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技術 熱処理装置および熱処理方法

出願人 株式会社SCREENホールディングス
発明者 青山敬幸上田晃頌大森麻央天児和則
出願日 2018年2月28日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-035489
公開日 2019年9月12日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-153608
状態 未査定
技術分野 サンプリング、試料調製 アニール 気相成長(金属層を除く)
主要キーワード 予備加熱段階 コイル定数 反射リング 内側空 フィラメント方式 緩衝空間 各動作機構 空冷構造
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年9月12日)のものです。
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図面 (10)

課題

酸素濃度の測定を中断したときにも、低酸素濃度域での測定精度を維持することができる熱処理装置および熱処理方法を提供する。

解決手段

チャンバー6内の圧力が大気圧とされ、かつ、チャンバー6内が不活性ガス雰囲気とされているときは、チャンバー6内の雰囲気がサンプリングライン92を経て酸素濃度計91に吸引され、チャンバー6内の酸素濃度が酸素濃度計91によって測定される。チャンバー6内が大気圧未満に減圧されると、チャンバー6内の酸素濃度の測定を中断すると同時に、不活性ガス供給ライン94から酸素濃度計91に窒素ガスを供給する。チャンバー6内の酸素濃度の測定を中断したときにも、ガス排気管88から酸素濃度計91への逆流を防ぐことができ、酸素濃度計91がチャンバー6からの排気に曝されるのを防止して酸素濃度計91の低酸素濃度域での測定精度を維持することができる。

概要

背景

半導体デバイスの製造プロセスにおいて、極めて短時間で半導体ウェハーを加熱するフラッシュランプアニールFLA)が注目されている。フラッシュランプアニールは、キセノンフラッシュランプ(以下、単に「フラッシュランプ」とするときにはキセノンフラッシュランプを意味する)を使用して半導体ウェハーの表面にフラッシュ光照射することにより、半導体ウェハーの表面のみを極めて短時間(数ミリ秒以下)に昇温させる熱処理技術である。

キセノンフラッシュランプの放射分光分布紫外域から近赤外域であり、従来のハロゲンランプよりも波長が短く、シリコンの半導体ウェハーの基礎吸収帯とほぼ一致している。よって、キセノンフラッシュランプから半導体ウェハーにフラッシュ光を照射したときには、透過光が少なく半導体ウェハーを急速に昇温することが可能である。また、数ミリ秒以下の極めて短時間のフラッシュ光照射であれば、半導体ウェハーの表面近傍のみを選択的に昇温できることも判明している。

このようなフラッシュランプアニールは、極短時間の加熱が必要とされる処理、例えば典型的には半導体ウェハーに注入された不純物活性化に利用される。イオン注入法によって不純物が注入された半導体ウェハーの表面にフラッシュランプからフラッシュ光を照射すれば、当該半導体ウェハーの表面を極短時間だけ活性化温度にまで昇温することができ、不純物を深く拡散させることなく、不純物活性化のみを実行することができるのである。

フラッシュランプアニールに限らず、半導体ウェハーを加熱する熱処理では酸化の問題が生じるため、半導体ウェハーを収容するチャンバー内の酸素濃度の管理が重要となる。特許文献1には、フラッシュランプを用いた熱処理装置のチャンバーに酸素濃度計を設置し、処理中の酸素濃度を測定することが記載されている。一般には、加熱処理時の酸化防止のためには、チャンバー内の酸素濃度は低いほど好ましい。

概要

酸素濃度の測定を中断したときにも、低酸素濃度域での測定精度を維持することができる熱処理装置および熱処理方法を提供する。チャンバー6内の圧力が大気圧とされ、かつ、チャンバー6内が不活性ガス雰囲気とされているときは、チャンバー6内の雰囲気がサンプリングライン92を経て酸素濃度計91に吸引され、チャンバー6内の酸素濃度が酸素濃度計91によって測定される。チャンバー6内が大気圧未満に減圧されると、チャンバー6内の酸素濃度の測定を中断すると同時に、不活性ガス供給ライン94から酸素濃度計91に窒素ガスを供給する。チャンバー6内の酸素濃度の測定を中断したときにも、ガス排気管88から酸素濃度計91への逆流を防ぐことができ、酸素濃度計91がチャンバー6からの排気に曝されるのを防止して酸素濃度計91の低酸素濃度域での測定精度を維持することができる。

目的

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、酸素濃度の測定を中断したときにも、低酸素濃度域での測定精度を維持することができる熱処理装置および熱処理方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

基板光照射することによって該基板を加熱する熱処理装置であって、基板を収容するチャンバーと、前記チャンバーに収容された前記基板に光照射するランプと、前記チャンバー内の雰囲気吸引して前記チャンバー内の酸素濃度を測定する酸素濃度計と、前記チャンバーと前記酸素濃度計とを連通接続し、前記チャンバー内の雰囲気を前記酸素濃度計に導くサンプリングラインと、前記酸素濃度計に不活性ガスを供給する不活性ガス供給ラインと、前記チャンバー内の雰囲気を排気する排気ラインと、を備え、前記酸素濃度計は、前記チャンバーから吸引して酸素濃度の測定に使用した気体を前記排気ラインに排出し、前記サンプリングラインを閉止して前記チャンバー内の酸素濃度の測定を中断したときに、前記不活性ガス供給ラインから前記酸素濃度計に不活性ガスを供給することを特徴とする熱処理装置。

請求項2

請求項1記載の熱処理装置において、前記不活性ガス供給ラインから供給する不活性ガスの酸素濃度は前記チャンバー内の酸素濃度よりも低いことを特徴とする熱処理装置。

請求項3

請求項1または請求項2記載の熱処理装置において、前記不活性ガス供給ラインから前記酸素濃度計に供給する不活性ガスの流量を前記チャンバーから前記酸素濃度計に導かれる気体の流量と等しくする流量調整機構を前記不活性ガス供給ラインに設けることを特徴とする熱処理装置。

請求項4

請求項1から請求項3のいずれかに記載の熱処理装置において、前記サンプリングラインはステンレススチールにて形成されることを特徴とする熱処理装置。

請求項5

請求項1から請求項4のいずれかに記載の熱処理装置において、前記チャンバー内を大気圧未満に減圧するとき、または、前記チャンバー内に反応性ガスを供給するときに、前記サンプリングラインを閉止して前記チャンバー内の酸素濃度の測定を中断することを特徴とする熱処理装置。

請求項6

請求項5記載の熱処理装置において、前記チャンバー内に反応性ガスを供給するときには、前記反応性ガスの供給を停止してから所定の設定時間の間は前記サンプリングラインの閉止を継続することを特徴とする熱処理装置。

請求項7

基板に光照射することによって該基板を加熱する熱処理方法であって、チャンバー内に収容した基板にランプから光照射する照射工程と、前記チャンバー内の雰囲気を排気ラインに排気する排気工程と、前記チャンバー内の雰囲気をサンプリングラインを経由して酸素濃度計に導いて前記チャンバー内の酸素濃度を測定し、酸素濃度の測定に使用した気体を前記排気ラインに排出する測定工程と、前記測定工程を中断したときに、前記酸素濃度計に不活性ガスを供給する不活性ガス供給工程と、を備えることを特徴とする熱処理方法。

請求項8

請求項7記載の熱処理方法において、前記不活性ガス供給工程にて前記酸素濃度計に供給する不活性ガスの酸素濃度は前記チャンバー内の酸素濃度よりも低いことを特徴とする熱処理方法。

請求項9

請求項7または請求項8記載の熱処理方法において、前記不活性ガス供給工程にて前記酸素濃度計に供給する不活性ガスの流量を前記測定工程にて前記チャンバーから前記酸素濃度計に導かれる気体の流量と等しくすることを特徴とする熱処理方法。

請求項10

請求項7から請求項9のいずれかに記載の熱処理方法において、前記サンプリングラインはステンレススチールにて形成されることを特徴とする熱処理方法。

請求項11

請求項7から請求項10のいずれかに記載の熱処理方法において、前記チャンバー内を大気圧未満に減圧するとき、または、前記チャンバー内に反応性ガスを供給するときに、前記測定工程を中断することを特徴とする熱処理方法。

請求項12

請求項11記載の熱処理方法において、前記チャンバー内に反応性ガスを供給するときには、前記反応性ガスの供給を停止してから所定の設定時間の間は前記測定工程の中断を継続することを特徴とする熱処理方法。

技術分野

0001

本発明は、半導体ウェハー等の薄板状精密電子基板(以下、単に「基板」と称する)にフラッシュ光照射することによって該基板を加熱する熱処理装置および熱処理方法に関する。

背景技術

0002

半導体デバイスの製造プロセスにおいて、極めて短時間で半導体ウェハーを加熱するフラッシュランプアニールFLA)が注目されている。フラッシュランプアニールは、キセノンフラッシュランプ(以下、単に「フラッシュランプ」とするときにはキセノンフラッシュランプを意味する)を使用して半導体ウェハーの表面にフラッシュ光を照射することにより、半導体ウェハーの表面のみを極めて短時間(数ミリ秒以下)に昇温させる熱処理技術である。

0003

キセノンフラッシュランプの放射分光分布紫外域から近赤外域であり、従来のハロゲンランプよりも波長が短く、シリコンの半導体ウェハーの基礎吸収帯とほぼ一致している。よって、キセノンフラッシュランプから半導体ウェハーにフラッシュ光を照射したときには、透過光が少なく半導体ウェハーを急速に昇温することが可能である。また、数ミリ秒以下の極めて短時間のフラッシュ光照射であれば、半導体ウェハーの表面近傍のみを選択的に昇温できることも判明している。

0004

このようなフラッシュランプアニールは、極短時間の加熱が必要とされる処理、例えば典型的には半導体ウェハーに注入された不純物活性化に利用される。イオン注入法によって不純物が注入された半導体ウェハーの表面にフラッシュランプからフラッシュ光を照射すれば、当該半導体ウェハーの表面を極短時間だけ活性化温度にまで昇温することができ、不純物を深く拡散させることなく、不純物活性化のみを実行することができるのである。

0005

フラッシュランプアニールに限らず、半導体ウェハーを加熱する熱処理では酸化の問題が生じるため、半導体ウェハーを収容するチャンバー内の酸素濃度の管理が重要となる。特許文献1には、フラッシュランプを用いた熱処理装置のチャンバーに酸素濃度計を設置し、処理中の酸素濃度を測定することが記載されている。一般には、加熱処理時の酸化防止のためには、チャンバー内の酸素濃度は低いほど好ましい。

先行技術

0006

特開2006−269596号公報

発明が解決しようとする課題

0007

典型的には、酸素濃度計はチャンバー内の雰囲気サンプリングし、そのサンプリングした気体中の酸素濃度を測定する。そして、測定に使用した気体は、例えばチャンバー内の雰囲気を排気するための排気ラインに排出される。

0008

ところで、酸素濃度計は常時チャンバー内の酸素濃度を測定しているわけではない。例えば、チャンバー内を減圧したときには、チャンバー内の雰囲気のサンプリングが困難になるため、酸素濃度計による酸素濃度の測定を中断する。また、チャンバー内に反応性ガス(例えば、アンモニア)を供給するときにも酸素濃度計による酸素濃度の測定を中断する。

0009

一方、フラッシュランプアニールの処理目的によっては、半導体ウェハーを収容するチャンバー内をより低酸素環境とすることが求められている。例えば、電界効果トランジスタFET)のゲート絶縁膜として、二酸化ケイ素(SiO2)よりも誘電率の高い材料(高誘電率材料)を用いた高誘電率膜(high-k膜)を形成した半導体ウェハーの熱処理をフラッシュランプアニールによって行う場合には、酸化膜厚の増大を抑制するために従来よりもさらなる低酸素濃度環境(1ppm以下)が要求されている。従って、酸素濃度計によるチャンバー内の酸素濃度測定については、1ppm以下の低酸素濃度域での測定精度を高める必要もある。

0010

しかしながら、酸素濃度計が酸素濃度の測定を中断したときには、チャンバーからの気体のサンプリングも停止されるため、酸素濃度計の排気側から気体が逆流することがある。そうすると、酸素濃度計のセンサー高酸素濃度の気体と接触することとなり、当該酸素濃度計が低酸素濃度域での測定機能喪失する。その結果、酸素濃度の測定を再開したときに、酸素濃度計による低酸素濃度域での測定が不可能となっているおそれがある。

0011

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、酸素濃度の測定を中断したときにも、低酸素濃度域での測定精度を維持することができる熱処理装置および熱処理方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板に光照射することによって該基板を加熱する熱処理装置において、基板を収容するチャンバーと、前記チャンバーに収容された前記基板に光照射するランプと、前記チャンバー内の雰囲気を吸引して前記チャンバー内の酸素濃度を測定する酸素濃度計と、前記チャンバーと前記酸素濃度計とを連通接続し、前記チャンバー内の雰囲気を前記酸素濃度計に導くサンプリングラインと、前記酸素濃度計に不活性ガスを供給する不活性ガス供給ラインと、前記チャンバー内の雰囲気を排気する排気ラインと、を備え、前記酸素濃度計は、前記チャンバーから吸引して酸素濃度の測定に使用した気体を前記排気ラインに排出し、前記サンプリングラインを閉止して前記チャンバー内の酸素濃度の測定を中断したときに、前記不活性ガス供給ラインから前記酸素濃度計に不活性ガスを供給することを特徴とする。

0013

また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る熱処理装置において、前記不活性ガス供給ラインから供給する不活性ガスの酸素濃度は前記チャンバー内の酸素濃度よりも低いことを特徴とする。

0014

また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る熱処理装置において、前記不活性ガス供給ラインから前記酸素濃度計に供給する不活性ガスの流量を前記チャンバーから前記酸素濃度計に導かれる気体の流量と等しくする流量調整機構を前記不活性ガス供給ラインに設けることを特徴とする。

0015

また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかの発明に係る熱処理装置において、前記サンプリングラインはステンレススチールにて形成されることを特徴とする。

0016

また、請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれかの発明に係る熱処理装置において、前記チャンバー内を大気圧未満に減圧するとき、または、前記チャンバー内に反応性ガスを供給するときに、前記サンプリングラインを閉止して前記チャンバー内の酸素濃度の測定を中断することを特徴とする。

0017

また、請求項6の発明は、請求項5の発明に係る熱処理装置において、前記チャンバー内に反応性ガスを供給するときには、前記反応性ガスの供給を停止してから所定の設定時間の間は前記サンプリングラインの閉止を継続することを特徴とする。

0018

また、請求項7の発明は、基板に光照射することによって該基板を加熱する熱処理方法において、チャンバー内に収容した基板にランプから光照射する照射工程と、前記チャンバー内の雰囲気を排気ラインに排気する排気工程と、前記チャンバー内の雰囲気をサンプリングラインを経由して酸素濃度計に導いて前記チャンバー内の酸素濃度を測定し、酸素濃度の測定に使用した気体を前記排気ラインに排出する測定工程と、前記測定工程を中断したときに、前記酸素濃度計に不活性ガスを供給する不活性ガス供給工程と、を備えることを特徴とする。

0019

また、請求項8の発明は、請求項7の発明に係る熱処理方法において、前記不活性ガス供給工程にて前記酸素濃度計に供給する不活性ガスの酸素濃度は前記チャンバー内の酸素濃度よりも低いことを特徴とする。

0020

また、請求項9の発明は、請求項7または請求項8の発明に係る熱処理方法において、前記不活性ガス供給工程にて前記酸素濃度計に供給する不活性ガスの流量を前記測定工程にて前記チャンバーから前記酸素濃度計に導かれる気体の流量と等しくすることを特徴とする。

0021

また、請求項10の発明は、請求項7から請求項9のいずれかの発明に係る熱処理方法において、前記サンプリングラインはステンレススチールにて形成されることを特徴とする。

0022

また、請求項11の発明は、請求項7から請求項10のいずれかの発明に係る熱処理方法において、前記チャンバー内を大気圧未満に減圧するとき、または、前記チャンバー内に反応性ガスを供給するときに、前記測定工程を中断することを特徴とする。

0023

また、請求項12の発明は、請求項11の発明に係る熱処理方法において、前記チャンバー内に反応性ガスを供給するときには、前記反応性ガスの供給を停止してから所定の設定時間の間は前記測定工程の中断を継続することを特徴とする。

発明の効果

0024

請求項1から請求項6の発明によれば、サンプリングラインを閉止してチャンバー内の酸素濃度の測定を中断したときに、不活性ガス供給ラインから酸素濃度計に不活性ガスを供給するため、排気ラインから酸素濃度計への逆流を防止して低酸素濃度域での測定精度を維持することができる。

0025

特に、請求項2の発明によれば、不活性ガス供給ラインから供給する不活性ガスの酸素濃度はチャンバー内の酸素濃度よりも低いため、少なくともチャンバー内の酸素濃度での酸素濃度計の測定機能を維持することができる。

0026

特に、請求項3の発明によれば、不活性ガス供給ラインから酸素濃度計に供給する不活性ガスの流量をチャンバーから酸素濃度計に導かれる気体の流量と等しくする流量調整機構を不活性ガス供給ラインに設けるため、酸素濃度計に流入する気体の流量の変動を抑制して酸素濃度計の測定精度を維持することができる。

0027

特に、請求項4の発明によれば、サンプリングラインはステンレススチールにて形成されるため、配管からの酸素浸透を完全に遮断して低酸素濃度域での酸素濃度計の測定精度を維持することができる。

0028

特に、請求項6の発明によれば、チャンバー内に反応性ガスを供給するときには、反応性ガスの供給を停止してから所定の設定時間の間はサンプリングラインの閉止を継続するため、チャンバー内に残留する反応性ガスが酸素濃度計に吸引されるのを防止することができる。

0029

請求項7から請求項12の発明によれば、チャンバー内の雰囲気をサンプリングラインを経由して酸素濃度計に導いて前記チャンバー内の酸素濃度を測定する測定工程を中断したときに、酸素濃度計に不活性ガスを供給するため、排気ラインから酸素濃度計への逆流を防止して低酸素濃度域での測定精度を維持することができる。

0030

特に、請求項8の発明によれば、不活性ガス供給工程にて酸素濃度計に供給する不活性ガスの酸素濃度はチャンバー内の酸素濃度よりも低いため、少なくともチャンバー内の酸素濃度での酸素濃度計の測定機能を維持することができる。

0031

特に、請求項9の発明によれば、不活性ガス供給工程にて酸素濃度計に供給する不活性ガスの流量を測定工程にてチャンバーから酸素濃度計に導かれる気体の流量と等しくするため、酸素濃度計に流入する気体の流量の変動を抑制して酸素濃度計の測定精度を維持することができる。

0032

特に、請求項10の発明によれば、サンプリングラインはステンレススチールにて形成されるため、配管からの酸素の浸透を完全に遮断して低酸素濃度域での酸素濃度計の測定精度を維持することができる。

0033

特に、請求項12の発明によれば、チャンバー内に反応性ガスを供給するときには、反応性ガスの供給を停止してから所定の設定時間の間は測定工程の中断を継続するため、チャンバー内に残留する反応性ガスが酸素濃度計に吸引されるのを防止することができる。

図面の簡単な説明

0034

本発明に係る熱処理装置の構成を示す縦断面図である。
保持部の全体外観を示す斜視図である。
サセプタの平面図である。
サセプタの断面図である。
移載機構の平面図である。
移載機構の側面図である。
複数のハロゲンランプの配置を示す平面図である。
酸素濃度計の周辺構成を模式的に示す図である。
チャンバー内の圧力変化を示す図である。

実施例

0035

以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。

0036

図1は、本発明に係る熱処理装置1の構成を示す縦断面図である。図1の熱処理装置1は、基板として円板形状の半導体ウェハーWに対してフラッシュ光照射を行うことによってその半導体ウェハーWを加熱するフラッシュランプアニール装置である。処理対象となる半導体ウェハーWのサイズは特に限定されるものではないが、例えばφ300mmやφ450mmである(本実施形態ではφ300mm)。熱処理装置1に搬入される前の半導体ウェハーWにはゲート絶縁膜として高誘電率膜(high-k膜)が形成されており、熱処理装置1による加熱処理によって高誘電率膜の成膜後熱処理(PDA:Post Deposition Anneal)が実行される。なお、図1および以降の各図においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている。

0037

熱処理装置1は、半導体ウェハーWを収容するチャンバー6と、複数のフラッシュランプFLを内蔵するフラッシュ加熱部5と、複数のハロゲンランプHLを内蔵するハロゲン加熱部4と、を備える。チャンバー6の上側にフラッシュ加熱部5が設けられるとともに、下側にハロゲン加熱部4が設けられている。また、熱処理装置1は、チャンバー6の内部に、半導体ウェハーWを水平姿勢に保持する保持部7と、保持部7と装置外部との間で半導体ウェハーWの受け渡しを行う移載機構10と、を備える。また、熱処理装置1は、チャンバー6内の酸素濃度を測定する酸素濃度計91を備える。さらに、熱処理装置1は、ハロゲン加熱部4、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6に設けられた各動作機構を制御して半導体ウェハーWの熱処理を実行させる制御部3を備える。

0038

チャンバー6は、筒状のチャンバー側部61の上下に石英製のチャンバー窓を装着して構成されている。チャンバー側部61は上下が開口された概略筒形状を有しており、上側開口には上側チャンバー窓63が装着されて閉塞され、下側開口には下側チャンバー窓64が装着されて閉塞されている。チャンバー6の天井部を構成する上側チャンバー窓63は、石英により形成された円板形状部材であり、フラッシュ加熱部5から出射されたフラッシュ光をチャンバー6内に透過する石英窓として機能する。また、チャンバー6の床部を構成する下側チャンバー窓64も、石英により形成された円板形状部材であり、ハロゲン加熱部4からの光をチャンバー6内に透過する石英窓として機能する。

0039

また、チャンバー側部61の内側の壁面の上部には反射リング68が装着され、下部には反射リング69が装着されている。反射リング68,69は、ともに円環状に形成されている。上側の反射リング68は、チャンバー側部61の上側から嵌め込むことによって装着される。一方、下側の反射リング69は、チャンバー側部61の下側から嵌め込んで図示省略のビスで留めることによって装着される。すなわち、反射リング68,69は、ともに着脱自在にチャンバー側部61に装着されるものである。チャンバー6の内側空間、すなわち上側チャンバー窓63、下側チャンバー窓64、チャンバー側部61および反射リング68,69によって囲まれる空間が熱処理空間65として規定される。

0040

チャンバー側部61に反射リング68,69が装着されることによって、チャンバー6の内壁面に凹部62が形成される。すなわち、チャンバー側部61の内壁面のうち反射リング68,69が装着されていない中央部分と、反射リング68の下端面と、反射リング69の上端面とで囲まれた凹部62が形成される。凹部62は、チャンバー6の内壁面に水平方向に沿って円環状に形成され、半導体ウェハーWを保持する保持部7を囲繞する。チャンバー側部61および反射リング68,69は、強度と耐熱性に優れた金属材料(例えば、ステンレススチール)にて形成されている。

0041

また、チャンバー側部61には、チャンバー6に対して半導体ウェハーWの搬入および搬出を行うための搬送開口部(炉口)66が形設されている。搬送開口部66は、ゲートバルブ185によって開閉可能とされている。搬送開口部66は凹部62の外周面に連通接続されている。このため、ゲートバルブ185が搬送開口部66を開放しているときには、搬送開口部66から凹部62を通過して熱処理空間65への半導体ウェハーWの搬入および熱処理空間65からの半導体ウェハーWの搬出を行うことができる。また、ゲートバルブ185が搬送開口部66を閉鎖するとチャンバー6内の熱処理空間65が密閉空間とされる。

0042

さらに、チャンバー側部61には、貫通孔61aが穿設されている。チャンバー側部61の外壁面の貫通孔61aが設けられている部位には放射温度計20が取り付けられている。貫通孔61aは、後述するサセプタ74に保持された半導体ウェハーWの下面から放射された赤外光を放射温度計20に導くための円筒状の孔である。貫通孔61aは、その貫通方向の軸がサセプタ74に保持された半導体ウェハーWの主面と交わるように、水平方向に対して傾斜して設けられている。貫通孔61aの熱処理空間65に臨む側の端部には、放射温度計20が測定可能な波長領域の赤外光を透過させるフッ化バリウム材料からなる透明窓21が装着されている。放射温度計20は、半導体ウェハーWの下面から放射された赤外光を透明窓21を介して受光し、その赤外光の強度から半導体ウェハーWの温度を測定する。

0043

また、チャンバー6の内壁上部には熱処理空間65に処理ガス(本実施形態では窒素ガス(N2)およびアンモニア(NH3))を供給するガス供給孔81が形設されている。ガス供給孔81は、凹部62よりも上側位置に形設されており、反射リング68に設けられていても良い。ガス供給孔81はチャンバー6の側壁内部に円環状に形成された緩衝空間82を介してガス供給管83に連通接続されている。ガス供給管83は処理ガス供給源85に接続されている。処理ガス供給源85は、制御部3の制御下にて、窒素ガス、または、アンモニアと窒素ガスとの混合ガスを処理ガスとしてガス供給管83に送給する。また、ガス供給管83の経路途中にはバルブ84および流量調整バルブ90が介挿されている。バルブ84が開放されると、処理ガス供給源85から緩衝空間82に処理ガスが送給される。ガス供給管83を流れて緩衝空間82に送給される処理ガスの流量は流量調整バルブ90によって調整される。流量調整バルブ90が規定する処理ガスの流量は制御部3の制御によって可変とされる。緩衝空間82に流入した処理ガスは、ガス供給孔81よりも流体抵抗の小さい緩衝空間82内を拡がるように流れてガス供給孔81から熱処理空間65内へと供給される。なお、処理ガスは窒素ガス、アンモニアに限定されるものではなく、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)などの不活性ガス、または、酸素(O2)、水素(H2)、塩素(Cl2)、塩化水素(HCl)、オゾン(O3)、一酸化窒素(NO)、亜酸化窒素(N2O)、二酸化窒素(NO2)などの反応性ガスであっても良い。

0044

一方、チャンバー6の内壁下部には熱処理空間65内の気体を排気するガス排気孔86が形設されている。ガス排気孔86は、凹部62よりも下側位置に形設されており、反射リング69に設けられていても良い。ガス排気孔86はチャンバー6の側壁内部に円環状に形成された緩衝空間87を介してガス排気管88に連通接続されている。ガス排気管88は排気部190に接続されている。また、ガス排気管88の経路途中にはバルブ89が介挿されている。バルブ89が開放されると、熱処理空間65の気体がガス排気孔86から緩衝空間87を経てガス排気管88へと排出される。バルブ84を閉止して熱処理空間65に処理ガスを供給することなくバルブ89を開放して熱処理空間65からの排気のみを行うと、チャンバー6内の熱処理空間65が大気圧未満にまで減圧されることとなる。排気部190は、図示省略の排気流量調整機構(例えば、流量調整バルブ)を備えている。また、チャンバー6内には熱処理空間65の圧力を測定する圧力計180が設けられている。なお、ガス供給孔81およびガス排気孔86は、チャンバー6の周方向に沿って複数設けられていても良いし、スリット状のものであっても良い。また、処理ガス供給源85および排気部190は、熱処理装置1に設けられた機構であっても良いし、熱処理装置1が設置される工場ユーティリティであっても良い。

0045

図2は、保持部7の全体外観を示す斜視図である。保持部7は、基台リング71、連結部72およびサセプタ74を備えて構成される。基台リング71、連結部72およびサセプタ74はいずれも石英にて形成されている。すなわち、保持部7の全体が石英にて形成されている。

0046

基台リング71は円環形状から一部が欠落した円弧形状の石英部材である。この欠落部分は、後述する移載機構10の移載アーム11と基台リング71との干渉を防ぐために設けられている。基台リング71は凹部62の底面に載置されることによって、チャンバー6の壁面に支持されることとなる(図1参照)。基台リング71の上面に、その円環形状の周方向に沿って複数の連結部72(本実施形態では4個)が立設される。連結部72も石英の部材であり、溶接によって基台リング71に固着される。

0047

サセプタ74は基台リング71に設けられた4個の連結部72によって支持される。図3は、サセプタ74の平面図である。また、図4は、サセプタ74の断面図である。サセプタ74は、保持プレート75、ガイドリング76および複数の基板支持ピン77を備える。保持プレート75は、石英にて形成された略円形平板状部材である。保持プレート75の直径は半導体ウェハーWの直径よりも大きい。すなわち、保持プレート75は、半導体ウェハーWよりも大きな平面サイズを有する。

0048

保持プレート75の上面周縁部にガイドリング76が設置されている。ガイドリング76は、半導体ウェハーWの直径よりも大きな内径を有する円環形状の部材である。例えば、半導体ウェハーWの直径がφ300mmの場合、ガイドリング76の内径はφ320mmである。ガイドリング76の内周は、保持プレート75から上方に向けて広くなるようなテーパ面とされている。ガイドリング76は、保持プレート75と同様の石英にて形成される。ガイドリング76は、保持プレート75の上面に溶着するようにしても良いし、別途加工したピンなどによって保持プレート75に固定するようにしても良い。或いは、保持プレート75とガイドリング76とを一体の部材として加工するようにしても良い。

0049

保持プレート75の上面のうちガイドリング76よりも内側の領域が半導体ウェハーWを保持する平面状の保持面75aとされる。保持プレート75の保持面75aには、複数の基板支持ピン77が立設されている。本実施形態においては、保持面75aの外周円(ガイドリング76の内周円)と同心円の周上に沿って30°毎に計12個の基板支持ピン77が立設されている。12個の基板支持ピン77を配置した円の径(対向する基板支持ピン77間の距離)は半導体ウェハーWの径よりも小さく、半導体ウェハーWの径がφ300mmであればφ270mm〜φ280mm(本実施形態ではφ270mm)である。それぞれの基板支持ピン77は石英にて形成されている。複数の基板支持ピン77は、保持プレート75の上面に溶接によって設けるようにしても良いし、保持プレート75と一体に加工するようにしても良い。

0050

図2戻り、基台リング71に立設された4個の連結部72とサセプタ74の保持プレート75の周縁部とが溶接によって固着される。すなわち、サセプタ74と基台リング71とは連結部72によって固定的に連結されている。このような保持部7の基台リング71がチャンバー6の壁面に支持されることによって、保持部7がチャンバー6に装着される。保持部7がチャンバー6に装着された状態においては、サセプタ74の保持プレート75は水平姿勢(法線が鉛直方向と一致する姿勢)となる。すなわち、保持プレート75の保持面75aは水平面となる。

0051

チャンバー6に搬入された半導体ウェハーWは、チャンバー6に装着された保持部7のサセプタ74の上に水平姿勢にて載置されて保持される。このとき、半導体ウェハーWは保持プレート75上に立設された12個の基板支持ピン77によって支持されてサセプタ74に保持される。より厳密には、12個の基板支持ピン77の上端部が半導体ウェハーWの下面に接触して当該半導体ウェハーWを支持する。12個の基板支持ピン77の高さ(基板支持ピン77の上端から保持プレート75の保持面75aまでの距離)は均一であるため、12個の基板支持ピン77によって半導体ウェハーWを水平姿勢に支持することができる。

0052

また、半導体ウェハーWは複数の基板支持ピン77によって保持プレート75の保持面75aから所定の間隔を隔てて支持されることとなる。基板支持ピン77の高さよりもガイドリング76の厚さの方が大きい。従って、複数の基板支持ピン77によって支持された半導体ウェハーWの水平方向の位置ずれはガイドリング76によって防止される。

0053

また、図2および図3に示すように、サセプタ74の保持プレート75には、上下に貫通して開口部78が形成されている。開口部78は、放射温度計20が半導体ウェハーWの下面から放射される放射光(赤外光)を受光するために設けられている。すなわち、放射温度計20が開口部78およびチャンバー側部61の貫通孔61aに装着された透明窓21を介して半導体ウェハーWの下面から放射された光を受光して当該半導体ウェハーWの温度を測定する。さらに、サセプタ74の保持プレート75には、後述する移載機構10のリフトピン12が半導体ウェハーWの受け渡しのために貫通する4個の貫通孔79が穿設されている。

0054

図5は、移載機構10の平面図である。また、図6は、移載機構10の側面図である。移載機構10は、2本の移載アーム11を備える。移載アーム11は、概ね円環状の凹部62に沿うような円弧形状とされている。それぞれの移載アーム11には2本のリフトピン12が立設されている。移載アーム11およびリフトピン12は石英にて形成されている。各移載アーム11は水平移動機構13によって回動可能とされている。水平移動機構13は、一対の移載アーム11を保持部7に対して半導体ウェハーWの移載を行う移載動作位置(図5実線位置)と保持部7に保持された半導体ウェハーWと平面視で重ならない退避位置(図5二点鎖線位置)との間で水平移動させる。水平移動機構13としては、個別のモータによって各移載アーム11をそれぞれ回動させるものであっても良いし、リンク機構を用いて1個のモータによって一対の移載アーム11を連動させて回動させるものであっても良い。

0055

また、一対の移載アーム11は、昇降機構14によって水平移動機構13とともに昇降移動される。昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置にて上昇させると、計4本のリフトピン12がサセプタ74に穿設された貫通孔79(図2,3参照)を通過し、リフトピン12の上端がサセプタ74の上面から突き出る。一方、昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置にて下降させてリフトピン12を貫通孔79から抜き取り、水平移動機構13が一対の移載アーム11を開くように移動させると各移載アーム11が退避位置に移動する。一対の移載アーム11の退避位置は、保持部7の基台リング71の直上である。基台リング71は凹部62の底面に載置されているため、移載アーム11の退避位置は凹部62の内側となる。なお、移載機構10の駆動部(水平移動機構13および昇降機構14)が設けられている部位の近傍にも図示省略の排気機構が設けられており、移載機構10の駆動部周辺の雰囲気がチャンバー6の外部に排出されるように構成されている。

0056

また、熱処理装置1は、チャンバー6内の酸素濃度を測定する酸素濃度計91を備えている。図8は、酸素濃度計91の周辺構成を模式的に示す図である。酸素濃度計91とチャンバー6とはサンプリングライン92によって連通接続されている。すなわち、サンプリングライン92の先端はチャンバー6のチャンバー側部61の内側に接続され、基端は酸素濃度計91に接続される。サンプリングライン92は、チャンバー6内の雰囲気を酸素濃度計91に導く配管である。サンプリングライン92の経路途中にはバルブ93が設けられている。バルブ93が開放されると、チャンバー6内の熱処理空間65と酸素濃度計91とが連通状態となる。

0057

また、サンプリングライン92の経路途中(バルブ93よりも酸素濃度計91側)には不活性ガス供給ライン94が接続されている。不活性ガス供給ライン94は、サンプリングライン92の一部を経由して酸素濃度計91に不活性ガスを供給する配管である。不活性ガス供給ライン94の先端はサンプリングライン92の経路途中に接続され、基端は不活性ガス供給源98に接続されている。不活性ガス供給ライン94の経路途中には、バルブ95、オリフィス96、減圧弁97が介挿されている。

0058

バルブ95が開放されると、不活性ガス供給源98から酸素濃度計91に不活性ガス(本実施形態では窒素ガス)が送給される。減圧弁97は、不活性ガス供給源98から送給される窒素ガスの圧力を減少させるバルブである。オリフィス96は、例えばφ0.1mmの開口を有し、不活性ガス供給ライン94のコンダクタンスを調整する。具体的には、オリフィス96は、不活性ガス供給ライン94のコンダクタンスをサンプリングライン92のコンダクタンス(より厳密には、サンプリングライン92の先端から不活性ガス供給ライン94が合流する部位までのコンダクタンス)と等しくなるように調整する。減圧弁97によって窒素ガスの供給圧力を減少するとともに、オリフィス96によって不活性ガス供給ライン94のコンダクタンスをサンプリングライン92のコンダクタンスと同等に調整することにより、不活性ガス供給源98から不活性ガス供給ライン94を経て酸素濃度計91に供給する不活性ガスの流量をチャンバー6からサンプリングライン92を経て酸素濃度計91に導かれる気体の流量と等しくすることができる。

0059

サンプリングライン92および不活性ガス供給ライン94は、ステンレススチール(例えば、日本工業規格のSUS316またはSUS304等)にて形成されている。サンプリングライン92および不活性ガス供給ライン94は、チャンバー6と同じ素材にて形成するのが好ましい。

0060

酸素濃度計91は、図示を省略する濃度センサー吸引ポンプとを有する。酸素濃度計91の吸引ポンプは、バルブ93が開放されているときに、サンプリングライン92を経由してチャンバー6内の雰囲気を吸引する。濃度センサーは、例えば安定化ジルコニアを用いたジルコニア式酸素濃度センサーである。安定化ジルコニアは、ジルコニア(ZrO2)に安定化剤としてのイットリア(Y2O3)を添加したものであり、イオン伝導性に優れ、高温では固体電解質となる。高温(例えば、約700℃)のジルコニア固体電解質の両側で酸素濃度に差があると、高酸素濃度側では還元反応によって酸素イオン(O2−)が生成し、その酸素イオンがジルコニア固体電解質内を移動して低酸素濃度側で酸化反応によって酸素(O2)となる。ジルコニア固体電解質の両側で生じる酸化・還元反応での電子の授受によって起電力が生じ、その起電力の大きさは酸素濃度差によって規定される。従って、高温のジルコニア固体電解質の片側に酸素濃度が既知参照ガスを接触させつつ、その反対側に測定対象となるガスを接触させたときの起電力を測定することによって、当該測定対象となるガス中の酸素濃度を測定することができる。酸素濃度計91は、チャンバー6から吸引した気体中の酸素濃度をかかる原理を用いて測定することによって、チャンバー6内の酸素濃度を測定している。

0061

酸素濃度計91は、チャンバー6内の雰囲気を排気する排気ラインであるガス排気管88と排出管99を介して接続されている。酸素濃度計91は、チャンバー6から吸引して酸素濃度の測定に使用した気体を排出管99からガス排気管88へと排出する。

0062

図1に戻り、チャンバー6の上方に設けられたフラッシュ加熱部5は、筐体51の内側に、複数本(本実施形態では30本)のキセノンフラッシュランプFLからなる光源と、その光源の上方を覆うように設けられたリフレクタ52と、を備えて構成される。また、フラッシュ加熱部5の筐体51の底部にはランプ光放射窓53が装着されている。フラッシュ加熱部5の床部を構成するランプ光放射窓53は、石英により形成された板状の石英窓である。フラッシュ加熱部5がチャンバー6の上方に設置されることにより、ランプ光放射窓53が上側チャンバー窓63と相対向することとなる。フラッシュランプFLはチャンバー6の上方からランプ光放射窓53および上側チャンバー窓63を介して熱処理空間65にフラッシュ光を照射する。

0063

複数のフラッシュランプFLは、それぞれが長尺円筒形状を有する棒状ランプであり、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように平面状に配列されている。よって、フラッシュランプFLの配列によって形成される平面も水平面である。複数のフラッシュランプFLが配列される領域は半導体ウェハーWの平面サイズよりも大きい。

0064

キセノンフラッシュランプFLは、その内部にキセノンガス封入されその両端部にコンデンサーに接続された陽極および陰極が配設された棒状のガラス管放電管)と、該ガラス管の外周面上に付設されたトリガー電極とを備える。キセノンガスは電気的には絶縁体であることから、コンデンサーに電荷蓄積されていたとしても通常の状態ではガラス管内に電気は流れない。しかしながら、トリガー電極に高電圧印加して絶縁破壊した場合には、コンデンサーに蓄えられた電気がガラス管内に瞬時に流れ、そのときのキセノン原子あるいは分子励起によって光が放出される。このようなキセノンフラッシュランプFLにおいては、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが0.1ミリセカンドないし100ミリセカンドという極めて短い光パルスに変換されることから、ハロゲンランプHLの如き連続点灯の光源に比べて極めて強い光を照射し得るという特徴を有する。すなわち、フラッシュランプFLは、1秒未満の極めて短い時間で瞬間的に発光するパルス発光ランプである。なお、フラッシュランプFLの発光時間は、フラッシュランプFLに電力供給を行うランプ電源コイル定数によって調整することができる。

0065

また、リフレクタ52は、複数のフラッシュランプFLの上方にそれら全体を覆うように設けられている。リフレクタ52の基本的な機能は、複数のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光を熱処理空間65の側に反射するというものである。リフレクタ52はアルミニウム合金板にて形成されており、その表面(フラッシュランプFLに臨む側の面)はブラスト処理により粗面化加工が施されている。

0066

チャンバー6の下方に設けられたハロゲン加熱部4は、筐体41の内側に複数本(本実施形態では40本)のハロゲンランプHLを内蔵している。ハロゲン加熱部4は、複数のハロゲンランプHLによってチャンバー6の下方から下側チャンバー窓64を介して熱処理空間65への光照射を行って半導体ウェハーWを加熱する。

0067

図7は、複数のハロゲンランプHLの配置を示す平面図である。40本のハロゲンランプHLは上下2段に分けて配置されている。保持部7に近い上段に20本のハロゲンランプHLが配設されるとともに、上段よりも保持部7から遠い下段にも20本のハロゲンランプHLが配設されている。各ハロゲンランプHLは、長尺の円筒形状を有する棒状ランプである。上段、下段ともに20本のハロゲンランプHLは、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように配列されている。よって、上段、下段ともにハロゲンランプHLの配列によって形成される平面は水平面である。

0068

また、図7に示すように、上段、下段ともに保持部7に保持される半導体ウェハーWの中央部に対向する領域よりも周縁部に対向する領域におけるハロゲンランプHLの配設密度が高くなっている。すなわち、上下段ともに、ランプ配列の中央部よりも周縁部の方がハロゲンランプHLの配設ピッチが短い。このため、ハロゲン加熱部4からの光照射による加熱時に温度低下が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部により多い光量の照射を行うことができる。

0069

また、上段のハロゲンランプHLからなるランプ群と下段のハロゲンランプHLからなるランプ群とが格子状に交差するように配列されている。すなわち、上段に配置された20本のハロゲンランプHLの長手方向と下段に配置された20本のハロゲンランプHLの長手方向とが互いに直交するように計40本のハロゲンランプHLが配設されている。

0070

ハロゲンランプHLは、ガラス管内部に配設されたフィラメント通電することでフィラメントを白熱化させて発光させるフィラメント方式の光源である。ガラス管の内部には、窒素やアルゴン等の不活性ガスにハロゲン元素ヨウ素、臭素等)を微量導入した気体が封入されている。ハロゲン元素を導入することによって、フィラメントの折損を抑制しつつフィラメントの温度を高温に設定することが可能となる。したがって、ハロゲンランプHLは、通常の白熱電球に比べて寿命が長くかつ強い光を連続的に照射できるという特性を有する。すなわち、ハロゲンランプHLは少なくとも1秒以上連続して発光する連続点灯ランプである。また、ハロゲンランプHLは棒状ランプであるため長寿命であり、ハロゲンランプHLを水平方向に沿わせて配置することにより上方の半導体ウェハーWへの放射効率が優れたものとなる。

0071

また、ハロゲン加熱部4の筐体41内にも、2段のハロゲンランプHLの下側にリフレクタ43が設けられている(図1)。リフレクタ43は、複数のハロゲンランプHLから出射された光を熱処理空間65の側に反射する。

0072

制御部3は、熱処理装置1に設けられた上記の種々の動作機構を制御する。制御部3のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部3は、各種演算処理を行う回路であるCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用メモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスクを備えている。制御部3のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって熱処理装置1における処理が進行する。また、制御部3は、サンプリングライン92のバルブ93および不活性ガス供給ライン94のバルブ95の開閉を制御する。さらに、制御部3は計時機能を有するタイマー31を備えている(図8)。

0073

上記の構成以外にも熱処理装置1は、半導体ウェハーWの熱処理時にハロゲンランプHLおよびフラッシュランプFLから発生する熱エネルギーによるハロゲン加熱部4、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6の過剰な温度上昇を防止するため、様々な冷却用の構造を備えている。例えば、チャンバー6の壁体には水冷管(図示省略)が設けられている。また、ハロゲン加熱部4およびフラッシュ加熱部5は、内部に気体流を形成して排熱する空冷構造とされている。また、上側チャンバー窓63とランプ光放射窓53との間隙にも空気が供給され、フラッシュ加熱部5および上側チャンバー窓63を冷却する。

0074

次に、熱処理装置1における処理手順について説明する。ここで処理対象となる半導体ウェハーWは、ゲート絶縁膜として高誘電率膜が形成されたシリコンの半導体基板である。高誘電率膜は、例えばALD(Atomic Layer Deposition)やMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)等の手法によって半導体ウェハーWの表面に堆積されて成膜されている。その半導体ウェハーWに対して熱処理装置1がアンモニア雰囲気中にてフラッシュ光を照射して成膜後熱処理(PDA)を行うことにより、成膜後の高誘電率膜中の欠陥消滅させる。以下に説明する熱処理装置1の処理手順は、制御部3が熱処理装置1の各動作機構を制御することにより進行する。

0075

まず、高誘電率膜が形成された半導体ウェハーWが熱処理装置1のチャンバー6に搬入される。半導体ウェハーWの搬入時には、ゲートバルブ185が開いて搬送開口部66が開放され、装置外部の搬送ロボットにより搬送開口部66を介して高誘電率膜が形成された半導体ウェハーWがチャンバー6内の熱処理空間65に搬入される。この際に、チャンバー6の内外はともに大気圧であるため、半導体ウェハーWの搬入にともなってチャンバー6内の熱処理空間65に装置外雰囲気が巻き込まれる。そこで、バルブ84を開放して処理ガス供給源85からチャンバー6内に窒素ガスを供給し続けることによって搬送開口部66から窒素ガス流を流出させ、装置外部の雰囲気がチャンバー6内の流入するのを最小限に抑制するようにしても良い。

0076

搬送ロボットによって搬入された半導体ウェハーWは保持部7の直上位置まで進出して停止する。そして、移載機構10の一対の移載アーム11が退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12が貫通孔79を通ってサセプタ74の保持プレート75の上面から突き出て半導体ウェハーWを受け取る。このとき、リフトピン12は基板支持ピン77の上端よりも上方にまで上昇する。

0077

半導体ウェハーWがリフトピン12に載置された後、搬送ロボットが熱処理空間65から退出し、ゲートバルブ185によって搬送開口部66が閉鎖される。そして、一対の移載アーム11が下降することにより、半導体ウェハーWは移載機構10から保持部7のサセプタ74に受け渡されて水平姿勢にて下方より保持される。半導体ウェハーWは、保持プレート75上に立設された複数の基板支持ピン77によって支持されてサセプタ74に保持される。また、半導体ウェハーWは、高誘電率膜が成膜された表面を上面としてサセプタ74に保持される。複数の基板支持ピン77によって支持された半導体ウェハーWの裏面(表面とは反対側の主面)と保持プレート75の保持面75aとの間には所定の間隔が形成される。サセプタ74の下方にまで下降した一対の移載アーム11は水平移動機構13によって退避位置、すなわち凹部62の内側に退避する。

0078

半導体ウェハーWがチャンバー6に収容され、ゲートバルブ185によって搬送開口部66が閉鎖された時点では、チャンバー6内は常圧(=大気圧)であり、ガス供給孔81から窒素ガスが供給されるとともにガス排気孔86から熱処理空間65の気体が排気されることによってチャンバー6内は窒素雰囲気とされる。チャンバー6内が常圧、かつ、チャンバー6内が窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気とされているときには、制御部3からの動作指令に応じてサンプリングライン92のバルブ93が開放されるとともに、不活性ガス供給ライン94のバルブ95が閉止される。これにより、チャンバー6内の雰囲気がサンプリングライン92を経て酸素濃度計91に吸引され、チャンバー6内の酸素濃度が酸素濃度計91によって測定される。チャンバー6から吸引して酸素濃度の測定に使用した気体は酸素濃度計91からガス排気管88に排出される。

0079

また、半導体ウェハーWがチャンバー6に収容され、ゲートバルブ185によって搬送開口部66が閉鎖された後、チャンバー6内を大気圧よりも低い気圧に減圧する。図9は、チャンバー6内の圧力変化を示す図である。時刻t1に半導体ウェハーWが大気圧Ps(=約101325Pa)のチャンバー6内に搬入された後、ゲートバルブ185によって搬送開口部66が閉鎖されることによって、チャンバー6内の熱処理空間65が密閉空間となる。このときには、バルブ84およびバルブ89の双方が開放され、チャンバー6内には窒素ガスが供給されるとともにチャンバー6内の雰囲気も排気されてチャンバー6内が窒素雰囲気とされる。この状態にて、時刻t2に制御部3からの動作指令に応じてバルブ89を開放しつつバルブ84を閉止することによって、チャンバー6内に対してはガス供給が行われることなく排気が行われることとなり、チャンバー6内の熱処理空間65が大気圧未満に減圧される。

0080

また、制御部3は、排気部190を制御して時刻2から時刻t3までは比較的小さな排気流量にて気圧P1(例えば約20000Pa)まで排気を行った後、時刻t3に排気流量を増大させる。すなわち、減圧の初期段階では小さな排気流量で排気を行った後に、それよりも大きな排気流量に切り換えて排気を行っているのである。減圧の開始時から大きな排気流量にて急速に排気を行うと、チャンバー6内に大きな気流変化が生じてチャンバー6の構造物(例えば、下側チャンバー窓64)に付着していたパーティクルが巻き上げられて半導体ウェハーWに再付着して汚染するおそれがある。減圧の初期段階では小さな排気流量で静かに排気を行った後に、大きな排気流量に切り換えて排気を行うようにすれば、そのようなチャンバー6内のパーティクルの巻き上げを防止することができる。

0081

やがて時刻t4にチャンバー6の圧力(真空度)が気圧P2に到達する。気圧P2は、例えば約100Paである。チャンバー6内の圧力が気圧P2に到達した時刻t4に、給気のためのバルブ84を開放し、処理ガス供給源85からチャンバー6内の熱処理空間65にアンモニアと希釈ガスとしての窒素ガスとの混合ガスを供給する。その結果、チャンバー6内にて保持部7に保持された半導体ウェハーWの周辺にはアンモニア雰囲気が形成される。アンモニア雰囲気中におけるアンモニアの濃度(つまり、アンモニアと窒素ガスとの混合比)は、特に限定されるものではなく適宜の値とすることができるが、例えば10vol.%以下であれば良い(本実施形態では約2.5vol.%)。

0082

チャンバー6内に混合ガスが供給されることによって、チャンバー6内の圧力が気圧P2から上昇して時刻t5に気圧P3にまで復圧している。半導体ウェハーWの処理圧力である気圧P3は、気圧P2より高く、かつ、大気圧Psよりも低く、例えば約5000Paである。チャンバー6内の圧力が気圧P3に復圧した時刻t5以降は、チャンバー6に対するアンモニア・窒素混合ガス供給流量とチャンバー6からの排気流量とを概ね等しくしてチャンバー6内の圧力を気圧P3に維持する。

0083

チャンバー6内が大気圧とされている時刻t1から時刻t2までの間は、上述したように、サンプリングライン92のバルブ93が開放されるとともに、不活性ガス供給ライン94のバルブ95が閉止され、酸素濃度計91によってチャンバー6内の酸素濃度が測定されている。一方、チャンバー6内が大気圧未満に減圧される時刻t2以降は、制御部3からの動作指令に応じてサンプリングライン92のバルブ93が閉止される。これにより、チャンバー6からの雰囲気の吸引が停止されてチャンバー6内の酸素濃度の測定が中断されることとなる。また、サンプリングライン92のバルブ93が閉止されると同時に、不活性ガス供給ライン94のバルブ95が開放される。これにより、チャンバー6からの雰囲気の吸引が停止されると同時に、不活性ガス供給ライン94から酸素濃度計91に不活性ガスとしての窒素ガスが供給される。不活性ガス供給ライン94からの窒素ガス供給に際しては、減圧弁97によって窒素ガスの供給圧を減少させるとともに、オリフィス96によって不活性ガス供給ライン94のコンダクタンスをサンプリングライン92のコンダクタンスと同等に調整している。このため、不活性ガス供給ライン94から酸素濃度計91に供給する窒素ガスの流量は、チャンバー6内の酸素濃度測定時にチャンバー6からサンプリングライン92を経て酸素濃度計91に導かれる気体の流量と等しくなる。

0084

また、不活性ガス供給ライン94から酸素濃度計91に供給する窒素ガス中の酸素濃度は酸素濃度測定時のチャンバー6内の酸素濃度よりも低くされている。大気圧とされているときでもチャンバー6内の酸素濃度は約0.1ppmとされており、不活性ガス供給ライン94から酸素濃度計91に供給する窒素ガス中の酸素濃度は0.1ppm未満である。

0085

チャンバー6内の圧力が気圧P3に復圧した時刻t5以降にハロゲン加熱部4の40本のハロゲンランプHLが一斉に点灯して半導体ウェハーWの予備加熱アシスト加熱)が開始される。ハロゲンランプHLから出射されたハロゲン光は、石英にて形成された下側チャンバー窓64およびサセプタ74を透過して半導体ウェハーWの裏面に照射される。ハロゲンランプHLからの光照射を受けることによって半導体ウェハーWが予備加熱されて温度が上昇する。なお、移載機構10の移載アーム11は凹部62の内側に退避しているため、ハロゲンランプHLによる加熱の障害となることは無い。

0086

ハロゲンランプHLによる予備加熱を行うときには、半導体ウェハーWの温度が放射温度計20によって測定されている。すなわち、サセプタ74に保持された半導体ウェハーWの下面から開口部78を介して放射された赤外光を透明窓21を通して放射温度計20が受光して昇温中のウェハー温度を測定する。測定された半導体ウェハーWの温度は制御部3に伝達される。制御部3は、ハロゲンランプHLからの光照射によって昇温する半導体ウェハーWの温度が所定の予備加熱温度T1に到達したか否かを監視しつつ、ハロゲンランプHLの出力を制御する。すなわち、制御部3は、放射温度計20による測定値に基づいて、半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1となるようにハロゲンランプHLの出力をフィードバック制御する。予備加熱温度T1は300℃以上600℃以下であり、本実施形態では450℃である。

0087

半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達した後、制御部3は半導体ウェハーWをその予備加熱温度T1に暫時維持する。具体的には、放射温度計20によって測定される半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達した時点にて制御部3がハロゲンランプHLの出力を調整し、半導体ウェハーWの温度をほぼ予備加熱温度T1に維持している。

0088

このようなハロゲンランプHLによる予備加熱を行うことによって、半導体ウェハーWの全体を予備加熱温度T1に均一に昇温している。ハロゲンランプHLによる予備加熱の段階においては、より放熱が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部の温度が中央部よりも低下する傾向にあるが、ハロゲン加熱部4におけるハロゲンランプHLの配設密度は、基板Wの中央部に対向する領域よりも周縁部に対向する領域の方が高くなっている。このため、放熱が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部に照射される光量が多くなり、予備加熱段階における半導体ウェハーWの面内温度分布を均一なものとすることができる。なお、予備加熱時のチャンバー6内の圧力は気圧P3に維持されている。

0089

次に、半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達して所定時間が経過した時刻t6にフラッシュ加熱部5のフラッシュランプFLがサセプタ74に保持された半導体ウェハーWの表面にフラッシュ光照射を行う。このとき、フラッシュランプFLから放射されるフラッシュ光の一部は直接にチャンバー6内へと向かい、他の一部は一旦リフレクタ52により反射されてからチャンバー6内へと向かい、これらのフラッシュ光の照射により半導体ウェハーWのフラッシュ加熱が行われる。

0090

フラッシュ加熱は、フラッシュランプFLからのフラッシュ光(閃光)照射により行われるため、半導体ウェハーWの表面温度を短時間で上昇することができる。すなわち、フラッシュランプFLから照射されるフラッシュ光は、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが極めて短い光パルスに変換された、照射時間が0.1ミリセカンド以上100ミリセカンド以下程度の極めて短く強い閃光である。そして、高誘電率膜が成膜された半導体ウェハーWの表面にフラッシュランプFLからフラッシュ光を照射することによって、高誘電率膜を含む半導体ウェハーWの表面は瞬間的に処理温度T2にまで昇温して成膜後熱処理が実行される。フラッシュ光照射によって半導体ウェハーWの表面が到達する最高温度ピーク温度)である処理温度T2は600℃以上1200℃以下であり、本実施形態では1000℃である。

0091

アンモニア雰囲気中にて半導体ウェハーWの表面が処理温度T2にまで昇温して成膜後熱処理が実行されると、高誘電率膜の窒化が促進されるとともに、高誘電率膜中に存在していた点欠陥等の欠陥が消滅する。なお、フラッシュランプFLからの照射時間は0.1ミリセカンド以上100ミリセカンド以下程度の短時間であるため、半導体ウェハーWの表面温度が予備加熱温度T1から処理温度T2にまで昇温するのに要する時間も1秒未満の極めて短時間である。フラッシュ光照射後の半導体ウェハーWの表面温度は処理温度T2からただちに急速に下降する。

0092

フラッシュ加熱処理が終了して所定時間が経過した時刻t7に、制御部3がバルブ84を閉止してチャンバー6内を再び気圧P2にまで減圧する。これにより、チャンバー6内の熱処理空間65から有害なアンモニアを排出することができる。続いて、チャンバー6内が気圧P2にまで到達した時刻t8に、制御部3がバルブ89を閉止してバルブ84を開放し、処理ガス供給源85からチャンバー6内に不活性ガスである窒素ガスを供給して大気圧Psにまで復圧する。また、ハロゲンランプHLも消灯し、これによって半導体ウェハーWが予備加熱温度T1からも降温する。降温中の半導体ウェハーWの温度は放射温度計20によって測定され、その測定結果は制御部3に伝達される。制御部3は、測定結果より半導体ウェハーWの温度が所定温度まで降温したか否かを監視する。そして、チャンバー6が窒素雰囲気に置換されて大気圧Psにまで復圧し、半導体ウェハーWの温度が所定以下にまで降温した後、移載機構10の一対の移載アーム11が再び退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12がサセプタ74の上面から突き出て熱処理後の半導体ウェハーWをサセプタ74から受け取る。続いて、ゲートバルブ185により閉鎖されていた搬送開口部66が開放され、リフトピン12上に載置された半導体ウェハーWが装置外部の搬送ロボットにより搬出され、熱処理装置1における半導体ウェハーWの加熱処理が完了する。

0093

本実施形態の熱処理装置1においては、チャンバー6内の圧力が大気圧とされ、かつ、チャンバー6内が不活性ガスの雰囲気とされている時刻t1から時刻t2の間は、チャンバー6内の雰囲気が酸素濃度計91に吸引され、チャンバー6内の酸素濃度が酸素濃度計91によって測定される。そして、チャンバー6内が大気圧未満に減圧され、さらにはチャンバー6内に反応性ガスであるアンモニアが供給される時刻t2以降は、サンプリングライン92のバルブ93を閉止してチャンバー6内の酸素濃度の測定を中断している。このようにしているのは、チャンバー6内が大気圧未満に減圧されているとチャンバー6内の雰囲気の吸引が困難となり、またチャンバー6内に反応性ガスが供給されていると酸素濃度計91の濃度センサーに悪影響を与えるためである。

0094

ここで、単にバルブ93を閉止してチャンバー6内の酸素濃度の測定を中断しただけでは、酸素濃度計91の吸引ポンプが動作を継続しているため、チャンバー6の排気ラインであるガス排気管88から排出管99を経て酸素濃度計91にガス排気管88中の比較的酸素濃度の高い気体が逆流することがある。そうすると、酸素濃度計91の濃度センサーがチャンバー6からの排気に曝され、酸素濃度の測定に支障を来すおそれがある。特に、1ppm以下の低酸素濃度域での測定精度が損なわれるおそれがある。

0095

そこで、本実施形態においては、バルブ93を閉止してチャンバー6内の酸素濃度の測定を中断すると同時に、バルブ95を開放して不活性ガス供給ライン94から酸素濃度計91に不活性ガスとして窒素ガスを供給している。酸素濃度計91に供給された窒素ガスは、排出管99からガス排気管88へと排出される。これにより、チャンバー6内の酸素濃度の測定を中断したときにも、ガス排気管88から酸素濃度計91への逆流を防ぐことができ酸素濃度計91がチャンバー6からの排気に曝されるのを防止することができる。その結果、酸素濃度計91の機能を維持することができ、特に本実施形態のチャンバー6内の酸素濃度測定に際して重要な低酸素濃度域での測定精度を維持することができる。

0096

また、不活性ガス供給ライン94から酸素濃度計91に供給する窒素ガス中の酸素濃度を酸素濃度測定時のチャンバー6内の酸素濃度よりも低くしている。チャンバー6内の酸素濃度の測定を中断しているときに、酸素濃度計91が高い酸素濃度の気体に曝されると、酸素濃度計91から完全に酸素が排除されるまでに相応の時間を要し、その間は酸素濃度計91が低酸素濃度域での測定機能を喪失する。本実施形態では、不活性ガス供給ライン94から酸素濃度計91に供給する窒素ガス中の酸素濃度をチャンバー6内の酸素濃度よりも低くしているため、少なくともチャンバー6内の酸素濃度での酸素濃度計91の測定機能は維持される。

0097

また、本実施形態においては、減圧弁97およびオリフィス96によって不活性ガス供給源98から不活性ガス供給ライン94を経て酸素濃度計91に供給する不活性ガスの流量をチャンバー6からサンプリングライン92を経て酸素濃度計91に導かれる気体の流量と等しくしている。ジルコニア固体電解質を用いた酸素濃度計91の濃度センサーは700℃程度の高温に加熱されており、酸素濃度計91に流入する気体の流量が変動すると濃度センサーの温度が揺らぎ、酸素濃度計91が正確な濃度測定をできなくなるおそれがある。不活性ガス供給ライン94から酸素濃度計91に供給する不活性ガスの流量をチャンバー6から酸素濃度計91に導かれる気体の流量と等しくすることにより、酸素濃度計91に流入する気体の流量の変動を抑制し、酸素濃度計91の測定精度を維持することができる。

0098

また、本実施形態では、サンプリングライン92および不活性ガス供給ライン94がステンレススチールにて形成されている。サンプリングライン92および不活性ガス供給ライン94が樹脂にて形成されていると、その樹脂配管から極微量に酸素が浸透して酸素濃度計91に流入するおそれがある。サンプリングライン92および不活性ガス供給ライン94をステンレススチールにて形成すれば、配管からの酸素の浸透を完全に遮断することができ、酸素濃度計91が浸透してきた酸素に曝されるのを防いで低酸素濃度域での酸素濃度計91の測定精度を維持することができる。

0099

また、本実施形態においては、時刻t4からチャンバー6内へのアンモニアの供給を開始し、時刻t7にアンモニアの供給を停止している。アンモニアの供給を停止する時刻t7からタイマー31による計時を開始し、制御部3はタイマー31による計時時間が予め設定された設定時間(例えば、2分)に到達するまではサンプリングライン92のバルブ93の開放を禁止している。すなわち、チャンバー6内に反応性ガスを供給するときには、反応性ガスの供給を停止してから所定の設定時間の間はサンプリングライン92の閉止を継続しているのである。チャンバー6内へのアンモニア等の反応性ガスの供給を停止してからもしばらくはチャンバー6内に反応性ガスが残留するのであるが、反応性ガスの供給を停止してから所定の設定時間の間はサンプリングライン92の閉止を継続することにより、チャンバー6内に残留する反応性ガスが酸素濃度計91に吸引されるのを防止することができる。

0100

以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態においては、不活性ガス供給ライン94にオリフィス96を設けていたが、オリフィス96に代えて不活性ガス供給ライン94のコンダクタンスを調整するコンダクタンス調整バルブを設けるようにしても良い。この場合であっても、コンダクタンス調整バルブは、不活性ガス供給ライン94のコンダクタンスをサンプリングライン92のコンダクタンスと等しくなるように調整する。このようにすれば、不活性ガス供給源98から不活性ガス供給ライン94を経て酸素濃度計91に供給する不活性ガスの流量をチャンバー6からサンプリングライン92を経て酸素濃度計91に導かれる気体の流量と等しくして上記実施形態と同様の効果を得ることができる。

0101

また、上記実施形態においては、不活性ガス供給ライン94から酸素濃度計91に不活性ガスとして窒素ガスを供給していたが、供給する不活性ガスは窒素ガスに限定されるものではなく、アルゴン(Ar)やヘリウム(He)であっても良い。もっとも、コストの上昇を抑制する観点からは、上記実施形態のように窒素ガスを使用するのが好ましい。

0102

また、チャンバー6内の圧力が大気圧とされていてもチャンバー6内に反応性ガスが供給されるときには、サンプリングライン92のバルブ93を閉止してチャンバー6内の酸素濃度の測定を中断し、不活性ガス供給ライン94から酸素濃度計91に不活性ガスを供給する。これは、酸素濃度計91に反応性ガスが流入すると、高温に加熱された濃度センサーの電極が反応性ガスによって腐食されるおそれがあるためである。すなわち、チャンバー6内を大気圧未満に減圧するとき、または、チャンバー6内に反応性ガスを供給するときに、サンプリングライン92を閉止してチャンバー6内の酸素濃度の測定を中断するのである。

0103

また、上記実施形態においては、フラッシュ加熱部5に30本のフラッシュランプFLを備えるようにしていたが、これに限定されるものではなく、フラッシュランプFLの本数は任意の数とすることができる。また、フラッシュランプFLはキセノンフラッシュランプに限定されるものではなく、クリプトンフラッシュランプであっても良い。また、ハロゲン加熱部4に備えるハロゲンランプHLの本数も40本に限定されるものではなく、任意の数とすることができる。

0104

また、上記実施形態においては基板に光照射して基板を加熱するランプとしてフラッシュランプFLとハロゲンランプHLとを備える構成としていたが、フラッシュランプと連続点灯用のランプとしてのアークランプを備える構成としても良く、さらにはハロゲンランプまたはアークランプのみを備えてRTP(ラピッドサーマルプロセス)処理を行うような構成としても良い。

0105

また、熱処理装置1によって処理対象となる基板は半導体ウェハーに限定されるものではなく、液晶表示装置などのフラットパネルディスプレイに用いるガラス基板太陽電池用の基板であっても良い。

0106

1熱処理装置
3 制御部
4ハロゲン加熱部
5フラッシュ加熱部
6チャンバー
7 保持部
10 移載機構
31タイマー
65熱処理空間
74サセプタ
75保持プレート
77基板支持ピン
88ガス排気管
91酸素濃度計
92サンプリングライン
94不活性ガス供給ライン
96オリフィス
190排気部
FLフラッシュランプ
HLハロゲンランプ
W 半導体ウェハー

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