図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2019年9月19日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (4)

課題

薄型化された液晶表示パネルタッチ検出感度、動作の経時安定性等のタッチパネル性能を向上させることができるコーティング組成物導電性膜を提供すること。

解決手段

鎖状導電性無機粒子と、バインダと、高沸点溶剤と、低沸点溶剤とを含むコーティング組成物であって、該コーティング組成物は、鎖状導電性無機粒子の含有量が鎖状導電性無機粒子及びバインダの合計量に対して30〜90質量%であり、バインダは重量平均分子量1,000〜20,000のアルコキシシランであり、TFTアレイ基板タッチ検出電極液晶層、及びカラーフィルタ基板を有する液晶表示パネルにおいて、該カラーフィルタ基板の液晶層とは反対側の基材表面に導電性膜を形成する用途に使用されるものである、コーティング組成物。

概要

背景

液晶表示パネルに用いられてきた方式としては、TN(ツイストネマチック)形に代表される縦電界方式が大勢を占めていたが、最近では横電界方式と称される液晶表示パネルも主流となってきている。横電界方式の液晶表示パネルは縦電界方式に比べて視野角が広いという利点があるが、縦電界方式の液晶表示パネルには発生しない課題として、液晶表示パネルの外部又は内部からの静電的な影響や外部の電磁的妨害を受けて、黒表示したとき光抜けが生ずるなど、表示品位が低下するという問題があった。

横電界方式におけるこのような問題を解決するため、液晶表示パネルの透明基板のうち、バックライトユニットに対して遠い側の透明基板の液晶層とは反対側の面に透光性を備える導電層を形成し、静電気放電ESD)機能を持たせるという技術が提案されており、具体的には導電層としてITO等を含む帯電防止膜を形成する方法が実用化されている。

最近では、スマートホン等に用いられる液晶表示装置に代表されるように、タッチパネル機能を有する液晶表示パネルを用いた液晶表示装置の需要が増大している。タッチパネルセンサ上への位置を検出する原理に基づき、種々の方式が提案されている。スマートホンでは、光学的に明るく、構造がシンプルであることから、静電容量方式が多用されている。原理としては、位置を検知されるべき外部導体誘電体を介してタッチパネルセンサ層に接触することにより、新たに寄生容量が発生し、この容量結合の変化を利用して、対象物の位置を検出する機構である。

タッチパネル機能内蔵型液表示パネルの一例に、インセル型タッチパネルと呼ばれるものがある。インセル型タッチパネルは、タッチ検出電極カラーフィルタ基板TFTアレイ基板の間に積層された層構造を有する、タッチパネル機能内蔵型液晶表示パネルである。

特許文献1にはインセル型タッチパネルの構造が記載されている。特許文献1の図2に示されているタッチパネルは、2枚の偏光板の間に積層された、TFTアレイ基板、液晶駆動電極、タッチ検出電極、液晶層、カラーフィルタ基板、導電層を備える層構造を有する。

上記導電層は、導電機能を持ち、TFTアレイ基板に導通されている。そのことにより、導電層は、偏光板の表面に静電気が加えられたときの画像の表示の乱れを低減する。あるいは、導電層は、偏光板の表面に静電気が加えられたとしても、タッチ検出感度を適切に保持する効果がある。

インセル型タッチパネルは優れた感度を示すため、高品質が要求される液晶表示装置に採用される。

概要

薄型化された液晶表示パネルのタッチ検出感度、動作の経時安定性等のタッチパネル性能を向上させることができるコーティング組成物導電性膜を提供すること。鎖状導電性無機粒子と、バインダと、高沸点溶剤と、低沸点溶剤とを含むコーティング組成物であって、該コーティング組成物は、鎖状導電性無機粒子の含有量が鎖状導電性無機粒子及びバインダの合計量に対して30〜90質量%であり、バインダは重量平均分子量1,000〜20,000のアルコキシシランであり、TFTアレイ基板、タッチ検出電極、液晶層、及びカラーフィルタ基板を有する液晶表示パネルにおいて、該カラーフィルタ基板の液晶層とは反対側の基材表面に導電性膜を形成する用途に使用されるものである、コーティング組成物。

目的

本発明は、鎖状導電性無機粒子と、バインダと、高沸点溶剤と、低沸点溶剤とを含むコーティング組成物であって、該コーティング組成物は、鎖状導電性無機粒子の含有量が鎖状導電性無機粒子及びバインダの合計量に対して30〜90質量%であり、バインダは重量平均分子量1,000〜20,000のアルコキシシランであり、TFTアレイ基板、タッチ検出電極、液晶層、及びカラーフィルタ基板を有する液晶表示パネルにおいて、該カラーフィルタ基板の液晶層とは反対側の基材表面に導電性膜を形成する用途に使用されるものである、コーティング組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

鎖状導電性無機粒子と、バインダと、高沸点溶剤と、低沸点溶剤とを含むコーティング組成物であって、該コーティング組成物は、鎖状導電性無機粒子の含有量が鎖状導電性無機粒子及びバインダの合計量に対して30〜90質量%であり、バインダは重量平均分子量1,000〜20,000のアルコキシシランであり、TFTアレイ基板タッチ検出電極液晶層、及びカラーフィルタ基板を有する液晶表示パネルにおいて、該カラーフィルタ基板の液晶層とは反対側の基材表面に導電性膜を形成する用途に使用されるものである、コーティング組成物。

請求項2

前記液晶表示パネルはインセル型タッチパネルである請求項1に記載のコーティング組成物。

請求項3

前記導電性膜が形成される基材は500μm以下の厚みを有する請求項1又は2に記載のコーティング組成物。

請求項4

前記導電性膜が形成される基材は、最下層にTFTアレイ基板、最上層にカラーフィルタ基板を有する積層体である請求項1〜3のいずれか一項に記載のコーティング組成物。

請求項5

前記鎖状導電性無機粒子と前記バインダから成る固形分を0.1〜20.0質量%の量で含有し、0.5〜100mPa・sの粘度を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のコーティング組成物。

請求項6

前記鎖状導電性無機粒子は、粒子径が2〜30nmの一次粒子が2〜50個連接してなる請求項1〜5のいずれか一項に記載のコーティング組成物。

請求項7

前記鎖状導電性無機粒子は、アンチモン含有酸化スズ粒子スズ含有酸化インジウム粒子及びリン含有酸スズ粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子を含む請求項1〜6のいずれか一項に記載のコーティング組成物。

請求項8

TFTアレイ基板、タッチ検出電極、液晶層、及びカラーフィルタ基板を有する液晶表示パネルにおいて、該カラーフィルタ基板の液晶層とは反対側の基材表面に、請求項1〜5のいずれか一項に記載のコーティング組成物を使用して形成された、導電性膜。

請求項9

10〜300nmの膜厚を有する請求項6に記載の導電性膜。

請求項10

1.0×107〜1.0×1010Ω/スクエア表面電気抵抗を有する請求項6又は7に記載の導電性膜。

請求項11

3H〜9Hの鉛筆硬度を有する請求項6〜8のいずれか一項に記載の導電性膜。

請求項12

TFTアレイ基板、タッチ検出電極、液晶層、カラーフィルタ基板、及び請求項6〜9のいずれか一項に記載の導電性膜を有する液晶表示パネル。

技術分野

0001

本発明は、導電性膜形成用コーティング組成物に関し、特に、液晶表示パネルの導電性膜形成用コーティング組成物に関する。

背景技術

0002

液晶表示パネルに用いられてきた方式としては、TN(ツイストネマチック)形に代表される縦電界方式が大勢を占めていたが、最近では横電界方式と称される液晶表示パネルも主流となってきている。横電界方式の液晶表示パネルは縦電界方式に比べて視野角が広いという利点があるが、縦電界方式の液晶表示パネルには発生しない課題として、液晶表示パネルの外部又は内部からの静電的な影響や外部の電磁的妨害を受けて、黒表示したとき光抜けが生ずるなど、表示品位が低下するという問題があった。

0003

横電界方式におけるこのような問題を解決するため、液晶表示パネルの透明基板のうち、バックライトユニットに対して遠い側の透明基板の液晶層とは反対側の面に透光性を備える導電層を形成し、静電気放電ESD)機能を持たせるという技術が提案されており、具体的には導電層としてITO等を含む帯電防止膜を形成する方法が実用化されている。

0004

最近では、スマートホン等に用いられる液晶表示装置に代表されるように、タッチパネル機能を有する液晶表示パネルを用いた液晶表示装置の需要が増大している。タッチパネルセンサ上への位置を検出する原理に基づき、種々の方式が提案されている。スマートホンでは、光学的に明るく、構造がシンプルであることから、静電容量方式が多用されている。原理としては、位置を検知されるべき外部導体誘電体を介してタッチパネルセンサ層に接触することにより、新たに寄生容量が発生し、この容量結合の変化を利用して、対象物の位置を検出する機構である。

0005

タッチパネル機能内蔵型液表示パネルの一例に、インセル型タッチパネルと呼ばれるものがある。インセル型タッチパネルは、タッチ検出電極カラーフィルタ基板TFTアレイ基板の間に積層された層構造を有する、タッチパネル機能内蔵型液晶表示パネルである。

0006

特許文献1にはインセル型タッチパネルの構造が記載されている。特許文献1の図2に示されているタッチパネルは、2枚の偏光板の間に積層された、TFTアレイ基板、液晶駆動電極、タッチ検出電極、液晶層、カラーフィルタ基板、導電層を備える層構造を有する。

0007

上記導電層は、導電機能を持ち、TFTアレイ基板に導通されている。そのことにより、導電層は、偏光板の表面に静電気が加えられたときの画像の表示の乱れを低減する。あるいは、導電層は、偏光板の表面に静電気が加えられたとしても、タッチ検出感度を適切に保持する効果がある。

0008

インセル型タッチパネルは優れた感度を示すため、高品質が要求される液晶表示装置に採用される。

先行技術

0009

WO2014/142121号公報

発明が解決しようとする課題

0010

タッチパネルについては、近年液晶表示パネルの薄型化が進行するに伴って、タッチ検出感度、動作の信頼性及び安定性が低下する問題が生じている。

課題を解決するための手段

0011

本発明は、鎖状導電性無機粒子と、バインダと、高沸点溶剤と、低沸点溶剤とを含むコーティング組成物であって、該コーティング組成物は、鎖状導電性無機粒子の含有量が鎖状導電性無機粒子及びバインダの合計量に対して30〜90質量%であり、バインダは重量平均分子量1,000〜20,000のアルコキシシランであり、TFTアレイ基板、タッチ検出電極、液晶層、及びカラーフィルタ基板を有する液晶表示パネルにおいて、該カラーフィルタ基板の液晶層とは反対側の基材表面に導電性膜を形成する用途に使用されるものである、コーティング組成物を提供する。

0012

ある一形態においては、前記液晶表示パネルはインセル型タッチパネルである。

0013

ある一形態においては、前記導電性膜が形成される基材は500μm以下の厚みを有する。

0014

ある一形態においては、前記導電性膜が形成される基材は、最下層にTFTアレイ基板、最上層にカラーフィルタ基板を有する積層体である。

0015

ある一形態においては、前記コーティング組成物は、前記鎖状導電性無機粒子と前記バインダから成る固形分を0.1〜20.0質量%の量で含有し、0.5〜100mPa・sの粘度を有する。

0016

ある一形態においては、前記鎖状導電性無機粒子は、粒子径が2〜30nmの一次粒子が2〜50個連接してなるものである。

0017

ある一形態においては、前記鎖状導電性無機粒子は、アンチモン含有酸化スズ粒子スズ含有酸化インジウム粒子及びリン含有酸スズ粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子を含むものである。

0018

また、本発明は、TFTアレイ基板、タッチ検出電極、液晶層、及びカラーフィルタ基板を有する液晶表示パネルにおいて、該カラーフィルタ基板の液晶層とは反対側の基材表面に、上記いずれかのコーティング組成物を使用して形成された、導電性膜を提供する。

0019

ある一形態においては、前記導電性膜は10〜300nmの膜厚を有するものである。

0020

ある一形態においては、前記導電性膜は1.0×107〜1.0×1010Ω/スクエア表面電気抵抗を有するものである。

0021

ある一形態においては、前記導電性膜は3H〜9Hの鉛筆硬度を有するものである。

0022

TFTアレイ基板、タッチ検出電極、液晶層、カラーフィルタ基板、及び請求項6〜9のいずれか一項に記載の導電性膜を有する液晶表示パネル。

発明の効果

0023

本発明によれば、薄型化されたタッチパネルのタッチ検出感度、動作の経時安定性等のタッチパネル性能を向上させることができるコーティング組成物、導電性膜が提供される。

図面の簡単な説明

0024

本発明のコーティング組成物を適用することができるインセル型タッチパネルの層構造を模式的に示す断面図である。
実施例1で用いた鎖状アンチモン含有酸化スズ粒子の透過型電子顕微鏡写真である。
図2を拡大した透過型電子顕微鏡写真である。

0025

本発明のコーティング組成物が適用されるタッチパネルは、電極に対して近接または接触する物体の容量に応じて変化する静電容量を検出する静電容量方式タッチパネルである。また、前記タッチパネルが使用されるタッチ検出機能付き液晶表示装置は、表示装置を形成するTFTアレイ基板および対向基板のいずれか一方にタッチ検出用検出電極が設けられた横電界方式液晶表示装置である。前記対向基板とは、カラーフィルタ基板である。

0026

(コーティング組成物)
先ず、本発明のコーティング組成物について説明する。

0027

本発明のコーティング組成物は、鎖状導電性無機粒子と、バインダと、高沸点溶剤と、低沸点溶剤とを含有している。また、上記鎖状導電性無機粒子の含有量は、上記鎖状導電性無機粒子及び上記バインダの合計量に対して、30〜90質量%であることを特徴とする。

0028

上記コーティング組成物を用いることにより、ESD機能が高く、且つタッチ感度を低下させないと共に、光透過率硬度に優れた導電性膜を提供できる。

0029

<鎖状導電性無機粒子>
本発明のコーティング組成物は、上記鎖状導電性無機粒子の含有量を、上記鎖状導電性無機粒子及び上記バインダの合計量に対して30〜90質量%とすることで、ESD機能が高く、且つタッチ感度を低下させない導電性膜を提供できる。上記鎖状導電性無機粒子の含有量が30質量%を下回ると導電性膜のESD機能が低下し、上記鎖状導電性無機粒子の含有量が90質量%を超えるとタッチ感度が低下する。鎖状導電性無機粒子の含有量は、上記鎖状導電性無機粒子及び上記バインダの合計量に対して、好ましくは40〜88質量%、より好ましくは50〜85質量%、更に好ましくは72〜76質量%である。

0030

また、上記鎖状導電性無機粒子を用いることにより、非鎖状導電性無機粒子を用いた場合に比べて、より少ない量で導電性膜の導電性を高めることができる。これは、無機粒子鎖状構造を有することにより、無機粒子が単独で存在するよりも、無機粒子相互間の導電性ネットワークが増加して、導電性膜の全体において導電性が向上するためと思われる。このため、導電性膜の所定の導電性を実現するための無機粒子の量を低減できるため、導電性膜の光透過率も向上できる。

0031

上記鎖状導電性無機粒子とは、一次粒子が連結した鎖状の二次粒子を指す。一次粒子とは、単独で存在する粒子を意味し、二次粒子とは、一次粒子が二以上で存在する粒子を意味する。具体的に、上記鎖状導電性無機粒子としては、粒子径が2〜30nmの一次粒子が2〜50個連接してなるものを用いることが好ましく、3〜20個連接してなることがより好ましい。上記粒子径の一次粒子の連接数が50個を超えると、粒子の散乱によって導電性膜のヘイズ値が上昇する傾向にある。また、上記粒子径の一次粒子の連接数が2個を下回ると、粒子が非鎖状となり無機粒子相互間の導電性ネットワークの形成が困難となり、導電性膜の導電性が低下する。

0032

上記粒子径と連結数は、例えば、コーティング組成物を低沸点溶剤で希釈し、各種基材上に2〜10nmの膜厚で薄く塗布した導電性膜を、透過型電子顕微鏡TEM)により、鎖状導電性無機粒子を構成する個々の粒子の粒子径と連結数を観察・測定して求めることができる。

0033

上記鎖状導電性無機粒子としては、透明性と導電性を兼ね備えた鎖状粒子であれば特に限定されず、例えば、金属粒子カーボン粒子導電性金属酸化物粒子導電性窒化物粒子等を用いることができる。中でも、透明性と導電性とを兼ね備えた導電性金属酸化物粒子が好ましい。上記導電性金属酸化物粒子としては、酸化スズ粒子酸化アンチモン粒子アンチモン含有酸化スズATO)粒子、スズ含有酸化インジウム(ITO)粒子、リン含有酸化スズ(PTO)粒子、アルミニウム含有酸化亜鉛(AZO)粒子、ガリウム含有酸化亜鉛GZO)粒子等の金属酸化物粒子が挙げられる。上記導電性金属酸化物粒子は、単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。また、上記鎖状導電性無機粒子は、ATO粒子ITO粒子及びPTO粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。これらの導電性無機粒子は、透明性、導電性及び化学特性に優れており、導電性膜にした場合にも高い光透過率と導電性を実現することができるからである。

0034

上記鎖状導電性無機粒子の製造方法は、特に限定されないが、例えば、特開2000−196287号公報、特開2005−139026号公報、特開2006−339113号公報、特開2012−25793号公報に記載の製造方法を採用することができる。

0035

<バインダ>
上記バインダとしては、上記鎖状導電性無機粒子を分散して塗膜を形成できるものであれば特に限定されず、無機系バインダ及び有機系バインダのいずれも使用できる。上記バインダの含有量は、上記鎖状導電性無機粒子及び上記バインダの合計量に対して10質量%以上とすることが好ましい。10質量%を下回ると導電性薄膜の強度が低下する傾向があるからである。

0036

導電性膜の強度を向上させる観点から、上記バインダとしては、無機系バインダを使用することが好ましい。無機系バインダとしては、例えば、アルコキシシランが使用できる。より具体的には、上記アルコキシシランは、3〜4個のアルコキシ基ケイ素に結合した化合物であって、水に溶解させると、重合して−OSiO−で繋がれた高分子量SiO2体になるものを使用できる。

0037

上記アルコキシシランとしては、テトラアルコキシシラントリアルコキシシランジアルコキシシラン及びアルコキシシランオリゴマーからなる群から選ばれる少なくとも1種の多官能アルコキシシランを含むものであることが好ましい。アルコキシシランオリゴマーとは、アルコキシシランのモノマー同士が縮合することで形成される高分子量化されたアルコキシシランであり、シロキサン結合(−OSiO−)を1分子内に2個以上有するオリゴマーのことをいう。

0038

上記テトラアルコキシシランの例としては、テトラメトキシシランテトラエトキシシランテトラプロポキシシラン、テトラiso−プロポキシシラン、テトラt−ブトキシシラン等の炭素数1〜4のアルコキシ基でテトラ置換されたシランが挙げられる。具体的には、コルコート社製の“エチルシリケート28(分子量208)”、等が挙げられる。

0039

上記トリアルコキシシランの例としては、トリメトキシシラントリエトキシシラントリプロポキシシラン、トリブトキシシラン、トリiso−プロポキシシラン、トリL−ブトキシシラン等の炭素数1〜4のアルコキシ基でトリ置換されたシラン、“KBM−13(メチルトリメトキシシラン)”、“KBE−13(メチルトリエトキシシラン)”等の一部がアルキル基置換されたシランが挙げられる。

0040

上記ジアルコキシシランの例としては、ジメチルジメトキシシランジフェニルジメトキシシランジメチルジエトキシシランジフェニルジエトキシシラン等の炭素数1〜4のアルコキシ基でジ置換されたシラン、“KBM−22(ジメチルジメトキシシラン)”、“KBE−22(ジメチルジエトキシシラン)”等の一部がアルキル基で置換されたシランが挙げられる。

0041

上記アルコキシシラン低分子オリゴマーの例としては、アルコキシシリル基単独、または有機基とアルコキシシリル基を併せ持つ比較的低分子のアルコキシシランオリゴマーが挙げられる。具体的には、コルコート社製の“メチルシリケート51(分子量470)”、“エチルシリケート40(分子量745)”、信越化学社製の“X−40−2308(分子量683)”等が挙げられる。

0042

上記アルコキシシランの具体例のうち、より高い硬度の導電性薄膜を形成するためには、テトラアルコキシラン、テトラアルコキシシラン及びトリアルコキシシランの併用、一部がアルキル基で置換されたトリアルコキシシランやジアルコキシシラン、官能基がアルコキシシリル基であるアルコキシシランオリゴマーが好ましい。これらを用いることにより、バインダ分子間のシロキサン結合を促進させた3次元架橋により導電性膜の硬度が強くなり、経時変化によって導電性薄膜に亀裂が発生する危険性をより一層なくし、且つ基板との密着性をより高めることができるからである。

0043

更に、より安定した状態で再現性良く、良質の膜を形成するためには、コーティング組成物にアルコキシシランの加水分解反応を進め、シラノール化させた状態で使用することが好ましい。その調整方法としては、例えば、アルコール等の低沸点溶剤で希釈したアルコキシシランに水と酸触媒を加えてあらかじめシラノール化させる方法や、導電性コーティング組成物に水と酸触媒を添加しシラノール化させる方法が挙げられる。水の含有量は、アルコキシシランの構造から加水分解率を求めることで理論値が求まるが、コーティング組成物のポットライフコーティング適性、導電性膜の物理特性に合わせて適宜調整する。上記水の含有量は、アルコキシシラン全体量に対して50〜1500質量%とすることが好ましい。50質量%を下回ると導電性薄膜の強度が低下し、1500質量%を超えると乾燥速度が遅くなるといったコーティング適性に影響するからである。

0044

本発明で使用するアルコキシシランオリゴマーは、1,000〜20,000の重量平均分子量を有する。これにより、本発明のコーティング組成物は、塗布性能に優れ、薄い導電性膜を形成し易く、導電性膜の硬度、特に、耐傷付き硬度が高くなる。また、塗膜が硬化する際に導電性膜が収縮し難くなる。本発明で使用するアルコキシシランオリゴマーの重量平均分子量は、好ましくは2,000〜15,000であり、より好ましくは6,000〜12,000である。

0045

導電性膜の硬度及び寸法安定性が向上する結果、タッチパネル機能内蔵型液晶表示パネルのタッチ検出感度、動作の信頼性及び安定性が向上する。導電性膜の硬度及び寸法安定性が向上することによる上記効果は、例えば、本発明の膜が形成される基材が薄型化されたものである場合に、有効性が高くなる。薄型化された基材は強度及び寸法安定性に劣る場合がある。

0046

本発明のコーティング組成物は、例えば、カラーフィルタ基板の液晶層とは反対側の基材表面に塗布されて導電性膜が形成される。この場合の基材は、具体的には、最下層にTFTアレイ基板、最上層にカラーフィルタ基板を有する積層体である。

0047

TFTアレイ基板及びカラーフィルタ基板は、機能層支持体に支持された構造を有する。積層体の上面及び下面は、それぞれ、カラーフィルタ基板の支持体の表面及びTFTアレイ基板の支持体の表面が露出している。TFTアレイ基板及びカラーフィルタ基板の支持体は、典型的には、板状のガラスである。尚、基材のTFTアレイ基板とカラーフィルタ基板の間には、液晶駆動電極、タッチ検出電極及び液晶層等のタッチパネル構成部材が存在する。薄型化された基材は、例えば、500μm以下、好ましくは300μm以下の厚さを有する。

0048

上記1,000〜20,000の重量平均分子量を有するアルコキシシランオリゴマーの製造方法は、特に限定されないが、例えば、特開2007−31464公報、特開2014−224166公報に記載の製造方法を採用することができる。

0049

例えば、溶媒と酸触媒と水の存在下において、アルコキシシランを加え、加水分解および縮合反応を行うことで単分子シランを高分子化し、必要に応じて、溶媒や酸触媒を除去し、オリゴマーが作製できる。オリゴマーの分子量や分子量分布の制御は、攪拌手法、温度、時間などの攪拌条件一括添加滴下添加といった添加手法、恒温昇温、降温といった温度、時間、滴下順序などの添加条件、各スキームにおけるpH条件に依存する。

0050

また、本発明では、アルコキシシランオリゴマー中、各種の分子ユニットが一定のモル比率で存在することが好ましい。すなわち、分子ユニットとは、官能基の種類が異なるオリゴマー中の分子を意味し、異なる分子ユニットが一定のモル比率で存在するアルコキシシランオリゴマーを使用した場合、導電性膜における電気特性光学特性、硬度、反り、寸法安定性、タッチ感度、ノイズシールド特性、経時安定性といった各種品質特性両立することができる。

0051

例えば、アルコキシシランオリゴマーの代表例は、次の式で表される構造を有するものである。

0052

0053

式中、Rは炭素数1〜4のアルコキシ基または水素であり、Q2、Q3及びQ4はアルコキシシランオリゴマーを構成する分子ユニットであり、Q2:Q3:Q4の割合はモル比で12:57:31である。

0054

アルコキシシランオリゴマーの具体例には、上記分子ユニットを有するアルコキシシランオリゴマーのほか、コルコート社製の“エチルシリケート48”、メチルシリケート53A”、三菱ケミカル社製の“MKCシリケート高重合度タイプ)”、日揮触媒化成社製の“ELECM P−8517”等が挙げられる。

0056

<高沸点溶剤>
上記高沸点溶剤としては、バインダ成分を溶解し、且つ塗布後の乾燥工程によって除去できるものであればよく、例えば、エチレングリコールジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、N−メチルホルムアミド、1,2−プロパンジオール、N,N−ジメチルアニリンクレゾールニトロベンゼン等を使用できる。特に好ましくは、エチレングリコール、ジメチルスルホキシドが挙げられる。高沸点溶剤は、沸点120℃以上の有機系および無機系の溶剤が好ましい。

0057

上記高沸点溶剤の含有量は、導電性コーティング組成物全量に対して0.1〜30.0質量%程度とすればよい。

0058

<低沸点溶剤>
上記低沸点溶剤としては、例えば、エチルアルコールメチルアルコールn−プロピルアルコールイソプロピルアルコールn−ブチルアルコールイソブチルアルコールメチルエチルケトンメチルイソブチルケトンテトラヒドロフランアセトンジオキサン酢酸エチルクロロホルムアセトニトリルピリジン酢酸、水等を使用できる。特に好ましくは、エチルアルコール、メチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコールが挙げられる。上記低沸点溶剤を使用することにより、上記鎖状導電性無機粒子の分散性が向上する。低沸点溶剤は、沸点120℃未満の有機系および無機系の溶剤が好ましい。

0059

上記低沸点溶剤の含有量は、導電性コーティング組成物全体量に対して50.0〜99.5質量%程度とすればよい。

0060

<酸触媒>
本発明のコーティング組成物には、一般に使用される酸触媒(塩酸硫酸、酢酸、リン酸等)を更に添加することができる。これにより、より安定した性能で高品質の導電性膜を再現性よく形成可能となる。上記酸触媒の含有量は、アルコキシシラン全体量に対して1.0〜30.0質量%程度とすればよい。

0061

レベリング剤
本発明のコーティング組成物には、レベリング剤を更に添加することができる。これにより、導電性膜の表面平滑性が確保できる。上記レベリング剤としては、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンジプロピレングリコールモノメチルエーテル等を使用できる。上記レベリング剤触媒の含有量は、導電性コーティング組成物全体量に対して0.01〜5.0質量%程度とすればよい。

0062

調製法
本発明のコーティング組成物の調製法は、上記各成分を混合して、上記鎖状導電性無機粒子を上記バインダと上記溶剤の中に分散できれば特に限定されず、例えば、上記各成分をボールミルサンドミルピコミルペイントコンディショナー等のメディアを介在させた機械的処理、又は超音波分散機ホモジナイザーディスパー及びジェットミル等を使用して分散処理を施して混合・分散することができる。

0063

上記調製後の本発明のコーティング組成物は、固形分濃度が、全体量に対して0.1〜20.0質量%である。コーティング組成物の固形分は、典型的には、上記鎖状導電性無機粒子及び上記バインダの合計量である。コーティング組成物の固形分濃度が0.1質量%未満になると導電性膜の厚さを適性範囲に制御するため、塗布量が多くなることで、乾燥過程におけるウエット膜からドライ膜への移行に時間がかかり、製造工程として現実的でない。また、20.0質量%を超えると塗布量が少なくなることで、ウエット膜の厚みが不十分となり、レベリング性能が発現されず、表面電気抵抗などの皮膜特性において基板内偏差が生じる。コーティング組成物の固形分濃度は、好ましくは0.3〜15.0質量%であり、より好ましくは0.5〜10.0質量%である。

0064

本発明のコーティング組成物は、粘度が0.5〜100mPa・sであることが好ましい。コーティング組成物の粘度が100mPa・sを超えるとスプレー方式における組成物霧化が適正に行われず、スプレー液滴が大きすぎたり、スプレー液滴粒度分布が不均一になりすぎたりする。また、0.5mPa・sを下回ると、吐出量が多くなりWet膜厚が厚すぎて、暑すぎて乾燥ムラが発生する。その結果、表面電気抵抗などの皮膜特性において基板内の特性偏差が生じたり、皮膜外観が悪化したりする。コーティング組成物の粘度は、好ましくは0.6〜50mPa・s、より好ましくは0.8〜20.0mPa・sである。

0065

(導電性膜)
次に、本発明の導電性膜について説明する。

0066

本発明の導電性膜は、本発明のコーティング組成物を後述するカラーフィルタ基板の液晶層とは反対側の基材表面に塗布して塗膜を形成した後に、上記塗膜を乾燥、要すれば硬化させて成膜する。

0067

上記透明導電性コーティング組成物の塗布方法としては、平滑な塗膜を形成しうる塗布方法であれば特に限定されない。例えば、スピンコートロールコート、ダイコートエアナイフコート、ブレードコート、リバースコートグラビアコートマイクログラビアコート、スプレーコートスリットコート、ディップコート等の塗布法、又はグラビア印刷スクリーン印刷オフセット印刷インクジェット印刷等の印刷法を用いることができるが、基板の薄型化対応、製造装置の簡略化や製造コストにおいて有利なスプレーコートが好ましい。

0068

上記コーティング組成物の塗布方法としては、スプレーコート法を用いることが好ましい。スリットコートやスピンコートなど他の塗布方式に比べて、特徴として、ガラス基板厚み偏差を受けにくいため膜厚の偏差が少ないこと、大判基板における面方向での膜厚偏差が少ないこと、基板の異なるサイズでも段取りが容易なことが挙げられる。

0069

スプレーコート法を用いた塗布条件として、スプレーガンの口径は0.5〜3.0mm、ニードル開度は0.05〜0.30mm、吐出液量は0.10〜3.00g/min、スプレーガンと基板との最短距離は50〜300mm、塗布速度は100〜2000mm/秒、重ねピッチは2〜30mm、霧化エアーの圧力は0.05〜0.50MPaが好ましい。スプレーガンの数として、単一ガン運用する以外に、塗布効率化の観点から、基板サイズに合わせて、複数ガンを配置しても良い。

0070

コーティング組成物を基板上面に塗布した後、乾燥によって溶剤を除去して成膜させる。必要に応じて、塗膜にUV光やEB光を照射して塗膜を硬化させてもよい。例えば、本発明のコーティング組成物及びスプレーコート法を使用して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥、要すれば硬化させて成膜した皮膜は、導電性スプレー皮膜と言うことができる。

0071

本発明の導電性膜は、表面電気抵抗が1.0×107〜1.0×1010Ω/スクエアである。導電性膜の表面電気抵抗が1.0×107Ω/スクエア未満であるとタッチ感度が低下し、1.0×1010Ω/スクエアを超えると帯電防止性能が低下する。導電性膜の表面電気抵抗は、好ましくは2.0×107〜9.0×109Ω/スクエアであり、より好ましくは3.0×107〜8.0×109Ω/スクエアである。

0072

本発明の導電性膜は、温度65℃、相対湿度90%の環境下で500時間保持した後の表面電気抵抗が1.0×107〜1.0×1010Ω/スクエア、好ましくは2.0×107〜9.0×109Ω/スクエア、より好ましくは3.0×107〜8.0×1010Ω/スクエアである。尚、信頼性試験後もESD機能が高く、且つタッチ感度を低下させない導電性膜を提供するため、信頼性前後の表面電気抵抗の変化は、下降側または上昇側のどちらに変化しても1.0乗Ω/スクエアの範囲が好ましい。より好ましくは、0.5乗Ω/スクエアの範囲である。

0073

本発明の導電性膜は、厚さが10〜300nmである。導電性膜の厚さが10nm未満であると1次粒子自体のサイズを下回るため、皮膜表面平滑性が損なわれ、表面電気抵抗の偏差が生じやすくなり、300nmを超えると皮膜の全光線透過率が悪化する。導電性膜の厚さは、好ましくは15〜200nm、より好ましくは20〜100nmである。

0074

本発明の導電性膜は、鉛筆硬度が3H〜9H、好ましくは4H〜9H、より好ましくは5H〜9Hである。すなわち、鉛筆硬度が2H以下の場合、パネル製造工程の後工程となる洗浄加工やスクライブ加工、偏光板貼合加工において、塗膜表面の傷つきが発生しやすく、歩留りが低下する可能性がある。

0075

本発明の導電性膜は、全光線透過率(JIS K7105準拠)が95.0%以上、好ましくは97.0〜99.9%である。

0076

また、タッチパネルは、パネル製造工程において、一般に、ダイヤモンドカッターにて大判基板から小片基板分断される。そのため、本発明の導電性膜は、ガラス基板と一緒に切断した場合に、カッター付着物を発生させず、平滑な切断面を提供することが好ましい。

0077

<タッチパネル>
本発明のコーティング組成物が適用されるタッチパネルは、タッチパネル基板がTFTアレイ基板とカラーフィルタ基板の間に内包された層構造を有する型のタッチパネルである。かかるタッチパネルとしては、典型的には、インセル型タッチパネルが例示される。

0078

尚、本願明細書において「積層」とは、層状物が重なった状態になっていることを意味する。積層される層は、例えば、間に別の層が存在する等により、相互に接触していなくてもよい。

0079

カラーフィルタ基板の液晶層とは反対側の基材の上面には、導電性膜が設けられる。導電性膜が設けられない場合には、インセル型タッチパネルの外部から加えられた静電気により、例えば偏光板の表面が帯電し、その静電気に起因する電界により、液晶層の液晶分子配向状態が乱れ、画像の表示が乱れるおそれがある。

0080

一方、導電性膜が設けられることにより、インセル型タッチパネルの外部から加えられた静電気を外部に逃がすことができるので、インセル型タッチパネルに静電気が加えられたときの画像の表示の乱れを低減することができる。

0081

図1は、本発明のコーティング組成物を適用することができるインセル型タッチパネルの層構造を模式的に示す断面図である。図1のインセル型タッチパネルでは、TFTアレイ基板4上に、タッチ検出機能も持たせたコモン電極、即ち、コモン電極兼タッチ電極5’が積層されている。また、導電性膜9がカラーフィルタ基板8と上部偏光板の間に積層されている。TFTアレイ基板4とカラーフィルタ基板8の間に第二のタッチ検出電極(非表示)を設けてもよい。

0082

以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、以下で「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。

0083

実施例に使用した主要な材料を表1に示す。

0084

[表1]

0085

<鎖状アンチモン含有酸化スズ(ATO)粒子分散液
鎖状ATO粒子分散液として、日揮触媒化成社製“ELCOM V−3560”を準備した。鎖状ATO粒子分散液“ELCOM V−3560”は、鎖状ATO粒子19.2部、シリカ分散剤1.3部、エチルアルコール70.0部及びイソプロピルアルコール9.5部の混合分散液である。

0086

図2及び図3は、上記鎖状ATO粒子分散液に用いた鎖状ATO粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。図2及び図3を参照して、上記ATO粒子は、粒子径が2〜30nmの一次粒子が2〜50個連接して形成された鎖状ATO粒子(鎖状導電性無機粒子)であることが分かる。

0087

(製造例)
<分散液Aの製造>
プラスチックビンに、石原産業(株)製の導電性ATO粒子「SN100P」(商品名)20.5部、ビックケミージャパン社製の分散剤「BYK180」(商品名)2.0部、及びイソブチルアルコール(溶剤)77.5部を仕込み、直径0.3mmのジルコニアビーズを用いて、ペイントコンディショナー(東洋精機(株)製)により2時間分散した後、攪拌して分散液Aを製造した。

0088

<合成例1>
適量の低沸点アルコール塩酸触媒と水を加えた溶液に、適量のテトラメトキシシランを少しずつ滴下して加え、温度とpHを制御しながら、一定時間攪拌した後、イオン交換樹脂脱酸処理して、固形分濃度10wt%、重量平均分子量5,200のアルコキシシランオリゴマー溶液を作製した。

0089

<合成例2>
適量の低沸点アルコールと塩酸触媒と水を加えた溶液に、適量のテトラエトキシシランを少しずつ滴下して加え、温度とpHを制御しながら、一定時間攪拌した後、イオン交換樹脂で脱酸処理して、固形分濃度10wt%、重量平均分子量8,600のアルコキシシランオリゴマーを合成した。

0090

(実施例1〜4及び比較例1〜3)
<コーティング組成物の製造>
プラスチック製ビンに、各成分を所定の含有量になる量で仕込み、攪拌してコーティング組成物を調製した。但し、アルコキシシランは、アルコールの一部を用いて希釈し、水と酸触媒を加えてあらかじめシラノール化させて使用した。

0091

得られたコーティング組成物の粘度を東機産業社製のTV25型粘度計を使用して測定した。成分の種類、配合量、コーティング組成物の不揮発固形分含有量及び粘度を表2及び3に示す。

0092

[表2]

0093

[表3]

0094

<導電性膜の製造>
サイズ10cm四方、厚み0.3mmの無アルカリガラスの基板に、上記コーティング組成物をスプレーコート法によって塗布して塗膜を形成した。スプレーコーターには、ノードソン社製のスプレーガン(スワールノズル、口径:1.0mm)を用いた。塗布条件は次の通りとした。即ち、ニードル開度:0.10mm、スプレーガンと基板との最短距離:100mm、塗布速度:300mm/秒、重ねピッチ:10mm、アトマイズエアー及びスワールエアーの圧力:0.25MPa、膜厚を制御するため、吐出液量は0.50〜1.00g/minの範囲に調整し、形成された塗膜を120℃で1時間加熱して導電性膜を作製した。

0095

次に、下記の通り、得られた導電性膜の特性を試験した。結果を表4及び5に示す。

0096

<膜厚>
導電性膜をガラス基板ごと切断し、走査型電子顕微鏡(SEM日立製作所社製“S−4500”)にて断面観察して、膜厚を測定した。

0097

<表面電気抵抗>
表面抵抗計(三菱化学社製“ハイレスタMCPHT450”、印加電圧:10V)を用いて、導電性膜の表面電気抵抗を測定し、通常の表面電気抵抗とした。

0098

また、導電性膜付ガラス基板を温度65℃、相対湿度90%の環境下で500時間保持した後の導電性膜の表面電気抵抗を上記と同様にして測定して、高温高湿試験後の表面電気抵抗とした。

0099

<全光線透過率>
先ず、日本電色工業社製の光度計ヘイズメーターNDH2000”を用い、導電性膜付ガラス基板の全光線透過率を測定した。数値は塗膜のみの値を示す。

0100

<鉛筆硬度>
導電性膜の鉛筆硬度を新東科学社製の表面性試験機HEDON−14DR”を用いて測定した。

0101

ガラス切断性>
三星ダイヤモンド工業株式会社製の簡易スラクイバー“Linear Cutter LC200AHH”、及びスクライブホイールAPIO φ3mm TYPEA”を用いて導電性膜を付与したガラスを切断し、ガラス切断性を評価した。

0102

切断時の条件は次の通り設定した。即ち、荷重10N、切り込み量0.15μm、スクライブ長100mmの条件にて、100回繰り返した。その後、ホイール付着物、切断面の状況を目視にて確認した。評価基準は次の通り規定した。

0103

ガラス切断性評価基準
○:付着物なし、切断面良好、△:付着物少しあり、切断面に少しカケあり、×:付着物あり、切断面のカケあり

0104

<反り>
上記、導電性膜の製造において、厚み0.1mmの無アルカリガラスの基板を用いた他は、同様になして導電性膜を作製し、反りの状態を確認した。
○:ガラス端部の浮きが全くない、△:わずかに浮きがある、×:顕著に浮きがある

0105

[表4]

0106

[表5]

0107

<インセル型タッチパネルの製造>
画面サイズが4インチ、液晶表示装置のトータルの厚みが0.3mmの図1に示す構成の液晶表示装置を作製した。

0108

導電性膜は、タッチパネル基板の上面上に上記コーティング液を前述と同様の条件でスプレーコーターを用いて塗布した後、120℃の乾燥機で1時間乾燥させて形成した。次に、この導電性膜の端部に銀ペースト化成社製“ドータイトD−362”)にてアース線を取り付けた後、導電性膜の上に偏光板を貼り付けた。また、画素電極及びコモン電極を設け、下部ガラス基板のバックライト側にも偏光板を貼り付けた。

0109

次に、上記各液晶表示装置のタッチ感度及び静電気放電(ESD)性を下記のとおり確認した。

0110

<タッチ感度>
上記液晶表示装置を指でタッチし、タッチ感度を確認した。その結果、指のタッチに反応した場合を○、指のタッチに反応しなかった場合を×と評価した。

0111

また、導電性膜付ガラス基板を温度65℃、相対湿度90%の環境下で500時間保持した後の導電性膜のタッチ感度を上記と同様にして測定して、高温高湿試験後のタッチ感度とした。

0112

ESDシールド性>
下部ガラス基板側からバックライトにより光を照射し、上記液晶表示装置が無通電状態で黒表示であることを確認した後、上部ガラス基板に静電印加装置にて電圧±12kVにて静電を印加した。その後、導電性膜のアース線を接地してから、無通電状態の表示を目視により確認した。その結果、上記液晶表示装置が黒表示を維持していた場合を○、光抜けによる白浮きが認められた場合を×と評価した。

0113

また、導電性膜付ガラス基板を温度65℃、相対湿度90%の環境下で500時間保持した後の導電性膜のESD性を上記と同様にして測定して、高温高湿試験後のESD性とした。

0114

以上の結果を表6及び表7に示した。

0115

[表6]

0116

[表7]

0117

表4と表6の結果から、本発明のコーティング液を用いて作製した導電性膜は、ESD機能が高く、且つタッチ感度を低下させないと共に、光透過率と硬度に優れた導電性膜を提供できる。更には、高温高湿試験後も各種特性を維持していることが分かる。
一方、表5と表7の結果から、鎖状ATO粒子を含まないコーティング液を用いて作製した比較例1の導電性膜は、表面電気抵抗が高く、透過率が低く、鉛筆硬度も小さいことが分かる。すなわち、液晶表示装置に組み込んだ場合、タッチ感度とESD性が劣ることが明確である。

実施例

0118

また、バインダとして重量平均分子量1,000未満のアルコキシシランを含むコーティング液を用いて作製した比較例2の導電性膜は、塗膜製造工程における加熱処理により反りが発生する。これは、アルコキシシランの分子量が小さい場合、脱水縮合反応による塗膜の硬化収縮現象が起こりやすいことに起因する。更に、高温高湿試験で加熱を促進すると、未反応分のアルコキシシランが反応するため、さらに反りが悪化し、初期では問題のなかったタッチ感度やESD性へ、悪影響を及ぼすことが分かる。

0119

1…インセル型タッチパネル、
2…下部偏光板、
3…上部偏光板、
4…TFTアレイ基板、
5’…コモン電極兼タッチ検出電極、
72…液晶層
8…カラーフィルタ基板、
9…導電性膜

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ