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技術 振動センサ

出願人 国立大学法人東北大学
発明者 石山和志
出願日 2018年2月28日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-035859
公開日 2019年9月12日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-152455
状態 未査定
技術分野 機械的振動・音波の測定
主要キーワード 金属歪み 固定端近傍 動ひずみ 診断対象物 略多角形状 磁歪層 カンチレバ レーザードップラー振動計
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

高い感度を有する安価な振動センサを提供する。

解決手段

本発明の振動センサは、磁歪層105と導体層106の積層構造からなる歪センサ部104を有するカンチレバー101を備え、カンチレバー101は、その自由端101b側に、自由端101bに向かって垂直断面の面積が連続的に縮小してなる湾曲容易化部を有する。

概要

背景

橋梁トンネルなどの社会インフラ健全性診断において、診断対象物振動スペクトル計測が重要視されており、振動を検出するセンサが適用されている。適用するセンサには、特に、異常振動を検出できる高い感度を有すること、安価であることの二つが求められる。

現在の技術で最も高い感度を有する振動センサとして、レーザー光ドップラー効果を利用して診断対象物の振動状態を検出する、レーザードップラー振動計が知られているが、高価であるため、診断対象物に対する多数個の取り付けが難しい。また、MEMS技術を利用した加速度センサも知られており、高い感度を有しているが、レーザードップラー振動計と同様に高価である。一方、安価な振動センサとして、金属の歪みに伴う電気抵抗の変化を利用したひずみゲージが知られている(非特許文献1参照)が、異常振動を検出できるほどの感度を有していない。

概要

高い感度を有する安価な振動センサを提供する。本発明の振動センサは、磁歪層105と導体層106の積層構造からなる歪センサ部104を有するカンチレバー101を備え、カンチレバー101は、その自由端101b側に、自由端101bに向かって垂直断面の面積が連続的に縮小してなる湾曲容易化部を有する。

目的

本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高い感度を有する安価な振動センサを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

磁歪層導体層の積層構造からなる歪センサ部を有するカンチレバーを備え、前記カンチレバーは、その自由端側に、自由端に向かって垂直断面の面積が連続的に縮小してなる湾曲容易化部を有する、ことを特徴とする振動センサ

請求項2

前記カンチレバー上における前記歪センサ部の周囲の少なくとも一部に、非磁性金属層が形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の振動センサ。

請求項3

前記湾曲容易化部は、前記積層の方向から平面視して、三角形状、台形状、円形状、楕円形状のいずれかである、ことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の振動センサ。

請求項4

前記磁歪層の材料は、FeSiB、FeCoSiB、FeCo、FeGa、FeTb、FeTbDy、FeSm、Niからなる群から選択されたものである、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の振動センサ。

請求項5

前記導体層の材料は、Mo、Wからなる群から選択されたものである、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の振動センサ。

請求項6

前記非磁性金属層の材料は、Mo、Wからなる群から選択されたものである、ことを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の振動センサ。

技術分野

0001

本発明は、振動センサに関する。

背景技術

0002

橋梁トンネルなどの社会インフラ健全性診断において、診断対象物振動スペクトル計測が重要視されており、振動を検出するセンサが適用されている。適用するセンサには、特に、異常振動を検出できる高い感度を有すること、安価であることの二つが求められる。

0003

現在の技術で最も高い感度を有する振動センサとして、レーザー光ドップラー効果を利用して診断対象物の振動状態を検出する、レーザードップラー振動計が知られているが、高価であるため、診断対象物に対する多数個の取り付けが難しい。また、MEMS技術を利用した加速度センサも知られており、高い感度を有しているが、レーザードップラー振動計と同様に高価である。一方、安価な振動センサとして、金属の歪みに伴う電気抵抗の変化を利用したひずみゲージが知られている(非特許文献1参照)が、異常振動を検出できるほどの感度を有していない。

先行技術

0004

「ひずみゲージについて」株式会社共和電業インターネット(URL:http://www.kyowa-ei.com/jpn/download/technical/strain_gages/pdf_index_001.pdf)

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高い感度を有する安価な振動センサを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決するため、本発明者は、磁性体に歪みを与えると、極めて高い感度で透磁率が変化し、透磁率の変化を高周波インピーダンスの変化として取り出せることに着目し、鋭意検討を重ねて本発明に想到した。本発明は以下の手段を採用している。

0007

(1)本発明の一態様に係る振動センサは、磁歪層導体層の積層構造からなる歪センサ部を有するカンチレバーを備え、前記カンチレバーは、その自由端側に、自由端に向かって垂直断面の面積が連続的に縮小してなる湾曲容易化部を有する。

0008

(2)上記(1)に記載の振動センサにおいて、前記カンチレバー上における前記歪センサ部の周囲の少なくとも一部に、非磁性金属層が形成されていることが好ましい。

0009

(3)上記(1)または(2)のいずれかに記載の振動センサにおいて、前記湾曲容易化部は、前記積層の方向から平面視して、三角形状、台形状、円形状、楕円形状のいずれかであることが好ましい。

0010

(4)上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の振動センサにおいて、前記磁歪層の材料は、FeSiB、FeCoSiB、FeCo、FeGa、FeTb、FeTbDy、FeSm、Niからなる群から選択されたものであることが好ましい。

0011

(5)上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の振動センサにおいて、前記導体層の材料は、Mo、Wからなる群から選択されたものであることが好ましい。

0012

(6)上記(2)〜(5)のいずれか一つに記載の振動センサにおいて、前記非磁性金属層の材料は、Mo、Wからなる群から選択されたものであることが好ましい。

発明の効果

0013

本発明の振動センサは、カンチレバーの歪む位置に磁歪層を備えており、カンチレバーが歪むことによって磁歪層も歪み、磁歪層の透磁率が変化するように構成されている。この透磁率の変化を、高周波インピーダンスの変化に変換して引き出すことによって、カンチレバーに加わった振動を検出することができる。振動に対する透磁率の変化率が急峻になるため、その影響を受けた高周波インピーダンスの測定を介して、振動を高感度センシングすることができる。

0014

さらに、本発明の振動センサにおいて、カンチレバーを構成する基材は、自由端に向かって、垂直断面の面積が連続的に縮小された構造(湾曲容易化部)を有している。そのため、自由端に力を加えてカンチレバーを湾曲させた場合に、自由端に近い部分が湾曲しやすくなり、その結果として、カンチレバー上の歪みセンサ部の全体を、均一に湾曲させることが可能となる。つまり、本発明の振動センサでは、カンチレバー上の歪みセンサ部全体を無駄なく活用して、最大限センサ出力を得ることができ、振動センサとしての感度を著しく向上させることができる。

0015

また、本発明の振動センサは、レーザードップラー振動計、加速度センサーに比べてシンプルな構造を有するため、安価で実現することができる。

図面の簡単な説明

0016

本発明の第一実施形態に係る振動センサの斜視図である。
(a)図1の振動センサを構成するカンチレバーの平面図(上面図)である。(b)(a)のカンチレバーの断面図である。
(a)〜(c)図2のカンチレバーの平面図(側面図)である。
第一実施形態の振動センサにおける、磁歪層の歪み量とインピーダンスの関係を示すグラフである。
(a)、(b)本発明の第二実施形態に係る振動センサを構成する、カンチレバーの平面図(上面図)、断面図である。
本発明の比較例1に係る振動センサを構成する、カンチレバーの平面図(上面図)である。
本発明の比較例2に係る振動センサを構成する、カンチレバーの平面図(上面図)である。
本発明の実施例1、比較例1、2の振動センサにおける、磁歪層の歪み量に対するインピーダンス(絶対値)の測定結果を示すグラフである。
本発明の実施例2、比較例1の振動センサにおける、磁歪層の歪み量に対するインピーダンス(位相)の測定結果を示すグラフである。
本発明の実施例1の振動センサにおける、動歪み測定の結果を示すグラフである。

0017

以下、本発明を適用した実施形態に係る振動センサについて、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。

0018

<第一実施形態>
図1は、本発明の第一実施形態に係る振動センサ100の斜視図である。振動センサ100は、主に、カンチレバー101と、その固定端101a側を支持する支持部材102とで構成されている。

0019

図2(a)は、図1のカンチレバー101を厚み方向Tから平面視した図である。カンチレバー101は、一方向Eに延在する基材103と、基材103の表面に形成された歪センサ部104と、を有する。カンチレバー101(基材103)は、その自由端101b側に、自由端101bに向かって垂直断面の面積が連続的に縮小してなる湾曲容易化部101Aと、支持部材102に固定される平坦部101Bと、を有する。

0020

図2(b)は、図2(a)のカンチレバー101を、α−α線を通る面で切断した際の断面図である。歪センサ部104は、磁歪層105と導体層106の積層構造からなる。図2(b)では、磁歪層105が、導体層106の上層側のみに形成されている場合について例示しているが、下層側のみに形成されていてもよいし、上層側、下層側の両方に形成されていてもよい。

0021

ここでの導体層106の上層は、積層プロセスにおいて導体層106を形成した後に、導体層106の露出面に形成する層を意味しており、基材103の表面に対して垂直な方向(図2(b)では上方向)、平行な方向(図2(b)では左右方向)、あるいは傾斜した方向(図2(b)では斜め方向)のいずれに形成されていてもよい。

0022

湾曲容易化部101Aは、磁歪層105と導体層106の積層方向Lから平面視して、自由端101bを一つの頂点とする略多角形状(三角形状、四角形状、五角形状等)、自由端101bを短い方の底辺に含む略台形状、自由端101bを含む略円形状略楕円形状のいずれかであることが好ましい。また、当該平面視した湾曲容易化部101Aは、った多角形状であればより好ましい。

0023

また、カンチレバー101は、幅方向において応力が均一にかかるようにするため、自由端101bの中心と、固定端101aの中心とを結ぶ中心線Cを挟んで、対称的な形状であることが好ましい。図1、2では、中心線Cを挟んで対称な三角形状のカンチレバーを例示している。

0024

カンチレバー101としては、シリコン(Si)等の半導体材料からなり、一方向に延在する基材が用いられる。シリコンからなる基材を用いる場合、歪みセンサ部が形成される側の面に熱酸化膜(SiO2膜)が形成されていてもよい。熱酸化膜が形成されていると、センサとカンチレバーが電気的に絶縁されるため、センサに流す高周波電流がシリコンカンチレバー内に漏洩することを防ぐ効果が得られる。

0025

導体層106は、高周波電流を流したときのインピーダンスを測定する観点から、図2(a)に示すように線状の形(パターン)を有することが好ましい。さらに、一方向Eに延在する基材に搭載する観点から、線状の導体層106は、積層構造の積層方向Lからの平面視において、カンチレバーの固定端101a側が開いたコの字(U字、C字)の形状をなすように曲がっていることが好ましい。

0026

コの字を形成する3辺のうち端の2辺、すなわち導体層106の隣り合う部分同士は、高周波電流を流したときにショートが起きるのを防ぐため、互いに1μm以上離れていることが好ましい。

0027

導体層106の材料は、不要な応力発生を回避するため、基材103、磁歪層105よりも熱膨張率が小さい材料、例えばモリブデン(Mo)、タングステン(W)等からなる群から選択されたものであることが好ましい。基材103、磁歪層105よりも熱膨張率が大きい銅、アルミニウム、金等は、導体層106の材料として好ましくない。

0028

磁歪層104は、導体層106の表面全体に形成されていてもよいし、図2(a)に示すように、コの字を形成する3辺のうち、端の2辺の一部に形成されていてもよいし、また、他の一部に形成されていてもよい。ただし、導体層106の両端部は、高周波電流を流す際ための配線108の接続端子となるため、ここには磁歪層105を形成しないことが好ましい。磁歪層105は、スパッタリング法等の公知の方法を用いて形成することができる。

0029

磁歪層104の材料は、不要な応力発生を回避するため、基材103よりも熱膨張率が小さい材料、例えばFeSib、FeCoSiB、FeCo、FeGa、FeTb、FeTbDy、FeSm、Ni等からなる群から選択されたものであることが好ましい。

0030

図3(a)〜(c)は、カンチレバー101の歪方向Sに垂直な方向から平面視した、振動センサ100の側面図である。カンチレバー101は、診断対象物に設置したときに、診断対象物から力を受けていない状態(振動が発生していない状態)においては、図3(a)に示すように、基材103の延在方向Eが水平になるように設置されているものとする。

0031

図3(b)は、基材103が振動する診断対象物(不図示)から力(振動)を受けて、歪みセンサ部104が搭載されていない側(図3(b)では下側)から、搭載されている側(図3(b)では上側)に向かう方向に反った状態を示している。図3(c)は、基材103が振動する診断対象物から力を受けて、歪みセンサ部104が搭載されている側(図3(c)では上側)から、搭載されていない側(図3(c)では下側)に向かう方向に反った状態を示している。

0032

図4は、歪みセンサ部104に高周波電流を流したときに、カンチレバー101の歪みの大きさに応じて得られる、定性的なインピーダンス特性のグラフである。グラフの横軸縦軸は、それぞれ、磁歪層の厚さに対する歪み量の割合(歪み率)、インピーダンスを示している。

0033

グラフにおいて、歪み率が正の領域R1は、図3(b)に示すように、歪みセンサ部104が搭載されている側(上側)に反ることにより、磁歪層105の積層面方向に圧縮応力が発生した状態を示している。圧縮応力によって、磁歪層105の磁気モーメントが延在方向Eに垂直な方向(幅方向)に揃い、透磁率が大きくなるため、これに比例して磁歪層105のインピーダンス、ひいては歪みセンサ部104のインピーダンスが減少する。特に歪み率が小さい領域において、インピーダンスが急激に変化することにより、高い感度(歪み感度)を発揮する。

0034

グラフにおいて、歪み率が負の領域R2は、図3(c)に示すように、歪みセンサ部104が搭載されていない側(下側)に反ることにより、磁歪層105の積層面方向に引っ張り応力が発生した状態を示している。引っ張り応力によって、磁歪層105の磁気モーメントが延在方向に平行な方向(長さ方向)に揃い、透磁率が大きくなるため、これに比例して磁歪層105のインピーダンス、ひいては歪みセンサ部104のインピーダンスが減少する。特に歪み率が小さい領域において、インピーダンスが急激に変化することにより、高い感度(歪み感度)を発揮する。

0035

本実施形態に係る振動センサ100は、カンチレバー101の歪む位置に磁歪層105を備えており、カンチレバー101が歪むことによって磁歪層105も歪み、磁歪層105の透磁率が変化するように構成されている。この透磁率の変化を、高周波インピーダンスの変化に変換して引き出すことによって、カンチレバー101に加わった振動を検出することができる。振動に対する透磁率の変化率が急峻であるため、振動を高感度でセンシングすることができる。

0036

固定端から自由端まで、幅が一定の形状(長方形状)を有する従来のカンチレバーは、自由端に力を加えて湾曲させた場合の曲率半径が、固定端近傍で最大となり、自由端に近づくほど小さくなってゆく。この場合、カンチレバー上の歪みセンサ部では、自由端に近い部分が固定端に近い部分のように十分に湾曲せず、湾曲量が少ない分、得られるセンサ出力が小さくなってしまう。つまり、歪みセンサ部のうち自由端に近い部分は、センサとしての機能を十分に発揮できず、無駄になってしまう。

0037

これに対し、本実施形態に係る振動センサ100では、カンチレバー101を構成する基材103が、自由端101bに向かって、垂直断面の面積が連続的に縮小された構造(湾曲容易化部101A)を有している。そのため、自由端101bに力を加えてカンチレバー101を湾曲させた場合に、自由端101bに近い部分も湾曲しやすくなり、その結果として、カンチレバー101上の歪みセンサ部104の全体を、均一に湾曲させることが可能となる。つまり、本実施形態の振動センサ100では、カンチレバー101上の歪みセンサ部104全体を無駄なく活用して、最大限のセンサ出力を得ることができ、振動センサとしての感度を著しく向上させることができる。

0038

湾曲容易化部101Aの形状は、自由端101bを一つの頂点とする略三角形状、自由端101bを短い方の底辺に含む略台形状とした場合に、曲率半径が固定端101aから自由端101bまで一定となるため、最も好ましい。また、湾曲容易化部101Aの形状は、略円形状、略楕円形状である場合にも、略三角形状の場合ほどではないが、曲率半径が固定端101aから自由端101bまでほぼ一定に近づくため、好ましい。

0039

本実施形態に係る振動センサ100は、上述したように優れた機能を有していながら、レーザードップラー振動計、加速度センサーに比べてシンプルな構造を有するため、安価で実現することができる。

0040

<第二実施形態>
図5(a)は、本発明の第二実施形態に係る振動センサのうち、カンチレバー101を厚み方向から平面視した図である。図5(b)は、図5(a)のカンチレバーの断面図である。本実施形態では、カンチレバー101上における歪センサ部104の周囲の少なくとも一部に、非磁性金属層107が形成されている。その他の構成については、第一実施形態の構成と同様であり、第一実施形態と同じ箇所については、形状の違いによらず同じ符号で示している。

0041

ここでは、導体層106が、第一実施形態と同様のコの字の形状をなしており、非磁性金属層107が、導体層106の側面のうち、カンチレバーの固定端101a側、自由端101b側以外の側面に沿って形成されている例を示している。つまり、非磁性金属層107は、コの字を形成する端の2辺が挟まれるように、コの字の外側2箇所および内側において、基材103の延在方向Eに沿って形成されている。

0042

非磁性金属層107の材料は、基材103よりも熱膨張率が小さい材料、例えばモリブデン、タングステン等からなる群から選択されたものであることが好ましい。

0043

本実施形態の構成によれば、第一実施形態と同様の効果が得られ、さらに、磁歪層105の周りが非磁性金属層107で囲まれているため、磁歪層105の磁化が、周囲(非磁性金属膜側)の影響によって傾くのを防ぐことができ、磁歪層105の磁気異方性を制御することができる。

0044

非磁性金属層107の厚さは、磁歪層105の周りを囲む観点から、歪みセンサ部104を構成する積層構造の厚さ以上であることが好ましい。
また、

0045

歪みセンサ部104の歪みを妨げないようにする観点から、非磁性金属層107は、磁歪層105および導体層106から離間しており、磁歪膜105が歪んで近づく距離を考慮して、1μm以上離間していることが好ましい。

0046

以下、実施例により、本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。

0047

(実施例1)
実施例1として、上記第二実施形態に係る振動センサを作製した。

0048

カンチレバーの基材としては、シリコン基板の一方の主面に熱酸化膜を形成したものを用いた。シリコン基板としては、湾曲容易化部の自由端側が頂角30度の三角形状を有し、延在方向の長さが約20mm、厚さが約200μmであるものを用いた。熱酸化膜は、シリコン基板の一方の主面の全面に、厚さが約1μmとなるように形成した。

0049

歪みセンサ部としては、スパッタリング法により、図5に示すようなコの字の形状をなし、基材側から順に、FeSiBからなる磁歪層、Moからなる導体層、FeSiBからなる磁歪層を積層してなるものを形成した。2つの磁歪層の厚さをそれぞれ約0.7μmとし、導体層の厚さを約0.5μmとした。磁歪層は、コの字を形成する3辺のうち、端の2辺の一部(長さが約12mm程度の部分)のみに形成した。

0050

非磁性金属層は、スパッタリング法により、厚さを約3μmとし、歪センサ部のコの字を形成する端の2辺が挟まれるように、コの字の外側2箇所および内側において、基材の延在方向に沿うように形成した。非磁性金属層と歪みセンサ部との距離は、約10μmとした。非磁性金属層の材料としては、Moを用いた。

0051

(比較例1)
比較例1として、本発明と構造が異なる振動センサを作製した。図6は、比較例1の振動センサを構成するカンチレバー201を、厚み方向から平面視した図である。カンチレバー201は、矩形状の主面を有する基材203と、基材203の主面に形成された歪みセンサ部204と、を有する。基材203の形状以外の構成については、第一実施形態の構成と同様である。

0052

(比較例2)
比較例2として、本発明と構造が異なる他の従来構造の振動センサを作製した。図7は、比較例2の振動センサを構成するカンチレバー301を、厚み方向から平面視した図である。カンチレバー301は、矩形状の主面を有する基材303と、基材303の主面に形成された歪みセンサ部304と、基材303の主面において歪みセンサ部303の周囲に形成された非磁性金属層304と、を有する。基材303の形状以外の構成については、第一実施形態の構成と同様である。

0053

図8は、実施例1、比較例1、2の磁歪層の歪み率に伴う、インピーダンスの絶対値の測定結果を示すグラフである。グラフの横軸、縦軸は、それぞれ、磁歪層の厚さに対する歪み量の割合(歪み率)[ppm]、インピーダンスの絶対値[Ω]を示している。

0054

実施例1、比較例1、2のいずれにおいても、歪み率が正の領域では、磁歪層の磁気モーメントが、圧縮応力によって基材の延在方向Eと垂直な方向に揃い、透磁率が大きくなるため、これに比例して磁歪層のインピーダンスの絶対値が減少している。グラフの傾きは歪み感度を示しており、実施例1、比較例1、2では、それぞれ、13000[Ω/ppm]、2160[Ω/ppm]、3080[Ω/ppm]となっている。実施例1では、比較例1の約4倍、比較例2の約6倍の高い歪み感度が得られている。実施例1の感度は、従来技術の金属歪みゲージで得られる感度の約7000倍に相当する。

0055

これは、実施例1のカンチレバーでは、自由端に近い部分が歪みやすくなっており、固定端に近い部分とほぼ同等の曲率半径で湾曲することになり、均一な応力場が形成されることにより、磁歪層の全体が均一に歪んでいるためであると考えられる。

0056

(実施例2)
実施例2として、上記第一実施形態に係る振動センサを作製した。カンチレバー、歪みセンサ部の構成については、実施例1と同様とした。

0057

図9は、実施例2、比較例1の磁歪層の歪み率に伴う、インピーダンスの位相の測定結果を示すグラフである。グラフの横軸、縦軸は、それぞれ、磁歪層の厚さに対する歪み量の割合(歪み率)[ppm]、インピーダンスの位相[deg]を示している。

0058

実施例2、比較例1ともに歪み率が100ppmを超えたあたりから、位相が急激に増加しており、歪み感度が高くなっている。このグラフから、インピーダンスの位相についても、歪み感度の指標とし得ることが分かる。歪み感度は、実施例2では0.40[deg/ppm]、比較例1では0.18[deg/ppm]となっている。実施例2の感度は、比較例1の感度の2倍以上となっており、所定の検出回路と組み合わせることにより、先端における1μmの変位を十分計測可能なレベルとなっている。インピーダンスの絶対値と位相の両方を測定することにより、より高い精度の評価を実現することができる。

0059

実施例1の振動センサと加速度センサのそれぞれに対して、動ひずみ測定を行った。図10(a)〜(c)は、その結果を比較するグラフである。図10(a)〜(c)のグラフは、自由端を、それぞれ3[mG](0.03[m/s2])、1.6[mG](0.016[m/s2])、0.7[mG](0.007[m/s2])の加速度で振動させた場合に対応している。それぞれのグラフにおいて、横軸が時間[s]を示し、縦軸が磁歪層に発生する電圧[V]を示している。実線曲線(上側)が実施例1の振動センサに対応し、破線の曲線(下側)が加速度センサに対応している。

実施例

0060

いずれの振動に対しても、実施例1の振動センサにおいて、加速度センサによる信号とほぼ同様の波形の信号が得られている。これらの結果から、加速度センサーに求められるような高精度の測定を、実施例1の振動センサでも行い得ることが分かる。

0061

100・・・振動センサ
101、201、301・・・カンチレバー
101A・・・湾曲容易部
101a・・・固定端
101b・・・自由端
102・・・支持部材
103、203、303・・・基材
104、204、304・・・歪みセンサ部
105・・・磁歪層
106・・・導体層
107、307・・・非磁性金属層
108・・・配線
C・・・中心線
E・・・延在方向
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