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技術 精製シリコーンレジンの製造方法

出願人 住友化学株式会社
発明者 吉川岳
出願日 2018年3月1日 (1年11ヶ月経過) 出願番号 2018-036802
公開日 2019年9月12日 (5ヶ月経過) 公開番号 2019-151707
状態 未査定
技術分野 高分子物質の処理方法 けい素重合体
主要キーワード 三次元網目骨格 所定量分 かご状 ポラリティー 低分子シロキサン 耐紫外線 シリコーンゴム硬化物 各繰返し単位
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

低分子シロキサンを低減させた精製シリコーンレジンを製造することができる精製シリコーンレジンの製造方法を提供する。

解決手段

平均組成式R1nSi(OH)a(OR2)bO(4−a−b−n)/2で表される粗製シリコーンレジンから、分子量1000未満の低分子シロキサンを低減させ、精製シリコーンレジンを得る洗浄工程を含み、洗浄工程は、粗製シリコーンレジンを、精製シリコーンレジンの良溶媒に溶解させ、溶液を得る溶解工程と、溶液と、精製シリコーンレジンの貧溶媒とを混合して精製シリコーンレジンを析出させる析出工程と、析出させた精製シリコーンレジンと、低分子シロキサンを含む母液とを分離する分離工程と、を有する精製シリコーンレジンの製造方法。

概要

背景

オルガノポリシロキサンに代表されるシリコーンは、電気絶縁性などの電気特性や、耐熱耐寒耐紫外線といった耐候性などに優れている。そのため、シリコーンは、電気電子分野などの分野で各種用途に応用されている。たとえば電気・電子分野では、シリコーンが部品の固定や絶縁性の確保のために使用されている。

しかし、シリコーンには、接点を有する部品の周辺に用いられた場合などにおいて、導電性阻害する問題が生じることがある。これは、シリコーンに含まれる低分子シロキサン揮発して接点に付着し、スイッチングに伴うスパーク等により低分子シロキサンが酸化し、絶縁性のシリカとして接点に堆積することが原因であると考えられている。また、電気・電子分野以外の分野においても、低分子シロキサンが原因となって問題となることがある。このような問題を解決するため、シリコーンに含まれる低分子シロキサンを低減させる方法が検討されている。

特許文献1には、シリコーンゴム硬化物を200℃で加熱することにより、低分子シロキサンを除去する方法が記載されている。

特許文献2には、シリコーンゴム成型体を、特定の有機溶剤中に浸漬させて、上記シリコーンゴム成型体が含有するオルガノポリシロキサンの低分子体有機溶媒で抽出することにより低減させる方法が記載されている。

概要

低分子シロキサンを低減させた精製シリコーンレジンを製造することができる精製シリコーンレジンの製造方法を提供する。平均組成式R1nSi(OH)a(OR2)bO(4−a−b−n)/2で表される粗製シリコーンレジンから、分子量1000未満の低分子シロキサンを低減させ、精製シリコーンレジンを得る洗浄工程を含み、洗浄工程は、粗製シリコーンレジンを、精製シリコーンレジンの良溶媒に溶解させ、溶液を得る溶解工程と、溶液と、精製シリコーンレジンの貧溶媒とを混合して精製シリコーンレジンを析出させる析出工程と、析出させた精製シリコーンレジンと、低分子シロキサンを含む母液とを分離する分離工程と、を有する精製シリコーンレジンの製造方法。なし

目的

本発明の一態様はこのような事情に鑑みてなされたものであって、低分子シロキサンを低減させた精製シリコーンレジンを製造することができる精製シリコーンレジンの製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

平均組成式R1nSi(OH)a(OR2)bO(4−a−b−n)/2で表される粗製シリコーンレジンから、分子量1000未満の低分子シロキサンを低減させ、精製シリコーンレジンを得る洗浄工程を含み、前記洗浄工程は、前記粗製シリコーンレジンを、前記精製シリコーンレジンの良溶媒に溶解させ、溶液を得る溶解工程と、前記溶液と、前記精製シリコーンレジンの貧溶媒とを混合して前記精製シリコーンレジンを析出させる析出工程と、析出させた前記精製シリコーンレジンと、前記低分子シロキサンを含む母液とを分離する分離工程と、を有する精製シリコーンレジンの製造方法。[R1およびR2はそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を表す。nは0.5〜1.5である。a+bは0.01〜0.5である。aは0.01〜0.4である。]

請求項2

前記nが1.0である前記粗製シリコーンレジンを用いる請求項1に記載の精製シリコーンレジンの製造方法。

請求項3

前記良溶媒の使用量と前記貧溶媒の使用量との比が、質量比で1:0.5〜1:30である請求項1または2に記載の精製シリコーンレジンの製造方法。

請求項4

前記良溶媒は、炭素数1〜3のアルコール系溶媒を含まない請求項1〜3のいずれか1項に記載の精製シリコーンレジンの製造方法。

請求項5

前記良溶媒として、芳香族炭化水素系溶媒を用いる請求項1〜4のいずれか1項に記載の精製シリコーンレジンの製造方法。

請求項6

前記溶液の総質量に対する前記粗製シリコーンレジンの含有率は、30%以上85%以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の精製シリコーンレジンの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、精製シリコーンレジンの製造方法に関するものである。

背景技術

0002

オルガノポリシロキサンに代表されるシリコーンは、電気絶縁性などの電気特性や、耐熱耐寒耐紫外線といった耐候性などに優れている。そのため、シリコーンは、電気電子分野などの分野で各種用途に応用されている。たとえば電気・電子分野では、シリコーンが部品の固定や絶縁性の確保のために使用されている。

0003

しかし、シリコーンには、接点を有する部品の周辺に用いられた場合などにおいて、導電性阻害する問題が生じることがある。これは、シリコーンに含まれる低分子シロキサン揮発して接点に付着し、スイッチングに伴うスパーク等により低分子シロキサンが酸化し、絶縁性のシリカとして接点に堆積することが原因であると考えられている。また、電気・電子分野以外の分野においても、低分子シロキサンが原因となって問題となることがある。このような問題を解決するため、シリコーンに含まれる低分子シロキサンを低減させる方法が検討されている。

0004

特許文献1には、シリコーンゴム硬化物を200℃で加熱することにより、低分子シロキサンを除去する方法が記載されている。

0005

特許文献2には、シリコーンゴム成型体を、特定の有機溶剤中に浸漬させて、上記シリコーンゴム成型体が含有するオルガノポリシロキサンの低分子体有機溶媒で抽出することにより低減させる方法が記載されている。

先行技術

0006

特開2010−137468号公報
特開2005−139394号公報

発明が解決しようとする課題

0007

オルガノポリシロキサンの中でもシリコーンレジンは、特に耐熱、耐紫外線といった耐久性に優れ、高硬度被膜が得られることが知られている。シリコーンレジンは、三次元網目骨格を有する。

0008

しかしながら、特許文献1に記載の方法を用いて、シリコーンレジンを精製する場合、シリコーンレジンが熱縮合により架橋が進行することがある。これは、シリコーンゴム硬化物の反応性と比較して、シリコーンレジンの反応性が高いためであると考えられる。シリコーンレジンの架橋が進行することにより、シリコーンレジンの分子量が増大して、シリコーンレジンが溶媒に溶解しにくくなることがある。一般に、電気・電子分野などの分野で各種用途にシリコーンレジンを適用する際には、ポッティングや塗布などの方法が採用される。特許文献1に記載の方法を用いて精製したシリコーンレジンは、シリコーンレジンの溶解性が低下するため、ポッティングや塗布が困難になることがある。

0009

特許文献2に記載の方法を用いて、シリコーンレジンを精製する場合、オルガノポリシロキサンの低分子体を十分低減させることが困難なことがある。これは、シリコーンレジンの架橋構造に特定の有機溶剤が入り込みにくいことが原因であると考えられる。

0010

本発明の一態様はこのような事情に鑑みてなされたものであって、低分子シロキサンを低減させた精製シリコーンレジンを製造することができる精製シリコーンレジンの製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、平均組成式R1nSi(OH)a(OR2)bO(4−a−b−n)/2で表される粗製シリコーンレジンから、分子量1000未満の低分子シロキサンを低減させ、精製シリコーンレジンを得る洗浄工程を含み、洗浄工程は、粗製シリコーンレジンを、精製シリコーンレジンの良溶媒に溶解させ、溶液を得る溶解工程と、溶液と、精製シリコーンレジンの貧溶媒とを混合して精製シリコーンレジンを析出させる析出工程と、析出させた精製シリコーンレジンと、低分子シロキサンを含む母液と、を分離する分離工程と、を有する精製シリコーンレジンの製造方法を提供する。

0012

R1およびR2はそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を表す。nは0.5〜1.5である。a+bは0.01〜0.5である。aは0.01〜0.4である。

0013

本発明の一態様においては、nが1.0である粗製シリコーンレジンを用いる製造方法としてもよい。

0014

本発明の一態様においては、良溶媒の使用量と貧溶媒の使用量との比が、質量比で1:0.5〜1:30である製造方法としてもよい。

0015

本発明の一態様においては、良溶媒は、炭素数1〜3のアルコール系溶媒を含まない製造方法としてもよい。

0016

本発明の一態様においては、良溶媒として、芳香族炭化水素系溶媒を用いる製造方法としてもよい。

0017

本発明の一態様においては、溶液の総質量に対する粗製シリコーンレジンの含有率は、30%以上85%以下である製造方法としてもよい。

発明の効果

0018

本発明の一態様によれば、低分子シロキサンを低減させた精製シリコーンレジンを製造することができる精製シリコーンレジンの製造方法が提供される。

0019

以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内であれば種々に変更して実施することができる。

0020

本実施形態の精製シリコーンレジンの製造方法は、粗製シリコーンレジンから、分子量1000未満の低分子シロキサンを低減させ、精製シリコーンレジンを得る洗浄工程を含む。

0021

本明細書において、「低分子シロキサン」は、後述するゲルパーメーションクロマトグラフィー(GPC)の測定方法により、分子量が1000未満のシロキサン化合物であるものとする。

0022

本明細書において、「粗製シリコーンレジン」は、低分子シロキサンを低減させる前のシリコーンレジンである。「粗製シリコーンレジン」は、後述するGPCの測定方法により、粗製シリコーンレジンの総質量に対する低分子シロキサンの含有率が12%を超え25%以下であるものとする。

0023

本明細書において、「精製シリコーンレジン」は、「粗製シリコーンレジン」から低分子シロキサンを低減させた後に得られるシリコーンレジンである。

0024

[粗製シリコーンレジン]
本実施形態の精製シリコーンレジンの製造方法で精製される粗製シリコーンレジンは、25℃において固体である。粗製シリコーンレジンは、平均組成式R1nSi(OH)a(OR2)bO(4−a−b−n)/2で表される。

0025

R1およびR2はそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を表す。nは0.5〜1.5を表す。a+bは0.01〜0.5を表す。aは0.01〜0.4を表す。

0026

なお、本実施形態の精製シリコーンレジンの製造方法においては、精製前後でシリコーンレジンの構造がほぼ変化せず、上記n、aおよびbは上記範囲内であると考えられる。

0027

上記平均組成式において、nが上記範囲であることにより、一般的なシリコーンゴム(nが約2)と比較して架橋構造が多くなる。そのため、得られる精製シリコーンレジンを硬化させて得られる硬化物は、硬度が高い(硬さが固い)。また、上記硬化物を特に高出力の半導体発光素子紫外光を放出する素子に適用した場合に、耐熱性に優れ、紫外線照射を受けても劣化が少ないものとなる。

0028

また、a+bが上記範囲であることにより、硬化時の重合反応により分子間の架橋が十分に進みつつ、体積収縮が抑えられる。また、aが上記範囲であることにより、重合時の適切な反応速度が得られる。

0029

上記R1で表されるアルキル基としては、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。また、当該アルキル基の炭素数は、炭素数1〜2であることが好ましく、炭素数1であることがより好ましい。

0030

上記R1で表される炭素数1〜3のアルキル基は、当該アルキル基を構成する1または2以上の水素原子が、他の官能基置換されていてもよい。アルキル基の置換基としては、例えば、フェニル基ナフチル基などの炭素数6〜10のアリール基フッ素原子塩素原子などのハロゲン原子などが挙げられる。

0031

上記R1で表される炭素数1〜3のアルキル基としては、具体的には、メチル基エチル基プロピル基イソプロピル基などの無置換のアルキル基、フェニルメチル基フェニルエチル基フェニルプロピル基などのアラルキル基が挙げられる。

0032

上記R2で表されるアルキル基としては、上記R1で例示したものと同じものを挙げることができる。R2は炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基であることがより好ましい。

0033

上記nは、0.8〜1.3が好ましく、0.9〜1.1がより好ましく、1.0がさらに好ましい。

0034

上記a+bは、0.1〜0.4が好ましく、0.2〜0.4がより好ましい。

0035

後述するGPCにより求められる粗製シリコーンレジンの重量平均分子量は、例えば1500以上であり、2000以上であることが好ましく、3000以上であることがより好ましい。また、粗製シリコーンレジンの重量平均分子量は、例えば30000以下であり、20000以下であることが好ましく、15000以下であることがより好ましい。

0036

粗製シリコーンレジンは、工業的に市販されているものを使用してもよいし、当該粗製シリコーンレジンを構成する各繰返し単位に対応し、シロキサン結合を生じ得る官能基を有する有機ケイ素化合物出発原料として合成してもよい。「シロキサン結合を生じ得る官能基」としては、ハロゲン原子、水酸基アルコキシ基を挙げることができる。粗製シリコーンレジンは、このような出発原料を各繰返し単位の存在比に対応した比で加水分解縮合法で反応させることにより合成することができる。

0037

粗製シリコーンレジンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。

0038

このようなシリコーンレジンは、電気特性、耐候性などに優れている。そのため、シリコーンレジンは、電気・電子分野などの分野で各種用途に応用されている。電気・電子分野では、シリコーンレジンが部品の固定や絶縁性の確保のために使用されている。

0039

しかし、接点を有する部品などに粗製シリコーンレジンをそのまま用いると、導電性を阻害する問題が生じることがある。これは、低分子シロキサンが揮発し、接点に付着することが原因であると考えられている。また、電気・電子分野以外の分野においても、低分子シロキサンが原因となって問題となることがある。

0040

低分子シロキサンは、上述した方法で粗製シリコーンレジンを製造する際に副生すると考えられる。

0041

粗製シリコーンレジン中の低分子シロキサンは、シロキサン結合によってかご状に形成された成分であると考えられている。かご状シロキサン成分は反応性が低いため、一度形成されると縮合反応が進行しにくく、低分子量の状態で粗製シリコーンレジン中に存在すると考えられる。そのため、粗製シリコーンレジンには、一定の割合で低分子シロキサンが含まれていると考えられる。

0042

本実施形態の洗浄工程は、粗製シリコーンレジンを、精製シリコーンレジンの良溶媒に溶解させ、溶液を得る溶解工程と、溶液と、精製シリコーンレジンの貧溶媒とを混合して精製シリコーンレジンを析出させる析出工程と、析出させた精製シリコーンレジンと、低分子シロキサンを含む母液とを分離する分離工程と、を有する。

0043

[溶解工程]
本実施形態の溶解工程では、粗製シリコーンレジンを、精製シリコーンレジンの良溶媒に溶解させ、溶液を得る。粗製シリコーンレジンを上記良溶媒に溶解させる手法は特に限定されないが、例えば、容器に粗製シリコーンレジンと、上記良溶媒と、を入れ、内容物を撹拌することにより、上記良溶媒に粗製シリコーンレジンを溶解させる手法などが挙げられる。この場合、粗製シリコーンレジンの溶解性の観点から、容器に上記良溶媒を入れた後、粗製シリコーンレジンを入れることが好ましい。また、必要に応じて内容物を加温しながら撹拌しても構わない。

0044

粗製シリコーンレジンを精製シリコーンレジンの良溶媒に溶解させる温度は、特に限定されないが、0℃以上100℃以下に設定することが好ましく、20℃以上80℃以下に設定することがより好ましい。これにより、シリコーンレジンの重合を抑制しつつ、溶解速度を高めることができる。

0045

粗製シリコーンレジンを精製シリコーンレジンの良溶媒に溶解させる時間は、特に限定されないが、30分以上24時間以下であることが好ましく、1時間以上12時間以下であることがより好ましい。

0046

(良溶媒、貧溶媒)
本明細書において、「精製シリコーンレジンの良溶媒」および「精製シリコーンレジンの貧溶媒」は、下記試験で決定する。
透明のスクリュー管容器にシリコーンレジンと溶媒を、粗製シリコーンレジンの濃度が30質量%となる割合で入れ、混合物マグネティックスターラーにより室温で24時間撹拌する。撹拌後、内容物を1時間静置し、内容物の様子を目視で確認する。内容物に沈殿物が生じたり、相分離したりする場合、用いた溶媒を「精製シリコーンレジンの貧溶媒」とする。一方、内容物が均一な溶液になった場合、用いた溶媒を「精製シリコーンレジンの良溶媒」とする。なお、溶液に白濁が生じ場合でも、相分離していなければ、用いた溶媒を「精製シリコーンレジンの良溶媒」とする。

0047

なお、発明者らの検討により、上記試験で生じる沈殿物は精製シリコーンレジンであることがわかっている。したがって、粗製シリコーンレジンの代わりに精製シリコーンレジンを用いても「精製シリコーンレジンの良溶媒」および「精製シリコーンレジンの貧溶媒」を決定することができる。

0048

精製シリコーンレジンの良溶媒としては、例えばアセトンなどのケトン系溶媒トルエンキシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、酢酸プロピルなどのエステル系溶媒テトラヒドロフラン(THF)などのエーテル系溶媒、アルコール系溶媒などが挙げられる。また、精製シリコーンレジンの良溶媒としては、ケトン系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、炭素数4〜20のアルコール系溶媒が好ましい。精製シリコーンレジンの良溶媒としては、精製シリコーンレジンの回収率が高いことから、芳香族炭化水素系溶媒、エステル系溶媒またはエーテル系溶媒であることがより好ましく、芳香族炭化水素系溶媒がさらに好ましい。

0049

精製シリコーンレジンの貧溶媒としては、例えばヘキサンオクタンなどの飽和炭化水素系溶媒などが挙げられる。

0050

本実施形態の洗浄工程において、上記良溶媒の使用量と上記貧溶媒の使用量との比が、質量比で1:0.5〜1:30であることが好ましく、1:1〜1:15であることがより好ましい。これにより、粗製シリコーンレジンに含まれる低分子シロキサンを十分低減させることができ、かつ、高収率で精製シリコーンレジンを回収することができる。

0051

なお、上記良溶媒の使用量と上記貧溶媒の使用量との比は、上記境界値も含む。

0052

本実施形態の溶解工程で得られる溶液の総質量に対する粗製シリコーンレジンの含有率は、粗製シリコーンレジンの種類と、用いる良溶媒との関係で定められる。

0053

本実施形態の溶解工程で得られる溶液の総質量に対する粗製シリコーンレジンの含有率は、30%以上85%以下であることが好ましい。上記粗製シリコーンレジンの含有率が30%以上であると、高収率で精製シリコーンレジンを回収することができる。粗製シリコーンレジンの含有率が85%以下であると、得られる溶液の粘度が低く、精製シリコーンレジンを分離する際の操作性に優れる。

0054

上記粗製シリコーンレジンの含有率は、使用する良溶媒と貧溶媒との組み合わせに応じて上記範囲内で適宜設定するとよい。良溶媒として芳香族炭化水素系溶媒を用い、貧溶媒として飽和炭化水素系溶媒を用いる場合、上記粗製シリコーンレジンの含有率は、50%以上85%以下であることがより好ましく、50%以上70%以下であることがさらに好ましい。

0055

なお、本実施形態の洗浄工程においては、良溶媒の使用量と貧溶媒の使用量との比や、溶液の総質量に対する粗製シリコーンレジンの含有率などについて、予備実験などにより事前に確認してもよい。

0056

[析出工程]
本実施形態の析出工程では、粗製シリコーンレジンの溶液と、精製シリコーンレジンの貧溶媒と、を混合することにより混合液を得、混合液中で精製シリコーンレジンを析出させる。これは、精製シリコーンレジンが低分子シロキサンに比べて溶解性が低いことを利用したものである。一方、低分子シロキサンは精製シリコーンレジンに比べて溶解性が高いので、混合液の母液(良溶媒+貧溶媒)側に多く含まれている。

0057

本実施形態の溶解工程で得られる溶液を精製シリコーンレジンの貧溶媒と混合する温度は、特に限定されないが、0℃以上100℃以下に設定することが好ましく、20℃以上80℃以下に設定することがより好ましい。

0058

本実施形態の析出工程において、粗製シリコーンレジンの溶液と上記貧溶媒との混合方法は特に限定されない。例えば、粗製シリコーンレジンの溶液と貧溶媒とを一度に混合してもよいし、粗製シリコーンレジンの溶液に貧溶媒を所定時間かけて滴下してもよい。その場合、貧溶媒の滴下時間は、溶液および貧溶媒の量にもよるが、2時間以下であることが好ましく、1時間以下であることがより好ましい。

0059

粗製シリコーンレジンの溶液と上記貧溶媒とを混合してから、精製シリコーンレジンを析出させるまでの時間は、1分以上24時間以下であることが好ましく、10分以上12時間以下であることがより好ましい。

0060

[分離工程]
次に、本実施形態の分離工程では、析出した精製シリコーンレジンと、母液と、を分離する。

0061

析出した精製シリコーンレジンと、母液と、を分離する手法としては、特に限定されないが、混合液を静置した後、上層の母液をスポイトなどを用いて抜き取る方法が挙げられる。また、別の分離方法としては、混合液をフィルターなどを用いて濾過する方法が挙げられる。

0062

なお、本実施形態の洗浄工程では、精製シリコーンレジンと母液とを分離する際の混合液の温度を、本実施形態の溶解工程で得られる溶液を精製シリコーンレジンの貧溶媒と混合する温度よりも低くしてもよい。これにより、本実施形態の洗浄工程では、精製シリコーンレジンの回収率を向上させることができる。

0063

本実施形態の洗浄工程では、分離した精製シリコーンレジンを、精製シリコーンレジンの貧溶媒の貧溶媒で洗浄してもよい。これにより、精製シリコーンレジンに付着した母液を洗い流すことができる。その結果、精製シリコーンレジンから母液に溶解している低分子シロキサンをより低減させることができる。

0064

本実施形態の洗浄工程では、分離した精製シリコーンレジンを、加熱乾燥することにより精製シリコーンを得る。

0065

また、別の方法としては、溶解工程で用いた良溶媒と沸点の異なる良溶媒を用いて共沸させることにより、分離した精製シリコーンレジンから溶媒を除去する方法が挙げられる。具体的に、分離した精製シリコーンレジンを、上記沸点の異なる良溶媒に溶解させ、この溶液を減圧蒸留して溶媒を共沸させることにより、除去する。

0066

また、本実施形態の洗浄工程では、以下の方法により精製シリコーンレジンの溶液を得ることができる。まず、精製シリコーンレジンと、溶解工程で用いた良溶媒の沸点よりも20℃以上高い沸点の良溶媒(以下、高沸点溶媒)と、を混合し、得られた溶液から減圧蒸留により低沸点溶媒(溶解工程で用いた良溶媒、貧溶媒)を除去することにより、精製シリコーンレジンが高沸点溶媒に溶解した溶液を得ることができる。

0067

このような方法によれば、精製シリコーンレジンの固形物を回収する場合と比べて、精製シリコーンレジンを回収しやすい。また、精製シリコーンレジンを回収した後も取り扱いやすい。

0068

[精製シリコーンレジン]
このようにして得られる精製シリコーンレジンは、分子量1000未満の低分子シロキサンが十分に低減されている。

0069

精製シリコーンレジンは、下記測定方法で求められる分子量1000未満の低分子シロキサンの含有率が1%以上12%以下である。

0070

本実施形態において、低分子シロキサンの含有率は、精製シリコーンレジンを下記条件でGPCを測定して得られるチャートにおいて、シグナル総面積に対する分子量200以上1000以下のシグナルの面積の割合とする。なお、本測定において総面積を算出するシグナルの分子量の下限は、粗製シリコーンレジン中に含まれる溶媒の影響を除くために、200である。また、上記上限は、シグナルが検出されない最小値であるが、一般的に3000000である。

0071

[条件]
装置名 :東ソー社製 HLC−8120
カラム:TSKgel MultiporeHXL−M×3+Guad column−MP(XL)
流量 :1.0mL/min
検出条件RIポラリティー−)
濃度 :100mg+5mL(THF)
注入量 : 100μL
カラム温度: 40℃
溶離液: THF

0072

本実施形態の精製シリコーンレジンの製造方法によれば、低分子シロキサンを低減させた精製シリコーンレジンを製造することができる。

0073

以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0074

[低分子シロキサンの含有率]
本実施例において、低分子シロキサンの含有率は、精製シリコーンレジンを下記条件でゲルパーメーションクロマトグラフィー(GPC)を測定して得られるチャートにおいて、シグナルの総面積に対する分子量200以上1000以下のシグナルの面積の割合とした。なお、本測定において総面積を算出したシグナルの分子量の範囲は、200以上3000000以下とした。

0075

[条件]
装置名 :東ソー社製 HLC−8120
カラム:TSKgel MultiporeHXL−M×3+Guad column−MP(XL)
流量 :1.0mL/min
検出条件:RI(ポラリティー−)
濃度 :100mg+5mL(THF)
注入量 : 100μL
カラム温度: 40℃
溶離液: THF

0076

以下の実施例では、粗製シリコーンレジンとして平均組成式R1(OH)0.15(OR2)0.08SiO1.385で表される材料を用いた。なお、粗製シリコーンレジンの総質量に対する低分子シロキサンの含有率は15.3%であった。

0077

[実施例1〜8]
粗製シリコーンレジンを、表1に示す濃度で粗製シリコーンレジンの良溶媒に溶解させ、溶液を得た。得られた溶液を撹拌しながら、溶液が入った容器に滴下漏斗を用いて、表1に示す比率で粗製シリコーンレジンの貧溶媒を15分間かけて滴下し、混合液を得た。滴下後、混合液の撹拌を停止して混合液を表1に示す時間静置し、析出物沈殿させた。その後、上層の母液(良溶媒+貧溶媒)をスポイトで抜き取ることにより、精製シリコーンレジンの析出物を分離した。

0078

次に、精製シリコーンレジンの析出物を2−プロパノール(IPA)と酢酸2−エトキシエチルとの混合溶媒に溶解させた。得られた溶液をエバポレーターにより80℃、40hPaの条件で、表1の良溶媒および貧溶媒、IPAを留去することにより酢酸2−エトキシエチル溶液を得た。このとき、表1の良溶媒および貧溶媒、IPAは沸点が低いため留去されるが、酢酸2−エトキシエチルは沸点が高いため留去されにくいと考えられる。これにより、精製シリコーンレジンの酢酸2−エトキシエチル溶液が得られると推測される。

0079

次に、得られた酢酸2−エトキシエチル溶液を所定量分け採り、この溶液を120℃で1時間加熱することにより、酢酸2−エトキシエチルを除去し、蒸発乾固物(精製シリコーンレジン)を得た。蒸発乾固物の総質量に対する低分子シロキサンの含有率を求めた。また、蒸発乾固物の質量を測定することにより、所定量の酢酸2−エトキシエチル溶液中の精製シリコーンレジンの含有量を算出した。精製シリコーンレジンの含有量を洗浄工程を行った粗製シリコーンレジンの量で除することにより、洗浄工程での収率を求めた。

0080

[比較例1]
粗製シリコーンレジンを、200℃の乾燥機に入れ、3時間加熱した。加熱後のシリコーンレジンは、酢酸2−エトキシエチルに不溶であった。

0081

実施例1〜8および比較例1の蒸発乾固物の収率、低分子シロキサンの含有率およびIPAと酢酸2−エトキシエチルとの混合溶媒に対する溶解性を表2に示す。なお、参考例として、使用した粗製シリコーンレジンの低分子シロキサンの含有率および上記の混合溶媒に対する溶解性を表2に示した。

0082

0083

0084

表1および表2に示すように、本発明を適用した実施例1〜8の精製シリコーンレジンにおける低分子シロキサンの含有率は、樹脂変性させることなく、参考例の粗製シリコーンレジンにおける低分子シロキサンの含有率よりも低かった。つまり、実施例1〜8では、樹脂を変性させることなく、粗製シリコーンレジン中の低分子シロキサンを低減させることができた。

0085

また、実施例1〜7では、精製シリコーンレジンを高効率で製造することができた。特に、精製シリコーンレジンの良溶媒として、芳香族炭化水素系溶媒であるトルエンを用いた場合、粗製シリコーンレジン中の低分子シロキサンの含有率を低減させつつ、精製シリコーンレジンをより高収率で製造することができた。

0086

一方、比較例1では、加熱後のシリコーンレジンが酢酸2−エトキシエチル溶媒に不溶であった。このことから、比較例1では、粗製シリコーンレジンが加熱により縮合し、架橋が進行したことにより、分子量が増大したと考えられる。

実施例

0087

以上の結果より、本発明が有用であることが確かめられた。

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