図面 (/)

技術 樹脂組成物

出願人 帝人株式会社
発明者 野村悟志
出願日 2018年3月6日 (2年0ヶ月経過) 出願番号 2018-039700
公開日 2019年9月12日 (6ヶ月経過) 公開番号 2019-151802
状態 未査定
技術分野 高分子組成物
主要キーワード 押し込み強度 低攻撃性 炭化珪素ウィスカ 立体形 製品筐体 テトラポッド状 自動車エンジン周り 記号表記
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年9月12日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題

優れた機械特性摩耗特性摺動時の相手材への低攻撃性を併せ持つ樹脂組成物を提供する。

解決手段

(A)ポリアミド樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)全芳香族ポリアミド繊維(B成分)10〜20重量部および(C)酸化亜鉛ウィスカ(C成分)10〜30重量部を含有する樹脂組成物。

概要

背景

ポリアミド6、ポリアミド66に代表されるポリアミド樹脂は優れた耐熱性耐薬品性機械特性摩耗特性成形性を有するため、エンジニアリングプラスチックとして電気電子部品自動車関連部品住設機器部品等に広く用いられている。近年、デジタルカメラタブレット等の電子機器では製品の小型化に伴い、使用する製品筐体において筐体薄肉化が進んでおり、また自動車などの車両関連部品においては省エネ化に伴う車両の軽量化および化石燃料の削減を目的としたハイブリッド車電気自動車などを初めとする自走車両電化が進んでいる。そして、これら関連用途においては、製品の軽量化を目的に従来の金属からの樹脂化が検討されており、中でもこれら機構部品の樹脂化において、特にギア軸受け等の用途に使用される金属代替となる樹脂材料には高い摩耗特性や剛性摺動時に相手材を傷つけない低攻撃性が求められている。

上記の特性を満足するために、特許文献1には特定量酸化亜鉛ウィスカ芳香族ポリアミド繊維固体潤滑剤合成樹脂からなる摺動部材組成物が提案されているが、摩耗特性や相手材の削れに関する記載はあるものの、剛性に関する記載はない。特許文献2には特定量のホウ酸アルミニウムウィスカまたは酸化亜鉛ウィスカを含んだ歯車用ポリアミド樹脂組成物が提案されているが、摩耗特性に関する記載はあるものの、剛性に関する記載はない。また、特許文献3には引張弾性率を規定したパラ型芳香族ポリアミド繊維を異なる特性のパラ型芳香族ポリアミド繊維により補強された、樹脂からなる繊維強化樹脂歯車が提案されているが、押し込み強度における強度の向上は記載されているものの、摩耗特性に関する記載はない。特許文献4には、核部とこの核部から異なる4軸方向に伸び針状結晶部からなるテトラポッド状構造の酸化亜鉛ウィスカが提案されているが、具体的な摩耗特性や他の補強材との併用に関する記載はない。

概要

優れた機械特性と摩耗特性、摺動時の相手材への低攻撃性を併せ持つ樹脂組成物を提供する。(A)ポリアミド樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)全芳香族ポリアミド繊維(B成分)10〜20重量部および(C)酸化亜鉛ウィスカ(C成分)10〜30重量部を含有する樹脂組成物。なし

目的

近年、デジタルカメラ、タブレット等の電子機器では製品の小型化に伴い、使用する製品筐体において筐体の薄肉化が進んでおり、また自動車などの車両関連部品においては省エネ化に伴う車両の軽量化および化石燃料の削減を目的とした

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

(A)ポリアミド樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)全芳香族ポリアミド繊維(B成分)10〜20重量部および(C)酸化亜鉛ウィスカ(C成分)10〜30重量部を含有する樹脂組成物

請求項2

A成分が、ポリアミド66であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。

請求項3

B成分がパラ型全芳香族ポリアミド繊維であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。

請求項4

B成分が、ポリエステルポリウレタンおよびポリエーテルスルホン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の集束剤にて集束されている全芳香族ポリアミド繊維であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。

請求項5

B成分が、ポリウレタンにて集束されている全芳香族ポリアミド繊維であることを特徴とする請求項4に記載の樹脂組成物。

請求項6

請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物からなる成形品

請求項7

摺動用部品である請求項6に記載の成形品。

技術分野

0001

本発明は、ポリアミド樹脂全芳香族ポリアミド繊維および酸化亜鉛ウィスカからなる樹脂組成物であって、優れた機械特性摩耗特性摺動時の相手材への低攻撃性を併せ持つ樹脂組成物に関する。

背景技術

0002

ポリアミド6、ポリアミド66に代表されるポリアミド樹脂は優れた耐熱性耐薬品性、機械特性、摩耗特性、成形性を有するため、エンジニアリングプラスチックとして電気電子部品自動車関連部品住設機器部品等に広く用いられている。近年、デジタルカメラタブレット等の電子機器では製品の小型化に伴い、使用する製品筐体において筐体薄肉化が進んでおり、また自動車などの車両関連部品においては省エネ化に伴う車両の軽量化および化石燃料の削減を目的としたハイブリッド車電気自動車などを初めとする自走車両電化が進んでいる。そして、これら関連用途においては、製品の軽量化を目的に従来の金属からの樹脂化が検討されており、中でもこれら機構部品の樹脂化において、特にギア軸受け等の用途に使用される金属代替となる樹脂材料には高い摩耗特性や剛性、摺動時に相手材を傷つけない低攻撃性が求められている。

0003

上記の特性を満足するために、特許文献1には特定量の酸化亜鉛ウィスカ、芳香族ポリアミド繊維固体潤滑剤合成樹脂からなる摺動部材組成物が提案されているが、摩耗特性や相手材の削れに関する記載はあるものの、剛性に関する記載はない。特許文献2には特定量のホウ酸アルミニウムウィスカまたは酸化亜鉛ウィスカを含んだ歯車用ポリアミド樹脂組成物が提案されているが、摩耗特性に関する記載はあるものの、剛性に関する記載はない。また、特許文献3には引張弾性率を規定したパラ型芳香族ポリアミド繊維を異なる特性のパラ型芳香族ポリアミド繊維により補強された、樹脂からなる繊維強化樹脂歯車が提案されているが、押し込み強度における強度の向上は記載されているものの、摩耗特性に関する記載はない。特許文献4には、核部とこの核部から異なる4軸方向に伸び針状結晶部からなるテトラポッド状構造の酸化亜鉛ウィスカが提案されているが、具体的な摩耗特性や他の補強材との併用に関する記載はない。

先行技術

0004

特開平3−239756号公報
特開2003−268230号公報
特開2010−249195号公報
特許第2600761号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明の目的は、優れた機械特性と摩耗特性、摺動時の相手材への低攻撃性を併せ持つ樹脂組成物を提供することである。

課題を解決するための手段

0006

本発明者は鋭意検討を重ねた結果、ポリアミド樹脂、全芳香族ポリアミド繊維および酸化亜鉛ウィスカからなる樹脂組成物が、優れた機械特性と摩耗特性、摺動時の相手材への低攻撃性を併せ持つことを見出し本発明に至った。

0007

具体的には、上記課題は、(1)(A)ポリアミド樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)全芳香族ポリアミド繊維(B成分)10〜20重量部および(C)酸化亜鉛ウィスカ(C成分)10〜30重量部を含有する樹脂組成物により達成される。
本発明の好適な態様の一つは、(2)A成分が、ポリアミド66であることを特徴とする上記構成1記載の樹脂組成物である。
本発明の好適な態様の一つは、(3)B成分がパラ型全芳香族ポリアミド繊維であることを特徴とする上記構成1または2に記載の樹脂組成物である。
本発明の好適な態様の一つは、(4)B成分が、ポリエステルポリウレタンおよびポリエーテルスルホン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の集束剤にて集束されている全芳香族ポリアミド繊維であることを特徴とする上記構成1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物である。
本発明の好適な態様の一つは、(5)B成分が、ポリウレタンにて集束されている全芳香族ポリアミド繊維であることを特徴とする上記構成4に記載の樹脂組成物である。
本発明の好適な態様の一つは、(6)上記構成1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物からなる成形品である。
本発明の好適な態様の一つは、(7)摺動用部品である上記構成6に記載の成形品である。

0008

以下、本発明の詳細について説明する。
(A成分:ポリアミド樹脂)
本発明のポリアミド樹脂としては、アミノ酸ラクタムジアミンジカルボン酸あるいはそのアミド形成性誘導体を主たる構成原料としたアミド結合を有する熱可塑性重合体である。ジアミンとジカルボン酸あるいはそのアシ活性体縮合してなる重縮合物を用いることができる。またアミノカルボン酸、ラクタムあるいはアミノ酸を重縮合してなる重合体を用いることができる。またこれらの共重合体を用いることができる。

0009

ジアミンとしては、脂肪族ジアミン芳香族ジアミンが挙げられる。脂肪族ジアミンとしては、例えばテトラメチレンジアミンヘキサメチレンジアミンウンデカメチレンジアミンドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,4−ジメチルオクタメチレンジアミン、メタキシリレンジアミンパラキシリレンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロデカン、ビス(4−アミノシクロヘキシルメタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピルピペラジンアミノエチルピペラジンが挙げられる。

0010

芳香族ジアミンとしては、p−フェニレンジアミンm−フェニレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、4,4’−ジフェニルジアミン、3,4’−ジフェニルジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’スルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパンなどが挙げられる。

0011

ジカルボン酸としてはアジピン酸スベリン酸アゼライン酸セバシン酸ドデカン酸テレフタル酸イソフタル酸ナフタレンジカルボン酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ジグリコール酸などが挙げられる。

0012

具体的に、ポリアミド樹脂としてはポリカプロアミドナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミドナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミドナイロン12)などの脂肪族ポリアミドが挙げられる。またポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリヘキサメチレンテレフタル/イソフタルアミド(ナイロン6T/6I)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンACM12)、ポリビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンジメチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン11T)、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド(ナイロン11T(H))およびこれらの共重合ポリアミドなどの脂肪族芳香族ポリアミドが挙げられる。またこれらの共重合体や混合物さらにはポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド−co−イソフタルアミド)などが挙げられ、その中でもポリアミド66が好ましい。

0013

(B成分:全芳香族ポリアミド繊維)
本発明のB成分として使用される全芳香族ポリアミド繊維として、アラミド繊維と称される範疇に属するものであれば如何なるものを用いてもよい。全芳香族アラミド繊維としては、例えばメタ型全芳香族アラミド繊維、パラ型全芳香族アラミド繊維などが挙げられ、その中でもパラ型全芳香族アラミド繊維が好ましい。

0014

本発明の繊維を構成する全芳香族ポリアミドとは、実質的に一種以上の芳香族ジアミンと一種以上の芳香族ジカルボン酸ハライドによって得られるものである。但し一種以上の芳香族ジアミンと一種以上の芳香族ジカルボン酸に、例えばトリフェニルホスファイトおよびピリジンの系に代表される縮合剤を添加することもできる。好ましい芳香族ジアミンとしては、p−フェニレンジアミン、ベンチジン、4,4”−ジアミノ−p−ターフェニル、2,7−ジアミノフルオレン、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、1,4−ビス−(4−アミノフェノキシベンゼン、4,4´−ビス−(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、9,10−ビス−(4−アミノフェニル)アントラセンなどが挙げられる。 芳香族ジカルボン酸ハライドとしては、酸クロリドが特に好ましく、テレフタル酸クロリド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロリド、4,4´−ジフェニルジカルボン酸クロリド、およびその芳香環に1個以上の低級アルキル基、低級アルコキシ基ハロゲノ基ニトロ基、などの非反応性官能基を含むものなどが挙げられる。さらに芳香族ジカルボン酸を使用する場合には、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4´−ジフェニルジカルボン酸、およびその芳香環に1個以上の低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲノ基、ニトロ基、などの非反応性官能基を含むものなどが挙げられる。さらに本発明で好ましい全芳香族ポリアミドの構造は、その主骨格が下記式で表されるものである。

0015

(但し、Ar1、Ar2は下記一般式[I]〜[IV]からなる群より選ばれる少なくとも1種類の芳香族残基を示す。なおAr1、Ar2は互いに同一であっても異なるものであってもよい。また、これらの芳香族残基は、その水素原子の一部がハロゲン原子または低級アルキル基で置換されていてもよい。)

0016

0017

0018

0019

0020

なかでも、前記Ar1、Ar2の合計を100モル%としたときに、一般式[I]と一般式[II]との合計、一般式[I]と一般式[III]との合計、一般式[I]と一般式[IV]との合計、または一般式[I]が80モル%以上であることが好ましい。より好ましくは一般式[I]と一般式[II]との合計、または一般式[I]と一般式[III]との合計が80モル%以上である。さらに好ましくは一般式[I]と一般式[II]との合計、または一般式[I]と一般式[III]との合計が80モル%以上であり、且つ一般式[II]または一般式[III]が1〜20モル%のものである。

0021

紡糸原液となる芳香族ポリアミドドープは、溶液重合を行ったものでも、別途得られた全芳香族ポリアミドを溶媒に溶解せしめたものでもよいが、溶液重合反応を行ったものが好ましい。また、溶解性を向上するために溶解助剤として無機塩を少量添加しても差し支えない。このような無機塩としては、例えば、塩化リチウム塩化カルシウムなどが挙げられる。

0022

重合溶媒、あるいは再溶解溶媒としては一般に公知の非プロトン性有機極性溶媒を用いるが、例を挙げるとN−メチル−2−ピロリドン、N−エチル2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N,N−ブチルアミド、N,N−ジメチルイソブチルアミド、N−メチルカプロラクタム、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、N−アセチルピロリジン、N−アセチルピペリジン、N−メチルピペリドン−2,N,N´−ジメチルエレン尿素、N,N´−ジメチルプロピレン尿素、N,N,N´,N´−テトラメチルマロンアミド、N−アセチルピロリドン、N,N,N´,N´−テトラメチル尿素、ジメチルスルホキシドなどがあり、さらに再溶解溶媒としては濃硫酸メタンスルホン酸などの強酸が挙げられる。

0023

全芳香族ポリアミドの重合度は特に制限はないが、溶媒に溶解するならば重合度は大きい方が好ましい。全芳香族ポリアミドを溶液重合する場合、酸成分とジアミン成分との比は実質的に等モルで反応させるが、重合度制御のためいずれかの成分を過剰に用いることもできる。また、末端封鎖剤として単官能の酸成分、アミン成分を使用してもよい。

0024

全芳香族ポリアミドを繊維状に成形する場合には、通常全芳香族ポリアミドドープ湿式成形する方法が使用され、該ドープを凝固浴の中に直接吐出する方法またはエアギャップを設けて凝固浴の中に吐出する方法がある。凝固浴には全芳香族ポリアミドの貧溶媒が用いられるが、全芳香族ポリアミドドープの溶媒が急速に抜け出して全芳香族ポリアミド繊維に欠陥ができぬように、通常は良溶媒を添加して凝固速度を調節する。一般には貧溶媒として水、良溶媒として全芳香族ポリアミドドープの溶媒を用いるのが好ましい。良溶媒/貧溶媒の比は、全芳香族ポリアミドの溶解性や凝固性にもよるが、15/85〜40/60が好ましい。

0025

かかる全芳香族ポリアミド繊維の繊維長としては0.1mm以上6mm以下が好ましく、0.5mm以上3mm以下がより好ましい。0.1mm未満では補強効果が十分でなく、耐衝撃性の向上が不十分である場合があり、6mmを超えると製造時の取り扱いが困難になると共に組成物の流動性が劣り、成形性が不良となる場合がある。

0026

またかかる全芳香族ポリアミド繊維は集束の有無に関係なく効果を発揮するが、集束されているものは取り扱い易く好ましい。集束のための結合剤としてはポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルスルホン樹脂などがあげられ、その中でもポリウレタンが好ましい。本発明においてかかる耐熱有機繊維は単独あるいは2種以上の混合物として使用できる。

0027

B成分の含有量はA成分100重量部に対し、10〜20重量部であり、好ましくは13〜20重量部、さらに好ましくは15〜20重量部である。B成分の含有量が10重量部未満では剛性等の機械特性が十分に向上せず、20重量部を超えると、混練押出時にストランド切れサージングなどが起こり生産性または加工性が低下するという問題が生じ、最悪の場合押し出しができなくなる。

0028

(C成分:酸化亜鉛ウィスカ)
本発明のC成分として使用される酸化亜鉛ウィスカは、例えば金属亜鉛酸素などの酸化性雰囲気中で加熱酸化により、酸化亜鉛c軸方向結晶成長a軸方向結晶成長に比べて大きくする異方向結晶成長の針状結晶となるように製造され、例えば特許第2600761号公報の実施例記載の方法に基づいて製造される。

0029

C成分として使用される酸化亜鉛ウィスカは、六方晶ウルツ鉱型結晶構造の酸化亜鉛において異方向結晶成長した針状結晶であることが好ましい。特に正四面体の中心に位置する核部と、そこから正四面体の各頂点の方向に伸びる4つの針状部とを備えた、いわゆるテトラポッドのような立体形状を有する酸化亜鉛系ウィスカが好適に使用される。かかる立体形状を有する酸化亜鉛系ウィスカは、その全体を酸化亜鉛によって形成した単一の構造を有していてもよいし、結晶成長の核となる芯の部分を他の物質によって形成し、その表面を、結晶成長させた酸化亜鉛によって覆った複合構造を有していてもよい。また、酸化亜鉛系ウィスカの表面をカップリング剤などで表面処理しても良い。

0030

C成分の含有量はA成分100重量部に対し、10〜30重量部であり、好ましくは10〜20重量部、さらに好ましくは15〜20重量部である。C成分の含有量が10重量部未満では摩耗特性が十分に向上せず、30重量部を超えると、生産または成形加工性が低下し、最悪の場合押し出しができなくなる。

0031

(その他の成分)
本発明における樹脂組成物は本発明の効果を損なわない範囲で、エラストマー成分を含むことができる。好適なエラストマー成分としては、アクリロニトリルブタジエンスチレン系共重合体ABS樹脂)、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体(MBS樹脂)およびシリコーンアクリル複合ゴム系グラフト共重合体などのコアシェルグラフト共重合体樹脂、あるいはシリコーン系熱可塑性エラストマーオレフィン系熱可塑性エラストマーポリアミド系熱可塑性エラストマーポリエステル系熱可塑性エラストマーポリウレタン系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマーが挙げられる。

0033

本発明における樹脂組成物は本発明の効果を損なわない範囲で、全芳香族ポリアミド繊維および酸化亜鉛ウィスカ以外の充填材を含むことができる。その材料は特に限定されるものではないが、繊維状、板状、粉末状、粒状などの充填剤を使用することができる。具体的には例えば、炭素繊維ガラス繊維チタン酸カリウムウィスカアルミナ繊維炭化珪素繊維セラミック繊維アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などの繊維状充填剤ワラステナイトセリサイトカオリンマイカクレーベントナイトアスベストタルクアルミナシリケートなどの珪酸塩モンモリロナイト合成雲母などの膨潤性層状珪酸塩アルミナ酸化珪素酸化マグネシウム酸化ジルコニウム酸化チタン酸化鉄などの金属化合物炭酸カルシウム炭酸マグネシウムドロマイトなどの炭酸塩硫酸カルシウム硫酸バリウムなどの硫酸塩、ガラスビーズセラミックビ−ズ、窒化ホウ素炭化珪素燐酸カルシウムおよびシリカなどの非繊維状充填剤が挙げられ、これらは中空であってもよく、さらにはこれら充填剤を2種類以上併用することも可能である。

0034

また、これら充填材をイソシアネート系化合物有機シラン系化合物有機チタネート化合物有機ボラン系化合物、およびエポキシ化合物などのカップリング剤および膨潤性の層状珪酸塩では有機オニウムイオン予備処理して使用することは、より優れた機械的強度を得る意味において好ましい。

0035

本発明の樹脂組成物には更なる導電性を付与するために充填材として、導電性フィラーを含有することができる。その材料は特に限定されるものではないが、導電性フィラーとして、通常樹脂の導電化に用いられる導電性フィラーであれば特に制限は無く、その具体例としては、炭素繊維、金属粉金属フレーク金属リボン、金属繊維、金属酸化物導電性物質被覆された炭素繊維、無機フィラーカーボン粉末黒鉛カーボンフレーク鱗片状カーボンなどが挙げられる。

0036

金属粉、金属フレーク、金属リボンの金属種の具体例としては銀、ニッケル、銅、亜鉛アルミニウムステンレス、鉄、黄銅クロム、錫などが例示できる。金属繊維の金属種の具体例としては鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、黄銅などが例示できる。かかる金属粉、金属フレーク、金属リボン、金属繊維はチタネート系アルミ系シラン系などの表面処理剤で表面処理を施されていてもよい。

0037

金属酸化物の具体例としてはSnO2(アンチモンドープ)、In2O3(アンチモンドープ)、ZnO(アルミニウムドープ)などが例示でき、これらはチタネート系、アルミ系、シラン系カップリング剤などの表面処理剤で表面処理を施されていてもよい。

0038

導電性物質で被覆された無機フィラーにおける導電性物質の具体例としてはアルミニウム、ニッケル、銀、カーボン、SnO2(アンチモンドープ)、In2O3(アンチモンドープ)などが例示できる。また被覆される無機フィラーとしては、マイカ、ガラスビーズ、ガラス繊維、チタン酸カリウムウィスカ、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、ホウ酸アルミニウムウィスカ、チタン酸系ウィスカ、炭化珪素ウィスカなどが例示できる。被覆方法としては真空蒸着法スパッタリング法無電解メッキ法焼き付け法などが挙げられる。またこれらはチタネート系、アルミ系、シラン系カップリング剤などの表面処理剤で表面処理を施されていてもよい。

0039

カーボン粉末はその原料製造法からアセチレンブラックガスブラックオイルブラックナフタリンブラックサーマルブラックファーネスブラックランプブラックチャンネルブラックロールブラック、ディスクブラックなどに分類される。本発明で用いることのできるカーボン粉末は、その原料、製造法は特に限定されないが、アセチレンブラック、ファーネスブラックが特に好適に用いられる。

0040

本発明における樹脂組成物は本発明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤耐熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体等)、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型剤および滑剤モンタン酸およびその金属塩、そのエステル、そのハーフエステルステアリルアルコールステアラミド、各種ビスアミド、ビス尿素およびポリエチレンワックス等)、顔料硫化カドミウムフタロシアニンカーボンブラック等)、染料ニグロシン等)、結晶核剤(タルク、シリカ、カオリン、クレー等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤アルキルサルフェートアニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩カチオン系帯電防止剤ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン両性帯電防止剤等)、難燃剤赤燐リン酸エステルメラミンシアヌレート水酸化マグネシウム水酸化アルミニウム等の水酸化物ポリリン酸アンモニウム臭素化ポリスチレン臭素化ポリフェニレンエーテル臭素化ポリカーボネート臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤三酸化アンチモンとの組み合わせ等)および他の重合体を添加することができる。

0041

(樹脂組成物の製造)
本発明の樹脂組成物は上記各成分を同時に、または任意の順序タンブラーV型ブレンダーナウターミキサーバンバリーミキサー混練ロール押出機等の混合機により混合して製造することができる。好ましくは二軸押出機による溶融混練が好ましく、必要に応じて、任意の成分をサイドフィーダー等を用いて第二供給口より、溶融混合された他の成分中に供給することが好ましい。押出機としては、原料中の水分や、溶融混練樹脂から発生する揮発ガス脱気できるベントを有するものが好ましく使用できる。ベントからは発生水分や揮発ガスを効率よく押出機外部へ排出するための真空ポンプが好ましく設置される。また押出原料中に混入した異物などを除去するためのスクリーン押出機ダイス部前のゾーンに設置し、異物を樹脂組成物から取り除くことも可能である。かかるスクリーンとしては金網スクリーンチェンジャー焼結金属プレートディスクフィルターなど)などを挙げることができる。

0042

二軸押出機に使用するスクリューは、輸送用フライトピースの間に多種多様な形状のスクリュピースを挿入して複雑に組合せ、一体化して一本のスクリューとして構成されており、順フライトピース、順ニーディングピース、逆ニーディングピース、逆フライトピースなどのスクリュピースを処理対象原材料の特性を考慮して、適宜の順序および位置に配置して組み合わせたものなどを挙げることができる。
溶融混練機としては二軸押出機の他にバンバリーミキサー、混練ロール、単軸押出機、3軸以上の多軸押出機などを挙げることができる。

0043

上記の如く押出された樹脂は、直接切断してペレット化するか、またはストランドを形成した後かかるストランドをペレタイザーで切断してペレット化される。ペレット化に際して外部の埃などの影響を低減する必要がある場合には、押出機周囲の雰囲気を清浄化することが好ましい。得られたペレットの形状は、円柱、角柱、および球状など一般的な形状を取り得るが、より好適には円柱である。かかる円柱の直径は好ましくは1〜5mm、より好ましくは1.5〜4mm、さらに好ましくは2〜3.5mmである。一方、円柱の長さは好ましくは1〜30mm、より好ましくは2〜5mm、さらに好ましくは2.5〜4mmである。

0044

(成形品について)
本発明の樹脂組成物を用いてなる成形品は、上記の如く製造されたペレットを成形して得ることができる。好適には、射出成形押出成形により得られる。射出成形においては、通常の成形方法だけでなく、射出圧縮成形射出プレス成形ガスアシスト射出成形発泡成形超臨界流体注入する方法を含む)、インサート成形インモールドコーティング成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形二色成形多色成形サンドイッチ成形、および超高速射出成形等を挙げることができる。また成形はコールドランナー方式およびホットランナー方式のいずれも選択することができる。また押出成形では、各種異形押出成形品シートフィルム等が得られる。シート、フィルムの成形にはインフレーション法や、カレンダー法キャスティング法等も使用可能である。更に特定の延伸操作をかけることにより熱収縮チューブとして成形することも可能である。また本発明の樹脂組成物を回転成形ブロー成形等により成形品とすることも可能である。

発明の効果

0045

本発明の樹脂組成物は、優れた機械特性と摩耗特性、摺動時の相手材への低攻撃性を併せ持つ樹脂組成物であることから、電気・電子機器や自動車および産業機械レジャー道具ベアリング及びギア、パッキンガイドレール関連の摺動用部品、自動車エンジン周り配線カバーコルゲートチューブ)等に有用であり、その奏する産業上の効果は格別である。

0046

本発明者が現在最良と考える本発明の形態は、前記の各要件の好ましい範囲を集約したものとなるが、例えば、その代表例を下記の実施例中に記載する。もちろん本発明はこれらの形態に限定されるものではない。

0047

[樹脂組成物の評価]
(1)曲げ弾性率
ISO178(測定条件23℃)に準拠して測定した。なお、試験片は、射出成形機(東機械(株)製 EC160NII)により成形した。この数値が大きいほど樹脂組成物の剛性が高く、機械特性が優れていることを意味する。
(2)比摩耗量
JIS K7218 A法に準拠し、外径25.6mm、内径20mm、高さ15mmの中空円筒試験片を用い、ステンレス材(SUS304)でできた同様の形状の試験片と摺動させた際の、試験片の試験前後の重量変化から比摩耗量を計算した。試験は、荷重150N、滑り速度500mm/s、滑り距離3kmの条件で摩擦摩耗試験機(EFM−III−EN、(株)オリエンテック製)を用いて実施した。なお、試験片は、射出成形機(東芝機械(株)製 EC160NII)により成形した。この数値が小さいほど樹脂組成物の摩耗特性が優れていることを意味する。
(3)攻撃性
JIS K7218 A法に準拠し、外径25.6mm、内径20mm、高さ15mmの中空円筒試験片を用い、ステンレス材(SUS304)でできた同様の形状の試験片と摺動させた際の、ステンレス材の試験前後の重量変化から比摩耗量を計算し、値が0.5(×10−3mm3/N・km)以下の場合を〇、0.5より大きい場合を×とした。なお、試験は(2)と同様の条件で実施した。〇であれば攻撃性が低いことを意味する。

0048

[実施例1〜4、比較例1〜4]
ポリアミド樹脂、全芳香族ポリアミド繊維および酸化亜鉛ウィスカを表1記載の各配合量で、ベント式二軸押出機を用いて溶融混練してペレットを得た。ベント式二軸押出機は(株)日本製鋼所製:TEX−30XSST(完全かみ合い、同方向回転)を使用した。押出条件吐出量14kg/h、スクリュー回転数150rpm、ベントの真空度3kPaであり、また押出温度は第一供給口からダイス部分まで290℃とした。なお、ポリアミド樹脂、全芳香族ポリアミド繊維および酸化亜鉛ウィスカはダイスから最も離れた第一供給口から押出機に供給した。得られたペレットを80℃で24時間、真空乾燥機にて真空度約−76cmHgで乾燥した後、射出成形機によりシリンダー温度280℃、金型温度100℃で各種評価用の試験片を成形した。なお、表1中の記号表記の各成分は下記の通りである。

0049

<A成分>
A−1:ポリアミド66(ユニチカ(株)製:マラニールナイロン66A127 数平均分子量18,000)
<B成分>
B−1:全芳香族ポリアミド繊維(帝人(株)製:パラ型アラミド繊維T322UR長径12μm、カット長3mm、ウレタン系集束剤
B−2:全芳香族ポリアミド繊維(帝人(株)製:パラ型アラミド繊維 T322EH 長径12μm、カット長3mm、ポリエステル系集束剤)
B−3:全芳香族ポリアミド繊維(帝人(株)製:パラ型アラミド繊維 T324 長径12μm、カット長3mm、ポリエーテルサルホン系集束剤)
<C成分>
C−1:酸化亜鉛ウィスカ((株)アムテック製 WZ−0511表面処理:アミノシラン処理平均繊維長10μm)

実施例

0050

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ