図面 (/)

技術 積層セラミックコンデンサの製造方法及び積層セラミックコンデンサ

出願人 太陽誘電株式会社
発明者 有我穰二野崎剛石井真澄新井紀宏茂木宏之小澤学
出願日 2018年12月4日 (1年5ヶ月経過) 出願番号 2018-227053
公開日 2019年9月12日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-153778
状態 未査定
技術分野 固定コンデンサ及びコンデンサ製造装置 セラミックコンデンサ 酸化物セラミックスの組成2
主要キーワード 主成分金属 所定チップ 下地導体層 Li濃度 DMOS 動作保証 所定層 主成分材料
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年9月12日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (12)

課題

高電圧印加されても信頼性に優れた積層セラミックコンデンサの製造方法及び積層セラミックコンデンサを提供する。

解決手段

積層セラミックコンデンサの製造方法は、CaおよびZrを含み一般式ABO3で表されるペロブスカイト構造を有するセラミック材料を主成分とし、アルカリ金属を含むグリーンシートと、Cuを主成分とし、セラミック共材を含み、アルカリ金属を含まない内部電極層形成用導電ペーストと、を交互に積層することで積層体を形成する積層工程と、前記積層体を焼成することでセラミック積層体を得る焼成工程と、を含む、ことを特徴とする。

概要

背景

誘電体層にCaZrO3(ジルコン酸カルシウム)を主成分とする誘電体磁器を用い、内部電極にCu(銅)を用いた積層セラミックコンデンサが開示されている(例えば、特許文献1参照)。

概要

高電圧印加されても信頼性に優れた積層セラミックコンデンサの製造方法及び積層セラミックコンデンサを提供する。 積層セラミックコンデンサの製造方法は、CaおよびZrを含み一般式ABO3で表されるペロブスカイト構造を有するセラミック材料を主成分とし、アルカリ金属を含むグリーンシートと、Cuを主成分とし、セラミック共材を含み、アルカリ金属を含まない内部電極層形成用導電ペーストと、を交互に積層することで積層体を形成する積層工程と、前記積層体を焼成することでセラミック積層体を得る焼成工程と、を含む、ことを特徴とする。

目的

本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、高電圧が印加されても信頼性に優れた積層セラミックコンデンサの製造方法及び積層セラミックコンデンサを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

CaおよびZrを含み一般式ABO3で表されるペロブスカイト構造を有するセラミック材料を主成分とし、アルカリ金属を含むグリーンシートと、Cuを主成分とし、セラミック共材を含み、アルカリ金属を含まない内部電極層形成用導電ペーストと、を交互に積層することで積層体を形成する積層工程と、前記積層体を焼成することでセラミック積層体を得る焼成工程と、を含む、ことを特徴とする積層セラミックコンデンサの製造方法。

請求項2

前記セラミック材料は、CaZrO3であり、前記セラミックの共材は、CaZrO3である、ことを特徴とする請求項1記載の積層セラミックコンデンサの製造方法。

請求項3

Ca、Zr、Oを主成分とし、アルカリ金属を含むセラミック誘電体層と、Cuを主成分とし、Ca、Zr、Oを含みアルカリ金属を含まない共材を含む内部電極層と、が交互に積層された略直方体形状を有するセラミック積層体と、前記セラミック積層体の端面に引き出された複数の前記内部電極層と接続する少なくとも2つの外部電極と、を備える積層セラミックコンデンサ。

請求項4

Ca、Zr、Oを主成分とし、アルカリ金属を含むセラミック誘電体層と、Cuを主成分とし、Ca、Zr、Oからなる共材を含む内部電極層と、が交互に積層された略直方体形状を有するセラミック積層体と、前記セラミック積層体の端面に引き出された複数の前記内部電極層と接続する少なくとも2つの外部電極と、備える積層セラミックコンデンサ。

請求項5

前記アルカリ金属は、Liである、請求項3又は4記載の積層セラミックコンデンサ。

請求項6

前記セラミック誘電体層は、B、Si、及びMnを含む、請求項3〜5のいずれか一項記載の積層セラミックコンデンサ。

請求項7

前記セラミック誘電体層の主成分はCaZrO3である、請求項3〜6のいずれか一項記載の積層セラミックコンデンサ。

請求項8

前記共材の主成分はCaZrO3である、請求項3〜7のいずれか一項記載の積層セラミックコンデンサ。

請求項9

前記セラミック誘電体層と前記内部電極層が交互に積層される位置において、前記積層セラミックコンデンサの積層方向に平行な断面を見た場合、前記セラミック誘電体層が前記内部電極層に接する位置から前記セラミック誘電体層側に1.2μmの範囲における前記アルカリ金属の濃度は、前記セラミック誘電体層のその他の範囲における前記アルカリ金属の濃度よりも低い、請求項3〜8のいずれか一項記載の積層セラミックコンデンサ。

技術分野

0001

本発明は、積層セラミックコンデンサの製造方法及び積層セラミックコンデンサに関する。

背景技術

0002

誘電体層にCaZrO3(ジルコン酸カルシウム)を主成分とする誘電体磁器を用い、内部電極にCu(銅)を用いた積層セラミックコンデンサが開示されている(例えば、特許文献1参照)。

先行技術

0003

特開2009−7209号公報

発明が解決しようとする課題

0004

近年、携帯電話基地局向けのパワーアンプ等に使用されるトランジスタがLDMOS横方向拡散MOS)トランジスタからGaN(窒化ガリウム)トランジスタに変更になることで、電源電圧が28Vから48Vに増加する動きがある。これに伴い、積層セラミックコンデンサの印加電圧は230Vになる可能性があり、500V以上の定格電圧で動作する積層セラミックコンデンサが要求されている。さらに、印加電圧の増加に伴い発熱量の増加も懸念されることから、150℃等の高温での動作保証も要求されている。

0005

本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、高電圧印加されても信頼性に優れた積層セラミックコンデンサの製造方法及び積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明に係る積層セラミックコンデンサの製造方法は、CaおよびZrを含み一般式ABO3で表されるペロブスカイト構造を有するセラミック材料を主成分とし、アルカリ金属を含むグリーンシートと、Cuを主成分とし、セラミック共材を含み、アルカリ金属を含まない内部電極層形成用導電ペーストと、を交互に積層することで積層体を形成する積層工程と、前記積層体を焼成することでセラミック積層体を得る焼成工程と、を含む、ことを特徴とする。

0007

上記積層セラミックコンデンサの製造方法において、前記セラミック材料は、CaZrO3であり、前記セラミックの共材は、CaZrO3であってもよい。

0008

本発明に係る積層セラミックコンデンサは、Ca、Zr、Oを主成分とし、アルカリ金属を含むセラミック誘電体層と、Cuを主成分とし、Ca、Zr、Oを含みアルカリ金属を含まない共材を含む内部電極層と、が交互に積層された略直方体形状を有するセラミック積層体と、前記セラミック積層体の端面に引き出された複数の前記内部電極層と接続する少なくとも2つの外部電極と、を備える。

0009

本発明に係る積層セラミックコンデンサは、Ca、Zr、Oを主成分とし、アルカリ金属を含むセラミック誘電体層と、Cuを主成分とし、Ca、Zr、Oからなる共材を含む内部電極層と、が交互に積層された略直方体形状を有するセラミック積層体と、前記セラミック積層体の端面に引き出された複数の前記内部電極層と接続する少なくとも2つの外部電極と、を備える。

0010

上記積層セラミックコンデンサにおいて、前記アルカリ金属は、Liであってもよい。

0011

上記積層セラミックコンデンサにおいて、前記セラミック誘電体層は、B、Si、及びMnを含んでもよい。

0012

上記積層セラミックコンデンサにおいて、前記セラミック誘電体層の主成分はCaZrO3であってもよい。

0013

上記積層セラミックコンデンサにおいて、前記共材の主成分はCaZrO3であってもよい。

0014

上記積層セラミックコンデンサにおいて、前記セラミック誘電体層と前記内部電極層が交互に積層される位置において、前記積層セラミックコンデンサの積層方向に平行な断面を見た場合、前記セラミック誘電体層が前記内部電極層に接する位置から前記セラミック誘電体層側に1.2μmの範囲における前記アルカリ金属の濃度は、前記セラミック誘電体層のその他の範囲における前記アルカリ金属の濃度よりも低くてもよい。

発明の効果

0015

本発明によれば、高電圧が印加されても信頼性に優れた積層セラミックコンデンサの製造方法及び積層セラミックコンデンサを提供することができる。

図面の簡単な説明

0016

積層セラミックコンデンサの部分断面斜視図である。
図1のA−A線の部分断面図である。
静電容量が増加するメカニズムについて説明するための図である。
積層セラミックコンデンサの製造方法のフローを例示する図である。
実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法により、静電容量の増加が抑制される理由について説明するための図である。
図6(A)及び図6(B)はそれぞれ、内部電極層に共材を含ませなかった積層セラミックコンデンサ200の断面におけるCu及びLiの測定結果画像を示す概略図であり、図6(C)は、図6(A)と図6(B)とを重ね合わせた図であり、図6(D)及び図6(E)はそれぞれ、内部電極層に共材を10部含ませた積層セラミックコンデンサ100の断面におけるCu及びLiの測定結果画像を示す概略図であり、図6(F)は、図6(D)と図6(E)とを重ね合わせた図である。
図7(A)は、図6(C)の点線で示す領域R1の拡大図であり、図7(B)は、図6(F)の点線で示す領域R2の拡大図である。
実施例1〜10及び比較例1〜10の構成を示す図である。
実施例1〜5及び比較例1〜5における静電容量変化率を示す図である。
図10(A)は、実施例1〜10の高温負荷試験後の静電容量変化率を示す図であり、図10(B)は、実施例1〜10のうち実施例2、4、7及び9の結果を示すグラフである。
図11(A)は、比較例1〜10の高温負荷試験後の静電容量変化率を示す図であり、図11(B)は、比較例1〜10のうち比較例2、4、7及び9の結果を示すグラフである。

0017

以下、図面を参照しつつ、実施形態について説明する。

0018

(実施形態)
まず、積層セラミックコンデンサについて説明する。図1は、積層セラミックコンデンサ100の部分断面斜視図である。図1で例示するように、積層セラミックコンデンサ100は、略直方体形状を有するセラミック積層体10と、セラミック積層体10のいずれかの対向する2端面に設けられた外部電極20a,20bとを備える。ここで、略直方体形状とは、部にRがついている場合を含む。なお、セラミック積層体10の当該2端面以外の4面を側面と称する。外部電極20a,20bは、4つの側面に延在している。ただし、外部電極20a,20bは、4つの側面において互いに離間している。

0019

セラミック積層体10は、誘電体として機能するセラミック材料を含むセラミック誘電体層11と、内部電極層12とが、交互に積層された構成を有する。各内部電極層12の端縁は、セラミック積層体10の外部電極20aが設けられた端面と、外部電極20bが設けられた端面とに、交互に露出している。それにより、各内部電極層12は、外部電極20aと外部電極20bとに、交互に導通している。また、セラミック積層体10において、4つの側面のうち、セラミック誘電体層11と内部電極層12との積層方向(以下、積層方向と称する。)の上面と下面とに対応する2側面は、カバー層13によって覆われている。カバー層13は、セラミック材料を主成分とする。例えば、カバー層13の主成分材料は、セラミック誘電体層11の主成分材料と同じである。なお、セラミック積層体10において、内部電極層12は、図1において、外部電極20a,20bが設けられた対向する2端面以外の面に露出し(引き出され)、外部電極と接続してもよい。

0020

積層セラミックコンデンサ100のサイズは、例えば、長さ0.2mm、幅0.125mm、高さ0.125mmであり、または長さ0.4mm、幅0.2mm、高さ0.2mm、または長さ0.6mm、幅0.3mm、高さ0.3mmであり、または長さ1.0mm、幅0.5mm、高さ0.5mmであり、または長さ1.6mm、幅0.8mm、高さ0.8mmであり、または長さ2.0mm、幅1.25mm、高さ1.25mmであり、または長さ3.2mm、幅1.6mm、高さ1.6mmであり、または長さ4.5mm、幅3.2mm、高さ2.5mmであるが、これらのサイズに限定されるものではない。

0021

セラミック誘電体層11は、Ca(カルシウム)およびZr(ジルコニウム)を含み一般式ABO3で表されるペロブスカイト構造を有するセラミック材料を主成分とする。当該ペロブスカイト構造は、化学量論組成から外れたABO3−αを含む。例えば、当該セラミック材料として、CaZrO3(ジルコン酸カルシウム)を用いることができる。CaおよびZrを含むペロブスカイトは、静電容量の温度変化が小さいため、温度係数Tc[ppm/℃]が小さいという特性を有している。セラミック誘電体層11の厚みは、例えば、5μm〜50μmである。セラミック誘電体層11の厚みは、積層セラミックコンデンサ100のサイズが、長さ1.6mm以下、幅0.8mm以下、高さ0.8mm以下の場合において、20μm以下であることが好ましい。

0022

内部電極層12は、Cu(銅)を主成分とし、Ca、Zr、及びOを含み、かつアルカリ金属を含まない共材を含む導電薄膜である。例えば、内部電極層12は、Cuを主成分とし、CaZrO3を含み、かつアルカリ金属を含まない共材を含む導電薄膜である。また、例えば、内部電極層12は、Cuを主成分とし、CaZrO3からなる共材を含む導電薄膜である。また、例えば、内部電極層12は、Cuを主成分とし、CaZrO3のみからなる共材を含む導電薄膜である。このような組成物は精緻な分析をすると微量な不純物が検出されることがあるが作用効果には問題はない。

0023

図2は、外部電極20bの断面図であり、図1のA−A線の部分断面図である。なお、図2では断面を表すハッチを省略している。セラミック積層体10の表面においては、主としてセラミック材料が露出している。したがって、セラミック積層体10の表面に下地層無しでめっき層を形成することは困難である。そこで、図2で例示するように、外部電極20bは、セラミック積層体10の表面に形成された下地導体層21上に、めっき層が形成された構造を有する。めっき層は、下地導体層21に接して覆う第1めっき層22と、第1めっき層22に接して覆う第2めっき層23とを備える。下地導体層21と第1めっき層22との間に、下地めっき層を備えてもよい。下地導体層21は、Cu,Ni(ニッケル),Al(アルミニウム),Zn(亜鉛),Ag(銀),Au(金),Pd(パラジウム),Pt(白金)などの金属、またはこれらの2以上の合金(例えば、CuとNiとの合金)を主成分とし、下地導体層21の緻密化のためのガラス成分、下地導体層21の焼結性を制御するための共材、などのセラミックを含んでいる。ガラス成分は、Ba(バリウム),Sr(ストロンチウム),Ca,Zn,Al,Si(ケイ素),B(ホウ素)等の酸化物である。共材は、例えば、セラミック誘電体層11の主成分と同じ材料を主成分とするセラミック成分である。めっき層は、Cu,Ni,Al,Zn,Sn(錫)などの金属またはこれらの2以上の合金を主成分とする。

0024

積層セラミックコンデンサ100の高定格化が要求されている。しかしながら、高温下において外部から積層セラミックコンデンサ100に高電圧を印加すると、図3の矢印AR1に示すように、セラミック誘電体層11中の粒界に存在するアモルファス相内のアルカリ金属イオンI20(例えば、Li+)がマイグレーションを起こす。このとき、矢印AR2に示すように、焼成によってCuが拡散した領域11aのうち、陰極側の領域11aに存在するCuがイオン化したCu2+(I10で示す)が、アルカリ金属イオンI20の移動によってできた欠陥D10に入り込むことで、徐々に陰極側の内部電極層12の方へ移動する。陰極側の内部電極層12に到達したCu2+は電子を受け取って析出する。これにより、図3に示すように、内部電極層12が電界方向に延伸し、内部電極層12の表面積が増大するとともに、内部電極層12間の距離が減少する。その結果、積層セラミックコンデンサ100の容量が増加してしまう。この容量増加による静電容量変化率は、EIA規格Class1に分類される温度補償用積層セラミックコンデンサに対して規定される範囲を超えるほどの重要欠陥となり、信頼性が低下する。

0025

そこで、信頼性に優れた積層セラミックコンデンサ100の製造方法について説明する。図4は、積層セラミックコンデンサ100の製造方法のフローを例示する図である。

0026

原料粉末作製工程)
まず、セラミック誘電体層11の主成分であるセラミック材料の粉末に、目的に応じて所定の添加化合物を添加する。セラミック材料としては、CaZrO3を用いることができる。添加化合物としては、Mg(マグネシウム),Mn(マンガン),V(バナジウム),Cr(クロム),希土類元素(Y(イットリウム),Sm(サマリウム),Eu(ユウロピウム),Gd(ガドリニウム),Tb(テルビウム),Dy(ジスプロシウム),Ho(ホロミウム),Er(エルビウム),Tm(ツリウム)およびYb(イッテルビウム))の酸化物、並びに、Co,Ni,Li(リチウム),B,Na(ナトリウム),K(カリウム)およびSiの酸化物もしくはガラスが挙げられる。例えば、まず、セラミック材料の粉末に添加化合物を含む化合物を混合して仮焼を行う。続いて、得られたセラミック材料の粒子を添加化合物とともに湿式混合し、乾燥および粉砕してセラミック材料の粉末を調製する。

0027

次に、得られたセラミック材料の粉末に、ポリビニルブチラールPVB)樹脂等のバインダと、エタノールトルエン等の有機溶剤と、可塑剤とを加えて湿式混合する。得られたスラリーを使用して、例えばダイコータ法やドクターブレード法により、基材上に例えば厚み5〜20μmの帯状誘電体グリーンシートを塗工して乾燥させる。

0028

(積層工程)
次に、誘電体グリーンシートの表面に、内部電極層形成用導電ペーストをスクリーン印刷グラビア印刷等により印刷することで、内部電極層12のパターンを配置する。内部電極層形成用導電ペーストは、内部電極層12の主成分金属の粉末と、共材と、バインダと、溶剤と、必要に応じてその他助剤とを含んでいる。共材、バインダ、溶剤、及びその他助剤は、アルカリ金属を含まない。共材としては、セラミック誘電体層11の主成分であるセラミック材料(CaZrO3)を用いることができる。主成分金属としては、Cuを用いることができる。

0029

次に、内部電極層パターンが印刷された誘電体グリーンシートを所定の大きさに打ち抜いて、打ち抜かれた誘電体グリーンシートを、基材を剥離した状態で、内部電極層12とセラミック誘電体層11とが互い違いになるように、かつ内部電極層12がセラミック誘電体層11の長さ方向両端面に端縁が交互に露出して極性の異なる一対の外部電極に交互に引き出されるように、所定層数(例えば4〜50層)だけ積層する。積層した誘電体グリーンシートの上下にカバー層13となるカバーシート圧着させ、所定チップ寸法(例えば1.6mm×0.8mm)にカットし、その後に外部電極20a,20bの下地層となる金属導電ペーストを、カットした積層体の両端面にディップ法等で塗布して乾燥させる。これにより、積層セラミックコンデンサ100の成型体が得られる。

0030

(焼成工程)
次に、外部電極形成用金属ペーストが塗布されたセラミック積層体を、例えば、H2が1.5体積%程度の還元雰囲気中において、900℃〜1050℃程度の温度で2時間程度焼成する。それにより、セラミック誘電体層11および内部電極層12の焼成と、下地導体層21の焼き付けとを同時に行うことができ、積層セラミックコンデンサ100の半製品を得ることができる。

0031

(外部電極形成工程)
次に、下地導体層21上に、めっき処理により、第1めっき層22を形成する。さらに、第1めっき層22上に、めっき処理により、第2めっき層23を形成する。

0032

本実施形態に係る製造方法によれば、内部電極層形成用導電ペーストは、共材として、セラミック誘電体層11の主成分であるセラミック材料(CaZrO3)を含んでいるが、アルカリ金属を含まない。これにより、焼成工程において、内部電極層形成用導電ペーストに含まれるセラミック材料(CaZrO3)がセラミック誘電体層11側に吐き出され、図5に示すように、CaZrO3を主成分としLi、B、Mn、及びSiを含むセラミック誘電体層11と内部電極層12との界面付近に、アルカリ金属の濃度が低いCaZrO3の層11bが形成されると推定される。これにより、高電圧が印加された場合にも、層11bがバリアのように機能し、アルカリ金属イオンI20のマイグレーションを抑制すると考えられる。アルカリ金属イオンI20のマイグレーションの抑制によって、焼成によりCuが拡散した領域11a中のCuがイオン化したCu2+が陰極側の内部電極層12へ移動するのを抑制できる。これにより、陰極側の内部電極層12へ到達したCu2+が電子を受け取って析出し、内部電極層12が電界方向に延伸するのを抑制でき、容量増加を抑制できる。

0033

本実施形態に係る製造方法により製造された積層セラミックコンデンサ100は、CaZrO3を主成分とし、アルカリ金属を含むセラミック誘電体層11と、Cuを主成分とし、CaZrO3を含みアルカリ金属を含まない共材を含む内部電極層12と、が交互に積層され、積層された複数の内部電極層12が交互に対向する2端面に露出するように形成され、略直方体形状を有するセラミック積層体10と、対向する2端面からセラミック積層体10の少なくともいずれかの側面にかけて形成された1対の外部電極20a,20bと、を備える。積層セラミックコンデンサ100では、図5に示すように、セラミック誘電体層11と内部電極層12との界面付近に、アルカリ金属の濃度が低いCaZrO3の層11bが形成されているため、高電圧が印加された場合にも、層11bがバリアのように機能し、アルカリ金属イオンI20のマイグレーションを抑制する。アルカリ金属イオンI20のマイグレーションの抑制によって、焼成によりCuが拡散した領域11a中のCuがイオン化したCu2+が陰極側の内部電極層12へ移動するのを抑制できる。これにより、陰極側の内部電極層12へ到達したCu2+が電子を受け取って析出し、内部電極層12が電界方向に延伸するのを抑制でき、容量増加を抑制できる。

0034

なお、層11bの積層方向の幅は、0.2〜1.2μm以内であることが好ましい。層11bの幅に上限を設けることで誘電体層11の主要な組成を高耐圧で高温動作が可能なものとすることができる。また0.2μm以上とすることで充分なバリア機能を得ることができる。

0035

内部電極層12の主成分として、Cuを用い、共材としてCaZrO3のみを10部含ませた積層セラミックコンデンサ100と、内部電極層12に共材を含ませなかった積層セラミックコンデンサ200とを、セラミック誘電体層と内部電極層とが交互に積層される位置で切断し、積層方向に平行な断面を、Time-of-Flight Secondary Ion Mass Spectrometry(TOF−SIMS)法により分析した。なお、セラミック誘電体層11の主成分のセラミック材料として、CaZrO3を用い、Zrに対するCaのモル比率(Ca/Zr)を1.05とした。また、セラミック誘電体層11に、BN(3.5mol%)、SiO2(3.5mol%)、Li2CO3(1.75mol%)、およびMnCO3(3.5mol%)を添加材として添加した。

0036

図6(A)及び図6(B)はそれぞれ、内部電極層12に共材を含ませなかった積層セラミックコンデンサ200の断面におけるCu及びLiの測定結果画像(60μm×60μm)を示す概略図であり、図6(C)は、図6(A)と図6(B)とを重ね合わせた図である。図6(D)及び図6(E)はそれぞれ、内部電極層12に共材を10部含ませた積層セラミックコンデンサ100の断面におけるCu及びLiの測定結果画像(60μm×60μm)を示す概略図であり、図6(F)は、図6(D)と図6(E)とを重ね合わせた図である。図7(A)は、図6(C)の点線で示す領域R1の拡大図であり、図7(B)は、図6(F)の点線で示す領域R2の拡大図である。

0037

図7(A)から、内部電極層12に共材を含ませなかった積層セラミックコンデンサ200では、セラミック誘電体層11において、内部電極層12近傍の範囲R3におけるLi濃度と、その他の範囲R4におけるLi濃度とは、ほとんど同じであることがわかる。一方、図7(B)から、内部電極層12に共材を10部含ませた積層セラミックコンデンサ100では、範囲R3におけるLi濃度が、他の範囲R4におけるLi濃度よりも低くなっていることがわかる。なお、範囲R3の積層方向の幅(厚み)を画像上で計測したところ、1.2μm程度であった。

0038

次に、実施形態に係る積層セラミックコンデンサを作製し、特性について調べた。

0039

(実施例1〜10)
図8に示すように、セラミック誘電体層11の主成分のセラミック材料として、CaZrO3を用いた。なお、Zrに対するCaのモル比率(Ca/Zr)を1.05とした。セラミック誘電体層11に、BN(3.5mol%)、SiO2(3.5mol%)、Li2CO3(1.75mol%)、およびMnCO3(3.5mol%)を添加材として添加した。なお、いずれの添加材の「mol%」も、主成分のCaZrO3を100mol%とした場合の数値である。内部電極層12の主成分として、Cuを用い、共材としてCaZrO3を10部含ませた。なお、内部電極層12は、アルカリ金属を含む焼結助剤及び添加材は含まない。外部電極20a,20bの下地導体層21の主成分としてCuを用い、共材としてCaZrO3を6部含ませた。焼成工程の焼成条件として、H2が1.5体積%程度の還元雰囲気、980℃の焼成温度とした。第1めっき層22には、Niを用いた。第2めっき層23には、Snを用いた。

0040

実施例1〜5では、積層セラミックコンデンサ100のサイズを、長さ1.0mm、幅0.5mm、高さ0.5mmとした。実施例6〜10では、積層セラミックコンデンサ100のサイズを、長さ1.6mm、幅0.8mm、高さ0.8mmとした。

0041

実施例1では、セラミック誘電体層11の厚みを46.0μmとし、実施例2では、27.6μmとし、実施例3では、23.1μmとし、実施例4では、18.4μmとし、実施例5では、15.2μmとした。実施例6では、セラミック誘電体層11の厚みを46.0μmとし、実施例7では、27.6μmとし、実施例8では、23.1μmとし、実施例9では、18.4μmとし、実施例10では、15.2μmとした。

0042

(比較例1〜10)
比較例1〜10では、内部電極層12に共材を含ませなかった。その他の条件は、実施例1〜10とそれぞれ同様とした。

0043

(分析)
実施例1〜5及び比較例1〜5について、それぞれ図9(A)に示す電界強度電圧を150℃で1000時間印加する前後の静電容量を測定し、静電容量変化率を求めた。図9(A)及び図9(B)に示すように、実施例1〜5のいずれにおいても、容量変化率は0.0%であった。一方、比較例1及び2では、容量変化率が0.0%であるものの、比較例3〜5では静電容量変化率が、4%を超えており、信頼性規格である3%未満を満足しなかった。

0044

実施例1〜10及び比較例1〜10それぞれについて100個のサンプルを作製し、600V−150℃の条件で、高温負荷試験を行った。試験時間は、0時間、100時間、200時間、300時間、400時間及び500時間とし、試験前後の静電容量を測定し、静電容量変化率を求めた。図10(A)は、実施例1〜10の結果を示し、図10(B)のグラフには、実施例1〜10のうち、実施例2、4、7及び9の結果を代表として示した。また、図11(A)は、比較例1〜10の結果を示し、図11(B)のグラフには、比較例1〜10のうち、比較例2、4、7及び9の結果を代表として示した。

0045

図11(A)及び図11(B)に示すように、比較例1〜10では、試験時間が長くなるにつれて、静電容量変化率が増加し、500時間経過後では、3%以上となり、信頼性規格である3%未満を満足しなかった。一方、図10(A)及び図10(B)に示すように、実施例1〜10では、500時間経過後でも、容量変化率が0.1%以下となっており、信頼性規格である3%未満を十分満足することが確認された。

実施例

0046

以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。

0047

10セラミック積層体
11セラミック誘電体層
12内部電極層
20a,20b外部電極
21下地導体層
22 第1めっき層
23 第2めっき層
100 積層セラミックコンデンサ

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 深セン明創自控技術有限公司の「 新型住宅環境測定装置」が 公開されました。( 2020/02/13)

    【課題】中央処理装置を含む新型住宅環境測定装置を提供する。【解決手段】中央処理装置2には、通信ユニット3、環境測定システム1および自動制御処理操作装置5が接続され、通信ユニット3にはさらに受信端末4が... 詳細

  • TDK株式会社の「 積層電子部品」が 公開されました。( 2020/02/13)

    【課題】素体におけるクラックの発生を抑制可能な積層電子部品を提供する。【解決手段】 方向性結合器1は、実装面とされる底面50Bと、底面50Bと対向している上面50Aと、底面50B及び上面の対向方向T... 詳細

  • 株式会社豊田自動織機の「 混練装置、電極製造装置、及び電極製造システム」が 公開されました。( 2020/02/13)

    【課題】残留した電極用活物質合剤を回収できる混練装置、電極製造装置、及び電極製造システムを提供すること。【解決手段】活物質合剤貯留槽10と、活物質S1、バインダS2、及び溶媒S3を含む原材料Rが投入さ... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ