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技術 ドグクラッチ

出願人 武蔵精密工業株式会社
発明者 淺井亮輔吉田圭宏
出願日 2018年3月1日 (2年10ヶ月経過) 出願番号 2018-036622
公開日 2019年9月12日 (1年3ヶ月経過) 公開番号 2019-152249
状態 未査定
技術分野 機械的に作動されるクラッチ
主要キーワード 接近操作 切替過程 小組立 各連結腕 弾性抵抗 周方向間隙 衝撃吸収プレート 伝動機
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年9月12日)のものです。
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図面 (9)

課題

ドグ噛合時の衝撃吸収効果を高めながら、噛み合い効率を高め、しかも噛合後のガタを小さくすることができるドグクラッチを提供する。

解決手段

ドグクラッチDは、回転軸3に軸方向移動可能且つ相対回転不能に支持される中継部材4と、回転軸3に対し相対回転可能な第1伝動体1と、第1伝動体1に対し相対回動可能な第2伝動体2と、第1伝動体の、隣り合う低ドグ1d,1d間の所定位置に第2伝動体2の高ドグ2dを保持し得る弾性部材6とを備え、第1伝動体1と回転軸3との相対回転状態で中継部材4を第1,第2伝動体1,2に接近させる過程において、係合ドグ4dに対し低ドグ1dよりも先に係合する高ドグ2dが、隣り合う低ドグ1d,1dのうちの一方の低ドグ1dに対し弾性部材6に抗して係合したときに、その他方の低ドグ1dと高ドグ2dとの間に、係合ドグ4dが突入可能な周方向間隙20が形成される。

概要

背景

上記ドグクラッチにおいて、回転軸軸方向摺動可能且つ相対回転不能に支持される中継部材と、その中継部材の軸方向一方側の側面に対向するよう配置され回転軸に対し相対回転可能な伝動体と、伝動体側に突き出すようにして中継部材に突設される係合ドグと、この係合ドグに係脱し得るように伝動体に周方向に間隔をおいて設けられる複数の係合凹部とを備え、係合ドグ及び係合凹部相互の噛合・離脱により回転軸と伝動体間を接続・遮断可能としたものは、例えば下記特許文献1に開示されるように既に知られている。

概要

ドグ噛合時の衝撃吸収効果を高めながら、噛み合い効率を高め、しかも噛合後のガタを小さくすることができるドグクラッチを提供する。ドグクラッチDは、回転軸3に軸方向移動可能且つ相対回転不能に支持される中継部材4と、回転軸3に対し相対回転可能な第1伝動体1と、第1伝動体1に対し相対回動可能な第2伝動体2と、第1伝動体の、隣り合う低ドグ1d,1d間の所定位置に第2伝動体2の高ドグ2dを保持し得る弾性部材6とを備え、第1伝動体1と回転軸3との相対回転状態で中継部材4を第1,第2伝動体1,2に接近させる過程において、係合ドグ4dに対し低ドグ1dよりも先に係合する高ドグ2dが、隣り合う低ドグ1d,1dのうちの一方の低ドグ1dに対し弾性部材6に抗して係合したときに、その他方の低ドグ1dと高ドグ2dとの間に、係合ドグ4dが突入可能な周方向間隙20が形成される。

目的

本発明は、上記に鑑み提案されたものであり、ドグ噛合時の衝撃吸収効果を高めながら噛み合い効率を高め、しかも噛合後のガタを小さくすることができるドグクラッチを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

回転軸(3)に軸方向移動可能且つ相対回転不能に支持される中継部材(4)と、前記中継部材(4)の軸方向一方側の側面(4s)に対向するよう配置され前記回転軸(3)に対し相対回転可能な第1伝動体(1)と、前記中継部材(4)の前記側面(4s)に対向するよう配置され前記第1伝動体(1)に対し相対回転可能な第2伝動体(2)と、前記中継部材(4)に突設される少なくとも1つの係合ドグ(4d)と、前記係合ドグ(4d)に係脱し得るように前記第1伝動体(1)に周方向に間隔をおいて突設される複数の低ドグ(1d)と、前記係合ドグ(4d)に係脱し得るように前記第2伝動体(2)に周方向に間隔をおいて突設されると共に、周方向で隣り合う前記低ドグ(1d,1d)の相互間に配置されて該低ドグ(1d)よりも前記中継部材(4)側に突き出す複数の高ドグ(2d)と、前記高ドグ(2d)及び前記低ドグ(1d)が前記係合ドグ(4d)に対し非係合の状態で、前記隣り合う低ドグ(1d,1d)間の所定位置に前記高ドグ(2d)を保持し得る弾性部材(6)とを備え、前記第1伝動体(1)と前記回転軸(3)との相対回転状態で前記中継部材(4)を前記第1,第2伝動体(1,2)に接近させる過程において、前記係合ドグ(4d)に対し前記低ドグ(1d)よりも先に係合する前記高ドグ(2d)が、前記隣り合う低ドグ(1d,1d)のうちの一方の低ドグ(1d)に対し前記弾性部材(6)に抗して係合したときに、その他方の低ドグ(1d)と前記高ドグ(2d)との間に、前記係合ドグ(4d)が突入可能な周方向間隙(20)が形成されることを特徴とするドグクラッチ

請求項2

前記高ドグ(2d)及び前記低ドグ(1d)が前記係合ドグ(4d)に対し非係合の状態で、前記弾性部材(6)は、前記隣り合う低ドグ(1d,1d)間の所定の中間位置に前記高ドグ(2d)を保持することを特徴とする、請求項1に記載のドグクラッチ。

請求項3

前記弾性部材(6)は、前記第1伝動体(1)の、前記中継部材(4)とは反対側に配置されていて、両端が前記第1,第2伝動体(1,2)にそれぞれ係止されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のドグクラッチ。

請求項4

前記第2伝動体(2)は、前記第1伝動体(1)に軸方向相対移動を制限された状態で支持され、前記第1,第2伝動体(1,2)間に前記弾性部材(6)が介装されることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のドグクラッチ。

請求項5

前記第1伝動体(1)は、前記低ドグ(1s)を有する第1伝動体本体(1m)と、前記第1伝動体本体(1m)に連設されて前記中継部材(4)とは反対側に延びる取付ボス部(1b)とを有しており、前記取付ボス部(1b)には、前記第2伝動体(2)が回転自在に嵌合されると共に出力部材(7)又は入力部材が相対回転不能に嵌合され、更に前記取付ボス部(1b)には、前記第2伝動体(2)及び前記出力部材(7)又は入力部材を前記第1伝動体本体(1m)との間に挟む抜け止め手段(8)が設けられることを特徴とする、請求項4に記載のドグクラッチ。

技術分野

0001

本発明は、回転軸と、回転軸に対し相対回転可能に配置される伝動体との間の伝動経路の接続・遮断切換えるためのドグクラッチに関する。

背景技術

0002

上記ドグクラッチにおいて、回転軸に軸方向摺動可能且つ相対回転不能に支持される中継部材と、その中継部材の軸方向一方側の側面に対向するよう配置され回転軸に対し相対回転可能な伝動体と、伝動体側に突き出すようにして中継部材に突設される係合ドグと、この係合ドグに係脱し得るように伝動体に周方向に間隔をおいて設けられる複数の係合凹部とを備え、係合ドグ及び係合凹部相互の噛合・離脱により回転軸と伝動体間を接続・遮断可能としたものは、例えば下記特許文献1に開示されるように既に知られている。

先行技術

0003

特開2000−3529号公報

発明が解決しようとする課題

0004

上記のようなドグクラッチにおいては、例えば係合凹部の周方向開口幅を広くすれば、係合ドグ及び係合凹部相互が噛み合い易くなって、その噛み合い効率が高まる利点があるが、その反面、噛合部のガタが大きくなり、加減速時やトルク変動時に動力が実際に伝わるまでの時間が長くなってドライブフィーリングを低下させる等の不都合がある。

0005

そこで特許文献1のドグクラッチでは、係合ドグ46a及び係合凹部43fが噛合する際の衝撃を緩和するために、伝動体(歯車43)に相対回動可能に支持され且つばね(49)付勢された衝撃吸収プレート48の当接片48aを、係合凹部43fに臨ませるように配置している。そして、係合ドグ46aが係合凹部43fに噛合するより前に係合ドグ46aを当接片48aに係合(即ちばね力を作用)させることで、噛合時の衝撃を吸収、低減できるようにしているが、係合凹部内に張り出す当接片のために係合凹部の実質的な開口幅が狭くなってしまい、上記した噛み合い効率を低下させてしまうという不都合がある。

0006

このように従来の衝撃吸収構造では、噛み合い効率を高める課題の解決と、噛合ガタを小さくする課題の解決とを両立させることが困難であった。

0007

本発明は、上記に鑑み提案されたものであり、ドグ噛合時の衝撃吸収効果を高めながら噛み合い効率を高め、しかも噛合後のガタを小さくすることができるドグクラッチを提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0008

上記目的を達成するために、本発明は、回転軸に軸方向移動可能且つ相対回転不能に支持される中継部材と、前記中継部材の軸方向一方側の側面に対向するよう配置され前記回転軸に対し相対回転可能な第1伝動体と、前記中継部材の前記側面に対向するよう配置され前記第1伝動体に対し相対回転可能な第2伝動体と、前記中継部材に突設される少なくとも1つの係合ドグと、前記係合ドグに係脱し得るように前記第1伝動体に周方向に間隔をおいて突設される複数の低ドグと、前記係合ドグに係脱し得るように前記第2伝動体に周方向に間隔をおいて突設されると共に、周方向で隣り合う前記低ドグの相互間に配置されて該低ドグよりも前記中継部材側に突き出す複数の高ドグと、前記高ドグ及び前記低ドグが前記係合ドグに対し非係合の状態で、前記隣り合う低ドグ間の所定位置に前記高ドグを保持し得る弾性部材とを備え、前記第1伝動体と前記回転軸との相対回転状態で前記中継部材を前記第1,第2伝動体に接近させる過程において、前記係合ドグに対し前記低ドグよりも先に係合する前記高ドグが、前記隣り合う低ドグのうちの一方の低ドグに対し前記弾性部材に抗して係合したときに、その他方の低ドグと前記高ドグとの間に、前記係合ドグが突入可能な周方向間隙が形成されることを第1の特徴とする。

0009

また本発明は、第1の特徴に加えて、前記高ドグ及び前記低ドグが前記係合ドグに対し非係合の状態で、前記弾性部材が、前記隣り合う低ドグ間の所定の中間位置に前記高ドグを保持することを第2の特徴とする。

0010

また本発明は、第1又は第2の特徴に加えて、前記弾性部材が、前記第1伝動体の、前記中継部材とは反対側に配置されていて、両端が前記第1,第2伝動体にそれぞれ係止されることを第3の特徴とする。

0011

また本発明は、第1〜第3の何れかの特徴に加えて、前記第2伝動体が、前記第1伝動体に軸方向相対移動を制限された状態で支持され、前記第1,第2伝動体間に前記弾性部材が介装されることを第4の特徴とする。

0012

また本発明は、第4の特徴に加えて、前記第1伝動体は、前記低ドグを有する第1伝動体本体と、前記第1伝動体本体に連設されて前記中継部材とは反対側に延びる取付ボス部とを有しており、前記取付ボス部には、前記第2伝動体が回転自在に嵌合されると共に出力部材又は入力部材が相対回転不能に嵌合され、更に前記取付ボス部には、前記第2伝動体及び前記出力部材又は入力部材を前記第1伝動体本体との間に挟む抜け止め手段が設けられることを第5の特徴とする。

0013

尚、本発明及び本明細書において、「軸方向」とは、回転軸の軸線に沿う方向をいい、また「周方向」とは、回転軸の軸線を中心とした円周方向をいう。

発明の効果

0014

第1の特徴によれば、第1伝動体と回転軸との相対回転状態で、ドグクラッチを遮断状態から接続状態切替えるべく中継部材を第1,第2伝動体に接近させると、係合ドグが低ドグよりも先に高ドグに係合する。この係合に伴い、高ドグが弾性部材の弾性抵抗を受けつつ、隣り合う低ドグのうちの一方の低ドグに係合すると、その他方の低ドグと高ドグとの間に、係合ドグが突入可能な周方向間隙が形成されるので、この間隙に係合ドグが突入、係合する。

0015

かくして、係合ドグが最初に高ドグに係合する際には、周方向で隣り合う高ドグ相互間幅広の間隙が係合ドグに対する実質的な係合凹部となって、係合ドグと高ドグとの噛み合いを容易にするため、例えば高ドグ及び低ドグを合せた周方向幅を有するドグと、係合ドグとを噛み合わせる場合と比べて、噛み合い効率を効果的に高めることができる。また係合ドグが高ドグに最初に係合する際の衝撃を弾性部材の弾性変形により効果的に吸収、緩和することができる。更に高ドグが、隣り合う低ドグのうちの一方の低ドグに係合するのに応じて、その他方の低ドグと高ドグとの間に形成される周方向幅広の間隙に係合ドグが突入、係合するため、係合ドグが高ドグに単独で噛合する場合よりも、低ドグの幅分だけ係合ドグと高ドグとの噛合部のガタを低減することができ、適正な噛合状態が得られる。以上の結果、ドグ噛合時の衝撃の吸収、緩和を図りながら、噛み合い効率の向上と噛合部のガタ低減といった相反する課題を何れも達成可能な極めて高性能のドグクラッチが得られる。

0016

また第2の特徴によれば、高ドグ及び低ドグが係合ドグに対し非係合の状態で、弾性部材が、周方向で隣り合う低ドグ間の所定の中間位置に高ドグを保持するので、回転軸及び第1伝動体相互の相対回転の向きが一方向・他方向の何れの場合でも、ドグ噛合時の衝撃を有効に吸収、緩和することができる。

0017

また第3の特徴によれば、弾性部材が、第1伝動体の、中継部材とは反対側に配置されていて、両端が第1,第2伝動体にそれぞれ係止されるので、中継部材や高ドグ及び低ドグの形状に制約を加えることなく弾性部材を高い自由度を以て配置し且つ第1,第2伝動体に係止させることが可能となる。

0018

また第4の特徴によれば、第2伝動体が、第1伝動体に軸方向相対移動を制限された状態で支持され、第1,第2伝動体間に弾性部材が介装されるので、第1,第2伝動体及び弾性部材を少なくとも含む小組立ユニットを構成でき、これにより、取り扱いが簡便となり、また回転軸への組付作業性も良好となる。

0019

また第5の特徴によれば、第1伝動体の取付ボス部に、第2伝動体が回転自在に嵌合されると共に出力部材(又は入力部材)が相対回転不能に嵌合され、更に第2伝動体及び出力部材(又は入力部材)を第1伝動体本体との間に挟む抜け止め手段が設けられるので、第1,第2伝動体及び弾性部材のみならず出力部材(又は入力部材)をも含む小組立ユニットを構成でき、回転軸への組付作業性が更に良好である。その上、第2伝動体及び出力部材(又は入力部材)の、取付ボス部からの各抜け止めのために、共通の抜け止め手段を利用できるから、それだけ構造簡素化が図られる。

図面の簡単な説明

0020

本発明の一実施形態に係るドグクラッチを示す全体縦断面図
第1伝動体の一例を示す単品図であって(a)は第1伝動体の正面図、(b)は、図2(a)のb−b線断面図である
第2伝動体の一例を示す単品図であって、また(c)は第2伝動体の正面図、(d)は、図3(c)のd−d線断面図である
中継部材の一例を示す単品図であって(e)は中継部材の正面図、(f)は、図4(e)のf−f線断面図である
ドグクラッチの遮断状態を示すものであって、(g)は、図1の5(g)−5(g)線断面図、また(h)は、図5(g)のh−h線断面図である
ドグクラッチの接続開始(即ち係合ドグの高ドグへの噛合当初)の状態を示すものであって、(i)は図5(g)対応図、また(j)は、図6(i)のj−j線断面図(図5(h)対応図)である
ドグクラッチの接続途中(即ち係合ドグが高ドグを一方の低ドグとの当接位置まで駆動した)状態を示すものであって、(k)は図6(i)対応図、また(l)は、図7(k)のl−l線断面図(図6(j)対応図)である
ドグクラッチの接続完了(即ち係合ドグが高ドグと他方の低ドグ間の間隙に突入、係合した)状態を示すものであって、(m)は図7(k)対応図、また(n)は、図8(m)のn−n線断面図(図7(l)対応図)である

実施例

0021

本発明の実施形態を添付図面に基づいて以下に説明する。

0022

図1において、車両、例えば自動車における動力源E(例えば車載エンジン)と負荷W(例えば車輪)との間の動力伝達経路には、本発明のドグクラッチDを動力断接手段の1つとして含む伝動装置(例えば常時噛み合い式変速装置)が配設される。

0023

次にそのドグクラッチDの具体例を、図2図5も併せて参照して説明する。

0024

ドグクラッチDは、回転軸3と、その回転軸3の外周面に軸方向移動可能且つ相対回転不能に嵌合、支持(実施形態ではスプライン嵌合S1)される中継部材4と、中継部材4の軸方向一方側(図1で左側)の側面4sに対向するよう配置されると共に回転軸3の外周面に相対回転自在に嵌合、支持される第1伝動体1と、中継部材4の上記側面4sに対向するよう配置されると共に第1伝動体1に対し相対回転可能な第2伝動体2と、第1,第2伝動体1,2間に介装される弾性部材としての捩じりばね6とを備える。

0025

本実施形態において、回転軸3は、不図示の連動機構を介して動力源Eに接続される。また第1伝動体1は、これと一体的に回転する出力歯車7、及び不図示の連動機構を介して負荷Wに接続される。出力歯車7は、出力部材の一例である。

0026

中継部材4の前記側面4sには、第1,第2伝動体1,2側に突き出す複数の係合ドグ4dが周方向等間隔おきに突設される。また、それらの係合ドグ4dの背面側で中継部材4の外周面には、環状の係合溝4gが凹設される。その係合溝4gには、中継部材4を軸方向に駆動(即ち第1,第2伝動体1,2に対し進退操作)するための操作部材5(例えばシフトフォーク)が係合する。

0027

第1伝動体1は、回転軸3が中心部を回転自在に貫通する円盤状の第1伝動体本体1mと、その第1伝動体本体1mに連設されて中継部材4とは反対側に延びる取付ボス部1bとを一体に有しており、取付ボス部1bの内周面も回転軸3に回転自在に嵌合している。第1伝動体本体1mの外周部には、係合ドグ4dに対して係脱可能な径方向外向きの複数(本実施形態では係合ドグ4dと同数)の低ドグ1dが、周方向等間隔おきに突設されている。

0028

取付ボス部1bの外周面は、先端側の小径部1b1と、その小径部1b1に第1段差部1bs1を介して連なる中径部1b2と、その中径部1b2に第2段差部1bs2を介して連なる大径部1b3とを有する段付き円筒面に形成されている。そして、小径部1b1に出力歯車7の内周部が相対回転不能に嵌合(実施形態ではスプライン嵌合S2)され、また中径部1b2に第2伝動体2の内周部が回転自在に嵌合される。

0029

また取付ボス部1bの特に小径部1b1の先部には、第2伝動体2及び出力歯車7を第1伝動体本体1mとの間に挟む止め輪8(例えばサークリップ)が設けられる。止め輪8は、抜け止め手段の一例であり、これに代えて、例えば取付ボス部1b(特に小径部1b1)の先部に螺合されるナットや、同先部に係止される割りピン等を使用してもよく、或いはまた、同先部をカシメ加工したカシメ部を抜け止め手段としてもよい。

0030

回転軸3の外周には、取付ボス部1bの先端に係合して第1伝動体1の軸方向移動を規制する規制手段(例えばサークリップ等の止め輪9)が係止される。

0031

また、第2伝動体2は、リング状の第2伝動体本体2mと、第2伝動体本体2mに対し軸方向(特に中継部材4とは反対側)にオフセット配置され且つ第2伝動体本体2mよりも小径のリング状の小径基部2bと、それら第2伝動体本体2m及び小径基部2b間を一体に接続すべく周方向等間隔おきに配置される複数の連結腕部2cとを備える。各連結腕部2cの外面は小径基部2bから第2伝動体本体2mに向かって径方向外方側に傾斜した斜面に形成される。

0032

そして、小径基部2bの内周面が、第1伝動体1の取付ボス部1bの中径部1b2に回転自在に嵌合、支持される。

0033

また第2伝動体本体2mの、中継部材4との対向側面には、係合ドグ4dに対して係脱し得るように中継部材4側に張出す複数(本実施形態では係合ドグ4dと同数)の高ドグ2dが、周方向等間隔おきに突設される。その各々の高ドグ2dは、周方向で隣り合う低ドグ1d,1dの相互間に配置されており、且つ軸方向で低ドグ1dよりも中継部材4側に突き出している。

0034

捩じりばね6は、高ドグ2d及び低ドグ1dが係合ドグ4dに対し非係合の状態(例えば図5に示すようなドグクラッチDの遮断状態)で、隣り合う低ドグ1d,1d間の所定位置(本実施形態では低ドグ1d間の中間位置、即ち略真ん中)に高ドグ2dを自己弾性で保持する機能を果たすものであって、本実施形態では捩じりコイルばねより構成される。そして、この捩じりばね6は、第1伝動体本体1mの、中継部材4とは反対側の側面1msに隣接配置されると共に、両端末61,62が第1,第2伝動体1,2相互の対向側面にそれぞれ係止される。

0035

即ち、本実施形態の捩じりばね6は、そのコイル状のばね本体部6mが取付ボス部1bの大径部1b3に遊隙を存して嵌装され、このばね本体部6mの一端側の第1端末部61が、第1伝動体本体1mの前記側面1msに凹設した第1係止孔h1に係止される。またばね本体部6mの他端側の第2端末部62が、第2伝動体2(特に小径基部2b)の、第1伝動体本体1mの側面1msと対向する側面2bsに凹設した第2係止孔h2に係止される。

0036

上記したように第1伝動体1の取付ボス部1bの中径部1b2及び小径部1b1には、第2伝動体2の小径基部2b及び出力歯車7内周部がそれぞれ嵌合され、更にその小径基部2b及び出力歯車7を第1伝動体本体1mとの間に挟む止め輪8が、小径部1b1の先部に装着される。そのため、第2伝動体2は、出力歯車7と共に、第1伝動体1の取付ボス部1bに軸方向相対移動を制限された状態で支持される。

0037

次に前記実施形態の作用を主として図5図8を参照して説明する。

0038

ドグクラッチDの組立に際しては、先ず、第1伝動体1の取付ボス1b(大径部1b3)に捩じりばね6のばね本体部6mを緩く嵌合させ且つそのばね6の第1端末部61を第1伝動体本体1mの係止孔h1に係止させることで、捩じりばね6を第1伝動体1に仮止めする。

0039

次いで、第1伝動体1の取付ボス1b(中径部1b2)に第2伝動体2の小径基部2bを嵌合させ、それと共に捩じりばね6の第2端末部62を小径基部2bの係止孔h2に係止させることで、第2伝動体2及び捩じりばね6を第1伝動体1に仮止めする。

0040

しかる後に取付ボス1b(小径部1b1)に出力歯車7をスプライン嵌合S2させ、次いで止め輪8を小径部1b1に係止させることで、止め輪8と第1伝動体本体1mとの間に、出力歯車7、第2伝動体2及び捩じりばね6を挟み込んで1個のサブアッセンブリ小組みする。

0041

しかる後に、そのサブアッセンブリを回転軸3の一方(図1で左方)から嵌合させ、その嵌合状態を、回転軸3外周に係止させたサークリップ等の止め輪9で保持する。また回転軸3の他方(図1右方)からは、中継部材4をスプライン嵌合S1させ、その中継部材4外周の係合溝4gに操作部材5を係合させて、この操作部材5で中継部材4を第1,第2伝動体1,2に対し随時に進退操作できるようにする。かくして、ドグクラッチDの組立てが終了する。なお、組立の手順は上記に限定されるものでは無い。

0042

このようにして組立てられ且つ所定の動力伝達経路に組み込まれたドグクラッチDが遮断状態(図5参照)にあり、しかも第1伝動体1と回転軸3とが相対回転中(例えば、回転軸3が第1伝動体1よりも高速で第1伝動体1と同方向に回転中、或いは第1伝動体1が停止し回転軸3だけが回転中)に、ドグクラッチDを接続状態に切替えるべく中継部材4を第1,第2伝動体1,2に対し接近操作する過程を想定する。

0043

この操作過程では、先ず、図6に示すように、低ドグ1dよりも突出高さの高い高ドグ2dが、低ドグ1dより先に係合ドグ4dに回転方向で係合する。尚、その係合に至るまでの間、係合ドグ4dと低ドグ1dとは回転方向に相対摺動可能である。

0044

上記係合により高ドグ2dは、これよりも高速回転する係合ドグ4dに追従、同期しようとして、捩じりばね6を弾性変形させながら高ドグ2d両側の2個の低ドグ1dに対し周方向に相対変位し、遂には、図7に示すように一方の(即ち回転軸3の回転方向前側の)低ドグ1dと係合するに至る。このとき、その他方の(即ち上記回転方向後側の)低ドグ1dと高ドグ2dとの間には、周方向に比較的広い(即ちドグクラッチDの遮断時における高ドグ2dと低ドグ1d間の間隙10よりも十分に広い(本実施形態では略2倍程度の幅広の)間隙20が形成される。

0045

そして、この間隙20は、係合ドグ4dの周方向幅と略同じか多少広めに設定されている。従って、図8に示すように、係合ドグ4dが間隙20にスムーズに突入、係合して、中継部材4と第1伝動体1との間が相対回転不能に連結される。即ち、ドグクラッチDが接続状態に切替わる。

0046

このようにドグクラッチDを接続状態に切替えるために、回転軸3と第1伝動体1との相対回転中に中継部材4を第1,第2伝動体1,2に接近させると、係合ドグ4dが低ドグ1dよりも先に高ドグ2dに係合し(図6参照)、この係合に伴い、高ドグ2dが捩じりばね6の弾性抵抗を受けつつ、隣り合う低ドグ1d,1dのうちの一方の低ドグ1dに係合するに至る(図7参照)。このとき、その他方の低ドグ1dと高ドグ2dとの間には周方向に幅広の間隙20が形成されており、その間隙20に係合ドグ4dがスムーズに突入、係合する(図8参照)。

0047

かくして、上記したドグクラッチDの遮断状態から接続状態への切替過程(即ち図5図8)において、係合ドグ4dが最初に高ドグ2dに係合する際には、周方向で隣り合う高ドグ2d,2d相互間の幅広の間隙が、係合ドグ4dに対する実質的な係合凹部となって、係合ドグ4dと高ドグ2dとの噛み合いを容易にするため、例えば、高ドグ2d及び低ドグ1dを合せた周方向幅を有するドグと、係合ドグ4dとを噛み合わせる場合と比べて、噛み合い効率を効果的に高めることができる。しかも、係合ドグ4dが高ドグ2dに最初に係合する際の衝撃は、捩じりばね6の弾性変形により効果的に吸収、緩和可能である。

0048

その上、高ドグ2dが、隣り合う低ドグ1d,1dのうちの一方の低ドグ1dに係合するのに応じて、その他方の低ドグ1dと高ドグ2dとの間に形成される周方向の幅広間隙20に係合ドグ4dが突入、係合するため、係合ドグ4dが高ドグ2dに単独で噛合する場合よりも、低ドグ1dの幅分だけ係合ドグ4dと高ドグ2dとの噛合部のガタを低減可能となり、これにより、適正な噛合状態が得られる。

0049

このようにドグクラッチDは、ドグ噛合時の衝撃の吸収、緩和を図りながら、噛み合い効率の向上と噛合部のガタ低減といった相反する課題を何れも達成可能とした、極めて高性能なドグクラッチである。

0050

またこのドグクラッチDにおいては、高ドグ2d及び低ドグ1dが係合ドグ4dに対し非係合の状態(即ちクラッチ遮断状態)で、捩じりばね6が、周方向で隣り合う低ドグ1d,1d相互間の所定の中間位置(即ち略真ん中)に高ドグ2dを保持するよう設定される。これにより、回転軸3及び第1伝動体1相互の相対回転の回転方向が正,逆転何れの方向の場合でも、ドグ噛合時の衝撃を有効に吸収、緩和することができる。

0051

また捩じりばね6は、第1伝動体本体1mの、中継部材4とは反対側の側面1sに隣接配置されていて、両端末部61,62が第1,第2伝動体1,2にそれぞれ係止される設置態様である。これにより、中継部材4や高ドグ2d及び低ドグ1dの形状に制約を加えることなく、捩じりばね6を高い自由度を以て配置可能とし且つ第1,第2伝動体1,2に各々係止可能となる。

0052

またドグクラッチDの組立完成状態において、第2伝動体2は、第1伝動体1に軸方向で所定の制限された摺動範囲内を摺動可能として支持され、第1,第2伝動体1,2間に捩じりばね6が介装される。これにより、第1,第2伝動体1,2及び捩じりばね6を含む小組立ユニットを構成できるため、その取り扱いが簡便であり、また回転軸3への組付作業性も良好である。

0053

また特に本実施形態では、第1伝動体1の取付ボス部1bに、第2伝動体2が回転自在に嵌合されると共に出力歯車7が相対回転不能に嵌合(スプライン嵌合S2)され、更に第2伝動体2及び出力歯車7を第1伝動体本体1mとの間に挟む止め輪8が設けられている。これにより、第1,第2伝動体1,2及び捩じりばね6のみならず出力歯車7をも含めた小組立ユニット、即ちサブアッセンブリを構成でき、それら構成部品1,2,6,7を一纏めに回転軸3へ組付け可能となることから、組付作業性が更に良好である。しかも第2伝動体2及び出力歯車7の、取付ボス部1bからの各抜け止めのために、共通の抜け止め手段すなわち止め輪8を利用できるから、それだけ構造簡素化が図られる。

0054

以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。

0055

例えば、前記実施形態では、回転軸3を入力側、即ち動力源E(例えばエンジン等)に連なる側とし、また第1伝動体1を出力側、即ち負荷W(例えば車輪等)に連なる側としたものを例示したが、本発明のドグクラッチは、第1伝動体1を入力側とし、また回転軸3を出力側として動力伝達経路に配置してもよい。その場合、第1伝動体1の取付ボス部1bには、前記実施形態の出力歯車7(出力部材)に代えて、負荷Wに連動する入力歯車(入力部材)が相対回転不能に嵌合、固定される。

0056

また、前記実施形態の捩じりばね6は、高ドグ2d及び低ドグ1dが係合ドグ4dに対し非係合の状態で、隣り合う低ドグ1d,1d間の中間位置(即ち略真ん中)に高ドグ2dを保持するものを示したが、捩じりばね6の弾発力で高ドグ2dを、隣り合う低ドグ1d,1dのうちの一方の低ドグ1dに当接する位置、又は真ん中より一方の低ドグ1dに偏らせた位置に保持させるようにしてもよい。

0057

また前記実施形態では、ドグクラッチDを自動車の変速装置に適用したものを示したが、本発明のドグクラッチの適用対象は、実施形態に限定されない。即ち、本発明のドグクラッチは、種々の伝動機械装置に適用可能であり、その用途は車両用変速装置用に限定されない。

0058

D・・・・・ドグクラッチ
1・・・・・第1伝動体
1b・・・・取付ボス部
1d・・・・低ドグ
1m・・・・第1伝動体本体
2・・・・・第2伝動体
2d・・・・高ドグ
3・・・・・回転軸
4・・・・・中継部材
4d・・・・係合ドグ
4s・・・・側面
6・・・・・捩じりばね(弾性部材)
61,62・・第1,第2端末部(両端)
7・・・・・出力歯車(出力部材)
8・・・・・止め輪(抜け止め手段)
20・・・・間隙

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