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図面 (12)

課題

細胞活性化を阻害できる方法の提供。

解決手段

細胞に、MHC分子複合体化された抗原由来するペプチド提示している抗原提示細胞および二重特異性バイオ医薬品を接触させることによる該T細胞の寛容化のための、CTLA−4に特異的なリガンドおよびpMHC複合体に特異的なリガンドを含む該二重特異性バイオ医薬品を使用する。

概要

背景

自己免疫疾患または臓器移植モデルにおいて新たに単離された、エキソビボで増殖したまたはインビトロ誘導したTregを使用した細胞療法により、Tregの養子免疫伝達がTreg対エフェクター細胞平衡を元に戻すことができ、それによりこれらの疾患に関連する自己免疫を制御することが実証されている(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4)。しかしながら、治療戦略としての養子免疫伝達の使用は臨床へ移行するためのいくつかの課題を提示している。ヒト対象末梢血から単離され得る自己Tregの数は限られており、Tregの広範囲のエキソビボでの増殖はそれらの機能性および/または純度を変化させる場合がある。単離されたTregはポリクローナルであるので、それらは非標的エフェクターT細胞に汎免疫(pan−immune)抑制機能を与えることができる。重要なことに、養子移植したTregは、Foxp3発現およびTh17細胞への再分化(非特許文献5)または病原性記憶T細胞(非特許文献6)を損失する場合があり、これにより自己免疫もしくは炎症を悪化する危険性を増加させるので、Tregの柔軟性は重要な課題をもたらす(非特許文献7;非特許文献8)。

元の位置において抗原特異的様式でTregの生成を誘導する治療は養子Treg細胞療法より利点を有する。細胞傷害性Tリンパ球関連抗原−4(CTLA−4;CD152)はT細胞応答の十分に確立された負の調節因子であり、T細胞恒常性および自己寛容の維持に重要である。CTLA−4は同時刺激分子CD28と同種であり、抗原提示細胞APC)の表面上で発現される、同じリガンドであるCD80(B7.1)およびCD86(B7.2)を共有する。しかしながら、エフェクターT細胞上のCD28およびCTLA−4に対するAPC上のCD80/CD86の異なる結合は、CD28がT細胞活性化を誘発し、CTLA−4がT細胞阻害を引き起こすという反対の結果を導く。

CD28はT細胞上で構成的に発現され、CTLA−4の発現のみが、T細胞活性化後、最大で2〜3日後に誘導されるので(非特許文献9)、広範なT細胞活性化はCTLA−4会合の前に起こっている。それ故、CTLA−4の主な役割は、T細胞活性化を阻害するというよりむしろ過剰なT細胞応答に対する保護として作用することである。しかしながら、CTLA−4のリガンドによるCTLA−4の早期会合およびその後のT細胞受容体(TCR)に対するCTLA−4の架橋はTCRシグナル伝達時期尚早減衰させる場合があり、T細胞阻害および低応答性、またはアネルギーを引き起こす。この概念は以下を含む様々な方法を使用して実験的に検証されている:(i)ビーズ上での同時固定化により、または二次抗体を介してアゴニスト抗CTLA−4抗体を使用してT細胞活性化抗体(抗CD3/抗CD28)を架橋すること(非特許文献10;非特許文献11;非特許文献12);(ii)APC上でCTLA−4に対する表面結合アゴニストscFvを分子操作すること(非特許文献13;非特許文献14;非特許文献15);(iii)アゴニスト抗CTLA−4抗体に対してAPC上で特異的抗原を認識する抗体を化学的に架橋すること(非特許文献16;非特許文献17;非特許文献18)。

概要

T細胞活性化を阻害できる方法の提供。T細胞に、MHC分子複合体化された抗原に由来するペプチドを提示している抗原提示細胞および二重特異性バイオ医薬品を接触させることによる該T細胞の寛容化のための、CTLA−4に特異的なリガンドおよびpMHC複合体に特異的なリガンドを含む該二重特異性バイオ医薬品を使用する。なし

目的

それ故、CTLA−4の主な役割は、T細胞活性化を阻害するというよりむしろ過剰なT細胞応答に対する保護として作用することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

細胞に、MHC分子複合体化された抗原由来するペプチド提示している抗原提示細胞および二重特異性バイオ医薬品を接触させることによる該T細胞の寛容化のための、請求項1〜14のいずれか1項に記載のCTLA−4に特異的なリガンドおよびpMHC複合体に特異的なリガンドを含む該二重特異性バイオ医薬品の使用。

請求項2

自己免疫疾患および移植片拒絶反応から選択される疾患の治療における、請求項1〜14のいずれか1項に記載のCTLA−4に特異的なリガンドおよびpMHC複合体に特異的なリガンドを含む二重特異性バイオ医薬品の使用。

請求項3

自己免疫疾患は1型糖尿病(T1D)である、請求項2に記載の使用。

請求項4

CTLA−4に特異的なリガンドはCTLA−4に特異的な抗体、およびCD80(B7−1)またはCD86(B7−2)から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。

請求項5

pMHC複合体に特異的なリガンドは抗MHC抗体およびLAG−3から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。

請求項6

CTLA−4に特異的なリガンドおよびpMHC複合体に特異的なリガンドはリンカーにより隔置される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。

請求項7

リンカーはポリアミノ酸配列および抗体Fcドメインのうちの1つまたはそれ以上である、請求項6に記載の使用。

請求項8

ポリアミノ酸配列はG9(Gly−9)である、請求項7に記載の使用。

請求項9

CTLA−4に特異的なリガンドはCD80である、請求項4に記載の使用。

請求項10

CD80はCTLA−4に対する特異性を増加させるように変異される、請求項9に記載の使用。

請求項11

CD80は変異W84A、K71G、K71V、S109G、R123S、R123D、G124L、S190A、S201A、R63A、M81A、N97AおよびE196Aのうちの少なくとも1つを含むヒトCD80である、請求項10に記載の使用。

請求項12

CD80はヒトCD80の変異W84AまたはE196Aを含む、請求項11に記載の使用。

請求項13

MHC複合体に特異的なリガンドはLAG−3である、請求項5に記載の使用。

請求項14

LAG−3はpMHCIIに対する特異性を増加させるように変異される、請求項13に記載の使用。

請求項15

LAG−3は変異R73E、R75A、R75EおよびR76Eのうちの少なくとも1つを含むヒトLAG−3である、請求項14に記載の使用。

請求項16

LAG−3は変異R75AまたはR75Eを含む、請求項15に記載の使用。

請求項17

CTLA−4に特異的なリガンドおよびpMHC複合体に特異的なリガンドを含む二重特異性バイオ医薬品。

請求項18

CTLA−4に特異的なリガンドはCTLA−4に特異的な抗体、およびCD80(B7−1)またはCD86(B7−2)から選択される、請求項17に記載の二重特異性バイオ医薬品。

請求項19

pMHC複合体に特異的なリガンドは抗MHC抗体およびLAG−3から選択される、請求項17または18に記載の二重特異性バイオ医薬品。

請求項20

CTLA−4に特異的なリガンドおよびpMHC複合体に特異的なリガンドはリンカーにより隔置される、請求項1〜19のいずれか1項に記載の二重特異性バイオ医薬品。

請求項21

リンカーはポリアミノ酸配列および抗体Fcドメインのうちの1つまたはそれ以上である、請求項20に記載の二重特異性バイオ医薬品。

請求項22

ポリアミノ酸配列はG9(Gly−9)である、請求項21に記載の二重特異性バイオ医薬品。

請求項23

CTLA−4に特異的なリガンドはCD80である、請求項18に記載の二重特異性バイオ医薬品。

請求項24

CD80はCTLA−4に対する特異性を増加させるように変異される、請求項23に記載の二重特異性バイオ医薬品。

請求項25

CD80は変異W84A、K71G、K71V、S109G、R123S、R123D、G124L、S190A、S201A、R63A、M81A、N97AおよびE196Aのうちの少なくとも1つを含むヒトCD80である、請求項24に記載の二重特異性バイオ医薬品。

請求項26

CD80はヒトCD80の変異W84AまたはE196Aを含む、請求項25に記載の二重特異性バイオ医薬品。

請求項27

MHC複合体に特異的なリガンドはLAG−3である、請求項19に記載の二重特異性バイオ医薬品。

請求項28

LAG−3はpMHCIIに対する特異性を増加させるように変異される、請求項27に記載の二重特異性バイオ医薬品。

請求項29

LAG−3は変異R73E、R75A、R75EおよびR76Eのうちの少なくとも1つを含むヒトLAG−3である、請求項28に記載の二重特異性バイオ医薬品。

請求項30

LAG−3は変異R75AまたはR75Eを含む、請求項29に記載の二重特異性バイオ医薬品。

請求項31

T細胞に、MHC分子と複合体化された抗原に由来するペプチドを提示している抗原提示細胞および請求項17〜30のいずれか1項に記載の二重特異性バイオ医薬品を接触させる工程を含む、該抗原に対して該T細胞を寛容化する方法。

請求項32

請求項17〜30のいずれか1項に記載のCTLA−4に特異的なリガンドおよびpMHC複合体に特異的なリガンドを含む二重特異性バイオ医薬品を、それを必要とする対象に投与する工程を含む、自己免疫疾患または移植片拒絶反応から選択される状態に罹患している対象を治療する方法。

請求項33

二重特異性バイオ医薬品はさらなる免疫抑制剤または免疫調節剤と組み合わせて投与される、請求項32に記載の方法。

請求項34

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、その全内容を参照によって本明細書に組み入れる、以下の2011年6月30日に出願した米国仮特許出願第61/503,282号の利益を主張するものである。

背景技術

0002

自己免疫疾患または臓器移植モデルにおいて新たに単離された、エキソビボで増殖したまたはインビトロ誘導したTregを使用した細胞療法により、Tregの養子免疫伝達がTreg対エフェクター細胞平衡を元に戻すことができ、それによりこれらの疾患に関連する自己免疫を制御することが実証されている(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4)。しかしながら、治療戦略としての養子免疫伝達の使用は臨床へ移行するためのいくつかの課題を提示している。ヒト対象末梢血から単離され得る自己Tregの数は限られており、Tregの広範囲のエキソビボでの増殖はそれらの機能性および/または純度を変化させる場合がある。単離されたTregはポリクローナルであるので、それらは非標的エフェクターT細胞に汎免疫(pan−immune)抑制機能を与えることができる。重要なことに、養子移植したTregは、Foxp3発現およびTh17細胞への再分化(非特許文献5)または病原性記憶T細胞(非特許文献6)を損失する場合があり、これにより自己免疫もしくは炎症を悪化する危険性を増加させるので、Tregの柔軟性は重要な課題をもたらす(非特許文献7;非特許文献8)。

0003

元の位置において抗原特異的様式でTregの生成を誘導する治療は養子Treg細胞療法より利点を有する。細胞傷害性Tリンパ球関連抗原−4(CTLA−4;CD152)はT細胞応答の十分に確立された負の調節因子であり、T細胞恒常性および自己寛容の維持に重要である。CTLA−4は同時刺激分子CD28と同種であり、抗原提示細胞APC)の表面上で発現される、同じリガンドであるCD80(B7.1)およびCD86(B7.2)を共有する。しかしながら、エフェクターT細胞上のCD28およびCTLA−4に対するAPC上のCD80/CD86の異なる結合は、CD28がT細胞活性化を誘発し、CTLA−4がT細胞阻害を引き起こすという反対の結果を導く。

0004

CD28はT細胞上で構成的に発現され、CTLA−4の発現のみが、T細胞活性化後、最大で2〜3日後に誘導されるので(非特許文献9)、広範なT細胞活性化はCTLA−4会合の前に起こっている。それ故、CTLA−4の主な役割は、T細胞活性化を阻害するというよりむしろ過剰なT細胞応答に対する保護として作用することである。しかしながら、CTLA−4のリガンドによるCTLA−4の早期会合およびその後のT細胞受容体(TCR)に対するCTLA−4の架橋はTCRシグナル伝達時期尚早減衰させる場合があり、T細胞阻害および低応答性、またはアネルギーを引き起こす。この概念は以下を含む様々な方法を使用して実験的に検証されている:(i)ビーズ上での同時固定化により、または二次抗体を介してアゴニスト抗CTLA−4抗体を使用してT細胞活性化抗体(抗CD3/抗CD28)を架橋すること(非特許文献10;非特許文献11;非特許文献12);(ii)APC上でCTLA−4に対する表面結合アゴニストscFvを分子操作すること(非特許文献13;非特許文献14;非特許文献15);(iii)アゴニスト抗CTLA−4抗体に対してAPC上で特異的抗原を認識する抗体を化学的に架橋すること(非特許文献16;非特許文献17;非特許文献18)。

先行技術

0005

Allanら、(2008)Immunol.Rev.223:391−421
Jiangら、(2006)Expert review of clinical immunology 2:387−392
Rileyら、(2009)Immunity 30:656−665
Tangら、(2012)Journal of molecular cell biology 4:11−21
Koenenら、(2008)Blood 112:2340−2352
Zhouら、(2009b)Nat Immunol 10:1000−1007
Bluestoneら、(2009)Nat Rev Immunol 9:811−816
Zhouら、(2009a)Curr Opin Immunol 21:281−285
Jagoら、(2004)Clinical & Experimental Immunology、136:463−471
Blairら、(1998)J.Immunol.160:12−15
KrummelおよびAllison、(1996)J Exp Med 183:2533−2540
Walunasら、(1996)J.Exp.Med.183:2541−2550
Fifeら、(2006)J.Clin.Invest.116(8):2252−61
Griffinら、(2001)J.Immunol.Methods.248(1−2):77−90
Griffinら、(2000)J.Immunol.164(9):4433−42
Liら、(2007).J.Immunol.179(8):5191−203
Raoら、(2001)Clin.Immunol.101(2):136−45
Vasuら、(2004)J.Immunol.173(4):2866−76

発明が解決しようとする課題

0006

Treg対エフェクターT細胞の平衡を元に戻すことは自己免疫疾患を治療する有望な手段である。しかしながら、Tregの移入を含む細胞療法は特定の制限を有する。したがって、自己免疫疾患を治療するために抗原特異的様式でTreg(例えばCTLA−4)の生成を誘導できる治療が緊急に必要とされている。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、T細胞活性化の初期段階の間、リガンドが会合した(ligand−engaged)細胞傷害性Tリンパ球抗原−4(CTLA−4)をT細胞受容体(TCR)に架橋し、それによりTCRシグナル伝達を減衰し、T細胞阻害を導く、リガンドに関する。T細胞活性化を阻害できる薬剤を開発するために、CTLA−4に選択的に結合し、CTLA−4を活性化し、そのCTLA−4をTCRに共連結する(co−ligate)部分を含む二重特異性融合タンパク質を生成した。従来技術のアプローチ対照的に、二
重特異性融合タンパク質を操作してMHCをCTLA−4に架橋し;その両方を次いでTCRに引きつけ、免疫シナプス内にCTLA−4/MHCII/TCR三分子(tri−molecular)複合体を生成した。

0008

リガンドが会合した細胞傷害性Tリンパ球抗原−4(CTLA−4)を、同種異系MLRにおいて変異マウスCD80およびリンパ球活性化抗原−3を含む二重特異性融合タンパク質(BsB)を用いてTCRに架橋することにより、TCRシグナル伝達およびFoxp3+制御性T細胞(Treg)に対する直接的なT細胞分化が減衰した。本明細書に
記載されるように、抗原特異的Tregはまた、抗原特異的環境で誘導できる。BsBの短期間による非肥満糖尿病(NODマウスの治療は、血液中のTregを一過性に増加する自己免疫1型糖尿病(T1D)の発症を適度に遅延させた。しかしながら、BsBによるNOD動物の長期間の治療は、疾患の発症を顕著に遅延させ、また、糖尿病を呈している動物の指標を減少させた。非糖尿病のままであったBsBで治療したマウスの膵臓病理組織学的分析により、膵島周囲の他のCD3+T細胞および非T細胞白血球と混合さ
れたTregの存在が現れた。この膵島周囲炎(peri−insulitis)は最小侵襲性膵島炎と関連し、インスリン産生β細胞の顕著な破壊はなかった。それ故、CTLA−4およびMHCIIと会合でき、CTLA−4をTCRに間接的に共連結できる二官能性タンパク質は、T1Dまたは他の自己免疫疾患からマウスを保護するためにインビボで抗原特異的Tregを誘導できる。

0009

特に、本発明はCTLA−4をpMHCII複合体に架橋する二重特異性融合タンパク質を記載する。例えば、同時にCTLA−4と会合し、そのCTLA−4をpMHCIIを介してTCRに架橋するように操作される変異マウスCD80(CD80w88a)およびリンパ球活性化抗原−3(LAG−3)を含む二重特異性融合タンパク質が記載される。したがって、第1の態様において、CTLA−4に特異的なリガンドおよびpMHC複合体に特異的なリガンドを含む二重特異性バイオ医薬品(biologic)が提供される。

0010

一態様において、本発明は、CTLA−4に特異的なリガンドおよびpMHC複合体に特異的なリガンドを含む二重特異性バイオ医薬品を提供する。本発明に係る二重特異性バイオ医薬品は、抗原提示細胞(APC)上のペプチドMHC(pMHC)複合体を用いて、T細胞上に存在するCTLA−4を架橋できる。ペプチドMHC複合体はT細胞上の同種T細胞受容体(TCR)により結合され、このことは、本発明に係る二重特異性バイオ医薬品が三者のCTLA−4/MHC/TCR複合体を生じることを意味する。

0011

本明細書に示した態様の種々の実施形態において、CTLA−4に特異的なリガンドは、CTLA−4に特異的な抗体、およびCD80(B7−1)またはCD86(B7−2)から選択される。特定の実施形態において、CTLA−4に特異的な抗体、およびCD80(B7−1)またはCD86(B7−2)はアゴニスト抗体である。CTLA−4に特異的な抗体は操作でき、CD80およびCD86の両方はCTLA−4に対する天然リガンドである。一態様において、CD80はCD28よりCTLA−4に優先的に結合し、それ故、活性化と反対にT細胞不活性化を促進するので、CD80またはその変異体が使用される。

0012

本明細書に示される態様の種々の実施形態において、pMHC複合体に特異的なリガンドは抗MHC抗体およびLAG−3から選択され得る。LAG−3ポリペプチドはMHCIIタンパク質に対する天然リガンドである。一実施形態において、MHCはMHC−II(CD4+T細胞と相互作用する)である。別の実施形態において、MHCは、CD8+T細胞と相互作用するMHC−Iである。

0013

本発明に係る二重特異性バイオ医薬品において、CTLA−4に特異的なリガンドおよ
びpMHC複合体に特異的なリガンドは好ましくはリンカーにより隔置される。リンカーは1つまたはそれ以上のポリアミノ酸配列および抗体Fcドメインの形態を取ってもよい。適切なポリアミノ酸配列はG9(Gly−9)である。

0014

本明細書に示される態様の種々の実施形態において、CTLA−4に特異的なリガンドはCD80、またはCD28よりCTLA−4に対する特異性を増加させるように変異されるその変異体である。一実施形態において、変異したCD80は、マウスCD80前駆体における配列番号付けを使用して、W88A、K75G、K75V、S112G、R126S、R126D、G127L、S193A、およびS204A、またはそれらのヒトCD80対応物(W84A、K71G、K71V、S109G、R123S、R123D、G124L、S190A、およびS201A)およびさらにR63A、M81A、N97A、E196Aから選択される1つまたはそれ以上の変異を含む。

0015

一実施形態において、二重特異性バイオ医薬品は、変異W84A(ヒト)またはW88A(マウス)を含む、CD80を含む。

0016

特定の実施形態において、MHCII複合体に特異的なリガンドはLAG−3である。有利には、LAG−3はpMHCIIに対する特異性を増加させるように変異される。例えば、LAG−3は、R73E、R75A、R75EおよびR76Eから選択される1つまたはそれ以上の変異を含む(Huardら、(1997)Proc.Natl.Acad.Sci.USA.94(11):5744−5749)。一実施形態において、LAG−3は変異R75Eを含む。

0017

CD28よりCTLA−4への二重特異性融合タンパク質の選択的結合は、リガンドとして、アミノ酸88(マウスCD80において番号付けした)においてトリプトファンの代わりにアラニンを含有する、変異体CD80(CD80w88a)を使用して達成された。CD80w88aはCTLA−4に結合するが、CD28に対して最小親和性を示す(Wuら、(1997)、J.Exp.Med.185:1327−1335)。

0018

リンパ球活性化遺伝子−3(LAG−3)、MHCIIの天然リガンドは二重特異性融合タンパク質の他の結合成分として選択された(Baixerasら、(1992)J.Exp.Med.176:327−337;Triebelら、(1990)J.Exp.Med.171:1393−1405)。我々は、このような二官能性を有する融合タンパク質がT細胞活性化を効果的に阻害し、抗炎症性サイトカインIL−10およびTGF−β産生を刺激することを示す。より重要なことに、この二重特異性融合タンパク質はまた、高い抑制性のFoxp3+TregへのT細胞分化を導いた。これは、十分に確立
された同時刺激阻害剤CTLA−4Igを代わりに使用した場合、起こらなかった(Bluestoneら、(2006)Immunity 24:233−238;LinsleyおよびNadler(2009)Immunol.Rev.229:307−321)。したがって、T細胞活性化の間のTCRに対するCTLA−4の早期会合およびCTLA−4の架橋はT細胞分化に能動的に影響を与えることができる。それ故、このような二重特異性融合タンパク質は、自己免疫疾患における過剰なT細胞応答を制御するために使用できるバイオ医薬品の新規クラスを表すことができる。

0019

本発明の第2の態様において、T細胞を、MHC分子複合体化した抗原に由来するペプチドを提示する抗原提示細胞および二重特異性バイオ医薬品と接触させることによる前記T細胞の寛容化のための、本発明の第1の態様に係るCTLA−4に特異的なリガンドおよびpMHC複合体に特異的なリガンドを含む前記二重特異性バイオ医薬品の使用が提供される。

0020

第3の態様において、自己免疫疾患および移植片拒絶反応から選択される疾患の治療における、本発明の第1の態様に係るCTLA−4に特異的なリガンドおよびpMHC複合体に特異的なリガンドを含む二重特異性バイオ医薬品の使用が提供される。

0021

例えば、自己免疫疾患は、1型糖尿病(T1D、全身性エリテマトーデスSLE)、関節リウマチ(RA)および炎症性腸疾患(IBD)(潰瘍性大腸炎(UC)およびクローン病(CD)を含む)、多発性硬化症(MS)、強皮症、ならびにPV尋常性天疱瘡)、乾癬アトピー性皮膚炎セリアック病慢性閉塞性肺疾患橋本甲状腺炎グレーブス病甲状腺)、シェーグレン症候群ギランバレー症候群グッドパスチャー症候群アジソン病ウェゲナー肉芽腫症原発性胆汁硬化症(primary biliary sclerosis)、硬化性胆管炎自己免疫性肝炎リウマチ性多発性筋痛レイノー現象側頭動脈炎巨細胞性動脈炎自己免疫性溶血性貧血悪性貧血結節性多発動脈炎ベーチェット病原発性胆汁性肝硬変(primary bilary cirrhosis)、ブドウ膜炎心筋炎リウマチ熱強直性脊椎炎糸球体腎炎(glomerulenephritis)、サルコイドーシス皮膚筋炎重症筋無力症多発性筋炎円形脱毛症、および白斑(vitilgo)のような他の疾患および障害である。

0022

第4の態様において、T細胞を、MHC分子と複合体化した抗原に由来するペプチドを提示する抗原提示細胞および本発明の第1の態様に係る二重特異性バイオ医薬品と接触させる工程を含む、前記抗原に対して前記T細胞を寛容化する方法が提供される。

0023

第5の態様において、本発明の第1の態様に係るCTLA−4に特異的なリガンドおよびpMHC複合体に特異的なリガンドを含む二重特異性バイオ医薬品を、それを必要とする対象に投与する工程を含む、自己免疫疾患および移植片拒絶反応から選択される状態に罹患している対象を治療する方法が提供される。

0024

例えば、自己免疫疾患は1型糖尿病(T1D)である。

図面の簡単な説明

0025

BsBおよびBsBΔの設計を示す図である。(A)BsB(二重特異性バイオ医薬品)およびBsBΔ融合タンパク質の概略図。(B)免疫シナプスにおけるpMHCII、TCRおよび同時刺激分子、ならびにCTLA−4/MHC II/TCR三分子複合体を介するTCRへのCTLA−4のBsB媒介性架橋について提案されるスキームの概略図。融合タンパク質はCTLA−4と会合し、免疫シナプスにおけるMHCIIへの結合を介してTCRと間接的に連結する。三角形の2つの実線の辺はMHCIIおよびCTLA−4ならびにMHCIIおよびTCRの架橋を示し;破線の辺はTCRへのCTLA−4の連結を示す。点線はBsBが会合したCTLA−4によるTCRシグナル伝達の阻害を示す。C.BsBΔの作用が、TCRに連結できないことを除いてBsBの作用と同様であることを示す概略図。
混合リンパ球反応におけるBsBによる同種異系T細胞活性化の阻害を示す図である。C57BL/6マウス由来天然T細胞およびLPS処置し、放射線照射したBALB/cAPCを2日間試験構築物と混合した。次いで培養培地採取し、IL−2についてアッセイした。培地中の減少した量のIL−2により示されるようにBsBおよびCTLA−4IgのみがT細胞活性化を阻害した。この図は同様の研究であるが5回より多い独立した研究を代表するものである。
BsBによるFoxp3+Tregの誘導ならびにIL−10およびTGF−β産生を示す図である。(A)同種異系混合リンパ球反応を、試験構築物の存在下でFoxp3−EGFPノックインマウスから単離した天然CD4+CD62LhiCD25-GFP’’細胞を使用して、図2の説明に記載したように設定した。活性化後5日に、CD4+T細胞をフローサイトメトリーによりGFP発現について分析した。GFP+およびCD25+細胞としてTregにゲートをかけた。BsB処置のみがGFP発現を導き、Foxp3+Tregの誘導を示す(真ん中の左パネル)。サイトカイン分析(右パネル)のために培養培地を収集し、これはBsBの存在下で向上したIL−10およびTGF−βレベルを現した。このデータは同様の研究であるが複数の独立した研究を代表するものである。(B)Treg誘導についての自己分泌TGF−βの要求が、TGF−βに対する遮断抗体の存在下でTreg誘導の完全な遮断により示されるのに対して、対照AbはTreg誘導に顕著な影響を与えなかった。
インビトロでの抗原特異的TregのBsB媒介性誘導を示す図である。(A)Ova233-339特異的Tregのインビトロでの誘導。天然OT−II T細胞を、0.5μg/mlのOva233-239ペプチドの存在下でLPSにより活性化し、放射線照射した同系APCと混合した。次いで対照mIgG2a、BsB、およびBsBプラス抗TGF−β抗体(αTGF−β)を加え、示した(左パネル)ように試験した。細胞を5日間培養し、次いでフローサイトメトリーにより分析する前に抗CD25および抗Foxp3抗体で標識した。培養培地中のIL−2、IL−10およびTGF−βレベルをELISAによりアッセイした(右パネル)。(B)誘導したTreg増殖のモニタリング。APCと混合する前に天然OT−II T細胞をCFSEで予め標識したことを除いてAのように研究を実施した。Foxp3およびCFSE蛍光チャネル上で細胞にゲートをかけた。
BsB誘導性Tregの抑制機能を示す図である。(A)BsB誘導性またはTGF−β誘導性Tregをフローサイトメトリーにより精製し、トランスウェル(黒塗りの柱)または通常の培養ウェルハッチング線の柱)中で示した割合にてC57BL/6マウスから製造したCFSE標識した天然応答T細胞と混合した。LPSで処置した同種異系BALB/c APCを加えてT細胞活性化を刺激した。その結果(平均+標準偏差)は、100%に設定したTregを含まないCFSE希釈(Tresp+APCのみ)に基づいた増殖応答T細胞(Tresp)の百分率を示す。(B)抗IL−10および抗TGF−β抗体を1:1のTresp:Treg比にて通常の培養ウェル中の細胞に加えて、T細胞増殖に対するサイトカインの寄与を決定した。抗TGF−β抗体は、TGF−β誘導性Tregの抑制機能を部分的に阻害した(左パネル)が、BsB誘導性Tregに影響を与えなかった(右パネル)。この図は同様の研究であるが3回より多い独立した研究を代表するものである。
BsBによるAKTおよびmTORリン酸化下方制御を示す図である。天然T細胞を、抗CD3、抗CD28およびBsB、マウスIgG(mIgG)またはマウスPD−L1(mPD−L1)で18時間同時コーティングした丸底96ウェルプレート中で培養した。活性化しなかったとみなした細胞をIgGのみでコーティングしたウェル中で培養した。次いでAKTおよびmTORのリン酸化状態を、リン酸化AKTおよびmTORに対する蛍光標識抗体で染色した後、フローサイトメトリーによりモニターした。MFIは平均蛍光強度を示す。この図は3回の独立した実験のうちの1回を表す。
BsBでの連続刺激に応答するTregにおける持続性Foxp3発現を示す図である。丸底96ウェルプレートを、抗CD3、抗CD28およびBsBまたはマウスIgGで同時コーティングした。Foxp3−EGFPノックインマウス由来の天然T細胞を5日間培養してTregを誘導し(左パネル)、次いでそのTregをBsBで処置した細胞から精製し(赤の四角)、GFP+細胞についてのフローサイトメトリーによる分析の前に5日間、上記のように同時コーティングしたウェル中の培養の別のラウンド再刺激した。5日間のマウスIgG対照との精製したTregの再培養の結果、約60%の細胞においてFoxp3+発現の損失が生じた(上側右パネルの上側右の四分円)のに対して、BsBと再培養したTregの7%未満がFoxp3+発現を損失した(下側右パネルの上側右の四分円)。この図は3回の独立した実験のうちの1回を表す。
インビボにおけるBsBの薬物動態および生化学分析を示す図である。(A)マウスにおけるBsBの薬物動態プロファイル。正常なC57BL/6マウス(n=5)に20mg/kgのBsBを腹腔内に投与した。血液サンプルを示した異なる時点で採取し、ELISAを使用してBsBレベルのレベルを決定した。(B)FcRnへのBsBおよびマウスIgG2aの結合の比較。FcRnをBiacoreチップに固定した。BsBまたは対照マウスIgG2aを種々の濃度でチップ上に負荷し、次いでシグナルを記録した。
BsBにおけるアスパラギン連結グリコシル化の分析を示す図である。BsBのアミノ酸配列を、Asn連結グリコシル化部位予測するためにNetNGlyc1.0サーバーに供した。全部で10個のAsn連結グリコシル化部位(Nで示した)を予測し;他のアミノ酸は点で示す。BsBの単糖組成もまた、グリカンフコース(Fuc)、N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)、ガラクトース(Gal)、マンノース(Man)、シアル酸(N−アセチルノイラミン酸)の組成を決定するために実施した。0.68のシアル酸:ガラクトース比は、ガラクトース残基の約3分の1がアシアログリコプロテイン受容体への結合に利用可能であることを示す。
BsBによる非糖尿病(NOD)マウスの処置は後期予防治療パラダイムにおいて1型糖尿病(T1D)の発症を遅延させたことを示す図である。(A)BsBで処置したNOD(閉じた円、n=15)および生理食塩水で処置した対照NODマウス(閉じた三角形、n=14)の血液中のFoxp3+Tregのレベル。対照動物において示したものよりもBsBで処置した動物においてTregの数はわずかだが有意に増加した。(B)BsB(黒塗りの円)または生理食塩水(黒塗りの三角形)で処置したNOD動物における顕性糖尿病の累積発現率
BsBによるNODマウスの処置は早期予防治療パラダイムにおいてT1Dの発症を遅延させたことを示す図である。(A)BsB(閉じた円、n=10)、生理食塩水(閉じた三角形、n=10)、CTLA−4Ig(閉じた四角形、n=10)およびマウスIgG2a(開いた四角形、n=10)で処置したマウスの血液中のFoxp3+Tregのレベル。生理食塩水またはmIgG2aで処置した対照と比較してBsBによる処置の2週間後にFoxp3+Tregの数の増加は検出されなかった。しかしながら、CTLA−4Igでの処置の結果、血液中のFoxp3+Tregの数の統計的に有意な減少が生じた。(B)BsBまたは対照で処置した動物における顕性糖尿病の累積発現率。BsB処置の結果、24週齢の前に生理食塩水またはマウスIgG2aで処置した対照群と比較してT1Dの発症の有意な遅延が生じた(p=0.04)。しかしながら、群間の有意な差は研究の終わりに示されなかった。データは、各群において合計26匹のNODマウスを用いて、同様の結果を有する2回の別々の研究のうちの1回を表す。
BsBによるNODマウスの長期間の処置はNODマウスにおけるT1Dの発症を顕著に遅延させたことを示す図である。(A)BsBで処置した(n=16)および未処置のマウス(n=16)における顕性糖尿病の累積発現率。BsBでの処置は生理食塩水で処置したものと比較してT1Dの発現率を顕著に減少させた(p<0.01)。(B)生理食塩水またはBsBで処置した動物由来膵臓組織の病理組織学的分析。パネルa〜cは、H&E、インスリンに対する抗体、または抗CD3およびフォークヘッドボックスP3(Foxp3)のそれぞれを有する、非糖尿病のままである生理食塩水で処置したマウス由来の切片を表す。同様の観察が無病のままであるBsBで処置したNODマウスにおいて示された。切片のいずれにおいても浸潤または膵島炎の証拠は示されず;少数のFoxp3+Tregが存在し得る(パネルcにおける矢印)。パネルd〜fは糖尿病NOD動物由来の膵臓切片を表す。侵襲的膵島炎が明確に示され、インスリン産生β細胞は完全に破壊した(e)。一部のCD3+T細胞浸潤もまた、少数のTregおよび青色の核を有する多くの非T細胞白血球と共に検出した(f)。パネルg〜iは、特徴的な膵島周囲炎を示した非糖尿病のままであるBsBで処置した動物の膵島を示す。膵島の周辺に制限されているが、白血球浸潤が示された。さらに、それらはインスリン産生β細胞の顕著な破壊がなかった。周辺における白血球の大部分は非T細胞(青色の核)であった。拡大した膵島(パネルj、iにおいて赤色の四角を表す)は、Foxp3+Treg(黄色の矢印のヘッド)が、膵島の周辺において他のCD3+T細胞および非T細胞白血球(青色の核)と混合されていることを示した。画像は40倍の対物レンズを用いて獲得し;膵島は60倍の対物レンズを用いて獲得し、次いでそれをデジタルで3倍にさらに拡大した。

実施例

0026

他に記載しない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する当業者により一般に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと類似または等価の機能を有する任意の方法および材料が本発明を実施または試験するのに使用されてもよい。このような使用に適切な方法、装置、および材料をここで記載する。本明細書に引用される全ての刊行物は、本発明に関連して使用され得るその刊行物に報告されている方法論試薬、および機器を記載し、開示する目的のために、その全体の参照によって本明細書に組み入れる。

0027

本出願の方法および技術は概して、当業者に周知であり、他に示されない限り、本明細書全体を通して引用され、説明されている様々な一般的およびより具体的な参考文献に記載されている従来の方法に従って実施される。そのような技術は文献に完全に説明されている。例えば、Gennaro,A.R.編(1990)Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版、Mack Publishing Co.;Hardman,J.G.、Limbird,L.E.、およびGilman,A.G.編(2001)The Pharmacological Basis of Therapeutics、第10版、McGraw−Hill Co.;Colowick,S.ら編、MethodsIn Enzymology、Academic Press,Inc.;Weir,D.M.、およびBlackwell,C.C.編(1986)Handbook of Experimental Immunology、I−IV巻、Blackwell Scientific Publications;Maniatis,T.ら、編(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、I−III巻、Cold Spring Harbor Laboratory Press;Ausubel,F.M.ら、編(1999)Short Protocols in Molecular Biology、第4版、John Wiley & Sons;Reamら、編(1998)Molecular Biology Techniques:An Intensive Laboratory Course、Academic Press;Newton,C.R.、およびGraham,A.、編(1997)PCR(Introduction to Biotechniques Series)、第2版、Springer−Verlagを参照のこと。

0028

他に示されない限り、「抗体」という用語は、完全な抗体およびそのような抗体の抗原結合断片を指すために使用される。例えば、その用語は4本の鎖のIgG分子、および抗体断片包含する。

0029

本明細書に使用される場合、「抗体断片」という用語は、インタクトな抗体の抗原結合または可変領域のようなインタクトな完全長抗体の部分を指す。抗体断片の例には、Fab、Fab’、F(ab’)2、およびFv断片;ダイアボディ(diabodies)
線形抗体;一本鎖抗体分子(例えば、scFv);二重特異性、三重特異性、および多特異性抗体のような多特異的抗体断片(例えば、ダイアボディ、トリアディ(triabodies)、テトラボディ(tetrabodies));結合ドメイン免疫グロブリン融合タンパク質;ラクダ化抗体;ミニボディ(minibodies);キレート組換え抗体;トリアボディまたはバイボディ(bibodies);イントラボディ(intrabodies);ナノボディ(nanobodies);小モジュラー免疫薬剤(small modular immunopharmaceutical)(SMIP
)、VHH含有抗体;および例えば、以下にさらに記載されている抗体断片から形成される任意の他のポリペプチドが含まれる。

0030

抗体は、IgG、IgA、またはIgMのような任意のクラス;およびIgG1またはIgG4のような任意のサブクラスであってもよい。免疫グロブリンの異なるクラスおよびサブクラスは、異なる用途において利点があり得る、異なる特性を有する。

0031

特に、本発明の文脈において、特許請求に係る抗体は、CTLA−4またはpMHC複合体のいずれかである、その定義される同種抗原に選択的に結合できることを必要とする。

0032

天然に存在する免疫グロブリンは、2本の同一の軽鎖(約24kD)および2本の同一の重鎖(約55または70kD)が四量体を形成する共通のコア構造を有する。各鎖のアミノ末端部分は可変(V)領域として知られており、各鎖の残りのより保存される定常(C)領域から識別され得る。軽鎖の可変領域(VLドメインとも呼ばれる)内にJ領域と
して知られているC末端部分がある。重鎖の可変領域(VHドメインとも呼ばれる)内に
J領域に加えてD領域が存在する。免疫グロブリンにおけるアミノ酸配列変異のほとんどは、抗原結合に直接関与する超可変領域または相補性決定領域(CDR)として知られているV領域における3つの別個の位置に限定される。アミノ末端から開始して、これらの領域はそれぞれCDR1、CDR2およびCDR3と指定される。CDRはより保存されたフレームワーク領域(FR)により所定の位置に保持される。アミノ末端から開始して、これらの領域はそれぞれFR1、FR2、FR3およびFR4と指定される。CDRおよびFR領域の位置および番号付けシステムは、Kabatら(Kabat,E.A.ら、(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、U.S.Department of Health and Human Services、U.S. Government Printing Officeにより定義されており、その更新情報オンラインで見つけることができる。

0033

本明細書で参照される、ヒト化モノクローナル抗体ヒト抗体フレームワークからなる抗体であり、そのヒト抗体フレームワーク内に非ヒト抗体由来の移植されたCDRが存在している。ヒト化抗体を設計し、産生するための手順は当技術分野において周知であり、例えば、Cabillyら、米国特許第4,816,567号;Cabillyら、欧州特許出願公開第0 125 023号;Bossら、米国特許第4,816,397号;Bossら、欧州特許出願公開第0 120 694号;Neuberger,M.S.ら、WO86/01533;Neuberger,M.S.ら、欧州特許出願公開第0 194 276(Bl)号;Winter、米国特許第5,225,539号;Winter、欧州特許出願公開第0 239 400号;Padlan,E.A.ら、欧州特許出願公開第0 519 596号に記載されている。抗体、ヒト化抗体、ヒト操作抗体、およびそれらの製造方法についての詳細は、Kontermann,R.およびDubel,S.編(2001、2010)Antibody Engineering、第2版、Springer−Verlag、New York、NY、2001に見出され得る。

0034

定常領域は任意のヒト抗体定常領域に由来してもよい。典型的に、可変領域遺伝子は重および軽免疫グロブリン鎖を発現するために定常領域遺伝子を有するフレームにおいて発現ベクター内にクローニングされる。そのような発現ベクターは抗体合成のための抗体産生宿主細胞内にトランスフェクトされてもよい。

0035

必要とされる抗体可変および定常領域は配列データベースに由来してもよい。例えば、
免疫グロブリン配列IMGT/LIGMデータベース(Giudicelliら、(2006)Nucleic AcidsRes.34:(suppl.1):D781−D784)またはVBase(vbase.mrccpe.cam.ac.uk)において利用可能である。

0036

本明細書に参照される「核酸」は典型的に本発明の抗体をコードするDNA分子を含む。宿主細胞中で抗体遺伝子を発現するのに適している発現ベクターが好ましい。抗体遺伝子発現のための発現ベクターおよび宿主細胞は当技術分野において公知である;例えば、Morrow,K.J.(2008)Genetic Engineering & Biotechnology News.(2008、6月15日)28(12)、ならびにBackliwal,G.ら(2008)Nucleic AcidsRes.36(15):e96−e96を参照のこと。

0037

本明細書に使用される場合、「CD80」とは、CTLA−4に対する増加した結合親和力または特異性を有する哺乳動物CD80抗原およびその変異体を指す。参照によって本明細書に組み入れる、Linsleyら、(1994)Immunity 1:793−801、およびWuら、(1997)J.Exp.Med.185(7):1327−1335を参照のこと。哺乳動物CD80はマウスのような齧歯動物、またはヒトCD80から選択されてもよい。

0038

本明細書に使用される場合、「CD86」とは、CTLA−4に対する増加した結合親和性または特異性を有する哺乳動物CD86抗原およびその変異体を指す。参照によって本明細書に組み入れる、Linsleyら、(1994)Immunity 1:793−801を参照のこと。哺乳動物CD86はマウスのような齧歯動物、またはヒトCD86から選択されてもよい。

0039

本明細書に使用される場合、「CTLA−4」とは、哺乳動物細胞傷害性リンパ球関連抗原−4(CTLA−4)を指す。ヒトCTLA−4の配列はGenBankアクセッション番号AAH74893.1、GI:49904741に見出され得る。哺乳動物CTLA−4はマウスのような齧歯動物、またはヒトCTLA−4から選択されてもよい。

0040

本明細書に使用される場合、「LAG−3」とは、哺乳動物リンパ球活性化抗原3(LAG−3)を指す。ヒトLAG−3についての配列は、参照によって本明細書に組み入れる、Huardら、(1997)Proc.Natl.Acad.Sci、USA94:5744−5749に見出され得る。哺乳動物LAG−3はマウスのような齧歯動物、またはヒトLAG−3から選択されてもよい。

0041

「MHC」は、TCRにより認識される、抗原提示細胞による抗原由来ペプチドの提示に関連する複合体である。特定の態様において、MHCは、CD4+ヘルパーT細胞に対
する抗原を提示する、MHCIIである。例えば、Wucherpfennigら、CSH Perspect.Biol.2(4):a005140、epub2010 3月17日を参照のこと。

0042

二重特異性リガンドと称され得る、二重特異性バイオ医薬品は、2つの標的に同時に結合できるか、または結合され得るリガンドである。二重特異性抗体は当技術分野において公知であり、以下にさらに記載されている。本発明の文脈において、2つの標的はT細胞上のCTLA−4分子およびAPC上のMHCペプチド複合体である。本発明に係る二重特異性バイオ医薬品は2つの標的を架橋でき;免疫シナプスにおけるTCRへのpMHC結合によって、その二重特異性バイオ医薬品はCTLA−4分子をTCRに架橋する。「バイオ医薬品」は一般に生物学的治療剤または生物学的治療薬であり、とりわけ、治療、
診断および/または研究目的のために有用であり得る。

0043

リンカーは、タンパク質内の2つのポリペプチドドメインを結合し、分離する任意のアミノ酸配列である。本発明の二重特異性リガンドの文脈において、リンカーはCTLA−4リガンドをMHCリガンドに結合する配列である。例示的なリンカーは、ポリグリシン、例えばGly−9のようなアミノ酸の配列である。代替のリンカーは抗体Fc領域である。そのようなリンカーは2つのリガンドドメインに約120Å間隔をあける。

0044

本発明に係るリガンドは任意の組合せで抗体および非抗体リガンドを含んでもよい。例えば、CTLA−4リガンドは抗CTLA−4抗体であってもよく、MHCリガンドはLAG−3であってもよい。代替として、CD80は、LAG−3または抗MHC抗体と組み合わせてCTLA−4リガンドとして使用されてもよい。両方のリガンドは抗体であってもよいか、または両方は天然リガンド、CD80およびLAG−3であってもよい。

0045

細胞傷害性リンパ球関連抗原−4(CTLA−4)
CD152としても知られている、細胞傷害性Tリンパ球関連抗原−4(CTLA−4)は、T細胞恒常性の維持および自己寛容の誘導において重要な役割を果たす、T細胞応答の負の調節因子である(Karandikarら、(1996)J Exp Med 184:783−788;KrummelおよびAllison、(1995)J Exp Med 182:459−465;LinsleyおよびGolstein、(1996)Curr Biol 6:398−400;WalunasおよびBluestone、(1998)J Immunol 160:3855−3860;Walunasら、(1994)J Immunol 160:3855−3860)。CTLA−4を欠損しているマウスは多臓器自己免疫疾患を発症し、典型的に4週齢までに病気死ぬ(Tivolら、(1995)Immunity 3:541−547;Waterhouseら、(1995)Science 270:985−988)。CTLA−4がT細胞活性を調節する分子機構多面的であり、本質的に従来のT細胞上でまたは外発的に制御性T細胞(Treg)を介してのいずれかで発生すると考えられる(Iseら、(2010)Nat Immunol 11:129−135;Jainら、(2010)Proc Natl Acad Sci USA 107:1524−1528;PatersonおよびSharpe、(2010)Nat Immunol 11:109−111)。

0046

これらの機構は、リガンド結合に関してCD28と競合すること(Linsleyら、(1994)Immunity 1:793−801)、APC内で寛容原性酵素インドールアミン2,3ジオキシゲナーゼの産生を誘導すること(Grohmannら、(2002)Nat Immunol 3:1097−1101;Onoderaら、(2009)J Immunol 183:5608−5614)、および免疫シナプスからCD28を移動させること(Pentcheva−Hoangら、(2004)Immunity 21:401:413)を含む。CTLA−4は同時刺激分子CD28と相同性があり、抗原提示細胞(APC)の表面で発現される、同じリガンド、CD80(B7.1)およびCD86(B7.2)を共有する。しかしながら、エフェクターT細胞上のCD28およびCTLA−4へのAPC上のCD80/CD86の異なる結合は、CD28がT細胞活性を誘発し、CTLA−4がT細胞阻害を引き起こすという反対の結果を導く。APC上のそのリガンド(CD80/86)によるCTLA−4の会合もまた、ホスファターゼSHP−1(GuntermannおよびAlexander、(2002)J Immunol 168:4420−4429)および活性化を受けているT細胞のTCRに近接するPP2A(Barojaら、(2002)J Immunol 168:5070−5078;Chuangら、(2000)Immunity 13:313−322)の動員を刺激する。TCRに関連する重要なシグナル伝達分子の結果として起こる
脱リン酸化により、T細胞活性化の終了が起こる(Griffinら、(2000)J Immunol 164:4433−4442)。さらに、そのリガンドとのCTLA−4の早期会合およびTCRへの架橋を促進する介入により、重要なシグナル伝達特徴の早すぎる減衰が生じ、その結果としてT細胞活性化の阻害が起こり、T細胞低応答性またはアネルギーを導く(Blairら、(1998)Immunol 160:12−15;Griffinら、(2000)J Immunol 164:4433−4442;KrummelおよびAllison、(1996)J Exp Med 182:459−465;Walunasら、(1996)J Exp Med 183:2541−2550)。

0047

T細胞活性化の早期段階の間のTCRへのCTLA−4の架橋を促進するために、変異体CD80(CD80w88a)およびリンパ球活性化遺伝子−3(LAG−3)を含む二重特異性融合タンパク質(「BsB」と指定した)を生成した。BsBは免疫シナプスにおいてCTLA−4およびMHCIIを同時に会合するように設計したので、TCRとのMHCIIの同種対合を介してそのBsBをTCRへ間接的に架橋する(Karmanら、(2012)J Biol Chem epub 2012 2月15日)。同種異系MLRにおいて、BsBはT細胞活性化を阻害するのに効果的であることが示された。驚くべきことに、BsBはまた、IL−10およびTGF−βの産生を誘導し、Tregに対する活性化を受けているT細胞の分化を促進した。IL−10は、マクロファージおよび樹状細胞(DC)、ならびに自己制御Th1細胞の活性化を制御するその能力により広範な免疫抑制特性を与えることができる(Ohataら、(2007)Arthritis Rheum 56:2947−2956)。TGF−βは、T細胞分化(Kehrlら、(1986)J Exp Med 163:1037−1050)、マクロファージ活性化(Tsunawakiら、(1988)Nature 334:260−262;Wahlら、(1990)Ann N Y Acad Sci 593:188−196)および樹状細胞成熟(Steinmanら、(2003)Annu Rev Immunol 21:685−711)の阻害剤として作用できる。それらの抗炎症機能に加えて、IL−10およびTGF−βはまた、Treg機能に意図的に影響を与えることができる。例えば、IL−10は、IL−10産生Tr1細胞を誘導し(Roncaroloら、(2006)Immunol Rev 212:28−50)、Foxp3の発現を維持するためにFoxp3+Tregに作用するので、それらの抑制機能を伝播するこ
とが示されている(Muraiら、(2009)Nat Immunol 10:1178−1184)。同様に、TGF−βは、Tregの誘導のために(Chenら、(2003)J Exp Med 198:1875−1886;Zhengら、(2002)J Immunol 169:4183−4189)、およびFoxp3発現を促進することによってそれらの抑制機能を維持するのに(Marieら、(2005)J Exp
Med 201:1061−1067)必要であることが報告されている。

0048

制御性T細胞(Treg)
Tregは自己および非自己抗原に対する免疫応答を制御できるT細胞の機能的に異なる亜集団である。Tregの欠損は増大した免疫応答および自己免疫疾患の提示を生じる(Sakaguchiら、(1995)J Immunol 155:1151−1164)。広範な研究により、免疫応答の全ての態様を制御する際、特に自己寛容を生じる際のこれらの特異的なT細胞の役割が確立されている。特定の理論に束縛されずに、これらの見解は、Tregのその場の産生を上昇できる因子またはTregの養子免疫伝達が自己免疫疾患を治療するために配置され得ることを示している。実際に、新たに単離されたまたはエキソビボで増殖したTregを使用したTreg細胞ベースの治療は、1型糖尿病(T1D)(Tangら、(2004)J Exp Med 199:1455−1465;Tarbellら、(2007)J Exp Med 204:191−201)および移植片対宿主拒絶反応(Andersonら、(2004);Taylorら、(
2002)Blood 99:3493−3499;Zhaoら、(2008)Blood 112:2129−2138)の動物モデルを治療するのに効果的であることが示されている。末梢血またはリンパ節由来のFoxp3+CD4+CD25+Treg(多くの
場合、天然TregまたはnTregと指定されている)を単離し、増殖する代わりに、Tregは、TCR活性化に関して、およびTGF−βの同時存在下で未処置のCD4+
CD25-T細胞から誘導されてもよい。

0049

これらのTregは、多くの場合、適応Treg(aTreg)または誘導Treg(iTreg)と称される。それらはまた、Foxp3+であり、nTregと等しい有効
な抑制機能を意図的に示す(Chenら、(2003)J Exp Med 198:1875−1886;Yamagiwaら、(2001)J Immunol 166:7282−7289;Zhengら、(2002)J Immunol 169:4183−4189)。aTregまたはiTregの養子免疫伝達は、コラーゲン誘導性関節炎の動物モデルにおける自己免疫疾患に対する防御を与えるのに効果的であると示されている(Gonzalez−Reyら、(2006)Arthritis Rheum 54:864−876)。しかしながら、抗原特異的Tregが、汎TCRレパートリーを有し(Mastellerら、(2005)J Immunol 175:3053−3059;Tangら、(2004)J Exp Med 199:1455−1465;Tarbellら、(2007)J Exp Med 204:191−201)、汎免疫抑制に対する潜在的副作用をほとんど有さない、ポリクローナルTregより著しく高い治療指数を与えることが、より明確になっている。この理由のために、我々は、インビトロでの抗原特異的T細胞活性化環境において抗原特異的Tregを産生する時のBsBの相対的利点を評価することを目的とした。さらに、我々は、非肥満糖尿病(NOD)マウスにおける自己免疫性糖尿病の治療におけるその可能性を試験した。

0050

1型糖尿病
1型糖尿病(T1D)は、高血糖の結果として発症する、インスリン産生膵臓β−細胞の組織特異的破壊により引き起こされる自己免疫疾患である。非肥満糖尿病(NOD)マウス(特にメスのマウス)は、膵島特異的自己抗原(例えばインスリンおよびグルタミン酸脱炭酸酵素65)に対して自己反応性T細胞自然発生する。他のリンパ球と呼応して、これらの自己反応性T細胞は3〜4週齢の間に膵島周囲炎、その後、9週間で侵襲的膵島炎、および12〜35週間で自然発生の顕性糖尿病の発症を開始する(Anderson and Bluestone、(2005)Annu Rev Immunol 23:447−485)。NODマウスは、膵臓特異的自己抗体の産生ならびに自己反応性CD4+およびCD8+T細胞の活性化のようなヒト対象における疾患と多くの類似性を共有する。ヒトにおけるような自己免疫に対するこれらのマウスの感受性は、主要な組織適合性複合体(MHC)、CTLA−4、およびLAG−3についての遺伝子により影響を受ける。NODマウスは特有の主要な組織適合性複合体(MHC)ハプロタイプ(H−2g7)を保有し、これは報告によれば疾患感受性についての最も高い危険性を与える(McDevittら、(1996)Hormone and metabolic research 28:287−288;Wickerら、(1995)Annu Rev Immunol 13:179−200)。CTLA−4多型はまた、NODマウス(Uedaら、(2003)Nature 423:506−511)およびヒト(Quら、(2009)Genes and immunity 10 Suppl 1:S27−32)およびLAG−3の欠失において示されており、NODバックグラウンド上のLAG−3の欠損は100%浸透度を有してT1D発症を加速する(Bettiniら、(2011)J Immunol 187:3493−3498)。BsBは全てのこれらの標的と会合するので、BsBの治療メリットをT1Dのこのマウスモデルにおいて試験した。

0051

抗体
本発明は特許請求の範囲に記載されている抗体の抗原結合断片を包含する。本明細書に使用される場合、「断片」という用語は、インタクトな抗体の抗原結合または可変領域のようなインタクトな完全長抗体の部分を指す。抗体断片の例は上記に記載している。

0052

本明細書に使用される場合、「断片」という用語は、特定される標的、CTLA−4分子またはpMHC複合体に結合できる断片を指す。これらの断片は、インタクトな抗体のFc断片を欠き、循環からより迅速に除去でき、インタクトな抗体より非特異的組織結合を有することがほとんどできない。これらの断片は、例えば、(Fab断片を産生するために)パパインもしくは(F(ab)2断片を産生するために)ペプシンのような酵素を
用いたタンパク質分解的切断、または組換え技術によるこのような断片の発現による周知の方法を使用してインタクトな抗体から産生され得る。

0053

抗体および断片はまた、CTLA−4分子またはpMHC複合体に結合する一本鎖抗体断片(scFV)を包含する。scFVは抗体軽鎖可変領域(VL)に作動可能に連結さ
れる抗体重鎖可変領域(VH)を含み、重鎖可変領域および軽鎖可変領域一緒にまたは
個々に、CTLA−4分子またはpMHC複合体に結合する結合部位を形成する。scFVはアミノ末端においてVH領域およびカルボキシ末端においてVL領域を含んでもよい。代替として、scFVはアミノ末端においてVL領域およびカルボキシ末端においてVH領域を含んでもよい。さらに、FV断片の2つのドメイン、VLおよびVHは別個の遺伝子に
よりコードされるが、一価分子(一本鎖FV(scFV)として知られている)を形成するためにVLおよびVH領域が対になる単一タンパク質鎖としてそれらを作製できる合成リンカーによって組換え法を使用してそれらは結合されてもよい。scFVは、場合によりさらに、重鎖可変領域と軽鎖可変領域との間にポリペプチドリンカーを含んでもよい。

0054

抗体および断片はまた、VHドメインからなる、Ward,E.S.ら(1989)N
ature 341:544−546に記載されているドメイン抗体(dAb)断片を包含する。

0055

抗体および断片はまた、重鎖抗体(HCAb)を包含する。これらの抗体は、それらの機能的抗体が重鎖のみの二量体(「重鎖抗体」または「HCAb」と称される)であるという点で、重鎖可変領域のみを使用して抗原結合領域を形成するようであり得る。したがって、抗体および断片はCTLA−4またはpMHC標的に特異的に結合する重鎖抗体(HCAb)であってもよい。

0056

抗体および断片はまた、CTLA−4またはpMHC標的に特異的なSMIPまたは結合ドメイン免疫グロブリン融合タンパク質である抗体を包含する。これらの構築物は、抗体エフェクター機能を実施するのに必要な免疫グロブリンドメインと融合される抗原結合ドメインを含む一本鎖ポリペプチドである(WO2005/017148を参照のこと)。

0057

抗体および断片はまた、ダイアボディを包含する。これらは、VHおよびVLドメインが単一ポリペプチド鎖上で発現される二価抗体であるが、短すぎて同じ鎖上の2つのドメイン間を対合できないリンカーを使用する。これにより、ドメインは別の鎖の相補ドメインと強制して対合するので、2つの抗原結合部位を生成する(例えば、WO93/11161を参照のこと)。ダイアボディは二重特異性または単一特異性であってもよい。

0058

本発明に係る抗体またはその抗体断片は、目的とするCTLA−4またはpMHC標的以外のいかなる標的とも交差反応しない。

0059

抗体およびその断片はそれ自体、二重特異性であってもよい。例えば、二重特異性抗体は単一抗体(または抗体断片)と類似してもよいが、2つの異なる抗原結合部位(可変領域)を有する。二重特異性抗体は、化学技術である、「ポリドーマ(polydoma)」技術または組換えDNA技術のような様々な方法により産生できる。二重特異性抗体は、少なくとも2つの異なるエピトープ、例えばCTLA−4およびpMHC標的の各々における1つのエピトープに対する結合特異性を有してもよい。

0060

VHおよびVL領域の相補対を含む二重特異性抗体は当技術分野において公知である。これらの二重特異性抗体はVHおよびVLの2つの対を含み、各々のVHVL対は単一抗原またはエピトープに結合する。このような二重特異性抗体は、ハイブリッドハイブリドーマ(Milstein,C.およびCuello,A.C.、(1983)Nature 305(5934):537−40)、ミニボディ(Huら、(1996)Cancer Res.56:3055−3061)、ダイアボディ(Holligerら、(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444−6448;WO94/13804)、キレート組換え抗体(CRAb)(Neriら、(1995)J.Mol.Biol.246、367−373)、biscFV(例えば、Atwellら、(1996)Mol.lmmunol.33:1301−1312)、「knobs in holes」安定化抗体(Carterら、(1997)Protein Sci.6:781−788)を含む。各場合において、各々の抗体種は2つの抗原結合部位を含み、各々はVHおよびVLドメインの相補対により形成される。これにより、各抗原またはエピトープへの結合はVHおよびその相補的VLドメインにより媒介されながら、各抗体は同時に2つの異なる抗原またはエピトープに結合できる。

0061

構造的に関連しない少なくとも2つ(通常、それ以上)の異なる抗原またはエピトープと反応する、多反応性(polyreactive)である天然自己抗体が記載されている(CasaliおよびNotkins(1989)Ann.Rev.Immunol.7:515−531)。また、モノクローナル抗体においてファージディスプレイ技術を使用するランダムペプチドレパートリーの選択は抗原結合部位に適合する様々なペプチド配列を識別することが示されている。配列の一部は高度に関連し、コンセンサス配列と適合するが、他のものは非常に異なり、ミモトープと呼ばれている(LaneおよびStephen(1993)Current Opinion in Immunology 5:268−271)。したがって、関連し、相補的VHおよびVLドメインを含む、抗体の結合部位は、既知の抗原の大きな集団から多くの異なる抗原に結合する可能性を有することが明らかである。

0062

WO03/002609(Domantis)は、各VHVL対が二重特異性を有する、すなわち同じまたは異なる抗原上の2つのエピトープに結合できる、二重特異性抗体の産生を記載している。構造は開いていてもよく、または閉じていてもよく;開いた構造において、2つのエピトープは同時に結合できるが、閉じた構造において、第1のエピトープへの結合は第2への結合を防ぐかまたは妨げる。

0063

複数の結合特異性を有する非免疫グロブリンタンパク質は天然に知られている;例えば、多数の転写因子はDNAおよび他のタンパク質分子の両方に結合する。しかしながら、従来技術において結合ペプチドを選択する方法は二重または多重ではなく単一の特異性を有するペプチドを選択するのみである。

0064

異なる研究チームが以前に、システイン残基を有するポリペプチドを合成分子構造係留させた(Kemp,D.S.およびMcNamara,P.E.、(1985)J.Org.Chem.Timmerman,P.ら、(2005)ChemBioChem.6(5):821−4)。Meloenおよび共同研究者トリス(ブロモメチルベン
ゼンおよびタンパク質表面の構造上の模倣用の合成足場上での複数のペプチドループの迅速かつ定量的な環化のための関連分子を使用した(Timmerman,P.ら、(2005)ibid)。候補薬物化合物を生成するための方法であって、前記化合物が、ポリペプチドを含有するシステインを、例えばトリス(ブロモメチル)ベンゼンのように分子足場に連結することにより生成される、方法は、WO2004/077062およびWO2006/078161に開示されている。ディスプレイ技術を使用したそのような分子の選択はWO2009/098450に記載されている。二重特異性の実施形態はさらにWO2010/089117に記載されている。

0065

抗体またはその断片のようなリガンドは、例えば、半減期を増加させるために多糖ポリマーを含む、PEGまたは他の水溶性ポリマーのような分子を付加することにより、その血中半減期を増加させるために修飾されてもよい。一実施形態において、抗体Fc領域は、循環半減期を増加させるために、本発明に係る二重特異性リンカーに付加されてもよい。

0066

抗体産生
抗体産生は、ヤギ(Pollockら(1999)J.lmmunol.Methods231:147−157を参照のこと)、ニワトリ(Morrow,KJJ(2000)Genet.Eng.News 20:1−55を参照のこと)、マウス(Pollockら、ibidを参照のこと)または植物(Doran PM(2000)Curr.Opinion Biotechnol.11:199−204;Ma,JK−C(1998)Nat.Med.4:601−606;Baez,J.ら(2000)BioPharm.13:50−54;Stoger,E.ら(2000)Plant Mol.Biol.42:583−590を参照のこと)のようなトランスジェニック生物を含む、当技術分野において公知の任意の技術により実施できる。抗体はまた、化学合成により産生できる;しかしながら、宿主細胞中で抗体をコードする遺伝子の発現が好ましい。

0067

抗体をコードするポリヌクレオチドは、単離され、宿主細胞中でさらなる増殖または発現のためにプラスミドのような複製可能な構築物またはベクター内に挿入される。本発明に係るヒト化免疫グロブリンの発現に適した構築物またはベクター(例えば、発現ベクター)は当技術分野において利用可能である。宿主細胞中の単一コピーもしくは多コピー中に維持される、または宿主細胞の染色体(複数も含む)内に組み込まれるベクターを含む、様々なベクターが利用可能である。構築物またはベクターは適切な宿主細胞内に導入されてもよく、ヒト化免疫グロブリンを発現する細胞が産生され、培養で維持されてもよい。単一ベクターまたは複数ベクターがヒト化免疫グロブリンの発現のために使用されてもよい。

0068

抗体をコードするポリヌクレオチドは容易に単離され、従来の手順(例えば、オリゴヌクレオチドプローブ)を使用して配列決定される。使用され得るベクターには、プラスミド、ウイルスファージトランスポゾンミニ染色体が含まれ、その中でプラスミドが典型的な実施形態である。一般にこのようなベクターはさらに、単一配列、複製起点、1つまたはそれ以上のマーカー遺伝子エンハンサー要素プロモーターならびに発現を促進するように軽および/または重鎖ポリヌクレオチドに作動可能に連結される転写終結配列を含む。軽および重鎖をコードするポリヌクレオチドは別のベクター内に挿入されてもよく、同時もしくは連続して同じ宿主細胞内に(例えば、形質転換トランスフェクションエレクトロポレーションもしくは形質導入により)導入されてもよく、または所望の場合、重鎖および軽鎖の両方はこのような導入の前に同じベクター内に挿入されてもよい。

0069

適切な宿主細胞内での発現のためにプロモーターが提供されてもよい。プロモーターは
構成的または誘導的であってもよい。例えば、プロモーターは、それがコードされたポリペプチドの発現を導くように、ヒト化免疫グロブリンまたは免疫グロブリン鎖をコードする核酸に作動可能に連結されてもよい。原核および真核宿主のための様々な適切なプロモーターが利用可能である。原核生物プロモーターには、大腸菌(E.coli)についてlac、tac、T3、T7プロモーター;3−ホスホグリセリン酸キナーゼまたは他の糖分解酵素、例えば、エノラーゼグリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼヘキソキナーゼピルビン酸デカルボキシラーゼホスホフルクトキナーゼグルコースリン酸イソメラーゼ、3−ホスホグリセリン酸ムターゼおよびグルコキナーゼが含まれる。真核生物プロモーターには、アルコール脱水素酵素2、イソチトクロームC、酸性ホスファターゼメタロチオネインおよび窒素代謝またはマルトース/ガラクトース利用に関与する酵素のような誘導性酵母プロモーター;ポリオーマ鶏痘およびアデノウイルス(例えば、アデノウイルス2)、ウシパピローマウイルストリ肉腫ウイルスサイトメガロウイルス(特に前初期遺伝子プロモーター)、レトロウイルスB型肝炎ウイルスアクチンラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモーターおよび初期または後期シミアンウイルス40のようなウイルスプロモーター、ならびにEF−1アルファのような非ウイルスプロモーターを含むRNAポリメラーゼIIプロモーターが含まれる(MizushimaおよびNagata(1990)Nucleic AcidsRes.18(17):5322)。当業者は本発明のヒト化抗体またはその部分を発現するための適切なプロモーターを選択できる。

0070

適切な場合、例えば、高等真核生物の細胞内での発現のために、さらなるエンハンサー要素が上記のプロモーターに位置して見られるものの代わりにまたは同様に含まれてもよい。適切な哺乳動物エンハンサー配列は、グロビンエラスターゼアルブミンフェトプロテインメタロチオニン(metallothionine)およびインスリン由来のエンハンサー要素を含む。代替として、SV40エンハンサー、サイトメガロウイルス早期プロモーターエンハンサー、ポリオーマエンハンサー、バキュロウイルスエンハンサーまたはマウスIgG2a遺伝子座のような真核細胞ウイルス由来のエンハンサー要素を使用できる(WO04/009823を参照のこと)。このようなエンハンサーは典型的にプロモーターの上流の部位においてベクター上に位置するが、それらはまた、例えば、非翻訳領域内またポリアデニル化シグナルの下流の他の場所に位置してもよい。エンハンサーの選択および配置は発現に使用される宿主細胞との適合性に基づいてもよい。

0071

さらに、ベクター(例えば、発現ベクター)は典型的に、ベクター、および複製可能なベクターの場合、複製起点を保有する宿主細胞を選択するための選択可能なマーカーを含む。抗生物質または薬物耐性を与える生成物をコードする遺伝子が一般的な選択可能なマーカーであり、原核生物(例えば、β−ラクタマーゼ遺伝子アンピシリン耐性)、Tet遺伝子(テトラサイクリン耐性)および真核細胞(例えば、ネオマイシン(G418またはジェネテシン)、gpt(ミコフェノール酸)、アンピシリン、またはハイグロマイシン耐性遺伝子)において使用されてもよい。ジヒドロ葉酸還元酵素マーカー遺伝子は様々な宿主中でメトトレキサートを用いた選択を可能にする。宿主の栄養要求性遺伝子マーカー遺伝子産物をコードする遺伝子(例えば、LEU2、URA3、HIS3)が多くの場合、酵母における選択可能なマーカーとして使用される。ウイルス(例えば、バキュロウイルス)またはファージベクター、およびレトロウイルスベクターのような宿主細胞のゲノム内に組み込むことができるベクターの使用もまた、意図される。

0072

真核細胞系において、ポリアデニル化および終結シグナルは本発明の抗体をコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結される。このようなシグナルは典型的にオープンリーディングフレームの3’に配置される。哺乳動物系において、ポリアデニル化/終結シグナルの非限定的な例には、成長ホルモン伸長因子−1アルファおよびウイルス(例えば、SV40)遺伝子またはレトロウイルスの長末端反復配列に由来するものが含まれる。
酵母系において、ポリアデニル化(polydenylation)/終結シグナルの非限定的な例には、ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)およびアルコール脱水素酵素1(ADH)遺伝子に由来するものが含まれる。原核細胞系において、ポリアデニル化シグナルは典型的に必要とされず、代わりに、より短く、十分に定義されたターミネーター配列を利用することが普通である。ポリアデニル化/終止配列の選択は発現のために使用される宿主細胞との適合性に基づいてもよい。上記に加えて、収率を高めるために利用され得る他の特徴には、クロマチン再構築要素、イントロンおよび宿主細胞特異的コドン修飾が含まれる。本発明のその抗体のコドン使用頻度転写産物および/または生成物の収率を増加させるように宿主細胞のコドンバイアスを適合するように修飾されてもよい(Hoekema,A.ら(1987)Mol Cell Biol.7(8):2914−24)。コドンの選択は発現に使用される宿主細胞との適合性に基づいてもよい。

0073

それ故、本発明は、本発明のヒト化免疫グロブリン、またはその重鎖もしくは軽鎖をコードする単離された核酸分子に関する。本発明はまた、免疫グロブリンおよびそれらの鎖の抗原結合部分をコードする単離された核酸分子に関する。

0074

本発明に係る抗体は、例えば、適切な宿主細胞内で抗体をコードする1つまたはそれ以上の組換え核酸の発現により産生できる。宿主細胞は任意の適切な方法を使用して産生できる。例えば、本明細書に記載される発現構築物(例えば、1つまたはそれ以上のベクター、例えば哺乳動物細胞発現ベクター)が適切な宿主細胞内に導入されてもよく、得られた細胞が、構築物(複数も含む)またはベクター(複数も含む)の発現に適した条件下で、(例えば、培養で、動物で、植物で)維持されてもよい。適切な宿主細胞は、大腸菌(E.coli)(例えば、DH5a(商標)株(Invitrogen、カールバッド、CA)、PerC6細胞(Crucell、ライデン、NL)、枯草菌(B.subtilis)および/または他の適切な細菌のような細菌細胞を含む原核細胞;真菌もしくは酵母細胞(例えば、ピキアパストリス(Pichia pastoris)、アスペルギルス属(Aspergillus sp.)、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)、分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)、アカパンカビ(Neurospora crassa))または他の下等真核細胞のような真核細胞、ならびに昆虫由来のもの(例えば、ショウジョウバエシュナイダー(Drosophila Schnieder)S2細胞、Sf9昆虫細胞(WO94/126087(O’Connor)、TN5BI−4(HIGHFIVE(商標))昆虫細胞(Invitrogen)、哺乳動物(例えば、COS−I(ATCCアクセッション番号CRL−1650)およびCOS−7(ATCCアクセッション番号CRL−1651)のようなCOS細胞、CHO(例えば、ATCCアクセッション番号CRL−9096)、CHODG44(Urlaub,G.およびChasin,LA.、(1980)Proc.Natl.Acac.Sci.USA、77(7):4216−4220)、293(ATCCアクセッション番号CRL−1573)、HeLa(ATCCアクセッション番号CCL−2)、CVI(ATCCアクセッション番号CCL−70)、WOP(Dailey,L.ら、(1985)J.Virol.、54:739−749)、3T3、293T(Pear,W.S.ら、(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA.90:8392−8396)、NSO細胞、SP2/0細胞、HuT78細胞など、または植物(例えば、タバコアオウキクサウキクサ科)、および藻類)のような高等真核生物の細胞であってもよい。例えば、Ausubel,F.M.ら、編 Current Protocols in Molecular Biology、Greene Publishing Associates and John Wiley & Sons Inc.(1993)を参照のこと。一部の実施形態において、宿主細胞は多細胞生物(例えば、植物または動物)の部分ではなく、例えば、それは単離された宿主細胞または細胞培養物の部分である。

0075

宿主細胞は、スピナーフラスコ振盪フラスコ、回転ボトルウェーブバイオリアクタ(例えば、wavebiotech.com製のシステム1000)または中空糸システムにおいて培養されてもよいが、大規模産生に関して、撹拌タンク型バイオリアクタまたはバッグ型バイオリアクタ(例えば、Wave Biotech、サマセットニュージャージー州USA)が懸濁培養のために特に使用されることが好ましい。典型的に撹拌タンク型バイオリアクタは、例えば、スパージャバッフルまたは低剪断インペラを使用してエアレーションのために適合される。気泡塔およびエアリフトバイオリアクタに関して、空気または酸素気泡との直接的なエアレーションが使用されてもよい。宿主細胞が無血清培養培地中で培養される場合、エアレーションプロセスの結果として細胞損傷を防ぐ役割のために、培地にプルロニックF−68のような細胞保護剤が加えられてもよい。宿主細胞の特性に応じて、マイクロキャリア足場依存性細胞株のための増殖基質として使用されてもよいか、または細胞は懸濁培養に適合されてもよい。宿主細胞、特に脊椎動物宿主細胞の培養は、バッチ、フェドバッチ、反復バッチ処理(Drapeauら(1994)Cytotechnology 15:103−109を参照のこと)、伸長バッチ処理または灌流培養のような様々な作動様式を利用してもよい。組換え的に形質転換された哺乳動物宿主細胞ウシ胎仔血清FCS)を含む培地のような血清含有培地中で培養されてもよいが、そのような宿主細胞は、Keenら(1995)Cytotechnology 17:153−163に開示されているような無血清培地、または必要に応じて、グルコースのようなエネルギー源および組換えインスリンのような合成増殖因子補足されたProCHO−CDMもしくはUltraCHO(商標)(Cambrex NJ、USA)のような市販の培地中で培養されることが好ましい。宿主細胞の無血清培養は、これらの細胞が無血清条件中での増殖に適合されることを必要とし得る。1つの適合アプローチは、血清含有培地中でこのような宿主細胞を培養し、宿主細胞が無血清条件に適合するように培養培地の80%を無血清培地に繰り返して交換することである(例えば、Scharfenberg Kら(1995)in Animal Cell Technology Developments Towardsthe 21st Century(Beuvery E.C.ら編)、pp619−623、Kluwer Academic出版社を参照のこと)。

0076

本発明に係る抗体は、培地内分泌され、様々な技術を使用してその培地から回収され、精製されて、目的とする使用に適した精製の程度を得ることができる。例えば、ヒト患者を治療するための本発明の治療抗体の使用は典型的に、治療抗体を含む培養培地と比較して、還元SDS−PAGEにより測定して少なくとも95%の純度、より典型的には98%または99%の純度を要する。第1の例において、培養培地由来の細胞残屑が典型的に遠心分離を使用して除去され、続いて例えば、精密濾過限外濾過および/または深層濾過を使用して上清浄化工程が行われる。代替として、抗体は、事前に遠心分離を行わずに精密濾過、限外濾過または深層濾過により採取されてもよい。透析およびゲル電気泳動のような様々な他の技術ならびにヒドロキシアパタイトHA)、親和性クロマトグラフィー(場合により、ポリヒスチジンのような親和性標識システムを含む)および/または疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)(米国特許第5,429,746号を参照のこと)のようなクロマトグラフ技術が利用可能である。一実施形態において、様々な浄化工程の後、本発明の抗体は、プロテインAまたはG親和性クロマトグラフィーを使用して捕捉され、続いてさらに、イオン交換および/またはHAクロマトグラフィーアニオンまたはカチオン交換サイズ排除クロマトグラフィーおよび硫安沈殿のようなクロマトグラフィー工程が行われる。典型的に、様々なウイルス除去工程(例えばDV−20フィルタを使用した例えばナノ濾過)もまた、利用されてもよい。これらの様々な工程の後、本発明の抗体の少なくとも10mg/mlまたはそれ以上、例えば100mg/mlまたはそれ以上を含む精製した製造物が提供され、それにより本発明の実施形態を形成する。100mg/mlまたはそれ以上まで濃縮物超遠心分離により生成されてもよい。このような製造物は本発明の抗体の凝集形態を実質的に含まない。

0077

細菌系が抗体断片の発現に特に適している。このような断片は細胞内またペリプラズム内に局在化する。当業者に公知の方法に従って、不溶性ペリプラズムタンパク質が抽出され、リフォールディングされて、活性タンパク質を形成することができる。Sanchezら(1999)J.Biotechnol.72:13−20;Cupit,PMら(1999)Lett.Appl.Microbiol.29:273−277を参照のこと。

0078

本発明はまた、本発明の核酸、例えば、ベクター(例えば、発現ベクター)を含む細胞に関する。例えば、本発明に係るヒト化免疫グロブリンの重鎖および軽鎖をコードする核酸(すなわち、1つまたはそれ以上の核酸)、またはそのような核酸(複数も含む)を含む構築物(すなわち、1つまたはそれ以上の構築物、例えば、1つまたはそれ以上のベクター)が、1つまたはそれ以上の発現制御要素(例えば、ベクター内、細胞内のプロセスにより生成される構築物内で宿主細胞ゲノム内に組み込まれる)に作動可能に連結されるか、または作動可能に連結されるようになる核酸(複数も含む)と共に、選択される宿主細胞に適した方法(例えば、形質転換、トランスフェクション、エレクトロポレーション、感染)により適切な宿主細胞内に導入されてもよい。宿主細胞は、発現に適した条件下(例えば、誘導因子、適切な塩を補足した適切な培地、増殖因子、抗生物質、栄養剤の存在下)に維持されてもよく、それによりコードされるポリペプチド(複数も含む)が産生される。所望の場合、コードされるヒト化抗体は、例えば、宿主細胞、培養培地、またはミルクから単離されてもよい。このプロセスは、トランスジェニック動物または植物(例えば、タバコ)の宿主細胞(例えば、乳腺細胞)内での発現を包含する(例えば、WO92/03918を参照のこと)。

0079

CD80リガンド
CD80リガンドの設計および構築物はCD28よりCTLA−4に対するリガンドの特異性を最大化することを目的とする。CD80の配列は当技術分野において公知であり、Wuら、1997に例が引用されている。CD80は、細胞外Ig−V可変様ドメイン、および細胞内IgC定常様ドメインを含む。好ましい実施形態において、CD80の細胞外ドメインがリガンドとして使用される。例えば、配列番号15、特に残基1〜241を参照のこと。

0080

変異が、CD28よりCTLA4に対する結合親和性を向上させるため、および選択性を向上させるためにヒトCD80においてなされてもよい。例えば、Wuら、1997を参照のこと。

0081

K71G、K71V、S109G、R123S、R123D、G124L、S190A、S201A、R63A、M81A、N97A、E196Aを含む、W84A以外の変異体が作製されてもよい。Peachら、JBC1995.270(6):21181−21187を参照のこと。CTLA−4およびCD28の両方に対する変異体の結合親和性の評価は、部位特異的変異誘発法により行われてもよく、続いて変異ポリペプチドの発現、ならびにCTLA−4およびCD28 Biacoreチップを使用した表面プラズモン共鳴によるKdの測定が行われてもよい。例えば、Guoら、(1995)J.Exp.Med.181:1345−55を参照のこと。

0082

有益な結合および選択性プロファイルを有する変異体が選択され、細胞ベースアッセイにおいてさらに評価されてもよい。例えば、フローサイトメトリーが、野生型または細胞内にトランスフェクトされた変異体CD80の効果をアッセイするために使用されてもよい。

0083

LAG−3リガンド
LAG−3は当技術分野において記載されており、MHCIIタンパク質への結合部位が特徴付けられている。Huardら、(1997)Proc.Natl.Acad.Sci.USA94(11):5744−9を参照のこと。LAG−3は4つの細胞外Ig様ドメインを有し、MHCIIへの結合を最適化するために変異がこれらのドメインに導入されてもよい。

0084

変異の有効性がCD80リガンドに関して上記のように分析されてもよい。

0085

一態様において、LAG−3の4つのIg様ドメインのドメイン1および2(D1およびD2)のみが本発明に係るリガンドにおいて使用される。これらのドメインはMHCIIタンパク質との相互作用に関与すると考えられる。

0086

二重特異性リガンド構築物
二重特異性リガンドの構築一般式「リガンド−リンカー−リガンド」に従う。二重特異性抗体は当技術分野において公知であり、上に記載されている。

0087

二重特異性リガンドの構築は好ましくは所望のポリペプチドをコードする適切な遺伝子の構築および発現に関与した。構築する他の方法は、共有結合イオン、または疎水結合を可能にする条件下で2つのポリペプチドを混合することによる。好ましい実施形態において、その方法はポリペプチドを共有結合することを含む。CTLA−4リガンド、リンカーおよびMHCリガンドのような3つの成分を含む二重特異性分子が構築される場合、3つのうちの2つが混合、結合され、第3のポリペプチドがその後に融合産物に加えられ、結合されて3つ全てのポリペプチドを含む融合産物を生成できる。

0088

本発明に係るポリペプチドは、化学合成、生物サンプルからの単離およびそのようなポリペプチドをコードする核酸の発現を含む、任意の所望の技術により産生されてもよい。それらと同様に、核酸が合成され、または生物源から単離され、所望の場合、部位特異的変異誘発法により修飾されてもよい。

0089

したがって、本発明は、本発明に係る二重特異性リガンド、またはその断片をコードするベクターに関する。ベクターは、例えば、ファージ、プラスミド、ウイルス、またはレトロウイルスベクターであってもよい。

0090

本発明に係る核酸は宿主内で増殖するための選択可能なマーカーを含有するベクターの部分であってもよい。一般に、プラスミドベクターは、リン酸カルシウム沈殿物のような沈殿物内、または荷電脂質との複合体内に導入される。

0091

ベクターがウイルスである場合、それは、適切なパッケージング細胞株を使用してインビトロで(in vtro)パッケージ化され、次いで宿主細胞内に形質導入されてもよい。

0092

核酸挿入物が、ファージラムダPLプロモーター、大腸菌(E.coli)lac、trp、phoAおよびtacプロモーター、SV40早期および後期プロモーターならびにレトロウイルスLTRのプロモーターのような適切なプロモーターに作動可能に連結される。他の適切なプロモーターが当業者に公知である。発現構築物はさらに、転写開始終結のための部位、および転写領域において翻訳するためのリボソーム結合部位を含有する。構築物により発現される転写産物のコード部分は好ましくは、開始時に翻訳開始コドンおよびポリペプチドの翻訳の終了時に適切に配置される終止コドンUAA、UGAまたはUAG)を含む。

0093

示したように、発現ベクターは好ましくは少なくとも1つの選択可能なマーカーを含む。そのようなマーカーには、真核細胞培養に関して、ジヒドロ葉酸還元酵素、G418またはネオマイシン耐性、ならびに大腸菌(E.coli)および他の細菌の培養に関して、テトラサイクリン、カナマイシンまたはアンピシリン耐性遺伝子が含まれる。適切な宿主の代表的な例には、限定されないが、大腸菌(E.coli)、ストレプトマイセス(Streptomyces)およびサルモネラ・チフィリウム(Salmonella typhimurium)細胞のような細菌細胞;酵母細胞(例えば、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)またはピキア・パストリス(Pichia pastoris)のような真菌細胞;ショウジョウバエS2およびスポドプテラSf9細胞のような昆虫細胞;CHO、COS、HEK293、およびボーズ(Bowes)黒色腫細胞のような動物細胞;ならびに植物細胞が含まれる。

0094

上記の宿主細胞についての適切な培養培地および条件は当技術分野において公知であり、市販されている。

0095

細菌における使用に好ましいベクターの中には、QIAGEN,Inc.から入手可能なpQE70、pQE60およびpQE−9;Stratagene Cloning Systems,Inc.から入手可能なpBluescriptベクター、Phagescriptベクター、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A;ならびにPharmacia Biotech,Incから入手可能なptrc99a、pKK2233、pKK233−3、pDR540、pRIT5が含まれる。好ましい真核生物ベクターの中には、Stratageneから入手可能なpWLNEO、pSV2CAT、p0G44、pXTIおよびpSG;ならびにPharmaciaから入手可能なpSVK3、pBPV、pMSGおよびpSVLがある。哺乳動物細胞発現における使用に好ましいベクターの中には、pSG5ベクター、pCMV・SPORT6、pcDNA、pCEP4、pREP4、pCI、pSIおよびpBICEP−CMVが含まれる。酵母系に使用するための好ましい発現ベクターには、限定されないが、pYES2、pYDI、pTEFI/Zeo、pYES2/GS、pPICZ、pGAPZ、pGAPZalph、pPIC9、pPIC3.5、pHILD2、pHIL−SI、pPIC3.5K、pPIC9K、およびPA0815(全てInvitrogen、カールズバッド、CAから入手可能)が含まれる。

0096

宿主細胞内への構築物の導入はリン酸カルシウムトランスフェクション、DEAEデキストラン媒介性トランスフェクション、陽イオン性脂質媒介性トランスフェクション、エレクトロポレーション、形質導入、感染、または他の方法により行われてもよい。このような方法は、上記で参照したSambrookらのような多くの標準的な実験マニュアルに記載されている。本発明に係るポリペプチドは、硫酸アンモニウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、アニオン交換またはカチオン交換クロトマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含む周知の方法によって組換え細胞培養物から回収され、精製されてもよい。最も好ましくは、高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)が精製のために利用される。

0097

本発明に係るポリペプチドはまた、体液、組織および細胞、特に腫瘍組織に由来する細胞または対象由来の疑わしい腫瘍組織を含む、生物源から回収されてもよい。

0098

さらに、本発明に係るポリペプチドは当技術分野において公知の技術を使用して化学合成されてもよい(例えば、Creighton、1983、Proteins:Structures and Molecular Principles、W.H.Free
man & Co.、N.Y.、およびHunkapillerら、(1984)Nature、310:105−111を参照のこと)。例えば、本発明に係る二重特異性リガンドの全てまたは一部を含むポリペプチドはペプチドシンセサイザの使用により合成されてもよい。

0099

本発明に係る二重特異性リガンドは本明細書に添付した配列番号に詳細に記載されている。配列番号1および2はCTLA−4リガンドCD80w88aが、MHCリガンドLAG−3と対になり、IgG2aFc領域およびGly−9(G9)配列によって分離される二重特異性リガンドのマウス代理DNAおよびタンパク質配列を提供する。末端Hisタグ(H6)配列はC末端に提供される。配列番号3および4は、IgG2aFc領域がLAG−3ポリペプチドのC末端に配置され、その結果CD80およびLAG3−ペプチドがG9のみによって分離されていることを除いて、配列番号1および2と同じ構築物についてのマウス代理DNAおよびタンパク質配列を提供する。リガンドまたはそれに対するC末端の間にFc領域を有する2つの配列はそれぞれ遺伝子1および遺伝子2構築物と称する。

0100

配列番号5および6は、ヒトDNAおよび野生型配列が保存されているタンパク質配列を提供する。CD80またはLAG−3のいずれに対しても変異は作製されていない。配列番号7および8において、W84A変異がヒトCD80(マウスにおけるW88Aの等価物)に対して作製され、R75E変異がLAG−3において作製される。残りの配列番号(番号7〜14)はCD80およびLAG−3配列における他の変異を記載している。

0101

治療応用
T細胞活性の抑制は、免疫抑制正当である、および/または自己免疫状態が発生する多くの状況において望まれる。したがって、CTLA4/MHC相互作用の標的化が、炎症、自己免疫、およびそのような機構に関与する状態のような不適切または望ましくない免疫応答に関与する疾患の治療において示されている。一実施形態において、そのような疾患または障害は自己免疫および/または炎症性疾患である。そのような自己免疫および/または炎症性疾患の例は上記で述べている。

0102

一実施形態において、そのような疾患または障害は1型糖尿病(T1D)である。

0103

別の実施形態において、本発明に係るリガンドは対象を免疫抑制することにより移植を補助するために使用される。そのような使用は移植片対宿主拒絶反応を軽減する。移植片対宿主拒絶反応についての既存の治療の詳細に関しては、Svennilson、(2005)Bone Marrow Transplantation 35:S65−S67およびその文献に引用されている参考文献を参照のこと。有利には、本発明の抗体は他の利用可能な治療と組み合わせて使用されてもよい。

0104

自己免疫疾患の治療に関して、併用療法医薬と共に本発明のリガンドの投与を含んでもよく、その医薬と共にリガンドはそのような自己免疫疾患を予防または治療するための有効量を含む。前記自己免疫疾患が1型糖尿病である場合、併用療法は、ベータ細胞増殖もしくは生存因子または免疫調節抗体のような、膵臓ベータ細胞の増殖を促進するか、またはベータ細胞移植を増強する作用因子の1つまたはそれ以上を含んでもよい。前記自己免疫疾患が関節リウマチである場合、前記併用療法は、メトトレキサート、抗TNF−α抗体、TNF−α受容体Ig融合タンパク質、抗IL−6、もしくは抗IL17、もしくは抗IL−15もしくは抗IL−21抗体、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、または疾患修飾性抗リウマチ薬DMARD)のうちの1つまたはそれ以上を含んでもよい。例えば、さらなる作用因子は、抗TNF剤(例えば、エンブレル登録商標)、インフリキシマブレミケード(登録商標)およびアダリムマブヒュミラ(登録商標))また
リツキシマブリツキサン(登録商標))のような生物剤であってもよい。前記自己免疫疾患が造血移植拒絶反応である場合、造血成長因子(複数も含む)(例えば、エリスロポエチン、G−CSF、GM−CSF、IL−3、IL−11、トロンボポエチンなど)または抗菌剤(複数も含む)(例えば、抗生物質、抗ウイルス剤抗真菌薬)が投与されてもよい。前記自己免疫疾患が乾癬である場合、さらなる作用因子は、タールおよびその誘導体光線療法コルチコステロイドシクロスポリンAビタミンD類似体、メトトレキサート、p38マイトジェン活性タンパク質キナーゼMAPK)阻害剤、ならびに抗TNF−α剤およびリツキサン(登録商標)のような生物剤のうちの1つまたはそれ以上であってもよい。前記自己免疫疾患が、例えば、クローン病または潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患(IBD)である場合、さらなる作用因子は、アミノサリチル酸、コルチコステロイド、免疫調節剤、抗生物質、またはレミケード(登録商標)およびヒュミラ(登録商標)のような生物剤のうちの1つまたはそれ以上であってもよい。

0105

併用治療は、当業者により必要または都合が良いとみなされる限り、および本明細書の目的のためにいかなる方法で実施されてもよく、組み合わせて使用される化合物の順序、量、反復または相対量に関する制限は意図されない。したがって、療法に使用するための本発明に係る抗体は医薬組成物に製剤化されてもよい。本発明はまた、本発明に係るペプチドを含む医薬組成物に関する。

0106

医薬組成物
好ましい実施形態において、本発明に係る二重特異性リガンド、または本発明の以前の態様において定義されるアッセイ方法により識別可能な1つもしくはそれ以上のリガンドを含む医薬組成物が提供される。リガンドは、本明細書で説明されている、免疫グロブリン、ペプチド、核酸または小分子であってもよい。それらは、以下の説明において、「化合物」と称する。

0107

本発明に係る医薬組成物は、有効成分としてT細胞活性を調節できる1つまたはそれ以上の化合物を含む内容物の組成物である。典型的に、化合物は任意の薬学的に許容可能な塩、または例えば、適切な場合、その類似体遊離塩基形態互変異性体エナンチオマーラセミ体、もしくはそれらの組合せの形態である。本発明に係る有効成分を含む医薬組成物の有効成分は、特定の状況に応じた量で投与される場合、例えば、移植片対宿主拒絶反応の治療において優れた治療活性を示すことが意図される。

0108

別の実施形態において、本発明の1つまたはそれ以上の化合物は、前述の状態のいずれかを治療する際の特定の兆候を治療するのに適切であることが知られている任意の当技術分野で認識されている化合物と組み合わせて使用されてもよい。したがって、本発明の1つまたはそれ以上の化合物は、都合の良い単一の組成物が対象に投与できるように、上述の兆候を治療するのに適切であることが知られている1つまたはそれ以上の当技術分野で認識されている化合物と組み合わせてもよい。投薬計画は最適な治療反応を提供するために調節されてもよい。

0109

例えば、数回の分割用量が毎日投与されてもよく、または用量は治療状況の要求により示されるように比例的に減少されてもよい。

0110

有効成分は、経口、静脈内(水溶性である場合)、筋肉内、皮下、鼻腔内、皮内もしくは坐剤経路または埋め込み(例えば、持続放出分子を使用する)によるなどの都合のよい様式で投与されてもよい。

0111

投与経路に応じて、有効成分は、酵素、酸の作用および前記成分を不活性化し得る他の天然状態から前記成分を保護する物質でコーティングすることが必要とされてもよい。

0112

非経口投与以外により有効成分を投与するために、その有効成分は、その不活性化を防ぐために物質によりコーティングされるか、または物質と共に投与される。例えば、有効成分は、酵素阻害剤同時投与される補助剤中、またはリポソーム中で投与されてもよい。補助剤はその広範な意味で使用され、インターフェロンのような任意の免疫刺激化合物を含む。本明細書に意図される補助剤には、レゾルシノールポリオキシエチレンオレイルエーテルおよびn−ヘキサデシルポリエチレンエーテルのような非イオン界面活性剤が含まれる。酵素阻害剤には、膵臓トリプシンが含まれる。

0113

リポソームには、水中油中水CGエマルションおよび従来のリポソームが含まれる。

0114

有効成分はまた、非経口または腹腔内に投与されてもよい。

0115

分散剤もまた、グリセリン、脂質ポリエチレングリコール、およびそれらの混合物中ならびに油中で製造されてもよい。貯蔵および使用の通常の条件下で、それらの製造物は微生物の増殖を防ぐために防腐剤を含有する。

0116

注射可能な使用に適した医薬品形態には、滅菌水溶液(水溶性の場合)または分散剤および滅菌注射溶液もしくは分散剤の即時製造のための滅菌粉末が含まれる。全ての場合、その形態は滅菌されなければならず、容易に注射可能性(syringability)が存在する程度まで流動されなければならない。その形態は製造および貯蔵の条件下で安定していなければならず、細菌および真菌のような微生物の汚染作用に対して保存されなければならない。担体は、例えば、水、エタノールポリオール(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、それらの適切な混合物、および植物油を含有する溶媒または分散媒体であってもよい。適切な流動性が、例えば、レクチンのようなコーティングの使用により、分散の場合に必要な粒径の維持、および界面活性剤の使用により維持されてもよい。

0117

微生物の作用の防止は、種々の抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベンクロロブタノールフェノールソルビン酸チメロサール(thirmerosal)などによりもたらされてもよい。特定の場合、等張剤、例えば、糖または塩化ナトリウムを含むことが好適であり得る。注射可能な組成物の長期の吸収は、吸収を遅延させる作用因子、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの組成物中の使用によりもたらされてもよい。

0118

滅菌注射可能溶液は、上記に列挙した様々な他の成分と共に適切な溶媒中に必要な量で有効成分を組み込み、必要な場合、その後、濾過滅菌することにより製造される。一般に、分散剤は、滅菌有効成分を、基礎分散媒体および、上記に列挙したものからの必要とされる他の成分を含有する滅菌ビヒクル内に組み込むことにより製造される。滅菌注射可能溶液を製造するための滅菌粉末の場合、製造する好ましい方法は、有効成分およびその以前に濾過滅菌した溶液からの任意のさらなる所望の成分の粉末を生じる真空乾燥および凍結乾燥技術である。

0119

本明細書に使用される場合、「薬学的に許容可能な担体および/または希釈剤」は、任意および全ての溶媒、分散媒体、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などを含む。薬学的に活性な物質のためのそのような媒体および作用因子の使用は当技術分野において周知である。任意の従来の媒体または作用因子が有効成分と不適合性である場合を除いて、治療組成物中のそれらの使用が意図される。補助的有効成分もまた、組成物中に組み込まれてもよい。

0120

投与の容易さおよび投与の均一性のために投薬単位形態で非経口組成物を製剤化することが特に有益である。本明細書に使用される場合、投薬単位形態とは、治療される哺乳動物対象についての単一の投薬として適した物理的に別個の単位を指し;各単位は、必要とされる薬学的担体と関連して所望の治療効果を生じるように算出される所定量の有効物質を含有する。本発明の新規投薬単位形態についての仕様は、(a)有効物質の独自の特徴および達成される特定の治療効果、ならびに(b)身体の健康が損なわれている、疾患状態を有する、生きている対象における疾患を治療するための有効物質のような化合物の当技術分野に固有の制限により決定され、それらに直接依存する。

0121

主要な有効成分は、投薬単位形態における適切な薬学的に許容可能な担体と一緒の有効量の簡便かつ効果的な投与のために調合される。補助的有効成分を含有する組成物の場合、投薬量は、前記成分の通常の用量および投与様式に対する参照により決定される。

0122

抗体を含む、ペプチド化合物の細胞への送達を促進するために、ペプチドは、細胞膜と交差するそれらの能力を改良するために修飾されてもよい。例えば、米国特許第5,149,782号は、融合ペプチドイオンチャネル形成ペプチド、膜ペプチド、長鎖脂肪酸および細胞膜を横切るタンパク質輸送を増加させる他の膜混合作用因子の使用を開示している。これらおよび他の方法はまた、参照によって本明細書に組み入れる、WO97/37016および米国特許第5,108,921号に記載されている。

0123

さらなる態様において、単独または特定の兆候の治療に適切であることが知られている当技術分野で認識されている化合物との併用のいずれかで疾患の治療に使用するための本明細書上記で定義した本発明の有効成分が提供される。それ故、異常免疫応答に関連する疾患を治療するための医薬を製造するための本発明の有効成分の使用が提供される。

0124

さらに、上記のアッセイ法を使用して識別可能である治療有効量のリガンドを対象に投与する工程を含む、異常免疫応答に関連する状態を治療する方法が提供される。

0125

本発明はさらに、以下の実施例において例示目的のみのために記載している。

0126

〔実施例1〕
CTLA−4と会合し、それをMHC11を介してTCRに架橋する二重特異性融合タンパク質の設計
選択的および作動薬的にCTLA−4と会合し、同時にそれをTCRに連結する二重特異性融合タンパク質を生成するために、CTLA−4に結合するが、CD28に対する最小親和性を有する(Wuら、1997)変異体CD80(CD80w88a、本明細書以下でCD80waと称する)を、LAG−3、MHCIIの天然リガンド(Baixerasら、1992;Triebelら、1990)に融合した。9個のグリシンからなるリンカーを使用してCD80waをLAG−3に結合し、次いでそのCD80waをマウスIgG2aのFc部分に付着させて、その循環半減期を意図的に増加させた(図1A)。この構成のリガンドに応答して、CTLA−4会合およびTCRへの連結は、早期T細胞活性化の間の免疫シナプスにおける三分子複合体(CTLA−4/MHCII/TTCR)の形成を介して間接的に発生することが予想された(図1B)。概念的に、免疫シナプスの関連以外に、CTLA−4またはMHCIIのいずれかの単独またはCTLA−4およびMHCIIの両方への二重特異性融合タンパク質の結合はT細胞活性の阻害を導くはずがない。CD80waによるCTLA−4の会合は、CTLA−4の細胞質尾部に対するホスファターゼの動員によるCTLA−4シグナル伝達を誘発するように設計した。その一方で、MHCIIへのLAG−3の結合は、免疫シナプスにおいてpMHCII複合体に結合する、同種TCRにCTLA−4を近接させることを意図した(図1B)。これらの2つの結合事象の組合せはTCRに阻害シグナルを送達すると予想された。CD8
0waおよびIgG2a Fcを含む対照融合タンパク質もまた、構築し(図1A)、その対照融合タンパク質は、LAG−3を欠いているので、CTLA−4をTCRに架橋できるはずがない(図1C)。

0127

試験および対照融合タンパク質をチャイニーズハムスター卵巣細胞内で発現させ、プロテインカラム上の親和性クロマトグラフィーで精製した。サイズ排除クロマトグラフィーを使用して凝集体を除去した。試験二重特異性融合タンパク質(CD80wa−LAG−3−Fc)はBsB(ヌクレオチド配列:配列番号3;アミノ酸配列:配列番号4)と称し、対照構築物(CD80wa−Fc)はBsBΔ(ヌクレオチド配列:配列番号16;アミノ酸配列:配列番号17)として知られている。予想されるように、両方の融合タンパク質は、非還元SDS−PAGEゲル上で二量体のようであり(BsB、200kDa;BsBΔ140kDa)、還元SDS−PAGEゲル上で単量体(BsB、100kDa;BsBΔ70kDa)のようであった。それらの識別はさらに、LAG−3およびCD80に対する抗体を使用して、ウェスタンブロッティングにより確認した。

0128

〔実施例2〕
BsBは同種異系混合リンパ球反応においてT細胞活性化を阻害する。
T細胞活性化を阻害するBsBおよびBsBΔの相対能力を、IL−2の産生を測定することにより同種異系混合リンパ球反応において評価した。BALB/cマウスから精製した未処置のCD4+CD25-CD62LhighCD44lowT細胞を、BsBまたはBs
BΔの存在または非存在下でC57BL/6マウスから単離したAPCと混合した。CD80/86に結合し、CD28に対するそれらの結合を遮断する同時刺激阻害剤である、マウスIgG2aおよびCTLA−4Igをそれぞれ陰性および陽性対照として含めた。混合リンパ球反応におけるBsBΔではなくBsBの包含はIL−2産生を阻害したが、CTLA−4Igにより達成されたものと同じ程度ではなかった(図2)。この相違は恐らく、CTLA−4Ig媒介性阻害より後に発生するBsB媒介性T細胞阻害の結果であった。より具体的には、BsBに関して、CTLA−4の後に発生した阻害のみがT細胞活性化後に上方制御した。TCRへの同時架橋が必要とされるため、CTLA−4単独の会合がT細胞活性化を防ぐのに不十分であることが、IL−2産生を減少させることができないBsBΔの能力により強く示唆される。BsBのLAG−3部分がT細胞阻害の役割を果たしている可能性を排除するために、LAG−3Igをこのアッセイにおいて試験し、T細胞活性化を阻害しないことを検証した。

0129

〔実施例3〕
BsBはTregへのT細胞分化を導く。
抗原刺激離脱mTORシグナル伝達の阻害、低い親和性の抗原に起因する準最適なTCR刺激、またはT細胞活性化の間の弱い同時刺激によるTCRシグナル伝達の早期終結は、Foxp3+発現を誘導し、Treg表現型に対するT細胞分化を歪めることを示
している(Delgoffeら、(2009)Immunity 30:832−844;Haxhinastoら、(2008)J.Exp.Med.205:565−574;Sauerら、(2008)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 105:7797−7802)。BsBは、結果として起こるTCRシグナル伝達の減衰と共に、活性化により誘導されるCTLA−4によるTCRの早期会合を強制するので、Foxp3+Tregを生成するその能力も評価した。Foxp3−EGFPノックインマウス
から製造した未処置のCD4+CD62LhighGFP’’T細胞(Haribhaiら、
(2007)J.Immunol 178:2961−2972)を、BsBまたはBsBΔの存在下で、LPSで処置した同種異系APCと混合した。培養の5日後、細胞のフローサイトメトリー分析により、BsBで処置した細胞(図3A、真ん中の左パネル)の中で多数のCD4+CD25+GFP+T細胞が現れたが、マウスIgG2a(図3A、上
側の左パネル)またはBsBΔ対照(図3A、下側の左パネル)で処置した細胞の中では
現れず、これらのCD4+CD25+GFP+T細胞はFoxp3+Tregであったことが示唆される。この結果を確認するために、細胞培養培地を収集し、特徴的なTregサイトカイン、IL−10およびTGF−βについてアッセイした(Coolsら、(2008)J.CellMo/.Med.12:690−700)。BsBで処置した細胞(図3A、左のパネル)の培地中で多数のIL−10およびTFG−βを検出したが、BsBΔまたはmIgG2aで処置した細胞の培地中では検出しなかった。驚くべきことに、CTLA−4Igは、GFP+TregまたはIL−10の生成およびTGF−β産生を誘
導しなかった。特定の理論に束縛されずに、CTLA−4lgがT細胞応答を抑制する機構はBsBのものと異なる。LAG−3Ig単独またはBsBΔとの組合せもまた、GFP+Tregの生成を誘導できず、TCRによるCTLA−4のBsB媒介性架橋がTr
eg誘導に必要とされることが示唆される。

0130

〔実施例4〕
BsBによるTregの誘導は自己刺激性TGF−βを必要とする
BsBでの処置後のIL−10およびTGF−βの増加したレベルの同時検出は、サイトカイン、TGF−βが特にTregの生成を促進する役割を果たす可能性を高めた(図3A)。このことを扱うために、5日間にわたって培養培地を収集し、サイトカインおよびFoxp3+Treg含有量について分析した。処置後2日の早さで増加したIL−1
0およびTGF−βレベルを検出し、Foxp3+Tregは3日後に検出した。特定の
理論に束縛されずに、恐らくBsBによる刺激されるTGF−βの内因性産生はTreg分化に関与する。Treg誘導アッセイに対する、アイソタイプ対照IgG(クローン13C4)ではなく、抗TGF−β抗体(クローン1D11)の添加はFoxp3+Tre
gの出現を完全に遮断した(図3B)。特定の理論に束縛されずに、CTLA−4の早期会合およびその後のBsBによるTCRへの架橋は、内因性TGF−β産生を刺激し、次いでTreg分化を促した。CTLA−4およびTCRの架橋は、TGF−β産生を誘導することが以前に報告されている(Chenら、(1998)J.Exp.Med.188:1849−1857)が、Treg分化はこの研究で評価されていなかった。

0131

Tregは自己免疫疾患のいくつかの動物モデルにおいて疾患の兆候を調節する際のかなりの治療可能性が示されている。しかしながら、関連抗原に対して誘導されるTregの特異性の重要性が強調されている。自己抗原特異的反応性T細胞に関して特定の自己抗原に対して活性化しない非抗原特異的Tregは恐らく機能的に免疫抑制しない。それ故、多数の抗原特異的Tregの生成を促進するアプローチがこれらの病気を治療するのにかなり望まれる。さらに、その場(例えば、T1Dについての膵島内または潰瘍性大腸炎もしくはクローン病についての固有層内)での抗原特異的Tregのデノボ誘導を促進する戦略は、インビトロで分化または増殖されるTregの養子免疫伝達の使用より好ましい。

0132

〔実施例5〕
BsB誘導性Tregは細胞間接触依存的に機能的に抑制する。
BsB誘導性Tregが機能的に抑制するかどうかを評価するために、BsB誘導性Tregおよび対照としての役割をするTGF−β誘導性Tregを、蛍光活性化細胞分類FACS)を使用して精製し、異なる割合でCFSE標識した同系応答T細胞および同種異系APCと混合した。トランスウェルまたは通常の培養ウェルのいずれかで細胞を3日間同時培養し、その後、フローサイトメトリーを使用して応答T細胞の増殖を分析した。図5Aにまとめるように、通常の培養ウェル中で培養したBsB誘導性およびTGF−β誘導性Tregの両方は応答T細胞の増殖をほぼ完全に阻害した。BsB誘導性Tregの抑制活性効力はTGF−β誘導性Tregのものと匹敵した。対照的に、BsBまたはTGF−βのいずれかにより生成したTregは、T細胞をトランスウェル中のTregから分離した場合、応答T細胞の増殖を有意に阻害しなかった。特定の理論に束縛さ
れずに、Treg抑制活性は細胞間接触に依存し、分泌されたサイトカインまたは他の要因により媒介されなかった。この考えを支持して、通常の培養ウェル中でのIL−10(クローンJES5−2A5)への抗体の封入は、BsB誘導性またはTGF−β誘導性Tregのいずれの抑制活性にも影響を与えなかった(図5B)。TGF−β1D11への抗体の添加もまた、BsB誘導性Tregの抑制活性に影響を与えなかったが、TGF−β誘導性Tregにより抑制を部分的に減少させた(図5B)。

0133

〔実施例6〕
BsBは抗原特異的TregへのOT−IIT細胞の分化を導く。
(MHCIIを介して)TCRへCTLA−4を架橋するCD80waおよびLAG3(BsB)を含む二官能性融合タンパク質は、同種異系MLRにおいてFoxp3+Tr
egの産生を誘導できることを見出したので、抗原特異的Tregの産生を導き出すBsBの潜在能力を試験した。この可能性を調査するために、未処置のOT−IIT細胞を、ニワトリオボアルブミンペプチド(323〜339)(Barndenら、1998)に特異的なTCR(α−およびβ−サブユニット)をコードする導入遺伝子を保有するトランスジェニックマウスから精製し、Ova323〜339の存在下で同系APCと混合した。培養の5日後、Foxp3+Tregの有意に増加した量を、mIgG対照(図4
、上側の左パネル)またはCTLA−4Ig(データは示さず)によるよりも、BsB(図4A、真ん中の左パネル)で処置したOT−IIT細胞内で検出した。このTregの誘導は培養物中に抗TGF−β抗体を包含することにより阻害された(図4A、下側の左パネル)。特定の理論に束縛されずに、分化は、自己分泌またはパラクリン様式で内因的に産生されたTGF−βにより媒介された。IL−2のレベルは減少したのに対して、IL−10およびTGF−βのレベルはBsBで処置した細胞の培地中で増加した(図4A、右のパネル)。

0134

誘導されたTregの増殖活性をモニターするために、OT−II細胞蛍光トレーサー、CFSEを前負荷した。図4Bに示すように、BsB誘導性Foxp3+Tregは
CFSEシグナルの希釈により示すように増殖性であると決定した。予想されるように、CTLA−4Ig、同時刺激遮断剤の添加により、T細胞増殖が減少した。それ故、BsBはT細胞活性化を阻害でき、同種異系MLRおよび抗原特異的環境の両方においてTregの産生を誘導できた。

0135

〔実施例7〕
BsBによるTregの誘導はAKT/mTORシグナル伝達経路の減衰に関与し得る。
最近の報告により、AKTおよびmTORシグナル伝達経路がT細胞の運命を決定するのに重要な役割を果たすことが示されている。T細胞における構成的活性AKTの存在は、ラパマイシン感受性的にTreg分化を減少させ(Haxhinastoら、2008)、AKTおよびmTORシグナル伝達経路がTregの運命に影響を与えるように交差することが示唆されている。さらに、mTORを欠くT細胞は、正常な対照T細胞より容易にTregに分化する(Delgoffeら、(2009)Immunity 30:832−844)。AKT/mTORに拮抗することによる適応Treg発生の制御における同時阻害分子PD−1/PD−L1についての必須の役割もまた、報告されている(Franciscoら、(2009)J.Exp.Med.206:3015−3029)。これらの経路がまた、TregのBsB媒介性誘導にも関与しているかどうかを決定するために、抗CD3および抗CD28抗体を、96ウェルプレート上でBsB、mIgG、またはPD−L1と同時固定化し、その上に未処置のT細胞を播種した。活性化の18時間後、リン酸化AKTおよびmTORに対する蛍光標識した抗体で細胞を染色し、フローサイトメトリーにより分析した。AKTおよびmTORの両方のリン酸化は、BsBおよびPD−L1同時固定化により減衰した(図6)。特定の理論に束縛されずに、CT
LA−4およびPD−L1阻害分子により媒介されるシグナル伝達事象は、Treg分化を調節するためのT細胞活性化の間、AKT/mTORシグナル伝達経路に沿ってある時点に集中し得る。

0136

〔実施例8〕
BsBへの曝露は誘導性Treg内でFoxp3+発現を維持する。
完全に遂行する天然Tregと異なる、インビトロ誘導性Tregは、報告によればほとんど安定ではなく、開始誘導因子(例えば、TGF−βまたはレチノイン酸)の非存在下で長期の培養時にFoxp3+発現を損失し得る(SelvarajおよびGeige
r、(2007)J.lmmunol.178:7667−7677)。現在の研究において、BsB誘導性Tregは、培養を繰り返した後、一部の細胞がFoxp3発現を損失する、同様の不安定性を示した(図7)。BsBによる再刺激がFoxp3発現を長引かせることができるかどうかを試験するために、Tregをまず、抗CD3/抗CD28抗体およびBsBの両方で96ウェルプレートをコーティングすることにより誘導した。次いで精製したTregをBsBの存在または非存在下で培養のさらなるラウンドに供した。BsBによる精製したTregの再刺激により、IgG対照に応答する約40%のFoxp3発現(図7、上側の右パネル)と比較して、Foxp3+Tregの多くの集団
(全てのTregの約93%)(図7、下側の右パネル)の維持が可能となった。

0137

〔実施例9〕
マウスにおけるBsBの薬物動態
自己免疫疾患の動物モデルにおけるBsBの治療有用性を試験する前に、インビボでの投薬計画の設計に役立つようにその薬物動態プロファイルを決定した。C57BL/6マウスへのBsBの腹腔内注射の結果、循環レベル測定可能な増加が生じ、その後、約12時間の推定血漿半減期(t1/2)で迅速なクリアランスが生じた(図8A)。Fcを含
有する融合タンパク質または抗体の薬物動態は典型的に、より長引いたので、このプロファイルは予想されなかった。新生児Fc受容体(FcRn)への抗体の結合はそれらの長引いた半減期に主に関与するので(RoopenianおよびAkilesh、2007)、FcRnに結合するBsBおよび対照マウスIgG2aの相対能力を比較した。図8Bは、FcRnへの両方のタンパク質の結合特徴が非常に類似していることを示し、これは、FcRnへのBsBの結合の欠陥が、循環からのその迅速なクリアランスの原因ではないようであることを示している。

0138

BsBの迅速なクリアランスについての別の可能性のある説明は、非標的細胞上の炭水化物受容体によるその摂取に起因し得る。このような受容体の例には、肝細胞上のアシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)(Weigel、1994)およびマクロファージ上のマンノース受容体および細網内皮系内皮細胞(Pontowら、1992)が含まれる。NetNGlycサーバーを使用したBsBの分析により、その受容体は単量体当たり最大10個のアスパラギン連結オリゴ糖側鎖を保有する可能性が示唆された(図9)。単糖組成分析により、BsBが約37のマンノース残基を含有することが示され、これらのアスパラギン連結オリゴ糖グリカンはそれぞれ3つのマンノース残基(全部で30個のマンノース残基)を有するコアマンノース構造を含有するので、全ての予測されるアスパラギン連結グリコシル化部位が使用されてもよい。さらに、小量の高マンノース型オリゴ糖もまた、余分なマンノース残基を構成するために存在できる。実際に、有意な量のシアル化トリ−およびテトラ−アンテナリー(antennary)アスパラギン連結、ならびにいくつかの高マンノース型オリゴ糖を、タンパク質から放出される過メチル化グリカンの質量分析により識別した。

0139

この予測はまた、80kDaのBsBの算出した重量と対照的に、SDS−PAGE分析により示したように100kDaのBsBの分子量と一致する。加えられたオリゴ糖の
存在は分子量の相違(20kDa)の原因であった。さらに、BsBは0.68のシアル酸対ガラクトースの比を示し(図9)、これは、グリカンが不完全にシアル化されたことを示している。特定の理論に束縛されずに、ASGPRによるBsBの炭水化物媒介性クリアランスは循環からのその迅速なクリアランスに寄与した。

0140

〔実施例10〕
BsBによる短期間の処置はNODマウスにおける自己免疫性糖尿病の発症を遅延させた。
インビトロでTregを誘導するBsBのEC50は約100nMであると推定し、その循環半減期は短かった(約12時間でt1/2)ので、BsBを後期予防パラダイムのNO
Dマウスにおいて試験した。NODマウスが9から12週齢の間にある場合に、短い間隔にわたって(4週間の間1日おきに)NODマウスにBsBを投与した。この齢数で、自己反応性T細胞および膵島炎は既に明らかであるが、マウスはまだ顕性糖尿病を発症していなかった。図10Aに示すように、BsBで2週間処置したNODマウスは、生理食塩水で処置した対照と比較して、血液中のFoxp3+Tregの数の適度だが統計的に有
意な増加(25%)を示した。しかしながら、4週間の処置後または後の時点におけるTregの数の相違は検出できなかったので、このTregの増加は一時的であった。リンパ器官におけるTregの同様の一時的な増加は、抗CD3抗体によるNODマウスの処置後、以前に示されていた(Nishioら、2010)。特定の理論に束縛されずに、BsB誘導性Tregは、処置の停止後、Foxp3-T細胞に戻り得る。それらはまた
、それらの機能を実行するために特異的標的組織(例えば膵臓)により動員され得る。それにも関らず、後期予防治療パラダイムのBsBによるこの短期間の処置は疾患の発症を適度に遅延させ、顕性T1Dを示すマウスの数を減少させるように見える(図10B)。

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