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技術 金属基材上への重畳的微細構造の形成方法及びプラスチックとの接合方法

出願人 前田知宏国立大学法人名古屋大学
発明者 前田知宏小橋眞
出願日 2018年2月28日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-035898
公開日 2019年9月12日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-151869
状態 未査定
技術分野 複合金属又は合金の製造 プラスチック等のライニング、接合 粉末冶金
主要キーワード 壁面加熱 自己燃焼反応 共晶融液 目開きサイズ 非接合部位 スクレーバー 各観察領域 混合金属粉末
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

多段階の工程やこれに伴い発生する高額な費用を回避し、また、大型レーザを用いることなく、ひいてはレーザそのものを用いることなく、大面積金属基材表面重畳微細構造の形成を短時間で行う。そして、当該金属基材プラスチック機械的結合を実現する。

解決手段

金属基材の表面に二種以上の金属粉末からなる混合金属粉末を均一の厚さにて塗付し、当該混合金属粉末に含まれる金属元素融点の中で最も低い温度又は金属粉末間で低融点共晶融液を形成する場合には当該共晶温度より高く、且つ金属基材の溶融温度より低い温度範囲内にて焼結する工程により重畳的微細構造を形成する。ここで、前記金属粉末は、金属基材との組み合わせにおいて、前記温度範囲内における焼結により金属基材の前記表面と合金を形成する金属粉末である。

概要

背景

金属とプラスチック複合部材の作成において、金属とプラスチックを接着剤等の中間材を用いることなく十分な機械的結合強度の得られる直接接合を行う為には、金属表面に複雑な微細構造を形成する必要がある。ブラスト処理陽極酸化処理エッチング処理が当該微細構造の形成に用いられている。この陽極酸化処理やエッチング処理は、薬液中電気化学反応により処理を行うことから、局所的な接合のための局所的な重畳的微細構造の形成が不得手なものの大面積の形成には有効である。しかし、この陽極酸化処理には、非接合部位へのマスキング処理エッチング処理後薬液廃液処理等が必要となり、多くの工程を必要とするため費用が高価である。

他方、特許文献1には、金属基材接合予定面チタン粉末アルミ粉末及びカーボン粉末からなる混合金属粉末を付着させ、ここにレーザクラッディングを施し重畳的微細粒子構造を形成する方法が開示されている。同じく、特許文献2には、粒径を概ね同一に揃えた炭化物粉末とチタン粉末を含む混合金属粉末(例えばTi−Al−C)を付着した面に、当該面の隆起を引き起こしながらレーザクラッディングを施し、重畳的微細粒子構造を金属基材面上へ形成する方法が開示されている。

しかし、レーザクラッディングを用いた形成方法は、レーザ照射した領域のみに隆起を引き起こしながら重畳的微細構造を形成するものであり、その領域は局所的ないし限定的である。したがって、大面積の基材全面に重畳的微細構造を処理時間の増大を伴わずに施すためには、装置の大型化のみならずレーザ装置大出力化も必要となる。

概要

多段階の工程やこれに伴い発生する高額な費用を回避し、また、大型レーザを用いることなく、ひいてはレーザそのものを用いることなく、大面積の金属基材表面に重畳的微細構造の形成を短時間で行う。そして、当該金属基材とプラスチックの機械的結合を実現する。金属基材の表面に二種以上の金属粉末からなる混合金属粉末を均一の厚さにて塗付し、当該混合金属粉末に含まれる金属元素融点の中で最も低い温度又は金属粉末間で低融点共晶融液を形成する場合には当該共晶温度より高く、且つ金属基材の溶融温度より低い温度範囲内にて焼結する工程により重畳的微細構造を形成する。ここで、前記金属粉末は、金属基材との組み合わせにおいて、前記温度範囲内における焼結により金属基材の前記表面と合金を形成する金属粉末である。B

目的

特開2016−130003号公報
特開2017−190521号公報




素形材」 Vol.53(2012)No.2






大面積の金属基材とプラスチックとの機械的結合を可能とするには、前述の先行技術において課題である

効果

実績

技術文献被引用数
0件
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請求項1

金属基材上に重畳微細構造を形成する方法であって、当該金属基材の表面に二種以上の金属粉末からなる混合金属粉末を均一の厚さにて塗付する工程と、当該金属基材に得された混合金属粉末を当該混合金属粉末に含まれる金属元素融点の中で最も低い温度又は前記金属粉末間で低融点共晶融液を形成する場合には当該共晶温度より高く、且つ金属基材の溶融温度より低い温度範囲内にて焼結する工程を含み、前記金属粉末は、金属基材との組み合わせにおいて、前記温度範囲内における焼結により金属基材の前記表面と合金を形成する金属粉末である、重畳的微細構造の形成方法

請求項2

前記混合金属粉末は、金属基材の溶融温度を下げる効果を奏する金属粉末を含む、請求項1に記載の重畳的微細構造の形成方法。

請求項3

前記混合金属粉末は、前記焼結により自己燃焼反応を起こす金属粉末を含む、請求項1に記載の重畳的微細構造の形成方法。

請求項4

前記金属基材はアルミであり、前記混合金属粉末はチタン粉末アルミ粉末シリコン粉末を含む混合金属粉末である、請求項2に記載の重畳的微細構造の形成方法。

請求項5

前記金属基材は鉄であり、前記混合金属粉末は鉄粉末とチタン粉末とホウ素粉末を含む混合金属粉末である、請求項3に記載の重畳的微細構造の形成方法。

請求項6

金属基材とプラスチック接合方法であって、前記金属基材の表面に二種以上の金属粉末からなる混合金属粉末を均一の厚さにて塗付する工程と、当該混合金属粉末の塗布された金属基材を、当該混合金属粉末に含まれる金属元素の融点の中で最も低い温度又は前記金属粉末間で低融点の共晶融液を形成する場合には当該共晶温度より高く、且つ金属基材の溶融温度より低い温度範囲内にて焼結することにより当該金属基材の前記表面に重畳的微細構造を形成する工程と、当該重畳的微細構造を接合予定面としてプラスチックの接合予定面に押圧する工程と、押圧された界面を加熱する工程と、当該加熱により溶融したプラスチックが前記重畳的微細構造に入り込み及びこれを包み込むことで相互に係合し、機械的な接合を得る工程を含み、前記金属粉末は、金属基材との組み合わせにおいて、前記温度範囲内における焼結により金属基材の前記表面と合金を形成する金属粉末であることを特徴とする接合方法。

請求項7

前記混合金属粉末は、金属基材の融点を下げる効果を奏する金属粉末を含む、請求項6に記載の金属基材とプラスチックの接合方法。

請求項8

前記混合金属粉末は、前記焼結により自己燃焼反応を起こす金属粉末を含む、請求項6に記載の金属基材とプラスチックの接合方法。

請求項9

前記金属基材はアルミであり、前記金属粉末はチタン粉末とアルミ粉末とシリコン粉末を含む混合金属粉末である、請求項7に記載の金属基材とプラスチックの接合方法。

請求項10

前記金属基材は鉄であり、前記金属粉末は鉄粉末とチタン粉末とホウ素粉末を含む混合金属粉末である、請求項8に記載の金属基材とプラスチックの接合方法。

技術分野

0001

本発明は、金属とプラスチック間の機械的結合による直接接合に関するものである。

背景技術

0002

金属とプラスチックの複合部材の作成において、金属とプラスチックを接着剤等の中間材を用いることなく十分な機械的結合強度の得られる直接接合を行う為には、金属表面に複雑な微細構造を形成する必要がある。ブラスト処理陽極酸化処理エッチング処理が当該微細構造の形成に用いられている。この陽極酸化処理やエッチング処理は、薬液中電気化学反応により処理を行うことから、局所的な接合のための局所的な重畳的微細構造の形成が不得手なものの大面積の形成には有効である。しかし、この陽極酸化処理には、非接合部位へのマスキング処理エッチング処理後薬液廃液処理等が必要となり、多くの工程を必要とするため費用が高価である。

0003

他方、特許文献1には、金属基材接合予定面チタン粉末アルミ粉末及びカーボン粉末からなる混合金属粉末を付着させ、ここにレーザクラッディングを施し重畳的微細粒子構造を形成する方法が開示されている。同じく、特許文献2には、粒径を概ね同一に揃えた炭化物粉末とチタン粉末を含む混合金属粉末(例えばTi−Al−C)を付着した面に、当該面の隆起を引き起こしながらレーザクラッディングを施し、重畳的微細粒子構造を金属基材面上へ形成する方法が開示されている。

0004

しかし、レーザクラッディングを用いた形成方法は、レーザ照射した領域のみに隆起を引き起こしながら重畳的微細構造を形成するものであり、その領域は局所的ないし限定的である。したがって、大面積の基材全面に重畳的微細構造を処理時間の増大を伴わずに施すためには、装置の大型化のみならずレーザ装置大出力化も必要となる。

0005

特開2016−130003号公報
特開2017−190521号公報

先行技術

0006

素形材」 Vol.53(2012)No.2

発明が解決しようとする課題

0007

大面積の金属基材とプラスチックとの機械的結合を可能とするには、前述の先行技術において課題である多段階の工程やこれに伴い発生する高額な費用を回避し、また、大型レーザを用いることなく、ひいてはレーザそのものを用いることなく、金属基材表面に重畳的微細構造の形成を短時間で行う方法が必要である。本発明は、これらの課題を解決することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

第1の発明は、金属基材上に重畳的微細構造を形成する方法であって、当該金属基材の表面に二種以上の金属粉末シリコンなどの半金属を含む)からなる混合金属粉末を均一の厚さにて塗付する工程と、当該金属基材に得された混合金属粉末を当該混合金属粉末に含まれる金属元素融点の中で最も低い温度(t1)又は前記金属粉末間で低融点共晶融液を形成する場合には当該共晶温度(t2)より高く、且つ金属基材の溶融温度(t3)より低い温度範囲内(t1<t3、又はt2<t3)にて焼結する工程を含む重畳的微細構造の形成方法であり、前記金属粉末は、金属基材との組み合わせにおいて、前記温度範囲内における焼結により金属基材の前記表面と合金を形成する金属粉末であることを特徴とする重畳的微細構造の形成方法である。

0009

ここで、焼結の方法には、無加圧焼結法と加圧焼結法があり、さらに前者は固相焼結液相焼結に、後者は固体圧縮ガス圧縮にそれぞれ分類される。本発明においては、いずれの焼結方法に限定するものではないが、課題である大面積の重畳的微細構造の形成、且つ工程数が少なく費用の抑えられた形成を可能とする焼結法を用いることが望ましい。ひいては、大気圧下における焼結や不活性ガスによる圧力雰囲気下における焼結を用いることで、重畳的微細構造の形成対象である金属基材に要求される形態上の条件や形成工程における各種制限を緩和することができる。

0010

また、金属粉末の粒子サイズは当業者における設計事項ではあるが、概ね数10μm乃至数100μmの目開きのによる選別で構わない。なお、混合金属粉末の金属基材への塗布方法には、スクレ—バー、シリンジスプレー等を用いることができ、[mm]単位の均一性をもって塗布できる方法であればこれらに限定されない。

0011

第2の発明は、第1の発明において、前記混合金属粉末が金属基材の溶融温度を下げる効果を奏する金属粉末を含むことを特徴とする重畳的微細構造の形成の方法である。

0012

ここで金属基材の融点を下げる効果を奏する金属粉末とは、焼結により、金属基材の融点より低い温度であっても、結果として当該金属基材との合金を生成することができる金属粉末をいう。例えば、Al−Si系の4000番台アルミ合金におけるシリコンが当該効果を奏する金属に相当する。

0013

第3の発明は、第1の発明において、前記混合金属粉末が前記焼結により自己燃焼反応を起こす金属粉末を含むことを特徴とする重畳的微細構造の形成方法である。

0014

当該自己燃焼反応により、金属基材の表面温度を一時的に上昇させ、結果として当該金属基材との合金を生成する金属粉末を含む混合金属粉末を用いた重畳的微細構造の形成方法である。

0015

第4の発明は、第2の発明において、前記金属基材がアルミであり、前記混合金属粉末がチタン粉末とアルミ粉末とシリコン粉末を含む混合金属粉末であることを特徴とする重畳的微細構造の形成方法である。

0016

第5の発明は、第3の発明において、前記金属基材が鉄であり、前記混合金属粉末が鉄粉末とチタン粉末とホウ素粉末を含む混合金属粉末であることを特徴とする重畳的微細構造の形成方法である。

0017

第6の発明は、金属基材とプラスチックの接合方法であって、前記金属基材の表面に二種以上の金属粉末からなる混合金属粉末を均一の厚さにて塗付する工程と、当該金属基材に得された混合金属粉末を当該混合金属粉末に含まれる金属元素の融点の中で最も低い温度又は前記金属粉末間で低融点の共晶融液を形成する場合には当該共晶温度より高く、且つ金属基材の溶融温度より低い温度範囲内にて焼結することにより当該金属基材の前記表面に重畳的微細構造を形成する工程と、当該重畳的微細構造を接合予定面としてプラスチックの接合予定面に押圧する工程と、押圧された界面を加熱する工程と、当該加熱により溶融したプラスチックが前記重畳的微細構造に入り込み及びこれを包み込むことで相互に係合し、機械的な接合を得る工程を含む接合方法であり、前記金属粉末は、金属基材との組み合わせにおいて、前記温度範囲内における焼結により金属基材の前記表面と合金を形成する金属粉末であることを特徴とする接合方法である。

0018

ここで、押圧された界面の加熱工程は、重畳的微細構造の形成に用いた装置と同じ装置を用いてもよいし、異なる装置を用いてもよい。但し、大面積の金属基材とプラスチックの接合を低コストで行うのに適した装置を接合予定面の形状等により選定する必要がある。

0019

第7の発明は、第6の発明において、前記混合金属粉末が金属基材の融点を下げる効果を奏する金属粉末を含むことを特徴とする金属基材とプラスチックの接合方法である。

0020

第8の発明は、第6の発明において、前記混合金属粉末が前記焼結により自己燃焼反応を起こす金属粉末を含むことを特徴とする金属基材とプラスチックの接合方法である。

0021

第9の発明は、第7の発明において、前記金属基材がアルミであり、前記金属粉末がチタン粉末とアルミ粉末とシリコン粉末を含む混合金属粉末であることを特徴とする金属基材とプラスチックの接合方法である。

0022

第10の発明は、第8の発明において、前記金属基材が鉄であり、前記金属粉末が鉄粉末とチタン粉末とホウ素粉末を含む混合金属粉末であることを特徴とする金属基材とプラスチックの接合方法である。

発明の効果

0023

本発明によれば、焼結工程に用いる装置の許容試料サイズの範囲内であれば、当該サイズの金属基材上にプラスチックとの接合においてアンカー効果を実現する重畳的微細構造を形成することが可能であり、同じく加熱装置の許容試料サイズの範囲内であれば、重畳的微細構造の形成された大面積の金属基材とプラスチックの機械的接合を実現する。

図面の簡単な説明

0024

金属基板上に混合金属粉末を塗布した様子を示す模式図。
ホットプレス装置の概略図。
ホットプレス装置による加圧焼結の様子を示す模式図。
焼結後の金属基板の様子と重畳的微細構造の様子を示す模式図。
重畳的微細構造の顕微鏡写真試料1−2)。
重畳的微細構造の高倍率顕微鏡写真(試料1−2)。
重畳的微細構造の高倍率顕微鏡写真(試料1−1)。
重畳的微細構造の高倍率顕微鏡写真(試料1−3)。
鉄基板上の重畳的微細構造の高倍率顕微鏡写真。
金属−プラスチックの接合用ホットプレス装置の概略図。
接合後のアルミ基板とPPS板材の写真。

0025

以下、本発明に好適な実施形態をステップ(S1、S2、、)に分けて図とともに説明する。なお、本明細書において特に言及している以外の事項であって本発明の実施に必要な事項は、本発明の属する技術分野における従来技術又は周知技術に基づき、当該技術分野の当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該技術分野における技術常識とに基づいて実施することができる。

0026

本実施例においては、アルミ基板上に焼結加工装置を用いて重畳的微細構造を形成した。

0027

S1)金属基材の用意
金属基材として、φ30mm、厚み1mmのアルミ基板11(A5052)を用いた。このアルミ基板の片側表面全面を重畳的微細構造の形成予定面とした。

0028

S2)混合金属粉末の用意
混合金属粉末12として、チタン粉末、アルミ粉末及びシリコン粉末を乳鉢にて混和したものを用いた。各粉末にはいずれも市販のものを用い、これらをJIS規格メッシュ100番(目開きサイズ150μm)にかけたものを用いて粒径を整えた。各金属粉末の混合比率は当業者の設計事項ではあるものの、本実施例においては、そのモル比を、チタン粉末:アルミ粉末:シリコン粉末=1:1:0.1とした。なお、前記シリコン粉末のモル比は、形成した重畳的微細構造の形状を参考に、0.01乃至1の範囲で選択するとよい。

0029

S3)金属基材上への混合金属粉末の塗付
図1に示すように、アルミ基板11上の片側表面全面を重畳的微細構造の形成予定面とし、ここに混合金属粉末12をその厚みが均一に1mmとなるようスクレーバーを用いて塗付した。

0030

S4)加圧加熱容器への取り付け
本実施例における焼結工程には、加圧焼結法の中の固体圧縮法として図2Aにてその概略を示すホットプレス装置を用いた。ステップS3により混合金属粉末12を塗布したアルミ基板11(試料)の上下をカーボン材からなる試料押さえ23により挟み、カーボン製の加圧加熱容器24の中にセットした。

0031

S5)加圧加熱反応
図2Bに示すように、シリンジ21に押し込まれる加圧ヘッド22により、加圧加熱容器24内にセットした試料を350kgfと80kgfの2パターンで押圧、すなわち圧力として約5Mpaと約1MPaの2パターンにて実施した。次に、加熱容器内真空ポンプにより排気し80Paまで減圧し、この減圧状態にて加熱容器を加熱した。

0032

加熱温度は、加熱容器内に設置された熱電対数値としてアルミ(A5052)の融点607℃より低い580℃と600℃の2パターンを実施し、加熱にはいずれもヒーター埋め込み断熱材25の中のカーボンヒーターによる壁面加熱方式を用いた。この温度で10分間保持したのち、40℃まで冷却した。なお、加熱方式としては、この壁面加熱方式のほか、表面を均一に加熱する為に赤外線加熱誘導加熱方式による加熱方法を用いても良い。また、押圧の程度は、当業者における設計事項ではあるが、形成した重畳的微細構造の形状を参考に、大気圧乃至10MPaの圧力範囲で選択するとよい。

0033

以上の実施パラメータまとめると下表1のとおりとなる。

0034

0035

S6)表面構造の確認
加圧加熱容器24から試料(番号)1−2を取り出し、アルミ基板11の片側表面全面に形成された各試料の金属基材との合金化した重畳的微細構造13を電子顕微鏡下で確認した。その様子を図3A〜3Cに示す。図3Aは、焼結後の試料1−2のアルミ基板11の全体の画像と、試料1−1乃至1−3に共通する形成された重畳的微細構造の一部の拡大した様子を示す模式図である。図3Bは、試料1−2の形成された重畳的微細構造の中心部(番号1)とその周辺部4か所(番号2〜5)の様子を20倍の光学顕微鏡にて観察した様子を示す。ここでは、各観察領域において多孔質状態をさらに複雑にした重畳的微細構造を確認できた。図3Cは、試料1−2の中心部(1)を90倍と500倍の走査型電子顕微鏡で観察したものである。ここでも、図3A模擬的に示したような、多孔質状態をさらに複雑にした重畳的微細構造を確認できた。

0036

図3D図3Eは、それぞれ試料1−1の中心部(1)を100倍と500倍、試料1−3の中心部を90倍と500倍の走査型電子顕微鏡で観察したものである。試料1−1では重畳的微細構造の形成が見られ、アンカー効果が得られる重畳的微細構造であると推察される。試料1−3でも、同じく重畳的微細構造の形成が見られ、同じくアンカー効果が得られる重畳的微細構造であると推察される。

0037

本実施例においては、鉄基板上(Fe)に焼結加工装置を用いて重畳的微細構造を形成した。

0038

S1)金属基材の用意
金属基材として、φ30mm、厚み1mmの鉄基板14(Fe)を用いた。この鉄基板の片側表面全面を重畳的微細構造の形成予定面とした。

0039

S2)混合金属粉末の用意
混合金属粉末15として、鉄粉末、チタン粉末及びホウ素粉末を乳鉢にて混和したもの用いた。各粉末には粒径がいずれも45μmの市販粉末を用いた。各金属粉末の混合比率は当業者の設計事項ではあるものの、本実施例においては、そのモル比を、鉄粉末:チタン粉末:ホウ素粉末=1:1:1とした。

0040

S3)金属基材上への混合金属粉末の塗付
図1に示すように、鉄基板14上の片側表面全面を重畳的微細構造の形成予定面とし、ここに混合金属粉末15をその厚みが均一に1mmとなるようスクレーバーを用いて塗付した

0041

S4)加圧加熱容器への取り付け
本実施例における焼結工程には、無加圧焼結法の中の反応焼結法として、自己焼結合成を用いた。ステップS3により混合金属粉末15を塗布した鉄基板14(試料)を、図2Bに示す加圧ヘッド22による押圧前の状態にある加圧加熱容器24内にセットした。

0042

S5)加熱反応
本実施例においては、加圧ヘッド22による押圧を行わず、大気圧状態を保持したまま、誘導加熱方法を用いて試料を1000℃に加熱し、10分間保持した。

0043

S6)表面構造の確認
加圧加熱容器24(但し加圧なし。)から試料を取り出し、鉄基板14の片側表面全面に形成された重畳的微細構造16を500倍の査型電子顕微鏡下で確認した様子を図4に示す。ここでは、観察領域において多孔質状態をさらに複雑にした重畳的微細構造を確認できた。

0044

本実施例においては、実施例1と同様のステップで形成したアルミ基板11上の重畳的微細構造を接合予定面として、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)との接合を、ホットプレス装置を用いて行った。

0045

S1)金属基材の準備
金属基材として、実施例1と同様にφ30mm、厚み1mmのアルミ基板11(A5052)を用いた。このアルミ基板の片側表面全面を重畳的微細構造の形成予定面とした。

0046

S2)混合金属粉末の用意
実施例1と同様、混合金属粉末12として、チタン粉末、アルミ粉末及びシリコン粉末を乳鉢にて混和したものを用いた。各粉末にはいずれも市販のものを用い、これらをJIS規格のメッシュ100番(目開きサイズ150μm)にかけたものを用いて粒径を整えた。各金属粉末の混合比率は、そのモル比として、チタン粉末:アルミ粉末:シリコン粉末=1:1:0.1とした。

0047

S3)金属基材上への混合金属粉末の塗付
実施例1と同様に、図1に示すように、アルミ基板11上の片側表面全面に混合金属粉末12をその厚みが均一に1mmとなるようスクレーバーを用いて塗付した。

0048

S4)加圧加熱容器への取り付け
実施例1と同様、本実施例における焼結工程には、加圧焼結法の中の固体圧縮法として図2Aにてその概略を示すホットプレス装置を用いた。ステップS3により混合金属粉末12を塗布したアルミ基板11(試料)の上下をカーボン材からなる試料押さえ23により挟み、カーボン製の加圧加熱容器24の中にセットした。

0049

S5)加圧加熱反応
実施例1と同様、図2Bに示すように、シリンジ21に押し込まれる加圧ヘッド22により、加圧加熱容器24内にセットした試料を80kgfにて押圧した。加熱温度は、実施例1と同じ方法にて580℃とし、加熱時間は10分とした。これにより重畳的微細構造18を形成した。

0050

S6)プラスチック部材の準備
プラスチック部材17として、幅20mm、長さ50mm、厚み1mmのポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)板材を用意した。このPPS板材の融点は280℃である。

0051

S7)アルミ基材とプラスチック部材の接合
ステップS1にて形成したアルミ基板11上の重畳的微細構造の形成面と前記プラスチック部材17を重ね合わせて、図5に概略を示すホットプレス装置にて加熱した。重ね合わせた試料をホットプレス装置にセットする際は、アルミ基板側を金属プレート26側にして装置にセットした。金属プレートの直下にはヒーター(ホットプレート)27が位置しており、接合に用いる温度は300℃とし、その温度は熱電対により計測した。PPS板材の融点(280℃)に鑑み、プラスチック部材側からは加熱を行わなかった。

0052

熱電対の温度が300℃に達した時点で試料押さえ23により押圧を開始し、その圧力は0.2MPaとした。この300℃の状態を1分間継続したのちにヒーター27を切り、熱電対の値が260℃になった時点で押圧も解除した。なお、加熱温度、押圧、継続時間は当業者による設計事項であり、特に加熱温度はプラスチック部材の溶融温度を参考に調整するとよい。

実施例

0053

以上のステップにより、前記加熱工程により溶融したプラスチック部材17が重畳的微細構造18に入り込み及びこれを包み込むことでアルミ基板11とプラスチック部材17とが相互に係合し、機械的に接合した複合材を作ることができた。なお、本実施例のほか、接合方法としては、重畳的微細構造の形成された金属基材上の接合予定面とプラスチックの接合予定面の界面を加熱し加圧できる方法であれば、インサート成形超音波溶着等を用いることができ、本実施例において用いたホットプレス装置に限定するものではない。

0054

金属基材上に混合金属粉末を大面積塗布した領域に重畳的微細構造を一括にて形成することができ、且つこれを用いて生産性の高い金属とプラスチックの複合部材の製造に利用できる。

0055

11アルミ基板(A5052)
12混合金属粉末(Ti、Al、Si)
13重畳的微細構造(Al基板上)
14Fe基
15 混合金属粉末(Fe、Ti、B)
16 重畳的微細構造(Fe基板上)
17 PPS板材
18 重畳的微細構造(Al基板上)
21シリンジ
22加圧ヘッド
23試料押さえ
24加圧加熱容器
25ヒーター埋め込み断熱材
26金属プレート
27 ヒーター(ホットプレート)
28 油圧ジャッキ

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