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技術 ゴム組成物

出願人 三井化学株式会社
発明者 木田真理子竹原明宣宍戸啓介有野恭巨光永新太郎
出願日 2018年3月16日 (2年11ヶ月経過) 出願番号 2018-049545
公開日 2019年9月19日 (1年5ヶ月経過) 公開番号 2019-157069
状態 未査定
技術分野 高分子組成物
主要キーワード 所定質量 シート状ゴム 加熱形態 医療用ゴム製品 バイオベースポリマー 級アミン系老化防止剤 資源循環 資源リサイクル
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この項目の情報は公開日時点(2019年9月19日)のものです。
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課題

本発明は、リシノール酸共重合体可塑剤として含むゴム組成物において、ゴム成形体としたときの架橋後の強度を改善することを目的とする。

解決手段

本発明のゴム組成物は、架橋可能なゴム(X)100質量部と、リシノール酸および/またはその誘導体[α]と、ジカルボン酸[β]と、ジオール[γ]との共重合体(A)を1〜50質量部と、架橋剤(C)0.01〜10質量部とを含み、且つ、当該共重合体(A)が、少なくとも、リシノール酸および/またはその誘導体[α]由来構造単位含有量が、前記のリシノール酸および/またはその誘導体[α]由来の構造単位と、ジカルボン酸[β]由来の構造単位と、ジオール[γ]由来の構造単位との合計に対し、10モル%以上100モル%未満の要件と、重量平均分子量Mwが10,000以上500,000以下の要件と、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が2以上、6以下の要件を満たす。

概要

背景

架橋ゴムは優れたゴム弾性耐熱性を有することから、自動車用のタイヤ防振ゴム、及び各種シール材として幅広く利用されている。その原料ゴムには、天然ゴムをはじめとして、スチレンブタジエンゴムブタジエンゴム、およびエチレンプロピレンゴムなどの合成ゴムが用いられており、年間の使用量は2千万トンを超える。

近年、地球温暖化問題、再生可能エネルギー資源リサイクル資源循環などの観点から、石油原料に替わる天然物由来原料ベースとした素材開発が活発化している。その中でも、ポリ乳酸をはじめとする種々のバイオベースポリマーの開発が行われている。

ここで、汎用ゴム様の物性を示すバイオベースポリマーとして、近年、リシノール酸(12−ヒドロキシ−cis−9−オクタデセン酸系重合体が注目されている。リシノール酸は、ひまし油加水分解などの方法で得られる物質である。リシノール酸系重合体は、架橋により、ゴム様の物性を示すことが知られている。

リシノール酸系重合体についての試みは、種々なされている。例えば、特許文献1には、合成ゼオライトなどの担体リパーゼなどを担持した担持型酵素触媒として、リシノール酸の重縮合を行う方法が開示されている。また、特許文献2,3には、リシノール酸系重合体の、エラストマー成分としての使用の試みが開示されている。

概要

本発明は、リシノール酸共重合体可塑剤として含むゴム組成物において、ゴム成形体としたときの架橋後の強度を改善することを目的とする。本発明のゴム組成物は、架橋可能なゴム(X)100質量部と、リシノール酸および/またはその誘導体[α]と、ジカルボン酸[β]と、ジオール[γ]との共重合体(A)を1〜50質量部と、架橋剤(C)0.01〜10質量部とを含み、且つ、当該共重合体(A)が、少なくとも、リシノール酸および/またはその誘導体[α]由来構造単位含有量が、前記のリシノール酸および/またはその誘導体[α]由来の構造単位と、ジカルボン酸[β]由来の構造単位と、ジオール[γ]由来の構造単位との合計に対し、10モル%以上100モル%未満の要件と、重量平均分子量Mwが10,000以上500,000以下の要件と、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が2以上、6以下の要件を満たす。なし

目的

本発明は、リシノール酸共重合体を可塑剤として含むゴム組成物におけるこのような問題点を解決し、ゴム成形体としたときの架橋後の強度を改善することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

架橋可能なゴム(X)100質量部と、少なくとも下記要件(1)〜(3)を満たす、リシノール酸および/またはその誘導体[α]と、ジカルボン酸[β]と、ジオール[γ]との共重合体(A)を1〜50質量部と、架橋剤(C)0.01〜10質量部とを含む、ゴム組成物。(1)リシノール酸および/またはその誘導体[α]由来構造単位含有量が、前記のリシノール酸および/またはその誘導体[α]由来の構造単位と、ジカルボン酸[β]由来の構造単位と、ジオール[γ]由来の構造単位との合計に対し、10モル%以上100モル%未満である;(2)上記共重合体(A)の、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定される重量平均分子量Mwが10,000以上500,000以下である;(3)上記共重合体(A)の、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が2以上、6以下である。

請求項2

前記共重合体(A)が、炭素数2〜12のジカルボン酸[β1]および炭素数が2〜12のジオール[γ1]成分からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1に記載のゴム組成物。

請求項3

上記共重合体(A)が、(I)リシノール酸および/またはその誘導体[α]由来の構造単位10〜80モル%、(II)炭素数2〜12のジカルボン酸[β1]由来の構造単位10〜45モル%および(III)炭素数2〜12のジオール[γ1]由来の構造単位10〜45モル%(但し、(I)、(II)、(III)の構造単位の合計を100モル%とする)を含む、請求項1または2に記載のゴム組成物。

請求項4

前記の架橋可能なゴム(X)が、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−プロピレンゴムEPR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)からなる群から選ばれる、1種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物。

技術分野

0001

本発明は、リシノール酸共重合体を含むゴム組成物に関する。

背景技術

0002

架橋ゴムは優れたゴム弾性耐熱性を有することから、自動車用のタイヤ防振ゴム、及び各種シール材として幅広く利用されている。その原料ゴムには、天然ゴムをはじめとして、スチレンブタジエンゴムブタジエンゴム、およびエチレンプロピレンゴムなどの合成ゴムが用いられており、年間の使用量は2千万トンを超える。

0003

近年、地球温暖化問題、再生可能エネルギー資源リサイクル資源循環などの観点から、石油原料に替わる天然物由来原料ベースとした素材開発が活発化している。その中でも、ポリ乳酸をはじめとする種々のバイオベースポリマーの開発が行われている。

0004

ここで、汎用ゴム様の物性を示すバイオベースポリマーとして、近年、リシノール酸(12−ヒドロキシ−cis−9−オクタデセン酸系重合体が注目されている。リシノール酸は、ひまし油加水分解などの方法で得られる物質である。リシノール酸系重合体は、架橋により、ゴム様の物性を示すことが知られている。

0005

リシノール酸系重合体についての試みは、種々なされている。例えば、特許文献1には、合成ゼオライトなどの担体リパーゼなどを担持した担持型酵素触媒として、リシノール酸の重縮合を行う方法が開示されている。また、特許文献2,3には、リシノール酸系重合体の、エラストマー成分としての使用の試みが開示されている。

先行技術

0006

国際公開2008/029805号パンフレット
特許第5373435号公報
特許第5398708号公報

発明が解決しようとする課題

0007

ゴムの成形体を製造する際、ゴムは、多くの場合、各種成分を添加してなるゴム組成物の形で用いられる。このゴム組成物には、パラフィンオイルなどの鉱物油可塑剤としてブレンドすることによって、成形時のゴムの流動性および成形加工性を高めることが行われている。ところが、ゴムと可塑剤との配合によっては、ゴム組成物を成形体とした後、この成形体内部の可塑剤が表面に滲み出てくる現象ブリード)が起こることがある。このブリードは、成形体表面のべとつきの原因となるほか、成形体の品質劣化につながることもある。ここで、本発明者らは、ゴム組成物に配合する可塑剤の一部を特定のリシノール酸共重合体に置き換えることによって、ゴム成形体におけるブリードの問題が改善されたという知見を得ている。これについて本発明者らがさらに調べたところ、ゴム組成物に配合する可塑剤の一部を特定のリシノール酸共重合体に置き換える場合、成形体としたときの架橋後の強度が必ずしも十分に上がらない場合があることが判明した。本発明者らは、これについて、リシノール酸共重合体は多くの場合低分子量成分を多く含むため、共重合体全体としてみたときに架橋度が十分に上がっていないことが一因と考えている。

0008

そこで、本発明は、リシノール酸共重合体を可塑剤として含むゴム組成物におけるこのような問題点を解決し、ゴム成形体としたときの架橋後の強度を改善することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、このような状況において鋭意検討した結果、ゴム組成物に配合する可塑剤の一部をリシノール酸共重合体に置き換えるにあたり、リシノール酸共重合体から低分子量成分を取り除くことによって、上記の問題が改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。

0010

すなわち、本発明は、以下の[1]〜[4]に関する。
[1]
架橋可能なゴム(X)100質量部と、
少なくとも下記要件(1)〜(3)を満たす、リシノール酸および/またはその誘導体[α]と、ジカルボン酸[β]と、ジオール[γ]との共重合体(A)を1〜50質量部と、
架橋剤(C)0.01〜10質量部と
を含む、ゴム組成物。
(1) リシノール酸および/またはその誘導体[α]由来構造単位含有量が、前記のリシノール酸および/またはその誘導体[α]由来の構造単位と、ジカルボン酸[β]由来の構造単位と、ジオール[γ]由来の構造単位との合計に対し、10モル%以上100モル%未満である;
(2) 上記共重合体(A)の、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定される重量平均分子量Mwが10,000以上500,000以下である;
(3) 上記共重合体(A)の、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が2以上、6以下である。

0011

[2]
前記共重合体(A)が、炭素数2〜12のジカルボン酸[β1]および炭素数が2〜12のジオール[γ1]成分からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、前記[1]に記載のゴム組成物。

0012

[3]
上記共重合体(A)が、
(I)リシノール酸および/またはその誘導体[α]由来の構造単位10〜80モル%、
(II)炭素数2〜12のジカルボン酸[β1]由来の構造単位10〜45モル%および
(III)炭素数2〜12のジオール[γ1]由来の構造単位10〜45モル%
(但し、(I)、(II)、(III)の構造単位の合計を100モル%とする)
を含む、前記[1]または[2]に記載のゴム組成物。

0013

[4]
前記の架橋可能なゴム(X)が、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−プロピレンゴムEPR)、およびエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)からなる群から選ばれる、1種以上であることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載のゴム組成物。

発明の効果

0014

本発明によれば、ゴム組成物にリシノール酸共重合体を含ませるにあたり、リシノール酸重合体の低分子量成分を除くことにより、ゴム成形体としたときのブリードの問題を改善しながらも、良好な機械物性を示す架橋体を提供することができる。

0015

〔ゴム組成物〕
本発明に係るゴム組成物は、
架橋可能なゴム(X)100質量部と、
リシノール酸および/またはその誘導体[α]と、ジカルボン酸[β]と、ジオール[γ]との共重合体(A)を1〜50質量部と、
架橋剤(C)0.01〜10質量部と
を含む。

0016

ここで、前記共重合体(A)は、少なくとも下記要件(1)〜(3)を満たす:
(1)リシノール酸および/またはその誘導体[α]由来の構造単位の含有量が、前記のリシノール酸および/またはその誘導体[α]由来の構造単位と、ジカルボン酸[β]由来の構造単位と、ジオール[γ]由来の構造単位との合計に対し、10モル%以上100モル%未満である;
(2) 上記共重合体(A)の、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定される重量平均分子量Mwが10,000以上500,000以下である;
(3) 上記共重合体(A)の、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が2以上、6以下である。

0017

なお、本明細書において、ゴム(X)100質量部に対する各成分の質量部は、phrと呼ばれることがある。
以下、本発明のゴム組成物、および、本発明のゴム組成物を構成する各構成成分について詳細に説明する。

0018

<架橋可能なゴム(X)>
本発明のゴム組成物を構成する架橋可能なゴム(X)は、公知のゴムであってもよく、例えば、共役ジエン系ゴムおよびオレフィン系共重合体ゴムなどが挙げられる。

0019

共役ジエン系ゴムの例として、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(イソブテン・イソプレンゴム(IIR))などのイソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)を挙げることができる。

0020

また、オレフィン系共重合体ゴムの例として、エチレン−プロピレンランダム共重合体(EPR)などのエチレン・α−オレフィン共重合体ゴム、および、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)などのエチレン・α−オレフィン・ポリエン共重合体が挙げられる。

0021

上記架橋可能なゴム(X)は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、本明細書において、架橋可能なゴム(X)は、単に「ゴム(X)」と呼ばれることがある。

0022

<共重合体(A)>
本発明のゴム組成物を構成する共重合体(A)は、リシノール酸および/またはその誘導体[α]と、ジカルボン酸[β]と、ジオール[γ]との共重合体である。すなわち、共重合体(A)は、リシノール酸および/またはその誘導体[α]由来の構造単位と、ジカルボン酸[β]由来の構造単位と、ジオール[γ]由来の構造単位とを含む。
以下、共重合体(A)について説明する。

0023

(リシノール酸および/またはその誘導体[α])
本発明では、共重合体(A)を構成する成分の1つとして、リシノール酸および/またはその誘導体[α]が用いられる。すなわち、本発明で用いられる共重合体(A)は、リシノール酸およびその誘導体[α]由来の構造単位(以下、「構造単位[α']」と呼ぶことがある。)を含有することになる。ここで、本発明でいう構造単位[α']は、具体的には、下記式(1)または下記式(2)で表される構造単位である。

0024

リシノール酸の誘導体として、エステル化、またはエステル交換反応の条件下で、上記式(1)で表される構造単位または上記式(2)で表される構造単位を与える化合物が挙げられ、その例として、リシノール酸のエステル体、並びに、リシノール酸を水添して得られる12−ヒドロキシステアリン酸または12−ヒドロキシステアリン酸のエステル体等を挙げることができる。リシノール酸および/またはその誘導体[α]の中では、イオウ系化合物による架橋が可能という観点からリシノール酸またはリシノール酸のエステル体が好ましい。

0025

リシノール酸および/またはその誘導体[α]として上述したこれらの化合物は、後述する触媒の存在下でエステル化、またはエステル交換反応で比較的容易に重合することができる。

0026

リシノール酸またはその誘導体[α]は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。ここで、本発明では、共重合体(A)を得るにあたり、リシノール酸またはその誘導体[α]は後述するジカルボン酸[β]およびジオール[γ]などと組み合わせて用いられる。このとき、ジカルボン酸[β]およびジオール[γ]を使用する割合によって、得られる共重合体(A)の末端構造や分子量の調節を行うことも可能である。

0027

本発明において、用いる各原料中に含まれる末端ヒドロキシル基総モル量を(OH)、末端カルボキシル基の総モル量を(COOH)とした場合、それらのモル比(以後、OH/COOH比と称することがある。)の好ましい範囲は1.0〜5.0であり、より好ましくは1.0〜3.0である。OH/COOH比が1.0以上5.0以下である場合、後述するエステル化またはエステル交換反応において調製される低分子のオリゴマーに十分なヒドロキシル基末端が形成され、後述する重縮合時反応性が向上する傾向がある。一方、OH/COOH比が5.0を超えると、過剰な原料ジオール[γ]の一部が樹脂の分解に寄与するため、重縮合時の反応性が低下することがある。

0028

(ジカルボン酸[β])
本発明では、共重合体(A)を構成するもう1つの成分として、ジカルボン酸[β]が用いられる。すなわち、本発明で用いられる共重合体(A)は、ジカルボン酸[β]由来の構造単位(以下、「構造単位[β']」と呼ぶことがある。)を含有することになる。ここで、本発明でいう構造単位[β']は、具体的には、形式上、ジカルボン酸[β]に含まれる2つのカルボキシル基から−OHを除いてなる構造を有する構造単位である。

0029

ジカルボン酸[β]としては、公知のジカルボン酸化合物を制限なく用いることができ、好ましくは脂肪族ジカルボン酸を挙げることができる。
脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸マロン酸グルタル酸アジピン酸ピメリン酸スベリン酸アゼライン酸セバシン酸ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸等の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族ジカルボン酸;及びこれら脂肪族ジカルボン酸の低級アルキルエステルが挙げられる。

0030

これらの中でも炭素数2〜12のジカルボン酸が好ましい。すなわち、本発明の好適な態様の1つにおいて、ジカルボン酸[β]は、炭素数2〜12のジカルボン酸[β1]である。その中でも、より好ましくは炭素数6〜10、特に好ましくは炭素数9〜10のジカルボン酸である。ジカルボン酸の炭素数が大きくなりすぎると、重縮合の反応性が低下する場合がある。炭素数9〜10のジカルボン酸としては、リシノール酸に比較的構造の近いセバシン酸、アゼライン酸を例示することができ、その中でも特に好ましくはセバシン酸である。

0031

これらのジカルボン酸[β]は、1種単独で用いることができるし、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。また、前述のリシノール酸とのエステル体や低縮合化合物として用いることも可能である。

0032

(ジオール[γ])
本発明では、共重合体(A)を構成するもう1つの成分として、ジオール[γ]が用いられる。すなわち、本発明で用いられる共重合体(A)は、ジオール[γ]由来の構造単位(以下、「構造単位[γ']」と呼ぶことがある。)を含有することになる。ここで、本発明でいう構造単位[γ']は、具体的には、形式上、ジオール[γ]に含まれる2つの水酸基から−Hを除いてなる構造を有する構造単位である。

0033

ジオール[γ]としては、公知のジオールを制限なく用いることができ、好ましくはアルキレンジオールを挙げることができる。
アルキレンジオールの具体例としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコールトリエチレングリコール等の脂肪族ジオール、2,2−ビス〔4'−(2"−ヒドロキシエトキシフェニルプロパン、4,4'−ビス(2"−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルフィド、4,4'−ビス(2"−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホン、9,9−ビス〔4'−(2"−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕フルオレン、1,4−ビス(2'−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等の芳香族ジヒドロキシ化合物エチレンオキサイド付加物トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デカンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4'—ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン(水添ビスフェノールA)等の脂環式ジオールを挙げることができる。

0034

これらのジオール[γ]としては一級アルコールが好ましい。ジオール[γ]が二級以上のアルコールであると重縮合の反応性が低下する場合がある。
これらの中でも炭素数2〜12のジオールが好ましい。より好ましくは炭素数2〜6、特に好ましくは炭素数2〜4のジオールである。ジオールの炭素数が大きくなりすぎると、重縮合の反応性が低下する場合がある。具体的にはエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の脂肪族ジオールが好ましい。より好ましくは炭素数が比較的少ないエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールである。重縮合体生分解性を期待する場合、好ましいジオール[γ]は天然エステルから入手可能な1,4−ブタンジオールである。

0035

これらのジオール[γ]は、1種単独で用いることができるし、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。また、前述のリシノール酸とのエステル体や低縮合化合物として用いることも可能である。

0036

(その他の共重合成分)
本発明で用いられる共重合体(A)は、上述したリシノール酸および/またはその誘導体[α]と、ジカルボン酸[β]と、ジオール[γ]との共重合体である。言い換えると、本発明で用いられる共重合体(A)は、上述した構造単位[α']、構造単位[β']、および構造単位[γ']を含有している。例えば、本発明の好適な態様の1つにおいて、共重合体(A)は、上述した構造単位[α']と、構造単位[β']と、構造単位[γ']とのみからなる。

0037

ただ、本発明で用いられる共重合体(A)は、このような態様のものに限定されず、上述したリシノール酸および/またはその誘導体[α]、ジカルボン酸[β]、並びに、ジオール[γ]以外の共重合成分(以下、「その他の共重合成分」)を、本発明の目的を損なわない範囲内で含んでいても良い。言い換えると、本発明で用いられる共重合体(A)は、上述した構造単位[α']、構造単位[β']、および構造単位[γ']のいずれにも該当しない構造単位(以下、「その他の構造単位」)を有していてもよいことになる。

0038

ここで、「その他の共重合成分」の具体例として、
グリコール酸、4−ヒドロキシ安息香酸、4−(2'−ヒドロキシエトキシ)安息香酸等のヒドロキシカルボン酸;並びに、
3以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸、および、3以上の水酸基を有するポリオール等の三官能以上の多官能成分
が挙げられる。

0039

ここで、3以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸の具体例として、トリメリット酸トリメシン酸ピロメリット酸、およびナフタレンテトラカルボン酸などが挙げられる、また、3以上の水酸基を有するポリオールの具体例として、トリメチロールエタントリメチロールプロパングリセロール、およびペンタエリスリトールなどが挙げられる。

0040

(共重合体(A)の構成)
本発明のゴム組成物において、共重合体(A)は、少なくとも下記要件(1)〜(3)を満たす。

0041

要件(1):リシノール酸および/またはその誘導体[α]由来の構造単位の含有量が、前記のリシノール酸および/またはその誘導体[α]由来の構造単位と、ジカルボン酸[β]由来の構造単位と、ジオール[γ]由来の構造単位との合計に対し、10モル%以上100モル%未満である。

0042

すなわち、本発明で用いられる共重合体(A)は、上述した構造単位[α']、構造単位[β']、および構造単位[γ']の合計を100モル%としたときに、構造単位[α']を10モル%以上100モル%未満含む。

0043

ここで、前記含有量の下限について見ると、加硫ゴム低温物性を確保する観点から、構造単位[α']が10モル%以上、好ましくは30モル%以上、さらに好ましくは50モル%以上である。一方、上限について見ると、十分な加工性を確保するとともに、加硫ゴムの硬度低下を抑制する観点から、本発明では構造単位[α']が100モル%未満、好ましくは80モル%以下、さらに好ましくは70モル%以下である。

0044

一方、ジカルボン酸[β]由来の構造単位(すなわち、上述した構造単位[β'])の含有割合は、0モル%を越え45モル%以下であることが好ましい。前記含有割合の下限側の範囲は、10モル%以上が好ましく、15モル%以上が更に好ましい。また、その上限側の範囲は、35モル%以下が好ましく、25モル%以下が更に好ましい。

0045

また、ジオール[γ]由来の構造単位(すなわち、上述した構造単位[γ'])の含有割合は、0モル%を越え45モル%以下であることが好ましい。前記含有割合の下限側の範囲は、10モル%以上が好ましく、15モル%以上が更に好ましい。また、その上限側の範囲は、35モル%以下が好ましく、25モル%以下が更に好ましい。
なお、共重合体(A)が、上述した構造単位[α']、構造単位[β']、および構造単位[γ']のほかに、上述した「その他の構造単位」をさらに含む場合、当該「その他の構造単位」の割合は、上述した構造単位[α']、構造単位[β']、および構造単位[γ']の合計100モル%に対して、0モル%より多く5モル%以下が好ましい。

0046

ここで、本発明の好適な態様において、共重合体(A)は、
(I)リシノール酸および/またはその誘導体[α]由来の構造単位10〜80モル%、
(II)炭素数2〜12のジカルボン酸[β1]由来の構造単位10〜45モル%および
(III)炭素数2〜12のジオール[γ1]由来の構造単位10〜45モル%
(但し、(I)、(II)、(III)の構造単位の合計を100モル%とする)
を含む。

0047

要件(2):上記共重合体(A)の、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定される重量平均分子量Mwが10,000以上500,000以下である。
本発明で用いられる共重合体(A)がこのような範囲の重量平均分子量Mwを有すると、加工性と、加硫後の強度のバランスの点で好ましい。
要件(3):上記共重合体(A)の、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が2以上、6以下である。

0048

リシノール酸および/またはその誘導体[α]と、ジカルボン酸[β]と、ジオール[γ]との共重合体を含む組成物から架橋体を得る場合、この共重合体に含まれる低分子量成分の割合が多いと、架橋体としたときに機械強度が低下する場合がある。これに対し、この共重合体に含まれる低分子量成分の割合をある程度少なくすると、架橋体としたときの機械強度の低下が抑制され、ある程度高い機械強度が得られる傾向にある。ここで、共重合体に含まれる低分子量成分の割合が少ないことは、その共重合体に含まれる分子の分子量分布が狭いことを意味し、すなわち、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が小さいことを意味する。そこで、本発明では、ある程度高い機械強度を有する架橋体が得られるため、この共重合体のうちMw/Mnがある程度小さいものを共重合体(A)として採用している。本発明では、共重合体(A)のMw/Mnの上限について見ると、Mw/Mnは6以下、好ましくは5.5以下である。
なお、数平均分子量Mnは、重量平均分子量Mwと同様GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定される値である。

0049

一方、リシノール酸および/またはその誘導体[α]と、ジカルボン酸[β]と、ジオール[γ]との共重合体に含まれる低分子量成分は、この共重合体を含む組成物に可塑性を与えるという別の側面もある。このことから、この共重合体中の低分子量成分の含量が極めて少ない場合、この共重合体を含む組成物をゴム組成物として加工する際の加工性、特にロール加工する際の加工性、が低下する場合がある。この観点からは、この共重合体には、架橋体としたときの機械強度がある程度高く維持できる範囲内で、適度の量の低分子量成分が含まれていることが好ましい。これを踏まえて、本発明では、共重合体(A)のMw/Mnの下限を2と規定している。もっとも、このような加工性の低下の問題は、軟化剤別途配合するか、あるいは、ロール加工以外の加工法を用いることによりある程度回避しうる。

0050

本発明で用いられる共重合体(A)は、1種単独の共重合体であってもよく、あるいは、2種以上の共重合体からなる混合物であってもよい。
ここで、本発明で用いられる共重合体(A)が2種以上の共重合体からなる混合物である場合、このような共重合体(A)を構成する各共重合体は、いずれも、上記リシノール酸および/またはその誘導体[α]と、上記ジカルボン酸[β]と、上記ジオール[γ]との共重合体である。この場合、共重合体(A)全体として、上記要件(1)〜(3)を満たしていればよく、必ずしも、共重合体(A)を構成する各共重合体自体が個別に上記要件(1)〜(3)を満たすことまでは要さない。また、共重合体(A)を構成する各共重合体は、同じでも互いに異なっていても良い。例えば、共重合体(A)を構成する各共重合体は、構造単位[α']、構造単位[β']、および構造単位[γ']のうちの1以上が互いに異なっていてもよい。また、共重合体(A)を構成する各共重合体は、構造単位[α']と構造単位[β']と構造単位[γ']とオプションの「その他の構造単位」との比率が互いに異なっていてもよい。

0051

(共重合体(A)の製造方法)
本発明で用いられる共重合体(A)は、上記リシノール酸および/またはその誘導体[α]と、上記ジカルボン酸[β]と、上記ジオール[γ]とを互いにエステル重合反応させる工程(以下、「エステル重合工程」)を含む製造方法により得られる。このエステル重合工程により、上記構造単位[α']と上記構造単位[β']と上記構造単位[γ']とを含む共重合体(以下、「共重合体(A')」)が得られることになる。ここで、このエステル重合反応を、上記「その他の共重合成分」で上述したヒドロキシカルボン酸、および、三官能以上の多官能成分などの共存下で行うと、「その他の構造単位」をも含む共重合体(A')を得ることができる。
ここで、この共重合体(A')は、そのMw/Mnが上記要件(3)を満たす限り、そのままの形で共重合体(A)として用いてもよい。ただ、多くの場合、共重合体(A')は、後述するように、低分子量成分を除去する工程を経て共重合体(A)に導かれることになる。

0052

本発明の製造方法では、「エステル重合工程」を行う方法として、従来公知の方法である直接エステル化法、エステル交換法などを適用することができる。
直接エステル化法では、上記リシノール酸および/またはその誘導体[α]、上記ジカルボン酸[β]、上記ジオール[γ]、並びに、オプションの上記「その他の共重合成分」を常法により直接縮重合させることにより、共重合体(A'−1)を共重合体(A')として得ることができる。例えば、
上記リシノール酸および/またはその誘導体[α]と、
上記ジカルボン酸[β]と、
上記ジオール[γ]と
加圧下で昇温し、生成する縮合水反応系外に除きながら低分子量の縮合物とした後、チタン化合物ゲルマニウム化合物アンチモン化合物などの重縮合触媒の存在下に反応系内を減圧してジオールを系外に留去する。これにより、共重合体(A)として高分子量ポリエステル樹脂を製造することができる。なお、この例では、上記リシノール酸および/またはその誘導体[α]とジカルボン酸[β]とジオール[γ]とを反応させる場合について触れたが、上記「その他の共重合成分」が共存する場合にも同様に行うことができる。

0053

また、エステル交換法では、出発原料として、上記ジカルボン酸[β]に代えて上記ジカルボン酸[β]の対応するジアルキルエステルを用いてもよい。この場合には、上記ジカルボン酸[β]として、対応するジアルキルエステルを採用し、上記リシノール酸および/またはその誘導体[α]、上記ジオール[γ]、並びに、オプションの上記「その他の共重合成分」とともに、常法により直接縮重合させることにより、共重合体(A'−2)を共重合体(A')として得ることができる。このとき、上記リシノール酸および/もしくはその誘導体[α]、並びに/または、上記「その他の共重合成分」で上述した各種化合物のうちカルボキシル基を有する化合物についても、対応するアルキルエステルの形で用いてもよい。例えば、
上記リシノール酸および/またはその誘導体[α]と、
上記ジカルボン酸[β]のジアルキルエステルと、
上記ジオール[γ]と
を常圧で昇温し、生成するアルキルアルコールを反応系外に除きながら低分子量の縮合物とした後、チタン化合物、ゲルマニウム化合物、アンチモン化合物などの重縮合触媒の存在下に反応系内を減圧にしてジオールを系外に留去する。これにより、高分子量のポリエステル樹脂を製造することができる。

0054

ここで、本発明の1つの好適な態様においては、この重縮合触媒には、第1の金属化合物として、チタン化合物、アンチモン化合物およびゲルマニウム化合物からなる群から選ばれる少なくとの1つの化合物、より好ましくは、チタン化合物が含まれている。

0055

チタン化合物の具体的な例としては、テトラブチルチタネート、テトラ−iso−プロピルチタネートアセチルトリ-iso-プロピルチタネート等が挙げられる。アンチモン化合物としては、例えば酢酸アンチモン、ゲルマニウム化合物としては、例えば二酸化ゲルマニウムを挙げることができる。チタン化合物、アンチモン化合物およびゲルマニウム化合物は、それぞれ2種類以上のチタン化合物、2種類以上のアンチモン化合物および2種類以上のゲルマニウム化合物であってもよい。

0056

チタン化合物の使用量は、製造される共重合体(A'−1)または(A'−2)に対して、金属換算チタン換算)で1,000〜5,000質量ppmである。アンチモン化合物の使用量は、製造される共重合体(A'−1)または(A'−2)に対して、金属換算(アンチモン換算)で100〜30,000質量ppmである。ゲルマニウム化合物の使用量は、製造される共重合体(A'−1)または(A'−2)に対して、金属換算(ゲルマニウム換算)で100〜30,000質量ppmである。また、チタン化合物、アンチモン化合物およびゲルマニウム化合物のうちの2種類以上を組みわせて使用してもよい。この場合のチタン化合物、アンチモン化合物およびゲルマニウム化合物の総量は、製造されるポリエステルに対してそれぞれの金属換算の合計として1,500〜60,000wtppmであることが好ましい。

0057

また、この重縮合触媒は、第1の金属化合物に加えて、第2の金属化合物として、周期表の第2族および第8族〜第12族元素からなる群から選ばれる金属の化合物をさらに含んでいても良い。このような第2の金属化合物として、具体的にはカルシウムマグネシウムコバルト亜鉛等の化合物を挙げることができ、好ましくはアルカリ土類金属と呼ばれている周期表の第2族元素の化合物であり、更に好ましくはカルシウムの化合物、マグネシウムの化合物である。カルシウムの化合物としては、例えば酢酸カルシウム、マグネシウムの化合物としては、例えば酢酸マグネシウム、コバルトの化合物としては、例えば酢酸コバルト、亜鉛の化合物としては、例えば酢酸亜鉛を挙げることができる。第1の金属化合物と第2の金属化合物とが組みわせて用いられる場合、第2の金属化合物に由来する金属原子総モル数(X)と第1の金属化合物に由来するチタン原子ゲルマニウム原子およびアンチモン原子の総モル数(Y)との比(以後、X/Y比と称することがある)は、通常0.05〜0.5である。

0058

上記リシノール酸および/またはその誘導体[α]等を含む原料の重合は、公知の条件で行うことが出来る。具体的には、前段の重合として、リシノール酸および/またはその誘導体[α]とジカルボン酸[β]とジオール[γ]等と、触媒である前記複数種の金属化合物とを反応装置仕込み、加熱しつつ生成する水やアルコールを除去してエステル化反応またはエステル交換反応を進行させ、低分子量のオリゴマーを合成する。その後、後段の重合として、減圧状態にて重縮合反応を進行させ、発生するアルコール化合物を除去することで高分子量化を進行させる。前段の重合であるエステル化反応またはエステル交換反応により低分子量のオリゴマーを合成する際の具体的な好ましい温度範囲は200〜250℃、より好ましくは210〜230℃である。また、後段の重合である重縮合反応の具体的な好ましい温度範囲は220〜250℃、より好ましくは220〜230℃であり、反応装置内の圧力は好ましくは400Pa(3Torr)以下、より好ましくは133Pa(1Torr)以下である。反応装置内の圧力は低い方が好ましいのは自明であるが、生産コストなども考慮すると、前記圧力の下限は好ましくは0.05Torr、より好ましくは0.1Torrである。

0059

なお、以上の例では、上記リシノール酸および/またはその誘導体[α]とジカルボン酸[β]のジアルキルエステルとジオール[γ]とを反応させる場合について触れたが、上記「その他の共重合成分」が共存する場合にも同様に行うことができる。

0060

なお、直接エステル化法およびエステル交換法におけるエステル化反応は無触媒でも反応は進行するが、上記に例示したような重縮合触媒を用いることが好ましい。
直接エステル化法、エステル交換法によるいずれの製造方法においても、反応系を均一な液状状態で保つために、反応温度が生成するオリゴマーおよびポリエステルの融点を下回らないように反応系を昇温しつつ反応を進めることが好ましい。さらに分子量(重量平均分子量)を上げる必要があれば、溶融重合で得られた共重合ポリエステル樹脂固相重合を施し分子量を大きくすることもできる。

0061

本発明で用いられる共重合体(A')は、リパーゼによるエステル重合反応によっても製造することができる。この方法では、上記リシノール酸および/またはその誘導体[α]、ジカルボン酸[β]、ジオール[γ]、並びに、オプションの上記「その他の共重合成分」を、リパーゼ存在下で縮重合させることにより、共重合体(A'−3)を共重合体(A')として得ることができる。リパーゼとしては、Burkholderia cepacia由来の固定化リパーゼ(例えば、和光純薬工業株式会社から販売されている、リパーゼPS−CアマノII(商品名)、PS−DアマノI(商品名)等)が好ましく、この場合、高温でもリパーゼが失活しにくいために、反応温度を90℃まで上げることができる。また、反応条件としては、バルク条件下において、攪拌機付き反応器によるバッチ法とすることが好ましい。また、反応時間としては、触媒濃度重合温度などの条件によって異なるが、通常4〜7日間である。

0062

また、エステル重合反応は可逆反応であり、効率的な重合反応を進行させるためには、生成したアルコールや水を逐次除去することが好ましい。具体的には、反応系における圧力状態を減圧状態に維持したり、合成ゼオライト(例えば、モレキュラーシーブ4A)等の吸湿剤を反応系に非接触で設置した上で合成反応を実施したりすることが挙げられる。このような条件下において重合反応を実施することにより、単純かつ容易に重合反応を進行させることができ、共重合体(A')を効率よく合成することができる。

0063

本発明においては、上記各エステル重合反応における上記リシノール酸および/またはその誘導体[α]、ジカルボン酸[β]、ジオール[γ]、並びに、オプションの上記「その他の共重合成分」の仕込み量の割合は、共重合体(A)において達成すべき上記構造単位[α']、[β']、[γ']および「その他の構造単位」の含量に応じて適宜調整することができる。

0064

上記「エステル重合工程」を経て得られる共重合体(A')は、上記の構造単位[α']に含まれる二重結合をそのままの状態で残存させておいてもよいが、さらに、従来公知の適当な方法を用いて水添反応を行うことにより、上記の構造単位[α']に含まれる二重結合の一部または全部につき水素付加を行ってもよい。例えば、まず、エステル重合反応によって、共重合体(A')のうち上記構造単位[α']として上記式(1)で表される構造単位を含む共重合体(A0')を調製し、その後、当該共重合体(A0')を部分的にあるいは完全に水添する等の処理を行って、対応する水添共重合体(A'')に導いても良い。
上記共重合体(A')および上記水添共重合体(A'')のいずれも、Mw/Mnが上記要件(3)を満たす限り、そのままの形で共重合体(A)として用いてもよい。ただ、上記「エステル重合工程」を行う方法として上記記載の直接エステル化法、エステル交換法、および、リパーゼによるエステル重合反応のいずれを行う場合も、通常の場合、得られる共重合体(A')には低分子量体が多く含まれ、その分子量分布が広い傾向にある。また、上記水添共重合体(A'')の場合も同様に分子量分布が広い傾向にある。したがって、これらのような共重合体をそのまま架橋体として用いた場合、通常、架橋度が十分に上がらず、その結果、十分な機械強度が得られない傾向にある。

0065

本発明では架橋体の機械強度を向上するため、通常の場合、共重合体(A)の製造方法には、上記エステル重合反応させる工程に加えて、その後、上記エステル重合反応で得られる共重合体に含まれうる低分子量成分を除去する工程がさらに含まれることになる。ここで、低分子量成分を除去する工程は、具体的には、上記共重合体(A')、上記水添共重合体(A'')、あるいは、上記共重合体(A')と上記水添共重合体(A'')との混合物に含まれうる低分子量成分を除去する工程として行われることになる。
上記共重合体(A')および/または上記水添共重合体(A'')に含まれる低分子量成分を除去する具体的な方法は、得られる共重合体のMw/Mnが上記要件(3)を満たすことができる限り特に限定されないものの、その例として、次の方法を挙げることができる。

0066

例えば、上記共重合体(A')および/または上記水添共重合体(A'')を適当な良溶媒に溶解させ、その後貧溶媒を添加して高分子成分沈殿させ、低分子成分が溶解した溶媒を除去することで低分子量成分を取り除くことができる。また、別の方法として、上記共重合体(A')および/または上記水添共重合体(A'')を適当な良溶媒に溶解させ、細孔サイズが規定された透析膜透析処理した後に溶媒を蒸発させることにより、低分子量成分を分画除去することができる。
ここで、上記良溶媒の例として、キシレンクロロホルムなどが挙げられる。また、上記貧溶媒の例として、メタノールなどが挙げられる。
上記方法で低分子量成分が除かれたリシノール酸共重合体の分子量分布は、2以上6以下が望ましく、2以上5.5以下が望ましい。分子量分布が6より大きい場合、低分子量成分の影響で機械強度が低下する傾向にある。

0067

(本発明のゴム組成物における共重合体(A)の役割
本発明のゴム組成物において、共重合体(A)は反応性可塑剤として機能する。ここで、反応性可塑剤とは、加工中は可塑剤として機能し、加硫後は高分子化あるいはゴム分子付加反応する物質のことを指す。

0068

本発明のゴム組成物は、共重合体(A)を含むことにより、柔軟性および加工性が付与される。また、ゴム組成物を架橋させた場合においては、優れた機械物性を得ることができる。また、当該架橋により得られる架橋体から可塑剤がしみ出すことも少ない。これは、架橋後、共重合体(A)が高分子化あるいはゴム分子に付加反応を起こしているためと推定される。また、本発明のゴム組成物では、共重合体(A)として低分子量成分の少ないものを採用しているので、共重合体(A)の代わりに低分子量成分の多いリシノール酸共重合体を用いた場合と比べて、架橋を行う際の架橋速度の低下が軽減される傾向にある。

0069

本発明のゴム組成物における共重合体(A)の含有量は、ゴム(X)100質量部に対して、1〜50質量部であり、好ましくは5〜30質量部、より好ましくは5〜20質量部である。

0070

<架橋剤(C)>
本発明のゴム組成物を構成する架橋剤(C)は、上記ゴム(X)および上記共重合体(A)を架橋可能である限り特に限定されず、硫黄系化合物過酸化物系架橋剤などゴムの分野において通常用いられる種々のものであってもよい。

0071

本発明においては、好適な架橋剤(C)として、イオウ系化合物(C1)が挙げられる。イオウ系化合物(C1)によりリシノール酸(共)重合体ゴム組成物を架橋することで、ジクミルパーオキサイド等の過酸化物系架橋剤を用いた場合と比べて、ゴム架橋体に同等の低温特性を与えつつ、格段に優れた柔軟性や機械的特性を付与することができる。

0072

イオウ系化合物(C1)の種類としては、イオウ塩化イオウ、二塩化イオウ、モルフォリンジスルフィドアルキルフェノールジスルフィドテトラメチルチウラムジスルフィドジチオカルバミン酸セレン等が挙げられる。この中でも、イオウやテトラメチルチウラムジスルフィドが好ましい。

0073

一方、ゴム(X)の種類によっては、架橋剤(C)として過酸化物系架橋剤(C2)を用いることもできる。過酸化物系架橋剤(C2)は、特に、ゴム(X)としてEPDM等のオレフィン系共重合体ゴムを採用する場合に、好適な架橋剤(C)となりうる。

0074

過酸化物系架橋剤(C2)としては、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカンなどのパーオキシケタール、並びに、
ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α、α'−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシヘキサンなどのジアルキルパーオキサイド等が挙げられる。

0075

本発明のゴム組成物における架橋剤(C)の含有量は、ゴム(X)100質量部に対して、0.01〜10質量部であり、好ましくは0.01〜5質量部である。
ここで、架橋剤(C)としてイオウ系化合物(C1)が用いられる場合、その含有量は、前記ゴム(X)100質量部に対して0.01〜5質量部であることが好ましい。
一方、架橋剤(C)として過酸化物系架橋剤(C2)が用いられる場合、その含有量は、前記ゴム(X)100質量部に対して0.5〜10質量部であることが好ましい。

0076

<その他の成分>
本発明のゴム組成物は、上述したゴム(X)、共重合体(A)および架橋剤(C)を含むところ、用途に合わせてさらにその他の成分を含んでいても良い。

0077

本発明のゴム組成物に含まれうるその他の成分として、可塑剤、補強材加硫促進剤共架橋剤加硫助剤加工助剤老化防止剤活性剤等の種々の添加剤が挙げられる。また、必要に応じて、公知の発泡剤発泡助剤着色剤分散剤難燃剤等もその他の成分として用いうる。

0078

可塑剤
本発明のゴム組成物は、その用途に応じて、上記共重合体(A)以外の可塑剤、具体的には、ゴムの分野において軟化剤として一般的に用いられる公知の可塑剤をさらに含んでいてもよい。

0079

このような可塑剤の具体例としては、プロセスオイル潤滑油パラフィン油流動パラフィン石油アスファルト、およびワセリン等の石油系軟化剤コールタール、およびコールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;ひまし油、アマニ油ナタネ油大豆油、およびヤシ油等の脂肪油系軟化剤;蜜ロウカルナウバロウ、およびラノリン等のロウ類;リシノール酸、パルミチン酸ステアリン酸ステアリン酸バリウムステアリン酸カルシウム、およびラウリン酸亜鉛等の脂肪酸またはその塩;ナフテン酸パイン油、およびロジンまたはその誘導体;テルペン樹脂石油樹脂アタクチックポリプロピレン、およびクマロンインデン樹脂等の合成高分子物質ジオクチルフタレートジオクチルアジペート、およびジオクチルセバケート等のエステル系軟化剤;その他、マイクロクリスタリンワックス液状ポリブタジエン変性液状ポリブタジエン、液状チオコール炭化水素合成潤滑油トール油、およびサブ(ファクチス)などが挙げられる。なかでも、石油系軟化剤が好ましい。石油系軟化剤の中では、石油系プロセスオイルが好ましく、この中でもパラフィン系プロセスオイルナフテン系プロセスオイルアロマ系プロセスオイル等がさらに好ましい。

0080

ここで、上記可塑剤の含有量は、その用途により適宜選択でき、通常、ゴム(X)100質量部に対して、最大200質量部、好ましくは最大150質量部、より好ましくは最大130質量部が望ましい。

0081

補強材
本発明のゴム組成物は、架橋体としたときの引張強度引裂強度耐摩耗性などの機械的性質を高めるために、補強材をさらに含んでいてもよい。

0082

補強材の種類としては、カーボンブラックシリカ活性炭酸カルシウム軽質炭酸カルシウム重質炭酸カルシウムタルクケイ酸クレー等が挙げられる。これらの補強材は、1種単独で、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることができる。

0083

この中でも、ゴムマトリックスへの均一分散性と優れた補強性、および汎用性(コスト)という観点から、補強材は、カーボンブラックおよびシリカからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。

0084

カーボンブラックの種類は特に限定されないが、使用目的に応じて、通常ゴム工業において用いられる公知のタイプ、例えば、ファーネスブラックASTMD 1765による分類)、チャンネルブラックサーマルブラックアセチレンブラック等が挙げられる。

0085

ここで、カーボンブラックは、シランカップリング剤等で表面処理して使用してもよい。
一方、シリカについても種類は特に限定されないが、使用目的に応じて、通常ゴム工業において用いられる公知の乾式シリカ湿式シリカ等が挙げられる。

0086

また、重質炭酸カルシウムとしては、市販されている「ホワイトンSB」(商品名;白石カルシウム株式会社)等を用いることができる。
補強材の種類および配合量は、その用途により適宜選択できるが、補強材の配合量は通常、ゴム(X)100質量部に対して、最大300質量部、好ましくは最大200質量部である。

0087

加硫促進剤
本発明に係るゴム組成物には、上記ゴム(X)、上記共重合体(A)および上記架橋剤(C)のほかに、加硫促進剤をさらに含んでいてもよい。

0088

ここで、本発明に係るゴム組成物において、加硫促進剤の含有量は、上記ゴム(X)100質量部に対して、好ましくは0.1〜15質量部、より好ましくは0.5〜10質量部である。このような含有量でゴム組成物に加硫促進剤が含まれることにより、ゴム組成物が優れた架橋特性を有し、得られるゴム架橋体におけるブルームの発生をより低減することができる。

0089

加硫促進剤の具体例としては、N−シクロヘキシル2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(例えば、「サンセラーCM」(商品名;三新化学工業株式会社製)など)、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N'−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール(例えば、「サンセラーM」(商品名;三新化学工業株式会社製)など)、2−(4−モルホリノジチオペンチアゾール(例えば、「ノクセラーMDB−P」(商品名;三新化学工業株式会社製)など)、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルフォリノチオベンゾチアゾールジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系;ジフェニルグアニジントリフェニルグアニジンジオルソトリルグアニジン等のグアニジン系;アセトアルデヒドアニリン縮合物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、アルデヒドアミン系;2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系;ジエチルチオウレアジブチルチオウレア等のチオウレア系テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド(例えば、「サンセラーTT」(商品名;三新化学工業株式会社製)など)等のチウラム系;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(例えば、「サンセラーBZ」(商品名;三新化学工業株式会社製)など)、ジエチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩系エチレンチオ尿素(例えば、「サンセラー22−C」(商品名;三新化学工業株式会社製)など)、N,N'−ジエチルチオ尿素等のチオウレア系;ジブチルキサトゲ酸亜鉛等のザンテート系;その他亜鉛華(例えば、「META−Z102」(商品名;井上石灰工業株式会社製)などの酸化亜鉛)等が挙げられる。

0090

共架橋剤
上記架橋剤(C)として過酸化物系架橋剤(C2)を用いる場合には、本発明に係るゴム組成物には、上記ゴム(X)、上記共重合体(A)および上記架橋剤(C)のほかに、物性や加硫速度改善などを目的として、必要に応じて、適宜な共架橋剤をさらに含むことができる。

0091

共架橋剤の例として、ブレンマーPDE−100(日本油脂株式会社製商品名)の如きポリエチレングリコールジメタクリレート(PEGDM)、ジアリルフタレート(DAP)、タイク(日本化成株式会社製商品名)の如きトリアリルイソシアヌレート(TAIC)、タック(株式会社武蔵野化学研究所製商品名)の如きトリアリルシアヌレート(TAC)、アクリエステルTHF(三菱レーヨン株式会社製商品名)の如きメタクリル酸テトラヒドロフルフリル(THFMA)、サンエステルEG(三新化学工業株式会社製商品名)やアクリエステルED(三菱レーヨン株式会社製商品名)の如きジメタクリル酸エチレン(EDMA)、アクリエステルBD(三菱レーヨン株式会社製商品名)の如きジメタクリル酸1,3−ブチレン(BDMA)、サンエステルTMPMA(三新化学工業株式会社製商品名)やアクリエステルTMP(三菱レーヨン株式会社製商品名)やハイクロスM(精工化学株式会社製商品名)の如きトリメタクリル酸トリメチロールプロパン(TMPMA)などが挙げられる。

0092

この共架橋剤の添加量は、上記ゴム(X)100質量部に対して、1〜10質量部程度が適当である。
またこの態様のゴム組成物においては、過酸化物系架橋剤を用いた加硫の際にメタクリル酸エステルやタイク(日本化成株式会社)の如きトリアリルイソシアヌレート(TAIC)、などを加硫助剤としてさらに添加してもよい。

0093

加硫助剤
本発明に係るゴム組成物には、上記ゴム(X)、上記共重合体(A)および上記架橋剤(C)のほかに、加硫助剤をさらに含んでいてもよい。

0094

加硫助剤の具体的例としては、酸化マグネシウム、亜鉛華(例えば、「META−Z102」(商品名;井上石灰工業株式会社製)などの酸化亜鉛)などが挙げられる。その含有量は、通常、ゴム(X)100質量部に対して、1〜20質量部である。

0095

加工助剤
本発明に係るゴム組成物には、上記ゴム(X)、上記共重合体(A)および上記架橋剤(C)のほかに、加工助剤をさらに含んでいてもよい。

0096

加工助剤としては、通常のゴムの加工に使用される化合物を使用することができる。具体的には、リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸ラウリン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸の塩;リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸のエステル類などが挙げられる。

0097

このような加工助剤は、通常、ゴム(X)100質量部に対して、10質量部以下、好ましくは5質量部以下の割合で用いられるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。

0098

老化防止剤
本発明に係るゴム組成物から製造されたゴム製品は、さらに製品寿命を長くするために、老化防止剤を含有してもよい。また、老化防止剤としては、従来公知の老化防止剤、例えばアミン系老化防止剤フェノール系老化防止剤、イオウ系老化防止剤等が挙げられる。

0099

具体的には、フェニルブチルアミン、N,N−ジ−2−ナフチルp−フェニレンジアミン等の芳香族第2級アミン系老化防止剤ジブチルヒドロキシトルエンテトラキス−[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニルプロピオネートメタン等のフェノール系老化防止剤;ビス[2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニルスルフィド等のチオエーテル系老化防止剤;ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等のジチオカルバミン酸塩系老化防止剤;2−メルカプトベンゾイルイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール亜鉛塩ジラウリルチオジプロピオネートジステアリルチオジプロピオネート等のイオウ系老化防止剤等が挙げられる。

0100

これらの老化防止剤は、1種単独であるいは2種以上の組み合わせで用いることができ、このような老化防止剤の含有量は、ゴム(X)100質量部に対して、通常0.3〜10質量部、好ましくは0.5〜7.0質量部、さらに好ましくは0.7〜5.0質量部である。老化防止剤の含有量が上記範囲内であると、ゴム組成物の架橋時における加硫阻害を低減することができ、得られるゴム架橋体におけるブルームの発生を低減することができる。

0101

活性剤
本発明のゴム組成物は、必要に応じて、活性剤を1種単独あるいは2種以上含有していてもよい。活性剤の具体的な例としては、ジ−n−ブチルアミンジシクロヘキシルアミンモノエタノールアミン、「アクチングB」(商品名;吉冨製薬株式会社製)、「アクチングSL」(商品名;吉冨製薬株式会社製)などのアミン類;ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールレシチントリアリルトリメリテート脂肪族および芳香族カルボン酸亜鉛化合物(例えば、「Struktol activator 73」、「Struktol IB 531」および「StruktolFA541」(商品名;Schill & Seilacher社製))などのアミン系活性剤;「ZEONET ZP」(商品名;日本ゼオン株式会社製)などの過酸化亜鉛調整物オクタデシルトリメチルアンモニウムブロミド合成ハイドロタルサイト、特殊四級アンモニウム化合物(例えば、「アーカード2HF」(商品名;ライオンアクゾ株式会社製))などが挙げられる。
活性剤の含有量は、ゴム(X)100質量部に対して、0.2〜10質量部、好ましくは0.3〜5質量部、さらに好ましくは0.5〜4質量部である。

0102

<ゴム組成物の製造方法>
本発明のゴム組成物は、上記所定質量部のゴム(X)、共重合体(A)および架橋剤(C)と、必要により配合される上記「その他の成分」とから、一般的なゴム配合物調製方法と同様の方法によって調製することができる。

0103

例えば、バンバリーミキサーニーダーインターミックスのようなインターナルミキサー類およびロール類を用いてゴム(X)、共重合体(A)、架橋剤(C)、および必要により配合されるその他の成分を80〜170℃の温度で3〜10分間混練した後、必要に応じてさらに加硫促進剤または加硫助剤などを加えて、オープンロールなどのロ−ル類あるいはニーダーを用いて、ロール温度40〜80℃で5〜30分間混練した後、分出しすることにより調製することができる。このようにして通常リボン状またはシート状のゴム組成物(配合ゴム)が得られる。

0104

<ゴム組成物の用途>
本発明のゴム組成物は、ゴム架橋体の原料として用いることができる。
本発明のゴム組成物を原料としてゴム架橋体を得る場合、ゴム架橋体は、上記ゴム組成物を、通常、押出成形機カレンダーロールプレスインジェクション成形機トランスファー成形機熱空気ガラスビーズ流動床UHF極超短波電磁波)、スチームLCM熱溶融塩槽)等の加熱形態加熱槽等種々の成形法によって所望形状に予備成形し、成形と同時にまたは成形物を加硫槽内に導入して加熱処理することにより架橋して得ることができる。この加熱処理には、HAV(熱空気)、PCM(ガラスビーズ流動床)、UHF(極超短波電磁波)、スチーム、LCM(熱溶融塩槽)などの加熱形態の加熱槽を用いることができる。また、加熱(架橋)する際の温度としては、一般的に140〜300℃、好ましくは150〜270℃、さらに好ましくは150〜250℃で、0.5〜30分間、好ましくは0.5〜20分間、さらに好ましくは0.5〜15分間加熱する。また、成形、架橋に際しては、金型を用いてもよく、また金型を用いないでもよい。金型を用いない場合には、ゴム組成物 は通常連続的に成形・架橋される。

0105

そして、本発明のゴム架橋体は、上記ゴム組成物を架橋してなるものである。また、ゴム組成物は成形加工性に優れ、得られるゴム架橋体は永久歪みが小さく、柔軟性および機械的特性に優れているために、各分野のゴム製品として非常に有用である。特に本発明に係るゴム架橋体は、上記共重合体(A)として低分子量成分の少ないものを含むゴム組成物を架橋してなるので、機械的特性にさらに優れる。
本発明のゴム架橋体の用途としては、例えば、タイヤ、履物ゴムロール導電性ゴムコンベヤベルトカバーゴム医療用ゴム製品床材料等が挙げられる。

0106

以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。各物性の測定方法は以下の通りである。
<共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)>
得られた共重合体(A)を、クロロホルムとヘキサフルオロイソプロパノールとの容積比1:1の混合溶液に溶解した後、更にクロロホルムで希釈して0.1%(w/v)の溶液を調製し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[Waters社製GPCシステム検出器RI(Waters社製2414)、カラムPLgel 5μMIXED-D(Polymer Laboratories社製)、カラム温度:40℃、流速:1ml/min、溶媒:クロロホルム]により、ポリスチレン標準サンプルを基準として重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。

0107

<共重合体(A)の組成
共重合体(A)の組成は、以下の手順で分析した。
1)日本電子(株)製ECA500型核磁気共鳴装置を用い、溶媒は重水素化クロロホルムを使用した。試料濃度を35mg/0.5mL、測定温度は50℃とした。
観測核は1H(500MHz)、シーケンスシングルパルスパルス幅は6.3μ秒(45°パルス)、繰り返し時間は8.5秒、積算回数は394回とし、テトラメチルシラン水素シグナルケミカルシフト基準値として測定した。各ピークは、常法によりアサインした。
2)得られた測定データを解析し、共重合体(A)を構成するカルボン酸およびアルコール成分を同定し、それらの構成比率を求めた。

0108

未加硫ゴム物性の評価>
ムーニー粘度(ML(1+4)100℃))
100℃におけるムーニー粘度(ML(1+4)100℃)は、JIS K6300に準拠して、ムーニー粘度計((株)島津製作所製SMV202型)を用いて、100℃の条件下で測定した。

0109

(加硫速度)
実施例および比較例における未架橋のゴム組成物を用いて、測定装置:MDR2000P(ALPHATECHNOLOGIES社製)により、温度160℃および時間30分の測定条件下で、加硫速度(TC90)を以下のとおり測定した。

0110

サンプルを測定装置にセットし、一定温度および一定のせん断速度の条件下で得られるトルク変化を測定し、加硫曲線を得た。この加硫曲線からトルク最小値S'Minおよび最大値S'Maxを求め、測定開始時を基準としてトルクが(S'Max−S'Min)×0.9となるまでの時間を加硫速度(TC90;分)とした。

0111

加硫ゴム物性の評価>
(引張破断点応力、引張破断点伸び
シートの引張破断点応力、引張破断点伸びを以下の方法で測定した。
シートを打抜いてJIS K 6251(1993年)に記載されている3号形ダンベル試験片を調製し、この試験片を用いてJIS K6251第3項に規定される方法に従い、測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で引張り試験を行ない、引張破断点応力(TB)および引張破断点伸び(EB)を測定した。

0112

デュロメーター硬度
JIS K 6253に従い、シートの硬度(タイプAデュロメータ、HA)の測定は、平滑な表面をもっている2mmのシート状ゴム成形品6枚を用いて、平らな部分を積み重ねて厚み約12mmとして行った。ただし、試験片に異物混入したもの、気泡のあるもの、およびキズのあるものは用いなかった。また、試験片の測定面の寸法は、押針先端が試験片の端から12mm以上離れた位置で測定できる大きさとした。

0113

ブリード性
試験片(直径:29mm;厚さ:12.5mm)として、ゴム組成物から得たゴムシート打ち抜いたものを用いた。
1対の圧縮板スペーサとこれらを固定する保持具とを有する圧縮装置において、当該1対の圧縮板の間に試験片を挿入し、これらの圧縮板がスペーサに密着するまで保持具を締め付け、その状態で固定した。ここで、スペーサの厚さは、試験片の圧縮率が25%となるよう設定した。試験片を組み込んだ圧縮装置に対し、70℃にて24時間熱処理を行った。その後、試験片を圧縮装置から開放し、23℃恒温室で30分放置した。このような圧縮および熱処理を行って得られる試験片につき、表面を観察し、以下のように判定した。
ベタツキあり:×
ベタツキなし:○

0114

<ゴム(X)>
下記実施例及び比較例でゴム(X)として用いたポリマーは、下記表1に示した通りである。

0115

0116

<(共)重合体(A)>
[製造例1](リシノール酸共重合体P−1の製造)
500mlのガラス製重合反応用フラスコにリシノール酸40.0質量部、セバシン酸13.6質量部、1,4−ブタンジオール9.7質量部に酢酸カルシウム一水和物の20wt%水溶液を0.31質量部、酢酸マグネシウム四水和物の20wt%水溶液を0.27質量部加え、30分かけ常温から210℃まで昇温した。210℃へ到達した後、チタンテトラブトキシドを0.20質量部、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドの20wt%水溶液を0.03質量部加え、そのまま210℃で5時間保持して、エステル化反応を行った。

0117

エステル化反応終了後、チタンテトラブトキシドを1.36質量部加え、その後60分かけて重縮合温度である230℃まで昇温させながら圧力を0.133kPa(1Torr)まで減圧し、重縮合反応を行った。定期的に反応物を少量抜出し、分子量を測定した。分子量Mwが11万6千となったところで反応を終了し(重縮合温度での加熱時間:3時間)、反応終了から10分以内に反応槽から製造されたポリエステルを抜き出した。
以下の比較例1では、得られたポリエステルをポリマーP−1として用いた。
得られたポリマーP−1の重量平均分子量Mwは116000、数平均分子量Mnは14400、分子量分布(Mw/Mn)は8.1であった。

0118

[製造例2](リシノール酸共重合体P−2の製造)
製造例1と同様にしてポリマーP−1を得た後、ポリマーP−1の100重量部に対しキシレンを400重量部添加し、当該ポリマーP−1を完全に溶解させた。その後メタノールを500重量部添加し、高分子成分を沈殿させた後、低分子成分が溶解した溶媒を除去した。この操作を3回繰り返し、低分子量成分を取り除いたポリマーを得た。
以下の実施例1では、得られたポリマーをポリマーP−2として用いた。
得られたポリマーP−2の重量平均分子量Mwは141000、数平均分子量Mnは26400、分子量分布(Mw/Mn)は5.3であった。
上記ポリマーP−1およびP−2の特性値を表2に示す。

0119

0120

<ゴム組成物および架橋体の調製>
[実施例1]
ポリマーP−11をゴム(X)として用いた。ポリマーP−11 100質量部に対し、共重合体(A)としてポリマーP−2 10質量部、可塑剤としてプロセスオイル(ダイアナプロセスオイルAH−16:出光興産社製) 40質量部、補強材としてカーボンブラック(旭#80:旭カーボン(株)社製) 40質量部、補強材としてシリカ(ニップシールVN3:東ソー・シリカ(株)社製) 40質量部、加硫助剤として「酸化亜鉛2種」(商品名;堺化学工業株式会社製) 3質量部、加工助剤としてステアリン酸2質量部、活性剤としてジエチレングリコール(DEG) 2.7質量部、および、シランカップリング剤としてビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド(Si69:エボニック社製) 4質量部を混合した後、ロール温度50℃の6インチオープンロール(日豊工機株式会社製、ロール回転数:前15rpm、後ろ18rpm)を用いて、ロール間隔0.2mmで丸め通し6回、薄通し3回行うことで配合物を得た。

0121

得られた上記配合物を上記6インチオープンロールに巻きつけ、加硫促進剤としてN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(サンセラーCM:三新化学工業株式会社製) 1.7質量部、加硫促進剤として1,3−ジフェニルグアニジン(DPG) 2質量部、および、架橋剤(C)として粉末イオウ1.4質量部を混合した後、ロール温度50℃の6インチオープンロール(上述)を用いて、ロール間隙0.2mmで切り返しを左右3回、丸め通しを6回、さらに薄通しを3回行いリシノール酸共重合体ゴム組成物を得た。
得られたゴム組成物の未架橋ゴム物性を、上記「未加硫ゴム物性の評価」に基づいて、測定した。

0122

さらに、ゴム組成物を、160℃で、10分間プレスし、ゴム架橋体として厚み2mmのゴムシートを調製した。上記「加硫ゴム物性の評価」に基づいて、得られたゴムシートのデュロメーターA硬度、並びに、破断点強度TB(MPa)および破断点伸びEB(%)をそれぞれ測定した。

0123

また、これとは別に、ゴム組成物を、160℃で、10分間プレスし、厚み12.5mm、直径29mmの成形体を調製し、ブリード性評価用の試験片とした。
評価結果を表3に示す。

0124

[比較例1]
ポリマーP−2に代えてポリマーP−1を用いたことを除き、実施例1と同様に行った。評価結果を表3に示す。

0125

[比較例2]
ポリマーP−2を用いず、代わりに、プロセスオイルの量を50質量部に変えたことを除き、実施例1と同様に行った。評価結果を表3に示す。

実施例

0126

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