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課題
解決手段
概要
背景
概要
本発明の課題は、手間をかけることなく推定重量の精度を高めることができる商品検査システムを提供することにある。商品検査システム100では、補正部55が、X線検査装置1による商品Gの重量推定値の総和と、組合せ計量機2の計量ホッパ24による商品Gの重量測定値の総和とを比較することによって、重量推定値と重量測定値との差が明確になるので、その差を補正することによって推定精度を向上させることができる。B
目的
本発明の課題は、手間をかけることなく推定重量の精度を高めることができる商品検査システムを提供する
効果
実績
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請求項1
商品の重量推定を行なう商品検査システムであって、前記商品にX線を照射し、前記商品を透過したX線を検出して前記商品の重量を推定する重量推定部と、前記商品の重量を測定する重量測定部と、前記重量測定部から複数の前記商品の重量に関する情報を取得し、記憶する記憶部と、前記情報に基づいて前記重量推定部における重量の推定を補正する補正部と、を備える、商品検査システム。
請求項2
前記補正部は、前記重量推定部からの複数の前記商品の重量情報と前記重量測定部からの複数の前記商品の重量情報とを比較して、前記重量推定部における重量の推定を補正する、請求項1に記載の商品検査システム。
請求項3
前記補正部は、前記重量推定部で推定した複数の前記商品の重量の総和と前記重量測定部で測定した複数の前記商品の重量の総和とを比較して、前記重量推定部における重量の推定を補正する、請求項1に記載の商品検査システム。
請求項4
前記補正部は、前記重量推定部で前記商品の重量推定を開始したときから前記重量測定部から最初の重量データが出力されるまでの期間内に前記重量推定部で重量を推定した商品を除いた複数の前記商品の重量の総和と、前記重量測定部で測定した複数の前記商品の重量の総和とを比較して、前記重量推定部における重量の推定を補正する、請求項1に記載の商品検査システム。
請求項5
前記商品は、前記重量測定部を経由した後に前記重量推定部に流れる、請求項1から請求項3のいずれかに記載の商品検査システム。
請求項6
前記補正部は、前記重量測定部からの重量情報に基づく測定値ヒストグラムと、前記重量推定部からの重量情報に基づく推定値ヒストグラムとを比較して、前記重量推定部における重量の推定を補正する、請求項1に記載の商品検査システム。
請求項7
請求項8
前記商品は、前記重量推定部を経由した後に前記重量測定部に流れる、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の商品検査システム。
請求項9
請求項10
技術分野
背景技術
0002
従来、特許文献1(WO2007/058212公報)に開示されている重量測定装置においては、運転前に商品サンプルを用いてX線透過画像に含まれる単位領域ごとの明るさである階調と、これに対応する単位領域ごとの推定質量との関係を算出し、X線検査装置による重量推定を行っていた。
発明が解決しようとする課題
0004
本発明の課題は、手間をかけることなく推定重量の精度を高めることができる商品検査システムを提供することにある。
課題を解決するための手段
0005
本発明の第1観点に係る商品検査システムは、商品の重量推定を行なう商品検査システムであって、重量推定部と、重量測定部と、記憶部と、補正部とを備えている。重量推定部は、商品にX線を照射し、商品を透過したX線を検出して商品の重量を推定する。重量測定部は、商品の重量を測定する。記憶部は、重量測定部から複数の商品の重量に関する情報を取得し、記憶する。補正部は、情報に基づいて重量推定部における重量の推定を補正する。
0006
この商品検査システムでは、例えば、一定数以上の複数の商品の推定した重量の総和と、実測した重量の総和とを比較することによって、推定値と実測値との差が明確になるので、その差を補正することによって推定精度を向上させることができる。
0007
本発明の第2観点に係る商品検査システムは、第1観点に係る商品検査システムであって、補正部が、重量推定部からの複数の商品の重量情報と重量測定部からの複数の商品の重量情報とを比較して、重量推定部における重量の推定を補正する。
0008
本発明の第3観点に係る商品検査システムは、第1観点に係る商品検査システムであって、補正部が、重量推定部で推定した複数の商品の重量の総和と重量測定部で測定した複数の商品の重量の総和とを比較して、重量推定部における重量の推定を補正する。
0009
本発明の第4観点に係る商品検査システムは、第1観点に係る商品検査システムであって、補正部が、重量推定部で商品の重量推定を開始したときから重量測定部から最初の重量データが出力されるまでの期間内に重量推定部で重量を推定した商品を除いた複数の商品の重量の総和と、重量測定部で測定した複数の商品の重量の総和とを比較して、重量推定部における重量の推定を補正する。
0010
この商品検査システムでは、重量推定部が工程の上流にあって、その下流に重量測定部ある場合、重量推定部が測定を開始した後、重量測定部から最初に重量データが来るまでの時間をタイムラグとして、その時間分の重量を常に引き算する処理をしておくことによって、推定精度があがる。
0011
本発明の第5観点に係る商品検査システムは、第1観点から第3観点のいずれか1つに係る商品検査システムであって、商品が、重量測定部を経由した後に重量推定部に流れる。
0012
本発明の第6観点に係る商品検査システムは、第1観点に係る商品検査システムであって、補正部が、重量測定部からの重量情報に基づく測定値ヒストグラムと、重量推定部からの重量情報に基づく推定値ヒストグラムとを比較して、重量推定部における重量の推定を補正する。
0013
この商品検査システムでは、例えば、商品一個ずつの重量がわかるとすれば、横が重さで縦が個数のヒストグラムを作成することができるので、測定値ヒストグラムのピークと、推定値ヒストグラムのピークとが一致するように、重量推定部側のピークをずらすだけで商品一個ずつの重量推定の精度がよくなる。
0014
本発明の第7観点に係る商品検査システムは、第1観点から第6観点のいずれか1つに係る商品検査システムであって、重量推定部が、X線検査装置であって、商品の内容物の個数検査も行う。
0016
本発明の第8観点に係る商品検査システムは、第1観点から第4観点のいずれか1つに係る商品検査システムであって、商品が、重量推定部を経由した後に重量測定部に流れる。
0017
本発明の第9観点に係る商品検査システムは、第1観点に係る商品検査システムであって、重量推定部が推定した商品の重量が所定条件を充足しないとき、所定条件を充足しない商品を排除する振り分け部をさらに備える。
0018
この商品検査システムでは、例えば、重量推定部が推定した商品の重量が、基準重量の範囲内ではあるが平均値よりも低いものを排除することによって、平均値を上げることができる。また、重量推定の精度を向上させることで、組合せ計量機に送られる商品の重量を揃えることができるため、組合せ精度を向上させ、さらに、袋に充填された商品Gの個数を揃えることができる。
0019
本発明の第10観点に係る商品検査システムは、第1観点から第9観点のいずれか1つに係る商品検査システムであって、重量測定部が、組合せ計量機の計量ホッパである。
発明の効果
0020
本発明に係る商品検査システムでは、例えば、一定数以上の複数の商品の推定した重量の総和と、実測した重量の総和とを比較することによって、推定値と実測値との差が明確になるので、その差を補正することによって推定精度を向上させることができる。
図面の簡単な説明
0021
本発明の第1実施形態に係る商品検査システムを構成する検査ラインのイメージ図。
商品検査システムの制御ブロック図。
X線検査装置の外観斜視図。
X線検査装置の内部構成図。
X線検査の原理を示す模式図。
計量包装システムの構成図。
重量推定値と重量測定値の総重量比較のイメージ図。
重量推定値と重量測定値の総重量の比較結果例。
重量推定値および重量測定値のヒストグラムを示した図。
重量推定値および重量測定値の分布曲線を示した図。
本発明の第2実施形態に係る商品検査システムを構成する検査ラインのイメージ図。
実施例
0022
以下図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
0023
<第1実施形態>
(1)商品検査システム100の構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る商品検査システム100を構成する検査ラインのイメージ図である。また、図2は、商品検査システム100の制御ブロック図である。
0027
また、コントローラ50は、組合せ計量機2から複数の商品Gの重量に関する情報を取得し記憶する記憶部51と、所定の演算を行なう演算部53と、記憶部51内の情報に基づいてX線検査装置1における重量の推定を補正する補正部55とを含んでいる。
0028
(2)X線検査装置1全体の構成
図3は、X線検査装置1の外観斜視図である。図1において、X線検査装置1は、食品等の商品Gの検査ライン(図1参照)に組み込まれて商品Gの重量検査を行う装置の1つであって、連続的に搬送されてくる商品Gに対してX線を照射することにより商品Gの良否判断を行う装置である。
0029
検査対象物である商品Gは、ベルトコンベア60によってX線検査装置1のところまで運ばれてくる。商品Gは、X線検査装置1において良品または不良品に分類される。このX線検査装置1での検査結果は、X線検査装置1の下流側に配置されている振分機構70に送られる。振分機構70は、X線検査装置1において不良品と判断された商品Gを、不良排出方向90、不良排出方向91へと振り分ける。
0030
図4は、X線検査装置1の内部構成図である。図3及び図4において、X線検査装置1は、シールドボックス11と、コンベア12と、X線照射器13と、X線ラインセンサ14と、タッチパネル機能付きのモニタ15(図3参照)と、X線制御部10(図2参照)とから構成されている。
0031
(2−1)シールドボックス11
シールドボックス11の両側面には、商品Gをシールドボックス11の内外に搬入出させるための開口11aが形成されている。開口11aは、シールドボックス11の外部へのX線の漏洩を防止するために、遮蔽ノレン(図示せず)により塞がれている。この遮蔽ノレンは、鉛を含むゴムから成形されており、商品Gが開口11aを通過する際に商品Gによって押しのけられるようになっている。
0032
そして、シールドボックス11内には、コンベア12、X線照射器13、X線ラインセンサ14、X線制御部10等が収容されている。また、シールドボックス11の正面上部には、モニタ15の他、キーの差し込み口および電源スイッチ等が配置されている。
0033
(2−2)コンベア12
コンベア12は、シールドボックス11内において商品Gを搬送するものであり、図3に示すように、シールドボックス11の両側面に形成された開口11aを貫通するように配置されている。そして、コンベア12は、コンベアモータ(図示せず)によって駆動される駆動ローラによって無端状のベルトを回転させながら、ベルト上に載置された商品Gを搬送する。
0036
(2−4)X線ラインセンサ14
図5は、X線検査の原理を示す模式図である。図5において、X線ラインセンサ14は、コンベア12の下方に配置されており、主として多数の画素センサ14aから構成されている。これらの画素センサ14aは、コンベア12による搬送方向に直交する向きに一直線に水平配置されている。また、各画素センサ14aは、商品Gやコンベア12を透過したX線を検出し、X線透視像信号を出力する。X線透視像信号は、X線の明るさ(濃度)を示すものである。
0037
(2−5)モニタ15
モニタ15は、フルドット表示の液晶ディスプレイであり、検査時に必要となる検査パラメータ等の入力をオペレータに促す画面を表示する。また、モニタ15は、タッチパネル機能も有しており、オペレータからの検査パラメータ等の入力を受け付ける。
0038
(2−6)X線制御部10
X線制御部10は、画像生成部10aと、領域判別部10bと、重量推定部10cとを有している。画像生成部10aは、X線ラインセンサ14から出力されるX線透視像信号に基づいて、商品GのX線透過画像を生成する。領域判別部10bは、画像生成部10aにより生成された商品Gを写すX線透過画像から、商品領域を判別する。重量推定部10cは、領域判別部10bにより判別された商品領域に対して画像処理を施すことにより、商品Gの重量を推定する。当該重量推定処理は、X線透過画像上においてはX線の照射方向に厚みのある物質ほど暗く写るという性質を利用し、以下の原理に基づいて行われる。
0039
X線透過画像上の厚さtの物質を写す画素の明るさIは、物質の存在しない領域に含まれる画素の明るさをI0とした場合、以下の式(1)によって表される。
0041
t=−1/μ×ln(I/I0) ・・・(2)
また、内容物の微小部位の重量は、当該微小部位の厚さに比例する。したがって、明るさIの画素の写す内容物の微小部位の重量mは、適当な定数αを用いて、以下の式(3)によって近似的に算出される。
0042
m=−αln(I/I0) ・・・(3)
重量推定部10cは、商品Gを構成する全ての画素に対応する重量mを算出して足し合わせることにより、商品G全体の重量を推定する。
0043
(3)組合せ計量機2
図6は、計量包装システムの構成図である。図6において、計量包装システムは、組合せ計量機2と、縦型製袋包装機3とを含んでいる。組合せ計量機2は、一定量の被包装物Xを計り取るとともに、下方に配設された縦型製袋包装機3に計量された被包装物(商品G)を供給する。
0045
(3−1)分散フィーダ21およびトラフ22
組合せ計量機2に計量対象となる被包装物が供給されると、この供給された被包装物は、分散フィーダ21の中央部付近に落下させられる。分散フィーダ21の周縁には複数のトラフ22が設けられている。
0046
また、分散フィーダ21およびトラフ22には、加振装置(図示省略)からの振動が付与されている。これにより、分散フィーダ21に供給された被包装物は、各トラフ22を経由して落下し、対応するプールホッパ23に貯留される。
0047
(3−2)プールホッパ23および計量ホッパ24
複数のプールホッパ23のそれぞれは、対応する計量ホッパ24の上方に配設されており、計量ホッパ24に供給する被包装物を一時的に貯留する。また、複数の計量ホッパ24それぞれは、対応するプールホッパ23から供給される被包装物Xの重量を計量する重量検出器(例えばロードセル:図示省略)有している。
0048
(3−3)集合シュート25および計量機制御部20
計量機制御部20は、各計量ホッパ24に貯留される被包装物(商品G)の重量値を検出する。そして、計量機制御部20は、各重量値の組合せによって得られる総和のうち所望値に最も近い組合せを演算するとともに、この組合せに対応する計量ホッパ24から集合シュート25に向けて被包装物Xを排出させる。
0049
これにより、集合シュート25に排出された一定量の被包装物は、縦型製袋包装機3に供給される。
0050
また、計量機制御部20は、被包装物Xが排出されて空となった計量ホッパ24に被包装物を補充するため、対応するプールホッパ23から計量ホッパ24に向けて被包装物Xを供給させる。
0051
(4)縦型製袋包装機3
縦型製袋包装機3は、図6に示すように、組合せ計量機2の下方に配設されており、組合せ計量機2から排出されて落下する被包装物をフィルムF(例えば、プラスチックで形成されたフィルム)によって袋詰する装置である。
0053
(4−1)チューブ31およびフォーマ32
チューブ31とフォーマ32とは、供給されるフィルムFを筒状に成形する成形機構である。チューブ31は、略円筒形状の部材であり、その上下端は開口している。フォーマ32は、チューブ31を取り囲むように配設されている。
0054
チューブ31とフォーマ32との間にフィルムFが繰り入れられると、この繰り入れられたフィルムFはチューブ31に巻き付けられて略筒状に成形される。
0056
(4−2)プルダウンベルト33および縦シール装置34
プルダウンベルト33および縦シール装置34は、チューブ31およびフォーマ32の下方に配設される。プルダウンベルト33は、チューブ31に巻き付けられたフィルムFを矢印AR1方向(フィルムFの流れ方向:Z軸と略平行な方向)に搬送する。
0058
(4−3)横シール装置35
一対の横シール装置35は、フィルムFを溶着して切断する。一対のシールジョー35aの回動動作が同期することにより、筒状のフィルムFは、一方のシールジョー35aと他方のシールジョー35aとの間に挟み込まれて熱圧着される。
0061
したがって、CPU30bは、メモリ30aに格納されているプログラムに従って、横シール装置35等の動作制御を所定のタイミングで実行することができる。また、包装機制御部30は、計量機制御部20と電気的に接続されている。したがって、両制御部20、30の間で制御信号の送受信が行われることにより、例えば、組合せ計量機2および縦型製袋包装機3の動作を同期させることができる。
0062
縦型製袋包装機3において被包装物(商品G)が充填された袋Bは、縦型製袋包装機3の下流側工程に配置されているシールチェッカー(図示省略)、重力チェッカー(図示省略)によってシール状況、重量のチェックが行われる。そして、そのチェックが完了した良品の袋Bは、箱詰ユニット(図示省略)おいてダンボール箱等に箱詰される。
0063
(5)重量推定値の補正
検査ラインでは、上流側のX線検査装置1で重量推定された商品Gが、下流側の組合せ計量機2の計量ホッパ24で重量測定される。しかし、重量推定された商品Gが、複数ある計量ホッパ24のいずれの計量ホッパ24で重量測定されるのか特定することはできないので、1つの商品Gの重量推定値を実際に測定した重量測定値で重量推定値を補正することは容易ではない。
0064
(5−1)総重量比較による補正
図7Aは、重量推定値と重量測定値の総重量比較のイメージ図である。図7Aにおいて、X線検査装置1が検査ライン上流側にあって、組合せ計量機2がその下流側にあるので、X線検査装置1による重量推定値のデータ蓄積開始時間と、組合せ計量機2による重量測定値のデータ蓄積開始時間との間には、「X線検査装置1から組合せ計量機2に流れてきた商品群のうちのいずれかの商品Gが最初に組合せ計量機2で重量測定され、その重量測定値M1がコントローラ50のコントローラ50に送られてくるまでの時間」がタイムラグとして存在する。
0065
そこで、本実施形態では、X線検査装置1から最初に重量推定値(E1)が送られてきたときから、組合せ計量機2から最初の重力測定値(M1)が送られてくるまでの時間をタイムラグtとして、そのタイムラグt内に推定された重量推定値(Mj、Mj+1、Mj+2)を、蓄積したデータの中から引き算し、重量推定値の蓄積データ数と重量測定値の蓄積データ数を同じにして、比較する。ここで、タイムラグt内に重量推定される商品Gの数量は、タイムラグt、搬送能力、X線検査装置1と組合せ計量機2との距離で決まる。
0066
図7Bは、重量推定値と重量測定値の総重量の比較結果例である。図7Bにおいて、重量推定値の総和が100kg、重量測定値の総和が110kgであるならば、その差は10kgであり、重量測定値に対する重量推定値の誤差は9%である。
0067
例えば、重量推定の誤差を5%未満としたい場合、補正部55は、誤差分を補正するため係数1.1を重量推定値にかけ、重量推定の精度を向上させる。
0068
(5−2)ヒストグラム比較による補正
上記「(5−1)総重量比較による補正」では、X線検査装置1で重量推定された商品Gの重量推定値と、組合せ計量機2の計量ホッパ24で重量測定された商品Gの重量測定値とが、一対一で紐付けることができない、という前提で説明した。
0071
それゆえ、補正部55は、X線検査装置1の重量推定値をd1だけ高くなるように補正することによって、重量推定値を重量測定値に近づけることができる。例えば、重量推定値のピーク30g、重量測定値が35gであったとき、重量推定値のピークを5g増やす方へずらすだけで商品1個ずつの精度がよくなる。
0072
(5−3)分布比較による補正
検査ラインを流れる商品GのLotを母集団とし、組合せ計量機2の計量ホッパ24で実測された商品Gを標本とした場合、標本の数量が増加するほど、標本の分布は、母集団の分布に近似してくる。
0073
仮に、X線検査装置1により推定された重量が、実際の重量と一致しているならば、重量推定値の分布は、実測した重量測定値の分布に近似するはずである。
0074
そこで、X線検査装置1で推定した商品Gの重量である重量推定値を記憶部51に記憶し、さらに組合せ計量機2の計量ホッパ24で測定した商品の重量である重量測定値も記憶部51に記憶する。
0075
重量推定値および重量測定値が所定数以上確保された時点で、各分布を比較して一致するように重量推定値を補正するだけでも精度が向上する。
0076
また、(5−1)で説明したように、「X線検査装置1から組合せ計量機2に流れてきた商品群のうちのいずれかの商品Gが最初に組合せ計量機2で重量測定され、その測定値が補正部に送られてくるまでの時間」がタイムラグとして存在するので、重量推定値の蓄積データ数と重量測定値の蓄積データ数を同じにする処理をしてもよい。
0078
それゆえ、補正部55は、X線検査装置1の重量推定値をd2だけ高くなるように補正することによって、重量推定値を重量測定値に近づけることができる。
0079
(6)第1実施形態の変形例
例えば、コントローラ50が、演算部53を介してX線検査装置1からの重量推定値の平均値を算出しながら、ある商品Gの重量推定値が基準重量(許容範囲)ではあるが平均値よりも低い場合には、平均値が下がってくることを避けるためにその商品Gを排除する処理を行なうこともできる。この場合、重量推定値の平均値が上がるので、組合せにも有利である。
0080
(7)第1実施形態の特徴
(7−1)
商品検査システム100では、補正部55が、X線検査装置1による商品Gの重量推定値の総和と、組合せ計量機2の計量ホッパ24による商品Gの重量測定値の総和とを比較することによって、重量推定値と重量測定値との差が明確になるので、その差を補正することによって推定精度を向上させることができる。
0081
(7−2)
商品検査システム100では、補正部55が、X線検査装置1で商品Gの重量推定を開始したときから組合せ計量機2から最初の重量データが出力されるまでの期間内にX線検査装置1で重量を推定した商品Gを除いた複数の商品Gの重量推定値の総和と、組合せ計量機2で測定した複数の商品Gの重量測定値の総和とを比較して、X線検査装置1における重量の推定を補正するので、推定精度があがる。
0082
(7−3)
補正部55は、X線検査装置1による重量推定値に基づく推定値ヒストグラムと、組合せ計量機2による重量測定値に基づく測定値ヒストグラムとを比較して、X線検査装置1における重量の推定を補正するので、例えば、双方のヒストグラムのピークとが一致するように、X線検査装置1側のピークをずらすだけで商品G一個ずつの重量推定の精度がよくなる。
0083
(7−4)
商品Gは、X線検査装置1を経由した後に組合せ計量機2に流れる。
0084
(7−5)
商品検査システム100では、X線検査装置1が推定した商品Gの重量推定値が平均値未満のときは、当該商品Gを振分機構70によって排除するので、重量平均値をあげることができる。
0085
<第2実施形態>
第1実施形態では、組合せ計量機2で商品Gを組み合わせる前に、商品Gの重量を選別するために、X線検査装置1によって、基準重量(許容範囲)よりも軽いもの又は重いものを外すことによって、組合せ計量における個数が大体同じになる。それゆえ、X線検査装置1での重量推定値の精度を上げる意義があった。
0086
他方、袋詰めされた商品Gの個数検査のために、X線検査装置1が組合せ計量機2及び縦型製袋包装機3の下流側に配置される検査ラインの構成もある。第2実施形態では、そのような構成の商品検査システム200について説明する。
0087
(1)商品検査システム200の構成
図10は、本発明の第2実施形態に係る商品検査システム200を構成する検査ラインのイメージ図である。図10において、商品検査システム200は、第1実施形態の商品検査システム100において、X線検査装置1を組合せ計量機2及び縦型製袋包装機3の下流側に配置した点で相違しており、それ以外は第1実施形態と同様である。
0088
(2)重量推定値の補正
(2−1)ヒストグラム比較による補正
本実施形態では、組合せ計量機2から送られてくる組合せ重量測定値と、袋内の個数検査をするためにX線検査装置1で推定した組合せ重量推定値とを一対一で比較することができる。
0089
仮に、第1実施形態の図8のように、組合せ重量推定値のヒストグラムのピークが組合せ重量測定値のヒストグラムのピークより低いほうにずれているならば、補正部55は、両者のピークが合うようにX線検査装置1の組合せ重量推定値を高くなるように補正することによって、組合せ重量推定値の精度を高めることができる。
0090
(2−2)総重量比較による補正
また、図7Bのように、組合せ重量推定値の総和と、組合せ重量測定値の総和との間に差があり、その差が組合せ重量測定値に対して5%を超えている場合には、補正部55は、誤差分を補正するため、組合せ重量推定値の総和と組合せ重量測定値の総和とが一致するように適切な係数を組合せ重量推定値にかけて、重量推定の精度を向上させる。
0091
(3)個数検査における重量推定精度向上の意義
商品Gによっては袋Bの中で複雑に重なっており、個数検査は人の目では可能でも機械的には難しい。そこで、X線検査装置1では、特定した領域に何個あるのかを判断するために、重量推定を使っている。
0092
先ず、特定した領域の重量を推定して、その重量推定値の平均値を商品Gの単重でわって個数を算出している。したがって、袋Bの中で商品Gが複雑に重なった領域の重量推定の精度が高くなければ、その重量推定値の平均値を商品Gの単重でわって算出する個数に誤差がでる。
0093
それゆえ、第2実施形態では、重量推定の精度をあげるために、袋B全体の重量推定値を出して蓄積している。
0094
(4)第2実施形態の特徴
(4−1)
商品検査システム200では、補正部55が、組合せ計量機2による商品Gの組合せ重量測定値の総和と、X線検査装置1による商品Gの組合せ重量推定値の総和と、を比較することによって、組合せ重量測定値と組合せ重量推定値との差が明確になるので、その差を補正することによって推定精度を向上させることができる。
0095
(4−2)
商品検査システム200では、商品Gが、組合せ計量機2を経由した後にX線検査装置1に流れる。
0096
(4−3)
補正部55は、組合せ計量機2による重量測定値に基づく測定値ヒストグラムと、X線検査装置1による重量推定値に基づく推定値ヒストグラムとを比較して、X線検査装置1における重量の推定を補正するので、例えば、双方のヒストグラムのピークとが一致するように、X線検査装置1側のピークを合わせるだけで商品G一個ずつの重量推定の精度がよくなる。
0097
(4−4)
商品検査システム200では、X線検査装置1が袋Bの内容物(商品G)の個数検査も行う。
0098
1X線検査装置(重量推定部)
2組合せ計量機(重量測定部)
51 記憶部
55補正部
70 振分機構(振ろ分け部)
100商品検査システム
200 商品検査システム
先行技術
0099
WO2007/058212公報
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