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技術 機能性フィルム、偏光板、および画像表示装置

出願人 大日本印刷株式会社
発明者 管家了高地清弘石田一敏岩崎迅希佐藤雅春大守弘晃小川智洋
出願日 2018年2月28日 (2年0ヶ月経過) 出願番号 2018-035425
公開日 2019年9月12日 (6ヶ月経過) 公開番号 2019-152686
状態 未査定
技術分野 光学要素の表面処理 偏光要素 積層体(2) 要素組合せによる可変情報用表示装置1
主要キーワード 層状領域 光透過性導電性材料 長時間試験 斜め切断 光源スポット トリミング幅 一定保 断面出し
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

ハードコート層機能層との間の密着性および所望の光学特性両立を実現可能な機能性フィルムならびにこれを備えた偏光板および画像表示装置を提供する。

解決手段

本発明の一の態様によれば、バインダ樹脂13および複数の無機粒子14を含むハードコート層12と、ハードコート層12の表面12Aに密着した機能層16とを備える機能性フィルム10であって、ハードコート層12は、ハードコート層12の表面12Aから深さ100nmまでの第1の領域R1内に無機粒子14の緻密度が60%以上の層状領域を有し、ハードコート層12の表面12Aから100nmを超える第2の領域R2での無機粒子14の緻密度が59%以下である、機能性フィルム10が提供される。

概要

背景

液晶ディスプレイ等の画像表示装置画像表示面には、通常、傷付き防止や外光反射防止のために機能性フィルムが設けられている。機能性フィルムとしては、例えば、ハードコート層と、ハードコート層に密着し、かつ反射防止機能等の所望の機能を有する機能層とをこの順で備えているものがある(特許文献1〜3参照)。

ハードコート層は光学特性の調整、鉛筆硬度の確保等様々な理由により無機粒子を含む場合がある。無機粒子の中でも、特にシリカ粒子がサイズの均一性、目的により利用できるバリエーションの多さの観点から多用されている。また、機能層としては、塗布法によって形成される樹脂を含む有機層あるいはスパッタリング法CVD法等によって形成される無機層が用いられている。

概要

ハードコート層と機能層との間の密着性および所望の光学特性の両立を実現可能な機能性フィルムならびにこれを備えた偏光板および画像表示装置を提供する。 本発明の一の態様によれば、バインダ樹脂13および複数の無機粒子14を含むハードコート層12と、ハードコート層12の表面12Aに密着した機能層16とを備える機能性フィルム10であって、ハードコート層12は、ハードコート層12の表面12Aから深さ100nmまでの第1の領域R1内に無機粒子14の緻密度が60%以上の層状領域を有し、ハードコート層12の表面12Aから100nmを超える第2の領域R2での無機粒子14の緻密度が59%以下である、機能性フィルム10が提供される。

目的

すなわち、ハードコート層と機能層の間の密着性および所望の光学特性の両立を実現可能な機能性フィルムならびにこれを備えた偏光板および画像表示装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

バインダ樹脂および複数の無機粒子を含むハードコート層と、前記ハードコート層の表面に密着した機能層とを備える機能性フィルムであって、前記ハードコート層は、前記ハードコート層の前記表面から深さ100nmまでの第1の領域内に前記無機粒子の緻密度が60%以上の層状領域を有し、前記ハードコート層の前記表面から深さ100nmを超える第2の領域での前記無機粒子の緻密度が59%以下である、機能性フィルム。

請求項2

少なくとも一部の前記無機粒子が前記ハードコート層と前記機能層の界面に存在しており、前記無機粒子が前記機能層に密着している、請求項1に記載の機能性フィルム。

請求項3

前記ハードコート層は、前記第1の領域内に前記無機粒子の緻密度が70%以上の層状領域を有し、かつ前記第2の領域での前記無機粒子の緻密度が50%以下である、請求項1または2に記載の機能性フィルム。

請求項4

前記第2の領域における前記無機粒子の最大凝集度が、30%以下である、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の機能性フィルム。

請求項5

前記ハードコート層の膜厚が、1μm以上である、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の機能性フィルム。

請求項6

前記ハードコート層における前記機能層側とは反対側に設けられた光透過性基材をさらに備える、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の機能性フィルム。

請求項7

請求項1ないし6のいずれか一項に記載の機能性フィルムと、前記機能性フィルムの前記ハードコート層における前記機能層側とは反対側に設けられた偏光子と、を備える、偏光板

請求項8

バインダ樹脂および複数の無機粒子を含むハードコート層を少なくとも備えるハードコートフィルムであって、前記ハードコート層の表面が、前記ハードコートフィルムの表面をなし、前記ハードコート層は、前記ハードコート層の前記表面から深さ100nmまでの第1の領域内に前記無機粒子の緻密度が60%以上の部分を有し、前記ハードコート層の前記表面から深さ100nmを超える第2の領域での前記無機粒子の緻密度が59%以下である、ハードコートフィルム。

請求項9

前記無機粒子がSi元素を含み、前記ハードコート層が、前記第1の領域内に、SiとOの元素比率の合計が60%以上の第1の層状領域と、SiとOの元素比率の合計が60%未満の第2の層状領域とを含む、請求項8に記載のハードコートフィルム。

請求項10

前記ハードコート層は、前記第1の領域内に前記無機粒子の緻密度が70%以上の部分を有し、かつ前記第2の領域での前記無機粒子の緻密度が50%以下である、請求項8または9に記載のハードコートフィルム。

請求項11

前記第2の領域における前記無機粒子の最大凝集度が、30%以下である、請求項8ないし10のいずれか一項に記載のハードコートフィルム。

請求項12

前記ハードコート層の膜厚が、1μm以上である、請求項8ないし11のいずれか一項に記載のハードコートフィルム。

請求項13

前記ハードコート層における前記表面とは反対側の裏面側に設けられた光透過性基材をさらに備える、請求項8ないし12のいずれか一項に記載のハードコートフィルム。

請求項14

請求項8ないし13のいずれか一項に記載のハードコートフィルムと、前記ハードコートフィルムの一方の面側に設けられた偏光子と、を備える、偏光板。

請求項15

請求項1ないし6のいずれか一項に記載の機能性フィルム、請求項7または請求項13に記載の偏光板、あるいは請求項8ないし12のいずれか一項に記載のハードコートフィルムを備える、画像表示装置

技術分野

0001

本発明は、機能性フィルム偏光板、および画像表示装置に関する。

背景技術

0002

液晶ディスプレイ等の画像表示装置の画像表示面には、通常、傷付き防止や外光反射防止のために機能性フィルムが設けられている。機能性フィルムとしては、例えば、ハードコート層と、ハードコート層に密着し、かつ反射防止機能等の所望の機能を有する機能層とをこの順で備えているものがある(特許文献1〜3参照)。

0003

ハードコート層は光学特性の調整、鉛筆硬度の確保等様々な理由により無機粒子を含む場合がある。無機粒子の中でも、特にシリカ粒子がサイズの均一性、目的により利用できるバリエーションの多さの観点から多用されている。また、機能層としては、塗布法によって形成される樹脂を含む有機層あるいはスパッタリング法CVD法等によって形成される無機層が用いられている。

先行技術

0004

特許4913627号
特許5700903号
特許6054019号

発明が解決しようとする課題

0005

ハードコート層上に機能層を備える機能性フィルムにおいては、ハードコート層と機能層の界面が存在する。機能層が有機層の場合、有機層はハードコート層とは異なる機能を発揮させるためにハードコート層とは異なる樹脂組成や内容物を有する。このため、一度硬化させたハードコート層の上に有機層を形成すると、有機層のハードコート層に対する密着性が悪化する場合が極めて多い。また、機能層が無機層の場合、ハードコート層と無機層との界面は異種界面(有機無機界面)となるので、機能層が有機層である場合に比べて界面剥離が生じやすい。

0006

一方、画像表示装置は、これまでの屋内で主に使用されるテレビジョン以外にも屋外で使用される場合のある携帯電話をはじめとするモバイル機器、より過酷な環境に曝される車載用途へと用途展開が進み、必要とされる耐久性信頼性はより高度なものになっている。そうした状況の中で特許文献1〜3においては、ハードコート層の組成についての記載があるが、ハードコート層と機能層の界面に関する記載がなく、機能層と良好な密着性が得られるか不確実である。さらに、密着性を改善しようとすると、機能性フィルム中のハードコート層として所望の光学特性が得られないおそれがあるので、密着性と光学特性の両立は、極めて困難である。なお、所望の光学特性とは、機能性フィルムの用途や設置場所等によって異なる。

0007

本発明は上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、ハードコート層と機能層の間の密着性および所望の光学特性の両立を実現可能な機能性フィルムならびにこれを備えた偏光板および画像表示装置を提供することを目的とする。ハードコート層の表面に機能層を形成したときにハードコート層と機能層の間の密着性および所望の光学特性の両立を実現可能なハードコートフィルムならびにこれを備えた偏光板および画像表示装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明の一の態様によれば、バインダ樹脂および複数の無機粒子を含むハードコート層と、前記ハードコート層の表面に密着した機能層とを備える機能性フィルムであって、前記ハードコート層は、前記ハードコート層の前記表面から深さ100nmまでの第1の領域内に前記無機粒子の緻密度が60%以上の層状領域を有し、前記ハードコート層の前記表面から深さ100nmを超える第2の領域での前記無機粒子の緻密度が59%以下である、機能性フィルムが提供される。

0009

上記機能性フィルムにおいて、少なくとも一部の前記無機粒子が前記ハードコート層と前記機能層の界面に存在しており、前記無機粒子が前記機能層に密着していてもよい。

0010

上記機能性フィルムにおいて、前記ハードコート層は、前記第1の領域内に前記無機粒子の緻密度が70%以上の部分を有し、かつ前記第2の領域での前記無機粒子の緻密度が50%以下であってもよい。

0011

上記機能性フィルムにおいて、前記第2の領域における前記無機粒子の最大凝集度が、30%以下であってもよい。

0012

上記機能性フィルムにおいて、前記ハードコート層の膜厚が、1μm以上であってもよい。

0013

上記機能性フィルムにおいて、前記ハードコート層における前記機能層側とは反対側に設けられた光透過性基材をさらに備えていてもよい。

0014

本発明の他の態様によれば、上記機能性フィルムと、前記機能性フィルムの前記ハードコート層における前記機能層側とは反対側に設けられた偏光子と、を備える、偏光板が提供される。

0015

本発明の他の態様によれば、バインダ樹脂および複数の無機粒子を含むハードコート層を少なくとも備えるハードコートフィルムであって、前記ハードコート層の表面が、前記ハードコートフィルムの表面をなし、前記ハードコート層は、前記ハードコート層の前記表面から深さ100nmまでの第1の領域内に前記無機粒子の緻密度が60%以上の部分を有し、前記ハードコート層の前記表面から深さ100nmを超える第2の領域での前記無機粒子の緻密度が59%以下である、ハードコートフィルムが提供される。

0016

上記ハードコートフィルムにおいて、前記無機粒子がSi元素を含み、前記ハードコート層が、前記第1の領域内に、SiとOの元素比率の合計が60%以上の第1の層状領域と、SiとOの元素比率の合計が60%未満の第2の層状領域とを含んでいてもよい。

0017

上記ハードコートフィルムにおいて、前記ハードコート層は、前記第1の領域内に前記無機粒子の緻密度が70%以上の部分を有し、かつ前記第2の領域での前記無機粒子の緻密度が50%以下であってもよい。

0018

上記ハードコートフィルムにおいて、前記第2の領域における前記無機粒子の最大凝集度が、30%以下であってもよい。

0019

上記ハードコートフィルムにおいて、前記ハードコート層の膜厚が、1μm以上であってもよい。

0020

上記ハードコートフィルムにおいて、前記ハードコート層における前記表面とは反対側の裏面側に設けられた光透過性基材をさらに備えていてもよい。

0021

本発明の他の態様によれば、上記ハードコートフィルムと、前記ハードコートフィルムの一方の面に設けられた偏光子と、を備える、偏光板が提供される。

0022

本発明の他の態様によれば、上記機能性フィルム、上記偏光板、または上記ハードコートフィルムを備える、画像表示装置が提供される。

発明の効果

0023

本発明の一の態様によれば、ハードコート層と機能層との間の密着性および所望の光学特性の両立を実現可能な機能性フィルムを提供することができる。本発明の他の態様によれば、ハードコート層の表面に機能層を形成したときにハードコート層と機能層の間の密着性および光学特性の両立を実現可能なハードコートフィルムを提供することができる。また、本発明の他の態様によれば、このような機能性フィルムまたはハードコートフィルムを備える偏光板および画像表示装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0024

実施形態に係る機能性フィルムの概略構成図である。
図1に示される機能性フィルムの一部の拡大図である。
実施形態に係る他の機能性フィルムの概略構成図である。
実施形態に係る偏光板の概略構成図である。
実施形態に係る画像表示装置の概略構成図である。
実施例1に係る機能性フィルムにおけるハードコート層の断面の走査透過型電子顕微鏡写真である。
実施例1に係る機能性フィルムにおける表計算ソフトウェアによって2値化処理された後の画像である。

0025

以下、本発明の実施形態に係る機能性フィルム、偏光板および画像表示装置について、図面を参照しながら説明する。本明細書において、「フィルム」、「シート」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「フィルム」はシートとも呼ばれるような部材も含む意味で用いられる。図1は本実施形態に係る機能性フィルムの概略構成図であり、図2図1に示される機能性フィルムの一部の拡大図であり、図3は本実施形態に係る他の機能性フィルムの概略構成図である。図4は本実施形態に係る偏光板の概略構成図であり、図5は本実施形態に係る画像表示装置の概略構成図である。

0026

<<<機能性フィルムおよびハードコートフィルム>>>
図1に示される機能性フィルム10は、光透過性基材11と、バインダ樹脂13および複数の無機粒子14を含むハードコート層12とを備えるハードコートフィルム15と、ハードコートフィルム15の表面15A(ハードコート層12の表面12A)に密着した機能層16とをこの順で備えている。機能性フィルム10やハードコートフィルム15は、光透過性基材11を備えているが、後述するように光透過性基材を備えていなくともよい。また、機能性フィルムやハードコートフィルムは、光透過性基材とハードコート層の密着性を向上させるために、光透過性基材とハードコート層との間に樹脂を含む下地層をさらに備えていてもよい。

0027

機能性フィルム10やハードコートフィルム15においては、用途によって異なるがヘイズ値重要な要素とされる。光を透過させて使用される場合であって防眩性が必要とされない場合には、一般にヘイズ値(全ヘイズ値)が、1.0%以下であることが好ましい。このとき、機能性フィルム10やハードコートフィルム15のヘイズ値が1.0%以下であれば、優れた透明性を得ることができる。この場合、機能性フィルム10やハードコートフィルム15のヘイズ値は、0.9%以下であることがより好ましく、0.8%以下であることが最も好ましい。一方、防眩性が必要とされる場合には、防眩性とヘイズ値のバランスから必要となる値が異なる。具体的には、例えば、ヘイズ値は2%以上45%以下の範囲であり、60°グロス値が20%以上130%以下の範囲で設計されることが多い。ヘイズ値は高い方が防眩性が高くなる傾向があることが知られているが、単純に高ければ防眩性を有するフィルムとして単純に好ましい訳ではなく、機能性フィルムやハードコートフィルムの用途、設置場所等により目標値が異なるために一概に最適な範囲を決めるのは困難である。

0028

上記ヘイズ値は、ヘイズメーター(製品名「HM−150」、株式会社色彩技術研究所製)を用いてJIS K7136:2000に準拠した方法により測定することができる。上記ヘイズ値は、機能性フィルムを50mm×50mmの大きさに切り出した後、カールや皺がなく、かつ指紋や埃等がない状態で設置し、機能性フィルムやハードコートフィルム1枚に対して3回測定し、3回測定して得られた値の算術平均値とする。本明細書における「3回測定する」とは、同じ場所を3回測定するのではなく、異なる3箇所を測定することを意味するものとする。機能性フィルム10やハードコートフィルム15においては、目視した表面10Aは平坦であり、かつハードコート層12等の積層する層も平坦であり、また膜厚のばらつきも±10%の範囲内に収まる。したがって、切り出した機能性フィルムの異なる3箇所でヘイズ値を測定することで、おおよその機能性フィルムやハードコートフィルムの面内全体のヘイズ値の平均値が得られると考えられる。ヘイズ値のばらつきは、測定対象が1m×3000mと長尺であっても、5インチスマートフォン程度の大きさであっても、±10%以内である。なお、機能性フィルムを上記大きさに切り出せない場合には、例えば、HM−150は測定する際の入口開口が20mmφであるので、直径21mm以上となるようなサンプル大きさが必要になる。このため、22mm×22mm以上の大きさに機能性フィルムやハードコートフィルムを適宜切り出してもよい。機能性フィルムやハードコートフィルムの大きさが小さい場合は、光源スポット外れない範囲で少しずつずらす、または角度を変えるなどして測定点を3箇所にする。

0029

機能層フィルムやハードコートフィルムに粘着層接着層を介して偏光板等の他のフィルムが設けられている場合には、粘着層や接着層とともに他のフィルムを剥離し、さらに粘着層または接着層の汚れアルコールで良く拭き取ってから、ヘイズ値を測定するものとする。他のフィルムの剥離は、例えば、以下のようにして行うことができる。まず、機能性フィルムやハードコートフィルムに粘着層や接着層を介して他のフィルムが付いた積層体ドライヤーで加熱し、機能性フィルムやハードコートフィルムと他のフィルムの界面と思われる部位にカッター刃先を入れて、ゆっくりと剥離していく。このような加熱と剥離を繰り返すことで、粘着層や接着層および他のフィルムを剥離することができる。なお、このような剥離工程があったとしても、ヘイズ値の測定には大きな影響はない。

0030

上記60°グロス値は、精密光沢計(製品名「GM−26D」、株式会社村上色彩技術研究所製)を用いて、JIS Z8741:1997に準拠した方法により測定することができる。上記60°グロス値は、機能性フィルムやハードコートフィルムを50mm×50mmの大きさに切り出した後、機能性フィルムやハードコートフィルムの裏面を空気吸引法により光沢の無い黒樹脂板に密着させた状態で精密光沢計に設置して測定するものとする。また、上記60°グロス値は、機能性フィルムやハードコートフィルム1枚に対して3回測定し、3回測定して得られた値の算術平均値とする。

0031

機能性フィルム10やハードコートフィルム15においては、全光線透過率が、85%以上であることが好ましい。機能性フィルム10やハードコートフィルム15の全光線透過率が80%以上であれば、充分な光透過性を得ることができる。機能性フィルム10の全光線透過率は、88%以上であることがより好ましく、90%以上であることが最も好ましい。

0032

上記全光線透過率は、ヘイズメーター(製品名「HM−150」、株式会社村上色彩技術研究所製)を用いてJIS K7361−1:1997に準拠した方法により測定することができる。上記全光線透過率は、機能性フィルムやハードコートフィルムを50mm×50mmの大きさに切り出した後、カールや皺がなく、かつ指紋や埃等がない状態で設置し、機能性フィルムやハードコートフィルム1枚に対して3回測定し、3回測定して得られた値の算術平均値とする。機能性フィルム10やハードコートフィルムにおいては、目視した表面10Aは平坦であり、かつハードコート層12等の積層する層も平坦であり、また膜厚のばらつきも±10%の範囲内に収まる。したがって、切り出した機能性フィルムの異なる3箇所で全光線透過率を測定することで、おおよその機能性フィルムやハードコートフィルムの面内全体の全光線透過率の平均値が得られると考えられる。全光線透過率のばらつきは、測定対象が1m×3000mと長尺であっても、5インチのスマートフォン程度の大きさであっても、±10%以内である。なお、機能性フィルムやハードコートフィルムを上記大きさに切り出せない場合には、22mm×22mm以上の大きさに機能性フィルムを適宜切り出してもよい。機能性フィルムやハードコートフィルムの大きさが小さい場合は、光源スポットが外れない範囲で少しずつずらす、または角度を変えるなどして測定点を3箇所にする。

0033

また、機能性フィルムやハードコートフィルムに粘着層や接着層を介して偏光板等の他のフィルムが設けられている場合には、上記と同様の方法によって粘着層や接着層とともに他のフィルムを剥離してから、機能性フィルムの全光線透過率を測定する。なお、このような剥離工程があったとしても、全光線透過率の測定には大きな影響はない。

0034

機能性フィルム10の表面10A(機能層16の表面)やハードコートフィルム15の表面15Aは、JIS K5600−5−4:1999で規定される鉛筆硬度試験で測定されたときの硬度(鉛筆硬度)が、B以上であることが好ましく、H以上であることがより好ましい。鉛筆硬度試験は、50mm×50mmの大きさに切り出した機能性フィルムやハードコートフィルムをガラス板上に折れやシワがないようニチバン株式会社製のセロテープ登録商標)で固定し、鉛筆に1kgの荷重を加えるとともに、ひっかき速度を1mm/秒とした状態で行うものとする。鉛筆硬度は、鉛筆硬度試験において機能性フィルムやハードコートフィルムの表面に傷が付かなかった最も高い硬度とする。なお、鉛筆硬度の測定の際には、硬度が異なる鉛筆を複数本用いて行うが、鉛筆1本につき5回鉛筆硬度試験を行い、5回のうち4回以上機能性フィルムやハードコートフィルムの表面に傷が付かなかった場合には、この硬度の鉛筆においては機能性フィルムやハードコートフィルムの表面に傷が付かなかったと判断する。上記傷は、鉛筆硬度試験を行った機能性フィルムやハードコートフィルムの表面を蛍光灯下透過観察して視認されるものを指す。

0035

機能性フィルム10やハードコートフィルム15の用途は、特に限定されないが、光学フィルムとして機能する場合には、機能性フィルム10やハードコートフィルム15の用途としては、例えば、ノートパーソナルコンピュータ等を含むパーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン、タブレット端末ウェアラブル端末デジタルサイネージ、テレビジョン、カーナビゲーション等の画像表示装置が挙げられる。また、機能性フィルム10は、包装材料としても用いてもよい。

0036

機能性フィルム10やハードコートフィルム15は、所望の大きさにカットされていてもよいが、ロール状であってもよい。機能性フィルム10やハードコートフィルム15が所望の大きさにカットされている場合、機能性フィルムやハードコートフィルムの大きさは、特に制限されず、用途(例えば、画像表示装置に用いられる場合には、画像表示装置の表示面の大きさ)に応じて適宜決定される。具体的には、機能性フィルム10やハードコートフィルム15の大きさは、例えば、2.8インチ以上500インチ以下となっていてもよい。本明細書における「インチ」とは、機能性フィルムやハードコートフィルムが四角形状である場合には対角線の長さを意味し、円形状である場合には直径を意味し、楕円形状である場合には、短径長径の和の平均値を意味するものとする。ここで、機能性フィルムやハードコートフィルムが四角形状である場合、上記インチを求める際の機能性フィルムの縦横比は、画像表示装置の表示画面として問題がなければ特に限定されない。例えば、縦:横=1:1、4:3、16:10、16:9、2:1等が挙げられる。ただし、特に、デザイン性富む車載用途やデジタルサイネージにおいては、このような縦横比に限定されない。また、機能性フィルム10やハードコートフィルム15の大きさが大きい場合には、任意の位置からA5サイズ(148mm×210mm)に切り出した後、各測定項目の大きさに切り出すものとする。

0037

<<光透過性基材>>
光透過性基材11は、光透過性を有する基材であれば、特に限定されず、例えば、ポリエステル系基材アセチルセルロース系基材、シクロオレフィンポリマー基材、ポリエーテルスルホン系基材、ポリカーボネート系基材、ポリアミド系基材ポリイミド系基材、ポリオレフィン系基材アクリル系基材、ポリ塩化ビニル系基材ポリ塩化ビニリデン系基材、ポリスチレン系基材、ポリビニルアルコール系基材、ポリアリレート系基材、ポリフェニレンサルファイド系基材等が挙げられる。これらの中でも、複屈折由来干渉縞抑制およびハードコート層との密着性の観点から、アセチルセルロース系基材、アクリル系基材が好ましい。光透過性基材11は、樹脂の他、添加剤等を含んでいてもよい。

0038

ポリエステル系基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレートポリエチレンナフタレートの少なくとも1種を構成成分とする基材等が挙げられる。

0039

アセチルセルロース系基材としては、例えば、トリアセチルセルロース系基材、ジアセチルセルロース系基材が挙げられる。トリアセチルセルロース系基材は、可視光域380〜780nmにおいて、平均光透過率を50%以上とすることが可能な基材である。トリアセチルセルロース系基材の平均光透過率は70%以上、更に85%以上であることが好ましい。

0040

なお、トリアセチルセルロース系基材としては、純粋なトリアセチルセルロース以外に、セルロースアセテートプロピオネートセルロースアセテートブチレートの如くセルロースエステルを形成する脂肪酸として酢酸以外の成分も併用した物であってもよい。また、これらトリアセチルセルロースには、必要に応じて、ジアセチルセルロース等の他のセルロース低級脂肪酸エステルが添加されていてもよい。

0041

シクロオレフィンポリマー系基材としては、例えばノルボルネン系モノマーおよび単環シクロオレフィンモノマー等の重合体からなる基材が挙げられる。シクロオレフィンポリマーの市販品としては、例えば、日本ゼオン社製のゼオネックスゼオノアノルボルネン系樹脂)、住友ベークライト社製のスミライトFS−1700、JSR社製のアートン(変性ノルボルネン系樹脂)、三井化学社製のアペル環状オレフィン共重合体)、Ticona社製のTopas(環状オレフィン共重合体)、日立化成社製のオプトレッツOZ−1000シリーズ脂環式アクリル樹脂)等が挙げられる。

0042

ポリカーボネート系基材としては、例えば、ビスフェノール類ビスフェノールA等)をベースとする芳香族ポリカーボネート基材、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート等の脂肪族ポリカーボネート基材等が挙げられる。

0043

アクリル系基材としては、例えば、(メタアクリル酸エステルアクリルアミドアクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、またはその誘導体等の単量体重合して得られる樹脂からなる基材が挙げられる。これらの中でも、透明性および耐候性の観点から、ポリメタクリル酸メチルPMMA)、メタクリル酸メチル単位主構成成分とする共重合体、およびスチレンメタクリル酸メチル共重合体が好ましい。

0044

光透過性基材11の厚みは、20μm以上200μm以下であることが好ましい。光透過性基材11の厚みが、20μm以上であれば、しわが発生することなく、優れた鉛筆硬度を有する機能性フィルムを得ることができ、また光透過性基材11の厚みが、200μm以下であれば、ロールで取り扱うことが可能な柔軟性が得られる。光透過性基材の厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、光透過性基材の断面を撮影し、その断面の画像において光透過性基材の厚みを20箇所測定し、その20箇所の膜みの算術平均値を求めることによって求めることができる。

0045

<<ハードコート層>>
ハードコートフィルム15においては、ハードコート層12の表面12Aがハードコートフィルム15の表面15Aとなっている。ハードコート層12は、バインダ樹脂13および複数の無機粒子14を含む。ハードコート層12は、バインダ樹脂13および無機粒子14の他、紫外線吸収剤レベリング剤シランカップリング剤等の成分を含んでいてもよい。

0046

ハードコート層12は、単層構造となっているが、2層以上の多層構造であってもよい。本明細書における「ハードコート層」とは、光透過性を有し、かつマルテンス硬さが100MPa以上の層を意味するものとする。本明細書において、「マルテンス硬さ」とは、ナノインデンテーション法による硬度測定により、圧子を500nm押込んだときの硬度である。上記ナノインデンテーション法によるマルテンス硬さの測定は、測定サンプルにおいてHYSITRON(ハイトロン)社製の「TI950 TriboIndenter」を用いて行うものとする。具体的には、まず、1mm×10mmに切り出した機能性フィルムを包埋樹脂によって包埋したブロックを作製し、このブロックから一般的な切片作製方法によって穴等がない均一な、厚さ70nm以上100nm以下の切片を切り出す。切片の作製には、「ウルトラミクロトームEMUC7」(ライカマイクロシステムズ株式会社)等を用いることができる。そして、この穴等がない均一な切片が切り出された残りのブロックを測定サンプルとする。次いで、このような測定サンプルにおける上記切片が切り出されることによって得られた断面において、以下の測定条件で、上記圧子としてバーコビッチ圧子(三角錐)をハードコート層の断面中央に500nm押し込み、一定保持して残留応力緩和を行った後、除荷させて、緩和後の最大荷重計測し、該最大荷重Pmax(μN)と深さ500nmのくぼみ面積A(nm2)とを用い、Pmax/Aにより、マルテンス硬さを算出する。マルテンス硬さは、10箇所測定して得られた値の算術平均値とする。
(測定条件)
荷重速度:10nm/秒
・保持時間:5秒
・荷重除荷速度:10nm/秒
測定温度:25℃

0047

ハードコート層12の膜厚は、1μm以上となっていることが好ましい。ハードコート層12の膜厚が、1μm以上であれば、充分な硬度を維持することができる。ハードコート層12の膜厚の下限は2μm以上であることがより好ましい。ハードコート層12の膜厚の上限は、厚みが厚すぎることに起因する加工性の悪化を抑制する観点から、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。

0048

ハードコート層の膜厚は、走査透過型電子顕微鏡(STEM)、または透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、ハードコート層の断面を撮影し、その断面の画像においてハードコート層の膜厚を20箇所測定し、その20箇所の膜厚の算術平均値とする。具体的な断面写真の撮影方法を以下に記載する。まず、15mm×10mmに切り出した機能性フィルムやハードコートフィルムを樹脂板に固定して、クロトームEMUC6(ライカマイクロシステムズ株式会社製)でトリミング幅300μm、高さ80μmに切り出した後、さらにDiATOMEダイヤモンドナイフLTRAにより厚さ方向に切削していき、穴等がない均一な、厚さ70nm以上100nm以下の切片を切り出す。切片の作製には、ウルトラミクロトームEM UC7(ライカ マイクロシステムズ株式会社)等を用いてもよい。そして、この穴等がない均一な切片が切り出された残りのブロックを測定サンプルとする。測定サンプルは、一般的に行われている樹脂に包含させる方法で作成してもよい。その後、走査透過型電子顕微鏡(STEM)(製品名「S−4800」、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて、測定サンプルの断面写真を撮影する。上記S−4800を用いて断面写真を撮影する際には、検出器を「TE」、加速電圧を「5kV」、エミッション電流を「10μA」にして断面観察を行う。倍率については、フォーカスを調節しコントラストおよび明るさを各層が見分けられるか観察しながら5000〜20万倍で適宜調節する。なお、上記S−4800を用いて断面写真を撮影する際には、さらに、アパーチャーを「ビームモニタ絞り3」にし、対物レンズ絞りを「3」にし、またW.D.を「8mm」にしてもよい。ハードコート層の膜厚を測定する際には、断面観察した折に、ハードコート層と他の層(例えば、光透過性基材)との界面コントラストが可能な限り明確に観察できることが重要となる。仮に、コントラスト不足でこの界面が見え難い場合には、四酸化オスミウム四酸化ルテニウムリンタングステン酸など染色処理を施すと、有機層間の界面が見やすくなるので、染色処理を行ってもよい。また、界面のコントラストは高倍率である方が分かりにくい場合がある。その場合には、低倍率も同時に観察する。例えば、2.5万倍と5万倍や、5万倍と10万倍など、高低の2つの倍率で観察し、両倍率で上記した算術平均値を求め、さらにその平均値をハードコート層の膜厚の値とする。

0049

<バインダ樹脂>
バインダ樹脂13は、重合性化合物硬化性化合物)の重合体(硬化物)を含む。重合性化合物は、分子内に重合性官能基を少なくとも1つ有するものであり、電離放射線で重合する電離放射線重合性化合物および熱で重合する熱重合性化合物のいずれであってもよい。重合性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基ビニル基アリル基等のエチレン性不飽和基が挙げられる。なお、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」および「メタクリロイル基」の両方を含む意味である。また、電離放射線としては、可視光線紫外線X線電子線、α線β線、およびγ線が挙げられる。

0050

重合性化合物としては、上記第1の重合性モノマーに加えて、第2の重合性モノマー、重合性オリゴマーおよび/または重合性プレポリマーを含んでいてもよい。

0051

第2の重合性モノマーとしては、多官能(メタ)アクリレートが好ましい。上記多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、ポリエステルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、アダマンチルジ(メタ)アクリレート、イソボロニルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートや、これらをPO、EO、カプロラクトン等で変性したものが挙げられる。

0052

これらの中でも上述したマルテンス硬さを好適に満たし得ることから、3〜6官能のものが好ましく、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(DPPA)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート等が好ましい。

0053

なお、硬度や組成物粘度調整等のために、第2の重合性モノマーは、多官能モノマーの他、更に単官能(メタ)アクリレートモノマーを含んでいてもよい。上記単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルアクリレートHEA)、グリシジルメタクリレートメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−アクリロイルオキシエチルサクシネートアクリロイルモルホリン、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミドシクロヘキシルアクリレートテトラヒドロフリルアクリレート、イソボルニルアクリレートフェノキシエチルアクリレート、およびアダマンチルアクリレート等が挙げられる。

0054

重合性オリゴマーまたは重合性プレポリマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、ポリフルオロアルキル(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等のオリゴマーまたはプレポリマーが挙げられる。これら重合性オリゴマーまたは重合性プレポリマーは、1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0055

上記第1の重合性モノマーや第2の重合性モノマーの重量平均分子量は、ハードコート層の硬度を向上させる観点から、1000未満が好ましく、200以上800以下がより好ましい。また、上記重合性オリゴマーの重量平均分子量は、1000以上2万以下であることが好ましく、1000以上1万以下であることがより好ましく、2000以上7000以下であることが更に好ましい。本明細書において、「重量平均分子量」は、テトラヒドロフラン(THF)等の溶媒に溶解して、従来公知のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算により得られる値である。

0056

バインダ樹脂13は、リン(P)元素を含むことが好ましい。バインダ樹脂13がリン元素を含むことにより、バインダ樹脂13と無機粒子14との密着性を高めることができる。バインダ樹脂13にリン元素が含まれるか否かは、XPS(X−Ray Photoelectron Spectroscopy)、またはESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)を用いることによって確認することができる。

0057

バインダ樹脂13がリン(P)元素を含む場合、ハードコート層12の表面12Aにおける元素比率は、リンが0.1%以上であることが好ましい。表面12Aの元素比率においてリンが0.1%以上であれば、ハードコート層12と機能層16との密着性をさらに向上させることができる。ハードコート層の第1の面における元素比率は、XPSまたはESCAによって求めることができる。上記元素比率におけるリンの下限は、0.3%以上であることがより好ましく、上限は、塗工時のリンを含む成分の凝集によるヘイズ上昇抑制の観点から、10%以下が好ましい。

0058

リン元素は、リン酸系モノマーを用いることによってバインダ樹脂13中に含有させることができる。リン酸系モノマーは、リン酸基および重合性官能基を含んでいる。リン酸系モノマーとしては、例えば、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、ジメチルホスフェートエチルアクリレートジエチルホスフェートエチルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルリン酸ビスアクリロイルオキシエチルホスフェート、トリスアクリロイルオキシエチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルリン酸、ビスメタクリロイルオキシエチルホスフェート、エトキシ化リン酸トリ(メタ)アクリレートが挙げられる。リン酸系モノマーのリン酸基が無機粒子に水素結合により相互作用するとともに、リン酸系モノマーの重合性官能基が重合性化合物と結合することによってバインダ樹脂13と無機粒子14との密着性を向上させることができるので、ハードコート層12と機能層16との間の界面剥離をより抑制できる。

0059

<無機粒子>
ハードコート層12は、ハードコート層12の表面12Aから深さ100nmまでの第1の領域R1(図2参照)内に無機粒子14の緻密度が60%以上の層状領域(以下、この領域を「高緻密層状領域」と称する。)を有し、ハードコート層12の表面12Aから深さ100nm以上の第2の領域R2(図2参照)で無機粒子14の緻密度が59%以下となっている。本明細書における「無機粒子の緻密度」とは、第1の領域および第2の領域の各領域においてハードコート層の膜厚方向と直交する方向にどの程度の緻密さで無機粒子が存在しているかを表す指標である。したがって、第1の領域R1内の高緻密層状領域における無機粒子14の緻密度が、第2の領域R2での無機粒子14の緻密度よりも高くなっていることは、ハードコート層12の膜厚方向と直交する方向では、無機粒子14は第2の領域R2よりも第1の領域R1内の高緻密層状領域の方が多く存在していることを意味している。なお、後述するようにハードコート層の膜厚方向と直交する方向に並ぶ複数のセルを1列とし、1列毎に無機粒子の緻密度を求めるので、第1の領域内の無機粒子の緻密度が60%以上となる領域は、層状として現れる。ハードコート層12と機能層16の間の密着性および所望の光学特性の両立をより高いレベルで実現する観点から、第1の領域R1内の高緻密層状領域における無機粒子14の緻密度の最大値は70%以上であり、かつ第2の領域R2での無機粒子14の緻密度は50%以下であることが好ましい。

0060

第1の領域における無機粒子の緻密度は、以下の方法によって求めることができる。まず、透過型電子顕微鏡(TEM)または走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて倍率3万倍〜10万倍で撮影したハードコート層の断面の画像を画像処理ソフトウェア(製品名「ImageJ」、米国国立衛生研究所製)で読み込み、セル毎に白黒2値化処理を行う。このとき、2値化処理のピクセル数は640×480以上とすることが好ましい。TEMまたはSTEMによる断面の画像においては、密度の高い無機粒子は電子線を透過しにくいため黒色系になり、また無機粒子よりも密度の低いバインダ樹脂は白色系になる。このため、2値化処理を行うと、無機粒子が黒色部として現れ、またバインダ樹脂が白色部として現れる。白色部と黒色部の区分は全セルの値の平均値よりも白色側にある場合は樹脂部分、黒色側にある場合は粒子部分とする。そして、2値化処理後の画像に現れているセルのうち、ハードコート層の膜厚方向と直交する方向に並ぶ複数のセルを1列として、1列に存在するセル毎に黒色部であるか白色部であるかを判断し、1列に存在するセルの合計数に対する黒色部と判断されたセルの数の割合(%)を求める。第1の領域においては、全域にわたり解析を行い、緻密度が60%以上となる部分があれば、第1の領域内に高緻密層状領域が存在すると判断できる。なお、膜厚方向と直交する方向の1列としては、必ずしも得られたTEM像やSTEM像の全幅について解析する必要は無く、十分な解析精度が得られるセル数を含んでいればよい。具体的には100セル以上あれば高い精度が得られる。

0061

第2の領域における無機粒子の緻密度も、第1の領域における無機粒子の緻密度と同様に求めるが、第2の領域においては、深さが異なる箇所において少なくとも5列分の上記割合を求めて、それらの算術平均値を求めることによって、第2の領域における無機粒子の緻密度とする。

0062

無機粒子14の緻密度を求める際のSTEMによるハードコート層の断面写真の撮影方法は、倍率以外は、ハードコート層の膜厚の欄に記載した断面写真の撮影方法と同様である。

0063

上記2値化処理は、画像処理ソフトウェア(製品名「ImageJ」、米国国立衛生研究所製)で行うが、具体的には、以下の手順によって行う。まず、上記ソフトウェアで断面写真の画像を読み込み、表計算ソフトウェアのセル上に1ピクセルを1セルとして白黒の諧調数値として出力する。この時に白黒の諧調数は可能な限り多い方がよい。具体的には128諧調以上ある状態で以降のデータ解析を行うことが好ましい。この白黒2値化の処理は特定のソフトウェアによらず、表計算ソフトウェアのマクロ等により計算しても問題ない。

0064

無機粒子14は、優れた硬度を得る観点から、シリカ粒子が好ましい。機能層16が無機層である場合、図2に示されるように、少なくとも一部の無機粒子14はハードコート層12と機能層16の界面に存在して、機能層16に直接密着していることが好ましい。界面に存在する無機粒子14が機能層16に直接密着することによって、無機粒子14と機能層16との間の界面が無機/無機界面となるので、ハードコート層12と機能層16との密着性をより向上させることができる。無機粒子がハードコート層と機能層との界面に存在しているか否かは、ハードコート層の断面を走査透過型電子顕微鏡(STEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することによって確認することができる。なお、ハードコート層の断面出しの手法としては、表面・界面切削試験装置(SAICAS)による斜め切断ミクロトームによる切削等が利用できる。また、カッターやミクロトーム等による切断で機能性フィルムの断面を出し、断面が出された状態の機能性フィルムに対してキセノン耐侯試験機を用いて長時間試験環境で曝露させた後に追加で湿熱環境に晒したり、またはアルコール等の溶媒を断面近傍に作用させることにより強制的に機能層を剥離し、機能層を剥離した状態で無機粒子がハードコート層と機能層の界面に存在しているか観察してもよい。

0065

ハードコート層12は、無機粒子14がSi元素を含み、第1の領域R1内に、SiとOの元素比率が60%以上の第1の層状領域と、SiとOの元素比率の合計が60%未満の第2の層状領域とを含んでいることが好ましい。第1の領域R1内にSiとOの元素比率の合計が60%以上の第1の層状領域を有していれば、ハードコート層12と機能層16との密着性をより向上させることができる。また、第1の領域R1内にSiとOの元素比率の合計が60%未満の第2の層状領域を有していれば、無機粒子14が多すぎることに起因する光学特性の低下をより抑制できる。第1の層状領域および第2の層状領域でのSiとOの元素比率は、走査型X線光電子分光装置(製品名「Quantum2000」)、アルバックファイ株式会社製)を用いて、下記の測定条件で、ハードコート層を深さ方向にエッチングするとともに深さ5nm毎にSiとOの元素比率をそれぞれ求めることによって、求められる。
(測定条件)
X線条件:Al mono 200μmφ×30W 15kV、
光電子取込角度:45°
エッチング条件:2kV raster2×2

0066

第2の領域R2における無機粒子14の最大凝集度は、30%以下であることが好ましい。第2の領域R2における無機粒子14の最大凝集度が、30%以下であれば、光学特性の低下をより抑制できる。第2の領域R2における無機粒子14の最大凝集度は、20%以下、10%以下であることがさらに好ましい(数値が小さいほど好ましい)。本明細書における「第2の領域における無機粒子の最大凝集度」とは、ハードコート層の断面を観察した場合に第2の領域においてハードコート層の膜厚方向と直交する方向に所定の幅で延びる部分を1列とし、1列に存在する無機粒子の全個数に対する、3個以上の無機粒子と互いに隣接して塊状になっている無機粒子の個数の割合を1列における無機粒子の凝集度として、この無機粒子の凝集度を複数列(例えば、任意の10列〜30列)で求めたとき、複数列で求めた無機粒子の凝集度の中で最も大きい凝集度を意味する。具体的には、第2の領域R2における無機粒子14の最大凝集度は、以下のようにして求める。まず、2値化処理後の画像に現れているセルのうち、ハードコート層の膜厚方向と直交する方向に並ぶ複数のセルを1列とし、またセルが無機粒子の一次粒径の3倍以上の長さで連続しているものを凝集状態と判断して、1列に存在するセルの合計数に対する無機粒子の一次粒径の3倍以上の長さで連続しているセルの割合を求めて、1列の凝集度を算出する。そして、この無機粒子の凝集度を複数列(例えば、任意の10列〜30列)で求めて、複数列で求めた無機粒子の凝集度の中で最も大きいものを最大凝集度とする。上記「一次粒径」とは、複数ある無機粒子の直径、幅、奥行き、高さのうち最も小さい径のことを意味する。

0067

無機粒子は、球形粒子であってもよいが、異形粒子であることが好ましい。球形粒子と異形粒子とを混合させてもよい。上記異形粒子は、その表面積が球形粒子と比較して大きいため、このような異形粒子を含有することで、上記重合性化合物との接触面積が大きくなり、上記ハードコート層の硬度を向上させることができる。ハードコート層に含まれている無機粒子が異形粒子であるか否かは、ハードコート層の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)または走査透過型電子顕微鏡(STEM)で観察することによって確認することができる。なお、本明細書における「球形粒子」とは、例えば、真球状、楕円球状等の粒子を意味し、また、「異形粒子」とは、ジャガイモ状(断面観察時のアスペクト比が1.2以上40以下)のランダム凹凸を表面に有する形状の粒子を意味する。

0068

無機粒子14の平均一次粒径は、5nm以上100nm以下であることが好ましい。無機粒子14の平均一次粒径が5nm以上であれば、無機粒子を容易に製造することができ、また100nm以下であれば、ハードコート層12に大きな凹凸が形成されることもない。無機粒子が球形粒子の場合には、無機粒子の平均一次粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)または走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて倍率4万倍〜20万倍で撮影した無機粒子の断面の画像から20個の無機粒子の一次粒径を測定し、20個の無機粒子の一次粒径の算術平均値とする。また、無機粒子が異形粒子である場合には、無機粒子の平均一次粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)または走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて撮影したハードコート層の断面の画像から無機粒子の外周の2点間距離の最大値(長径)と最小値(短径)とを測定し、平均して一次粒径を求め、20個の無機粒子の一次粒径の算術平均値とする。

0069

無機粒子14の大きさ及び配合量を制御することでハードコート層12の硬度(マルテンス硬さ)を制御できる。例えば、無機粒子14は直径が5nm以上100nm以下である場合、無機粒子14の含有量は、上記重合性化合物100質量部に対して、25質量部以上60質量部以下であることが好ましい。

0070

無機粒子としてシリカ粒子を用いる場合、シリカ粒子は、反応性シリカ粒子であってもよい。上記反応性シリカ粒子は、上記重合性化合物との間で架橋構造を構成することが可能なシリカ粒子であり、この反応性シリカ粒子を含有することで、ハードコート層12の硬度を充分に高めることができる。

0071

上記反応性シリカ粒子は、その表面に反応性官能基を有することが好ましく、該反応性官能基とてしては、例えば、上記の重合性官能基が好適に用いられる。

0072

上記反応性シリカ粒子としては特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、特開2008−165040号公報記載の反応性シリカ粒子等が挙げられる。また、上記反応性シリカ粒子の市販品としては、例えば、MIBK−SD、MIBK−SD−MS、MIBK−SD−L、MIBK−SD−ZL(いずれも、日産化学工業株式会社製)やV8802、V8803(いずれも、日揮触媒化成株式会社製)等が挙げられる。

0073

ハードコート層12は、無機粒子14とは別に、異なる目的で有機粒子をさらに含んでいてもよい。有機粒子としては、ポリメチルメタクリレート粒子ポリアクリルスチレン共重合体粒子メラミン樹脂粒子、ポリカーボネート粒子、ポリスチレン粒子架橋ポリスチレン粒子ポリ塩化ビニル粒子ベンゾグアナミンメラミンホルムアルデヒド粒子シリコーン粒子フッ素系樹脂粒子ポリエステル系樹脂粒子等が挙げられる。有機粒子には、無機成分が混合されていてもよい。

0074

<紫外線吸収剤>
紫外線吸収剤は、紫外線を吸収する機能を有している。紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、例えば、紫外線吸収剤としては、例えば、トリアジン系紫外線吸収剤ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、及び、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等が挙げられる。

0075

上記トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシフェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピルオキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、および2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2’−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。市販されているトリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、TINUVIN460、477(いずれもBASFジャパン株式会社社製)等が挙げられる。

0076

<レベリング剤>
レベリング剤とは、ハードコート層12の表面張力が不均一となることによって生じる、ハジキ、凹み、ピンホールユズハダ等の欠陥を防止し、表面を滑らかにする添加剤を意味する。レベリング剤は、特に限定されないが、ポリエーテル基ポリウレタン基、エポキシ基カルボキシル基アクリレート基メタクリレート基カルビノール基又は水酸基を有する化合物等が挙げられる。上記レベリング剤は、ポリエーテル基、ポリウレタン基、エポキシ基、カルボキシル基、アクリレート基、メタクリレート基、カルビノール基又は水酸基を主鎖の末端(片末端、両末端)に有していてもよく、側鎖に有していてもよく、主鎖の末端及び側鎖に有していてもよい。レベリング剤としては、ポリエーテル基、ポリウレタン基、エポキシ基、カルボキシル基、アクリレート基、メタクリレート基、カルビノール基又は水酸基を有する化合物であれば、特に限定されず、例えば、シリコーン系フッ素系、シリコーン/フッ素混合系、アクリル系、メタクリル系芳香族系のレベリング剤を挙げることができる。

0077

市販されているシリコーン系レベリング剤としては、例えば、BYK−300、BYK−302、BYK−306、BYK−307、BYK−320、BYK−325、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−337、BYK−341、BYK−344、BYK−345、BYK−346、BYK−348、BYK−377、BYK−378、BYK−UV3500、BYK−3510、BYK−UV3570等(いれずれも、ビックケミージャパン株式会社製)のポリエステル変性シリコーンオイルなどが挙げられる。

0078

<シランカップリング剤>
シランカップリング剤は、反応性官能基および加水分解性基を有する有機ケイ素化合物である。反応性官能基は、多官能電離放射線重合性化合物等と反応し得る基であり、反応性官能基としては、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、ウレイド基チオール基スルフィド基およびイソシアネート基からなる群から選択される1種以上の官能基が挙げられる。

0079

加水分解性基は、加水分解シラノール基(Si−OH)とアルコールを生じることの可能な基であり、加水分解性基としては、例えば、ハロゲン原子アルコキシ基アシルオキシ基アルケニルオキシ基カルバモイル基、アミノ基、アミノオキシ基ケトシメート基等があげられる。加水分解性基が炭素原子を有する場合には、その炭素数は6以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましい。特に、炭素数4以下のアルコキシ基またはアルケニルオキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基であることが特に好ましい。

0080

シランカップリング剤の具体例としては、例えば、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。市販されているシランカップリング剤としては、例えば、KBM−5103、KBM−502、KBM−503、KBE−502、KBE−503、KR−513(いずれも、信越化学工業株式会社製)などが挙げられる。

0081

<<機能層>>
機能層16は、機能性フィルム10において、何らかの機能を発揮する層である。機能層16は、有機層および無機層のいずれであってもよい。機能層16が有機層である場合には、機能層16は塗布法によって形成することができ、また機能層16が無機層である場合、スパッタリング法やCVD法等の蒸着法によって形成することができる。

0082

機能層16としては、特に限定されないが、例えば、密着性向上層反射防止層バリア層導電層、防眩層、帯電防止層防汚層、またはこれらの組み合わせが挙げられる。図1に示される機能層16は、反射防止層となっている。機能層は、単層構造であってもよいが、多層構造であってもよい。具体的には、図1に示されるように、機能層16は、密着性向上層17と反射防止層18から構成されていてもよい。なお、密着性向上層17は、設けられていなくともよい。

0083

機能層16の膜厚は、10nm以上2μm以下となっていることが好ましい。機能層16の膜厚が、10nm以上であれば、所望の機能を発揮させることができ、また2μm以下であれば、機能層16の成膜時の残留応力による破損や温度変化湿度変化による膨張率差による剥離などを抑制することができる。機能層16の膜厚の下限は20nm以上であることがより好ましく、上限は1μm以下であることがより好ましい。なお、機能層が多層構造である場合には、機能層の膜厚は、各層の合計の膜厚とする。

0084

<密着性向上層>
密着性向上層17の膜厚は、15nm以下となっていることが好ましい。密着性向上層17の膜厚が、15nm以下であれば、光学特性に影響なく密着性向上の効果をより得ることができる。密着性向上層の膜厚は、走査透過型電子顕微鏡(STEM)または透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて1万〜50万倍にて撮影された密着性向上層の断面写真からランダムに10箇所厚みを測定し、測定された10箇所の厚みの算術平均値とする。

0085

密着性向上層17は、無機層となっている。具体的には、密着性向上層17は、SiNx等の金属窒化物、あるいはSiOx(x=1〜2)やCrOx(x=1〜2)等の金属酸化物から構成されている。

0086

密着性向上層17の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理気相成長PVD)法や化学気相成長CVD)法を用いることができる。密着性向上層17が無機系材料から構成されている場合には、密着性向上層の形成方法としては、スパッタリング法もしくはCVD法が好適である。

0087

<反射防止層>
反射防止層18は、外光反射を抑制する機能を有する層である。反射防止層18は、無機層となっている。反射防止層が多層構造となっている場合、反射防止層は、低屈折率層高屈折率層、低屈折率層、高屈折率層の積層構造となっていてもよい。

0088

高屈折率層は、屈折率が、低屈折率層の屈折率よりも高い層であり、各層の屈折率は、各層の欠片を切り出し等によりそれぞれ10個取り出し、取り出した10個の欠片において、ベッケ法により各層の屈折率をそれぞれ測定し、測定した各層の屈折率の10個の平均値として求めることができる。ベッケ法とは、屈折率が既知の屈折率標準液を用い、上記欠片をスライドガラスなどに置き、そのサンプル上に屈折率標準液を滴下し、屈折率標準液で欠片を浸漬し、その様子を顕微鏡観察によって観察し、強化部の表面と屈折率標準液の屈折率が異なることによって各層の表面に生じる輝線ベッケ線)が目視で観察できなくなる屈折率標準液の屈折率を、各層の屈折率とする方法である。

0089

低屈折率層の屈折率は、1.55以下であることが好ましい。低屈折率層の屈折率の下限は、1.50以下であることがより好ましく、1.48以下であることがさらに好ましい。高屈折率層の屈折率は、1.560以上2.50以下であってもよい。

0090

低屈折率層の膜厚は、20nm以上500nm以下であることが好ましい。高屈折率層の膜厚は、20nm以上500nm以下であることが好ましい。低屈折率層や高屈折率層の膜厚は、密着性向上層17の膜厚と同様の方法によって測定することができる。

0091

<バリア層>
バリア層は、水分や酸素の透過を抑制する機能を有する層である。バリア層の形成材料としては、バリア性が得られるものであれば特に限定されないが、例えば、酸化ケイ素酸化アルミニウム等の無機酸化物や金属等の無機系材料が挙げられる。

0092

バリア層の膜厚は、特に限定されないが、0.01μm以上1μm以下であることが好ましい。バリア層の膜厚が0.01μm以上であれば、バリア層のバリア性能が十分に得られ、また1μm以下であれば、バリア層のクラック等によりバリア性能の劣化を抑制できる。バリア層の厚みのより好ましい下限は0.03μm以上であり、より好ましい上限は0.5μm以下である。

0093

バリア層の膜厚は、密着性向上層17の膜厚と同様の方法によって測定することができる。また、バリア層は、単一の層であってもよく、複数の層が積層されたものであってもよい。バリア層が複数層積層されたものである場合、バリア層の膜厚はバリア層を構成する各層の膜厚の合計を意味する。

0094

バリア層の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理気相成長(PVD)法や化学気相成長(CVD)法を用いることができる。バリア層が無機系材料から構成されている場合には、バリア層の形成方法としては、CVD法が好適である。

0095

<導電層>
導電層は、導電性を有する層である。導電層は、例えば、無機系の光透過性導電性材料、有機系の光透過性導電性材料、または無機系の光透過性導電性材料と有機系の光透過性導電性材料との混合材料を含む。無機系の光透過性導電性材料としては、スズドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化亜鉛酸化インジウム(In2O3)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛GZO)、酸化スズ、酸化亜鉛−酸化スズ系、酸化インジウム−酸化スズ系、酸化亜鉛−酸化インジウム−酸化マグネシウム系などの金属酸化物やカーボンナノチューブ等が挙げられる。これらの中でも透明導電層における透明性と低抵抗の観点から、無機系の光透過性導電性材料料としては、スズドープ酸化インジウム(ITO)が好ましい。有機系の透明導電性材料としては、導電性ポリマー等が挙げられる。

0096

導電層の膜厚は、15nm以上50nm以下とすることが好ましい。導電層の膜厚は、密着性向上層17の膜厚と同様の方法によって測定することができる。

0097

導電層の形成方法は、特には限定されず、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等のPVD法、CVD法、塗工法印刷法などを用いることができる。導電層が無機系の光透過性導電性材料から構成されている場合には、導電層の形成方法としては、PVD法が好適である。

0098

<<他の機能性フィルムやハードコートフィルム>>
図1に示される機能フィルム10やハードコートフィルム15は、光透過性基材11を備えているが、機能性フィルムやハードコートフィルムは、光透過性基材を備えていなくともよい。例えば、図3に示される機能性フィルム20は、バインダ樹脂13および複数の無機粒子14を含むハードコート層12と、ハードコート層12の表面12Aに密着した機能層16とを備えているが、光透過性基材を備えていない。図3の場合、ハードコートフィルムは、ハードコート層12のみから構成されている。なお、図3において、図1と同じ符号が付されている部材は、図1で示した部材と同じものであるので、説明を省略するものとする。

0099

<<機能性フィルムやハードコートフィルムの製造方法>>
機能性フィルム10やハードコートフィルム15は、以下のようにして作製することができる。まず、光透過性基材11の一方の面上に、バーコーター等の塗布装置によって、ハードコート層用組成物を塗布して、ハードコート層用組成物の塗膜を形成する。

0100

<ハードコート層用組成物>
ハードコート層用組成物は、ハードコート層12を形成するための重合性化合物および無機粒子14を含んでいる。ハードコート層用組成物は、その他、必要に応じて、紫外線吸収剤、レベリング剤、シランカップリング剤、溶剤重合開始剤、有機粒子を含んでいてもよい。

0101

(溶媒)
上記溶媒としては、アルコール(例、メタノールエタノールプロパノールイソプロパノールn−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ベンジルアルコールPGME、エチレングリコールジアセトンアルコール)、ケトン(例、アセトンメチルエチルケトンメチルイソブチルケトンシクロペンタノンシクロヘキサノンヘプタノンジイソブチルケトンジエチルケトン、ジアセトンアルコール)、エステル(酢酸メチル酢酸エチル酢酸ブチル酢酸n−プロピル酢酸イソプロピル蟻酸メチル、PGMEA)、脂肪族炭化水素(例、ヘキサンシクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例、メチレンクロライドクロロホルム四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例、ベンゼントルエンキシレン)、アミド(例、ジメチルホルムアミドジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例、ジエチルエーテルジオキサン、テトラヒドロフラン)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ2−プロパノール)、カーボネート炭酸ジメチル炭酸ジエチル炭酸エチルメチル)、等が挙げられる。これらの溶媒、単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。なかでも、上記溶媒としては、ウレタン(メタ)アクリレート等の成分、並びに、他の添加剤を溶解或いは分散させ、第1のハードコート層用組成物を好適に塗工できる点で、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンが好ましい。

0102

(重合開始剤)
重合開始剤は、電離放射線照射より分解されて、ラジカルを発生して重合性化合物の重合(架橋)を開始または進行させる成分である。

0103

重合開始剤は、電離放射線照射によりラジカル重合を開始させる物質を放出することが可能であれば特に限定されない。重合開始剤としては、特に限定されず、公知のものを用いることができ、具体例には、例えば、アセトフェノン類ベンゾフェノン類ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、チオキサントン類プロピオフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、アシルホスフィンオキシド類が挙げられる。また、光増感剤を混合して用いることが好ましく、その具体例としては、例えば、n−ブチルアミントリエチルアミンポリn−ブチルホスフィン等が挙げられる。

0104

ハードコート層用組成物の塗膜を形成した後、各種の公知の方法で塗膜を、例えば30℃以上120℃以下の温度で10秒間〜120秒間加熱することにより乾燥させ、溶剤を蒸発させる。

0105

塗膜を乾燥させた後、塗膜に紫外線等の電離放射線を照射して、塗膜を硬化(完全硬化)させて、ハードコート層12を形成する。

0106

ハードコート層12を形成した後、ハードコート層12の表面をエッチングし、ハードコートフィルム15を得る。具体的には、ハードコート層12の表面付近のバインダ樹脂13を選択的にエッチングする。これにより無機粒子14が露出してもよい。バインダ樹脂13を選択的にエッチングする方法としては、例えば、グロー放電処理プラズマ処理イオンエッチング処理アルカリ処理が挙げられる。ただし、密着性向上層の存在により充分な密着が得られる場合には、エッチング工程を省略してもよい。

0107

ハードコート層12の表面12Aをエッチングした後、例えば、スパッタリング法等の蒸着法によって、密着性向上層17および反射防止層18を形成して、機能層16を形成する。これにより、機能性フィルム10が得られる。

0108

図3に示される光機能性フィルム20やハードコートフィルムは、離型フィルム上にハードコート層12および機能層16を上記と同様の手順で形成し、機能層16の形成後、離型フィルムを剥離することによって得られる。

0109

本実施形態によれば、第1の領域R1内に無機粒子14の緻密度が60%以上となる高緻密層状領域が存在しているので、ハードコート層12においては、表面12A付近に無機粒子14が多く存在している。このため、ハードコート層12の表面12Aにおいては、特異的に無機物が多く占める状態となる。一般的には組成が類似した無機物同士は密着性が良いため、機能層16が無機層である場合には、ハードコート層12はバインダ樹脂13を含む層でありながら機能層16に対する密着性を良好な状態とすることができる。また、機能層16が有機層である場合であっても、ハードコート層12はバインダ樹脂13を含む層であるので、機能層16に対する密着性を良好な状態とすることができる。これにより、ハードコート層12と機能層16との密着性を向上させることができる。また、第2の領域R2における無機粒子14の緻密度が59%以下となっているので、無機粒子14が多すぎることに起因する光学特性の低下を抑制できる。これにより、ハードコート層12と機能層16の間の密着性および所望の光学特性の両立を実現することができる。

0110

<<<偏光板>>>
機能性フィルム10やハードコートフィルム15は、例えば、偏光板に組み込んで使用することができる。なお、本実施形態においては、機能性フィルム10やハードコートフィルム15は偏光子用の保護フィルムとして用いられているが、機能性フィルム10やハードコートフィルム15の用途は特に限定されない。

0111

図4に示されるように偏光板30は、機能性フィルム10と、機能性フィルム10の光透過性基材11におけるハードコート層12側の第1の面11Aとは反対側の第2の面11B側に設けられた偏光子31と、偏光子31における機能性フィルム10側とは反対側に設けられた保護フィルム32とを備えている。保護フィルム32は位相差フィルムであってもよい。

0112

偏光子31は、ヨウ素または二色性色素により染色し、一軸延伸させたポリビニルアルコール系樹脂フィルムが上げられる。ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂鹸化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニル単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他、酢酸ビニルとそれに共重合可能な他の単量体との共重合体等が挙げられる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類オレフィン類ビニルエーテル類不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類等が挙げられる。

0113

ポリビニルアルコール系樹脂は、変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールポリビニルアセタール等を用いることもできる。

0114

このような機能性フィルム10、ハードコートフィルム15や偏光板30は、例えば、画像表示装置に組み込んで使用することが可能である。

0115

<<<画像表示装置>>>
図5に示されるように、画像表示装置40は、主に、画像を表示するための表示パネル40と、表示パネル50の背面側に配置されたバックライト装置60とを備えている。本実施形態においては、表示パネル50が液晶表示パネルであるので、画像表示装置40はバックライト装置60を備えているが、表示パネル(表示素子)の種類によってはバックライト装置60を備えていなくともよい。

0116

<<表示パネル>>
表示パネル50は、図5に示されるように、バックライト装置60側から観察者側に向けて、偏光板51、光透過性の粘着層52、表示素子53、光透過性の粘着層54、偏光板30の順に積層された構造を有している。表示パネル50は、偏光板30を備えていればよく、偏光板51等は備えていなくともよい。

0117

偏光板51は、保護フィルム55、偏光子56、保護フィルム57をこの順に備えているものである。保護フィルム55、57は、トリアセチルセルロースフィルムTACフィルム)やシクロオレフィンポリマーフィルムから構成されている。偏光子56は、偏光子21と同様であるので、ここでは説明を省略するものとする。

0118

表示素子53は液晶表示素子である。ただし、表示素子53は液晶表示素子に限られず、例えば、有機発光ダイオード(OLED)、無機発光ダイオード、および/または量子ドット発光ダイオード(QLED)を用いた表示素子であってもよい。液晶表示素子としては、2枚のガラス基材間に、液晶層配向膜電極層カラーフィルタ等を配置した公知の液晶表示素子を用いることが可能である。

0119

<<バックライト装置>>
バックライト装置60は、表示パネル50の背面側から表示パネル50を照明するものである。バックライト装置60としては、公知のバックライト装置を用いることができ、またバックライト装置60はエッジライト型直下型のバックライト装置のいずれであってもよい。

0120

本発明を詳細に説明するために、以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの記載に限定されない。

0121

下記に示す組成となるように各成分を配合して、ハードコート層用組成物を得た。
(ハードコート層用組成物1)
・ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物モノマー、製品名「KAYARADPET−30」、日本化薬株式会社製):27.4質量部
・イソシアヌル酸EO変性ジおよびトリアクリレート(モノマー、製品名「M−313」、東亞合成株式会社製):25.0質量部
・ポリメタクリル酸メチル(PMMA)ポリマー25%溶液(トルエン:アノン=9:1溶液、製品名「HRAGアクリル」、DNPファインケミカル株式会社製):12.0重量部
・シリカ粒子(BET法測定による粒径25nm、製品名「ELECOM V8803−25」、日揮触媒化成株式会社製):37.5質量部
・重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン株式会社製):6.5質量部
・重合開始剤(2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、製品名「Irgacure(登録商標)907」、BASFジャパン株式会社製):1.5質量部
・トルエン(溶媒、製品名「トルオール」、DICグラフィック株式会社製):108.2質量部
・シクロヘキサノン(溶媒、製品名「アノン」、山一化学工業株式会社製):24.5質量部
ノルマルブタノール:37.0質量部
・メチルイソブチルケトン(溶媒、製品名「4−メチルn−2−ペンタノン」、関東化学株式会社製):36.9質量部

0122

(ハードコート層用組成物2)
・ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(モノマー、製品名「KAYARADPET−30」、日本化薬株式会社製):37.5質量部
・イソシアヌル酸EO変性ジおよびトリアクリレート(モノマー、製品名「M−313」、東亞合成株式会社製):25.0質量部
・ポリメタクリル酸メチル(PMMA)ポリマー25%溶液(トルエン:アノン=9:1溶液、製品名「HRAGアクリル」、DNPファインケミカル株式会社製):12.0重量部
・シリカ粒子(BET法測定による粒径25nm、製品名「ELECOM V8803−25」、日揮触媒化成株式会社製):37.5質量部
・有機粒子(製品名「504TNR」、積水化成品工業株式会社製):2.2質量部
・有機粒子(粒径3.5μm、製品名「ソリオスターRA−E35FX」、株式会社日本触媒製):9.5質量部
・重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン株式会社製):6.5質量部
・重合開始剤(2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(製品名「Irgacure(登録商標)907」、BASFジャパン株式会社製):1.5質量部
・トルエン(溶媒、製品名「トルオール」、DICグラフィック株式会社製):108.2質量部
・シクロヘキサノン(溶媒、製品名「アノン」、山一化学工業株式会社製):24.5質量部
・ノルマルブタノール:37.0質量部
・メチルイソブチルケトン(溶媒、製品名「4−メチルn−2−ペンタノン」、関東化学株式会社製):36.9質量部

0123

(ハードコート層用組成物3)
・ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(モノマー、製品名「KAYARADPET−30」、日本化薬株式会社製):48質量部
・イソシアヌル酸EO変性ジおよびトリアクリレート(モノマー、製品名「M−313」、東亞合成株式会社製):32.0質量部
・ポリメタクリル酸メチル(PMMA)ポリマー25%溶液(トルエン:アノン=9:1溶液、製品名「HRAGアクリル」、DNPファインケミカル株式会社製):12.0重量部
・シリカ粒子(BET法測定による粒径25nm、製品名「ELECOM V8803−25」、日揮触媒化成株式会社製):30.0質量部
・有機粒子(製品名「504TNR」、積水化成品工業株式会社製):2.2質量部
・有機粒子(粒径3.5μm、製品名「ソリオスターRA−E35FX」、株式会社日本触媒製):9.5質量部
・重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン株式会社製):6.5質量部
・重合開始剤(2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(製品名「Irgacure(登録商標)907」、BASFジャパン株式会社製):1.5質量部
・トルエン(溶媒、製品名「トルオール」、DICグラフィック株式会社製):108.2質量部
・シクロヘキサノン(溶媒、製品名「アノン」、山一化学工業株式会社製):24.5質量部
・ノルマルブタノール:37.0質量部
・メチルイソブチルケトン(溶媒、製品名「4−メチルn−2−ペンタノン」、関東化学株式会社製):36.9質量部

0124

(ハードコート層用組成物4)
・ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(モノマー、製品名「KAYARADPET−30」、日本化薬株式会社製):35.0質量部
・イソシアヌル酸EO変性ジおよびトリアクリレート(モノマー、製品名「M−313」、東亞合成株式会社製):25.0質量部
・ポリメタクリル酸メチル(PMMA)ポリマー25%溶液(トルエン:アノン=9:1溶液、製品名「HRAGアクリル」、DNPファインケミカル株式会社製):12.0重量部
・シリカ粒子(BET法測定による粒径25nm、製品名「ELECOM V8803−25」、日揮触媒化成株式会社製):40.0質量部
・有機粒子(製品名「504TNR」、積水化成品工業株式会社製):2.2質量部
・有機粒子(粒径3.5μm、製品名「ソリオスターRA−E35FX」、株式会社日本触媒製):9.5質量部
・重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン株式会社製):6.5質量部
・重合開始剤(2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(製品名「Irgacure(登録商標)907」、BASFジャパン株式会社製):1.5質量部
・トルエン(溶媒、製品名「トルオール」、DICグラフィック株式会社製):108.2質量部
・シクロヘキサノン(溶媒、製品名「アノン」、山一化学工業株式会社製):24.5質量部
・ノルマルブタノール:37.0質量部
・メチルイソブチルケトン(溶媒、製品名「4−メチルn−2−ペンタノン」、関東化学株式会社製):36.9質量部

0125

(ハードコート層用組成物5)
・ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(モノマー、製品名「KAYARADPET−30」、日本化薬株式会社製):37.5質量部
・イソシアヌル酸EO変性ジおよびトリアクリレート(モノマー、製品名「M−313」、東亞合成株式会社製):25.0質量部
・ポリメタクリル酸メチル(PMMA)ポリマー25%溶液(トルエン:アノン=9:1溶液、製品名「HRAGアクリル」、DNPファインケミカル株式会社製):12.0重量部
・重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン株式会社製):6.5質量部
・重合開始剤(2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(製品名「Irgacure(登録商標)907」、BASFジャパン株式会社製):1.5質量部
・トルエン(溶媒、製品名「トルオール」、DICグラフィック株式会社製):108.2質量部
・シクロヘキサノン(溶媒、製品名「アノン」、山一化学工業株式会社製):24.5質量部
・ノルマルブタノール:37.0質量部
・メチルイソブチルケトン(溶媒、製品名「4−メチルn−2−ペンタノン」、関東化学株式会社製):36.9質量部

0126

(ハードコート層用組成物6)
・ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(モノマー、製品名「KAYARADPET−30」、日本化薬株式会社製):6.9質量部
反応性ポリマー(製品名「ヒタロイド7988」、日立化成株式会社製):26.6質量部
シリカ粒子分散液(BET法測定による粒径40nm〜50nm、固形分30質量%、分散媒イソプロパノール(MIBK)、製品名「MIBK−ST−L」、日産化学工業株式会社製):25.3質量部
・重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン株式会社製):4.6質量部
・メチルイソブチルケトン(溶媒、製品名「4−メチルn−2−ペンタノン」、関東化学株式会社製):36.9質量部
・γ−ブチルラクトン(製品名「γ−ブチルラクトン」、三菱科学株式会社製):3.8質量部

0127

(ハードコート層用組成物7)
多官能ウレタンアクリレート(製品名「KAYARADDPHA−40H」、日本化薬株式会社製):186質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(製品名「A−TMM−3L」、新中村化学工業株式会社製):167質量部
・ポリマーアクリレート(製品名「BS371」、荒川化学工業株式会社製):246質量部
・2−メタクロイロキシエチルアシッドホスフェート(製品名「ライトエステルP−1M」、共栄社化学株式会社製):27質量部
・シリカ粒子分散液(BET法測定による粒径40〜50nm、固形分30質量%、分散媒メチルイソブチルケトン(MIBK)、製品名「MIBK−SD−L」、日産化学工業株式会社製):889質量部
・重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン株式会社製):36質量部
・シリコーン系レベリング剤(製品名「BYK−377」、ビックケミージャパン株式会社製):0.6質量部
・トリアジン系紫外線吸収剤(製品名「Tinuvin477」、BASFジャパン株式会社製):11質量部
・シランカップリング剤(製品名「KR−513」、信越化学工業株式会社製):43質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶剤、株式会社DNPファインケミカル製):370質量部
・酢酸ブチル(溶剤、株式会社DNPファインケミカル製):75質量部
・シクロヘキサノン(溶剤、株式会社DNPファインケミカル製):352質量部

0128

下記に示す組成となるように各成分を配合して、下地層用組成物を得た。
(下地層用組成物1)
・多官能ウレタンアクリレート(製品名「KAYARADDPHA−40H」、日本化薬株式会社製):98質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(製品名「A−TMM−3L」、新中村化学工業株式会社製):88質量部
・ポリマーアクリレート(製品名「BS371」、荒川化学工業株式会社製):129質量部
・2−ヒドロキシエチルメタクリレート(製品名「2−ヒドロキシエチルメタクリレート」、東京化成株式会社製):270質量部
量部
・重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン株式会社製):36質量部
・シリコーン系レベリング剤(製品名「BYK−377」、ビックケミージャパン株式会社製):0.6質量部
・トリアジン系紫外線吸収剤(製品名「Tinuvin477」、BASFジャパン株式会社製):11質量部
・シランカップリング剤(製品名「KR−513」、信越化学工業株式会社製):43質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶剤、株式会社DNPファインケミカル製):300質量部
・酢酸ブチル(溶剤、株式会社DNPファインケミカル製):102質量部
・シクロヘキサノン(溶剤、株式会社DNPファインケミカル製):285質量部
γ−ブチロラクトン(溶剤、三菱ケミカル株式会社製):151質量部

0129

<実施例1>
まず、光透過性基材としての厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(製品名「TD80UL」、富士フイルム株式会社製)を準備し、このトリアセチルセルロースフィルムの一方の面に、ハードコート層組成物1を塗布し、塗膜を形成した。次いで、形成した塗膜に対して、70℃の乾燥空気を60秒間流通させて乾燥させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を積算光量が100mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させることにより、膜厚5μmのハードコート層を形成した。

0130

ハードコート層を形成した後、ハードコート層の表面に処理強度80W・min/m2でグロー放電処理を行った。これにより、ハードコートフィルムを得た。

0131

走査透過型電子顕微鏡(STEM)で撮影したハードコート層の断面写真から、ハードコート層中のシリカ粒子の形状を確認したところ、球形であり、またハードコート層中のシリカ粒子の平均一次粒径を測定したところ、25nmであった。シリカ粒子の平均一次粒径は、走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて倍率4万倍〜20万倍で撮影したシリカ粒子の断面の画像から20個のシリカ粒子の粒径を測定し、20個のシリカ粒子の粒径の算術平均値とした。また、ハードコート層の膜厚は、走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて、ハードコート層の断面を撮影し、その断面の画像においてハードコート層の膜厚を20箇所測定し、その20箇所の膜厚の算術平均値とした。

0132

走査透過型電子顕微鏡(STEM)によるハードコート層の断面写真は、以下のようにして撮影された。まず、15mm×10mmの大きさに切り出したハードコートフィルムを樹脂板上に固定して、ミクロトームEMUC6(ライカマイクロシステムズ株式会社製)でトリミング幅300μm、高さ80μmに切り出した後、さらにDiATOMEダイヤモンドナイフULTRAにより厚さ方向に切削していき、穴等がない均一な、厚さ80nmの切片を切り出した。そして、この穴等がない均一な切片を測定サンプルとした。その後、走査透過型電子顕微鏡(STEM)(製品名「S−4800」、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、測定サンプルの断面写真を撮影した。上記S−4800を用いて断面写真を撮影する際には、検出器を「TE」、加速電圧を「30kV」、エミッション電流を「10μA」にして断面観察を行った。倍率については、フォーカスを調節しコントラストおよび明るさを各層が見分けられるか観察しながら4万倍〜10万倍で適宜調節した。なお、上記S−4800を用いて断面写真を撮影する際には、さらに、「ビームモニタ絞りを「3」にし、対物レンズ絞りを「3」にし、またW.D.を「8mm」にした。なお、他の実施例および比較例も、実施例1と同様の方法によってシリカ粒子の形状の確認、また平均一次粒径およびハードコート層や機能層の膜厚を測定した。

0133

<実施例2>
実施例2においては、ハードコート層用組成物1の代わりにハードコート層用組成物2を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。

0134

<実施例3>
実施例3においては、ハードコート層用組成物1の代わりにハードコート層用組成物3を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。

0135

<実施例4>
実施例4においては、ハードコート層用組成物1の代わりにハードコート層用組成物4を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。

0136

<実施例5>
実施例5においては、乾燥温度を50℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。

0137

<実施例6>
まず、実施例1で得られたハードコートフィルムの表面(ハードコート層の表面)にスパッタリング法により膜厚5nmのSiOx(x=1〜2未満)からなる密着性向上層を形成した。さらに、密着性向上層の表面にスパッタリング法により反射防止層を形成し、これにより密着性向上層および反射防止層からなる機能層を形成し、機能性フィルムを得た。反射防止層は下側から順に、Nb2O5からなる膜厚20nmの高屈折率層、SiO2からなる膜厚35nmの低屈折率層、Nb2O5からなる膜厚35nmの高屈折率層、およびSiO2からなる膜厚100nmの低屈折率層からなる多層構造であった。なお、高屈折率層および低屈折率層の屈折率をベッケ法で測定したところ、高屈折率層の屈折率は2.3であり、低屈折率層の屈折率は1.48であった。

0138

<実施例7>
実施例7においては、実施例2で得られたハードコートフィルムの表面に、実施例6と同様の手法によって密着性向上層および反射防止層からなる機能層を形成して、機能性フィルムを得た。

0139

<実施例8>
実施例8においては、実施例3で得られたハードコートフィルムの表面に、実施例6と同様の手法によって密着性向上層および反射防止層からなる機能層を形成して、機能性フィルムを得た。

0140

<実施例9>
実施例9においては、実施例4で得られたハードコートフィルムの表面に、実施例6と同様の手法によって密着性向上層および反射防止層からなる機能層を形成して、機能性フィルムを得た。

0141

<実施例10>
実施例10においては、実施例5で得られたハードコートフィルムの表面に、実施例6と同様の手法によって密着性向上層および反射防止層からなる機能層を形成して、機能性フィルムを得た。

0142

<比較例1>
比較例1においては、ハードコート層用組成物1の代わりにハードコート層用組成物5を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。

0143

<比較例2>
比較例2においては、ハードコート層用組成物1の代わりにハードコート層用組成物6を用い、またトリアセチルセルロースフィルムの代わりに厚さ40μmのアクリル樹脂フィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。

0144

<比較例3>
まず、基材としての厚さ40μmのアクリル樹脂フィルムを準備し、このアクリル樹脂フィルムの一方の面に、下地層用組成物1を塗布し、塗膜を形成した。次いで、形成した塗膜に対し、70℃の乾燥空気を60秒間流通させて乾燥させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を積算光量が100mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させることにより、膜厚4μmの下地層を形成した。

0145

下地層を形成した後、下地層の表面に、ハードコート層組成物7を塗布し、塗膜を形成した。次いで、形成した塗膜に対して、70℃の乾燥空気を60秒間流通させて乾燥させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を積算光量が100mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させることにより、膜厚5μmのハードコート層を形成した。

0146

<比較例4>
比較例4においては、比較例1で得られたハードコートフィルムの表面に、実施例6と同様の手法によって密着性向上層および反射防止層からなる機能層を形成して、機能性フィルムを得た。

0147

<比較例5>
比較例5においては、比較例2で得られたハードコートフィルムの表面に、実施例6と同様の手法によって密着性向上層および反射防止層からなる機能層を形成して、機能性フィルムを得た。

0148

<比較例6>
比較例6においては、比較例3で得られたハードコートフィルムの表面に、実施例6と同様の手法によって密着性向上層および反射防止層からなる機能層を形成して、機能性フィルムを得た。

0149

<シリカ粒子の緻密度>
実施例および比較例に係るハードコートフィルムおよび機能性フィルムにおいて、ハードコート層におけるハードコート層の表面から深さ100nmまでの第1の領域と、ハードコートの表面から深さ100nm以上の第2の領域において、それぞれシリカ粒子の緻密度を測定した。具体的には、第1の領域におけるシリカ粒子の緻密度は、以下の方法によって求めた。まず、走査透過型電子顕微鏡(STEM)(製品名「S−4800」、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて倍率3万倍〜10万倍で撮影したハードコート層の断面の画像(図6参照)を画像処理ソフトウェア(製品名「ImageJ」、米国国立衛生研究所製)で読み込み、セル毎に白黒2値化処理を行った。このとき、2値化処理のピクセル数は640×480以上とした。STEMによる断面の画像においては、密度の高いシリカ粒子は電子線を透過しにくいため黒色系になり、またシリカ粒子よりも密度の低いバインダ樹脂は白色系になった。このため、2値化処理により、シリカ粒子が黒色部として現れ、またバインダ樹脂が白色部として現れた。白色部と黒色部の区分は全セルの値の平均値よりも白色側にある場合は樹脂部分、黒色側にある場合は粒子部分とした。そして、2値化処理後の画像に現れているセルのうち、ハードコート層の膜厚方向と直交する方向に並ぶ複数のセルを1列として、1列に存在するセル毎に黒色部であるか白色部であるかを判断し、1列に存在するセルの合計数に対する黒色部と判断されたセルの数の割合(%)を求めた。第1の領域においては、全域にわたり解析を行い、シリカ粒子の緻密度の最大値を求めた。第2の領域におけるシリカ粒子の緻密度も、第1の領域におけるシリカ粒子の緻密度と同様に求めるが、第2の領域においては、深さが異なる箇所において5列分の上記割合を求めて、それらの算術平均値を求めることによって、第2の領域におけるシリカ粒子の緻密度とした。

0150

STEMによるハードコート層の断面写真は、以下の方法によって撮影された。まず、15mm×10mmの大きさに切り出したハードコートフィルムや機能性フィルムを樹脂板上に固定して、ミクロトームEMUC6(ライカマイクロシステムズ株式会社製)でトリミング幅300μm、高さ80μmに切り出した後にさらに、DiATOMEダイヤモンドナイフULTRAにより厚さ方向に切削していき、穴等がない均一な、厚さ80nmの切片を切り出した。その後、STEM(製品名「S−4800」、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、測定サンプルの断面写真を撮影した。上記S−4800を用いて断面写真を撮影する際には、検出器を「TE」、加速電圧を「30kV」、エミッション電流を「10μA」にして断面観察を行った。倍率については、フォーカスを調節しコントラストおよび明るさを各層が見分けられるか観察しながら4万倍〜15万倍で適宜調節した。また、上記S−4800を用いて断面写真を撮影する際には、さらに、「ビームモニタ絞りを「3」にし、対物レンズ絞りを「3」にし、またW.D.を「8mm」にした。

0151

上記2値化処理は、画像処理ソフトウェア(製品名「ImageJ」、米国国立衛生研究所製)で行うが、具体的には、以下の手順によって行った。まず、上記ソフトウェアで断面写真の画像を読み込み、表計算ソフトウェアのセル上に1ピクセルを1セルとして白黒の諧調を数値として出力した(図7参照)。諧調数は、255とした。なお、図6は実施例1に係る機能性フィルムにおけるハードコート層の断面の走査透過型電子顕微鏡写真であり、図7は実施例1に係るハードコートフィルムにおける表計算ソフトウェアによって2値化処理された後の画像である。

0152

<第2の領域のシリカ粒子の最大凝集度>
実施例および比較例に係るハードコートフィルムおよび機能性フィルムにおいて、第2の領域におけるシリカ粒子の最大凝集度を測定した。具体的には、まず、上記シリカ粒子の緻密度の測定と同様の方法および同様の条件によって、白黒2値化処理をした。そして、白黒2値化処理後の画像に現れているセルのうち、ハードコート層の膜厚方向と直交する方向に並ぶ複数のセルを1列とし、またセルがシリカ粒子の一次粒径の3倍以上の長さで連続しているものを凝集状態と判断して、1列に存在するセルの合計数に対するシリカ粒子の一次粒径の3倍以上の長さで連続しているセルの割合を求めて、1列のシリカ粒子の凝集度を算出した。そして、このシリカ粒子の凝集度を30列で求めて、30列で求めたシリカ粒子の凝集度の中で最も大きいものを最大凝集度とした。

0153

<密着性>
実施例および比較例に係るハードコートフィルムおよび機能性フィルムにおいて、密着性をクロスカット法によって評価した。ハードコートフィルムにおいては、実施例6と同様の方法によってハードコートフィルムの表面(ハードコート層の表面)に密着性向上層および反射防止層を形成した状態で密着性を評価し、機能性フィルムにおいては、そのままの状態で密着性を評価した。具体的には、JIS K5600−5−6:1999に準拠し、クロスカットCCJ−1(コーテック社製)を用い、反射防止層形成後の状態において、ハードコートフィルムおよび機能性フィルムの表面に碁盤目状の切り傷を入れ、1mm角を100マス作製した。そして、ニチバン株式会社製の工業用24mm幅のセロテープ(登録商標)を碁盤目の上に貼り、その上からヘラ往復10回擦って、密着させ150°方向に急速剥離を行なった。このような動作を5回繰り返し、残った升目の数をカウントした。残った升目の数を分子、升目の全個数を分母にして、以下の基準で評価した。
◎:100/100
○:91/100以上99/100以下
△:50/100以上90/100以下
×:50/100未満

0154

<ヘイズ値>
実施例1〜5および比較例1、2に係るハードコートフィルムのヘイズ値をそれぞれ測定した。ヘイズ値は、ヘイズメーター(製品名「HM−150」、株式会社村上色彩技術研究所製)を用いてJIS K7136:2000に準拠した方法により測定した。上記ヘイズ値は、50mm×50mmの大きさに機能性フィルムを切り出した後、カールや皺がなく、かつ指紋や埃等がない状態で反射防止層側が非光源側となるように設置し、機能性フィルム1枚に対して3回測定し、3回測定して得られた値の算術平均値とした。なお、実施例1および比較例1〜3に係るハードコートフィルムは、防眩性を発揮しないフィルムとして設計されているので、ヘイズ値は低いほど好ましい。一方で、実施例2〜5に係るハードコートフィルムは、防眩性を発揮するフィルムとして設計されているので、ヘイズ値が6%以上20%以下であり、かつ後述する60°グロス値が70%以上110%以下であることが好ましい。

0155

<全光線透過率>
実施例1〜5および比較例1、2に係るハードコートフィルムの全光線透過率をそれぞれ測定した。全光線透過率は、ヘイズメーター(製品名「HM−150」、株式会社村上色彩技術研究所製)を用いてJIS K7361−1:1997に準拠した方法により測定した。上記全光線透過率は、50mm×50mmの大きさに機能性フィルムを切り出した後、カールや皺がなく、かつ指紋や埃等がない状態で反射防止層側が非光源側となるように設置し、機能性フィルム1枚に対して3回測定し、3回測定して得られた値の算術平均値とした。なお、全光線透過率は、高いほど好ましい。

0156

<60°グロス値>
実施例1〜5および比較例1に係るハードコートフィルムの60°グロス値をそれぞれ測定した。上記60°グロス値は、精密光沢計(製品名「GM−26D」、株式会社村上色彩技術研究所製)を用いて、JIS Z8741:1997に準拠した方法により測定した。上記60°グロス値は、機能性フィルムを50mm×50mmの大きさに切り出した後、ハードコートフィルムの裏面を空気吸引法により光沢の無い黒樹脂板に密着させた状態で精密光沢計に設置して測定した。また、60°グロス値は、ハードコートフィルム1枚に対して3回測定し、3回測定して得られた値の算術平均値とした。

0157

<ハードコート層中の元素比率>
実施例2および比較例2に係るハードコートフィルムにおいて、ハードコート層を深さ方向にエッチングして、表面からの深さを変えながらC、N、O、Siの元素比率をそれぞれ求めた。具体的には、走査型X線光電子分光装置(製品名「Quantum2000」)、アルバック・ファイ株式会社製)を用いて、下記の測定条件で表面から深さ100nmまでの領域で5nm毎にC、N、O、Siの元素比率を求めた。
(測定条件)
・X線条件:Al mono 200μmφ×30W 15kV、
・光電子取込角度:45°
・エッチング条件:2kV raster2×2

0158

以下、ハードコートフィルムの結果を表1に示し、また機能性フィルムの結果を表2に示す。また、実施例2および比較例2に係るハードコート層中のC、N、O、Siの元素比率を表3に示す。

0159

0160

0161

表1に示されるように、比較例1および2に係るハードコートフィルムは、密着性に劣っていた。これは、ハードコート層の第1の領域にシリカ粒子の緻密度が60%以上となる部分が存在せずに、また第2の領域に存在するシリカ粒子が多かったためであると考えられる。また、比較例3に係るハードコートフィルムは、密着性は良好であったが、ヘイズ値が高かった。これに対し、実施例1に係るハードコートフィルムは、ハードコート層の第1の領域にシリカ粒子の緻密度が60%以上となる部分が存在するとともに第2の領域に存在するシリカ粒子が少ないために、密着性に優れ、全光線透過率が高く、かつヘイズ値が低かった。図6は実施例1に係るハードコートフィルムにおけるハードコート層の断面の走査透過型電子顕微鏡写真であるが、この写真からもハードコート層の表面付近はそれ以外の領域に比べてシリカ粒子が多いことが理解できる。また、実施例2〜5に係るハードコートフィルムも、ハードコート層の第1の領域にシリカ粒子の緻密度が60%以上となる部分が存在するとともに第2の領域に存在するシリカ粒子が少ないために、密着性に優れ、全光線透過率が高く、ヘイズ値および60°グロス値も所望の範囲内であった。

0162

また、表2に示されるように、比較例4および5に係る機能性フィルムは、密着性に劣っていた。これは、ハードコート層の第1の領域にシリカ粒子の緻密度が60%以上となる部分が存在せずに、また第2の領域に存在するシリカ粒子が多かったためであると考えられる。なお、比較例6に係る機能性フィルムは、密着性は良好であったが、比較例3に係るハードコートフィルムを用いているので、比較例3に係るハードコートフィルムと同様に、ヘイズ値が高くなるものと考えられる。これに対し、実施例6に係る機能性フィルムは、ハードコート層の第1の領域にシリカ粒子の緻密度が60%以上となる部分が存在するとともに第2の領域に存在するシリカ粒子が少ないために、密着性に優れていた。なお、実施例6に係る機能性フィルムは、実施例1に係るハードコートフィルムを用いているので、実施例1に係るハードコートフィルムと同様に、全光線透過率が高く、かつヘイズ値が低くなるものと考えられる。また、実施例7〜10に係る機能性フィルムも、ハードコート層の第1の領域にシリカ粒子の緻密度が60%以上となる部分が存在するとともに第2の領域に存在するシリカ粒子が少ないために、密着性に優れていた。なお、実施例7〜10に係る機能性フィルムは、実施例2〜5に係るハードコートフィルムを用いているので、実施例2〜5に係るハードコートフィルムと同様に、全光線透過率が高く、ヘイズ値および60°グロス値も所望の範囲内となると考えられる。

0163

さらに表3に示されるように、実施例2に係るハードコートフィルムにおいては、ハードコート層の表面からの深さが10nm〜30nmの領域でSiとOの元素比率の合計が60%以上であり、その他の領域でSiとOの元素比率の合計が60%未満であった。これは、シリカ粒子が深さ10nm〜30nmの領域で集中しているが、その他の領域では均一に存在していたためと考えられる。したがって、実施例2に係るハードコートフィルムにおいては、ハードコート層が、ハードコート層の表面から深さ100nmまでの第1の領域内に、SiとOの元素比率の合計が60%以上の第1の層状領域と、SiとOの元素比率の合計が60%未満である第2の層状領域とを有していることが確認された。一方、比較例2に係るハードコートフィルムにおいては、ハードコート層の表面から深さ100nmまでの領域の全域においてSiとOの元素比率の合計が60%未満であった。したがって、比較例2に係るハードコートフィルムにおいては、ハードコート層が、第1の領域内にSiとOの元素比率の合計が60%以上の第1の層状領域を有していないことが確認された。

実施例

0164

なお、実施例1〜5に係るハードコートフィルムおよび実施例6〜10に係る機能性フィルムにおいて、ハードコート層のマルテンス硬さを、上記ハードコート層の欄で説明した測定条件で、それぞれ測定したところ、ハードコート層のマルテンス硬さは100MPa以上であった。

0165

10、20…機能性フィルム
11…光透過性基材
12…ハードコート層
13…バインダ樹脂
14…無機粒子
15…ハードコートフィルム
16…機能層
30…偏光板
31…偏光子
40…画像表示装置
50…表示パネル

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