図面 (/)

技術 スパッタリングターゲット材、及びスパッタリングターゲット

出願人 株式会社コベルコ科研
発明者 田尾幸樹畠英雄
出願日 2018年3月16日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2018-049369
公開日 2019年9月19日 (3ヶ月経過) 公開番号 2019-157246
状態 特許登録済
技術分野 物理蒸着 酸化物セラミックスの組成1 重金属無機化合物(II) 光学的記録担体およびその製造 光記録担体の製造
主要キーワード ターゲット出力 系はんだ材 鏡面研削 受光幅 平均気孔率 工程作業 連続焼 特定化学物質
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年9月19日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題

本発明は、光記録媒体誘電体層を形成する際に異常放電を効果的に抑制することができ、健康障害防止対策の必要がないスパッタリングターゲット材及びスパッタリングターゲットを提供することを目的とする。

解決手段

本発明の一態様は、亜鉛(Zn)の酸化物、スズ(Sn)の酸化物及びジルコニウム(Zr)の酸化物を含み、酸素(O)以外の全元素に対して、亜鉛の含有量AZnが0at%超50at%以下、スズの含有量ASnが20at%以上80at%以下、及びジルコニウムの含有量AZrが0at%超40at%以下であり、Znの含有量が下記式(1)を満たし、測定される複数の比抵抗値のうち、最小値に対する最大値の比が3以下、及び上記比抵抗値が5×10−1[Ω・cm]以下であり、インジウム(In)を含有しないスパッタリングターゲット材である。 AZn/(AZn+ASn)≦0.6・・・・・(1)

概要

背景

光記録媒体は、CD、DVDといった光ディスクに代表され、再生専用追記型、及び書き換え型の3種類に分類される。また、光記録媒体の記録方式としては、記録層構成材料相変化する方式、多層化された記録層が層間反応する方式、及び記録層の構成材料が分解する方式等が知られている。追記型の光ディスクの記録層材料としては、これまで有機色素材料が広く用いられていたが、近年、記録の高密度化が進み、無機材料も用いられるようになっている。

記録層に無機材料として金属酸化物を採用した場合、この酸化物の分解によって情報の記録が行われるが、記録層の経時変化による劣化を抑制し、記録層の信号特性を良くするために、記録層の表裏スパッタリング法誘電体層を形成することが知られている。誘電体層(保護層)を形成するスパッタリングターゲットであって、含有されるジルコニウム(Zr)の90%以上を、Zrとインジウム(In)との複合酸化物相としてスパッタリングターゲット材中に分散させることで、耐割れ性に優れたZrO2−In2O3系スパッタリングターゲットが発案されている(特開2009−62585号公報)。このスパッタリングターゲットによれば、高出力でスパッタリングをしても割れが発生しないため、効率よく誘電体層が形成され、光記録媒体の生産効率が向上するとされている。

しかしながら、高出力でスパッタリングをすると異常放電が発生し、スパッタリングターゲットの素地が粒状の塊となって記録層に飛散する、いわゆるパーティクルが発生するが、上記ZrO2−In2O3系スパッタリングターゲットでは、異常放電を効果的に抑制できないおそれがある。また、Inを含む酸化物によりスパッタリングターゲットの導電性が確保されるため、形成速度を高くして工程作業時間を短縮することができるが、Inは特定化学物質に指定されているため、健康障害防止対策を講じる必要がある。

概要

本発明は、光記録媒体の誘電体層を形成する際に異常放電を効果的に抑制することができ、健康障害防止対策の必要がないスパッタリングターゲット材及びスパッタリングターゲットを提供することを目的とする。本発明の一態様は、亜鉛(Zn)の酸化物、スズ(Sn)の酸化物及びジルコニウム(Zr)の酸化物を含み、酸素(O)以外の全元素に対して、亜鉛の含有量AZnが0at%超50at%以下、スズの含有量ASnが20at%以上80at%以下、及びジルコニウムの含有量AZrが0at%超40at%以下であり、Znの含有量が下記式(1)を満たし、測定される複数の比抵抗値のうち、最小値に対する最大値の比が3以下、及び上記比抵抗値が5×10−1[Ω・cm]以下であり、インジウム(In)を含有しないスパッタリングターゲット材である。 AZn/(AZn+ASn)≦0.6・・・・・(1)なし

目的

本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、光記録媒体の誘電体層を形成する際に異常放電を効果的に抑制することができ、健康障害防止対策の必要がないスパッタリングターゲット材及びスパッタリングターゲットを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

亜鉛(Zn)の酸化物、スズ(Sn)の酸化物及びジルコニウム(Zr)の酸化物を含み、酸素(O)以外の全元素に対して、亜鉛の含有量AZnが0at%超50at%以下、スズの含有量ASnが20at%以上80at%以下、及びジルコニウムの含有量AZrが0at%超40at%以下であり、Znの含有量が下記式(1)を満たし、測定される複数の比抵抗値のうち、最小値に対する最大値の比が3以下、及び上記比抵抗値が5×10−1[Ω・cm]以下であり、インジウム(In)を含有しないスパッタリングターゲット材。AZn/(AZn+ASn)≦0.6・・・・・(1)

請求項2

SnO2相及びZn2SnO4相を有し、上記SnO2相中のZr元素濃度に対する上記Zn2SnO4相中のZr元素濃度の比が、0.1以上5以下である請求項1に記載のスパッタリングターゲット材。

請求項3

ZrO2の結晶粒を含み、上記ZrO2の結晶粒の平均粒径が5μm以下である請求項1又は請求項2に記載のスパッタリングターゲット材。

請求項4

請求項1、請求項2又は請求項3に記載のスパッタリングターゲット材を含むスパッタリングターゲット

技術分野

背景技術

0002

光記録媒体は、CD、DVDといった光ディスクに代表され、再生専用追記型、及び書き換え型の3種類に分類される。また、光記録媒体の記録方式としては、記録層構成材料相変化する方式、多層化された記録層が層間反応する方式、及び記録層の構成材料が分解する方式等が知られている。追記型の光ディスクの記録層材料としては、これまで有機色素材料が広く用いられていたが、近年、記録の高密度化が進み、無機材料も用いられるようになっている。

0003

記録層に無機材料として金属酸化物を採用した場合、この酸化物の分解によって情報の記録が行われるが、記録層の経時変化による劣化を抑制し、記録層の信号特性を良くするために、記録層の表裏スパッタリング法誘電体層を形成することが知られている。誘電体層(保護層)を形成するスパッタリングターゲットであって、含有されるジルコニウム(Zr)の90%以上を、Zrとインジウム(In)との複合酸化物相としてスパッタリングターゲット材中に分散させることで、耐割れ性に優れたZrO2−In2O3系スパッタリングターゲットが発案されている(特開2009−62585号公報)。このスパッタリングターゲットによれば、高出力でスパッタリングをしても割れが発生しないため、効率よく誘電体層が形成され、光記録媒体の生産効率が向上するとされている。

0004

しかしながら、高出力でスパッタリングをすると異常放電が発生し、スパッタリングターゲットの素地が粒状の塊となって記録層に飛散する、いわゆるパーティクルが発生するが、上記ZrO2−In2O3系スパッタリングターゲットでは、異常放電を効果的に抑制できないおそれがある。また、Inを含む酸化物によりスパッタリングターゲットの導電性が確保されるため、形成速度を高くして工程作業時間を短縮することができるが、Inは特定化学物質に指定されているため、健康障害防止対策を講じる必要がある。

先行技術

0005

特開2009−62585号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、光記録媒体の誘電体層を形成する際に異常放電を効果的に抑制することができ、健康障害防止対策の必要がないスパッタリングターゲット材及びスパッタリングターゲットを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、亜鉛(Zn)の酸化物、スズ(Sn)の酸化物及びジルコニウム(Zr)の酸化物を含み、酸素(O)以外の全元素に対して、亜鉛の含有量AZnが0at%超50at%以下、スズの含有量ASnが20at%以上80at%以下、及びジルコニウムの含有量AZrが0at%超40at%以下であり、Znの含有量が下記式(1)を満たし、測定される複数の比抵抗値のうち、最小値に対する最大値の比が3以下、及び上記比抵抗値が5×10−1[Ω・cm]以下であり、インジウム(In)を含有しないスパッタリングターゲット材である。
AZn/(AZn+ASn)≦0.6・・・・・(1)

0008

当該スパッタリングターゲット材は、Znの酸化物、Snの酸化物及びZrの酸化物で形成され、含有量が上記範囲であるので、優れた特性を有する誘電体層を形成するスパッタリングターゲットを製造することができる。また、測定される複数の比抵抗値の最小値に対する最大値の比が3以下で、比抵抗値が5×10−1[Ω・cm]以下であるため、スパッタリング法で誘電体層を形成する際に異常放電が効果的に抑制され、パーティクルの発生を低減することができる。また、当該スパッタリングターゲット材は、In元素を含有しないので、健康障害防止対策の必要がない。従って、光記録媒体の生産効率を向上することができる。

0009

当該スパッタリングターゲット材が、SnO2相及びZn2SnO4相を有し、上記SnO2相中のZr元素濃度に対する上記Zn2SnO4相中のZr元素濃度の比が、0.3以上5以下であるとよい。このようにすることで、強度が優れたスパッタリングターゲットを製造することができる。

0010

当該スパッタリングターゲット材が、ZrO2の結晶粒を含み、上記ZrO2の結晶粒の平均粒径が5μm以下であるとよい。このようにすることで、強度がより優れたスパッタリングターゲットを製造することができる。

0011

上記課題を解決するためになされた本発明の他の一態様は、上記スパッタリングターゲット材を含むスパッタリングターゲットである。当該スパッタリングターゲットは、スパッタリング法で誘電体層を形成する際に異常放電を効果的に抑制することができるため、誘電体層を効率的に形成できる。

発明の効果

0012

以上のように、本発明のスパッタリングターゲット材及びスパッタリングターゲットは、光記録媒体の誘電体層を形成する際に異常放電を効果的に抑制することができ、健康障害防止対策の必要がない。

0013

以下、本発明に係るスパッタリングターゲット材及びスパッタリングターゲットの実施形態について詳説する。

0014

[スパッタリングターゲット]
本発明の一実施形態であるスパッタリングターゲットは、光記録媒体の記録層の表裏に、誘電体層を形成するのに用いられる。当該スパッタリングターゲットは、亜鉛(Zn)の酸化物、スズ(Sn)の酸化物及びジルコニウム(Zr)の酸化物を含み、酸素(O)以外の全元素に対して、亜鉛の含有量AZnが0at%超50at%以下、スズの含有量ASnが20at%以上80at%以下、及びジルコニウムの含有量AZrが0at%超40at%以下であり、Znの含有量が下記式(1)を満たし、測定される複数の比抵抗値のうち、最小値に対する最大値の比が3以下、及び上記比抵抗値が5×10−1[Ω・cm]以下であり、インジウム(In)を含有しないスパッタリングターゲット材で製造される。当該スパッタリングターゲット材は、本発明の他の一態様である。
AZn/(AZn+ASn)≦0.6・・・・・(1)

0015

<スパッタリングターゲット材>
当該スパッタリングターゲット材は、Zn、Sn及びZrのそれぞれの酸化物を含む。当該スパッタリングターゲット材がZn、Sn及びZrのそれぞれの酸化物を含むことにより、誘電体層に同一の酸化物を含ませることができる。誘電体層は、記録層の酸化物が分解した際に放出される酸素が記録層から離脱するのを防止する機能、記録層の耐久性を保持する機能、及び透過光の量を調整する機能を有する。

0016

Znは、Snと同時に誘電体層に添加されることで記録層に形成される記録マークの形状又は寸法のばらつきを抑制してジッターを低下させるための元素である。

0017

Snは、誘電体層に記録層の分解を防ぐ酸素バリア機能を持たせるための元素である。

0018

Zrは、誘電体層の酸素バリア機能を向上させ、記録層の記録信号の劣化を抑制するための元素である。

0019

当該スパッタリングターゲット材のZnの酸素以外の全元素に対する含有量AZnの下限としては0at%超であり、20at%が好ましく、30at%がより好ましい。一方、Znの含有量の上限としては、50at%であり、47at%が好ましく、45at%がより好ましい。当該スパッタリングターゲット材のZnの含有量が上記下限に満たない場合、誘電体層にZn酸化物が不足し、誘電体層が記録層に形成される記録マークの形状又は寸法のばらつきを十分に抑制できなくなるおそれがある。一方、Znの含有量が上記上限を超える場合、他の元素の酸化物の含有量を不足させるおそれがある。

0020

当該スパッタリングターゲット材のSnの酸素以外の全元素に対する含有量ASnの下限としては20at%であり、30at%が好ましく、40at%がより好ましい。一方、Snの含有量の上限としては、80at%であり、75at%が好ましく、70at%がより好ましい。当該スパッタリングターゲット材のSnの含有量が上記下限に満たない場合、誘電体層にSn酸化物が不足し、誘電体層に記録層の分解を防ぐ酸素バリア機能を備えさせることが困難になるおそれがある。一方、Snの含有量が上記上限を超える場合、他の元素の酸化物の含有量を不足させるおそれがある。

0021

当該スパッタリングターゲット材のZrの酸素以外の全元素に対する含有量AZrの下限としては0at%超であり、5at%が好ましく、10at%がより好ましい。一方、Zrの含有量の上限としては、40at%であり、35at%が好ましく、30at%がより好ましい。当該スパッタリングターゲット材のZrの含有量が上記下限に満たない場合、誘電体層にZr酸化物が不足して酸素バリア機能が低下し、記録層の記録信号の劣化を抑制することが困難になるおそれがある。一方、Zrの含有量が上記上限を超える場合、他の元素の酸化物の含有量を不足させるおそれがある。

0022

また、Znの含有量は、下記式(1)を満たす。下記式(1)の値の下限は、0であり、0.1がより好ましく、0.2がさらに好ましい。一方、下記式(1)の値の上限としては、0.5が好ましく、0.4がより好ましい。下記式(1)の値が上記上限を超える場合、誘電体層におけるZn酸化物が不要に増大し、誘電体層の酸素バリア機能が低下するおそれがある。
AZn/(AZn+ASn)≦0.6・・・・・(1)

0023

当該スパッタリングターゲット材は、Inを含有しない。具体的には、Inの含有量は、検出限界である100ppm未満である。当該スパッタリングターゲット材は、特定化学物質に指定されているIn元素を含まないため、健康障害防止対策の必要がない。

0024

当該スパッタリングターゲット材で測定される複数の比抵抗値のうち、最小値に対する最大値の比の上限としては、3であり、2.4がより好ましく、1.7がさらに好ましい。上記比抵抗の最小値に対する最大値の比が上記上限を超える場合、当該スパッタリングターゲット材を用いたスパッタリングターゲットで誘電体層を形成する際に、異常放電を十分に抑制することができないおそれがある。

0025

当該スパッタリングターゲット材の比抵抗値の上限としては、5×10−1[Ω・cm]であり、3×10−1[Ω・cm]が好ましく、1×10−1[Ω・cm]がさらに好ましい。上記比抵抗値が上記上限を超える場合、当該スパッタリングターゲット材を用いたスパッタリングターゲットで誘電体層を形成する際に、異常放電を十分に抑制することができないおそれがある。

0026

当該スパッタリングターゲット材には、SnO2相及びZn2SnO4相を有する。このSnO2相中のZr元素濃度に対するZn2SnO4相中のZr元素濃度の比の下限としては、0.1が好ましく、0.15がより好ましく、0.2がさらに好ましい。一方、Zr元素濃度の比の上限としては、5が好ましく、4がより好ましく、3がさらに好ましい。Zr元素濃度の比が上記下限及び上限の範囲にない場合、絶縁体であるZrO2が多く残存するため、ZrO2を起点とした異常放電が発生するおそれがある。

0027

また、当該スパッタリングターゲット材には、ZrO2の結晶粒を有する。このZrO2の結晶粒の平均粒径の上限としては、5μmが好ましく、4μmがより好ましく、3μmがさらに好ましい。ZrO2の結晶粒の平均粒が上記上限を超える場合、絶縁体であるZrO2を起点とした異常放電が発生するおそれがある。

0028

[スパッタリングターゲットの製造方法]
当該スパッタリングターゲットは、Zn、Sn及びZrの酸化物を混合及び焼結した酸化物焼結体であるスパッタリングターゲット材を成形加工したものを用いて得ることができる。以下に説明するスパッタリングターゲットの製造方法は、その一例を示すものであって、当該製造方法に限定されるものではない。

0029

具体的には、当該スパッタリングターゲットの製造方法は、Zn、Sn及びZrを混合する工程(S01)、混合物を乾燥する工程(S02)、乾燥された混合物を焼結して酸化物焼結体とする工程(S03)、酸化物焼結体を成形加工する工程(S04)、及び成形物バッキングプレート接合する工程(S05)を有する。

0030

<混合工程>
Zn、Sn及びZrを混合する工程(S01)では、粉末状のZn、Sn及びZrをそれぞれ所定の割合で配合し、混合する。用いられる各原料粉末純度はそれぞれ、99.99%以上であることが好ましい。各原料粉末の純度が上記下限に満たないと、当該スパッタリングターゲットを用いて形成される誘電体層の特性を損なうおそれがある。各原料粉末の配合割合は、酸化物焼結体に含まれる酸素を除く全金属元素に対して、Znが0at%超50at%以下、Snが20at%以上80at%以下、Zrが0at%超40at%以下、かつZn及びSnの含有量の和に対するZnの含有量の比が0.6以下となるように調整する。

0031

混合する手段としては、特に限定されないが、例えばボールミルを用いて、各原料粉末と水とをボールミルに投入して混合することができる。水と共に、均一に混合する目的で分散剤を用いてもよいし、後述する予備成形工程で成形を容易にするためにバインダーを用いてもよい。ボールミルのボールビーズ材質としては、特に限定されないが、例えばナイロンアルミナジルコニア等が挙げられる。

0032

<乾燥工程>
乾燥工程(S02)では、例えばスプレードライヤ等を用いて、混合工程で得られた混合物を乾燥する。乾燥後に、混合物を予備成形することが好ましい。また、分散剤やバインダーを用いた場合は、混合物を脱脂することが好ましい。

0033

(予備成形工程)
乾燥された混合物を、焼結炉にセットする際のハンドリング性を向上させるため、予備成形を行うことが好ましい。予備成形の方法としては、特に限定されないが、乾燥後の混合物を所定寸法の金型充填し、金型プレスで予備成形することが挙げられる。金型プレスでの加圧力としては、例えば0.5tonf/cm2以上1.0tonf/cm2以下とすることができる。

0034

(脱脂工程)
混合工程(S01)で分散剤やバインダーを添加した場合には、分散剤やバインダーを除去するため、乾燥された混合物又は予備成形物を加熱して脱脂を行うことが好ましい。加熱の条件としては、特に限定されないが、例えば大気中であれば、加熱温度を500℃、保持時間を5時間等とすることにより、分散剤やバインダーを除去することができる。

0035

<焼結工程>
焼結工程(S03)では、乾燥された混合物を焼結して、酸化物焼結体とする。この酸化物焼結体が、当該スパッタリングターゲット材である。また、焼結によって、当該スパッタリングターゲット材には、SnO2相及びZn2SnO4相が形成され、ZrO2の結晶粒が形成される。焼結の加熱温度の下限としては、900℃が好ましく、920℃がより好ましく、940℃がさらに好ましい。一方、加熱温度の上限としては、1100℃が好ましく、1050℃がより好ましい。加熱温度が上記下限に満たない場合、酸化物焼結体を十分に緻密化することができず、材料強度が低下するおそれがある。一方、加熱温度が上記上限を超える場合、結晶粒が粗大化してしまい、材料強度が低下するおそれがある。

0036

上記加熱温度までの平均昇温速度の上限としては、600℃/hrが好ましく、500℃/hrがより好ましく、400℃/hrがさらに好ましい。平均昇温速度が上記上限を超える場合、結晶粒の異常成長が起こりやすくなり、また、酸化物焼結体の相対密度を十分に高めることができないおそれがある。

0037

上記加熱温度の保持時間の下限としては、0.5時間が好ましく、2時間がより好ましく、3.5時間がさらに好ましい。一方、上記保持時間の上限としては、24時間が好ましく、12時間がより好ましく、8時間がさらに好ましい。上記保持時間を上記範囲とすることで、所望の化合物相を得ることができる。

0038

上記加熱後、さらに加熱温度が400℃以上700℃以下、保持時間が1時間以上10時間以下の条件下で加熱をすることが好ましい。このようにすることで、酸化物焼結体の相対密度をより高めることができる。

0039

上記焼結は、還元雰囲気で行うことが好ましい。一酸化炭素(CO)雰囲気真空雰囲気等の還元雰囲気で上記焼結を行うことにより、比抵抗を低減することができる。その詳細機構については未解明の部分があるが、酸素欠損が発生する還元雰囲気で処理することによりキャリアが増加し、導電性が向上すると考察される。

0040

或いは、混合工程(S01)で、材料粉末及び水に、炭素(C)を投入して、この混合物を乾燥し(S02)、この乾燥された混合物を焼結しても良い。乾燥された混合物内にCが存在することで加熱によって還元反応が発生し、還元雰囲気で焼結したのと同じ効果を得ることができる。

0041

成形工程
成形工程(S04)では、上記酸化物焼結体(スパッタリングターゲット材)を成形加工して、各種用途に応じた形状にする。成形する手段としては、特に限定されないが、例えば冷間等方加圧法CIP:Cold Isostatic Pressing:)を採用することができる。CIPでの加圧力の下限としては、1000kgf/cm2が好ましく、900kgf/cm2がより好ましく、800kgf/cm2がさらに好ましい。CIPでの加圧力が上記下限に満たない場合、酸化物焼結体の相対密度を十分に向上することができないおそれがある。

0042

<接合工程>
接合工程(S05)では、上記成形物をバッキングプレートに接合して、スパッタリングターゲットを得る。バッキングプレートの素材としては、特に限定されないが、熱伝導性に優れた純銅又は銅合金が好ましい。接合する手段としては、特に限定されないが、例えばボンディング剤によって接合することができる。ボンディング剤の種類としては、特に限定されないが、導電性を有する各種公知のボンディング剤を採用することができ、例えばSn系はんだ材が挙げられる。接合方法としては、特に限定されないが、例えば成形物及びバッキングプレートをボンディング剤が溶解する温度、例えば140℃以上240℃以下に加熱し、バッキングプレートの接合面に溶解したボンディング剤を塗布し、成形物の接合面を貼り合わせて圧着した後、冷却することができる。

0043

[利点]
当該スパッタリングターゲット材及びスパッタリングターゲットは、Zn、Sn及びZrのそれぞれの酸化物を含み、これらの元素の含有量が所定の範囲であるので、優れた特性を有する誘電体層を形成することができる。また、比抵抗値の最小値に対する最大値の比及び比抵抗値が、所定の範囲にあるため、スパッタリング中での異常放電を抑制することができ、パーティクルの発生を低減することができる。さらに、Inを含有しないため、健康障害防止対策の必要がない。よって、当該スパッタリングターゲット材及びスパッタリングターゲットを用いることで、光記録媒体を安全かつ効率的に生産することができる。

0044

当該スパッタリングターゲットの製造方法によれば、強度に優れたスパッタリングターゲットを得ることができる。従って、接合工程での作業時の衝撃やスパッタリングでの熱履歴で発生する応力等による割れを抑制することができる。また、当該スパッタリングターゲットの製造方法によれば、比抵抗、SnO2相中のZr元素濃度に対するZn2SnO4相中のZr元素濃度の比、及びZrO2の結晶粒の平均粒径を所望する値とすることが容易にできる。よって、安全かつ効率的に誘電体層を形成することができるスパッタリングターゲットを比較的容易に製造することができる。

0045

以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0046

Zn、Sn及びZrの配合条件を表1とした試料1〜3を用いて、表2の製造条件で実施例1〜4、及び比較例1〜3の成形物を得た。成形物の厚みは、それぞれ6mmとした。混合工程では、試料1〜3のそれぞれに、水とポリカルボン酸アンモニウムを混合した。焼結工程では、還元雰囲気でホットプレスを行った。なお、表2中、「N2」は、窒素を示す。

0047

0048

0049

<相の同定>
実施例1〜4、及び比較例1〜3の相の同定は、X線回折によって以下の条件で測定した。なお、表記方法ICDD(International Centre for Diffraction Data:国際回析データセンター)のカード番号化学式による。
74−2184:Zn2SnO4
77−0447:SnO2
74−1200:ZrO2
86−2265:Sn
750576:ZnO
分析条件
ターゲット:Cu
単色化:モノクロメートを使用(Kα)
ターゲット出力:40kV−200mA
連続焼測定)θ/2θ走査
スリット発散角:1/2°、散乱角:1/2°、受光幅:0.15mm
モノクロメータ受光スリット幅:0.6mm
走査速度:2°/min
サンプリング間隔:0.02°
測定角度(2θ):5〜90°
分析装置:理学電機製「X線回折装置RINT−1500」

0050

<Zr量の評価と平均粒径>
成形物中のZr量の評価、及びZrO2の結晶粒の平均粒径の測定は、以下の手順で行った。
(1)成形物を任意の位置で厚み方向に切断し、その切断面の任意の位置を鏡面研削した。
(2)鏡面研削された切断面の組織を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて倍率10000倍で写真撮影し、エネルギー分散型X線分光法(EDS)を用いて相を同定した。SEM及びEDSに検出されたZrの固溶量をZr量とした。また、SEM及びEDSに検出されたZrO2の結晶粒の平均粒径を計測した。
(3)SnO2相及びZn2SnO4相の上記Zr量の比率を算出した。
分析装置:
SEM:日本電子株式会社製「JSM−7800F」
EDS:日本電子株式会社製「JED−2300」

0051

<比抵抗の測定方法
比抵抗は4探針法により測定した。具体的には、成形物の表面を鏡面研削して平滑化した。上記成形物の中心から10mm間隔で、端子間の距離が1.5mmのプローブを接触させて測定した。比抵抗値は10点で測定された値の平均値とし、10点で測定された比抵抗値の最小値に対する最大値の比を算出した。
測定装置:三菱化学アナリテック社製「ロレスタGP測定器

0052

<相対密度>
相対密度は、以下のようにして測定した気孔率により求めた。まず、成形物を任意の位置で厚み方向に切断し、その切断面の任意の位置を鏡面研削した。次に、SEMを用いて1000倍で写真撮影し、50μm角の領域に占める気孔の面積率(%)を測定して気孔率とした。20箇所について同様の操作を行い、その平均を当該試料の平均気孔率(%)とした。相対密度は、〔100−平均気孔率〕(%)により算出した。

0053

<異常放電の有無>
異常放電の有無は、以下のように確認した。実施例1〜4、及び比較例1〜3の成形物をスパッタリングターゲットとした。このスパッタリングターゲットを用いて、DCスパッタリングパワー200W、Ar/0.1体積%O2雰囲気、圧力0.3Paの条件で、スパッタリング法で記録層上に誘電体層を形成し、形成中の異常放電を100min.当りアーキング発生回数カウントし確認した。

0054

測定結果を表3に示す。なお、表3中、「比抵抗バラつき」とは、比抵抗の最小値に対する最大値の比を示す。「Zr量比率」とは、SnO2相中のZr元素濃度に対するZn2SnO4相中のZr量の比を示す。「−」は、データを取得していないことを示す。

0055

0056

比較例1は、酸化物の還元が起こりにくくなっているために比抵抗が大きくなり、異常放電が発生した。比較例2は、Snの含有量が80at%超で、Zrの含有量が0at%であるため、比抵抗が大きくなり、異常放電が発生した。比較例3は、N2雰囲気で焼結時の還元が不安定となり、最外周部の影響が出ているため、比抵抗のバラつきが大きくなり、異常放電が発生した。

0057

本発明のスパッタリングターゲット材及びスパッタリングターゲットは、健康障害防止対策の必要がなく、異常放電を抑制することができるため、光記録媒体の生産に好適に用いることができる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ