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技術 遠心圧縮機およびターボチャージャ

出願人 三菱重工業株式会社
発明者 藤田豊
出願日 2018年3月2日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-037922
公開日 2019年9月12日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-152150
状態 未査定
技術分野 過給機 非容積形送風機の制御 非容積形ポンプの構造
主要キーワード 運用範囲 量産型 インペラホイール 旋回流生成 内壁付近 旋回翼 翼弦長さ 体積流
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

簡易な構造により供給流量可変遠心圧縮機と、それを備えたターボチャージャとを提供する。

解決手段

遠心圧縮機10は、ケーシング11と、インペラ21と、インペラ21へと供給される流体の流量を調整する流量調整装置30とを備える。流量調整装置30は、吸気通路22内で、回転軸3に対して直交する方向を中心として回動自在にケーシング11に取り付けられ、インペラ21へと供給される流体に旋回力を付与する複数の入口案内翼31を有する。複数の入口案内翼31は、ケーシング11の内壁から回転軸3側に向けて突出し、頂311bがインペラ21の入口21cの最内径部21dよりも外径側に位置する。複数の入口案内翼31の翼面311cが流体の主流Fの方向に対して直交する第1位置51に位置するとき、隣り合って配置される入口案内翼31の翼面311cが、回転軸3の周方向に沿って連なって並ぶ。

概要

背景

従来、遠心圧縮機を備えたターボチャージャに関する技術が知られている。例えば、特許文献1には、ハウジングの内部に回転可能に配置され、吸気口から流入する吸気ガス圧縮するインペラホイールに対して、吸気ガスに旋回流を付与する案内翼旋回流生成手段)を備える遠心圧縮機およびターボチャージャが開示されている。この装置では、案内翼により吸気ガスに旋回流を付与することで、インペラホイールに向かう流れを整え、遠心圧縮機の失速を抑制し、装置を安定に運用することができる範囲の拡大を図っている。

概要

簡易な構造により供給流量可変な遠心圧縮機と、それを備えたターボチャージャとを提供する。遠心圧縮機10は、ケーシング11と、インペラ21と、インペラ21へと供給される流体の流量を調整する流量調整装置30とを備える。流量調整装置30は、吸気通路22内で、回転軸3に対して直交する方向を中心として回動自在にケーシング11に取り付けられ、インペラ21へと供給される流体に旋回力を付与する複数の入口案内翼31を有する。複数の入口案内翼31は、ケーシング11の内壁から回転軸3側に向けて突出し、頂311bがインペラ21の入口21cの最内径部21dよりも外径側に位置する。複数の入口案内翼31の翼面311cが流体の主流Fの方向に対して直交する第1位置51に位置するとき、隣り合って配置される入口案内翼31の翼面311cが、回転軸3の周方向に沿って連なって並ぶ。

目的

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡易な構造により供給流量を可変な遠心圧縮機と、それを備えたターボチャージャとを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

吸気通路が形成されたケーシングと、前記吸気通路から供給される流体圧縮するインペラと、前記インペラへと供給される前記流体の流量を調整する流量調整装置と、を備え、前記流量調整装置は、前記吸気通路内で、前記インペラの回転軸に対して直交する方向を中心として回動自在に前記ケーシングに取り付けられ、前記インペラへと供給される前記流体に旋回力を付与する複数の入口案内翼を有し、前記複数の入口案内翼は、前記ケーシングの内壁から前記回転軸側に向けて突出し、頂が前記インペラの入口の最内径部よりも外径側に位置し、前記複数の入口案内翼の翼面が前記流体の主流の方向に対して直交する第1位置に位置するとき、隣り合って配置される前記入案内翼の前記翼面が、前記回転軸の周方向に沿って連なって並ぶことを特徴とする遠心圧縮機

請求項2

前記複数の入口案内翼は、前記ケーシングの前記内壁からの突出長さが、前記インペラの入口半径の5%以上45%以下であることを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機。

請求項3

前記流量調整装置は、前記複数の入口案内翼を回動させる駆動部と、前記駆動部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記流体の前記流量が所定流量以下であるとき、前記駆動部により前記複数の入口案内翼を前記第1位置に位置付け、前記流体の前記流量が前記所定流量よりも大きいとき、前記流量の増加に応じて、前記駆動部により前記複数の入口案内翼の前記第1位置からの回動角度を増加させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遠心圧縮機。

請求項4

前記制御部は、前記流量が前記所定流量よりも大きな第2の所定流量であるとき、前記駆動部により前記複数の入口案内翼を前記翼面が前記主流の方向に対して水平となる第2位置に位置付け、前記流体の前記流量が前記第2の所定流量よりも大きいとき、前記流量の増加に応じて、前記駆動部により前記複数の入口案内翼の前記第2位置からの回動角度を増加させることを特徴とする請求項3に記載の遠心圧縮機。

請求項5

前記複数の入口案内翼は、前記回転軸の軸方向に移動自在に設けられ、前記第1位置から回動するにつれて、前記インペラから離れることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の遠心圧縮機。

請求項6

請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の遠心圧縮機を備えることを特徴とするターボチャージャ

技術分野

0001

本発明は、遠心圧縮機およびターボチャージャに関する。

背景技術

0002

従来、遠心圧縮機を備えたターボチャージャに関する技術が知られている。例えば、特許文献1には、ハウジングの内部に回転可能に配置され、吸気口から流入する吸気ガス圧縮するインペラホイールに対して、吸気ガスに旋回流を付与する案内翼旋回流生成手段)を備える遠心圧縮機およびターボチャージャが開示されている。この装置では、案内翼により吸気ガスに旋回流を付与することで、インペラホイールに向かう流れを整え、遠心圧縮機の失速を抑制し、装置を安定に運用することができる範囲の拡大を図っている。

先行技術

0003

特許第5649758号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、上記特許文献1に記載のような遠心圧縮機およびターボチャージャでは、遠心圧縮機に供給される流体の流量を可変とすることで、さらなる運用範囲の拡大を狙うことが望ましい。しかしながら、例えばターボチャージャのような量産型かつ小型の装置においては、装置を複雑化することなく、供給流量を可変な遠心圧縮機を得るための具体的な手法は確立されていない。そのため、簡易な構造での可変容量型の遠心圧縮機の実現が求められている。

0005

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡易な構造により供給流量を可変な遠心圧縮機と、それを備えたターボチャージャとを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる遠心圧縮機は、吸気通路が形成されたケーシングと、前記吸気通路から供給される流体を回転により圧縮するインペラと、前記インペラへと供給される前記流体の流量を調整する流量調整装置と、を備え、前記流量調整装置は、前記吸気通路内で、前記インペラの回転軸に対して直交する方向を中心として回動自在に前記ケーシングに取り付けられ、前記インペラへと供給される前記流体に旋回力を付与する複数の入口案内翼を有し、前記複数の入口案内翼は、前記ケーシングの内壁から前記回転軸側に向けて突出し、頂が前記インペラの入口の最内径部よりも外径側に位置し、前記複数の入口案内翼の翼面が前記流体の主流の方向に対して直交する第1位置に位置するとき、隣り合って配置される前記入口案内翼の前記翼面が、前記回転軸の周方向に沿って連なって並ぶことを特徴とする。

0007

この構成により、インペラへと供給される流体に旋回力を付与する複数の入口案内翼を第1位置に位置付け、翼面を回転軸の周方向に沿って連なって並ばせることで、吸気通路の外径側をトリムし、吸気通路の通路幅を狭めることができる。その結果、インペラへと供給される流体に旋回翼を付与するための入口案内翼を用いて、供給流量を調整することができる。すなわち、一つの流量調整装置により、旋回力を付与するための機能と、流量を調整するための機能とを兼用させることができる。従って、本発明にかかる遠心圧縮機によれば、簡易な構造により供給流量を可変な遠心圧縮機を提供することができる。

0008

また、前記複数の入口案内翼は、前記ケーシングの前記内壁からの突出長さが、前記インペラの入口半径の5%以上45%以下であることが好ましい。

0009

この構成により、複数の入口案内翼が第1位置に位置付けられたとき、インペラの入口が過度に塞がれないようにして、インペラへと流体を安定的に供給し、遠心圧縮機を安定的に運転させることができる。また、複数の入口案内翼が第1位置から回動したとき、流体へと適切な旋回力を付与することができる。

0010

また、前記流量調整装置は、前記複数の入口案内翼を回動させる駆動部と、前記駆動部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記流体の前記流量が所定流量以下であるとき、前記駆動部により前記複数の入口案内翼を前記第1位置に位置付け、前記流体の前記流量が前記所定流量よりも大きいとき、前記流量の増加に応じて、前記駆動部により前記複数の入口案内翼の前記第1位置からの回動角度を増加させることが好ましい。

0011

この構成により、インペラへと供給される流量が所定流量以下である小流量時に、第1位置に位置付けられた複数の入口案内翼によって、インペラへと供給される主流の流量をさらに低減し、遠心圧縮機の運用範囲を小流量側において拡大することができる。一方、流量が所定流量よりも大きいときには、複数の入口案内翼によって主流に旋回力を与え、インペラへと主流を滑らかに導くことができる。その結果、遠心圧縮機の失速を抑制し、遠心圧縮機の安定運用を図ることができる。

0012

また、前記制御部は、前記流量が前記所定流量よりも大きな第2の所定流量であるとき、前記駆動部により前記複数の入口案内翼を前記翼面が前記主流の方向に対して水平となる第2位置に位置付け、前記流体の前記流量が前記第2の所定流量よりも大きいとき、前記流量の増加に応じて、前記駆動部により前記複数の入口案内翼の前記第2位置からの回動角度を増加させることが好ましい。

0013

この構成により、インペラへと供給される流量が所定流量よりも大きな第2の所定流量よりも大きな大流量時に、複数の入口案内翼を翼面が主流の方向に対して水平となる第2位置からさらに回動させ、インペラへと主流を滑らかに導くことができる。その結果、大流量時にも、遠心圧縮機の失速を抑制し、遠心圧縮機の安定運用を図ることができる。

0014

また、前記複数の入口案内翼は、前記回転軸の軸方向に移動自在に設けられ、前記第1位置から回動するにつれて、前記インペラから離れることが好ましい。

0015

この構成により、複数の入口案内翼を第1位置に位置付け、吸気通路の外径側をトリムするときには、複数の入口案内翼をインペラに相対的に接近した位置に位置付けることができる。その結果、複数の入口案内翼でカットされた主流がインペラへと到達する前に吸気通路の内壁付近で逆流してしまうことを抑制することができる。また、複数の入口案内翼が第1位置から第2位置までの間に位置するときには、複数の入口案内翼がインペラに対して接近しすぎないようにして、主流の方向に対して適切な旋回力を付与することができる。

0016

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるターボチャージャは、上記遠心圧縮機を備えることを特徴とする。

0017

この構成により、簡易な構造により供給流量を可変な遠心圧縮機を備えたターボチャージャを提供することが可能となる。

図面の簡単な説明

0018

図1は、実施形態にかかる遠心圧縮機およびターボチャージャの概略を示す説明図である。
図2は、実施形態にかかる遠心圧縮機の概略を示す説明図である。
図3は、実施形態にかかる遠心圧縮機において、複数の入口案内翼が配置される近傍を切り取って示す斜視図である。
図4は、入口案内翼を示す斜視図である。
図5は、複数の入口案内翼が第1位置に位置付けられた状態の吸気通路を示す概略図である。
図6は、複数の入口案内翼が第2位置に位置付けられた状態の吸気通路を示す概略図である。
図7は、本実施形態の遠心圧縮機における運用範囲の一例を示す説明図である。
図8は、インペラに向かう流体の主流に旋回力を付与する作用について説明するための模式的な説明図である。
図9は、インペラに向かう流体の主流に旋回力を付与する作用について説明するための模式的な説明図である。
図10は、インペラに向かう流体の主流に旋回力を付与する作用について説明するための模式的な説明図である。
図11は、実施形態にかかる遠心圧縮機の変形例において、入口案内翼の動作を模式的に示す説明図である。
図12は、実施形態にかかる遠心圧縮機の変形例において、入口案内翼の動作を模式的に示す説明図である。

実施例

0019

以下に、本発明にかかる遠心圧縮機およびターボチャージャの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。

0020

図1は、実施形態にかかる遠心圧縮機およびターボチャージャの概略を示す説明図であり、図2は、実施形態にかかる遠心圧縮機の概略を示す説明図である。実施形態にかかるターボチャージャ(排気ターボ過給機)1は、図示しない内燃機関に隣接して設けられている。ターボチャージャ1は、実施形態にかかる遠心圧縮機10と、タービン2とを備える。ターボチャージャ1は、遠心圧縮機10とタービン2とが回転軸3を介して連結される。ターボチャージャ1は、図示しない内燃機関から排気された排気ガスによりタービン2が回転駆動されると、回転軸3により遠心圧縮機10が駆動され、外部から遠心圧縮機10に吸気された空気等の流体を圧縮して、図示しない内燃機関へと圧送する。

0021

実施形態にかかる遠心圧縮機10は、圧縮部20と、流量調整装置30とを備える。図2に示すように、ケーシング11内に圧縮部20が収容されている。圧縮部20は、ケーシング11に対して回転可能に支持された上記回転軸3に連結されている。回転軸3には、羽根車であるインペラ21が設けられている。インペラ21は、回転軸3に連結されたインペラホイール21aと、回転軸3の周方向に沿って互いに間隔を空けてインペラホイール21aに設けられた複数の羽根21bを有する。

0022

圧縮部20は、流体を吸引して圧縮した後に吐出するようにケーシング11により形成された流路を有している。流路は、吸気通路22と、ディフューザ23と、図示しない吐出通路とで構成されている。吸気通路22は、インペラ21の上流側に形成されており、インペラ21の入口21cと連通する。吸気通路22は、流体をケーシング11内に取り込む吸引口22aが設けられている。また、吸気通路22には、後述する流量調整装置30の複数の入口案内翼31が設けられている。ディフューザ23は、インペラ21の外周に形成されており、インペラ21の出口と連通する。図示しない吐出流路は、ディフューザ23と連通し、遠心圧縮機10で圧縮された流体をケーシング11外に吐出する。

0023

遠心圧縮機10は、タービン2の駆動に伴って回転軸3が回転すると、回転軸3と共にインペラ21が回転する。これにより、流体は、吸気通路22の吸引口22aから吸引され、複数の入口案内翼31を経てインペラ21で圧縮された後、ディフューザ23で減速されて静圧回復される。さらに、流体は、図示しない吐出流路を介して図示しない内燃機関へと供給される。

0024

次に、実施形態にかかる遠心圧縮機10が備える流量調整装置30について説明する。図3は、実施形態にかかる遠心圧縮機において、複数の入口案内翼が配置される近傍を切り取って示す斜視図であり、図4は、入口案内翼を示す斜視図である。なお、図3においては、複数の入口案内翼31の一部のみを記載しているが、実際には、ケーシング11の内壁11aの全周にわたって設けられている。

0025

流量調整装置30は、インペラ21へと供給される流体の流量を調整する。また、本実施形態において、流量調整装置30は、インペラ21へと供給される流体へと旋回力を付与する機能を兼ね備えている。流量調整装置30は、図2に示すように、複数の入口案内翼31と、駆動機構32と、アクチュエータ(駆動部)33と、制御部34とを備える。

0026

複数の入口案内翼31は、吸気通路22内において、インペラ21よりも上流側で、回転軸3の周方向に沿って等間隔に配置されている。各入口案内翼31は、図2から図4に示すように、翼本体311と、台座312と、支持軸313とを備える。各入口案内翼31は、翼本体311の翼根311aが台座312の一面に固定され、台座312の他面から支持軸313が延出されている。台座312は、ケーシング11に回転自在に収容される。支持軸313は、ケーシング11の内部に回転自在に収容されており、ケーシング11を貫通して外壁11bの外側に突出する。支持軸313は、図2および図3に示すように、外壁11bの外側に回転自在に取り付けられたステータリング32aにリンク機構32bを介して連結されている。ステータリング32aおよびリンク機構32bは、上記駆動機構32を構成し、アクチュエータ33からの動力により駆動される。アクチュエータ33は、制御部34により制御される。

0027

各入口案内翼31の構造について、より詳細に説明する。各入口案内翼31は、図2に示すように、翼本体311がケーシング11の内壁11aから回転軸3側にむけて突出している。翼本体311は、翼頂311bがインペラ21の入口21cの最内径部21dよりも外径側に位置する。より詳細には、本実施形態において、各入口案内翼31は、ケーシング11の内壁11aからの突出長さLが、インペラ21の入口半径Rの5%以上45%以下である。また、各入口案内翼31は、図2および図4に示すように、翼本体311が翼根311aから翼頂311bに向かうにつれて翼弦の長さが短くなるテーパ状に形成されている。翼本体311は、翼頂311bが翼根311a側に向けて窪む円弧状に形成されている。また、本実施形態において、翼本体311は、図4に示すように、台座312の径よりも翼根311aにおける翼弦長さが大きく形成されている。つまり、翼本体311は、翼弦方向において、台座312から外側に突出するように形成されている。

0028

以上のように構成された流量調整装置30において、アクチュエータ33からの回転力がステータリング32aに付与され、ステータリング32aが外壁11bの周縁に沿って回転すると、各リンク機構32bが支持軸313を中心として回動し、すべての入口案内翼31の各支持軸313が各リンク機構32bを介して連動して回転する。それにより、図2において実線曲線矢印に示すように、すべての入口案内翼31が回転軸3と直交する方向を中心として連動して回動する。図2において、図中下側に位置する入口案内翼31は、吸気通路22を流れる流体の主流Fの方向に対して翼面311cが直交する第1位置51に位置付けられた状態を示す。また、図2において、図中上側に位置する入口案内翼31は、主流Fの方向に対して翼面311cが水平となる第2位置52に位置付けられた状態を示す。

0029

ここで、図5は、複数の入口案内翼が第1位置に位置付けられた状態の吸気通路を示す概略図である。図5は、吸気通路22を吸引口22a側(図2における左側)からみた正面図である。なお、後述する図6も同様であり、図5および図6においては、ケーシング11と複数の入口案内翼31以外の記載を省略している。また、図5および図6に示す入口案内翼31の枚数は、例示である。図示するように、複数の入口案内翼31は、第1位置51に位置するとき、互いに隣り合うもの同士の翼面311cが、回転軸3の周方向に沿って連なって並ぶ。このとき、各入口案内翼31の翼頂311bが連なって円形状の縁部を形成する。その結果、複数の入口案内翼31が第1位置51に位置するとき、吸気通路22の外径側が円形状にトリムされ、吸気通路22の通路幅が狭められることになる。上述したように、本実施形態では、翼本体311は、翼弦方向において、台座312から外側に突出するように形成されている。そのため、図3に示すように台座312同士が離れていても、隣り合う翼本体311同士が連なって並ぶことが可能であり、台座312同士の接触による摩耗や動作不良を防止することができる。なお、「連なって並ぶ」とは、隣り合う翼面311cが完全に隙間なく連続する場合のみならず、製造誤差に起因する程度の隙間が形成される場合も含むものとする。また、隣り合うもの同士が互いに接触することがある翼本体311は、その外面に、軟質樹脂等で構成された、すべり材(アブダブル材)が被覆されることが好ましい。

0030

一方、図6は、複数の入口案内翼が第2位置に位置付けられた状態の吸気通路を示す概略図である。図示するように、複数の入口案内翼31が第2位置52に位置するとき、各翼本体311の各翼面311cが主流Fの方向に対して水平となるため、吸気通路22の外径側が最も開放された状態となる。

0031

次に、本実施形態にかかる遠心圧縮機10の流量調整装置30の制御手法について説明する。流量調整装置30の制御部34は、ターボチャージャ1の運転時、ターボチャージャ1の全体を制御する図示しない制御部から、遠心圧縮機10の吸気通路22に供給される流体の流量を取得する。

0032

制御部34は、取得した流体の流量が所定流量以下であるとき、アクチュエータ33により、複数の入口案内翼31を第1位置51に位置付ける。なお、「所定流量」および後述する「第2の所定流量」は、遠心圧縮機10を運転する際の圧縮部20での流体の圧縮比ターボ回転数吐出温度といった種々の作動パラメータに応じて、複数設定される。それにより、図5に示すように、互いに隣り合う複数の入口案内翼31同士の翼面311cが回転軸3の周方向に沿って連なって並び、吸気通路22の外径側が円形状にトリムされる。その結果、流体の流量が所定流量以下であるときに、吸気通路22の流路が狭められ、インペラ21に供給される流量が低減される。

0033

ここで、図7は、本実施形態の遠心圧縮機における運用範囲の一例を示す説明図である。図中の横軸は、遠心圧縮機10に供給される流量(体積流量)であり、縦軸は、遠心圧縮機10での流体の圧縮比である。図中において、破線は、比較例として、流量調整装置30を備えない(複数の入口案内翼31を備えない)遠心圧縮機における関係を示し、実線は、本実施形態の遠心圧縮機10における関係を示している。図示するように、本実施形態の遠心圧縮機10は、複数の入口案内翼31が吸気通路22内に配置されることから、比較例の遠心圧縮機に比べ、全体として運用範囲は小流量側に移動する。そして、上述したように、複数の入口案内翼31を第1位置51に位置付け、吸気通路22の一部をトリムして通路幅を狭めることができるため、比較例の遠心圧縮機よりも図中に斜線を付した範囲だけ、運用範囲が拡大される。

0034

また、制御部34は、取得した流体の流量が所定流量よりも大きくなると、アクチュエータ33からステータリング32aへと回転力を付与することで、リンク機構32bを介して複数の入口案内翼31を第1位置51から回動させる。制御部34は、流体の流量の増加に応じて、各入口案内翼31の第1位置51からの回動角度を増加させていく。それにより、複数の入口案内翼31によりトリムされていた吸気通路22の外径側の領域が、図5に示す状態から図6に示す状態に向けて、徐々に開放されていく。

0035

制御部34は、取得した流体の流量が所定流量よりも大きな第2の所定流量のとき、アクチュエータ33により、複数の入口案内翼31を第2位置52に位置付ける。それにより、図6に示すように、吸気通路22の外径側が最も開放された状態となる。さらに、制御部34は、取得した流体の流量が第2の所定流量以上となると、アクチュエータ33からステータリング32aへと回転力を付与することで、リンク機構32bを介して複数の入口案内翼31を第2位置52から、さらに回動させる。

0036

このように、吸気通路22内の流体の流量が所定流量よりも大きい場合、複数の入口案内翼31を第1位置51から徐々に回動させていくことにより、インペラ21へと向かう主流Fに対して、予め旋回力が付与される。図8から図10は、インペラに向かう流体の主流に旋回力を付与する作用について説明するための模式的な説明図である。以下の説明において、図8から図10実線矢印で示す“Vc”は、吸気通路22内を流れる流体の主流Fの主流速度を示す。図8から図10に実線矢印で示す“Vu“は、インペラ21の回転速度を示す。図8から図10に実線矢印で示す“Vw”は、主流Fの方向に対して旋回力が付与されない場合の回転速度Vuに対する主流速度Vcの相対速度を示す。図9および図10に実線矢印で示す“Vws”は、主流Fの方向に対して旋回力が付与された場合の回転速度Vuに対する主流速度Vcの相対速度を示す。なお、回転速度Vuの値は、一定とする。

0037

図8は、流体の流量が上記第2の所定流量であり、複数の入口案内翼31が図6に示す第2位置52に位置付けられて、主流Fに旋回力が付与されない場合の例を示す。図9は、流体の流量が上記第2の所定流量よりも小さい小流量時に、複数の入口案内翼31によって主流Fに旋回力が付与される場合の例を示す。図9に示すように、流体の流量が第2の所定流量以下の小流量時には、図8に示す例に比べて、主流速度Vcが相対的に小さくなる。そのため、インペラ21の羽根21bの翼面に対する主流Fの相対速度Vwの角度が、図中に破線で示すように、翼面に対して大きくなる。その結果、主流Fがインペラ21に滑らかに流入することができずに、遠心圧縮機10で失速が発生するおそれがある。本実施形態では、上述したように、流体の流量が第2の所定流量よりも小さい小流量時には、流量に応じて、複数の入口案内翼31を上記第1位置51から上記第2位置52の間の位置に回動させる。その結果、図9白抜き矢印で示すように、複数の入口案内翼31によって、主流Fに予め旋回力が付与され、相対速度Vwsの角度がインペラ21の羽根21bの翼面に沿った方向に修正される。

0038

また、図10は、流体の流量が上記第2の所定流量よりも大きな大流量時に、複数の入口案内翼31によって主流Fに旋回力が付与される場合の例を示す。図10に示すように、流体の流量が第2の所定流量よりも大きな大流量時には、図8に示す例に比べて、主流速度Vcが相対的に大きくなる。そのため、インペラ21の羽根21bの翼面に対する主流Fの相対速度Vwの角度が、図中に破線で示すように、翼面に対して図9に示す例とは逆方向側に大きくなる。その結果、主流Fがインペラ21に滑らかに流入することができずに、遠心圧縮機10で失速が発生するおそれがある。本実施形態では、上述したように、流体の流量が第2の所定流量よりも大きな大流量時には、複数の入口案内翼31を上記第2位置52から、さらに回動させる。その結果、図10に白抜き矢印で示すように、複数の入口案内翼31によって、主流Fに予め旋回力が付与され、相対速度Vwsの角度がインペラ21の羽根21bの翼面に沿った方向に修正される。以上のように、小流量時および大流量時の双方において、主流Fの方向に対して適切な旋回力を予め付与することで、主流Fがインペラ21へと滑らかに流入し、遠心圧縮機10の失速が抑制される。

0039

以上説明したように、本実施形態にかかる遠心圧縮機10およびターボチャージャ1は、インペラ21へと供給される流体に旋回力を付与する複数の入口案内翼31を第1位置51に位置付け、翼面311cを回転軸3の周方向に沿って連なって並ばせることで、吸気通路22の外径側をトリムし、吸気通路22の通路幅を狭めることができる。その結果、インペラ21へと供給される流体に旋回翼を付与するための入口案内翼31を用いて、供給流量を調整することができる。すなわち、一つの流量調整装置30により、旋回力を付与するための機能と、流量を調整するための機能とを兼用させることができる。従って、簡易な構造により供給流量を可変な遠心圧縮機10と、それを備えたターボチャージャ1を提供することができる。

0040

また、複数の入口案内翼31は、ケーシング11の内壁11aからの突出長さLが、インペラ21の入口半径Rの5%以上45%以下である。

0041

この構成により、複数の入口案内翼31が第1位置51に位置付けられたとき、インペラ21の入口21cが過度に塞がれないようにして、インペラ21へと流体を安定的に供給し、遠心圧縮機10を安定的に運転させることができる。また、複数の入口案内翼31が第1位置51から回動したとき、流体へと適切な旋回力を付与することができる。

0042

また、流量調整装置30は、複数の入口案内翼31を回動させるアクチュエータ(駆動部)33と、アクチュエータ33を制御する制御部34とを備え、制御部34は、流体の流量が所定流量以下であるとき、アクチュエータ33により複数の入口案内翼31を第1位置51に位置付け、流体の流量が所定流量よりも大きいとき、流量の増加に応じて、アクチュエータ33により複数の入口案内翼31の第1位置51からの回動角度を増加させる。

0043

この構成により、インペラ21へと供給される流量が所定流量以下である小流量時に、第1位置51に位置付けられた複数の入口案内翼31によって、インペラ21へと供給される主流Fの流量をさらに低減し、遠心圧縮機10の運用範囲を小流量側において拡大することができる。一方、流量が所定流量よりも大きいときには、複数の入口案内翼31によって主流Fに旋回力を与え、インペラ21へと主流Fを滑らかに導くことができる。その結果、遠心圧縮機10の失速を抑制し、遠心圧縮機10の安定運用を図ることができる。

0044

また、制御部34は、流量が所定流量よりも大きな第2の所定流量であるとき、アクチュエータ33により複数の入口案内翼31を翼面311cが主流Fの方向に対して水平となる第2位置52に位置付け、流体の流量が第2の所定流量よりも大きいとき、流量の増加に応じて、アクチュエータ33により複数の入口案内翼31の第2位置52からの回動角度を増加させる。

0045

この構成により、インペラへと供給される流量が所定流量よりも大きな第2の所定流量よりも大きな大流量時に、複数の入口案内翼31を翼面311cが主流Fの方向に対して水平となる第2位置52からさらに回動させ、インペラ21へと主流Fを滑らかに導くことができる。その結果、大流量時にも、遠心圧縮機10の失速を抑制し、遠心圧縮機10の安定運用を図ることができる。

0046

なお、複数の入口案内翼31の数、各入口案内翼31の翼本体311の形状は、本実施形態に示したものに限られない。複数の入口案内翼31は、インペラ21へと供給される流体に旋回翼を付与することができ、かつ、第1位置51に位置したとき、互いに隣り合うもの同士の翼面311cが回転軸3の周方向に沿って連なって並ぶことさえできれば、いかなる数、形状であってもよい。例えば、翼本体311の翼頂311bは、円弧状でなく、直線状に形成されてもよい。また、翼本体311は、翼弦方向において、台座312から外側に突出することなく、翼根311aの翼弦長さが台座312の径と同じ大きさに形成されてもよい。この場合、各台座312が隣接して設けられれば、第1位置51の状態となった際に、隣り合う翼本体311同士が連なって並ぶことが可能となる。

0047

また、複数の入口案内翼31の突出長さLは、インペラ21へと供給される流体へと適切な旋回力を与えることができ、かつ、吸気通路22をインペラ21の入口21cの幅よりも大きな範囲でトリムするものでさえなければ、いかなる長さであってもよい。

0048

また、複数の入口案内翼31を回動させるための構造は、本実施形態に示したものに限られず、いかなるものであってもよい。例えば、複数の入口案内翼31を回動させるための駆動機構およびアクチュエータ(駆動部)を、各入口案内翼31に対応させて一つずつ設けてもよい。

0049

ここで、図11および図12は、流量調整装置の変形例において、入口案内翼の構造および動作を模式的に示す説明図である。変形例としての流量調整装置300は、ケーシング11に、内壁11a(図2参照)から外壁11b(図2参照)を貫通する溝部11cが形成されている。溝部11cは、各入口案内翼31に対応して一つずつ設けられる。溝部11cは、図11および図12に示すように、円弧状に形成されている。溝部11cは、一端11dが主流Fの下流側に配置され、他端11eが主流Fの上流側に配置される。

0050

各入口案内翼31は、支持軸313が溝部11c内に移動自在に挿通される。また、各入口案内翼31は、支持軸313がケーシング11の外壁11bの外側で、図示しない駆動機構に取り付けられている。駆動機構は、図示しないアクチュエータ(駆動部)からの駆動力により、支持軸313を溝部11c内に沿って移動させる。図示しない駆動機構および図示しないアクチュエータは、すべての入口案内翼31を連動させて動作させるものであってもよいし、各入口案内翼31に対応して一つずつ設けられるものであってもよい。

0051

これにより、各入口案内翼31は、図11に示すように、支持軸313が溝部11cの一端11d、すなわち最もインペラ21側に位置付けられるとき、翼面311cが主流Fの方向に対して直交する第1位置51に位置付けられる。また、各入口案内翼31は、図12に示すように、図示しないアクチュエータからの駆動力によって、駆動機構を介して支持軸313が溝部11c内をスライド移動する。その結果、各入口案内翼31は、支持軸313のスライド移動に伴い、回転軸3と直交する方向を中心として回動しながら、インペラ21から離れる方向に移動する。このとき、図11および図12に示す例においては、各入口案内翼31は、支持軸313が溝部11cの一端11dと他端11eとの中央に位置したとき、翼面311cが主流Fの方向に対して水平となる第2位置52に位置付けられることになる。すなわち、複数の入口案内翼31は、第1位置51に位置付けられるときに最もインペラ21に接近し、第1位置51から回動するにつれて、インペラ21から離れる。

0052

この構成により、複数の入口案内翼31を第1位置51に位置付け、吸気通路22の外径側をトリムするときには、複数の入口案内翼31をインペラ21に相対的に接近した位置に位置付けることができる。その結果、複数の入口案内翼31でカットされた主流Fがインペラ21へと到達する前に吸気通路22の内壁11aに再付着して、結果的にインペラ21へと供給される流量が低減されないことを抑制することができる。また、複数の入口案内翼31でカットされた主流Fが内壁11aの付近で逆流してしまうことを抑制することができる。また、複数の入口案内翼31が第1位置51から回動し、主流Fに旋回力を付与するときには、複数の入口案内翼31がインペラ21に対して接近しすぎないようにして、主流Fに対して適切な旋回力を付与することができる。

0053

なお、図2に示した実施形態にかかる遠心圧縮機10において、複数の入口案内翼31の回転軸3の軸方向における位置は、インペラ21へと供給される流体へと適切な旋回力を与えることができ、かつ、複数の入口案内翼31が第1位置51に位置付けられたときにインペラ21へと供給される流量を十分に低減でき、カットされた主流Fの逆流を防止することができる位置であればよい。

0054

1ターボチャージャ
2タービン
3回転軸
10,100遠心圧縮機
11ケーシング
11a内壁
11b外壁
11c 溝部
11d 一端
11e 他端
20圧縮部
21インペラ
21aインペラホイール
21b羽根
21c 入口
21d 最内径部
22吸気通路
22a吸引口
23ディフューザ
30流量調整装置
31入口案内翼
311翼本体
311a翼根
311b 翼頂
311c翼面
312台座
313支持軸
32駆動機構
32aステータリング
32bリンク機構
33アクチュエータ
34 制御部
51 第1位置
52 第2位置

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