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技術 ブレースおよびブレース取付構造

出願人 株式会社B&B技術事務所
発明者 角屋治克
出願日 2018年3月1日 (1年11ヶ月経過) 出願番号 2018-036191
公開日 2019年9月12日 (5ヶ月経過) 公開番号 2019-151987
状態 未登録
技術分野 建築構造の接合一般 異常な外部の影響に耐えるための建築物
主要キーワード 取付位置間 首折れ 固定形式 伸縮範囲 スペーサーリング 棒状鋼材 加力点 ピンボルト
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年9月12日)のものです。
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図面 (12)

課題

ブレース全長寸法調整と、設置後の張力導入が可能なピン接合形式圧縮ブレースあるいは座屈拘束ブレースとその取付構造を提供する。

解決手段

ガセットプレートとの接合に供される端部の接合部材とブレース本体との間に設けられる伸縮部4は、ボルト本体5と一対の円筒雌ねじ部材6a,6bと筒状部材8を備えたものである。ボルト本体5は、中央の六角形状からなる鍔状突出部51の左側部分と右側部分が、それぞれ右ねじ部52aと左ねじ部52bに形成され、それらの雄ねじ部52a,52bに対して、一対の円筒状雌ねじ部材6a,6bが螺合している。鍔状突出部51と突起部82が嵌合していることにより、筒状部材8を回転すると、ボルト本体5も同じ方向に回転し、互いにねじ部の向きが異なる一対の円筒状雌ねじ部材6a,6bがその回転方向に応じて離反または近接するように変位する。

概要

背景

従来、鉄骨建造物補強に使用されるブレースの種類としては、引張ブレース、圧縮ブレースおよび座屈拘束ブレースがある。引張ブレースは、鋼材の長所を有効に活用したものであり、断面の小さい鋼材でも大きな抵抗力を有することから、中小規模の鉄骨建造物に多く使用されている。一方、圧縮ブレースは、ブレース本体(鋼材)の座屈強度に基づいてその性能が決定されるものであるが、ブレース本体の端部に接合された接合部材鉄骨架構側のガセットプレートとの接合条件ピン接合または固定接合)の違いにより座屈強度が異なる。

図10(a),(b)は、圧縮ブレースのピン接合形式の一例であって、それぞれ正面図と平面図を示している。この場合、ブレース本体として使用する円形鋼管10の両端部には、クレビスと称される二股状の接合部材11が結合され、ガセットプレート12側の挿通孔と、接合部材11側の挿通孔11aを一致した状態でピンボルト13を挿入してナット14を螺着することにより、ガセットプレート12に対して回転可能に接合される。図11は、同じくブレース本体に円形鋼管10を用いた圧縮ブレースの固定接合形式の一例であり、円形鋼管10の両端部に接合した複数の挿通孔15aを有する断面十字状の接合部材15とガセットプレート16とを複数の高力ボルト剛接合するものである。この種の圧縮ブレースは、大規模建造物既存建物耐震補強などに利用されている。

さらに、座屈拘束ブレースは、引張ブレースと圧縮ブレースの両方の特長を備えるもので、引張ブレース材ブレース芯材)の座屈を防ぐ手段として座屈拘束鋼管と呼ばれる鋼管を用い、引張ブレース材の外周を覆うことで、ブレース芯材の座屈によるブレース耐力の低下を防ぐ構造になっている。

ところで、圧縮力を負担する上記構成からなる圧縮ブレースと座屈拘束ブレースでは、施工性、生産性補強性能などの面で以下のような問題点が存在する。
(1)鉄骨建方作業において、ブレースの取付位置間での寸法精度にばらつきが大きいため、作業性があまりよくない。
(2)図11のような高力ボルトによる固定接合では、多数のボルト挿通孔を必要とすることから、接合部材やガセットプレートにおいて挿通孔間の寸法にばらつきが生じやすく、施工性の低下につながる。
(3)ブレース取付位置での原寸法を確認してからでないと、ブレースを製作することができないため、生産性が悪い。
(4)ブレースに加工する前の段階で鋼材自体に変形や撓みが生じているため、ブレースに加工された後においても撓みが解消されない。
(5)ブレースの取付後において、ブレース自身の重量で撓みが発生し、ブレースが撓んだ状態になり修正ができない。
(6)ブレース自体の製作誤差、ガセットプレートの製作誤差、溶接で発生する誤差などに対して対応しにくい構造である。
(7)圧縮力を受けるブレースは、ブレースの端部、特に下端部側に圧縮曲げ破壊や局部的座屈破壊首折れ現象等が生じやすい。

上記問題点のうち特に(1)〜(3)に関しては、その解決手段として、ブレース全体の長さ調整を可能にした座屈拘束ブレースが提案されている(特許文献1)。

概要

ブレース全長寸法調整と、設置後の張力導入が可能なピン接合形式の圧縮ブレースあるいは座屈拘束ブレースとその取付構造を提供する。ガセットプレートとの接合に供される端部の接合部材とブレース本体との間に設けられる伸縮部4は、ボルト本体5と一対の円筒雌ねじ部材6a,6bと筒状部材8を備えたものである。ボルト本体5は、中央の六角形状からなる鍔状突出部51の左側部分と右側部分が、それぞれ右ねじ部52aと左ねじ部52bに形成され、それらの雄ねじ部52a,52bに対して、一対の円筒状雌ねじ部材6a,6bが螺合している。鍔状突出部51と突起部82が嵌合していることにより、筒状部材8を回転すると、ボルト本体5も同じ方向に回転し、互いにねじ部の向きが異なる一対の円筒状雌ねじ部材6a,6bがその回転方向に応じて離反または近接するように変位する。

目的

本発明は、上記従来技術の課題を解決するために創出されたもので、ブレース全体の長さ調整を容易に行うことができ、しかも設置後においても張力の導入が可能なブレースとその取付構造の提供を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

鉄骨柱鉄骨梁骨組みとする鉄骨架構矩形架構面に取り付けたガセットプレート接合される端部の接合部材ブレース本体との間に伸縮部を設けたブレースであって、前記伸縮部は、鍔状突出部の両側が右ねじ左ねじに形成されているボルト本体と、このボルト本体の左右の雄ねじ部に対して一端側で螺合し他端側がそれぞれ前記ブレース本体と前記接合部材に結合される一対の円筒雌ねじ部材と、前記ボルト本体の鍔状突出部に内周面突起部が掛合した状態で該ボルト本体と前記一対の円筒状雌ねじ部材に外嵌される筒状部材とを備え、該筒状部材の回転操作により内部のボルト本体を回転して一対の円筒状雌ねじ部材を近接または離反させる構成であることを特徴とするブレース。

請求項2

前記伸縮部の鍔状突出部が、前記ボルト本体の中間部分に螺着されたナットであることを特徴とする請求項1記載のブレース。

請求項3

前記伸縮部のナットが、前記筒状部材の突起部に被さる大きさのロックナット軸心方向の両側から挟持されていることを特徴とする請求項2記載のブレース。

請求項4

前記ブレース本体が、円形鋼管からなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のブレース。

請求項5

前記ブレース本体が、複数のスペーサーリング長手方向に所定の間隔で設けた棒鋼と、この棒鋼を前記スペーサーリングにより周囲に間隙を残して内部に収容する円形鋼管からなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のブレース。

請求項6

鉄骨柱と鉄骨梁を骨組みとする鉄骨架構の矩形状架構面の対角位置に設けた上下のガセットプレートに請求項1ないし5に記載のブレースの両端部をピン接合したブレース取付構造であって、前記ブレースの伸縮部が、下方のガセットプレートの近傍に配置されることを特徴とするブレース取付構造。

技術分野

0001

本発明は、鉄骨建造物補強に使用する鋼製ブレースとその設置形態係り、より詳しくは、圧縮力の負担に優れるとともに、ブレース全長寸法調整が容易で張力の導入も可能なブレースとその取付構造に関するものである。

背景技術

0002

従来、鉄骨建造物の補強に使用されるブレースの種類としては、引張ブレース、圧縮ブレースおよび座屈拘束ブレースがある。引張ブレースは、鋼材の長所を有効に活用したものであり、断面の小さい鋼材でも大きな抵抗力を有することから、中小規模の鉄骨建造物に多く使用されている。一方、圧縮ブレースは、ブレース本体(鋼材)の座屈強度に基づいてその性能が決定されるものであるが、ブレース本体の端部に接合された接合部材鉄骨架構側のガセットプレートとの接合条件ピン接合または固定接合)の違いにより座屈強度が異なる。

0003

図10(a),(b)は、圧縮ブレースのピン接合形式の一例であって、それぞれ正面図と平面図を示している。この場合、ブレース本体として使用する円形鋼管10の両端部には、クレビスと称される二股状の接合部材11が結合され、ガセットプレート12側の挿通孔と、接合部材11側の挿通孔11aを一致した状態でピンボルト13を挿入してナット14を螺着することにより、ガセットプレート12に対して回転可能に接合される。図11は、同じくブレース本体に円形鋼管10を用いた圧縮ブレースの固定接合形式の一例であり、円形鋼管10の両端部に接合した複数の挿通孔15aを有する断面十字状の接合部材15とガセットプレート16とを複数の高力ボルト剛接合するものである。この種の圧縮ブレースは、大規模建造物既存建物耐震補強などに利用されている。

0004

さらに、座屈拘束ブレースは、引張ブレースと圧縮ブレースの両方の特長を備えるもので、引張ブレース材ブレース芯材)の座屈を防ぐ手段として座屈拘束鋼管と呼ばれる鋼管を用い、引張ブレース材の外周を覆うことで、ブレース芯材の座屈によるブレース耐力の低下を防ぐ構造になっている。

0005

ところで、圧縮力を負担する上記構成からなる圧縮ブレースと座屈拘束ブレースでは、施工性、生産性補強性能などの面で以下のような問題点が存在する。
(1)鉄骨建方作業において、ブレースの取付位置間での寸法精度にばらつきが大きいため、作業性があまりよくない。
(2)図11のような高力ボルトによる固定接合では、多数のボルト挿通孔を必要とすることから、接合部材やガセットプレートにおいて挿通孔間の寸法にばらつきが生じやすく、施工性の低下につながる。
(3)ブレース取付位置での原寸法を確認してからでないと、ブレースを製作することができないため、生産性が悪い。
(4)ブレースに加工する前の段階で鋼材自体に変形や撓みが生じているため、ブレースに加工された後においても撓みが解消されない。
(5)ブレースの取付後において、ブレース自身の重量で撓みが発生し、ブレースが撓んだ状態になり修正ができない。
(6)ブレース自体の製作誤差、ガセットプレートの製作誤差、溶接で発生する誤差などに対して対応しにくい構造である。
(7)圧縮力を受けるブレースは、ブレースの端部、特に下端部側に圧縮曲げ破壊や局部的座屈破壊首折れ現象等が生じやすい。

0006

上記問題点のうち特に(1)〜(3)に関しては、その解決手段として、ブレース全体の長さ調整を可能にした座屈拘束ブレースが提案されている(特許文献1)。

先行技術

0007

特許第5506744号公報(図1〜3、段落0032等参照)

発明が解決しようとする課題

0008

上記従来例の座屈拘束ブレースは、棒状または管状からなる一対のブレース芯材の雌ねじ部に、ブレース芯材よりも断面積の小さい棒状鋼材の両端の雄ねじ部を螺合して直線状(同軸状)に連結し、中間に位置する棒状鋼材を回転させることにより、ブレース全体の長さ調整を行う構造である。しかしながら、これら一対のブレース芯材を連結する棒状鋼材は、ガセットプレートにブレースの両端部を接合した状態では座屈拘束管の内部に隠れるため、ブレースの設置後にあっては、そのターンバックル機能を利用して撓みの解消や張力の導入が困難である。このため、上記従来技術の座屈拘束ブレースでは、上記問題点(4)〜(6)に対しては有効でないという問題点があった。

0009

本発明は、上記従来技術の課題を解決するために創出されたもので、ブレース全体の長さ調整を容易に行うことができ、しかも設置後においても張力の導入が可能なブレースとその取付構造の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0010

上記課題を解決するため、本願の請求項1に係る発明は、鉄骨柱鉄骨梁骨組みとする鉄骨架構の矩形架構面に取り付けたガセットプレートに接合される端部の接合部材とブレース本体との間に伸縮部を設けたブレースにおいて、伸縮部が、鍔状突出部の両側に右ねじ左ねじを形成したボルト本体と、このボルト本体の左右の雄ねじ部に対して一端側で螺合し他端側がそれぞれブレース本体と接合部材に結合される一対の円筒雌ねじ部材と、ボルト本体の鍔状突出部に内周面突起部が掛合した状態でボルト本体と一対の円筒状雌ねじ部材に外嵌される筒状部材とを備え、筒状部材の回転操作により内部のボルト本体を回転して一対の円筒状雌ねじ部材を近接または離反させるという技術手段を採用した点に特徴がある。

0011

このような構成によれば、端部に位置する接合部材と中間に位置するブレース本体との間に設けた伸縮部において、筒状部材を適宜の方向に回転すると、筒状部材の内部に挿入されているボルト本体が、筒状部材内面の突起部に対して鍔状突出部が掛合していることにより、同じ方向に回転させられる。このボルト本体の回転により、他端側にブレース本体あるいは接合部材が結合された状態でボルト本体中央の鍔状突出部の両側に螺合している一対の円筒状雌ねじ部材は、ボルト本体の軸心に沿って近接または離反する方向に変位される。斯かる回転操作でブレースの一部を伸縮させ、全体の長さを簡単に調節することができるので、施工現場での作業性が良好である。さらに、ブレース端部の接合部材をガセットプレートに結合してブレースを所定位置に設置した後、伸縮部の筒状部材を適宜方向に回転することにより、一対の円筒状雌ねじ部材を互いに近接する方向に変位させ、ブレース本体に対して確実に張力を導入することができる。

0012

本発明に係るブレースの他の構成としては、上記構成における伸縮部について、鍔状突出部をボルト本体の中間部分に螺着したナットとする形態(請求項2)、前記ナットが筒状部材の突起部に被さる大きさのロックナット軸心方向の両側から挟持されている形態(請求項3)とすることができる。また、上記構成におけるブレース本体に関しては、円形鋼管のみによる圧縮ブレースとした形態(請求項4)、複数のスペーサーリング長手方向に所定の間隔で設けた棒鋼をそのスペーサーリングにより周囲に間隙を残して円形鋼管の内部に収容した座屈拘束ブレースの形態(請求項5)にすることも可能である。さらに、これら請求項1ないし5に記載のブレースの取付構造として、鉄骨柱と鉄骨梁を骨組みとする鉄骨架構の矩形状架構面の対角位置に設けた上下のガセットプレートにブレースの両端部をピン接合する際に、ブレースの伸縮部が、下方のガセットプレートの近傍に配置される形態(請求項6)としてもよい。

発明の効果

0013

本発明に係るブレースとその取付構造では、上記構成を採用することにより、以下のような効果が得られる。
(1)本発明に係るブレースは、接合部材とブレース本体の間に設けた伸縮部が、ボルト本体と筒状雌ねじ部材螺合構造を利用しているから、ブレース全体の長さ寸法の調整を広い範囲で簡単に行うことができ、さらにガセットプレートに対してはピン接合を行うため、施工性が良好である。
(2)本発明に係るブレースは、伸縮部において外部に露出している筒状部材の回転操作により、内部に配置された一対の円筒状雌ねじ部材をボルト本体の軸心方向に沿って変位させるので、ブレースがガセットプレートに取り付けられた状態であっても、筒状部材を適宜の方向に回転することでブレース本体に対して確実に張力を導入することが可能になる。
(3)鉄骨架構の矩形状架構面の対角位置にある上下のガセットプレートにブレースの両端部をピン接合する際に、ブレースの伸縮部が下方のガセットプレートの近傍に配置されるような取付構造にすれば、圧縮力を受けるブレースとして使用したとき、ブレースの下端部で圧縮曲げ破壊や局部的座屈破壊、首折れ現象等が懸念される場合であっても、伸縮部に存在する筒状部材(円形鋼管)によりボルト本体の座屈を有効に回避し、ブレースの下部での曲げ破壊や座屈による耐力低下を防ぐことが可能となる。

図面の簡単な説明

0014

(a)〜(c)は、それぞれ本発明のブレースの第1実施形態に係る平面図、正面図および部分断面図である。
(a)〜(c)は、それぞれ本発明の要部である伸縮部の部分断面図、正面図および右側面図である。
図2に示した伸縮部で使用する筒状部材の斜視図である。
図2の伸縮部の伸縮範囲について、(a)は最小長さの状態、(b)は最大長さの状態を示した部分断面図である。
図1の第1実施形態に係るブレースの施工において、ガセットプレートとの結合方法を示した正面図である。
図5の次の工程として、ブレース本体に張力を導入する方法を示した正面図である。
圧縮ブレースまたは座屈拘束ブレースに圧縮力が作用したときの理想的な圧縮曲げ変形状態を示した説明図である。
ブレースに圧縮力が作用することにより上部の加力点が下方に移動したときの挙動を示した説明図である。
(a)〜(c)は、それぞれ本発明のブレースの第2実施形態に係る平面図、正面図および部分断面図である。
(a)および(b)は、ピン接合に使用する圧縮ブレースの従来例を示した正面図と平面図である。
固定接合に使用する圧縮ブレースの従来例を示した正面図である。

実施例

0015

以下、図面を参照しながら本発明に係るブレースとその取付構造の実施形態について説明する。図1(a)〜(c)は、本発明によるブレースの第1実施形態に係る平面図、正面図および部分断面図である。図1(a)〜(c)に示すブレース1は、ブレース本体2が円形鋼管からなる圧縮ブレースである。ブレース本体2の一方の端部に結合される接合部材3aは、円形鋼管2の端面に溶接された円板部21の反対側の端面に対して2枚1組のプレート材30を溶接したものである。2枚1組のプレート材30からなる接合部材3aは、挿通孔を有するガセットプレートが対向面間に挿入可能な間隔で並設され、それぞれのプレート材30にピンボルトの挿通孔31が互いの軸心を合わせて形成されている。また、ブレース本体2の他方の端部には、後述する伸縮部4を介して同様な接合部材3bが溶接により結合されている。なお、伸縮部4とブレース本体2(円形鋼管)の他方の端部との結合手段も同様に溶接によるものである。これらの接合部材3a, 3bは、一般的にクレビスと称されている二股状の継手金物が使用される。

0016

図2(a)〜(c)は、伸縮部4を拡大した部分断面図、正面図および側面図である。伸縮部4は、ボルト本体5と一対の円筒状雌ねじ部材6a,6bと一対のロックナット7a,7bと筒状部材8で構成されている。ボルト本体5は、中央に位置する六角形状の鍔状突出部51の左側部分と右側部分が、それぞれ右ねじ部52aと左ねじ部52bに形成され、それらの右ねじ部52aと左ねじ部52bに対して、一対の円筒状雌ねじ部材6a,6bと、一対のロックナット7a,7bがそれぞれ螺合している。一対の円筒状雌ねじ部材6a,6bは、円形ナットあるいは高ナットとも称され、いずれも雌ねじが全長に渡って設けられ、全体が円筒状を成している。部分断面で示した図2(a)から明らかなように、鍔状突出部51はボルト本体5に螺合した六角ナットであり、その両側に配置される一対のロックナット7a,7bよりも小さい寸法のものが使用されている。

0017

ボルト本体5の両端側に螺合した一対の円筒状雌ねじ部材6a,6bに跨って外嵌される筒状部材8は、図3単体の状態で示したように、円筒の中央部に六角形状の貫通孔81を有する突起部82が形成されたものである。このような筒状部材8は、例えば別部品として製造した円板状の突起部82を円形鋼管内部の所定位置に溶接するなどして製造することができる。そして、図2(a)に示したように、この突起部82の貫通孔81にボルト本体5の鍔状突出部51が嵌合し、貫通孔81よりもやや大きい寸法の一対のロックナット7a,7bが突起部82に対して被さるような状態で両側から鍔状突出部51を挟持し、その位置を固定している。このような内部構造により、筒状部材8を回転すると、内部にあるボルト本体5も同じ方向に回転し、互いにねじ部の向きが異なる一対の円筒状雌ねじ部材6a,6bが、その回転方向に応じてボルト本体5の軸心に沿って離反または近接する方向に変位する。図4は、上記伸縮部4の伸縮範囲について、最小長さの状態(a)と、最大長さの状態(b)を示した部分断面図である。

0018

図5は、図1の第1実施形態に係るブレースの施工方法を示した正面図である。まず、鉄骨柱90と鉄骨梁91で構成される鉄骨架構の矩形状架構面9の対角位置に溶接されている上部ガセットプレート92に対して、第1実施形態のブレース1の一端側にある接合部材3aの挿通孔とガセットプレート92の挿通孔とを一致させた状態でピンボルト93を挿通し、反対側からのナットの螺合によりブレース1の上部を仮固定する。ピンボルト93でブレース1を吊り下げた状態において、伸縮部4の筒状部材8(円形鋼管)を回転してブレース1の長さを調整する。そして、ブレース1の他端側(下部側)にある接合部材3bの挿通孔と下部ガセットプレート94の挿通孔95の位置が一致した位置でピンボルト93を挿入し、反対側からのナットの締め付けると、ブレース1の取付けが完了する。

0019

次に、図6に示すように、筒状部材8を所定の方向に回転させると、一対の円筒状雌ねじ部材6a,6b間の距離が狭まり、ブレース本体2に所望の引張軸力が導入されるので、ブレース本体2の撓み等を解消させることができる。このようにして取り付けられる本発明のブレース取付構造では、上下のガセットプレート92,94とブレース1の接合部材3a,3bとがピン接合形式となるため、ブレース1が圧縮応力を負担したときに生じる圧縮曲げ変形を、柱梁で囲まれた構造面内の変形に限定させ、外壁等の破損を防ぐことができる。また、引張力が働くときは、高力ボルトによる固定形式と異なり、ブレース本体2のピン間が直線的になるので、接合部材3a,3bが引張力によって曲げ変形等の応力集中を受けにくくなる。

0020

図7は、圧縮ブレースまたは座屈拘束ブレースに圧縮力が作用したときの理想的な圧縮曲げ変形状態を示した説明図である。図8は、実際の建築物でブレースに圧縮力が作用したとき、ブレース上部の加力点が下方に移動する挙動を示したものであり、特にブレースの下部には、過大な曲げ変形の発生と鉛直方向の圧縮力が加わり、曲げ破壊や局部的な座屈が発生しやすい状況になっている。そこで、図5,6に示した施工例のように、ブレース1の伸縮部4を下部ガセットプレート94側に配置されるように取り付けた場合には、筒状部材8(円形鋼管)の内周面に設けられている六角形状の貫通孔81に対してボルト本体5の鍔状突出部51(六角ナット)が嵌合した状態になっていることにより、筒状部材8によるボルト本体5の座屈拘束機能が十分に発揮され、ブレース1の下部での曲げ破壊や座屈による耐力低下を防止する。

0021

図9(a)〜(c)は、本発明によるブレースの第2実施形態に係る平面図、正面図および部分断面図である。なお、第1実施形態と同じ部分は同一符号で示し、重複する説明を省略する。図示のブレース1Aにおいて、ブレース本体2Aは、ブレース芯材としての棒鋼20に複数のスペーサーリング21を長手方向に所定の間隔で設け、この棒鋼20をスペーサーリング21により棒鋼20の周囲に間隙を残して円形鋼管22の内部に収容した構成である。このブレース1Aは、座屈拘束ブレースに区分されるものである。棒鋼20の両端部分には雄ねじ部20a,20bが形成され、それぞれ伸縮部4の一方の円筒状雌ねじ部材60a,60bと螺合している。この場合、端部の接合部材3に対して反対側に位置する円筒状雌ねじ部材60a,60bは、ボルト本体5の雄ねじ部と棒鋼20の雄ねじ部20a,20bの両方と螺合するため、第1実施形態のものより長く形成されている。この実施形態では、ブレース本体2Aの両側に伸縮部4が設けられているので、ブレース全長の調整範囲をさらに拡大することができる。

0022

以上、実施形態に基づいて本発明の構成とその作用効果について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、接合部材にクレビス以外のものを使用することは可能であり、ブレースの端部の一方は、鉄骨柱と鉄骨梁の交差部ではなく、鉄骨柱とその下端に接合されるベースプレートに跨って設けられたガセットプレートに接合するなど、この発明の技術思想内での種々の変更実施はもちろん可能である。また、上記各実施形態では、主として圧縮力を負担する圧縮ブレースおよび座屈拘束ブレースを対象に説明したが、引張ブレースとしての使用も可能である。

0023

本発明のブレースおよびその取付構造は、接合部材とブレース本体の間に設けた伸縮部の筒状部材の回転により、ブレース全長の寸法調整と張力導入が可能となることから、鉄骨建造物等の補強用ブレースとしての利用のさらなる展開が期待される。

0024

1,1A:ブレース、2,2A,10:ブレース本体、3,3a,3b,11,15:接合部材、4:伸縮部、5:ボルト本体、6a,6b,60a,60b:円筒状雌ねじ部材、7a,7b:ロックナット、8:筒状部材、9:矩形状架構面、11a,15a,31,95:挿通孔、12,16,92,94:ガセットプレート、20:ブレース芯材、21:スペーサー、22:円形鋼管(座屈拘束管)、51:鍔状突出部、81:貫通孔、82:突起部、90:柱、91:梁、93:ピンボルト

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