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技術 蒸着マスク装置の製造方法、基板付蒸着マスクおよび積層体

出願人 大日本印刷株式会社
発明者 関謙太朗島崎洋山田淳一奥田透
出願日 2019年6月11日 (10ヶ月経過) 出願番号 2019-108973
公開日 2019年9月12日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-151936
状態 未査定
技術分野 物理蒸着 エレクトロルミネッセンス光源
主要キーワード Ni合金製 無孔領域 固着箇所 略四角形形状 有孔領域 接着剤塗布器 帯状形状 ガラス製基材
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年9月12日)のものです。
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図面 (12)

課題

蒸着マスクに対して適切な値の張力を付与することができる蒸着マスク装置の製造方法を提供する。

解決手段

蒸着マスク装置の製造方法は、基板1と蒸着マスク20を有する基板付蒸着マスク20Aと、フレーム15とを積層してなる積層体10Aを作製する工程と、この積層体10Aを熱制御盤70上で加熱し、この状態で基板付蒸着マスク20Aをフレーム15に固着する工程と、積層体10Aを室温まで冷却させる工程とを備えている。フレーム15の熱膨張係数は基板1および蒸着マスク20の熱膨張係数より小さく、このため基板付蒸着マスク20Aに張力が付与される。

概要

背景

従来、所望のパターンで配列された貫通孔を含む蒸着マスクを用い、所望のパターンで薄膜を形成する方法が知られている。そして、昨今においては、例えば有機EL表示装置の製造時において有機材料基板上に蒸着する場合等、極めて高価な材料を成膜する際に蒸着が用いられることがある。なお、蒸着マスクは、一般的に、フォトリソグラフィー技術を用いたエッチングによって金属板に貫通孔を形成することにより、製造され得る(例えば、特許文献1)。

概要

蒸着マスクに対して適切な値の張力を付与することができる蒸着マスク装置の製造方法を提供する。蒸着マスク装置の製造方法は、基板1と蒸着マスク20を有する基板付蒸着マスク20Aと、フレーム15とを積層してなる積層体10Aを作製する工程と、この積層体10Aを熱制御盤70上で加熱し、この状態で基板付蒸着マスク20Aをフレーム15に固着する工程と、積層体10Aを室温まで冷却させる工程とを備えている。フレーム15の熱膨張係数は基板1および蒸着マスク20の熱膨張係数より小さく、このため基板付蒸着マスク20Aに張力が付与される。

目的

本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、蒸着マスクをめっき処理により形成することができ、かつ蒸着マスクに対して容易かつ確実に適切な値の張力を付与し、めっき(応力)によるトータルピッチの変動を抑制することができる蒸着マスク装置の製造方法、基板付蒸着マスク及び積層体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

基板上に、有孔領域と、この有孔領域を囲む無孔領域とを有する蒸着マスクをめっき処理により形成して平行に配置された帯状形状をもつ複数の基板付蒸着マスクを作製するとともに、各基板付蒸着マスクの蒸着マスクは連続して配置された複数の有孔領域を有する工程と、各基板付蒸着マスクの蒸着マスクの各々の有孔領域に対応する開口を有し、各基板付蒸着マスクの基板および蒸着マスクのいずれより小さい熱膨張係数をもつ材料からなるフレームを準備する工程と、各基板付蒸着マスクとフレームを蒸着マスクがフレーム側を向くようにして互いに積層して積層体を作製する工程と、積層体を熱制御盤上で室温よりも高温に加熱し、各基板付蒸着マスクの蒸着マスクの無孔領域をフレームに対して固着する工程と、積層体を室温に戻すことにより各基板付蒸着マスクの蒸着マスクに対して張力を付与する工程と、積層体から各基板付蒸着マスクの基板をエッチングにより除去する工程と、を備えたことを特徴とする蒸着マスク装置の製造方法。

請求項2

各基板付蒸着マスクの基板はガラス基板と、ガラス基板上に設けられた導電膜とを有することを特徴とする請求項1記載の蒸着マスク装置の製造方法。

請求項3

各基板付蒸着マスクの基板は金属基板を有することを特徴とする請求項1記載の蒸着マスク装置の製造方法。

請求項4

各基板付蒸着マスクの蒸着マスクの無孔領域は、フレームに対して熱硬化性樹脂により固着されることを特徴とする請求項1記載の蒸着マスク装置の製造方法。

請求項5

各基板付蒸着マスクの蒸着マスクの無孔領域は、フレームに対してレーザ光照射により溶着されて固着されることを特徴とする請求項1記載の蒸着マスク装置の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、蒸着マスクに対して適切な値の張力を付与することができる蒸着マスク装置を製造する方法、基板付蒸着マスクおよび積層体に関する。

背景技術

0002

従来、所望のパターンで配列された貫通孔を含む蒸着マスクを用い、所望のパターンで薄膜を形成する方法が知られている。そして、昨今においては、例えば有機EL表示装置の製造時において有機材料を基板上に蒸着する場合等、極めて高価な材料を成膜する際に蒸着が用いられることがある。なお、蒸着マスクは、一般的に、フォトリソグラフィー技術を用いたエッチングによって金属板に貫通孔を形成することにより、製造され得る(例えば、特許文献1)。

先行技術

0003

特開2004−39319号公報

発明が解決しようとする課題

0004

このような構成からなる蒸着マスクは、金属材料等からなるフレーム接着され、このようにして蒸着マスクとフレームとからなる蒸着マスク装置が得られる。ところで、フレームに対して蒸着マスクを接着させる際、フレーム上で蒸着マスクを位置決めし、物理的に蒸着マスクに対して張力を付与した上で接着している。

0005

他方、蒸着マスクをめっき処理により作製することも考えられているが、この場合もフレームに蒸着マスクを接着する際蒸着マスクに張力を均一に付与する作業は容易ではない。まためっきマスクは、箔単独にした場合、めっき内部応力のばらつきによりトータルピッチが大きく変動し、大型ディスプレイや小型高精細ディスプレイに用いることができない。このため過去からめっきマスク自体は存在するが実用例が極めて少ない。

0006

本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、蒸着マスクをめっき処理により形成することができ、かつ蒸着マスクに対して容易かつ確実に適切な値の張力を付与し、めっき(応力)によるトータルピッチの変動を抑制することができる蒸着マスク装置の製造方法、基板付蒸着マスク及び積層体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、基板上に、有孔領域と、この有孔領域を囲む無孔領域とを有する蒸着マスクをめっき処理により形成して基板付蒸着マスクを作製する工程と、蒸着マスクの有孔領域に対応する開口を有し、基板および蒸着マスクのいずれより小さい熱膨張係数をもつ材料からなるフレームを準備する工程と、基板付蒸着マスクとフレームを蒸着マスクがフレーム側を向くようにして互いに積層して積層体を作製する工程と、積層体を熱制御盤上で室温よりも高温に加熱し、蒸着マスクの無孔領域をフレームに対して固着する工程と、積層体を室温に戻すことにより蒸着マスクに対して張力を付与する工程と、積層体から基板を除去する工程と、を備えたことを特徴とする蒸着マスク装置の製造方法である。

0008

本発明は、基板はガラス基板と、ガラス基板上に設けられた導電膜とを有することを特徴とする蒸着マスク装置の製造方法である。

0009

本発明は、基板は金属基板を有することを特徴とする蒸着マスク装置の製造方法である。

0010

本発明は、蒸着マスクの無孔領域は、フレームに対して熱硬化性樹脂により固着されることを特徴とする蒸着マスク装置の製造方法である。

0011

本発明は、蒸着マスクの無孔領域は、フレームに対してレーザ光照射により溶着されて固着されることを特徴とする蒸着マスク装置の製造方法である。

0012

本発明は、基板は積層体から剥離により除去されることを特徴とする蒸着マスク装置の製造方法である。

0013

本発明は、基板は積層体から剥離またはエッチングにより除去されることを特徴とする蒸着マスク装置の製造方法である。

0014

本発明は、基板と、基板上にめっき処理されて形成され、有孔領域と、この有孔領域を囲む無孔領域とを有する蒸着マスクとを有する基板付蒸着マスクと、基板付蒸着マスクの蒸着マスク上に積層され、蒸着マスクの有孔領域に対応する開口を有し、基板および蒸着マスクのいずれより小さい熱膨張係数をもつ材料からなるフレームとを備えたことを特徴とする積層体である。

0015

本発明は、基板と、基板上にめっき処理されて形成され、有孔領域と、この有孔領域を囲む無孔領域とを有する蒸着マスクとを備えたことを特徴とする基板付蒸着マスクである。

発明の効果

0016

本発明によれば、蒸着マスクをめっき処理により形成することができ、かつ蒸着マスクに対して適切な値の張力を確実に付与し、めっき(応力)によるトータルピッチの変動を抑制することができる蒸着マスク装置を製造することができる。

図面の簡単な説明

0017

図1は、本発明の実施の形態を説明するための図であって、蒸着マスクを含む蒸着マスク装置の製造方法を示す概略斜視図である。
図2は、本発明の実施の形態を説明するための図であって、蒸着マスクを含む蒸着マスク装置の製造方法を示す概略斜視図である。
図3は、本発明の実施の形態を説明するための図であって、蒸着マスクを含む蒸着マスク装置の製造方法を示す概略斜視図である。
図4は、本発明の実施の形態を説明するための図であって、蒸着マスクを含む蒸着マスク装置の製造方法を示す概略斜視図である。
図5は、蒸着マスクを含む蒸着マスク装置を示す概略斜視図である。
図6は、蒸着マスク装置を用いて蒸着する方法を説明するための図である。
図7は、基板付蒸着マスクを示す斜視図である。
図8(a)〜(d)は、蒸着マスク装置の製造方法を示す図である。
図9は、本発明の変形例を示すための図であって、基板付き蒸着マスクを示す概略斜視図である。
図10(a)(b)(c)(d)は、本発明の変形例を示すための図であって、蒸着マスクを含む蒸着マスク装置の製造方法を示す図である。
図11(a)(b)(c)(d)は、本発明の変形例を示すための図であって、蒸着マスクを含む蒸着マスク装置の製造方法を示す図である。

実施例

0018

発明の実施の形態
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。

0019

図1図11は本発明による実施の形態およびその変形例を説明するための図である。
以下の実施の形態およびその変形例では、有機ELディスプレイ装置を製造する際に有機発光材料を所望のパターンでガラス基板上にパターニングするために用いられる蒸着マスク装置の製造方法を例にあげて説明する。ただし、このような適用に限定されることなく、種々の用途に用いられる蒸着マスク装置および蒸着マスク装置の製造方法に対し、本発明を適用することができる。

0020

なお、本明細書において、「板」、「シート」、「フィルム」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「板」はシートやフィルムと呼ばれ得るような部材も含む概念であり、したがって、「金属板」は、「金属シート」や「金属フィルム」と呼ばれる部材と呼称の違いのみにおいて区別され得ない。

0021

また、「板面(シート面、フィルム面)」とは、対象となる板状(シート状、フィルム状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となる板状部材シート状部材フィルム状部材)の平面方向と一致する面のことを指す。また、板状(シート状、フィルム状)の部材に対して用いる法線方向とは、当該部材の板面(シート面、フィルム面)に対する法線方向のことを指す。

0022

さらに、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。

0023

まず、本実施の形態による蒸着マスクの製造方法により製造され得る蒸着マスクを含む蒸着マスク装置の一例について、主に図1乃至図5を参照して説明する。ここで、図1乃至図3は、蒸着マスクを含む蒸着マスク装置の製造方法を示す斜視図である。また蒸着マスク装置は図4に示されている。

0024

図4に示された蒸着マスク装置10は、矩形状の金属板からなる複数の蒸着マスク20と、各蒸着マスク20が接着され、この蒸着マスク20が保持されるフレーム15と、を備えている。各蒸着マスク20は、第1面21aおよび第1面21aとは反対側の第2面21bを有する金属板21を備え、この金属板21には、第1面21aと第2面21bとの間を延びる複数の貫通孔25が形成されている。この蒸着マスク装置10は、図6に示すように、蒸着マスク20がガラス基板92に対面するようにして、蒸着装置90内に支持される。そして、不図示の磁石によって、蒸着マスク20とガラス基板92とが密着するように付勢される。
蒸着装置90内には、この蒸着マスク装置10を挟んだガラス基板92の下方に、蒸着材料(一例として、有機発光材料)98を収容するるつぼ94と、るつぼ94を加熱するヒータ96とが配置されている。るつぼ94内の蒸着材料98は、ヒータ96からの加熱により、気化または昇華してガラス基板92の表面に付着するようになる。上述したように、蒸着マスク20には多数の貫通孔25が形成されており、蒸着材料98はこの貫通孔25を介してガラス基板92に付着する。この結果、蒸着マスク20の貫通孔25の位置に対応した所望のパターンで、蒸着材料98がガラス基板92の表面に成膜される。

0025

図1乃至図5に示すように、本実施の形態において、蒸着マスク20は、めっき処理により形成された金属膜(金属板)21からなり、平面視において略四角形形状、さらに正確には平面視において略矩形状の輪郭を有している。蒸着マスク20の金属板21は、貫通孔25が形成された有孔領域22と、貫通孔25が形成されておらず、有孔領域22の周囲を取り囲む領域を占める無孔領域23と、を有している。図1乃至図5に示すように、各有孔領域22は、平面視において略四角形形状、さらに正確には平面視において略矩形状の輪郭を有している。なお、有孔領域22は、平面視において、ストライプ状(短冊状)、または五角形状六角形状等の多角形状を有していてもよい。

0026

図示された例において、複数の有孔領域22は、蒸着マスク20の一辺と平行な一方向に沿って所定の間隔を空けて配置されている。図示された例では、一つの有孔領域22が一つの有機ELディスプレイ装置に対応するようになっている。すなわち、図1乃至図5に示された蒸着マスク装置10(蒸着マスク20)によれば、多面付蒸着が可能となっている。

0027

また、図1乃至図5に示すように、各有孔領域22に形成された複数の貫通孔25は、当該有孔領域22において、一方向に沿って等しい間隔をあけて並べて配置されている。

0028

また、各貫通孔25は、前記一方向に直交する他方向と平行に、有孔領域22の一端から他端まで細長く延びている。

0029

上述のように、蒸着マスク装置10は、複数の蒸着マスク20と、各蒸着マスク20が接着されてこの蒸着マスク20を保持するフレーム15とを有し、フレーム15には各蒸着マスク20の有孔領域22に対応する開口16が形成されている。

0030

また図5に示すように、フレーム15の裏面には、後述する複数の反り防止板60が取付けられている。フレーム15の表面に保持された各蒸着マスク20は、連続して配置された複数の有孔領域22を有する帯状形状をもち、反り防止板60は蒸着マスク20と同様に帯状形状をもち、蒸着マスク20の長手方向と同一方向に配置されている。

0031

ところで後述のように、蒸着マスク20はガラス製の基板本体1aと、基板本体1a上に形成されたITO膜1bとを有する基板1上にめっき処理を施すことにより形成される(図7および図8(a)〜(d)参照)。

0032

この場合、蒸着マスク20とガラス製基板1とにより基板付蒸着マスク20Aが形成される。そして基板付蒸着マスク20Aから基板1を除去することにより、本実施の形態による蒸着マスク20が得られる。

0033

なお、フレーム15の表面に配置された蒸着マスク20の数は特に制限はない。

0034

フレーム15の表面に単一の蒸着マスク20を配置してもよく、フレーム15上に2個、3個、あるいは4個以上の蒸着マスク20を配置してもよい。

0035

また蒸着マスク20および反り防止板60はフレーム15に対して溶着または接着剤により固着される。

0036

またフレーム15の裏面に取付けられた反り防止板60の数も特に限定されるものではない。反り防止板60は蒸着マスク20と同一の熱膨張係数をもつ材料、好ましくは同一の材料からなっている。後述のように熱膨張を利用してフレーム15の表面に配置された蒸着マスク20に対して張力を付与する場合、同様にフレームの裏面に配置された反り防止板60にも熱膨張を利用して張力を付与する。このことにより、蒸着マスク装置10全体として反りが生じないようになっている。

0037

なお、フレーム15が十分な剛性をもつ場合、フレーム15裏面に反り防止板60を設ける必要はない。

0038

次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
まず蒸着マスク20の製造方法について、主に図7および図8を用いて説明する。

0039

まず図8(a)に示すようにガラス製の基板本体1aと、基板本体1a上に形成されたITO膜1bとを有するガラス製基板1を準備する。次に基板1のITO膜1b上にレジストパターン3を形成し、ITO膜1bを用いて通電することにより、レジストパターン3間にめっき処理によりめっき層2を形成する。

0040

次に図8(b)に示すようにガラス製基板1からレジストパターン3を除去し、基板1上にめっき層2を残す。このことにより、基板1上にめっき層2からなる蒸着マスク20を形成することができる。この場合、めっき層2からなる蒸着マスク20は、レジストパターン3に対応する貫通孔25を有する有孔領域22と、有孔領域22を囲む無孔領域23とを有する。

0041

また基板1と、基板1上にめっき処理により形成された蒸着マスク20とにより基板付蒸着マスク20Aが構成される(図7参照)。

0042

次に基板付蒸着マスク20Aの材料について述べる。
基板付蒸着マスク20Aの基板1を構成する基板本体1aとしては、厚み0.7mmのガラス製の基板本体を用いることができ、また蒸着マスク20としては厚み1〜20μmのNi製めっき層またはNi合金製めっき層2を含むものを用いることができる。

0043

次にこのようにして得られた基板付蒸着マスク20Aを用いて蒸着マスク装置10を製造する。

0044

まず図8(c)に示すように、上述した基板付蒸着マスク20を複数準備する(図1参照)。この場合、各基板付蒸着マスク20Aの蒸着マスク20は有孔領域22と、有孔領域22を囲む無孔領域23とを有し、蒸着マスク20の有孔領域22は複数連続して配置され、各蒸着マスク20は帯状形状をもつ。なお、蒸着マスク20はNi製めっき層またはNi合金製めっき層からなり、その熱膨張係数は12.8ppm/℃となる。また基板付蒸着マスク20Aの基板1は、熱膨張係数が3〜9ppm/℃のガラス製となっている。

0045

同様に開口16を有し、3〜数十mm厚のフレーム15を準備する。この場合、フレーム15は熱膨張率が1ppm/℃前後の36Niインバー材からなる。このため、フレーム15は、基板付蒸着マスク20Aの基板1および蒸着マスク20の双方の熱膨張率より小さな熱膨張率をもつ。

0046

次に図1に示すように、各基板付蒸着マスク20Aを開口16を有するフレーム15上に載置する。この場合、フレーム15表面には位置決めマーク15aが設けられ、各基板付蒸着マスク20Aにもフレーム15の位置決めマーク15aに対応する位置決めマーク20aが設けられ、これらの位置決めマーク15a、20aを用いてフレーム15上で基板付蒸着マスク20Aを精度良く位置決めすることができる。

0047

次に図2に示すように、熱制御盤70上に上から順に基板付蒸着マスク20Aと、フレーム15と、反り防止板60を積層し、このようにして基板付蒸着マスク20Aと、フレーム15と、反り防止板60とからなる積層体10Aを作製する。

0048

この場合、反り防止板60は基板付蒸着マスク20Aと同一の熱膨張係数をもつ材料、例えばガラス材料からなることが好ましい。また反り防止板60はフレーム15の裏面において、フレーム15の開口16間に位置している。

0049

なお、熱制御盤70は、積層体10Aを加熱するホットプレート、あるいは積層体10Aを冷却するコールドプレートとしての機能をもつ。

0050

次に図2において、熱制御盤70上で積層体10Aを例えば20℃の室温から50℃まで加熱する。

0051

このとき、熱制御盤70上において、積層体20Aが全体として50℃まで加熱され、積層体20Aのうち36Niインバー材製のフレーム15は大きく熱膨張することはないが、各基板付蒸着マスク20Aと反り防止板60が各々固有の熱膨張係数に基づいて熱膨張する。この状態でフレーム15上の基板付蒸着マスク20Aの無孔領域23に対してガラス製の基板1側からレーザ光照射し、フレーム15に対して基板付蒸着マスク20Aの無孔領域23を溶着させる。このようにしてフレーム15に対して基板付蒸着マスク20Aを固着箇所65を介して固着させる(図3および図8(c)参照)。

0052

次にフレーム15の裏面に反り防止板60を接着させる。この場合、熱制御盤70上で積層体10Aを引繰り返して、フレーム15の開口16間に位置する反り防止板60をフレーム15に接着する。

0053

その後、図4に示すように、積層体10Aを熱制御盤70から降ろし、室温まで冷却して戻す。この場合、36Niインバー材からなるフレーム15の形状はほとんど変化することはないが、基板付蒸着マスク20Aは室温まで冷却されて熱収縮する。基板付蒸着マスク20Aはフレーム15に対して固着されているため、熱収縮作用に伴なって基板付蒸着マスク20Aに対して適切な張力を付与し、めっき(応力)によるトータルピッチの変動を抑制することができる。

0054

同様に反り防止板60もフレーム15に対して接着されているため室温まで冷却されて熱収縮し、この熱収縮作用に伴なって反り防止板60に対して張力が付与される。

0055

その後、フレーム15上の各基板付蒸着マスク20Aについて、その基板1が積層体10Aから剥離される(図4および図8(d)参照)。

0056

このようにして積層体10Aから基板付蒸着マスク20Aの基板1が剥離されて、フレーム15上に固着された蒸着マスク20が得られる(図5参照)。

0057

以上のように本実施の形態によれば、基板付蒸着マスク20Aと、フレーム15と、反り防止板60とからなる積層体10Aを熱制御盤70上で加熱し、この状態で基板付蒸着マスク20Aと反り防止板60をフレーム15に対して固着および接着し、その後積層体10Aを室温まで冷却する。
このことにより、基板付蒸着マスク20Aおよび蒸着マスク20に対して適度な張力を付与することができる。また基板付蒸着マスク20Aを物理的に引張って、この基板付蒸着マスク20Aをフレーム15に固着する場合に比べて、熱制御盤70による加熱温度を所望の値に定めることにより、基板付蒸着マスク20Aおよび蒸着マスク20に対して適切な値の張力を常にフレーム15内に均一に付与することができる。

0058

また、基板付蒸着マスク20Aの無孔領域23を固着箇所65を介してフレーム15上に接着し、この固着箇所65を各有孔領域22の左右に基板付蒸着マスク20Aの幅方向に沿って連続して設けることにより(図4参照)、基板付蒸着マスク20Aの各有孔領域22において、蒸着マスク20の長手方向および幅方向の双方の方向に対して張力を付与することができる。

0059

さらにまた、フレーム15の表面側において基板付蒸着マスク20Aを熱収縮させて蒸着マスク20に対して張力を付与するとともに、フレーム15の裏面側においても反り防止板60を熱収縮させて反り防止板60に対して張力を付与することができるため、蒸着マスク装置10全体が一方側へたわむことを防止することができる。

0060

次に本発明の変形例について説明する。上記実施の形態において、基板付蒸着マスク20Aに対してレーザ光を照射することにより、フレーム15に対して基板付蒸着マスク20Aを固着した例を示したが、これに限らず図9および図10に示すように、基板付蒸着マスク20Aのうち有孔領域22を囲む無孔領域23に接着剤塗布器5aを用いて接着剤5を塗布してもよい。

0061

図9および図10に示す変形例において、図1乃至図8に示す実施の形態と同一部分については同一符号を付して詳細な説明は省略する。

0062

すなわち、まず図10(a)に示すようにガラス製の基板本体1aと、基板本体1a上に形成されたITO膜1bとを有するガラス製基板1を準備する。次に基板1のITO膜1b上にレジストパターン3を形成し、ITO膜1bを用いて通電することにより、レジストパターン3間にめっき処理によりめっき層2を形成する。

0063

次に図10(b)に示すようにガラス製基板1からレジストパターン3を除去し、基板1上にめっき層2を残す。このことにより、基板1上にめっき層2からなる蒸着マスク20を形成することができる。この場合、めっき層2からなる蒸着マスク20は、レジストパターン3に対応する貫通孔25を有する有孔領域22と、有孔領域22を囲む無孔領域23とを有する。

0064

また基板1と、基板1上にめっき処理により形成された蒸着マスク20とにより基板付蒸着マスク20Aが構成される(図7参照)。

0065

次に図10(c)に示すように基板付蒸着マスク20Aのうち有孔領域22を囲む無孔領域23に接着剤5を塗布する。この接着剤5はUV光硬化型の接着剤となっている。

0066

次にガラス製基材1より小さな熱膨張係数を有するガラス製フレーム15上に基板付蒸着マスク20Aを積層して積層体10Aを形成し、この積層体10Aを熱制御盤70上に載置し、積層体10Aを20℃の室温から50℃まで加熱する。

0067

積層体10Aを50℃まで加熱して積層体が膨張したところで、ガラス製フレーム15側からUV光を接着剤5に対して照射し、接着剤5を硬化させる。このようにしてフレーム15に対して基板付蒸着マスク20Aを固着させる。その後フレーム15の裏面に反り防止板60を接着させ、積層体10Aを熱制御盤70から降して室温まで冷却させることにより、基板付蒸着マスク20Aに張力を付与することができる。

0068

その後図10(d)に示すように積層体10Aから基板1を剥離することにより、フレーム15上に固着された蒸着マスク20が得られる。

0069

なお、図10(a)〜(d)に示す変形例において、基板付蒸着マスク20Aのうち有孔領域22を囲む無孔領域23にUV硬化型の接着剤5を塗布する例を示したが、これに限らずUV硬化型の接着剤5の代わりに熱硬化型の接着剤5を用いてもよい。

0070

この場合は積層体10Aを熱制御盤70上に載置し、積層体10Aを20℃の室温から50℃まで加熱するだけで接着剤5が硬化するので、接着剤5に対してUV光を照射する必要はない。

0071

次に図11(a)(b)(c)(d)により本発明の他の変形例について説明する。
図11(a)に示すようにガラス製の基板1の代わりに金属製、例えばCu製またはsus製の基板6を準備してもよい。次に金属製の基板6上にレジストパターン3を形成し、基板6を用いて通電することにより、レジストパターン3間にめっき処理によりめっき層2を形成する。

0072

次に図11(b)に示すように基板6からレジストパターン3を除去し、基板6上にめっき層2を残す。このことにより、基板6上に例えばNi製めっき層またはNi合金製めっき層2からなる蒸着マスク20を形成することができる。この場合、めっき層2からなる蒸着マスク20は、レジストパターン3に対応する貫通孔25を有する孔領域22と、有孔領域22を囲む無孔領域23とを有する。

0073

また基板6と、基板6上にめっき処理により形成された蒸着マスク20とにより基板付蒸着マスク20Aが構成される(図7参照)。

0074

次に図11(c)に示すように基板付蒸着マスク20Aのうち有孔領域22を囲む無孔領域23に接着剤5を塗布する。この接着剤5は熱硬化型の接着剤となっている。

0075

次にフレーム15上に基板付蒸着マスク20Aを積層して積層体10Aを形成し、この積層体10Aを熱制御盤70上に載置し、積層体10Aを20℃の室温から50℃まで加熱する。

0076

積層体10Aを50℃まで加熱して積層体が膨張したところで、熱硬化性樹脂5が硬化する。このようにしてフレーム15に対して基板付蒸着マスク20Aを固着させる。その後フレーム15の裏面に反り防止板60を接着させ、積層体10Aを熱制御盤70から降して室温まで冷却させることにより、基板付蒸着マスク20Aに張力を付与することができる。

0077

その後図11(d)に示すように積層体10Aから基板6を剥離することにより、フレーム15上に固着された蒸着マスク20が得られる。

0078

図11(a)〜(d)に示す変形例において、基板付蒸着マスク20Aは金属製基板6と、めっき層からなる蒸着マスク20とを有している。

0079

また金属製基板6は、熱膨張係数が16.8ppm/℃からなるCu製基板あるいは熱膨張係数が17.3ppm/℃からなるSUS製基板からなる。

0080

また蒸着マスク20は、熱膨張係数が12.8ppm/℃からなるNi製めっき層またはNi合金製めっき層2からなる。

0081

このため、フレーム15としては基板6および蒸着マスク20のいずれより小さい熱膨張係数をもつ材料、例えば熱膨張係数が1ppm/℃の36%Niインバー材、あるいは熱膨張係数が3〜9ppm/℃のガラス材を用いることができる。

0082

このようにフレーム15として基板6および蒸着マスク20のいずれより小さい熱膨張係数をもつ材料を用いる。このことにより、積層体10Aを熱制御盤70により加熱し、フレーム15と基板付蒸着マスク20Aを固着させ、その後積層体10Aを冷却させて、基板付蒸着マスク20Aに対して適切に張力を付与することができる。

0083

また図11(a)〜(d)に示す変形例において、基板付蒸着マスク20Aとして金属製基板6と、めっき層2からなる蒸着マスク20とを有するものを用いた場合、反り防止板60として基板付蒸着マスク20Aと同様の熱膨張係数を有する材料を用いることができる。

0084

さらに図11(a)〜(d)に示す変形例において、積層体10Aから基板6を剥離する例を示したが、積層体10Aから基板6を剥離することに限らず、積層体10Aから金属製基板6をエッチングにより除去してもよい。

0085

1基板
1a 基板本体
1bITO膜
2めっき層
3レジストパターン
5接着剤
6 基板
10蒸着マスク装置
10A積層体
15フレーム
16 開口
20蒸着マスク
20A 基板付蒸着マスク
21金属板
21a 第1面
21b 第2面
22有孔領域
23無孔領域
25貫通孔
60反り防止板
65固着箇所
70熱制御盤

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