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技術 あと施工アンカーの施工方法

出願人 住友大阪セメント株式会社
発明者 安藤重裕田村努兼吉孝征
出願日 2018年3月20日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2018-053199
公開日 2019年9月26日 (10ヶ月経過) 公開番号 2019-163668
状態 未査定
技術分野 建築構造の接合一般 現場におけるコンクリートの補強物挿入作業
主要キーワード 保水成分 カプセル式 込み棒 付着破壊 施工方式 穿孔内 金属拡張アンカー アーウィン
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年9月26日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (6)

課題

アンカー筋の引き抜けが生じにくく、かつ、コンクリート構造物ひび割れによって生じるアンカー筋の引張耐力の低下が抑制されたあと施工アンカー施工することが可能なあと施工アンカーの施工方法を提供することを課題とする。

解決手段

本発明に係るあと施工アンカーの施工方法は、コンクリート構造物の表面に直径D1の孔を穿孔後、該孔の底部に、最大直径D2の拡底部を形成することにより、拡底孔を穿孔する工程と、前記拡底孔に無機系充填材充填する工程と、直径D3の胴部と最大直径D4の拡底頭部とを備えるアンカー筋を前記拡底孔に挿入する工程と、前記アンカー筋を打ち込んで、前記拡底頭部の最大直径をD5に拡張させる工程とを有し、(1)式[D4−D3≧4.0mm]、(2)式[D5/D1≧1.10]、(3)式[D5/D2<1.10]及び(4)式[D5/D3≧1.40]を満たす。

概要

背景

従来、既設コンクリート構造物に他の部材を連結する場合、該コンクリート構造物の表面に形成された穿孔内に、鉄筋ボルト等のアンカー筋を取り付けることにより、該アンカー筋と他の部材とを連結する、あと施工アンカー工法が用いられている。

あと施工アンカー工法としては、例えば、既設のコンクリート構造物の表面に形成された穿孔内面とアンカー筋との間にセメント等を含む充填材充填し、該充填材が化学反応によって硬化することにより、前記アンカー筋を前記充填材で固定する接着系アンカー工法が挙げられる。前記充填材としては、無機系充填材及び有機系充填材が使用されている。また、施工方式としては、注入式とカプセル式とがある。

他にも、既設のコンクリート構造物の表面に拡底孔を穿孔し、該拡底孔内でアンカー筋の先端の拡底部を拡張させることにより、該アンカー筋の先端部を前記拡底孔の内面に機械的に固着させる金属拡張アンカー工法が挙げられる。

さらに、前記接着系アンカー工法と前記金属拡張アンカー工法とを組み合わせた工法、すなわち、既設のコンクリート構造物の表面に形成された拡底孔内でアンカー筋の先端の拡底部を拡張させ、さらに、前記拡底孔の内面と前記アンカー筋との間に充填材を充填することにより、あと施工アンカーを施工する工法も報告されている(特許文献1及び2)。

概要

アンカー筋の引き抜けが生じにくく、かつ、コンクリート構造物のひび割れによって生じるアンカー筋の引張耐力の低下が抑制されたあと施工アンカーを施工することが可能なあと施工アンカーの施工方法を提供することを課題とする。 本発明に係るあと施工アンカーの施工方法は、コンクリート構造物の表面に直径D1の孔を穿孔後、該孔の底部に、最大直径D2の拡底部を形成することにより、拡底孔を穿孔する工程と、前記拡底孔に無機系充填材を充填する工程と、直径D3の胴部と最大直径D4の拡底頭部とを備えるアンカー筋を前記拡底孔に挿入する工程と、前記アンカー筋を打ち込んで、前記拡底頭部の最大直径をD5に拡張させる工程とを有し、(1)式[D4−D3≧4.0mm]、(2)式[D5/D1≧1.10]、(3)式[D5/D2<1.10]及び(4)式[D5/D3≧1.40]を満たす。

目的

本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、アンカー筋の引き抜けが生じにくく、かつ、コンクリート構造物のひび割れによって生じるアンカー筋の引張耐力の低下が抑制されたあと施工アンカーを施工することが可能なあと施工アンカーの施工方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

コンクリート構造物の表面に直径D1の孔を穿孔後、該孔の底部に、最大直径D2の拡底部を形成することにより、拡底孔を穿孔する工程と、前記拡底孔に無機系充填材充填する工程と、直径D3の胴部と最大直径D4の拡底頭部とを備えるアンカー筋を前記拡底孔に挿入する工程と、前記アンカー筋を打ち込んで、前記拡底頭部の最大直径をD5に拡張させる工程とを有し、下記(1)〜(4)式を満たす、あと施工アンカー施工方法。D4−D3≧4.0mm・・・(1)D5/D1≧1.10・・・(2)D5/D2<1.10・・・(3)D5/D3≧1.40・・・(4)

請求項2

前記無機系充填材が、粒径1mm以上の細骨材を含有する、請求項1に記載のあと施工アンカーの施工方法。

技術分野

0001

本発明は、あと施工アンカー施工方法に関する。

背景技術

0002

従来、既設コンクリート構造物に他の部材を連結する場合、該コンクリート構造物の表面に形成された穿孔内に、鉄筋ボルト等のアンカー筋を取り付けることにより、該アンカー筋と他の部材とを連結する、あと施工アンカー工法が用いられている。

0003

あと施工アンカー工法としては、例えば、既設のコンクリート構造物の表面に形成された穿孔内面とアンカー筋との間にセメント等を含む充填材充填し、該充填材が化学反応によって硬化することにより、前記アンカー筋を前記充填材で固定する接着系アンカー工法が挙げられる。前記充填材としては、無機系充填材及び有機系充填材が使用されている。また、施工方式としては、注入式とカプセル式とがある。

0004

他にも、既設のコンクリート構造物の表面に拡底孔を穿孔し、該拡底孔内でアンカー筋の先端の拡底部を拡張させることにより、該アンカー筋の先端部を前記拡底孔の内面に機械的に固着させる金属拡張アンカー工法が挙げられる。

0005

さらに、前記接着系アンカー工法と前記金属拡張アンカー工法とを組み合わせた工法、すなわち、既設のコンクリート構造物の表面に形成された拡底孔内でアンカー筋の先端の拡底部を拡張させ、さらに、前記拡底孔の内面と前記アンカー筋との間に充填材を充填することにより、あと施工アンカーを施工する工法も報告されている(特許文献1及び2)。

先行技術

0006

特開2017−172168号公報
意匠登録第1192884号公報

発明が解決しようとする課題

0007

金属拡張アンカー工法において、拡底孔の内面とアンカー筋との間に若干の空隙が生じると、振動の影響を受けやすくなる。その結果、前記アンカー筋の緩みが生じ、該アンカー筋がコンクリート構造物から引き抜けやすくなるという問題があった。そのため、コンクリート構造物の表面には、アンカー筋の形状に合わせて、拡底孔を寸法精度良く穿孔することが求められる。しなしながら、金属拡張アンカー工法において用いられるアンカー筋は、先端に拡底部を有する複雑な形状をしているため、当該形状に合わせて寸法精度で良く拡底孔を穿孔することは困難であった。

0008

従来、拡底孔の内面とアンカー筋との間に充填剤を充填し、振動の影響を低減させることで、アンカー筋の引き抜けを抑制していた。しかしながら、アンカー筋を充填材で固定した後にコンクリート構造物がひび割れした場合、前記アンカー筋の引張耐力が著しく低下するという問題があった。

0009

本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、アンカー筋の引き抜けが生じにくく、かつ、コンクリート構造物のひび割れによって生じるアンカー筋の引張耐力の低下が抑制されたあと施工アンカーを施工することが可能なあと施工アンカーの施工方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは、コンクリート構造物の表面に形成する拡底孔及び該拡底孔に挿入するアンカー筋の寸法を所定の範囲に調整し、かつ、充填材として無機系充填材を用いてあと施工アンカーを施工することにより、アンカー筋の引き抜けが生じにくく、かつ、コンクリート構造物のひび割れによって生じるアンカー筋の引張耐力の低下が抑制されたあと施工アンカーが得られることを見出した。本発明の要旨は、以下の通りである。

0011

本発明に係るあと施工アンカーの施工方法は、コンクリート構造物の表面に直径D1の孔を穿孔後、該孔の底部に、最大直径D2の拡底部を形成することにより、拡底孔を穿孔する工程と、前記拡底孔に無機系充填材を充填する工程と、直径D3の胴部と最大直径D4の拡底頭部とを備えるアンカー筋を前記拡底孔に挿入する工程と、前記アンカー筋を打ち込んで、前記拡底頭部の最大直径をD5に拡張させる工程とを有し、下記(1)〜(4)式を満たす。
D4−D3≧4.0mm ・・・(1)
D5/D1≧1.10 ・・・(2)
D5/D2<1.10 ・・・(3)
D5/D3≧1.40 ・・・(4)

0012

斯かる構成により、アンカー筋の引き抜けが生じにくく、かつ、コンクリート構造物のひび割れによって生じるアンカー筋の引張耐力の低下が抑制されたあと施工アンカーを施工することができる。

0013

前記あと施工アンカーの施工方法において、前記無機系充填材は、粒径1mm以上の細骨材を含有することが好ましい。

0014

斯かる構成により、充填材の硬化により生じる硬化収縮量を小さくすることができ、その結果、充填材のひび割れの発生を抑制することができる。また、骨材アーチ効果により引張耐力が向上する。

発明の効果

0015

本発明によれば、アンカー筋の引き抜けが生じにくく、かつ、コンクリート構造物のひび割れによって生じるアンカー筋の引張耐力の低下が抑制されたあと施工アンカーを施工することが可能なあと施工アンカーの施工方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0016

図1は、本実施形態に係るあと施工アンカーの施工方法における各工程を示す側面視の断面図である。
図2(a)及び(b)は、その他の実施形態に係るあと施工アンカーの施工方法における拡底孔を示す側面視の断面図である。
実施例におけるひび割れ付着強度試験に用いた装置を示す概略図である。
実施例における繰り返し引張試験に用いた油圧サーボ試験装置を示す概略図である。
各実施例及び各比較例で使用した珪砂骨粒度分布を示すグラフである。

0017

以下、本発明の実施形態に係るあと施工アンカーの施工方法について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るあと施工アンカーの施工方法における各工程を示す側面視の断面図である。

0018

(拡底孔の穿孔工程)
本実施形態に係るあと施工アンカーの施工方法では、まず、コンクリート構造物1の表面2に直径D1の孔3を穿孔後、該孔3の底部に、最大直径D2の拡底部4を形成することにより、拡底孔5を穿孔する工程を行う。

0019

孔3は、底面の直径がD1の円柱形状であり、例えば、ハンマードリルコアドリル等を用いて穿孔することができる。本実施形態に係るあと施工アンカーの施工方法では、孔3の直径D1を、後述するアンカー筋の拡底頭部の拡張後の最大直径D5と前記直径D1との比(D5/D1)が1.10以上、好ましくは1.20以上となる値にする。穿孔する孔3の深さは、特に限定されるものではなく、使用するアンカー筋の形状に合わせて適宜変更することができる。

0020

拡底部4とは、孔3の底部に形成され、かつ、該孔3の軸方向に垂直な断面における直径が、孔3の直径D1よりも大きい部分をいう。拡底部4において、前記軸方向に垂直な断面における直径のうち最も大きな直径を最大直径D2とする。本実施形態に係るあと施工アンカーの施工方法では、拡底部4の形状が円錐台形状である。この場合、該円錐台の底面の直径が最大直径D2となる。

0021

本実施形態に係るあと施工アンカーの施工方法では、拡底部4の最大直径D2を、後述するアンカー筋の拡底頭部の拡張後の最大直径D5と前記最大直径D2との比(D5/D2)が1.10未満、好ましくは1.0未満となる値にする。

0022

拡底部4は、例えば、アンダーカッター、拡底用ドリルビット等を用いて形成することができる。なお、拡底部4が形成された孔3を、拡底孔5という。

0023

(充填材の充填工程)
本実施形態に係るあと施工アンカーの施工方法では、拡底孔の穿孔工程後に、拡底孔5に無機系充填材6を充填する工程を行う。

0024

無機系充填材6としては、例えば、セメント及び細骨材を主成分とし、さらに、保水成分を含有するものを用いることができる。無機系充填材6は、水と混練されることにより硬化する。

0025

前記セメントとしては、特に限定されるものではなく、例えば、普通ポルトランドセメント早強ポルトランドセメント超早強ポルトランドセメント中庸熱ポルトランドセメント耐硫酸塩ポルトランドセメント白色ポルトランドセメント等のポルトランドセメント超速硬セメントアルミナセメント等が挙げられる。また、前記ポルトランドセメントにフライアッシュ高炉スラグ等を混合した各種混合セメントも使用することができる。前記超速硬セメントとしては、例えば、11CaO・7Al2O3・CaX2(Xはハロゲン元素)、12CaO・7Al2O3、カルシウムサルフォアルミネートアーウィン)等の結晶質若しくは非晶質のカルシウムアルミネートを含有するものが挙げられる。特に、充填時の流動性と充填後の硬化性とのバランスの観点から、前記超速硬セメントを用いることが好ましい。前記セメントの含有量は、前記無機系充填材100質量部に対して、30質量部以上であることが好ましく、25質量部以上であることがより好ましい。また、前記含有量は、60質量部以下であることが好ましく、57質量部以下であることがより好ましい。

0026

前記細骨材としては、特に限定されるものではなく、コンクリート又はモルタルに用いられる一般的な細骨材(例えば、天然由来のもの、人工的なもの、再生されたもの等)を用いることができる。前記細骨材は、充填材のひび割れを抑制し、かつ、引張耐力を向上させる観点から、粒径が1.0mm以上であることが好ましく、3.0mm以下であることが好ましい。また、粗粒率が1.00以上であることが好ましく、2.45以下であることが好ましい。なお、細骨材の粒径及び粗粒率は、JIS A 1102「骨材のふるい分け試験方法」に規定する方法で測定されるものである。前記細骨材の含有量は、前記セメント100質量部に対して、75質量部以上であることが好ましく、90質量部以上であることがより好ましい。また、前記含有量は、200質量部以下であることが好ましく、150質量部以下であることがより好ましい。また、前記細骨材/前記セメント成分比は、0.75以上であることが好ましく、2.0以下であることが好ましい。

0027

前記保水成分としては、特に限定されるものではなく、コンクリート又はモルタルに用いられる一般的な保水成分を用いることができる。具体的には、例えば、メチルセルロースヒドロキシメチルセルロースカルボキシメチルセルロースポリビニルアルコール、又は、これらの2種以上の混合物等が挙げられる。特に、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系の水溶性高分子を用いることが好ましい。

0028

前記無機系充填材6には、その他の成分として、膨張材ポリマー収縮低減剤凝結遅延剤硬化促進剤防錆剤防凍剤着色剤等が含有されていてもよい。

0029

(アンカー筋の挿入工程)
本実施形態に係るあと施工アンカーの施工方法では、充填材の充填工程後に、直径D3の胴部7と最大直径D4の拡底頭部8とを備えるアンカー筋9を前記拡底孔5に挿入する工程を行う。拡底孔5の内面とアンカー筋9との間の間隔は、特に限定されるものではないが、1.5mm以上5mm以下であることが好ましい。また、アンカー筋9としては、例えば、高強度鉄筋(鉄筋降伏強度:585N/mm2以上)を用いることができる。

0030

胴部7は、底面の直径がD3である円柱形状の部分をいう。胴部7の周方向の表面の一部又は全部には、ねじ切りが施されていてもよい。また、拡底頭部8は、胴部7に接し、かつ、胴部7の軸方向に垂直な断面における直径が、胴部7の直径D3よりも大きい部分をいう。拡底頭部8において、胴部7の軸方向に垂直な断面における直径のうち最も大きな直径を最大直径D4とする。

0031

本実施形態に係るあと施工アンカーの施工方法において使用するアンカー筋9は、胴部7の直径D3と拡底頭部8の最大直径D4との差が、4.0mm以上であり、好ましくは6.0mm以上であり、より好ましくは8.0mm以上である。

0032

また、本実施形態に係るあと施工アンカーの施工方法は、胴部7の直径D3を、後述するアンカー筋の拡底頭部の拡張後の最大直径D5と前記直径D3との比(D5/D3)が1.40以上、好ましくは1.60以上、より好ましくは1.80以上となる値にする。

0033

(アンカー筋の打ち込み工程)
本実施形態に係るあと施工アンカーの施工方法では、アンカー筋の挿入工程後に、アンカー筋9を打ち込んで、拡底頭部8の最大直径をD5に拡張させる工程を行う。

0034

アンカー筋9の打ち込みは、コンクリート構造物1の表面2から外方に突出しているアンカー筋9の胴部7の一部を、例えば、アンカー用込み棒等を用いて叩くことにより行う。アンカー筋9の拡底頭部8が拡底孔5の底部に接触することにより、拡底頭部8は外側に押し広げられて、拡底孔5の拡底部4の内面に固着する。

0035

上述の施工方法により、アンカー筋の引き抜けが生じにくく、かつ、コンクリート構造物のひび割れによって生じるアンカー筋の引張耐力の低下が抑制されたあと施工アンカーを施工することができる。

0036

本実施形態では、孔3の拡底部4の形状が円錐台形状である。しかしながら、孔3の拡底部4の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、図2(a)に示すように孔3の軸方向に垂直な断面の直径がD2の円柱形状であってもよいし、図2(b)に示すように2つの円錐台を、最大直径D2を有する底面同士が接するように上下に組み合わせた形状であってもよい。

0037

本実施形態では、拡底孔の穿孔工程の後に充填材の充填工程を行い、その後、アンカー筋の挿入工程を行う。しかしながら、本発明に係るあと施工アンカーの施工方法は、このような順序に限定されるものではなく、拡底孔の穿孔工程の後にアンカー筋の挿入工程を行い、その後、充填材の充填工程を行ってもよい。

0038

以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。

0039

(あと施工アンカーの作製)
鋼管に埋め込んだコンクリート構造物(強度:σB=24N/mm2)の表面に、直径D1の孔を穿孔後、該孔の底部に、最大直径D2の拡底部を形成することにより、拡底孔を穿孔した。次に、前記拡底孔に無機系充填材を充填した。その後、直径D3の胴部と最大直径D4の拡底頭部とを備える鉄筋(材質:SWCH10R)を前記拡底孔に挿入し、拡底頭部の最大直径がD5に拡張するまで前記鉄筋を打ち込んだ。その際、前記鉄筋の有効埋め込み長さは54mm(4.5da)であった。各実施例及び各比較例の施工方法におけるD1〜D5の値を表1に示す。なお、比較例5の施工方法では、無機系充填材を充填しなかった。

0040

無機系充填材としては、下記に示す成分及び配合量のものを用いた。
(成分)
・セメント:超速硬セメント(住友大阪セメント社製、マイルドジェットセメント
・細骨材:珪砂(実施例4については、5号砂、6号砂及び7号砂を2:1:1で配合。それ以外の実施例及び比較例については、3号砂,4号砂,5号砂,6号砂,7号砂をJIS砂の粒度分布と同等になるように配合。各珪砂の骨粒度分布を図5に示す。)
・保水成分:メチルセルロース系増粘剤(2%水溶液、粘度:4000mPa・S)(信越化学工業社製、ハイメトローズ90)
(配合量)
・セメントの細骨材に対する配合比=1:1
・保水成分のセメントに対する配合量=0.05%
水セメント比=40%

0041

0042

(ひび割れ付着強度試験)
各実施例及び各比較例の施工方法で作製したあと施工アンカーについて、まず、コンクリートにひび割れを生じさせることなく、付着強度試験を行った。次に、各実施例及び各比較例の施工方法で作製したあと施工アンカーの鋼管の側面から加力することにより、コンクリートにひび割れを生じさせた。πゲージで測定したひび割れ幅は、0.3mmであった。ひび割れを生じさせたあと施工アンカーについても同様に、付着強度試験を行った。なお、付着強度試験では、JCAA(日本建築あと施工アンカー協会)の「あと施工アンカー試験方法」に基づき、付着強度(アンカー材をコンクリート構造物から引き抜く力)を測定した。コンクリートへのひび割れ導入及び付着強度試験は、図3示す装置を用いて行った。測定した最大耐力、及び、該最大耐力から算出した耐力残存率の値を表2に示す。なお、耐力残存率の判定は、65%以上を合格とした。

0043

(繰り返し引張試験)
各実施例及び各比較例の施工方法で作製したあと施工アンカーについて、繰り返し引張試験を行った。繰り返し引張試験は、図4に示す油圧サーボ式試験装置を用いて、載荷上限荷重を最大耐力の40%、下限荷重を5kN、周波数を10kHz、波形sin波繰り返し回数を最大200万回として行った。破断時の繰り返し回数及び破断状況を表2に示す。なお、破断状況の判定は、鉄筋破断したものを合格、付着破壊したものを不合格とした。

0044

0045

表2の結果から分かるように、本発明の要件をすべて満たす実施例1〜4の施工方法で作製したあと施工アンカーは、ひび割れ付着強度試験において耐力残存率が65%以上となることから、ひび割れによって生じるアンカー筋の引張耐力の低下が抑制されていることが分かる。特に、実施例1〜3の施工方法で作製したあと施工アンカーは、粒径1mm以上の細骨材を含有する無機系充填材を用いているため、ひび割れ付着強度試験において耐力残存率が70%以上となり、ひび割れによって生じるアンカー筋の引張耐力の低下がより抑制されていることが分かる。

0046

また、本発明の要件をすべて満たす実施例1〜4の施工方法で作製したあと施工アンカーは、繰り返し引張試験において、破断時の繰り返し回数が大きく、また、鉄筋破断により破壊されることから、アンカー筋の引き抜けが生じにくいことが分かる。

0047

一方、比較例1及び2の施工方法で作製したあと施工アンカーは、本発明で規定する(1)式の要件を満たさないため、ひび割れ付着強度試験において耐力残存率が65%未満となり、ひび割れによって生じるアンカー筋の引張耐力の低下が抑制されていないことが分かる。

0048

また、比較例2〜4の施工方法で作製したあと施工アンカーは、本発明で規定する(2)〜(4)式のいずれか一つ以上の要件を満たさないため、繰り返し引張試験において、破断時の繰り返し回数が小さく、また、付着破壊により破壊されることから、アンカー筋の引き抜けが生じやすいことが分かる。

実施例

0049

さらに、比較例5の施工方法で作製したあと施工アンカーは、無機系充填材を含まないため、繰り返し引張試験において、破断時の繰り返し回数が小さく、また、付着破壊により破壊されることから、アンカー筋の引き抜けが生じやすいことが分かる。

0050

1コンクリート構造物
2 表面
3 孔
4 拡底部
5拡底孔
6無機系充填材
7胴部
8 拡底頭部
9 アンカー筋

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