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技術 緩み止めナット、およびボルト・ナットの締結構造

出願人 コベルコ建機株式会社
発明者 小泉幸雄小川洋平吉澤祐太垣内和也
出願日 2018年3月7日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-041088
公開日 2019年9月19日 (9ヶ月経過) 公開番号 2019-157897
状態 未査定
技術分野 ボルト・ナット・座金
主要キーワード 係合部片 雄ねじ体 弾性ワッシャー 鋸刃形状 雌ねじ体 メートル並目ねじ 緩み止めナット ねじの有効径
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年9月19日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (13)

課題

簡易な構造で、緩み止め効果の高い緩み止めナットを提供すること。

解決手段

ナット1は、ナット本体2の軸方向の端面に固定された係止部材3を備える。係止部材3は、ナット本体2の軸方向の端面に固定される環状の基部4と、基部4から立ち上がる係止爪部5と、を有している。ボルト20に螺合した状態で、被締結部材ボルト挿入孔39aの角部に、係止爪部5の外面が押し付けられることで、ナット本体2の内方に向かう方向に係止爪部5が塑性変形し、これにより、ボルト20に対する緩み止めがなされる。

概要

背景

この種の技術として、例えば特許文献1、2に記載のものがある。特許文献1に記載の緩み止めナットは、ナット本体の上端面に、平板弾性ワッシャーカシメ固定されてなるものである。この平板状弾性ワッシャーは、一対の凸状係合部片を有する。ナット(緩み止めナット)をボルトに、またはボルトをナット(緩み止めナット)に螺合することで、一対の凸状係合部片のうちの一方の凸状係合部片を弾性変形させ、これにより、摩擦トルクプリベリングトルク)を発生させて、ナットの緩み止めがなされる。

一方、特許文献2に記載の雌ねじ体は、周方向鋸刃形状となる雌ねじ凹凸を有し、当該雌ねじ体に対応する雄ねじ体は、同じく周方向に鋸刃形状となる雄ねじ側凹凸を有する。雌ねじ体を雄ねじ体に、または雄ねじ体を雌ねじ体に螺合することで、鋸刃形状の雌ねじ側凹凸と雄ねじ側凹凸とを係合させ、これにより、緩み方向の相対回転力が作用しても互いに係合する状態が保持される。

概要

簡易な構造で、緩み止め効果の高い緩み止めナットを提供すること。ナット1は、ナット本体2の軸方向の端面に固定された係止部材3を備える。係止部材3は、ナット本体2の軸方向の端面に固定される環状の基部4と、基部4から立ち上がる係止爪部5と、を有している。ボルト20に螺合した状態で、被締結部材ボルト挿入孔39aの角部に、係止爪部5の外面が押し付けられることで、ナット本体2の内方に向かう方向に係止爪部5が塑性変形し、これにより、ボルト20に対する緩み止めがなされる。

目的

本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な構造で、緩み止め効果の高い緩み止めナットを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

外周面雄ねじを有するボルト螺合されるとともに、当該ボルトが挿入された被締結部材に当接される緩み止めナットであって、内周面に前記雄ねじに螺合される雌ねじを有するナット本体と、前記ナット本体の軸方向の端面に固定された係止部材と、を備え、前記係止部材は、前記ナット本体の軸方向の端面に固定される環状の基部と、前記基部から立ち上がる係止爪部と、を有しており、前記ボルトに螺合した状態で、前記被締結部材のボルト挿入孔の角部に、前記係止爪部の外面が押し付けられることで、前記ナット本体の内方に向かう方向に前記係止爪部が塑性変形し、これにより、前記ボルトに対する緩み止めがなされる、緩み止めナット。

請求項2

請求項1に記載の緩み止めナットにおいて、前記係止爪部は、前記雌ねじが形成された前記ナット本体のねじ孔よりも外方から、当該ナット本体の軸心に向かう方向に斜めに立ち上がる立ち上がり部と、前記立ち上がり部の先端から延在し、前記ボルトに螺挿された状態において、前記雄ねじのねじ山に沿う先端部と、を備える、緩み止めナット。

請求項3

請求項2に記載の緩み止めナットにおいて、前記立ち上がり部の前記軸方向の長さが、前記雌ねじのねじピッチ整数倍とされている、緩み止めナット。

請求項4

請求項2または3に記載の緩み止めナットにおいて、前記先端部の先端の内周面が、前記ねじ孔の内径とほぼ同径に形成されている、緩み止めナット。

請求項5

外周面に雄ねじを有するボルトと、当該ボルトに螺合されるともに当該ボルトが挿入された被締結部材に当接される緩み止めナットとの締結構造であって、前記緩み止めナットは、内周面に前記雄ねじに螺合される雌ねじを有するナット本体と、前記ナット本体の軸方向の端面に固定された係止部材と、を備え、前記係止部材は、前記ナット本体の軸方向の端面に固定される環状の基部と、前記基部から立ち上がる係止爪部と、を有しており、前記緩み止めナットが前記ボルトに螺合した状態で、前記被締結部材のボルト挿入孔の角部に、前記係止爪部の外面が押し付けられることで、前記ナット本体の内方に向かう方向に前記係止爪部が塑性変形し、これにより、前記緩み止めナットの前記ボルトに対する緩み止めがなされる、ボルト・ナットの締結構造。

技術分野

0001

本発明は、緩み止めナットに関する。

背景技術

0002

この種の技術として、例えば特許文献1、2に記載のものがある。特許文献1に記載の緩み止めナットは、ナット本体の上端面に、平板弾性ワッシャーカシメ固定されてなるものである。この平板状弾性ワッシャーは、一対の凸状係合部片を有する。ナット(緩み止めナット)をボルトに、またはボルトをナット(緩み止めナット)に螺合することで、一対の凸状係合部片のうちの一方の凸状係合部片を弾性変形させ、これにより、摩擦トルクプリベリングトルク)を発生させて、ナットの緩み止めがなされる。

0003

一方、特許文献2に記載の雌ねじ体は、周方向鋸刃形状となる雌ねじ凹凸を有し、当該雌ねじ体に対応する雄ねじ体は、同じく周方向に鋸刃形状となる雄ねじ側凹凸を有する。雌ねじ体を雄ねじ体に、または雄ねじ体を雌ねじ体に螺合することで、鋸刃形状の雌ねじ側凹凸と雄ねじ側凹凸とを係合させ、これにより、緩み方向の相対回転力が作用しても互いに係合する状態が保持される。

先行技術

0004

特開2015−90214号公報
特開2016−80137号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1に記載の緩み止めナットのプリベリングトルクによる緩み止め効果は、凸状係合部片の弾性回復力による摩擦力のみに頼るものであり、条件によっては、長期間の使用において、ナット(緩み止めナット)が緩んでしまうことがある。例えば、クローラ式クレーンなどの建設機械は、路面が整備された平坦地だけでなく、傾斜地、水分を多く含んだ軟弱地、乾燥した岩盤地など様々な条件下で使用され、土砂衝突機械振動により、使用しているナットが緩んでしまうことがある。

0006

一方、特許文献2に記載の雌ねじ体と雄ねじ体との係合は、緩み方向には絶対に緩まない構造であり、この点は優れているが、これら雌ねじ体および雄ねじ体の構造は複雑であり、製作コストが高くなってしまう。

0007

本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な構造で、緩み止め効果の高い緩み止めナットを提供することである。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、外周面雄ねじを有するボルトに螺合されるとともに、当該ボルトが挿入された被締結部材に当接される緩み止めナットである。この緩み止めナットは、内周面に前記雄ねじに螺合される雌ねじを有するナット本体と、前記ナット本体の軸方向の端面に固定された係止部材と、を備える。前記係止部材は、前記ナット本体の軸方向の端面に固定される環状の基部と、前記基部から立ち上がる係止爪部と、を有している。前記ボルトに螺合した状態で、前記被締結部材のボルト挿入孔の角部に、前記係止爪部の外面が押し付けられることで、前記ナット本体の内方に向かう方向に前記係止爪部が塑性変形し、これにより、前記ボルトに対する緩み止めがなされる。

0009

また、本発明は、別の視点では、外周面に雄ねじを有するボルトと、当該ボルトに螺合されるともに当該ボルトが挿入された被締結部材に当接される緩み止めナットとの締結構造(ボルト・ナットの締結構造)である。前記緩み止めナットは、内周面に前記雄ねじに螺合される雌ねじを有するナット本体と、前記ナット本体の軸方向の端面に固定された係止部材と、を備える。前記係止部材は、前記ナット本体の軸方向の端面に固定される環状の基部と、前記基部から立ち上がる係止爪部と、を有している。前記緩み止めナットが前記ボルトに螺合した状態で、前記被締結部材のボルト挿入孔の角部に、前記係止爪部の外面が押し付けられることで、前記ナット本体の内方に向かう方向に前記係止爪部が塑性変形し、これにより、前記緩み止めナットの前記ボルトに対する緩み止めがなされる。

発明の効果

0010

本発明の緩み止めナット、または本発明のボルト・ナットの締結構造によると、係止部材を構成する係止爪部が、ボルトの雄ねじ部分と被締結部材との間に食い込むように塑性変形して、ナットの緩み止めがなされるので、弾性回復力による摩擦力のみに頼る緩み止めナットよりも、高い緩み止め効果が得られる。また、ナット(ボルトおよびナット)の構造は、特許文献2に記載の雌ねじ体(雄ねじ体および雌ねじ体)の構造よりも簡易である。

図面の簡単な説明

0011

本発明の一実施形態に係る緩み止めナットの平面図である。
図1のA−A一部断面図である。
図1のB−B断面図である。
図1に示す係止部材の平面図である。
図4AのC−C断面図である。
図4AのD−D矢視図である。
クローラ式クレーンの側面図である。
図5に示すクローラを構成するシュー連結構造を示す平面図である。
図6中の本発明の一実施形態に係るボルト・ナット部分の拡大図である。
本発明の一実施形態に係る緩み止めナットのナット本体が、ボルトの軸部に螺合される直前の状態を示す平面図である。
本発明の一実施形態に係る緩み止めナットの係止爪部の立ち上がり部が、被締結部材のボルト挿入孔の角部に到達した時点の平面図である。
本発明の一実施形態に係る緩み止めナットの係止爪部が塑性変形し、これにより、ボルトに対する緩み止めがなされた状態を示す平面図である。

実施例

0012

以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。

0013

図1図3は、本発明の一実施形態に係るナット1(緩み止めナット)を示し、図4A図4Cは、ナット本体2とともにナット1を構成する係止部材3を示す。

0014

ナット1は、ねじ孔2aが形成されたナット本体2と、ナット本体2の軸方向の端面に固定された係止部材3とで構成される。ねじ孔2aは雌ねじである。また、ナット本体2の外形は、例えば六角形である。

0015

係止部材3は、全体として薄板状の環状体であって、ナット本体2の軸方向の端面に固定される環状の基部4(リング部)と、基部4から立ち上がる係止爪部5とを備えている。なお、この係止部材3は、ナット本体2と同心(同軸)でナット本体2に固定される。

0016

基部4と係止爪部5とは例えば一体であり、係止爪部5は、例えば曲げ加工により基部4から立ち上げられて形成される。環状の基部4は、ナット本体2のねじ孔2aよりも大径であり、ナット本体2の軸方向の端面に、かしめ固定される。符号2bを付してかしめ部を図1図3中に示している。なお、ナット本体2と基部4(係止部材3)との固定は、かしめ固定に限られるものではなく、例えば、スポット溶接により両者が固定されてもよい。

0017

環状の基部4から立ち上がる係止爪部5は、雌ねじが形成されたナット本体2のねじ孔2aよりも外方から、当該ナット本体2の軸心に向かう方向に斜めに立ち上がる立ち上がり部6と、立ち上がり部6の先端から延在し、ナット本体2がボルト20に螺挿された状態において、ボルト20のねじ山21a(雄ねじのねじ山)に沿う先端部7と、を有している。

0018

ナット本体2がボルト20に螺挿された状態において、先端部7が、ボルト20のねじ山21aに沿う形状とされている(ボルト20のねじ山21aに沿う角度で立ち上がり部6に対して曲げられている)ことで、ナット1を、当該先端部7を先頭にしてボルト20に螺挿する際に、被締結部材のボルト挿入孔の角部に係止爪部5が当接するまで、比較的小さいトルクで(例えば、工具を用いずに手のみでも)ナット1をボルト20に螺挿することができる。

0019

具体的には、図2に示すように、断面視においては、先端部7は、螺挿されるボルト20のねじ山21aに沿うように、径内方向に向かって、ナット本体2の軸方向に対して傾斜させられている。なお、ボルト20のねじ山21aの角度αは、メートル並目ねじの場合、α=30度である。また、図3に示すように、側面視においては、先端部7は、螺挿されるボルト20のねじ山21aに沿うように、回転方向に対して角度βの角度で傾斜させられている。この角度βは、回転方向におけるねじ山21aの傾斜角度(ねじの傾斜角度)であり、M20のメートル並目ねじの場合、β=3.9度である。

0020

また、図2に示すように、先端部7は、ナット本体2がボルト20に螺挿された状態において、当該先端部7の先端が、ボルト20のねじ山21aの頂G1と谷底G2との間に位置する寸法にされている。すなわち、先端部7は、ナット本体2ボルト20に螺挿された状態において、ボルト20のねじ山21aにかかる長さとされている。

0021

これらにより、先端部7は、ナット本体2がボルト20に螺挿された状態において、ボルト20のねじ山21aに沿う形状(薄板形状)とされている。

0022

ここで、先端部7の先端の内周面7aは、ねじ孔2aの内径D(図1参照)とほぼ同径(または、同径)の円弧状に形成されていることが好ましい。「ほぼ同径」とは、先端部7の先端の内周面7aの径が、ねじ山21aの谷底G2の径以上、且つ、ねじ山21aの頂G1の径未満であることである。この構成によると、ボルト20のねじ山21aと先端部7との干渉を防止することができ、被締結部材のボルト挿入孔の角部に係止爪部5が当接するまで、より小さいトルクでナット1をボルト20に螺挿することができる。なお、先端部7の先端の内周面7aの径は、ねじ山21aの谷底G2の径以上、且つ、ねじの有効径以下であることがより好ましい。

0023

また、係止爪部5の立ち上がり部6に関しては、その軸方向の長さL(図2参照)が、雌ねじのねじピッチPの整数倍とされていることが好ましい。この構成によると、ボルト20のねじ山21aと先端部7との干渉を防止することができ、被締結部材のボルト挿入孔の角部に係止爪部5が当接するまで、より小さいトルクでナット1をボルト20に螺挿することができる。なお、本実施形態では、立ち上がり部6の軸方向の長さLは、雌ねじのねじピッチPの1倍とされている。

0024

次に、本発明の一実施形態に係るナット1の使用例について、図5図8Cを参照しつつ説明する。

0025

図5は、クローラ式クレーン100の側面図である。なお、図5において、クローラ式クレーン100のアタッチメントの図示は省略している。クローラ式クレーン100は、ナット1、および当該ナット1で緩み止めされたボルト20を備える建設機械の一例である。また、クローラ式クレーン100は、ボルト20・ナット1の締結構造を備える建設機械の一例である。

0026

図5に示すように、クローラ式クレーン100は、走行体31と、走行体31の上に搭載された旋回体32とを備えている。旋回体32には、前部に運転室33が設けられ、後部にはカウンターウェイト34が配置されている。旋回体32には、図示を省略するエンジン油圧ポンプなどの駆動機構が搭載される。

0027

走行体31は、駆動輪としてのドライブタンブラ35、および従動輪としてのアイドラ36と、ドライブタンブラ35とアイドラ36との間に巻き回されたクローラ37とを有する。クローラ式クレーン100は、ドライブタンブラ35が回転駆動されることで、クローラ37により走行する。

0028

図6に示すように、クローラ37は、複数のシュー38が連結されてなるものである。シュー38は、本体部39と、本体部39の両側に設けられた複数の連結部40とを備えている。一方の連結部40が、他方の連結部40の間に嵌め込まれ、その後、連結部40のピン孔40aに連結ピン41が挿入されることで、シュー38は相互に連結される。

0029

ここで、連結ピン41により連結されたシュー38は、連結ピン41まわりに回動自在とされる。すなわち、連結ピン41は、ピン孔40aに固定されない。

0030

よって、連結ピン41は、その軸方向に移動可能である。そのため、連結ピン41の軸方向の抜け止め(規制部材)として、ボルト20(ボルト20の頭部22)が用いられる。シュー38の本体部39には、ボルト挿入孔39aが形成されており、このボルト挿入孔39aにボルト20が挿入される。ボルト20は、ナット1により緩み止めがなされ、これにより、ボルト挿入孔39aからボルト20が抜け落ちるのが防止される。なお、ボルト20が挿入されるシュー38(シュー38の本体部39)は、本発明における被締結部材に相当する。

0031

シュー38の本体部39へのボルト20の固定について、図8A図8Cを参照しつつ説明する。

0032

まず、シュー38の本体部39のボルト挿入孔39aに、連結ピン41側からボルト20を挿入する。その後、係止部材3が固定された側からナット1をボルト20の軸部21(雄ねじ)に螺挿していく。

0033

ボルト20の軸部21にナット1を螺挿していくと、やがて、係止部材3の係止爪部5が、ボルト挿入孔39aの角部に当たる。ボルト挿入孔39aの角部に係止部材3の係止爪部5が当接した状態から、工具を用いて、ナット本体2をボルト20の軸部21に締め込むと、図8Cに示すように、ボルト挿入孔39aの角部に、係止爪部5の外面が押し付けられて、ナット本体2の内方に向かう方向に係止爪部5が塑性変形する。このとき、係止爪部5は、ボルト20の雄ねじ部分(軸部21)とシュー38の本体部39との間に食い込むように塑性変形する。これにより、ボルト20に対するナット1の緩み止めがなされ(ナット本体2がロックされ)、その結果、ボルト挿入孔39aからのボルト20の抜け落ちが防止される。

0034

ナット1によると、係止部材3を構成する係止爪部5が、ボルト20の雄ねじ部分とシュー38の本体部39との間に食い込むように塑性変形して、ナット本体2の緩み止めがなされるので、弾性回復力による摩擦力のみに頼る、特許文献1に記載の緩み止めナットよりも、高い緩み止め効果が得られる。また、ナット1の構造は、特許文献2に記載の雌ねじ体(雄ねじ体および雌ねじ体)の構造よりも簡易である。

0035

また、クローラ式クレーン100などの建設機械は、路面が整備された平坦地だけでなく、傾斜地、水分を多く含んだ軟弱地、乾燥した岩盤地など様々な条件下で使用され、土砂の衝突や機械の振動により、使用しているナットが緩んでしまうことがあったが、ナット1によると、これを防止することができる。

0036

なお、ボルト20の雄ねじ部分(軸部21)とシュー38の本体部39との間への係止爪部5の食い込み性を高めるために、係止部材3(係止部材3の係止爪部5)は、塑性変形し易い材料で形成されていることが好ましく、その材料は、例えば、銅合金、または樹脂などである。

0037

従来は、シュー38からボルト20が抜け落ちるのを防止するために、ナットをボルト20に溶接固定することもあったが、連結ピン41を使用している箇所は、通常100箇所以上あるので、ナットの溶接固定に多くの労力と時間が必要であった。

0038

一方、ナット1によると、ナット本体2をボルト20の軸部21に締め込むだけで、強固な緩み止め効果が得られる。そのため、シュー38の連結作業効率を、ナット溶接の場合よりも大きく向上させることができる。

0039

シュー38の取替え時には、ボルト20を捩じ切るか、溶断することになるが、これは、ナットをボルト20に溶接固定していた従来も同じである。

0040

(変形例)
前記実施形態では、環状の基部4から立ち上がる係止爪部5は1つとされているが、複数の係止爪部5が、環状の基部4から立ち上げられていてもよい(環状の基部4に設けられていてもよい)。この構成によると、ナット1をボルト20に螺挿していく際に、係止爪部5が1つの場合よりもナット本体2の姿勢が安定し、より容易にナット1をボルト20に螺合することができる。しかも、複数の係止爪部5により、緩み止めがなされるため、緩み止め効果がより向上する。

0041

この場合、基部4の周方向に、等しい位相差で、すなわち、等間隔で、少なくとも2つの係止爪部5が基部4から立ち上げられていることがより好ましい。さらには、等間隔で、すなわち180度間隔で、2つの係止爪部5が基部4に設けられる場合(3つ以上の係止爪部5が基部4に設けられる場合も同様であるが)、2つの(複数の)係止爪部5のうちの両方の先端部7が、ナット本体2がボルト20に螺挿された状態において、ボルト20のねじ山21a(雄ねじのねじ山)に沿う形状とされることが好ましい。この構成によると、ナット1をボルト20に螺挿していく際に、ナット本体2の姿勢がより安定する。なお、例えば、180度間隔で、2つの係止爪部5が基部4に設けられる場合、2つの係止爪部5のうちの一方の立ち上がり部6の軸方向の長さLは、他方の立ち上がり部6の軸方向の長さLに対して、雌ねじのねじピッチPの(0.5+n−1)倍(nは自然数)、長いものとなる。2つの立ち上がり部6の軸方向の長さLの差は、小さい方がよりナット本体2の姿勢が安定するので、この長さLの差は、雌ねじのねじピッチPの0.5倍であることが好ましい。

0042

前記実施形態では、クローラ式クレーン100のクローラ37を構成するシュー38同士の連結ピン41の抜け止め用に、ボルト20およびナット1が用いられているが、ボルト20およびナット1の用途は、これに限定されるものではく、様々な部材(被締結部材)にボルト20およびナット1を用いることができる。また、ボルト20およびナット1を適用する建設機械は、クローラ式クレーン100に限定されることはなく、ショベルなどの建設機械にも、ボルト20およびナット1を適用することができる。

0043

以上、本発明の実施形態、およびその変形例について説明したが、その他に、当業者が想定できる範囲で種々の変更を行えることは勿論である。

0044

1:ナット(緩み止めナット)
2:ナット本体
2a:ねじ孔
3:係止部材
4:基部
5:係止爪部
6:立ち上がり部
7:先端部
7a:内周面
20:ボルト
21a:ねじ山(雄ねじのねじ山)
38:シュー(被締結部材)
39:本体部(シューの本体部)
39a:ボルト挿入孔
100:クローラ式クレーン(建設機械)
D:内径(ねじ孔の内径)
L:立ち上がり部の軸方向の長さ

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