図面 (/)

技術 弾性表面波素子

出願人 京セラ株式会社
発明者 山本大輔奥道武宏
出願日 2019年5月16日 (11ヶ月経過) 出願番号 2019-093069
公開日 2019年9月12日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-154065
状態 未査定
技術分野 弾性表面波素子とその回路網
主要キーワード シミュレーション計算結果 グラフ横軸 膜厚特性 付加符号 無次元量 温度補償効果 広ピッチ ストリップ電極
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年9月12日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (14)

課題

帯域となるべき周波数において、主としてバルク波要因とする複数のスプリアスを低減するSAW素子弾性表面波素子)を提供する。

解決手段

SAW素子1は、圧電基板7と、該圧電基板の下面に貼り合わされている支持基板9からなる貼り合わせ基板3と、圧電基板の上面上に位置しているIDT電極11及び反射器13とを有している。IDT電極を含む共振子5の共振周波数および反共振周波数は、最も周波数が低いバルク波スプリアスの周波数と、その次に周波数が低いバルク波スプリアスの周波数との間に収まっている。

概要

背景

圧電基板と、圧電基板の主面上に設けられたIDT(InterDigital Transducer)電極とを有するSAW素子が知られている(例えば特許文献1)。このようなSAW素子は、例えば、デュプレクサ受信フィルタまたは送信フィルタに利用されている。特許文献1では、圧電基板を単体でSAW素子に用いるのではなく、圧電基板と当該圧電基板に比較して熱膨張係数の小さい支持基板とを貼り合せた貼り合せ基板をSAW素子に用いている。このような貼り合せ基板を利用することによって、例えば、SAW素子の電気特性温度変化補償される。

また、特許文献1では、貼り合わせ基板を用いると、スプリアスが生じること、そのスプリアスの要因バルク波であることを開示している。そして、特許文献1では、スプリアスの要因となるバルク波同士を相殺するための電極構造を提案している。バルク波に起因するスプリアスを抑制する手法は種々提案されることが望まれる。

概要

帯域となるべき周波数において、主としてバルク波を要因とする複数のスプリアスを低減するSAW素子(弾性表面波素子)を提供する。SAW素子1は、圧電基板7と、該圧電基板の下面に貼り合わされている支持基板9からなる貼り合わせ基板3と、圧電基板の上面上に位置しているIDT電極11及び反射器13とを有している。IDT電極を含む共振子5の共振周波数および反共振周波数は、最も周波数が低いバルク波スプリアスの周波数と、その次に周波数が低いバルク波スプリアスの周波数との間に収まっている。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

圧電基板と、該圧電基板の下面に貼り合わされている支持基板と、前記圧電基板の上面上に位置している第1IDT電極を含んでいる第1共振子と、を有しており、前記第1共振子の共振周波数および反共振周波数が、前記第1共振子によって生じる複数のバルク波スプリアス周波数のうちの、最も低い周波数と、その次に低い周波数との間に収まっている弾性表面波素子

請求項2

圧電基板と、該圧電基板の下面に貼り合わされている支持基板と、前記圧電基板の上面上に位置している第1IDT電極を含んでいるフィルタと、を有しており、前記フィルタの通過帯域が、前記第1IDT電極によって生じる複数のバルク波スプリアスの周波数のうちの、最も低い周波数と、その次に低い周波数との間に収まっている弾性表面波素子。

請求項3

前記最も低い周波数のバルク波スプリアスと、前記次に低い周波数のバルク波スプリアスとは、振動方向に係るモードが互いに同一で、次数に係るモードが互いに異なっている請求項1または2に記載の弾性表面波素子。

請求項4

前記最も低い周波数のバルク波スプリアスと、前記次に低い周波数のバルク波スプリアスとは、振動方向に係るモードが互いに異なっている請求項1または2に記載の弾性表面波素子。

請求項5

前記第1IDT電極の電極指ピッチをpとし、前記圧電基板の厚みをtsとしたときに、前記圧電基板の正規化厚みts/2pが1以上3以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の弾性表面波素子。

請求項6

圧電基板と、該圧電基板の下面に貼り合わされている支持基板と、前記圧電基板の上面に位置している第1IDT電極と、を有しており、前記第1IDT電極の電極指のピッチをpとし、前記圧電基板の厚みをtsとしたときに、前記圧電基板の正規化厚みts/2pが1以上3以下である弾性表面波素子。

請求項7

前記圧電基板は、タンタル酸リチウム単結晶基板である請求項1〜6のいずれか1項に記載の弾性表面波素子。

請求項8

前記圧電基板は、カット角が38°以上48°以下のY板である請求項7に記載の弾性表面波素子。

請求項9

前記第1IDT電極の電極指のピッチをpとし、前記電極指の厚みをteとしたときに、電極指の正規化厚みte/2pが0.080以上である請求項1〜8のいずれか1項に記載の弾性表面波素子。

請求項10

前記圧電基板の上面上に位置している第2IDT電極を含んでいる第2共振子を更に有しており、前記第2共振子の共振周波数は、前記第1共振子の共振周波数よりも低く、前記第2IDT電極のデューティー比は、前記第1IDT電極のデュディー比よりも大きい請求項1に記載の弾性表面波素子。

請求項11

前記圧電基板の上面上に位置している第2IDT電極を含んでいる第2共振子を更に有しており、前記第2共振子の共振周波数は、前記第1共振子の共振周波数よりも低く、前記第1共振子および前記第2共振子のうち前記第2共振子のみ、IDT電極に直列に接続されたインダクタを有している請求項1に記載の弾性表面波素子。

請求項12

前記圧電基板の上面上に位置している第2IDT電極を含んでいる第2共振子を更に有しており、前記第2共振子の共振周波数は、前記第1共振子の共振周波数よりも低く、前記第1共振子は、前記第1IDT電極に直列に接続された第1インダクタを含み、前記第2共振子は、前記第2IDT電極に直列に接続された第2インダクタを含み、前記第2インダクタは、前記第1インダクタよりもインダクタンスが大きい請求項1に記載の弾性表面波素子。

請求項13

前記圧電基板の上面上に位置している第2IDT電極を更に有しており、前記第2IDT電極の共振周波数は、前記第1IDT電極の共振周波数よりも低く、前記第2IDT電極のデューティー比は、前記第1IDT電極のデューディー比よりも大きい請求項1〜9のいずれか1項に記載の弾性表面波素子。

請求項14

前記第1IDT電極を含んでいる第1共振子と、前記圧電基板の上面上に位置している第2IDT電極を含んでいる第2共振子と、を更に有しており、前記第2共振子の共振周波数は、前記第1共振子の共振周波数よりも低く、前記第2IDT電極のデューティー比は、前記第1IDT電極のデューディー比よりも大きい請求項2または6に記載の弾性表面波素子。

請求項15

前記第1IDT電極を含んでいる第1共振子と、前記圧電基板の上面上に位置している第2IDT電極を含んでいる第2共振子と、を更に有しており、前記第2共振子の共振周波数は、前記第1共振子の共振周波数よりも低く、前記第1共振子および前記第2共振子のうち前記第2共振子のみ、IDT電極に直列に接続されたインダクタを有している請求項2または6に記載の弾性表面波素子。

請求項16

前記第1IDT電極を含んでいる第1共振子と、前記圧電基板の上面上に位置している第2IDT電極を含んでいる第2共振子と、を更に有しており、前記第2共振子の共振周波数は、前記第1共振子の共振周波数よりも低く、前記第1共振子は、前記第1IDT電極に直列に接続された第1インダクタを含み、前記第2共振子は、前記第2IDT電極に直列に接続された第2インダクタを含み、前記第2インダクタは、前記第1インダクタよりもインダクタンスが大きい請求項2または6に記載の弾性表面波素子。

技術分野

0001

本開示は、弾性表面波SAW:Surface Acoustic Wave)素子に関する。

背景技術

0002

圧電基板と、圧電基板の主面上に設けられたIDT(InterDigital Transducer)電極とを有するSAW素子が知られている(例えば特許文献1)。このようなSAW素子は、例えば、デュプレクサ受信フィルタまたは送信フィルタに利用されている。特許文献1では、圧電基板を単体でSAW素子に用いるのではなく、圧電基板と当該圧電基板に比較して熱膨張係数の小さい支持基板とを貼り合せた貼り合せ基板をSAW素子に用いている。このような貼り合せ基板を利用することによって、例えば、SAW素子の電気特性温度変化補償される。

0003

また、特許文献1では、貼り合わせ基板を用いると、スプリアスが生じること、そのスプリアスの要因バルク波であることを開示している。そして、特許文献1では、スプリアスの要因となるバルク波同士を相殺するための電極構造を提案している。バルク波に起因するスプリアスを抑制する手法は種々提案されることが望まれる。

先行技術

0004

特開2014−229916号公報

0005

本開示の一態様に係る弾性表面波素子は、圧電基板と、該圧電基板の下面に貼り合わされている支持基板と、前記圧電基板の上面上に位置している第1IDT電極を含んでいる第1共振子と、を有している。前記第1共振子の共振周波数および反共振周波数が、前記第1共振子によって生じる複数のバルク波スプリアス周波数のうちの、最も低い周波数と、その次に低い周波数との間に収まっている。

0006

本開示の一態様に係る弾性表面波素子は、圧電基板と、支持基板と、フィルタとを含んでいる。支持基板は、該圧電基板の下面に貼り合わされている。フィルタは、第1IDT電極を含んでいる。前記第1IDT電極は、前記圧電基板の上面上に位置している。前記フィルタの通過帯域が、前記第1IDT電極によって生じる複数のバルク波スプリアスの周波数のうちの、最も低い周波数と、その次に低い周波数との間に収まっている。

0007

本開示の一態様に係る弾性表面波素子は、圧電基板と、該圧電基板の下面に貼り合わされている支持基板と、前記圧電基板の上面上に位置している第1IDT電極と、を有している。前記第1IDT電極の電極指ピッチをpとし、前記圧電基板の厚みをtsとしたときに、前記圧電基板の正規化厚みts/2pが1以上3以下である。

図面の簡単な説明

0008

本開示の実施形態に係るSAW素子の構成を示す平面図である。
図1のII−II線における断面図である。
比較例におけるスプリアスの例を示す図である。
図4(a)は圧電基板の厚みがスプリアスの周波数に及ぼす影響を示す図であり、図4(b)は圧電基板の厚みがスプリアスの周波数間隔に及ぼす影響を示す図である。
図1のSAW素子における圧電基板の厚みの設定方法を説明するための図である。
図1のSAW素子における圧電基板の厚みの設定方法を説明するための他の図である。
図7(a)および図7(b)は比較例および実施例におけるインピーダンス特性を示す図である。
図8(a)および図8(b)は比較例および実施例における位相特性を示す図である。
図9(a)および図9(b)は電極厚みの変化の影響を説明するための図である。
図10(a)および図10(b)は本開示の実施形態に係るSAWフィルタの例を示す模式図である。
図11(a)は本開示の一態様に係るSAW素子を示す模式的な平面図であり、図11(b)は図11(a)とは異なる態様に係るSAW素子を示す模式的な平面図である。
図12(a)および図12(b)は図11(a)および図11(b)の態様におけるバルク波の周波数特性を示す図である。
図13(a)は本開示の一態様に係るSAW素子を示す模式的な平面図であり、図13(b)は図13(a)とは別の態様に係るSAW素子を示す模式的な平面図である。

実施例

0009

以下、本開示の実施形態に係るSAW素子について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いられる図は模式的なものであり、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。

0010

SAW素子は、いずれの方向が上方または下方とされてもよいものであるが、以下では、便宜的に、D1軸、D2軸およびD3軸からなる直交座標系を定義するとともに、D3軸方向の正側を上方として、上面、下面等の用語を用いるものとする。

0011

(SAW素子の構成の概要
図1は、本開示の実施形態に係るSAW素子1の構成を示す平面図である。図2は、図1のII−II線における断面図である。ただし、図2において、後述する電極指の数は図1よりも少なく描かれている。

0012

SAW素子1は、例えば、貼り合せ基板3と、貼り合せ基板3の上面に構成された共振子5とを有している。SAW素子1は、この他、SiO2等からなり、共振子5を覆う保護層等を有していてもよい。

0013

貼り合せ基板3は、例えば、圧電基板7と、圧電基板7の下面に貼り合わされた支持基板9(図2)とを有している。なお、図1では、圧電基板7のX軸、Y軸およびZ軸の一例を示している。

0014

圧電基板7は、例えば、圧電性を有する単結晶基板によって構成されている。単結晶基板は、例えば、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)または水晶(SiO2)からなる。カット角は適宜なものとされてよい。例えば、タンタル酸リチウムであれば、42°±10°Y板または0°±10°X板などである。ニオブ酸リチウムであれば、128°±10°Y板または64°±10°Y板などである。

0015

なお、以下では、主として圧電基板7がタンタル酸リチウムからなる38°以上48°以下Y板である態様を例にとって説明するものとする。特に断りがない限り、後述するシミュレーション結果等は、タンタル酸リチウムからなる38°以上48°以下Y板のものである。確認的に記載すると、このY板では、X軸回りにY軸からZ軸へ38°以上48°以下の角度で回転したY′軸(不図示)に主面が直交する。

0016

圧電基板7の厚みts(図2)は、例えば、一定である。本実施形態のSAW素子1では、厚みtsは、比較的薄くされている。厚みtsの具体例については後述する。

0017

支持基板9は、例えば、圧電基板7の材料よりも熱膨張係数が小さい材料によって形成されている。これによって、SAW素子1の電気特性の温度変化を補償することができる。このような材料としては、例えば、シリコン等の半導体サファイア等の単結晶および酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックを挙げることができる。なお、支持基板9は、互いに異なる材料からなる複数の層が積層されて構成されていてもよい。

0018

支持基板9の厚みは、例えば、一定である。また支持基板9のの大きさは、SAW素子1に要求される仕様等に応じて適宜に設定されてよい。ただし、支持基板9の厚みは、温度補償が好適に行われたり、圧電基板7の強度を補強したりできるように、圧電基板7の厚みよりも厚くされる。一例として、支持基板9の厚みは100μm以上300μm以下である。支持基板9の平面形状および各種寸法は、例えば、圧電基板7と同等である。

0019

圧電基板7および支持基板9は、例えば、不図示の接着層を介して互いに貼り合わされている。接着層の材料は、有機材料であってもよいし、無機材料であってもよい。有機材料としては、例えば、熱硬化性樹脂等の樹脂が挙げられる。無機材料としては、例えば、SiO2が挙げられる。また、圧電基板7および支持基板9は、接着面をプラズマなどで活性化処理した後に接着層無しに貼り合わせる、いわゆる直接接合によって貼り合わされていても良い。

0020

共振子5は、例えば、いわゆる1ポートSAW共振子によって構成されており、IDT電極11と、IDT電極11の両側に位置する1対の反射器13とを有している。IDT電極11および反射器13の厚みte(図2)は、例えば、一定である。

0021

IDT電極11は、圧電基板7の上面上に形成された導電パターン導電層)によって構成されており、図1に示すように1対の櫛歯電極15を有している。

0022

1対の櫛歯電極15は、例えば、互いに対向するバスバー17(図1)と、バスバー17からバスバー17の対向方向に延びる複数の電極指19と、複数の電極指19の間においてバスバー17から突出するダミー電極21とを有している。そして、1対の櫛歯電極15は、複数の電極指19が互いに噛み合うように(交差するように)配置されている。

0023

バスバー17は、例えば、概ね一定の幅でSAWの伝搬方向(D1軸方向、X軸方向)に直線状に延びる長尺状に形成されている。1対の櫛歯電極15のバスバー17は、SAWの伝搬方向に交差する方向(D2軸方向)において対向している。

0024

複数の電極指19は、例えば、概ね一定の幅でSAWの伝搬方向に直交する方向(D2軸方向)に直線状に延びる長尺状に形成されており、SAWの伝搬方向(D1軸方向)に概ね一定の間隔で配列されている。1対の櫛歯電極15の複数の電極指19は、そのピッチp(例えば電極指19の中心間距離)が、例えば、共振させたい周波数でのSAWの波長λの半波長と同等となるように設けられている。波長λは、例えば、1.5μm以上6μm以下である。

0025

複数の電極指19の一部においては、そのピッチpが相対的に小さくされたり、逆に、ピッチpが相対的に大きくされたりしてもよい。このような狭ピッチ部または広ピッチ部を設けることによって、SAW素子の周波数特性が向上することが知られている。なお、本実施形態において、単にピッチp(電極指ピッチ)という場合、特に断りがない限り、狭ピッチ部および広ピッチ部のピッチpを除く部分(複数の電極指19の大部分)のピッチpまたはその平均値をいうものとする。また、同様に、特に断りがない限り、単に電極指19というときは、狭ピッチ部または広いピッチ部以外における電極指19を指すものとする。

0026

複数の電極指19の本数、長さ(D2軸方向)および幅w(D1軸方向)は、SAW素子1に要求される電気特性等に応じて適宜に設定されてよい。一例として、電極指19の本数は100以上400本以下である。電極指19の長さおよび幅wは、例えば、複数の電極指19間で互いに同等である。なお、w/pをデューティー比ということがある。ピッチpと同様に、単にデューティー比という場合、特に断りがない限り、狭ピッチ部または広ピッチ部のような特異な部分を除く部分(複数の電極指19の大部分)のデューティー比またはその平均値をいうものとする。

0027

ダミー電極21は、例えば、一方の櫛歯電極15において複数の電極指19の中間位置にてバスバー17から突出しており、その先端は、他方の櫛歯電極15の電極指19の先端とギャップを介して対向している。ダミー電極21の長さおよび幅は、例えば、複数のダミー電極21間で互いに同等である。

0028

反射器13は、例えば、圧電基板7の上面上に形成された導電パターン(導電層)によって構成されており、平面視において格子状に形成されている。すなわち、反射器13は、SAWの伝搬方向に交差する方向において互いに対向する1対のバスバー(符号省略)と、これらバスバー間においてSAWの伝搬方向に直交する方向(D2軸方向)に延びる複数のストリップ電極(符号省略)とを有している。

0029

反射器13の複数のストリップ電極は、複数の電極指19の配列に続くようにD1軸方向に配列されている。ストリップ電極の本数および幅は、SAW素子1に要求される電気特性等に応じて適宜に設定されてよい。複数のストリップ電極のピッチは、例えば、複数の電極指19のピッチと同等である。また、反射器13の端部のストリップ電極とIDT電極11の端部の電極指19との間隔は、例えば、複数の電極指19のピッチと同等である。

0030

IDT電極11および反射器13等を構成する導体層は、例えば、金属により構成されている。この金属としては、例えば、AlまたはAlを主成分とする合金(Al合金)が挙げられる。Al合金は、例えば、Al−Cu合金である。なお、導体層は、複数の金属層から構成されてもよい。IDT電極11および/または反射器13は、SAWの共振子5に対する反射係数を高くすることなどを目的として、導体層の上面または下面に絶縁層を有していてもよい。

0031

以上のような構成のSAW素子1において、例えば、一方の櫛歯電極15に電気信号が入力され、複数の電極指19によって圧電基板7に電圧印加されると、圧電基板7の上面付近において、当該上面に沿って伝搬するSAWが誘起される。このSAWは、複数の電極指19および反射器13の複数のストリップ電極によって反射される。その結果、複数の電極指19のピッチpを半波長(λ/2)とするSAWの定在波が形成される。定在波は、圧電基板7の上面に電荷(定在波と同一周波数の電気信号)を生じさせ、その電気信号は他方の櫛歯電極15の複数の電極指19によって取り出される。このような作用によって、SAW素子1は共振子ないしはフィルタとして機能する。

0032

(比較例におけるスプリアスの発生)
上記のように、複数の電極指19によって圧電基板7に電圧が印加されると、圧電基板7においては、SAWだけでなく、圧電基板7の内部を伝搬するバルク波も励起される。特許文献1では、貼り合わせ基板3の圧電基板7のように、圧電基板が薄いと、バルク波がスプリアスの要因となることを開示している。

0033

図3は、比較例における、バルク波に起因するスプリアスの例を示す図である。

0034

図3では、比較例に係るSAWフィルタを想定している。SAWフィルタは、例えば、ラダー型フィルタであり、複数の1ポートSAW共振子(図1および図2参照)を直列および並列に接続したものである。ただし、比較例に係るフィルタにおいては、圧電基板7の厚みが本実施形態とは異なる。

0035

図3において、横軸(f(MHz))は周波数を示し、縦軸(A(dB))は減衰量を示している。また、線L1は、比較例に係るSAWフィルタの伝播特性を示しており、線L2は保証されるべき挿入損失を示している。

0036

線L1で示すように、減衰量は通過帯域となるべき周波数帯において減じられている。しかし、複数の矢印で示すように、その通過帯域となるべき周波数において、主としてバルク波を要因とする複数のスプリアスが生じている。本実施形態では、このようなスプリアスを低減することを課題としている。なお、このようなスプリアスは図3で示した周波数範囲だけではなく、低周波数側、高周波数側にも多数存在している。

0037

(バルク波の性質の概要)
本願発明者は、このようなスプリアスについて鋭意遂行を重ねた結果、無数のスプリアスは以下のメカニズムで発生していることを推定した。

0038

IDT電極11によって圧電基板に電圧を印加すると、振動方向のモードおよび次数のモードの少なくとも一方が互いに異なる複数種類のバルク波が生じる。振動方向のモードは、例えば、D3軸方向に振動するモード、D2軸方向に振動するモードおよびD1軸方向に振動するモードである。各振動方向のモードにはそれぞれ、複数の次数のモードがある。この次数のモードは、例えば、深さ方向(D3軸方向)における節および腹の数により規定される。

0039

そこで、圧電基板7の厚みtsを互いに異ならせた複数のSAW素子1を想定して、圧電基板7の厚みが各モードのバルク波の周波数に及ぼす影響を調べた。具体的には、シミュレーション計算によって、種々の厚みの圧電基板7において生じる各モードのバルク波の周波数を計算した。

0040

図4(a)は、上記のようなシミュレーション計算結果を示す図である。

0041

この図において、横軸(ts)は、圧電基板7の厚みを示している。縦軸(f)は、バルク波の周波数を示している。複数の線L11〜L17は、振動方向のモードおよび次数のモードの少なくとも一方が互いに異なる複数種類のバルク波の周波数を示している。

0042

なお、この図において、線L15,L16,L17のプロットは途中までとしたが、実際には線L11〜L14と同様に厚みの増加とともに周波数が低下する線が続く。さらに、図示はしていないが、線L17以降(線L18、線L19・・・)もL11〜L17と同様の傾向を有する線が無数に存在している。

0043

通常の貼り合せ基板において、圧電基板7の厚みは20μmが推奨されていることが多い。このため、通常の貼り合せ基板においては、使用する周波数帯(図4(a)では不図示。例えば縦軸(f)に平行な線分で表わされる)は、図4(a)に示す厚み範囲よりもさらに厚い側において、無数に錯綜する線(L11〜L17等)を横切ることとなる。その結果、使用する周波数帯にくまなくバルク波スプリアスが生じるのである。

0044

この図に示されているように、いずれのモードのバルク波も、圧電基板7の厚みを薄くすると、周波数が高くなる。

0045

線L11および線L12は、振動方向のモードが互いに同一で、次数のモードが互いに異なるバルク波の周波数を示している。矢印で示しているように、この2つのバルク波の周波数間隔は、圧電基板7の厚みを薄くすると、大きくなる。なお、他の、振動方向のモードが互いに同一で、次数のモードが互いに異なるバルク波(例えば線L13およびL14)についても同様である。

0046

図4(b)は、圧電基板7の厚みと、上記のような同一の振動方向のモードで次数のモードが異なるバルク波の周波数間隔との関係を示す図である。この図は、シミュレーション計算結果から得られている。

0047

横軸Δfは、周波数間隔を示している。縦軸ts/2pは、圧電基板7の正規化厚みを示している。正規化厚みts/2pは、圧電基板7の厚みtsを電極指19のピッチpの2倍(基本的には波長λと同一)で割ったものであり、無次元量である(単位はない)。この図において各プロットはシミュレーション計算によって得られたバルク波の周波数間隔を示しており、線は近似曲線を示している。

0048

この図に示されているように、圧電基板7の正規化厚みを薄くした場合のバルク波の周波数間隔は、圧電基板7の正規化厚みが薄いほど、急激に増加する。例えば、正規化厚みts/2pが5以上においては、周波数間隔はあまり変化しない。一方、正規化厚みts/2pが3以下になると周波数間隔が急激に増加する。なお、正規化厚みts/2pが3以下になると曲線の傾きは一定に近づく。

0049

(バルク波スプリアスを抑制する原理
図5は、図4(a)のような圧電基板の厚みとバルク波の周波数との関係を示す図であり、圧電基板7の厚みが比較的薄い範囲における、周波数が低い側の3つのバルク波の周波数を示している。

0050

図5は、シミュレーション計算に基づいて得られている。シミュレーションの条件を以下に示す。
圧電基板:
材料:タンタル酸リチウム単結晶
カット角:42°Y板
支持基板:シリコン
IDT電極:
材料:Al−Cu合金
厚みte:121nm
電極指のピッチp:0.80413μm
電極指のデューティー比w/p:0.5

0051

図5において、横軸は正規化厚みts/2pを示しており、縦軸は正規化周波数f×2pを示している。正規化周波数f×2pは、周波数fと、電極指19のピッチpの2倍(基本的には波長λと同一)との積である。

0052

線L21は、図示の範囲(ts/2pが1以上3以下である範囲およびその周囲)において最も周波数が低いバルク波を示している。このバルク波を、第1振動方向モードの1番目の次数モードのバルク波と呼ぶこととする。なお、第1振動方向モードの振動方向は、タンタル酸リチウムでは概ねD3方向である。なお、この線L21は、発生しうるバルク波のうち、1番低周波数側に発生するものである。

0053

線L22は、線L21のバルク波と振動方向のモードが同一であるバルク波のうち、次数(別の観点では周波数)が線L21のバルク波に次いで低いものを示している。このバルク波を、第1振動方向モードの2番目の次数モードのバルク波と呼ぶこととする。

0054

線L23は、線L21およびL22のバルク波とは振動方向のモードが異なるバルク波のうち、図示の範囲で最も周波数が低いバルク波である。このバルク波を、第2振動方向モードの1番目の次数モードのバルク波と呼ぶこととする。線L23は、線L21よりも周波数が高いが、線L22と交差しており、当該交差点よりも正規化厚みts/2pが薄い範囲においては、線L22よりも周波数が低い。なお、第1振動方向モードの振動方向は、タンタル酸リチウムでは概ねD2方向である。

0055

線L21〜L23は、図4(a)の線L11〜L13に対応している。上述の線L21〜L23についての説明および図5図4(a)との比較から理解されるように、図示の範囲において、線L21よりも下に位置する(周波数が低い)線を描くバルク波は存在しない。また、図示の範囲において、線L21と、線L22または線L23との間に位置する線を描くバルク波も存在しない。換言すれば、他のバルク波は、図示の範囲において、線L22およびL23よりも上に位置する(周波数が高い)。

0056

従って、SAW素子においてバルク波に起因するスプリアスを発生させたくない所定の周波数帯(規格化されたもの)が、線L21〜L23に囲まれる領域に収まっていれば、前記所定の周波数帯にバルク波スプリアスは生じない。すなわち、そのように所定の周波数帯が線L21〜線L23に収まるように、圧電基板7の厚みts(規格化厚みts/2p)を設定してやればよい。このような関係を満たす共振子5、IDT電極11を、第1共振子、第1IDT電極という。

0057

スプリアスを発生させたくない周波数帯は、SAW共振子においては、例えば、共振周波数から反共振周波数までの間の周波数帯(共振周波数および反共振周波数を含む)である。また、SAWフィルタにおいては、例えば、通過帯域である。

0058

現に流通されている製品において、上述したような関係が満たされるか否か(本実施形態を利用しているか否か)を判定するとき、共振周波数、反共振周波数または通過帯域は、例えば、実測によって得られてもよいし、仕様書等に基づいて特定されてもよい。バルク波スプリアスは、例えば、実測によって得られる。

0059

図5において、圧電基板7が薄い側に着目しているのは、例えば、図4(a)および図4(b)を参照して説明したように、圧電基板7が薄いほど、バルク波の周波数間隔が広くなるからである。すなわち、圧電基板7が薄い方が、スプリアスを生じさせたくない周波数帯をバルク波の周波数間に収めることが容易になる。

0060

また、圧電基板7が薄い側に加えて、バルク波の周波数が低い側(すなわち線L21〜L23)に着目している。これは、例えば、実際のSAWの使用周波数を考慮したときに、バルク波スプリアスを生じさせたくない周波数帯をバルク波の周波数の間に収めることが容易だからである。また、例えば、種々のモードのバルク波を示す線(図4(a)の線L11〜L17参照)の錯綜に配慮する必要もなくなる。

0061

なお、設計の観点からは、バルク波スプリアスを生じさせたくない周波数帯は、上記のように、圧電基板7の正規化厚みts/2pを横軸にとり、バルク波の周波数を縦軸にとったときに、正規化厚みts/2pが低い側かつ周波数が低い側の3つのモードのバルク波の周波数を示す線L21〜L23に囲まれた領域に位置するということになる。

0062

ただし、作製された1つの製品としてのSAW素子について見れば、当該製品は、正規化厚みts/2pとして1つの値のみを有するから、最も低い周波数のバルク波スプリアスの周波数と、その次に低い周波数のバルク波スプリアスの周波数との間に、バルク波スプリアスを生じさせたくない周波数帯が収まることになる。そして、上記次に低い周波数が、線L22のものか線L23のものか(交点においては双方)ということになる。

0063

なお、線L21〜L23で囲まれる領域は、上述の通りバルク波が発生しない領域である。そして、この領域は、他の線のどの組み合わせで囲まれる領域に比べても極めて広くなっている特異領域である。これは、以下の2つの利点を有する。第1の利点は、ある周波数範囲(例えば、共振周波数と反共振周波数との間や、フィルタを構成する際の通過帯域等)においてバルク波スプリアスが全く発生しないという、グラフ縦軸方向の利点である。第2の利点は、圧電基板7の厚みが多少ばらついてもバルク波スプリアスが発生しないというグラフ横軸方向の利点である。

0064

(圧電基板の厚みの具体的範囲)
上記のバルク波スプリアスを低減する原理を利用する観点からは、規格化厚みts/2pは例えば1以上3以下である。

0065

ts/2pが1未満であると、例えば、SAWの損失が大きくなる。また、例えば、SAWの周波数が圧電基板7の下面の状態の影響を受けやすくなり、周波数特性の複数のSAW素子1間におけるばらつきが大きくなる。また、例えば、圧電基板7の強度を確保することが難しくなる。逆に言えば、ts/2pが1以上であると、そのような不都合が解消または低減される。

0066

また、ts/2pが3以下であると、既に言及したように、モードが互いに異なるバルク波同士の周波数間隔が比較的広いこと、実際のSAWの伝搬速度を考慮したときに、スプリアスを生じさせたくない周波数帯を線L21〜L23の間に収めることが容易である。

0067

なお、規格化厚みts/2pが1以上3以下というのは、あくまで規格化厚みts/2pの範囲の一例であり、規格化厚みts/2pが1未満または3超の範囲で、スプリアスを生じさせたくない周波数帯が線L21と線L22またはL23との間に収まっていてもよい。

0068

2p(基本的にはλと同一)は、例えば、既述のように、1.5μm以上6μm以下である。従って、tsは、例えば、1.5μm以上18μm以下である。圧電基板7の薄型化に付随する他の効果(例えば支持基板9の温度補償効果の増大)等を目的として、上記の範囲よりも更に薄くして、tsは、1.5μm以上10μm未満とされてもよい。

0069

(電極厚みの調整)
IDT電極11の厚みteは、通常、波長λ(2p)の7%程度がSAWの励振効率からよいとされている。また、IDT電極11の厚みteは共振周波数に影響を及ぼすことが知られている。具体的には、IDT電極11の厚みteが薄くなると、共振周波数は高くなる。

0070

一方、本願発明者のシミュレーション計算によれば、IDT電極11の厚みteを変化させた場合、バルク波の周波数は、SAWの周波数に比較して、あまり変化しない。また、電極指19のピッチpを狭くすると、当然にSAWの周波数は高くなり、また、バルク波の周波数も高くなる。この際、バルク波は、高次のモードほど、周波数が高くなる。

0071

従って、IDT電極11の厚みteを厚くし、その厚み増大によるSAWの周波数の低下を補償するように電極指19のピッチを狭くすると、バルク波スプリアスを生じさせたくない周波数帯に対して、バルク波の周波数間隔を広くすることができる。

0072

図6は、図5よりもIDT電極11の厚みteを厚くした場合の図5に対応する図である。より具体的には、線L22、線L23に対応するバルク波のモードが厚みを増したときの様子を線L32,33に示した。

0073

図6は、図5と同様に、シミュレーション計算に基づいて得られている。図5と異なるシミュレーション条件を以下に示す。
IDT電極:
厚みte:201nm
電極指のピッチp:0.75768μm

0074

線L31〜L33は、線L21〜L23に対応する。すなわち、線L31〜L33は、第1の振動方向モードの1番目の次数モード、第1の振動方向モードの2番目の次数モードおよび第2の振動方向モードの1番目の次数モードに対応している。なお、図の横軸は、図5と同様としている。すなわち、IDT電極11の厚みおよびピッチ調整前の値となっている。

0075

この図に示すように、図6では、図5に比較して、線L32および線L33(特に線L32)の周波数が高くなっており、ひいては、線L31〜L33に囲まれる領域の周波数の幅が広くなっている。これにより、当該領域にバルク波スプリアスを生じさせたくない周波数帯を位置させることが容易化される。

0076

具体的には、図5に示す特性において、例えば縦軸の規格化周波数が4200〜4600に相当する範囲においてバルク波スプリアスを抑制する必要がある場合には、バルク波スプリアスを完全に抑制することができない。また、規格化周波数が4000〜4500に相当する周波数範囲においてバルク波スプリアスを抑制する必要がある場合には、非常に厳しくなるか、圧電基板7の厚みをある非常に限られた厚み範囲にする必要がある。これに対して、図6に示す特性の場合には、規格化周波数が4200〜4600に相当する周波数範囲においてもバルク波スプリアスを抑制することができる。同様に、規格化周波数が4000〜4500に相当する周波数範囲においてバルク波スプリアスを抑制することのできる圧電基板7の基板厚み範囲は余裕をもって確保することができる。

0077

このように、図6の結果は、IDT電極11の厚みおよびピッチを調整することで、図5における線L21〜L23で囲まれる前述の特異範囲を、所望の位置にずらすことができることを示している。すなわち、特異領域を高周波数側にずらしたり、低周波数側にずらしたりすることができる。さらに、バルク波スプリアスを抑制することができる圧電基板7の厚み範囲を実現可能な領域にくるように調整したり、厚み範囲を広げたりすることができる。

0078

本願発明者は、電極の厚みteの相違の定量的な評価を行うために、厚みteを種々異ならせて、シミュレーション計算を行った。当該シミュレーション計算の条件を以下に示す。
圧電基板:
材料:タンタル酸リチウム単結晶
カット角:42°Y板
厚みts:2.4μm(正規化厚みts/2p:約1.5)
支持基板:シリコン
IDT電極:
材料:Al−Cu合金
厚みte:121nm以上221nmの間で10nm毎に異ならせた
電極指のピッチp:0.8025μm
電極指のデューティー比w/p:0.5

0079

なお、電極の厚みteは、前述のとおり、電気機械結合係数を考慮してSAWの励振特性を基準に考えると、112nm(te/2pが約0.07)とされてよい。その一方で、バルク波スプリアスの影響を考慮すると、バルク波自体の強度を小さくしてもよい。このため、共振周波数のときにバルク波の励振特性が最も低くなるような電極の厚みteである121nm(te/2pが約0.075)を基準に設定する。

0080

このような、電極の厚みteが121nm(te/2pが約0.075)のケースを基準として、電極の厚みteを増加させたときの、反共振周波数とバルク波スプリアスとの周波数差の増加量を評価した。反共振周波数との周波数差が求められたバルク波は、第1の振動方向モードの2番目の次数モードおよび第2の振動方向モードの1番目の次数モードの2つのバルク波で、いずれも反共振周波数よりも周波数が高い。ここでのピッチpを一定として厚みteのみを変化させたときの周波数差の増加は、主として、反共振周波数の低周波側へのシフトによるものであり、以下、周波数差の増加量をシフト量ということがある。

0081

計算結果を以下に示す。なお、正規化シフト量は、シフト量を、2pから求まる共振周波数で割ったものである。2pから求まる共振周波数は、厚みte等に影響されるシミュレーションの共振周波数とは異なるものであり、ここでは、微差を四捨五入して2500MHzとした。ここでのシフト量は、上述のように、主として、反共振周波数の低周波側へのシフトによるものであるが、厚みteの変化によって2つのバルク波スプリアスの周波数が若干ずれるため、2つのバルク波スプリアスの周波数に対する反共振周波数の周波数差(2種の周波数差)の増加量であるシフト量には幅が生じている。
te te/2p シフト量 正規化シフト量
(nm) (MHz)
121 0.075 0 0
131 0.082 7.8 0.003
141 0.088 21.0 0.008
151 0.094 30〜33 0.012〜0.013
161 0.100 44〜50 0.018〜0.020
171 0.107 60〜66 0.024〜0.026
181 0.113 77〜86 0.031〜0.034
191 0.119 99〜109 0.040〜0.044
201 0.125 119〜133 0.048〜0.053
211 0.131 141〜158 0.056〜0.063
221 0.138 165〜184 0.066〜0.074

0082

電極の正規化厚みte/2pの一般的な値は、上述のように0.07であるから、電極の正規化厚みte/2pが0.075であれば、バルク波に考慮した膜厚特性と言える。また、電極の正規化厚みte/2pが0.080以上であれば、電極の正規化厚みte/2pの一般的な値0.07から約15%厚くなっており、上述したような、線L32および線L33の周波数を高くするための効果を狙っているといえる。

0083

さらに、例えば、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の各バンドにおいて、通過周波数帯域の幅を当該帯域の中央の周波数で割った値を正規化バンド幅とすると、最小の正規化バンド幅は、バンド6の送信通過帯域の0.011である((885MHz−875MHz)/880MHz)。従って、電極の正規化厚みte/2pが0.094のときは、UMTSにおいて誤差範囲として許容される範囲を優に越えているといえる。従って、例えば、電極の正規化厚みte/2pが0.095以上であれば、上述したような、線L32および線L33の周波数を高くするための効果を狙っているといえる。

0084

上記のシミュレーション計算では、電極の厚みteが201nmを超えると、共振周波数が第1の振動方向モードの第1番目のバルク波スプリアスの周波数まで低下し、共振周波数と反共振周波数との間にスプリアスが生じた。従って、この結果からは、電極の正規化厚みte/2pは、0.12以下に設定されてよい。
このような、線L32および線L33の周波数を高くするための効果を狙っている電極厚みの共振子5、IDT電極11を、第1共振子、第1IDT電極という。

0085

(比較例および実施例におけるスプリアスの比較)
比較例および実施例に係るSAW共振子を作製し、その共振子特性を調べて比較した。比較例および実施例は、圧電基板7(タンタル酸リチウム単結晶)の厚みのみが相違し、比較例の圧電基板の規格化厚みts/2pは4.5であり、実施例の圧電基板の規格化厚みts/2pは1.1である。

0086

図7(a)および図7(b)ならびに図8(a)および図8(b)は、比較例および実施例に係るSAW共振子の特性の実測値を示す図である。

0087

これらの図において、横軸fは周波数を示している。図7(a)および図7(b)において、縦軸(mag)はインピーダンスの絶対値(Ω)を示している。図8(a)および図8(b)において、縦軸(ang)はインピーダンスの位相(°)を示している。図7(a)および図8(a)は比較例について示しており、図7(b)および図8(b)は実施例について示している。

0088

図7(a)では、反共振周波数付近において、スプリアスS1が生じているが、図7(b)では、反共振周波数付近において、スプリアスS1は生じていない。同様に、図8(a)では、反共振周波数付近において、スプリアスS2が生じているが、図8(b)では、反共振周波数付近において、スプリアスS2は生じていない。

0089

また、図7(a)の領域R1に生じているスプリアスは、領域R1に対応する図7(b)の領域R2では生じていない。同様に、図8(a)の領域R3に生じているスプリアスは、領域R3に対応する図8(b)の領域R4では生じていない。

0090

このように、実測値においても、上述したバルク波スプリアスを低減する原理が成り立つことが確認された。

0091

以上のとおり、本実施形態に係るSAW素子1は、圧電基板7と、該圧電基板7の下面に貼り合わされている支持基板9と、圧電基板7の上面上に位置しているIDT電極11とを有している。そして、IDT電極11を含む共振子5の共振周波数および反共振周波数が、最も周波数が低いバルク波スプリアスの周波数(例えば線L21参照)と、その次に周波数が低いバルク波スプリアスの周波数(線L22またはL23参照)との間に収まっている。

0092

また、別の観点では、本実施形態に係るSAW素子1は、圧電基板7と、該圧電基板7の下面に貼り合わされている支持基板9と、圧電基板7の上面上に位置しているIDT電極11とを有している。そして、IDT電極11の電極指19のピッチをpとし、圧電基板7の厚みをtsとしたときに、圧電基板7の正規化厚みts/2pが1以上3以下である。

0093

従って、既に述べたように、バルク波スプリアスの周波数間隔を広くしつつ、バルク波スプリアスの周波数を高くし、スプリアスを生じさせたくない周波数帯におけるスプリアスを低減できる。また、例えば、スプリアスの周波数間隔が広いことから、圧電基板7の厚みに誤差が生じてスプリアスの周波数が変化しても、スプリアスを生じさせたくない周波数帯にスプリアスが位置するおそれが低減される。すなわち、スプリアスの発生に関して、圧電基板7の厚みの許容される公差が大きくなる。また、例えば、バルク波放射による損失を抑制し、振動のエネルギーを貼り合わせ基板3に閉じ込め、SAW素子の挿入損失を改善できる。また、支持基板9が相対的に厚くなることから、温度特性が向上する。

0094

また、本実施形態では、最も周波数が低いバルク波スプリアス(例えば線L21参照)と、次に周波数が低いバルク波スプリアス(例えば線L22参照)とは、振動の方向に係るモードが互いに同一で、次数に係るモードが互いに異なっていてもよい。換言すれば、正規化厚みts/2pは、そのような周波数の関係が成り立つ厚みであってよい。

0095

この場合、例えば、スプリアスを生じさせたくない周波数帯を線L21と線L23との間に位置させる場合に比較して、圧電基板7の厚みを厚くすることになるから、圧電基板7の強度を比較的強くできるなど、圧電基板7を薄型にするデメリットを抑制できる。また、例えば、2つのバルク波スプリアス(線L21およびL22参照)の周波数間隔の変化が予測しやすく、ひいては、設計が容易である。また、IDT電極11の正規化厚みを大きくしたときの周波数間隔の増大(線L31およびL32参照)も大きく、この点でも設計が容易化される。

0096

また、本実施形態では、最も周波数が低いバルク波スプリアス(例えば線L21参照)と、次に周波数が低いバルク波スプリアス(例えば線L23参照)とは、振動の方向に係るモードが互いに異なっていてもよい。換言すれば、正規化厚みts/2pは、そのような周波数の関係が成り立つ厚みであってよい。

0097

この場合、例えば、スプリアスを生じさせたくない周波数帯を線L21と線L22との間に位置させる場合に比較して、圧電基板7の厚みを薄くすることになるから、温度特性の向上などの圧電基板7の厚みを薄くする場合のメリットが大きくなる。また、例えば、スプリアスを生じさせたくない周波数帯に最も近い2つのスプリアスの振動方向が異なるから、これらの振動が結合して、スプリアスを生じさせたくない周波数帯に影響を及ぼすおそれが低減される。

0098

なお、要求される仕様等に応じて、線L21と線L22との間の領域を利用する態様と、線L21と線L23との間の領域を利用する態様とが適宜に選択されてよい。

0099

また、本実施形態では、IDT電極11の電極指19のピッチをpとし、電極指19の厚みをteとしたときに、電極指19の正規化厚みte/2pが0.095以上である。

0100

この場合、バルク波スプリアスの周波数間隔が広いから、スプリアスを生じさせたくない周波数帯にスプリアスが現れるおそれが低減される。また、周波数間隔が広くなることによって、スプリアスの発生に関して、圧電基板7の厚みの許容される公差が大きくなる。

0101

図9(a)および図9(b)は、上記の許容される公差が大きくなる効果を説明するための図である。

0102

図9(a)および図9(b)において、横軸は圧電基板7の厚みtsを示し、縦軸はバルク波の周波数fを示している。なお、これらは同図において正規化されていない。

0103

また、線L41〜L43(図9(a))および線L51〜L53(図9(b))は、種々のモードのバルク波の周波数を示している。具体的には、線L41およびL51は第1の振動方向モードの1番目の次数モードに対応し、線L42およびL52は第1の振動方向モードの2番目の次数モードに対応し、線L43およびL53は第2の振動方向モードの1番目の次数モードに対応している。

0104

また、周波数帯B1(図9(a))および周波数帯B2(図9(b))は、スプリアスを生じさせたくない周波数帯を示している。

0105

図9(b)は、図9(a)に比較してIDT電極11の厚みteが大きくされており、これにより、周波数帯B2は周波数帯B1よりも周波数が低くなっている。なお、既述のように、通常であれば、周波数帯B2が周波数帯B1に一致するように、図9(b)のケースにおいて電極指19のピッチpを狭くする。ただし、図9(b)は、そのような調整を行っていない状態の計算結果を示している。

0106

図9(a)では、周波数帯B1のうち、線L41〜L43に囲まれた領域に収まる領域がハッチングして示されている。この領域に対応する厚さtsの範囲t41が、圧電基板7の厚さとして設定可能な範囲である。同様に、図9(b)では、周波数帯B2のうち、線L51〜L53に囲まれた領域に収まる領域がハッチングして示されており、この領域に対応する厚さtsの範囲t51が、圧電基板7の厚さとして設定可能な範囲である。

0107

そして、図9(b)では、図9(a)に比較して、IDT電極11の厚みteが厚くされることによって,線L51〜L53で囲まれる領域の面積が広い位置へ周波数帯B2が移動していることから、範囲t51が範囲t41よりも広くなっている。その広くなった分だけ、圧電基板7の厚みtsの、許容される公差が大きくなる。

0108

(支持基板)
上述の例では、支持基板としてSi基板を用いた場合を例に説明したが、サファイア基板を用いた場合についても、同様であることを確認している。具体的には、図5で示す線L21〜L23を数式で表すと、傾き等を定める各係数に違いはあるが、同様の傾向を確認している。具体的には、規格化厚みをx、規格化周波数をyとすると、支持基板としてSi基板を用いた場合には線L21〜L23の近似式は以下の通りとなる。
L21:y = 71.865x4 - 706.82x3 + 2641.5x2 - 4567.1x + 6518.1
L22:y = 466.89x4 - 2884x3 + 6768x2 - 7310.5x + 7544.4
L23:y = -66.245x3 + 689.86x2 - 2546x + 6941.6
同様にサファイア基板を用いた場合には線L21〜L23の近似式は以下の通りとなる。
L21:y = 33.795x4 - 419.77x3 + 1966.9x2 - 4212.8x + 6990.5
L22:y = -54.624x3 + 625.48x2 - 2533.6x + 7334.6
L23:y = -258.23x3 + 1477.7x2 - 2912.2x + 6418.1
なお、規格化のための“2p”は実際のピッチではなく、励振されるSAWの波長λを示すものとする。

0109

(SAWフィルタ)
上記の説明では、主として図1および図2に示した共振子5を例にとって説明した。しかし、上記のスプリアスを生じさせたくない周波数帯を、圧電基板の厚みが低い側かつ周波数が低い側の3つのバルク波の曲線(例えば線L21〜L23)に囲まれた領域に収めるスプリアス抑制方法は、SAWフィルタに適用されてもよい。以下に、SAWフィルタの例を示す。

0110

図10(a)は、ラダー型のSAWフィルタ205を有するSAW素子201を模式的に示している。フィルタ205は、図1および図2に示した共振子5と同様に、貼り合わせ基板3上にIDT電極11等が設けられて構成されている。具体的には、フィルタ205は、複数の互いに直列に接続された共振子5(図10(a)の上段に図示された共振子5、以下、直列共振子ということがある。)と、この直列な接続系と基準電位部とを接続する(並列に接続された)複数の共振子5(以下、並列共振子ということがある。)とを有している。

0111

図10(b)は、多重モード型(本実施形態では2重モード型を含むものとする)のSAWフィルタ305を有するSAW素子301を模式的に示している。フィルタ305も、図1および図2に示した共振子5と同様に、貼り合わせ基板3上にIDT電極11等が設けられて構成されている。具体的には、フィルタ305は、SAWの伝搬方向に沿って配列された複数(図示の例では2つ)のIDT電極11と、その両側に位置する1対の反射器13とを有している。

0112

これらのフィルタにおいては、例えば、通過帯域がスプリアスを生じさせたくない周波数帯とされ、圧電基板の厚みが低い側かつ周波数が低い側の3つのバルク波の曲線(例えば線L21〜L23)に囲まれた領域に、通過帯域が収まるように圧電基板7の厚さts等が設定される。通過帯域が3つのバルク波の曲線(例えばL21〜L23)に囲まれるのであれば、フィルタを構成する共振子5(またはIDT電極11)の共振周波数および反共振周波数は、必ずしも3つのバルク波の曲線に囲まれていなくてもよい。なお、ラダー型のSAWフィルタ205においては、直列共振子5および並列共振子5の、共振周波数および反共振周波数を利用する原理から、直列共振子5および並列共振子5の共振周波数および反共振周波数が3つのバルク波の曲線に囲まれた領域に収まると、通過帯域も3つのバルク波の曲線に囲まれた領域に収まる。
このようなフィルタに用いられるIDT電極11や共振子5の少なくとも1つを、第1IDT電極11、第1共振子という。

0113

SAWフィルタ205において、直列共振子5と並列共振子5とは共振周波数が互いに異なり、例えば、ピッチpが互いに異なる。直列共振子5同士、並列共振子5同士、またはSAWフィルタ305のIDT電極11同士においては、共振周波数(ピッチp)は基本的には互いに同等であるが、フィルタ全体としての周波数特性の微調整のために、共振周波数(ひいてはピッチp)が互いに異なることもある。このようにIDT電極11(複数の共振子5)間においてピッチpが異なる場合においては、図4(a)に示した種々のモードのバルク波の周波数も複数のIDT電極11間において異なる。このような場合、通過帯域は、例えば、複数のIDT電極11のうち、いずれか1つのIDT電極11によって生じるバルク波について、3つのバルク波の曲線(L21〜L23)に囲まれた領域に収まってもよいし、2つ以上および/または全てのIDT電極11によって生じるバルク波について、3つのバルク波の曲線(L21〜L23)に囲まれた領域に収まってもよい(後述する図12(a)および図12(b)参照)。

0114

(複数の共振子におけるデューティー比)
SAW素子が複数の共振子5を有する場合における、電極指19のデューティー比w/pの設定例について説明する。なお、以下では、複数の共振子5同士を区別するために、「共振子5A」のように、共振子5の符号に大文字アルファベット付加符号を付すことがある。

0115

(デューティー比の設定例1)
図11(a)は、本開示の一態様に係るSAW素子401を示す模式的な平面図である。

0116

SAW素子401は、複数(図では2つ)の共振子5Aおよび5Bを同一の圧電基板7上に有している。なお、図11(a)では、反射器13等の図示は省略されている。共振子5Aおよび5Bは、互いに直列に接続されているものであってもよいし、互いに並列に接続されているものであってもよいし、互いに独立した信号経路を構成しているものであってもよい。

0117

各共振子5においては、例えば、上述した、共振周波数および反共振周波数と、バルク波の周波数との関係が成立している。具体的には、共振子5Aの共振周波数および反共振周波数は、共振子5AのIDT電極11によって圧電基板7に電圧が印加されることによって生じる複数のバルク波の周波数のうち、最も低いものと、その次に低いものとの間に収まっている。共振子5Bの共振周波数および反共振周波数は、共振子5BのIDT電極11によって圧電基板7に電圧が印加されることによって生じる複数のバルク波の周波数のうち、最も低いものと、その次に低いものとの間に収まっている。なお、共振子5A(または5B)の共振周波数および反共振周波数と、共振子5B(または5A)によって生じるバルク波の周波数との関係は適宜に設定されてよく、その一例については後述する(図12(a))。

0118

共振子5Bの共振周波数は、共振子5Aの共振周波数よりも低く設定されている。既に説明したように、ピッチpは、基本的には、共振させたい周波数のSAWの半波長であり、SAW素子401では、共振子5Aおよび5Bの共振周波数の相違は、基本的にピッチpによって実現されている。すなわち、共振周波数が共振子Aよりも低い共振子5Bのピッチp2は、共振子5Aのピッチp1よりも大きい。より具体的には、例えば、共振子5Aおよび5Bは、ピッチpを除き、共振周波数に及ぼす影響が比較的大きいパラメータが互いに同一とされており、共振子5Aのピッチp1および共振子5Bのピッチp2の比は、これらの共振子5の共振周波数の比と概ね同一とされている。

0119

共振子5Aおよび共振子5Bは、デューティー比w/pが互いに同一とされている。すなわち、共振子5Aのデューティー比をw1/p1とし、共振子5Bのデューティー比をw2/p2としたときに、w1/p1=w2/p2である。デューティー比は、共振周波数に影響を及ぼすパラメータの一つである。具体的には、デューティー比が大きくなると、共振周波数は低くなる。

0120

このように、複数の共振子5は、共振周波数(およびピッチp)が互いに異なる場合において、互いに同一のデューティー比w/pとされてよい。この場合、例えば、共振周波数の調整において考慮すべきパラメータが絞られ、設計が容易化される。
ここで共振子5Aを第1共振子とみることができる。

0121

(デューティー比の設定例2)
図11(b)は、本開示の一態様に係るSAW素子501を示す模式的な平面図である。

0122

SAW素子501は、共振子5Bに代えて共振子5Cが設けられている点のみがSAW素子401と相違する。共振子5Cにおいては、例えば、共振子5Aおよび5Bと同様に、その共振周波数および反共振周波数は、共振子5Cによって生じる複数のバルク波の周波数のうち、最も低いものと次に低いものとの間に位置している。

0123

共振子5Cは、共振子5Bと同一の共振周波数を有するように構成されている。ただし、共振子5Cのデューティー比w3/p3は、共振子5Bのデューティー比w2/p2よりも大きくなるように設定されている。別の観点では、w2/p2=w1/p1であるから、共振周波数が共振子5Aよりも低い共振子5Cは、そのデューティー比w3/p3が共振子5Aのデューティー比w1/p1よりも大きい。

0124

また、デューティー比を大きくすると、上述のように共振周波数は低くなる。従って、共振子5Cの共振周波数が共振子5Bの共振周波数と同一になるように、共振子5Cのピッチp3は、共振子5Bのピッチp2よりも小さくされている。なお、ピッチp3は、共振子5Aのピッチp1に比較して、大きくてもよいし、同等でもよいし、小さくてもよい。

0125

ピッチp3は、例えば、|p3−p1|<p2−p1を満たす。SAW素子501が実施されている場合において、p1およびp3は、例えば、実測によって求まる。p2は、共振子5Cのデューティー比を共振子5Aと同一にしたと仮定して、共振子5Cの共振周波数(例えば実測によって求まる)を実現するピッチを計算することによって求まる。

0126

図11(b)のように相対的に共振周波数が低い共振子のデューティー比を相対的に大きくしたときの効果は、例えば、以下のとおりである。

0127

図12(a)は、図11(a)のSAW素子401について、バルク波の周波数を示す図である。この図は、図4(a)と同様のものであり、横軸は圧電基板7の厚みtsを示し、縦軸は周波数fを示している。

0128

線L61およびL62は、共振子5Aによって生じるバルク波の周波数を示している。線L63およびL64は、共振子5Bによって生じるバルク波の周波数を示している。線L61および線L63は、最も周波数が低いバルク波の周波数を示しており、図4(a)の線L11に対応している。線L62および線L64は、次に周波数が低いバルク波の周波数を示しており、ここでは、図4(a)の線L13に対応するものを示している。なお、線L13に対応する線に加えて図4(a)の線L12に対応する線を考慮した場合においても、以下に述べる効果の例の基本的な考え方は同じである。

0129

バルク波の周波数は、SAWの共振周波数と同様に、ピッチpが大きくなると低くなる。従って、共振子5Bによって生じる最も周波数が低いバルク波の周波数(線L63)は、共振子5Aによって生じる最も周波数が低いバルク波の周波数(線L61)よりも低くなる。同様に、共振子5Bによって生じる次に周波数が低いバルク波の周波数(線L64)は、共振子5Aによって生じる次に周波数が低いバルク波の周波数(線L62)よりも低くなる。

0130

従って、共振子5Aおよび5Bのいずれによるバルク波の周波数も生じない周波数帯は、最も周波数が低いバルク波の周波数のうち高い方(線L61およびL63のうち線61)と、次に周波数が低いバルク波の周波数のうち低い方(線L62およびL64のうち線64)との間に位置することになる。

0131

その結果、例えば、スプリアスを生じさせたくない周波数帯B5を線L61と線L64との間に位置させることが可能な、圧電基板7の厚さtsの範囲t61は、共振子5が1つだけの場合(例えば周波数帯B5を線L61と線L62との間に位置させる場合)に比較して狭くなる。また、圧電基板7の厚さtsを所定値とした場合について考えると、周波数帯B5とスプリアスの周波数との差が小さくなる。

0132

図12(b)は、図11(b)のSAW素子501について、バルク波の周波数を示す、図12(a)と同様の図である。

0133

SAW素子501では、SAW素子401の共振子5Bに代えて、共振子5Cが設けられていることから、図12(b)では、図12(a)の線L63およびL64に代えて、共振子5Cによって生じるバルク波の周波数を示す線L73およびL74が描かれている。すなわち、線L73およびL74は、共振子5Cによって生じる最も周波数が低いバルク波および次に周波数が低いバルク波の周波数を示している。

0134

電極指19のデューティー比w/pを大きくすると、上述のようにSAWの共振周波数は低くなる。その一方で、バルク波の周波数はあまり変化しない。また、電極指19のピッチpを小さくすると、SAWの共振周波数と同様に、バルク波の周波数も高くなる。ここで、共振子5Cは、共振子5Bに比較して、ピッチpが小さくされている。従って、線L73およびL74は、線L63およびL64よりも高周波側に位置することになる。別の観点では、線L73およびL74は、線L61およびL62に近づく。

0135

その結果、例えば、スプリアスを生じさせたくない周波数帯B5を2つの共振子5のバルク波の周波数間に位置させることが可能な、圧電基板7の厚さtsの範囲t71は、図12(a)の範囲t61よりも広くなる。また、圧電基板7の厚さtsを所定値とした場合について考えるとは、図12(a)に比較して、周波数帯B5とスプリアスの周波数との差が大きくなる。

0136

別の観点では、共振子5Bの共振周波数を低くするために共振子5Bのピッチp2を大きくしようとすると、ピッチp2を大きくすることによって、共振子5Bによって生じる次に周波数が低いバルク波の周波数(線L64参照)が低くなる。その結果、バルク波の周波数がバルク波スプリアスを生じさせたくない周波数帯B5に近づく、または当該周波数帯B5に位置してしまう。その結果、共振子5Bに要求された共振周波数を実現することが困難になる。しかし、ピッチpを大きくすることに代えて、または加えて、デューティー比w/pによって共振周波数を低周波側にシフトさせることによって、共振子5B(5C)に要求された共振周波数を実現することが容易化される。

0137

なお、共振子5Aおよび5C(または5B)の共振周波数および反共振周波数は、例えば、周波数帯B5内に位置している。ただし、共振子5Aおよび5C(または5B)の一方の共振周波数および反共振周波数のみが周波数帯B5に位置してもよいし、複数の共振子5によって生じるバルク波を考慮せずに、各共振子5において図5等を参照して説明した関係が成立するだけであってもよい。

0138

以上のとおり、図11(b)の例では、共振子5Cの共振周波数は、共振子5Aの共振周波数よりも低く(共振子5CのIDT電極15の共振周波数は、共振子5AのIDT電極15の共振周波数よりも低く)、共振子5CのIDT電極15のデューティー比は、共振子5AのIDT電極15のデュディー比よりも大きい。および/または、共振子5CのIDT電極15のピッチp3は、共振子5AのIDT電極15のピッチp1よりも大きく、共振子5CのIDT電極15のデューティー比は、共振子5AのIDT電極15のデューディー比よりも大きい。

0139

従って、例えば、図12(a)および図12(b)を参照して説明したように、共振子5Aおよび5Bのいずれによるバルク波の周波数も避けることができる周波数帯B5を設定することが容易化される。また、例えば、バルク波スプリアスを生じさせたくない周波数帯B5にバルク波スプリアスが生じるおそれを低減しつつ、共振子5Cにおいて相対的に低い共振周波数を実現できる。つまり、共振子5Cを第2共振子とみなすことができる。

0140

なお、上記では、2つの共振子5間における共振周波数(および/またはピッチ)ならびにデューティー比の大小関係について述べた。SAW素子が3つ以上の共振子5を有している場合において、図11(a)または図11(b)の共振周波数(および/またはピッチ)およびデューティー比の大小関係は、3つ以上の共振子5のうちいずれか2つのみについて成立してもよいし、3つ以上の共振子5において成立してもよい。

0141

例えば、3つ以上の共振子5において、共振周波数が低い(および/またはピッチが大きい)共振子5ほど、デューティー比が大きくなっていてよい。この場合において、例えば、最も共振周波数が高い共振子5を共振子5A、最も共振周波数が低い共振子5を共振子5Cとし、|p3−p1|<p2−p1が満たされてもよい。

0142

図11(a)および図11(b)の例とは異なり、SAW素子が共振子5を1つしか有していない場合において、または1つの共振子5のみに着目している場合において、デューティー比の調整によって、共振周波数および反共振周波数と、バルク波の周波数との相対関係の調整を行ってもよい。

0143

また、図11(a)および図11(b)を参照して説明したピッチpおよびデューティー比w/pの設定例は、共振子5以外におけるIDT電極11に適用されてもよい。例えば、多重モード型のSAWフィルタ305において、複数のIDT電極11同士で共振周波数および/またはピッチが互いに異なる場合、共振周波数が低い(および/またはピッチが大きい)IDT電極11ほど、デューティー比が大きくなっていてよい。

0144

図11(a)および図11(b)を参照して説明したピッチpおよびデューティー比w/pの設定例が、SAWフィルタ205またはSAWフィルタ305に適用される場合においては、例えば、既に述べたように、通過帯域が複数のIDT電極11(共振子5)の1つ、複数または全部によって生じる複数のバルク波の周波数間に収まればよく、必ずしも個々のIDT電極11について、共振周波数および反共振周波数が複数のバルク波の周波数間に収まる必要はない。

0145

インダクタの追加、追加例1)
図13(a)は、本開示の一態様に係るSAW素子601(SAWフィルタ605)を示す模式的な平面図である。

0146

図10(a)との比較から理解されるように、SAW素子601は、並列共振子5Dと基準電位部との間において並列共振子5Dに直列に接続されているインダクタ31が設けられている点のみが図10(a)のSAW素子401と相違する。

0147

なお、公知のように、ラダー型フィルタにおいて、直列共振子5および並列共振子5の周波数特性は、基本的に、直列共振子5の共振周波数と並列共振子5の反共振周波数とが一致するように設定される。従って、並列共振子5(5Dを含む)の共振周波数は、直列共振子の共振周波数よりも低い。反共振周波数についても同様である。

0148

並列共振子5Dは、例えば、インダクタ31が設けられていない場合において、SAWフィルタ605の全ての並列共振子5のうち、最も共振周波数が低くされるべきものである。図示の例では、最も端子に近い並列共振子5が並列共振子5Dとされているが、他の位置の並列共振子5が並列共振子5Dとされてもよい。

0149

インダクタ31を並列共振子5Dに直列に接続することによって、並列共振子5Dおよびインダクタ31を含む共振子33の共振周波数(および反共振周波数)は、並列共振子5Dのみの共振周波数よりも低くなる。従って、インダクタ31を設けない場合に比較して、並列共振子5Dのピッチpを小さくすることができる。

0150

そして、例えば、SAWフィルタ605においては、共振子33が並列共振子として機能するように、共振子33の共振周波数および反共振周波数が設定されている。例えば、並列共振子5Dの反共振周波数ではなく、共振子33の反共振周波数が、直列共振子5の共振周波数に概ね一致している。

0151

なお、小さくされた並列共振子5Dのピッチpは、他の並列共振子5のピッチp(または直列共振子5のピッチp)に対して、大きくてもよいし、同等でもよいし、小さくてもよい。デューティー比の調整と同様に、|p3−p1|<p2−p1が満たされてもよい。ここで、p3は、並列共振子5Dのピッチである。p2は、インダクタ31が設けられていないと仮定したときに、共振子33と同じ共振周波数が実現される並列共振子5のピッチである。p1は、例えば、他の並列共振子5のいずれかのピッチp(例えばピッチが最小の並列共振子5のピッチ)、または複数の直列共振子5のいずれか(例えばピッチが最小の直列共振子5のピッチ)のピッチpである。

0152

以上のとおり、第2共振子としての共振子33の共振周波数は、第1共振子としての並列共振子5(5D以外)または直列共振子5の共振周波数よりも低く、第1共振子および第2共振子のうち第2共振子のみ、IDT電極11に直列に接続されたインダクタ31を有している。または、第2共振子としての共振子33のピッチpは、第1共振子としての並列共振子5(5D以外)または直列共振子5のピッチpよりも低く、第1共振子および第2共振子のうち第2共振子のみ、IDT電極11に直列に接続されたインダクタ31を有している。

0153

ここで、インダクタ31を追加しても、バルク波の周波数は基本的に変化しない。一方、並列共振子5Dのピッチpを小さくすると、並列共振子5Dが生じるバルク波の周波数を高くなる。従って、例えば、インダクタ31を追加することによって、デューティー比を大きくしたときと同様の効果を得ることができる。例えば、図12(a)および図12(b)を参照して説明したように、周波数帯B5をバルク波の周波数間に位置させることが可能な範囲t71を大きくできる。また、例えば、共振子33に要求された比較的低い共振周波数を実現することが容易化される。

0154

なお、SAW素子601の説明から理解されるように、本開示において、共振子の共振周波数および反共振周波数という場合、特に断りがない限りは、共振子全体の共振周波数および反共振周波数を指す。具体的には、例えば、共振子33のように、インピーダンスを調整するための調整素子がIDT電極11に接続され、IDT電極11および調整素子全体が共振子として機能している場合においては、共振子の共振周波数および反共振周波数は、IDT電極11および調整素子全体の共振周波数および反共振周波数を指す。また、例えば、そのような調整素子が接続されていない場合においては、共振子の共振周波数および反共振周波数は、IDT電極11(および反射器13)自体の共振周波数および反共振周波数を指す。なお、調整素子としては、例えば、インダクタ31の他、特に図示しないが、IDT電極11に並列に接続される容量素子が挙げられる。

0155

SAW素子601においては、SAW素子401と同様に、通過帯域が複数のIDT電極11(5Dを含む共振子5)の1つ、複数または全部によって生じる複数のバルク波の周波数間に収まればよい。従って、個々の共振子(33または5Dを除く5)については、共振周波数および反共振周波数は、複数のIDT電極11(5Dを含む共振子5)の1つ、複数または全部によって生じる複数のバルク波の周波数間に収まっていてもよいし、収まっていなくてもよい。一例として、いずれの共振子(33または5Dを除く5)も、その共振周波数および反共振周波数は、自己のIDT電極11によって生じた複数のバルク波の周波数間に位置している。

0156

(インダクタの追加例2)
図13(b)は、本開示の一態様に係るSAW素子701(SAWフィルタ705)を示す模式的な平面図である。

0157

図13(a)との比較から理解されるように、SAW素子701は、複数の並列共振子5(図示の例では全ての並列共振子5)に対してインダクタ31が設けられている点のみが図13(a)のSAW素子601と相違する。

0158

いずれの並列共振子5E〜5Gにおいても、図13(a)の並列共振子5Dと同様に、IDT電極11に直列に接続されたインダクタ31E〜31Gとの組み合わせによって、実質的に並列共振子として機能する共振子33E〜33Gが構成されている。

0159

複数の共振子33E〜33G(または共振子5E〜5G)は、その共振周波数および/またはピッチが互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。いずれにせよ、直列共振子5よりも共振周波数が低い、またはインダクタ31を設けても直列共振子5よりもピッチpが大きい共振子33においてインダクタ33が設けられていることによって、例えば、図13(a)において共振子33にインダクタ33を設けたことによる効果と同様の効果が奏される。

0160

なお、インダクタ31を設けたことによって小さくされた並列共振子33E〜33Gのピッチは、直列共振子5のピッチよりも大きくてもよいし、同等でもよいし、小さくてもよい。複数の共振子33E〜33Gのうち、任意の1つ、または最も大きい(もしくはピッチp1との差が最も大きい)ピッチを有する共振子33のピッチをp3としたときに、|p3−p1|<p2−p1が満たされてもよい。ここで、p1は、例えば、ピッチが最小の共振子5(通常は直列共振子5)のピッチである。p2は、例えば、ピッチp3を有する共振子33において、インダクタ31が設けられていないと仮定したときに、ピッチp3を有する共振子33と同じ共振周波数が実現される並列共振子5のピッチである。

0161

複数の共振子33の共振周波数(および/またはピッチ)が互いに異なっている場合においては、例えば、少なくとも2つの共振子33(第1共振子、第2共振子)について、共振周波数が低い方(および/またはピッチが大きい方)の共振子33(第2共振子)のインダクタ31(第2インダクタ)のインダクタンスが大きいという関係が成立してよい。なお、第1共振子に接続される側のインダクタ31は第1インダクタとみなすことができる。
また、3つ以上の共振子33において、共振周波数が低いほど(および/またはピッチが大きいほど)、インダクタ31のインダクタンスが大きくなっていてもよい。また、別の観点では、例えば、最も共振周波数が低い(および/または最もピッチが大きい)共振子33のインダクタ31が最も大きいインダクタンスを有していてもよい。

0162

このように、インダクタ31のインダクタンスの大きさを調整することによって、図13(a)において一部の共振子5についてのみインダクタンスを接続した場合と同様の効果が奏される。例えば、複数の共振子33間でピッチpの差が低減されるから、図12(a)および図12(b)を参照して説明したように、周波数帯B5をバルク波の周波数間に位置させることが可能な範囲t71を大きくできる。また、例えば、共振子33に要求された比較的低い共振周波数を実現することが容易化される。

0163

なお、SAW素子701においては、SAW素子601と同様に、通過帯域が複数のIDT電極11(5E〜5Gを含む共振子5)の1つ、複数または全部によって生じる複数のバルク波の周波数間に収まればよい。従って、個々の共振子(33または5E〜5Gを除く5)については、共振周波数および反共振周波数は、複数のIDT電極11(5E〜5Gを含む共振子5)の1つ、複数または全部によって生じる複数のバルク波の周波数間に収まっていてもよいし、収まっていなくてもよい。一例として、いずれの共振子(33または5E〜5Gを除く5)も、その共振周波数および反共振周波数は、自己のIDT電極11によって生じた複数のバルク波の周波数間に位置している。

0164

図13(a)および図13(b)の例とは異なり、SAW素子が共振子5を1つしか有していない場合において、または1つの共振子5のみに着目している場合において、インダクタ31の追加によって、共振周波数および反共振周波数と、バルク波の周波数との相対関係の調整を行ってもよい。

0165

分波器
上述のようなフィルタを分波器に適用してもよい。分波器は、通信装置において送信周波数の信号と受信周波数の信号とを分波する機能を有するものである。

0166

通信装置において、送信すべき情報を含む送信情報信号TISは、RF−ICによって変調および周波数の引き上げ搬送波周波数高周波信号への変換)がなされて送信信号TSとされる。送信信号TSは、増幅器によって増幅されて分波器に入力される。分波器は、入力された送信信号TSから送信用の通過帯域以外の不要成分を除去してアンテナに出力する。アンテナは、入力された電気信号(送信信号TS)を無線信号に変換して送信する。

0167

同様に、通信装置において、アンテナによって受信された無線信号は、アンテナによって電気信号(受信信号RS)に変換されて分波器に入力される。分波器は、入力された受信信号RSから受信用の通過帯域以外の不要成分を除去して増幅器に出力する。出力された受信信号RSは、増幅器によって増幅され、RF−ICによって周波数の引き下げおよび復調がなされて受信情報信号RISとされる。

0168

送信情報信号TISおよび受信情報信号RISは、適宜な情報を含む低周波信号(ベースバンド信号)でよく、例えば、アナログ音声信号もしくはデジタル化された音声信号である。無線信号の通過帯域は、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)等の各種の規格に従ったものでよい。変調方式は、位相変調振幅変調周波数変調もしくはこれらのいずれか2つ以上の組み合わせのいずれであってもよい。

0169

このような分波器は、受信用のフィルタと送信用のフィルタを含んでおり、この少なくとも一方に上述のフィルタを用いればよい。

0170

なお、本開示に係る技術は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。

0171

SAW素子は、SAW共振子および共振子型フィルタを有するものに限定されない。例えば、SAW素子は、トランスバーサル型フィルタを有するものであってもよい。

0172

IDT電極の形状は、図示のものに限定されない。例えば、IDT電極は、ダミー電極を有さないものであってもよい。また、例えば、IDT電極は、電極指の長さ等がSAWの伝搬方向において変化する、いわゆるアポダイズが施されたものであってもよい。バスバーは、SAWの伝搬方向に対して傾斜していてもよい。

0173

実施形態では、電極(IDT電極や反射器)の厚みを励振効率がよいとされる厚みよりも厚くすることについて述べたが、電極の厚みは励振効率がよいとされる厚みよりも薄くされてもよい。

0174

共振子の共振周波数もしくは反共振周波数またはフィルタの通過特性と、バルク波の周波数との相対関係を調整する方法として、圧電基板の厚みの調整、電極の厚みの調整、デューティー比の調整およびインダクタの追加について説明した。これらは、2つ以上が組み合わされてもよい。また、例えば、他のパラメータが調整されるなどしてもよい。

0175

1…SAW素子(弾性表面波素子)、3…貼り合わせ基板、5…共振子、7…圧電基板、9…支持基板、11…IDT電極。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ