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技術 物理量センサーデバイス、物理量センサーデバイスを用いた傾斜計、慣性計測装置、構造物監視装置、及び移動体

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 佐藤健太
出願日 2018年3月9日 (2年11ヶ月経過) 出願番号 2018-043534
公開日 2019年9月19日 (1年5ヶ月経過) 公開番号 2019-158476
状態 未査定
技術分野 加速度、衝撃の測定 測量一般
主要キーワード 自動運搬装置 二次周波数 圧力周波数 コネクター基板 温度ドリフト補正 制御命令信号 離散的データ 実周波数
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

周波数温度特性局所的に低くなるディップが発生したとしても、ディップが発生していない周波数温度特性と同等の精度を得ることができる物理量センサーデバイスを提供する。

解決手段

温度変化のある環境下で物理量検出素子60を使用する場合、まず、温度センサー1から温度信号を受けて温度を算出する。次に、記憶部5に格納されている物理量検出素子60の周波数温度特性(温度−周波数偏差特性)を表す近似多項式定数読み出して、演算処理部6で周波数温度特性(温度−周波数偏差)の近似多項式を生成し、これに温度を適用し、温度変化による物理量検出素子60の周波数変動を計算する。演算処理部6は、この周波数変動を用いて物理量検出素子60の周波数補償し、この補償した周波数変化を、演算処理部6で生成した加速度−周波数の多項式に適用することにより、物理量検出素子60に加わる加速度を求める。

概要

背景

特許文献1に、Zカット(Z’カット)水晶基板を用いた加速度センサーが記載されている。加速度センサーは、基部と、基部に連結している可動部と、基部と可動部とに取り付けられている双音叉振動子と、基部に連結し、基部側とは反対側の領域に設けられている支持部と、を備えている。

特許文献2に、双音叉振動子の周波数温度特性に関係する近似多項式が記載されている。センサーに搭載され、周波数温度特性が上に凸の二次特性(2次曲線)を有する双音叉振動子において、双音叉振動子に応力印加されていない状態での周波数温度特性に対して、応力が印加された状態では周波数温度特性自体が変動してしまうという課題に鑑み、双音叉振動子の周波数温度特性に関係する近似多項式について、
周波数温度特性を表す多項式を第1の近似式fとし、
f=a1×T3+a2×T2+a3×T+a4・・・(1)
応力を加えたときの共振周波数fの変化を示す「圧力P−周波数f特性」を示す圧力周波数特性を表す多項式を第2の近似式Pとし、
P=b1×f3+b2×f2+b3×f+fc・・・(2)
式(2)の一次の係数b3は、温度依存性を表す係数で、第3の近似式b3とし、
b3=c1×T2+c2×T+c3・・・(3)
を用いて周波数温度特性を補正することにより、圧力センサーが出力する圧力値高精度化を実現している。

概要

周波数温度特性が局所的に低くなるディップが発生したとしても、ディップが発生していない周波数温度特性と同等の精度を得ることができる物理量センサーデバイスを提供する。温度変化のある環境下で物理量検出素子60を使用する場合、まず、温度センサー1から温度信号を受けて温度を算出する。次に、記憶部5に格納されている物理量検出素子60の周波数温度特性(温度−周波数偏差特性)を表す近似多項式の定数読み出して、演算処理部6で周波数温度特性(温度−周波数偏差)の近似多項式を生成し、これに温度を適用し、温度変化による物理量検出素子60の周波数変動を計算する。演算処理部6は、この周波数変動を用いて物理量検出素子60の周波数を補償し、この補償した周波数変化を、演算処理部6で生成した加速度−周波数の多項式に適用することにより、物理量検出素子60に加わる加速度を求める。

目的

本発明の少なくとも一つの態様は、周波数温度特性が局所的に低くなる(落ち込む)、所謂ディップが発生したとしても、単一の近似多項式を用いながらも、ディップが発生していない周波数温度特性と同等の精度を得ることができる物理量センサーデバイス、物理量センサーデバイスを用いた傾斜計慣性計測装置構造物監視装置、及び移動体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

物理量センサーと、記憶部と、を含み、前記記憶部は、前記物理量センサーを用いて測定された実周波数温度特性と、所定の定数を用いた単一の近似多項式により全動作温度範囲で前記実周波数温度特性に近似させた一次周波数温度特性と、の誤差の絶対値の最大値となる温度を第一の境界温度としたとき、前記第一の境界温度未満の第一の温度領域で、前記実周波数温度特性に近似させた第一の二次周波数温度特性を得るために前記近似多項式中の各項の定数に用いられる第一の定数と、前記第一の境界温度以上の第二の温度領域で、前記実周波数温度特性に近似させた第二の二次周波数温度特性を得るために前記近似多項式中の各項の定数に用いられる第二の定数と、を記憶していることを特徴とする物理量センサーデバイス

請求項2

請求項1において、前記最大値は、前記全動作温度範囲の中の複数の温度について得られた実データに基づいて作成された前記実周波数温度特性のうちのいずれか一つの前記実データであることを特徴とする物理量センサーデバイス。

請求項3

請求項1において、前記最大値は、前記全動作温度範囲の中の複数の温度について得られた実データに基づいて作成された前記実周波数温度特性のうちの2つの前記実データ間に補間された値であることを特徴とする物理量センサーデバイス。

請求項4

請求項1乃至3のいずれか一項において、前記記憶部は、前記第一の温度領域において、前記実周波数温度特性と前記一次周波数温度特性との誤差が極大値または極小値となる温度を第二の境界温度としたとき、前記第二の境界温度未満の第三の温度領域で、前記実周波数温度特性に近似させた第三の二次周波数温度特性を得るために前記近似多項式中の各項の定数に用いられる第三の定数と、前記第二の境界温度以上でかつ第一の境界温度未満の第四の温度領域で、前記実周波数温度特性に近似させた第四の二次周波数温度特性を得るために前記近似多項式中の各項の定数に用いられる第四の定数と、を、前記第一の定数に代えて記憶していることを特徴とする物理量センサーデバイス。

請求項5

請求項1乃至4のいずれか一項において、前記記憶部は、前記第二の温度領域において、前記実周波数温度特性と前記一次周波数温度特性との誤差が極大値または極小値となる温度を第三の境界温度としたとき、前記第一の境界温度以上でかつ前記第三の境界温度未満の第五の温度領域で、前記実周波数温度特性に近似させた第五の二次周波数温度特性を得るために前記近似多項式中の各項の定数に用いられる第五の定数と、前記第三の境界温度以上の第六の温度領域で、前記実周波数温度特性に近似させた第六の二次周波数温度特性を得るために前記近似多項式中の各項の定数に用いられる第六の定数と、を、前記第二の定数に代えて記憶していることを特徴とする物理量センサーデバイス。

請求項6

請求項1乃至5のいずれか一項において、前記実周波数温度特性は、前記第一の境界温度で周波数局所的に低くなるディップを含むことを特徴とする物理量センサーデバイス。

請求項7

請求項5または6において、前記実周波数温度特性は、前記第一の境界温度で局所的に低くなる第一のディップと、前記第二の境界温度または前記第三の境界温度で局所的に低くなる第二のディップと、を含むことを特徴とする物理量センサーデバイス。

請求項8

請求項1乃至3のいずれか一項において、前記記憶部は、前記第一の温度領域において、前記実周波数温度特性と前記第一の二次周波数温度特性及の誤差が極大値または極小値となる温度を第二の境界温度としたとき、前記第二の境界温度未満の第三の温度領域で、前記実周波数温度特性と前記第一の二次周波数温度特性との誤差の絶対値を最小とする第一の三次周波数温度特性を得るために前記近似多項式中の各項の定数に用いられる第三の定数と、前記第二の境界温度以上でかつ第一の境界温度未満の第四の温度領域で、前記実周波数温度特性と前記第二の二次周波数温度特性との誤差の絶対値を最小とする第二の三次周波数温度特性を得るために前記近似多項式中の各項の定数に用いられる第四の定数と、を、前記第一の定数に代えて記憶していることを特徴とする物理量センサーデバイス。

請求項9

請求項1、2、3または8において、前記記憶部は、前記第二の温度領域において、前記実周波数温度特性と前記第二の二次周波数温度特性との誤差が極大値または極小値となる温度を第三の境界温度としたとき、前記第一の境界温度以上でかつ前記第三の境界温度未満の第五の温度領域で、前記実周波数温度特性と前記第二の二次周波数温度特性との誤差の絶対値を最小とする第三の三次周波数温度特性を得るために前記近似多項式中の各項の定数に用いられる第五の定数と、前記第三の境界温度以上の第六の温度領域で、前記実周波数温度特性と前記第二の二次周波数温度特性との誤差の絶対値を最小とする第四の三次周波数温度特性を得るために前記近似多項式中の各項の定数に用いられる第六の定数と、を、前記第二の定数に代えて記憶していることを特徴とする物理量センサーデバイス。

請求項10

請求項1乃至9のいずれか一項において、前記第一の定数と前記第二の定数とは、前記単一の近似多項式をN(Nは2以上の整数次多項式としたときの(N+1)個の定数のうちの少なくとも一個が異なることを特徴とする物理量センサーデバイス。

請求項11

請求項1乃至10のいずれか一項において、回路基板を含み、前記物理量センサーを3つ有し、前記3つの物理量センサーは、各々の検出軸が直交する三軸の各々に合わせられて前記回路基板に実装されていることを特徴とする物理量センサーデバイス。

請求項12

請求項1乃至11のいずれか一項において、前記物理量センサーは、基部と、可動部と、前記基部と前記可動部との間に配置され、前記基部と前記可動部とを連結している括れ部と、応力に応じて共振周波数が変化し、平面視で前記括れ部を跨いで配置され、前記基部と前記可動部とに取り付けられている物理量検出素子と、を含むことを特徴とする物理量センサーデバイス。

請求項13

請求項1乃至12のいずれか一項において、前記物理量は加速度であることを特徴とする物理量センサーデバイス。

請求項14

請求項13に記載の物理量センサーデバイスと、構造体に取り付けられている前記物理量センサーデバイスからの出力信号に基づいて、前記構造体の傾斜角度を算出する算出部と、を含むことを特徴とする傾斜計

請求項15

請求項13に記載の物理量センサーデバイスと、角速度センサーデバイスと、前記物理量センサーデバイスからの加速度信号と、前記角速度センサーデバイスからの角速度信号とに基づいて、移動体姿勢を算出する回路部と、を含むことを特徴とする慣性計測装置

請求項16

請求項13に記載の物理量センサーデバイスと、構造物に取り付けられている前記物理量センサーデバイスからの検出信号を受信する受信部と、前記受信部から出力された信号に基づいて、前記構造物の傾斜角度を算出する算出部と、を含むことを特徴とする構造物監視装置

請求項17

請求項13に記載の物理量センサーデバイスと、前記物理量センサーデバイスで検出された検出信号に基づいて、加速制動、及び操舵の少なくともいずれかを制御する制御部と、を含み、自動運転の実施或いは不実施は、前記物理量センサーデバイスからの検出信号の変化に応じて切り替えられることを特徴とする移動体。

技術分野

0001

本発明は、物理量センサーデバイス、物理量センサーデバイスを用いた傾斜計慣性計測装置構造物監視装置、及び移動体等に関する。

背景技術

0002

特許文献1に、Zカット(Z’カット)水晶基板を用いた加速度センサーが記載されている。加速度センサーは、基部と、基部に連結している可動部と、基部と可動部とに取り付けられている双音叉振動子と、基部に連結し、基部側とは反対側の領域に設けられている支持部と、を備えている。

0003

特許文献2に、双音叉振動子の周波数温度特性に関係する近似多項式が記載されている。センサーに搭載され、周波数温度特性が上に凸の二次特性(2次曲線)を有する双音叉振動子において、双音叉振動子に応力印加されていない状態での周波数温度特性に対して、応力が印加された状態では周波数温度特性自体が変動してしまうという課題に鑑み、双音叉振動子の周波数温度特性に関係する近似多項式について、
周波数温度特性を表す多項式を第1の近似式fとし、
f=a1×T3+a2×T2+a3×T+a4・・・(1)
応力を加えたときの共振周波数fの変化を示す「圧力P−周波数f特性」を示す圧力周波数特性を表す多項式を第2の近似式Pとし、
P=b1×f3+b2×f2+b3×f+fc・・・(2)
式(2)の一次の係数b3は、温度依存性を表す係数で、第3の近似式b3とし、
b3=c1×T2+c2×T+c3・・・(3)
を用いて周波数温度特性を補正することにより、圧力センサーが出力する圧力値高精度化を実現している。

先行技術

0004

特開2014−85233号公報
特開2010−281581号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、近年、加速度センサーの更なる高精度・高感度の要求が高まってきており、周波数温度特性の更なる改善が必要になってきている。即ち、双音叉振動子の共振周波数と、物物量センサーの構造に係る共振周波数と、が結合することにより、周波数温度特性が局所的に低くなる(落ち込む)、所謂ディップDIP)が発生する。上記の先行技術文献に記載されている近似多項式ではディップを十分に補償しきれないという新たな課題があった。

0006

本発明の少なくとも一つの態様は、周波数温度特性が局所的に低くなる(落ち込む)、所謂ディップが発生したとしても、単一の近似多項式を用いながらも、ディップが発生していない周波数温度特性と同等の精度を得ることができる物理量センサーデバイス、物理量センサーデバイスを用いた傾斜計、慣性計測装置、構造物監視装置、及び移動体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

(1)本発明の一態様は、
物理量センサーと、記憶部と、を含み、
前記記憶部は、
前記物理量センサーを用いて測定された実周波数温度特性と、所定の定数を用いた単一の近似多項式により全動作温度範囲で前記実周波数温度特性に近似させた一次周波数温度特性と、の誤差の絶対値の最大値となる温度を第一の境界温度としたとき、
前記第一の境界温度未満の第一の温度領域で、前記実周波数温度特性に近似させた第一の二次周波数温度特性を得るために前記近似多項式中の各項の定数に用いられる第一の定数と、
前記第一の境界温度以上の第二の温度領域で、前記実周波数温度特性に近似させた第二の二次周波数温度特性を得るために前記近似多項式中の各項の定数に用いられる第二の定数と、
を記憶している物理量センサーデバイスに関する。

0008

(2)本発明の一態様(1)では、前記最大値は、前記全動作温度範囲の中の複数の温度について得られた実データに基づいて作成された前記実周波数温度特性のうちのいずれか一つの前記実データとすることができる。

0009

(3)本発明の一態様(1)では、前記最大値は、前記全動作温度範囲の中の複数の温度について得られた実データに基づいて作成された前記実周波数温度特性のうちの2つの前記実データ間に補間された値とすることができる。

0010

(4)本発明の一態様(1)〜(3)では、
前記記憶部は、
前記第一の温度領域において、前記実周波数温度特性と前記一次周波数温度特性との誤差が極大値または極小値となる温度を第二の境界温度としたとき、
前記第二の境界温度未満の第三の温度領域で、前記実周波数温度特性に近似させた第三の二次周波数温度特性を得るために前記近似多項式中の各項の定数に用いられる第三の定数と、
前記第二の境界温度以上でかつ第一の境界温度未満の第四の温度領域で、前記実周波数温度特性に近似させた第四の二次周波数温度特性を得るために前記近似多項式中の各項の定数に用いられる第四の定数と、
を、前記第一の定数に代えて記憶することができる。

0011

(5)本発明の一態様(1)〜(4)では、
前記記憶部は、
前記第二の温度領域において、前記実周波数温度特性と前記一次周波数温度特性との誤差が極大値または極小値となる温度を第三の境界温度としたとき、
前記第一の境界温度以上でかつ前記第三の境界温度未満の第五の温度領域で、前記実周波数温度特性に近似させた第五の二次周波数温度特性を得るために前記近似多項式中の各項の定数に用いられる第五の定数と、
前記第三の境界温度以上の第六の温度領域で、前記実周波数温度特性に近似させた第六の二次周波数温度特性を得るために前記近似多項式中の各項の定数に用いられる第六の定数と、
を、前記第二の定数に代えて記憶することができる。

0012

(6)本発明の一態様(1)〜(5)では、前記実周波数温度特性は、前記第一の境界温度で周波数が局所的に低くなるディップを含むことができる。

0013

(7)本発明の一態様(5)または(6)では、
前記実周波数温度特性は、
前記第一の境界温度で局所的に低くなる第一のディップと、
前記第二の境界温度または前記第三の境界温度で局所的に低くなる第二のディップと、
を含むことができる。

0014

(8)本発明の一態様(1)〜(3)では、
前記記憶部は、
前記第一の温度領域において、前記実周波数温度特性と前記第一の二次周波数温度特性及の誤差が極大値または極小値となる温度を第二の境界温度としたとき、
前記第二の境界温度未満の第三の温度領域で、前記実周波数温度特性と前記第一の二次周波数温度特性との誤差の絶対値を最小とする第一の三次周波数温度特性を得るために前記近似多項式中の各項の定数に用いられる第三の定数と、
前記第二の境界温度以上でかつ第一の境界温度未満の第四の温度領域で、前記実周波数温度特性と前記第二の二次周波数温度特性との誤差の絶対値を最小とする第二の三次周波数温度特性を得るために前記近似多項式中の各項の定数に用いられる第四の定数と、
を、前記第一の定数に代えて記憶することができる。

0015

(9)本発明の一態様(1)〜(3)または(8)では、
前記記憶部は、
前記第二の温度領域において、前記実周波数温度特性と前記第二の二次周波数温度特性との誤差が極大値または極小値となる温度を第三の境界温度としたとき、
前記第一の境界温度以上でかつ前記第三の境界温度未満の第五の温度領域で、前記実周波数温度特性と前記第二の二次周波数温度特性との誤差の絶対値を最小とする第三の三次周波数温度特性を得るために前記近似多項式中の各項の定数に用いられる第五の定数と、
前記第三の境界温度以上の第六の温度領域で、前記実周波数温度特性と前記第二の二次周波数温度特性との誤差の絶対値を最小とする第四の三次周波数温度特性を得るために前記近似多項式中の各項の定数に用いられる第六の定数と、
を、前記第二の定数に代えて記憶することができる。

0016

(10)本発明の一態様(1)〜(9)では、
前記第一の定数と前記第二の定数とは、前記単一の近似多項式をN(Nは2以上の整数次多項式としたときの(N+1)個の定数のうちの少なくとも一個が異なればよい。

0017

(11)本発明の一態様(1)〜(10)では、
回路基板を含み、
前記物理量センサーを3つ有し、
前記3つの物理量センサーは、各々の検出軸が直交する三軸の各々に合わせられて前記回路基板に実装されていてもよい。

0018

(12)本発明の一態様(1)〜(11)では、
前記物理量センサーは、
基部と、
可動部と、
前記基部と前記可動部との間に配置され、前記基部と前記可動部とを連結している括れ部と、
応力に応じて共振周波数が変化し、平面視で前記括れ部を跨いで配置され、前記基部と前記可動部とに取り付けられている物理量検出素子と、
を含むことができる。

0019

(13)本発明の一態様(1)〜(12)では、
前記物理量は加速度とすることができる。

0020

(14)本発明の他の態様は、
上述の(13)に記載の物理量センサーデバイスと、
構造体に取り付けられている前記物理量センサーデバイスからの出力信号に基ついて、前記構造体の傾斜角度を算出する算出部と、
を含む傾斜計に関する。

0021

(15)本発明のさらに他の態様は、
上述の(13)に記載の物理量センサーデバイスと、
角速度センサーデバイスと、
前記物理量センサーデバイスからの加速度信号および前記角速度センサーデバイスからの角速度信号に基づいて、移動体の姿勢を算出する回路部と、
を含む慣性計測装置に関する。

0022

(16)本発明のさらに他の態様は、
上述の(13)に記載の物理量センサーデバイスと、
構造物に取り付けられている前記物理量センサーデバイスからの検出信号を受信する受信部と、
前記受信部から出力された信号に基づいて、前記構造物の傾斜角度を算出する算出部と、
を含む構造物監視装置に関する。

0023

(17)本発明のさらに他の態様は、
上述の(13)に記載の物理量センサーデバイスと、
前記物理量センサーデバイスで検出された検出信号に基づいて、加速制動、及び操舵の少なくともいずれかを制御する制御部と、
を含み、
自動運転の実施或いは不実施は、前記物理量センサーデバイスからの検出信号の変化に応じて切り替えられる移動体に関する。

図面の簡単な説明

0024

本発明の一実施形態に係る物理量センサーデバイスの電気ブロック図である。
本発明の一実施形態に係る物理量センサーデバイスに用いられる物理量センサーの斜視図である。
本発明の一実施形態に係る一軸物理量センサーデバイスの斜視図である。
本発明の一実施形態に係る三軸物理量センサーデバイスの斜視図である。
本発明の一実施形態に係る三軸物理量センサーデバイスの他の例を示す斜視図である。
物理量センサーからの出力に基づく実周波数温度特性と、それに近似させた一次周波数温度特性との誤差を示す特性図である。
第一の境界温度を境にした第一、第二領域で、互いに異なる定数で構成される第一、第二の二次周波数温度特性を示す特性図である。
図7に示す手法によって実周波数温度特性と二次周波数温度特性との誤差が低減したことを示す特性図である。
図8とは異なる物理量センサーデバイスにて実周波数温度特性と二次周波数温度特性との誤差が低減したことを示す特性図である。
図8及び図9とは異なる物理量センサーデバイスにて実周波数温度特性と二次周波数温度特性との誤差が低減したことを示す特性図である。
2つの実データから補間して求められる境界温度を示す図である。
第一〜第三の境界温度により分割される第三領域〜第六領域を説明するための図である。
物理量センサーデバイスを有する傾斜計を示す図である。
物理量センサーデバイスを有する傾斜計のブロック図である。
傾斜角の算出例を説明する図である。
物理量センサーデバイスを有する慣性計測装置を示す図である。
慣性計測装置のブロック図である。
物理量センサーデバイスを有する構造物監視装置を示す図である。
構造物監視装置のブロック図である。
物理量センサーデバイスを有する移動体を示す図である。
移動体のブロック図である。

実施例

0025

以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。

0026

1.物理量センサー及び物理量センサーデバイスの概要
図2は物理量センサー10を示す。物理量センサー10は、基部20と、少なくとも2本例えば3本の第1の腕部31、第2の腕部32、第3の腕部33と、第4の腕部34と、可動部40と、括れ部50と、物理量検出素子60とを含む。

0027

第1の腕部31、第2の腕部32、第3の腕部33、第4の腕部34は、基端部が基部20に連結され、好ましくは自由端部側に固定領域31A,固定領域32A,固定領域33A,固定領域34Aがそれぞれ設けられている。括れ部50は、基部20と可動部40との間に配置され、基部20と可動部30とを接続している。物理量検出素子60は例えば双音叉型水晶振動子で構成され、物理量として例えば加速度や圧力を検出する。物理量検出素子60は、基部20の厚さ方向から見た平面視で、括れ部50を跨いで配置され、接着剤等の接合部61(図3参照)を介して、基部20と可動部40とに取り付けられている。また、括れ部50を支点としたカンチレバーである可動部40の自由端部側には、例えば金属(SUSや銅等)で形成される(質量部)70を配置することができる。錘70は、図2に示すように可動部40の表面側に設けるものに限らず、可動部40の裏面側にも設けることができる(図3参照)。図1及び図2に示すように、錘70は接着剤等の接合部71により可動部40と取り付けられている。なお、図2に示す錘70は可動部40と共に上下動するが、錘70の両端部70A,端部70Bは、図2に示す腕部31,腕部32と接触することで過度振幅を防止するストッパーとして機能する。

0028

第1の腕部31、第2の腕部32、第3の腕部33、第4の腕部34は、基端部が基部20に連結され、好ましくは自由端部側に固定領域31A,固定領域32A,固定領域33A,固定領域34Aがそれぞれ設けられている。括れ部50は、基部20と可動部40との間に配置され、基部20と可動部30とを接続している。物理量検出素子60は例えば双音叉型の水晶振動子で構成され、物理量として例えば加速度や圧力を検出する。物理量検出素子60は、基部20の厚さ方向から見た平面視で、括れ部50を跨いで配置され、基部20と可動部40とに接着剤等の接合部61(図3参照)により接続されている。また、括れ部50を支点としたカンチレバーである可動部40の自由端部側には、例えば金属(SUSや銅等)で形成される錘(質量部)70を配置することができる。錘70は、図2に示すように可動部40の表面側に設けるものに限らず、可動部40の裏面側にも設けることができる(図3参照)。図2及び図3に示すように、錘70は接着剤等の接合部71により可動部40と接続されている。なお、図2に示す錘70は可動部40と共に上下動するが、錘70の両端部70A,70Aは、図2に示す腕部31,32と接触することで過度な振幅を防止するストッパーとして機能する。

0029

ここで、括れ部50を支点として可動部14が例えば加速度や圧力等の物理量に応じて変位することで、基部20と可動部40とに取り付けられている物理量検出素子60に応力が生じる。物理量検出素子60に加わる応力に応じて、物理量検出素子60の振動周波数(共振周波数)が変化する。この振動周波数の変化に基づいて、物理量を検出することができる。

0030

図3は、図2の物理量センサー10が内蔵されている物理量センサーデバイス100を示す断面図である。物理量センサーデバイス100は、物理量センサー10が搭載される基台110を有する。本実施形態では、基台110は、底壁110Aと側壁110Bとを含むパッケージベースとして構成されている。基台110は蓋体120と共に、物理量センサー10を収容するパッケージを形成する。蓋体120は、基台110の開口端に接着剤121を介して接合される。

0031

基台110の底壁110Aには、4つの側壁110Bのうちの例えば3つの側壁110Bに沿って、底壁110Aの内面110A1よりも一段高い段部112が設けられている。段部112は、側壁110Bの内面から突起するものでも良く、基台110と一体でも別体でも良いが、基台110を構成する一部である。図3に示すように、物理量センサー10は、段部112に対して接着剤113で固定される。ここで、接着剤113は、弾性率の高い樹脂系(例えばエポキシ樹脂)接着剤を用いることが好ましい。低融点ガラス等の接着剤は固いので、接合時に発生する応力歪みを吸収できず、物理量検出素子60に悪影響を与えるからである。なお、物理量センサー10に設けられた第1の腕部31、第2の腕部32、第3の腕部33、第4の腕部34が段部112に固定される平面視で見た固定領域31A,固定領域32A,固定領域33A,固定領域34Aの位置が、図2に示されている。

0032

本実施形態では、図2に示すように、物理量検出素子60はワイヤーボンディング62,62により、段部112に形成された電極(例えば金電極)と接続することができる。この場合、基部20に電極パターンを形成する必要はない。ただし、ワイヤーボンディング62,62を採用せずに、基部20にも設けられる電極パターンを、基台110の段部112に形成される電極と導電性接着剤を介して接続しても良い。

0033

基台110の底壁110Aは、その外面(内面110A1と反対側の面)110A2には、図4に示す電子回路基板210Aに実装される際に用いられる外部端子114が設けられている。外部端子114は、図示しない配線や電極等を介して物理量検出素子60と電気的に接続されている。

0034

例えば底壁110Aには、基台110と蓋体120とで形成されるパッケージの内部(キャビティー)130を封止する封止部115が設けられている。封止部115は、基台110に形成された貫通孔116内に設けられている。封止部115は、貫通孔116に封止材を配置し、封止材を加熱溶融した後、固化させることで設けられる。封止部115は、パッケージの内部を気密に封止するために設けられる。

0035

図4は、3つの一軸物理量センサーデバイス100を含む三軸物理量センサーデバイス200Aの組み立て分解斜視図である。図4では、電子回路基板210Aに3つの物理量センサーデバイス100が実装されている。3つの物理量センサーデバイス100は、検出軸が直交3軸に沿って設けられ、3軸の物理量を検出する。回路基板210Aはコネクター基板220Aと電気的に接続される。これら回路基板210A及びコネクター基板220Aは、パッケージベース230Aと蓋体240Aで形成されるパッケージに収容保持される。

0036

図5は、図4とは異なる三軸物理量センサーデバイス200Bを示している。図4では回路基板210A及びコネクター基板220Aが同一平面上に並設されていたが、図5では回路基板210Aとコネクター基板220Aとは上下方向で並設されている。図5でも、回路基板210B及びコネクター基板220Bは、パッケージベース230Bと蓋体240Bで形成されるパッケージに収容保持される。

0037

2.物理量センサーデバイスの周波数温度特性の補償
2.1. 周波数温度特性の補償のための構成
図1は、本発明の一実施形態に係る一軸物理量センサーデバイスの電気系ブロック図である。物理量センサーデバイスは、物理量例えば加速度や圧力に応じて周波数が変化する物理量検出素子60の他に次の各部を含む。温度センサー(Ts)1は、物理量検出素子60の温度を感知温度信号を出力する。発振回路(OSC)2は、物理量検出素子60を励振する。カウンター(Counter)3は、発振回路2の出力信号を計数する。温度補償型基準発振器(TCXO)4は、カウンター3に基準信号を供給する。EEPROM等の記憶部5は、物理量検出素子60が有する温度特性を、単一の多項式で近似した場合の各定数を記憶している。演算処理部(CPU)6は、温度センサー1の温度信号と、カウンター3の周波数信号と、記憶部5からの定数とを用いて演算する。インターフェイス部(I/F)7は、演算処理部6と外部機器とを電気的に接続する。

0038

温度変化のある環境下で物理量センサー10を使用する場合、まず、温度センサー1から温度信号を受けて温度を算出する。次に、記憶部5に格納されている物理量センサー10の周波数温度特性(温度T−周波数偏差Δf/f特性)を表す近似多項式の定数を読み出して、演算処理部6で周波数温度特性(温度T−周波数偏差Δf/f)の近似多項式を生成し、これに温度を適用し、温度変化による物理量センサー10の周波数変動を計算する。演算処理部6は、この周波数変動を用いて物理量センサー10の周波数を補償し、この補償した周波数変化を、演算処理部6で生成した加速度−周波数fの多項式に適用することにより、物理量センサー10に加わる加速度を求める。

0039

2.2. 問題の所在
図6は、発振回路2からの発振周波数fで励振される物理量検出素子60に同一の加速度が作用する条件下で、全動作温度範囲で温度を変化させて、物理量検出素子60からの出力に基づいて得られる周波数数変化Δf/fのデータ(白抜き四角)がプロットされている。なお、図6横軸は温度であり、縦軸頂点温度(25℃付近)で得られる周波数変化Δf/fを誤差0としたときの温度依存性の誤差を示している。図6に示す周波数変化Δf/fには、局所的に低くなるディップ(DIP)が生じている。このディップの発生原因は、物理量センサーデバイス100の構造体の共振周波数が影響している。この離散データ太字曲線仮想的に近似したものを便宜上で実周波数温度特性として図示しているが、実際には離散的データ集まりが実周波数温度特性である。この実周波数温度特性の通りに周波数変化Δf/fの温度依存性を補正できれば理想的であるが、現実には下記の通り近似多項式が用いられる。

0040

図6に示す破線は、例えば最小二乗法等により実周波数温度特性(太線)に近似させた単一の近似多項式の曲線である。この単一の近似多項式は例えばN(Nは2以上の整数)次近似多項式で表現され、例えばN=3とする三次近似多項式の場合には、温度をTとし、各項の定数をa1,b1,c1,d1とすると、周波数温度特性は次の式(4)で示される。
f1(T)=a1×T3+b1×T2+c1×T+d1…(4)
と表すことができる。測定された周波数をFとすると、温度補正後の周波数Fcは、
Fc=F—f1(T)…(5)
となる。
図6に破線は、式(4)の周波数温度特性を示し、本実施形態では式(4)を一次周波数温度特性と称する。

0041

ここで、図6に示すように、一次周波数温度特性(破線)と実周波数温度特性(太線)とは、全動作温度範囲の多くの領域でほぼオーバーラップしている。しかし、特に実周波数温度特性(太線)にディップが生じている部分では、実周波数温度特性(太字)と一次周波数温度特性(破線)との間に誤差が生じている。つまり、ディップが生じることで不連続または非線形となる実周波数温度特性(太線)に対しては、式(4)に示す単一の近似多項式では全動作温度範囲に亘ってフィッティングすることは不可能である。従って、特にディップが生じている温度T1の付近の温度条件下では、検出される加速度等の物理量は、依然として温度依存性を有することになり、精度が劣化する。

0042

2.3.周波数温度特性の補償(本実施形態)
そこで、図6において実周波数温度特性(太線)と一次周波数温度特性(破線)との誤差の絶対値が最大となる温度T1に着目した。温度T1を第一の境界温度T1と称する。図6と同じ横軸及び縦軸が定義された図7に示すように、全動作温度範囲のうち第一の境界温度T1未満の温度領域を第一の温度領域(以下、第一領域とも言う)と称し、第一の境界温度T1以上の温度領域を第二の温度領域(以下、第二領域とも言う)と称する。なお、上記とは異なり、第一の境界温度T1を第一領域に含めて、第一の境界温度T1を第二領域から外しても良い。

0043

図1に示す演算処理部6は、第一の境界温度T1未満の第一の温度領域で、実周波数温度特性(図7の太線)に近似させた第一の二次周波数温度特性(図7の短破線)を例えば最小二乗法等により得るために、式(4)の近似多項式中の各項の定数(a1,b1,c1,d1)を第一の定数(a21,b21,c21,d21)に置き換えた次の式(6)の近似多項式を用いる。
f11(T)=a21×T3+b21×T2+c21×T+d21…(6)
同様に、図1に示す演算処理部6は、第一の境界温度T1以上の第二の温度領域で、実周波数温度特性(図7の長破線)に近似させた第二の二次周波数温度特性(図7の一点鎖線)を例えば最小二乗法等により得るために、式(4)の近似多項式中の各項の定数(a1,b1,c1,d1)を第二の定数(a22,b22,c22,d22)に置き換えた次の式(7)の近似多項式を用いる。
f22(T)=a22×T3+b22×T2+c22×T+d22…(7)

0044

ここで、第一の定数(a21,b21,c21,d21)と第二の定数(a22,b22,c22,d22)とは異なる。加えて、第一の定数(a21,b21,c21,d21)及び第二の定数(a22,b22,c22,d22)の各々は、定数(a1,b1,c1,d1)とも異なる。なお、本明細書において「定数が異なる」との意味は、N次多項式の(N+1)個の定数のうちの少なくとも一個が異なれば良い。

0045

図1に示す本実施形態の物理量センサーデバイスの記憶部5には、工場出荷前に、第一の定数(a21,b21,c21,d21)と第二の定数(a22,b22,c22,d22)とが記憶されている。一方、式(4)の多項式中の各項の定数a1,b1,c1,d1は、物理量センサーデバイスの記憶部5に必ずしも記憶される必要はない。式(4)の一次周波数温度特性を用いた演算は、工場出荷前だけで行われるからである。そして、本実施形態の物理量センサー10を使用する場合、温度センサー1により温度Tを検出する。演算処理部6は、検出温度Tを第一の境界温度T1と対比した結果に基づいて、記憶部5から第一の定数(a21,b21,c21,d21)及び第二の定数(a22,b22,c22,d22)の一方を読み出す。それにより、演算処理部6で式(6)または式(7)の一次周波数温度特性の近似多項式を生成する。この一次周波数温度特性に温度Tを適用し、温度変化による物理量センサー10の周波数変動を計算することができる。

0046

図8図10に、四角で示す実データを連ねた曲線にそれぞれディップが生じている異なる種類の実周波数温度特性を示す。図8図10に示す実周波数温度特性は、それぞれ異なる物理量センサーデバイスの特性である。図8図10に示す実周波数温度特性のそれぞれについて、図6のようにして実周波数温度特性(太線)と一次周波数温度特性(破線)との誤差の絶対値が最大となる第一の境界温度T1が求められる。そして、第一の境界温度T1を境にして、第一領域に適用される式(6)に示す第一の二次周波数温度特性と、第二領域に適用される式(7)に示す第二一の二次周波数温度特性が求められる。こうして、それぞれの物理量センサーデバイスの記憶部5に、デバイス固有の第一の定数(a21,b21,c21,d21と第二の定数(a22,b22,c22,d22)とが記憶されている。

0047

図8図10では、図6及び図7の縦軸の0()の意味が異なる。図8図10において、縦軸の温度補正誤差が0(零)であることは、図6に示す実周波数温度特性であることを示している。つまり、実周波数温度特性の通りに周波数変化Δf/fの温度依存性を補正できれば、誤差は0(零)である。図8図10に示す境界温度T1未満の第一領域内の白抜き四角印は、第一の境界温度T1未満の第一領域において、実周波数温度特性上のデータ(白抜き四角印)と、そのデータが式(6)に示す第一の二次周波数温度特性を用いて演算処理された処理データと、の誤差を示す。同様に、図8図10に示す境界温度T1以上の第二領域内の白抜き四角印は、実周波数温度特性上のデータ(白抜き四角印)と、そのデータが式(7)に示す第二一の二次周波数温度特性を用いて演算処理された処理データと、の誤差を示す。図8図10から明らかなように、全動作温度範囲での誤差が±1ppmの範囲に収まっていることが分かる。つまり、式(4)の一次周波数温度特性の代わりに、第一領域では式(6)に示す第一の二次周波数温度特性を、第二領域では式(7)に示す第二の二次周波数温度特性を用いることで、検出される加速度等の物理量の温度依存性を低減し、検出精度を高めることができる。

0048

ここで、図6図10に示す最大値は、全動作温度範囲の中の複数の温度について得られた実データに基づいて作成された実周波数温度特性のうちのいずれか一つの実データである。これに代えて、図11に示すように2つの実データから補間された位置に最大値を求めても良い。こうすると、図11に示す2つの実データ(誤差の絶対値の大きさの一番目二番目に相当)に対応する2つの温度T0,T2の間の温度T1にて最大値を持つと推定することができる。

0049

3. 複数の境界温度の利用
図12は、第一領域内の第二の境界温度T2を境とした第三の温度領域(以下、第三領域とも言う)と第四の温度領域(以下、第四領域とも言う)とを示している。図12にはさらに、第二領域内の第三の境界温度T3を境とした第五の温度領域(以下、第五領域とも言う)と第六の温度領域(以下、第六領域とも言う)とを示している。このように、全動作温度範囲をさらに細分割する手法について説明する。

0050

3.1. 3つ以上の二次周波数温度特性の利用
図6では、第一の境界温度T1で誤差の絶対値が最大となるが、第一の境界温度T1以上の第二領域(図7参照)の温度T3でも誤差の絶対値が比較的大きい。よって、図示していないが、図6に示す実周波数温度特性と一次周波数温度特性との誤差は、第二領域では温度T3で極大値または極小値となる。同様に考えれば、図6では該当しないが、第一の境界温度T1未満の第一領域(図7参照)の温度T2(図6では図示なし)でも誤差の絶対値が比較的大きくなる場合がある。よって、図示していないが、図6に示す実周波数温度特性と一次周波数温度特性との誤差は、第一領域では温度T2で極大値または極小値となる場合がある。このような事態は、図6に示すように温度T3ではディップが生じていなくても生じ得るが、温度T2または温度T3でもディップが生じている場合には特に可能性が高い。

0051

そのような場合、図11に示すように、第一領域を第二の境界温度T2で第三領域と第四領域とに分割する。そして、第三領域の実周波数温度特性に近似させた第三の二次周波数温度特性を例えば最小二乗法等により得るために、式(4)の近似多項式中の各項の定数(a1,b1,c1,d1)を第三の定数(a23,b23,c23,d23)に置き換えた次の式(8)の近似多項式を用いる。
f23(T)=a23×T3+b23×T2+c23×T+d23…(8)

0052

同様に、第四領域の実周波数温度特性に近似させた第四の二次周波数温度特性を例えば最小二乗法等により得るために、式(4)の近似多項式中の各項の定数(a1,b1,c1,d1)を第四の定数(a24,b24,c24,d24)に置き換えた次の式(9)の近似多項式を用いる。
f24(T)=a24×T3+b24×T2+c24×T+d24…(9)

0053

ここで、第三の定数(a23,b23,c23,d23)と第四の定数(a24,b24,c24,d24)とは異なる。加えて、第三の定数(a23,b23,c23,d23)及び第四の定数(a24,b24,c24,d24)の各々は、定数(a1,b1,c1,d1)、第一の定数(a11,b11,c11,d11)及び第二の定数(a12,b12,c12,d12)とも異なる。

0054

図1に示す本実施形態の物理量センサーデバイスの記憶部5には、工場出荷前に、第一の定数(a11,b11,c11,d11)に代えて、第三の定数(a23,b23,c23,d23)及び第四の定数(a24,b24,c24,d24)が記憶される。そして、本実施形態の物理量センサー10を使用する場合、温度センサー1により温度Tを検出する。演算処理部6は、第一の境界温度T1未満の検出温度Tを第二の境界温度T2と対比した結果に基づいて、記憶部5から第三の定数(a23,b23,c23,d23)及び第四の定数(a24,b24,c24,d24)の一方を読み出す。それにより、演算処理部6で式(8)または式(9)の二次周波数温度特性の近似多項式を生成する。この二次周波数温度特性に温度Tを適用し、温度変化による物理量センサー10の周波数変動を計算することができる。

0055

同様にして、図11に示すように、第二領域を第三の境界温度T3で第五領域と第六領域とに分割することができる。そして、第五領域の実周波数温度特性に近似させた第五の二次周波数温度特性を例えば最小二乗法等により得るために、式(4)の近似多項式中の各項の定数(a1,b1,c1,d1)を第五の定数(a25,b25,c25,d25)に置き換えた次の式(10)の近似多項式を用いる。
f25(T)=a25×T3+b25×T2+c25×T+d25…(10)

0056

同様に、第六領域の実周波数温度特性に近似させた第六の二次周波数温度特性を例えば最小二乗法等により得るために、式(4)の近似多項式中の各項の定数(a1,b1,c1,d1)を第六の定数(a26,b16,c26,d26)に置き換えた次の式(11)の近似多項式を用いる。
f26(T)=a26×T3+b26×T2+c26×T+d26…(11)

0057

ここで、第五の定数(a25,b25,c25,d25)と第六の定数(a26,b16,c26,d26)とは異なる。加えて、第五の定数(a25,b25,c25,d25)及び第六の定数(a26,b16,c26,d26)の各々は、定数(a1,b1,c1,d1)、第一の定数(a21,b21,c21,d21)及び第二の定数(a22,b22,c22,d22)とも異なる。

0058

図1に示す本実施形態の物理量センサーデバイスの記憶部5には、工場出荷前に、第二の定数(a22,b22,c22,d22)に代えて、第五の定数(a25,b25,c25,d25)及び第六の定数(a26,b16,c26,d26)が記憶される。そして、本実施形態の物理量センサー10を使用する場合、温度センサー1により温度Tを検出する。演算処理部6は、第一の境界温度T1以上の検出温度Tを第三の境界温度T3と対比した結果に基づいて、記憶部5から第五の定数(a25,b25,c25,d25)及び第六の定数(a26,b16,c26,d26)の一方を読み出す。それにより、演算処理部6で式(9)または式(10)の二次周波数温度特性の近似多項式を生成する。この二次周波数温度特性に温度Tを適用し、温度変化による物理量センサー10の周波数変動を計算することができる。

0059

3.2. 三次以降の高次の周波数温度特性の利用
図8に示す分割個補正後の×印で示す誤差(実周波数温度特性と第一の二次周波数温度特性との誤差)は、第一の境界温度T1未満の第一領域の温度T2で誤差の絶対値が最大となる。ただし、温度T2は、分割個補正後の×印で示す誤差が極大値または極小値となる値を選択しても良い。同様に、図9では、第一の境界温度T1以上の第二領域の温度T3(図6では図示なし)で、分割個補正後の×印で示す誤差(実周波数温度特性と第二の二次周波数温度特性との誤差)も誤差の絶対値が最大となる。同様に、温度T3は、分割個補正後の×印で示す誤差が極大値または極小値となる値を選択しても良い。

0060

そのような場合、図11に示すように、第一領域を第二の境界温度T2で第三領域と第四領域とに分割する。そして、第三領域において実周波数温度特性と第一の二次周波数温度特性との誤差(図8中の×印)の絶対値を最小とする第一の三次周波数温度特性を例えば最小二乗法等により得るために、式(4)の近似多項式中の各項の定数(a1,b1,c1,d1)を第三の定数(a31,b31,c31,d31)に置き換えた次の式(12)の近似多項式を用いる。
f31(T)=a31×T3+b31×T2+c31×T+d31…(12)

0061

同様に、第四領域において実周波数温度特性と第一の二次周波数温度特性との誤差(図8中の×印)の絶対値を最小とする第二の三次周波数温度特性を例えば最小二乗法等により得るために、式(4)の近似多項式中の各項の定数(a1,b1,c1,d1)を第四の定数(a32,b32,c32,d32)に置き換えた次の式(13)の近似多項式を用いる。
f32(T)=a32×T3+b32×T2+c32×T+d32…(13)

0062

ここで、第三の定数(a31,b31,c31,d31)と第四の定数(a32,b32,c32,d32)とは異なる。加えて、第三の定数(a31,b31,c31,d31)及び第四の定数(a32,b32,c32,d32)の各々は、定数(a1,b1,c1,d1)、第一の定数(a21,b21,c21,d21)及び第二の定数(a22,b22,c22,d22)とも異なる。

0063

図1に示す本実施形態の物理量センサーデバイスの記憶部5には、工場出荷前に、第一の定数(a21,b21,c21,d21)に代えて、第三の定数(a31,b31,c31,d31)及び第四の定数(a32,b32,c32,d32)が記憶される。そして、本実施形態の物理量センサー10を使用する場合、温度センサー1により温度Tを検出する。演算処理部6は、第一の境界温度T1未満の検出温度Tを第二の境界温度T2と対比した結果に基づいて、記憶部5から第三の定数(a31,b31,c31,d31)及び第四の定数(a32,b32,c32,d32)の一方を読み出す。それにより、演算処理部6で式(12)または式(13)の三次周波数温度特性の近似多項式を生成する。この三次周波数温度特性に温度Tを適用し、温度変化による物理量センサー10の周波数変動を計算することができる。

0064

同様にして、図11に示すように、第二領域を第三の境界温度T3で第五領域と第六領域とに分割することができる。そして、第五領域において実周波数温度特性と第一の二次周波数温度特性との誤差(図9中の×印)の絶対値を最小とする第三の三次周波数温度特性を例えば最小二乗法等により得るために、式(4)の近似多項式中の各項の定数(a1,b1,c1,d1)を第五の定数(a33,b33,c33,d33)に置き換えた次の式(14)の近似多項式を用いる。
f33(T)=a33×T3+b33×T2+c33×T+d33…(14)

0065

同様に、第六領域においての実周波数温度特性と第一の二次周波数温度特性との誤差(図9中の×印)の絶対値を最小とする第四の三次周波数温度特性を例えば最小二乗法等により得るために、式(4)の近似多項式中の各項の定数(a1,b1,c1,d1)を第六の定数(a34,b34,c34,d34)に置き換えた次の式(15)の近似多項式を用いる。
f34(T)=a34×T3+b34×T2+c34×T+d34…(15)

0066

ここで、第五の定数(a33,b33,c33,d33)と第六の定数(a34,b34,c34,d34)とは異なる。加えて、第五の定数(a33,b33,c33,d33)及び第六の定数(a26,b16,c26,d26)の各々は、定数(a1,b1,c1,d1)、第一の定数(a21,b21,c21,d21)及び第二の定数(a22,b22,c22,d22)とも異なる。

0067

図1に示す本実施形態の物理量センサーデバイスの記憶部5には、工場出荷前に、第二の定数(a22,b22,c22,d22)に代えて、第五の定数(a33,b33,c33,d33)及び第六の定数(a34,b34,c34,d34)が記憶される。そして、本実施形態の物理量センサー10を使用する場合、温度センサー1により温度Tを検出する。演算処理部6は、第一の境界温度T1以上の検出温度Tを第三の境界温度T3と対比した結果に基づいて、記憶部5から第五の定数(a25,b25,c25,d25)及び第六の定数(a34,b34,c34,d34)の一方を読み出す。それにより、演算処理部6で式(13)または式(14)の一次周波数温度特性の近似多項式を生成する。この一次周波数温度特性に温度Tを適用し、温度変化による物理量センサー10の周波数変動を計算することができる。このようにすると、実周波数温度特性と三次周波数温度特性との誤差は、図8図10に示す±1ppmよりもさらに小さくなり、さらに検出精度が向上する。
4.物理量センサーデバイスを用いた機器
以下、上述した構成を有する物理量センサーデバイスを用いた機器について、図13図20を参照して説明する。

0068

4.1.傾斜計

0069

図13は、傾斜計の構成例を示す図であって、一部断面表示された側面図である。
傾斜計300は、設置された位置の傾斜角度に応じた信号を出力する装置である。具体
的には、傾斜計300は、アンダーケース301と、アッパーケース302とで画成された内部空間に、第1実施形態の物理量センサーデバイス200A(200B)の構造を備えた物理量センサーデバイス310と、物理量センサーデバイス310の出力信号に基づいて傾斜角度を算出する算出部330と、算出部210で算出された傾斜角度に応じた信号を外部出力する外部出力端子332と、を有する。傾斜計300は、これら以外の要素を適宜含めることができる。例えば、内蔵バッテリーや、電源回路無線装置、などを含めることができる。

0070

傾斜算出部330は、物理量センサーデバイス310の出力信号から傾斜角度を演算して、傾斜角度に応じた信号を出力する回路であって、例えば汎用IC(IntegratedCircuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などにより実現することができる。

0071

物理量センサーデバイス310からは、例えば直交三軸であるx,y,z軸方向の加速度が出力される。傾斜計300は、x,y,z軸方向の加速度から、x,y,z軸の傾斜角(x,y,z軸の水平面となす角)を計測する。例えば、傾斜計300は、船舶重心近傍の床面において、x軸が船舶の船首方向を向き、y軸が船舶の左舷方向を向き、z軸が床面垂直方向を向くように取り付けられる場合がある。

0072

図14に示すように、物理量センサーデバイス310と傾斜算出部330との間に補正部320を含むことができる。補正部320は、物理量センサーデバイス310から出力されるx,y,z軸方向の加速度を補正する。例えば、補正部320は、物理量センサーデバイス310から出力されるx,y,z軸方向の加速度のアライメント補正や、オフセット補正温度ドリフト補正等を行う。なお、補正部320は、物理量センサーデバイス310から出力される加速度のアライメントや、オフセット温度ドリフト等が小さい場合、省略してもよい。

0073

傾斜算出部330(本発明の算出部に相当する)は、補正部320によって補正されたx,y,z軸方向の加速度に基づいて、各軸の水平面に対する傾きを算出することができる。

0074

図15は、傾斜角の算出例を説明する図である。図15に示す「x’」は水平方向に平行な軸を、「z’」は重力方向に平行な軸を、それぞれ示している。「x」は、物理量センサーデバイス310のx軸を示している。「z」は、物理量センサーデバイス310のz軸を示している。なお、物理量センサーデバイス310の「y」軸は、紙面の裏面方向を向いているものとする。また、重力加速度の向きは、図15中で上向きとする。

0075

物理量センサーデバイス310のx軸は、図15に示すように、y軸を回転軸として角度「θx」傾いたとする。このとき、加速度センサー11から出力されるx軸方向の加速度(重力加速度成分)を「ax」とすると、次の式(1)が成り立つ。

0076

式(1)に示す「1G」は、重力加速度であり、「1G=9.80665m/s2」である。

0077

式(1)より、x軸の水平方向に対する傾き「θx」は、次の式(2)で示される。

0078

同様にして、y,z軸の水平方向に対する傾き「θy」および「θz」は、次の式(3)および式(4)で示される。

0079

式(3)の「ay」は、y軸方向の加速度であり、式(4)の「az」は、z軸方向の加速度である。

0080

すなわち、傾斜算出部330は、補正部320から出力されるx,y,z軸方向の加速度「ax」、「ay」、および「az」と、重力加速度「1G」とに基づいて、式(2)〜式(4)に示す演算を行うことにより、x,y,z軸の水平方向に対する傾斜角を算出する。

0081

なお、傾斜算出部330は、傾斜計300に予め設定(記憶)された重力加速度(1G)を用いて、各軸の傾斜角を算出してもよい。この場合、傾斜計300に設定される重力加速度の値は、傾斜計300が用いられる緯度が考慮されていてもよい。

0082

また、傾斜算出部330は、補正部320から出力される加速度から、重力加速度を算出してもよい。例えば、傾斜算出部330は、「(ax2+ay2+az2)1/2」によって、重力加速度を算出することができる。

0083

4.2.慣性計測装置
図16は、慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)の構成例を示す図であって、一部断面表示された側面図である。図17は慣性計測装置のブロック図である。慣性計測装置400は、移動体に取り付けられる慣性計測装置であって、アンダーケース401と、アッパーケース402とで画成された内部空間に、実施形態の物理量センサーデバイス200A(200B)と同じ構造を有する物理量センサーデバイス410と、角速度センサーデバイス420と、物理量センサーデバイス410の加速度信号および角速度センサーデバイス420の角速度信号に基づいて移動体の姿勢を算出する姿勢算出部(回路部)430と、回路部430で算出された姿勢に応じた信号を外部出力する外部出力端子431と、を有する。慣性計測装置400には、例えば、内蔵バッテリーや、電源回路、無線装置、などを含めることができる。

0084

回路部430は、例えば、汎用IC(IntegratedCircuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)により実現され、物理量センサーデバイス410の加速度信号および角速度センサーデバイス420の角速度信号とから慣性計測装置400が取り付けられている移動体の姿勢を算出し、姿勢に応じた信号を出力する。なお、加速度及び角速度から移動体の姿勢を計測する手法は、周知であるので省略する。

0085

本実施形態の慣性計測装置400によれば、物理量センサーデバイス410が本実施形態のセンサーデバイス200A(200B)の構造を利用している。このため、物理量センサーデバイス410の出力である加速度信号の精度が高いため、移動体の姿勢の計測精度を従来の慣性計測装置よりも向上させることができる。

0086

4.3.構造物監視装置
図18に、構造物監視装置(SHM:Structural Health Monitoring)500を示す。構造物監視装置500は、実施形態の物理量センサーデバイス200A(200B)と同じ構造を有し、監視対象とされる構造物590に取り付けられる物理量センサーデバイス510を有する。物理量センサーデバイス510は、検出信号を送信する送信部511を含む。送信部511は、物理量センサーデバイス510とは別体の通信モジュール及びアンテナとして実現するとしてもよい。

0087

物理量センサーデバイス510は、無線又は優先通信網580を介して例えば監視コンピューター570と接続される。監視コンピューター570は、通信網580を介して物理量センサーデバイス510と接続される受信部520と、受信部520の受信信号に基づいて構造物590の傾斜角度を算出する傾斜算出部530と、を有する(図19も参照)。

0088

算出部530は、本実施形態では監視コンピューター460に搭載されたASIC(Application Specific IntegratedCircuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等で実現することとする。ただし、算出部530をCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーとして、当該プロセッサーがICメモリー531に記憶されたプログラムを演算処理することによりソフトウェア的に実現する構成としてもよい。監視コンピューター570は、キーボード540によりオペレーターの各種操作入力受け付け、演算処理の結果をタッチパネル550に表示することができる。

0089

本実施形態の構造物監視装置500によれば、本実施形態の物理量センサーデバイス200A(200B)を利用して構造物590の傾斜を監視している。そのため、物理量センサーデバイス200A(200B)の作用効果である高精度な加速度の検出を利用することができ、監視対象である構造物590の傾斜を精度良く検出することが可能となって、構造物590の監視品質を向上させることができる。

0090

4.4.移動体
図20は、移動体の構成例を示す図である。本実施形態では移動体600を、乗用車として例示するが車種は適宜変更可能である。また、移動体600は、小型船舶自動運搬装置、構内用運搬車フォークリフトなどでもよい。

0091

移動体600は、実施形態の物理量センサーデバイス200A(200B)と同じ構造を有する物理量センサーデバイス610と、物理量センサーデバイス610の加速度信号に基づいて、加速、制動及び操舵のうちの少なくとも1つを制御する自動運転制御部(制御部)620と、を有し、自動運転の実施或いは不実施を、物理量センサーデバイス610の検出信号に基づいて切り替えることができる。

0092

制御部620は、車載用コンピューターにより実現される。制御部620は車内LAN(Local Area Network)等の通信網によって、物理量センサーデバイス610、スロットルコントローラー503、ブレーキコントローラー505、ステアリングコントローラー507、などの各種のセンサーおよびコントローラーと信号送受可能に接続されている。ここで、スロットルコントローラー602はエンジン601の出力を制御する装置である。ブレーキコントローラー604はブレーキ603の作動を制御する装置である。ステアリングコントローラー606はパワーステアリング605の作動を制御する装置である。なお、制御部620に接続されるセンサーやコントローラーの種類はこれらに限らず適宜設定できる。

0093

そして、制御部620は、内蔵する演算装置で、物理量センサーデバイス610の例えば加速度検出信号に基づいて演算処理を行って、自動運転の実施或いは不実施を判定し、自動運転を実施する場合には、スロットルコントローラー602、ブレーキコントローラー604、ステアリングコントローラー606の少なくとも何れか1つに制御命令信号を送信して、加速、制動及び操舵のうちの少なくとも1つを制御する。

0094

自動制御の内容は、適宜設定可能である。例えば、コーナリング中に、物理量センサーデバイス610で検出される加速度が、スピンコーナーアウトを生じる恐れが高いとされる閾値に達した場合に、スピンやコーナーアウトを防止するような制御を行うとしてもよい。また、停止中に、物理量センサーデバイス610で検出される加速度が、操作を誤って急激な前進又は後進が生じた可能性が高いとされる閾値に達した場合に、スロットルを強制全閉させて急ブレーキを強制発動させるような制御を行うとしてもよい。

0095

図20に示す自動運転される移動体600に用いられるADAS(Advanced Driver Assistance Systems)ロケーターは、物理量センサーデバイス610を含む慣性センサーの他に、全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)受信機、地図データを格納した地図データベースを有する。ADASロケーターは、GNSS受信機で受信する測位信号と、慣性センサーの計測結果とを組み合わせることにより、移動体の走行位置をリアルタイムで測定する。ADASロケーターは、地図データベースから地図データを読み出す。物理量センサーデバイス610を含むADASロケーターからの出力は自動運転制御部620に入力される。自動運転制御部620は、ADASロケーターからの出力(物理量センサーデバイス610からの検出信号を含む)に基づいて、移動体600の加速、制動、及び操舵の少なくともいずれかを制御する。

0096

図21は、移動体600に係るシステムを示すブロック図である。切替部630は、ADASロケーターからの出力の変化(物理量センサーデバイス610からの検出信号の変化を含む)に基づいて、自動運転制御部620での自動運転の実施或いは不実施を切り替える。切替部630は、例えば、ADASロケーター中のセンサー(物理量センサーデバイス610を含む)の検出能力が低下した異常時に、自動運転の実施から不実施に切り替える信号を制御部620に出力する。

0097

また、上述した全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)は、例えば、衛星測位システムとしてのGPS(Global Positioning System)を利用してもよい。あるいは、例えば、EGNOS(European Geostationary-Satellite Navigation Overlay Service)、QZSS(Quasi Zenith Satellite System)、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、GALILEO、BeiDou(BeiDou Navigation Satellite System)、等の衛星測位システムのうち1または2以上を利用してもよい。また、衛星測位システムの少なくとも1つにWAAS(Wide Area Augmentation System)、EGNOS(European Geostationary-Satellite Navigation Overlay Service)等の静止衛星衛星航法補強システム(SBAS:Satellite-based Augmentation System)を利用してもよい。

0098

また、上述した全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)は、例えば、衛星測位システムとしてのGPS(Global Positioning System)を利用してもよい。或いは、例えば、EGNOS(European Geostationary-SatelliteNavigation Overlay Service)、QZSS(Quasi Zenith Satellite System)、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、GALILEO、BeiDou(BeiDou Navigation Satellite System)、等の衛星測位システムのうち1または2以上を利用してもよい。また、衛星測位システムの少なくとも1つにWAAS(Wide Area Augmentation System)、EGNOS(European Geostationary-Satellite Navigation Overlay Service)等の静止衛星型衛星航法補強システム(SBAS:Satellite-based Augmentation System)を利用してもよい。

0099

なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本発明の範囲に含まれる。

0100

1…温度センサー、2…発振器、3…カウンター、5…記憶部、6…演算処理部、10…物理量センサー、20…基部、31〜34…第1〜第4の腕部、40…可動部、50…括れ部、60…物理量検出素子、70…錘、100…物理量センサーデバイス、110…基部(パッケージベース)、112…段部(基部の一部)、113…接着剤、200A、200B…三軸物理量センサーデバイス、300…傾斜計、310…物理量センサーデバイス、330…算出部、400…慣性計測装置、410…物理量センサーデバイス、420…角速度センサーデバイス、430…算出部、500…構造物監視装置、510…物理量センサーデバイス、520…受信部、530…算出部、600…移動体、610…物理量センサーデバイス、620…制御部、630…切替部、f1(T)…一次周波数温度特性、f11(T)〜f26(T)…二次周波数温度特性、f31(T)〜f34(T)…三次周波数温度特性、T1…第一の境界温度、T2…第二の境界温度、T3…第三の境界温度

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