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図面 (20)

課題

モードホップに起因する測定誤差の発生を好適に抑制する。

解決手段

測定装置は、被測定対象(200)にレーザ光照射する照射手段(120)と、被測定対象によって散乱されたレーザ光を受光する受光手段(130)と、受光手段の出力信号に含まれる、レーザ光のドップラーシフトに起因するビート信号に基づいて、被測定対象の移動に関する情報を出力する出力手段(170)と、所定期間内のビート信号に基づいて、照射手段によるレーザ光の照射状態を制御する制御手段(190)とを備える。この測定装置によれば、モードホップに起因する測定誤差の発生を抑制することが可能である。

概要

背景

この種の測定装置に用いられる半導体レーザは、レーザの温度の上昇に起因してバンドギャップが変化するため、温度の上昇に伴い発振波長長波長へと徐々に変化する。そして、温度の上昇が続くと、あるタイミングで、次の長波長側の最大利得を有する波長に発振波長が突然飛び移る。この現象モードホップと呼ばれ、例えば光ドップラを利用した測定装置における測定誤差の原因となることが知られている。

特許文献1では、上述したモードホップの発生を抑制するために、ペルチェ素子を用いてレーザ光源の温度を制御するという技術が提案されている。

概要

モードホップに起因する測定誤差の発生を好適に抑制する。測定装置は、被測定対象(200)にレーザ光照射する照射手段(120)と、被測定対象によって散乱されたレーザ光を受光する受光手段(130)と、受光手段の出力信号に含まれる、レーザ光のドップラーシフトに起因するビート信号に基づいて、被測定対象の移動に関する情報を出力する出力手段(170)と、所定期間内のビート信号に基づいて、照射手段によるレーザ光の照射状態を制御する制御手段(190)とを備える。この測定装置によれば、モードホップに起因する測定誤差の発生を抑制することが可能である。

目的

本発明は、モードホップに起因する測定誤差の発生を好適に抑制することが可能な測定装置及び測定方法、並びにコンピュータプログラム及び記録媒体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

被測定対象レーザ光照射する照射手段と、前記被測定対象によって散乱された前記レーザ光を受光する受光手段と、前記受光手段の出力信号に含まれる、前記レーザ光のドップラーシフトに起因するビート信号に基づいて、前記被測定対象の移動に関する情報を出力する出力手段と、所定期間内の前記ビート信号に基づいて、前記照射手段による前記レーザ光の照射状態を制御する制御手段とを備えることを特徴とする測定装置

技術分野

0001

本発明は、被測定対象において散乱された光を利用して、例えば被測定対象の移動に関する情報等を測定する測定装置及び測定方法、並びにコンピュータプログラム及び記録媒体の技術分野に関する。

背景技術

0002

この種の測定装置に用いられる半導体レーザは、レーザの温度の上昇に起因してバンドギャップが変化するため、温度の上昇に伴い発振波長長波長へと徐々に変化する。そして、温度の上昇が続くと、あるタイミングで、次の長波長側の最大利得を有する波長に発振波長が突然飛び移る。この現象モードホップと呼ばれ、例えば光ドップラを利用した測定装置における測定誤差の原因となることが知られている。

0003

特許文献1では、上述したモードホップの発生を抑制するために、ペルチェ素子を用いてレーザ光源の温度を制御するという技術が提案されている。

先行技術

0004

特開2001−120509号公報

発明が解決しようとする課題

0005

上述した特許文献1に記載されている技術では、吸熱手段であるペルチェ素子を常時動作させている。しかしながら、ペルチェ素子は消費電力が大きいため、省電力の観点からすれば常時動作させることは好ましくない。また、消費電力が大きいと電池駆動が難しくなるため、コストの増大や装置の大型化が避けられないという技術的問題点もある。

0006

本発明が解決しようとする課題には上記のようなものが一例として挙げられる。本発明は、モードホップに起因する測定誤差の発生を好適に抑制することが可能な測定装置及び測定方法、並びにコンピュータプログラム及び記録媒体を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0007

上記課題を解決するための第1の測定装置は、被測定対象にレーザ光照射する照射手段と、前記被測定対象によって散乱された前記レーザ光を受光する受光手段と、前記受光手段の出力信号に含まれる、前記レーザ光のドップラーシフトに起因するビート信号に基づいて、前記被測定対象の移動に関する情報を出力する出力手段と、所定期間内の前記ビート信号に基づいて、前記照射手段による前記レーザ光の照射状態を制御する制御手段とを備える。

0008

上記課題を解決するための第2の測定装置は、被測定対象にレーザ光を照射する照射手段と、前記被測定対象によって散乱された前記レーザ光を受光する受光手段と、前記受光手段の出力信号に含まれる、前記レーザ光のドップラーシフトに起因するビート信号に基づいて、前記被測定対象の移動に関する情報を出力する出力手段と、所定期間内の前記ビート信号に基づいて、前記被測定対象の移動に関する情報の誤差所定誤差を超えた状態を検出する検出手段とを備える。

0009

上記課題を解決するための第1の測定方法は、被測定対象にレーザ光を照射する照射工程と、前記被測定対象によって散乱された前記レーザ光を受光する受光工程と、前記受光工程で得られる出力信号に含まれる、前記レーザ光のドップラーシフトに起因するビート信号に基づいて、前記被測定対象の移動に関する情報を出力する出力工程と、所定期間内の前記ビート信号に基づいて、前記照射工程における前記レーザ光の照射状態を制御する制御工程とを備える。

0010

上記課題を解決するための第2の測定方法は、被測定対象にレーザ光を照射する照射工程と、前記被測定対象によって散乱された前記レーザ光を受光する受光工程と、前記受光工程で得られる出力信号に含まれる、前記レーザ光のドップラーシフトに起因するビート信号に基づいて、前記被測定対象の移動に関する情報を出力する出力工程と、所定期間内の前記ビート信号に基づいて、前記被測定対象の移動に関する情報の誤差が所定誤差を超えた状態を検出する検出工程とを備える。

0011

上記課題を解決するための第1のコンピュータプログラムは、被測定対象にレーザ光を照射する照射工程と、前記被測定対象によって散乱された前記レーザ光を受光する受光工程と、前記受光工程で得られる出力信号に含まれる、前記レーザ光のドップラーシフトに起因するビート信号に基づいて、前記被測定対象の移動に関する情報を出力する出力工程と、所定期間内の前記ビート信号に基づいて、前記照射工程における前記レーザ光の照射状態を制御する制御工程とをコンピュータに実行させる。

0012

上記課題を解決するための第2のコンピュータプログラムは、被測定対象にレーザ光を照射する照射工程と、前記被測定対象によって散乱された前記レーザ光を受光する受光工程と、前記受光工程で得られる出力信号に含まれる、前記レーザ光のドップラーシフトに起因するビート信号に基づいて、前記被測定対象の移動に関する情報を出力する出力工程と、所定期間内の前記ビート信号に基づいて、前記被測定対象の移動に関する情報の誤差が所定誤差を超えた状態を検出する検出工程とをコンピュータに実行させる。

0013

上記課題を解決するための記録媒体は、上述したコンピュータプログラム(但し、その各種態様を含む)が記録されている。

図面の簡単な説明

0014

第1実施例に係る測定装置の全体構成を示すブロック図である。
第1実施例に係る受光素子及びI−∨変換器の具体的な構成を示す回路図である。
第1実施例に係る血流演算部の具体的な構成を示すブロック図である。
血流スペクトルの具体例を示すグラフである。
第1実施例に係るモードホップ検出部の具体的な構成を示すブロック図である。
第1実施例に係るモードホップ検出処理の流れを示すフローチャートである。
第1実施例に係るモードホップ検出波形例を示すタイムチャートである。
第1実施例に係るモードホップ脱出波形例を示すタイムチャートである。
カウント値血流計測誤差との関係を示すグラフである。
異常検出時の血流演算処理の流れを示すフローチャートである。
LD駆動電流限界値設定の流れを示すフローチャートである。
第2実施例に係る測定装置におけるモードホップ検出部の構成を示すブロック図である。
第2実施例に係るモードホップ検出波形例を示すタイムチャートである。
第3実施例に係る測定装置の全体構成を示すブロック図である。
第4実施例に係る測定装置の全体構成を示すブロック図である。
第5実施例に係る測定装置における振幅リミッタ部の構成を示すブロック図である。
増幅信号及び血流出力の一例を示すグラフ(その1)である。
増幅信号及び血流出力の一例を示すグラフ(その2)である。
増幅信号及び血流出力の一例を示すグラフ(その3)である。

0015

<1>
本実施形態に係る第1の測定装置は、被測定対象にレーザ光を照射する照射手段と、前記被測定対象によって散乱された前記レーザ光を受光する受光手段と、前記受光手段の出力信号に含まれる、前記レーザ光のドップラーシフトに起因するビート信号に基づいて、前記被測定対象の移動に関する情報を出力する出力手段と、所定期間内の前記ビート信号に基づいて、前記照射手段による前記レーザ光の照射状態を制御する制御手段とを備える。

0016

本実施形態に係る第1の測定装置によれば、その動作時には、被測定対象に対して、照射手段からレーザ光が照射される。照射手段は、例えば半導体レーザ素子等を含んで構成されており、その使用時には、被測定対象に効率的に光を照射できる位置に配置される。なお、被測定対象は、例えば生体の血液等の流体である。ただし、被測定対象は特に限定されるものではなく、移動するものであれば流体以外(例えば、個体)であっても構わない。

0017

照射手段から照射されたレーザ光は被測定対象において散乱(具体的には、反射及び透過)された後、受光手段で受光される。受光手段は、例えばフォトダイオード等を含んで構成され、受光した光に応じた出力信号を出力する。

0018

受光手段の出力信号は、出力手段から被測定対象の移動に関する情報を出力する際に用いられる。具体的には、出力手段では、受光手段の出力信号に含まれるレーザ光のドップラーシフト(以下、適宜「光ドップラ」と称する)に起因するビート信号に基づいて、被測定対象の移動に関する情報が算出される。なお、ここでの「移動に関する情報」とは、被測定対象の移動速度や移動量、移動方向の他、それらの情報を間接的に示す情報を含む広い概念である。

0019

光ドップラを利用して被測定対象の移動に関する情報を出力しようとする場合、照射手段の照射状態の異常により、測定結果に誤差が生じてしまうことがある。例えば、照射手段の温度が上昇することでモードホップが発生すると、受光手段の出力信号の振幅値が大きく変動する(例えば、振幅が瞬間的に極めて大きい値となる)。その結果、出力信号から得られる測定結果に不必要な変動が生じ、測定結果に誤差が生じてしまうことがある。

0020

このため本実施形態では特に、測定時において、制御手段によるレーザ光の照射状態の制御が実行される。制御手段は、所定期間内のビート信号に基づいてレーザ光の照射状態を制御する。より具体的には、制御手段は、所定期間内のビート信号を解析し、測定結果に悪影響を及ぼしてしまうようなモードホップが発生していると判断すると、レーザ光の照射状態を制御してモードホップの発生を抑制する。なお、ここでの「所定期間」とは、モードホップが測定結果に悪影響を及ぼしてしまうような頻度で発生しているか否かを判定するために設定される期間であり、例えば誤判定が発生しない程度に長い期間、且つ、モードホップによる悪影響が顕在化しない程度に短い期間として設定される。

0021

上述したようにレーザ光の照射状態を制御すれば、測定結果に悪影響を及ぼしてしまうようなモードホップが発生してしまった場合でも、モードホップの発生を抑制し、測定結果への影響を低減することができる。また、本実施形態では、照射状態の制御は常に実行され続ける訳ではなく、所定期間内のビート信号に基づいて、不適切なモードホップが発生していると判断された場合に実行される。言い換えれば、モードホップの発生時には常に照射状態の制御が実行される訳ではなく、悪影響をおよぼす可能性のあるモードホップが発生した場合に、照射状態の制御が実行される。よって、極めて効率的に測定結果への悪影響を低減できる。

0022

以上説明したように、本実施形態に係る測定装置によれば、モードホップの発生に伴う不都合を回避して、好適に測定を行うことが可能である。

0023

<2>
本実施形態に係る第1の測定装置の一態様では、前記制御手段は、前記所定期間内において前記ビート信号の振幅値が所定振幅値を超えた回数カウントし、前記カウントされた回数が所定回数を超えた場合に、前記照射手段による前記レーザ光の照射状態を制御する。

0024

この態様によれば、ビート信号の振幅値が所定振幅値を超えた回数と所定回数とを比較することで、容易且つ的確に不適切なモードホップの発生を検出できる。なお、「所定振幅値」は、モードホップが発生している状態のビート信号の振幅値と、モードホップが発生していない状態のビート信号の振幅値とを判別するための値として設定され、「所定回数」は、モードホップが測定結果に影響を及ぼしてしまう程度の頻度で発生しているか否かを判定するための値として設定される。

0025

<3>
本実施形態に係る第1の測定装置の他の態様では、前記制御手段は、前記所定期間内において前記ビート信号の振幅値を積分して平均化し、前記平均化された振幅値が所定閾値を超えた場合に、前記照射手段による前記レーザ光の照射状態を制御する。

0026

この態様によれば、ビート信号の振幅値が、例えばLPFローパスフィルタ)等により積分して平均化される。平均化された値は、振幅値の異常な増加が発生する頻度(即ち、モードホップの発生頻度)に応じて増大する値である。よって、平均化された値と所定閾値を比較することで、容易且つ的確に不適切なモードホップの発生を検出できる。なお、「所定閾値」は、測定結果に影響を与えない程度のモードホップと、測定結果に影響を与え得るモードホップとを判別するための閾値として、事前シミュレーション等により決定すればよい。

0027

<4>
本実施形態に係る第1の測定装置の他の態様では、前記出力手段は、高速フーリエ変換を用いて前記被測定対象の移動に関する情報を演算し、前記所定期間は、前記高速フーリエ変換のバッファ期間に応じた期間として設定されている。

0028

この態様によれば、高速フーリエ変換のバッファ期間に蓄積されたデータを利用して、レーザ光の制御が行われる。即ち、被測定対象の移動に関する情報を演算するために蓄積されるデータを利用して、モードホップの発生が検出される。従って、実践上極めて効率的にモードホップの抑制を実現することができる。

0029

なお、所定期間とバッファ期間とは同一の値でなくともよく、バッファ期間から導き出すことのできる期間(例えば、バッファ期間の整数倍の期間)として設定されてもよい。

0030

<5>
本実施形態に係る測定装置の他の態様では、前記制御手段は、前記照射手段の駆動電流を変化させることで、前記照射手段による前記レーザ光の照射状態を制御する。

0031

この態様によれば、照射手段の駆動電流をモードホップが抑制される値へと変化させて、確実にモードホップを抑制することができる。なお、照射手段の駆動電流にAC成分を乗せて、単発のモードホップを、測定結果に影響が出難い程度の長い周期で発生させるようにしてもよい。

0032

<6>
上述した照射手段の駆動電流を変化させる態様では、前記制御手段は、基準電流に応じた所定範囲内で前記照射手段の駆動電流を変化させてもよい。

0033

このように構成すれば、照射手段の駆動電流を適切な範囲で変化させることが可能となり、駆動電流の変化に伴う不都合の発生を防止できる。具体的には、照射手段の駆動電流が低くなり過ぎて、照射されるレーザ光のパワーが低下し、計測におけるS/N比が悪化してしまうことを防止できる。また、照射手段の駆動電流が高くなり過ぎて、照射されるレーザ光のパワーが増大し、照射手段の寿命が低下してしまうことを防止できる。

0034

<7>
上述した所定範囲内で照射手段の駆動電流を変化させる態様では、前記制御手段は、前記照射手段による前記レーザ光の照射状態を制御すべきと判定する度に、前記照射手段の駆動電流を増加方向又は減少方向の一方向に所定値ずつ段階的に変化させてもよい。

0035

このように構成すれば、制御によって駆動電流が大きく上下して、ハンチング現象が発生してしまうことを防止できる。これにより、ハンチング現象に起因する電力消費の増加や、計測誤差の増加を防止することが可能である。なお、駆動電流の変動単位である「所定値」は、上述したハンチング現象を回避できる程度に小さい値として設定すればよい。

0036

<8>
上述した照射手段の駆動電流を一方向に段階的に変化させる態様では、前記制御手段は、前記所定範囲を超える駆動電流の変化が要求された場合に、前記照射手段の駆動電流の変化方向反転させてもよい。

0037

このように構成すれば、駆動電流を所定範囲の境界付近で制御する場合であっても、段階的な駆動電流の変動を実現することができる。例えば、駆動電流を所定値減少させる制御が複数回実行された結果、駆動電流が所定範囲の下限値付近となった場合であっても、駆動電流の変化方向を増加方向へと反転させることにより、継続して段階的な駆動電流の変化を実現できる。

0038

<9>
本実施形態に係る測定装置の他の態様では、前記制御手段は、前記照射手段の温度を変化させることで、前記照射手段による前記レーザ光の照射状態を制御する。

0039

この態様によれば、例えばペルチェ素子等により照射手段の温度を変化させて、確実にモードホップを抑制することができる。

0040

<10>
本実施形態に係る測定装置の他の態様では、前記制御手段は、前記照射手段と前記被測定対象との間に設けられた液晶窓屈折率を変化させることで、前記照射手段による前記レーザ光の照射状態を制御する。

0041

この態様によれば、液晶窓の屈折率を変化させることで、被測定対象からの戻り光が照射手段に入射するのを抑制できる。従って、戻り光の入射に起因するモードホップの発生を確実に抑制することができる。

0042

<11>
本実施形態に係る測定装置の他の態様では、前記制御手段において、前記照射手段による前記レーザ光の照射状態を制御すべきと判定した場合に、前記判定前の出力を維持するように前記出力手段を制御する出力維持手段を更に備える。

0043

この態様によれば、照射手段によるレーザ光の照射状態を制御すべきと判定された場合(即ち、不適切なモードホップの発生が検出された場合)、出力手段において、モードホップが検出される前の出力が維持される。このため、モードホップに起因して出力手段の出力が適切でない値になってしまうような場合であっても、適切な値を出力し続けることができる。なお、出力手段の出力維持は、例えば制御手段によるレーザ光の照射状態の制御により、モードホップが検出されなくなった時点で解除されればよい。

0044

<12>
本実施形態に係る測定装置の他の態様では、前記受光手段の出力信号の振幅値を所定振幅範囲内に制限する制限手段を更に備え、前記出力手段は、前記制限手段により制限された前記受光手段の出力信号に含まれる、前記レーザ光のドップラーシフトに起因するビート信号に基づいて、前記被測定対象の移動に関する情報を出力する。

0045

この態様によれば、受光手段の出力信号の振幅値が、制限手段によって所定の範囲内に制限される。このため出力信号は、所定振幅範囲を超えた部分がカットされた状態で出力されることになる。なお、ここでの「所定振幅範囲」とは、モードホップに起因する測定結果への影響を抑制するために、振幅制限の基準として設定される振幅の範囲(言い換えれば、振幅の上限値)である。所定振幅範囲は、事前のシミュレーション等によりモードホップによる影響を効果的に抑制できるような範囲として設定される。所定振幅範囲は固定値であってもよいし、測定状況等に応じて可変とされる値であってもよい。

0046

上述したように振幅値を制限すれば、仮にモードホップが発生したとしても、受光手段の出力信号からはモードホップによる変動部分が除かれる。これにより、被測定対象の移動に関する情報を出力する際に用いられる出力信号は、モードホップの影響を全く或いは殆ど受けていない状態のものとされる。従って、モードホップが発生している状況においても、被測定対象の移動に関する情報は正確なものとして出力される。

0047

なお、出力信号の振幅値を制限することによるモードホップの影響抑制効果は、所定振幅範囲の値にもよるが、比較的モードホップの発生頻度が穏やかな場合に有効であり、モードホップの発生頻度が大きく増加すると、十分ではなくなるおそれがある。しかしながら本実施形態では、上述したように、レーザ光の照射状態の制御により、モードホップの発生頻度を低下させることができる。従って、モードホップの発生状況に応じて、その影響を効果的に抑制することが可能である。

0048

<13>
本実施形態に係る第2の測定装置は、被測定対象にレーザ光を照射する照射手段と、前記被測定対象によって散乱された前記レーザ光を受光する受光手段と、前記受光手段の出力信号に含まれる、前記レーザ光のドップラーシフトに起因するビート信号に基づいて、前記被測定対象の移動に関する情報を出力する出力手段と、所定期間内の前記ビート信号に基づいて、前記被測定対象の移動に関する情報の誤差が所定誤差を超えた状態を検出する検出手段とを備える。

0049

本実施形態の第2の測定装置によれば、測定時において、被測定対象の移動に関する情報の誤差が所定誤差を超えた状態であるかが検出される。なお、ここでの「所定誤差」とは、被測定対象の移動に関する情報の誤差が使用環境において許容できるものであるか否かを判定するための閾値として設定される値である。なお、被測定対象の移動に関する情報の誤差が所定誤差を超えた状態であるか否かは、ビート信号に基づいて検出される。具体的には、ビート信号から、照射手段におけるモードホップの発生頻度が検出され、その発生頻度から測定結果に生じている誤差が推定される。

0050

本実施形態に係る第2の測定装置によれば、測定結果に生じている誤差が許容範囲を超えた状態を好適に検出できるため、例えばモードホップの抑制制御等を実行することにより、正確でない測定結果が出力され続けてしまうことを防止できる。

0051

<14>
本実施形態に係る第1の測定方法は、被測定対象にレーザ光を照射する照射工程と、前記被測定対象によって散乱された前記レーザ光を受光する受光工程と、前記受光工程で得られる出力信号に含まれる、前記レーザ光のドップラーシフトに起因するビート信号に基づいて、前記被測定対象の移動に関する情報を出力する出力工程と、所定期間内の前記ビート信号に基づいて、前記照射工程における前記レーザ光の照射状態を制御する制御工程とを備える。

0052

本実施形態の第1の測定方法によれば、上述した本実施形態の第1の測定装置と同様に、レーザ光の照射状態を制御することにより、モードホップの発生を抑制し、測定結果への影響を低減することができる。

0053

なお、本実施形態に係る第1の測定方法においても、上述した本実施形態に係る第1の測定装置における各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。

0054

<15>
本実施形態に係る第2の測定方法は、被測定対象にレーザ光を照射する照射工程と、前記被測定対象によって散乱された前記レーザ光を受光する受光工程と、前記受光工程で得られる出力信号に含まれる、前記レーザ光のドップラーシフトに起因するビート信号に基づいて、前記被測定対象の移動に関する情報を出力する出力工程と、所定期間内の前記ビート信号に基づいて、前記被測定対象の移動に関する情報の誤差が所定誤差を超えた状態を検出する検出工程とを備える。

0055

本実施形態の第2の測定方法によれば、上述した本実施形態の第2の測定装置と同様に、測定結果に生じている誤差が許容範囲を超えた状態を好適に検出することができる。

0056

<16>
本実施形態に係る第1のコンピュータプログラムは、被測定対象にレーザ光を照射する照射工程と、前記被測定対象によって散乱された前記レーザ光を受光する受光工程と、前記受光工程で得られる出力信号に含まれる、前記レーザ光のドップラーシフトに起因するビート信号に基づいて、前記被測定対象の移動に関する情報を出力する出力工程と、所定期間内の前記ビート信号に基づいて、前記照射工程における前記レーザ光の照射状態を制御する制御工程とをコンピュータに実行させる。

0057

本実施形態の第1のコンピュータプログラムによれば、上述した本実施形態に係る第1の測定方法と同様の各工程をコンピュータに実行させることで、モードホップの発生を抑制し、測定結果への影響を低減することができる。

0058

<17>
本実施形態に係る第2のコンピュータプログラムは、被測定対象にレーザ光を照射する照射工程と、前記被測定対象によって散乱された前記レーザ光を受光する受光工程と、前記受光工程で得られる出力信号に含まれる、前記レーザ光のドップラーシフトに起因するビート信号に基づいて、前記被測定対象の移動に関する情報を出力する出力工程と、所定期間内の前記ビート信号に基づいて、前記被測定対象の移動に関する情報の誤差が所定誤差を超えた状態を検出する検出工程とをコンピュータに実行させる。

0059

本実施形態の第2のコンピュータプログラムによれば、上述した本実施形態に係る第2の測定方法と同様の各工程をコンピュータに実行させることで、測定結果に生じている誤差が許容範囲を超えた状態を好適に検出することができる。

0060

<18>
本実施形態に係る記録媒体は、上述したコンピュータプログラム(但し、その各種態様を含む)が記録されている。

0061

本実施形態の記録媒体によれば、本実施形態の第1のコンピュータプログラム又は第2のコンピュータプログラムをコンピュータに実行させることにより、モードホップに起因する不都合を好適に回避することができる。

0062

本実施形態に係る測定装置及び測定方法、並びにコンピュータプログラム及び記録媒体の作用及び他の利得については、以下に示す実施例において、より詳細に説明する。

0063

以下では、図面を参照して測定装置及び測定方法、並びにコンピュータプログラム及び記録媒体の実施例について詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係る測定装置が、血流を測定する血流測定装置として構成される場合を例にとり説明する。

0064

<第1実施例>
第1実施例に係る測定装置について、図1から図11を参照して説明する。

0065

<全体構成>
先ず、第1実施例に係る測定装置の全体構成について、図1を参照して説明する。ここに図1は、第1実施例に係る測定装置の全体構成を示すブロック図である。

0066

図1において、本実施例に係る測定装置は、レーザ駆動部110と、半導体レーザ120と、受光素子130と、I−V変換部140と、増幅器150と、A/D変換器160と、バッファ処理部165と、血流演算部170と、モードホップ検出部180と、モードホップ抑制処理部190とを備えて構成されている。

0067

レーザ駆動部110は、半導体レーザ120を駆動するための電流を発生する。

0068

半導体レーザ120は、「照射手段」の一具体例であり、レーザ駆動部110において発生された駆動電流に応じたレーザ光を、被測定対象200(例えば、生体の皮膚等)に対して照射する。

0069

受光素子130は、「受光手段」の一具体例であり、半導体レーザ120から照射されたレーザ光のうち、血液200で散乱された散乱光を受光する。受光素子130は、受光した散乱光の強度に応じて検出電流を出力する。

0070

I−V変換器140は、受光素子130から出力された検出電流を電圧に変換して、検出電圧を出力する。

0071

増幅器150は、I−V変換器140から出力された検出電圧を増幅し増幅信号として出力する
A/D変換器160は、入力されるアナログの増幅信号を量子化し、デジタルのデータとして出力する。

0072

バッファ処理部165は、A/D変換器160から出力されたデータを規定数格納する。

0073

血流演算部170は、「出力手段」の一具体例であり、入力されるデータに基づいて血流(具体的には、血液200の流速等の移動に関する情報)を出力する。血流演算部170は、例えばDSP(Digital Signal Processor)として構成されており、入力されるデータに対して周波数解析等のデジタル信号処理を実行可能とされている。

0074

モードホップ検出部180は、入力されるバッファデータに基づき、半導体レーザ120において(高い頻度で)モードホップが発生していることを検出する。また、モードホップ検出部180は、モードホップの発生を検出した場合に、モードホップ抑制処理部190における処理の実行を許可する信号を出力すると共に、血流演算部170に前値ホールド信号(即ち、直前の出力を維持する指令)を出力する。モードホップ検出部180の具体的な構成については、後に詳述する。

0075

モードホップ抑制処理部190は、「制御手段」の一具体例であり、モードホップ検出部180における検出結果に応じて、モードホップを抑制するための抑制処理を実行する。抑制処理については、後に詳述する。

0076

<全体動作説明>
以下では、上述した測定装置の全体的な動作について、引き続き図1を参照して詳細に説明する。

0077

図1において、本実施例に係る測定装置の動作時には、先ずレーザ駆動部110が、半導体レーザ120の閾値電流以上の規定の動作電流を発生し、半導体レーザ120に供給する。これにより、半導体レーザ120はレーザ発振する。

0078

半導体レーザ120は被測定対象200に対してレーザ光を出射すべく、クリップ等(図示せず)により被測定対象200に固定される。被測定対象200が生体の皮膚である場合、照射されたレーザ光は、固定物体である皮膚組織により散乱された散乱光、及び移動物体である毛細血管中の赤血球で散乱された散乱光となり、その両者が受光素子130によって受光される。

0079

ここで、皮膚組織により散乱された散乱光は参照光であり、赤血球で散乱された散乱光は赤血球の移動速度に対応して光ドップラーシフトを生じた散乱光である。これら2つの散乱光は、レーザ光の可干渉性により干渉を起こす。受光素子130は、この干渉の結果である光ビート信号の強度に対応して、検出電流を生じる。

0080

受光素子130は、半導体レーザ120と同様に、被測定対象200からの散乱光を受光すべくクリップ等(図示せず)により被測定対象200に固定されている。受光素子130が検出した光ビート信号に対応した検出電流は、I-V変換器140にて、電流電圧変換され、検出電圧として出力される。

0081

以下では、受光素子130及びI−V変換器140の具体的な構成及び動作について、図2を参照して説明する。ここに図2は、第1実施例に係る受光素子及びI−V変換器の具体的な構成を示す回路図である。

0082

図2において、本実施例に係る受光素子130は、2つの受光素子130a及び130bを含んで構成されている。受光素子130a及び130bは、例えばPIN型半導体によるフォトディテクタとして構成されている。受光素子130a及び130bは、カソード同士が接続され、互いに逆向きに直列接続されている。このように構成すれば、DC成分を抑圧し、信号成分であるAC成分を効率よく検出できる。

0083

具体的には、受光素子130a及び130bの各々から出力される電流のうち入力光に含まれる定常光成分に相当する電流成分(以下「DC(direct current)成分」と適宜称する)を低減或いは除去して、入力光に含まれる信号光成分に相当する電流成分(以下「AC(alternate current)成分」と適宜称する)を主として含む電流を検出電流として出力することができる。即ち、受光素子130aの出力電流のDC成分と、受光素子130bの出力する電流のDC成分とを相殺させることができ、入力光に含まれる信号光成分に相当するAC成分を主として含む検出電流を出力することができる。

0084

例えば、受光素子130aの検出電流をId1、受光素子130bの検出電流をId2とすると、両者は極性が逆に直列接続されているため、検出電流は以下の数式(1)のようになる。

0085

Idt=Id2−Id1・・・(1)
また、受光素子130aが受光した散乱光と、受光素子130bが受光した散乱光とは、両者の経路が互いに異なっているため、光の波長を基準長さとすると、およそ無相関の信号となる。そのため、減算により、信号成分である光ビート信号の強度は、√2倍となる。

0086

一方、DC電流は減算により相殺されるので、トランスインピーダンスアンプであるAmp1とAmp2の検出感度を高く設定しても飽和を防止できる。具体的には、帰還抵抗Rf1とRf2の抵抗値を高く設定することが可能となり、電流電圧変換感度が向上する。この結果、高い検出S/N(Signal-to-Noise ratio)が得られる。

0087

Amp1とAmp2の非反転入力端子は、接地されている。Amp1とAmp2の帰還抵抗Rf1とRf2の負帰還作用により、非反転端子反転端子はイマジナリシュート状態であり、およそ同一電位となる。そのため、受光素子130aのアノードと受光素子130bのアノードとは同一電位となり、P受光素子130aと受光素子130bとは所謂発電モードで動作している。この発電モードにより、暗電流が抑圧され、暗電流ゆらぎによるノイズ増加が抑圧できる。

0088

Amp1の検出電圧Vd1及びAmp2の検出電圧Vd2は、以下の数式(2)、(3)のようになる。

0089

Vd1=Rf1・Idt ・・・(2)
Vd2=Rf2・(−Idt)・・・(3)
Amp3は、Amp1とAmp2の検出電圧を差動増幅し、Voutとして出力する。この差動増幅により、電源ノイズハム等の同相ノイズは除去される。

0090

ここで、Ra1=Ra2=Ra、Rb1=Rb2=Rbとなるように抵抗値を設定すると、Voutは、以下の数式(4)のようになる。

0091

Vout=(Rb/Ra)(Vd1−Vd2) ・・・(4)
上記数式(2)、(3)及び(4)から、Rf1=Rf2=Rfとなるように抵抗値を設定すると、Voutは、以下の数式(5)のようになる。

0092

Vout=2Rf(Rb/Ra)Idt ・・・(5)
上記数式(5)から、信号成分である光ビート信号の強度に対応した、検出電圧Voutが得られることが分かる。

0093

図1戻り、I−V変換器140から出力された検出電圧は、増幅器150に入力される。増幅器150は、検出電圧をA/D変換器160の入力ダイナミックレンジ適合する振幅レベルまで増幅し、増幅信号を出力する。

0094

増幅器150の出力である増幅信号は、A/D変換器160に入力される。A/D変換器160は、入力された増幅信号を規定のサンプリング周波数にて量子化し、デジタル値としてのデータを出力する。

0095

A/D変換器160から出力されたデータは、血流演算部170の周波数解析に利用するデータ数を蓄積するために、バッファ処理部165に入力される。バッファ処理部165は、例えばFFT(高速フーリエ変換)に必要なnポイントのデータを蓄積する。バッファ処理部165により蓄積されたバッファデータは、血流演算部170によりデジタル信号処理され、血流に関する情報が出力される。

0096

また、バッファ処理部165により蓄積されたバッファデータは、モードホップ検出部180にも入力される。モードホップ検出部180は、バッファデータに基づいてモードホップの発生(正確には、測定結果に影響を与える程度のモードホップの発生)を検出する。モードホップ検出部180においてモードホップの発生が検出されると、モードホップ抑制処理部190により、モードホップ抑制処理(ここでは、レーザ駆動部110の駆動電流制御)が実行される。

0097

<血流演算>
次に、血流演算部170の具体的な構成及び動作について、図3及び図4を参照して説明する。ここに図3は、第1実施例に係る血流演算部の具体的な構成を示すブロック図である。また図4は、血流スペクトルの具体例を示すグラフである。

0098

図3において、血流演算部170に入力されたデータは、先ずハニング窓処理部171に入力される。ハニング窓処理部171は、FFT(高速フーリエ変換)の前処理としてのハニング窓処理を実行する。

0099

FFT処理部172は、窓関数により制限されたデータを、FFT処理により周波数解析する。

0100

乗演算部173は、周波数解析データ複素共役処理を実行し、パワースペクトルP(f)を取得する。

0101

1次モーメント積算部174は、得られたパワースペクトルP(f)に周波数ベクトルfを乗算し、更に規定帯域内で積算して、Σ{f・P(f)}を得る。

0102

LPF部175は、Σ{f・P(f)}信号の高周波成分を除去し、規定のゲインを乗算する。これにより、血流出力が得られる。

0103

図4に示すように、血流が低いとき、即ち毛細血管内を流れる散乱体である血球の流れる速度が遅い場合、光ビート信号のパワースペクトルP(f)については、図中の点線で示したような特性が得られ、低周波成分が高周波成分に比較してより多く含まれる。一方、血流が高いとき、即ち毛細血管内を流れる散乱体である血球の流れる速度が速い場合、光ビート信号のパワースペクトルP(f)については、図中の実線で示したような特性が得られ、高周波成分が低周波成分に比較してより多く含まれる。

0104

このように、移動体の速度が速い場合、散乱光のドップラーシフト量が増加する。よって、光ビート信号の周波数スペクトルは、周波数が高い領域の成分がより増加し、図4のような特性を示すことになる。

0105

なお、血流演算部170は、光ビート信号のパワースペクトル変化を効率的に検出すべく演算を行う。本実施例ではFFTによる周波数解析を利用した方式を説明したが、この方式に限定されるものではない。

0106

<モードホップ検出>
次に、モードホップ検出部180の具体的な構成について、図5を参照して詳細に説明する。ここに図5は、第1実施例に係るモードホップ検出部の具体的な構成を示すブロック図である。

0107

図5に示すように、モードホップ検出部180は、絶対値化部181と、ピーク検出部182と、レベル比較部183と、カウンタ部184と、回数比較部185とを備えて構成されている。

0108

絶対値化部181は、バッファ処理部165により蓄積されたnポイントのバッファデータを絶対値化し、ABS信号を出力する。

0109

ピーク検出部182は、絶対値化部181から入力されるABS信号の正の極大値を検出し、PEK信号を出力する。

0110

レベル比較部183は、規定のピーク値THLVLと、PEK信号とを比較し、PEK信号が大きい場合、比較結果としてCMP=1を出力する。一方、PEKがTHLVLと等しい又は小さい場合、比較結果としてCMP=0を出力する。

0111

カウンタ部184は、レベル比較部183から入力される比較結果CMPに基づいてカウンタ値を変更する。具体的には、カウンタ部184は、比較結果がCMP=1のとき、カウント値をインクリメントし、CMP=0のとき、カウンタ値を維持する。また、カウンタ部184には、カウンタ値を初期化するためのCLR信号が供給されている。CLR信号は、バッファ処理部にnポイントのデータが蓄積されると1度だけ発生し、カウンタ値をクリア(CNT=0)する。

0112

回数比較部185は、カウンタ部184から入力されるカウンタ値CNTと、もう一方の入力から入力される規定のカウンタ値THCNTとを比較して、異常検出信号を出力する。具体的には、回数比較部185は、CNT<THCNTの場合、カウンタ値CNTが規定の回数に達していないと判断して、異常検出フラMDHP=0として異常検出信号を出力する。一方、回数比較部185は、CNT>=THCNTの場合、カウンタ値CNTが規定の回数に達したと判断して、異常検出フラグMDHP=1として異常検出信号を出力する。

0113

次に、モードホップを検出する際に実行される処理について、図6から図9を参照して説明する。ここに図6は、第1実施例に係るモードホップ検出処理の流れを示すフローチャートである。図7は、第1実施例に係るモードホップ検出波形例を示すタイムチャートであり、図8は、第1実施例に係るモードホップ脱出波形例を示すタイムチャートである。図9は、カウント値と血流計測誤差との関係を示すグラフである。

0114

図6に示すように、本実施例に係る血流測定装置による計測が開始されると、規定の電流量で半導体レーザ120(以下、適宜「LD」と称する)が駆動される(ステップS101)。続いて、A/D変換器160では、規定の周波数で増幅信号がA/D変換される(ステップS102)。バッファ処理部165では、A/D変換後の蓄積データ数がnポイントに到達したか否かが判定される(ステップS103)。ここで、蓄積データ数がnポイントに到達していない場合は(ステップS103:NO)、ステップS102の処理に戻る。一方、蓄積データ数がnポイントに到達した場合は(ステップS103:YES)、異常カウンタ値CNTをクリアする(ステップS104)。

0115

次に、絶対値化部181では、nポイントの蓄積データがそれぞれ絶対値化され、ABS値として保存される(ステップS105)。ピーク検出部182では、nポイントの蓄積データに対応するABS値の複数のピークをそれぞれ検出して、複数のPEK値として保存する(ステップS106)。レベル比較部183では、ピーク値の全てを規定のピーク値THLVLと比較したか否かが判断される(ステップS107)。ここで、全てのピーク値の比較が終了すると(ステップS107:YES)、ステップS112に移行する。一方、全てのピーク値の比較が終了していない場合(ステップS107:NO)、ステップS108に移行する。

0116

PEK>THLVLが成立する場合(ステップS108:YES)、レベル比較部183では、異常なピーク値を検出したと判断して、比較フラグがセット(CMP=1)される(ステップS109)。またカウンタ部184では、カウンタ値がインクリメントされ(ステップS110)、ステップS107に戻る。一方、PEK>THLVLが成立しない場合(ステップS108:NO)、レベル比較部183では、異常なピーク値を検出していないと判断され、比較フラグがリセット(CMP=0)される(ステップS111)。なお、カウンタ部184では、カウンタ値が維持されたままで、ステップS107に戻る。

0117

回数比較部185では、カウンタ値CNTが規定の回数THCNTに到達しているか否かが判断される(ステップS112)。CNT>THCNTが成立する場合、回数比較部185では、異常なピーク値を多数検出したと判断され、異常フラグがセット(MDHP=1)される(ステップS113)。この場合、回数比較部185からは、LD駆動電流変更指令が出力され(ステップS114)、ステップS102に戻る。一方、CNT>THCNTが成立しない場合、回数比較部185では、異常なピーク値を検出していない又は多数は検出していないと判断され、異常フラグがリセット(MDHP=0)される(ステップS115)。この場合、LD駆動電流は維持されたままでステップS102に戻る。

0118

図7に示すように、バッファデータは、多様な周波数、振幅、位相を有するランダム信号に近い信号であるが、LDがモードホップしていない通常の場合、その振幅は規定の範囲内にある。ところが、LDがモードホップした場合、光の波長がシフトするので、光ドップラによる光ビート信号が乱れ、光ビート信号を増幅した増幅信号を量子化したバッファデータの振幅は、光ビート信号の乱れから異常ピークを示す。

0119

ここで、連続していない単発的なモードホップが生じた場合、光ビート信号の乱れ区間は短く、異常ピークも単発的となり、最終的に血流信号出力に与える悪影響は少ない(図7の左側の半面参照)。ところが、連続した激しいモードホップが生じた場合、光ビート信号の乱れ区間は長く、異常ピークも連続的となり、最終的に血流信号出力に与える悪影響が大きくなる(図7の右側の半面参照)。

0120

バッファデータの振幅値を検出するために絶対値化したABS値は、正の値となる。バッファデータの異常ピーク値部分は、ABS値も異常な値となる。バッファデータの振幅値の異常状態を検出するために、ABS値は規定のピーク値THLVLと比較され、比較結果CMPは、異常ピーク値部分でCMP=1となり、それ以外の通常状態では、CMP=1となる。

0121

カウンタを初期化するために、nポイントのデータごとに、CLR信号が生成される。CLR信号の周期は、A/D変換されたnポイントのデータがバッファ処理により蓄積される周期と同一である。ただし、モードホップの検出には、バッファ処理の期間とは異なる期間のデータ(例えば、バッファ処理期間の整数倍の期間や、外部に血流を出力するレート等)が用いられてもよい。

0122

図7の左側の半面では、一度、モードホップによる異常ピークが単発的に生じており、CMP=1となりカウンタ値CNTがインクリメントされる。しかし、ここではモードホップが連続して生じていないので、カウンタ値CNTは、規定の回数THCNTに到達する前に、CLR信号によりクリアされる。そのため、MDHP=0のままであり、異常は検出されない。

0123

一方、図7の右側の半面にでは、連続したモードホップによる連続した異常ピークが生じており、長い区間で、CMP=1となりカウンタ値CNTが複数回インクリメントされている。この結果、カウンタ値CNTは規定の回数THCNTに到達する。そのため、MDHP=1となり、異常が検出される。

0124

図8は、LDの温度変化等により、連続した激しいモードホップが検出されたことで、MDHP=1となり、LD駆動電流変更指令が発令され、その後LD駆動電流が変化したことにより、連続した激しいモードホップ状態から脱出し、モードホップしていない安定な状態に変化した例を示している。

0125

連続した激しいモードホップ状態は、例えば、半導体レーザの利得が最大になる波長モード特定温度における特定駆動電流に対して、近接して存在し、交互にモード間を行ったり来たりするモード競合が生じている場合である。このとき、駆動電流を変更すると、どちらかのモードに安定し、他のモードに戻らなくなる。即ち、連続したモードホップ状態から脱出することが可能となる。

0126

図9では、図7及び図8で示した異常ピークのカウント値CNTと、最終的に血流出力に生じた計測誤差との関係を、実験により把握した結果が示されている。図を見ても分かるように、カウント値CNTが、規定カウント値THCNTを超えると、急激に計測誤差が増大している。このように、カウント値CNTの増加に対して、計測誤差は指数関数的に増大する実験結果が得られている。なお、CNTがTHCNT以下の領域は、モードホップが生じていないか、又は単発的な穏やかなモードホップが生じている場合である。一方、CNTがTHCNT超えた領域は、連続した激しいモードホップが生じている場合である。

0127

以上の結果、カウント値CNTが規定カウント値THCNTを超えた場合にモードホップを抑制する処理を行えば、極めて効率的にモードホップの悪影響を低減できると判断できる。本実施例では、血流演算の周波数解析に用いるnポイントのデータ中における、異常ピーク数に対応したカウント値CNTから、半導体レーザ120のモードホップ状態を定量的に把握できる構成としたので、最終的に血流計測結果に与える影響が小さい場合はLD駆動電流を維持し、一方、最終的に血流計測結果に与える影響が大きい場合のみ、LD駆動電流を変更してモードホップ状態を脱出することが可能となる。従って、より適切なLD駆動電流制御が実現可能となるので、消費電力を抑圧しつつ、モードホップ状態を脱出して正確な血流計測が可能となる。

0128

また、モード競合状態にある連続した激しいモードホップ状態の場合、異常を検出して駆動電流変更によりモード競合を脱出できる。一方、単発的な穏やかなモードホップ状態は異常を検出しないので、駆動電流を維持でき、安定したレーザ発振状態を維持できる。よって、過度な駆動電流変更によるモードホップ状態の助長を防止できる。

0129

nポイントのデータ中における、異常ピーク数に対応したCNT値は、モードホップを起こす確率に対応した値を求めていると言える。従って、モードホップが生じ易い状態なのか、或いはモードホップは発生し難い状態なのかを、定量的に示す指標がカウント値CNTである。規定カウント数THCNTは、例えば図9に示されたようなデータに基づくことで最適化することができる。

0130

<異常検出時の血流出力維持>
次に、異常検出時の血流演算方法について、図10を参照して具体的に説明する。ここに図10は、異常検出時の血流演算処理の流れを示すフローチャートである。

0131

図10に示すように、蓄積データ数がnポイントに達すると(ステップS103:YES)、既に図6を用いて説明したモードホップ検出処理が実施される(ステップS201)。その後、異常検出フラグMDHPが確認され、モードホップ異常状態が検出されない場合(ステップS202:NO)、MDHP=0となり、図3で示した通常の血流演算処理が実行される(ステップS203)
一方、モードホップ異常状態が検出された場合(ステップS202:YES)、MDHP=1となり、今回の血流演算は入力データの信頼性が低いと判断される。この場合、前回演算した結果にホールドすべく、前回の血流演算結果を今回の血流演算結果とし、LD駆動電流変更を指令が発令される(ステップS204)。

0132

以上の結果、モードホップ異常状態が検出されない場合には、通常の血流演算処理で得られた血流が出力され、モードホップ異常状態が検出された場合には、前回の血流演算処理で得られた血流が出力される(ステップS205)。モードホップ異常状態が検出された場合において、前回の血流演算結果を維持することにより、モードホップ時の計測誤差の増大(図9参照)を防止することができる。なお、図9で示されているデータは、上述した処理を実行しないときの実験結果である。

0133

<駆動電流の限界値設定>
次に、モードホップ抑制処理によって制御されるLD駆動電流に対する限界値の設定について、図11を参照して詳細に説明する。ここに図11は、LD駆動電流の限界値設定の流れを示すフローチャートである。

0134

図11は、図10における異常検出時の処理(ステップS204)を一部変更した例を示している。ここで示す例では、LD駆動電流設定値が変更(ダウン又はアップ)されると(ステップS301)、LD駆動電流設定値が、限界値以内か否かが判定される(ステップS302)。

0135

ここで、LD駆動電流設定値が限界値以内の場合、LD駆動電流変更指令が発令され(ステップS303)、血流値が出力される(ステップS205)。一方、LD駆動電流設定値が限界値を超えている場合、駆動電流変更方向を反転して(アップ又はダウン)LD駆動電流設定値が再変更された上で(ステップ304)、LD駆動電流変更指令が発令され(ステップS303)、血流値が出力される(ステップS205)。

0136

LD駆動電流は、初期段階で適正なレーザ光パワーを得るべく調整される。LD駆動電流変更の限界値は、初期段階での調整値に対して、例えば±5%の範囲として設定される。このようにLD駆動電流変更の限界値を設定すれば、LD駆動電流が適切な範囲で変更される。

0137

ここで仮に、LD駆動電流を低くし過ぎると、LD発光パワーが低下し、計測S/Nが確保できなくなる不具合を生じる。また、LD駆動電流を高くし過ぎると、LD発光パワーが増大し、LDの寿命が低下する不具合を生じる。しかるに本実施例によれば、LD駆動電流が適切な範囲で変更され、上述した不具合を防止でき、且つ電流変更方向を適切に反転して駆動電流を変更するので、連続した激しいモードホップ状態を脱出することができる。

0138

以上説明したように、第1実施例に係る測定装置によれば、半導体レーザ120のモードホップの発生を抑制して、より正確な血流測定を実施することが可能である。また本実施例に係る測定装置では特に、悪影響が生じてしまうような頻度でモードホップが発生した場合にのみ抑制処理が実行されるため、極めて効率的にモードホップを抑制できる。

0139

<第2実施例>
次に、第2実施例に係る測定装置について、図12及び図13を参照して説明する。ここに図12は、第2実施例に係る測定装置におけるモードホップ検出部の構成を示すブロック図である。また図13は、第2実施例に係るモードホップ検出波形例を示すタイムチャートである。

0140

なお、第2実施例は、上述した第1実施例と比べて一部の構成及び動作が異なるのみで、多くの部分は第1実施例と同様である。このため、以下では第1実施例と異なる部分について詳細に説明し、重複する部分については適宜説明を省略するものとする。

0141

図12に示すように、第2実施例に係るモードホップ検出部180bは、絶対値化部181と、LPF部186と、レベル比較部187とを備えて構成されている。

0142

LPF部186は、絶対値化部181から出力されたABS(即ち、絶対値化されたバッファデータ)を積分して平均化し、RMSとして出力する。

0143

レベル比較部187は、LPF部186から出力されたRMSと、規定平均レベルRMSLVLと比較する。そして、RMS>RMSLVLが成立する場合、LDモードホップによる異常な振幅値であると判断し、MDHP=1として、異常を検出する。

0144

図13に示すように、RMS値は、バッファデータに異常ピークがあると、ゆるやかにレベルが上昇し、異常ピークがなくなると、ゆるやかにレベルが下降する。また、連続した激しいモードホップが生じると、RMS値の上昇は連続し、やがてRMSLVLに到達する。このようなRMSの特性を利用し、第2実施例では、RMS>RMSLVLが成立すると、MDHPが0から1に変化し、異常が検出される。

0145

以上説明したように、第2実施例に係る測定装置によれば、異常ピークのカウンタ値CNTを用いてモードホップを検出する第1実施例と同様に、好適にモードホップの発生を検出できる。従って、モードホップの発生を抑制して、より正確な血流測定を実施することが可能である。

0146

<第3実施例>
次に、第3実施例に係る測定装置について、図14を参照して説明する。ここに図14は、第3実施例に係る測定装置の全体構成を示すブロック図である。

0147

なお、第3実施例は、上述した第1及び第2実施例と比べて一部の構成及び動作が異なるのみで、多くの部分は第1及び第2実施例と同様である。このため、以下では第1及び第2実施例と異なる部分について詳細に説明し、重複する部分については適宜説明を省略するものとする。

0148

図14に示すように、第3実施例に係る測定装置では、レーザ駆動部110に温度を制御するためのペルチェ素子300が設けられている。そして、第2実施例に係るモードホップ抑制処理部190bは、そのペルチェ素子300を制御することで、モードホップの発生を抑制する。

0149

具体的には、モードホップ抑制処理部190bは、モードホップ検出部180から抑制処理許可信号が入力されると(即ち、高い頻度でモードホップが発生していると判定されると)、ペルチェ素子制御信号を出力して、ペルチェ素子300によるレーザ駆動部110の吸熱を実施する。このようにすれば、レーザ駆動部110の温度が低下し、温度上昇に起因して発生していたモードホップが抑制される。

0150

以上説明したように、第3実施例に係る測定装置によれば、レーザ駆動部110の駆動電流を制御する第1及び第2実施例と同様に、半導体レーザ120のモードホップの発生を抑制して、より正確な血流測定を実施することが可能である。

0151

<第4実施例>
次に、第4施例に係る測定装置について、図15を参照して説明する。ここに図15は、第4実施例に係る測定装置の全体構成を示すブロック図である。

0152

なお、第4実施例は、上述した第1から第3実施例と比べて一部の構成及び動作が異なるのみで、多くの部分は第1から第3実施例と同様である。このため、以下では第1から第3実施例と異なる部分について詳細に説明し、重複する部分については適宜説明を省略するものとする。

0153

図15に示すように、第4実施例に係る測定装置では、半導体レーザ120と被測定対象200との間に液晶400が設けられている。そして、第4実施例に係るモードホップ抑制処理部190cは、その液晶400を制御することで、モードホップの発生を抑制する。

0154

具体的には、モードホップ抑制処理部190cは、モードホップ検出部180から抑制処理許可信号が入力されると(即ち、高い頻度でモードホップが発生していると判定されると)、液晶制御信号を出力して、液晶400の屈折率を変化させ、被測定対象200からの戻り光が、半導体レーザ120に入射しないような環境を実現する。このようにすれば、半導体レーザ120に戻り光が入射することに起因して発生していたモードホップが抑制される。

0155

以上説明したように、第3実施例に係る測定装置によれば、第1から第3実施例と同様に、半導体レーザ120のモードホップの発生を抑制して、より正確な血流測定を実施することが可能である。

0156

<第5実施例>
次に、第5施例に係る測定装置について、図16から図19を参照して説明する。ここに図16は、第5実施例に係る測定装置における振幅リミッタ部の構成を示すブロック図である。また図17から図19は夫々、増幅信号及び血流出力の一例を示すグラフである。なお、図17から図19で示されているグラフの横軸は時間であり、0秒から27秒に対応している。

0157

図16に示すように、第5実施例に係る測定装置は、血流演算部170の前段に、振幅リミッタ部500を備えて構成されている。振幅リミッタ部500は、極性判定部501と、選択部502と、−1倍部503と、データ入れ替え部504とを備えている。

0158

極性判定部501は、入力されるバッファデータの極性を判定する。極性判定部501における判定結果(即ち、バッファデータの極性の正負)は、選択部502に出力される。

0159

選択部502は、バッファデータの極性が正極性の場合、リミットレベルTHLVLをそのまま選択し、データ入れ替え部504に出力する。一方で、選択部502は、バッファデータの極性が負極性の場合、リミットレベルTHLVLを−1倍部503で−1倍して極性反転したレベルを選択し、データ入れ替え部504に出力する。なお、リミットレベルTHLVLは、上述した規定のピーク値THLVL(即ち、モードホップ検出部180においてモードホップを検出するための振幅閾値)と同一であってもよいし、異なる値であってもよい。

0160

データ入れ替え部504は、バッファデータに異常ピークが生じているとき(即ち、レベル比較結果であるCMP=1の場合)、バッファデータを選択部502の出力に入れ替え、リミットデータとして出力する。またデータ入れ替え部504は、通常の振幅のとき(即ち、レベル比較結果であるCMP=0の場合)、バッファデータをそのままリミットデータとして出力する。リミットデータは、図3で示した周波数解析を含む信号処理からなる血流演算部170に入力される。

0161

図17に示す波形は、半導体レーザ120が安定してシングルモード発振している状態、即ちモードホップを生じていない場合に得られる波形の一例である。この場合は、モードホップが生じていないため、増幅信号にノイズが殆ど存在していない。このため、振幅リミッタ処理を行わずとも、正確な血流出力が得られている。

0162

図18に示す波形は、半導体レーザ120がモードホップにより不安定な発振状態にある場合に得られる波形の一例である。この場合は、図17と比較しても分かるように、モードホップの発生に起因して、増幅信号に多くのノイズが存在している。このため、振幅リミッタ処理を行わないと、血流出力の脈波に乱れが生じてしまう。

0163

図19に示す波形は、図18の場合と同様に、半導体レーザ120がモードホップにより不安定な発振状態にある場合に得られる波形の一例であるが、本実施例に係る振幅リミッタ処理を行って復調している。このため、振幅リミッタ部500の振幅制限作用により、ノイズ成分が抑圧されている。その結果、血流出力における脈波の乱れは、最小限に抑えられ、図17の場合と同様に、モードホップしていない(即ち、ノイズのない)状態に近い波形が得られている。

0164

以上説明したように、第5実施例に係る測定装置によれば、半導体レーザ120のモードホップによるノイズが生じても、その影響を抑圧して、より正確な血流測定を実施することが可能である。なお、振幅リミッタ処理によるモードホップの影響抑制効果は、比較的モードホップの発生頻度が穏やかな場合に有効であり、モードホップの発生頻度が大きく増加すると、十分ではなくなるおそれがある。しかしながら本実施形態では、上述したように、高い頻度でモードホップが発生した場合には、レーザ駆動部110の駆動電流の制御、温度制御、或いは液晶400による戻り光の制御により、モードホップの発生頻度を低下させることができる。従って、モードホップの発生状況に応じて、その影響を効果的に抑制することが可能である。

実施例

0165

本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う測定装置及び測定方法、並びにコンピュータプログラム及び記録媒体もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。

0166

110レーザ駆動部
120半導体レーザ
130受光素子
140 I−V変換部
150増幅器
160 A/D変換器
165バッファ処理部
170血流演算部
171ハニング窓処理部
172FFT処理部
173 2乗演算部
174 1次モーメント積算部
175LPF部
180モードホップ検出部
181絶対値化部
182ピーク検出部
183レベル比較部
184カウンタ部
185回数比較部
186 LPF部
187 レベル比較部
190 モードホップ抑制処理部
200被測定対象
300ペルチェ素子
400液晶
500振幅リミッタ部
501極性判定部
502 選択部
503 −1倍部
504 データ入れ替え部

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