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技術 フィトステロールの検出及び/又は測定方法

出願人 森永乳業株式会社
発明者 鍋島かずみ三澤江里子田中美順
出願日 2018年2月28日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-035452
公開日 2019年9月12日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-152440
状態 未査定
技術分野 クロマトグラフィによる材料の調査、分析 サンプリング、試料調製
主要キーワード 一般財 回収比率 加圧乾燥 実測濃度 野菜チップ 処理製品 メタノール含量 アロエ葉肉
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

脂質及びフィトステロールを含む疎水性成分を含有する飲食品組成物中のフィトステロールを精度よく検出若しくは測定するための技術を提供すること。

解決手段

脂質及びフィトステロールを含む疎水性成分を含有する飲食品組成物に含まれる疎水性成分を抽出するための溶媒を用いて該組成物から疎水性成分を抽出する抽出工程と、 前記抽出された疎水性成分を固相抽出カラム吸着させる吸着工程と、 前記固相抽出カラムから固相抽出溶媒を用いて脂質を含まずフィトステロールを含むフィトステロール画分を溶出する溶出工程と、 前記フィトステロール画分中のフィトステロールを検出及び/又は測定する工程と、 を備え、 前記疎水性成分を抽出するための溶媒がメタノールクロロホルムとの混合溶媒とする。

概要

背景

概要

脂質及びフィトステロールを含む疎水性成分を含有する飲食品組成物中のフィトステロールを精度よく検出若しくは測定するための技術を提供すること。 脂質及びフィトステロールを含む疎水性成分を含有する飲食品組成物に含まれる疎水性成分を抽出するための溶媒を用いて該組成物から疎水性成分を抽出する抽出工程と、 前記抽出された疎水性成分を固相抽出カラム吸着させる吸着工程と、 前記固相抽出カラムから固相抽出溶媒を用いて脂質を含まずフィトステロールを含むフィトステロール画分を溶出する溶出工程と、 前記フィトステロール画分中のフィトステロールを検出及び/又は測定する工程と、 を備え、 前記疎水性成分を抽出するための溶媒がメタノールクロロホルムとの混合溶媒とする。なし

目的

本発明は、脂質及びフィトステロールを含む疎水性成分を含有する飲食品組成物中のフィトステロールを精度よく検出若しくは測定するための技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

脂質及びフィトステロールを含む疎水性成分を含有する飲食品組成物におけるフィトステロールの検出及び/又は測定方法であって、該組成物に含まれる疎水性成分を抽出するための溶媒を用いて該組成物から疎水性成分を抽出する抽出工程と、前記抽出された疎水性成分を固相抽出カラム吸着させる吸着工程と、前記固相抽出カラムから固相抽出溶媒を用いて脂質を含まずフィトステロールを含むフィトステロール画分を溶出する溶出工程と、前記フィトステロール画分中のフィトステロールを検出及び/又は測定する工程と、を備え、前記疎水性成分を抽出するための溶媒がメタノールクロロホルムとの混合溶媒である、方法。

請求項2

前記フィトステロールがアロエ葉肉及び/又はその乾燥物由来のフィトステロールである、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記フィトステロールがロフェノール化合物及びシクロラノスタン化合物からなる群から選択される一又は二以上の化合物である、請求項1又は2に記載の方法。

請求項4

前記固相抽出カラムの固相が親油性基を有する固相である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。

請求項5

前記固相抽出カラムの固相が親油性基及び親水性基を有する固相である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

前記親水性基が下記に示す構造を含む、請求項5に記載の方法。[化1]

請求項7

前記固相抽出溶媒が95%以上のメタノールである、請求項4〜6のいずれか一項に記載の方法。

技術分野

0001

フィトステロールの中には、様々な生理的作用を奏する化合物が存在することが知られている(非特許文献1)。

0002

例えば、特許文献1には、ロフェノール化合物及びシクロラノスタン化合物からなる群から選択される化合物がマトリックスメタロプロテアーゼ産生阻害作用を奏することが開示されている。

0003

これらの生理的作用を有するフィトステロールは、飲食品に添加されることにより消費者の元へ届けられている。フィトステロールを含有する飲食品の品質保証の観点から、飲食品中のフィトステロールの含有量を測定する必要があった。

0004

一般的なフィトステロールの測定方法としては、アルカリ分解後の不けん化物ガスクロマトグラフィーにより測定する方法が知られている(非特許文献2)。しかしながら、上述のガスクロマトグラフィーを用いた測定は、その測定限界が1mg/100gであるため、微量のフィトステロールの含有量を正確に測定することはできなかった。

0005

ところで、精度の高いフィトステロールの測定方法として、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC/MS/MS)が知られている(非特許文献3)。ここで、液体クロマトグラフィー質量分析法に供するためには、夾雑物を除去する抽出操作や、固相抽出カラムを用いたフィトステロールを含む画分の溶出などを行う必要がある。

0006

溶出に用いられる固相抽出カラムとして、固相に親油性基を有する固相抽出カラムが知られている(非特許文献4〜6)。

0007

国際公開第2016/084957号

先行技術

0008

植物ステロールについて1/3-(一財)日本食品分析センター」、[pdf]、Japan Food Research Laboratories、[平成30年1月18日検索]、インターネット〈URL:http://www.jfrl.or.jp/jfrlnews/files/news_no57.pdf〉
「別添 栄養成分等の分析方法等 -消費者ウェブサイト」、[pdf]、消費者庁、[平成30年1月18日検索]、インターネット〈URL:www.caa.go.jp/foods/pdf/160331_tuchi4-betu2.pdf〉
「[LC/MS/MS]液体クロマトグラフィー質量分析法」、[online]、一般財団法人材料科学技術振興財団、[平成30年1月18日検索]、インターネット〈URL:http://www.mst.or.jp/method/tabid/134/Default.aspx〉
「Oasisサンプル前処理製品、 Oasis PRiMEHLB」、[online]、日本ウォーターズ株式会社、[平成30年1月18日検索]、インターネット〈URL:https://www.waters.com/waters/ja_JP/Waters-Oasis-Sample-Extraction-SPE-Products/nav.htm?locale=ja_JP&cid=513209〉
「InertSep(登録商標シリーズ、 InertSep(登録商標)PLS−3」、[online]、ジーエルサイエンス株式会社、[平成30年1月18日検索]、インターネット〈URL:https://www.gls.co.jp/product/spe_columns/inertsep_series/01048.html〉
「InertSep(登録商標)シリーズ、 InertSep(登録商標)RP−1」、[online]、ジーエルサイエンス株式会社、[平成30年1月18日検索]、インターネット〈URL:https://www.gls.co.jp/product/spe_columns/inertsep_series/01049.html〉

発明が解決しようとする課題

0009

従来、出願人は、飲食品組成物中のフィトステロールの測定において、被検試料(飲食品組成物)に対して酢酸エチルを用いた抽出操作を行った後、測定を行っていた。

0010

しかしながら、被検試料が脂質及びフィトステロールを含む疎水性成分を含有する飲食品組成物である場合には、酢酸エチルを用いた抽出操作中に被検試料がゲル化してしまい、フィトステロールの測定値が不安定となることが課題だった。

0011

記事情に鑑みなされた本発明は、脂質及びフィトステロールを含む疎水性成分を含有する飲食品組成物中のフィトステロールを精度よく検出若しくは測定するための技術を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0012

本発明者らが鋭意研究した結果、脂質及びフィトステロールを含む疎水性成分を含有する飲食品組成物におけるフィトステロールの検出若しくは測定において、特定の溶媒を用いた抽出工程と、固相抽出カラムから固相抽出溶媒を用いて脂質を含まずフィトステロールを含むフィトステロール画分を溶出させる溶出工程と、を備える構成とすることで、フィトステロールの検出若しくは測定の精度が向上することを見出し、本発明を完成させた。

0013

すなわち、前記課題を解決する本発明は、脂質及びフィトステロールを含む疎水性成分を含有する飲食品組成物におけるフィトステロールの検出及び/又は測定方法であって、
組成物に含まれる疎水性成分を抽出するための溶媒を用いて該組成物から疎水性成分を抽出する抽出工程と、
前記抽出された疎水性成分を固相抽出カラムに吸着させる吸着工程と、
前記固相抽出カラムから固相抽出溶媒を用いて脂質を含まずフィトステロールを含むフィトステロール画分を溶出する溶出工程と、
前記フィトステロール画分中のフィトステロールを検出及び/又は測定する工程と、
を備え、
前記疎水性成分を抽出するための溶媒がメタノールクロロホルムとの混合溶媒であることを特徴とする。

0014

本発明によれば、抽出工程において脂質及びフィトステロールを含む疎水性成分を含有する飲食品組成物が凝集することがなく、かつ、溶出工程において脂質を含まずフィトステロールを含むフィトステロール画分を溶出させることができるため、フィトステロールの検出及び/又は測定を精度よくすることができる。

0015

また、本発明の好ましい形態では、前記フィトステロールはアロエ葉肉及び/又はその乾燥物由来のフィトステロールである。
また、本発明の好ましい形態では、前記フィトステロールはロフェノール化合物及びシクロラノスタン化合物からなる群から選択される一又は二以上の化合物である。
これは、アロエ葉肉及び/又はその乾燥物由来のフィトステロール、特に、ロフェノール化合物及びシクロラノスタン化合物等のフィトステロールを高精度で検出及び/又は測定することが、飲食品の品質管理の観点から求められているためである。

0016

また、本発明の好ましい形態では、前記固相抽出カラムの固相は親油性基を有する固相である。
固相抽出カラムの固相が親油性基を有する固相であることで、溶出工程において脂質を含まずフィトステロールを含むフィトステロール画分をより効率よく得ることができるため、フィトステロールの検出及び/又は測定をより精度よくすることができる。

0017

また、本発明の好ましい形態では、固相抽出カラムの固相は親油性基及び親水性基を有する固相である。
固相抽出カラムの固相が親油性基及び親水性基を有する固相であることで、溶出工程において脂質を含まずフィトステロールを含むフィトステロール画分をより効率よく得ることができるため、フィトステロールの検出及び/又は測定をより精度よくすることができる。

0018

また、本発明の好ましい形態では、前記親水性基は下記に示す構造式1を含む。
親水性基が下記に示す構造を含む形態であることで、溶出工程において脂質を含まずフィトステロールを含むフィトステロール画分をより効率よく得ることができるため、フィトステロールの検出及び/又は測定をより精度よくすることができる。

0019

0020

また、本発明の好ましい形態では、前記固相抽出溶媒は95%以上メタノールである。
固相抽出溶媒が95%以上メタノールであることで、溶出工程において脂質を含まずフィトステロールを含むフィトステロール画分をより効率よく得ることができるため、フィトステロールの検出及び/又は測定をより精度よくすることができる。

発明の効果

0021

本発明によれば、脂質及びフィトステロールを含む疎水性成分を含有する飲食品組成物中のフィトステロールを精度よく検出若しくは測定することができる。特に、本発明によれば、フィトステロールの含有量が1mg/100gより少ない飲食品組成物中のフィトステロールを検出若しくは測定することができる。

0022

次に、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができる。

0023

<1>被検試料
本発明は、酢酸エチルを用いた抽出工程において凝集する場合のある、脂質及びフィトステロールを含む疎水性成分を含有する飲食品組成物を被検試料とする。

0024

また、本発明は、フィトステロールを検出及び/又は測定の対象とする。本発明によれば、フィトステロールであればその種類に制限なく、精度よく検出若しくは測定をすることができる。

0025

フィトステロールに関し、植物由来、特にアロエ葉肉由来のフィトステロールには人体に有利な生理活性を示すものがあることが知られている(国際公開第2016/084957号参照)。そのため、本発明は、植物の中でもアロエ葉肉由来のフィトステロールを検出若しくは測定の対象とすることが好ましい。

0026

なお、本明細書において、アロエ葉肉とは、アロエ属(Aloe)に属する植物から得られる葉肉であり、好ましくはアロエベラ(Aloe vera)の葉肉である。アロエ葉肉としては、アロエの生葉より外皮剥離し、葉肉部分を摘出したものを用いることができるが、アロエの生葉を裁断して葉肉部分を露出させたものを用いてもよい。

0027

また、本発明における測定対象は、アロエ葉肉の乾燥物由来のフィトステロールであってもよい。ここで、アロエ葉肉の乾燥物は、アロエ葉肉を切断、熱水浸漬、乾燥(熱風乾燥流動層乾燥噴霧乾燥ドラム乾燥低温乾燥真空凍結乾燥加圧乾燥等)等の工程を経ることにより製造することができる。

0028

また、フィトステロールのうち、ロフェノール化合物及びシクロラノスタン化合物は生体に有利な生理活性を有することが知られている(国際公開第2016/084957号参照)。そのため、飲食品組成物の品質管理の観点から、本発明はロフェノール化合物及びシクロラノスタン化合物を検出若しくは測定の対象とすることがより好ましい。

0029

ここで、ロフェノール化合物としては、4−メチルコレスト−7−エン−3−オール、4−メチルエルゴスト−7−エン−3−オール及び4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オールを好ましく挙げることができる。各化合物は、それぞれ、以下の式で表される構造を有する。

0030

0031

0032

0033

また、シクロラノスタン化合物としては、9,19−シクロラノスタン−3−オール及び24−メチレン−9,19−シクロラノスタン−3−オールを好ましく挙げることができる。各化合物は、それぞれ、以下の式で表される構造を有する。

0034

0035

0036

脂質及びフィトステロールを含む疎水性成分を含有する飲食品組成物中の脂質に関し、脂質の由来は、乳、乳製品、乳又は乳製品を原料とする飲食品、植物油脂、植物油脂を原料として含有する飲食品のいずれの由来であってもよい。

0037

なお、脂質を含む疎水性成分を含有する飲食品組成物としては、牛乳加工乳乳飲料調製粉乳発酵乳バター等の乳製品;チョコレートキャラメルキャンディ、ケーキ、ビスケットクッキー等の菓子アイスクリームアイスシャーベット、かき等の冷菓清涼飲料炭酸飲料、栄養飲料、果汁飲料乳酸菌飲料等の飲料(これらの飲料の濃縮原液及び調製用粉末を含む);経腸栄養食品等の高栄養流動食品育児用ミルクスポーツ飲料野菜ジュース豆乳ドレッシングマーガリンショートニング野菜チップスなどを挙げることができる。

0038

中でも、フィトステロールを検出及び/又は測定することの有用性の観点から、飲食品組成物は機能性食品等であることが好ましい。ここで、「機能性食品」とは、疾患の予防効果、又は疾患の発生リスク低減効果が、直接的又は間接的に表示された食品を意味する。「機能性食品」としては、例えば、現在、日本において、特定保健用食品、機能性表示食品、健康補助食品の態様で販売される飲食品を挙げることができる。

0039

以下、本発明における各工程について、詳細に説明する。

0040

(1)抽出工程
抽出工程は、メタノールとクロロホルムとの混合溶媒を用いて飲食品組成物に含まれる疎水性成分を抽出する工程である。

0041

本発明の一実施形態において、抽出工程は、メタノールとクロロホルムの混合溶媒を脂質及びフィトステロールを含む疎水性成分を含有する飲食品組成物に添加する工程と、混合溶媒の添加後に振とう機を用いて振とうする工程と、振とう工程後に遠心分離を用いて有機層水層とを分離する分離工程と、有機層を採取する採取工程と、を一回の抽出操作とし、その抽出操作を必要に応じて複数回繰り返す形態である。ただし、有機層中にフィトステロールを含む疎水性成分を含有させ抽出することのできる手段であれば、抽出工程におけるその手段に特に制限はない。

0042

また、メタノールとクロロホルムとの混合溶媒に関し、フィトステロールを含む疎水性成分をより確実に抽出する観点から、メタノールとクロロホルムの質量比は好ましくは1:0.25〜1:8より好ましくは1:0.5〜1:4、さらに好ましくは1:0.75〜1:3である。

0043

なお、メタノールとクロロホルムとの混合溶媒の一度の抽出操作における使用量及び抽出操作の回数は、被検試料の量、組成、夾雑物の多寡等の諸条件に合わせて、適宜設定することができる。

0044

(2)吸着工程
吸着工程は、前述の抽出工程で抽出された疎水性成分を固相抽出カラムに吸着させる工程である。

0045

脂質を含まずフィトステロールを含むフィトステロール画分をより効率よく溶出させる観点から、固相抽出カラムはその固相に親油性基を有するものであることが好ましい。なお、前記親油性基としては、ベンゼン環を含む基であることが特に好ましい。
上記構成を備える固相抽出カラムとしては、例えば、InterSep RP−1 (ジーエルサイエンス社製)、Oasis PRiMEHLB(Waters 社製)、SupelSelect HLB(シグマアルドリッチ社製)、InterSepPLS−3 (ジーエルサイエンス 社製)を挙げることができる。

0046

また、後述する溶出工程で脂質を含まずフィトステロールを含むフィトステロール画分をより効率よく溶出させる観点から、固相抽出カラムはその固相に親油性基及び親水性基を有するものであることが好ましい。固相に親油性基及び親水性基を備える固相抽出カラムとしては、例えば、Oasis PRiMEHLB(Waters 社製)、SupelSelect HLB(シグマアルドリッチ社製)、InterSepPLS−3 (ジーエルサイエンス社製)を挙げることができる。

0047

ここで、固相抽出カラムが有する親水性基は、窒素含有官能基であることが好ましく、特に好ましくは前述の構造式1を含む。

0048

ただし、本発明に用いる固相抽出カラムは、後述する溶出工程で脂質を含まずフィトステロールを含むフィトステロール画分を溶出することのできる固相抽出カラムであれば、その種類に特に制限はない。

0049

なお、吸着工程において、固相抽出カラムに吸着していない素通り画分洗浄する洗浄工程をさらに行う形態であっても良い。

0050

洗浄工程における洗浄溶媒としては、例えば、80%メタノールを好ましく挙げることができる。ただし、固相抽出カラムに吸着していない素通り画分を洗浄することのできる溶媒であれば、洗浄溶媒の種類に特に制限はない。

0051

(3)溶出工程
溶出工程は、疎水性成分を吸着させた固相抽出カラムから、固相抽出溶媒を用いてフィトステロール画分を溶出させる工程である。

0052

ここで、固相に親油性基を有する固相抽出カラムを用いる場合の固相抽出溶媒は、メタノールであることが好ましい。なお、本明細書において、メタノールとは、メタノール含量として95%以上100%以下のメタノールをいう。

0053

中でも、固相が親油性基を有する固相抽出カラムを用いる場合の固相抽出溶媒は、95%以上のメタノールであることが好ましい。
95%以上のメタノールを用いることで、脂質を含まずフィトステロールを含むフィトステロール画分をより確実に溶出させることができる。

0054

(4)測定工程
測定工程は、フィトステロールを測定する工程である。
本発明の一実施形態において、測定工程では、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC/MS/MS)によりフィトステロールの測定を行う。液体クロマトグラフィー質量分析法(LC/MS/MS)であることで、飲食品組成物中に含まれる微量のフィトステロールを測定することができる。ただし、フィトステロールを検出若しくは測定することのできる手段であれば、その手段に特に制限はない。

0055

以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0056

試験例1]アロエ葉肉の乾燥物を含有する発酵乳製品中のフィトステロールの測定
<1> 発酵乳製品からの疎水性成分の抽出
(1)被検試料
被検試料は、市販の発酵乳(森永乳業社製)にアロエ葉肉の乾燥物を添加して調製したものを用いた。なお、発酵乳へのアロエ葉肉の乾燥物の添加は、被検試料100g中に、アロエ葉肉乾燥物由来のロフェノール化合物3種類(4−メチルコレスト−7−エン−3−オール、4−メチルエルゴスト−7−エン−3−オール、4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オール)、とシクロラノスタン化合物2種類(9,19−シクロラノスタン−3−オール、24−メチレン−9,19−シクロラノスタン−3−オール)の合計量が10μg〜100μgとなるようにアロエ葉肉の乾燥物が添加されているものである。

0057

(2)抽出溶媒
抽出溶媒には、メタノール及びクロロホルムを、その質量比がメタノール:クロロホルム=1:2となるよう混合した溶媒(以下、単に抽出溶媒という)を用いた。

0058

(3)抽出操作
被検試料は量前に、強く30秒間よく振ってから、50mlチューブに5gを精密に量りPBSを5mL加えた。

0059

次に、抽出溶媒10mLを加え、振とう機(300rpm以上)で10分間振とうした(抽出操作(i))。
その後、遠心分離(1150×g、25℃、10分間)を実施した後、脂質及びフィトステロールを含む疎水性成分を含有する有機層(以下、単に有機層という)を採取して、25mLメスフラスコ内に回収した(抽出操作(ii))。

0060

有機層を採取した後の水層に対し、(i)及び(ii)の抽出操作をもう一度行った。回収した有機層は全て、25mLメスフラスコ内に入れた。

0061

<2>溶出工程及び測定工程
(1)溶出工程
回収した有機層を抽出溶媒で定容し、転倒混和後、10mLはかりとり、窒素気流下、40℃の条件で乾燥し、脂質及びフィトステロールを含む疎水性成分を得た。

0062

脂質及びフィトステロールを含む疎水性成分にメタノール4mLを加えて、超音波で処理し、溶解させた。

0063

次に、超純水1mLを添加して、ボルテックスで混合後、表1に記載の固相抽出カラムに添加した。

0064

添加したろ過液が全て通過した後、固相抽出カラムに80%メタノール5mLを添加し、固相抽出カラムに吸着しない画分(素通り画分)の洗浄を行った。
その後、100%メタノールを5mL流し、100%メタノール溶出液(フィトステロール画分)を得た。

0065

固相抽出カラムに残留した画分の検証のため、アセトニトリルを固相抽出カラムに流し、アセトニトリル溶出液(脂質(トリグリセロール含有画分)を得た。
上記各画分の回収比率は、表1に示す通りであった。

0066

(2) 測定工程
上記各画分のうち、100%メタノールにより溶出された画分中のフィトステロール量の測定を行った。

0067

実施例と比較例のロフェノール化合物3種類(4−メチルコレスト−7−エン−3−オール、4−メチルエルゴスト−7−エン−3−オール、4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オール)、とシクロラノスタン化合物2種類(9,19−シクロラノスタン−3−オール、24−メチレン−9,19−シクロラノスタン−3−オール)は、液体クロマトグラフィー質量分析機器(LC/MS/MS、アジレント・テクノロジー社製)により測定した。結果を表1に示す。
なお、表1中のフィトステロール量は、被検試料中の上記5化合物の合計量とする。各化合物の実測濃度は、各ピークの高さを測定し、検量線用混合標準溶液から得られた検量線にて、被検試料中の各化合物濃度を求めた。

0068

なお、表1中のC18カラムは、固相抽出カラムの固相にオクタデシルシリル基を有する固相抽出カラムである。
また、表1中のHLBカラムは、固相に親油性基としてベンゼン環及び、親水性基として前述の構造式1を有する両親媒性の固相抽出カラムである。

0069

0070

(3)結果
測定の結果、100%メタノールにより溶出した画分はフィトステロールを含有する画分(フィトステロール画分)であることがわかった。
検証の結果、アセトニトリルにより溶出した画分は、脂質中のトリグリセロールを含有する画分(脂質(トリグリセロール)含有画分)であることがわかった。

0071

また、抽出操作の際の観察の結果、アロエ葉肉の乾燥物を含有する発酵乳(脂質及びフィトステロールを含む疎水性成分を含有する飲食品組成物)を被検試料とした場合には、抽出液としてメタノールとクロロホルムとの混合溶媒を用いることによって、脂質及びフィトステロールを含む疎水性成分の凝集が生じないことがわかった。

0072

表1より、HLBカラムを用いた場合には、C18カラムを用いた場合に比して、フィトステロール画分の回収比率が小さく、脂質(トリグリセロール)含有画分の比率が大きい。これは、HLBカラムを用いた場合のフィトステロール画分が、C18カラムを用いた場合のフィトステロール画分に比して、夾雑物(フィトステロール以外の成分)を含まないものであることを示している。
ここで、乳製品においては、フィトステロール以外の成分は主として脂質である。

0073

すなわち、固相に親油性基及び親水性基を有する固相抽出カラムを用いることで、脂質を含まずフィトステロールを含むフィトステロール画分をより効率よく溶出させることができることがわかった。

0074

また、HLBカラムは親水性基として前述の構造式1を含む。すなわち、親水性基として前述の構造式1を含む固相抽出カラムを用いることで、アロエ葉肉の乾燥物を含有する発酵乳製品(脂質及びフィトステロールを含む疎水性成分を含有する飲食品組成物)におけるフィトステロールの測定を効率よく行うことができることがわかった。

0075

また、固相抽出カラムとして官能基に親油性基を有する固相抽出カラムを用いた際には、固相抽出溶媒として95%以上のメタノールを用いることで、脂質を含まずフィトステロールを含むフィトステロール画分を溶出させることができることがわかった。

0076

(4)考察
表1の結果から、脂質及びフィトステロールを含む疎水性成分を含有する飲食品組成物におけるフィトステロールの測定において、メタノールとクロロホルムとの混合溶媒を用いて該組成物から疎水性成分を抽出し、抽出された疎水性成分を固相抽出カラムに吸着させ、疎水性成分を吸着させた固相抽出カラムから固相抽出溶媒を用いて脂質を含まずフィトステロールを含むフィトステロール画分を溶出させる方法とすることで、被検試料中のフィトステロールを精度よく測定できることがわかった。

0077

[試験例2]固相抽出カラムの検討
次に、固相抽出カラムの官能基の構造による測定精度への影響について検討を行った。
前述の方法に従い、表2に記載の固相抽出カラムを用いた溶出及び測定を行った。結果を以下に示す。

0078

ここで、InterSepPLS−3(ジーエルサイエンス社製)は、固相に親油性基(構造式2、構造式3)及び、親水性基(構造式4(窒素含有極性基))を有する両親媒性の固相抽出カラムである。

0079

0080

0081

0082

また、InterSep RP−1 (ジーエルサイエンス社製)は固相に親油性基(構造式2、構造式3)を有する固相抽出カラムである。

0083

0084

(1)結果及び考察
表1、表2の結果から、官能基に親油性基を持つ固相抽出カラムを用いることで、アロエ葉肉の乾燥物を含有する発酵乳製品(脂質及びフィトステロールを含む疎水性成分を含有する飲食品組成物)におけるフィトステロールの測定を効率よく行うことができることがわかった。

実施例

0085

また、実施例3〜実施例5と実施例6の測定値の比較より、固相に親油性基及び親水性基を有する固相抽出カラムを用いることで、フィトステロールを精度よく測定できることがわかった。

0086

本発明は、脂質及びフィトステロールを含む疎水性成分を含有する飲食品組成物におけるフィトステロールの検出若しくは測定に応用することができる。

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