剤がトナー粒子中に陥没すると、トナーに対して機械的負荷等の外的な力が加わっても、外添剤がトナー粒子から遊離し難くなる傾向にある。そのため、前述の外添ダムが形成され難くなり、前述の外添ダムによるクリーニング性が低下し易くなる。より具体的には、外添ダムが形成され難くなることで、ブレードに対し局所的に負荷がかかり、ブレードが局所的にめくれる現象が起こることがある。これにより、像保持体とブレードとの接触部に滞留するトナー成分の滞留物が、ブレードをすり抜け易くなる。その結果、トナー画像を転写した後に、フィルミングが発生すると考えられる。

0047

一方、第一実施形態に係るトナーは、例えば、図1に示すように、トナー粒子中において、ビニル系樹脂の連続相、ハイブリッド樹脂のドメイン、及び炭化水素系ワックスを含む離型剤のドメインを形成する。そして、トナー粒子の表面からハイブリッド樹脂のドメインの中心までの平均距離Lhybと、トナー粒子の表面から離型剤のドメインの中心までの平均距離Lwaxとの関係が、Lwax<Lhybである。つまり、トナー粒子中において、ハイブリッド樹脂のドメインが、離型剤のドメインよりも内側に存在している割合が多く、高温下でトナーを保管した後も、ハイブリッド樹脂がトナー粒子の表面側に移動することが抑制されると傾向にある。そのため、トナー粒子の表面が柔らかくなり過ぎず、外添剤が陥没することが抑制され易くなる。その結果、外添ダムによるクリーニング性の維持性が高まり、高温下でトナーを保管してもフィルミングの発生が抑制されると考えられる。なお、図1において、700はトナー粒子、600はハイブリッド樹脂のドメイン、500は離型剤のドメイン、及び400はビニル系樹脂からなる連続相を表す。

0048

また、離型剤に炭化水素系ワックスを含むことで、ハイブリッド樹脂と離型剤との親和性が高まることが考えられる。そのため、ハイブリッド樹脂のトナー粒子の表面への移行が、より効率的に抑制される傾向にある。その結果、高温下でトナーを保管した後のフィルミングの発生が、より抑制されると考えられる。さらに、第一実施形態に係るトナーでは、離型剤のドメインが、トナー表層付近に存在する割合が高い傾向にあるため、トナー粒子からの離型剤の染み出しが起こり易く、離型剤本来の機能が発揮され易いと考えられる。

0049

第二実施形態に係るトナーは、ハイブリッド樹脂及びビニル系樹脂を含む結着樹脂と、離型剤と、を含有するトナー粒子と、外添剤と、を有する。
第二実施形態に係るトナーは、トナー粒子中にハイブリッド樹脂のドメイン及び離型剤のドメインを有する。また、トナー粒子中の表面からトナー粒子の中心までの距離の半分以内の領域に存在する離型剤のドメインの平均面積率が、該領域内に存在するハイブリッド樹脂のドメインの平均面積率よりも大きい。そして、トナー粒子中の表面からトナー粒子の中心までの距離の半分超えの領域に存在する離型剤のドメインの平均面積率が、該領域内に存在するハイブリッド樹脂のドメインの平均面積率よりも小さい。

0050

従来のトナーは、上述のように、トナーを高温保管すると、ハイブリッド樹脂が、トナー粒子の表面側へと移動することがある。より具体的には、トナー粒子中の表面からトナー粒子の中心までの距離の半分以内の領域に存在する離型剤のドメインの平均面積率が、該領域内に存在するハイブリッド樹脂のドメインの平均面積率よりも小さくなる傾向にある。一方で、トナー粒子中の表面からトナー粒子の中心までの距離の半分超えの領域に存在する離型剤のドメインの平均面積率は、該領域内に存在するハイブリッド樹脂のドメインの平均面積率よりも大きくなる傾向にある。上記構成を有する従来のトナーでは、トナー粒子の表面に付着している外添剤が陥没し易い傾向にある。外添剤がトナー粒子中に陥没すると、トナーに対して機械的負荷等の外的な力が加わっても、外添剤がトナー粒子から遊離し難くなる傾向にある。そのため、前述の外添ダムが形成され難くなり、前述の外添ダムによるクリーニング性が低下し易くなる。より具体的には、外添ダムが形成され難くなることで、ブレードに対し局所的に負荷がかかり、ブレードが局所的にめくれや欠ける現象が起こることがある。これにより、像保持体とブレードとの接触部に滞留するトナー成分の滞留物が、ブレードをすり抜け易くなる。その結果、トナー画像を転写した後に、フィルミングが発生すると考えられる。

0051

第二実施形態に係るトナーでは、上記構成をとることにより、トナー粒子中において、ハイブリッド樹脂のドメインが離型剤のドメインよりも内側に存在する割合が多く、ハイブリッド樹脂がトナー粒子の表面側に移動することが抑制されると傾向にある。そのため、トナー粒子の表面が柔らかくなり過ぎず、外添剤が陥没することが抑制され易くなる。その結果、外添ダムによるクリーニング性を有し、高温下でトナーを保管した後のフィルミングの発生が抑制されると考えられる。
また、離型剤に炭化水素系ワックスを含むことで、第一実施形態に係るトナーと同様に、高温下でトナーを保管した後のフィルミングの発生が、より抑制されると考えられる。さらに、離型剤本来の機能が発揮され易いと考えられる。

0052

以下、第一及び第二実施形態(以下、便宜上「本実施形態」とまとめて称する)に係るトナーの構成を詳細に説明する。なお、符号は省略して説明する。

0053

本実施形態に係るトナーは、トナー粒子及び外添剤を含んで構成される。

0054

−トナー粒子−
以下、トナー粒子について説明する。
トナー粒子は、ハイブリッド樹脂及びビニル系樹脂を含む結着樹脂と、炭化水素系ワックスを含む離型剤と、を含有する。本実施形態に係るトナー粒子は、その他の成分を含んで構成されてもよい。

0055

[トナー粒子の特性]
以下、トナー粒子の特性について説明する。

0056

トナー粒子は、結着樹脂中にハイブリッド樹脂のドメイン及び離型剤のドメインを有する。

0057

(Lwax及びLhyb)
トナー粒子における、トナー粒子の表面からハイブリッド樹脂のドメインの中心までの平均距離Lhybと、トナー粒子の表面から離型剤のドメインの中心までの平均距離Lwaxとの関係は、Lwax<Lhybである。

0058

ハイブリッド樹脂及び離型剤のドメインの中心とは、例えば、図2に示すように、ドメインの長径及び短径が交わる点を表す。ドメインの長径とは、ドメインの表面における任意の2点を結んだときに最長となる直線距離を表す。ドメインの短径とは、長径に対し垂直な任意の2点を結んだ時に最長となる直線距離を表す。

0059

Lwaxは、トナー粒子の表面から、離型剤の各ドメインの中心までの最短距離を、算術平均化した平均距離を表す。
Lhybは、トナー粒子の表面から、ハイブリッド樹脂の各ドメインの中心までの最短距離を、算術平均化した平均距離を表す。

0060

Lhyb及びLwaxの関係が、Lwax<Lhybである、つまり、トナー粒子の表面からハイブリッド樹脂のドメインまでの距離が、トナー粒子の表面から離型剤のドメイン中心までの距離よりも長いと、ハイブリッド樹脂がトナー粒子の表面へと移動し難くなると考えられる。その結果、トナーの高温保管後のフィルミングの発生が抑制される。

0061

Lwaxは、0.4μm以上1.0μm以下であることが好ましく、0.5μm以上0.9μm以下であることがより好ましく、0.6μm以上0.8μm以下であることが更に好ましい。
Lwaxが、1.0μm以下であると、トナー粒子の表面近くに離型剤のドメインが存在する割合が多くなると考えられる。このとき、離型剤に含まれる炭化水素系ワックスは、ハイブリッド樹脂と親和性が高いと考えられる。そのため、ハイブリッド樹脂のドメインがトナー粒子の表面へ移動することを効率的に抑制する傾向にある。その結果、高温保管後のフィルミングの発生がより抑制される傾向にある。
また、ハイブリッド樹脂が、離型剤と共にトナー粒子の表層に適度に存在する傾向にあるため、トナー粒子の表層が見かけ上、低Tg化し、離型剤及びハイブリッド樹脂に由来する低温定着性が、より高まる傾向にあると考えられる。その結果、例えば、熱が伝わりにくいラフ紙等においても、ハーフトーン画像(例えば、画像密度50%の画像)に対する低温定着性もより高まると考えられる。

0062

Lwax及びLhybを、上述の範囲とする制御方法としては、次の方法等が挙げられる。例えば、後述するトナー粒子の製造における凝集工程で、ハイブリッド樹脂粒子分散液ビニル系樹脂粒子分散液及び顔料等を先に混合し凝集させておく。次に、ビニル系樹脂粒子分散液を混合し凝集させ、最後に離型剤粒子分散液及びビニル系樹脂分散液を混合した溶液を添加し、更に凝集させる。

0063

(各ドメインの平均径)
離型剤のドメインの平均径は、低温定着性を有し、且つトナーを高温保管後のフィルミングの発生を抑制する観点から、0.5μm以上2.0μm未満であることが好ましく、0.6μm以上1.8μm未満であることがより好ましく、0.7μm以上1.6μm未満であることが更に好ましい。

0064

ハイブリッド樹脂のドメインの平均径は、0.4μm以上1.2μm未満であることが好ましく、0.5μm以上1.0μm未満であることがより好ましく、0.6μm以上0.8μm未満であることが更に好ましい。

0065

ハイブリッド樹脂のドメインの平均径に対する離型剤のドメインの平均径の比(離型剤のドメインの平均径/ハイブリッド樹脂のドメインの平均径)は、低温定着性を有し、且つトナーを高温保管後のフィルミングの発生を抑制する観点から、0.3以上1.0以下であることが好ましく、0.4以上0.9以下であることがより好ましく、0.5以上0.8以下であることが更に好ましい。

0066

Lhybは、低温定着性を有し、且つトナーを高温保管後のフィルミングの発生を抑制する観点から、0.6μm以上3.0μm以下であることが好ましく、0.8μm以上2.5μm以下であることがより好ましく、1.0μm以上2.0μm以下であることが更に好ましい。

0067

なお、離型剤のドメインの平均径は、例えば、トナー粒子を凝集合一法で製造し、製造の際に使用する離型剤粒子分散液に含まれる離型剤粒子体積平均粒子径を調整すること;体積平均粒子径の異なる離型剤粒子分散液を複数用意し、それを組み合せて使用すること;凝集粒子形成工程における昇温速度及び各分散液固形分量を調整すること;融合・合一工程における温度(急冷条件等)を調整すること;界面活性剤の量を調整すること;等によって制御しうる。また、ハイブリッド樹脂のドメインの平均径も同様の手法によって制御しうる。

0068

(各ドメインの平均面積率)
トナー粒子中の表面からトナー粒子の中心までの距離の半分以内の領域に存在する離型剤のドメインの平均面積率は、該領域内に存在するハイブリッド樹脂のドメインの平均面積率よりも大きい。また、トナー粒子中の表面からトナー粒子の中心までの距離の半分超えの領域に存在する離型剤のドメインの平均面積率が、該領域内に存在するハイブリッド樹脂のドメインの平均面積率よりも小さい。

0069

トナー粒子の中心とは、例えば、図2に示すように、トナー粒子の長径及び短径が交わる点を表す。トナー粒子の長径とは、トナー粒子の表面における任意の2点を結んだときに最長となる直線距離を表す。トナー粒子の短径とは、長径に対し垂直な任意の2点を結んだ時に最長となる直線距離を表す。なお、図2において、700はトナー粒子、700Mはトナー粒子の長径、700Sはトナー粒子の短径、700Cはトナー粒子の中心を表す。また、700OUTは「トナー粒子中の表面からトナー粒子の中心までの距離の半分超えの領域」を表し、700INは「トナー粒子中の表面からトナー粒子の中心までの距離の半分以内の領域」を表す。

0070

トナー粒子中の表面からトナー粒子の中心までの距離の半分以内の領域において、離型剤のドメインの平均面積率が、ハイブリッド樹脂のドメインの平均面積率よりも大きいと、ハイブリッド樹脂のドメインと、トナー粒子の表面に存在する外添剤との間に離型剤のドメインが介在し易い。そのため、ハイブリッド樹脂がトナー粒子の表面へと移動することが抑制されると考えられる。その結果、トナーが低温定着性を有し、高温保管後のフィルミングの発生が抑制される。

0071

トナー粒子中の表面からトナー粒子の中心までの距離の半分以内の領域、及びトナー粒子中の表面からトナー粒子の中心までの距離の半分超えの領域において、ハイブリッド樹脂のドメイン及び離型剤のドメインの平均面積率を上述の様に制御する方法としては、Lwax及びLhybを制御する方法と同様の手法が挙げられる。

0072

トナー粒子全体に対する離型剤のドメインの平均面積率は、5%以上25以下であることが好ましく、8%以上22%以下であることがより好ましく、10%以上20%以下であることが更に好ましい。

0073

トナー粒子全体に対するハイブリッド樹脂のドメインの平均面積率は、5%以上25以下であることが好ましく、7%以上23%以下であることがより好ましく、9%以上21%以下であることが更に好ましい。

0074

トナー粒子全体に対する離型剤のドメインの平均面積率と、トナー粒子全体に対するハイブリッド樹脂のドメインの平均面積率との比(トナー粒子全体に対する離型剤のドメインの平均面積率/トナー粒子全体に対するハイブリッド樹脂のドメインの平均面積率)は、低温定着性を有し、且つトナーを高温保管後のフィルミングの発生を抑制する観点から、0.5以上2.0以下であることが好ましく、0.7以上1.8以下であることがより好ましく、0.9以上1.6以下であることがさらに好ましい。

0075

以下、Lhyb、Lwax、各ドメインの平均面積率、ドメイン径、及び平均個数測定方法を説明する。
トナーをエポキシ樹脂に混合して包埋し、エポキシ樹脂を固化する。その後、ウルトラミクロトーム装置(UltracutUCT、Leica社製)により、得られた固化物を切断し、厚み80nm以上130nm以下の薄片試料を作製する。次に、得られた薄片試料を30℃のデシケータ内で四酸化オスミウムにより3時間染色する。そして、超高分解能電界放出型走査電子顕微鏡(SEM:S−4800、日立ハイテクノロジーズ社製)にて、染色された薄片試料のSEM画像を得る。ここで、ハイブリッド樹脂、ビニル系樹脂、離型剤の順で四酸化オスミウムに染色され易いので、染色度合いに起因する濃淡で、各成分が識別される。試料の状態などにより濃淡が判別しにくい場合は、染色時間を調整する。

0076

トナー粒子の表面からハイブリッド樹脂のドメインの中心までの平均距離Lhybは、以下の方法で求める。
(1)前記SEM画像において、最大長がトナー粒子の体積平均粒子径の85%以上であるトナー粒子断面を選択し、染色されたハイブリッド樹脂のドメインを観察する。
(2)選択したハイブリッド樹脂のドメインについて、長径及び短径を求め、長径及び短径が交わる点をハイブリッド樹脂のドメインの中心とする。
(3)トナー粒子の表面から、選択したハイブリッド樹脂のドメインの中心までの最短の距離を求める。
(4)上記方法(1)〜(3)を、複数のトナー粒子における、100個のハイブリッド樹脂のドメインについて行い、その算術平均値を、平均距離Lhybとする。

0077

トナー粒子の表面から離型剤のドメインの中心までの平均距離Lwaxは、以下の方法で求める。
(1)前記SEM画像において、最大長がトナー粒子の体積平均粒子径の85%以上であるトナー粒子断面を選択し、染色された離型剤のドメインを観察する。
(2)選択した離型剤のドメインについて、長径及び短径を求め、長径及び短径が交わる点を離型剤のドメインの中心とする。
(3)トナー粒子の表面から、選択した離型剤のドメインの中心までの最短の距離を求める。
(4)上記方法(1)〜(3)を、複数のトナー粒子における、100個の離型剤のドメインについて行い、その算術平均値を、平均距離Lwaxとする。

0078

トナー粒子中の表面からトナー粒子の中心までの距離の半分以内の領域に存在する離型剤のドメインの平均面積率(以下、「第一特定離型剤のドメインの平均面積率」とも称す)は、以下の方法で求める。
(1)前記SEM画像において、最大長がトナー粒子の体積平均粒子径の85%以上であるトナー粒子断面を観察する。
(2)選択したトナー粒子断面について、長径及び短径を求め、長径及び短径が交わる点をトナー粒子の中心とする。
(3)選択したトナー粒子断面について、トナー粒子の表面からトナー粒子の中心までの距離の半分以内の領域の面積を求める。
(4)第一特定離型剤のドメインの面積を求める。なお、トナー粒子の表面からトナー粒子の中心までの距離の半分以内の領域境界線上に、離型剤のドメインが存在している場合、トナー粒子の表面からトナー粒子の中心までの距離の半分以内の領域内に重なる離型剤のドメインの一部の面積を、第一特定離型剤のドメインの面積率とする。
(5)第一特定離型剤のドメインの面積率(%)=(第一特定離型剤のドメインの面積/トナー粒子の表面からトナー粒子の中心までの距離の半分以内の領域の面積)×100を求める。
(6)上記方法(1)〜(5)を、100個のトナー粒子について行い、その算術平均値を、平均面積率とする。

0079

トナー粒子中の表面からトナー粒子の中心までの距離の半分以内の領域に存在するハイブリッド樹脂のドメインの平均面積率(以下、「第一特定ハイブリッド樹脂のドメインの平均面積率」とも称す)は、第一特定離型剤のドメインの平均面積率と同様の手法にして求める。

0080

トナー粒子中の表面からトナー粒子の中心までの距離の半分超えの領域に存在する離型剤のドメインの平均面積率(以下、「第二特定離型剤のドメインの平均面積率」とも称す)は、以下の方法で求める。
(1)前記SEM画像において、最大長がトナー粒子の体積平均粒子径の85%以上であるトナー粒子断面を観察する。
(2)選択したトナー粒子断面について、長径及び短径を求め、長径及び短径が交わる点をトナー粒子の中心とする。
(3)選択したトナー粒子断面について、トナー粒子の表面からトナー粒子の中心までの距離の半分超えの領域の面積を求める。
(4)第二特定離型剤のドメインの面積を求める。なお、トナー粒子の表面からトナー粒子の中心までの距離の半分超えの領域境界線上に、離型剤のドメインが存在している場合、トナー粒子の表面からトナー粒子の中心までの距離の半分超えの領域内に重なる離型剤のドメインの一部の面積を、第二特定離型剤のドメインの面積とする。
(5)第二特定離型剤のドメインの面積率(%)=(第二特定離型剤のドメインの面積/トナー粒子の表面からトナー粒子の中心までの距離の半分超えの領域の面積)×100を求める。
(6)上記方法(1)〜(5)を、100個のトナー粒子について行い、その算術平均値を、平均面積率とする。

0081

トナー粒子中の表面からトナー粒子の中心までの距離の半分超えの領域に存在するハイブリッド樹脂のドメインの平均面積率(以下、「第二特定ハイブリッド樹脂のドメインの平均面積率」とも称す)は、第二特定離型剤のドメインの平均面積率と同様の手法にして求める。

0082

トナー粒子全体に対する離型剤のドメインの平均面積率は、以下の方法で求める。なお、トナー粒子全体に対するハイブリッド樹脂のドメインの平均面積率についても、同様にして求める。
(1)前記SEM画像において、最大長がトナー粒子の体積平均粒子径の85%以上であるトナー粒子断面を選択し、染色された離型剤のドメインを観察する。
(2)選択したトナー粒子断面の面積を求める。
(3)トナー粒子断面中に観測される全ての離型剤のドメインの面積を求める。
(4)トナー粒子全体に対する離型剤のドメインの面積率(%)=(トナー粒子断面中に観測される全ての離型剤のドメインの面積/トナー粒子断面の面積)×100を求める。
(5)上記方法(1)〜(4)を、100個のトナー粒子について行い、その算術平均値を平均面積率とする。

0083

トナー粒子全体に対する離型剤のドメインの平均面積率と、トナー粒子全体に対するハイブリッド樹脂のドメインの平均面積率との比は、以下の方法で求める。
(1)前記SEM画像において、最大長がトナー粒子の体積平均粒子径の85%以上であるトナー粒子断面を選択し、染色された離型剤のドメイン及びハイブリッド樹脂のドメインを観察する。
(2)前述した方法により、トナー粒子全体に対する離型剤のドメインの平均面積率を求める。
(3)前述した方法により、トナー粒子全体に対するハイブリッド樹脂のドメインの平均面積率を求める。
(4)トナー粒子全体に対する離型剤のドメインの平均面積率と、トナー粒子全体に対するハイブリッド樹脂のドメインの平均面積率との比(トナー粒子全体に対する離型剤のドメインの平均面積率/トナー粒子全体に対するハイブリッド樹脂のドメインの平均面積率)を求める。

0084

離型剤のドメインの平均径は、以下の方法で求める。なお、ハイブリッド樹脂のドメインの平均径についても、離型剤のドメインの平均径と同様にして求める。
(1)前記SEM画像において、最大長がトナー粒子の体積平均粒子径の85%以上であるトナー粒子断面を選択し、染色された離型剤のドメインを観察する。
(2)前記SEM画像において求めた離型剤の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。
(3)上記方法(1)及び(2)を、複数のトナー粒子における、100個の離型剤のドメインについて行い、各円相当径の算術平均値を平均径とする。

0085

トナー粒子全体に対する離型剤のドメインの平均個数は、以下の方法で求める。なお、トナー粒子全体に対するハイブリッド樹脂のドメインの平均個数についても、該離型剤の平均個数と同様にして求める。
(1)前記SEM画像において、最大長がトナー粒子の体積平均粒子径の85%以上であるトナー粒子断面を選択する。
(2)トナー粒子断面中に観測される全ての離型剤のドメインの個数を数える。
(3)上記方法(1)及び(2)を、100個のトナー粒子について行い、その算術平均値を平均個数とする。

0086

トナー粒子全体に対する離型剤のドメインの平均個数と、トナー粒子全体に対するハイブリッド樹脂のドメインの平均個数との比は、以下の方法で求める。
(1)前記SEM画像において、最大長がトナー粒子の体積平均粒子径の85%以上であるトナー粒子断面を選択し、染色された離型剤のドメイン及びハイブリッド樹脂のドメインを観察する。
(2)前述した方法により、トナー粒子全体に対する離型剤のドメインの平均個数を求める。
(3)前述した方法により、トナー粒子全体に対するハイブリッド樹脂のドメインの平均個数を求める。
(4)トナー粒子全体に対する離型剤のドメインの平均個数と、トナー粒子全体に対するハイブリッド樹脂のドメインの平均個数との比(トナー粒子全体に対する離型剤のドメインの平均個数/トナー粒子全体に対するハイブリッド樹脂のドメインの平均個数)を求める。

0087

トナー粒子の体積平均粒子径D50vは、3.0μm以上8.0μm以下であることが好ましく、3.5μm以上7.0μm以下であることがより好ましく、4.0μm以上6.0μm以下であることが更に好ましい。

0088

なお、トナー粒子の平均粒子径は、コールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン・コールター社製)を使用して測定される。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒子径粒子粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲チャンネル)に対して体積小径側から累積分布を描いて、累積50%となる粒子径を体積平均粒子径D50vと定義する。

0089

トナー粒子の平均円形度としては、0.94以上1.00以下が好ましく、0.95以上0.98以下がより好ましい。

0090

トナー粒子の平均円形度は、(円相当周囲長)/(周囲長)[(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)]により求められる。具体的には、次の方法で測定される値である。
まず、測定対象となるトナー粒子を吸引採取し、扁平な流れを形成させ、瞬時にストロボ発光させることにより静止画像として粒子像を取り込み、その粒子像を画像解析するフロー式粒子像解析装置(シスメックス社製のFPIA−3000)によって求める。そして、平均円形度を求める際のサンプリング数は3500個とする。
なお、トナーが外添剤を有する場合、界面活性剤を含む水中に、測定対象となるトナー(現像剤)を分散させた後、超音波処理をおこなって外添剤を除去したトナー粒子を得る。

0091

[結着樹脂]
以下、結着樹脂について説明する。
結着樹脂は、ポリエステル樹脂以外の非晶性樹脂ユニット及び結晶性ポリエステル樹脂ユニットを化学結合したハイブリッド樹脂と、ビニル系樹脂と、を含む。結着樹脂は、その他の結着樹脂を含んで構成されていてもよい。

0092

(ハイブリッド樹脂)
以下、ハイブリッド樹脂について説明する。
本実施形態に係る結着樹脂は、ハイブリッド樹脂を含む。

0093

ハイブリッド樹脂は、ポリエステル樹脂以外の非晶性樹脂ユニット及び結晶性ポリエステル樹脂ユニットを化学結合した樹脂である。

0094

結晶性ポリエステル樹脂ユニットとは、結晶性ポリエステル樹脂に由来する構造を有する樹脂部分を指す。また、非晶性樹脂ユニットとは、非晶性樹脂に由来する構造を有する樹脂部分を指す。

0095

以下、(A)結晶性ポリエステル樹脂ユニット及び(B)非晶性樹脂ユニットについて説明する。

0096

(A)結晶性ポリエステル樹脂ユニット
以下、結晶性ポリエステル樹脂ユニットについて説明する。
結晶性ポリエステル樹脂ユニットを形成する結晶性ポリエステル樹脂(以下、単に「結晶性ポリエステル樹脂」とも称す)としては、例えば、多価カルボン酸多価アルコールとの重縮合体が挙げられる。なお、結晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。

0097

多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸コハク酸グルタル酸アジピン酸スベリン酸アゼライン酸セバシン酸、1,9−ジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばフタル酸イソフタル酸テレフタル酸ナフタレン−2,6−ジカルボン酸等の二塩基酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価のカルボン酸としては、例えば、芳香族カルボン酸(例えば1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸としては、これらジカルボン酸と共に、スルホン酸基を持つジカルボン酸、エチレン性二重結合を持つジカルボン酸を併用してもよい。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0098

多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えば主鎖部分の炭素数が7以上20以下である直鎖型脂肪族ジオール)が挙げられる。脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、脂肪族ジオールとしては、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
多価アルコールは、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のアルコールを併用してもよい。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリントリメチロールエタントリメチロールプロパンペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0099

ここで、結晶性ポリエステル樹脂ユニットは、低温定着性を有し、且つトナーを高温保管後のフィルミングの発生を抑制する観点から、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とから得られる結晶性脂肪族ポリエステル樹脂であることが好ましい。

0100

結晶性脂肪族ポリエステル樹脂における多価カルボン酸成分としては、シュウ酸、マロン酸マレイン酸フマル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9‐ノナンジカルボン酸、1,10‐デカンジカルボン酸、1,12‐ドデカンジカルボン酸、1,14‐テトラデカンジカルボン酸、1,18‐オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。
上記の中でも、結晶性脂肪族ポリエステル樹脂における多価カルボン酸成分としては、炭素数8以上22以下の多価カルボン酸成分であることが好ましい。

0101

結晶性脂肪族ポリエステル樹脂における多価アルコール成分としては、1,4‐ブタンジオール、1,5‐ペンタンジオール、1,6‐ヘキサンジオール、1,7‐ヘプタンジオール、1,8‐オクタンジオール、1,9‐ノナンジオール、1,10‐デカンジオール、1,11‐ウンデカンジオール、1,12‐ドデカンジオール、1,13‐トリデカンジオール、1,14‐テトラデカンジオール、1,18‐オクタデカンジオール、1,20‐エイコサンジオールが挙げられる。
上記の中でも、結晶性脂肪族ポリエステル樹脂における多価アルコール成分としては、炭素数4以上10以下の多価アルコール成分であることが好ましい。

0102

結晶性脂肪族ポリエステル樹脂における、多価カルボン酸成分の炭素数と多価アルコール成分の炭素数の和は、8以上22以下であることが好ましく、10以上20以下であることより好ましく、12以上18以下であることが更に好ましい。

0103

多価カルボン酸成分の炭素数とは、カルボキシ基炭素を含む総炭素数を表す。

0104

なお、複数の多価カルボン酸成分を用いて結晶性脂肪族ポリエステル樹脂を形成する場合、各多価カルボン酸成分のモル比により加重平均した値を、多価カルボン酸成分の炭素数とする。また、複数の多価アルコール成分を用いて結晶性脂肪族ポリエステル樹脂を形成する場合、各多価アルコール成分のモル比により加重平均した値を、多価アルコール成分の炭素数とする。

0105

結晶性脂肪族ポリエステル樹脂における、多価カルボン酸成分の炭素数と多価アルコール成分の炭素数は、熱分解ガスクロマトグラフ質量分析熱分解GCMS)により、以下の態様で測定する。

0106

(1)結晶性脂肪族ポリエステル樹脂の分離
以下の操作により、トナーから外添剤を分離する。分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液中に、トナーを投入し、撹拌馴染ませる。次に、浴槽型の超音波分散器により超音波処理することで、外添剤をトナー粒子の表面から遊離させる。その後、遠心分離によりトナー粒子を沈降させる。外添剤が遊離し分散している上澄み液を取り除く。この超音波処理から上澄み液除去までの操作を3回繰り返す。次に、トナー粒子をトルエン溶液に溶解させ、分取HPLC(日本分析工業社製:LC−9101)を用いて主成分となる結着樹脂及び離型剤を除去し、トナー粒子と結晶性脂肪族ポリエステル樹脂を含むハイブリッド樹脂とを、分離し、得られたハイブリッド樹脂を含む分離溶液を乾燥する。

0107

(2)結晶性脂肪族ポリエステル樹脂の熱分解ガスクロマトグラフ質量分析
熱分解ガスクロマトグラフ質量分析の装置等条件は以下の通りとした。
装置システムフロンティアラボ社製py2020iD(熱分解ユニット)、島津GC17A-QP5050Aシステム
熱分解炉温度:600℃、GC側インターフェイス温度:310℃
キャリアガス:Heガス純度99.99995%)
カラム:Ultra Alloy (UA±5)
カラム長:30m(内径0.25mm)
膜厚:0.25μm
(5% Diphenyldimethyl polysiloxane処理)
INJ温度:310℃、DET温度:313℃
カラム室温度:50℃開始3分間保持、その後10℃/分で310℃まで昇温した後、31分間維持)
ヘリウム流量条件:80kPa定圧制御、20mL/minスプリット
MS検出:範囲0.8−60min
イオン化源EIフィラメント電圧:1.20kV
検出:M/z 29〜600
測定時間:60分間
ライブラリ:Class−5000用NISTライブラリ
以上の測定条件にて、測定用不活性処理カップエコカップL(0.08mL)フロンティアラボ社製)に分析対象材料を0.5mg加え、分析する。

0108

(3)ハイブリッド樹脂試料における炭素数の分析
上述の熱分解ガスクロマトグラフ質量分析から得られた各ピーク帰属し、脂肪族炭化水素脂肪族アルコール類脂肪族カルボン酸類の帰属結果より炭素数を帰属する。
なお、結晶性脂肪族ポリエステル樹脂の炭素数を測定可能であれば、前記の分析方法に限らず他の分析方法も用いてもよい。

0109

結晶性ポリエステル樹脂の融解温度は、50℃以上100℃以下が好ましく、55℃以上90℃以下がより好ましく、60℃以上85℃以下がさらに好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121−1987「プラスチック転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。

0110

結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、6,000以上35,000以下が好ましい。

0111

結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、後述する非晶性樹脂と同様に、周知の製造方法により得られる。

0112

(B)ポリエステル樹脂以外の非晶性樹脂ユニット
以下、ポリエステル樹脂以外の非晶性樹脂ユニットについて説明する。
非晶性樹脂ユニットを形成する非晶性樹脂(以下、単に「非晶性樹脂」とも称す)としては、例えば、非晶性ビニル系樹脂(例えば、ポリスチレン樹脂、スチレン(メタ)アクリル樹脂等)、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、等の公知の非晶性樹脂が挙げられる。

0113

上記の中でも、低温定着性を有し、且つトナーを高温保管後のフィルミングの発生を抑制する観点から、非晶性樹脂としては、ポリスチレン樹脂を含むことが好ましく、ポリウレタン樹脂を更に含むことがより好ましい。なお、非晶性樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。

0114

ポリスチレン樹脂としては、スチレン又はスチレン誘導体の(共)重合体が挙げられる。スチレン誘導体としては、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン等のアルキル鎖を持つアルキル置換スチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン等のハロゲン置換スチレン、4−フルオロスチレン、2,5−ジフルオロスチレン等のフッ素置換スチレン、ビニルナフタレンなどが挙げられる。

0115

ポリウレタン樹脂としては、OH基を有する樹脂(ポリビニルアセタール樹脂ポリビニル樹脂ガゼインフェノール樹脂等からなる群から選択される少なくとも1種)と、イソシアネート化合物芳香族ポリイソシアネート脂肪族ポリイソシアネート脂環式ポリイソシアネート等)との反応により得られるポリウレタン樹脂が挙げられる。
なお、イソシアネート化合物は、ブロック化イソシアネート化合物イソシアネート基ブロック化剤で保護された化合物)であってもよい。

0116

非晶性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。

0117

非晶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上1000000以下が好ましく、7000以上500000以下がより好ましい。
非晶性樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂分子量分布(Mw/Mn)は、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。

0118

なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。

0119

非晶性樹脂は、周知の製造方法により得られる。具体的には、例えば、重合温度を180℃以上230℃以下とし、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる方法により得られる。

0120

なお、原料単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点溶剤溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。

0121

(ハイブリッド樹脂の合成方法
ハイブリッド樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂ユニットと非晶性樹脂ユニットとを化学結合させた構造の重合体であれば、特に制限されず、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。ハイブリッド樹脂の具体的な合成方法としては、例えば、以下に示す方法が挙げられる。

0122

(1)非晶性樹脂ユニットを予め重合しておき、該非晶性樹脂ユニットの存在下で結晶性ポリエステル樹脂ユニットを形成する重合反応を行ってハイブリッド樹脂を合成する方法
この方法では、まず、上述した非晶性樹脂ユニットを構成する単量体を重合させて非晶性樹脂ユニットを形成する。次に、非晶性樹脂ユニットの存在下で、多価カルボン酸と多価アルコールとを重合反応させ、結晶性ポリエステル樹脂ユニットを形成する。このとき、多価カルボン酸と多価アルコールとを縮合反応させると共に、非晶性樹脂ユニットに対し、多価カルボン酸または多価アルコールを付加反応させることにより、ハイブリッド樹脂を合成する。

0123

上記方法において、結晶性ポリエステル樹脂ユニット又は非晶性樹脂ユニット中に、これらユニットが互いに反応する部位を有することが好ましい。具体的には、非晶性樹脂ユニットの形成するとき、非晶性樹脂ユニットを構成する単量体の他に、結晶性ポリエステル樹脂ユニットに残存するカルボキシ基またはヒドロキシル基と反応する部位および非晶性樹脂ユニットと反応する部位を有する化合物も使用することが挙げられる。すなわち、この化合物が結晶性ポリエステル樹脂ユニット中のカルボキシ基又はヒドロキシル基と反応することにより、結晶性ポリエステル樹脂ユニットは非晶性樹脂ユニットと化学的に結合される。

0124

上記の方法を用いることで、非晶性樹脂ユニットに結晶性ポリエステル樹脂ユニットが化学結合した構造のハイブリッド樹脂が合成される。

0125

(2)結晶性ポリエステル樹脂ユニットと非晶性樹脂ユニットとをそれぞれ形成しておき、これらを結合させてハイブリッド樹脂を合成する方法
この方法では、まず、多価カルボン酸と多価アルコールとを縮合反応させて結晶性ポリエステル樹脂ユニットを形成する。また、結晶性ポリエステル樹脂ユニットを形成する反応系とは別に、上述した非晶性樹脂ユニットを構成する単量体を重合させて非晶性樹脂ユニットを形成する。このとき、結晶性ポリエステル樹脂ユニットと非晶性樹脂ユニットとが互いに反応する部位を有することが好ましい。なお、両ユニットが互いに反応する部位を組み込む方法は、上述の方法(1)と同様の方法を用いてよい。

0126

次に、上記で形成した結晶性ポリエステルユニットと、非晶性樹脂ユニットとを反応させることにより、結晶性ポリエステル樹脂ユニットと非晶性樹脂ユニットとが化学結合した構造のハイブリッド樹脂を合成する。

0127

結晶性ポリエステル樹脂ユニットおよび非晶性樹脂ユニットに、互いのユニットが反応する部位を有さない場合、結晶性ポリエステル樹脂ユニットと非晶性樹脂ユニットとが共存する系を形成しておき、そこへ結晶性ポリエステル樹脂ユニットおよび非晶性樹脂ユニットと結合する部位を有する化合物を投入する方法を採用してもよい。そして、該化合物を介して、結晶性ポリエステル樹脂ユニットと非晶性樹脂ユニットとが化学結合した構造のハイブリッド樹脂を合成してもよい。

0128

(3)結晶性ポリエステル樹脂ユニットを予め形成しておき、該結晶性ポリエステル樹脂ユニットの存在下で非晶性樹脂ユニットを形成する重合反応を行ってハイブリッド樹脂を合成する方法
この方法では、まず、多価カルボン酸と多価アルコールとを縮合反応させて重合を行い、結晶性ポリエステル樹脂ユニットを形成する。次に、結晶性ポリエステル樹脂ユニットの存在下で、非晶性樹脂ユニットを構成する単量体を重合反応させて非晶性樹脂ユニットを形成する。このとき、上記方法(1)と同様に、結晶性ポリエステル樹脂ユニットまたは非晶性樹脂ユニット中に、これらユニットが互いに反応する部位を有することが好ましい。なお、両ユニットが互いに反応する部位を組み込む方法は、上述の方法(1)と同様の方法を用いてよい。

0129

上記の方法により、結晶性ポリエステル樹脂ユニットに非晶性樹脂ユニットが化学結合した構造のハイブリッド樹脂が形成される。

0130

ハイブリッド樹脂に対する結晶性ポリエステル樹脂ユニットの含有量は、ハイブリッド樹脂に十分な結晶性を付与する観点から、50質量%以上98質量%以下であることが好ましい。

0131

離型剤に対するハイブリッド樹脂の含有量は、低温定着性を有し、且つトナーを高温保管後のフィルミングの発生を抑制する観点から、50質量%以上300質量%以下であることが好ましく、60質量%以上280質量%以下であることがより好ましく、70質量%以上260質量%以下であることが更に好ましい。

0132

結着樹脂に対するハイブリッド樹脂の含有量は、低温定着性を有し、且つトナーを高温保管後のフィルミングの発生を抑制する観点から、5質量%以上40質量%未満であることが好ましく、10質量%以上30質量%未満であることがより好ましく、15質量%以上20質量%未満であることが更に好ましい。

0133

ハイブリッド樹脂の重量平均分子量(Mw)は、トナーの低温定着性を有する観点から、5000以上100000以下であることが好ましく、7000以上50000以下であることがより好ましく、8000以上20000以下であることが更に好ましい。

0134

ハイブリッド樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。

0135

なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。

0136

樹脂の「結晶性」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを指し、具体的には、昇温速度10(℃/min)で測定した際の吸熱ピークの半値幅が10℃以内であることを指す。
一方、樹脂の「非晶性」とは、半値幅が10℃を超えること、階段状の吸熱量変化を示すこと、又は明確な吸熱ピークが認められないことを指す。

0137

ハイブリッド樹脂の融解温度は、40℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上70℃以下がより好ましい。

0138

ハイブリッド樹脂の融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。

0139

(ビニル系樹脂)
以下、ビニル系樹脂について説明する。
本実施形態に係る結着樹脂は、ビニル系樹脂を含む。

0140

ビニル系樹脂とは、ビニル基を有する単量体(以降「ビニル基系単量体」と称する)をラジカル重合して得られた樹脂を指す。ビニル系樹脂は、1種のビニル基系単量体を重合して得られる単独重合体であっても、2種以上のビニル基系単量体を重合して得られる共重合体であってもよい。

0141

ビニル系樹脂としては、例えば、スチレン骨格を有する単量体(例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル骨格を有する単量体(例えば、アクリル酸メチルアクリル酸エチルアクリル酸n−プロピルアクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリルアクリル酸2−エチルヘキシルメタクリル酸メチルメタクリル酸エチルメタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル骨格を有する単量体(例えば、アクリロニトリルメタクリロニトリル等)、ビニルエーテル骨格を有する単量体(例えば、ビニルメチルエーテルビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン骨格を有する単量体(例えば、ビニルメチルケトンビニルエルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン骨格を有する単量体(例えば、エチレンプロピレンブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体等が挙げられる。

0142

上記の中でも、ビニル系樹脂は、低温定着性を有する観点から、スチレン骨格を有する単量体と、(メタ)アクリル酸エステル骨格を有する単量体とを共重合したスチレン(メタ)アクリル樹脂であることが好ましい。

0143

スチレン(メタ)アクリル樹脂は、スチレン骨格を有する単量体と(メタ)アクリロイル基を有する単量体とを少なくとも共重合した共重合体である。「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」のいずれをも含む表現である。また、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」及び「メタクリロイル基」のいずれをも含む表現である。

0144

スチレン骨格を有する単量体(以下、「スチレン系単量体」と称する)としては、例えば、スチレン、アルキル置換スチレン(例えば、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン等)、ハロゲン置換スチレン(例えば、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン等)、ビニルナフタレン等が挙げられる。スチレン系単量体は、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
これらの中で、スチレン系単量体としては、反応し易さ、反応の制御の容易さ、さらに入手性の点で、スチレンが好ましい。

0145

(メタ)アクリロイル基を有する単量体(以下、「(メタ)アクリル系単量体」と称する)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例えば、(メタ)アクリル酸n−メチル、(メタ)アクリル酸n−エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸n−ラウリル、(メタ)アクリル酸n−テトラデシル、(メタ)アクリル酸n−ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸n−オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソヘキシル、(メタ)アクリル酸イソヘプチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル等)、(メタ)アクリル酸アリールエステル(例えば、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ビフェニル、(メタ)アクリル酸ジフェニルエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルフェニル、(メタ)アクリル酸ターフェニル等)、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸β−カルボキシエチル、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。(メタ)アクリル酸系単量体は、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。

0146

スチレン系単量体と(メタ)アクリル系単量体との共重合比質量基準、スチレン系単量体/(メタ)アクリル系単量体)は、例えば85/15乃至70/30であることがよい。

0147

スチレン(メタ)アクリル樹脂は、画像の裏移りを抑制する点で、架橋構造を有することが好ましい。架橋構造を有するスチレン(メタ)アクリル樹脂は、例えば、スチレン骨格を有する単量体と(メタ)アクリル酸骨格を有る単量体と架橋性単量体とを少なくとも共重合して、架橋した架橋物が挙げられる。

0148

架橋性単量体としては、例えば、2官能以上の架橋剤が挙げられる。
2官能の架橋剤としては、例えば,ジビニルベンゼンジビニルナフタレン、ジ(メタ)アクリレート化合物(例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートメチレンビス(メタ)アクリルアミド、デカンジオールジアクリレートグリシジル(メタ)アクリレート等)、ポリエステル型ジ(メタ)アクリレート、メタクリル酸2−([1’−メチルプロピリデンアミノカルボキシアミノ)エチル等が挙げられる。
多官能の架橋剤としては、トリ(メタ)アクリレート化合物(例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等)、テトラ(メタ)アクリレート化合物(例えば、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレート等)、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニルプロパンジアリルフタレートトリアリルシアヌレートトリアリルアソシアヌレートトリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテートジアリールクロレンデート等が挙げられる。

0149

全単量体に対する架橋性単量体の共重合比(質量基準、架橋性単量体/全単量体)は、例えば2/1000以上30/1000以下であることがよい。

0150

スチレン(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量は、画像の裏移り抑制の点で、例えば、30000以上200000以下がよく、好ましくは40000以上100000以下、より好ましくは50000以上80000以下である。
スチレン(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量は、ポリエステル樹脂の重量平均分子量と同様の方法により測定する。

0151

ビニル系樹脂に対するスチレン(メタ)アクリル樹脂の含有量は、90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、98質量%以上100質量%以下であることがより好ましい。
結着樹脂に対するビニル系樹脂の含有量は、例えば、10質量%以上30質量%以下がよく、好ましくは12質量%以上28質量%以下、より好ましくは15質量%以上25質量%以下である。

0152

(離型剤)
以下、離型剤について説明する。
本実施形態に係るトナー粒子は、炭化水素系ワックスを含む離型剤を含有する。

0154

炭化水素系ワックスは、市販品を用いてもよく、市販品としては、例えば、HNP9(日本精社性)、PW725(東洋ペトロライト社製)、FNP90(日本精鑞社製)、FNP80(日本精鑞社製)、FT105(日本精鑞社製)等が挙げられる。

0155

炭化水素系ワックスの炭素数Cwaxは、35以上70以下であることが好ましく、35以上65以下であることがより好ましく、45以上60以下であることが更に好ましい。

0156

炭素数Cwaxが35以上70以下である炭化水素系ワックスとしては、例えば、HNP9(日本精鑞社製)、PW725(東洋ペトロライト社製)、FNP90(日本精鑞社製)等が挙げられる。

0157

炭化水素系ワックス以外の離型剤としては、例えば、カルナバワックスライスワックスキャンデリラワックス等の天然ワックスモンタンワックス等の合成又は鉱物石油系ワックス脂肪酸エステルモンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0158

なお、複数の炭化水素系ワックスを用いる場合、トナー粒子から分離した離型剤のガスクロマトグラフィー測定において得られる各炭化水素ワックスのモル比により加重平均した値を、多価カルボン酸成分の炭素数とする。

0159

ハイブリッド樹脂の結晶性脂肪族ポリエステル樹脂を形成する多価カルボン酸成分の炭素数と多価アルコール成分の炭素数の和(Ccry)と、炭化水素系ワックスの炭素数(Cwax)との比(Ccry/Cwax)は、
0.25<Ccry/Cwax<0.5
であることが好ましく、
0.27<Ccry/Cwax<0.45
であることがより好ましく、
0.3 <Ccry/Cwax<0.4
であることが更に好ましい。

0160

Ccry/Cwaxが、0.5超え又は0.25未満であると、つまり、ハイブリッド樹脂の結晶性脂肪族ポリエステル樹脂を形成する多価カルボン酸成分の炭素数及び多価アルコール成分の炭素数の和(Ccry)と、炭化水素系ワックスの炭素数(Cwax)が近しいと、ハイブリッド樹脂と離型剤との親和性がより高くなる傾向にある。そのため、ハイブリッド樹脂のトナー粒子表面への移動を、離型剤がより効率的に抑制すると考えられる。その結果、トナーを高温保管した後のフィルミングの発生が抑制される傾向にある。

0161

離型剤の融解温度は、60℃以上115℃以下が好ましく、70℃以上105℃以下がより好ましい。

0162

離型剤の融解温度とハイブリッド樹脂の融解温度との差分は、40℃以下であることが好ましく、30℃以下であることがより好ましく、20℃以下であることがさらに好ましく、0℃であることが特に好ましい。

0163

融解温度は、ハイブリッド樹脂の融解温度の測定と同様にして求める。

0164

離型剤の全体に対する炭化水素系ワックスの含有量は、90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、98質量%以上100質量%以下であることがより好ましい。

0165

トナー粒子に対する離型剤の含有量は、低温定着性を有し、且つトナーを高温保管後のフィルミングの発生を抑制する観点から、3質量%以上30質量%未満であることが好ましく、5質量%以上9質量%以下であることがより好ましく、6質量%以上8質量%以下であることが更に好ましい。

0166

(1)離型剤の分離
以下の操作により、トナーから外添剤を分離する。分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液中にトナーを投入し、撹拌し馴染ませる。次に、浴槽型の超音波分散器により超音波処理することで、外添剤をトナー粒子の表面から遊離させる。その後、遠心分離によりトナー成分を沈降させる。外添剤が遊離し分散している上澄み液を取り除く。この超音波処理から上澄み液除去までの操作を3回繰り返す。次に、トナー粒子をトルエン溶液に溶解させ、分取HPLC(日本分析工業社製:LC−9101)を用いて主成分となる結着樹脂及びハイブリッド樹脂を除去し、トナーから、離型剤を分離する。得られた溶液を乾燥させ離型剤試料を得た。

0167

(2)離型剤のガスクロマトグラフィー測定
トナーから分離した離型剤試料10mgを精し、耐圧性サンプル管に入れる。この耐圧性サンプル管にヘキサン10gを加え、蓋をした後、ホットプレートを用いて温度150℃に加熱、撹拌し、離型剤試料をヘキサン溶媒へと溶解させる。その後、耐圧性サンプル管の蓋を開け、ヘキサン溶媒が蒸発し離型剤試料が析出する前に、試料20mLをガスタイトシリンジでとり、下記条件においてガスクロマトグラフィー測定する。
カラム:Ultra ALLOY-1 P/N:UA1−30m-0.5F(フロンティアラボ社製)
キャリアーガスヘリウムガス
オーブン:(1)温度100℃で5分間保持
(2)30℃/分で温度360℃まで昇温
(3)温度360℃で60分間保持
注入口 :温度300℃
初期圧力:10.523 psi
スプリット比:50:1
カラム流量:1mL/min

0168

(3)離型剤試料における炭素数の分析
次に、上記測定から得られる炭化水素系ワックスのピーク分子量及びピーク面積から、炭化水素系ワックスの炭素数を測定する。例えば試料にポリエチレンを用い、測定される重量平均分子量が14000であるなら、ポリエチレンの構成単位であるCH2の分子量が14であるから炭素数は1000となる。

0169

以下、離型剤に炭化水素系ワックスを複数含む場合の炭素数の求め方を説明する。
上記で検出された離型剤に含まれる全ての成分のピーク面積の和に対する、離型剤に含まれる各成分のピーク面積の面積率(%)=(離型剤に含まれる各炭化水素系ワックスのピーク面積/検出された離型剤に含まれる全ての炭化水素系ワックスのピーク面積の和)×100、を算出する。得られた面積率を、離型剤に含まれる各炭化水素系ワックスの存在率(面積率)とする。

0170

そして、検出された各成分について、面積率の比を求める。例えば、炭化水素系ワックスとして成分A及び成分Bを含む場合、成分Aの面積比=成分A/(成分A+成分B)となる。この各炭化水素系ワックスの成分の面積比を用いて、加重平均値を求め、これを離型剤に含まれる炭化水素系ワックスの炭素数とする。

0171

[外添剤]
以下、外添剤について説明する。
本実施形態に係るトナーは、外添剤を含む。

0172

外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。

0173

外添剤としての無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤シリコーンオイルチタネート系カップリング剤アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。

0174

外添剤の樹脂粒子としては、ポリスチレンポリメチルメタクリレートPMMA)、メラミン樹脂等の樹脂粒子等が挙げられる。
また、外添剤のクリーニング活剤としては、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸金属塩フッ素系高分子量体の粒子等が挙げられる。

0175

外添剤の外添量としては、例えば、トナー粒子に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。

0176

[トナーの製造方法]
本実施形態に係るトナーは、例えば、トナー粒子を製造し、トナー粒子に外添剤を外添して製造する。

0177

トナー粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば、凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等)のいずれにより製造してもよい。これらの製法に特に制限はなく、周知の製法が採用される。中でも、凝集合一法によりトナー粒子を得ることが好ましい。

0178

具体的には、例えば、トナー粒子を凝集合一法により製造する場合、
ハイブリッド樹脂粒子が分散されたハイブリッド樹脂粒子分散液を準備する工程(ハイブリッド樹脂粒子分散液準備工程)と;
ビニル系樹脂粒子が分散されたビニル系樹脂粒子分散液を準備する工程(ビニル系樹脂粒子分散液準備工程)と;
離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する工程(離型剤粒子分散液準備工程)と;
ハイブリッド樹脂粒子分散液とビニル系樹脂粒子分散液を混合した混合分散液中で(必要に応じて着色剤等の他の粒子分散液も混合した分散液中で)、混合した粒子を凝集させ、第1凝集粒子を形成する工程(第1凝集粒子形成工程)と;
第1凝集粒子が分散された第1凝集粒子分散液に対し、ビニル系樹脂粒子分散液及び離型剤粒子分散液を混合し、第2凝集粒子を形成する工程(第2凝集粒子形成工程)と;
第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液を加熱し、第3凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と;
を経て、トナー粒子を製造する。

0179

以下、凝集合一法の各工程の詳細について説明する。以下の説明では、着色剤を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、着色剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤以外のその他添加剤を用いてもよい。

0180

−各分散液準備工程−
まず、ハイブリッド樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液、ビニル系樹脂粒子が分散されたビニル系樹脂粒子分散液、着色剤粒子が分散された着色剤分散液、及び離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。

0181

ハイブリッド樹脂粒子分散液は、例えば、ハイブリッド樹脂粒子を界面活性剤により分散媒中に分散させることにより調製する。

0182

ハイブリッド樹脂粒子分散液に用いる分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水イオン交換水等の水;アルコール類;などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0183

界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤ポリエチレングリコール系アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤;などが挙げられる。これらの中でも特に、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が挙げられる。非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤と併用してもよい。
界面活性剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0184

ハイブリッド樹脂粒子を分散媒に分散する方法としては、例えば、回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミルサンドミル、ダイノミル等を用いた一般的な分散方法が挙げられる。ほかに、転相乳化法によって分散媒にハイブリッド樹脂粒子を分散させてもよい。転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相O相)に塩基を加えて中和したのち、水(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの転相を行い、樹脂を水系媒体中に粒子状に分散する方法である。

0185

ハイブリッド樹脂粒子分散液と同様にして、ビニル系樹脂粒子分散液、着色剤分散液、離型剤粒子分散液も調製される。つまり、ハイブリッド樹脂粒子分散液における、分散媒、分散方法、粒子の体積平均粒子径、及び粒子の含有量は、ビニル系樹脂粒子分散液、着色剤分散液、離型剤粒子分散液においても同様である。

0186

−第1凝集粒子形成工程−
第1凝集粒子形成工程では、ハイブリッド樹脂粒子分散液と、ビニル系樹脂粒子分散液と、着色剤分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、ハイブリッド樹脂粒子とビニル系樹脂粒子と着色剤粒子とをヘテロ凝集させ、目的とするトナー粒子の粒子径に近い径をもつ、ハイブリッド樹脂粒子とビニル系樹脂粒子と着色剤粒子とを含む第1凝集粒子を形成する。

0187

具体的には、例えば、混合分散液に凝集剤を添加すると共に、混合分散液のpHを酸性(例えばpH2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後、ビニル系樹脂粒子のガラス転移温度に近い温度(具体的には、例えば、ビニル系樹脂粒子のガラス転移温度の−30℃以上且つガラス転移温度の−10℃以下)に加熱し、混合分散液に分散された粒子を凝集させて、第1凝集粒子を形成する。
第1凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpH2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、加熱を行ってもよい。

0188

凝集剤としては、例えば、混合分散液に含まれる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、無機金属塩、2価以上の金属錯体が挙げられる。凝集剤として金属錯体を用いた場合には、凝集剤の使用量が低減され、帯電特性が向上する。
凝集剤と共に、該凝集剤の金属イオン錯体又は類似の結合を形成する添加剤を用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。

0189

無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム硝酸カルシウム塩化バリウム塩化マグネシウム塩化亜鉛塩化アルミニウム硫酸アルミニウム等の金属塩;ポリ塩化アルミニウムポリ水酸化アルミニウム多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体;などが挙げられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸クエン酸グルコン酸等のオキシカルボン酸イミノ二酢酸(IDA)、ニトリロ三酢酸NTA)、エチレンジアミン四酢酸EDTA)等のアミノカルボン酸;などが挙げられる。
キレート剤の添加量は、例えば、ビニル系樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。

0190

第1凝集粒子分散液に分散する第1凝集粒子の体積平均粒子径は、例えば、2.0μm以上4.0μm以下が好ましく、3.0μm以上4.0μm以下がより好ましく、3.5μm以上4.0μm以下が更に好ましい。
第1凝集粒子の体積平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を描き、全粒子に対して体積50%となる粒径を体積平均粒子径D50vとする。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒子径も同様に測定される。

0191

−第2凝集粒子形成工程−
第1凝集粒子形成工程において、第1凝集粒子分散液に分散する第1凝集粒子の体積平均粒子径が、上述した好ましい体積平均粒子径の範囲に達したときに、第1凝集粒子分散液の全量に対して、ビニル系樹脂粒子分散液及び離型剤粒子分散液を、更に混合する。第1凝集粒子分散液に対してビニル系樹脂粒子分散液及び離型剤粒子分散液を混合する順序及び混合方法は、特に限定されず、所望するLhyb及びLwaxに応じて、適宜段階的に混合する工程としてもよい。例えば、ビニル系樹脂粒子分散液と離型剤粒子分散液とを混合した混合分散液を予め調整し、第1凝集粒子分散液に混合してもよい。

0192

次いで、この混合分散液を、ビニル系樹脂のガラス転移温度以下で加熱し、混合分散液のpHを例えば6.5以上8.5以下程度の範囲に調整する。これにより、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液が得られる。

0193

第2凝集粒子分散液に分散する第2凝集粒子の体積平均粒子径は、例えば、3.0μm以上8.0μm以下であることが好ましく、3.5μm以上7.0μm以下であることがより好ましく、4.0μm以上6.0μm以下が更に好ましい。
第2凝集粒子の体積平均粒子径は、第2凝集粒子の体積平均粒子径の測定と同様の手法により測定する。

0194

離型剤粒子分散液を、第2凝集粒子形成工程において混合すると、トナー粒子の表面近隣に離型剤のドメインの表面に分布する傾向にある。つまり、ハイブリッド樹脂のドメインが、トナー粒子の表面に移動することが抑制され易くなる。その結果、トナーを高温保管した後のフィルミングの発生が抑制される傾向にある。

0195

なお、必要に応じて、第2凝集粒子形成工程と融合・合一工程との間に、ビニル系樹脂分散液を更に混合し第3凝集粒子を形成する工程を含んでもよい。なお、この第3凝集粒子を形成する工程は、第2凝集粒子形成工程と同様の操作を行ってもよい。

0196

−融合・合一工程−
次に、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液を、例えば、ビニル系樹脂のガラス転移温度以上(例えば、ビニル系樹脂のガラス転移温度より10℃乃至50℃の高い温度以上)に加熱して、第2凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
以上の工程を経て、トナー粒子が得られるが、凝集粒子形成工程における処方は前記に限定されず、任意の処方を用いてもよい。

0197

融合・合一工程の終了後、溶液中に形成されたトナー粒子に、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を施し、乾燥した状態のトナー粒子を得る。
洗浄工程は、帯電性の点から、イオン交換水による置換洗浄を充分に施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から、吸引濾過加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から、凍結乾燥フラッシュジェット乾燥、流動乾燥振動型流動乾燥等を施すことがよい。

0198

そして、本実施形態に係るトナーは、例えば、乾燥状態のトナー粒子に、外添剤を添加し、混合することにより製造される。混合は、例えば、Vブレンダーヘンシェルミキサーレディーミキサー等によって行うことがよい。さらに、必要に応じて、振動師分機、風力師分機等を使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。

0199

<画像形成装置/画像形成方法
本実施形態に係る画像形成装置及び画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。

0200

本実施形態に係る画像形成装置では、像保持体の表面を帯電する帯電工程と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、本実施形態に係る静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を有する画像形成方法(本実施形態に係る画像形成方法)が実施される。

0201

本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体の表面に形成されたトナー画像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー画像の転写後、帯電前の像保持体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー画像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光照射して除電する除電手段を備える装置;等の周知の画像形成装置が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置が中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。

0202

本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、現像手段を含む部分が、画像形成装置に対して着脱されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容した現像手段を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。

0203

以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を説明するが、これに限定されるわけではない。以下の説明においては、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。

0204

図3は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
図3に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づく、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して着脱されるプロセスカートリッジであってもよい。

0205

各ユニット10Y、10M、10C、10Kの上方には、各ユニットを通して中間転写ベルト(中間転写体の一例)20が延設されている。中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20の内面に接する、駆動ロール22及び支持ロール24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Yから第4のユニット10Kに向う方向に走行するようになっている。支持ロール24は、図示しないバネ等により駆動ロール22から離れる方向に力が加えられており、両者に巻きつけられた中間転写ベルト20に張力が与えられている。中間転写ベルト20の像保持面側には、駆動ロール22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段の一例)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナーの供給がなされる。

0206

第1乃至第4のユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成、動作、及び作用を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエローの画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。

0207

第1ユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ロール(帯電手段の一例)2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yによって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段の一例)3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段の一例)4Y、現像したトナー画像を中間転写ベルト20上に転写する一次転写ロール(一次転写手段の一例)5Y、及び一次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)6Yが順に配置されている。
一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。各ユニットの一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアス印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスの値を変える。

0208

以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線が照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3からレーザ光線3Yを照射する。それにより、イエローの画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。

0209

静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転する。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として現像され可視化される。

0210

現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーキャリアとを含む静電荷像現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール現像剤保持体の一例)上に保持されている。そして、感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー画像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー画像が予め定められた一次転写位置へ搬送される。

0211

感光体1Y上のイエローのトナー画像が一次転写位置へ搬送されると、一次転写ロール5Yに一次転写バイアスが印加され、感光体1Yから一次転写ロール5Yに向う静電気力がトナー画像に作用し、感光体1Y上のトナー画像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、第1ユニット10Yでは制御部(図示せず)によって例えば+10μAに制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。

0212

第2ユニット10M以降の一次転写ロール5M、5C、5Kに印加される一次転写バイアスも、第1ユニットに準じて制御されている。
こうして、第1ユニット10Yにてイエローのトナー画像が転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。

0213

第1乃至第4のユニットを通して4色のトナー画像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と、中間転写ベルトの内面に接する支持ロール24と、中間転写ベルト20の像保持面側に配置された二次転写ロール(二次転写手段の一例)26とから構成された二次転写部へと至る。一方、記録紙(記録媒体の一例)Pが供給機構を介して二次転写ロール26と中間転写ベルト20とが接触した隙間に予め定められたタイミングで給紙され、二次転写バイアスが支持ロール24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー画像に作用し、中間転写ベルト20上のトナー画像が記録紙P上に転写される。この際の二次転写バイアスは二次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。

0214

この後、記録紙Pは定着装置(定着手段の一例)28における一対の定着ロール圧接部(ニップ部)へと送り込まれ、トナー画像が記録紙P上へ定着され、定着画像が形成される。

0215

トナー画像を転写する記録紙Pとしては、例えば、電子写真方式の複写機プリンター等に使用される普通紙が挙げられる。記録媒体としては、記録紙P以外にも、OHPシート等も挙げられる。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用アート紙等が好適に使用される。

0216

カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連カラー画像形成動作が終了される。

0217

<プロセスカートリッジ/トナーカートリッジ>
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。

0218

本実施形態に係るプロセスカートリッジは、上記構成に限られず、現像装置と、その他、必要に応じて、例えば、像保持体、帯電手段、静電荷像形成手段、及び転写手段等のその他手段から選択される少なくとも一つと、を備える構成であってもよい。

0219

以下、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示すが、これに限定されるわけではない。以下の説明においては、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。

0220

図4は、本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
図4に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
図4中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。

0221

次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係るトナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。

0222

図3に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kが着脱される構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の色に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収容されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。

0223

以下、実施例を挙げて本実施形態をより具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。以下の記載において、量を示す「部」及び「%」は、特に断りがない限り、質量基準である。

0224

—ハイブリッド樹脂:HB(1)〜(8)の合成例—
(1)非結晶性樹脂ユニット(ポリウレタン樹脂及びポリスチレン樹脂)と、結晶性ポリエステル樹脂ユニットとを化学結合したハイブリッド樹脂:HB(1)の合成例

0225

(結晶性ポリエステル樹脂ユニットの合成)
撹拌装置温度計窒素導入管、及び減圧装置を備えた反応容器に、多価アルコール成分(1,6−ヘキサンジオール)260質量部、多価カルボン酸成分(1,10−デカンジカルボン酸)460質量部、および、重合触媒オクチル酸スズ)2質量部を入れ、180℃に昇温し、同温度で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで、反応系を230℃まで徐々に昇温し、窒素雰囲気下にて水を留去しながら、5時間反応させた。さらに、0.007MPa以上0.026MPa以下の減圧下において、水を留去しながら反応させ、酸価が0.1mgKOH/gになった時点で、反応を停止させ、結晶性ポリエステルジオール(結晶性ポリエステル樹脂ユニット)を得た。

0226

(非晶性樹脂ユニットと化学結合したハイブリッド樹脂の合成)
ヘキサメチレンジイソシアネート14質量部、ブチルアクリレート5質量部、アクリル酸4質量部、スチレン17質量部、及び重合開始剤(ジ−t−ブチルパーオキサイド)5質量部の混合物を、滴下ロートに投入する。次に、この滴下ロートを、上述の反応容器に設置し、この反応系(結晶性ポリエステルジオール360部を含む系)を160℃で撹拌しながら1時間かけて該混合物を滴下した。滴下後、反応系を160℃に保持したまま、1時間付加重合反応を継続させた。その後、200℃に昇温し、10kPaで1時間保持した後、残存した単量体等(アクリル酸、スチレン、ブチルアクリレート)を除去することにより、「ポリウレタン樹脂及びポリスチレン樹脂(非結晶性樹脂ユニット)と、結晶性ポリエステル樹脂ユニットとを化学結合したハイブリッド樹脂:HB(1)」を合成した。

0227

ハイブリッド樹脂:HB(1)と同様の操作で、表1に示す原料及び量を用いて、他の組成のハイブリッド樹脂HB(2)〜(6)を合成した。

0228

(2)非結晶性樹脂ユニット(ポリウレタン樹脂)と、結晶性ポリエステル樹脂ユニットとを化学結合したハイブリッド樹脂:HB(7)の合成例
(結晶性ポリエステル樹脂ユニットの合成)
HB(1)と同様の操作で、結晶性ポリエステルジオール(結晶性ポリエステル樹脂ユニット)を得た。

0229

(非晶性樹脂ユニットと化学結合したハイブリッド樹脂の合成)
撹拌装置、温度計、窒素導入管および減圧装置を備えた反応容器に、上記の結晶性ポリエステルジオール360質量部、及びメチルエチルケトン400質量部を投入し、60℃で1時間撹拌した。この溶液に、ヘキサメチレンジイソシアネート14質量部、重合開始剤(ジ−t−ブチルパーオキサイド)5質量部を加え、80℃で8時間反応させた後、メチルエチルケトンを留去することにより、ポリウレタン樹脂(非結晶性樹脂ユニット)と、結晶性ポリエステル樹脂ユニットを化学結合したハイブリッド樹脂:HB(7)を合成した。

0230

(3)非結晶性樹脂ユニット(ポリスチレンアクリル樹脂)と、結晶性ポリエステル樹脂ユニットとを化学結合したハイブリッド樹脂:HB(8)の合成例
(結晶性ポリエステル樹脂ユニットの合成)
HB(1)と同様の操作で、結晶性ポリエステルジオール(結晶性ポリエステル樹脂ユニット)を得た。ただし、原料の量は、表1に示す量とした。

0231

(非晶性樹脂ユニットと化学結合したハイブリッド樹脂の合成)
ブチルアクリレート5質量部、アクリル酸6質量部、スチレン17質量部、及び重合開始剤(ジ−t−ブチルパーオキサイド)5質量部の混合物を、滴下ロートに投入する。次に、この滴下ロートを、上述の結晶性ポリエステル樹脂ユニットを含む反応容器に設置し、この反応系(結晶性ポリエステルジオール340部を含む系)を160℃で撹拌しながら1時間かけて該混合物を滴下した。滴下後、反応系を160℃に保持したまま、1時間付加重合反応を継続させた。その後、200℃に昇温し、10kPaで1時間保持した後、残存した単量体等(アクリル酸、スチレン、ブチルアクリレート)を除去することにより、ポリスチレンアクリル樹脂(非結晶性樹脂ユニット)と、結晶性ポリエステル樹脂ユニットとを化学結合したハイブリッド樹脂:HB(8)を合成した。

0232

0233

—分散液の調製準備—
[ハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB1)の調製]
ハイブリッド樹脂:HB(1)を、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)を高温高圧型に改造した分散機を用いて分散した。イオン交換水80%、ハイブリッド樹脂の濃度が20%の組成比で、アンモニアによりpHを8.5に調整し、回転子の回転速度が60Hz、圧力が5Kg/cm2、熱交換器による加熱140℃、の条件でキャビトロンを運転し、ハイブリッド樹脂粒子分散液を得た。
この分散液におけるハイブリッド樹脂粒子の体積平均粒子径は、120nmであった。分散液にイオン交換水を加えて固形分量を20%に調整し、これをハイブリッド樹脂粒子分散液とした。

0234

[ハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB2)の調製]
ハイブリッド樹脂:HB(1)を、HB(2)へと変更した以外は、ハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB1)の調製方法と同様にして、ハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB2)を得た。
この分散液におけるハイブリッド樹脂粒子の体積平均粒子径は、124nmであった。分散液にイオン交換水を加えて固形分量を20%に調整し、これをハイブリッド樹脂粒子分散液とした。

0235

[ハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB3)の調製]
ハイブリッド樹脂:HB(1)を、HB(3)へと変更した以外は、ハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB1)の調製方法と同様にして、ハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB3)を得た。
この分散液におけるハイブリッド樹脂粒子の体積平均粒子径は、121nmであった。分散液にイオン交換水を加えて固形分量を20%に調整し、これをハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB3)とした。

0236

[ハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB4)の調製]
ハイブリッド樹脂:HB(1)を、HB(4)へと変更した以外は、ハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB1)の調製方法と同様にして、ハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB4)を得た。
この分散液におけるハイブリッド樹脂粒子の体積平均粒子径は、123nmであった。分散液にイオン交換水を加えて固形分量を20%に調整し、これをハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB4)とした。

0237

[ハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB5)の調製]
ハイブリッド樹脂:HB(1)を、HB(5)へと変更した以外は、ハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB1)の調製方法と同様にして、ハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB5)を得た。
この分散液におけるハイブリッド樹脂粒子の体積平均粒子径は、118nmであった。分散液にイオン交換水を加えて固形分量を20%に調整し、これをハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB5)とした。

0238

[ハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB6)の調製]
ハイブリッド樹脂:HB(1)を、HB(6)へと変更した以外は、ハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB1)の調製方法と同様にして、ハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB6)を得た。
この分散液におけるハイブリッド樹脂粒子の体積平均粒子径は、119nmであった。分散液にイオン交換水を加えて固形分量を20%に調整し、これをハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB6)とした。

0239

[ハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB7)の調製]
ハイブリッド樹脂:HB(1)を、HB(7)へと変更した以外は、ハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB1)の調製方法と同様にして、ハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB7)を得た。
この分散液におけるハイブリッド樹脂粒子の体積平均粒子径は、121nmであった。分散液にイオン交換水を加えて固形分量を20%に調整し、これをハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB7)とした。

0240

[ハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB8)の調製]
ハイブリッド樹脂:HB(1)を、HB(8)へと変更した以外は、ハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB1)の調製方法と同様にして、ハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB8)を得た。
この分散液におけるハイブリッド樹脂粒子の体積平均粒子径は、120nmであった。分散液にイオン交換水を加えて固形分量を20%に調整し、これをハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB8)とした。

0241

[ハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB9)の調製]
回転子の回転速度を40Hzに変更した以外は、ハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB1)の調製方法と同様にして、粒子分散液(HYB9)を得た。
この分散液におけるハイブリッド樹脂粒子の体積平均粒子径は、190nmであった。分散液にイオン交換水を加えて固形分量を20%に調整し、これをハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB9)とした。

0242

[ハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB10)の調製]
回転子の回転速度を70Hzに変更した以外は、ハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB1)の調製方法と同様にして、粒子分散液(HYB10)を得た。
この分散液におけるハイブリッド樹脂粒子の体積平均粒子径は、95nmであった。分散液にイオン交換水を加えて固形分量を20%に調整し、これをハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB10)とした。

0243

[ハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB11)の調製]
回転子の回転速度を70Hz、圧力を6Kg/cm2に変更した以外は、ハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB1)の調製方法と同様にして、粒子分散液(HYB11)を得た。
この分散液におけるハイブリッド樹脂粒子の体積平均粒子径は、86nmであった。分散液にイオン交換水を加えて固形分量を20%に調整し、これをハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB11)とした。

0244

[ビニル系樹脂粒子分散液(ポリスチレンアクリル樹脂粒子分散液:PSA1)の調製]
・スチレン: 77部
n−ブチルアクリレート: 23部
・1,10−デカンジオールジアクリレート:0.4部
ドデカンチオール:0.7部
上記の材料を混合溶解したものに、アニオン性界面活性剤ダウケミカル社製ダウファックス)1.0部をイオン交換水60部に溶解した溶液を加えてフラスコ中で分散、乳化し、分散液を調製した。続いて、アニオン性界面活性剤(ダウ・ケミカル社製ダウファックス)2.0部をイオン交換水90部に溶解させ、その中に上記原料の乳化液2.0部を加え、さらに、過硫酸アンモニウム1.0部を溶解したイオン交換水10部を投入した。その後、上記原料の乳化液の残りを3時間かけて投入し、フラスコ内の窒素置換を行った後、フラスコ内の溶液を攪拌しながらオイルバスで65℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、ポリスチレンアクリル樹脂粒子分散液(PSA1)を得た。
ポリスチレンアクリル樹脂粒子分散液(PSA1)は、イオン交換水を加えて固形分量を32%に調整した。ポリスチレンアクリル樹脂粒子分散液(PSA1)中のポリスチレンアクリル樹脂粒子の体積平均粒子径は102nmであり、重量平均分子量(Mw)は、57000であった。

0245

[ビニル系樹脂粒子分散液(非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液:PES1)の調製]
ビスフェノールエチレンオキサイド2.2モル付加物:40モル
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2.2モル付加物:60モル部
テレフタル酸ジメチル:60モル部
フマル酸ジメチル:15モル部
ドデセニルコハク酸無水物 :20モル部
トリメリット酸無水物: 5モル部
攪拌器、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、上記モノマーのうちフマル酸ジメチルとトリメリット酸無水物以外と、ジオタン酸スズを上記モノマーの合計100部に対して0.25部投入した。窒素ガス気流下、235℃で6時間反応させた後、200℃に降温して、フマル酸ジメチルとトリメリット酸無水物を投入し1時間反応させた。温度を220℃まで5時間かけて昇温し、10kPaの圧力下で所望の分子量になるまで重合させ、淡黄色透明な非晶性ポリエステル樹脂を得た。非晶性ポリエステル樹脂は、重量平均分子量が35,000、数平均分子量が8,000、ガラス転移温度が59℃であった。
次に、得られた非晶性ポリエステルを、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)を高温高圧型に改造した分散機を用いて分散した。イオン交換水80%、ポリエステル樹脂の濃度が20%の組成比で、アンモニアによりpHを8.5に調整し、回転子の回転速度が60Hz、圧力が5Kg/cm2、熱交換器による加熱140℃、の条件でキャビトロンを運転し、非晶性ポリエステル樹脂分散液(PES1)を得た。
この分散液における樹脂粒子の体積平均粒径は130nmであった。分散液にイオン交換水を加えて固形分量を20%に調整し、これを非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(PES1)とした。

0246

離型剤分散液(WAX1)の調製]
・炭化水素系ワックス:270部
(FNP90、Cwax=50、融解温度90℃、日本精鑞社製)
・アニオン性界面活性剤:13.5部
ネオゲンRK、有効成分60%、離型剤に対して3%、第一工業製薬製)
・イオン交換水:21.6部
上記の材料を混合し、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製ゴーリンホモジナイザ)で、内液温度120℃にて離型剤を溶解した。その後、分散圧力5MPaで120分間、続いて40MPaで360分間分散処理し、冷却して、離型剤分散液を得た。イオン交換水を加えて固形分量が20%になるように調整し、これを離型剤粒子分散液とした。離型剤粒子分散液中の粒子の体積平均粒子径は220nmであった。

0247

[離型剤分散液(WAX2)の調製]
炭化水素系ワックスを、別の炭化水素系ワックス(PW725、Cwax=70、融解温度103℃、東洋ペトロライト社製)に変更した以外は、離型剤粒子分散液(WAX1)の調製方法と同様にして、離型剤粒子分散液(WAX2)を得た。

0248

[離型剤分散液(WAX3)]
炭化水素系ワックスを、別の炭化水素系ワックス(HNP9、Cwax=36、融解温度75℃、日本精鑞社製)に変更した以外は、離型剤粒子分散液(WAX1)の調製方法と同様にして、離型剤粒子分散液(WAX3)を得た。

0249

[離型剤分散液(WAX4)の調製]
炭化水素系ワックスを、別の炭化水素系ワックス(FT105、Cwax=75、融解温度114度、日本精鑞社製)に変更した以外は、離型剤粒子分散液(WAX1)の調製方法と同様にして、離型剤粒子分散液(WAX4)を得た

0250

[離型剤分散液(WAX5)の調製]
炭化水素系ワックスを、別の炭化水素系ワックス(FNP80、Cwax=30、融解温度72度、日本精鑞社製)に変更した以外は、離型剤粒子分散液(WAX1)の調製方法と同様にして、離型剤粒子分散液(WAX5)を得た

0251

[離型剤分散液(WAX6)の調製]
アニオン性界面活性剤を11.0部に変更し、分散圧力5MPaで120分間、続いて40MPaで180分間分散処理した以外は、離型剤粒子分散液(WAX1)の調製方法と同様にして、離型剤粒子分散液(WAX6)を得た。離型剤粒子分散液中の粒子の体積平均粒子径は290nmであった。

0252

[離型剤分散液(WAX7)の調製]
アニオン性界面活性剤を16.0部に変更し分散圧力5MPaで120分間、続いて40MPaで720分間分散処理した以外は、離型剤粒子分散液(WAX1)の調製方法と同様にして、離型剤粒子分散液(WAX7)を得た。離型剤粒子分散液中の粒子の体積平均粒子径は148nmであった。

0253

[離型剤分散液(WAX8)の調製]
炭化水素系ワックスを、エステル系ワックス(クロバックス100−7s、Cwax=43、融解温度72度、日本精鑞社製)に変更した以外は、離型剤粒子分散液(WAX1)の調製方法と同様にして、離型剤粒子分散液(WAX8)を得た。

0254

[着色剤分散液:黒色顔料分散液の調製]
カーボンブラックキャボット製Regal330) :250部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製ネオゲンSC):33部(有効成分60%、着色剤に対して8%)
・イオン交換水:750部
上記の材料をすべて投入した際に液面の高さが容器の高さの1/3程度になる大きさのステンレス容器に、イオン交換水280部とアニオン性界面活性剤33部とを入れ、充分に界面活性剤を溶解させた後、カーボンブラックすべてを投入し、攪拌機を用いて濡れていない顔料がなくなるまで攪拌するとともに、充分に脱泡させた。脱泡後に残りのイオン交換水を加え、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて、5000回転で10分間分散した後、攪拌器で1昼夜攪拌して脱泡した。脱泡後、再度ホモジナイザーを用いて、6000回転で10分間分散した後、攪拌器で1昼夜攪拌して脱泡した。続けて、分散液を高圧衝撃式分散機アルティマイザースギマシン製HJP30006)を用いて、圧力240MPaで分散した。分散は、トータル仕込み量と装置の処理能力とから換算して25パス当行った。得られた分散液を72時間放置して沈殿物を除去し、イオン交換水を加えて固形分量を15%に調整し、黒色顔料分散液を得た。黒色顔料分散液中の粒子の体積平均粒子径は135nmであった。

0255

[混合分散液1の調整]
・ビニル系樹脂粒子分散液(PSA1) :28.6部
・イオン交換水:40.0部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製Dowfax2A1):0.4部
上記材料を混合し、混合分散液(1)を得た。

0256

[混合分散液2の調整]
・ビニル系樹脂粒子分散液(PSA1) :14.2部
・離型剤分散液1 :20.7部
・イオン交換水:20.0部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製Dowfax2A1):0.2部
上記材料を混合し、混合分散液(2)を得た。

0257

[混合分散液3〜22の調整]
各分散液を、表2に示す種類及び量で混合し、混合分散液(3)〜混合分散液(22)を得た。

0258

0259

−トナー粒子の製造−
[実施例1]
(第1凝集粒子形成工程)
・ハイブリッド樹脂粒子分散液(HYB1) :29.6部
・ビニル系樹脂粒子分散液(PSA1) :100部
・黒色顔料分散液:23.7部
・イオン交換水:200部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製Dowfax2A1):2.0部
温度計、pH計、攪拌器を備えた3リットルの反応容器に、上記材料を入れ、温度25℃下にて1.0%硝酸を添加し、pHを3.0に調整した。その後、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)にて5,000rpmで分散しながら、凝集剤として濃度2.0%の塩化マグネシウム水溶液を100部添加し、6分間分散した。
その後、反応容器に攪拌器、マントルヒーターを設置し、スラリーが充分に攪拌されるように攪拌器の回転数を調整しながら、温度40℃までは0.2℃/分の昇温速度、40℃を超えてから53℃までは0.05℃/分の昇温速度で昇温し、10分ごとにマルチサイザーII(アパーチャー径50μm、ベックマン−コールター社製)にて粒子径を測定した。体積平均粒子径が4.2μmになったところで温度を保持し、これを第1凝集粒子分散液とした。

0260

(第2凝集粒子形成工程)
上述の第1凝集粒子分散液に、混合分散液(1)69.0部を、5分かけて投入し、20分間保持した。その後、混合分散液(2)55.1部を5分かけて投入し、20分間保持し、これを第2凝集粒子分散液とした。

0261

(融合・合一工程)
第2凝集粒子分散液を、50℃に30分間保持した、反応容器に、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)20%液を8部添加した。その後、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加え、原料分散液のpHを9.0に制御した。次に、5℃ごとにpHを9.0に調整しながら、昇温速度1℃/分で90℃まで昇温し、90℃で保持した。光学顕微鏡電界放出走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて、粒子の形状及び表面性を観察し、粒子の合一が確認された6時間目で、冷却水で容器を30℃まで5分間かけて冷却した。

0262

冷却後のスラリーを、目開き15μmのナイロンメッシュに通過させ粗大粉を除去し、メッシュを通過したトナースラリーアスピレータ減圧濾過した。濾紙上に残った固形分を手で、できるだけ細かく砕き、温度30℃で固形分量の10倍のイオン交換水に投入し、30分間攪拌混合した。次いで、アスピレータで減圧濾過し、濾紙上に残った固形分を手で、できるだけ細かく砕き、温度30℃で固形分量の10倍のイオン交換水に投入し、30分間攪拌混合した後、再度アスレータで減圧濾過し、濾液電気伝導度を測定した。濾液の電気伝導度が10μS/cm以下になるまでこの操作を繰り返し、固形分を洗浄した。
洗浄された固形分を湿式乾式整粒機(コーミル)で細かく砕き、35℃のオーブン中で36時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。トナー粒子は、体積平均粒子径が5.7μmであった。

0263

(外添剤の添加)
次に、得られたトナー粒子100部に対して、外添剤として、疎水性シリカ(日本アエロジル株式会社製、RY50)1.5部を加え、サンプルミルを用いて13000rpmで30秒間混合した。その後、目開き45μmの振動篩いで分して、実施例1の静電荷像現像用トナーを得た。

0264

(測定)
実施例1で得られたトナーについて、離型剤のドメイン及びハイブリッド樹脂のドメインについて、平均面積率、平均個数、及び平均径を、既述の方法に従って測定した。各測定結果を表4に示す。

0265

実施例1〜41及び比較例1〜6における各トナーの作製条件を表3に示す。

0266

[実施例2]
トナーの製造の第2凝集工程において、混合分散液(1)を混合分散液(3)82.3部に、混合分散液(2)を混合分散液(4)41.1部に変更した以外は、実施例1と同様にして、表4に示す性質のトナーを得た。

0267

[実施例3]
トナーの製造の第2凝集工程において、混合分散液(1)を混合分散液(2)55.1部に、混合分散液(2)を混合分散液(1)69.0部に変更した以外は、実施例1と同様にして、表4に示す性質のトナーを得た。

0268

[実施例4]
トナーの製造の第2凝集工程において、混合分散液(1)を混合分散液(5)83.4部に、混合分散液(2)を混合分散液(6)39.7部に変更した以外は、実施例1と同様にして、表4に示す性質のトナーを得た。

0269

[実施例5]
トナーの製造の第2凝集工程において、混合分散液(1)を混合分散液(6)39.7部に、混合分散液(2)を混合分散液(5)83.4部に変更した以外は、実施例1と同様にして、表4に示す性質のトナーを得た。

0270

[実施例6]
トナーの製造の第1凝集粒子形成工程において、ハイブリッド樹脂分散液を(HYB1)から(HYB2)に変更した以外は、実施例1と同様にして、表4に示す性質のトナーを得た。

0271

[実施例7]
トナーの製造の第1凝集粒子形成工程において、ハイブリッド樹脂分散液を(HYB1)から(HYB3)に変更した以外は、実施例1と同様にして、表4に示す性質のトナーを得た。

0272

[実施例8]
トナーの製造の第1凝集粒子形成工程において、ハイブリッド樹脂分散液を(HYB1)から(HYB4)に変更した以外は、実施例1と同様にして、表4に示す性質のトナーを得た。

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