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技術 自動車ドアパネル部品の補剛構造および補剛方法

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 樋貝和彦中川功一斉藤孝信玉井良清
出願日 2018年10月10日 (2年0ヶ月経過) 出願番号 2018-191479
公開日 2019年9月19日 (1年1ヶ月経過) 公開番号 2019-156384
状態 特許登録済
技術分野 積層体(2) 車両のドア
主要キーワード 各荷重点 アルミニウム板製 最適化解析 キャラクタライン 立体要素 平面要素 ペナルティ係数 剛体要素
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

ドアパネル部品張り剛性の向上と軽量化を達成することができる自動車ドアパネル部品補剛構造および補剛方法を提供する。

解決手段

本発明に係る自動車ドアパネル部品の補剛構造は、高さ方向に沿って湾曲し、キャラクタライン3aが形成された金属板製のドアアウタパネル3と、ドアアウタパネル3の内面側に配設されたインパクトビーム5とを備え、ドアアウタパネル3の内面に樹脂製の補剛部材7を貼付することによりドアアウタパネル3の張り剛性を向上させるものであって、補剛部材7は、ドアアウタパネル3の前記湾曲に沿ってインパクトビーム5からキャラクタライン3aまで筋状に延在する複数の縦骨部9を有し、該複数の縦骨部9は、ドアアウタパネル3の前後方向において所定の間隔で配置され、各縦骨部9の外面がドアアウタパネル3の内面に接合されていることを特徴とするものである。

概要

背景

自動車ドアルーフフード等の自動車外板部品の重要な機能の一つに張り剛性担保することがあり、自動車外板部品の張り剛性を向上させるため、例えば、特許文献1には、ドアやフェンダー等の金属板の内側にFRP(Fiber-Reinforced Plastics;繊維強化プラスチック)板を感光性接着剤により接着する技術が開示されている。また、特許文献2には、ドアやルーフのような金属板表面にCFRP(Carbon Fiber-Reinforced Plastics;炭素繊維強化プラスチック)を接着する技術が開示されている。

概要

ドアパネル部品の張り剛性の向上と軽量化を達成することができる自動車ドアパネル部品補剛構造および補剛方法を提供する。本発明に係る自動車ドアパネル部品の補剛構造は、高さ方向に沿って湾曲し、キャラクタライン3aが形成された金属板製のドアアウタパネル3と、ドアアウタパネル3の内面側に配設されたインパクトビーム5とを備え、ドアアウタパネル3の内面に樹脂製の補剛部材7を貼付することによりドアアウタパネル3の張り剛性を向上させるものであって、補剛部材7は、ドアアウタパネル3の前記湾曲に沿ってインパクトビーム5からキャラクタライン3aまで筋状に延在する複数の縦骨部9を有し、該複数の縦骨部9は、ドアアウタパネル3の前後方向において所定の間隔で配置され、各縦骨部9の外面がドアアウタパネル3の内面に接合されていることを特徴とするものである。

目的

本発明に適用した場合、目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

高さ方向に沿って湾曲し、キャラクタラインが形成された金属板ドアパネル部品と、該金属板製ドアパネル部品の内面側に配設されたインパクトビームとを備え、前記金属板製ドアパネル部品の内面に樹脂製の補剛部材貼付することにより前記金属板製ドアパネル部品の張り剛性を向上させる自動車ドアパネル部品補剛構造であって、前記補剛部材は、前記金属板製ドアパネル部品の前記湾曲に沿って前記インパクトビームから前記キャラクタラインまで筋状に延在する複数の縦骨部を有し、該複数の縦骨部は、前記金属板製ドアパネル部品の前後方向において所定の間隔で配置され、前記金属板製ドアパネル部品の内面に接合されていることを特徴とする自動車ドアパネル部品の補剛構造。

請求項2

前記補剛部材における前記金属板製ドアパネル部品との接合面の反対側の面に接合され、焼付処理における前記補剛部材の変形を調整する調整部材を有し、前記金属板製ドアパネル部品の線膨張係数α1と、前記補剛部材の線膨張係数α2と、前記調整部材の線膨張係数α3とが、α2<α1、かつ、α3>α2の関係を満たすことを特徴とする請求項1記載の自動車ドアパネル部品の補剛構造。

請求項3

前記金属板製ドアパネル部品の線膨張係数α1と前記調整部材の線膨張係数α3とが、α3≧α1の関係を満たすことを特徴とする請求項2記載の自動車ドアパネル部品の補剛構造。

請求項4

前記金属板製ドアパネル部品の線膨張係数α1が、1.0×10-5/℃以上2.6×10-5/℃以下の範囲内であり、前記補剛部材の線膨張係数α2が、0/℃以上2.5×10-5/℃以下の範囲内であり、前記調整部材の線膨張係数α3が、2.5×10-5/℃以上50×10-5/℃以下の範囲内であることを特徴とする請求項2又は3に記載の自動車ドアパネル部品の補剛構造。

請求項5

前記金属板製ドアパネル部品の素材は、冷延鋼板、GA鋼板GI鋼板電気亜鉛めっき鋼板電気Zn−Niめっき鋼板、又はアルミ板のいずれかであり、前記補剛部材の素材は、炭素繊維強化樹脂又はガラス繊維強化樹脂であり、前記調整部材の素材は、冷延鋼板、GA鋼板、GI鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、電気Zn−Niめっき鋼板、鉄箔、アルミ板、アルミ箔ビニル系樹脂ポリスチレン系樹脂ポリプロピレンポリアセタールアクリル系樹脂酢酸セルロースポリカーボネートポリエチレンテレフタレートポリアミドポリウレタンフッ素系樹脂フェノール樹脂ユリア樹脂メラミン樹脂エポキシ不飽和ポリエステルシリコーンジアリルフタレートのいずれかであることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の自動車ドアパネル部品の補剛構造。

請求項6

高さ方向に沿って湾曲し、キャラクタラインが形成されたドアパネル部品と、該ドアパネル部品の内面側に配設されたインパクトビームとを備え、前記ドアパネル部品の内面に樹脂製の補剛部材を貼付することにより前記ドアパネル部品の張り剛性を向上させる自動車ドアパネル部品の補剛構造であって、前記ドアパネル部品は、ドアアウタパネルドアインナパネルとからなり、該ドアアウタパネルとドアインナパネルの材質は、金属と金属、樹脂と樹脂、金属と樹脂、又は、樹脂と金属のいずれかの組み合せからなり、前記補剛部材は、前記ドアパネル部品の前記湾曲に沿って前記インパクトビームから前記キャラクタラインまで筋状に延在する複数の縦骨部を有し、該複数の縦骨部は、前記ドアパネル部品の前後方向において所定の間隔で配置され、前記ドアパネル部品の内面に接合されていることを特徴とする自動車ドアパネル部品の補剛構造。

請求項7

前記補剛部材は、前記縦骨部と交差する方向に延在する横骨部をさらに有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の自動車ドアパネル部品の補剛構造。

請求項8

前記補剛部材は、弾性率が10GPa以上の繊維強化樹脂であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の自動車ドアパネル部品の補剛構造。

請求項9

高さ方向に湾曲し、内面側にインパクトビームが配設された金属板製ドアパネル部品の前記内面に樹脂製の補剛部材を貼付することにより張り剛性を向上させる自動車ドアパネル部品の補剛方法であって、前記金属板製ドアパネル部品を平面要素及び/又は立体要素モデル化したドアパネル部品モデルを取得し、該ドアパネル部品モデルに最適化解析の対象とする補剛部材モデルを結合し、該補剛部材モデルの最適な形状を求める最適化解析を行う最適形状補剛部材取得ステップと、該最適な形状の補剛部材モデルに基づいて、前記金属板製ドアパネル部品の内面に接合する補剛部材を作製する補剛部材作製ステップと、該作製した補剛部材を前記金属板製ドアパネル部品の内面に接合する補剛部材接合ステップと、を備え、前記補剛部材作製ステップで作製する補剛部材は、前記金属板製ドアパネル部品の高さ方向の湾曲に沿って前記インパクトビームから前記キャラクタラインまで筋状に延在し、前記金属板製ドアパネル部品の前後方向において所定の間隔で配置される複数の縦骨部を有することを特徴とする自動車ドアパネル部品の補剛方法。

請求項10

高さ方向に湾曲し、内面側にインパクトビームが配設されたドアパネル部品の前記内面に樹脂製の補剛部材を貼付することにより張り剛性を向上させる自動車ドアパネル部品の補剛方法であって、前記ドアパネル部品は、ドアアウタパネルとドアインナパネルとからなり、該ドアアウタパネルとドアインナパネルの材質は、金属と金属、樹脂と樹脂、金属と樹脂、又は、樹脂と金属のいずれかの組み合せからなり、前記ドアパネル部品を平面要素及び/又は立体要素でモデル化したドアパネル部品モデルを取得し、該ドアパネル部品モデルに最適化解析の対象とする補剛部材モデルを結合し、該補剛部材モデルの最適な形状を求める最適化解析を行う最適形状補剛部材取得ステップと、該最適な形状の補剛部材モデルに基づいて、前記ドアパネル部品の内面に接合する補剛部材を作製する補剛部材作製ステップと、該作製した補剛部材を前記ドアパネル部品の内面に接合する補剛部材接合ステップと、を備え、前記補剛部材作製ステップで作製する補剛部材は、前記ドアパネル部品の高さ方向の湾曲に沿って前記インパクトビームから前記キャラクタラインまで筋状に延在し、前記ドアパネル部品の前後方向において所定の間隔で配置される複数の縦骨部を有することを特徴とする自動車ドアパネル部品の補剛方法。

請求項11

前記補剛部材作製ステップで作製する補剛部材は、前記縦骨部と交差する方向に延在する横骨部をさらに有することを特徴とする請求項9又は10に記載の自動車ドアパネル部品の補剛方法。

技術分野

0001

本発明は、自動車金属板ドアパネル部品張り剛性を向上させる自動車ドアパネル部品補剛構造および補剛方法に関する。

背景技術

0002

自動車のドアルーフフード等の自動車外板部品の重要な機能の一つに張り剛性を担保することがあり、自動車外板部品の張り剛性を向上させるため、例えば、特許文献1には、ドアやフェンダー等の金属板の内側にFRP(Fiber-Reinforced Plastics;繊維強化プラスチック)板を感光性接着剤により接着する技術が開示されている。また、特許文献2には、ドアやルーフのような金属板表面にCFRP(Carbon Fiber-Reinforced Plastics;炭素繊維強化プラスチック)を接着する技術が開示されている。

先行技術

0003

特開昭56−128273号公報
特表2012−515667号公報

発明が解決しようとする課題

0004

特許文献1に開示されている技術は、ドアやフェンダーなど自動車の側面に配置される部品を対象とするため、物の角が自動車側面にあたって局部が凹むデント性のような集中荷重に対しては荷重が集中する箇所を必須としてFRPを接着することで効果を奏する。しかし、ワックス掛けのような手のひら全体外板押し付ける張り剛性のような広い面積反転するような分布荷重について、特許文献1に開示されている技術によれば、荷重が加わる箇所にFRPを接着することを必須とする。このため、金属板の内側全面に渡ってFRPを接着することになり、広い面積全体に金属板に比べて数倍から数十倍のコストが掛かるFRPを接着する必要があるため、著しいコスト上昇が避けられないといった問題があった。

0005

また、特許文献2に開示されている技術は、自動車の外観重視する必要があるため、人目に触れる表側の部品の全面にCFRPを接着しなくてはならず、非常に高コストとなる。そこで、コスト低減のためCFRP層極薄くする方法も考えられるが、本発明に適用した場合、目的とするドアパネル部品の張り剛性の向上を見込めないという課題があった。
このように、自動車パネル部品にFRPやCFRPを接着する技術は数多く開示されているものの、分布荷重が作用された時の張り剛性を向上させるとともに、軽量化を達成する技術はこれまでに提案されていなかった。

0006

さらに、FRP等を自動車パネル部品(例えば、ドアパネル部品)に接合して補剛する際には、接着による方法が取られる場合が多いが、自動車の製造工程上、組立後に塗装焼付処理する工程が必須である。しかしながら、自動車パネル部品とFRPの線膨張係数が異なり、かつ、これら線膨張係数の値に大きな乖離がある場合、焼付処理における加熱・冷却過程で自動車パネル部品に接着したFRP周辺応力集中が発生し、ドアパネル部品が局所的に変形する、いわゆる面ひけを引き起こしてしまう。このような面ひけは、ドアパネル部品の外観を著しく悪化させてしまい、商品力が低下してしまうという問題があった。

0007

本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、自動車のドアパネル部品の張り剛性を向上させつつ、該ドアパネル部品を軽量化することができる自動車ドアパネル部品の補剛構造および補剛方法を提供することを目的とする。さらには、ドアパネル部品に補剛部材を接合して焼付処理した際の前記ドアパネル部品における面ひけ発生を防止して美麗な外観を有する自動車ドアパネル部品の補剛構造および補剛方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

(1)本発明に係る自動車ドアパネル部品の補剛構造は、高さ方向に沿って湾曲し、キャラクタラインが形成された金属板製ドアパネル部品と、該金属板製ドアパネル部品の内面側に配設されたインパクトビームとを備え、前記金属板製ドアパネル部品の内面に樹脂製の補剛部材を貼付することにより前記金属板製ドアパネル部品の張り剛性を向上させるものであって、前記補剛部材は、前記金属板製ドアパネル部品の前記湾曲に沿って前記インパクトビームから前記キャラクタラインまで筋状に延在する複数の縦骨部を有し、該複数の縦骨部は、前記金属板製ドアパネル部品の前後方向において所定の間隔で配置され、前記金属板製ドアパネル部品の内面に接合されていることを特徴とするものである。

0009

(2)上記(1)に記載のものにおいて、前記補剛部材における前記金属板製ドアパネル部品との接合面の反対側の面に接合され、焼付処理における前記補剛部材の変形を調整する調整部材を有し、前記金属板製ドアパネル部品の線膨張係数α1と、前記補剛部材の線膨張係数α2と、前記調整部材の線膨張係数α3とが、α2<α1、かつ、α3>α2の関係を満たすことを特徴とするものである。

0010

(3)上記(2)に記載のものにおいて、前記金属板製ドアパネル部品の線膨張係数α1と前記調整部材の線膨張係数α3とが、α3≧α1の関係を満たすことを特徴とするものである。

0011

(4)上記(2)又は(3)に記載のものにおいて、前記金属板製ドアパネル部品の線膨張係数α1が、1.0×10-5/℃以上2.6×10-5/℃以下の範囲内であり、前記補剛部材の線膨張係数α2が、0/℃以上2.5×10-5/℃以下の範囲内であり、前記調整部材の線膨張係数α3が、2.5×10-5/℃以上50×10-5/℃以下の範囲内であることを特徴とするものである。

0012

(5)上記(2)乃至(4)のいずれかに記載のものにおいて、前記金属板製ドアパネル部品の素材は、冷延鋼板、GA鋼板GI鋼板電気亜鉛めっき鋼板電気Zn−Niめっき鋼板、又はアルミ板のいずれかであり、前記補剛部材の素材は、炭素繊維強化樹脂又はガラス繊維強化樹脂であり、前記調整部材の素材は、冷延鋼板、GA鋼板、GI鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、電気Zn−Niめっき鋼板、鉄箔、アルミ板、アルミ箔ビニル系樹脂ポリスチレン系樹脂ポリプロピレンポリアセタールアクリル系樹脂酢酸セルロースポリカーボネートポリエチレンテレフタレートポリアミドポリウレタンフッ素系樹脂フェノール樹脂ユリア樹脂メラミン樹脂エポキシ不飽和ポリエステルシリコーンジアリルフタレートのいずれかであることを特徴とするものである。

0013

(6)本発明に係る自動車ドアパネル部品の補剛構造は、高さ方向に沿って湾曲し、キャラクタラインが形成されたドアパネル部品と、該ドアパネル部品の内面側に配設されたインパクトビームとを備え、前記ドアパネル部品の内面に樹脂製の補剛部材を貼付することにより前記ドアパネル部品の張り剛性を向上させる自動車ドアパネル部品の補剛構造であって、前記ドアパネル部品は、ドアアウタパネルドアインナパネルとからなり、該ドアアウタパネルとドアインナパネルの材質は、金属と金属、樹脂と樹脂、金属と樹脂、又は、樹脂と金属のいずれかの組み合せからなり、前記補剛部材は、前記ドアパネル部品の前記湾曲に沿って前記インパクトビームから前記キャラクタラインまで筋状に延在する複数の縦骨部を有し、該複数の縦骨部は、前記ドアパネル部品の前後方向において所定の間隔で配置され、前記ドアパネル部品の内面に接合されていることを特徴とするものである。

0014

(7)上記(1)乃至(6)のいずれかに記載のものにおいて、前記補剛部材は、前記縦骨部と交差する方向に延在する横骨部をさらに有することを特徴とするものである。

0015

(8)上記(1)乃至(7)のいずれかに記載のものにおいて、前記補剛部材は、弾性率が10GPa以上の繊維強化樹脂であることを特徴とするものである。

0016

(9)本発明に係る自動車ドアパネル部品の補剛方法は、高さ方向に湾曲し、内面側にインパクトビームが配設された金属板製ドアパネル部品の前記内面に樹脂製の補剛部材を貼付することにより張り剛性を向上させるものであって、前記金属板製ドアパネル部品を平面要素及び/又は立体要素モデル化したドアパネル部品モデルを取得し、該ドアパネル部品モデルに最適化解析の対象とする補剛部材モデルを結合し、該補剛部材モデルの最適な形状を求める最適化解析を行う最適形状補剛部材取得ステップと、該最適な形状の補剛部材モデルに基づいて、前記金属板製ドアパネル部品の内面に接合する補剛部材を作製する補剛部材作製ステップと、該作製した補剛部材を前記金属板製ドアパネル部品の内面に接合する補剛部材接合ステップと、を備え、前記補剛部材作製ステップで作製する補剛部材は、前記金属板製ドアパネル部品の高さ方向の湾曲に沿って前記インパクトビームから前記キャラクタラインまで筋状に延在し、前記金属板製ドアパネル部品の前後方向において所定の間隔で配置される複数の縦骨部を有することを特徴とするものである。

0017

(10)本発明に係る自動車ドアパネル部品の補剛方法は、高さ方向に湾曲し、内面側にインパクトビームが配設されたドアパネル部品の前記内面に樹脂製の補剛部材を貼付することにより張り剛性を向上させるものであって、前記ドアパネル部品は、ドアアウタパネルとドアインナパネルとからなり、該ドアアウタパネルとドアインナパネルの材質は、金属と金属、樹脂と樹脂、金属と樹脂、又は、樹脂と金属のいずれかの組み合せからなり、前記ドアパネル部品を平面要素及び/又は立体要素でモデル化したドアパネル部品モデルを取得し、該ドアパネル部品モデルに最適化解析の対象とする補剛部材モデルを結合し、該補剛部材モデルの最適な形状を求める最適化解析を行う最適形状補剛部材取得ステップと、該最適な形状の補剛部材モデルに基づいて、前記ドアパネル部品の内面に接合する補剛部材を作製する補剛部材作製ステップと、該作製した補剛部材を前記ドアパネル部品の内面に接合する補剛部材接合ステップと、を備え、前記補剛部材作製ステップで作製する補剛部材は、前記ドアパネル部品の高さ方向の湾曲に沿って前記インパクトビームから前記キャラクタラインまで筋状に延在し、前記ドアパネル部品の前後方向において所定の間隔で配置される複数の縦骨部を有することを特徴とするものである。

0018

(11)上記(9)又は(10)に記載のものにおいて、前記補剛部材作製ステップで作製する補剛部材は、前記縦骨部と交差する方向に延在する横骨部をさらに有することを特徴とするものである。

発明の効果

0019

本発明においては、高さ方向に沿って湾曲し、キャラクタラインが形成された金属板製ドアパネル部品と、該金属板製ドアパネル部品の内面側に配設されたインパクトビームとを備え、前記金属板製ドアパネル部品の内面に樹脂製の補剛部材を貼付することにより前記金属板製ドアパネル部品の張り剛性を向上させるものであって、前記補剛部材は、前記金属板製ドアパネル部品の前記湾曲に沿って前記インパクトビームから前記キャラクタラインまで筋状に延在する複数の縦骨部を有し、該複数の縦骨部は、前記金属板製ドアパネル部品の前後方向において所定の間隔で配置され、該各縦骨部の外面が前記金属板製ドアパネル部品の内面に接合されていることにより、前記金属板製ドアパネル部品に分布荷重を負荷したときの変形量が低減し、前記金属板製ドアパネル部品の張り剛性を向上させることができる。さらに、本発明によれば、張り剛性の向上とドアパネル部品の軽量化との双方を達成することができる。
その上さらに、本発明においては、前記補剛部材における前記金属板製ドアパネル部品との接合面の反対側の面に接合され、焼付処理における前記補剛部材の変形を調整する調整部材を有し、前記金属板製ドアパネル部品の線膨張係数α1と、前記補剛部材の線膨張係数α2と、前記調整部材の線膨張係数α3とが、α2<α1、かつ、α3>α2の関係を満たすことにより、焼付処理した際の前記金属板製ドアパネル部品における面ひけの発生を防止し、該金属板製ドアパネル部品を美麗な外観とすることができる。

図面の簡単な説明

0020

本発明の実施の形態に係る自動車ドアパネル部品の補剛構造を説明する図である。
本実施の形態に係る自動車ドアパネル部品の補剛構造および補剛方法において、補剛部材の最適な形状を求めるトポロジー最適化解析の処理の流れを示す図である。
本実施の形態に係る自動車ドアパネル部品の補剛構造および補剛方法において、トポロジー最適化解析で設定する設計空間および生成した補剛部材モデルを説明する図である。
本実施の形態に係る自動車ドアパネル部品の補剛構造および補剛方法において、補剛部材のトポロジー最適化解析における荷重・拘束条件の一例を示す図である。
本実施の形態に係る自動車ドアパネル部品の補剛構造および補剛方法において、トポロジー最適化解析により求めた最適な形状の補剛部材モデルの一例を示す解析結果である。
本実施の形態に係る自動車ドアパネル部品の補剛方法の処理の流れを示す図である。
実施例1において、張り剛性の評価方法および評価点を説明する図である。
実施例1において、比較対象とした比較例1に係る張り剛性評価モデルを説明する図である。
実施例1において、比較対象とした比較例2に係る張り剛性評価モデルを説明する図である。
実施例2において、補剛部材のトポロジー最適化解析における荷重・拘束条件を示す図である。
実施例2において、トポロジー最適化解析により求めた最適な形状の補剛部材モデルを示す図である。
実施例2において、張り剛性の評価方法および評価点を説明する図である。
本実施の形態に係る自動車ドアパネル部品の補剛構造における補剛部材の他の態様を示す図である(その1)。
本実施の形態に係る自動車ドアパネル部品の補剛構造における補剛部材の他の態様を示す図である(その2)。
実施例3において、トポロジー最適化解析により求めた最適な形状の補剛部材モデルを示す図である(アルミニウム板製のドアアウタパネル、板厚0.8mm)。
実施例3において、トポロジー最適化解析により求めた最適な形状の補剛部材モデルを示す図である(アルミニウム板製のドアアウタパネル、板厚0.6mm)。
実施例6において、焼付処理による面ひけの発生の評価対象とした補剛部材により補剛したドアアウタパネルを示す図である。
実施例6において、焼付処理による面ひけ発生の評価範囲と、張り剛性の評価点位置を示す図である。
実施例6において、面ひけ発生の有無を示す結果である(その1)。
実施例6において、面ひけ発生の有無を示す結果である(その2)。

0021

<自動車ドアパネル部品の補剛構造>
本発明の実施の形態の一例に係る自動車ドアパネル部品の補剛構造1は、図1に示すように、高さ方向に沿って湾曲し、前後方向に延在するキャラクタライン3aが形成されたドアアウタパネル3と、ドアアウタパネル3の内面側に配設されたインパクトビーム5とを備え、複数の縦骨部9と、縦骨部9に交差する横骨部11とを有する樹脂製の補剛部材7がドアアウタパネル3の内面に貼付されたものである。
ここで、図1は、ドアアウタパネル3を自動車の幅方向室外側から側面視したものであり、室内側に配設されているインパクトビーム5は破線で図示した(以下、図3図5図7図9においても同様)。また、樹脂製の補剛部材7も室内側に配設される。

0022

縦骨部9は、ドアアウタパネル3の前記高さ方向の湾曲に沿ってインパクトビーム5からキャラクタライン3aまで筋状に延在し、複数の縦骨部9は、ドアアウタパネル3の前後方向において所定の間隔で配置され、各縦骨部9の外面がドアアウタパネル3の内面に接合されている。
そして、横骨部11は、縦骨部9と交差する方向に延在するように設けられたものであり、パネル面部3bの高さ方向中央部付近に設けられている。

0023

本実施の形態に係る補剛構造1は、トポロジー最適化解析(例えば、特開2013−25533号参照)を行い、その解析結果に基づいて得られたものである。そして、トポロジー最適化解析は、図2に示すステップS1からステップS9を実行することにより行った。そこで、図2に示す各ステップにおける処理について以下に説明する。なお、ステップS1からステップS9は、例えば、コンピュータ上で実行することができる。

0024

≪ドアパネル部品モデル取得ステップ≫
ドアパネル部品モデル取得ステップS1は、平面要素及び/又は立体要素を用いて前記ドアパネル部品であるドアアウタパネル3をモデル化したドアアウタパネルモデル23(図3)を取得するステップである。
ここで、ドアアウタパネルモデル23は、高さ方向に沿って湾曲し、前後方向に延在するキャラクタライン23aが形成されており、内面側にはインパクトビーム5を平面要素及び/又は立体要素を用いてモデル化したインパクトビームモデル25が配設されている。ここで、ドアアウタパネルモデル23の内面とは、ドアアウタパネル3を車体に取り付けたときに該車体の室内側となる面のことをいう。

0025

なお、ドアアウタパネルモデル23の高さ方向に沿った湾曲は、一定の曲率で湾曲している形状に限らず、図3(b)に示すように、複数の湾曲や平面が組み合わされた内面形状であってもよく、また、該内面形状は、内面側に凹状となる湾曲や凸状の湾曲を有するものであってもよい。

0026

≪補剛部材モデル生成ステップ≫
補剛部材モデル生成ステップS3は、立体要素からなりドアアウタパネルモデル23の内面に結合する補剛部材モデル27(図3)を生成するステップである。

0027

ここで、補剛部材モデル27は、図3に示すように、ドアアウタパネルモデル23の内面に設計空間29を生成し、設計空間29を立体要素で要素分割することにより生成することができる。

0028

そして、補剛部材モデル生成ステップS3において生成する補剛部材モデル27は、後述する最適化解析モデル生成ステップS7におけるトポロジー最適化解析の対象となるものであり、該トポロジー最適化解析の過程において、補剛に不要な部位に位置する立体要素は消去され、補剛に必要となる部位に位置する立体要素が残存する。

0029

なお、図3に示す設計空間29は、ドアアウタパネルモデル23とインパクトビームモデル25との間の隙間をも埋めるようにドアアウタパネルモデル23の内面形状に沿って生成した。

0030

材料特性設定ステップ
材料特性設定ステップS5は、補剛部材モデル生成ステップS3において生成した補剛部材モデル27の材料特性を設定するステップである。

0031

本実施の形態では、樹脂製の補剛部材7により金属板製のドアアウタパネル3を補剛することを対象とし、材料特性設定ステップS5において補剛部材モデル27に設定する材料特性としては、樹脂の弾性率、ポアソン比及び密度などが挙げられる。表1に、本実施の形態において材料特性として設定した弾性率、ポアソン比および密度の値を示す。

0032

0033

表1に示す材料特性は、補剛部材7に用いる樹脂が等方性材料である場合の一例として補剛部材モデル27に設定するものであるが、補剛部材7が、例えば面内異方性の材料特性を有するFRP(Fiber Reinforced Plastics;繊維強化樹脂)の場合には、補剛部材モデル27の材料特性の面内異方性を与える主軸角度を与え、該主軸角度に対応する前記材料特性の値を設定することで、補剛部材モデル27の材料特性の面内異方性を設定することができる。さらに、補剛部材7を複数の層が積層してなる樹脂製とする場合においては、複数の層が積層する補剛部材モデル27を生成し、該複数の層ごとに主軸角度を設定することも可能である。

0034

≪最適化解析モデル生成ステップ≫
最適化解析モデル生成ステップS7は、補剛部材モデル生成ステップS3において生成した補剛部材モデル27をドアアウタパネルモデル23に結合して最適化解析モデル21(図3参照)を生成するものである。

0035

ドアアウタパネルモデル23と補剛部材モデル27との結合は、例えば、ドアアウタパネルモデル23が平面要素でモデル化されている場合、補剛部材モデル27の立体要素のノード節点)とドアアウタパネルモデル23の平面要素のノードとを共有することにより行うことができる。

0036

さらに、前述のとおり、本発明では、最適化解析モデル生成ステップS7においては、インパクトビームモデル25と補剛部材モデル27については剛体要素で結合するとよい。

0037

≪最適化解析ステップ≫
最適化解析ステップS9は、最適化解析モデル生成ステップS7において生成した最適化解析モデル21に解析条件を与え、補剛部材モデル27を最適化の解析処理を行う対象としてトポロジー最適化解析を行い、補剛部材モデル27の最適な形状を求めるステップである。

0038

最適化解析モデル21に与える解析条件としては、最適化解析モデル21に荷重を付加する位置および変位拘束する位置を与える荷重・拘束条件と、最適化解析の目的に応じて設定する目的関数および制約条件がある。

0039

本実施の形態におけるトポロジー最適化解析の例では、図4に示す荷重・拘束条件を与えるとともに、目的関数を体積最小、制約条件を荷重点での変位1.5mm以下(剛性値80N/mm以上)とした。

0040

荷重・拘束条件は、図4に示すように、ドアアウタパネルモデル23の高さ方向および前後方向それぞれに50mm間隔で格子状に配置した各荷重点において、個別にφ45mmの領域によりドアアウタパネルモデル23のパネル面部23bの法線方向に120Nの分布荷重を個別に与え、実線の△印の位置においてはドアアウタパネルモデル23の外面側を、破線の△印の位置においてはドアアウタパネルモデル23の内面側を拘束した。

0041

そして、前記格子状に配置した個別の荷重点のうちの一つに荷重を入力した場合の構造解析を行い、当該構造解析を全ての荷重点に対して個別に行って、各荷重点に荷重を入力した構造解析を総合した後、補剛部材モデル27の体積最小化を行い、補剛部材モデル27の最適な形状である最適形状補剛部材モデル31を求めた。ここで、各荷重点についての構造解析を総合する際の重みは均等とした。

0042

また、最適化解析ステップS9においてトポロジー最適化解析に密度法を適用する場合、要素のペナルティ係数を2以上に設定して離散化を行うようにすることが好ましい。
もっとも、最適化解析ステップS9においては、トポロジー最適化解析により最適化解析を行うものに限らず、他の最適化解析方法により最適化の解析処理を適用することができる。また、最適化の解析処理を行うものとしては、例えば、市販されている有限要素を用いた解析ソフトを使用することができる。

0043

図5に、上記のステップS1からステップS9によりトポロジー最適化解析を実行し、補剛部材モデル27の最適な形状として求められた最適形状補剛部材モデル31を示す。最適形状補剛部材モデル31は、高さ方向に延在する縦骨部33と、縦骨部33に交差する方向に延在する横骨部35を有するの骨状(Fish bone)となった。

0044

そして、縦骨部33は、一端がインパクトビームモデル25に位置し、他端がキャラクタライン23aに位置するように高さ方向に筋状に延在し、複数の縦骨部33が前後方向において所定の間隔で配置されている。そして、隣り合う縦骨部33同士の所定の間隔は、圧子により荷重を入力する荷重点の間隔とほぼ一致している。

0045

一方、横骨部35は、ドアアウタパネルモデル23の高さ方向の中央部付近において、縦骨部33に交差するように前後方向に延在している。さらに、インパクトビームモデル25が配置されている部位にもマスチックシーラ状に残存した樹脂(図5中、点線○印で囲んだ部位)が見られた。

0046

最適形状補剛部材モデル31がこのような形状となったのは、トポロジー最適化解析の過程において、変位が小さい部位には立体要素は残存せず、変位が大きい部位を支持するように立体要素が残存したためであると考えられる。

0047

特に、インパクトビームモデル25の後端25aが高さ方向中央部よりも下方に位置してインパクトビームモデル25が斜めに配置されている該中央部においてはインパクトビームモデル25により支持されていない範囲が広くて張り剛性が低いため、当該範囲を支持するように横骨部35が残存する結果になったと考えられる。

0048

また、図5に示す最適形状補剛部材モデル31は、トポロジー最適化解析において荷重を入力する荷重点の配置を格子状とした場合(図4参照)の解析結果であったが、荷重の配置を変更(例えば、図10に例を示す最密充填状に配置)して同様のトポロジー最適化解析を行った場合に得られた最適形状補剛部材モデルにおいても、インパクトビームモデルからキャラクタラインまで高さ方向に筋状に延在し、前後方向に所定の間隔で配設された複数の縦骨部が見られた。

0049

本実施の形態に係る補剛構造1における縦骨部9および横骨部11の配置および形状は、上記のトポロジー最適化解析を行って求められた最適形状補剛部材モデル31の形状に基づいて決定することができる。

0050

まず、縦骨部9の配置に関して、前述のとおり、最適形状補剛部材モデル31における縦骨部33の前後方向における所定の間隔が、荷重点の間隔に対応していることから、前後方向における所定の間隔は、ドアパネル設計時に設定した張り剛性の評価において荷重点の配置に合わせて設定することができる。このように、縦骨部9の間隔を圧子による荷重点の間隔と一致させることで、各荷重点に入力した荷重を縦骨部9を介してインパクトビーム5又はキャラクタライン3aへと効率的に伝達させることができる。

0051

次に、縦骨部9の形状に関して、本実施の形態では最適形状補剛部材モデル31において幅6.5mm、厚さ10mmの縦骨部33が見られることから、縦骨部9の幅および厚さを、それぞれ6.5mmおよび10mmに設定することができる。

0052

さらに、横骨部11の配置に関しては、図1に示すようにインパクトビーム5が斜めに配置されている場合、最適形状補剛部材モデル31の高さ方向中央部付近においては縦骨部33に交差する方向に延在する横骨部35が残存していることから、ドアアウタパネル3の高さ方向中央部において縦骨部9と交差する方向に延在する横骨部11を設ければよい。

0053

そして、横骨部11の形状に関しては、縦骨部9と同様、本実施の形態では最適形状補剛部材モデル31における横骨部35の幅および厚さがそれぞれ6.5mmおよび10mmであることから、補剛構造1においては、横骨部11の幅および厚さについても、それぞれ6.5mmおよび10mmに設定することができる。

0054

本実施の形態に係る補剛構造1により、張り剛性が向上する理由は以下のとおりである。
補剛構造1は、ドアアウタパネル3に分布荷重が作用したときの変形量を小さくするのに最適な形状である最適形状補剛部材モデル31に基づいて補剛部材7が規定されているため(図1)、分布荷重がパネル面部3bに入力したとき、該荷重をインパクトビーム5やキャラクタライン3aへと伝達させるように縦骨部9がドアアウタパネル3の内面に貼付されている。これにより、荷重点における変形量が低下し、張り剛性が向上することになる。

0055

なお、上記の説明は、トポロジー最適化解析において補剛部材モデル27の弾性率として30GPaの値を設定して得られた最適形状補剛部材モデル31に基づいたものであるが、本発明に係る補剛部材7の弾性率は10GPa以上とすればよい。弾性率が10GPa未満では補剛部材7の幅や厚みが増し、部材の重量が増加するため、軽量化が困難である。補剛部材7の弾性率を10GPa以上とすることで軽量化ができることに関しては、後述する実施例2において具体的に説明する。

0056

また、最適形状補剛部材モデル31においては、インパクトビームモデル25からキャラクタライン23aまで延在していないものの、縦骨部33とほぼ等しい間隔で配置し、横骨部35に交差して高さ方向に延在する縦骨部37が見られることから、補剛部材7は、縦骨部9とは別に横骨部11と交差する縦骨部13を設けてもよい(図1)。この場合、縦骨部13の形状は、最適形状補剛部材モデル31における縦骨部37の形状に基づいて決定することができる。

0057

さらに、トポロジー最適化解析において横骨部35は必ずしも残存するとは限らず、インパクトビームモデル25の配置によっては、縦骨部33に交差する横骨部35に相当する部位が残存しない最適形状補剛部材モデルが得られる場合もあった。このような場合、本発明に係る補剛構造は、前後方向に所定の間隔で配置する複数の縦骨部9のみを有するものであってもよい。また、横骨部は縦骨部と交差する複数の箇所に残存する場合があり、本発明に係る補剛構造は、ドアパネル中央の複数箇所に横骨部を有するものでもよい。

0058

なお、上記の説明は、縦骨部9および横骨部11の配置および形状をトポロジー最適化解析を行って得られた最適形状補剛部材モデル31に基づいて決定するものであるが、本発明に係る補剛構造は、縦骨部9および横骨部11の配置および形状を、以下のように適宜設定するものであってもよい。

0059

例えば、複数の縦骨部9の前後方向における所定の間隔に関しては、前述のトポロジー最適化解析において、荷重点の間隔と縦骨部33の間隔が対応していたことから、縦骨部9の間隔は、ドアパネル設計時に設定した張り剛性の評価において荷重点の配置に応じて適宜設定することができる。

0060

また、前述のトポロジー最適化解析において、補剛部材モデル27の弾性率を30GPaとした場合、縦骨部33および横骨部35の幅はいずれも約6.5mmであり、補剛部材モデル27の弾性率を10GPaとした場合、縦骨部33および横骨部35の幅はいずれも約15mmであった。このことから、縦骨部9および横骨部11の幅は、補剛部材7に用いる樹脂の弾性率に応じて適宜設定することができる。

0061

また、縦骨部9および横骨部11の厚さは、上記のトポロジー最適化解析では10mmに設定していたが、この値に限定されるものではなく、補剛構造1の張り剛性および重量の双方を考慮して、適宜設定することができる。

0062

さらに、横骨部11の配置に関しては、図1に示すように、インパクトビーム5の後端5aが高さ方向中央部よりも下方に位置してインパクトビーム5が斜めに配設されている場合、該中央部において縦骨部9に交差する方向に延在するように設けることが好ましい。

0063

これは、前記中央部においてはインパクトビーム5により支持されていない範囲が広いため、当該範囲における張り剛性が低いことに起因するためである。このことは、インパクトビーム5の配置によって、ドアアウタパネル3の内面側がインパクトビーム5により支持されていないために張り剛性が低い範囲に、横骨部11を配置することが望ましいことを意味する。

0064

これより、内面側がインパクトビーム5により支持されていない部位に縦骨部9と交差方向に延在する横骨部11を設けることにより、当該部位に入力した分布荷重を分散させることができる。その結果、ドアアウタパネル3のパネル面部3bに分布荷重が作用したときの変形量を小さくすることができ、張り剛性を適切に向上させることができる。

0065

なお、上記の説明では、インパクトビーム5が高さ方向中央部よりも下方側に位置するように配置され、かつ、キャラクタライン3aが高さ方向上部に形成されているため、補剛部材7の縦骨部9は、インパクトビーム5から高さ方向上部側にキャラクタライン3aまで延在する形状であったが、例えば、インパクトビームが高さ方向上部に配設されてキャラクタラインが高さ方向下部に形成されている場合であっても、ドアアウタパネルの湾曲に沿って前記インパクトビームから前記キャラクタラインまで筋状に延在する複数の縦骨部を設ければよい。

0066

また、本発明に係る補剛構造は、図1に示すように、横骨部11に交差して高さ方向に筋状に延在する縦骨部13をさらに設けたものであってもよく、縦骨部13は、その端部がインパクトビーム5又はキャラクタライン3aに位置するものでなくてもよい。もっとも、縦骨部13の代わりに、インパクトビーム5からキャラクタライン3aまで延在する縦骨部9を設けてもよい。

0067

上記の説明は、ドアパネル部品として金属板製のドアアウタパネルを補剛する場合に関するものであったが、本発明は、ドアアウタパネルとドアインナパネルとからなるドアパネル部品に樹脂製の補剛部材を結合するものであってもよく、ドアアウタパネルとドアインナパネルの材質の組み合わせは、金属と金属、樹脂と樹脂、金属と樹脂、又は、樹脂と金属のいずれであってもよい。

0068

さらに本発明は、図13に示すように略直線状の縦骨部75と横骨部77とがハニカム形状を形成する補剛部材73を結合した補剛構造71や、図14に示すように縦骨部85と横骨部87とが格子形状を形成する補剛部材83を結合した補剛構造81であってもよい。補剛部材73や補剛部材83のように、インパクトビーム5からキャラクタライン3aまで筋状に延在する複数の縦骨部と、該縦骨部に交差する横骨部とが規則的に配置された簡単な形状とすることで、補剛部材の製作の点において好ましい。

0069

また、上記の説明は、図1に示すように、インパクトビーム5よりも上方にあるキャラクタライン3aに向かって縦骨部9が高さ方向の上方に延在するものであったが、本発明に係る自動車ドアパネル部品の補剛構造は、インパクトビームよりも下方にキャラクタラインが形成されたドアパネル部品(図示なし)においては、例えば図13および図14に示すように、インパクトビーム5から高さ方向の下方に筋状に延在する縦骨部79または縦骨部89を設けたものであってもよい。

0070

なお、前述したように、金属板製ドアパネル部品であるドアアウタパネルに補剛部材を接着して塗装・焼付処理すると、前記補剛部材の線膨張係数が前記金属板製ドアパネル部品の線膨張係数に比べて小さい場合には、該金属板製ドアパネル部品に面ひけが発生して外観を著しく悪化させてしまう場合がある。

0071

そこで、補剛部材の線膨張係数が金属板製ドアパネル部品の線膨張係数に比べて小さい場合においては、前記補剛部材における前記金属板製ドアパネル部品との接合面の反対側の面に接合され、焼付処理における前記補剛部材の変形を調整する調整部材を有し(後述する図17参照)、前記金属板製ドアパネル部品の線膨張係数α1と、前記補剛部材の線膨張係数α2と、前記調整部材の線膨張係数α3とが、以下に示す式(1)及び式(2)の関係を満たすものとすることが好ましい。
α2<α1 ・・・(1)
α3>α2 ・・・(2)

0072

より好ましくは、調整部材の線膨張係数α3とドアパネル部品の線膨張係数α1とが以下の式(3)の関係を満たすものである。
α3≧α1 ・・・(3)

0073

なお、式(1)に示すように金属板製ドアパネル部品の線膨張係数α1が補剛部材の線膨張係数α2よりも大きいければ、式(3)の関係を満たす金属板製ドアパネル部品は、式(2)の関係を満たすものである。

0074

さらに、金属板製ドアパネル部品の線膨張係数α1は、1.0×10-5/℃以上2.6×10-5/℃以下の範囲内であることが好ましい。
このような線膨張係数α1の範囲にある金属素材としては、鋼板(線膨張係数:1.2×10-5/℃)やアルミ板(線膨張係数:2.3×10-5/℃)が挙げられる。そして、鋼板としては、冷延鋼板、GA鋼板、GI鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、電気Zn−Niめっき鋼板のいずれであってもよい。

0075

また、補剛部材の線膨張係数α2は、0/℃以上2.5×10-5/℃以下の範囲内であることが好ましい。
このような線膨張係数α2を有する補剛部材の素材としては、炭素繊維強化樹脂(CFRP)又はガラス繊維強化樹脂(GFRP;Glass Fiber−Reinforced Plastics)が例示できる。

0076

さらに、調整部材の線膨張係数α3は、2.5×10-5/℃以上50×10-5/℃以下の範囲内であることが好ましい。
このような線膨張係数α3を有する調整部材の素材としては、鋼(線膨張係数:1.2×10-5/℃)、アルミ(線膨張係数:2.5×10-5/℃)、ビニル系樹脂(線膨張係数:5〜25×10-5/℃)、ポリスチレン系樹脂(線膨張係数:6〜50×10-5/℃)、ポリプロピレン(線膨張係数:9×10-5/℃)、ポリアセタール(線膨張係数:8×10-5/℃)、アクリル系樹脂(線膨張係数:9×10-5/℃)、酢酸セルロース(線膨張係数:15×10-5/℃)、ポリカーボネート(線膨張係数:7×10-5/℃)、ポリエチレンテレフタレート(線膨張係数:2〜3×10-5/℃)、ポリアミド(線膨張係数:8×10-5/℃)、ポリウレタン(線膨張係数:25×10-5/℃)、フッ素系樹脂(線膨張係数:5〜15×10-5/℃)、フェノール樹脂(線膨張係数:3〜6×10-5/℃)、ユリア樹脂(線膨張係数:3×10-5/℃)、メラミン樹脂(線膨張係数:4×10-5/℃)、エポキシ(線膨張係数:5×10-5/℃)、不飽和ポリエステル(線膨張係数:10×10-5/℃)、シリコーン(線膨張係数:30×10-5/℃)、ジアリルフタレート(線膨張係数:10×10-5/℃)のうち、線膨張係数α3が上記の式(2)の関係を満たすように選択すればよく、より好ましくは、上記の式(3)の関係を満たすように選択すればよい。

0077

なお、線膨張係数α1、α2及びα3それぞれについての上記好適範囲内に含まれる一例を、後述する実施例6にて実証している。

0078

上記の調整部材の具体的な素材は、以下のとおりである。
鋼としては、冷延鋼板、GA鋼板、GI鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、電気Zn−Niめっき鋼板、鉄箔が例示できる。
アルミとしては、アルミ板、アルミ箔が例示できる。
ビニル系樹脂としては、ポリ塩化ビニルポリ塩化ビニリデンポリビニルアルコールが例示できる。
リスレン系樹脂としては、ポリスチレンスチレンアクリロニトリル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、ポリエチレンエチレン酢酸ビニル共重合体が例示できる。
アクリル系樹脂としては、ポリメチルアクリレートポリメチルメタクリレートメタクリルスチレン共重合体が例示できる。
フッ素系樹脂としては、三フッ化塩化エチレン、四フッ化エチレン、フッ化ビニリデンが例示できる。

0079

このような調整部材を有する自動車ドアパネル部品の補剛構造においては、焼付処理において線膨張係数の違いにより補剛部材の変形(伸び)がパネル板の変形(伸び)に比べて小さくなって補剛部材の周辺に応力集中が発生しないよう、補剛部材に調整部材を接合している。そのため、調整部材の変形(伸び)により補剛部材をより変形させて補剛部材の変形を調整することで、焼付処理における補剛部材と金属板製ドアパネル部品との間における応力集中の発生を抑制する。その結果、金属板製ドアパネル部品の局部的な座屈変形を抑制し、面ひけ発生を防止することができる。

0080

上より、本発明によれば、軽量化かつ高い張り剛性を有するとともに、焼付処理をした際においても金属板製ドアパネル部品を美麗な外観とすることができる。この点については、後述する実施例6にて実証する。

0081

なお、上記の説明では、金属板製ドアパネル部品であるドアアウタパネルに補剛部材が接合されるとともに、該補剛部材にさらに調整部材が接合されるものであったが、ドアアウタパネルとドアイインナパネルとからなるドアパネル部品において、該ドアアウタパネルの材質を金属にしたものにおいて、該ドアアウタパネルの内面の補剛部材を接合し、該補剛部材にさらに調整部材を接合したものであってもよい。

0082

この場合、前記ドアインナパネルの材質は、金属又は樹脂のいずれであってもよく、前記ドアアウタパネルと前記ドアインナパネルとからなるドアパネル部品を焼付処理した際に、該ドアアウタパネルに接合した補剛部材の変形を前記調整部材により調整することで、該ドアアウタパネルに面ひけが発生するのを防止することができる。

0083

さらに、補剛部材と調整部材の接合の態様としては、接着剤により接着するものがあるが、その他、補剛部材と調整部材とを二色成形により一体成形することにより該補剛部材と調整部材とが接合されたものであってもよい。

0084

<自動車ドアパネル部品の補剛方法>
次に、本実施の形態に係る自動車ドアパネル部品の補剛方法について説明する。
本実施の形態に係る自動車ドアパネル部品の補剛方法は、高さ方向に湾曲し、内面側にインパクトビームが配設された金属板製ドアパネル部品の前記内面に補剛部材を貼付することにより張り剛性を向上させるものであって、図6に示すように、最適形状補剛部材取得ステップS11と、補剛部材作製ステップS13と、補剛部材接合ステップS15と、を備えたものである。
以下、ドアパネル部品として図1に示すドアアウタパネル3を対象とした場合について、上記の各ステップを説明する。

0085

≪最適形状補剛部材取得ステップ≫
最適形状補剛部材取得ステップS11は、ドアアウタパネル3を平面要素及び/又は立体要素でモデル化したドアアウタパネルモデル23を取得し、ドアアウタパネルモデル23に最適化解析の対象とする補剛部材モデル27を結合し、補剛部材モデル27の最適な形状を求める最適化解析を行うステップである。

0086

最適化解析は、前述のトポロジー最適化解析方法を適用することができ、図2に示すステップS1からステップS9まで実行することにより、補剛部材モデル27の最適な形状である最適形状補剛部材モデル31(図5参照)が求められる。

0087

≪補剛部材作製ステップ≫
補剛部材作製ステップS13は、最適形状補剛部材取得ステップS11で求めた最適形状補剛部材モデル31に基づいて、ドアアウタパネル3の内面に接合する補剛部材7を作製するステップであり、補剛部材7は、ドアアウタパネル3の高さ方向の湾曲に沿ってインパクトビーム5からキャラクタライン3aまで筋状に延在し、ドアアウタパネル3の前後方向において所定の間隔で配置された複数の縦骨部9を有するものである。

0088

図5に示す最適形状補剛部材モデル31において、縦骨部33の前後方向における間隔は約50mmであり、また、幅および厚さはそれぞれ約6.5mmおよび10mmであるので、これらの間隔、幅および厚さを補剛部材7の縦骨部9の配置および形状として設定することができる。

0089

また、最適形状補剛部材モデル31においては、幅および厚さがそれぞれ約6.5mmおよび10mmの横骨部35が高さ方向中央部付近に延在しているので、補剛部材7においては、高さ方向中央部付近において縦骨部9と交差する方向に延在する横骨部11を設け、その幅および厚さをそれぞれ6.5mmおよび10mmに設定することができる。

0090

なお、最適形状補剛部材モデル31は、図3に示すドアアウタパネルモデル23を解析対象とし、図4に示す荷重・拘束条件の下で求めた解析結果の一例であるため、対象とするドアアウタパネル3や、張り剛性を評価するための荷重・拘束条件および最適化解析条件など、各種条件が変更された場合には、それらの条件の下でトポロジー最適化解析を行って得られた最適形状補剛部材モデル31に基づいて補剛部材7の縦骨部9および横骨部11の配置、形状、厚み、幅を設定すればよい。なお、厚みや幅は、補剛部材の中でも一定でなくてもよい。

0091

また、上記の説明では、補剛部材7は横骨部11を有するものであったが、例えば、対象とするドアアウタパネル3の内面側におけるインパクトビーム5の配置によっては、横骨部35に相当する部位が残存しない最適形状補剛部材モデル31が得られる場合もある。このような場合には、補剛部材7として縦骨部9のみをドアアウタパネル3の内面に接合するものであってもよい。

0092

なお、最適形状補剛部材モデル31においては、インパクトビームモデル25からキャラクタライン23aまで延在していないものの、縦骨部33とほぼ等しい間隔で配置し、横骨部35に交差して高さ方向に延在する縦骨部37が見られることから、補剛部材作製ステップS13で作製する補剛部材7においては、縦骨部9とは別に横骨部11と交差する縦骨部13を設けてもよい。

0093

もっとも、縦骨部13の代わりとして、インパクトビーム5からキャラクタライン3aまで延在する縦骨部9を横骨部11に交差させるようにさらに設けてもよく、目標とする張り剛性や重量との兼ね合いから補剛部材7の形状を決定すればよい。

0094

このように、補剛部材作製ステップS13で作製する補剛部材7は、最適形状補剛部材モデル31と同一形状となるように作製したものに限られるものではなく、複数の縦骨部9と、必用に応じて横骨部11とを有するものであればよい。さらに、縦骨部9は、パネル面部3bに入力した荷重が縦骨部9を介してインパクトビーム5やキャラクタライン3aに伝達するものであれば、断続的に高さ方向に延在するものであってもよい。

0095

また、縦骨部9のインパクトビーム5側の端部は、ドアアウタパネル3の内面とインパクトビーム5との間の隙間を埋める形状とすることにより、従来用いられていたマスチックシーラを代替することができ、軽量化の面で好ましい。

0096

≪補剛部材接合ステップ≫
補剛部材接合ステップS15は、補剛部材作製ステップS13で作製した補剛部材7の外面をドアアウタパネル3の内面に接合するステップである。
補剛部材7の接合としては、例えば、接着剤を用いてドアアウタパネル3の内面に貼付することができる。

0097

以上、本実施の形態に係る自動車ドアパネル部品の補剛構造および方法によれば、ドアパネル部品に分布荷重を負荷したときの変形量が低減し、前記ドアパネル部品の張り剛性を向上させることができる。さらに、ドアパネル部品の金属板の板厚を減少させて最適化解析をした結果に基づいて補剛部材の形状を決定した場合、板厚を減少させる前のドアパネル部品よりも張り剛性を向上させつつ、ドアパネル部品全体を軽量化することができる。本発明による張り剛性の向上と軽量化の効果に関しては、後述する実施例1および実施例2にて具体的に示す。

0098

なお、上記の説明は、前述の本実施の形態に係る自動車ドアパネル部品の補剛構造と同様に、ドアパネル部品としてドアアウタパネルを対象としたものであったが、本発明に係る自動車ドアパネル部品の補剛方法は、ドアアウタパネルとドアインナパネルとからなるドアパネル部品を対象とするものであってもよい。そして、該ドアパネル部品において、ドアアウタパネルとドアインナパネルの材質の組み合わせは、金属と金属、樹脂と樹脂、金属と樹脂、又は、樹脂と金属、のいずれかとすることができる。

0099

本発明の効果を確認する実験を行ったので、これについて説明する。
本実施例1では、発明例1として、図1に示すドアアウタパネル3の張り剛性の向上と軽量化を目的とし、板厚を減少させた金属板(鋼板)製ドアアウタパネルモデル23の内面に貼付する補剛部材モデル27の最適な形状を求めるトポロジー最適化解析を行い、該トポロジー最適化解析により求めた最適形状補剛部材モデル31をドアアウタパネルモデル23に結合した張り剛性評価モデル41の張り剛性と重量変化を求めた。ここで、補剛部材モデル27の最適な形状は、前述の実施の形態で述べたトポロジー最適化解析方法(図2参照)により得られた最適形状補剛部材モデル31とした。

0100

最適形状補剛部材モデル31を求める最適化解析の解析条件は、前述の実施の形態と同様、図4に示す荷重・拘束条件を与え、最適化解析条件としては、目的関数を体積最小、制約条件を荷重点での変位1.5mm以下とした。また、補剛部材モデル27は等方性材料とし、その材料特性には前述の表1に示す値を設定した。

0101

本実施例1において、張り剛性は以下のように評価した。
図7に、ドアアウタパネルモデル23の張り剛性を評価する評価点A、評価点Bおよび評価点Cの位置と、張り剛性評価における拘束位置(図中の△)を示す。張り剛性値は、図7に示す各評価点(評価点A〜評価点C)において圧子により入力した荷重と、各評価点における変位を用いて次式により算出した。
張り剛性値(N/mm)=荷重(N)/各評価点における変位(mm)
そして、トポロジー最適化解析において120Nの荷重を入力したときの変位の制約条件を1.5mm以下としたことから、張り剛性値の基準値を80N/mmとし、この基準値以上の張り剛性値を良好とした。

0102

また、軽量化の評価に関しては、ドアアウタパネルモデル23の板厚減少と最適形状補剛部材モデル31の結合による重量変化を算出した。本実施例1では、ドアアウタパネルモデル23の板厚を0.6mmから0.5mmにゲージダウンさせるものとし、これによりドアアウタパネルモデル23の重量は603g減少する。したがって、最適形状補剛部材モデル31の結合による重量変化は、ゲージダウンによる減少量(-603g)に最適形状補剛部材モデル31の重量を加えた値とした。

0103

なお、本実施例1では、比較対象として、図8に示すように、ドアアウタパネルモデル23の内面に略矩形の補剛部材モデル45を結合した張り剛性評価モデル43を比較例1、図9に示すように、インパクトビームモデル25における前後方向の中央部から高さ方向に延在する縦骨部の一部のみを有する補剛部材モデル49を結合した張り剛性評価モデル47を比較例2とし、張り剛性評価モデル43および張り剛性評価モデル47それぞれについて、発明例1と同様に張り剛性および重量変化を求めた。

0104

表2に、板厚を0.5mmにゲージダウンした発明例1、比較例1および比較例2と、従来例として補剛部材モデルを結合せずに板厚を0.6mmのままとしたドアアウタパネルモデル23について得られた張り剛性値および重量変化の結果を示す。

0105

0106

比較例1(図8)は、ドアアウタパネルモデル23の内面側の全面にわたる形状の補剛部材モデル45を結合したものであり、張り剛性値はいずれの評価点においても基準値を満たしている。しかしながら、補剛部材モデル45の重量は3618gであり、このときの重量変化は+3015gとなり、補剛部材モデル45を用いることにより重量が大幅に増加する結果となった。

0107

比較例2(図9)は、ドアアウタパネルモデル23の中央部において高さ方向に延在する形状の補剛部材モデル49を結合したものであり、補剛部材モデル49の重量は50gであることから重量変化は-553gとなり、従来例に比べて軽量化されている。しかしながら、張り剛性値に関しては、評価点Aはその内面側に補剛部材モデル49が貼付されているので張り剛性値は従来例を超えて基準値を満たしているものの、評価点Bおよび評価点Cにおける張り剛性値が従来例の張り剛性値を下回り大幅に基準値を外れる結果となった。

0108

発明例1は、トポロジー最適化により最適な形状を求めた最適形状補剛部材モデル31を板厚を0.5mmに減少させたドアアウタパネルモデル23に結合したものであり、張り剛性値はすべての評価点で基準値を超える良好な結果であった。さらに、最適形状補剛部材モデル31の重量は136gであり、このときの重量変化は-467gとなり、従来例より軽量化された。

0109

以上より、本発明に係る自動車ドアパネル部品の補剛構造および補剛方法により、最適な形状の樹脂製の補剛部材を接合するとともに前記金属板製ドアパネル部品の板厚を減少することで、ドアパネル部品の張り剛性の向上と軽量化の双方を実現できることが示された。

0110

実施例2においては、ドアアウタパネルの張り剛性を評価するための荷重点の配置が前述の実施例1と異なる場合における最適形状補剛部材モデルを求め、該求めた最適形状補剛部材モデルをドアアウタパネルモデルに結合した張り剛性評価モデルの張り剛性と重量変化を求めた。さらに、該求めた最適形状補剛部材モデルについて、その弾性率を変更したときの張り剛性評価モデルの張り剛性を評価し、補剛部材に用いる樹脂の弾性率の好適範囲を検討した。

0111

実施例2では、張り剛性を評価するための荷重点の配置が異なる場合として、図10に示す荷重・拘束条件を与えて、前述の実施の形態で述べたトポロジー最適化解析(図2参照)を行った。
荷重・拘束条件として、図10に示すように、格子状に配置した荷重点(図10中の破線)と該格子のマス目中央に配置した荷重点(図10中の実線)を設定し、これらの各荷重点において、個別にφ45mmの領域によりドアアウタパネルモデル23のパネル面部23bの法線方向に120Nの分布荷重を与え、実線の△印の位置においてはドアアウタパネルモデル23の外面側を、破線の△印の位置においてはドアアウタパネルモデル23の内面側を拘束した。

0112

トポロジー最適化解析において、補剛部材モデル27の材料特性には前述の表1に示す値を設定した。さらに、最適化解析条件としては、実施例1と同様、目的関数を体積最小、制約条件を荷重点での変位1.5mm以下とした。
そして、図10に示すように配置した個別の荷重点のうちの一つに荷重を入力した場合の構造解析を行い、それぞれの構造解析を全ての荷重点に対して個別に行い、各荷重点に荷重を入力した構造解析を総合した後、補剛部材モデル27(図3)の体積最小化を行った。ここで、各荷重点の構造解析を総合する際の重みは均等とした。

0113

図11に、図10に示す荷重・拘束条件を与えてトポロジー最適化解析を行って求めた最適形状補剛部材モデル51を示す。
最適形状補剛部材モデル51は、図5に示す最適形状補剛部材モデル31と同様に、高さ方向に筋状に延在する縦骨部53と、縦骨部53に交差する方向に延在する横骨部55を有する魚の骨状(Fish bone)となった。

0114

縦骨部53は、一端がインパクトビームモデル25に位置し、他端がキャラクタライン23aに位置し、ドアアウタパネルモデル23の前後方向に複数の縦骨部53が配置している。さらに、縦骨部53の幅は、ドアアウタパネルモデル23の前方側では4.5mm(図11中の(a))、後方側では14.5mm(図11中の(b))であり、図5の最適形状補剛部材モデル31の場合と異なり、前後方向の位置により縦骨部53の幅が異なる結果となった。

0115

さらに、図11に示す最適形状補剛部材モデル51は、ドアアウタパネルモデル23の後方側の高さ方向中央部付近において高さ方向に筋状に延在する縦骨部57をさらに有するものである。これは、インパクトビームモデル25の後端25aが高さ方向中央部よりも下方に位置してインパクトビームモデル25が斜めに配置されているため、インパクトビームモデル25により支持されていない範囲が広くて張り剛性が低くなり、当該範囲を支持するようにトポロジー最適化解析において縦骨部57が残存したためであると考えられる。

0116

次に、図11に示す最適形状補剛部材モデル51を、板厚を0.5mmに減少させたドアアウタパネルモデル23に結合した張り剛性評価モデル61の張り剛性と軽量化を評価した。

0117

張り剛性評価モデル61の張り剛性は、図12に示す各評価点において実施例1と同様の評価点A〜Cに評価点Dを加えて、入力した荷重と該荷重を入力したときの各評価点における変位を用いて算出した張り剛性値により評価した。ここで、実施例2においても、トポロジー最適化解析における変位の制約条件から、張り剛性値の基準値を80N/mmとし、この基準値以上の張り剛性値を良好とした。
また、軽量化についても実施例1と同様に、板厚を0.6mmから0.5mmにゲージダウンしたドアアウタパネルモデル23に最適形状補剛部材モデル51を結合したときの重量変化により評価した。
表3に、張り剛性評価モデル61の張り剛性値および重量変化の結果を示す。

0118

0119

表3において、従来例は、前述の実施例1と同様、補剛部材モデルを結合せずに板厚を0.6mmのままとしたドアアウタパネルモデル23の結果である。
また、発明例2は、補剛部材モデル27に表1に示す材料特性を与えて求めた最適形状補剛部材モデル51を結合した張り剛性評価モデル61の結果である。さらに、発明例3、発明例4および発明例5は、発明例2と同一形状の最適形状補剛部材モデル51をドアアウタパネルモデル23に結合した張り剛性評価モデル61において、該結合した最適形状補剛部材モデル51の弾性率のみを好適範囲である10GPa以上(10GPa、50GPaおよび200GPa)に変更したときの結果である。
また、比較例3は、発明例2と同一形状の最適形状補剛部材モデル51を結合した張り剛性評価モデル61の結果であって本発明の範囲内であるが、最適形状補剛部材モデル51の弾性率のみを本発明の好適範囲外である8GPaに設定したときの結果である。

0120

表3に示すように、発明例2〜発明例5においては、張り剛性値はすべての評価点(評価点A〜評価点D)で基準値(=80N/mm)を超える結果となった。さらに、最適形状補剛部材モデル51の重量は103gであり、このときの重量変化は-500gとなり、従来例よりも軽量化された結果が得られた。

0121

比較例3は、発明例2と同一形状の最適形状補剛部材モデル51を結合したものであるので、従来例に比べて-500gの重量変化が得られた。しかしながら、張り剛性値に関しては、評価点Bおよび評価点Dについては基準値(=80N/mm)を超えているものの、評価点Aおよび評価点Cについては基準値を下回り、すべての評価点において基準値を超える結果は得られなかった。

0122

もっとも、表3に示すように、比較例3における評価点A〜評価点Cの張り剛性値は従来例よりも向上し、評価点Dの張り剛性値は従来例とほぼ同等の結果であった。このことから、最適形状補剛部材の弾性率を本発明の好適範囲よりも低い値に設定した場合であっても、従来例よりも全体的に張り剛性を向上させるとともに軽量化できることが示された。

0123

さらに、表3には、最適形状補剛部材モデル51の弾性率を大きくすると張り剛性値が増加する結果が示されている。このことは、補剛部材に用いる樹脂の弾性率を大きくすることで、張り剛性値が基準値を満たす範囲内で補剛部材の重量を小さくし、ドアパネル部品をさらに軽量化できることを示唆する。そして、補剛部材に用いる樹脂の弾性率を大きくしてさらに軽量化する場合、表3に示した結果から、各評価点における張り剛性値が基準値を満たすように、弾性率が10GPa以上の樹脂を用いることが好ましいことが分かる。弾性率が10GPa以上の樹脂として繊維強化樹脂がある。

0124

なお、表3に示す発明例3〜発明例5および比較例3は、補剛部材モデルの弾性率30GPaに設定したトポロジー最適化解析により最適形状補剛部材モデル51を求め、該求めた最適形状補剛部材モデル51の弾性率のみを変更して張り剛性を評価した結果であるが、この結果から、最適形状補剛部材モデルを求めるトポロジー最適化解析において補剛部材モデルに設定する弾性率を10GPa以上にすればよいことが示唆される。

0125

以上より、ドアパネル部品の設計時に設定した張り剛性を評価するための荷重点の配置が異なる場合であっても、ドアパネル部品を補剛するのに最適な形状の補剛部材モデルは、ドアパネル部品の高さ方向に延在する縦骨部であって、さらに該縦骨部に交差する方向に延在する横骨部を有する魚の骨状(Fish bone)となると良いことが示され、最適な形状の樹脂製の補剛部材を結合するとともにドアパネル部品の板厚を減少することで、張り剛性の向上と軽量化の双方を達成できることが示された。さらに、最適な形状の補剛部材の弾性率を10GPa以上にすることがドアパネル部品の張り剛性の向上に好ましいことが示された。

0126

実施例3においては、実施例1および実施例2とは材質の異なる金属板製ドアアウタパネルの張り剛性を評価するため、材質をアルミニウムとした場合の最適形状補剛部材モデルを求め、該求めた最適形状補剛部材モデルをドアアウタパネルモデルに結合した張り剛性評価モデルの張り剛性と重量変化を求めた。さらに、該求めた最適形状補剛部材モデルの弾性率を変化したときの張り剛性評価モデルの張り剛性を評価し、補剛部材に用いる樹脂の弾性率の好適範囲を検討した。

0127

実施例3では、ドアアウタパネルモデル23の材質としたアルミニウムの弾性率および密度はそれぞれ70GPaおよび2.7g/cm3とした。また、ドアアウタパネルモデル23の板厚を0.8mm又は0.6mmとし、それぞれの板厚について実施例2と同様にトポロジー最適化解析を行い、最適形状補剛部材モデルを求めた。

0128

トポロジー最適化解析において、補剛部材モデル27の弾性率以外の材料特性には前述の表1に示す値を設定した。さらに、荷重拘束条件は、実施例2と同様とし(図10参照)、最適化解析条件は、実施例1と同様、目的関数を体積最小、制約条件を荷重点での変位1.5mm以下とした。

0129

図15に、アルミニウム板製のドアアウタパネルモデル23の板厚を0.8mmとした場合の最適化解析により求めた最適形状補剛部材モデル93を示す。ドアアウタパネルモデル23の材質をアルミニウムとした場合であっても、最適形状補剛部材モデル93は、ドアアウタパネルモデル23の材質を鋼として求めた最適形状補剛部材モデル31(図5)と同様に、インパクトビームモデル25から高さ方向に筋状に延在する縦骨部95と、縦骨部95に交差する方向に延在する横骨部97を有する骨構造となった。

0130

図16に、アルミニウム板製のドアアウタパネルモデル23の板厚を0.6mmとした場合の最適化解析により求めた最適形状補剛部材モデル103を示す。板厚0.8mmのドアアウタパネルモデル23における最適形状補剛部材モデル93と同様に、最適形状補剛部材モデル103は、インパクトビームモデル25から高さ方向に筋状に延在する縦骨部105と、縦骨部105に交差する方向に延在する横骨部107を有する骨構造となった。

0131

次に、板厚を0.8mmとしたアルミニウム板製のドアアウタパネルモデル23に最適形状補剛部材モデル93を結合した張り剛性評価モデル91(図15)と、板厚を0.6mmとしたアルミニウム板製のドアアウタパネルモデル23に最適形状補剛部材モデル103を結合した張り剛性評価モデル101(図16)のそれぞれについて張り剛性と軽量化を評価した。

0132

張り剛性評価モデル91および101の張り剛性は、実施例2と同様に、図12に示す各評価点(評価点A〜評価点D)に荷重を入力した時の各評価点における変位と入力した荷重を用いて算出した張り剛性値により評価した。ここで、実施例3においても、トポロジー最適化解析における変位の制約条件から、張り剛性の基準値を80N/mmとし、この基準値以上の張り剛性値を良好とした。

0133

また、軽量化については、板厚を1.1mmから0.8mm又は0.6mmにゲージダウンしたドアアウタパネルモデル23に最適形状補剛部材モデル93又は103を結合したときの重量変化により評価した。
表4に、張り剛性評価モデル91および101の張り剛性値および重量変化の結果を示す。

0134

0135

表4において、従来例2は、最適形状補剛部材モデル93又は103のいずれも結合せずに板厚を1.1mmのままとしたアルミニウム板製のドアアウタパネルモデル23を張り剛性評価モデルとしたときの結果である。
発明例6は、板厚0.8mmのドアアウタパネルモデル23に図15に示す最適形状補剛部材モデル93を結合した張り剛性評価モデル91の結果である。さらに、発明例7、発明例8および発明例9は、発明例6と同様に最適形状補剛部材モデル93の弾性率をそれぞれ表4に示す値に変更した結果である。

0136

また、発明例10は、板厚0.6mmのドアアウタパネルモデル23に図16に示す最適形状補剛部材モデル103を結合した張り剛性評価モデル101の結果である。さらに、発明例11、発明例12および発明例13は、最適形状補剛部材モデル103の弾性率をそれぞれ表4に示す値に変更した結果である。

0137

表4に示すように、発明例6〜発明例13においては、最適形状補剛部材モデル103の弾性率が10GPa以上であり、張り剛性値はすべての評価点(評価点A〜評価点D)で基準値(=80N/mm)を超える良好な結果となった。さらに、重量変化は、いずれも-325g又は-567gとなり、従来よりも軽量化された結果が得られた。

0138

実施例4においては、ドアアウタパネルとドアインナパネルとからなるドアパネル部品について、該ドアアウタパネルとドアインナパネルの材質の組み合せが異なる場合におけるドアパネル部品の張り剛性を評価するために、ドアアウタパネルモデルとドアインナパネルモデルからなるドアパネル部品モデルに最適形状補剛部材モデルを結合した張り剛性評価モデルの張り剛性と重量変化を求めた。

0139

実施例4では、ドアパネル部品モデルに結合する最適形状補剛部材モデルは、材質を鋼としたドアアウタパネルモデル23について求めた最適形状補剛部材モデル51(図11)、又は、材質をアルミニウムとしたドアアウタパネルモデル23について求めた最適形状補剛部材モデル93(図15)とした。

0140

張り剛性評価モデルにおけるドアアウタパネルモデルとドアインナパネルモデルの材質、板厚、及び、最適形状補剛部材モデルの組み合わせを表5に示す。表5において、インナパネルはドアインナパネルモデルを、アウタパネルはドアアウタパネルモデルを示す。そして、インナパネルおよびアウタパネルの材質は、アルミニウム(Al)、鋼(Fe)又は樹脂とし、樹脂の材料特性には表1に示す値を設定した。

0141

張り剛性評価モデルの張り剛性値は、実施例2と同様に、図12に示す各評価点(評価点A〜評価点D)に荷重を入力した時の各評価点における変位と入力した荷重を用いて算出した張り剛性値により評価した。
また、軽量化については、板厚を1.1mmから0.8mm又は0.6mmにゲージダウンしたドアアウタパネルモデル23に最適形状補剛部材モデル93又は103を結合したときの重量変化により評価した。
表5に張り剛性評価モデルの張り剛性値および重量変化の結果を示す。

0142

0143

表5において、従来例3〜従来例9は、最適形状補剛部材モデルを結合せずにドアインナパネルモデルとドアアウタパネルモデルの材質の組合せを変更したドアパネル部品モデルを張り剛性評価モデルとしたときの結果である。
また、発明例14および発明例15は、図11に示すドアアウタパネルが鋼の場合の最適形状補剛部材モデル51を結合した張り剛性評価モデルにおいて、ドアインナーパネルの材質とドアアウタパネルモデルとドアインナパネルモデルの板厚をそれぞれ変更したものである。
さらに、発明例16〜発明例20は、図15に示すドアアウタパネルがアルミニウムの場合の最適形状補剛部材モデル93を結合した張り剛性評価モデルにおいてドアアウタパネルモデルとドアインナパネルの材質の組み合せ及び板厚をそれぞれ変更したものである。なお、ドアアウタパネルが樹脂の場合も図15に示す最適形状補剛部材モデル93を適用した。

0144

表5に示すように、発明例14〜発明例20において、張り剛性値はすべての評価点(評価点A〜評価点D)で基準値(=80N/mm)を超える良好な結果となった。さらに、発明例14および発明例15はそれぞれ、従来例3および従来例4に比べて張り剛性値が上昇し、かつ、456gが軽量化された結果が得られた。
また、発明例16および発明例17においてもそれぞれ、従来例5および従来例6に比べて張り剛性値が上昇し、325gが軽量化された結果が得られた。
さらに、発明例18〜発明例20はそれぞれ、従来例7〜従来例9に比べて張り剛性値が上昇し、174gが軽量化された結果が得られた。

0145

実施例5においては、縦骨部と横骨部とが規則的に配置した補剛部材モデルをドアアウタパネルモデルとドアインナパネルモデルからなるドアパネル部品モデルに結合した張り剛性評価モデルの張り剛性と重量変化を求めた。

0146

実施例5では、図13に示すハニカム形状の補剛部材73と同一形状の補剛部材モデル、又は、図14に示す格子形状の補剛部材83と同一形状の補剛部材モデルをドアアウタパネルモデルに結合し、張り剛性評価モデルをそれぞれ生成した。

0147

張り剛性評価モデルにおけるドアアウタパネルモデルとドアインナパネルモデルの材質は鋼とし、鋼板製ドアアウタパネルモデルの板厚及び補剛部材モデルの組み合わせを表6に示す。補剛部材モデルの材質は樹脂とし、樹脂の材料特性には表1に示す値を設定した。

0148

張り剛性評価モデルの張り剛性値は、実施例2と同様に、図12に示す各評価(評価点A〜評価点D)点に荷重を入力した時の各評価点における変位と入力した荷重を用いて算出した張り剛性値により評価した。
また、軽量化については、板厚を0.6mmから0.5mmにゲージダウンしたドアアウタパネルモデル23に補剛部材73又は補剛部材83と同一形状の補剛部材モデルを結合したときの重量変化により評価した。
表6に張り剛性評価モデルの張り剛性値および重量変化の結果を示す。

0149

0150

表6において、従来例10は、補剛部材モデルを結合しないドアパネル部品モデルを張り剛性評価モデルとしたときの結果である。
また、発明例21は、図13に示す補剛部材73と同一形状の補剛部材モデルをドアアウタパネルモデルに結合した張り剛性評価モデルの結果であり、発明例22は、図14に示す補剛部材83と同一形状の補剛部材モデルをドアアウタパネルモデルに結合した張り剛性評価モデルの結果である。

0151

表6に示すように、発明例21および発明例22における張り剛性値はすべての評価点(評価点A〜評価点D)で基準値(=80N/mm)を超える良好な結果となり、従来例10に比べて張り剛性値が上昇した。さらに、発明例21では、268gが、また、発明例22では、178gが軽量化された結果が得られた。

0152

実施例6においては、前述の実施例2と同様に求めた最適形状補剛部材モデルと同一形状の補剛部材を金属板製ドアパネル部品に接着し、さらに、焼付処理における該補剛部材の変形を調整する調整部材を該補剛部材に接着したものを評価対象とし、前記焼付処理による前記金属板製ドアパネル部品における面ひけ発生を評価するとともに、張り剛性と軽量化についても評価した。

0153

実施例6では、まず、図17に示すように、最適形状補剛部材モデル51(図11参照)と同一形状の補剛部材113を作製し、金属板製のドアアウタパネル3のパネル面部3bに接着した。さらに、補剛部材113におけるパネル面部3bとの接合面と反対側の面に、焼付処理における補剛部材113の変形を調整する調整部材115を接着し、ドアアウタパネル3、補剛部材113及び調整部材115の3層構造からなり、インパクトビーム5を有するドアアウタコンポーネント111を作製した(図17参照)。ここで、調整部材115と補剛部材113の接着には、常温硬化型エポキシ系接着剤を用い、その厚みは0.2mmとした。

0154

ドアアウタパネル3の素材は、板厚0.5mmの鋼板(線膨張係数α1:1.2×10-5/℃)とした。
また、補剛部材113の素材は、ガラス繊維強化樹脂(GFRP、弾性率10GPa、線膨張係数α2:1.0×10-5/℃)とし、その厚さは10mmとした。

0155

さらに、調整部材115は、補剛部材113と同一形状とし、その素材は、厚さ2mmの四フッ化エチレン(ポリテトラフルオロエチレンPTFE)、線膨張係数α3:10×10-5/℃)とした。

0156

このようなドアアウタパネル3、補剛部材113及び調整部材115それぞれの素材及び線膨張係数は、本発明の好適範囲内に設定したものである。

0157

そして、作製したドアアウタコンポーネント111を焼付処理し、焼付処理後のドアアウタパネル3のパネル面部3bの表面形状を観察し、面ひけ発生状態を評価した。
本実施例6において、ドアアウタコンポーネント111の焼付処理は、自動車製造時の塗装焼付処理時の温度履歴模擬した条件で行うものとし、ドアアウタコンポーネント111を170℃のオーブン内に設置して15分間加熱し、その後、室温まで冷却した。

0158

さらに、本実施例6では、ドアアウタパネル3、インパクトビーム5、補剛部材113と調整部材115とからなるドアアウタコンポーネント111の張り剛性及び軽量化についても、前述の実施例2と同様の手法に評価した。

0159

すなわち、図17に示すドアアウタコンポーネント111をモデル化した張り剛性評価モデルを作成し、張り剛性と重量変化を求めた。当該張り剛性評価モデルの作成においては、図10に示す荷重点の配置における最適形状補剛部材モデル51(図11)を求め、最適形状補剛部材モデル51をドアアウタパネルモデル23に結合し、調整部材115をモデル化した調整部材モデル(図示なし)を最適形状補剛部材モデル51に結合した。

0160

そして、本実施例6では、比較対象として、補剛部材を接合していないドアアウタパネル3、補剛部材113のみをドアアウタパネル3に接合したドアアウタコンポーネント111、及び、線膨張係数の値が本発明の好適範囲外とした調整部材115を補剛部材113に接合したドアアウタコンポーネント111についても、面ひけ、張り剛性及び軽量化を評価した。

0161

表7に、ドアアウタコンポーネント111におけるドアアウタパネル3、補剛部材113及び調整部材115それぞれについての各条件と、張り剛性、軽量化及び面ひけの評価結果を示す。

0162

0163

さらに、図19及び図20に、面ひけ発生状態を観察した写真を示す。図19及び図20に示す面ひけの発生状態は、図18に示す破線で囲まれた面ひけ評価範囲におけるパネル面部3bを示したものであり、陰影濃淡が面ひけ発生の有無示している。

0164

すなわち、図19及び図20において、陰影の濃淡が濃い部位は、面ひけ発生が大きく、陰影の濃淡が薄い部位は、面ひけ発生が小さい箇所を示している。さらに、陰影の濃淡が見られない部位は、面ひけが発生していない滑らかな表面を示している。

0165

表7において、従来例は、前掲の表3(実施例2)における従来例と同条件であり、補剛部材を接合せずに板厚を0.6mmのままとしたドアアウタパネル3の結果であり、張り剛性値及び重量変化の評価基準となる。
さらに、従来例は、補剛部材を接合していないため、図19(a)に示すように面ひけが発生しない。そのため、本実施例6では、面ひけの発生についても、従来例における焼付処理後のパネル面部3bの表面状態を基準として評価する。

0166

発明例3は、前掲の表3(実施例2)における発明例3と同条件であり、補剛部材113のみをドアアウタパネル3に接合したドアアウタコンポーネント111についての結果である。
実施例2で述べたとおり、発明例3においては張り剛性及び軽量化ともに良好な結果である。さらに、発明例3は、図20(a)に示すように、焼付処理後のパネル面部3bは滑らかな表面状態であり、面ひけの発生が少ない結果が得られた。

0167

発明例23は、ドアアウタパネル3と補剛部材113と調整部材115とからなるドアアウタコンポーネント111において、ドアアウタパネル3と補剛部材113と調整部材115それぞれの線膨張係数と素材が、前述の実施の形態で示した本発明の好適範囲内にあるものの中から一例として選択したものである。

0168

張り剛性に関しては、すべての評価点(評価点A〜評価点D)で基準値(80N/mm)を越える結果となった。さらに、軽量化に関しては、調整部材115を有することにより、発明例3に比べて24g増加したものの、従来例よりも軽量化された結果が得られた。

0169

さらに、図19(b)に示すように、焼付処理後のパネル面部3bは非常に滑らかな表面状態であった。板厚0.5mmの鋼板製のドアアウタパネル3に線膨張係数の異なる補剛部材113を接着した場合、焼付処理によって面ひけが発生しやすいことが懸念されていたが、発明例23は、従来例(図19(a))と同様に面ひけの発生はほぼ見られず、非常に良好な結果であった。

0170

比較例4は、調整部材115としてCFRP(厚さ2mm、線膨張係数0.2×10-5/℃)を補剛部材113に接着したものであり、張り剛性に関しては、すべての評価点(評価点A〜評価点D)で発明例23よりも張り剛性値が向上する結果となった。また、比較例4においては調整部材115として、発明例23で用いたPTFEよりも低密度のCFRPを用いているため、発明例23よりも軽量化された。

0171

しかしながら、比較例4においては、図20(b)に示すように、目視でも確認できるほどの面ひけの発生が確認された。これは、補剛部材113の線膨張係数α2がドアアウタパネル3(鋼板)の線膨張係数α1よりも小さく、調整部材115の線膨張係数α3が補剛部材113の線膨張係数α2よりもさらに小さいため、焼付処理におけるドアアウタパネル3と補剛部材113の変形の違いを調整部材115により調整することができなかったためであると推察される。

実施例

0172

以上、本発明によれば、張り剛性の向上と軽量化に加え、焼付処理による面ひけの発生を防止できることが実証された。

0173

1補剛構造
3ドアアウタパネル
3aキャラクタライン
3bパネル面部
5インパクトビーム
5a後端
7補剛部材
9縦骨部
11横骨部
13 縦骨部
21最適化解析モデル
23 ドアアウタパネルモデル
23a キャラクタライン
23b パネル面部
25 インパクトビームモデル
27 補剛部材モデル
29設計空間
31最適形状補剛部材モデル
33 縦骨部
35 横骨部
37 縦骨部
41張り剛性評価モデル(発明例1)
43 張り剛性評価モデル(比較例1)
45 補剛部材モデル(比較例1)
47 張り剛性評価モデル(比較例2)
49 補剛部材モデル(比較例2)
51 最適形状補剛部材モデル
53 縦骨部
55 横骨部
57 縦骨部
61 張り剛性評価モデル
71 補剛構造
73 補剛部材(ハニカム形状)
75 縦骨部
77 横骨部
81 補剛構造
83 補剛部材(格子形状)
85 縦骨部
87 横骨部
89 縦骨部
91 張り剛性評価モデル
93 最適形状補剛部材モデル
95 縦骨部
97 横骨部
101 張り剛性評価モデル
103 最適形状補剛部材モデル
105 縦骨部
107 横骨部
111ドアアウタコンポーネント
113 補剛部材
115 調整部材

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