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技術 医療器具及び穿刺部材固定方法

出願人 テルモ株式会社
発明者 本間康之柴田秀彬
出願日 2018年3月15日 (2年11ヶ月経過) 出願番号 2018-048102
公開日 2019年9月19日 (1年5ヶ月経過) 公開番号 2019-154919
状態 未査定
技術分野 手術用機器
主要キーワード 多孔性ファイバ 固定性能 接触有無 螺旋状突起 注入抵抗 接触センサー 変形操作 傾き検知
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年9月19日)のものです。
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図面 (19)

課題

容易に穿刺部材生体組織穿刺することができ、かつ、穿刺部材を生体組織内に固定することができる医療器具を提供する。

解決手段

医療器具は、生体組織に穿刺可能な長尺状の穿刺部材と、前記穿刺部材の外面よりも径方向外側に突出する突出状態と、前記穿刺部材の外面よりも径方向外側に突出しない収容状態と、の間を変形可能な突出部材と、を備える。

概要

背景

近年、心臓左心室内壁等の生体組織医療器具穿刺部材穿刺し、細胞等の被投与物の投与等を行うことで、心不全等の病変治療することが検討されている。このような場合、穿刺部材を生体組織に穿刺した状態で、当該穿刺部材を当該生体組織内に固定することが要求される。

特許文献1には、生体組織としての心筋層に穿刺可能な穿刺部材としての本体と、当該本体の外面より径方向外側に突出する突出部材としてのねじ山と、を備える医療器具が記載されている。

概要

容易に穿刺部材を生体組織に穿刺することができ、かつ、穿刺部材を生体組織内に固定することができる医療器具を提供する。医療器具は、生体組織に穿刺可能な長尺状の穿刺部材と、前記穿刺部材の外面よりも径方向外側に突出する突出状態と、前記穿刺部材の外面よりも径方向外側に突出しない収容状態と、の間を変形可能な突出部材と、を備える。

目的

本開示の目的は、上記問題に鑑み、容易に穿刺部材を生体組織に穿刺することができ、かつ、穿刺部材を生体組織内に固定することができる医療器具及び穿刺部材固定方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

生体組織穿刺可能な長尺状の穿刺部材と、前記穿刺部材の外面よりも径方向外側に突出する突出状態と、前記穿刺部材の外面よりも径方向外側に突出しない収容状態と、の間を変形可能な突出部材と、を備える医療器具

請求項2

前記穿刺部材は、先端で外部に連通する中空部内面区画すると共に、外面から前記内面まで連通する連通孔を区画しており、前記突出部材は、前記中空部の内圧の上昇により、前記連通孔の位置で前記収容状態から前記突出状態に形態変化する、請求項1に記載の医療器具。

請求項3

前記穿刺部材は、外面から内面まで連通する連通孔を区画しており、前記突出部材は、所定の変形操作が加えられることにより、前記連通孔の位置で前記収容状態と前記突出状態との間を変形する、請求項1に記載の医療器具。

請求項4

前記突出状態で前記穿刺部材の外面よりも径方向外側に突出する突起部には、生体組織との接触状態を検知可能な検知部材が設けられている、請求項1から3のいずれか一項に記載の医療器具。

請求項5

先端で外部に連通する中空部を区画する穿刺部材を、前記先端から生体組織に穿刺する穿刺工程と、突出部材を前記穿刺部材の外面よりも径方向外側に突出させることで、前記穿刺部材を前記生体組織に固定する固定工程と、を含む穿刺部材固定方法

技術分野

0001

本開示は、医療器具及び穿刺部材固定方法に関する。

背景技術

0002

近年、心臓左心室内壁等の生体組織に医療器具の穿刺部材を穿刺し、細胞等の被投与物の投与等を行うことで、心不全等の病変治療することが検討されている。このような場合、穿刺部材を生体組織に穿刺した状態で、当該穿刺部材を当該生体組織内に固定することが要求される。

0003

特許文献1には、生体組織としての心筋層に穿刺可能な穿刺部材としての本体と、当該本体の外面より径方向外側に突出する突出部材としてのねじ山と、を備える医療器具が記載されている。

先行技術

0004

特表2003−529396号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1に記載の医療器具によれば、本体を軸方向に回転させながら生体組織に押し込むことで、本体がねじ山に沿って生体組織に穿刺される。そして、当該ねじ山によって、当該本体が生体組織内に固定される。

0006

しかしながら、特許文献1に記載の医療器具では、本体を生体組織に穿刺する際、本体を軸方向に回転させながら生体組織に押し込む必要があり、操作が煩雑となりやすい。また、仮に本体を回転させずに生体組織に押し込んで穿刺すると、ねじ山と生体組織との接触により、穿刺抵抗が大きくなりやすい。

0007

本開示の目的は、上記問題に鑑み、容易に穿刺部材を生体組織に穿刺することができ、かつ、穿刺部材を生体組織内に固定することができる医療器具及び穿刺部材固定方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0008

本発明の一態様としての医療器具は、生体組織に穿刺可能な長尺状の穿刺部材と、前記穿刺部材の外面よりも径方向外側に突出する突出状態と、前記穿刺部材の外面よりも径方向外側に突出しない収容状態と、の間を変形可能な突出部材と、を備える。

0009

本発明の一実施形態としての医療器具において、前記穿刺部材は、先端で外部に連通する中空部内面区画すると共に、外面から前記内面まで連通する連通孔を区画しており、前記突出部材は、前記中空部の内圧の上昇により、前記連通孔の位置で前記収容状態から前記突出状態に形態変化する。

0010

本発明の一実施形態としての医療器具において、前記穿刺部材は、外面から内面まで連通する連通孔を区画しており、前記突出部材は、所定の変形操作が加えられることにより、前記連通孔の位置で前記収容状態と前記突出状態との間を変形する。

0011

本発明の一実施形態としての医療器具において、前記突出状態で前記穿刺部材の外面よりも径方向外側に突出する突起部には、生体組織との接触状態を検知可能な検知部材が設けられている。

0012

本発明の一態様としての穿刺部材固定方法は、先端で外部に連通する中空部を区画する穿刺部材を、前記先端から生体組織に穿刺する穿刺工程と、突出部材を前記穿刺部材の外面よりも径方向外側に突出させることで、前記穿刺部材を前記生体組織に固定する固定工程と、を含む。

発明の効果

0013

本開示によると、容易に穿刺部材を生体組織に穿刺することができ、かつ、穿刺部材を生体組織内に固定することができる医療器具及び穿刺部材固定方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0014

本開示の第1の態様としての医療器具を示す図である。
突出部材が収容状態であるときの、図1の医療器具の先端部を含む一部を示す縦断面図である。
突出部材が突出状態であるときの、図1の医療器具の先端部を含む一部を示す縦断面図である。
図1の医療器具を用いて実行される穿刺部材固定方法を示すフローチャートである。
図1の医療器具の第1の変形例における突出部材が収容状態であるときの、先端部を含む一部を示す縦断面図である。
図1の医療器具の第1の変形例における突出部材が突出状態であるときの、先端部を含む一部を示す縦断面図である。
図1の医療器具の第2の変形例における突出部材が収容状態であるときの、先端部を含む一部を示す縦断面図である。
図1の医療器具の第2の変形例における突出部材が突出状態であるときの、先端部を含む一部を示す縦断面図である。
図1の医療器具の第3の変形例における突出部材が収容状態であるときの、先端部を含む一部を示す縦断面図である。
図1の医療器具の第3の変形例における突出部材が突出状態であるときの、先端部を含む一部を示す縦断面図である。
本開示の第2の態様としての医療器具の先端部を含む一部を示す縦断面図である。
図11の医療器具の穿刺部材の生体組織への穿刺状態の第1の例を示す図である。
図11の医療器具の穿刺部材の生体組織への穿刺状態の第2の例を示す図である。
図11の医療器具の穿刺部材の生体組織への穿刺状態の第3の例を示す図である。
図11の医療器具の穿刺部材の生体組織への穿刺状態の第4の例を示す図である。
図11の医療器具の突起部の第1の変形例を示す図である。
図11の医療器具の突起部の第2の変形例を示す図である。
図11の医療器具を用いて実行される穿刺状態判定方法を示すフローチャートである。

実施例

0015

以下、本開示の各態様について、図面を参照して説明する。各図において共通の要素には、同一の符号を付している。

0016

(第1の態様)
図1は、本開示の第1の態様としての医療器具1を示す図である。図1に示すように、医療器具1は、例えば長尺状である。図1では、医療器具1が、筒状のカテーテル200を通じて、被検者の体外から心臓内腔の左心室LVまで延在した状態を示している。具体的には、カテーテル200が、大腿動脈FAから被検者の体内に挿入され、大動脈AO及び大動脈弁AVを通じて左心室LV内まで延在している。そして、医療器具1の基端側の一部が被検者の体外に位置した状態で、医療器具1の先端部8が、カテーテル200を通じて左心室LVまでデリバリーされている。カテーテル200は、大腿動脈FAに代えて、例えば手首橈骨動脈等から、被検者の体内に挿入されてもよい。

0017

図2は、後述する突出部材30が収容状態であるときの、医療器具1の先端部8を含む一部を示す縦断面図である。図3は、後述する突出部材30が突出状態であるときの、医療器具1の先端部8を含む一部を示す縦断面図である。図2及び図3に示すように、医療器具1は、穿刺部材10と、突出部材30と、を備える。

0018

図2及び図3に示すように、穿刺部材10の先端部は、医療器具1の先端部8を構成している。以下、医療器具1の先端部8を、穿刺部材10の先端部と区別することなく、「先端部8」と記載する。穿刺部材10は、先端部8から左心室LV(図1参照)の内壁等の生体組織に穿刺可能な長尺状の部材である。穿刺部材10は、先端部8に区画された先端開口15で外部に連通する中空部11を、内面14で区画する。穿刺部材10は、外面13から内面14まで連通する連通孔12を区画する。図2及び図3に示す例では、穿刺部材10は、穿刺部材10の中心軸Oに沿う方向(以下、単に「軸方向」と称する。)に対して傾斜した刃面16を先端部8に備え、中空部11は刃面16に区画された先端開口15を通じて外部に連通する。

0019

中空部11は、穿刺部材10の基端側で、外部と連通していてもよい。詳細には、穿刺部材10の基端側は、例えば図1に示す被検者の体外の位置まで延在しており、中空部11は、穿刺部材10の基端開口で外部と連通する。中空部11には、穿刺部材10の基端開口から、生体組織に投与される被投与物としての流体を供給することができる。中空部11に供給される流体は、例えば、細胞、当該細胞を生体組織に接着させる機能を有する細胞外基質線維芽細胞成長因子(bFGF)製剤などの成長因子造影剤、及び、生体適合性材料のうちの1以上を含む。

0020

被投与物としての細胞は、例えば、接着細胞付着性細胞)を含む。接着細胞は、例えば、接着性体細胞(例えば、心筋細胞線維芽細胞上皮細胞内皮細胞肝細胞膵細胞腎細胞副腎細胞、歯根膜細胞歯肉細胞骨膜細胞、皮膚細胞滑膜細胞軟骨細胞など)及び幹細胞(例えば、筋芽細胞心臓幹細胞などの組織幹細胞胚性幹細胞、iPS(induced pluripotent stem)細胞などの多能性幹細胞間葉系幹細胞等)などを含む。体細胞は、幹細胞、特にiPS細胞から分化させたものであってもよい。被投与物としての細胞の非限定例としては、例えば、筋芽細胞(例えば、骨格筋芽細胞など)、間葉系幹細胞(例えば、骨髄脂肪組織末梢血、皮膚、毛根筋組織子宮内膜胎盤臍帯血由来のものなど)、心筋細胞、線維芽細胞、心臓幹細胞、胚性幹細胞、iPS細胞、滑膜細胞、軟骨細胞、上皮細胞(例えば、口腔粘膜上皮細胞網膜色素上皮細胞鼻粘膜上皮細胞など)、内皮細胞(例えば、血管内皮細胞など)、肝細胞(例えば、肝実質細胞など)、膵細胞(例えば、膵島細胞など)、腎細胞、副腎細胞、歯根膜細胞、歯肉細胞、骨膜細胞、皮膚細胞等が挙げられる。

0021

被投与物としての細胞外基質は、例えば、心筋腎臓膀胱軟骨等、各組織、臓器中に存在する非細胞性の構成成分を含む。細胞外基質は、例えば、心筋、軟骨などの臓器をホモジナイズすることで、抽出することができる。細胞外基質の組成物は、主に繊維状タンパク質構造タンパク質グリコサミノグリカンなどで構成され、以下のものを含む全ての型のコラーゲン原繊維I型II型III型V型、XI型);facit(IX型、XII型、XIV型);短鎖(VIII型、X型)、基底膜(IV型)、及び他のもの(VI型、VII型、XIII型)、エラスチンフィブロネクチンフィブリノーゲンフィビュリンカドヘリンラミニンアグリンエンクチンテネイシンリンクタンパク質プロテオグリカンアグリカンパールカンバーシカンニューロカンブレビカンデコリンビグリカンセルグリシンシンデカングリピカンルミカンケラトカン、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンヒアルロン酸キチンなどを含む。また、細胞外基質の個々の組成物の比率は、その組織を構成する組成物の比率に依存する。

0023

図2及び図3に示すように、突出部材30は、図2に示す収容状態と、図3に示す突出状態と、の間を変形可能である。図2に示す収容状態では、突出部材30は、穿刺部材10の外面13よりも径方向外側に突出しない。一方、図3に示す突出状態では、突出部材30は、穿刺部材10の外面13よりも径方向外側に突出する。突出部材30は、穿刺部材10の中空部11の内圧の上昇により、連通孔12の位置で収容状態から突出状態に形態変化する。

0024

図2及び図3に示す例では、突出部材30は、突起部31と、変形部32と、を備える。突起部31は、変形部32よりも径方向外側であって、連通孔12の位置で、変形部32に固定されている。変形部32は、可撓性の部材で構成され、例えば連結部33で内面14と連結している。変形部32は、中空部11と連通孔12との連通を遮るように配置されている。すなわち、中空部11内の流体等の物質は連通孔12を通じて排出されることはなく、医療器具1の外部の物質は連通孔12を通じて中空部11内に導入されることはない。変形部32は、中空部11の内圧が所定値未満であるときは、突起部31が穿刺部材10の外面13よりも径方向外側に突出せず、中空部11の内圧が当該所定値以上であるときは、突起部31が連通孔12を通じて穿刺部材10の外面13よりも径方向外側に突出するように、変形する。なお、本実施形態の変形部32は、中空部11の内圧が大気圧と等しい自然状態の場合に、図2に示す形状が保持される。中空部11の内圧が所定値以上になると図3に示す形状になるが、内圧が小さくなり、大気圧と等しい状態に戻ると、変形部32の例えば弾性力などの復元力により、図2の形状に復元する。

0025

詳細には、例えば、突出部材30が図2に示す収容状態である場合において、穿刺部材10が生体組織に穿刺され、被投与物としての流体が中空部11に供給されると、先端開口15を通じて基端方向に加えられる生体組織からの注入抵抗によって、中空部11の内圧が上昇する。中空部11の内圧が所定値以上に上昇すると、図3に示すように、突出部材30の変形部32が、突起部31が連通孔12を通じて穿刺部材10の外面13よりも径方向外側に突出するように、変形する。これにより、穿刺部材10の径方向外側に位置する生体組織により、突出部材30を介して穿刺部材10が径方向内側に押圧され、穿刺部材10が生体組織内に固定される。また、突起部31を生体組織に食い込ませるようにすれば、穿刺部材10の生体組織内での固定性能を、より高めることができる。その後、流体の中空部11への供給が終了すると、中空部11の内圧が所定値未満に下降し、突出部材30の変形部32が、突起部31が連通孔12を通じて穿刺部材10の外面13よりも径方向外側に突出しないように、変形する。

0026

上述のように、本態様の医療器具1によれば、穿刺部材10を生体組織に穿刺する際には、突出部材30を収容状態とすることで、容易に穿刺部材10を生体組織に穿刺することができる。穿刺部材10を生体組織に穿刺した後、突出部材30を突出状態に形態変化させることで、穿刺部材10を生体組織内に固定することができる。特に、生体組織からの注入抵抗による基端方向への力が穿刺部材10に発生しても、突出部材30が突出状態に形態変化することにより、抜去されることを抑制できる。その後、例えば生体組織への被投与物の投与を完了した後に、突出部材30を収容状態に更に形態変化させることで、穿刺部材10を生体組織から容易に抜去することができる。

0027

図2及び図3に示す例では、穿刺部材10は、連通孔12としての4つの連通孔12a〜12dを区画する。連通孔12a及び連通孔12bは、軸方向で同じ位置、かつ、穿刺部材10の周方向(以下、単に「周方向」と称する。)で異なる位置、に配置される。連通孔12c及び連通孔12dは、軸方向で同じ位置、かつ、周方向で異なる位置、に配置される。連通孔12a及び連通孔12cは、軸方向で異なる位置(図2及び図3では、連通孔12cの方が連通孔12aよりも基端側の位置)、かつ、周方向で同じ位置、に配置される。連通孔12b及び連通孔12dは、軸方向で異なる位置(図2及び図3では、連通孔12dの方が連通孔12bよりも基端側の位置)、かつ、周方向で同じ位置、に配置される。

0028

そして、図2及び図3に示す例では、突出部材30としての4つの突出部材30a〜30dが、4つの連通孔12a〜12dに対応する位置にそれぞれ配置されている。すなわち、連通孔12aに対応する位置に突出部材30aが配置され、連通孔12bに対応する位置に突出部材30bが配置され、連通孔12cに対応する位置に突出部材30cが配置され、連通孔12dに対応する位置に突出部材30dが配置されている。

0029

このように、本態様の医療器具1は、周方向で互いに異なる位置に配置された複数の突出部材30を備える。さらに、本態様の医療器具1は、軸方向で異なる位置に配置された複数の突出部材30を備える。これにより、これら複数の突出部材30を突出状態に形態変化させることで、穿刺部材10を生体組織内により強固に固定することができる。

0030

突出部材30の突起部31には、生体組織との接触状態を検知可能な検知部材が設けられていてもよい。検知部材の詳細については、後述する第2の態様の医療器具100の検知部材140と同様であるので、ここでは説明を省略する。

0031

図4は、医療器具1を用いて実行される穿刺部材固定方法を示すフローチャートである。図4に示すように、医療器具1を用いて実行される穿刺部材固定方法は、穿刺工程S11と、投与開始工程S12と、固定工程S13と、投与終了工程S14と、固定解除工程S15と、抜去工程S16と、を含む。

0032

穿刺工程S11では、先端部8で外部に連通する中空部11を区画する穿刺部材10を、先端部8から生体組織に穿刺する。具体的には、例えば、図1に示したように、カテーテル200を通じて左心室LVまでデリバリーされた医療器具1の穿刺部材10の先端部8を、カテーテル200から突出させて、生体組織としての左心室LVの内壁に穿刺させる。このとき、突出部材30は収容状態を維持している。医療器具1の操作は、医療従事者等の操作者が、被検者の体外に位置する医療器具1の基端側の一部を操作することで行える。

0033

投与開始工程S12では、穿刺工程S11の後、医療器具1の穿刺部材10の中空部11に、細胞等の被投与物としての流体の供給を開始し、当該流体の生体組織への投与を開始する。

0034

固定工程S13では、投与開始工程S12の後、突出部材30を穿刺部材10の外面13よりも径方向外側に突出させることで、穿刺部材10を生体組織内に固定する。具体的には、投与開始工程S12で中空部11に流体が供給されると、注入抵抗によって中空部11の内圧が上昇する。中空部11の内圧が所定値以上に上昇すると、突出部材30が突出状態に形態変化して、突出部材30が穿刺部材10の外面13よりも径方向外側に突出する。これにより、生体組織により、突出部材30を介して穿刺部材10が径方向内側に押圧されるため、穿刺部材10が生体組織内に固定される。

0035

投与終了工程S14では、固定工程S13の後、医療器具1の穿刺部材10の中空部11への、細胞等の被投与物としての流体の供給を終了し、当該流体の生体組織への投与を終了する。

0036

固定解除工程S15では、投与終了工程S14の後、突出部材30を穿刺部材10の外面13よりも径方向外側に突出させない状態に形態変化させることで、穿刺部材10の生体組織内への固定を解除する。具体的には、投与終了工程S14で中空部11への流体の供給が終了すると、中空部11の内圧が下降する。中空部11の内圧が所定値未満に下降すると、突出部材30が収容状態に形態変化して、突出部材30が穿刺部材10の外面13よりも径方向外側に突出しない状態に変化する。これにより、穿刺部材10の生体組織内への固定が解除される。なお、固定解除工程S15では、中空部11内の内圧を吸引等により減圧してもよい。

0037

抜去工程S16では、固定解除工程S15の後、穿刺部材10を生体組織から抜去する。

0038

上述のように、本態様の医療器具1を用いて実行される穿刺部材固定方法によれば、穿刺部材10を生体組織に穿刺する際には、突出部材30を収容状態とすることで、容易に穿刺部材10を生体組織に穿刺することができる。穿刺部材10を生体組織に穿刺した後、突出部材30を突出状態に形態変化させることで、穿刺部材10を生体組織内に固定することができる。そして、突出部材30を収容状態に更に形態変化させることで、穿刺部材10を生体組織から容易に抜去することができる。

0039

本態様の医療器具1は、上記の例では、突出部材30が、中空部11の内圧の上昇により、連通孔12の位置で収容状態から突出状態に形態変化するとして説明したが、突出部材30が突出状態と収容状態との間を変形する機構は、上述の機構には限定されない。

0040

図5は、医療器具1の第1の変形例としての医療器具1aにおける突出部材40が収容状態であるときの、医療器具1aの先端部8を含む一部を示す縦断面図である。図6は、突出部材40が突出状態であるときの、医療器具1aの先端部8を含む一部を示す縦断面図である。図5及び図6に示すように、医療器具1aは、穿刺部材10と、突出部材40と、を備える。医療器具1aが備える穿刺部材10は、上述した医療器具1が備える穿刺部材10と同様であるので、ここでは説明を省略する。

0041

図5及び図6に示すように、突出部材40は、図5に示す収容状態と、図6に示す突出状態と、の間を変形可能である。図5に示す収容状態では、突出部材40は、穿刺部材10の外面13よりも径方向外側に突出しない。一方、図6に示す突出状態では、突出部材40は、穿刺部材10の外面13よりも径方向外側に突出する。後述するように、突出部材40は、所定の変形操作が加えられることにより、連通孔12の位置で収容状態と突出状態との間を変形する。

0042

図5及び図6に示す例では、突出部材40は、突起部41と、変形部としてのバルーン42と、管状部44と、を備える。突起部41は、バルーン42よりも径方向外側であって、連通孔12の位置で、バルーン42に固定されている。バルーン42は、伸縮性を有する部材で構成された中空のバルーンであり、例えば連結部43で内面14と連結されている。本例では、連通孔12a及び12cに対応するバルーン42と、連通孔12b及び12dに対応するバルーン42と、が別個に構成されている。管状部44は、中空部としてのルーメン45を内部に区画する長尺体であり、バルーン42の内部にルーメン45の一端が連通し、ルーメン45の他端が外部に連通している。

0043

図6に示すように、バルーン42は、当該バルーン42の内部に、管状体44のルーメン45を通じて生理食塩水等の流動体が導入された状態では、突起部41が連通孔12を通じて穿刺部材10の外面13よりも径方向外側に突出するように、膨張した状態となる。一方、図5に示すように、バルーン42は、当該バルーン42の内部に当該流動体が導入されていない状態、又は、当該バルーン42の内部から管状体44のルーメン45を通じて当該流動体が排出された状態では、突起部41が連通孔12を通じて穿刺部材10の外面13よりも径方向外側に突出しないように、収縮した状態となる。

0044

図5及び図6に示す例では、突出部材40としての4つの突出部材40a〜40dが、4つの連通孔12a〜12dに対応する位置にそれぞれ配置されている。すなわち、連通孔12aに対応する位置に突出部材40aが配置され、連通孔12bに対応する位置に突出部材40bが配置され、連通孔12cに対応する位置に突出部材40cが配置され、連通孔12dに対応する位置に突出部材40dが配置されている。

0045

突出部材40は、上述のような構成には限定されない。例えば、突出部材40は、各連通孔12に対応する複数の突起部41と、1つのバルーン42と、を備えてもよい。例えば、医療器具1aは、連通孔12a及び12cに対応するバルーン42を備える突出部材40と、連通孔12b及び12dに対応するバルーン42を備える突出部材40と、を備えていてもよい。或いは、医療器具1aは、連通孔12a〜12dの全てに対応する1つの筒状のバルーン42を備える突出部材40を備えていてもよい。或いは、医療器具1aは、連通孔12a及び12bに対応する筒状のバルーン42を備える突出部材40と、連通孔12c及び12dに対応する筒状のバルーン42を備える突出部材40と、を備えていてもよい。また、管状体44は、複数のバルーン42それぞれに対応して複数備えられていても、複数のバルーン42のうちの2つ以上のバルーン42に対応していてもよい。

0046

図7は、医療器具1の第2の変形例としての医療器具1bにおける突出部材50が収容状態であるときの、医療器具1bの先端部8を含む一部を示す縦断面図である。図8は、突出部材50が突出状態であるときの、医療器具1bの先端部8を含む一部を示す縦断面図である。図7及び図8に示すように、医療器具1bは、穿刺部材10と、突出部材50と、を備える。医療器具1bが備える穿刺部材10は、上述した医療器具1及び1aが備える穿刺部材10と同様であるので、ここでは説明を省略する。

0047

図7及び図8に示すように、突出部材50は、図7に示す収容状態と、図8に示す突出状態と、の間を変形可能である。図7に示す収容状態では、突出部材50は、穿刺部材10の外面13よりも径方向外側に突出しない。一方、図8に示す突出状態では、突出部材50は、穿刺部材10の外面13よりも径方向外側に突出する。後述するように、突出部材50は、所定の変形操作が加えられることにより、連通孔12の位置で収容状態と突出状態との間を変形する。

0048

図7及び図8に示す例では、突出部材50は、変形部51と、長尺体52と、を備える。変形部51は、変形可能な板バネ等で構成され、連通孔12の位置に配置されている。変形部51は、穿刺部材10の先端側に位置する一端54で穿刺部材10に固定され、穿刺部材10の基端側に位置する他端55で長尺体52と連結している。変形部51は、自然状態では、連通孔12を通じて穿刺部材10の外面13よりも径方向外側に突出するように、屈曲した状態で形状記憶されている。長尺体52は、先端側で変形部51の他端55と連結し、基端側で外部に連通している。

0049

図7に示すように、変形部51は、長尺体52を通じて他端55に基端側への張力が加えられている状態では、一端54が穿刺部材10に固定されたまま、他端55が穿刺部材10の基端側に引き込まれるため、伸張し、連通孔12を通じて穿刺部材10の外面13よりも径方向外側に突出しない。一方、図8に示すように、変形部51は、他端55に基端側への張力が加えられていない状態では、形状記憶により屈曲するため、他端55が穿刺部材10の先端側に移動して、連通孔12を通じて穿刺部材10の外面13よりも径方向外側に突出する。

0050

図9は、医療器具1の第3の変形例としての医療器具1cにおける突出部材60が収容状態であるときの、医療器具1cの先端部8を含む一部を示す縦断面図である。図10は、突出部材60が突出状態であるときの、医療器具1cの先端部8を含む一部を示す縦断面図である。図9及び図10に示すように、医療器具1cは、穿刺部材10と、突出部材60と、を備える。医療器具1cが備える穿刺部材10は、上述した医療器具1、1a及び1bが備える穿刺部材10と同様であるので、ここでは説明を省略する。

0051

図9及び図10に示すように、突出部材60は、図9に示す収容状態と、図10に示す突出状態と、の間を変形可能である。図9に示す収容状態では、突出部材60は、穿刺部材10の外面13よりも径方向外側に突出しない。一方、図10に示す突出状態では、突出部材60は、穿刺部材10の外面13よりも径方向外側に突出する。後述するように、突出部材60は、所定の変形操作が加えられることにより、連通孔12の位置で収容状態と突出状態との間を変形する。

0052

図9及び図10に示す例では、突出部材60は、変形部61と、長尺体62と、を備える。変形部61は、変形可能な板バネ等で構成され、連通孔12の位置に配置されている。変形部61は、穿刺部材10の先端側に位置する一端64で長尺体62と連結しており、穿刺部材10の基端側に位置する他端65で穿刺部材10に固定されている。変形部61は、自然状態では、連通孔12を通じて穿刺部材10の外面13よりも径方向外側に突出することがないように、伸張した状態で形状記憶されている。長尺体62は、先端側で変形部61の一端64と連結し、基端側で外部に連通している。

0053

図9に示すように、変形部61は、長尺体62を通じて一端64に基端側への張力が加えられていない状態では、形状記憶により伸張するため、連通孔12を通じて穿刺部材10の外面13よりも径方向外側に突出しない。一方、図10に示すように、変形部61は、長尺体62を通じて一端64に基端側への張力が加えられている状態では、他端65が穿刺部材10に固定されたまま、一端64が穿刺部材10の基端側に移動するため、屈曲し、連通孔12を通じて穿刺部材10の外面13よりも径方向外側に突出する。

0054

(第2の態様)
図11は、本開示の第2の態様としての医療器具100の先端部8を含む一部を示す縦断面図である。医療器具100は、図1を参照して示した医療器具1と同様に、例えば長尺状であり、筒状のカテーテル200を通じて、被検者の体外に基端が位置し、心臓内腔の左心室LVに先端部8が位置するように延在した状態で、用いることができる。

0055

図11に示すように、医療器具100は、穿刺部材110と、複数の検知部材140と、を備える。図11に示すように、穿刺部材110の先端部は、医療器具100の先端部8を構成している。以下、医療器具100の先端部8を、穿刺部材110の先端部と区別することなく、「先端部8」と記載する。穿刺部材110は、先端部8から左心室LV(図1参照)の内壁等の生体組織に穿刺可能な長尺状の部材である。図11に示す例では、穿刺部材110は、先端部8に区画された先端開口115で外部に連通する中空部111を、内面114で区画する。穿刺部材110は、軸方向に対して傾斜した刃面116を先端部8に備え、中空部111は刃面116に区画された先端開口115を通じて外部に連通する。

0056

中空部111は、穿刺部材110の基端側で、外部と連通していてもよい。詳細には、穿刺部材110の基端側は、被検者の体外の位置まで延在しており、中空部111は、穿刺部材110の基端開口で外部と連通する。中空部111には、穿刺部材110の基端開口から、生体組織に投与される被投与物としての流体を供給することができる。中空部111に供給される流体は、例えば、細胞、当該細胞を生体組織に接着させる機能を有する細胞外基質、線維芽細胞成長因子(bFGF)製剤などの成長因子、造影剤、及び、生体適合性材料のうちの1以上を含む。本態様で用いられる被投与物としての細胞、細胞外基質、及び、生体適合性材料は、上述の第1の態様で例示したものとそれぞれ同様である。

0057

複数の検知部材140それぞれは、接触センサー等で構成され、生体組織との接触状態を検知可能である。詳細には、複数の検知部材140それぞれは、生体組織との接触状態を示す情報としての接触有無の情報を取得し、当該接触有無の情報を、信号線145等を通じて被検者の体外に出力可能である。出力された接触有無の情報は、表示部等の通知手段によって、医療従事者等の医療器具100の操作者に通知される。

0058

図11に示すように、複数の検知部材140は、穿刺部材110の周方向で互いに異なる位置に設けられた第1検知部材141及び第2検知部材142により、一対の穿刺検知部を構成している。一対の穿刺検知部としての第1検知部材141及び第2検知部材142は、穿刺部材110の生体組織への穿刺状態を検知可能である。第1検知部材141及び第2検知部材142による穿刺状態の検知の詳細については、後述する。

0059

図11に示すように、本態様の複数の検知部材140は、一対の穿刺検知部としての第1検知部材141及び第2検知部材142よりも穿刺部材110の基端側に設けられた第3検知部材143により、深さ検知部を構成している。深さ検知部としての第3検知部材143は、穿刺部材110の生体組織への穿刺の深さを検知可能である。第3検知部材143による穿刺の深さの検知の詳細については、後述する。

0060

図11に示すように、本態様の複数の検知部材140は、一対の穿刺検知部としての第1検知部材141及び第2検知部材142よりも穿刺部材110の基端側に設けられた、深さ検知部としての第4検知部材144を更に含む。深さ検知部としての第4検知部材144は、穿刺部材110の生体組織への穿刺の深さを検知可能である。第4検知部材144による穿刺の深さの検知の詳細については、後述する。

0061

深さ検知部としての第4検知部材144は、深さ検知部としての第3検知部材143と共に、一対の傾き検知部を構成する。一対の傾き検知部としての第3検知部材143及び第4検知部材144は、穿刺部材110の生体組織への穿刺の傾きを検知可能である。第3検知部材143及び第4検知部材144による穿刺の傾きの検知の詳細については、後述する。

0062

図11には、複数の検知部材140として、第1検知部材141、第2検知部材142、第3検知部材143、及び第4検知部材144の4つを図示したが、複数の検知部材140は5つ以上であってもよい。さらに、複数の検知部材140は、一対の穿刺検知部としての第1検知部材141及び第2検知部材142のみであってもよい。ただし、複数の検知部材140は、深さ検知部及び一対の傾き検知部としての第3検知部材143及び第4検知部材144を含む方が、穿刺部材110の生体組織への穿刺の深さ及び傾きを検知できる点で好ましい。

0063

図11に示すように、本態様の穿刺部材110は、径方向外側に突出する突起部130を備える。複数の検知部材140は、突起部130に設けられる。穿刺部材110の突起部130は、1つであってもよいし、複数であってもよい。1つの突起部130は、穿刺部材110の周方向に延在してもよく、その場合、1つの突起部130に複数の検知部材140が含まれていてもよい。或いは、複数の突起部130が備えられ、複数の検知部材140それぞれは、対応する突起部130に1つずつ設けられていてもよい。穿刺部材110は、突起部130を備えることで、穿刺部材110が生体組織に穿刺された状態で、突起部130により穿刺部材110が生体組織に対して係止されるため、穿刺部材110が偶発的に生体組織から抜去されることを抑制することができる。

0064

突起部130は、穿刺部材110の先端に位置する針先117から基端側への所定範囲内には、設けられていないことが好ましい。具体的には、突起部130は、針先117から刃面116の基端118までの軸方向に沿う距離の2倍以上、針先117から基端側に離れた位置に設けられていることが好ましい。これにより、突起部130により穿刺部材110が生体組織に対して係止されている場合には、穿刺部材110が生体組織にある程度の深さ以上だけ穿刺されていると判定することができる。

0065

なお、上述したように、第1の態様で示す突起部31(図2等参照)に、検知部材140が設けられていてもよい。

0066

図12は、医療器具100の穿刺部材110の生体組織300への穿刺状態の第1の例を示す図である。図12に示す例では、第1検知部材141及び第2検知部材142は、生体組織300と接触している。一方、第3検知部材143及び第4検知部材144は、生体組織300と接触していない。この場合、一対の穿刺検知部としての第1検知部材141及び第2検知部材142は、共に生体組織300との接触有りの情報を出力するので、これらの情報に基づいて、医療器具100の操作者は、穿刺部材110が生体組織300に適切に穿刺されていると判定することができる。さらに、深さ検知部としての第3検知部材143、深さ検知部としての第4検知部材144は、共に、生体組織300との接触無しの情報を出力するので、これらの情報に基づいて、医療器具100の操作者は、穿刺部材110が生体組織300に一定深さまでは穿刺されていないと判定することができる。換言すれば、医療器具100の操作者は、穿刺部110が、生体組織300の厚さに対して、過度な深さまで穿刺されることなく、適切に穿刺されていると判定することができる。

0067

図13は、医療器具100の穿刺部材110の生体組織への穿刺状態の第2の例を示す図である。図13に示す例では、第2検知部材142は、生体組織300と接触している。一方、第1検知部材141、第3検知部材143、及び第4検知部材144は、生体組織300と接触していない。この場合、一対の穿刺検知部としての第1検知部材141及び第2検知部材142は、一方が生体組織300との接触有り、他方が生体組織300との接触無しの情報を出力するので、これらの情報に基づいて、医療器具100の操作者は、穿刺部材110が生体組織300に適切には穿刺されていないこと、又は、適切に穿刺されていない可能性が高いこと、を判定することができる。図13に示す例では、穿刺部材110は生体組織300の表面301に対して大きく傾いて穿刺されており、先端開口115の一部が生体組織300の外部に位置している。すなわち、穿刺部材110が適切に穿刺されていない状態である。さらに、深さ検知部としての第3検知部材143、深さ検知部としての第4検知部材144は、共に、生体組織300との接触無しの情報を出力するので、これらの情報に基づいて、医療器具100の操作者は、穿刺部材110が生体組織300に一定深さまでは穿刺されていないと判定することができる。

0068

図14は、医療器具100の穿刺部材110の生体組織への穿刺状態の第3の例を示す図である。図14に示す例では、第1検知部材141、第2検知部材142、第3検知部材143、及び第4検知部材144は、生体組織300と接触している。この場合、一対の穿刺検知部としての第1検知部材141及び第2検知部材142は、共に生体組織300との接触有りの情報を出力するので、これらの情報に基づいて、医療器具100の操作者は、穿刺部材110が生体組織300に適切に穿刺されていると判定することができる。さらに、深さ検知部としての第3検知部材143、深さ検知部としての第4検知部材144は、共に、生体組織300との接触有りの情報を出力するので、これらの情報に基づいて、医療器具100の操作者は、穿刺部材110が生体組織300に一定深さ以上まで穿刺されていると判定することができる。また、深さ検知部としての第3検知部材143、深さ検知部としての第4検知部材144の長軸方向の位置と、生体組織300の厚さとの関係により、医療器具100の操作者は、穿刺部材110が生体組織300に過度な深さまで穿刺されていると判定することができ、不適切に穿刺されていると判定することもできる。

0069

図15は、医療器具100の穿刺部材110の生体組織への穿刺状態の第4の例を示す図である。図15に示す例では、第1検知部材141、第2検知部材142、及び第4検知部材144は、生体組織300と接触している。一方、第3検知部材143は、生体組織300と接触していない。この場合、一対の穿刺検知部としての第1検知部材141及び第2検知部材142は、共に生体組織300との接触有りの情報を出力するので、これらの情報に基づいて、医療器具100の操作者は、穿刺部材110が生体組織300に適切に穿刺されていると判定することができる。さらに、深さ検知部としての第4検知部材144は、生体組織300との接触有りの情報を出力するので、これらの情報に基づいて、医療器具100の操作者は、穿刺部材110が生体組織300に一定深さ以上まで穿刺されていると判定することができる。また、一対の傾き検知部としての第3検知部材143及び第4検知部材144は、一方(本例では第4検知部材144)が生体組織300との接触有り、他方(本例では第3検知部材143)が生体組織300との接触無しの情報を出力するので、これらの情報に基づいて、医療器具100の操作者は、穿刺部材110が生体組織300に対して傾いて穿刺されていると判定することができる。

0070

このように、本態様の医療器具100によれば、一対の穿刺検知部としての第1検知部材141及び第2検知部材142を備えることで、穿刺部材110が生体組織300に適切に穿刺されているか否かを判定可能である。また、本態様の医療器具100によれば、深さ検知部としての第3検知部材143、又は深さ検知部としての第4検知部材144を更に備えることで、穿刺部材110が生体組織300に適切に穿刺された上で、更に穿刺部材110が生体組織300に十分に深さで穿刺されているか否かを判定可能である。さらに、本態様の医療器具100によれば、一対の傾き検知部としての第3検知部材143及び第4検知部材144を備えることで、穿刺部材110が生体組織300に適切に穿刺された上で、更に穿刺部材110が生体組織300に対して傾いて穿刺されているか否かを判定可能である。

0071

図16は、医療器具100の突起部130の第1の変形例を示す図である。図16に示すように、突起部130は、穿刺部材110の外面113で螺旋状に延在する螺旋状突起部136であってもよい。換言すれば、螺旋状突起部136は、周方向及び軸方向に延在する。このように、医療器具100が螺旋状突起部136を備えることで、穿刺部材110を周方向に回転させながら生体組織に穿刺すれば、穿刺部材110が螺旋状突起部136に沿って生体組織に穿刺されるので、生体組織の損傷を抑制することができる。このような螺旋状突起部136に対して検知部材140を設けることにより、上述の穿刺検知部、深さ検知部、傾き検知部を構成してもよい。

0072

図17は、医療器具100の突起部130の第2の変形例を示す図である。図17に示すように、医療器具100は、周方向で互いに同じ位置に、複数の突起部130としての第1突起部131、第2突起部132、第3突起部133、第4突起部134、及び第5突起部135を備えてもよい。

0073

第2突起部132は、第1突起部131よりも基端側に位置し、第1突起部131よりも径方向外側への突出量が大きい。従って、第1突起部131及び第2突起部132は、周方向で互いに同じ位置、かつ、軸方向で互いに異なる位置に位置する一対の突起部を構成し、当該一対の突起部のうち、基端側に位置する突起部である第2突起部132の方が、先端側に位置する突起部である第1突起部131よりも、径方向外側への突出量が大きい。

0074

第3突起部133は、第2突起部132よりも基端側に位置し、第2突起部132よりも径方向外側への突出量が大きい。従って、第2突起部132及び第3突起部133は、周方向で互いに同じ位置、かつ、軸方向で互いに異なる位置に位置する一対の突起部を構成し、当該一対の突起部のうち、基端側に位置する突起部である第3突起部133の方が、先端側に位置する突起部である第2突起部132よりも、径方向外側への突出量が大きい。

0075

このように、医療器具100は、上述した一対の突起部を備えることで、穿刺部材110を生体組織に穿刺する際、穿刺部材110の径方向外側に位置する生体組織を、径方向外側への突出量が小さい先端側の突起部で径方向外側に押し退けてから、径方向外側への突出量が大きい基端側の突起部が通過することになる。従って、先端側の突起部を設けない場合よりも穿刺抵抗を軽減することができる。

0076

第4突起部134は、第3突起部133よりも基端側に位置し、第3突起部133よりも径方向外側への突出量が小さい。従って、第4突起部134は、一対の突起部としての第2突起部132及び第3突起部133と周方向で同じ位置、かつ、一対の突起部としての第2突起部132及び第3突起部133よりも基端側に位置し、径方向外側への突出量が一対の突起部としての第2突起部132及び第3突起部133のうちの基端側に位置する第3突起部133よりも小さい、基端側突起部を構成する。さらに、基端側突起部としての第4突起部134の径方向外側の先端を含む表面は、湾曲している。詳細には、基端側突起部としての第4突起部134の径方向外側の先端を含む表面の曲率は、第3突起部133の径方向外側の先端を含む表面の曲率よりも、小さい。

0077

第5突起部135は、第4突起部134よりも基端側に位置し、第4突起部134よりも径方向外側への突出量が小さい。従って、第5突起部135は、第4突起部134と同様に、基端側突起部を構成する。さらに、基端側突起部としての第5突起部135の径方向外側の先端を含む表面は、湾曲している。詳細には、基端側突起部としての第5突起部135の径方向外側の先端を含む表面の曲率は、第3突起部133の径方向外側の先端を含む表面の曲率よりも、小さい。

0078

このように、医療器具100は、上述した基端側突起部を備えることで、穿刺部材110を生体組織から抜去する際、穿刺部材110の径方向外側に位置する生体組織を、径方向外側への突出量が小さい基端側突起部で径方向外側に押し退けてから、径方向外側への突出量が大きい、上述した一対の突起部のうちの基端側に位置する突起部が通過することになる。従って、基端側突起部を設けない場合よりも抜去の抵抗を軽減することができる。

0079

さらに、上述した基端側突起部の径方向外側の先端を含む表面が湾曲しているので、穿刺部材110を生体組織から抜去する際に、生体組織への損傷を抑制することができる。逆に、第1突起部131、第2突起部132及び第3突起部133の径方向外側の先端を含む表面の曲率を、基端側突起部としての第4突起部134及び第5突起部135の径方向外側の先端を含む表面の曲率よりも大きくすることで、第1突起部131、第2突起部132及び第3突起部133が、切れ刃として作用し易くなる。つまり、穿刺時に、生体組織を径方向外側に押し退けるのみならず、生体組織を切り裂くことで、第4突起部134及び第5突起部135の曲率よりも小さい構成と比較して、挿入抵抗を低減することができる。

0080

図18は、医療器具100を用いて実行される穿刺状態判定方法を示すフローチャートである。図18に示すように、医療器具100を用いて実行される穿刺状態判定方法は、穿刺工程S21と、接触検知工程S22と、判定工程S23と、投与工程S24と、を含む。

0081

穿刺工程S21では、医療器具100の長尺状の穿刺部材110を、先端部8から生体組織に穿刺する。具体的には、例えば、第1の態様について図1に示したように、カテーテル200を通じて左心室LVまでデリバリーされた医療器具100の穿刺部材110の先端部8を、カテーテル200から突出させて、生体組織としての左心室LVの内壁に穿刺させる。医療器具100の操作は、医療従事者等の操作者が、被検者の体外に位置する医療器具100の基端側の一部を操作することで行える。

0082

接触検知工程S22では、穿刺部材110の周方向で互いに異なる位置に設けられた一対の穿刺検知部としての第1検知部材141及び第2検知部材142で、生体組織との接触状態を検知する。さらに、接触検知工程S22では、一対の穿刺検知部としての第1検知部材141及び第2検知部材142よりも穿刺部材110の基端側に設けられた、第3検知部材143及び第4検知部材144で、生体組織との接触状態を検知してもよい。

0083

判定工程S23では、接触検知工程S22の結果に基づいて、穿刺部材110の生体組織への穿刺状態を判定する。詳細には、一対の穿刺検知部としての第1検知部材141及び第2検知部材142が、共に生体組織との接触有りの情報を出力する場合、これらの情報に基づいて、医療器具100の操作者は、穿刺部材110が生体組織に適切に穿刺されていると判定する。一方、一対の穿刺検知部としての第1検知部材141及び第2検知部材142のうち、少なくとも一方が生体組織との接触無しの情報を出力する場合、これらの情報に基づいて、医療器具100の操作者は、穿刺部材110が生体組織に適切に穿刺されていない、又は、その可能性が高いと判定する。接触検知工程S22で、第3検知部材143及び第4検知部材144で生体組織との接触状態を検知する場合、これらの情報に基づいて、医療器具100の操作者は、図12図15を参照して上述した通り、穿刺部材110の生体組織への穿刺深さ及び傾きを判定することができる。

0084

投与工程S24では、医療器具100の操作者は、判定工程S23の判定結果により、穿刺部材110が生体組織に適切に穿刺されていると判断すると、医療器具100の穿刺部材110の中空部111に、細胞等の被投与物としての流体を供給し、当該流体を生体組織に投与する。

0085

本発明は、上述した各実施形態で特定された構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した内容を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。

0086

本開示は、医療器具及び穿刺部材固定方法に関する。

0087

1、1a、1b、1c、100:医療器具
8:医療器具の先端部
10、110:穿刺部材
11、111:中空部
12、12a〜12d:連通孔
13、113:穿刺部材の外面
14、114:穿刺部材の内面
15、115:先端開口
16、116:刃面
30、30a〜30d、40、40a〜40d、50、60:突出部材
31、41:突起部
32、51、61:変形部
33、43:連結部
42:バルーン
44:管状部
45:ルーメン
52、62:長尺体
54、64:変形部の一端
55、65:変形部の他端
117:針先
118:刃面の基端
130:突起部
131:第1突起部
132:第2突起部
133:第3突起部
134:第4突起部
135:第5突起部
136:螺旋状突起部
140:検知部材
141:第1検知部材
142:第2検知部材
143:第3検知部材
144:第4検知部材
145:信号線
200:カテーテル
300:生体組織
301:生体組織の表面
AO:大動脈
AV:大動脈弁
FA:大腿動脈
LV:左心室
O:中心軸

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