図面 (/)

技術 カーボンナノチューブ高配合ゴム粒状物の製造方法

出願人 三菱商事株式会社
発明者 久英之
出願日 2018年3月8日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2018-042218
公開日 2019年9月19日 (2ヶ月経過) 公開番号 2019-156911
状態 特許登録済
技術分野 高分子物質の処理方法 高分子組成物 顔料、カーボンブラック、木材ステイン
主要キーワード マルチミキサ マリモ状 最大配合量 在庫コスト 分粒装置 粉体面 しょく 生産工数
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年9月19日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

本発明は、各種のゴムラテックスバインダーとしてカーボンナノチューブ(CNTという)をコーティングし、更にCNT内部へゴム浸透させることで、CNTを高配合で粒状化させ、飛散性を大幅に低減化させ、加工性ハンドリング性等を著しく向上させるCNT高配合ゴム粒状物の製造方法の提供

構成

本発明のCNT高配合ゴム粒状物の製造方法は、(1)容器にCNTCNTと前記CNTに100倍の水を投入撹拌する水混合工程と、(2)次いで、これにゴムラテックスを添加し混合する混合工程と、(3)次いで、得られた混合液を撹拌しながら非水溶性溶媒滴下しながらCNTを水相からゴム相移行させながら造粒する造粒工程と、(4)次いで、水相と前記造粒物を分離する分離工程と、(5)分離された前記造粒物を乾燥する乾燥工程と、を備えた構成を有している。

概要

背景

近年、カーボンナノチューブ(以下、CNTと記す。)はの次世代材料として注目され、帯電防止剤導電性付与材としての使用はもちろん、タイヤキャパシタLi電池導電助剤繊維強化プラスチックス等への活用に向けた用途開発が進められている。
CNTは直径が数nm〜約500nmで、長さが10μm〜1000μm程度であり、アスペクト比が大きく、チューブ状構造炭素結晶である。その種類は多岐にわたり、単層構造を有するシングルウオールCNT、多層構造を有するマルチウオールCNTの範疇に入る2層のダブルウオールCNT等がある。また、両端が封鎖されているものから、片末端だけが封鎖されているもの、両末端とも開いているものがあり、また、丸め方の構造にもアームチェア型等いくつか種類がある。
CNTの製造方法もアーク放電型、触媒気相製造法レーザーアブレーション法やその他の方法があり、それぞれ一長一短がある。

一般に、CNTは、種々の合成樹脂ゴム等の基材に配合されることで、基材に電気伝導性高弾性、高強度、熱伝導性等を付与することが知られている。
しかしながら、CNTを使用するに当たっては、安全性に対する不安や、CNTがチューブ状で1本1本が絡み合っているためバラバラになり難く分散性欠けるとともに、飛散し易く、取り扱い性に欠ける等の課題があるため「夢の素材」と期待された割には実用化が進んでいない。
CNTの安全性について、IARC(国際がん研究機関)が2014年に発表した見解をみると殆どのCNTが「グループ3」(発がん性を有するに分類できない)とされているが、今日においても一般ユーザーの間では、「だけどCNTは危険な素材である」との認識が強い。その理由の一つは、CNTがアスベストと同様な繊維状構造を形成している事や嵩密度が1〜5g/100ccと非常に低く、多量の空気を巻き込んでいるため飛散性が大で人への吸引リスクが大きいこと等が原因であると言われている。
一般に環境リスクは、化学物質などが環境を経由して、人の健康や動植物の生育、育成に悪影響を及ぼす可能性のことであり、概念的には、「リスク=有害性(毒性)×曝露量(摂取量)」で表され、明らかに有毒な素材でも曝露量が皆無で有ればその素材はほぼ安全で有ると言える。

曝露量の低減物としては、包装時や輸送時、在庫時、実際の使用時等に粉化飛散せず、合成樹脂のマスターバッチコンパウンド混練成形時等における分散工程では易分散を示す球状造粒物が好ましい。また、粉化しない造粒物であれば当然嵩密度も高くなり、例えば合成樹脂等への混錬工程において、貯蔵タンク内でのブリッジの発生防止や供給時の自動計量化が可能となり、輸送や在庫コストの低減化にもつながる等のメリットもある。

製品最終形態球状粒子としている炭素系粉末としては、世界で1200万トン/年製造販売しているカーボンブラック(以下CBと記す)がある。CBの嵩密度はCNTほどではないがかなり低いため、一般的には、水をバインダーとしたパン造粒法、ドラム型造粒法、スクリュー押し出し型造粒法、撹拌型造粒法、圧縮成型造粒法などの造粒方式が採用されている。CBは一次粒子が球状でしかも粒子融着したストラクチャーを形成しかつ、粒子表面に酸素水素等の官能基が存在し、バインダーとして機能する水との親和性もあり比較的容易に造粒することが可能である。これに対しCNTは、結晶構造発達表面官能基も少なく、更に粉体凝集体内にCBよりも多くの空気を巻き込んでいる事等から水との親和性も悪く造粒化は容易ではなかった。
この課題を解決するため、特許文献1及び同文献2に示したような高速気流中衝撃法が提案されている。特許文献3には、固形状ゴムゴムラテックス等のゴムをバインダーとして用いたCNTの造粒物の製造方法が提案されている。

概要

本発明は、各種のゴムラテックスをバインダーとしてカーボンナノチューブ(CNTという)をコーティングし、更にCNT内部へゴムを浸透させることで、CNTを高配合で粒状化させ、飛散性を大幅に低減化させ、加工性ハンドリング性等を著しく向上させるCNT高配合ゴム粒状物の製造方法の提供本発明のCNT高配合ゴム粒状物の製造方法は、(1)容器にCNTCNTと前記CNTに100倍の水を投入撹拌する水混合工程と、(2)次いで、これにゴムラテックスを添加し混合する混合工程と、(3)次いで、得られた混合液を撹拌しながら非水溶性溶媒滴下しながらCNTを水相からゴム相移行させながら造粒する造粒工程と、(4)次いで、水相と前記造粒物を分離する分離工程と、(5)分離された前記造粒物を乾燥する乾燥工程と、を備えた構成を有している。

目的

(3)特許文献3に開示の技術は、CNTの内部や外表面を固形状ゴムやゴムラテックスでコーティングすることにより、CNTのハンドリング性の向上、基体樹脂への分散性の向上、混練時の定量供給性の向上、飛散性の大幅低減による人体に対する安全性の向上等々優れた特徴を備えたCNT造粒物の製造法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

(1)容器カーボンナノチューブと前記カーボンナノチューブの100倍の重量の水とを投入して撹拌し、分散液を作成する水混合工程と、(2)前記分散液にゴムラテックスを添加し混合するゴム混合工程と、(3)次いで、得られた混合液を撹拌しながら非水溶性溶媒滴下しながら前記カーボンナノチューブを水相からゴム相移行させながら造粒物ゴム粒状物)を造粒する造粒工程と、(4)次いで、前記水相と前記造粒物を分離する分離工程と、(5)分離された前記造粒物を乾燥する乾燥工程と、を備えたカーボンナノチューブ高配合ゴム粒状物の製造方法。

請求項2

(1)容器にカーボンナノチューブの約100倍の重量の水とゴムラテックスを投入し撹拌し、分散液を作成する工程と、(2)前記分散液にカーボンナノチューブを添加し混合後分散する工程と、(3)次いで、得られた混合液を撹拌しながら非水溶性溶媒を滴下しながら前記カーボンナノチューブを水相からゴム相へ移行させながら造粒物(ゴム粒状物)を造粒する造粒工程と、(4)前記水相と前記造粒物を分離する分離工程と、(5)分離された前記造粒物を乾燥する乾燥工程と、を備えたカーボンナノチューブ高配合ゴム粒状物の製造方法。

請求項3

(1)ゴムラテックス100重量部と100〜5000重量部に相当するカーボンナノチューブと前記カーボンナノチューブの約100倍の重量の水とを投入し混合し、均一に分散させる混合分散工程と、(2)次いで、非水溶性溶媒を滴下しカーボンナノチューブを水相からゴム相へ移行させながら造粒物(ゴム粒状物)を造粒する造粒工程と、(3)次いで、前記水相と前記造粒物を分離する分離工程と、(4)分離された前記造粒物を乾燥する乾燥工程と、を備えたことを特徴とするカーボンナノチューブ高配合ゴム粒状物の製造方法。

請求項4

前記カーボンナノチューブの繊維径が、1〜200nm、繊維長が1〜500μmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載のカーボンナノチューブ高配合ゴム造粒物の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、カーボンナノチューブ高配合ゴム粒状物の製造方法に関する。

背景技術

0002

近年、カーボンナノチューブ(以下、CNTと記す。)はの次世代材料として注目され、帯電防止剤導電性付与材としての使用はもちろん、タイヤキャパシタLi電池導電助剤繊維強化プラスチックス等への活用に向けた用途開発が進められている。
CNTは直径が数nm〜約500nmで、長さが10μm〜1000μm程度であり、アスペクト比が大きく、チューブ状構造炭素結晶である。その種類は多岐にわたり、単層構造を有するシングルウオールCNT、多層構造を有するマルチウオールCNTの範疇に入る2層のダブルウオールCNT等がある。また、両端が封鎖されているものから、片末端だけが封鎖されているもの、両末端とも開いているものがあり、また、丸め方の構造にもアームチェア型等いくつか種類がある。
CNTの製造方法もアーク放電型、触媒気相製造法レーザーアブレーション法やその他の方法があり、それぞれ一長一短がある。

0003

一般に、CNTは、種々の合成樹脂ゴム等の基材に配合されることで、基材に電気伝導性高弾性、高強度、熱伝導性等を付与することが知られている。
しかしながら、CNTを使用するに当たっては、安全性に対する不安や、CNTがチューブ状で1本1本が絡み合っているためバラバラになり難く分散性欠けるとともに、飛散し易く、取り扱い性に欠ける等の課題があるため「夢の素材」と期待された割には実用化が進んでいない。
CNTの安全性について、IARC(国際がん研究機関)が2014年に発表した見解をみると殆どのCNTが「グループ3」(発がん性を有するに分類できない)とされているが、今日においても一般ユーザーの間では、「だけどCNTは危険な素材である」との認識が強い。その理由の一つは、CNTがアスベストと同様な繊維状構造を形成している事や嵩密度が1〜5g/100ccと非常に低く、多量の空気を巻き込んでいるため飛散性が大で人への吸引リスクが大きいこと等が原因であると言われている。
一般に環境リスクは、化学物質などが環境を経由して、人の健康や動植物の生育、育成に悪影響を及ぼす可能性のことであり、概念的には、「リスク=有害性(毒性)×曝露量(摂取量)」で表され、明らかに有毒な素材でも曝露量が皆無で有ればその素材はほぼ安全で有ると言える。

0004

曝露量の低減物としては、包装時や輸送時、在庫時、実際の使用時等に粉化飛散せず、合成樹脂のマスターバッチコンパウンド混練成形時等における分散工程では易分散を示す球状造粒物が好ましい。また、粉化しない造粒物であれば当然嵩密度も高くなり、例えば合成樹脂等への混錬工程において、貯蔵タンク内でのブリッジの発生防止や供給時の自動計量化が可能となり、輸送や在庫コストの低減化にもつながる等のメリットもある。

0005

製品最終形態球状粒子としている炭素系粉末としては、世界で1200万トン/年製造販売しているカーボンブラック(以下CBと記す)がある。CBの嵩密度はCNTほどではないがかなり低いため、一般的には、水をバインダーとしたパン造粒法、ドラム型造粒法、スクリュー押し出し型造粒法、撹拌型造粒法、圧縮成型造粒法などの造粒方式が採用されている。CBは一次粒子が球状でしかも粒子融着したストラクチャーを形成しかつ、粒子表面に酸素水素等の官能基が存在し、バインダーとして機能する水との親和性もあり比較的容易に造粒することが可能である。これに対しCNTは、結晶構造発達表面官能基も少なく、更に粉体凝集体内にCBよりも多くの空気を巻き込んでいる事等から水との親和性も悪く造粒化は容易ではなかった。
この課題を解決するため、特許文献1及び同文献2に示したような高速気流中衝撃法が提案されている。特許文献3には、固形状ゴムゴムラテックス等のゴムをバインダーとして用いたCNTの造粒物の製造方法が提案されている。

先行技術

0006

特開2005−239531号公報
特開2006−143532号公報
特許第5767466号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら上記従来の技術においては、次の様な課題を有していた。
(1)特許文献1又は特許文献2に開示の技術においては、高速気流中で粉体解砕し、さらに複合化する装置が用いられている。この装置の本来の用途は、粉体母粒子の表面に異種の粉体微粒子を高速気流で衝撃により付着させるというものであり、一種類のCNTのみの造粒化は極めて困難であるだけでなく、もし出来たとしてもその造粒物の粒子径は200μm以下と非常に小さいものであり、ミリメートルオーダー粒状化は困難と推定されている。
そのため、飛散性に伴う安全性や環境汚染性、ハンドリング性等について課題を残している。
(2)さらに、特許文献1又は特許文献2に開示されるような、バインダーを用いない通常の造粒物であっても、粉状物を用いる場合よりは輸送、充填時等での飛散性や環境汚染度さらには、合成樹脂やゴム、ビヒクル等への配合・混合・混練は格段に向上させることができる。しかしながら、昨今益々厳しくなってきている、「ナノマテリアルに対する曝露防止等のための予防的対応」を満足するには、飛散性一つを取っても十分とはいえない。また、合成樹脂等への配合時の初期配合性や分散性も満足いくものではないという課題を有していた。
(3)特許文献3に開示の技術は、CNTの内部や外表面を固形状ゴムやゴムラテックスでコーティングすることにより、CNTのハンドリング性の向上、基体樹脂への分散性の向上、混練時の定量供給性の向上、飛散性の大幅低減による人体に対する安全性の向上等々優れた特徴を備えたCNT造粒物の製造法を提供するものである。特に請求項4にある、ゴムラテックスをコーティング材に用いる技術は、固形状ゴムの場合に必要な、予め溶媒でゴムを溶解する工程が不要である等好ましい面もある。しかし、上記技術は、(1)ゴムラテックスを水に分散しゴム分散液を作る工程、(2)CNTを水に懸濁する工程、(3)この懸濁液に(1)のゴム分散液を添加し羽毛状塊を生成する工程、(4)該羽毛状塊を脱水する工程、(5)脱水した羽毛状塊を湿式造粒機により0.2〜2mmの粒状物を得る工程、(6)該粒状物を乾燥する工程を経て初めて所望の粒状品が得られる製造方法であり、工程が極めて多いだけでなく脱水工程と湿式造粒工程は大掛かりな設備を必要とする。また脱水工程と湿式造粒工程は、前の工程からの切り替えが煩雑で、その作業に長時間を要するため生産性に欠けるという課題を有していた。

0008

次に、脱水工程と湿式造粒工程をより詳細に述べる。脱水機の種類は非常に多く、数々の方式や改良機が存在したが、現在使用されている主な脱水機は、ベルトプレスフィルタープレス遠心分離脱水機、ロータリープレス真空脱水機スクリュープレス多重円盤脱水機等である。しかし、これら機種においても、ろ過部の開口径が広い(機構上狭くできない)、凝集剤の併用が必須などの理由により、μmオーダーまで分散した分散液の脱水には適さない機種が多い。微粒子分散液の脱水に比較的多く使用されているのは、フィルタープレスであるが、これも連続運転が困難で、また、ろ布目詰まりが頻発し人手による手動洗浄が必要なため効率の良い脱水機とは言えない。またろ布の洗浄まで考慮したワンバッチの処理時間は、処理量にもよるが、数時間から数十時間を要する。
一方、湿式造粒法としては、a)パン造粒法、b)ドラム造粒法、c)スクリュー押し出し造粒法、d)撹拌造粒法等に代表されるが、a)とb)は、粒子の緻密度が低く造粒品が柔らかいものになるため、環境への飛散も多い造粒品になる。c)は造粒品の硬さも大で粒度分布シャープな物が得られるが、粒子形状が円柱状であり、球状品を目的とする場合は、不適である。d)の撹拌造粒法は、球状に近い物は得られるが、粒度分布が非常に広い造粒物となる。(参考資料としては、BS生物科学研究所発行の「肥料工学」湿式造粒—撹拌造粒法にも各種湿式造粒法の比較が詳細に記載されている)

0009

本発明は上記従来の課題を解決するものである。すなわち、本発明は、官能基の導入など煩雑な作業を必要とせず、各種のゴムラテックスをバインダーとしてCNTを被覆(コーティング)し、更にCNT内部へゴムを浸透させることで、CNTを高配合で粒状化させ、飛散性を大幅に低減化CNT高配合ゴム粒状物の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、加工性・ハンドリング性等の作業性、ポリマーマトリックスとの濡れ性、分散性、導電性機械的物性を著しく向上させ、更に大掛かりな設備を必要とせず製造工程も短縮できしかも造粒物の粒度分布もシャープなCNT高配合ゴム粒状物を低原価で量産することのできるCNT高配合ゴム粒状物の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

上記課題を解決するために本発明のCNT高配合ゴム粒状物の製造方法は以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載のCNT高配合ゴム粒状物の製造方法は、
(1)容器にCNTと前記CNTの約100倍の重量の水とを投入
撹拌し、分散液を作成する水混合工程と、(2)前記分散液にゴムラテックスを添加し混合するゴム混合工程と、(3)次いで、得られた混合液を撹拌しながら非水溶性溶媒滴下しつつ前記CNTを水相からゴム相移行させながら造粒物(ゴム粒状物)を造粒する造粒工程と、(4)次いで、前記水相と前記ゴム粒状物を分離する分離工程と、(5)分離された前記造粒物を乾燥する乾燥工程と、を備えたCNT高配合ゴム粒状物の製造方法。

0011

本発明の請求項2に記載のCNT高配合ゴム粒状物の製造方法は、
(1)容器にCNTの約100倍の重量の水とゴムラテックスを投入し撹拌し、分散液を作成する工程と、(2)前記分散液にCNTを添加し混合後分散する工程と、(3)次いで、得られた混合液を撹拌しながら非水溶性溶媒を滴下しながら前記CNTを水相からゴム相へ移行させながらゴム粒状物を造粒する造粒工程と、(4)次いで、前記水相と前記ゴム粒状物を分離する分離工程と、(5)分離された前記ゴム粒状物を乾燥する乾燥工程と、を備えたCNT高配合ゴム粒状物の製造方法。

0012

本発明の請求項3に記載のCNT高配合ゴム粒状物の製造方法は、
(1)ゴムラテックス100重量部とCNT100〜5000重量部と前記CNTの約100倍の重量の水とを投入し混合し均一に分散させて分散液を作成する混合分散工程と、(2)前記分散液に非水溶性溶媒を滴下しCNTを水相からゴム相へ移行させながらゴム粒状物を造粒する造粒工程と、(3)次いで、前記水相と前記ゴム粒状物を分離する分離工程と、(4)分離された前記ゴム粒状物を乾燥する乾燥工程と、を備えたCNT高配合ゴム粒状物の製造方法。

0013

請求項1乃至3のうちいずれか1の構成により、以下のような作用が得られる。
(1)CNT高配合ゴム粒状物(以下、ゴム粒状物という。)のCNTの表面をゴムがコーティングし、更にCNTの集合体の内部にもゴムが浸透し被覆するので、CNTの飛散度合極端に低くなり、取扱性を著しく向上させ、結果として安全性リスクを大幅に低減できる。
(2)ゴム粒状物のCNTの外表面はゴムで被覆されており、かつCNT−CNT間での強い凝集のない状態で嵩密度の大きいゴム粒状物となっているので、分散媒体である合成樹脂やゴム等のポリマーマトリックス(以下基体樹脂または基体ゴムという。)に分散させた場合、基体樹脂や基体ゴムに溶けるように入り込み(濡れ性が良好)、結果として著しく優れた分散性を発揮する。
(3)基体樹脂や基体ゴムへ配合した場合、高い分散性や濡れ性のため高い導電性の付与や機械的物性の向上などの優れた物性を付与することができ、また加工性に優れる。

0014

(4)ゴムラテックスを用いる特許文献3の請求項4のCNT高配合ゴム粒状物の製造方法とは異なり、本発明は処理に長時間を要する脱水工程や湿式造粒工程が不要で生産工数の削減や製造設備縮減設備投資を大幅に削減できる。また、省力化を進めることができ製品の原価を下げることができる。
(5)得られたゴム粒状物の品質は、特許文献3の請求項4の製造方法で得られるゴム粒状物に比べ、粒度分布がシャープでありながら流動性にも優れているだけでなく、粒子径の小さい粒子が少ないので粒子の飛散性も低減され、環境への安全性のリスクの少ない粒状物となっている。
(6)製造設備を著しくコンパクトにでき、ユーティリティを削減し省エネルギー性に優れる。

0015

この構成をさらに詳しく説明する。
混合分散工程では、容器に収容されたゴムラテックス100重量部に対して100〜5000重量部に相当するCNTに前記CNTの約100倍の重量の水を添加し混合分散する。この混合分散工程は、先ずゴムラテックスを水に入れ撹拌することでゴムラテックスを希釈し,そこにCNTを投入し、CNTが水になじむまで撹拌した後、撹拌機から分散機に変更し液全体を分散させる方法や、CNTを水に入れあるいは水にCNTを加えたのち撹拌し次いでゴムラテックスを投入し撹拌後、分散機に変更して液全体を分散させる方法等いずれの方法を用いてもよい。

0016

ここで、ゴムラテックスとしては、例えば、ポリブタジエンラテックス0700(JSR社登録商標)やスチレンブタジエン共重合体ラテックスSBR2108(JSR社登録商標)等や天然ゴムラテックスを主として使用するが、これ以外にも、MBRラテックス(メチルメタアクリレートブタジエン系重合体)、VPラテックス(2—ビニルピリジンスチレン-ブタジエン系共重合体)、NBRラテックスアクリルニトリルーブタジエン系共重合体)、CRラテックスクロロプレン)等も使用可能である。ゴムラテックスを希釈、分散する際の分散液としては、ほとんどの場合、水を用いるが有機溶媒を用いることもできる。

0017

CNTの添加量は、ゴムラテックス100重量部に対し100〜5000重量部、好ましくは200〜4000重量部である。CNTは約100倍の水に混合後分散させて用いられる。
CNT高配合ゴム粒状物中のCNT配合量がゴムラテックス100重量部に対して200重量部より少なくなるにつれ、基体ゴムや基体樹脂にマスターバッチとして混練利用する際に多量のゴム粒状物を必要となる。結果として、基体ゴムや基体樹脂に対しゴム粒状物中のゴムの影響が大きくなり設計上の物性が得られ難くなる傾向が認められる。また、ハンドリング性にも欠ける傾向がある。CNT配合量が100重量部よりも少ないとゴムの影響が大きなり、ハンドリング性低下の傾向が著しいので好ましくない。
一方、該ゴム粒状物中のCNT配合量が4000重量部を超えるにつれ、他の基体ゴムや基体樹脂と混練するとき、ゴム粒状物が粉化しゴム粒状物中の粒径の細かい粒子やCNTが飛散し易くなり、環境面や安全面で好ましくない傾向がある。CNT配合量が5000重量部を超えるとCNT等が著しく飛散しやすくなるので好ましくない。

0018

分散液中のCNT濃度は、0.1〜8重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5重量%である。0.5重量%より少なくなるにつれ生産性が悪くなる傾向があり、0.1重量%以下ではその傾向が著しいので好ましくない。5重量%より多くなると、水—CNT混合液の粘度が上昇し、CNTの分散が不十分となり大きなCNT凝集塊ができやすくゴム被覆が十分に行えないためゴムラテックスを用いたCNT高配合ゴム粒状物の物性が低下する傾向が認められ、10重量%以上ではその傾向が著しいので好ましくない。

0019

CNT分散液を調整するための分散手段は、ボールミルサンドミルシンマルエンタープライゼス社製「ナノマイザー」等)、湿式ジェットミルアトライター、パールミル、コボールミル、ホモミキサーホモジナイザー超音波分散機超音波ホモジナイザーディゾルバー、デイスパー等を用いる事が出来る。ガラスビーズジルコニアビーズ等のメデイアの使用は、工程の煩雑化や異物混入を阻止する面から好ましくない、好適に使用できる分散機は、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機、超音波ホモジナイザー、ディゾルバー等である。

0020

分散時間は、使用する分散機の種類にもよるが、簡便的には、CNTと水の分散液をスポイトガラス板状に取り、ヘラ展延し、未分散塊が皆無となるまで行うのが好ましい。
分散剤の併用は、異物混入の面から好ましくないが、シングルウオールナノチューブ等の極めて難分散なCNTの場合は使用するのが好ましい。

0021

次に、非水溶性溶媒を滴下しCNTを水相からゴム相へ移行させながら造粒する造粒工程について詳しく説明をする。
CNTとゴムラテックスを分散する時に使用していた分散機を下記の様な撹拌機に変更し撹拌する。
撹拌機としては、例えばスーパーマグミキサーポータブルミキサーマルチミキサー(以上全て佐化学機械社の商品名)、アズワン社のエコノミー撹拌機、エアー撹拌機等が使用可能である。
撹拌の強度としては、液面に渦が出来る程度が好ましく、この状態の撹拌液非水性溶媒を滴下していく。前述の分散工程によりゴムで被覆されたCNTは、親油性であるため水相から溶媒相へ移行しながら粒状化していきゴム粒状物となる。

0022

撹拌工程では、撹拌により粒状物を徐々に大きくしながら粒状物の大きさを揃えることができる。このため、ゴム粒状物を、CNTの取り扱い上有利となる大きさのゴム粒状物に成長させることができ、使用時の飛散性の改善、ハンドリング性、作業性など取り扱い性を向上させることができる。また、基体ゴムや基体樹脂中への混錬時における分散性の向上を図ることができ、かつ後工程の分離、乾燥工程で水とゴム粒状物の分離を簡単に行うことができる。
非水溶性溶媒の例としては、トルエンキシレンヘキサンテトラヒドロフランベンゼンシクロヘキサン四塩化炭素等が挙げられる。

0023

次に、水相とゴム粒状物を分離する分離工程では、前工程で粒状物がCNTの取り扱い上有利となるほどまでに大きな粒子に成長しているので、分離作業を使用してもよい。

0024

得られた前記ゴム粒状物を乾燥する乾燥工程では蒸気乾燥真空乾燥などの方法が用いられる。この際の乾燥温度としては蒸気乾燥器の場合は200℃以下または真空乾燥は150℃以下が好ましい。これらの温度よりも高い場合はCNTを被覆(コーティング)したゴムが劣化する傾向が認められるためである。

0025

本発明で得られたCNT高配合ゴム粒状物は、フィラーとして使用されるゴムと同種のゴムまたは異種の基体ゴム、さらには、各種の基体樹脂と混練して用いられる。
さらに、該ゴム粒状物を異種の基体ゴムや基体樹脂と混練する場合には、異種の基体ゴムや基体樹脂に対するゴム粒状物の混合割合が多くなると、衝撃強度などの機械的物性が低下することがある。従って、基体ゴムや基体樹脂に対するゴム粒状物の混合割合は少ないことが望ましいが、本発明は、CNTが著しく高配合されたゴム粒状物なので、ゴム粒状物を少量配合するだけでCNTの配合量は可及的に多くすることができる。

0026

CNT高配合ゴム粒状物と基体ゴムや基体樹脂との混練は、両者を所望の割合で混合して混合物を得、これを130〜270℃に加熱して混合物を軟化または溶融させた状態でミキシングロールエクストルーダーバンバリーミキサー等を用いて行われる。
該ゴム粒状物を用いることにより、作業現場でのCNTの飛散がなく安全性に優れ、且つ、短い混練時間で基体樹脂や基体ゴムに所望量のCNTを高分散させることができ生産性に優れる。

0027

基体樹脂としては、ポリ塩化ビニルポリエチレンポリプロピレンポリスチレン、アクリルニトリルスチレン樹脂ナイロン6ナイロン66酢酸ビニル樹脂、アクリルニトリルスチレンブタジエン樹脂等が使用される。特にアクリルニトリルスチレンブタジエン樹脂やナイロン6、ナイロン66などの熱可塑性樹脂が好適に用いられる。
基体ゴムとしては、天然ゴム、ポリブタジエン、スチレンブタジエン共重合体ブタジエンアクリルニトリル共重合体ポリイソプレンフッ素ゴムシリコーンゴムウレタンゴムブチルゴムエチレンプロピレンゴムクロロプレンゴムアクリルゴム多硫化ゴム、エチレン・酢酸ビニルゴム、ヒドリンゴムエピクロルヒドリンゴムクロロスルホン化ポリエチレン等が好適に用いられる。

0028

請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1に記載のCNT高配合ゴム粒状物の製造方法であって、前記CNTの繊維径が1〜200nm、繊維長が1〜500μmである構成を有している。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1で得られる作用に加え、以下の作用が得られる。
(1)CNTへのゴム相による被覆がなく、均一に行われ、この結果粒状化により嵩密度が増大し飛散性を著しく改善することができる。
(2)基体ゴムや基体樹脂への分散性を著しく向上させることができる。

0029

なお、CNTの繊維径が200nmよりも大きく、または繊維長が1μmよりも小さくなると、造粒化は可能なものの、CNTによる導電性の付与・機械的物性の向上が低下する傾向があり、ゴム粒状物とした場合に基体ゴムや基体樹脂へ混錬等により配合しても物性を向上させることが出来ない場合があるので好ましくない。CNTの繊維径が1nmより細くなると、水への分散性が極端に悪くなり、凝集状態にあるCNT塊をゴムで被覆することになるため、本発明が目的としている各種の物性が得られにくくなる。

0030

また、繊維長が500μmより長くなると、水分散時の粘度が高くなるため、水分散時のCNT濃度を高く出来なくなり生産性に欠ける傾向があり好ましくない。また、水分散時に繊維の切断が起きやすく、折れた繊維がマリモ状の凝集塊を形成するので好ましくない。

発明の効果

0031

本発明のCNT高配合ゴム粒状物の製造方法によれば、以下のような有利な効果が得られる。
(1)懸濁液中のCNTをほとんど失うことなく高収率でゴムコーテ
ィングしてCNT高配合ゴム粒状物を生成し、かつ被覆に使用するゴムが従来からあるウエットマスターバッチ等のCNTゴム組成物に比べて少なくて済むので応用範囲の広い生産性に優れたCNT高配合ゴム粒状物の製造方法を提供することができる。
尚、基体樹脂や基体ゴムへのコーティングゴムの影響について検討したところ、ウエットマスターバッチ法によるCNT最大配合量は、30%以下であったが、本件発明のCNT配合量は、98〜50%であることから基体樹脂や基体ゴムへのコーティングゴムの影響を大幅に低減できることが分かった。
(2)ゴムラテックスの希釈や分散に水を使用できるので、製造コスト面でも環境面でもまた、設備コスト面でも極めて有利なCNT高配合ゴム粒状物を得るCNT高配合ゴム粒状物の製造方法を提供することができる。
(3)湿式造粒工程を用いず非水溶性溶媒をバインダーとしたゴム粒状物であるため、ゴム粒状物の粒子が真球に近く、また粒度分布もシャープであった。

0032

本発明のCNT高配合ゴム粒状物の製造方法によれば、以下のような物性に優れたCNT高配合ゴム粒状物を高収率で得ることができる。
(1)粉体状で存在するCNTを単に粒状化し安全性を高めるだけではなく、CNT粒子の周りを極めて少量のゴムでコーティング(マイクロカプセル化)したゴム粒状物とすることにより、CNT自体の飛散度合いが極端に低くなり、取り扱い性が著しく向上する。その結果、取り扱い現場での作業環境を大幅に改善することができる。さらに、定量供給を要する工程で著しい定量精度を確保できるゴム粒状物を提供することができる。
(2)取り扱い時の飛散性を殆どゼロに出来たことで、一般ユーザーの「だけどCNTは危険な素材である」と言う認識を、かなり払しょくできる可能性がある。すなわち、「リスク=有害性(毒性)×曝露量(摂取量)」で表される安全リスクが、曝露量がほぼ皆無になるため危険でない安全なCNTに近づいていると言える。

0033

(3)ポリマーマトリックスとの濡れ性が飛躍的に改善され、マトリックスへの濡れが良くなり溶けるように分散するため、分散時間が短縮でき、破断を抑えることもできる。その上、ゴムを被覆(コーティング)していない造粒物や非造粒化物と比較して安定して高い導電性等の優れた物性を得ることができ、ポリマーマトリックス中への高配合が可能となる、工業的利用価値が極めて高い、CNT高配合ゴム粒状物を提供することができる。
ここで、本発明のゴム粒状物の分散時間が何故短縮できるのか、また、分散性が何故向上するのかに関しては、基体樹脂や基体ゴムを溶融する混練機加熱部分にCNT高配合ゴム粒状物が接触すると、CNTをコーティングしているゴム部が先に溶融しながらCNTを巻き込んでいくためと考えている。別の言い方をすると先に熔融するCNTの表面にコーティングされたゴム部が基体樹脂や基体ゴムへのバインダーないし分散剤としての効果を発現しているといえる。

0034

(4)造粒時において、水で希釈されたゴムラテックスが、非水溶性溶媒の力も借りて、CNT分散塊内部まで全体的に均一に被覆することが可能となり、物性が安定化する。このため、飛散性・分散性・取扱性・定量供給性に優れたCNT高配合ゴム粒状物を提供することができる。

図面の簡単な説明

実施例

0036

以下本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
CNTとして、Kumho社製のマルチウオールCNT商品名K‐Nanos‐100Pを使用した。このCNTの物性は、表1に示した。

0037

0038

(実施例1)
10Lのステンレス製型容器に最大10000回転のホモジナイザーとパドル羽根の付いたポータブルミキサーをセットし、水4455gに、乳化重合スチレンブタジエンゴムラテックス(JSR社製の商品名JSR1502.結合スチレン23.5%)21.3gを投入、約600rpmで撹拌しながらCNT45gを少量ずつ添加し全量加えた後、ミキサーをホモジナイザーに切り替え約6000rpmで30分間分散した。
この分散液を数滴スポイトでガラス板上に取りヘラで展延し、未分散塊を目視と指で調べた結果、ザラザラした未分散塊は皆無であった。
ここで、水に対するCNT濃度は、約1wt%であり、CNTに対するゴムの割合は、約10wt%である。

0039

次いで、ホモジナイザーをポータブルミキサーに切り替え700rpmで撹拌しながら、自動滴下装置を用い、非水溶性溶媒としてトルエン400gを20分間で滴下し約1mm径のゴム粒状物を得た。
得られた該ゴム粒状物を60mesh篩で水と分離した後、ドラフト内常温にて該ゴム粒状物を約20時間自然乾燥した。次いで真空乾燥機を用い70〜80℃で加熱し該ゴム粒状物中の溶媒と残存する水の150℃、1時間における加熱減量が0.5%以下になるまで乾燥しCNT高配合ゴム粒状物を得(分離・乾燥工程)た。

0040

(実施例2)
前記ゴムラテックスの添加量を10.1g(対CNT5wt%)とする以外は、実施例1と同様にした。
(実施例3)
前記ゴムラテックスの添加量を5.9g(対CNT3wt%)とする以外は、実施例1と同様にした。
(実施例4)
実施例1で用いた乳化重合スチレンブタジエンゴムラテックスの代わりにムサシノケミカル社製の天然ゴムラテックスにメチルメタアクリレートをグラフト共重合した変性天然ゴムラテックスであるMGシリーズの中からアンモニア臭を低減した「低臭ラテックス」(不揮発分55%、粘度100〜200mpa.S)を9.1g(対CNT10wt%)用いた以外、実施例1と同様にした。

0041

(比較例1)
実施例1で用いた乳化重合スチレンブタジエンゴムラテックスを水で希釈し、ゴム含有量3重量%のゴムラテックス分散液を作った。
次いで、実施例1のCNTと水とを実施例1と同様な条件、方法でCNT濃度1重量%の均一懸濁液を作った。この懸濁液を撹拌しながら、上記のゴムラテックス分散液167g(対CNT10%)を添加した。全体をさらに撹拌していくことでCNTとゴムが結合した羽毛状塊を生成させた。
この後、この羽毛状塊を遠心脱水機で脱水し、含水率を80wt%以下とした。
続いて、この羽毛状塊を造粒機により造粒した後、熱風乾燥機を用い90℃で5時間乾燥することでゴム粒状物を作成した。

0042

(比較例2)
比較例1の乳化重合スチレンブタジエンゴムラテックスを実施例4で用いた天然ゴムラテックスに変更した以外比較例1と同様な配合や混錬条件でCNT高配合粒状物を作成した。

0043

試験例)
(1)レスラブ粉じん量の測定
レスピラブル粉じん量とは、肺胞まで到達する吸入性粉じんの事であり、通常は10μ以下の粉じんを示す。測定は、柴田科学株式会社製「堆積粉じん再発塵装置SKY‐2型」を用いた。
図1に示した装置内を10L/分の速度で流れている気流に下部よりCNTを投入する。投入するCNT量は、50mgを最小量とし、粉じん量0〜10mgの間に収まる範囲で5レベル変更した。例えば、k‐Nanos 100Pの場合は、50mg、100mg、150mg、200mg、300mgと投入量を変更した時の粉じん量を測定した。
粉化した粒子は、多段分粒装置分級され10μm以下の微粒子のみが後段にある?紙に吸着する。飛散量は、?紙に吸着した重量を測定しレスピラブル粉じん量としたが、全サンプル間の比較粉じん量は、投入量268mg時の粉じん量で求めた。測定サンプルは、Kumho社のK−Nanos100pとこれを処理した実施例1〜4さらに比較例1と2の計6点である。測定結果は、表2に示した。

0044

0045

(2)ゴム粒状物の流動性
細部内径が5mm径のガラスロートを100ccビーカーの上にセットした後、ロートに10gのCNTを入れ、全てがビーカーに流出するまでの時間を測定した。
試験結果を表3に示す。

0046

0047

(3)ゴム粒状物の粒度分布
JIS K 6219−4(「ゴム用カーボンブラック造粒粒子の特性−第4部造粒粒子の分布」)にある測定方法ベースに篩として、8、6、12、16、30、60、100の各メッシュを用い測定した。
試験結果は、表1に示す。
(結果の考察)

0048

表2から、実施例1〜4並びに比較例1〜2いずれの造粒品共に原料であるK−Nanos−100pより再発粉じん量が、大幅に低減されていることが判る。ゴムラテックスを10wt%と5wt%添着した実施例1、2と比較例1,2を比較すると、実施例の造粒品の方が、比較例品に比べ再発粉じん量が1/5〜1/9と少ない事が判る。また、実施例同士を考察すると、ゴムの添着量が少なくなる程、再発粉じん量は多くなる傾向にあり、さらに、SBRラテックス品の方がNRラテックス品より再発粉じん量が少ない傾向にあることが判る。

0049

表3から、CNTに対しゴムを10%添着した実施例1、2と比較例1,2との粒度分布を比較すると、実施例のゴム粒状物は、粒径1000〜1400μm品が主体であり、100μm以下の微粒子は、ほとんど皆無である。これに対し、比較例のゴム粒状物は、実施例より小粒の500〜250μm品が多くまた、飛散し易い100μm〜100μm以下品も多くなっている。さらに、実施例の4点を詳細に観ると、添着ゴムが少なくなる程、造粒品の粒径は細かくなる傾向にあることが窺える。一方、SBRラテックスとNRラテックス間には、ほとんど違いが無いことが判る。

0050

さらに、この粒度分布の違いは、ゴム粒状物の流動性にも関係しており、サンプル10gが5mm径のロートを落下する時間が、実施例が5〜6秒であるのに対し、比較例は約10〜12秒と約2倍を要していることが判る。
流動性が悪くなるとホッパー等からの排出が、粉体面液体のように殆ど水平に沈下しほぼ完全に排出する「マスフロー」が得られず、「ファネルフロー」(排出口の真上の粉体だけが先に排出される現象)や「ブリッジ」(ホッパーの排出口で粉体同士がアーチ構造を形成して閉塞する現象)等を起こす可能性が有るので、好ましくない。

0051

以上述べてきた実施例の結果は、有害性(毒性)×曝露量(摂取量)で表される安全性リスクを大幅に低減できることから、CNTを取り扱う多くの人々間に浸透している「だけどCNTは危険な素材である」との認識を低減できる可能性がある。

0052

本発明は、各種のゴムラテックスをバインダーとしてCNTを被覆し、更にCNT内部へゴムを浸透させることで、CNTを高配合で粒状化させ、飛散性を大幅に低減化することができ、結果として安全性のリスクを大幅に低減することができた。また、基体樹脂や基体ゴムに配合する際の加工性・ハンドリング性等の作業性、ポリマーマトリックスとの濡れ性、分散性、導電性、機械的物性を著しく向上させ、更に大掛かりな設備を必要とせず製造工程も短縮できしかもゴム粒状物の粒度分布もシャープなCNT高配合ゴム粒状物を低原価で量産できる極めて有用性の高いCNT高配合ゴム粒状物の製造方法に利用可能である。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い法人

関連性が強い法人一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ