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技術 画像形成装置

出願人 コニカミノルタ株式会社
発明者 田中敏明渡邉政行福永雅行山本峰生
出願日 2018年3月5日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2018-038746
公開日 2019年9月12日 (4ヶ月経過) 公開番号 2019-152790
状態 未査定
技術分野 電子写真における制御・管理・保安 電子写真における定着
主要キーワード 寿命通知 寿命切れ 電流検出用抵抗素子 DCブラシレスモーター 寿命閾値 単機能機 寿命値 回転駆動速度
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年9月12日)のものです。
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図面 (18)

課題

定着パッド摩耗状態を精度よく検出することができる画像形成装置を提供する。

解決手段

電子写真方式の画像形成装置は、印刷ジョブの実行に先立って定着回転体昇温させるウォームアップを実行する。ウォームアップの際には温度むらを防止するために定着回転体を一定速度で回転駆動する。定着回転体が目標温度に達した後、最初の記録シートが定着回転体に到達するまでの期間は、定着回転体の温度は概ね一定になるように制御される。また、記録シートの進入による駆動速度の変動もないため、定着回転体を回転駆動するモータートルクをこの期間内に検出すれば、トルクの検出精度を向上させることができる。従って、トルク値を用いた定着装置寿命予測精度を向上させることができる。

概要

背景

電子写真方式画像形成装置は、加熱溶融したトナー像記録シート圧着することによって、トナー像を記録シートに定着する定着装置を備えている。定着装置にはさまざまな定着方式のものがあり、例えば、定着パッド方式の定着装置は、定着パッドに加圧ローラー圧接することによって形成される定着ニップに記録シートを通紙することによって定着処理が実行される。定着パッドはローラーよりも熱容量が小さいので、定着パッド方式を採用すれば、ローラー対を圧接して定着ニップを形成する場合よりも省エネルギー化を図ることができる。

定着パッド方式では、定着ニップにおける記録シートの搬送性を向上させるために、記録シートの搬送方向へ回転走行する定着ベルトを定着パッドと記録シートとの間に介在させる。定着ベルトは回転走行の際に定着パッドと摺動して、定着パッドを摩耗させるため、定着パッドが摩耗によって使用に適さなくなる前に交換するようユーザー通知する必要がある。

このため、例えば、定着ベルトを回転走行させる駆動モータートルク値監視して、閾値と比較する画像形成装置が提案されている(特許文献1を参照)。定着パッドが摩耗することによって、定着パッドと定着ベルトとの間の摩擦力が大きくなると、駆動モーターのトルク値が大きくなるので、当該トルク値を監視すれば、定着装置が寿命に達したか否かを判断することができる。

概要

定着パッドの摩耗状態を精度よく検出することができる画像形成装置を提供する。電子写真方式の画像形成装置は、印刷ジョブの実行に先立って定着回転体昇温させるウォームアップを実行する。ウォームアップの際には温度むらを防止するために定着回転体を一定速度で回転駆動する。定着回転体が目標温度に達した後、最初の記録シートが定着回転体に到達するまでの期間は、定着回転体の温度は概ね一定になるように制御される。また、記録シートの進入による駆動速度の変動もないため、定着回転体を回転駆動するモータートルクをこの期間内に検出すれば、トルクの検出精度を向上させることができる。従って、トルク値を用いた定着装置の寿命の予測精度を向上させることができる。

目的

本発明は、上述のような問題に鑑みて為されたものであって、定着装置の寿命を精度よく検出することができる画像形成装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

定着回転体を用いて記録シートトナー像熱定着する定着装置と、前記定着回転体の定着温度を検出する温度検出手段と、前記定着回転体を回転駆動する駆動手段と、前記駆動手段のトルクを所定のトルク検出期間内に検出するトルク検出手段と、検出したトルク値から前記定着装置の寿命予測する予測手段と、を備え、前記トルク検出期間は、前記定着温度と、前記駆動手段による前記定着回転体の駆動速度と、の少なくとも一方が所定の範囲内になる期間であることを特徴とする画像形成装置

請求項2

前記定着温度がトナー像の熱定着に適した温度範囲内になるように制御する温度制御手段と、前記定着回転体の回転駆動速度をトナー像の熱定着に適した速度範囲内になるように前記駆動手段を制御する速度制御手段と、を備え、前記トルク検出期間は、前記温度制御手段が前記定着温度を前記所定の温度範囲内になるように制御し、かつ前記速度制御手段が前記回転駆動速度を前記所定の速度範囲内になるように制御する期間のうち、記録シートと定着回転体との圧接が開始または終了することに起因する前記回転駆動速度が変動する期間を除く期間であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。

請求項3

前記トルク検出期間は、前記駆動手段による駆動速度を一定に維持しながら、前記定着回転体を昇温させるウォームアップによって、前記定着温度が所定の温度範囲内になった後、前記定着回転体に記録シートの先端が到達するまでの期間であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。

請求項4

前記ウォームアップの開始前における最後の印刷ジョブを完了してから、前記ウォームアップ開始までの経過時間が所定の冷却所要時間以下である場合に、前記トルク検出手段に前記トルクの検出を禁止する禁止手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。

請求項5

前記冷却所要時間を、前記最後の印刷ジョブにおいて定着に要した時間に応じて設定する冷却所要時間設定手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。

請求項6

前記トルク検出期間は、前記定着回転体に記録シートの先端が到達することに起因する前記駆動速度の変動が収まった後、当該記録シートの後端が前記定着回転体から離脱する前の期間であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。

請求項7

前記トルク検出期間は、1つの印刷ジョブに係る最後の記録シートの後端が前記定着回転体から離脱することに起因する前記駆動速度の変動が収まった後、前記定着温度が所定の温度範囲内に維持され、かつ前記駆動速度が所定の速度範囲内に維持される期間であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。

請求項8

前記1つの印刷ジョブの開始後、前記トルク検出期間の開始までの経過時間であるプリント時間が所定の上限時間よりも長い場合に、前記トルク検出手段に前記トルクの検出を禁止する禁止手段を備えることを特徴とする請求項6または7に記載の画像形成装置。

請求項9

前記1つの印刷ジョブ開始前における最後の印刷ジョブを完了してから、前記1つの印刷ジョブのためのウォームアップ開始までの経過時間に応じて、前記上限時間を設定する上限時間設定手段を備えることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。

請求項10

装置内温度を検出する装置内温度検出手段と、前記装置内温度が所定の温度範囲外である場合に、前記トルク検出手段に前記トルクの検出を禁止する禁止手段と、を備えることを特徴とする請求項3、6及び7の何れかに記載の画像形成装置。

請求項11

前記定着回転体に圧接することによって、加熱溶融されたトナー像を前記記録シートに圧着する加圧回転体と、前記加圧回転体の温度を検出する加圧回転体温度検出手段と、前記加圧回転体温度が所定の温度範囲外である場合に、前記トルク検出手段に前記トルクの検出を禁止する禁止手段と、を備えることを特徴とする請求項3、6及び7の何れかに記載の画像形成装置。

請求項12

装置内温度を検出する装置内温度検出手段を備え、前記禁止手段は、更に、前記トルク検出期間以前における最後のウォームアップの開始時における前記加圧回転体の温度が、当該開始時における前記装置内温度から所定の温度範囲外である場合に、前記トルク検出手段に前記トルクの検出を禁止することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。

請求項13

前記定着温度が、当該定着温度の制御目標温度に一致するトルク検出タイミングを特定するタイミング特定手段を備え、前記トルク検出手段は、前記トルク検出期間内のトルク検出タイミングに前記トルクを検出することを特徴とする請求項6または7に記載の画像形成装置。

請求項14

前記トルク検出期間は、印刷ジョブの実行を中断して、前記駆動手段による駆動速度を一定に維持し、かつ前記定着温度を所定の温度範囲内に維持するテストモード期間であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。

請求項15

複数のトルク検出期間において前記トルク検出手段が検出したトルク値の増加のし方から当該トルク値が寿命値に達する時期を予測する予測手段を備えることを特徴とする請求項1から14の何れかに記載の画像形成装置。

技術分野

0001

本発明は、画像形成装置に関し、特に定着装置寿命判定に用いるトルク値検出精度を向上させる技術に関する。

背景技術

0002

電子写真方式の画像形成装置は、加熱溶融したトナー像記録シート圧着することによって、トナー像を記録シートに定着する定着装置を備えている。定着装置にはさまざまな定着方式のものがあり、例えば、定着パッド方式の定着装置は、定着パッドに加圧ローラー圧接することによって形成される定着ニップに記録シートを通紙することによって定着処理が実行される。定着パッドはローラーよりも熱容量が小さいので、定着パッド方式を採用すれば、ローラー対を圧接して定着ニップを形成する場合よりも省エネルギー化を図ることができる。

0003

定着パッド方式では、定着ニップにおける記録シートの搬送性を向上させるために、記録シートの搬送方向へ回転走行する定着ベルトを定着パッドと記録シートとの間に介在させる。定着ベルトは回転走行の際に定着パッドと摺動して、定着パッドを摩耗させるため、定着パッドが摩耗によって使用に適さなくなる前に交換するようユーザー通知する必要がある。

0004

このため、例えば、定着ベルトを回転走行させる駆動モーターのトルク値を監視して、閾値と比較する画像形成装置が提案されている(特許文献1を参照)。定着パッドが摩耗することによって、定着パッドと定着ベルトとの間の摩擦力が大きくなると、駆動モーターのトルク値が大きくなるので、当該トルク値を監視すれば、定着装置が寿命に達したか否かを判断することができる。

先行技術

0005

特開2007−309980号公報
特開2011−191697号公報

発明が解決しようとする課題

0006

画像形成装置がプリント指示受け付けて、動作モードがウォームアップモードWU: warm up)に遷移すると、定着装置は定着ベルトの回転駆動を開始すると共に、図16に示すように、定着温度急上昇する(グラフ1601)。その後、定着温度が目標温度に達して、画像形成装置の動作モードがウォームアップモードからプリントモードに遷移し、画像形成処理が開始されると、記録シートが定着ニップに突入するたびにループ制御によって駆動速度が変動する(グラフ1602)。 画像形成処理を完了した後、スリープモードに遷移すると、定着ベルトの回転駆動が停止され、定着温度も室温まで低下してゆく。

0007

このように定着温度や駆動速度が変動すると、駆動モーターのトルクが変動する。例えば、図17に示すように、定着温度が120℃付近に留まっていても、記録シートの搬送速度が変動すると、グラフ1701に示すように、搬送速度が速くなるにつれてトルクが上昇する。定着温度が155℃付近に留まっている場合も、グラフ1702に示すように、搬送速度が変動するとトルクが変動する。

0008

逆に、グラフ1711、1712、1713及び1714に示すように、搬送速度が固定されていても、定着温度が変動すると、定着パッドと定着ベルトとの摩擦を低減するために塗布される潤滑剤の粘度が変化するので、トルクが変動する。

0009

このように、定着パッドの摩耗以外の理由によっても、駆動モーターのトルク値は変動し得るため、上記従来技術のように単にトルク値を監視するだけでは、定着パッドが摩耗していないにも関わらず、ユーザーに交換を通知してしまうおそれがある。

0010

同様の問題は、定着パッド方式以外の方式を用いた定着装置の寿命をトルク値から予測する際にも発生する。

0011

本発明は、上述のような問題に鑑みて為されたものであって、定着装置の寿命を精度よく検出することができる画像形成装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、定着回転体を用いて記録シートにトナー像を熱定着する定着装置と、前記定着回転体の定着温度を検出する温度検出手段と、前記定着回転体を回転駆動する駆動手段と、前記駆動手段のトルクを所定のトルク検出期間内に検出するトルク検出手段と、検出したトルク値から前記定着装置の寿命を予測する予測手段と、を備え、前記トルク検出期間は、前記定着温度と、前記駆動手段による前記定着回転体の駆動速度と、の少なくとも一方が所定の範囲内になる期間であることを特徴とする。

0013

この場合において、前記定着温度がトナー像の熱定着に適した温度範囲内になるように制御する温度制御手段と、前記定着回転体の回転駆動速度をトナー像の熱定着に適した速度範囲内になるように前記駆動手段を制御する速度制御手段と、を備え、前記トルク検出期間は、前記温度制御手段が前記定着温度を前記所定の温度範囲内になるように制御し、かつ前記速度制御手段が前記回転駆動速度を前記所定の速度範囲内になるように制御する期間のうち、記録シートと定着回転体との圧接が開始または終了することに起因する前記回転駆動速度が変動する期間を除く期間であるのが望ましい。

0014

また、前記トルク検出期間は、前記駆動手段による駆動速度を一定に維持しながら、前記定着回転体を昇温させるウォームアップによって、前記定着温度が所定の温度範囲内になった後、前記定着回転体に記録シートの先端が到達するまでの期間であってもよい。

0015

また、前記ウォームアップの開始前における最後の印刷ジョブを完了してから、前記ウォームアップ開始までの経過時間が所定の冷却所要時間以下である場合に、前記トルク検出手段に前記トルクの検出を禁止する禁止手段を備えてもよい。

0016

また、前記冷却所要時間を、前記最後の印刷ジョブにおいて定着に要した時間に応じて設定する冷却所要時間設定手段を備えてもよい。

0017

また、前記トルク検出期間は、前記定着回転体に記録シートの先端が到達することに起因する前記駆動速度の変動が収まった後、当該記録シートの後端が前記定着回転体から離脱する前の期間であってもよい。

0018

また、前記トルク検出期間は、1つの印刷ジョブに係る最後の記録シートの後端が前記定着回転体から離脱することに起因する前記駆動速度の変動が収まった後、前記定着温度が所定の温度範囲内に維持され、かつ前記駆動速度が所定の速度範囲内に維持される期間であってもよい。

0019

また、前記1つの印刷ジョブの開始後、前記トルク検出期間の開始までの経過時間であるプリント時間が所定の上限時間よりも長い場合に、前記トルク検出手段に前記トルクの検出を禁止する禁止手段を備えてもよい。

0020

また、前記1つの印刷ジョブ開始前における最後の印刷ジョブを完了してから、前記1つの印刷ジョブのためのウォームアップ開始までの経過時間に応じて、前記上限時間を設定する上限時間設定手段を備えてもよい。

0021

また、装置内温度を検出する装置内温度検出手段と、前記装置内温度が所定の温度範囲外である場合に、前記トルク検出手段に前記トルクの検出を禁止する禁止手段と、を備えてもよい。

0022

また、前記定着回転体に圧接することによって、加熱溶融されたトナー像を前記記録シートに圧着する加圧回転体と、前記加圧回転体の温度を検出する加圧回転体温度検出手段と、前記加圧回転体温度が所定の温度範囲外である場合に、前記トルク検出手段に前記トルクの検出を禁止する禁止手段と、を備えてもよい。

0023

また、装置内温度を検出する装置内温度検出手段を備え、前記禁止手段は、更に、前記トルク検出期間以前における最後のウォームアップの開始時における前記加圧回転体の温度が、当該開始時における前記装置内温度から所定の温度範囲外である場合に、前記トルク検出手段に前記トルクの検出を禁止してもよい。

0024

また、前記定着温度が、当該定着温度の制御目標温度に一致するトルク検出タイミングを特定するタイミング特定手段を備え、前記トルク検出手段は、前記トルク検出期間内のトルク検出タイミングに前記トルクを検出してもよい。

0025

また、前記トルク検出期間は、印刷ジョブの実行を中断して、前記駆動手段による駆動速度を一定に維持し、かつ前記定着温度を所定の温度範囲内に維持するテストモード期間であってもよい。

0026

また、複数のトルク検出期間において前記トルク検出手段が検出したトルク値の増加のし方から当該トルク値が寿命値に達する時期を予測する予測手段を備えてもよい。

発明の効果

0027

このようにすれば、前記定着温度と、前記駆動手段による前記定着回転体の駆動速度と、の少なくとも一方が所定の範囲内になる期間にトルクを検出するので、定着温度の変動に起因するトルク変動や駆動速度の変動に起因するトルク変動によって定着装置の寿命の予測精度が低下するのを防止することができる。

図面の簡単な説明

0028

本発明の実施の形態に係る画像形成装置の主要な構成を示す図である。
定着装置100の主要な構成を示す図である。
定着パッド200の主要な構成を示す図である。
定着ベルト201の走行距離定着駆動モーター206のトルクとの関係を示すグラフである。
制御部111の主要な構成を示すブロック図である。
トルクセンサー500の構成を示す回路図である。
摺動シート200の通知処理を表すフローチャートである。
トルク検出処理を表すフローチャートである。
(a)は、ウォームアップ直後のトルク検出期間を説明するグラフであり、(b)はウォームアップ直後にトルク検出を行う条件を説明するグラフである。
(a)は、プリント中のトルク検出期間を説明するグラフであり、(b)はプリント後のトルク検出期間を説明するグラフである。
プリント中に実行されるトルク検出処理を表すフローチャートである。
プリント後に実行されるトルク検出処理を表すフローチャートである。
定着温度の温度制御リップルを例示するグラフである。
定着パッドに代えて定着ローラーを用いて定着装置の主要な構成を示す図である。
本発明の変形例に係るトルク検出処理を表すフローチャートである。
定着温度と駆動速度との画像形成時における変化を例示するグラフである。
定着温度や駆動速度の変動に伴うトルクの変動を例示するグラフである。

実施例

0029

以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[1]画像形成装置の構成
まず、本実施の形態に係る画像形成装置の構成について説明する。

0030

図1に示すように、画像形成装置1は、所謂タンデム方式カラープリンターであって、作像部101Y、101M、101C及び101Kを用いてYMCK各色のトナー像を形成する。形成されたトナー像は互いに重なり合うように中間転写ベルト102の外周面上に順次、静電転写され、これによってカラートナー像が形成される。中間転写ベルト102は無端状のベルトであって、駆動ローラー103と従動ローラー104とに張架された状態で矢印A方向に回転走行する。

0031

駆動ローラー103には中間転写ベルト102を挟んで2次転写ローラー105が圧接されており、これによって2次転写ニップ106が形成される。中間転写ベルト102がカラートナー像を2次転写ニップ106へ搬送するのに合わせて、給紙カセット107から記録シートSが1枚ずつ繰り出される。記録シートSは、停止中のレジストローラー108に先端が突き当たり、ループを形成することによってスキュー補正される。

0032

その後、2次転写タイミングに合わせてレジストローラー108が記録シートの搬送を開始すると、2次転写ニップ106へ搬送される。2次転写ニップ106では、カラートナー像が中間転写ベルト102から記録シートSへ静電転写される。その後、記録シートSは定着装置100へ搬送され、カラートナー像を熱定着された後、排紙ローラー対109によって排紙トレイ110上へ排出される。

0033

制御部111は、いわゆる制御基板であって、他の装置から印刷ジョブを受け付けて画像形成装置1に画像形成処理を実行させる。操作パネル112は、制御部111の制御下で、画像形成装置1のユーザー、管理者または保守担当者に情報を提示したり、ユーザー等による指示入力を受け付けたりする。
[2]定着装置100の構成
次に、定着装置100の構成について説明する。

0034

定着装置100は定着パッド方式を採用しており、定着ベルト201を挟んで摺動シート200に加圧ローラー202を圧接することによって形成される定着ニップ203に記録シートSを通紙することによってトナー像を記録シートSに熱定着する。

0035

詳述すると、定着ベルト201は摺動シート200、加熱ローラー204及びフェルト205に掛け回されている。定着駆動モーター206の回転駆動力が、伝達ギア207によって加圧ローラー202に伝達されると、加圧ローラー202は矢印B方向に回転駆動する。定着ベルト201は加圧ローラー202に従動して、矢印C方向に回転走行する。

0036

これによって、記録シートSが定着ベルト201と加圧ローラー202とに挟まれた状態で矢印D方向に搬送される。また、記録シートSは摺動シート200に接触せず、記録シートSと摺動シート200との間に定着ベルト201が介在するので、用紙搬送性が確保される。摺動シート200は支持部材208を介して定着パッド209に支持されている。

0037

潤滑剤210が定着ベルト201の内周面に当接しており、定着ベルト201が回転走行することによって、定着ベルト201の内周面に順次、潤滑剤が塗布される。フェルト205は定着ベルト201の内周面上の潤滑剤210の塗布量を調節する。このように潤滑剤210を塗布することによって、摺動シート200と定着ベルト201との摺動性が向上する。なお、摺動シート200と定着ベルト201との間の摩擦力は加圧ローラー202及び伝達ギア207を経由して定着駆動モーター206のトルクになる。

0038

円筒形状の加熱ローラー204の内部には定着ヒーター211が配設されている。定着ヒーター211が発熱することによって、加熱ローラー204が昇温し、延いては定着ベルトが加熱される。定着ニップ203において、定着ベルト201が記録シートSのトナー像担持面に圧接すると、定着ベルト201の熱によって記録シートS上のトナー像が溶融される。溶融されたトナー像は、定着ベルト201に加圧ローラー202が圧接しているので、記録シートSに圧着される。

0039

なお、定着装置100は、定着ベルト201の定着ヒーター211付近に設置され、定着ベルト201の温度を検出する温度センサー212と、加圧ローラー202に接触して、加圧ローラー202の温度を検出する接触型の温度センサー213とを備えている。
[3]定着駆動モーター206のトルクの経時変化
図3に示すように、摺動シート200は、ガラス繊維素材301にフッ素コート300を施したものであり、フッ素コート300が定着ベルト201と摺動する。フッ素コート300と定着ベルト201との間には潤滑剤210が介在しており、フッ素コート300と定着ベルト201との摩擦を低減する。

0040

フッ素コート300は、定着ベルト201と摩擦によって徐々に摩耗し、遂には少しずつ剥離する。フッ素コート300が剥離すると、ガラス繊維素材301が定着ベルト201と直接摺動するようになり、フッ素コート300が定着ベルト201と摺動する場合よりも摩擦力が大きくなるので、定着駆動モーター206のトルクが大きくなる。

0041

図4に示すように、定着駆動モーター206のトルクは、フッ素コート300の摩耗によってガラス繊維素材301が露出するまでは概ね一定(図4の例では0.8N・m)である。定着ベルト201の走行距離が1,000kmに達すると、フッ素コート300の摩耗によってガラス繊維素材301が露出し始めるのに伴って、定着駆動モーター206のトルクが増加し始める(グラフ401)。その後、定着モーター206のトルク値が寿命閾値403に達したら、摺動シート200を交換しなければならない。

0042

定着モーター206のトルク値が寿命閾値403に達して画像形成装置1が使用できなくなる前に摺動シート200を交換するためには、寿命閾値403よりも小さいトルク値を寿命通知閾値402として、定着駆動モーター206のトルク値が寿命通知閾値402に達したら、摺動シート200の交換が必要になった旨を画像形成装置1のユーザー等に通知するのが有効である。

0043

定着駆動モーター206のトルク値が上昇する時期(定着ベルト201の走行距離)は、ユーザーの使用状況によって異なる。例えば、定着ベルト201の走行距離が同じであっても、印刷ジョブ当たりの印刷枚数が少ない場合や通紙長の短い用紙を多く用いる場合には、定着ベルト201の回転走行を加減速する回数が多くなるので、摺動シート200が早く摩耗し易く、摺動シート200の寿命が短くなる(矢印411)。

0044

逆に、印刷ジョブ当たりの印刷枚数が多い場合や通紙長の長い用紙を多く用いる場合には、定着ベルト201の回転走行を加減速する回数が多くなるので、摺動シート200の寿命が長くなる(矢印412)。このように、定着ベルト201の走行距離から摺動シート200の寿命を精度よく予測するのは難しいので、当該予測精度を向上させるためには、定着モーター206のトルク値を監視する必要がある。
[4]制御部111の構成
次に、制御部111の構成について説明する。

0045

図5に示すように、制御部111は、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502及びRAM(Random Access Memory)503等を備えている。画像形成装置1に電源投入されると、CPU501はROM502からブートプログラム読み出し起動し、RAM503を作業用記憶領域として使用し、HDD(Hard Disk Drive)504からOS(Operating System)や制御プログラム等を読み出して実行する。

0046

CPU501はタイマー505を参照して、現在の時刻を取得する。また、CPU501は、NIC(Network Interface Card)506を用いてLAN(Local Area Network)507にアクセスすることによって、LAN507に接続されたPC(Personal Computer)等、他の装置から印刷ジョブを受け付ける。

0047

制御部100は、トルクセンサー500が検出した定着駆動モーターのトルク値を参照する。トルクセンサー500は、例えば、定着駆動モーター206がDCブラシレスモーターである場合にはトルクに応じた電流消費するので、図6に示すように、定着駆動モーター206への供給電流から検出する構成をとることができる。

0048

具体的には、電源VDDから定着駆動モーター206へ至る電流経路601上に電流検出用抵抗素子602を直列に接続し、電流検出用抵抗素子602の両端を差動増幅回路603に入力する。差動増幅回路603が出力する電流検出用抵抗素子602の端子間電圧Va−Vbは制御部111に入力される。電流検出用抵抗素子602の端子間電圧Va−Vbは定着駆動モーター206への供給電流量に比例するので、制御部111は端子間電圧Va−Vbを参照することによって、定着駆動モーター206のトルクを検出することができる。

0049

また、制御部100は、定着駆動モーター206の駆動速度がトナー像の熱定着に適した速度範囲内になるように定着駆動モーター206を制御して、加圧ローラー202を回転駆動すると共に、定着ベルト220を加圧ローラー202に従動回転させる。制御部100は、温度センサー212の検出温度を参照しながら定着ヒーター211の点消灯を制御することによって、定着温度がトナー像の熱定着に適した温度範囲内になるように制御する。なお、定着温度とは、定着ベルト220の温度である。
[5]摺動シート200の寿命通知処理
次に、摺動シート200の寿命通知処理について説明する。

0050

制御部111は、制御部111は、定着ベルト201の走行距離D、走行距離Dの累積値である累積距離Aおよびトルク検出間隔PをHDD504に記憶しており、定着ベルト201の走行距離Dがトルク検出間隔Pに達するたびに定着駆動モーター206のトルクを検出する。このため、制御部111は、図7に示すように、工場出荷時に走行距離Dおよび累積距離Aの値をいずれも0に初期化すると共に(S701)、トルク検出間隔Pの値をPaに初期化する(S702)。

0051

なお、定着ベルト201の走行距離Dと累積距離Aに代えて、定着ベルト201の走行時間と累積時間や、画像形成装置1のプリント枚数累積枚数を用いてもよい。

0052

その後、印刷ジョブを受け付けたら(S703:YES)、トルク検出処理を実行した後(S704)、当該画像形成による定着ベルト201を走行させた距離だけ走行距離Dと累積距離をそれぞれ増加させる(S705)。検出したトルク値Tが寿命閾値Taに達したら(S706:YES)、摺動シート200が摩耗して使用に適さなくなったと考えられるので、操作パネル112にて画像形成装置1のユーザー等に摺動シート200の寿命切れを通知して(S707)、処理を終了する。

0053

トルク値Tが寿命閾値Taに達していなければ(S706:NO)、検出したトルク値Tを累積距離AとともにHDD504に保存し(S711)、更に走行距離Dの値を0に初期化する(S712)。累積距離Aが閾値Daを超えていなければ(S713:YES)、ステップS703に進んで上記の処理を繰り返す。

0054

累積距離Aが閾値Daを超えたら(S713:NO)、トルク検出間隔Pを元の値Paよりも小さい値Pbに変更する(S714)。このようにすれば、定着駆動モーター206のトルク値を検出する頻度が高くなるので、例えば、トルク値が寿命閾値Taを超過したまま画像形成を実行し、定着ベルト201が定着パッド200の繊維素材301と摺擦することによって損耗するのを防止することができる。

0055

次に、トルク値Tの変化率△Tを算出する(S715)。本実施の形態においては、前回保存したトルク値Tprevおよび累積距離Aprevと、今回検出したトルク値Tnowと現在の累積距離Anowとを用いて変化率△Tを次式(1)のように求める。

0056

△T = (Tnow − Tprev)/(Anow − Aprev) …(1)
この変化率△Tを用いてトルク値Tが寿命閾値Taに達するまでに画像形成することができるプリント枚数(以下、「プリント可枚数」という。)を算出する(S716)。まず、次式(2)を用いてトルク値Tが寿命閾値Taに達するまでに定着ベルト201が走行する距離Drを算出する。

0057

Dr = (Ta − Tnow)/△T …(2)
定着ベルト201の走行距離Drをプリント可能枚数(例えば、A4タテばかり印刷した時の枚数)Nに換算する係数Cを用いて、次式(3)のようにプリント可能枚数Nを求める。

0058

N = C × Dr …(3)
このように算出したプリント可能枚数Nを操作パネル112に表示すれば(S717)、画像形成装置1のユーザー等に摺動シート200の交換時期が迫っていることを通知することができる。その後、ステップS703に進んで上記の処理を繰り返す。
[6]定着駆動モーター206のトルク検出処理(S706)
定着駆動モーター206のトルク検出処理(S706)について説明する。

0059

定着駆動モーター206のトルクは、上述のように定着温度やシステム速度に応じて変化し得る。従って、摺動シート200の寿命を精度よく判定するためには、一定の条件で定着駆動モーター206のトルクを検出する必要がある。

0060

定着温度と定着駆動モーター206の駆動速度との両方が一定になる期間として、ウォームアップ(WU: warm up)によって定着温度が目標温度に達し、画像形成を開始してから定着装置100に記録シートSが到達するまでの期間が考えられる。当該期間においては、定着ベルト201を満遍なく昇温させるために、定着駆動モーターが一定の駆動速度で回転駆動する(図9のグラフ901)。定着温度は目標温度に達した後は目標温度に維持される(図9のグラフ902)。また、定着ニップ203への記録シートSの進入もないので、摺動シート200の摩耗以外の原因によるトルク変動が発生しない。

0061

ウォームアップ完了直後に定着駆動モーター206のトルクを検出する場合には、図8に示すように、制御部111は、トルク検出処理(S706)において、まず、画像形成装置1の動作モードをスリープモードからウォームアップモードへ遷移させるとともに、スリープ時間を算出する(S801)。

0062

本実施の形態においては、スリープモードに遷移した時刻であるスリープ開始時刻がHDD504に保存されており、当該スリープ開始時刻と現在の時刻とからスリープ時間Tを算出する(図9(b))。ウォームアップを開始するとともに(S802)、定着温度の監視を開始して(S803)、温度センサー212の検出温度を繰り返し参照し、当該検出温度が目標温度に達したか否かを判定する。

0063

なお、温度センサー212の検出精度を考慮して、検出温度が目標温度を中心とする所定の温度範囲内(例えば、目標温度±5℃の範囲内)に入ったか否かによって、検出温度が目標温度に達したか否かを判定してもよい。検出温度が目標温度に達したら(S804:YES)、画像形成装置1の動作モードをウォームアップモードからプリントモードに遷移させて、画像形成処理を開始する(S805)。

0064

定着ベルト201の走行距離Dがトルク検出間隔P未満である場合には(S806:NO)、トルク検出を行わずにステップS809へ進む。走行距離Dがトルク検出間隔Pに達したら(S806:YES)、トルク検出を行うために次の処理(ステップS807)を実行する。

0065

加圧ローラー202はその内部温度が高いほど膨張して、定着ベルト201に対する圧接力が大きくなり、定着駆動モーター206のトルクが大きくなる。このため、摺動シート200の変化のみによる定着駆動モーター206のトルクの変化を検出するためには、トルクを検出する際の加圧ローラー202の内部温度を揃える必要がある。

0066

具体的には、画像形成処理完了後のスリープ時間が短い場合には加圧ローラー202の内部温度が高くなる一方、スリープ時間が十分長ければ、加圧ローラー202の内部温度が十下がるので、加圧ローラー202の膨張による定着駆動モーター206のトルク増大が無視できるほど小さくなる。そこで、スリープ時間Tが加圧ローラー202を十分冷却するのに要する時間(以下、「冷却所要時間」という)Tcool以上ならば(S807:YES)、トルクセンサー500が検出したトルク値を参照する(S808)。

0067

なお、定着ニップ203に記録シートSが進入すると、当然ながら定着駆動モーター206のトルクが増大するために、ステップS804のトルク検出は、定着ニップ203に記録シートSが到達する前に完了する必要がある。定着ニップ203に記録シートSが到達するタイミングは、レジストローラー108によって記録シートSの搬送を開始してから所定時間を経過した後である。この所定時間は、レジストローラー108から定着装置100までの記録シートSの搬送経路の長さをシステム速度で除算することによって算出することができる。

0068

印刷ジョブで指示された画像形成処理が終了したら(S809:YES)、スリープ開始時刻として現在の時刻をHDD504に保存するとともに(S810)、印刷ジョブの指示によって画像形成したプリント枚数から冷却所要時間Tcoolを設定する(S811)。この場合において、プリント枚数に代えてプリント時間を用いてもよい。以下においても同様である。その後、画像形成装置1の動作モードをプリントモードからスリープモードに遷移させて、ステップS801へ進み、上記の処理を繰り返す。

0069

なお、プリント枚数が所定枚数以下である場合には、プリント枚数が多いほど加圧ローラー202の内部温度が高くなるので、冷却所要時間Tcoolも長くなる。加圧ローラー202の内部温度は限りなく上昇する訳ではなく、プリント枚数が所定枚数を超えると加圧ローラー202の内部温度が上限に達するので、冷却所要時間Tcoolもまた上限に達する。所定枚数は実験シミュレーション等によって決定される。

0070

このようにすれば、摺動シート200の摩耗以外の原因によるトルクの変動を回避することができるので、摺動シート200の摩耗によるトルク変動を精度よく検出することができる。

0071

なお、画像形成装置1は動作モードが一旦、プリントモードから待機モードへ遷移した後に、待機モードからスリープモードへ遷移する場合がある。待機モードでは、次に印刷ジョブを実行する際にウォームアップを省いて画像形成開始までの所要時間を短縮するために、定着温度が目標温度に維持される。このため、プリントモードだけでなく待機モードでも加圧ローラー202は内部温度が高い状態に維持される。このため、プリント枚数に代えて、定着ベルト201を目標温度に維持した時間を用いて冷却所要時間Tcoolを決定してもよい。
[7]変形例
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(7−1)上記実施の形態においてはウォームアップ完了直後に定着駆動モーター206のトルクを検出する場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて次のようにしてもよい。

0072

例えば、プリント中においては、図10(a)に示すように、定着ベルト201の定着温度は概ね目標温度に維持される(グラフ1001)。また、定着駆動モーター206の駆動速度は、生産速度(目標速度)になるようにループ制御されるので、定着ニップ203に記録シートSの先端の進入によって駆動速度が変動する期間、定着ニップ203から記録シートSの後端の離脱によって駆動速度が変動する期間、及び紙間を除いた期間1000では概ね一定の生産速度に維持される(グラフ1002)。

0073

このトルク検出期間1000は、記録シートSの先端が定着ニップ203に進入してから、定着駆動モーター206の駆動速度が生産速度に戻るまでの所定時間を経過した後に開始し、当該記録シートSの後端が定着ニップ203から離脱するまでの期間である。

0074

なお、記録シートSの先端が定着ニップ203に進入するタイミングは、当該記録シートSの搬送をレジストローラー108が開始するタイミングから算出することができる。また、記録シートSの後端が定着ニップ203から離脱するタイミングは、定着ベルト201の駆動速度と記録シートSの搬送方向におけるサイズから算出することができる。トルク検出期間1000の開始タイミングは、記録シートSの搬送をレジストローラー108が開始するタイミングから算出することができる。

0075

また、加圧ローラー202の内部温度の高低によるトルク変動を考慮する場合には、上記実施の形態と同様に、スリープ時間Tが冷却所要時間Tcool以上であるときにのみ定着駆動モーター206のトルクを検出する。更に、連続通紙によって加圧ローラー202の内部温度が上昇することから、連続通紙の何枚目の記録シートSであるかによって定着駆動モーター206のトルク値が変動し得る。本変形例においては、1枚目の記録シートSの通紙時に定着駆動モーター206のトルクを検出する。画像形成時には必ず1枚目があるので、トルク検出の機会を最大化することができるからである。

0076

図11は、本変形例に係るトルク検出処理を示すフローチャートである。図8のフローチャートとの差異はステップS1106が追加されている点であり、図11のステップS1101からステップS1105までは図8のステップS801からステップS805までと同じ処理であり、図11のステップS1107からステップS1112までは図8のステップS806からステップS811までと同じ処理である。

0077

図11のステップS1106は、トルク検出期間1000の開始タイミングになったか否かを判定するステップである。本変形例では、1枚目の記録シートSの通紙中にトルク検出を行うため、1枚目の記録シートSの搬送をレジストローラー108が開始してから所定の時間が経過したか否かによって、当該判定が行われる。一般にn枚目の記録シートの通紙中にトルク検出を行う場合には、n枚目の記録シートSの搬送をレジストローラー108が開始してから所定の時間が経過したか否かによって、当該判定を行えばよい。

0078

このようトルク検出期間1000においても、定着温度と駆動速度とがともに一定しているので定着駆動モーター206のトルクを精度よく検出することができる。なお、紙間が十分広く、定着温度と駆動速とがともに一定する期間を紙間内で特定することができる場合には、当該期間にトルク検出を行ってもよい。この場合には、印刷ジョブあたりのプリント枚数が2枚以上である必要がある。

0079

また、図10(b)に示すように、印刷ジョブで指定された最後のページの記録シートSの後端が定着ニップ203を離脱した後、更に駆動速度が生産速度に落ち着いてから、画像形成装置1の動作モードがスリープモードに遷移する前までの期間1010に定着駆動モーター206のトルクを検出してもよい。この期間1010においても定着温度と駆動速度とがともに一定するので、定着駆動モーター206のトルクを精度よく検出することができる。

0080

図12は、本変形例に係るトルク検出処理を示すフローチャートである。図8のフローチャートとの差異はステップS1206からS1210までであり、図12のステップS1201からステップS1205までは図8のステップS801からステップS805までと同じ処理であり、図12のステップS1211、S1212は図8のステップ810、S811と同じ処理である。

0081

図12のステップS1206では、画像形成処理を完了したか否かを判定し、画像形成処理を完了したら(S1206:YES)、定着ベルト201の走行距離Dとトルク検出間隔Pとを比較する。定着ベルト201の走行距離Dがトルク検出間隔P未満である場合には(S1207:NO)、トルク検出を行わずにステップS1211へ進む。

0082

走行距離Dがトルク検出間隔Pに達したら(S1207:YES)、前回のスリープ時間Tと冷却所要時間Tcoolとを比較する。スリープ時間Tが冷却所要時間Tcool以上であれば(S1208:YES)、印刷ジョブで指示されたプリント枚数が所定の枚数(例えば、1枚)であるか確認する。

0083

プリント枚数が所定の枚数であった場合には(S1209:YES)、トルクを検出する(S1210)。このトルク検出は、画像形成装置1の動作モードがスリープモードに遷移する前に実行される。
(7−2)上記実施の形態においては、加圧ローラー202の熱膨張を考慮してトルク検出の可否を判断する場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて次のようにしてもよい。すなわち、定着駆動モーター206のトルクに与える影響が無視できる程度に加圧ローラー202の熱膨張率が小さい場合には、前に印刷ジョブでのプリント枚数の多寡に関わらずトルクを検出してもよい。
(7−3)上記実施の形態においては、定着温度が目標温度から所定の温度範囲内であれば一定であるとみなしてトルク検出を行う場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて次のようにしてもよい。

0084

一般的に画像形成装置では定着温度を目標温度に保つために定着温度と目標温度との温度差に応じたループ制御が行われる。このため、図13に示すように、定着温度の実測値1301は目標温度に常に一致するわけではなく、いわゆる温度制御リップルが現れる。図13黒丸印1302は、実測温度1301が目標温度に一致したタイミングである。このタイミングでトルク検出を行えば、温度変動に起因するトルク変動の影響を更に排除することができるので、摺動シート200の摩耗によるトルク変動を更に精度よく検出することができる。
(7−4)上記実施の形態においては、定着装置100が定着パッド方式を採用している場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて定着パッド方式以外の定着装置に本発明を適用してもよい。例えば、図14に示すように、定着パッドに代えて定着ローラー1401を用いた定着装置1400においては、定着ベルト1402が摩耗すると定着駆動モーター206のトルクが変動する。本発明を適用すれば、このような定着パッド方式以外の定着装置においてもトルクを精度よく検出することができるので、定着装置の寿命を精度よく判定することができる。
(7−5)加圧ローラー202の内部温度はトルクの大きさに影響を与えるため、上記実施の形態においては、スリープ時間Tが冷却所要時間Tcoolを超えるか否かでトルク検出の可否を判定する場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに加えて次のようにしてもよい。

0085

加圧ローラー202の内部温度が低下する速度は画像形成装置1の装置内温度に応じて異なり得る。装置内温度が高い場合には、スリープ時間が冷却所要時間Tcoolを超過しても加圧ローラー202の内部温度が十分低下していない恐れがあり、また装置内温度が低い場合には、スリープ時間が冷却所要時間Tcoolに至るよりも前に加圧ローラー202の内部温度が低下し過ぎてしまい、定着駆動モーター206のトルクが小さくなり過ぎてしまうおそれもある。

0086

一方、画像形成装置1の装置内温度が所定の範囲内にあれば、加圧ローラー202の内部温度の範囲もまた一定の範囲内に収まると考えられることから、本変形例においては、画像形成装置1の装置内温度を検出する温度センサーを追加して、装置内温度が所定の温度範囲内にある場合にのみトルクを検出する。言い換えると、装置内温度が所定の温度範囲内になければ、トルク検出を禁止する。

0087

図15は、図8に対応するフローチャートであって、ステップS1501からS1507までは図8のステップS801からS807までに対応し、ステップS1509からステップS1512までは図8のステップS808からS811までに対応する。図8との相違点はステップS1508であり、装置内温度が所定の範囲内になければ(S1508:NO)、トルク検出(S1509)は実行されない。

0088

このようにすれば、画像形成装置1の装置内温度の変動によるトルク変動の影響を排除して、摺動シート200の寿命を精度よく予測することができる。
(7−6)上記実施の形態においては、スリープ時間Tが冷却所要時間Tcool以上であるか否かによって加圧ローラー202の内部温度を評価する場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うでもなく。これに代えて次のようにしてもよい。

0089

画像形成装置1の装置内温度を検出する温度センサーを追加する。制御部111は、ウォームアップ開始時に温度センサー213を用いて加圧ローラー202の表面温度を検出し、加圧ローラー202の表面温度と画像形成装置1の装置内温度との差が所定の温度差以内である場合、言い換えると表面温度が装置内温度を基準として所定の温度範囲内にある場合にのみ定着駆動モーター206のトルクを検出してもよい。このようにしてもトルクの検出精度を向上させることができる。
(7−7)上記変形例では、プリント中にトルク検出を行う場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、プリント中に割り込み処理として実行されるテストモードの差異にトルクを検出してもよい。

0090

テストモードでは、定着装置100に記録シートSが通紙されないので定着ベルト201の駆動速度は安定している。また、プリント処理の途中であるため、定着温度は所定の目標温度になるように制御されている。従って、テストモードで定着温度と駆動速度とをともに一定に維持した状態でトルク検出を行えば、検出精度を向上させることができる。
(7−8)制御部100は、定着駆動モーター206の駆動速度がトナー像の熱定着に適した速度範囲内になるように定着駆動モーター206を制御し、定着温度がトナー像の熱定着に適した温度範囲内になるように定着ヒーター211の点消灯を制御する期間中にトルク検出を行う場合を例にとって説明したが、記録シートSの紙種やトナー像がカラーであるかモノクロであるかによって前記速度範囲や温度範囲が異なる場合には、トルクの検出条件を揃えるために、特定の紙種の記録シートSに特定のトナー像を熱定着する場合にのみトルク検出を行うことにしてもよい。この場合において、使用頻度の高い紙種にトナー像を形成することを条件とするのが望ましく、例えば、普通紙にモノクロ画像を形成することが多い場合には、かかる場合にのみトルクを検出すればよい。
(7−9)上記実施の形態においては、駆動速度と定着温度とが何れも所定の範囲内であるときにトルクを検出する場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、画像形成装置1や定着装置100の装置構成に依存して駆動速度が変動してもトルク値が変動し難い場合には駆動速度に関わらず定着温度が一定になる期間にトルクを検出してもよい。逆に、定着温度が変動してもトルク値が変動し難い場合には定着温度に関わらず駆動速度が一定になる期間にトルクを検出してもトルク検出精度を向上させることができる。
(7−10)上記実施の形態においては、画像形成装置1がタンデム方式のカラープリンターである場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えてタンデム方式以外のカラープリンターであってもよいし、モノクロプリンターであってもよい。また、スキャナーを備えた複写装置ファクシミリ通信機能を備えたファクシミリ装置といった単機能機、或いは複合機MFP: Multi-Function Peripheral)に本発明を適用しても同様の効果を得ることができる。

0091

本発明に係る画像形成装置は、定着装置の寿命判定に用いるトルク値の精度よく検出することができる装置として有用である。

0092

1…………………画像形成装置
100、1400…定着装置
200………………摺動シート
201、1401…定着ベルト
202、1402…加圧ローラー
203、1403…定着ニップ
204、1404…加熱ローラー
206、1406…定着駆動モーター
209………………定着パッド
210………………潤滑剤
300………………フッ素コート
301………………ガラス繊維素材
500………………トルクセンサー
1400……………定着ローラー

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