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技術 積層体および樹脂フィルム

出願人 東レ株式会社
発明者 八尋謙介三羽規文石田康之
出願日 2018年8月22日 (1年7ヶ月経過) 出願番号 2018-155562
公開日 2019年9月12日 (6ヶ月経過) 公開番号 2019-151815
状態 未査定
技術分野 高分子成形体の製造 積層体(2) 高分子組成物 ポリウレタン,ポリ尿素 マクロモノマー系付加重合体
主要キーワード 電子回路層 ウェアラブルデバイス 復元速度 内部材料 樹脂フィルム面側 逆対称 ホスファイト酸化防止剤 連続塗布装置
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

柔軟性と高い復元性を維持しつつ、耐湿熱性後加工適性を両立した樹脂フィルム及び積層体の提供。

解決手段

ポリエーテルセグメントと(メタアクリルセグメントウレタンセグメントとを含み、以下の条件1〜5を満たす樹脂フィルム。条件1;5%歪み応力が10MPa以下。条件2;変形量20%における、弾性復元率が70%以上。条件3;150℃における寸法変化率の絶対値が10%以下。条件4;FT−IRスペクトルにおいてカルボジイミド基およびイソシアネート基由来ピークのうち、最も大きいピーク強度P1と、ウレタン基のNH伸縮振動に起因するピーク強度P2との比、P1/P2が0.01以下。条件5;23℃における樹脂フィルムを歪み量100%に伸長したときの応力F4と、85℃−85%にて500時間経過後、23℃における樹脂フィルムを歪み量100%に伸長したときの応力F5との比、F5/F4が0.4以上。

概要

背景

ディスプレイ薄型化、軽量化により、スマートフォンタブレットなどの新しいデバイスが生まれ、オフィス家庭などで室内の据置かれて使うものから、ユーザーが好きなところに自由に持ち歩いて使われるようになった。そしてその形は、平面で四角い形から、自在な形に対応できるようになり、日常生活の様々なものにデザイン制約なく組み込むことが可能になった。さらに、現在、自由に曲げ伸ばしできるディスプレイが実現しつつある。これが実用化されれば、これまでになかった新たなデバイスが出現しすることが期待されている。

歪みや微小圧力変化、温度を検出できる様々なセンサーは、これまで産業用医療用などに用いられていたが、小型、軽量化に伴い、モバイル機器をはじめ、日常生活の様々な物に取り付けられるようになり、日常生活における利便性の向上や危険の回避に役に立っている。そして今後、これらのセンサーが、より軽量化し、自在に曲げ伸ばしすることができるようになることで、負荷なく体に付けたりできるようになるようになり、私たちの生活を変えることが期待されている。

このようなディスプレイやセンサーの分野では、これまでも、軽量化や小型化のためにさまざまな樹脂フィルムが用いられている。しかし、これまで用いられてきた材料は、その耐久性後加工工程への対応から、剛直な化学結合や強い結晶性を有するフィルムであり、自由に曲げることはできるが、伸縮させることができないフィルムであった。そのため、ディスプレイやセンサーの分野では、自由に曲げ伸ばしができ、かつ耐久性や、後加工工程に対応できる樹脂フィルムが求められている。

自由に曲げ伸ばしができる樹脂フィルムの例として、特許文献1には「第1のポリエチレンからなる層と、前記第1のポリエチレンからなる層に積層された熱可塑性ポリウレタン層と、前記熱可塑性ポリウレタン層に積層された第2のポリエチレンからなる層と、を少なくとも有する積層体であって、前記第1のポリエチレンの結晶化熱量が前記第2のポリエチレンの結晶化熱量よりも大きいことを特徴とする熱可塑性ポリウレタン層を有する積層体。」が提案されている。

また、非特許文献1にはいわゆる「シリコーン材料」が挙げられており、シリコーン材料の一例としてシリコーンゴムを使ったシート材料が提案されている。

また、柔軟性と耐久性を両立した樹脂材料として、特許文献2には、「ポリウレタンエラストマー100重量部に対して、下記式(2)で表わされる環状ジカルボジイミド化合物を0.01〜15重量部含有するウレタンエラストマー組成物。」が提案されている。

概要

柔軟性と高い復元性を維持しつつ、耐湿熱性と後加工適性を両立した樹脂フィルム及び積層体の提供。ポリエーテルセグメントと(メタアクリルセグメントウレタンセグメントとを含み、以下の条件1〜5を満たす樹脂フィルム。条件1;5%歪み応力が10MPa以下。条件2;変形量20%における、弾性復元率が70%以上。条件3;150℃における寸法変化率の絶対値が10%以下。条件4;FT−IRスペクトルにおいてカルボジイミド基およびイソシアネート基由来ピークのうち、最も大きいピーク強度P1と、ウレタン基のNH伸縮振動に起因するピーク強度P2との比、P1/P2が0.01以下。条件5;23℃における樹脂フィルムを歪み量100%に伸長したときの応力F4と、85℃−85%にて500時間経過後、23℃における樹脂フィルムを歪み量100%に伸長したときの応力F5との比、F5/F4が0.4以上。

目的

本発明の課題は、樹脂フィルムが柔軟性と高い復元性を維持しつつ、耐湿熱性と、後加工適性を両立することにある

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ポリエーテルセグメントと(メタアクリルセグメントウレタンセグメントとを含む樹脂フィルムであって、以下の条件1〜4、及び条件6のすべてを満たすことを特徴とする樹脂フィルム。条件1樹脂フィルムの5%歪み応力が10MPa以下。条件2樹脂フィルムの変形量20%での引張試験法における、弾性復元率が70%以上。条件3樹脂フィルムの30℃における寸法を基準とした、150℃における寸法変化率の絶対値が10%以下。条件4樹脂フィルムのFT−IRスペクトルにおいて2,100〜2,200cm−1のカルボジイミド基および2,240〜2,270cm−1のイソシアネート基由来するピークのうち、最もピーク強度の大きいものの強度P1と、3,000cm−1〜3,450cm−1のウレタン基のNH伸縮振動に起因するピーク強度P2との比、P1/P2が0.01以下。条件623℃における樹脂フィルムを歪み量100%に伸長したときの応力F4と、85℃−85%にて500時間経過後、23℃における樹脂フィルムを歪み量100%に伸長したときの応力F5との比、F5/F4が0.4以上。

請求項2

前記樹脂フィルムが、ヒンダードフェノール系、セミヒンダードフェノール系ホスファイト系およびチオエーテル系からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の樹脂フィルム。

請求項3

ポリエーテルセグメントと(メタ)アクリルセグメントとウレタンセグメントとを含む樹脂フィルムと、該樹脂フィルムの少なくとも一方の面に剥離可能な支持基材を有する積層体であって、前記樹脂フィルムが以下の条件1〜5すべてを満たすことを特徴とする積層体。条件1樹脂フィルムの5%歪み応力が10MPa以下。条件2樹脂フィルムの変形量20%での引張試験法における、弾性復元率が70%以上。条件3樹脂フィルムの30℃における寸法を基準とした、150℃における寸法変化率の絶対値が10%以下。条件4樹脂フィルムのFT−IRスペクトルにおいて2,100〜2,200cm−1のカルボジイミド基および2,240〜2,270cm−1のイソシアネート基に由来するピークのうち、最もピーク強度の大きいものの強度P1と、3,000cm−1〜3,450cm−1のウレタン基のNH伸縮振動に起因するピーク強度P2との比、P1/P2が0.01以下。条件523℃における樹脂フィルムを歪み量100%に伸長したときの応力F1と、積層体の状態で85℃−85%にて500時間経過後、23℃における樹脂フィルムを歪み量100%に伸長したときの応力F3との比、F3/F1が0.5以上。

請求項4

前記樹脂フィルムが、ヒンダードフェノール系、セミヒンダードフェノール系、ホスファイト系およびチオエーテル系からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤を含むことを特徴とする請求項3に記載の積層体。

技術分野

0001

本発明は、柔軟性と高い復元性を維持しつつ、耐湿熱性後加工適性を両立した樹脂フィルムおよび積層体に関する。

背景技術

0002

ディスプレイ薄型化、軽量化により、スマートフォンタブレットなどの新しいデバイスが生まれ、オフィス家庭などで室内の据置かれて使うものから、ユーザーが好きなところに自由に持ち歩いて使われるようになった。そしてその形は、平面で四角い形から、自在な形に対応できるようになり、日常生活の様々なものにデザイン制約なく組み込むことが可能になった。さらに、現在、自由に曲げ伸ばしできるディスプレイが実現しつつある。これが実用化されれば、これまでになかった新たなデバイスが出現しすることが期待されている。

0003

歪みや微小圧力変化、温度を検出できる様々なセンサーは、これまで産業用医療用などに用いられていたが、小型、軽量化に伴い、モバイル機器をはじめ、日常生活の様々な物に取り付けられるようになり、日常生活における利便性の向上や危険の回避に役に立っている。そして今後、これらのセンサーが、より軽量化し、自在に曲げ伸ばしすることができるようになることで、負荷なく体に付けたりできるようになるようになり、私たちの生活を変えることが期待されている。

0004

このようなディスプレイやセンサーの分野では、これまでも、軽量化や小型化のためにさまざまな樹脂フィルムが用いられている。しかし、これまで用いられてきた材料は、その耐久性や後加工工程への対応から、剛直な化学結合や強い結晶性を有するフィルムであり、自由に曲げることはできるが、伸縮させることができないフィルムであった。そのため、ディスプレイやセンサーの分野では、自由に曲げ伸ばしができ、かつ耐久性や、後加工工程に対応できる樹脂フィルムが求められている。

0005

自由に曲げ伸ばしができる樹脂フィルムの例として、特許文献1には「第1のポリエチレンからなる層と、前記第1のポリエチレンからなる層に積層された熱可塑性ポリウレタン層と、前記熱可塑性ポリウレタン層に積層された第2のポリエチレンからなる層と、を少なくとも有する積層体であって、前記第1のポリエチレンの結晶化熱量が前記第2のポリエチレンの結晶化熱量よりも大きいことを特徴とする熱可塑性ポリウレタン層を有する積層体。」が提案されている。

0006

また、非特許文献1にはいわゆる「シリコーン材料」が挙げられており、シリコーン材料の一例としてシリコーンゴムを使ったシート材料が提案されている。

0007

また、柔軟性と耐久性を両立した樹脂材料として、特許文献2には、「ポリウレタンエラストマー100重量部に対して、下記式(2)で表わされる環状ジカルボジイミド化合物を0.01〜15重量部含有するウレタンエラストマー組成物。」が提案されている。

0008

特開2013−91223号公報
特開2012−1613号公報

先行技術

0009

シリコーンハンドブック株式会社日刊工業新聞社 1990

発明が解決しようとする課題

0010

ディスプレイやセンサーなどに用いられる樹脂フィルムにおいて、剛直な化学結合や高い結晶性を有するフィルムが用いられることが多い。その理由は、前述のように、製品になるまでの工程が長く、複雑なため、高いレベルの熱的、化学的な安定性が求められるためである。また、それらが用いられる様々な環境で、種々の電子部品の機能に影響を及ぼさないことも必要である。

0011

一方で、柔軟性の高い高分子材料は、その機械特性発現を、分子構造内に自由度の高いセグメントを含むことによって実現している。そのため、自由度の高い構造の代償として、外部から気体液体浸透しやすく、また熱や光の影響も受けやすく、硬質な材料に比べて熱的、化学的な安定性が低いため、前述の用途に用いられる例は限られていた。

0012

特許文献1に提案されている材料について、本発明者らが前述の観点について確認したところ、一定の柔軟性や伸縮性は確認できたものの、高温時の耐熱性が不十分であった。また、非特許文献1に提案されているシリコーンゴム材料については、柔軟性や伸縮性は得られるが、異素材への接着性が乏しく、接着性を確保するには特殊な材料を必要とするため、後加工に不向きであった。特許文献2に提案されている材料は、柔軟性と耐湿熱性に優れるが、当該材料の表面に後加工にて熱硬化性の層を積層した際、後加工した層の機能の発現を阻害することがあった。以上の点から、本発明の課題は、樹脂フィルムが柔軟性と高い復元性を維持しつつ、耐湿熱性と、後加工適性を両立することにある。

課題を解決するための手段

0013

上記課題を解決するために本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、以下の発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の通りである。
1.
ポリエーテルセグメントと(メタアクリルセグメントとウレタンセグメントとを含む樹脂フィルムであって、
以下の条件1〜4、及び条件6のすべてを満たすことを特徴とする樹脂フィルム。

0014

条件1樹脂フィルムの5%歪み応力が10MPa以下。

0015

条件2樹脂フィルムの変形量20%での引張試験法における、弾性復元率が70%以上。

0016

条件3樹脂フィルムの30℃における寸法を基準とした、150℃における寸法変化率の絶対値が10%以下。

0017

条件4樹脂フィルムのFT−IRスペクトルにおいて2,100〜2,200cm−1のカルボジイミド基および2,240〜2,270cm−1のイソシアネート基由来するピークのうち、最もピーク強度の大きいものの強度P1と、3,000cm−1〜3,450cm−1のウレタン基のNH伸縮振動に起因するピーク強度P2との比、P1/P2が0.01以下。

0018

条件6 23℃における樹脂フィルムを歪み量100%に伸長したときの応力F4と、85℃−85%にて500時間経過後、23℃における樹脂フィルムを歪み量100%に伸長したときの応力F5との比、F5/F4が0.4以上。
2.
前記樹脂フィルムが、ヒンダードフェノール系、セミヒンダードフェノール系ホスファイト系およびチオエーテル系からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の樹脂フィルム。
3.
ポリエーテルセグメントと(メタ)アクリルセグメントとウレタンセグメントとを含む樹脂フィルムと、該樹脂フィルムの少なくとも一方の面に剥離可能な支持基材を有する積層体であって、
前記樹脂フィルムが以下の条件1〜5すべてを満たすことを特徴とする積層体。

0019

条件1樹脂フィルムの5%歪み応力が10MPa以下。

0020

条件2樹脂フィルムの変形量20%での引張試験法における、弾性復元率が70%以上。

0021

条件3樹脂フィルムの30℃における寸法を基準とした、150℃における寸法変化率の絶対値が10%以下。

0022

条件4樹脂フィルムのFT−IRスペクトルにおいて2,100〜2,200cm−1のカルボジイミド基および2,240〜2,270cm−1のイソシアネート基に由来するピークのうち、最もピーク強度の大きいものの強度P1と、3,000cm−1〜3,450cm−1のウレタン基のNH伸縮振動に起因するピーク強度P2との比、P1/P2が0.01以下。

0023

条件5 23℃における樹脂フィルムを歪み量100%に伸長したときの応力F1と、積層体の状態で85℃−85%にて500時間経過後、23℃における樹脂フィルムを歪み量100%に伸長したときの応力F3との比、F3/F1が0.5以上。
4.前記樹脂フィルムが、ヒンダードフェノール系、セミヒンダードフェノール系、ホスファイト系およびチオエーテル系からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤を含むことを特徴とする3.に記載の積層体。

発明の効果

0024

柔軟性と高い復元性を維持しつつ、耐湿熱性と、後加工適性を両立した樹脂フィルム、ならびに積層体を提供することができる。

図面の簡単な説明

0025

本発明における積層体の例である。
本発明における積層体の例である。
本発明における積層体の例である。
本発明における積層体の例である。
本発明における積層体の例である。
本発明における積層体の例である。
本発明における積層体の例である。
本発明における積層体の例である。

0026

まず、本発明者らは、従来技術にて本発明の課題を解決できない理由について、以下のように考えている。

0027

樹脂材料が、柔軟性を発現するには変形の非常に自由度が高い部分が、高い復元性を発現するには、自由度の低い部分の両方を有することが必要とされる。このとき、自由度の低い部分には、芳香環同士の相互作用水素結合などの物理結合を設け、これにより凝集力を発現させることが多い。一方で、物理結合による凝集力は、温度が高くなると低下するため、耐熱性が低くなるという問題があり、特許文献1にて耐熱性が不十分な理由はこれが原因と考えている。これに対し、耐熱性を付与する方法として、従来技術では、耐熱性の高いセグメントを導入することにより、課題を解決しているが、柔軟性や復元性とトレードオフ関係になることが多い。

0028

また、凝集力を高めるため、凝集力の発生に水素結合を用いると、材料の吸水性が高くなりやすく、この結果、高温−高湿環境で、加水分解を起こしやすくなるという問題がある。これに対し、特許文献3にでは、加水分解時を抑制する添加剤を使用しており、その作用機構は、添加剤が樹脂内で容易に移動し、加水分解により発生する末端、具体的にはカルボン酸水酸基などの反応性末端と容易に反応することで、加水分解の進行を抑制するものである。

0029

本発明者らが特許文献3について、他の材料と貼合、接着された際、後から加工した部材の硬化に影響が出た理由は、隣接する材料に反応性末端と反応しやすい材料が接触、移動したためと考えている。

0030

そこで本発明では、前述の課題のうち、ポイントである耐熱性向上の課題に対しては、耐熱性の高いセグメントに頼らない方法を、また、加水分解に対しては、カルボン酸や水酸基などの反応性末端と容易に反応する化合物によらない方法を考案し、従来技術の課題を解決するに至った。以下、本発明の詳細を述べる。

0031

本発明の積層体1は、図1に示すように、樹脂フィルム2の少なくとも一方の面に剥離可能な支持基材3を有する積層体であることが好ましい。

0032

ここで、支持基材とは、本発明の積層体を形成する際に、その一方の面に樹脂フィルムを設けるにあたり、後述する積層体の製造方法にて、樹脂フィルム形成用塗料組成物をその表面に展開することが可能な、面内方向に平坦物品である。

0033

そして、樹脂フィルムから剥離可能な支持基材とは、樹脂フィルムの支持基材のない面を粘着テープ等で固定した状態にて、支持基材側を剥離した時に、支持基材と樹脂フィルムの間で、支障なく剥離できることを指す。

0034

本発明の積層体において支持基材が必要な理由は、後述する積層体の製造方法において、支持基材上に液体の塗料組成物を塗布、硬化することで樹脂フィルムを形成するために加え、樹脂フィルムが加工される後工程内での加工性搬送性を確保するためである。そのため、樹脂フィルムから剥離可能で、樹脂フィルムの後加工性を含めた機能に影響を及ぼさなければ、特に限定されないが、図2のように積層体4が樹脂フィルム5との間に離型層6を含む支持基材7を有することが好ましい。

0035

さらに、積層体をロール状に巻き取って中間製品とする場合、ロールの巻き姿を安定化させるため、図3のように積層体8が、樹脂フィルム9とは反対側に離型層10を含む支持基材12を有してもよい。無論、図4のように積層体12が、樹脂フィルム13との間に離型層14を、反対側に離型層15を含む支持基材16を有してもよい。この場合、離型層14と離型層15は同一でもよいが、ロールから積層体を巻き出す時の樹脂フィルム9と、離型層15間での剥離力と、後工程で樹脂フィルムと13と離型層14の間の剥離力を調整する必要があるため、異なる方が好ましい。

0036

さらに、樹脂フィルムの工程内での搬送性向上や傷つき防止のため、図5にように積層体17が、樹脂フィルム18の一方の面に剥離可能な支持基材19を、もう一方の面に剥離可能な保護材料を有してもよい。この保護材料と支持基材は同一であってもよいが、図6のように積層体21が、樹脂フィルム22との間に離型層23を含む支持基材24と、保護材料25とを有してもよく、図7のように積層体26が、樹脂フィルム27との間に離型層28を含む支持基材29と、離型層30を含む保護材料31とを有してもよく、図8のように積層体32が、樹脂フィルム33との間に離型層34を含む支持基材35と、粘着層36を含む保護材料37とを有してもよい。積層体が、粘着層を有する保護材料を有するか、離型層を用いる保護材料を有するかは、後工程の適性や樹脂フィルムの物性から適宜選択される。

0037

本発明の積層体において、樹脂フィルムは、ポリエーテルセグメントと(メタ)アクリルセグメントとウレタンセグメントを含むことが好ましい。ここで、(メタ)アクリルセグメントは化学式1、ポリエーテルセグメントは化学式2、ウレタンセグメントは化学式3の構造に代表される。

0038

0039

0040

0041

ここで、R1は、水素またはメチル基である。R2は、(1)置換もしくは無置換のアルキレン基またはアリーレン基、(2)内部にエーテル基エステル基、又はアミド基を有する、置換もしくは無置換のアルキレン基またはアリーレン基である。R3は、炭素数1以上6以下のアルキルまたはアルキレン基である。nは、2以上50以下の整数である。

0042

樹脂フィルムが、ポリエーテルセグメントを含むことは、高い柔軟性と、耐加水分解性を付与する上で好ましく、化学式2にて、R3は炭素数が2以上4以下のアルキル基またはアルキレン基、nは10以上40以下の整数であることがより好ましい。

0043

樹脂フィルムが、(メタ)アクリルセグメントを含むことは、耐熱性と復元性を有する上で好ましく、(メタ)アクリルセグメントが、本発明の樹脂フィルムの形成工程で、紫外線硬化等にて架橋構造を作ることが、より好ましい。(メタ)アクリルセグメントは樹脂フィルムが復元性を発生する際に、耐熱性のある自由度の低い 部位として機能すると同時に、架橋構造を作ることにで、さらに耐熱性を高めることができる。

0044

樹脂フィルムが、化学式1から3のセグメントを含むかどうかは、様々な分析方法により調べることが可能であるが、飛行時間型2次イオン質量分析計(TOF−SIMS)による方法が最も容易である。また、離型層、または樹脂フィルムを形成する原料から判断することもできる。

0045

その上で、樹脂フィルムは、特定の力学特性と寸法安定性を有することが好ましく、具体的には以下の条件1、条件2、条件3を満たすことが好ましく、以下の条件1−2、条件2−2、条件3−2を満たすことがより好ましい。
条件1 樹脂フィルムの5%歪み応力が10MPa以下。
条件2 樹脂フィルムの変形量20%での引張試験法における、弾性復元率が70%以上。
条件3 樹脂フィルムの30℃における寸法を基準とした、150℃における寸法変化率の絶対値が10%以下
条件1−2 樹脂フィルムの5%歪み応力が5MPa以下
条件2−2 変形量100%での引張試験法における、樹脂フィルムの弾性復元率が80%以上
条件3−2 樹脂フィルムの30℃における寸法を基準とした、150℃における寸法変化率の絶対値が5%以下。

0046

樹脂フィルムの5%歪み応力が特定の範囲をとると、柔軟性が向上し好ましい。樹脂フィルムの5%歪み応力が低いと柔軟性が向上するが、過剰に低い場合は剛性不足する場合があり、下限値は0.01MPa程度と考えられる。一方で、樹脂フィルムの5%歪み応力が10MPaより高い場合、樹脂フィルムの柔軟性が低下するため、目的の用途に不適となる場合がある。前記樹脂フィルムの5%歪み応力を10MPa以下とするためには、例えば前記樹脂フィルムに含まれる樹脂が後述に例示する材料を選択することで可能となる。また条件1の範囲よりも大きい領域では、柔軟性が不十分である。樹脂フィルムの5%歪み応力の測定条件については後述する。

0047

樹脂フィルムの変形量20%での弾性復元率が、特定の範囲になると復元性が向上し好ましい。弾性復元率は高い程好ましく、理想的には100%である。弾性復元率が70%よりも低い場合、樹脂フィルムの復元性が低下するため、目的の用途に不適となる場合がある。弾性復元率の測定方法は、後述する。

0048

樹脂フィルムの寸法変化率の絶対値を一定以下とすることで、本発明の積層体が加熱にさらされた場合でも意図せぬ変形が生じにくく、品位や後加工適性を向上できるため好ましい。

0049

前記寸法変化率の絶対値が一定以下の値をとると、前述のように品位や後加工適性が向上できるため好ましい。寸法変化率の寸法変化率が小さいほどこの効果は高まる。一方、前記寸法変化率の絶対値が10%を超える場合、前述の品位や後加工適性が不十分となる場合がある。寸法変化率の測定方法は、後述する。寸法変化率の絶対値は低い程好ましく、理想的には0%である。

0050

樹脂フィルムの5%歪み応力、樹脂フィルムの変形量20%での弾性復元率、および寸法変化率の絶対値を一定以下の値とするためには、例えば、前記樹脂フィルムに含まれる樹脂およびその前駆体として、後述する材料を選択することで可能となる。

0051

本発明の積層体や本発明の樹脂フィルムにおいて、前述の後加工適性を確保する観点から、樹脂フィルムが、カルボン酸や水酸基などの反応性末端と容易に反応する添加剤、すなわち、カルボン酸や水酸基と反応しやすいカルボジイミド基とイソシアネート基を有する化合物を含まないことが好ましい。そのため、樹脂フィルムのFT−IRスペクトルが、以下の条件4の特定のピーク強度の関係を示すことが好ましい。

0052

条件4樹脂フィルムのFT−IRスペクトルにおいて2,100〜2,200cm−1のカルボジイミド基および2,240〜2,270cm−1のイソシアネート基に由来するピークのうち、最もピーク強度の大きいものの強度P1と、3,000cm−1〜3,450cm−1のウレタン基のNH伸縮振動に起因するピーク強度P2との比、P1/P2(以下、単にP1/P2と記載することもある)が0.01以下。

0053

条件4において、P1は、カルボジイミド基、またはイソシアネート基に対応するFT−IRスペクトルのピーク強度で、樹脂フィルム中のカルボジイミド基とイソシアネート基の含有率に比例するパラメーターである。樹脂フィルムの組成によっては、イソシアネート基の逆対称伸縮振動に対応する2,240〜2,270cm−1のピークと、カルボジイミド基に対応する、2,100〜2,200のcm−1のピークの両方が出現する場合があり、この場合には最もピーク強度の大きいものをP1として選択する。また、P2は、ウレタン基に対応するFT−IRスペクトルのピーク強度であり、樹脂フィルム中のウレタン基の含有率に比例する。ウレタン基のNHは、アクセプターであるウレタン基のカルボニル基ポリオールの残基に含まれる、エーテル結合エステル結合と水素結合するため、NHの伸縮振動の波数シフトし、3,000cm−1〜3,450cm−1の範囲に出現し、ポリマーの構造によっては、複数のピークが出現する場合もある。その場合には、最もピーク強度の大きいものをP2として選択する。P1/P2は、後加工適性を低下させる、カルボジイミド基やイソシアネート基が、主たるポリマーに対してどのくらい含まれているかを指すものであり、0.01以下が好ましい。樹脂フィルムのFT−IRスペクトルの具体的な測定方法は、後述する。P1/P2は、小さいほど好ましく、0であることが特に好ましい。

0054

また、本発明の積層体において、樹脂フィルムは、湿熱保管前後の応力変化が、特定の範囲であることが好ましい。具体的には以下の条件5を満たすことが好ましく、以下の条件5−2を満たすことがより好ましい。

0055

条件5 23℃における樹脂フィルムを歪み量100%に伸長したときの応力F1と、85℃−85%にて500時間経過後、23℃における樹脂フィルムを歪み量100%に伸長したときの応力F3との比、F3/F1(以下、単にF3/F1と記載することもある)が0.5以上
条件5−2 0.8<F3/F1<1。

0056

さらに積層体の場合と同様に、剥離可能な支持基材を有さない本発明の樹脂フィルムにおいて、樹脂フィルムは、湿熱保管前後の応力変化が、特定の範囲であることが好ましい。具体的には以下の条件6を満たすことが好ましく、以下の条件6−2を満たすことがより好ましい。

0057

条件6 23℃における樹脂フィルムを歪み量100%に伸長したときの応力F4と、85℃−85%にて500時間経過後、23℃における樹脂フィルムを歪み量100%に伸長したときの応力F5との比、F5/F4(以下、単にF5/F4と記載することもある)が0.4以上
条件6−2 0.7<F5/F4<1。

0058

ここで、前述の積層体におけるF3/F1が、0.5よりも小さい場合に、復元性が低下する可能性がある。積層体のF3/F1は、最大でも1未満であることが好ましい。積層体のF3/F1が1を超えることはすなわち、湿熱での保管にて、応力が高くなることを指しており、樹脂フィルムの柔軟性が維持できない場合がある。湿熱保管前後の応力変化の測定方法は、後述する。

0059

また、剥離可能な支持基材を有さない本発明の樹脂フィルムにおけるF5/F4が、0.4よりも小さい場合に、復元性が低下する可能性がある。樹脂フィルムのF5/F4は、最大でも1未満であることが好ましい。樹脂フィルムにおけるF5/F4が1以上になることは、すなわち、湿熱での保管にて、応力が高くなることを指しており、樹脂フィルムの柔軟性が維持できない場合がある。湿熱保管前後の応力変化の測定方法は、後述する。

0060

本発明の積層体において、樹脂フィルムは酸化防止剤を含むことが好ましい。酸化防止剤を含むことにより、前述のポリエーテルセグメントの熱による酸化劣化を抑制することができ、耐熱性や耐湿熱性の向上に有効である。ここで、酸化防止剤とは、樹脂フィルムを構成する高分子化合物が、熱や光、金属などによって開始され、生成したラジカル酸素を取り込みながら反応する連鎖的な反応、いわゆる酸化劣化を防止する添加剤である。酸化防止剤は、その作用機構から、ラジカル連鎖開始防止剤ラジカル捕捉剤過酸化物分解剤に大別され、本発明の課題である、高温条件下での劣化抑制に対してこれらのいずれでも本発明の効果は得られるが、ラジカル捕捉剤、または過酸化物分解剤がより好ましく、ヒンダードフェノール系、セミヒンダードフェノール系のラジカル捕捉剤、またはホスファイト系、チオエーテル系の過酸化物分解剤が特に好ましい。すなわち、樹脂フィルムが、ヒンダードフェノール系、セミヒンダードフェノール系、ホスファイト系およびチオエーテル系からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤を含むことが好ましい。

0061

これらの酸化防止剤は、仮に後加工工程にて、本発明の樹脂フィルムが他部材に貼合や接着され、酸化防止剤が他部材に移行しても、他部材の反応性部位とは直接反応しにくいため、後加工工程に影響を及ぼしにくい。

0062

樹脂フィルムが、前述の酸化防止剤を含むかどうかは、様々な分析方法により調べることが可能であるが、飛行時間型2次イオン質量分析計(TOF−SIMS)による方法が最も容易である。また、離型層、または樹脂フィルムを形成する原料から判断することもできる。

0063

[本発明の形態]
以下、本発明の実施の形態について具体的に述べる。

0064

[積層体]
本発明の積層体は、前述の物性を示す樹脂フィルムを有し、少なくとのその一方の面に樹脂フィルムから剥離可能な支持基材を有していれば、平面状態、または成形された後の3次元形状のいずれであってもよい。

0065

[樹脂フィルム]
本発明の樹脂フィルムは、層数に特に限定はなく、1層から形成されていてもよいし、2層以上の層から形成されていてもよい。ここで層とは、表面側から厚み方向に向かって、隣接する部位と区別可能境界面を有し、かつ有限の厚みを有する部位を指す。より具体的には、前記離型層の断面を電子顕微鏡透過型走査型)または光学顕微鏡にて断面観察した際、不連続な境界面の有無により区別されるものを指す。離型層の厚み方向に組成が変わっていても、その間に前述の境界面がない場合には、1つの層として取り扱う。

0066

本発明の課題としている柔軟性、伸縮性の他に、光沢性耐指紋性成型性意匠性耐傷性防汚性耐溶剤性反射防止帯電防止導電性熱線反射近赤外線吸収電磁波遮蔽、易接着等の他の機能を有してもよく、その場合にはさらに1つ以上の層を形成してもよく、例えば前述の機能を有する機能層、粘着層、電子回路層印刷層光学調整層等や他の機能層を設けてもよい。

0067

前記樹脂フィルムの厚みは特に限定はなく、その用途によって適宜選択される。樹脂フィルムの厚みの下限は、樹脂フィルム自身の弾性率、破断伸度、積層体からの剥離力や剥離角度などの影響を受けるため、一概には定まらないが、後述する積層体の製造方法を用いて、一般的な柔軟材料同等の物性を実現する場合には、数μm程度が下限である。

0068

[支持基材]
本発明の積層体に用いられる支持基材は、熱可塑性樹脂熱硬化性樹脂のいずれを用いてもよく、ホモ樹脂であってもよく、共重合または2種類以上のブレンドであってもよい。支持基材を構成する樹脂は、成形性が良好であれば好ましく、その点から熱可塑性樹脂がより好ましい。

0069

熱可塑性樹脂の例としては、ポリエチレン・ポリプロピレンポリスチレンポリメチルペンテンなどのポリオレフィン樹脂脂環族ポリオレフィン樹脂ナイロン6ナイロン66などのポリアミド樹脂アラミド樹脂ポリイミド樹脂ポリエステル樹脂ポリカーボネート樹脂ポリアリレート樹脂ポリアセタール樹脂ポリフェニレンサルファイド樹脂、4フッ化エチレン樹脂・3フッ化エチレン樹脂・3フッ化塩化エチレン樹脂・4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体・フッ化ビニリデン樹脂などのフッ素樹脂アクリル樹脂メタクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリグリコール酸樹脂ポリ乳酸樹脂などを用いることができる。熱硬化性樹脂の例としては、フェノール樹脂エポキシ樹脂ユリア樹脂メラミン樹脂不飽和ポリエステル樹脂ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂などを用いることができる。熱可塑性樹脂は、十分な延伸性追従性を備える樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂は、強度・耐熱性・透明性の観点から、特に、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、もしくはメタクリル樹脂であることがより好ましい。

0070

本発明におけるポリエステル樹脂とは、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称であって、酸成分およびそのエステルジオール成分の重縮合によって得られる。具体例としてはポリエチレンテレフタレートポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートポリブチレンテレフタレートなどを挙げることができる。またこれらに酸成分やジオール成分として他のジカルボン酸およびそのエステルやジオール成分を共重合したものであってもよい。これらの中で透明性、寸法安定性、耐熱性などの点でポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが特に好ましい。

0071

また、支持基材には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤結晶核剤無機粒子有機粒子、減粘剤、熱安定剤滑剤赤外線吸収剤紫外線吸収剤屈折率調整のためのドープ剤などが添加されていてもよい。支持基材は、単層構成積層構成のいずれであってもよい。

0072

また、支持基材の表面には、本発明の樹脂フィルムとは別に易接着層帯電防止層アンダーコート層紫外線吸収層、離型層などの機能性層をあらかじめ設けることも可能であり、本発明の積層体においては、支持基材と樹脂フィルムの剥離力を低下させるため、離型層を設けることが好ましい。離型層の詳細については後述する。

0073

離型層が設けられた支持基材の例として、東レフィルム加工株式会社製の“セラピール”(登録商標)、ユニチカ株式会社製の“ユニピール”(登録商標)、パナック株式会社製の“パナピール”(登録商標)、東洋紡株式会社製の“東洋紡エステル”(登録商標)、帝人株式会社製の“ピューレクス”(登録商標)などを挙げることができ、これらの製品を利用することもできる。

0074

支持基材の表面には、前記樹脂フィルムを形成する前に各種の表面処理を施すことも可能である。表面処理の例としては、薬品処理機械的処理コロナ放電処理火焔処理、紫外線照射処理高周波処理グロー放電処理活性プラズマ処理レーザー処理混酸処理およびオゾン酸化処理が挙げられる。これらの中でもグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理および火焔処理が好ましく、グロー放電処理と紫外線処理がさらに好ましい。

0075

[離型層]
本発明の積層体に用いられる支持基材は、前述のように離型層を有することが好ましい。離型層を有する支持基材は、離型フィルムとも呼ばれる。離型層は、密着性帯電防止性、耐溶剤性等を付与する観点から複数の層から構成されていてもよく、支持基材の両面にあってもよい。

0076

離型層の組成や厚みは、樹脂フィルムからの剥離力を、前述の好ましい範囲にすることができれば特に限定されないが、離型層の面内均一性、品位、剥離力の面から10〜500nmであることが好ましく、20〜300nmであることがより好ましい。

0077

[保護材料]
本発明の積層体は,前述の図5のように樹脂フィルムの支持基材とは反対側の面に保護材料を有していてもよい。保護材料は、前述の支持基材と同じものでも、異なるものでもよいが、後工程の使用において、前述の支持基材と、剥離力に差を有することが好ましい。保護材料と支持基材の樹脂フィルムからの剥離力の大小関係は、後工程での使用方法に応じて適宜選択される。そのため、保護材料は、前述の図7のように離型層を有しても良く、図8のように粘着層を有してもよく、図6のように層を有さなくてもよい。

0078

[樹脂フィルム形成用塗料組成物]
本発明の積層体の製造方法は特に限定されないが、本発明の積層体は、前述の支持基材の一方の面に、後述する樹脂フィルム形成用塗料組成物を塗布する工程と、必要に応じて乾燥する工程や硬化する工程を経て作ることが好ましい。

0079

ここで「塗料組成物」とは、前述の支持基材上に面内均一に塗布でき、樹脂フィルムを形成することができれば特に限定されないが、前述の物性を有する樹脂フィルムを形成するには、塗布後に加熱、または電離放射線照射により硬化を行うことが好ましい。また、樹脂フィルムの品位や、製造適性の観点から、溶媒を含んでもよく、その場合には、塗布と硬化の間に、溶媒を除去する乾燥を行うことが好ましい。

0080

この塗料組成物の固形分は、樹脂もしくは塗布プロセス内でそれらを形成可能な材料(以降これを前駆体と呼ぶ)、粒子、および重合開始剤硬化剤触媒レベリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の各種添加剤からなる。

0081

樹脂フィルム形成用塗料組成物は、本発明の樹脂フィルムを構成するのに適した材料を含む、もしくは形成可能な前駆体を含む液体であり、溶質としてポリエーテルセグメントと(メタ)アクリルセグメントとウレタンセグメントを含む樹脂もしくは前駆体を含むことが好ましい。これらは1種類のポリマー、またはオリゴマー内に全て存在していてもよいし、それぞれを含む別のポリマー、オリゴマーの混合物であってもよい。

0082

本発明の積層体では、樹脂フィルムの柔軟性や復元性など機械的な性質が重要である。そのため、樹脂フィルムを形成するポリマーの構造を制御できる方法が好ましい。また、本発明の積層体は、樹脂フィルムに対して、高いレベルでの外観品位や厚みの平滑性が求められるため、後述する積層体の製造方法において、樹脂フィルム形成用塗料組成物の粘度には好ましい範囲がある。さらに、本発明の積層体は、後工程にて加工されるため、できるだけ溶媒等への耐久性がある方が好ましい。

0083

そのため、樹脂フィルム形成用塗料組成物は、ポリエーテルセグメントと(メタ)アクリルセグメントとウレタンセグメントを含む前駆体を分子量が制御できる状況で重合したオリゴマーを作り、次いで、これに、各種添加剤を添加して、樹脂フィルム形成用塗料組成物を作成し、これを後述する積層体の製造方法において、支持基材上に塗布、架橋させることで、樹脂フィルムにすることが好ましい。

0084

具体的には、ポリエーテルポリオールとイソシアネート基を含有する化合物とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートや、アクリル変性ポリエーテルポリオールとイソシアネート基を含有する化合物などをあらかじめ重合して、ウレタンアクリレートオリゴマーを作り、これに適宜添加剤を加えて、樹脂フィルム形成用塗料組成物とすることが好ましい。

0085

ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリコールなどの、ポリアルキレングリコールやその各種誘導体が上げられる。

0086

ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が例示される。

0087

イソシアネート基を含有する化合物とは、イソシアネート基を含有する樹脂や、イソシアネート基を含有するモノマーやオリゴマーを指す。イソシアネート基を含有する化合物は、例えば、メチレンビス−4−シクロヘキシルイソシアネートトリレンジイソシアネートトリメチロールプロパンアダクト体ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンイソシアネートビウレット体などの(ポリ)イソシアネート、および上記イソシアネートのブロック体などを挙げることができる。

0088

これらのイソシアネート基を含有する化合物の中でも、脂環族や芳香族のイソシアネートに比べて脂肪族のイソシアネートが、伸縮性や柔軟性が高く好ましい。イソシアネート基を含有する化合物は、より好ましくは、ヘキサメチレンジイソシアネートである。また、イソシアネート基を含有する化合物は、イソシアヌレート環を有するイソシアネートが耐熱性の点で特に好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体が最も好ましい。イソシアヌレート環を有するイソシアネートは、伸縮性と耐熱特性を併せ持つ樹脂フィルムを形成する。

0089

ウレタンアクリレートの市販されている例としては、亜細亜工業株式会社製のウレタンアクリレート、共栄社化学株式会社製のウレタンアクリレート、新仲化学工業株式会社製のウレタンアクリレート、大成ファインケミカル株式会社製のウレタンアクリレート、第一工業製薬製の“ニューフロンティア”(登録商標)、ダイセルオルネクス株式会社製の“EBECRYL”(登録商標)、日本合成株式会社製の“紫光”(登録商標)、DIC株式会社製のウレタンアクリレートなどを挙げることができ、これらの製品を利用することができる。

0090

[酸化防止剤]
樹脂フィルムは酸化防止剤を含むことが好ましい。酸化防止剤を含むことにより、前述のポリエーテルセグメントの熱による酸化劣化を抑制することができ、耐熱性や耐湿熱性の向上に有効である。ここで、酸化防止剤とは、樹脂フィルムを構成する高分子化合物が、熱や光、金属などによって開始され、生成したラジカルが酸素を取り込みながら反応する連鎖的な反応、いわゆる酸化劣化を防止する添加剤である。酸化防止剤は、その作用機構から、ラジカル連鎖開始防止剤、ラジカル捕捉剤、過酸化物分解剤に大別され、本発明の課題である、高温条件下での劣化抑制に対してこれらのいずれでも本発明の効果は得られるが、ラジカル捕捉剤、または過酸化物分解剤がより好ましくヒンダードフェノール系、セミヒンダードフェノール系のラジカル捕捉剤、またはホスファイト系、チオエーテル系の過酸化物分解剤が特に好ましい。

0091

[溶媒]
本発明の樹脂フィルム用塗料組成物は溶媒を含んでもよく、塗布層を面内に均一に形成するためには、溶媒を含む方が好ましい。溶媒の種類数としては1種類以上20種類以下が好ましく、より好ましくは1種類以上10種類以下、さらに好ましくは1種類以上6種類以下、特に好ましくは1種類以上4種類以下である。

0092

ここで「溶媒」とは、前述の乾燥工程にてほぼ全量を蒸発させることが可能な、常温、常圧で液体である物質を指す。

0093

ここで、溶媒の種類とは溶媒を構成する分子構造によって決まる。すなわち、同一の元素組成で、かつ官能基の種類と数が同一であっても結合関係が異なるもの(構造異性体)、前記構造異性体ではないが、3次元空間内ではどのような配座をとらせてもぴったりとは重ならないもの(立体異性体)は、種類の異なる溶媒として取り扱う。例えば、2−プロパノールと、n−プロパノールは異なる溶媒として取り扱う。

0094

さらに、溶媒を含む場合には以下の特性を示す溶媒であることが好ましい。

0095

塗料組成物中のその他の成分]
また、前記塗料組成物は、前述の酸化防止剤の他に、重合開始剤や硬化剤や触媒を含むことが好ましい。重合開始剤および触媒は、樹脂フィルムの硬化を促進するために用いられる。重合開始剤としては、塗料組成物に含まれる成分をアニオンカチオンラジカル重合反応等による重合、縮合または架橋反応を開始あるいは促進できるものが好ましい。

0096

重合開始剤、硬化剤および触媒は種々のものを使用できる。また、重合開始剤、硬化剤および触媒はそれぞれ単独で用いてもよく、複数の重合開始剤、硬化剤および触媒を同時に用いてもよい。さらに、酸性触媒や、熱重合開始剤を併用してもよい。酸性触媒の例としては、塩酸水溶液蟻酸酢酸などが挙げられる。熱重合開始剤の例としては、過酸化物アゾ化合物が挙げられる。また、光重合開始剤の例としては、アルキルフェノン系化合物含硫黄系化合物、アシルホスフィンオキシド系化合物、アミン系化合物などが挙げられる。また、ウレタン結合形成反応を促進させる架橋触媒の例としては、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジエチルヘキソエートなどが挙げられる。

0097

光重合開始剤としては、硬化性の点から、アルキルフェノン系化合物が好ましい。アルキルフェノン形化合物の具体例としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−フェニル)−1−ブタン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−(4−フェニル)−1−ブタン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタン、1−シクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−エトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ビス(2−フェニル−2−オキソ酢酸)オキシビスエチレン、およびこれらの材料を高分子量化したものなどが挙げられる。

0098

また、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、樹脂フィルムを形成するために用いる塗料組成物にレベリング剤、滑剤、帯電防止剤等を加えてもよい。これにより、樹脂フィルムはレベリング剤、滑剤、帯電防止剤等を含有することができる。

0099

レベリング剤の例としては、アクリル共重合体またはシリコーン系フッ素系のレベリング剤が挙げられる。帯電防止剤の例としてはリチウム塩ナトリウム塩カリウム塩ルビジウム塩、セシウム塩マグネシウム塩カルシウム塩などの金属塩が挙げられる。

0100

[積層体の製造方法]
本発明の積層体の製造方法は、積層体から支持基材を剥離して樹脂フィルムを得ることができれば特に限定されないが、支持基材上に樹脂フィルム用塗料組成物を塗布し、必要に応じて乾燥、硬化することで、樹脂フィルムを設ける方法が好ましい。

0101

塗布方法は、支持基材上に、樹脂フィルム用塗料組成物を塗布し、面内均一な塗布層を形成できれば、特に限定されない。フィルム上への塗布方法としては、ディップコート法ローラーコート法ワイヤーバーコート法、グラビアコート法ダイコート法(米国特許第2681294号明細書)などから適宜、選択できる。ここで塗布層とは、塗布工程により形成された「液体の層」を指す。

0102

乾燥方法は、支持基材上に形成された塗布層から、溶媒を除去することができれば、特に限定されない。乾燥方法としては、伝熱乾燥高熱物体への密着)、対流伝熱熱風)、輻射伝熱赤外線)、その他(マイクロ波誘導加熱)によりなどが挙げられるが、この中でも、本発明の製造方法では、精密に幅方向でも乾燥速度を均一にする必要から、対流伝熱または輻射伝熱を使用した方式が好ましい。

0103

硬化方法は、乾燥後、樹脂フィルムに熱またはエネルギー線を照射することにより、反応させ、塗膜を硬化するものである。硬化工程において、熱で硬化する場合には、室温から200℃であることが好ましく、硬化反応活性化エネルギーの観点から、より好ましくは100℃以上200℃以下、さらに好ましくは130℃以上200℃以下であるが、乾燥工程と兼ねて、連続して行ってもよい。

0104

また、エネルギー線により硬化する場合には汎用性の点から電子線(EB線)および/または紫外線UV線)であることが好ましい。また、紫外線を照射する際に用いる紫外線ランプの種類としては、例えば、放電ランプ方式、フラッシュ方式レーザー方式無電極ランプ方式等が挙げられる。放電ランプ方式である高圧水銀灯を用いて紫外線硬化させる場合、紫外線の照度が100〜3,000(mW/cm2)が好ましく、より好ましくは200〜2,000(mW/cm2)、さらに好ましくは300〜1,500(mW/cm2)、となる条件で紫外線照射を行うことがよく、紫外線の積算光量が、100〜3,000(mJ/cm2)が好ましく、より好ましくは200〜2,000(mJ/cm2)、さらに好ましくは300〜1,500(mJ/cm2)となる条件で紫外線照射を行うことがよい。ここで、紫外線照度とは、単位面積当たりに受ける照射強度で、ランプ出力発光スペクトル効率、発光バルブの直径、反射鏡の設計及び被照射物との光源距離によって変化する。しかし、搬送スピードによって照度は変化しない。また、紫外線積算光量とは単位面積当たりに受ける照射エネルギーで、その表面に到達するフォトンの総量である。積算光量は、光源下を通過する照射速度反比例し、照射回数ランプ灯数に比例する。

0105

[樹脂フィルムの製造方法]
本発明の樹脂フィルムの製造方法は特に限定されないが、本発明の樹脂フィルムは、上述の製造方法によって得られた積層体から、剥離可能な支持基材を剥離することで得ることができる。

0106

[用途例]
本発明の積層体の樹脂フィルムは、光学特性、柔軟性、伸縮性、搬送性に優れるといった利点を活かし、特に高い柔軟性や伸縮性が求められる用途に好適に用いることができる。

0108

次に、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。

0109

[オリゴマーAの合成]
下記、1から7を混合後70℃で5時間保持し、次いでトルエン希釈して、オリゴマーAの固形分濃度60質量%トルエン溶液を得た。

0110

1.トルエン:50質量部
2.ポリテトラメチレングリコール(三菱ケミカル株式会社製 PTMG2000):330質量部
3.ヘキサメチレンジイソシアネート:50質量部
4.ヘキサメチレンジイソシアネートイソシアヌレート変性タイプ
(三井化学株式会社製 “タケネート”(登録商標)D−170N):2質量部
5.ジブチル錫ラウレート:0.02質量部
6.ハイドロキノンモノメチルエーテル:0.02質量部
7.2−ヒドロキシエチルアクリレート:11質量部。

0111

[オリゴマーBの合成]
下記、1から7を混合後70℃で5時間保持し、次いでトルエンで希釈して、オリゴマーBの固形分濃度60質量%トルエン溶液を得た。

0112

1.トルエン:50質量部
2.ポリテトラメチレングリコール(三菱ケミカル株式会社製 PTM1300):220質量部
3.ヘキサメチレンジイソシアネート:50質量部
4.ヘキサメチレンジイソシアネートイソシアヌレート変性タイプ
(三井化学株式会社製 “タケネート”(登録商標)D−170N):2質量部
5.ジブチル錫ラウレート:0.02質量部
6.ハイドロキノンモノメチルエーテル0.02質量部
7.2−ヒドロキシエチルアクリレート:11質量部。

0113

[オリゴマーCの合成]
下記、1から7を混合後70℃で5時間保持し、次いでトルエンで希釈して、オリゴマーCの固形分濃度60質量%トルエン溶液を得た。

0114

1.トルエン:50質量部
2.ポリエチレングリコール:(日油株式会社製 PEG#2000):330質量部
3.ヘキサメチレンジイソシアネート:50質量部
4.ヘキサメチレンジイソシアネートイソシアヌレート変性タイプ
(三井化学株式会社製 “タケネート”(登録商標)D−170N):2質量部
5.ジブチル錫ラウレート:0.02質量部
6.ハイドロキノンモノメチルエーテル:0.02質量部
7.2−ヒドロキシエチルアクリレート:11質量部。

0115

[オリゴマーDの合成]
下記、1から7を混合後70℃で5時間保持し、次いでトルエンで希釈して、オリゴマーDの固形分濃度60質量%トルエン溶液を得た。

0116

1.トルエン:50質量部
2.ポリテトラメチレングリコール(三菱ケミカル株式会社製 PTM1300):220質量部
4.ヘキサメチレンジイソシアネートイソシアヌレート変性タイプ
(三井化学株式会社製 “タケネート”(登録商標)D−170N):2質量部
5.ジブチル錫ラウレート:0.02質量部
6.ハイドロキノンモノメチルエーテル:0.02質量部
7.2−ヒドロキシエチルアクリレート:11質量部。

0117

[オリゴマーEの合成]
下記、1から7を混合後70℃で5時間保持し、次いでトルエンで希釈して、オリゴマーEの固形分濃度60質量%トルエン溶液を得た。

0118

1.トルエン:50質量部
2.ポリテトラメチレングリコール(三菱ケミカル株式会社製 PTM1300):220質量部
3.ヘキサメチレンジイソシアネート:50質量部
4.ヘキサメチレンジイソシアネートイソシアヌレート変性タイプ
(三井化学株式会社製 “タケネート”(登録商標)D−170N):2質量部
5.ジブチル錫ラウレート:0.02質量部
6.ハイドロキノンモノメチルエーテル:0.02質量部
7.4−ヒドロキシブチルアクリレート:13質量部。

0119

[オリゴマーFの合成]
下記、1から7を混合後70℃で5時間保持し、次いでトルエンで希釈して、オリゴマーFの固形分濃度60質量%トルエン溶液を得た。

0120

1.トルエン:50質量部
2.ポリテトラメチレングリコール(三菱ケミカル株式会社製 PTM1000):165質量部
3.ヘキサメチレンジイソシアネート:50質量部
4.ヘキサメチレンジイソシアネートイソシアヌレート変性タイプ
(三井化学株式会社製 “タケネート”(登録商標)D−170N):2質量部
5.ジブチル錫ラウレート:0.02質量部
6.ハイドロキノンモノメチルエーテル:0.02質量部
7.4−ヒドロキシブチルアクリレート:13質量部。

0121

[オリゴマーPの合成]
下記、1から7を混合後70℃で5時間保持し、次いでトルエンで希釈して、オリゴマーPの固形分濃度60質量%トルエン溶液を得た。

0122

1.トルエン:50質量部
2.ポリカプロラクトンジオール(株式会社ダイセル製プラクセル220):330質量部
3.ヘキサメチレンジイソシアネート:50質量部
4.ヘキサメチレンジイソシアネートイソシアヌレート変性タイプ
(三井化学株式会社製 “タケネート”(登録商標)D−170N):2質量部
5.ジブチル錫ラウレート:0.02質量部
6.ハイドロキノンモノメチルエーテル:0.02質量部
7.2−ヒドロキシエチルアクリレート:11質量部。

0123

[オリゴマーQの合成]
下記、1から7を混合後70℃で5時間保持し、次いでトルエンで希釈して、オリゴマーQの固形分濃度60質量%トルエン溶液を得た。

0124

1.トルエン:50質量部
2.ポリテトラメチレングリコール(三菱ケミカル株式会社製 PTM650):110質量部
3.ヘキサメチレンジイソシアネート:50質量部
4.ヘキサメチレンジイソシアネートイソシアヌレート変性タイプ
(三井化学株式会社製 “タケネート”(登録商標)D−170N):2質量部
5.ジブチル錫ラウレート:0.02質量部
6.ハイドロキノンモノメチルエーテル:0.02質量部
7.4−ヒドロキシブチルアクリレート:13質量部。

0125

[樹脂フィルム形成用塗料組成物の調合
[樹脂フィルム形成用塗料組成物1]
以下の材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し、固形分濃度40質量%の樹脂フィルム形成用塗料組成物1を得た。

0126

・オリゴマーAトルエン溶液(固形分濃度60質量%):100質量部
ヒンダードフェノール系酸化防止剤“IRGANOX”1010 (BASFジャパン株式会社製):5質量部
・光重合開始剤“IRGACURE”184 (BASFジャパン株式会社製):1.5質量部。

0127

[樹脂フィルム形成用塗料組成物2]
以下の材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し、固形分濃度40質量%の樹脂フィルム形成用塗料組成物2を得た。

0128

・オリゴマーBトルエン溶液(固形分濃度60質量%):100質量部
・ヒンダードフェノール系酸化防止剤“IRGANOX”1010 (BASFジャパン株式会社製):5質量部
・光重合開始剤“IRGACURE”184 (BASFジャパン株式会社製):1.5質量部。

0129

[樹脂フィルム形成用塗料組成物3]
以下の材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し、固形分濃度40質量%の樹脂フィルム形成用塗料組成物3を得た。

0130

・オリゴマーCトルエン溶液(固形分濃度60質量%):100質量部
・ヒンダードフェノール系酸化防止剤“IRGANOX”1010 (BASFジャパン株式会社製):5質量部
・光重合開始剤“IRGACURE”184 (BASFジャパン株式会社製):1.5質量部。

0131

[樹脂フィルム形成用塗料組成物4]
以下の材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し、固形分濃度40質量%の樹脂フィルム形成用塗料組成物4を得た。

0132

・オリゴマーDトルエン溶液(固形分濃度60質量%) 100質量部
・ヒンダードフェノール系酸化防止剤“IRGANOX”1010 (BASFジャパン株式会社製):5質量部
・光重合開始剤“IRGACURE”184 (BASFジャパン株式会社製):1.5質量部。

0133

[樹脂フィルム形成用塗料組成物5]
以下の材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し、固形分濃度40質量%の樹脂フィルム形成用塗料組成物5を得た
・オリゴマーEトルエン溶液(固形分濃度60質量%):100質量部
・ヒンダードフェノール系酸化防止剤“IRGANOX”1010 (BASFジャパン株式会社製):5質量部
・光重合開始剤“IRGACURE”184 (BASFジャパン株式会社製):1.5質量部。

0134

[樹脂フィルム形成用塗料組成物6]
以下の材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し、固形分濃度40質量%の樹脂フィルム形成用塗料組成物6を得た
・オリゴマーBトルエン溶液(固形分濃度50質量%):100質量部
ホスファイト酸化防止剤“IRGANOX”1520 (BASFジャパン株式会社製):5質量部
・光重合開始剤“IRGACURE”184 (BASFジャパン株式会社製):1.5質量部。

0135

[樹脂フィルム形成用塗料組成物7]
以下の材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し、固形分濃度40質量%の樹脂フィルム形成用塗料組成物7を得た。

0136

・オリゴマーBトルエン溶液(固形分濃度60質量%):100質量部
リン系酸化防止剤“IRGAFOS”168 (BASFジャパン株式会社製):5質量部
・光重合開始剤“IRGACURE”184 (BASFジャパン株式会社製):1.5質量部。

0137

[樹脂フィルム形成用塗料組成物8]
以下の材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し、固形分濃度40質量%の樹脂フィルム形成用塗料組成物8を得た
・オリゴマーBトルエン溶液(固形分濃度60質量%):100質量部
ヒンダードアミン系酸化防止剤“TINUVIN PA144 (BASFジャパン株式会社製):5質量部
・光重合開始剤“IRGACURE”184 (BASFジャパン株式会社製):1.5質量部。

0138

[樹脂フィルム形成用塗料組成物9]
以下の材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し、固形分濃度40質量%の樹脂フィルム形成用塗料組成物9を得た。

0139

・オリゴマーBトルエン溶液(固形分濃度60質量%):100質量部
・光重合開始剤“IRGACURE”184 (BASFジャパン株式会社製):1.5質量部。

0140

[樹脂フィルム形成用塗料組成物10]
以下の材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し、固形分濃度40質量%の樹脂フィルム形成用塗料組成物10を得た。

0141

・オリゴマーFトルエン溶液(固形分濃度60質量%):100質量部
・光重合開始剤“IRGACURE”184 (BASFジャパン株式会社製):1.5質量部。

0142

[樹脂フィルム形成用塗料組成物11]
以下の材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し、固形分濃度40質量%の樹脂フィルム形成用塗料組成物11を得た。

0143

・オリゴマーBトルエン溶液(固形分濃度60質量%):100質量部
カルボジイミド系加水分解防止剤“Elastostab”H01(BASFジャパン株式会社製):5質量部
・光重合開始剤“IRGACURE”184 (BASFジャパン株式会社製):1.5質量部。

0144

[樹脂フィルム形成用塗料組成物12]
以下の材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し、固形分濃度40質量%の樹脂フィルム形成用塗料組成物12を得た。

0145

・オリゴマーBトルエン溶液(固形分濃度60質量%):100質量部
・ヒンダードフェノール系酸化防止剤“IRGANOX”1010 (BASFジャパン株式会社製):5質量部
・カルボジイミド系加水分解防止剤“Elastostab”H01(BASFジャパン株式会社製):5質量部
・光重合開始剤“IRGACURE”184 (BASFジャパン株式会社製):1.5質量部。

0146

[樹脂フィルム形成用塗料組成物13]
以下の材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し、固形分濃度40質量%の樹脂フィルム形成用塗料組成物13を得た。

0147

・オリゴマーPトルエン溶液(固形分濃度60質量%):100質量部
・ヒンダードフェノール系酸化防止剤“IRGANOX”1010 (BASFジャパン株式会社製):5質量部
・光重合開始剤“IRGACURE”184 (BASFジャパン株式会社製):1.5質量部。

0148

[樹脂フィルム形成用塗料組成物14]
以下の材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し、固形分濃度40質量%の樹脂フィルム形成用塗料組成物14を得た。

0149

・オリゴマーBトルエン溶液(固形分濃度60質量%):100質量部
・カルボジイミド系加水分解防止剤“Elastostab”H01(BASFジャパン株式会社製):5質量部
・光重合開始剤“IRGACURE”184 (BASFジャパン株式会社製):1.5質量部。

0150

[樹脂フィルム形成用塗料組成物15]
以下の材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し、固形分濃度40質量%の樹脂フィルム形成用塗料組成物15を得た。

0151

・オリゴマーPトルエン溶液(固形分濃度60質量%):100質量部
・光重合開始剤“IRGACURE”184 (BASFジャパン株式会社製):1.5質量部。

0152

[樹脂フィルム形成用塗料組成物16]
以下の材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し、固形分濃度40質量%の樹脂フィルム形成用塗料組成物16を得た。

0153

・オリゴマーPトルエン溶液(固形分濃度60質量%):100質量部
・ヒンダードフェノール系酸化防止剤“IRGANOX”1010 (BASFジャパン株式会社製):5質量部
・カルボジイミド系加水分解防止剤“Elastostab”H01(BASFジャパン株式会社製):5質量部
・光重合開始剤“IRGACURE”184 (BASFジャパン株式会社製):1.5質量部。

0154

[樹脂フィルム形成用塗料組成物17]
10℃に冷却したトルエン200質量部を攪拌した中に、下記材料を少量ずつ添加し、攪拌状態を維持したまま80℃に昇温し溶解させ、溶解後、トルエンを用いて希釈し、固形分濃度40質量%の樹脂フィルム形成用塗料組成物17を得た。

0155

ポリエーテル熱可塑性ウレタンエラストマーエラストラン”1180A(BASFジャパン株式会社製):100質量部
・ヒンダードフェノール系酸化防止剤“IRGANOX”1010 (BASFジャパン株式会社製):5質量部。

0156

[樹脂フィルム形成用塗料組成物18]
以下の材料を混合し、メチルエチルケトンを用いて希釈し、固形分濃度40質量%の樹脂フィルム形成用塗料組成物18を得た。

0157

・オリゴマーQトルエン溶液(固形分濃度60質量%):100質量部
・ヒンダードフェノール系酸化防止剤“IRGANOX”1010 (BASFジャパン株式会社製):5質量部
・光重合開始剤“IRGACURE”184 (BASFジャパン株式会社製):1.5質量部。

0158

離型層用塗料組成物]
下記材料を混合し、メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール混合溶媒(質量混合比50/50)を用いて希釈し、固形分濃度5質量%の離型層用塗料組成物を得た。
・側鎖型カルビノール変性反応シリコーンオイル
(X−22−4015信越化学工業(株) 固形分濃度:100質量%):5質量部
・両末端型ポリエーテル変性反応型シリコーンオイル
(X−22−4952信越化学工業(株) 固形分濃度:100質量%):5質量部
アクリル変性アルキド樹脂溶液
ハリフタール KV−905 ハリマ化成株式会社 固形分濃度 53質量%):100質量部
イソブチルアルコール変性メラミン樹脂溶液
メラン2650L日立化成株式会社 固形分濃度 60質量%):20質量部
パラトルエンスルホン酸:5質量部。

0159

[積層体、樹脂フィルムの製造方法]
[支持基材の形成]
小径グラビアコーターを有する塗布装置を用い、厚み50μmのポリエステルフィルム(東レ(株)製商品名“ルミラー”(登録商標)R75X)に、離型層用塗料組成物を表1に記載の離型層厚みになるように、グラビア線数周速、固形分濃度を調整して塗布し、次いで熱風温度140℃にて30秒保持することで、乾燥と硬化を行い離型層付き支持基材を得た。

0160

[積層体の形成A]
支持基材として、前述の離型層付き支持基材を使用し、スロットダイコーターによる連続塗布装置を用い、前述の樹脂フィルム形成用塗料組成物を、前述の支持基材の離型層上に、硬化後の樹脂フィルムの厚みが指定の膜厚になるように、吐出流量を調整して塗布した。塗布から乾燥、硬化までの間に液膜にあたる乾燥風の条件は以下の通りである。

0161

[乾燥工程]
送風温湿度: 温度:80℃、相対湿度:1%以下
風速: 塗布面側:5m/秒、反塗布面側:5m/秒
風向: 塗布面側:基材の面に対して平行、反塗布面側:基材の面に対して垂直
滞留時間: 2分間
[硬化工程]
照射出力: 400W/cm2
積算光量 : 120mJ/cm2
酸素濃度: 0.1体積%。

0162

[積層体の形成B]
支持基材として、前述の離型層付き支持基材を使用し、スロットダイコーターによる連続塗布装置を用い、前述の樹脂フィルム形成用塗料組成物を、前述の支持基材の離型層上に、硬化後の樹脂フィルムの厚みが指定の膜厚になるよう、吐出流量を調整して塗布した。塗布から乾燥、硬化までの間に液膜にあたる乾燥風の条件は以下の通りである。

0163

[乾燥工程]
送風温湿度: 温度:80℃、相対湿度:1%以下
風速: 塗布面側:5m/秒、反塗布面側:5m/秒
風向: 塗布面側:基材の面に対して平行、反塗布面側:基材の面に対して垂直
滞留時間: 2分間
以上の方法により実施例1〜11、比較例1〜8の積層体および樹脂フィルムを作成した。各実施例、比較例に対応する樹脂フィルム形成用塗料組成物、積層体の形成方法、およびそれぞれの樹脂フィルムの厚みは、後述の表1に記載した。

0164

0165

[積層体、樹脂フィルム、樹脂フィルムの評価]
積層体および樹脂フィルムについて、次に示す性能評価を実施し、得られた結果を表2に示す。特に断らない場合を除き、測定は各実施例・比較例において1つのサンプルについて場所を変えて3回測定を行い、その平均値を用いた。

0166

なお、樹脂フィルムについては、積層体と同等とみなし、同様の評価を行った。

0167

[積層体、樹脂フィルムの厚みの測定]
電子顕微鏡(SEM)を用いて断面を観察することにより、積層体および樹脂フィルムの厚みを測定した。各層の厚みは、以下の方法に従い測定した。積層体および樹脂フィルムの断面の切片をSEMにより3,000倍の倍率撮影した画像から、ソフトウェア画像処理ソフトImageJ)にて各層の厚みを読み取った。合計で30点の層厚みを測定して求めた平均値を、測定値とした。

0168

[5%歪み応力、100%歪み応力]
積層体を10mm幅×150mm長の矩形切り出した後、支持基材から樹脂フィルムを剥離し、試験片とした。なお、それぞれ150mm長の方向を積層体の長手方向に合わせた。引張試験機オリエンテックテンシロンUCT−100)を用いて、初期引張チャック間距離50mmとし、引張速度300mm/minに設定し、測定温度23℃で引張試験を行った。

0169

チャック間距離がa(mm)のときのサンプルにかかる荷重b(N)を読み取り、以下の式から、ひずみ量x(%)と応力y(N/mm2)を算出した。ただし、試験前のサンプル厚みをk(mm)とする。
ひずみ量:x=((a−50)/50)×100
応力:y=b/(k×10)。

0170

上記で得られたデータのうち、歪み量5%での応力を5%歪み応力とし、歪み量100%での応力を100%歪み応力とした。

0171

[弾性復元率の測定]
樹脂フィルムを10mm幅×150mm長の矩形に切り出し試験片とした。なお、それぞれ150mm長の方向を積層体の長手方向に合わせた。引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT−100)を用いて、初期引張チャック間距離50mmとし、引張速度50mm/minに設定し、測定温度23℃で引張試験を行った。その際、歪み量10mm(=20%)までサンプルを伸張後、サンプルへの引張荷重解放した。この試験法を、変形量20%での引張試験法とする。

0172

測定前に初期試長として印をつけていた距離を測定してLmmとして、以下の式から、弾性復元率z%を算出した。
弾性復元率:z=(1−(L−50)/20)×100 (%)。

0173

[寸法変化率の測定]
積層体を10mm幅の矩形に切り出した後、樹脂フィルムから支持基材を剥離し、試験片とした。

0174

JIS K7244(1998)の引張振動非共振法に基づき(これを動的粘弾性法とする)、セイコーインスツルメンツ株式会社製の動的粘弾性測定装置DMS6100”を用いて樹脂フィルムの貯蔵弾性率損失弾性率を求めた。
測定モード:引張
チャック間距離:20mm
試験片の幅:10mm
周波数:1Hz
振幅:10μm
最小張力:20mN
力振幅初期値:40mN
測定温度:−100℃から200℃まで
昇温速度:5℃/分
この時、貯蔵弾性率や損失弾性率の測定と同時にdL値LVDT(Linear Variable Differential Transformer)の出力値)が得られ、これが測定時の試験片の寸法に対応する値を表す。30℃におけるdL値をa30(μm)とし、150℃におけるdL値をa150(μm)として、以下の式にて寸法変化率を求めた。
(寸法変化率)=((a150−a30)/20,000)×100
さらに、上記式で得られた寸法変化率の絶対値を算出した。

0175

[FT-IRによる樹脂フィルムの赤外吸収スペクトルの測定」
樹脂フィルムの表面に対して、ATR法によるFT−IRスペクトルの測定を行った。測定装置、測定条件は以下の通りである。

0176

測定装置: Varian社製 FT−IR Varian−670
測定条件:光源特殊セラミックス
検出器TGS
分解能4cm−1
積算回数128回
測定波数範囲 4,000〜680cm−1。

0177

得られたスペクトルから、2,100〜2,200cm−1のカルボジイミド基に由来するピークおよび2,240〜2,270cm−1のイソシアネート基に由来するピークのうち、最もピーク強度が大きいものの強度P1と、3,000cm−1〜3,500cm−1のウレタン基のNH伸縮振動に起因するピーク強度P2を求め、P1/P2を算出した。ウレタン基のNH伸縮振動に起因するピークは、アクセプターとなるカルボニル基、ポリオール残基のエーテル結合、エステル結合との水素結合により、この範囲内で複数のピークが出現するケースがあるが、その場合には、最もピーク強度が大きいものをP2として選択する。

0178

[積層体の湿熱保管時前後の応力変化]
積層体を10mm幅×150mm長の矩形に切り出した状態で、85℃−85%の恒温恒湿層に入れ、500時間保管した。500時間後、取り出した積層体の100%歪み応力(F3)と、恒温恒湿層に入れなかった積層体(F1)の両方について、前述の方法で100%歪み応力を求め、F3/F1を算出した。

0179

[樹脂フィルムの湿熱保管時前後の応力変化]
樹脂フィルムを10mm幅×150mm長の矩形に切り出した状態で、85℃−85%の恒温恒湿層に入れ、500時間保管した。500時間後、取り出した樹脂フィルムの100%歪み応力(F5)と、恒温恒湿層に入れなかった樹脂フィルム(F4)の両方について、前述の方法で100%歪み応力を求め、F5/F4を算出した。

0180

[柔軟性の評価]
積層体から支持基材を剥離した樹脂フィルムについて、手で引っ張り方向に軽い力をかけ、以下の基準に則り判定を行った。判定は3名で行い、結果を平均化して小数点第1位を四捨五入し、5点以上を合格とした。
10点: 非常に軽い力で変形することができる。
7点: 軽い力をかければ、変形することができる。
4点: やや強めの力をかければ、変形することができる。
1点: その他(変形するのに強い力が必要、等)。

0181

[復元性の評価]
積層体から支持基材を剥離した樹脂フィルムについて、手で引っ張り方向に軽い力をかけ、以下の基準に則り判定を行った。判定は3名で行い、結果を平均化して小数点第1位を四捨五入し、5点以上を合格とした。
10点: 変形後に負荷を除けば、元の形状に復元する。
7点: 変形後に負荷を除けば、ほとんど元の形状に復元する。
4点: 変形後に負荷を除けば、少し元の形状に復元する。
1点: その他(全く復元しない、等)。

0182

[耐熱性の評価]
積層体を150mm幅×250mm長に切り出し、このサンプルを180℃に調整された熱風オーブンに入れ、1分間静地した。その後、サンプルを熱風オーブンから取出し、積層体に発生するシワ凹凸の状態を目視で観察し、以下の基準に則り判定を行った。判定は3名で行い、結果を平均化して小数点第1位を四捨五入し、5点以上を合格とした。
10点: シワや凹凸やカールの発生がない。
7点: わずかにシワや凹凸やカールが発生する。
4点: 小さなシワや凹凸やカールが発生する。
1点: その他(大きなシワや凹凸やカールが発生する等)。

0183

[耐湿熱性の評価]
積層体を150mm幅×250mm長に切り出し、このサンプルを85℃−85%にて、500時間保管したあと、室温にて保管したサンプルと比較して、下記の基準で判定を行った。判定は3名で行い、結果を平均化して小数点第1位を四捨五入し、5点以上を合格とした。
10点:室温保管品に対し、外観の変化がなく、同等の力で伸ばすことができる。
7点: 室温保管品に対し、外観の変化がないが、高速で引っ張ったときに復元速度がやや遅い。
4点: 室温保管品に対し、外観の変化はないが、低い力で引っ張ることができる。
1点: 室温保管品に対し、明らかな外観の変化があり、復元性が著しく劣る。

0184

[後加工適性の評価]
離型フィルム(東レフィルム加工株式会社製 厚み38μm“セラピール”(登録商標)MDA)を支持基材として、その離型面上に、ワイヤーバー(No.40)を用いてアクリル系粘着剤(トーヨーケム株式会社製、オリバインBPS−8170)を塗布し、150℃のオーブンで2分間粘着剤を乾燥させて、粘着フィルムを作成した。

0185

次いで、本発明の積層体の樹脂フィルム面側に、前述の粘着フィルムを5kgのローラーで圧着させながら貼り合わせ、これをサンプル1とした。同様に、ポリエステルフィルム(東レ株式会社製 厚み125μm“ルミラー”(登録商標)U48)を、同様の方法で貼合し、これをサンプル2とした。

0186

前述のサンプル1とサンプル2を室温23℃、湿度65%RHの雰囲気下で1時間放置した。放置後、サンプル1とサンプル2を裁断し、厚さ0.5mmのステンレス板に、両面テープを貼り付け、サンプル1は積層体側の離型フィルムを剥がして貼合し、サンプル2はポリエステルフィルムを直接貼合し、試験片を作成した。そして、サンプル1,サンプル2について、それぞれ引張り試験機を用いて、粘着フィルムの離型フィルムを300mm/分の速度で180°剥離した時の応力を測定した。この結果から、下記のRを求め、Rが、0.5以上1.5以下を合格とした。
R=F1/F2
F1:サンプル2の離型フィルム剥離力(mN/50mm)
F2:サンプル2の離型フィルム剥離力(mN/50mm)。

0187

表2に樹脂フィルムの化学式1から3のセグメントおよび酸化防止剤の含有/非含有を、表3に前述の条件1から条件5の評価結果を、表4に樹脂フィルムの柔軟性、復元性、耐熱性、後加工適性の評価結果をまとめた。

0188

0189

実施例

0190

0191

1、4、8、12、17、21、26、32:積層体
2、5、9、13、18、22、27、33:樹脂フィルム
6、10、14、15、23、28、30、34:離型層
3、7、11、16、19、24、29、35:支持基材
20、25、31、37:保護材料
36:粘着層

0192

本発明の積層体の樹脂フィルムは、光学特性、柔軟性、伸縮性、搬送性に優れるといった利点を活かし、特に高い柔軟性や伸縮性が求められる用途に好適に用いることができる。

0193

一例を挙げると、メガネ・サングラス、化粧箱、食品容器などのプラスチック成形品、水槽、展示用などのショーケース、スマートフォンの筐体、タッチパネル、カラーフィルター、フラットパネルディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、フレキシブルデバイス、ウェアラブルデバイス、センサー、回路用材料、電気電子用途、キーボード、テレビ・エアコンのリモコンなどの家電製品、ミラー、窓ガラス、建築物、ダッシュボード、カーナビ・タッチパネル、ルームミラーやウインドウなどの車両部品、および種々の印刷物、医療用フィルム、衛生材料用フィルム、医療用フィルム、農業用フィルム、建材用フィルム等、それぞれの表面材料や内部材料や構成材料や製造工程用材料に好適に用いることができる。

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