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技術 ポリイミド前駆体、該ポリイミド前駆体を含む感光性樹脂組成物、それを用いたパターン硬化膜の製造方法及び半導体装置

出願人 日立化成デュポンマイクロシステムズ株式会社
発明者 榎本哲也小野敬司大江匡之鈴木ケイ子副島和也鈴木越晴
出願日 2019年4月8日 (1年2ヶ月経過) 出願番号 2019-073715
公開日 2019年9月26日 (9ヶ月経過) 公開番号 2019-163463
状態 未査定
技術分野 含窒素連結基の形式による高分子化合物一般
主要キーワード カラー材 Cu酸化膜 除去溶液 ストレス測定装置 残存応力 メタクリロキシアルキル基 空孔構造 イナートガスオーブン
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年9月26日)のものです。
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図面 (1)

課題

優れたi線透過率を示し、且つ低応力であるパターン硬化膜を与える、ポリイミド前駆体、及びそれを用いた感光性樹脂組成物及び優れたi線透過率を示し、且つ低応力であるパターン硬化膜の形成方法を提供する。

解決手段

芳香環を含む4価の有機基(A)と少なくとも1つのトリフルオロメチル基を有するビフェニル基(B)の両方を有する構造単位全構造単位に対して50mol%以上有するポリイミド前駆体。

概要

背景

近年、半導体集積回路(LSI)の保護膜材料として、ポリイミド樹脂等の高い耐熱性を有する有機材料が広く適用されている(例えば、特許文献1及び2)。
このようなポリイミド樹脂を用いた保護膜(硬化膜)は、ポリイミド前駆体又はポリイミド前駆体を含有する樹脂組成物基板上に塗布及び乾燥して形成した樹脂膜を、加熱して硬化することで得られる。

半導体集積回路の微細化に伴い、low−k層と呼ばれる層間絶縁膜誘電率を低減する必要がある。誘電率を低減するために、例えば、空孔構造を有する層間絶縁膜を適用する方法がある。しかしながら、この方法では機械的強度が低下するという課題が生じている。この様な機械的強度の弱い層間絶縁膜を保護するために、層間絶縁膜上に保護膜を設ける方法がある。
また、バンプと呼ばれる突起状の外部電極が形成される領域において、層間絶縁膜に作用する応力が集中して、層間絶縁膜が破壊されないようにするため、保護膜には厚膜形成性(例えば5μm以上)や高弾性率化(例えば4GPa以上)の要求が高まっている。しかし、保護膜を厚膜化及び高弾性率化することによって、保護膜の応力が増大し、半導体ウエハの反りが大きくなって、搬送やウエハ固定の際に不具合が生じる場合がある。そのため、低応力のポリイミド樹脂の開発が望まれている。

ポリイミド樹脂を低応力にする方法として、ポリイミド熱膨張係数シリコンウエハの熱膨張係数に近づけるために、ポリイミドの分子鎖を剛直な骨格にする方法(例えば特許文献3)、ポリイミドにシロキサン構造等の柔軟な構造を導入してポリイミドの弾性率を低減する方法(例えば特許文献4)等が挙げられる。

一方、保護膜を形成するために用いられるポリイミド樹脂が感光性であると、容易にパターン樹脂膜パターン形成された樹脂膜)を形成することが可能である。このようなパターン樹脂膜を加熱して硬化することで、容易にパターン硬化膜(パターン形成された硬化膜)を形成することができる。
ポリイミド樹脂を感光性とする方法として、ポリイミドに感光性を付与する方法が挙げられる。ポリイミドに感光性を付与する手法としては、ポリイミド前駆体にエステル結合イオン結合を介してメタクリロイル基を導入する方法、光重合性オレフィンを有する可溶性ポリイミドを用いる方法、ベンゾフェノン骨格を有し、かつ窒素原子が結合する芳香環オルト位アルキル基を有する自己増感型ポリイミドを用いる方法等が知られている(例えば、特許文献5)。これら手法の中でも、ポリイミド前駆体にエステル結合を介してメタクリロイル基を導入する方法は、ポリイミド前駆体を合成する際、用いるモノマーを自由に選択することが可能であり、また、メタクリロイル基が化学結合を介して導入されていることから、経時安定性に優れているという特徴がある。

しかし、前記の低応力のポリイミド樹脂において、分子鎖を剛直な骨格にするために芳香環ユニットを多量に導入した場合、共役する芳香環ユニットが分子鎖内に多く含まれることになり、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸(ポリイミド前駆体)であっても、紫外線領域に吸収を有してしまう。そのため、パターン樹脂膜を形成するための露光工程において広く用いられているi線(波長365nm)の透過率が低下し、感度及び解像度が低下する傾向があった。また、保護膜を厚膜化した場合、さらにi線透過率が低下して、パターン樹脂膜の形成ができなくなる傾向があった。また、シロキサン構造等の柔軟な構造を導入した場合、耐熱性が低下する場合があった。

概要

優れたi線透過率を示し、且つ低応力であるパターン硬化膜を与える、ポリイミド前駆体、及びそれを用いた感光性樹脂組成物及び優れたi線透過率を示し、且つ低応力であるパターン硬化膜の形成方法を提供する。芳香環を含む4価の有機基(A)と少なくとも1つのトリフルオロメチル基を有するビフェニル基(B)の両方を有する構造単位全構造単位に対して50mol%以上有するポリイミド前駆体。なし

目的

本発明の目的は、優れたi線透過率を示し、且つ低応力であるパターン硬化膜を与える、ポリイミド前駆体、及びそれを用いた感光性樹脂組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

下記一般式(1)で表される構造単位全構造単位に対して50mol%以上有するポリイミド前駆体。(一般式(1)中、Aは、下記一般式(2a)〜(2c)で表される4価の有機基のいずれかである。Bは、下記一般式(3)で表される2価の有機基である。R1及びR2は、各々独立に水素原子、又は1価の有機基である。)(一般式(2c)中、X及びYは、各々独立に各々が結合するベンゼン環と共役しない2価の基、又は単結合である。)(一般式(3)中、R3〜R10は、各々独立に水素原子、又は1価の基であり、R3〜R10の少なくとも1つはフッ素原子又はトリフルオロメチル基である。)

請求項2

さらに下記一般式(4)で表される構造単位を有する請求項1に記載のポリイミド前駆体。(一般式(4)中、Dは下記一般式(5)で表される4価の有機基である。B、R1及びR2は、それぞれ前記一般式(1)と同じである。)(一般式(5)中、Zは、エーテル結合(−O−)、又はスルフィド結合(−S−)である。)

請求項3

前記一般式(1)で表される構造単位と、前記一般式(4)で表される構造単位とを有するポリイミド前駆体であり、一般式(1)と一般式(4)のモル比が5/5〜9/1である請求項2に記載のポリイミド前駆体。

請求項4

前記一般式(1)のR1又はR2が、炭素炭素不飽和二重結合を有する1価の有機基である請求項1〜3のいずれかに記載のポリイミド前駆体。

請求項5

(a)請求項1〜4のいずれかに記載のポリイミド前駆体と、(b)活性光線照射によってラジカルを発生する化合物と、(c)溶剤とを含有する感光性樹脂組成物

請求項6

さらに、テトラゾールもしくはテトラゾール誘導体、又はベンゾトリアゾールもしくはベンゾトリアゾール誘導体を含有する請求項5に記載の感光性樹脂組成物。

請求項7

前記(b)成分が、オキシムエステル化合物を含有する請求項5又は6に記載の感光性樹脂組成物。

請求項8

前記オキシムエステル化合物が、下記一般式(22)で表される化合物、下記一般式(23)で表される化合物、又は下記一般式(24)で表される化合物である請求項7に記載の感光性樹脂組成物。(式(22)中、R11及びR12は、それぞれ炭素数1〜12のアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキル基、又はフェニル基である。R13は、−H、−OH、−COOH、−O(CH2)OH、−O(CH2)2OH、−COO(CH2)OH又は−COO(CH2)2OHである。)(式(23)中、R14は、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基であり、R15は、NO2又はArCO(Arはアリール基である。)であり、R16及びR17は、それぞれ炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、又はトリル基である。)(式(24)中、R18は、炭素数1〜6のアルキル基であり、R19はアセタール結合を有する有機基であり、R20及びR21は、それぞれ炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基又はトリル基である。)

請求項9

請求項1〜4のいずれかに記載のポリイミド前駆体を加熱して得られる硬化膜

請求項10

請求項5〜8のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を加熱して得られるパターン硬化膜

請求項11

請求項5〜8のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を形成する工程、前記形成した塗膜に活性光線照射してパターン状に露光する工程、前記露光部以外の未露光部を現像によって除去してパターン樹脂膜を得る工程、及びパターン樹脂膜を加熱処理する工程を含むパターン硬化膜の製造方法。

請求項12

請求項11に記載のパターン硬化膜の製造方法で得られるパターン硬化膜を有する半導体装置

技術分野

0001

本発明は、ポリイミド前駆体、該ポリイミド前駆体を含む感光性樹脂組成物、それを用いたパターン硬化膜の製造方法及び半導体装置に関する。

背景技術

0002

近年、半導体集積回路(LSI)の保護膜材料として、ポリイミド樹脂等の高い耐熱性を有する有機材料が広く適用されている(例えば、特許文献1及び2)。
このようなポリイミド樹脂を用いた保護膜(硬化膜)は、ポリイミド前駆体又はポリイミド前駆体を含有する樹脂組成物基板上に塗布及び乾燥して形成した樹脂膜を、加熱して硬化することで得られる。

0003

半導体集積回路の微細化に伴い、low−k層と呼ばれる層間絶縁膜誘電率を低減する必要がある。誘電率を低減するために、例えば、空孔構造を有する層間絶縁膜を適用する方法がある。しかしながら、この方法では機械的強度が低下するという課題が生じている。この様な機械的強度の弱い層間絶縁膜を保護するために、層間絶縁膜上に保護膜を設ける方法がある。
また、バンプと呼ばれる突起状の外部電極が形成される領域において、層間絶縁膜に作用する応力が集中して、層間絶縁膜が破壊されないようにするため、保護膜には厚膜形成性(例えば5μm以上)や高弾性率化(例えば4GPa以上)の要求が高まっている。しかし、保護膜を厚膜化及び高弾性率化することによって、保護膜の応力が増大し、半導体ウエハの反りが大きくなって、搬送やウエハ固定の際に不具合が生じる場合がある。そのため、低応力のポリイミド樹脂の開発が望まれている。

0004

ポリイミド樹脂を低応力にする方法として、ポリイミド熱膨張係数シリコンウエハの熱膨張係数に近づけるために、ポリイミドの分子鎖を剛直な骨格にする方法(例えば特許文献3)、ポリイミドにシロキサン構造等の柔軟な構造を導入してポリイミドの弾性率を低減する方法(例えば特許文献4)等が挙げられる。

0005

一方、保護膜を形成するために用いられるポリイミド樹脂が感光性であると、容易にパターン樹脂膜パターン形成された樹脂膜)を形成することが可能である。このようなパターン樹脂膜を加熱して硬化することで、容易にパターン硬化膜(パターン形成された硬化膜)を形成することができる。
ポリイミド樹脂を感光性とする方法として、ポリイミドに感光性を付与する方法が挙げられる。ポリイミドに感光性を付与する手法としては、ポリイミド前駆体にエステル結合イオン結合を介してメタクリロイル基を導入する方法、光重合性オレフィンを有する可溶性ポリイミドを用いる方法、ベンゾフェノン骨格を有し、かつ窒素原子が結合する芳香環オルト位アルキル基を有する自己増感型ポリイミドを用いる方法等が知られている(例えば、特許文献5)。これら手法の中でも、ポリイミド前駆体にエステル結合を介してメタクリロイル基を導入する方法は、ポリイミド前駆体を合成する際、用いるモノマーを自由に選択することが可能であり、また、メタクリロイル基が化学結合を介して導入されていることから、経時安定性に優れているという特徴がある。

0006

しかし、前記の低応力のポリイミド樹脂において、分子鎖を剛直な骨格にするために芳香環ユニットを多量に導入した場合、共役する芳香環ユニットが分子鎖内に多く含まれることになり、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸(ポリイミド前駆体)であっても、紫外線領域に吸収を有してしまう。そのため、パターン樹脂膜を形成するための露光工程において広く用いられているi線(波長365nm)の透過率が低下し、感度及び解像度が低下する傾向があった。また、保護膜を厚膜化した場合、さらにi線透過率が低下して、パターン樹脂膜の形成ができなくなる傾向があった。また、シロキサン構造等の柔軟な構造を導入した場合、耐熱性が低下する場合があった。

先行技術

0007

特許第3526829号
特許第4524808号
特開平5−295115号
特開平7−304950号
特開平7−242744号

発明が解決しようとする課題

0008

本発明の目的は、優れたi線透過率を示し、且つ低応力であるパターン硬化膜を与える、ポリイミド前駆体、及びそれを用いた感光性樹脂組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、優れたi線透過率を示し、且つ低応力であるパターン硬化膜の形成方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0009

本発明によれば、以下のポリイミド前駆体等が提供される。
1.下記一般式(1)で表される構造単位全構造単位に対して50mol%以上有するポリイミド前駆体。



(一般式(1)中、Aは、下記一般式(2a)〜(2c)で表される4価の有機基のいずれかである。
Bは、下記一般式(3)で表される2価の有機基である。
R1及びR2は、各々独立に水素原子、又は1価の有機基である。)



(一般式(2c)中、X及びYは、各々独立に各々が結合するベンゼン環と共役しない2価の基、又は単結合である。)



(一般式(3)中、R3〜R10は、各々独立に水素原子、又は1価の基であり、R3〜R10の少なくとも1つはフッ素原子又はトリフルオロメチル基である。)
2.さらに下記一般式(4)で表される構造単位を有する1に記載のポリイミド前駆体。



(一般式(4)中、Dは下記一般式(5)で表される4価の有機基である。
B、R1及びR2は、それぞれ前記一般式(1)と同じである。)



(一般式(5)中、Zは、エーテル結合(−O−)、又はスルフィド結合(−S−)である。)
3.前記一般式(1)で表される構造単位と、前記一般式(4)で表される構造単位とを有するポリイミド前駆体であり、一般式(1)と一般式(4)のモル比が5/5〜9/1である2に記載のポリイミド前駆体。
4.前記一般式(1)のR1又はR2が、炭素炭素不飽和二重結合を有する1価の有機基である1〜3のいずれかに記載のポリイミド前駆体。
5.(a)1〜4のいずれかに記載のポリイミド前駆体と、(b)活性光線照射によってラジカルを発生する化合物と、(c)溶剤とを含有する感光性樹脂組成物。
6.さらに、テトラゾールもしくはテトラゾール誘導体、又はベンゾトリアゾールもしくはベンゾトリアゾール誘導体を含有する5に記載の感光性樹脂組成物。
7.(b)成分が、オキシムエステル化合物を含有する5又は6に記載の感光性樹脂組成物。
8.前記オキシムエステル化合物が、下記一般式(22)で表される化合物、下記一般式(23)で表される化合物、又は下記一般式(24)で表される化合物である7に記載の感光性樹脂組成物。



(式(22)中、R11及びR12は、それぞれ炭素数1〜12のアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキル基、又はフェニル基である。R13は、−H、−OH、−COOH、−O(CH2)OH、−O(CH2)2OH、−COO(CH2)OH又は−COO(CH2)2OHである。)



(式(23)中、R14は、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基であり、R15は、NO2又はArCO(Arはアリール基を示す。)であり、R16及びR17は、それぞれ炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、又はトリルである。)



(式(24)中、R18は、炭素数1〜6のアルキル基であり、R19はアセタール結合を有する有機基であり、R20及びR21は、それぞれ炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基又はトリル基である。)
9.1〜4のいずれかに記載のポリイミド前駆体を加熱して得られる硬化膜。
10.5〜8のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を加熱して得られるパターン硬化膜。
11.5〜8のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を形成する工程、
前記形成した塗膜に活性光線照射してパターン状に露光する工程、
前記露光部以外の未露光部を現像によって除去してパターン樹脂膜を得る工程、及び
パターン樹脂膜を加熱処理する工程を含むパターン硬化膜の製造方法。
12.11に記載のパターン硬化膜の製造方法で得られるパターン硬化膜を有する半導体装置。

発明の効果

0010

本発明によれば、優れたi線透過率を示し、且つ低応力であるパターン硬化膜を与える、ポリイミド前駆体、及びそれを用いた感光性樹脂組成物が提供できる。
本発明によれば、優れたi線透過率を示し、且つ低応力であるパターン硬化膜の形成方法が提供できる。

図面の簡単な説明

0011

本発明の一実施形態である再配線構造を有する半導体装置の概略断面図である。

0012

[ポリイミド前駆体]
本発明のポリイミド前駆体は、下記一般式(1)で表される構造単位を全構造単位に対して50mol%以上有する。



(一般式(1)中、Aは、下記一般式(2a)〜(2c)で表される4価の有機基のいずれかである。
Bは、下記一般式(3)で表される2価の有機基である。
R1及びR2は、各々独立に水素原子、又は1価の有機基である。)



(一般式(2c)中、X及びYは、各々独立に各々が結合するベンゼン環と共役しない2価の基、又は単結合である。)



(一般式(3)中、R3〜R10は、各々独立に水素原子、又は1価の基であり、R3〜R10の少なくとも1つはフッ素原子又はトリフルオロメチル基である。)

0013

一般式(1)のAは、ポリイミド前駆体の原料として用いるテトラカルボン酸二無水物由来する構造であり、一般式(2a)〜(2c)で表される4価の有機基のいずれかである。
Aの構造を与えるテトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、下記一般式(6)〜(12)で表されるテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
ポリイミド前駆体の重合時、これらは単独で用いてもよいし、2つ以上のテトラカルボン酸二無水物を組み合わせて用いてもよい。

0014

これらの中でも低熱膨張化の観点から、Aの構造を与えるテトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、式(6)及び式(8)で表されるテトラカルボン酸二無水物を用いることが好ましく、ピロメリット酸二無水物、式(6)で表されるテトラカルボン酸二無水物を用いることがより好ましい。

0015

一般式(1)中のBは、ポリイミド前駆体の原料として用いるジアミンに由来する構造であり、一般式(3)で表される2価の有機基である。
一般式(3)のR3〜R10の少なくとも1つはフッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、好ましくはR3〜R10の2つ以上がフッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、さらに好ましくはR3〜R10の2つ以上がトリフルオロメチル基である。
ポリイミド前駆体が、フッ素原子又はトリフルオロメチル基のような疎水性基を有することによって、吸水率を低減することができる。従って、半導体集積回路上に本発明のポリイミド前駆体を塗布し加熱硬化して、ポリイミドからなる保護膜を形成した場合に、該保護膜は低吸水率化した膜である。このような保護膜は、バンプ形成工程における金属薄膜蒸着のような高真空プロセスにおいて、真空排気時間の短縮及び蒸着装置汚染を抑制することができ、生産性を向上することができる。

0016

Bの構造を与えるジアミンとしては、例えば、下記一般式(13)〜(19)で表されるジアミンが挙げられる。
ポリイミド前駆体の重合時、これらは単独で用いてもよいし、2つ以上のジアミンを組み合わせて用いてもよい。

0017

これらジアミンの中でも、i線透過率の観点から式(13)、式(18)及び式(19)で表されるジアミンが好ましく、低吸水率化の観点から式(18)及び式(19)で表されるジアミンを用いることがさらに好ましく、式(18)で表されるジアミンが特に好ましい。

0018

一般式(1)中のR1及びR2の1価の有機基は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数が1〜10のアルキル基を有するアクリロキシアルキル基、炭素数が1〜10のアルキル基を有するメタクリロキシアルキル基を含む。
炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基n−デシル基、n−ドデシル基等が挙げられる。
炭素数3〜20のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基アダマンチル基等が挙げられる。
炭素数が1〜10のアルキル基を有するアクリロキシアルキル基としては、アクリロキシエチル基、アクリロキシプロピル基、アクリロキシブチル基等が挙げられる。
炭素数が1〜10のアルキル基を有するメタクリロキシアルキル基としては、メタクリロキシエチル基、メタクリロキシプロピル基、メタクリロキシブチル基等が挙げられる。

0019

R1及びR2の1価の有機基は、R1及びR2の少なくとも1つが、炭素炭素不飽和二重結合を有する1価の有機基であることが好ましい。
ポリイミド前駆体が、炭素炭素不飽和二重結合を有する1価の有機基を有する場合、例えばi線露光等の活性光線照射によってラジカルを発生する化合物のラジカルにより、ラジカル重合し分子鎖間の架橋が可能となる。
炭素炭素不飽和二重結合を有する1価の有機基としては、例えば炭素数が1〜10のアルキル基を有するアクリロキシアルキル基、炭素数が1〜10のアルキル基を有するメタクリロキシアルキル基が挙げられる。

0020

本発明のポリイミド前駆体は、一般式(1)で表される構造を全構造単位に対して50mol%以上有することでポリイミドの分子鎖が剛直となって低熱膨張化し、低応力化する。
一般式(1)で表わされる構造は、全構造単位に対して60mol%以上有すると好ましく、全構造単位に対して70mol%以上有するとより好ましい。
ポリイミド前駆体における一般式(1)で表わされる構造の割合の上限は特にないが、例えば全構造単位に対して95mol%以下である。
一般式(1)で表わされる構造の割合を上記範囲とするには、ポリイミド前駆体重合時のテトラカルボン酸二無水物とジアミンの配合量を適宜調整すればよい。

0021

本発明のポリイミド前駆体は、i線透過率、硬化後の密着性及び機械特性を向上させる目的で、一般式(1)で表わされる構造の他に、さらに下記一般式(4)で表わされる構造を有してもよい。



(一般式(4)中、Dは下記一般式(5)で表される4価の有機基である。
B、R1及びR2は、それぞれ前記一般式(1)と同じである。)



(一般式(5)中、Zは、エーテル結合(−O−)、又はスルフィド結合(−S−)である。)

0022

一般式(4)において、Zを含む部分は、ポリイミド前駆体の原料であるテトラカルボン酸二無水物に由来する構造である。Zを含む部分の構造を与えるテトラカルボン酸二無水物としては、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、チオエーテルジフタル酸無水物等が挙げられる。硬化後の密着性の観点から、4,4’−オキシジフタル酸二無水物が好ましい。
ポリイミド前駆体重合時において、これらテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、2つ以上を組み合わせて用いてもよい。

0023

一般式(4)のB、R1及びR2は、一般式(1)のB、R1及びR2と同じであり、好ましい基も一般式(1)のB、R1及びR2と同じである。

0024

ポリイミド前駆体において、一般式(1)で表される構造単位と一般式(4)で表される構造単位の両方を有する場合は、ポリイミド前駆体は共重合体となる。ポリイミド前駆体の共重合体としては、例えばブロック共重合体ランダム共重合体が挙げられるが、特に制限はない。

0025

ポリイミド前駆体が、一般式(1)で表わされる構造単位及び一般式(4)で表わされる構造単位の両方を有する場合、より低い応力とより良好なi線透過率を得るという観点から、一般式(1)で表される構造単位と一般式(4)で表される構造単位のモル比[式(1)/式(4)]は、5/5〜9/1が好ましく、6/4〜9/1がより好ましく、7/3〜9/1がさらに好ましい。

0026

本発明のポリイミド前駆体は、一般式(1)で表わされる構造単位及び一般式(4)で表わされる構造単位以外の構造単位(その他の構造単位)を有してもよい。
その他の構造単位を与えるテトラカルボン酸二無水物としては、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。その他の構造単位を与えるジアミンとしてはパラフェニレンジアミン、4,4’−オキシジアニリン、2,2’−ジメチルベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。

0027

応力とi線透過率の観点から、その他の構造単位を与えるテトラカルボン酸二無水物は、ポリイミド前駆体の原料として用いるテトラカルボン酸二無水物総量に対して、20mol%以下であることが好ましく、10mol%以下であることがより好ましいが、その他の構造単位を与えるテトラカルボン酸二無水物は用いずに、一般式(1)及び(4)の構造を与えるテトラカルボン酸二無水物のみを用いることがさらに好ましい。
その他の構造を与えるジアミンは、ジアミン総量に対して、20mol%以下であることが好ましく、10mol%以下であることがより好ましいが、一般式(3)の構造を与えるジアミンのみを用いることがさらに好ましい。

0028

本発明のポリイミド前駆体の分子量は、ポリスチレン換算での重量平均分子量が10000〜100000であることが好ましく、15000〜100000であることがより好ましく、20000〜85000であることがさらに好ましい。
硬化後の応力を充分に低下させる観点から、ポリイミド前駆体の重量平均分子量が10000以上であることが好ましい。また、溶剤への溶解性溶液取り扱い性を向上するする観点から、ポリイミド前駆体の重量平均分子量は100000以下であることが好ましい。
尚、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によって測定することができ、標準ポリスチレン検量線を用いて換算することによって求めることができる。

0029

[ポリイミド前駆体の製造方法]
本発明のポリイミド前駆体は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを付加重合させて合成することができる。
ポリイミド前駆体を合成する際に用いられるテトラカルボン酸二無水物とジアミンのモル比[テトラカルボン酸二無水物/ジアミン]は通常1.0であり、分子量や末端残基を制御する目的で、0.7〜1.3の範囲のモル比で行うと好ましい。モル比が0.7〜1.3であると、得られるポリイミド前駆体の分子量が適度となり、硬化後の応力がより十分に低くなる傾向がある。

0030

本発明のポリイミド前駆体は、例えば、原料であるテトラカルボン酸二無水物を下記一般式(20)で表されるジエステル誘導体誘導した後、下記一般式(21)で表される酸塩化物に変換し、ジアミンと塩基性化合物存在下で縮合させることによって合成することもできる。



(式中、Eは、4価の有機基である。
R1及びR2は、一般式(1)中のR1及びR2と同様である。)



(式中、Eは、4価の有機基である。
R1及びR2は、一般式(1)中のR1及びR2と同様である。)

0031

一般式(20)及び(21)において、Eは、一般式(1)のA、又は一般式(4)のZと2つベンゼン環構造部分に対応する。

0032

式(20)で表されるジエステル誘導体は、原料であるテトラカルボン酸二無水物1モルに対して、少なくとも2モル当量以上のアルコール類塩基性触媒存在下で反応させることによって合成することができる。
但し、式(20)で表されるジエステル誘導体を式(21)で表される酸塩化物に変換する場合、未反応のアルコール類が残っていると、塩素化剤が未反応のアルコール類と反応してしまい、酸塩化物への変換が充分に進行しないことが懸念される。従って、アルコール類の当量としては、テトラカルボン酸二無水物1モルに対して2.0〜2.5モル当量であることが好ましく、2.0〜2.3モル当量であることがより好ましく、2.0〜2.2モル当量であることがさらに好ましい。

0033

テトラカルボン酸二無水物と反応させるアルコール類としては、炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコール、炭素数3〜20のシクロアルキル基を有するアルコール、アルキル基の炭素数が1〜10のアクリロキシアルキル基を有するアルコール、アルキル基の炭素数が1〜10のメタクリロキシアルキル基を有するアルコールを用いることができる。
具体的には、メタノールエタノールn−プロパノールイソプロパノールn−ブタノール2−ブタノール、t−ブタノールヘキサノールシクロヘキサノール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。

0034

テトラカルボン酸二無水物とアルコール類の反応に用いる塩基性触媒としては、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン等を用いることができる。

0035

原料として、2種類以上のテトラカルボン酸二無水物を用いる場合、それぞれのテトラカルボン酸二無水物を別々にエステル誘導体に導き、これらエステル誘導体を混合して用いてもよい。また、あらかじめ、2種類以上のテトラカルボン酸二無水物を混合した後、同時にエステル誘導体に導いてもよい。

0036

式(20)で表されるジエステル誘導体を式(21)で表される酸塩化物に変換するには、ジエステル誘導体1モルに対して、通常2モル当量の塩素化剤を反応させることによって用いて行うが、合成されるポリイミド前駆体の分子量を制御するために、当量を適宜調整してもよい。
塩素化剤としては、塩化チオニルジクロロシュウ酸を用いることができ、塩素化剤の当量としては1.5〜2.5モル当量が好ましく、1.6〜2.4モル当量がより好ましく、1.7〜2.3モル当量がさらに好ましい。ポリイミド前駆体の分子量を高く調整し、硬化後の応力を向上させる観点から、1.5モル当量〜2.5モル当量が好ましい。

0037

式(21)で表される酸塩化物に、塩基性化合物存在下で、原料であるジアミンを添加することによって、本発明のポリイミド前駆体が得られる。塩基性化合物は、酸塩化物とジアミンが反応した際に発生する塩化水素捕捉する目的で用いられる。
塩基性化合物としては、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジントリエチルアミン等を用いることができ、塩素化剤の量に対して、1.5〜2.5倍量(モル)用いることが好ましく、1.7〜2.4倍量であることがより好ましく、1.8〜2.3倍量であることがさらに好ましい。得られるポリイミド前駆体の分子量を高くし、硬化後の応力を向上させる観点から、1.5〜2.5倍であることが好ましい。

0038

上記付加重合、縮合反応、ジエステル誘導体の合成、及び酸塩化物の合成は、有機溶媒中で行うことが好ましい。
使用する有機溶媒としては、合成されるポリイミド前駆体を完全に溶解する極性溶媒が好ましい。当該極性溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルスルホキシドテトラメチル尿素ヘキサメチルリン酸トリアミドγ−ブチロラクトン等が挙げられる。

0039

[感光性樹脂組成物]
本発明の感光性樹脂組成物は、以下の成分(a)〜(c)を含有する:
(a)本発明のポリイミド前駆体
(b)活性光線照射によってラジカルを発生する化合物
(c)溶剤

0040

成分(a)の本発明のポリイミド前駆体は、上述した通りである。
ポリイミド前駆体は、感光性樹脂組成物中に20〜60質量%含有することが好ましく、25〜55質量%含有することがより好ましく、30〜55質量%含有することがさらに好ましい。

0041

[活性光線を照射によってラジカルを発生する化合物]
(b)成分である活性光線を照射によってラジカルを発生する化合物としては、例えば、後述するオキシムエステル化合物、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)等のN,N’−テトラアルキル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトンアルキルアントラキノン等の芳香環と縮環したキノン類ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体が挙げられる。
これらの中でも、感度に優れ、良好なパターンを与えるため、オキシムエステル化合物が好ましい。

0042

良好な感度、残膜率が得られる観点で、上記オキシムエステル化合物は、下記式(22)で表される化合物、下記式(23)で表される化合物、及び下記式(24)で表される化合物のいずれかであることが好ましい。

0043

0044

式(22)中、R11及びR12は、それぞれ炭素数1〜12のアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキル基、又はフェニル基を示し、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜6のシクロアルキル基又はフェニル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数4〜6のシクロアルキル基又はフェニル基であることがより好ましく、メチル基、シクロペンチル基又はフェニル基であることがさらに好ましい。
R13は、−H、−OH、−COOH、−O(CH2)OH、−O(CH2)2OH、−COO(CH2)OH又は−COO(CH2)2OHを示し、−H、−O(CH2)OH、−O(CH2)2OH、−COO(CH2)OH又は−COO(CH2)2OHであることが好ましく、−H、−O(CH2)2OH又は−COO(CH2)2OHであることがより好ましい。

0045

0046

式(23)中、R14は、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基を示し、プロピル基であることが好ましい。
R15は、NO2又はArCO(ここで、Arはアリール基を示す。)を示し、Arとしては、トリル基が好ましい。
R16及びR17は、それぞれ炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、又はトリル基を示し、メチル基、フェニル基又はトリル基であることが好ましい。

0047

(式(24)中、R18は、炭素数1〜6のアルキル基を示し、エチル基であることが好ましい。
R19はアセタール結合を有する有機基であり、後述する式(24−1)に示す化合物が有するR19に対応する置換基であることが好ましい。
R20及びR21は、それぞれ炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基又はトリル基を示し、メチル基、フェニル基又はトリル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。

0048

上記式(22)で表される化合物としては、例えば、下記式(22−1)で表される化合物及び下記式(22−2)で表される化合物が挙げられる。下記式(22−1)で表される化合物はIRGACURE OXE−01(BASF株式会社製、商品名)として入手可能である。

0049

上記式(23)で表される化合物としては、例えば、下記式(23−1)で表される化合物が挙げられる。この化合物は、DFI−091(ダイトーケミックス株式会社製、商品名)として入手可能である。

0050

上記式(24)で表される化合物としては、例えば、下記式(24−1)で表される化合物が挙げられる。アデカオプトマーN−1919(株式会社ADEKA製、商品名)として入手可能である。

0051

その他のオキシムエステル化合物としては、下記化合物を用いることが好ましい。



これら活性光線の照射によってラジカルを発生する化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0052

活性光線の照射によってラジカルを発生する化合物の含有量としては、(a)ポリイミド前駆体100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましく、0.01〜5重量部であることがより好ましく、0.05〜3重量部であることがさらに好ましい。配合量が0.01重量部以上であると、露光部の架橋がより十分に進行し、組成物感光特性(感度、解像度)がより良好となる傾向があり、10重量部以下であると、得られる硬化膜の耐熱性をより良好にすることができる。

0053

(c)溶剤としては、(a)成分であるポリイミド前駆体を完全に溶解する極性溶剤が好ましい。当該極性溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルリン酸トリアミド、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、シクロヘキサノンシクロペンタノンプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートプロピレンカーボネート乳酸エチル、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0054

溶剤の含有量は、感光性樹脂組成物中に40〜80質量%含有することが好ましく、45〜75質量%含有することがより好ましく、45〜70質量%含有することがさらに好ましい。

0055

本発明の感光性樹脂組成物は、(a)ポリイミド前駆体、(b)活性光線の照射によってラジカルを発生する化合物、(c)溶剤を含めばよく、さらに以下のその他の成分を含んでもよい。

0056

本発明の感光性樹脂組成物は、硬化後のシリコン基板等への密着性を向上させるために、(d)有機シラン化合物を含んでもよい。
有機シラン化合物としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランビニルトリエトキシシランビニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、トリエトキシシリルプロピルエチルカルバメート、3−(トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物フェニルトリエトキシシランフェニルトリメトキシシラン、N—フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデンプロピルアミン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン等が挙げられる。

0057

感光性樹脂組成物が有機シラン化合物を含有する場合において、有機シラン化合物の含有量は、硬化後の密着性の観点から、ポリイミド前駆体100重量部に対して、0.1〜20重量部とすることが好ましく、0.5〜15重量部とすることがより好ましく、0.5〜10重量部とすることがさらに好ましい。

0058

本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じて(e)付加重合性化合物を含んでもよい。
付加重合性化合物としては、ジエチレングリコールジアクリレートトリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレートトリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートペンタエリスリトールテトラアクリレートペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレートスチレンジビニルベンゼン、4−ビニルトルエン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、1,3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、1,3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドN−メチロールアクリルアミド等が挙げられる。
これら付加重合性化合物は、単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。

0059

感光性樹脂組成物が付加重合性化合物を含有する場合において、付加重合性化合物の含有量は、現像液への溶解性及び得られる硬化膜の耐熱性の観点から、ポリイミド前駆体100重量部に対して、1〜100重量部とすることが好ましく、1〜75重量部とすることがより好ましく、1〜50重量部とすることがさらに好ましい。

0060

本発明の感光性樹脂組成物は、良好な保存安定性を確保するために、(f)ラジカル重合禁止剤又はラジカル重合抑制剤を含んでもよい。
ラジカル重合禁止剤又はラジカル重合抑制剤としては、p−メトキシフェノールジフェニルp−ベンゾキノンベンゾキノンハイドロキノンピロガロールフェノチアジンレゾルシノールオルトジニトロベンゼンパラジニトロベンゼン、メタジニトロベンゼン、フェナントラキノン、N−フェニル−2−ナフチルアミンクペロン、2,5−トルキノンタンニン酸パラベンルアミノフェノールニトロソアミン類等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。

0061

感光性樹脂組成物がラジカル重合禁止剤又はラジカル重合抑制剤を含有する場合において、ラジカル重合禁止剤又はラジカル重合抑制剤の含有量は、感光性樹脂組成物の保存安定性及び得られる硬化膜の耐熱性の観点から、ポリイミド前駆体100重量部に対して、0.01〜30重量部であることが好ましく、0.01〜10重量部であることがより好ましく、0.05〜5重量部であることがさらに好ましい。

0062

また、本発明の感光性樹脂組成物を銅基板上に使用する場合には、感光性樹脂組成物は(g)テトラゾールもしくはテトラゾール誘導体、又はベンゾトリアゾールもしくはベンゾトリアゾール誘導体を含有することが好ましい。

0063

本発明の感光性樹脂組成物を銅基板(例えば後述する図1における再配線層6)上に使用する場合、組成物が上記式(22)で表されるオキシムエステル化合物(例えば、IRGACURE OXE−01(BASF株式会社製、商品名))を含むと、パターン硬化膜を形成する際に、開口部にポリイミド残渣が生じる場合がある。この原因について、本発明者らは、銅基板上では、特定のオキシムエステル化合物がプリベーク時にラジカルを生じ、未露光部をも硬化してしまうことに起因すると推察している。この課題を解決するために、感光性樹脂組成物に(g)成分を含有させることが好ましい。(g)成分を含有すると、開口部にポリイミド残渣が生じることを抑制できる。
上記効果を奏する詳細な機構は明らかではないが、銅基板上に(g)成分が薄膜を形成し、活性な金属面と樹脂組成物が直接触れるのを防ぐことで、未露光部での不必要な光開始剤の分解やラジカル重合反応が抑制され、銅基板上での感光特性を確保することが可能になったものと推察される。

0064

テトラゾール、テトラゾール誘導体としては、1H−テトラゾール、5−メチル−1H−テトラゾール、5−フェニル−1H−テトラゾール、5−アミノ−1H−テトラゾール、1−メチル−1H−テトラゾール、5,5’−ビス−1H−テトラゾール、1−メチル−5−エチル−テトラゾール、1−メチル−5−メルカプト−テトラゾール、1−カルボキシメチル−5−メルカプト−テトラゾール等が挙げられる。
これらの中でも、1H−テトラゾール又は5−アミノ−1H−テトラゾールが好ましい。

0065

ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール誘導体としては、ベンゾトリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール−1−アセトニトリル、ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸、1H−ベンゾトリアゾール−1−メタノール、カルボキシベンゾトリアゾール、メルカプトベンゾオキサゾール等が挙げられる。
これらの中でも、ベンゾトリアゾールが好ましい。

0066

(g)成分は、単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
これらは、成分(a)100重量部に対して、通常、1種類につき0.1〜10重量部であり、2種類以上を組み合わせる場合は合計で0.1〜10重量部である。より好ましくは0.2〜5重量部である。0.1重量部未満であると金属層への密着性の向上効果が低下する傾向がある。

0067

本発明の感光性樹脂組成物は、成分(a)〜(c)及び任意に成分(d)〜(g)から選択される1以上を含めばよく、これら成分から実質的になっていてもよく、これら成分のみからなっていてもよい。
上記「実質的になる」とは、例えば感光性樹脂組成物中の成分(a)〜(c)及び成分(d)〜(g)の合計量が組成物全体の、95重量%以上、97重量%以上、98重量%以上、又は99重量%以上であることを意味する。

0068

[硬化膜]
本発明のポリイミド前駆体を加熱処理してポリイミド化を進行させることにより硬化膜が得られる。
ポリイミド前駆体をポリイミドに変換する加熱温度としては、80〜450℃が好ましく、100〜450℃がより好ましく、200〜400℃であることがさらに好ましい。80℃未満ではイミド化が充分進行せず、耐熱性が低下するおそれがあり、450℃超の温度で加熱処理を行うと、硬化して得られるポリイミドが劣化してしまうおそれがある。

0069

本発明のポリイミド前駆体を硬化して得られる硬化膜の残留応力は、30MPa以下であることが好ましく、27MPa以下であることがより好ましく、25MPa以下であることがさらに好ましい。得られる硬化膜の残留応力が30MPa超の場合、硬化後膜厚が10μmとなるように硬化膜を厚膜形成した場合に、ウエハの反りが大きくなって、ウエハの搬送や吸着固定において不具合が生じるおそれがある。

0070

硬化膜の残留応力は、ポリイミド膜形成前後でのシリコンウエハの曲率半径の変化量を用いて、下記式(I)から算出できる。
尚、シリコンウエハの曲率半径は、シリコンウエハを走査するレーザー反射角度から計算され、薄膜ストレス測定装置(例えばKLATencor社製FLX−2320)を用いて測定することができる。



σ:残留応力(Pa)
E/(1−ν):シリコンウエハの二軸弾性係数(Pa)
h:シリコンウエハの厚さ(m)
t:ポリイミド膜厚(m)
R:シリコンウエハの曲率半径の変化量(m)

0071

本発明のポリイミド前駆体を硬化して得られるポリイミドを、硬化後膜厚10μmとなるように形成するためには、例えばポリイミド前駆体を20μm程度の厚さで形成する。
ポリイミド前駆体溶液を基板上に塗布及び乾燥して得られるポリイミド前駆体樹脂膜の膜厚が20μmにおいて、当該樹脂膜のi線透過率が5%以上であることが好ましく、8%以上であることがより好ましく、15%以上であることがさらに好ましく、30%以上であることが特に好ましい。i線透過率が5%未満であると、i線が深部まで到達せず、ラジカルが充分に発生しないために、感光特性が低下するおそれがある。
尚、上記i線透過率は、例えば、ガラス板にポリイミド前駆体を塗布乾燥することによって樹脂膜を形成し、紫外可視分光光度計によって測定することが可能である。

0072

[パターン硬化膜]
本発明のパターン硬化膜は、本発明の感光性樹脂組成物を露光及び加熱することで得られる。本発明のパターン硬化膜は層間絶縁膜であるLow−K材の保護層として用いられることが好ましい。Low−K材としては、多孔質シリカベンゾシクロブテン水素シルセスキオキサンポリアリルエーテル等が挙げられる。

0073

本発明のパターン硬化膜の製造方法は、本発明の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を形成する工程、形成した塗膜に活性光線を照射してパターン状に露光する工程、露光部以外の未露光部を現像によって除去してパターン樹脂膜を得る工程、及びパターン樹脂膜を加熱処理する工程を含む。

0074

ポリイミド前駆体を含む感光性樹脂組成物を、基板上に塗布し乾燥して塗膜を形成する工程において、感光性樹脂組成物を基板上に塗布する方法としては、浸漬法スプレー法スクリーン印刷法スピンコート法等が挙げられる。
基板としては、シリコンウエハ、金属基板セラミック基板等が挙げられる。本発明のポリイミド前駆体を含む感光性樹脂組成物は、低応力の硬化膜を形成可能であるので、特に、12インチ以上の大口径のシリコンウエハへの適用に好適である。

0075

感光性樹脂組成物を基板上に塗布した後、溶剤を加熱により除去(乾燥)することによって、粘着性の少ない塗膜(樹脂膜)を形成することができる。
尚、乾燥する際の加熱温度は80〜130℃であることが好ましく、乾燥時間は30〜300秒であることが好ましい。乾燥はホットプレート等の装置を用いて行なうことが好ましい。

0076

塗膜に活性光線を照射してパターン状に露光する工程、及び露光部以外の未露光部を現像によって除去してパターン樹脂膜を得る工程において、パターン状の露光は、得られた塗膜に、所望のパターンが描かれたマスクを通して活性光線を照射することで行う。
本発明の感光性樹脂組成物はi線露光用に好適であるが、照射する活性光線としては、紫外線、遠紫外線可視光線電子線、X線等を用いることができる。

0077

露光後に未露光部を適当な現像液で溶解除去することによって、所望のパターンを得ることができる。
現像液としては、特に制限はないが、1,1,1−トリクロロエタン等の難燃性溶媒炭酸ナトリウム水溶液テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液等のアルカリ水溶液;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、酢酸エステル類等の良溶媒;これら良溶媒と低級アルコール、水、芳香族炭化水素等の貧溶媒との混合溶媒などが用いられる。現像後は必要に応じて貧溶媒(例えば、水、エタノール、2−プロパノール)等でリンス洗浄を行う。

0078

パターン樹脂膜を加熱処理する工程において、得られたパターン樹脂膜を例えば80〜400℃で5〜300分間加熱することによって、感光性樹脂組成物に含まれるポリイミド前駆体のイミド化を進行させてパターン硬化膜を得ることができる。
この加熱処理する工程は、加熱時のポリイミドの酸化劣化を抑制するために、100ppm以下の低酸素濃度で硬化できる硬化炉を用いることが好ましく、例えばイナートガスオーブン縦型拡散炉を用いて行うことができる。

0079

[硬化膜又はパターン硬化膜の使用例]
本発明の硬化膜又はパターン硬化膜は、半導体装置の表面保護層層間絶縁層、再配線層等として用いることができる。半導体装置としては、MPU等のLogic系半導体DRAMNANDフラッシュ等のメモリー系半導体などが挙げられる。

0080

図1は本発明の一実施形態である再配線構造を有する半導体装置の概略断面図である。本実施形態の半導体装置は多層配線構造を有している。層間絶縁層(層間絶縁膜)1の上にはAl配線層2が形成され、その上部にはさらに絶縁層絶縁膜)3(例えばP−SiN層)が形成され、さらに素子の表面保護層(表面保護膜)4が形成されている。配線層2のパット部5からは再配線層6が形成され、外部接続端子であるハンダ、金等で形成された導電性ボール7との接続部分であるコア8の上部まで伸びている。さらに表面保護層4の上には、カバーコート層9が形成されている。再配線層6は、バリアメタル10を介して導電性ボール7に接続されているが、この導電性ボール7を保持するために、カラー11が設けられている。このような構造のパッケージ実装する際には、さらに応力を緩和するために、アンダーフィル12を介することもある。

0081

本発明の硬化膜又はパターン硬化膜は、上記実施形態のカバーコート材、再配線用コア材半田等のボールカラー材アンダーフィル材等、いわゆるパッケージ用途に使用することができる。

0082

本発明の硬化膜又はパターン硬化膜は、メタル層封止剤等との接着性に優れるとともに耐銅マイグレーション性に優れ、応力緩和効果も高いため、本発明の硬化膜又はパターン硬化膜を有する半導体素子は、極めて信頼性に優れるものとなる。

0083

以下、実施例及び比較例を用いて、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0084

実施例1−6及び比較例1−5
[ポリアミド酸の合成と評価]
N−メチル−2−ピロリドン150mlに、表1に示すテトラカルボン酸二無水物1及び必要に応じてテトラカルボン酸2を室温で撹拌溶解した。次に、表1に示すジアミン1及び必要に応じてジアミン2を添加して、室温で1時間撹拌してポリアミド酸溶液(ポリイミド前駆体溶液)を得た。
得られたポリイミド前駆体について、以下の評価を行った。結果を表1に示す。

0085

(1)重量平均分子量
得られたポリアミド酸の重量平均分子量を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって、標準ポリスチレン換算により求めた。結果を表1に示す。
具体的には、ポリアミド酸0.5mgに対して溶媒[THF/DMF=1/1(容積比)]1mlの溶液を用いて、以下の測定条件でGPC法により測定した。
測定装置検出器株式会社日立製作所社製L4000 UV
ポンプ:株式会社日立製作所社製L6000
株式会社島津製作所社製C−R4A Chromatopac
測定条件:カラムGelpack GL−S300MDT−5×2本
溶離液:THF/DMF=1/1(容積比)
LiBr(0.03mol/l)、H3PO4(0.06mol/l)
流速:1.0ml/min
検出器:UV270nm

0086

(2)i線透過率
得られたポリアミド酸の溶液をガラス板にスピンコートして、ホットプレート上において100℃で3分間加熱処理して、膜厚20μmの塗膜を形成し、当該塗膜の365nmのi線透過率を測定し、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
i線透過率が20%以上 :○
i線透過率が10%以上20%未満:△
i線透過率が10%未満 :×
尚、i線透過率の測定は、日立ハイテクノロジーズ社製可視紫外分光光度計U−3310を用いて、キャストフィルム法により測定した。

0087

(3)残留応力
得られたポリアミド酸の溶液を、厚さ625μmの6インチシリコンウエハに塗布して、硬化後膜厚が10μmとなるようにスピンコートした。これを、光洋リンバーク製縦型拡散炉を用いて、窒素雰囲気下、375℃で1時間加熱硬化して、ポリイミド膜を得た。得られたポリイミド膜の残留応力を測定し、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
残存応力が30MPa以下 :○
残存応力が30MPa超35MPa以下:△
残存応力が35MPa超 :×
尚、硬化膜の残留応力は、KLATencor社製薄膜ストレス測定装置FLX−2320を用いて室温において測定した。

0088

(4)吸水率
残留応力を測定したシリコンウエハ上に形成されたポリイミド膜である硬化膜をフッ化水素酸水溶液に浸漬して、ポリイミド膜をシリコンウエハからはく離した。
得られたポリイミド膜を室温において、24時間純水に浸漬した後、10mgを切り出して、示差熱熱重量同時測定装置(TG/DTA7000、エスアイアイナノテクノロジー社製)に設置した。昇温速度毎分200℃で室温から150℃まで昇温して、150℃で30分放置した後の重量を読み取り初期重量からの減少量を初期重量で除した値を吸水率として算出し、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
吸水率が1%以下 :○
吸水率が1%超2%以下:△
吸水率が2%超 :×

0089

0090

表1中の各成分を以下に示す。
PMDA:ピロメリット酸二無水物
s−BPDA:4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
NTCA:2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物
MMXDA:9,9’−ジメチル−2,3,6,7−キサンテンテトラカルボン酸二無水物
ODPA:4.4’−オキシジフタル酸二無水物
FDB:2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン
DMAP:2,2’−ジメチルベンジジン

0091

表1に示すように、実施例1−6では20%以上のi線透過率と30MPa以下の応力を示しているのが分かる。一方、フッ素原子を含まないジアミンを用いた比較例1及びフッ素原子を含むジアミンとフッ素原子を含まないジアミンを併用した比較例2及び比較例5では、30MPa以下の応力を示すが、i線透過率が低くなっていることが分かる。また、本発明のポリイミド前駆体に対応した特定の酸二水物を用いていない比較例3及び比較例4では、20%以上のi線透過率を示すが、35MPa以上の高い応力となっていることが分かる。

0092

実施例7−12及び比較例6−9
ポリアミド酸エステル(ポリイミド前駆体)の合成と評価]
表2に示すテトラカルボン酸二無水物1、アルコール化合物1及びジアミン1、並びに必要に応じてテトラカルボン酸二無水物2、アルコール化合物2及びジアミン2をそれぞれ用いて、下記ポリアミド酸エステル合成法1又はポリアミド酸エステル合成法2により、ポリアミド酸エステルを合成した。
得られたポリアミド酸エステルであるポリイミド前駆体について、実施例1−6及び比較例1−5と同様にして評価した。結果を表2に示す。

0093

(i)ポリアミド酸エステル合成法1
表2に示すテトラカルボン酸二無水物1、アルコール化合物1、及び触媒量の1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)を、重量比でテトラカルボン酸二無水物1の4倍量のN−メチル−2−ピロリドン中に溶解し、室温で48時間撹拌してエステル溶液1を得た。
さらに、必要に応じて、表2に示すテトラカルボン酸二無水物成分2、アルコール化合物2、及び触媒量のDBUを、重量比でテトラカルボン酸二無水物2の4倍量のN−メチル−2−ピロリドン中に溶解して、室温で48時間撹拌してエステル溶液2を得た。
得られたエステル溶液1とエステル溶液2を混合した後、氷浴中で冷却しながら、テトラカルボン酸二無水物1及びテトラカルボン酸二無水物2の総量に対して2.2倍モル当量の塩化チオニルを滴下した後、1時間撹拌して、酸塩化物溶液を調製した。
別途、表2に示すジアミン1及び必要に応じてジアミン2、塩化チオニルの2倍モル当量のピリジンを、重量比でジアミン1及びジアミン2の4倍量のN−メチル−2−ピロリドンに溶解させた溶液を準備し、先に調製した酸塩化物溶液に、氷浴中で冷却しながら滴下した。滴下終了後、反応液蒸留水に滴下した。
滴下終了後、沈殿物をろ別して集め、蒸留水で数回洗浄した後、真空乾燥してポリアミド酸エステルを得た。得られたポリアミド酸エステル100重量部を、N−メチル−2−ピロリドン150重量部に溶解して、ポリアミド酸エステル溶液を調製した。

0094

(ii)ポリアミド酸エステル合成法2
テトラカルボン酸二無水物1及びテトラカルボン酸二無水物2のエステル化を別々に行わず、同一の反応容器内で行った以外はポリアミド酸エステル合成法1と同様に操作を行って、ポリアミド酸エステルを得た。
得られたポリアミド酸エステル100重量部を、N−メチル−2−ピロリドン150重量部に溶解して、ポリアミド酸エステル溶液を調製した。

0095

0096

表2中の各成分を以下に示す。
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
IPA:2−プロパノール

0097

表2に示すように、実施例7−12のポリアミド酸エステルは、20%以上のi線透過率と30MPa以下の応力を両立していることが分かる。一方、フッ素原子を含まないジアミンを用いた比較例6及びフッ素原子を含むジアミンとフッ素原子を含まないジアミンを併用した比較例7及び比較例9のポリアミド酸エステルでは、30MPa以下の応力を示すが、i線透過率が低くなっていることが分かる。また、本発明のポリイミド前駆体に対応した特定の酸二水物を用いていない比較例8のポリアミド酸エステルでは、20%以上のi線透過率を示すが、35MPa以上の高い応力となっていることが分かる。

0098

実施例13−17及び比較例10−13
[感光性樹脂組成物の調製及び評価]
実施例7−11及び比較例6−9で得られたポリアミド酸エステルのいずれか100重量部、テトラエチレングリコールジメタクリレート20重量部、及び1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル−2−(O−ベンゾイルオキシム)]2重量部をN−メチル−2−ピロリドン150重量部に均一に溶解するまで撹拌した後、1μmフィルタを用いて加圧ろ過することによって感光性樹脂組成物を得た。
得られた感光性樹脂組成物について、感光特性、残留応力及び吸水率を評価した。結果を表3に示す。
尚、感光特性は後述する方法で評価し、残留応力及び吸水率は実施例1と同様にして評価した。

0099

実施例18
[感光性樹脂組成物の調製及び評価]
実施例12で得られたポリアミド酸エステル100重量部、テトラエチレングリコールジメタクリレート20重量部、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル−2−(O−ベンゾイルオキシム)]2重量部及びベンゾトリアゾール3重量部をN−メチル−2−ピロリドン150重量部に均一に溶解するまで撹拌した後、1μmフィルタを用いて加圧ろ過することによって感光性樹脂組成物を得た。
得られた感光性樹脂組成物について、実施例13−17と同様の評価、及び銅基板上の残渣を評価した。結果を表3に示す。銅基板上の残渣は後述する方法で評価した。

0100

実施例19
[感光性樹脂組成物の調製及び評価]
実施例12で得られたポリアミド酸エステル100重量部、テトラエチレングリコールジメタクリレート20重量部、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル−2−(O−ベンゾイルオキシム)]2重量部及びテトラゾール3重量部をN−メチル−2−ピロリドン150重量部に均一に溶解するまで撹拌した後、1μmフィルタを用いて加圧ろ過することによって感光性樹脂組成物を得た。
得られた感光性樹脂組成物について、実施例18と同様にして評価を行った。結果を表3に示す。

0101

実施例20
[感光性樹脂組成物の調製及び評価]
実施例12で得られたポリアミド酸エステル100重量部、テトラエチレングリコールジメタクリレート20重量部、上記式(22−2)で表される化合物2重量部及びベンゾトリアゾール2重量部をN−メチル−2−ピロリドン150重量部に均一に溶解するまで撹拌した後、1μmフィルタを用いて加圧ろ過することによって感光性樹脂組成物を得た。
得られた感光性樹脂組成物について、実施例18と同様にして評価を行った。結果を表3に示す。

0102

実施例21
[感光性樹脂組成物の調製及び評価]
実施例12で得られたポリアミド酸エステル100重量部、テトラエチレングリコールジメタクリレート20重量部及び上記式(25)で表される化合物2重量部をN−メチル−2−ピロリドン150重量部に均一に溶解するまで撹拌した後、1μmフィルタを用いて加圧ろ過することによって感光性樹脂組成物を得た。
得られた感光性樹脂組成物について、実施例13−17と同様にして評価を行った。結果を表3に示す。

0103

[感光特性及び銅基板上の残渣の評価]
(a)感光特性
得られた感光性樹脂組成物を、6インチシリコンウエハ上にスピンコート法によって塗布し、100℃で3分間、ホットプレート上で乾燥させて、膜厚10μmの塗膜を形成した。この塗膜にフォトマスクを介して、i線ステッパーFPA−3000iW(キヤノン株式会社製)を用いて、50〜500mJ/cm2のi線を50mJ/cm2刻みで所定のパターンに照射して露光を行った。また、同じ厚みの未露光の塗膜をシクロペンタノンに浸漬して完全に溶解するまでの時間の2倍を現像時間として設定し、露光後のウエハをシクロペンタノンに浸漬してパドル現像した後、イソプロパノールでリンス洗浄を行った。この時の、露光部の塗膜の溶解量が初期膜厚の10%未満となる最小露光量を感度とし、スクエアホール状の開口部のマスク寸法最小値を解像度として、以下の基準で感光特性を評価した。
(a−1)感度
感度が300mJ/cm2以下 :○
感度が300mJ/cm2超500mJ/cm2以下:△
感度が500mJ/cm2超 :×
(a−2)解像度
解像度が10μm以下 :○
解像度が10μm超30μm以下:△
解像度が30μm超 :×

0104

(b)銅基板上の残渣評価
銅基板上での残渣を測定するために準備した銅基板(上記(a)感光特性の評価と同様の方法でCu基板上にパターン硬化膜を形成したもの)を光洋リンドバーク製縦型拡散炉を用いて、窒素雰囲気下、375℃と300℃で1時間加熱硬化して、パターン付ポリイミド膜(硬化膜)を得た。O2アッシング装置(ヤマハ科学株式会社製)で2分間アッシングし、Cu酸化膜除去溶液Z−200(株式会社ワールドメタル社製)に5分間浸漬した後、純水で洗浄し、硬化膜表面に付着している水分をふき取った後、風乾した。パターン開口部の残渣を、日立ハイテクノロジー社製SEMを用いて観察し、開口部にポリイミド残渣がないものを○とした。尚、表3の残渣評価において「−」とあるのは評価を行っていないことを示す。

0105

実施例

0106

表3に示すように、実施例13−21の感光性樹脂組成物は、良好な感度と解像度を示すとともに、実施例13−21の感光性樹脂組成物から得られる硬化膜は、30MPa以下の低い応力となることが分かる。一方、比較例10の樹脂組成物では、現像時に剥がれが発生し、感度及び解像度を評価することができなかった。比較例11及び比較例13の樹脂組成物では、ポリアミド酸エステルのi線透過率が低いために、解像度の低下が見られることが分かる。比較例12の樹脂組成物では、良好な感度と解像度を示すが、得られる硬化膜の残留応力が35MPaより高い値を示していることが分かる。

0107

本発明のポリイミド前駆体を含む樹脂組成物は、半導体装置等の電子部品の保護膜材料やパターン膜形成材料として好適に使用することができる。

0108

上記に本発明の実施形態又は実施例を幾つか詳細に説明したが、当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施形態又は実施例に多くの変更を加えることが容易である。従って、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
この明細書に記載の文献及び本願のパリ優先基礎となる日本出願明細書の内容を全てここに援用する。

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