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課題

標的細胞の存在下での免疫エフェクター細胞活性化、および/または免疫エフェクター細胞の存在下での標的細胞の死滅を誘発することができる二重特異性Fcを提供する。

解決手段

Fcポリペプチド鎖および免疫グロブリン可変領域を含有する二重特異性分子が開示される。そのような分子を含む薬学的製剤、そのような分子をコードする核酸、そのような核酸を含有する宿主細胞、そのような分子を作製する方法、およびそのような分子を使用する方法も開示される。

概要

背景

背景
二重特異性抗体は、多様な適応症における治療剤として有望である。標準的なIgG構成を有する二重特異性抗体は、4つの異なるポリペプチド鎖を含むので、生産が難しい場合がある。より小さな、生産がより容易な二重特異性分子の有効性は、非ホジキンリンパ腫において臨床的に実証されている。例えばBargou et al. (2008), Science 321(5891): 974-977(非特許文献1)を参照されたい。この小さな単鎖分子インビボ半減期が短いので、これらの結果を達成するために、連続静脈内注入による長期投与が用いられた。同上。したがって、当技術分野において、類似の治療有効性を保持し、生産が簡単である構成を有し、かつより長い半減期を含む好都合薬物動態特性を有する二重特異性治療剤の必要性がある。

概要

標的細胞の存在下での免疫エフェクター細胞活性化、および/または免疫エフェクター細胞の存在下での標的細胞の死滅を誘発することができる二重特異性Fcを提供する。Fcポリペプチド鎖および免疫グロブリン可変領域を含有する二重特異性分子が開示される。そのような分子を含む薬学的製剤、そのような分子をコードする核酸、そのような核酸を含有する宿主細胞、そのような分子を作製する方法、およびそのような分子を使用する方法も開示される。

目的

本発明を上に一般的な用語で説明したが、以下の実施例を限定ではなく例示として提供する

効果

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請求項1

(a)次式:V1-L1-V2-L2-V3-L3-V4-L4-Fcを有するアミノ酸配列を含むポリペプチド鎖であって、式中、FcはヒトIgGFcポリペプチド鎖であり;V1、V2、V3、およびV4のうちの2つは免疫グロブリン重鎖可変(VH)領域であり、その他の2つは免疫グロブリン軽鎖可変(VL)領域であり;L1、L2、L3、およびL4はリンカーであり;かつ、L2および/もしくはL4は存在してもよいし、もしくは存在しなくてもよい、ポリペプチド鎖;または(b)次式:Fc-L4-V1-L1-V2-L2-V3-L3-V4を有するアミノ酸配列を含むポリペプチド鎖であって、式中、FcはヒトIgG Fcポリペプチド鎖であり;V1、V2、V3、およびV4のうちの2つはVH領域であり、その他の2つはVL領域であり;L1、L2、L3、およびL4はリンカーであり;かつ、L2および/もしくはL4は存在してもよいし、もしくは存在しなくてもよい、ポリペプチド鎖を含む、Bi-Fcであって、標的細胞および免疫エフェクター細胞に結合し、かつ/または免疫エフェクター細胞による標的細胞の細胞溶解を媒介し、ならびに単量体である、Bi-Fc。

請求項2

(a)または(b)のFcポリペプチド鎖が、以下の改変:K392D、K392E、N392D、N392E、R409D、R409E、K409D、K409E、D399K、D399R、E356R、E356K、D356R、D356K、Y349T、L351T、L368T、L398T、F405T、Y407T、およびY407Rの1つまたは複数を含む、請求項1に記載のBi-Fc。

請求項3

(a)または(b)のFcポリペプチド鎖が、IgG1 Fcポリペプチド鎖、IgG2 Fcポリペプチド鎖、またはIgG4 Fcポリペプチド鎖であり、改変K392D、K409D、およびY349Tを含む、請求項2に記載のBi-Fc。

請求項4

(a)または(b)のポリペプチド鎖のFcポリペプチド鎖が、改変L234Aおよび/またはL235Aを含む、請求項1、2または3に記載のBi-Fc。

請求項5

請求項1(a)に記載のBi-Fcである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のBi-Fc。

請求項6

請求項1(b)に記載のBi-Fcである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のBi-Fc。

請求項7

免疫エフェクター細胞が、ヒトT細胞および/またはカニクイザルT細胞である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のBi-Fc。

請求項8

エフェクター細胞タンパク質が、ヒトおよび/またはカニクイザルT細胞受容体(TCR)-CD3複合体の一部である、請求項7に記載のBi-Fc。

請求項9

エフェクター細胞タンパク質が、ヒトおよび/またはカニクイザルTCRα、TCRβ、TCRγ、TCRδ、CD3β、CD3γ、CD3δ、CD3ε、またはCD3ζである、請求項7または8に記載のBi-Fc。

請求項10

エフェクター細胞タンパク質がヒトまたはカニクイザルCD3εである、請求項9に記載のBi-Fc。

請求項11

アラニンスキャニングによって測定されたとき、ヒトまたはカニクイザルCD3εの最初の27個のアミノ酸内のアミノ酸配列に結合する、請求項10に記載のBi-Fc。

請求項12

アラニンスキャニングによって測定されたとき、Bi-Fcが結合するアミノ酸配列が、Gln-Asp-Gly-Asn-Glu(SEQID NO:24)を含む、請求項11に記載のBi-Fc。

請求項13

SEQID NO:48のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1;SEQ ID NO:49のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2;SEQ ID NO:50のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3;SEQ ID NO:51のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1;SEQ ID NO:52のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2;およびSEQ ID NO:53のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む、請求項10に記載のBi-Fc。

請求項14

SEQID NO:54のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1;SEQ ID NO:55のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2;SEQ ID NO:56のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3;SEQ ID NO:57のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1;SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2;およびSEQ ID NO:59のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む、請求項10に記載のBi-Fc。

請求項15

SEQID NO:7と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むVH領域、およびSEQ ID NO:8と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むVL領域を含む、Bi-Fcであって、同一性領域が少なくとも80アミノ酸長である、請求項10または13に記載のBi-Fc。

請求項16

SEQID NO:7およびSEQ ID NO:8のアミノ酸配列を含む、請求項15に記載のBi-Fc。

請求項17

SEQID NO:29と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むVH領域、およびSEQ ID NO:31と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むVL領域を含む、Bi-Fcであって、同一性領域が少なくとも80アミノ酸長である、請求項10または14に記載のBi-Fc。

請求項18

SEQID NO:29およびSEQ ID NO:31のアミノ酸配列を含む、請求項17に記載のBi-Fc。

請求項19

ヒトHER2を発現している細胞に結合する、請求項1〜18のいずれか一項に記載のBi-Fc。

請求項20

SEQID NO:60のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1;SEQ ID NO:61のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2;SEQ ID NO:62のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3;SEQ ID NO:63のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1;SEQ ID NO:64のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2;およびSEQ ID NO:65のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む、請求項19に記載のBi-Fc。

請求項21

SEQID NO:5と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むVH領域、およびSEQ ID NO:6と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むVL領域を含む、Bi-Fcであって、同一性領域が少なくとも80アミノ酸長である、請求項19または20に記載のBi-Fc。

請求項22

SEQID NO:5およびSEQ ID NO:6のアミノ酸配列を含む、請求項21に記載のBi-Fc。

請求項23

ヒトFOLR1を発現している細胞に結合する、請求項1〜18のいずれか一項に記載のBi-Fc。

請求項24

SEQID NO:66のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1;SEQ ID NO:67のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2;SEQ ID NO:68のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3;SEQ ID NO:69のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1;SEQ ID NO:70のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2;およびSEQ ID NO:71のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む、請求項23に記載のBi-Fc。

請求項25

SEQID NO:15のアミノ酸1〜118と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むVH領域、およびSEQ ID NO:15のアミノ酸134〜244と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むVL領域を含む、Bi-Fcであって、同一性領域が少なくとも80アミノ酸長である、請求項23または24に記載のBi-Fc。

請求項26

SEQID NO:15のアミノ酸1〜118および134〜244のアミノ酸配列を含む、請求項25に記載のBi-Fc。

請求項27

ヒトCD33を発現している細胞に結合する、請求項1〜18のいずれか一項に記載のBi-Fc。

請求項28

SEQID NO:72のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1;SEQ ID NO:73のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2;SEQ ID NO:74のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3;SEQ ID NO:75のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1;SEQ ID NO:76のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2;およびSEQ ID NO:77のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む、請求項27に記載のBi-Fc。

請求項29

SEQID NO:34のアミノ酸1〜121または1〜122と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むVH領域、およびSEQ ID NO:34のアミノ酸138〜251と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むVL領域を含む、Bi-Fcであって、同一性領域が少なくとも80アミノ酸長である、請求項27または28に記載のBi-Fc。

請求項30

SEQID NO:34のアミノ酸1〜121および138〜251のアミノ酸配列を含む、請求項29に記載のBi-Fc。

請求項31

Bi-FcのFcポリペプチド鎖が、位置384と385との間にSEQID NO:36〜47のいずれかのアミノ酸配列の挿入を含み、これらの位置番号が、EUナンバリング方式に従って割り当てられる、請求項1〜30のいずれか一項に記載のBi-Fc。

請求項32

L2が存在し、L2が約12アミノ酸長以下である、請求項1〜31のいずれか一項に記載のBi-Fc。

請求項33

L1およびL3が、それぞれ少なくとも約14アミノ酸長である、請求項1〜32のいずれか一項に記載のBi-Fc。

請求項34

L1およびL3が、それぞれ少なくとも約15アミノ酸長である、請求項33に記載のBi-Fc。

請求項35

V1がVH領域でありかつV2がVL領域であるか、またはその逆であり、V3がVH領域でありかつV4がVL領域であるか、またはその逆である、請求項1〜34のいずれか一項に記載のBi-Fc。

請求項36

(a)(i)次式:V1-L1-V2-L2-V3-L3-V4-L4-Fcを有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖であって、式中、FcはヒトIgGFcポリペプチド鎖であり;V1、V2、V3、およびV4はそれぞれ免疫グロブリン可変領域であり;L1、L2、L3、およびL4はリンカーであり;かつ、L2および/もしくはL4は存在してもよいし、もしくは存在しなくてもよい、第1のポリペプチド鎖;ならびに(ii)ヒトIgG Fcポリペプチド鎖を含む第2のポリペプチド鎖;または(b)(i)次式:Fc-L4-V1-L1-V2-L2-V3-L3-V4を有する第1のポリペプチド鎖であって、式中、FcはヒトIgG Fcポリペプチド鎖であり;V1、V2、V3、およびV4はそれぞれ免疫グロブリン可変領域であり;L1、L2、L3、およびL4はリンカーであり;かつ、L2および/もしくはL4は存在してもよいし、もしくは存在しなくてもよい、第1のポリペプチド鎖;ならびに(ii)ヒトIgG Fcポリペプチド鎖を含む第2のポリペプチド鎖を含む、Bi-Fcであって、Bi-Fcが、標的細胞および免疫エフェクター細胞に結合し、かつ/または免疫エフェクター細胞による標的細胞の細胞溶解を媒介し、L1およびL3が、少なくとも15アミノ酸長であり、L2が、存在するならば、12アミノ酸長未満であり、V1がVH領域でありかつV2がVL領域であるか、またはその逆であり、V3がVH領域でありかつV4がVL領域であるか、またはその逆であり、Bi-Fcが、ヒトCD3εに結合し、Bi-Fcが、(1)それぞれSEQID NO:48、SEQ ID NO:49、およびSEQ ID NO:50のアミノ酸配列を含むCDR1、CDR2、およびCDR3を含むVH領域、ならびにそれぞれSEQ ID NO:51、SEQ ID NO:52、およびSEQ ID NO:53のアミノ酸配列を含むCDR1、CDR2、およびCDR3を含むVL領域、または(2)それぞれSEQ ID NO:54、SEQ ID NO:55、およびSEQ ID NO:56のアミノ酸配列を含むCDR1、CDR2、およびCDR3を含むVH領域、ならびにそれぞれSEQ ID NO:57、SEQ ID NO:58、およびSEQ ID NO:59のアミノ酸配列を含むCDR1、CDR2、およびCDR3を含むVL領域を含む、Bi-Fc。

請求項37

SEQID NO:7またはSEQ ID NO:29と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むVH領域、およびSEQ ID NO:8またはSEQ ID NO:31と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むVL領域を含む、請求項36に記載のBi-Fc。

請求項38

SEQID NO:7またはSEQ ID NO:29のアミノ酸配列を含むVH領域、およびSEQ ID NO:8またはSEQ ID NO:31のアミノ酸配列を含むVL領域を含む、請求項37に記載のBi-Fc。

請求項39

ヒトCD33、ヒトFOLR1、またはヒトHER2を発現している細胞に結合する、請求項36〜38のいずれか一項に記載のBi-Fc。

請求項40

(a)SEQID NO:60のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、 SEQ ID NO:61のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、 SEQ ID NO:62のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、 SEQ ID NO:63のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、 SEQ ID NO:64のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、および SEQ ID NO:65のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3;(b)SEQ ID NO:66のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、 SEQ ID NO:67のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、 SEQ ID NO:68のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、 SEQ ID NO:69のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、 SEQ ID NO:70のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、および SEQ ID NO:71のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3;または(c)SEQ ID NO:72のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、 SEQ ID NO:73のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、 SEQ ID NO:74のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、 SEQ ID NO:75のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、 SEQ ID NO:76のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、および SEQ ID NO:77のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む、請求項39に記載のBi-Fc。

請求項41

SEQID NO:5、SEQ ID NO:15のアミノ酸1〜118、またはSEQ ID NO:34のアミノ酸1〜121と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むVH領域、およびSEQ ID NO:6、SEQ ID NO:15のアミノ酸134〜244、またはSEQ ID NO:34のアミノ酸138〜251と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むVL領域を含む、Bi-Fcであって、同一性領域が少なくとも80アミノ酸長である、請求項39または40に記載のBi-Fc。

請求項42

以下のアミノ酸配列の対:SEQID NO:5および6;SEQ ID NO:15のアミノ酸1〜118および134〜244;またはSEQ ID NO:34のアミノ酸1〜121および138〜251のうちの1つを含む、請求項41に記載のBi-Fc。

請求項43

第1のポリペプチド鎖中のFcポリペプチド鎖が、ヘテロ二量体化改変を含み、第2のポリペプチド鎖中のFcポリペプチド鎖が、別のヘテロ二量体化改変を含む、請求項36〜42のいずれか一項に記載のBi-Fc。

請求項44

第1のポリペプチド鎖中のヘテロ二量体化改変が電荷対置換(charge pair substitution)であり、第2のポリペプチド鎖中のヘテロ二量体化改変が電荷対置換である、請求項43に記載のBi-Fc。

請求項45

第1のポリペプチド鎖が、電荷対置換R409D、R409E、K409D、もしくはK409Eと、N392D、N392E、K392D、もしくはK392Eとを含み、かつ第2のポリペプチド鎖が、電荷対置換D399KもしくはD399Rと、E356K、E356E、D356K、もしくはD356Rとを含むか;または第2のポリペプチド鎖が、電荷対置換R409D、R409E、K409D、もしくはK409Eと、N392D、N392E、K392D、もしくはK392Eとを含み、かつ第1のポリペプチド鎖が、電荷対置換D399KもしくはD399Rと、E356K、E356E、D356K、もしくはD356Rとを含む、請求項44に記載のBi-Fc。

請求項46

第1および第2のポリペプチド鎖のFcポリペプチド鎖が、L234A、L235A、およびN297における任意の置換からなる群より選択される、FcγRの結合を阻害する1つまたは複数の改変を含む、請求項36〜45のいずれか一項に記載のBi-Fc。

請求項47

Fcポリペプチド鎖が、各Fcポリペプチド鎖の位置384と385との間にSEQID NO:36〜47のいずれかのアミノ酸配列の挿入を含み、位置384および385が、EUナンバリング方式に従って割り当てられた位置である、請求項36〜46のいずれか一項に記載のBi-Fc。

請求項48

請求項31(a)に記載のBi-Fcである、請求項36〜47のいずれか一項に記載のBi-Fc。

請求項49

請求項31(b)に記載のBi-Fcである、請求項36〜47のいずれか一項に記載のBi-Fc。

請求項50

V1およびV2が、IgGおよび/またはscFv抗体の一部である場合に、それらが標的細胞に結合し、V3およびV4が、IgGおよび/またはscFv抗体の一部である場合に、それらが免疫エフェクター細胞に結合する、請求項1〜49のいずれか一項に記載のBi-Fc。

請求項51

V1およびV2が、IgGおよび/またはscFv抗体の一部である場合に、それらが免疫エフェクター細胞に結合し、V3およびV4が、IgGおよび/またはscFv抗体の一部である場合に、それらが標的細胞に結合する、請求項1〜49のいずれか一項に記載のBi-Fc。

請求項52

Fcポリペプチド鎖が、ヒトIgG1 Fcポリペプチド鎖である、請求項1〜51のいずれか一項に記載のBi-Fc。

請求項53

Fcポリペプチド鎖が、ヒトIgG2 Fcポリペプチド鎖である、請求項1〜51のいずれか一項に記載のBi-Fc。

請求項54

Fcポリペプチド鎖が、ヒトIgG4 Fcポリペプチド鎖である、請求項1〜51のいずれか一項に記載のBi-Fc。

請求項55

(i)次式:V1-L1-V2-L2-V3-L3-V4-L4-Fcを有する第1のポリペプチド鎖であって、式中、FcはヒトIgGFcポリペプチド鎖であり、V1、V2、V3、およびV4は、それぞれ、異なるアミノ酸配列を有する免疫グロブリン可変領域であり、L1、L2、L3、およびL4はリンカーであり、かつ、L2および/またはL4は存在してもよいし、または存在しなくてもよい、第1のポリペプチド鎖;ならびに(ii)ヒトIgG Fcポリペプチド鎖を含む第2のポリペプチド鎖を含む、Bi-Fcであって、Bi-Fcが、標的細胞および免疫エフェクター細胞に結合し、かつ/または免疫エフェクター細胞による標的細胞の細胞溶解を媒介し、L1およびL3が、少なくとも15アミノ酸長であり、L2が、存在するならば、12アミノ酸長未満であり、V1およびV3がVH領域であり、V2およびV4がVL領域であり、第1および第2のポリペプチド鎖のそれぞれのFcポリペプチド鎖が、ヘテロ二量体化改変を含有し、Bi-Fcが、(1)それぞれSEQID NO:48、SEQ ID NO:49、およびSEQ ID NO:50のアミノ酸配列を含むCDR1、CDR2、およびCDR3を含むVH領域、ならびにそれぞれSEQ ID NO:51、SEQ ID NO:52、およびSEQ ID NO:53のアミノ酸配列を含むCDR1、CDR2およびCDR3を含むVL領域、または(2)それぞれSEQ ID NO:54、SEQ ID NO:55、およびSEQ ID NO:56のアミノ酸配列を含むCDR1、CDR2、およびCDR3を含むVH領域、ならびにそれぞれSEQ ID NO:57、SEQ ID NO:58、およびSEQ ID NO:59のアミノ酸配列を含むCDR1、CDR2、およびCDR3を含むVL領域を含み、第1のポリペプチド鎖が、電荷対置換K409D、K409E、R409D、もしくはR409Eと、K392D、K392E、N392D、もしくはN392Eとを含み、かつ第2のポリペプチド鎖が、電荷対置換D399KもしくはD399Rと、D356K、D356R、E356K、もしくはE356Rとを含むか;または第2のポリペプチド鎖が、電荷対置換K409D、K409E、R409D、もしくはR409Eと、K392D、K392E、N392D、もしくはN392Eとを含み、かつ第1のポリペプチド鎖が、電荷対置換D399KもしくはD399Rと、D356K、D356R、E356K、もしくはE356Rとを含む、Bi-Fc。

請求項56

(a)次式:V1-L1-V2-L2-V3-L3-V4-L4-Fcを有するアミノ酸配列を含むポリペプチド鎖であって、式中、FcはヒトIgGFcポリペプチド鎖であり;V1およびV3はVH領域であり、V2およびV4はVL領域であり;L1、L2、L3、およびL4はリンカーであり;かつ、L2および/もしくはL4は存在してもよいし、もしくは存在しなくてもよい、ポリペプチド鎖;または(b)次式:Fc-L4-V1-L1-V2-L2-V3-L3-V4を有するアミノ酸配列を含むポリペプチド鎖であって、式中、FcはヒトIgG Fcポリペプチド鎖であり;V1およびV3はVH領域であり、V2およびV4はVL領域であり;L1、L2、L3、およびL4はリンカーであり;かつ、L2および/もしくはL4は存在してもよいし、もしくは存在しなくてもよい、ポリペプチド鎖を含む、Bi-Fcであって、Bi-Fcが、標的細胞および免疫エフェクター細胞に結合し、かつ/または免疫エフェクター細胞による標的細胞の細胞溶解を媒介し、V1およびV2が、IgGおよび/またはscFv抗体の一部である場合に、それらががん細胞抗原に結合し、V3およびV4が、IgGおよび/またはscFv抗体の一部である場合に、それらがヒトCD3εに結合することができ、V3が、SEQID NO:7または29と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含み、同一性領域が少なくとも80アミノ酸長であり、V4が、SEQ ID NO:8または31と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含み、同一性領域が少なくとも80アミノ酸長であり、Bi-Fcが単量体である、Bi-Fc。

請求項57

V3が、SEQID NO:7または29のアミノ酸配列を含み、V4が、SEQ ID NO:8または31のアミノ酸配列を含む、請求項55または56に記載のBi-Fc。

請求項58

標的細胞ががん細胞である、請求項1〜57のいずれか一項に記載のBi-Fc。

請求項59

がん細胞が、血液悪性腫瘍または固形悪性腫瘍由来である、請求項58に記載のBi-Fc。

請求項60

標的細胞が、病原体に感染している細胞である、請求項1〜18、36〜38および55〜57のいずれか一項に記載のBi-Fc。

請求項61

病原体が、ヒト免疫不全ウイルス肝炎ウイルスヒトパピローマウイルス、もしくはサイトメガロウイルスを含むウイルス、またはリステリア(Listeria)属、ミコバクテリウム(Mycobacterium)属、スタフィロコッカス(Staphylococcus)属、もしくはストレプトコッカス(Streptococcus)属の細菌である、請求項60に記載のBi-Fc。

請求項62

標的細胞が、疾患を媒介する細胞である、請求項1〜18、36〜38および55〜57のいずれか一項に記載のBi-Fc。

請求項63

標的細胞が、線維性疾患を媒介する線維細胞である、請求項62に記載のBi-Fc。

請求項64

請求項1〜63のいずれか一項に記載のBi-Fcおよび生理学的に許容される賦形剤を含む、薬学的製剤

請求項65

請求項1〜63のいずれか一項に記載のBi-Fcをコードする、1種または複数種核酸

請求項66

請求項65に記載の核酸を含む、1種または複数種のベクター

請求項67

請求項65に記載の核酸および/または請求項66に記載のベクターを含有する、宿主細胞

請求項68

核酸が発現されるような条件下で請求項67に記載の宿主細胞を培養する段階、および細胞集団または培地からBi-Fcを回収する段階を含む、Bi-Fcを作製する方法。

請求項69

がん患者に請求項1〜59のいずれか一項に記載のBi-Fcの治療効用量を投与する段階を含む、該患者を処置するための方法。

請求項70

Bi-Fcの投与の前、投与の後、または投与と同時に、放射線化学療法剤、または非化学療法的抗腫瘍剤を投与する段階をさらに含む、請求項69に記載の方法。

請求項71

患者が血液悪性腫瘍または固形悪性腫瘍を有する、請求項69または70に記載の方法。

請求項72

線維性疾患を有する患者に請求項63に記載のBi-Fcの治療有効用量を投与する段階を含む、該患者を処置するための方法。

請求項73

線維性疾患が、アテローム動脈硬化症慢性閉塞性肺疾患COPD)、肝硬変強皮症腎臓移植線維症腎臓同種移植腎症、または特発性肺線維症を含む肺線維症である、請求項72に記載の方法。

請求項74

病原体によって媒介される疾患を有する患者に請求項60に記載のBi-Fcの治療有効用量を投与する段階を含む、該患者を処置するための方法。

請求項75

病原体が、ウイルス、細菌、または原生動物である、請求項74に記載の方法。

請求項76

請求項1〜59のいずれか一項に記載のBi-Fcを含む、がんの処置のための薬学的組成物

請求項77

請求項60に記載のBi-Fcを含む、感染症の処置のための薬学的組成物。

請求項78

請求項1〜18、36〜38、および55〜57のいずれか一項に記載のBi-Fcを含む、自己免疫疾患または炎症性疾患の処置のための薬学的組成物。

請求項79

請求項63に記載のBi-Fcを含む、線維性疾患の処置のための薬学的組成物。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、2013年3月15日出願の米国特許仮出願第61/791,424号の恩典を主張し、その内容の全体が参照により本明細書に組み入れられる。

0002

分野
本発明は、タンパク質工学の分野に属する。

背景技術

0003

背景
二重特異性抗体は、多様な適応症における治療剤として有望である。標準的なIgG構成を有する二重特異性抗体は、4つの異なるポリペプチド鎖を含むので、生産が難しい場合がある。より小さな、生産がより容易な二重特異性分子の有効性は、非ホジキンリンパ腫において臨床的に実証されている。例えばBargou et al. (2008), Science 321(5891): 974-977(非特許文献1)を参照されたい。この小さな単鎖分子インビボ半減期が短いので、これらの結果を達成するために、連続静脈内注入による長期投与が用いられた。同上。したがって、当技術分野において、類似の治療有効性を保持し、生産が簡単である構成を有し、かつより長い半減期を含む好都合薬物動態特性を有する二重特異性治療剤の必要性がある。

先行技術

0004

Bargou et al. (2008), Science 321(5891): 974-977

0005

概要
本明細書記載の二重特異性Fc(Bi-Fc)は、2種の異なるタンパク質に結合することができ、抗体のFc領域またはその部分を含有する。Bi-Fcは、Fc領域を欠如する二重特異性単鎖分子に比べて好都合な薬物動態特性を有することができる。Bi-Fcによって結合された一方のタンパク質は、T細胞NK細胞好中球、またはマクロファージのような免疫エフェクター細胞上に発現することができ、もう一方のタンパク質は、標的細胞、例えば、がん細胞、病原体に感染している細胞、または線維症を引き起こす線維芽細胞のような疾患を媒介する細胞上に発現することができる。本明細書記載のBi-Fc分子は、標的細胞の存在下での免疫エフェクター細胞の活性化、および/または免疫エフェクター細胞の存在下での標的細胞の死滅を誘発することができる。

0006

一局面では、本明細書において、(a)(i)式:V1-L1-V2-L2-V3-L3-V4-L4-Fcを有する第1のポリペプチド鎖であって、式中、FcはFcポリペプチド鎖であり、V1、V2、V3、およびV4はそれぞれ異なるアミノ酸配列を有する免疫グロブリン可変領域であり、L1、L2、L3、およびL4はリンカーであり、かつ、L2および/もしくはL4は存在してもよいし、もしくは存在しなくてもよい、第1のポリペプチド鎖、ならびに(ii)Fcポリペプチド鎖を含む第2のポリペプチド鎖;または(b)(i)式:Fc-L4-V1-L1-V2-L2-V3-L3-V4を有する第1のポリペプチド鎖であって、式中、FcはFcポリペプチド鎖であり、V1、V2、V3、およびV4はそれぞれ異なるアミノ酸配列を有する免疫グロブリン可変領域であり、L1、L2、L3、およびL4はリンカーであり、かつ、L2および/もしくはL4は存在してもよいし、もしくは存在しなくてもよい、第1のポリペプチド鎖、ならびに(ii)Fcポリペプチド鎖を含む第2のポリペプチド鎖、を含むことができるBi-Fcが提供され;ここで、Bi-Fcは、免疫エフェクター細胞による、標的細胞タンパク質を提示している標的細胞の細胞溶解を媒介し、免疫エフェクター細胞による、標的細胞タンパク質を提示していない細胞の細胞溶解を媒介せず、かつ/または、Bi-Fcは、標的細胞および免疫エフェクター細胞に結合することができる。第1および第2のポリペプチド鎖中のFcポリペプチド鎖は、ヒトIgGFcポリペプチド鎖であり得る。V1は重鎖可変(VH)領域であることができ、V2は軽鎖可変(VL)領域であることができる。代替的な一態様では、V1はVL領域であることができ、V2はVH領域であることができる。V3およびV4は、それぞれVH領域およびVL領域であることができ、またはV3およびV4は、それぞれVL領域およびVH領域であることができる。L1およびL3は、少なくとも15アミノ酸長であることができ、L2は、存在する場合、12アミノ酸長未満であることができる。V1およびV2がIgGおよび/またはscFv抗体の一部である場合、それらは標的細胞または免疫エフェクター細胞に結合することができ、V3およびV4がIgGおよび/またはscFv抗体の一部である場合、それらは標的細胞または免疫エフェクター細胞に結合することができる。第1のポリペプチド鎖中のFcポリペプチド鎖は、ヘテロ二量体化改変を含むことができ、第2のポリペプチド鎖中のFcポリペプチド鎖は、別のヘテロ二量体化改変を含むことができる。第1のポリペプチド鎖内のヘテロ二量体化改変は、電荷対置換(charge pair substitution)であることができ、第2のポリペプチド鎖中のヘテロ二量体化改変は、電荷対置換であることができる。第1のポリペプチド鎖は、電荷対置換R409D、R409E、K409D、もしくはK409Eと、N392D、N392E、K392DもしくはK392Eとを含むことができ、かつ第2のポリペプチド鎖は、電荷対置換D399KもしくはD399Rと、E356K、E356R、D356K、もしくはD356Rとを含むことができるか;または第2のポリペプチド鎖は、電荷対置換R409D、R409E、K409D、もしくはK409Eと、N392D、N392E、K392DもしくはK392Eとを含むことができ、かつ第1のポリペプチド鎖は、電荷対置換D399KもしくはD399Rと、E356K、E356R、D356K、もしくはD356Rとを含むことができる。第1および第2のポリペプチド鎖のFcポリペプチド鎖は、IgG1 Fcポリペプチド鎖、IgG2 Fcポリペプチド鎖、IgG3 Fcポリペプチド鎖、またはIgG4 Fcポリペプチド鎖のようなヒトIgG Fcポリペプチド鎖であることができる。第1および第2のポリペプチド鎖のFcポリペプチド鎖は、Fcγ受容体(FcγR)の結合を阻害するまたはADCCを増強する1つまたは複数の改変を含むことができる。第1および第2のポリペプチド鎖のFcポリペプチド鎖は、例えば、L234A、L235A、およびN297における任意の置換を含む。

0007

さらなる一局面では、本明細書において、(i)次式:V1-L1-V2-L2-V3-L3-V4-L4-Fcを有する第1のポリペプチド鎖であって、式中、FcはFcポリペプチド鎖であり、V1、V2、V3、およびV4はそれぞれ異なるアミノ酸配列を有する免疫グロブリン可変領域であり、L1、L2、L3、およびL4はリンカーであり、かつ、L2および/もしくはL4は存在してもよいし、もしくは存在しなくてもよい、第1のポリペプチド鎖;ならびに(ii)Fcポリペプチド鎖を含む第2のポリペプチド鎖、を含むことができるBi-Fcが記載され;ここで、L1およびL3は、少なくとも15アミノ酸長であり、L2は、12アミノ酸長未満であり;V1はVH領域でありかつV2はVL領域であるか、またはV1はVL領域でありかつV2はVH領域であり;V3はVH領域でありかつV4はVL領域であるか、またはV3はVL領域でありかつV4はVH領域であり;第1および第2のポリペプチド鎖のそれぞれのFcポリペプチド鎖は、それぞれヘテロ二量体化改変を含有し;Bi-Fcは、免疫エフェクター細胞による、標的細胞タンパク質を提示している標的細胞の細胞溶解を媒介し、免疫エフェクター細胞による、標的細胞タンパク質を提示していない細胞の細胞溶解を媒介せず、かつ/またはBi-Fcは、標的細胞および免疫エフェクター細胞に結合することができる。Fcポリペプチド鎖は、IgG1 Fcポリペプチド鎖、IgG2 Fcポリペプチド鎖、IgG3 Fcポリペプチド鎖、またはIgG4 Fcポリペプチド鎖のようなヒトIgG Fcポリペプチド鎖であることができる。第1および第2のポリペプチド鎖のFcポリペプチド鎖は、L234A、L235A、およびN297における任意の置換のうちの1つまたは複数のような、FcγRの結合を阻害する1つまたは複数の改変を含むことができる。

0008

さらなる一局面では、Bi-Fcは、(a)式:V1-L1-V2-L2-V3-L3-V4-L4-Fcを有する第1のポリペプチド鎖であって、式中、FcはFcポリペプチド鎖であり、V1、V2、V3、およびV4はそれぞれ異なるアミノ酸配列を有する免疫グロブリン可変領域であり、L1、L2、L3、およびL4はリンカーであり、かつ、L2および/もしくはL4は存在してもよいし、もしくは存在しなくてもよい、第1のポリペプチド鎖;または(b)次式:Fc-L4-V1-L1-V2-L2-V3-L3-V4を有する第1のポリペプチド鎖であって、式中、FcはFcポリペプチド鎖であり、V1、V2、V3、およびV4はそれぞれ異なるアミノ酸配列を有する免疫グロブリン可変領域であり、L1、L2、L3、およびL4はリンカーであり、かつ、L2および/もしくはL4は存在してもよいし、もしくは存在しなくてもよい、第1のポリペプチド鎖を含むことができ;ここで、Bi-Fcは単量体であり;Bi-Fcは、免疫エフェクター細胞による、標的細胞タンパク質を提示している標的細胞の細胞溶解を媒介し、免疫エフェクター細胞による、標的細胞タンパク質を提示していない細胞の細胞溶解を媒介せず、かつ/またはBi-Fcは、標的細胞および免疫エフェクター細胞に結合することができる。Fcポリペプチド鎖は、IgG1 Fcポリペプチド鎖、IgG2 Fcポリペプチド鎖、IgG3 Fcポリペプチド鎖、またはIgG4 Fcポリペプチド鎖のようなヒトIgG Fcポリペプチド鎖であることができる。(a)または(b)のFcポリペプチド鎖は、以下の改変:K392D、K392E、N392D、N392E、R409E、R409E、K409D、K409E、Y349T、L351T、L368T、L398T、F405T、Y407T、Y407R、D399K、D399R、D356K、および/またはD356Rの1つまたは複数を含むことができる。(a)または(b)のFcポリペプチド鎖は、L234A、L235A、およびN297における任意の置換のうちの1つまたは複数のような、FcγRの結合を阻害する1つまたは複数の改変を含むことができる。

0009

本明細書記載の任意のBi-Fcの免疫エフェクター細胞は、ヒトT細胞および/またはカニクイザルT細胞であることができる。本明細書記載の任意のBi-Fcのエフェクター細胞タンパク質は、ヒトおよび/またはカニクイザルTCR-CD3複合体の一部であることができる。本明細書記載の任意のBi-Fcのエフェクター細胞タンパク質は、ヒトおよび/またはカニクイザルのTCRα、TCRβ、TCRγ、TCRδ、CD3β鎖、CD3γ鎖、CD3δ鎖、CD3ε鎖、またはCD3ζ鎖であることができる。いくつかの態様では、エフェクター細胞タンパク質はCD3εである。そのような態様では、Bi-Fcの1つのVH領域は、SEQID NO:48のアミノ酸配列を有するCDR1、SEQ ID NO:49のアミノ酸配列を有するCDR2、およびSEQ ID NO:50のアミノ酸配列を有するCDR3を有することができ、Bi-Fcの1つのVL領域は、SEQ ID NO:51のアミノ酸配列を有するCDR1、SEQ ID NO:52のアミノ酸配列を有するCDR2、およびSEQ ID NO:53のアミノ酸配列を有するCDR3を有することができる。別のそのような態様では、Bi-Fcの1つのVH領域は、SEQ ID NO:54のアミノ酸配列を有するCDR1、SEQ ID NO:55のアミノ酸配列を有するCDR2、およびSEQ ID NO:56のアミノ酸配列を有するCDR3を有することができ、Bi-Fcの1つのVL領域は、SEQ ID NO:57のアミノ酸配列を有するCDR1、SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を有するCDR2、およびSEQ ID NO:59のアミノ酸配列を有するCDR3を有することができる。

0010

エフェクター細胞タンパク質がCD3ε鎖ならば、Bi-Fcは、それぞれSEQID NO:7および8のアミノ酸配列を含む、またはそれぞれSEQ ID NO:29および31のアミノ酸配列を含む、VH領域およびVLを含むことができる。あるいは、そのようなBi-Fcは、SEQ ID NO:7またはSEQ ID NO:29と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むVH領域、およびSEQ ID NO:8またはSEQ ID NO:31と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むVL領域を含むことができ、ここで、同一性領域は、少なくとも50、60、70、80、90、または100アミノ酸長である。

0011

任意のBi-Fcの標的細胞は、がん細胞、病原体に感染している細胞、または疾患を媒介する細胞であることができる。標的細胞ががん細胞ならば、がんは、血液悪性腫瘍または固形悪性腫瘍であり得る。標的細胞ががん細胞ならば、Bi-Fcは、数ある中でもとりわけ、上皮成長因子受容体(EGFR)、EGFRvIII(突然変異型EGFR)、黒色腫関連コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(MCSP)、メソテリン(MSLN)、葉酸受容体1(FOLR1)、CD133、CDH19、およびヒト上皮成長因子2(HER2)のようながん細胞抗原に結合することができる。標的細胞が病原体に感染している細胞ならば、病原体は、ヒト免疫不全ウイルス肝炎ウイルスヒトパピローマウイルス、もしくはサイトメガロウイルスを含むウイルス、またはリステリア(Listeria)属、ミコバクテリウム(Mycobacterium)属、スタフィロコッカス(Staphylococcus)属、もしくはストレプトコッカス(Streptococcus)属の細菌であり得る。標的細胞が疾患を媒介する細胞ならば、標的細胞は、線維性疾患、または自己免疫疾患もしくは炎症性疾患を媒介する細胞であり得る。

0012

本明細書において、本明細書記載の任意のBi-Fc分子および生理学的に許容される賦形剤を含む薬学的製剤が提供される。

0013

さらに本明細書において、本明細書記載の任意のBi-Fcをコードする核酸およびそのような核酸を含有するベクター、ならびにそのような核酸および/またはベクターを含有する宿主細胞が提供される。別の局面では、本明細書において、核酸またはベクターを含有する宿主細胞を、該核酸が発現されるような条件下で培養する段階、および細胞集団または培地からBi-Fcを回収する段階を含む、Bi-Fcを作製するための方法が記載される。

0014

別の局面では、本明細書において、がん患者処置するための方法であって、該患者に治療有効用量の本明細書記載の任意のBi-Fc分子を投与する段階を含み、Bi-Fcの標的細胞ががん細胞である、方法が提供される。この方法は、さらに、Bi-Fcの投与の前、投与の後、または投与と同時に、放射線化学療法剤または非化学療法的抗腫瘍剤を投与する段階を含むことができる。患者は、血液悪性腫瘍または固形悪性腫瘍を有し得る。

0015

さらなる一態様では、本明細書において、線維性疾患を有する患者を処置するための方法であって、該患者に治療有効用量の本明細書記載の任意のBi-Fc分子を投与する段階を含み、Bi-Fcの標的細胞が線維細胞である、方法が記載される。Bi-Fcは、疾患を処置するために使用される他の治療剤の投与と同時、投与の前、または投与の後に投与することができる。線維性疾患は、アテローム動脈硬化症慢性閉塞性肺疾患COPD)、肝硬変強皮症腎臓移植線維症、腎臓同種移植腎症、または特発性肺線維症を含む肺線維症であり得る。

0016

なお別の局面では、本明細書において、病原体によって媒介される疾患を有する患者を処置するための方法であって、該患者に治療有効量の本明細書記載の任意のBi-Fc分子を投与する段階を含む、方法が記載される。病原体は、ウイルス、細菌、または原生動物であり得る。Bi-Fcは、病原体が媒介する疾患を処置するために使用される他の治療剤の投与と同時、投与の前、または投与の後に投与することができる。

0017

本明細書において、本明細書記載の任意のBi-Fc分子に加えて生理学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物も提供される。そのような組成物は、がん、感染症、自己免疫疾患もしくは炎症性疾患、または線維性疾患の処置のためのものであり得る。
[本発明1001]
(a)次式:V1-L1-V2-L2-V3-L3-V4-L4-Fcを有するアミノ酸配列を含むポリペプチド鎖であって、式中、FcはヒトIgGFcポリペプチド鎖であり;V1、V2、V3、およびV4のうちの2つは免疫グロブリン重鎖可変(VH)領域であり、その他の2つは免疫グロブリン軽鎖可変(VL)領域であり;L1、L2、L3、およびL4はリンカーであり;かつ、L2および/もしくはL4は存在してもよいし、もしくは存在しなくてもよい、ポリペプチド鎖;または
(b)次式:Fc-L4-V1-L1-V2-L2-V3-L3-V4を有するアミノ酸配列を含むポリペプチド鎖であって、式中、FcはヒトIgG Fcポリペプチド鎖であり;V1、V2、V3、およびV4のうちの2つはVH領域であり、その他の2つはVL領域であり;L1、L2、L3、およびL4はリンカーであり;かつ、L2および/もしくはL4は存在してもよいし、もしくは存在しなくてもよい、ポリペプチド鎖
を含む、Bi-Fcであって、
標的細胞および免疫エフェクター細胞に結合し、かつ/または免疫エフェクター細胞による標的細胞の細胞溶解を媒介し、ならびに
単量体である、
Bi-Fc。
[本発明1002]
(a)または(b)のFcポリペプチド鎖が、以下の改変:K392D、K392E、N392D、N392E、R409D、R409E、K409D、K409E、D399K、D399R、E356R、E356K、D356R、D356K、Y349T、L351T、L368T、L398T、F405T、Y407T、およびY407Rの1つまたは複数を含む、本発明1001のBi-Fc。
[本発明1003]
(a)または(b)のFcポリペプチド鎖が、IgG1 Fcポリペプチド鎖、IgG2 Fcポリペプチド鎖、またはIgG4 Fcポリペプチド鎖であり、改変K392D、K409D、およびY349Tを含む、本発明1002のBi-Fc。
[本発明1004]
(a)または(b)のポリペプチド鎖のFcポリペプチド鎖が、改変L234Aおよび/またはL235Aを含む、本発明1001、1002または1003のBi-Fc。
[本発明1005]
本発明1001(a)のBi-Fcである、本発明1001〜1004のいずれかのBi-Fc。
[本発明1006]
本発明1001(b)のBi-Fcである、本発明1001〜1004のいずれかのBi-Fc。
[本発明1007]
免疫エフェクター細胞が、ヒトT細胞および/またはカニクイザルT細胞である、本発明1001〜1006のいずれかのBi-Fc。
[本発明1008]
エフェクター細胞タンパク質が、ヒトおよび/またはカニクイザルT細胞受容体(TCR)-CD3複合体の一部である、本発明1007のBi-Fc。
[本発明1009]
エフェクター細胞タンパク質が、ヒトおよび/またはカニクイザルTCRα、TCRβ、TCRγ、TCRδ、CD3β、CD3γ、CD3δ、CD3ε、またはCD3ζである、本発明1007または1008のBi-Fc。
[本発明1010]
エフェクター細胞タンパク質がヒトまたはカニクイザルCD3εである、本発明1009のBi-Fc。
[本発明1011]
アラニンスキャニングによって測定されたとき、ヒトまたはカニクイザルCD3εの最初の27個のアミノ酸内のアミノ酸配列に結合する、本発明1010のBi-Fc。
[本発明1012]
アラニンスキャニングによって測定されたとき、Bi-Fcが結合するアミノ酸配列が、Gln-Asp-Gly-Asn-Glu(SEQID NO:24)を含む、本発明1011のBi-Fc。
[本発明1013]
SEQ ID NO:48のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1;
SEQ ID NO:49のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2;
SEQ ID NO:50のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3;
SEQ ID NO:51のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1;
SEQ ID NO:52のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2;および
SEQ ID NO:53のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3
を含む、本発明1010のBi-Fc。
[本発明1014]
SEQ ID NO:54のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1;
SEQ ID NO:55のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2;
SEQ ID NO:56のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3;
SEQ ID NO:57のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1;
SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2;および
SEQ ID NO:59のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3
を含む、本発明1010のBi-Fc。
[本発明1015]
SEQ ID NO:7と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むVH領域、およびSEQ ID NO:8と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むVL領域を含む、Bi-Fcであって、同一性領域が少なくとも80アミノ酸長である、本発明1010または1013のBi-Fc。
[本発明1016]
SEQ ID NO:7およびSEQ ID NO:8のアミノ酸配列を含む、本発明1015のBi-Fc。
[本発明1017]
SEQ ID NO:29と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むVH領域、およびSEQ ID NO:31と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むVL領域を含む、Bi-Fcであって、同一性領域が少なくとも80アミノ酸長である、本発明1010または1014のBi-Fc。
[本発明1018]
SEQ ID NO:29およびSEQ ID NO:31のアミノ酸配列を含む、本発明1017のBi-Fc。
[本発明1019]
ヒトHER2を発現している細胞に結合する、本発明1001〜1018のいずれかのBi-Fc。
[本発明1020]
SEQ ID NO:60のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1;
SEQ ID NO:61のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2;
SEQ ID NO:62のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3;
SEQ ID NO:63のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1;
SEQ ID NO:64のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2;および
SEQ ID NO:65のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3
を含む、本発明1019のBi-Fc。
[本発明1021]
SEQ ID NO:5と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むVH領域、およびSEQ ID NO:6と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むVL領域を含む、Bi-Fcであって、同一性領域が少なくとも80アミノ酸長である、本発明1019または1020のBi-Fc。
[本発明1022]
SEQ ID NO:5およびSEQ ID NO:6のアミノ酸配列を含む、本発明1021のBi-Fc。
[本発明1023]
ヒトFOLR1を発現している細胞に結合する、本発明1001〜1018のいずれかのBi-Fc。
[本発明1024]
SEQ ID NO:66のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1;
SEQ ID NO:67のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2;
SEQ ID NO:68のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3;
SEQ ID NO:69のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1;
SEQ ID NO:70のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2;および
SEQ ID NO:71のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3
を含む、本発明1023のBi-Fc。
[本発明1025]
SEQ ID NO:15のアミノ酸1〜118と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むVH領域、およびSEQ ID NO:15のアミノ酸134〜244と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むVL領域を含む、Bi-Fcであって、同一性領域が少なくとも80アミノ酸長である、本発明1023または1024のBi-Fc。
[本発明1026]
SEQ ID NO:15のアミノ酸1〜118および134〜244のアミノ酸配列を含む、本発明1025のBi-Fc。
[本発明1027]
ヒトCD33を発現している細胞に結合する、本発明1001〜1018のいずれかのBi-Fc。
[本発明1028]
SEQ ID NO:72のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1;
SEQ ID NO:73のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2;
SEQ ID NO:74のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3;
SEQ ID NO:75のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1;
SEQ ID NO:76のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2;および
SEQ ID NO:77のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3
を含む、本発明1027のBi-Fc。
[本発明1029]
SEQ ID NO:34のアミノ酸1〜121または1〜122と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むVH領域、およびSEQ ID NO:34のアミノ酸138〜251と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むVL領域を含む、Bi-Fcであって、同一性領域が少なくとも80アミノ酸長である、本発明1027または1028のBi-Fc。
[本発明1030]
SEQ ID NO:34のアミノ酸1〜121および138〜251のアミノ酸配列を含む、本発明1029のBi-Fc。
[本発明1031]
Bi-FcのFcポリペプチド鎖が、位置384と385との間にSEQ ID NO:36〜47のいずれかのアミノ酸配列の挿入を含み、これらの位置番号が、EUナンバリング方式に従って割り当てられる、本発明1001〜1030のいずれかのBi-Fc。
[本発明1032]
L2が存在し、L2が約12アミノ酸長以下である、本発明1001〜1031のいずれかのBi-Fc。
[本発明1033]
L1およびL3が、それぞれ少なくとも約14アミノ酸長である、本発明1001〜1032のいずれかのBi-Fc。
[本発明1034]
L1およびL3が、それぞれ少なくとも約15アミノ酸長である、本発明1033のBi-Fc。
[本発明1035]
V1がVH領域でありかつV2がVL領域であるか、またはその逆であり、
V3がVH領域でありかつV4がVL領域であるか、またはその逆である、
本発明1001〜1034のいずれかのBi-Fc。
[本発明1036]
(a)(i)次式:V1-L1-V2-L2-V3-L3-V4-L4-Fcを有するアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖であって、式中、FcはヒトIgG Fcポリペプチド鎖であり;V1、V2、V3、およびV4はそれぞれ免疫グロブリン可変領域であり;L1、L2、L3、およびL4はリンカーであり;かつ、L2および/もしくはL4は存在してもよいし、もしくは存在しなくてもよい、第1のポリペプチド鎖;ならびに
(ii)ヒトIgG Fcポリペプチド鎖を含む第2のポリペプチド鎖;または
(b)(i)次式:Fc-L4-V1-L1-V2-L2-V3-L3-V4を有する第1のポリペプチド鎖であって、式中、FcはヒトIgG Fcポリペプチド鎖であり;V1、V2、V3、およびV4はそれぞれ免疫グロブリン可変領域であり;L1、L2、L3、およびL4はリンカーであり;かつ、L2および/もしくはL4は存在してもよいし、もしくは存在しなくてもよい、第1のポリペプチド鎖;ならびに
(ii)ヒトIgG Fcポリペプチド鎖を含む第2のポリペプチド鎖
を含む、Bi-Fcであって、
Bi-Fcが、標的細胞および免疫エフェクター細胞に結合し、かつ/または免疫エフェクター細胞による標的細胞の細胞溶解を媒介し、
L1およびL3が、少なくとも15アミノ酸長であり、
L2が、存在するならば、12アミノ酸長未満であり、
V1がVH領域でありかつV2がVL領域であるか、またはその逆であり、
V3がVH領域でありかつV4がVL領域であるか、またはその逆であり、
Bi-Fcが、ヒトCD3εに結合し、
Bi-Fcが、(1)それぞれSEQ ID NO:48、SEQ ID NO:49、およびSEQ ID NO:50のアミノ酸配列を含むCDR1、CDR2、およびCDR3を含むVH領域、ならびにそれぞれSEQ ID NO:51、SEQ ID NO:52、およびSEQ ID NO:53のアミノ酸配列を含むCDR1、CDR2、およびCDR3を含むVL領域、または(2)それぞれSEQ ID NO:54、SEQ ID NO:55、およびSEQ ID NO:56のアミノ酸配列を含むCDR1、CDR2、およびCDR3を含むVH領域、ならびにそれぞれSEQ ID NO:57、SEQ ID NO:58、およびSEQ ID NO:59のアミノ酸配列を含むCDR1、CDR2、およびCDR3を含むVL領域を含む、
Bi-Fc。
[本発明1037]
SEQ ID NO:7またはSEQ ID NO:29と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むVH領域、およびSEQ ID NO:8またはSEQ ID NO:31と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むVL領域を含む、本発明1036のBi-Fc。
[本発明1038]
SEQ ID NO:7またはSEQ ID NO:29のアミノ酸配列を含むVH領域、およびSEQ ID NO:8またはSEQ ID NO:31のアミノ酸配列を含むVL領域を含む、本発明1037のBi-Fc。
[本発明1039]
ヒトCD33、ヒトFOLR1、またはヒトHER2を発現している細胞に結合する、本発明1036〜1038のいずれかのBi-Fc。
[本発明1040]
(a)SEQ ID NO:60のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、
SEQ ID NO:61のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、
SEQ ID NO:62のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、
SEQ ID NO:63のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、
SEQ ID NO:64のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、および
SEQ ID NO:65のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3;
(b)SEQ ID NO:66のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、
SEQ ID NO:67のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、
SEQ ID NO:68のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、
SEQ ID NO:69のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、
SEQ ID NO:70のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、および
SEQ ID NO:71のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3;または
(c)SEQ ID NO:72のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、
SEQ ID NO:73のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、
SEQ ID NO:74のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、
SEQ ID NO:75のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、
SEQ ID NO:76のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、および
SEQ ID NO:77のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3
を含む、本発明1039のBi-Fc。
[本発明1041]
SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:15のアミノ酸1〜118、またはSEQ ID NO:34のアミノ酸1〜121と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むVH領域、およびSEQ ID NO:6、SEQ ID NO:15のアミノ酸134〜244、またはSEQ ID NO:34のアミノ酸138〜251と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むVL領域を含む、Bi-Fcであって、同一性領域が少なくとも80アミノ酸長である、本発明1039または1040のBi-Fc。
[本発明1042]
以下のアミノ酸配列の対:SEQ ID NO:5および6;SEQ ID NO:15のアミノ酸1〜118および134〜244;またはSEQ ID NO:34のアミノ酸1〜121および138〜251のうちの1つを含む、本発明1041のBi-Fc。
[本発明1043]
第1のポリペプチド鎖中のFcポリペプチド鎖が、ヘテロ二量体化改変を含み、第2のポリペプチド鎖中のFcポリペプチド鎖が、別のヘテロ二量体化改変を含む、本発明1036〜1042のいずれかのBi-Fc。
[本発明1044]
第1のポリペプチド鎖中のヘテロ二量体化改変が電荷対置換(charge pair substitution)であり、第2のポリペプチド鎖中のヘテロ二量体化改変が電荷対置換である、本発明1043のBi-Fc。
[本発明1045]
第1のポリペプチド鎖が、電荷対置換R409D、R409E、K409D、もしくはK409Eと、N392D、N392E、K392D、もしくはK392Eとを含み、かつ第2のポリペプチド鎖が、電荷対置換D399KもしくはD399Rと、E356K、E356E、D356K、もしくはD356Rとを含むか;または
第2のポリペプチド鎖が、電荷対置換R409D、R409E、K409D、もしくはK409Eと、N392D、N392E、K392D、もしくはK392Eとを含み、かつ第1のポリペプチド鎖が、電荷対置換D399KもしくはD399Rと、E356K、E356E、D356K、もしくはD356Rとを含む、
本発明1044のBi-Fc。
[本発明1046]
第1および第2のポリペプチド鎖のFcポリペプチド鎖が、L234A、L235A、およびN297における任意の置換からなる群より選択される、FcγRの結合を阻害する1つまたは複数の改変を含む、本発明1036〜1045のいずれかのBi-Fc。
[本発明1047]
Fcポリペプチド鎖が、各Fcポリペプチド鎖の位置384と385との間にSEQ ID NO:36〜47のいずれかのアミノ酸配列の挿入を含み、位置384および385が、EUナンバリング方式に従って割り当てられた位置である、本発明1036〜1046のいずれかのBi-Fc。
[本発明1048]
本発明1031(a)のBi-Fcである、本発明1036〜1047のいずれかのBi-Fc。
[本発明1049]
本発明1031(b)のBi-Fcである、本発明1036〜1047のいずれかのBi-Fc。
[本発明1050]
V1およびV2が、IgGおよび/またはscFv抗体の一部である場合に、それらが標的細胞に結合し、V3およびV4が、IgGおよび/またはscFv抗体の一部である場合に、それらが免疫エフェクター細胞に結合する、本発明1001〜1049のいずれかのBi-Fc。
[本発明1051]
V1およびV2が、IgGおよび/またはscFv抗体の一部である場合に、それらが免疫エフェクター細胞に結合し、V3およびV4が、IgGおよび/またはscFv抗体の一部である場合に、それらが標的細胞に結合する、本発明1001〜1049のいずれかのBi-Fc。
[本発明1052]
Fcポリペプチド鎖が、ヒトIgG1 Fcポリペプチド鎖である、本発明1001〜1051のいずれかのBi-Fc。
[本発明1053]
Fcポリペプチド鎖が、ヒトIgG2 Fcポリペプチド鎖である、本発明1001〜1051のいずれかのBi-Fc。
[本発明1054]
Fcポリペプチド鎖が、ヒトIgG4 Fcポリペプチド鎖である、本発明1001〜1051のいずれかのBi-Fc。
[本発明1055]
(i)次式:V1-L1-V2-L2-V3-L3-V4-L4-Fcを有する第1のポリペプチド鎖であって、式中、FcはヒトIgG Fcポリペプチド鎖であり、V1、V2、V3、およびV4は、それぞれ、異なるアミノ酸配列を有する免疫グロブリン可変領域であり、L1、L2、L3、およびL4はリンカーであり、かつ、L2および/またはL4は存在してもよいし、または存在しなくてもよい、第1のポリペプチド鎖;ならびに
(ii)ヒトIgG Fcポリペプチド鎖を含む第2のポリペプチド鎖
を含む、Bi-Fcであって、
Bi-Fcが、標的細胞および免疫エフェクター細胞に結合し、かつ/または免疫エフェクター細胞による標的細胞の細胞溶解を媒介し、
L1およびL3が、少なくとも15アミノ酸長であり、L2が、存在するならば、12アミノ酸長未満であり、
V1およびV3がVH領域であり、V2およびV4がVL領域であり、
第1および第2のポリペプチド鎖のそれぞれのFcポリペプチド鎖が、ヘテロ二量体化改変を含有し、
Bi-Fcが、(1)それぞれSEQ ID NO:48、SEQ ID NO:49、およびSEQ ID NO:50のアミノ酸配列を含むCDR1、CDR2、およびCDR3を含むVH領域、ならびにそれぞれSEQ ID NO:51、SEQ ID NO:52、およびSEQ ID NO:53のアミノ酸配列を含むCDR1、CDR2およびCDR3を含むVL領域、または(2)それぞれSEQ ID NO:54、SEQ ID NO:55、およびSEQ ID NO:56のアミノ酸配列を含むCDR1、CDR2、およびCDR3を含むVH領域、ならびにそれぞれSEQ ID NO:57、SEQ ID NO:58、およびSEQ ID NO:59のアミノ酸配列を含むCDR1、CDR2、およびCDR3を含むVL領域を含み、
第1のポリペプチド鎖が、電荷対置換K409D、K409E、R409D、もしくはR409Eと、K392D、K392E、N392D、もしくはN392Eとを含み、かつ第2のポリペプチド鎖が、電荷対置換D399KもしくはD399Rと、D356K、D356R、E356K、もしくはE356Rとを含むか;または第2のポリペプチド鎖が、電荷対置換K409D、K409E、R409D、もしくはR409Eと、K392D、K392E、N392D、もしくはN392Eとを含み、かつ第1のポリペプチド鎖が、電荷対置換D399KもしくはD399Rと、D356K、D356R、E356K、もしくはE356Rとを含む、
Bi-Fc。
[本発明1056]
(a)次式:V1-L1-V2-L2-V3-L3-V4-L4-Fcを有するアミノ酸配列を含むポリペプチド鎖であって、式中、FcはヒトIgG Fcポリペプチド鎖であり;V1およびV3はVH領域であり、V2およびV4はVL領域であり;L1、L2、L3、およびL4はリンカーであり;かつ、L2および/もしくはL4は存在してもよいし、もしくは存在しなくてもよい、ポリペプチド鎖;または
(b)次式:Fc-L4-V1-L1-V2-L2-V3-L3-V4を有するアミノ酸配列を含むポリペプチド鎖であって、式中、FcはヒトIgG Fcポリペプチド鎖であり;V1およびV3はVH領域であり、V2およびV4はVL領域であり;L1、L2、L3、およびL4はリンカーであり;かつ、L2および/もしくはL4は存在してもよいし、もしくは存在しなくてもよい、ポリペプチド鎖
を含む、Bi-Fcであって、
Bi-Fcが、標的細胞および免疫エフェクター細胞に結合し、かつ/または免疫エフェクター細胞による標的細胞の細胞溶解を媒介し、
V1およびV2が、IgGおよび/またはscFv抗体の一部である場合に、それらががん細胞抗原に結合し、
V3およびV4が、IgGおよび/またはscFv抗体の一部である場合に、それらがヒトCD3εに結合することができ、
V3が、SEQ ID NO:7または29と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含み、同一性領域が少なくとも80アミノ酸長であり、
V4が、SEQ ID NO:8または31と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含み、同一性領域が少なくとも80アミノ酸長であり、
Bi-Fcが単量体である、
Bi-Fc。
[本発明1057]
V3が、SEQ ID NO:7または29のアミノ酸配列を含み、V4が、SEQ ID NO:8または31のアミノ酸配列を含む、本発明1055または1056のBi-Fc。
[本発明1058]
標的細胞ががん細胞である、本発明1001〜1057のいずれかのBi-Fc。
[本発明1059]
がん細胞が、血液悪性腫瘍または固形悪性腫瘍由来である、本発明1058のBi-Fc。
[本発明1060]
標的細胞が、病原体に感染している細胞である、本発明1001〜1018、1036〜1038および1055〜1057のいずれかのBi-Fc。
[本発明1061]
病原体が、ヒト免疫不全ウイルス、肝炎ウイルス、ヒトパピローマウイルス、もしくはサイトメガロウイルスを含むウイルス、またはリステリア(Listeria)属、ミコバクテリウム(Mycobacterium)属、スタフィロコッカス(Staphylococcus)属、もしくはストレプトコッカス(Streptococcus)属の細菌である、本発明1060のBi-Fc。
[本発明1062]
標的細胞が、疾患を媒介する細胞である、本発明1001〜1018、1036〜1038および1055〜1057のいずれかのBi-Fc。
[本発明1063]
標的細胞が、線維性疾患を媒介する線維細胞である、本発明1062のBi-Fc。
[本発明1064]
本発明1001〜1063のいずれかのBi-Fcおよび生理学的に許容される賦形剤を含む、薬学的製剤。
[本発明1065]
本発明1001〜1063のいずれかのBi-Fcをコードする、1種または複数種の核酸。
[本発明1066]
本発明1065の核酸を含む、1種または複数種のベクター。
[本発明1067]
本発明1065の核酸および/または本発明1066のベクターを含有する、宿主細胞。
[本発明1068]
核酸が発現されるような条件下で本発明1067の宿主細胞を培養する段階、および
細胞集団または培地からBi-Fcを回収する段階
を含む、Bi-Fcを作製する方法。
[本発明1069]
がん患者に本発明1001〜1059のいずれかのBi-Fcの治療有効用量を投与する段階を含む、該患者を処置するための方法。
[本発明1070]
Bi-Fcの投与の前、投与の後、または投与と同時に、放射線、化学療法剤、または非化学療法的抗腫瘍剤を投与する段階をさらに含む、本発明1069の方法。
[本発明1071]
患者が血液悪性腫瘍または固形悪性腫瘍を有する、本発明1069または1070の方法。
[本発明1072]
線維性疾患を有する患者に本発明1063のBi-Fcの治療有効用量を投与する段階を含む、該患者を処置するための方法。
[本発明1073]
線維性疾患が、アテローム動脈硬化症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肝硬変、強皮症、腎臓移植線維症、腎臓同種移植腎症、または特発性肺線維症を含む肺線維症である、本発明1072の方法。
[本発明1074]
病原体によって媒介される疾患を有する患者に本発明1060のBi-Fcの治療有効用量を投与する段階を含む、該患者を処置するための方法。
[本発明1075]
病原体が、ウイルス、細菌、または原生動物である、本発明1074の方法。
[本発明1076]
本発明1001〜1059のいずれかのBi-Fcを含む、がんの処置のための薬学的組成物。
[本発明1077]
本発明1060のBi-Fcを含む、感染症の処置のための薬学的組成物。
[本発明1078]
本発明1001〜1018、1036〜1038、および1055〜1057のいずれかのBi-Fcを含む、自己免疫疾患または炎症性疾患の処置のための薬学的組成物。
[本発明1079]
本発明1063のBi-Fcを含む、線維性疾患の処置のための薬学的組成物。

図面の簡単な説明

0018

例示的なヘテロ二量体性Bi-Fc分子および単量体性Bi-Fc分子の略図である。4つの免疫グロブリン可変領域を楕円形で示し、V1、V2、V3、およびV4と表示する。CH2およびCH3領域をそのように表示し、長い六角形として図示する。これらの領域同士をつなぐ線は、リンカーまたはヒンジ領域を示す。例示的なジスルフィド架橋横線で示す。パネルAおよびCはヘテロ二量体性Bi-Fcを、パネルBおよびDは単量体性Be-Fcを示す。
標的細胞および免疫エフェクター細胞へのヘテロ二量体性Bi-Fcの結合を示す図である。方法を実施例2に説明する。平均蛍光強度MFI)をx軸に、細胞数をy軸に示す。白抜きしたプロファイルは、一方の二重特異性分子の非存在下での細胞からのデータを表し、中が黒のプロファイルは、一方の二重特異性分子の存在下での細胞からのデータを表す。図に示すように、左側パネルは、ヘテロ二量体性抗HER2/CD3ε Bi-Fcを含有する試料からのデータを表し、右側パネルは、単鎖抗HER2/CD3εを含有する試料からのデータを表す。上の2つのパネルは、JIMT-1細胞(これは、標的細胞タンパク質HER2を発現する)を含有する試料からのデータを表し、下の2つのパネルは、T細胞(これは、エフェクター細胞タンパク質CD3εを発現する)を含有する試料からのデータを表す。
ヘテロ二量体性抗FOLR1/CD3ε Bi-Fcおよび単鎖抗FOLR1/CD3ε分子の細胞溶解活性を示す図である。方法を実施例3に記載する。各パネルのx軸は、各試料中のBi-Fcまたは単鎖分子の濃度(pM)を示す。各パネルのy軸は、実施例3に記載のように計算された特異的溶解率を示す。破線で結ばれた白丸は、単鎖分子を含有する試料からのデータを示し、実線で結ばれた黒丸は、Bi-Fc分子からのデータを示す。表示のような上、中、および下のパネルは、それぞれCal-51細胞(これは、FOLR1を発現する)、T47D細胞(これは、FOLR1を発現する)、およびBT474細胞(これは、FOLR1を発現しない)からのデータを示す。
ヘテロ二量体性抗HER2/CD3ε Bi-Fcおよび単鎖抗HER2/CD3ε分子の細胞溶解活性を示す図である。方法を実施例3に記載する。各パネルのx軸は、各試料中のBi-Fcまたは単鎖分子の濃度(pM)を示す。各パネルのy軸は、実施例3に記載のように計算された特異的溶解率を示す。破線で結ばれた白丸は、単鎖分子を含有する試料からのデータを示し、実線で結ばれた黒丸は、Bi-Fc分子からのデータを示す。表示のような上、中、下のパネルは、それぞれJIMT-1細胞(これは、HER2を発現する)、T47D細胞(これは、HER2を発現する)、およびSHP77細胞(これは、HER2を発現しない)からのデータを示す。
ヘテロ二量体性抗FOLR1/CD3ε Bi-Fcまたは単鎖分子の存在下でのT細胞によるサイトカイン産生を示す図である。方法を実施例4に記載する。破線で結ばれた白丸は、ヘテロ二量体性抗FOLR1/CD3ε Bi-Fcを含むアッセイからのデータを示し、実線で結ばれた黒丸は、単鎖抗FOLR1/CD3ε分子からのデータを示す。各パネルのx軸は、各アッセイでのBi-Fcまたは単鎖分子の濃度(pM)を示す。y軸は、検出されたサイトカインの濃度および識別を示す(pg/mL)。表示のように、インターフェロンγ(IFNγ、上)、腫瘍壊死因子α(TNFα、中)、およびインターロイキン-10(IL-10、下)についてのデータを示す。表示のように、左側パネルにT47D細胞(これは、FOLR1を発現する)を含有する試料からのデータを示し、右側パネルにBT474細胞(これは、FOLR1を発現しない)を含有する試料からのデータを示す。
ヘテロ二量体性抗FOLR1/CD3ε Bi-Fcまたは単鎖分子の存在下でのT細胞によるサイトカイン産生を示す図である。方法を実施例4に記載する。破線で結ばれた白丸は、ヘテロ二量体性抗FOLR1/CD3ε Bi-Fcを含むアッセイからのデータを示し、実線で結ばれた黒丸は、単鎖抗FOLR1/CD3ε分子からのデータを示す。各パネルのx軸は、各アッセイでのBi-Fcまたは単鎖分子の濃度(pM)を示す。y軸は、検出されたサイトカインの濃度および識別を示す(pg/mL)。表示のように、インターロイキン-2(IL-2、上)およびインターロイキン-13(IL-13、下)についてのデータを示す。表示のように、左側パネルにT47D細胞(これは、FOLR1を発現する)を含有する試料からのデータを示し、右側パネルにBT474細胞(これは、FOLR1を発現しない)を含有する試料からのデータを示す。
抗HER2/CD3εヘテロ二量体性Bi-Fcまたは単鎖分子の存在下でのT細胞によるサイトカイン産生を示す図である。方法を実施例4に記載する。破線で結ばれた白丸は、ヘテロ二量体性抗HER2/CD3ε Bi-Fcを含むアッセイからのデータを示し、実線で結ばれた黒丸は、単鎖抗HER2/CD3ε分子からのデータを示す。各パネルのx軸は、各アッセイでのBi-Fcまたは単鎖分子の濃度(pM)を示す。y軸は、検出されたサイトカインの濃度および識別を示す(pg/mL)。表示のようにIFNγ(上)、TNFα(中)、およびIL-10(下)についてのデータを示す。表示のように、左側パネルに、JIMT-1細胞(これは、HER2を発現する)を含有する試料からのデータを示し、右側パネルに、SHP77細胞(これは、HER2を発現しない)を含有する試料からのデータを示す。
抗HER2/CD3εヘテロ二量体性Bi-Fcまたは単鎖分子の存在下でのT細胞によるサイトカイン産生を示す図である。方法を実施例4に記載する。破線で結ばれた白丸は、ヘテロ二量体性抗HER2/CD3ε Bi-Fcを含むアッセイからのデータを示し、実線で結ばれた黒丸は、単鎖抗HER2/CD3ε分子からのデータを示す。各パネルのx軸は、各アッセイでのBi-Fcまたは単鎖分子の濃度(pM)を示す。y軸は、検出されたサイトカインの濃度および識別を示す(pg/mL)。表示のようにIL-2(上)およびIL-13(下)についてのデータを示す。表示のように、左側パネルに、JIMT-1細胞(これは、HER2を発現する)を含有する試料からのデータを示し、右側パネルに、SHP77細胞(これは、HER2を発現しない)を含有する試料からのデータを示す。
抗HER2/CD3εヘテロ二量体性Bi-Fcまたは単鎖分子の存在下でのCD25+およびCD69+細胞の割合を示す図である。方法を実施例5に記載する。x軸は、抗HER2/CD3ε ヘテロ二量体性Bi-Fcまたは単鎖分子の濃度(pM)を示す。y軸は、CD25+(左パネル)細胞またはCD69+(右パネル)細胞でもあるCD3+T細胞のパーセントを示す。記号の意味は以下の通りである:破線で結ばれた白四角=単鎖分子、JIMT-1標的細胞あり;実線で結ばれた黒逆三角=Bi-Fc分子、JIMT-1標的細胞あり;破線で結ばれた白丸=単鎖分子、JIMT-1標的細胞なし;および実線で結ばれた上向き黒三角=Bi-Fc、JIMT-1標的細胞なし。
マウスにおけるヘテロ二量体性Bi-Fcおよび単鎖二重特異性分子の薬物動態特性を示す図である。方法を実施例6に記載する。上のパネルに、静脈内注射後の薬物動態プロファイルを示し、下のパネルに皮下注射後のプロファイルを示す。実線で結ばれた黒丸は、抗HER2/CD3ε単鎖分子からのデータを、実線で結ばれた星印は、ヘテロ二量体性抗HER2/CD3ε Bi-Fc分子からのデータを示す。
多様な細胞型への抗CD33/CD3ε分子の結合を示す図である。実験手順を実施例8に記載する。点線付き白丸は、単鎖抗CD33/CD3εを含有する培養物からのデータを表し、実線付き黒丸は、単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcを含有する培養物からのデータを表す。表示のように、Molm-13細胞への結合に関するデータを示す。
多様な細胞型への抗CD33/CD3ε分子の結合を示す図である。実験手順を実施例8に記載する。点線付き白丸は、単鎖抗CD33/CD3εを含有する培養物からのデータを表し、実線付き黒丸は、単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcを含有する培養物からのデータを表す。表示のように、Namalwa細胞への結合に関するデータを示す。
多様な細胞型への抗CD33/CD3ε分子の結合を示す図である。実験手順を実施例8に記載する。点線付き白丸は、単鎖抗CD33/CD3εを含有する培養物からのデータを表し、実線付き黒丸は、単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcを含有する培養物からのデータを表す。表示のように、ヒト汎T細胞への結合に関するデータを示す。
多様な細胞型への抗CD33/CD3ε分子の結合を示す図である。実験手順を実施例8に記載する。点線付き白丸は、単鎖抗CD33/CD3εを含有する培養物からのデータを表し、実線付き黒丸は、単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcを含有する培養物からのデータを表す。表示のように、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)への結合に関するデータを示す。
多様な細胞型への抗CD33/CD3ε分子の結合を示す図である。実験手順を実施例8に記載する。点線付き白丸は、単鎖抗CD33/CD3εを含有する培養物からのデータを表し、実線付き黒丸は、単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcを含有する培養物からのデータを表す。表示のように、カニクイザルPBMCへの結合に関するデータを示す。
カニクイザル由来PBMCおよび二重特異性抗CD33/CD3ε分子の存在下での、Namalwa細胞ではなくMolm-13細胞の溶解を示す図である。実験手順を実施例9に記載する。点線付き白丸は、単鎖抗CD33/CD3εを含有する培養物からのデータを表し、実線付き黒丸は、単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcを含有する培養物からのデータを表す。培養物はPBMCと、二重特異性抗CD33/CD3ε分子と、Molm-13細胞(パネルA)またはNamalwa細胞(パネルB)のいずれかとを含有した。
汎T細胞および二重特異性抗CD33/CD3ε分子の存在下での、Namalwa細胞ではなくMolm-13細胞の溶解を示す図である。実験手順を実施例9に記載する。点線付き白丸は、単鎖抗CD33/CD3εを含有する培養物からのデータを表し、実線付き黒丸は、単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcを含有する培養物からのデータを表す。培養物は、汎T細胞と、二重特異性抗CD33/CD3ε分子と、Molm-13細胞(パネルA)またはNamalwa細胞(パネルB)のいずれかとを含有した。
PBMC、および単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcまたは単鎖抗CD33/CD3εのいずれかの存在下でのCD33発現腫瘍細胞の溶解を示す図である。実験手順を実施例10に記載する。グラフは、抗CD33/CD3ε分子およびCD33発現Molm-13細胞と、ヒトPBMC(パネルA)またはカニクイザルPBMC(パネルB)のいずれかとを含有する培養物からのデータを示す。点線付き白丸は、単鎖抗CD33/CD3εを含有する培養物からのデータを表し、実線付き黒丸は、単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcを含有する培養物からのデータを表す。
単量体性抗CD33/CD3ε Bi-FcおよびCD33発現腫瘍細胞の存在下でのPBMCによるインターフェロンγ(IFN-γ)の放出を示す図である。実験手順を実施例10に記載する。グラフは、抗CD33/CD3ε分子と、CD33発現Molm-13細胞と、ヒトPBMC(パネルA)またはカニクイザルPBMC(パネルB)のいずれかとを含有する培養物からのデータを示す。点線付き白丸は、単鎖抗CD33/CD3εを含有する培養物からのデータを表し、実線付き黒丸は、単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcを含有する培養物からのデータを表す。
T細胞による増殖およびCD25発現を示す図である。実験手順を実施例11に記載する。表示のように、左欄のグラフは、Molm-13細胞(これは、CD33を発現する)および汎T細胞を含有する細胞培養物からのデータを表し、右欄のグラフは、Namalwa細胞(これは、CD33を発現しない)および汎T細胞を含有する細胞培養物からのデータを表す。表示のように、パネルAに培養物中の増殖しているT細胞のパーセントを示し、パネルBに培養物中のCD25陽性T細胞のパーセントを示す。点線付き白丸は、単鎖抗CD33/CD3εを含有する培養物からのデータを表し、実線付き黒丸は、単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcを含有する培養物からのデータを表す。
単量体性抗CD33/CD3ε Bi-FcおよびCD33発現腫瘍細胞の存在下でのT細胞によるサイトカイン放出を示す図である。実験手順を実施例11に記載する。表示のように、左欄のグラフは、Molm-13細胞(これは、CD33を発現する)および汎T細胞を含有する細胞培養物からのデータを表し、右欄のグラフは、Namalwa細胞(これは、CD33を発現しない)および汎T細胞を含有する細胞培養物からのデータを表す。点線付き白丸は、単鎖抗CD33/CD3εを含有する培養物からのデータを表し、実線付き黒丸は、単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcを含有する培養物からのデータを表す。アッセイされたサイトカインを各パネルの左側に表示する。
単量体性抗CD33/CD3ε Bi-FcおよびCD33発現腫瘍細胞の存在下でのT細胞によるサイトカイン放出を示す図である。実験手順を実施例11に記載する。表示のように、左欄のグラフは、Molm-13細胞(これは、CD33を発現する)および汎T細胞を含有する細胞培養物からのデータを表し、右欄のグラフは、Namalwa細胞(これは、CD33を発現しない)および汎T細胞を含有する細胞培養物からのデータを表す。点線付き白丸は、単鎖抗CD33/CD3εを含有する培養物からのデータを表し、実線付き黒丸は、単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcを含有する培養物からのデータを表す。アッセイされたサイトカインを各パネルの左側に表示する。
ヘテロ二量体性抗FOLR1/CD3ε Bi-Fcによる腫瘍成長インビボ阻害を示す図である。方法を実施例13に記載する。x軸は、FOLR1発現NCI-N87-luc腫瘍細胞300万個をマウスに移植してから経過した時間(日)を示す。y軸は、腫瘍体積(mm3)を示す。記号は、以下のように各群のマウスのために使用された処置を意味する:ビヒクル(0.9%NaCl中の25mMリシン塩酸塩、0.002% Tween 80、pH7.0)=黒三角;単鎖抗FOLR1/CD3ε二重特異性=黒丸;およびヘテロ二量体性抗FOLR1/CD3ε Bi-Fc=白丸。
ヘテロ二量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcおよび単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcによる腫瘍成長のインビボ阻害を示す図である。方法を実施例14に記載する。x軸は、腫瘍細胞100万個を各マウスの右側腹部に皮下移植してから経過した時間(日)を示す。y軸は、存在する腫瘍細胞数を反映するバイオルミネセンスを示す。縦の点線は、ヒトT細胞20×106個をマウスに注射した時間を示す。記号は、以下のようにマウスの各群のために使用された処置を意味する:ビヒクル(0.9% NaCl中の25mMリシン塩酸塩、0.002% Tween 80、pH7.0)=黒三角;単鎖抗MEC/CD3ε二重特異性=白三角;単鎖抗CD33/CD3ε二重特異性=白四角;ヘテロ二量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fc=白丸;単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fc=黒四角;およびナイーブ動物=黒丸。
単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcによる腫瘍成長インビボ阻害を示す図である。方法を実施例15に記載する。x軸は、腫瘍細胞100万個を各マウスの右側腹部に皮下移植してから経過した時間(日)を示す。y軸は、腫瘍のバイオルミネセンスを示す。縦の点線は、ヒトT細胞20×106個をマウスに注射した時間を示す。記号は、以下のように各群のマウスのために使用された処置を意味する:ビヒクル(0.9% NaCl中の25mMリシン塩酸塩、0.002% Tween 80、pH7.0)=黒三角;単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fc(N297G)=黒四角;単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fc(N297野生型)=白四角;およびナイーブ動物=黒丸。

0019

配列の簡単な説明

0020

詳細な説明
1つのポリペプチド鎖または2つの異なるポリペプチド鎖を含有する、本明細書においてBi-Fcと呼ばれる新規な形態の二重特異性抗体が記載される。1つの鎖は、2つの重鎖可変(VH)領域、2つの軽鎖可変(VL)領域、およびFcポリペプチド鎖を含み、任意の第2のポリペプチド鎖は、Fcポリペプチド鎖を含む。いくつかの態様では、Bi-Fcが結合する一方のタンパク質は、T細胞、NK細胞、マクロファージ、または好中球のような免疫エフェクター細胞の表面上に発現し、Bi-Fcが結合するもう一方のタンパク質は、標的細胞、例えば、がん細胞、病原体に感染している細胞、または、例えば線維性疾患のような疾患を媒介する細胞の表面上に発現している。Bi-Fcは、これらの各タンパク質について結合部位を1つだけ有する(すなわち、本明細書において意味されるように、各タンパク質と「一価的」に結合する)ので、Bi-Fcの結合は、単独では、細胞表面上でBi-Fcが結合するタンパク質をオリゴマー化しない。例えば、Bi-FcがT細胞表面上のCD3に結合するならば、CD3は、標的細胞の非存在下ではT細胞表面上でオリゴマー化しない。CD3のオリゴマー化は、T細胞の全般的活性化またはT細胞上のCD3の下方調節を引き起こし得、これは望ましくない場合がある。Bi-Fcは、免疫エフェクター細胞を標的細胞に係留することによって、全般的炎症応答ではなく標的細胞に対する特異的細胞溶解活性を誘発する。さらに、Bi-Fc分子は、好都合な薬物動態特性を有し、1つのみのポリペプチド鎖、または2つのみの異なるポリペプチド鎖を含有するので、製造するのは過度に複雑ではない。

0021

定義
本明細書において意味される「抗体」は、少なくとも1つのVH領域またはVL領域を、多くの場合、重鎖可変領域および軽鎖可変領域の両方を含有する、タンパク質である。したがって、「抗体」という用語は、単鎖Fv抗体(scFv、リンカーによって連結されたVHおよびVL領域を含有する)、Fab、F(ab)2'、Fab'、scFv:Fc抗体(Carayannopoulos and Capra, Ch. 9 in FUNDAMENTALIMMUNOLOGY, 3rd ed., Paul, ed., Raven Press, New York, 1993, pp. 284-286に記載されている)、または哺乳類に見られる天然IgG抗体などの2つの完全長重鎖および2つの完全長軽鎖を含有する完全長抗体を含む、多様な構成を有する分子を包含する。同上。そのようなIgG抗体は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4アイソタイプであることができ、ヒト抗体またはヒト化抗体であることができる。抗体の構造を記載しているCarayannopoulosおよびCapraの部分は、参照により本明細書に組み入れられる。さらに、「抗体」という用語には、ラクダおよび他のヒトコブラクダ種ならびにサメに見られる天然抗体のような、2つの重鎖を含有し軽鎖を含有しない二量体性抗体が含まれる。例えばMuldermans et al., 2001, J. Biotechnol. 74:277-302; Desmyter et al., 2001, J. Biol. Chem. 276:26285-90; Streltsov et al. (2005), Protein Science 14: 2901-2909を参照されたい。抗体は、「単一特異性」(すなわち、1種の抗原だけに結合する)、「二重特異性」(すなわち、2種の異なる抗原に結合する)、または「多重特異性」(すなわち、2種以上の異なる抗原に結合する)であることができる。さらに抗体は、一価、二価、または多価であることができ、これは、一度にそれぞれ1つ、2つ、または複数の抗原分子に結合できることを意味する。抗体が異なる1つのタンパク質にも同様に結合し得るものの、抗体1分子がタンパク質1分子のみに結合する場合、その抗体は、特定のタンパク質に「一価的」に結合する。すなわち、抗体が各タンパク質のうち1つの分子のみに結合する場合、その抗体は、2つの異なるタンパク質に、本明細書が意味する「一価的」に結合する。そのような抗体は「二重特異性」であり、2種の異なるタンパク質のそれぞれに「一価的」に結合する。抗体は、「単量体性」であることができ、すなわち単一のポリペプチド鎖を含むことができる。抗体は、複数のポリペプチド鎖を含む(「多量体性」)ことができ、または2つ(「二量体性」)、3つ(「三量体性」)、もしくは4つ(「四量体性」)のポリペプチド鎖を含むことができる。多量体性であるならば、抗体はホモ多量体であることができ、すなわち1種のみのポリペプチド鎖からなる2つ以上の分子を含有することができ、これは、ホモ二量体ホモ三量体、またはホモ四量体を含む。あるいは、多量体性抗体は、ヘテロ多量体であることができ、すなわち異なる2種以上のポリペプチド鎖を含有することができ、これは、ヘテロ二量体、ヘテロ三量体、またはヘテロ四量体を含む。抗体は、多様な可能な構成を有し得、これは例えば、数ある可能な抗体構成の中でもとりわけ、それらが結合する分子を阻害または活性化し得る単一特異性一価性抗体(関連部分が参照により本明細書に組み入れられる、国際公開公報第2009/089004号および米国特許出願公開第2007/0105199号に記載)、二価単一特異性または二重特異性二量体性Fv-Fc、scFv-Fc、またはダイアボディーFc(diabody Fc)、米国特許出願公開第2009/0311253号に記載された単一特異性一価scFv-Fc/Fc'、多重特異性結合タンパク質および二重可ドメイン免疫グロブリン(それらの関連部分は、参照により本明細書に組み入れられる)、本明細書記載のヘテロ二量体性二重特異性抗体、ならびにBISPECIFIC ANTIBODIES, Kontermann, ed., Springer, 2011の1、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14章(これらの章は、参照により本明細書に組み入れられる)に記載された二重特異性抗体についての多数の構成を含む。

0022

本明細書において意味される「Bi-Fc」は、第1のポリペプチド鎖および任意で第2のポリペプチド鎖を含む。多数の態様では、Bi-Fcは、第1のポリペプチド鎖および第2のポリペプチド鎖の両方を含む。いくつかの態様では、Bi-Fcは、第1のポリペプチド鎖のみを含む単量体である。第1のポリペプチド鎖は、リンカーによって隔てられ得る2つのVH領域および2つのVL領域ならびにFcポリペプチド鎖を含む。Fcポリペプチド鎖は、4つの免疫グロブリン可変領域に対してN末端側またはC末端側であることができ、Fcポリペプチド鎖はリンカーを介して可変領域に連結することができる。このリンカーは存在してもよいし、または存在しなくてもよい。第2のポリペプチド鎖は、存在するならば、Fcポリペプチド鎖を含む。したがって、Bi-Fcは、単量体またはヘテロ二量体であることができる。Bi-Fcは、エフェクター細胞タンパク質を介して免疫エフェクター細胞に、ならびに標的細胞タンパク質を介して標的細胞に結合することができ、免疫エフェクター細胞による標的細胞の細胞溶解を媒介できる。

0023

単量体性Fcポリペプチドは、米国特許出願公開第2012/244578号に詳細に記載されており、それらの関連部分は、参照により本明細書に組み入れられる。単量体性Bi-Fcは、天然Fcポリペプチド鎖よりも単量体としてより安定な改変Fcポリペプチド鎖を含むことができる。簡潔には、そのような単量体は、以下の改変:(1)K409D、K409E、R409D、またはR409E;(2)K392D、K392E、N392DまたはN392E;および(3)F405TまたはY349Tを含む改変ヒトIgGFcポリペプチドを含むことができる。代替の態様では、位置409および392は改変されず、例えばD399K、D399R、E356K、E356R、D356K、および/またはD356Rを含む、下記「ヘテロ二量体化改変」の定義に記載された1つまたは複数の改変を含むことができる他の改変が存在する。そのような「ヘテロ二量体化改変」は、下記および米国特許第8,592,562号に記載されており、それらの関連部分は、参照により本明細書に組み入れられる。Fcポリペプチド鎖内のアミノ酸の改変は、以下のように表示される。通常、所与の位置に存在するアミノ酸は、一文字コードで示され、それにEUナンバリングに従って番号付けされた位置が続き(下の表2に示す)、それに通常存在するアミノ酸を置換するアミノ酸が続く。例えば、呼称「N297G」は、位置297に通常存在するアスパラギングリシン交換されたことを意味する。さらに、単量体性Bi-FcのFcポリペプチド鎖部分は、ヒンジ領域(下の表2に関連して定義された)を欠如する場合があり、またはそのヒンジ領域中のシステイン残基欠失もしくは改変されている場合がある。

0024

本明細書において意味される「がん細胞抗原」は、がん細胞の表面上に発現されたタンパク質である。いくつかのがん細胞抗原は、いくつかの正常細胞上にも発現され、いくつかはがん細胞に特異的である。がん細胞抗原は、がん細胞表面に高度に発現され得る。多種多様ながん細胞抗原がある。がん細胞抗原の例には、数ある中でもとりわけ以下のヒトタンパク質:上皮成長因子受容体(EGFR)、EGFRvIII(突然変異型EGFR)、黒色腫関連コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(MCSP)、メソテリン(MSLN)、葉酸受容体1(FOLR1)、CD33、CDH19、およびヒト上皮成長因子2(HER2)が非限定的に含まれる。

0025

本明細書に使用される「化学療法」は、がん細胞に対して細胞傷害効果または細胞増殖抑制効果を有する「化学療法剤」を用いたがん患者の処置を意味する。「化学療法剤」は、細胞分裂関与していない細胞ではなく、細胞分裂に関与している細胞を特異的に標的とする。化学療法剤は、例えばDNA複製RNA合成タンパク質合成紡錘体集合、分散、もしくは機能のような、細胞分裂に密接に結び付いている過程、および/またはヌクレオチドもしくはアミノ酸のような、これらの過程に役割を果たす分子の合成もしくは安定性を直接妨害する。したがって化学療法剤は、がん細胞および細胞分裂に関与している他の細胞の両方に対して細胞傷害効果または細胞増殖抑制効果を有する。化学療法剤は、当技術分野において周知であり、それらには、当技術分野において公知の多数のものの中でもとりわけ、例えば:アルキル化剤(例えばブスルファンテモゾロミドシクロホスファミドロムスチン(CCNU)、メチルロムスチン、ストレプトゾトシン、cis-ジアンミンジクロロ白金アジリジニルベンゾキノン、およびチオテパ);無機イオン(例えばシスプラチンおよびカルボプラチン);ナイトロジェンマスタード(例えばメルファラン塩酸塩イホスファミドクロラムブシル、およびメクロレタミンHCl);ニトロソウレア(例えばカルムスチン(BCNU));抗腫瘍性抗生物質(例えばアドリアマイシンドキソルビシン)、ダウノマイシンマイトマイシンCダウノルビシンイダルビシンミトラマイシン、およびブレオマイシン);植物性誘導体(例えばビンクリスチンビンブラスチンビノレルビンパクリタキセルドセタキセルビンデシン、VP-16、およびVM-26);代謝拮抗物質(例えばロイコボリン併用または非併用のメトトレキサート、ロイコボリン併用または非併用の5-フルオロウラシル5-フルオロデオキシウリジン、6-メルカプトプリン6-チオグアニンシタラビン、5-アザシチジンヒドロキシウレアデオキシコホルマイシンゲムシタビン、およびフルダラビン);ポドフィロトキシン(例えばエトポシドイリノテカン、およびトポテカン);ならびにアクチノマイシンDダカルバジン(DTIC)、mAMSA、プロカルバジンヘキサメチルメラミンペンタメチルメラミンL-アスパラギナーゼ、およびミトキサントロンが含まれる。例えば、関連部分が参照により本明細書に組み入れられるCancer: Principles and Practice of Oncology, 4th Edition, DeVita et al., eds., J.B. Lippincott Co., Philadelphia, PA (1993)を参照されたい。アルキル化剤およびナイトロジェンマスタードは、DNAをアルキル化することによって作用し、それが鎖の巻き戻し(uncoiling)および複製を制限する。メトトレキサート、シタラビン、6-メルカプトプリン、5-フルオロウラシル、およびゲムシタビンは、ヌクレオチドの合成を妨害する。パクリタキセルおよびビンブラスチンのような植物性誘導体は紡錘体毒である。ポドフィロトキシンはトポイソメラーゼを阻害することでDNA複製を妨害する。抗生物質であるドキソルビシン、ブレオマイシン、およびマイトマイシンは、それぞれDNAの塩基の間にインターカレートする(巻き戻しを阻害する)こと、鎖切断を引き起こすこと、およびDNAをアルキル化することによって、DNA合成を妨害する。他の作用機序には、アミノ酸のカルバモイル化(ロムスチン、カルムスチン)、およびアスパラギンプール枯渇アスパラギナーゼ)が含まれる。Merck Manual of Diagnosis and Therapy, 17th Edition, Section 11, Hematology and Oncology, 144. Principles of Cancer Therapy, Table 144-2 (1999)。化学療法剤の中に具体的に含まれるのは、上掲の化学療法剤によって直接影響されるのと同じ細胞過程に直接影響する化学療法剤である。

0026

薬物または処置は、Bi-Fcと同じ大まかな時間枠内で、任意で継続的に施されるならば、Bi-Fcと「同時に」施されることになる。例えば、患者が薬物Aを1週間に1回継続的に、およびBi-Fcを6ヶ月に1回継続的に摂取するならば、薬物AおよびBi-Fcが同じ日に投与されようとなかろうと、それらは同時に投与されることになる。同様に、Bi-Fcが1週間に1回継続的に摂取され、薬物Aが1日に1回または数回だけ投与されるならば、薬物AおよびBi-Fcは、本明細書に意味されるところでは、同時に投与される。同様に、薬物AおよびBi-Fcの両方が、1ヶ月以内に1回または複数回のいずれかで短期間投与されるならば、両方の薬物が同じ月内に投与される限り、それらは本明細書に意味されるところでは、同時に投与される。

0027

本明細書において意味される「保存的アミノ酸置換」は、類似の特性を有する別のアミノ酸によるアミノ酸の置換である。考慮される特性には、電荷および疎水性のような化学特性が含まれる。下の表1に、本明細書において意味される保存的置換であると見なされる、各アミノ酸についての置換を挙げる。

0028

(表1)保存的アミノ酸置換

0029

本明細書において意味される「Fc領域」は、1つまたは複数のジスルフィド結合によって連結された2つのポリペプチド鎖からなる二量体であって、各鎖が、ヒンジドメインの一部または全部に加えてCH2およびCH3ドメインを含む、二量体である。各ポリペプチド鎖は、「Fcポリペプチド鎖」と呼ばれる。いくつかの態様では、特に、単量体性Bi-FcのようにFcポリペプチド鎖が単量体性であると意図される場合、「Fcポリペプチド鎖」はヒンジ領域を欠如し得る。Fc領域中の2つのFcポリペプチド鎖を区別するために、場合により一方は本明細書において「A鎖」と呼ばれ、もう一方は「B鎖」と呼ばれる。より具体的には、本発明を用いた使用のために企図されているFc領域(または単量体性Bi-Fc中のFcポリペプチド鎖)は、IgGFc領域(またはFcポリペプチド鎖)であり、それは、哺乳類、例えばヒトのIgG1 Fc領域、IgG2 Fc領域、IgG3 Fc領域、またはIgG4 Fc領域であることができる。ヒトIgG1 Fc領域の中で、少なくとも2種の対立遺伝子型が公知である。他の態様では、2つのFcポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、哺乳類Fcポリペプチドのアミノ酸配列の配列に比べてアミノ酸100個あたり10個以下の単一アミノ酸アミノ酸置換、挿入、および/または欠失により、哺乳類Fcポリペプチドのアミノ酸配列から変異していることができる。いくつかの態様では、そのような変異は、ホモ二量体よりもヘテロ二量体の形成を促進し、かつ/もしくはホモ二量体の形成を阻害する「ヘテロ二量体化改変」、半減期を延長するFc改変、Fcγ受容体(FcγR)の結合を阻害する改変、および/またはADCCを増強する改変であることができる。

0030

本明細書において意味される「半減期を延長するFc改変」は、改変を含有しないこと以外は同じであるFcポリペプチドを含有する類似タンパク質の半減期に比べて、改変されたFcポリペプチド鎖を含有するタンパク質のインビボ半減期を延長する、Fcポリペプチド鎖内の改変である。そのような改変は、Bi-Fcの一部であるFcポリペプチド鎖中に含まれることができる。改変M252Y、S254T、およびT256E(位置252のメチオニンチロシンに変化;位置254のセリントレオニンに変化;位置256のトレオニンがグルタミン酸に変化;表2に示すようにEUナンバリングにより番号付け)は、半減期を延長するFc改変であり、一緒に、別々に、または任意の組み合わせで使用することができる。これらの改変および他のいくつかは、米国特許第7,083,784号に詳細に記載されている。そのような改変を記載している米国特許第7,083,784号の部分は、参照により本明細書に組み入れられる。同様に、M428LおよびN434Sは、半減期を延長するFc改変であり、一緒に、別々に、または任意の組み合わせで使用することができる。これらの改変および他のいくつかは、米国特許出願公開第2010/0234575号および米国特許第7,670,600号に詳細に記載されている。そのような改変を記載している米国特許出願公開第2010/0234575号および米国特許第7,670,600号の部分は、参照により本明細書に組み入れられる。加えて以下の部位:250、251、252、259、307、308、332、378、380、428、430、434、436のうちの1つにおける任意の置換は、本明細書において意味される、半減期を延長するFc改変と見なすことができる。これらの各改変またはこれらの改変の組み合わせは、本明細書記載のヘテロ二量体性または単量体性Bi-Fc抗体の半減期を延長するために使用することができる。半減期を延長するために使用することができる他の改変は、2012年12月17日に出願された国際出願であるPCT/US2012/070146(国際公開公報第2013/096221号として公開)に詳細に記載されている。そのような改変を記載しているこの出願の部分は、参照により本明細書に組み入れられる。この出願に記載されているいくつかの具体的な態様には、とりわけ、以下のアミノ酸配列:

を含む、位置384と385との間の半減期を延長する挿入部(表2に示すようなEUナンバリング)が含まれる。そのような挿入部を含有するヘテロ二量体性または単量体性Bi-Fc抗体が企図されている。

0031

「ホモ二量体形成に不利なFc改変」には、Fcポリペプチド鎖が野生型Fcポリペプチド鎖と比較して、低下したホモ二量体形成能を有するような、Fcポリペプチド鎖中の任意の改変が含まれる。そのような改変は、米国特許出願公開第2012/0244578号に詳細に記載されている。そのような改変を記載しているこの出願の部分は、参照により本明細書に組み入れられる。そのような改変の例には、非限定的に、個別にまたは任意の組み合わせで使用することができる以下のものが含まれる:R409D、R409E、D399K、D399R、N392D、N392E、K392D、K392E、K439D、K439E、D356K、D356R、E356K、E356R、K370D、K370E、E357K、およびE357R。そのような改変は、特にBi-Fcが単量体である態様において、Bi-Fcの一部であるFcポリペプチド鎖中に含まれることができる。いくつかの態様では、そのような改変は、Fcポリペプチド鎖のCH3領域中に存在し、野生型アミノ酸配列中の1つもしくは複数の荷電アミノ酸が、CH3ホモ二量体形成に静電的に不利なアミノ酸により置き換えられており、かつ/または1つもしくは複数の疎水性界面残基が、例えば、アスパラギン、システイングルタミン、セリン、もしくはトレオニンのような小型極性アミノ酸により置き換えられているような改変を含む。より具体的には、例えば、荷電アミノ酸、例えば、位置392および/または位置409のリシンは、中性または反対に荷電しているアミノ酸、例えばアスパラギン酸またはグルタミン酸により置き換えることができる。これは、Fcポリペプチド鎖内の任意の他の荷電アミノ酸でも生じることができる。代替的または追加的に、Y349、L351、L368、V397、L398、F405、およびY407からなる群より選択される1つまたは複数の疎水性界面残基は、小型極性アミノ酸により置き換えられることができる。さらに、Fcポリペプチド鎖は、ジスルフィド結合形成を防止するために1つまたは複数の突然変異させたシステイン残基を有することができる。これに関して特に有用なシステイン突然変異は、Fcポリペプチド鎖のヒンジ領域中の突然変異である。そのようなシステインは、欠失させることができ、または他のアミノ酸により置換することができる。単量体性Bi-Fcについて、ヒンジ領域は全く存在しなくてもよい。

0032

「ヘテロ二量体化改変」は、一般に、ヘテロ二量体性Fc領域の形成、すなわちFc領域のA鎖およびB鎖が同一のアミノ酸配列を有さないFc領域の形成を促進する、Fc領域のA鎖およびB鎖における改変を表す。そのような改変は、Bi-Fcの一部であるFcポリペプチド鎖内に含まれることができる。ヘテロ二量体化改変は、非対称性であり得、すなわち、ある改変を有するA鎖は、異なる改変を有するB鎖と対形成することができる。これらの改変は、ヘテロ二量体化を促進し、ホモ二量体化に不利に作用する。ヘテロ二量体またはホモ二量体が形成したかどうかは、状況によりポリアクリルアミドゲル電気泳動によって決定されるようなサイズの差によって、またはサイズが顕著な特徴ではない状況では他の適切な手段(例えば、分子タグまたはヘテロ二量体のある部分を認識する抗体による結合)によって評価することができる。そのような対形成するヘテロ二量体化改変の一例は、いわゆる「ノブ(knob)およびホール(hole)」置換である。そのような突然変異を記載している部分が参照により本明細書に組み入れられる、例えば、米国特許第7,695,936号および米国特許出願公開第2003/0078385号を参照されたい。本明細書において意味されるように、1対のノブおよびホール置換を含有するFc領域は、A鎖に1つの置換を含有し、B鎖に別の置換を含有する。例えば、以下のIgG1 Fc領域のAおよびB鎖におけるノブおよびホール置換は、未改変のAおよびB鎖で見られるものと比べてヘテロ二量体形成を増大させることが見出された:1)一方の鎖にY407Tおよびもう一方にT366Y;2)一方の鎖にY407Aおよびもう一方にT366W;3)一方の鎖にF405Aおよびもう一方にT394W;4)一方の鎖にF405Wおよびもう一方にT394S;5)一方の鎖にY407Tおよびもう一方にT366Y;6)一方の鎖にT366YおよびF405Aならびにもう一方にT394WおよびY407T;7)一方の鎖にT366WおよびF405Wならびにもう一方にT394SおよびY407A;8)一方の鎖にF405WおよびY407Aならびにもう一方にT366WおよびT394S;ならびに9)Fcの一方のポリペプチドにT366Wならびにもう一方にT366S、L368A、およびY407V。上に説明されたように、この突然変異表記方法は、以下のように説明することができる。EUナンバリングシステム(これは、Edelman et al. (1969), Proc. Natl. Acad. Sci. 63: 78-85に発表されている;下の表2も参照)を用いて、CH3領域中の所与の位置に通常存在するアミノ酸(一文字コードを使用)にEU位置が続き、これにその位置に存在する代替のアミノ酸が続く。例えば、Y407Tは、通常、EU位置407に存在するチロシンがトレオニンによって置き換えられていることを意味する。代替的にまたはそのような改変に加えて、新たなジスルフィド架橋を生み出す置換がヘテロ二量体の形成を促進することができる。そのような突然変異を記載している部分が参照により本明細書に組み入れられる、例えば、米国特許出願公開第2003/0078385号を参照されたい。IgG1 Fc領域におけるそのような改変には、例えば、以下の置換:一方のFcポリペプチド鎖にY349Cもう一方にS354C;一方のFcポリペプチド鎖にY349Cおよびもう一方にE356C;一方のFcポリペプチド鎖にY349Cおよびもう一方にE357C;一方のFcポリペプチド鎖にL351Cおよびもう一方にS354C;一方のFcポリペプチド鎖にT394Cおよびもう一方にE397C;または一方のFcポリペプチド鎖にD399Cおよびもう一方にK392C、が含まれる。同様に、例えばCH3-CH3界面における、1つまたは複数の残基の荷電を変更する置換は、国際公開公報第2009/089004号に説明されているようにヘテロ二量体の形成を増強することができ、そのような置換を記載している該公報の部分は、参照により本明細書に組み入れられる。そのような置換は、本明細書において「電荷対置換」と呼ばれ、1対の電荷対置換を含有するFc領域は、A鎖中の1つの置換およびB鎖中の別の置換を含有する。電荷対置換の全般的な例には、以下:1)一方の鎖中のK409DまたはK409Eに加えてもう一方におけるD399KまたはD399R;2)一方の鎖中のK392DまたはK392Eに加えてもう一方におけるD399KまたはD399R;3)一方の鎖中のK439DまたはK439Eに加えてもう一方におけるE356KまたはE356R;および4)一方の鎖中のK370DまたはK370Eに加えてもう一方におけるE357KまたはE357Rが含まれる。加えて、両方の鎖中の置換R355D、R355E、K360D、またはK360Rは、他のヘテロ二量体化改変と共に使用される場合にヘテロ二量体を安定化することができる。特定の電荷対置換は、単独でまたは他の電荷対置換と一緒に使用することができる。単一対の電荷対置換およびその組み合わせの具体例には、以下:1)一方の鎖中のK409Eに加えてもう一方におけるD399K;2)一方の鎖中のK409Eに加えてもう一方におけるD399R;3)一方の鎖中のK409Dに加えてもう一方におけるD399K;4)一方の鎖中のK409Dに加えてもう一方におけるD399R;5)一方の鎖中のK392Eに加えてもう一方におけるD399R;6)一方の鎖中のK392Eに加えてもう一方におけるD399K;7)一方の鎖中のK392Dに加えてもう一方におけるD399R;8)一方の鎖中のK392Dに加えてもう一方におけるD399K;9)一方の鎖中のK409DおよびK360Dに加えてもう一方におけるD399KおよびE356K;10)一方の鎖中のK409DおよびK370Dに加えてもう一方におけるD399KおよびE357K;11)一方の鎖中のK409DおよびK392Dに加えてもう一方におけるD399K、E356K、およびE357K;12)一方の鎖中のK409DおよびK392Dならびにもう一方におけるD399K;13)一方の鎖中のK409DおよびK392Dに加えてもう一方におけるD399KおよびE356K;14)一方の鎖中のK409DおよびK392Dに加えてもう一方におけるD399KおよびD357K;15)一方の鎖中のK409DおよびK370Dに加えてもう一方におけるD399KおよびD357K;16)一方の鎖中のD399Kに加えてもう一方におけるK409DおよびK360D;ならびに17)一方の鎖中のK409DおよびK439Dに加えてもう一方におけるD399KおよびE356Kが含まれる。これらのヘテロ二量体化改変のいずれかを、本明細書記載のヘテロ二量体性二重特異性抗体のFc領域に使用することができる。

0033

本明細書において意味される「FcγRの結合を阻害する改変」は、例えばALPHALISA登録商標)に基づく競合結合アッセイ(PerkinElmer, Waltham, MA)によって測定されるようなFcγRIIA、FcγRIIB、および/またはFcγRIIIAの結合を阻害する、Fcポリペプチド鎖内の1つまたは複数の挿入、欠失、または置換である。そのような改変は、Bi-Fcの一部であるFcポリペプチド鎖内に含まれることができる。より具体的には、Fcγ受容体(FcγR)の結合を阻害する改変には、L234A、L235A、またはN297における任意の置換を含む、N297におけるグリコシル化を阻害する任意の改変が含まれる。加えて、N297におけるグリコシル化を阻害する改変以外に、追加的なジスルフィド架橋を生み出すことによって二量体性Fc領域を安定化する追加的な改変も企図されている。FcγRの結合を阻害する改変のさらなる例には、一方のFcポリペプチド鎖中のD265A改変およびもう一方のFcポリペプチド鎖中のA327Q改変が含まれる。いくつかのそのような突然変異は、例えば、Xu et al. (2000), Cellular Immunol. 200: 16-26に記載されており、そのような突然変異およびそれらの活性がどのように評価されるかが記載されているこの文献の部分は、参照により本明細書に組み入れられる。

0034

本明細書において意味される「ADCCを増強する改変」は、抗体依存性細胞性細胞傷害作用(ADCC)を増強するFcポリペプチド鎖内の1つまたは複数の挿入、欠失、または置換である。そのような改変は、Bi-Fcの一部であるFcポリペプチド鎖中に含まれることができる。多数のそのような改変が、国際公開公報第2012/125850号に記載されている。そのような改変を記載しているこの出願の部分は、参照により本明細書に組み入れられる。そのような改変は、本明細書記載のヘテロ二量体性二重特異性抗体の一部であるFcポリペプチド鎖中に含まれることができる。ADCCアッセイは、以下のように行うことができる。細胞表面上に、高い量およびより低い量のがん細胞抗原を発現する細胞系を標的細胞として使用することができる。これらの標的細胞を、カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル(CFSE)で標識し、次にリン酸緩衝食塩水PBS)で1回洗浄し、その後、V形状のウェルを有する96ウェルマイクロタイタープレート中に入れることができる。精製された免疫エフェクター細胞、例えばT細胞、NK細胞、マクロファージ、好中球を、各ウェルに添加することができる。がん抗原に結合し、かつ被験改変を含有する単一特異性抗体、およびアイソタイプが一致する対照抗体を1:3系列希釈してウェルに添加することができる。細胞を、5% CO2で3.5時間、37℃でインキュベートすることができる。細胞を遠心沈殿し、それを、死細胞を染色する色素TO-PRO(登録商標)-3ヨウ化物(Molecular Probes, Inc. Corporation, Oregon, USA)を含む1×FACS緩衝液(0.5%ウシ胎児血清(FBS)を含有する1×リン酸緩衝食塩水(PBS))中に再懸濁し、その後、蛍光標示細胞分取(FACS)によって分析することができる。次式を用いて細胞死滅率を計算することができる:
(二重特異性の存在下の腫瘍細胞の溶解率−二重特異性の非存在下の腫瘍細胞の溶解率)/
(総細胞溶解率−二重特異性の非存在下の腫瘍細胞の溶解率)
総細胞溶解は、エフェクター細胞および標識された標的細胞を含有する試料を二重特異性分子非存在下で80%冷メタノールを用いて溶解することによって決定される。ADCCを増強する例示的な改変には、Fc領域のAおよびB鎖中の以下の改変が含まれる:(a)A鎖がQ311MおよびK334V置換を含み、かつB鎖がL234Y、E294L、およびY296W置換を含むか、もしくはその逆である;(b)A鎖がE233L、Q311M、およびK334V置換を含み、かつB鎖がL234Y、E294L、およびY296W置換を含むか、もしくはその逆である;(c)A鎖がL234I、Q311M、およびK334V置換を含み、かつB鎖がL234Y、E294L、およびY296W置換を含むか、もしくはその逆である;(d)A鎖がS298TおよびK334V置換を含み、かつB鎖がL234Y、K290Y、およびY296W置換を含むか、もしくはその逆である;(e)A鎖がA330MおよびK334V置換を含み、かつB鎖がL234Y、K290Y、およびY296W置換を含むか、もしくはその逆である;(f)A鎖がA330FおよびK334V置換を含み、かつB鎖がL234Y、K290Y、およびY296W置換を含むか、もしくはその逆である;(g)A鎖がQ311M、A330M、およびK334V置換を含み、かつB鎖がL234Y、E294L、およびY296W置換を含むか、もしくはその逆である;(h)A鎖がQ311M、A330F、およびK334V置換を含み、かつB鎖がL234Y、E294L、およびY296W置換を含むか、もしくはその逆である;(i)A鎖がS298T、A330M、およびK334V置換を含み、かつB鎖がL234Y、K290Y、およびY296W置換を含むか、もしくはその逆である;(j)A鎖がS298T、A330F、およびK334V置換を含み、かつB鎖がL234Y、K290Y、およびY296W置換を含むか、もしくはその逆である;(k)A鎖がS239D、A330M、およびK334V置換を含み、かつB鎖がL234Y、K290Y、およびY296W置換を含むか、もしくはその逆である;(l)A鎖がS239D、S298T、およびK334V置換を含み、かつB鎖がL234Y、K290Y、およびY296W置換を含むか、もしくはその逆である;(m)A鎖がK334V置換を含み、かつB鎖がY296WおよびS298C置換を含むか、もしくはその逆である;(n)A鎖がK334V置換を含み、かつB鎖がL234Y、Y296W、およびS298C置換を含むか、もしくはその逆である;(o)A鎖がL235S、S239D、およびK334V置換を含み、かつB鎖がL234Y、K290Y、およびY296W置換を含むか、もしくはその逆である;(p)A鎖がL235S、S239D、およびK334V置換を含み、かつB鎖がL234Y、Y296W、およびS298C置換を含むか、もしくはその逆である;(q)A鎖がQ311MおよびK334V置換を含み、かつB鎖がL234Y、F243V、およびY296W置換を含むか、もしくはその逆である;(r)A鎖がQ311MおよびK334V置換を含み、かつB鎖がL234Y、K296W、およびS298C置換を含むか、もしくはその逆である;(s)A鎖がS239DおよびK334V置換を含み、かつB鎖がL234Y、K290Y、およびY296W置換を含むか、もしくはその逆である;(t)A鎖がS239DおよびK334V置換を含み、かつB鎖がL234Y、Y296W、およびS298C置換を含むか、もしくはその逆である;(u)A鎖がF243VおよびK334V置換を含み、かつB鎖がL234Y、K290Y、およびY296W置換を含むか、もしくはその逆である;(v)A鎖がF243VおよびK334V置換を含み、かつB鎖がL234Y、Y296W、およびS298C置換を含むか、もしくはその逆である;(w)A鎖がE294LおよびK334V置換を含み、かつB鎖がL234Y、K290Y、およびY296W置換を含むか、もしくはその逆である;(x)A鎖がE294LおよびK334V置換を含み、かつB鎖がL234Y、Y296W、およびS298C置換を含むか、もしくはその逆である;(y)A鎖がA330MおよびK334V置換を含み、かつB鎖がL234YおよびY296W置換を含むか、もしくはその逆である;または(z)A鎖がA330MおよびK334V置換を含み、かつB鎖がK290YおよびY296W置換を含むか、もしくはその逆である。

0035

本明細書において意味される「IgG抗体」は、本質的に、2つの免疫グロブリンIgG重鎖、およびκまたはλ軽鎖であり得る2つの免疫グロブリン軽鎖からなる抗体である。より具体的には、重鎖は、VH領域、CH1領域、ヒンジ領域、CH2領域、およびCH3領域をこの順序で含有し、一方で軽鎖は、VL領域に続いてCL領域を含有する。そのような免疫グロブリン領域の多数の配列が、当技術分野において公知である。例えば、Kabat et al. in SEQUENCESOFIMMUNOLOGICALINTEREST, Public Health Service N.I.H., Bethesda, MD, 1991を参照されたい。Kabatらに開示されたIgG抗体由来領域の配列は、参照により本明細書に組み入れられる。免疫グロブリンIgG重鎖および/または軽鎖の公知または天然の配列に比べて、アミノ酸100個あたり10個以下の単一アミノ酸のアミノ酸置換、挿入、および/または欠失を含む、公知および/または天然のIgG抗体の近縁変異体は、IgG抗体によって意味されるものに包含される。

0036

本明細書において意味される「免疫エフェクター細胞」は、例えば、T細胞、NK細胞、マクロファージ、または好中球を含む細胞溶解性免疫応答の媒介に関与する細胞である。本明細書記載のヘテロ二量体性または単量体性Bi-Fc抗体は、免疫エフェクター細胞の表面上に発現されるタンパク質の一部である抗原に結合する。そのようなタンパク質は、本明細書において「エフェクター細胞タンパク質」と呼ばれる。

0037

本明細書において意味される「免疫グロブリン重鎖」は、本質的に、VH領域、CH1領域、ヒンジ領域、CH2領域、CH3領域(この順序で)、およびいくつかのアイソタイプにおいて任意で、CH3領域下流の領域からなる。公知または天然の免疫グロブリン重鎖アミノ酸配列に比べて、アミノ酸100個あたり10個以下の単一アミノ酸のアミノ酸置換、挿入、および/または欠失を含有する、免疫グロブリン重鎖の近縁変異体は、免疫グロブリン重鎖によって意味されるものに包含される。

0038

本明細書において意味される「免疫グロブリン軽鎖」は、本質的に、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常ドメイン(CL)からなる。公知または天然の免疫グロブリン軽鎖アミノ酸配列に比べて、アミノ酸100個あたり10個以下の単一アミノ酸のアミノ酸置換、挿入、および/または欠失を含有する、免疫グロブリン軽鎖の近縁変異体は、免疫グロブリン軽鎖によって意味されるものに包含される。

0039

本明細書において意味される「免疫グロブリン可変領域」は、VH領域、VL領域、またはそれらの変異体である。公知または天然の免疫グロブリン可変領域アミノ酸配列に比べて、アミノ酸100個あたり10個以下の単一アミノ酸のアミノ酸置換、挿入、および/または欠失を含有する、免疫グロブリン可変領域の近縁変異体は、免疫グロブリン可変領域によって意味されるものに包含される。例えばKabat et al. in SEQUENCESOFIMMUNOLOGICALINTEREST, Public Health Service N.I.H., Bethesda, MD, 1991に開示されたもののような、VHおよびVL領域の多数の例が当技術分野において公知である。可変性がより小さなVHおよびVL領域の部分における広範な配列共通性、可変性がより大きな領域の配列内の位置、ならびに予測される三次構造に基づき、当業者は、その配列により免疫グロブリン可変領域を認識することができる。例えば、Honegger and Plueckthun (2001), J. Mol. Biol. 309: 657-670を参照されたい。

0040

免疫グロブリン可変領域は、相補性決定領域 1(CDR1)、相補性決定領域2(CDR2)、および相補性決定領域3(CDR3)として公知の3つの超可変領域を含有する。これらの領域は、抗体の抗原結合部位を形成する。CDRは、可変性がより小さなフレームワーク領域(FR1〜FR4)内に埋め込まれている。免疫グロブリン可変領域内のこれらの小領域の順序は以下の通りである:FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4。免疫グロブリン可変領域の多数の配列は、当技術分野において公知である。例えば、Kabat et al., SEQUENCESOF PROTEINS OFIMMUNOLOGICALINTEREST, Public Health Service N.I.H., Bethesda, MD, 1991を参照されたい。

0041

CDRは、以下の方法でVH領域配列中に位置づけることができる。CDR1は、成熟VH領域のおよそ残基31番から始まり、通常は約5〜7アミノ酸長であり、CDR1には、ほぼ常にCys-Xxx-Xxx-Xxx-Xxx-Xxx-Xxx-Xxx-Xxx(SEQID NO:1)[式中、「Xxx」は任意のアミノ酸である]が先行する。重鎖CDR1に続く残基は、ほぼ常にトリプトファンであり、多くの場合にTrp-Val、Trp-Ile、またはTrp-Alaである。ほぼ常にアミノ酸14個が、CDR1における最終残基とCDR2における最初の残基との間にあり、CDR2は、典型的にはアミノ酸16〜19個を含有する。CDR2の直前にLeu-Glu-Trp-Ile-Gly(SEQ ID NO:2)がある場合があり、直後にLys/Arg-Leu/Ile/Val/Phe/Thr/Ala-Thr/Ser/Ile/Alaがある場合がある。他のアミノ酸がCDR2に先行または後続し得る。ほぼ常に、CDR2中の最終残基とCDR3中の最初の残基との間にアミノ酸32個があり、CDR3は、約3〜25残基長であることができる。Cys-Xxx-Xxxは、ほぼ常にCDR3の直前にあり、Trp-Gly-Xxx-Gly(SEQ ID NO:3)は、ほぼ常にCDR3に後続する。

0042

軽鎖CDRは、以下の方法でVL領域配列中に位置づけることができる。CDR1は、成熟抗体のおよそ残基24番から始まり、通常は約10〜17アミノ酸長である。CDR1にはほぼ常にCysが先行する。ほぼ常にアミノ酸15個が、CDR1の最終残基とCDR2の最初の残基との間にあり、CDR2は、ほぼ常に7残基長である。CDR2には、典型的にはIle-Tyr、Val-Tyr、Ile-Lys、またはIle-Pheが先行する。ほぼ常に、CDR2とCDR3との間に32残基があり、CDR3は通常、約7〜10アミノ酸長である。CDR3には、ほぼ常にCysが先行し、通常はPhe-Gly-Xxx-Gly(SEQID NO:4)が後続する。

0043

本明細書において意味される「リンカー」は、Bi-Fc抗体に関連して2つの免疫グロブリン可変領域、または可変領域およびFcポリペプチド鎖であり得る、2つのポリペプチドを連結するペプチドである。リンカーは、2〜30または2〜40アミノ酸長であることができる。いくつかの態様では、リンカーは、2〜25、2〜20、または3〜18アミノ酸長であることができる。いくつかの態様では、リンカーは、14、13、12、11、10、9、8、7、6、または5アミノ酸長以下のペプチドであることができる。他の態様では、リンカーは、5〜25、5〜15、4〜11、10〜20、20〜30、または30〜40アミノ酸長であることができる。他の態様では、リンカーは、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30アミノ酸長であることができる。例示的なリンカーには、例えば、数ある中でもとりわけ、アミノ酸配列

が含まれる。

0044

下記の「標的細胞の細胞溶解アッセイ」という標題の節および実施例3に記載の、細胞の細胞溶解アッセイ物への0.001pM〜20000pMの量のBi-Fcの添加が、標的細胞の細胞溶解を効果的に誘発するとき、Bi-Fcは、本明細書において意味されるところでは「免疫エフェクター細胞による標的細胞の細胞溶解を媒介する」。

0045

「非化学療法的抗腫瘍剤」は、化学療法剤以外の、がん細胞に対して細胞傷害効果または細胞増殖抑制性効果を有する化学薬剤化合物、または分子である。しかし、非化学療法的抗腫瘍剤は、ホルモンまたは成長因子に対する受容体を含む細胞表面受容体のような、細胞分裂に間接的に影響する分子と直接相互作用することを標的とし得る。しかし、非化学療法的抗腫瘍剤は、例えばDNA複製、RNA合成、タンパク質合成、または紡錘体の機能、集合、もしくは分散のような、細胞分裂に密接に結び付いている過程を直接には妨害しない。非化学療法的抗腫瘍剤の例には、数ある可能な非化学療法的抗腫瘍剤の中でもとりわけ、Bcl2阻害剤ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤タモキシフェンのような抗エストロゲン剤抗アンドロゲン化合物インターフェロンヒ素レチノイン酸レチノイン酸誘導体腫瘍特異抗原を標的とした抗体、およびBcr-Ablチロシンキナーゼ阻害剤(例えば、Novartis(New York and New Jersey, USA and Basel, Switzerland)によって商品名GLEEVEC(商標)で販売されている小分子STI-571)が含まれる。

0046

1つのアミノ酸配列または核酸配列と別の配列との「同一率」は、コンピュータープログラムを用いて決定することができる。例示的なコンピュータープログラムは、Genetics Computer Group(GCG; Madison, WI)のWisconsin packageバージョン10.0プログラム、GAP(Devereux et al. (1984), Nucleic AcidsRes. 12: 387-95)である。GAPプログラムについての好ましいデフォルトパラメーターには:(1)Atlas of Polypeptide Sequence and Structure, Schwartz and Dayhoff, eds., National Biomedical Research Foundation, pp. 353-358 (1979)に記載の、ヌクレオチドについての単項比較行列(同一に対して1および非同一に対して0の値を含有)ならびにGribskovおよびBurgessの重み付きアミノ酸比較行列((1986) Nucleic Acids Res. 14: 6745)、または他の同等な比較行列のGCG実装;(2)アミノ酸配列について各ギャップに対してペナルティー8および各ギャップ中の各記号に対して追加的なペナルティー2、またはヌクレオチド配列について各ギャップに対してペナルティー50および各ギャップ中の各記号に対して追加的なペナルティー3;(3)末端ギャップに対してペナルティーなし;ならびに(4)長いギャップに対して最大ペナルティーなしが含まれる。当業者によって使用される他の配列比較プログラムも使用することができる。

0047

ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの配列同一性を決定するための比較に関連して、「同一性領域」は、下記パラメーターを使用するコンピュータープログラムGAP(Devereux et al. (1984), Nucleic AcidsRes. 12: 387-95)により別のポリヌクレオチドまたはポリペプチドと部分的にまたは正確に一致するポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の部分である。例えば、アミノ酸20個のポリペプチドがそれよりもかなり長いタンパク質とアライメントされ、最初のアミノ酸10個が前記のより長いタンパク質と正確に一致し、最後のアミノ酸10個が前記のより長いタンパク質と全く一致しない場合、同一性領域はアミノ酸10個である。他方で、アミノ酸20個のポリペプチドの最初のアミノ酸および最後のアミノ酸が前記のより長いタンパク質と一致し、他の8個の一致が間に点在しているならば、同一性領域は20アミノ酸長である。しかし、少なくとも例えばアミノ酸20個またはヌクレオチド60個の、同一のアミノ酸もしくは保存的に置換されたアミノ酸または同一のヌクレオチドを有さない、アライメントされるいずれかのストランドにおける長い区間が、本明細書において意味される同一性領域の終点を構成する。

0048

「標的細胞」は、Bi-Fcが結合する細胞であり、疾患の媒介に関与する細胞である。場合により、標的細胞は、通例、免疫応答の媒介に関与するが、疾患の媒介にも関与する細胞であることができる。例えばB細胞リンパ腫において、通例、免疫応答の媒介に関与するB細胞は、標的細胞であることができる。いくつかの態様では、標的細胞は、がん細胞、病原体に感染している細胞、または自己免疫疾患もしくは炎症性疾患、例えば線維性疾患の媒介に関与する細胞である。Bi-Fcは、標的細胞の表面上に提示されるタンパク質、おそらくは高発現タンパク質である「標的細胞タンパク質」上の抗原への結合を介して標的細胞に結合することができる。

0049

「腫瘍量」は、がんを患う患者における生存がん細胞数、腫瘍部位数、および/または腫瘍サイズを表す。腫瘍量の減少は、例えば、患者の血液または尿中の腫瘍関連抗原もしくはタンパク質の量における減少、腫瘍細胞数もしくは腫瘍部位数における減少、および/または1つもしくは複数の腫瘍のサイズにおける減少として観測することができる。

0050

Bi-Fcまたは任意の他の薬物の「治療有効量」は、例えば、がん患者の腫瘍量を減少もしくは除去する効果、または処置のためにそのタンパク質が使用される任意の病状の症状を減少もしくは除去する効果を有する量である。治療有効量は、その状態の全ての症状を完全に除去する必要はなく、1つもしくは複数の症状の重症度を低下させるか、または状態が処置された後にいくらか頻度で発生する可能性がある、より重症の症状もしくはより重症の疾患の発症を遅らせる場合がある。

0051

本明細書において言及された任意の疾患の「処置」は、疾患の少なくとも1つの症状の軽減、疾患の重症度の低下、または場合によりその疾患に随伴し得るもしくは少なくとも1つの他の疾患に至り得る、より重症の症状への疾患の進行の遅延もしくは予防を包含する。処置は、疾患が完全に治癒されることを意味しなくてもよい。有用な治療剤は、疾患の重症度を低下させるか、疾患もしくはその処置に関連する1つもしくは複数の症状の重症度を低下させるか、または状態が処置された後にいくらかの頻度で発生する可能性がある、より重症の症状もしくはより重症の疾患の発生を遅らせさえすればよい。

0052

指定の免疫グロブリン可変領域のVH/VL対が「IgGおよび/またはscFv抗体の一部であるときに」、それらが標的細胞および/または免疫エフェクター細胞に結合できると言われた場合、両方の重鎖中に指定されたVH領域および両方の軽鎖中に指定されたVL領域を含有するIgG抗体ならびに/またはこれらのVHおよびVL領域を含有するscFv抗体が、標的細胞ならびに/または免疫エフェクター細胞に結合できることが意味される。実施例2に記載された結合アッセイは、結合を評価するために使用することができる。

0053

Bi-Fc分子
最も一般的な意味において、Bi-Fcは、2つの異なる抗原に一価的に結合でき、1つのポリペプチド鎖または異なるアミノ酸配列を有する2つの異なるポリペプチド鎖を含む。加えて、Bi-Fcは、わずかに酸性のpH(約pH5.5〜6.0)で、そのFc領域を介して胎児性Fc受容体(FcRn)に結合できる。FcRnとのこの相互作用は、分子のインビボ半減期を延長することができる。第1のポリペプチド鎖(場合により唯一のポリペプチド鎖である)は、Fcポリペプチド鎖、ならびにリンカーによって隔てられ得る2つのVH領域および2つのVL領域を含む。Fcポリペプチド鎖は、4つの免疫グロブリン可変領域に対してN末端側またはC末端側であることができ、リンカーを介して可変領域に連結することができる。第2のポリペプチド鎖は、存在する場合、Fcポリペプチド鎖を含む。Bi-Fcは、免疫エフェクター細胞および標的細胞に結合することができ、かつ/または免疫エフェクター細胞による標的細胞の細胞溶解を媒介することができる。Bi-Fcの一般構造を図1に図解するが、これはFcポリペプチド鎖がC末端側(パネルAおよびB)である態様ならびにFcポリペプチド鎖がN末端側(パネルCおよびD)である態様を示す。

0054

より詳細な態様は、免疫グロブリン可変領域の順序およびリンカーの長さを詳述しており、どの免疫グロブリン可変領域が会合してエフェクター細胞タンパク質または標的細胞タンパク質に対する結合部位を形成できるかを詳述している。一般に、抗体の抗原結合部分は、本明細書において「VH/VL対」と呼ばれるVH領域およびVL領域の両方を含むが、場合により、VHまたはVL領域は、パートナーなしに抗原に結合できる。例えば米国特許出願公開第2003/0114659号を参照されたい。

0055

一群の態様では、4つの可変領域を以下の順序:VH1-リンカー1-VL1-リンカー2-VH2-リンカー3-VL2で配列することができ、式中、VH1/VL1は抗原結合対であり、VH2/VL2は別の抗原結合対である。この群の態様では、リンカー1およびリンカー3は少なくとも15アミノ酸長であることができ、リンカー2は12アミノ酸長未満であるか、または場合により存在しなくてもよい。いくつかの態様では、VH1/VL1対は標的細胞タンパク質に結合することができ、VH2/VL2対はエフェクター細胞タンパク質に結合することができる。他の態様では、VH1/VL1対はエフェクター細胞タンパク質に結合することができ、VH2/VL2対は標的細胞タンパク質に結合することができる。

0056

別の群の態様では、4つの可変領域を以下の順序:VL1-リンカー1-VH1-リンカー2-VL2-リンカー3-VH2で配列することができ、式中、VH1/VL1は抗原結合対であり、VH2/VL2は抗原結合対である。これらの態様では、リンカー2は、12アミノ酸長未満であるか、または存在しなくてもよく、リンカー1およびリンカー3は少なくとも15アミノ酸長であることができる。いくつかの態様では、VH1/VL1対は標的細胞タンパク質に結合することができ、VH2/VL2対はエフェクター細胞タンパク質に結合することができる。他の態様では、VH1/VL1対はエフェクター細胞タンパク質に結合することができ、VH2/VL2対は標的細胞タンパク質に結合することができる。

0057

別の群の態様では、4つの可変領域を以下の順序:VH1-リンカー1-VL1-リンカー2-VL2-リンカー3-VH2で配列することができ、式中、VH1/VL1は抗原結合対であり、VH2/VL2は抗原結合対である。これらの態様では、リンカー2は、12アミノ酸長未満であるか、または存在しなくてもよく、リンカー1およびリンカー3は少なくとも15アミノ酸長であることができる。いくつかの態様では、VH1/VL1対は標的細胞タンパク質に結合することができ、VH2/VL2対はエフェクター細胞タンパク質に結合することができる。他の態様では、VH1/VL1対はエフェクター細胞タンパク質に結合することができ、VH2/VL2対は標的細胞タンパク質に結合することができる。

0058

さらなる群の態様では、4つの可変領域を以下の順序:VL1-リンカー1-VH1-リンカー2-VH2-リンカー3-VL2で配列することができ、式中、VH1/VL1は抗原結合対であり、VH2/VL2は抗原結合対である。これらの態様では、リンカー2は、12アミノ酸長未満であるか、または存在しなくてもよく、リンカー1およびリンカー3は少なくとも15アミノ酸長であることができる。いくつかの態様では、VH1/VL1対は標的細胞タンパク質に結合することができ、VH2/VL2対はエフェクター細胞タンパク質に結合することができる。他の態様では、VH1/VL1対はエフェクター細胞タンパク質に結合することができ、VH2/VL2対は標的細胞タンパク質に結合することができる。

0059

Bi-Fcは、抗体のFcポリペプチド鎖を含むことができる。Fcポリペプチド鎖は、哺乳類(例えばヒト、マウス、ラットウサギ、ヒトコブラクダ、または新世界もしくは旧世界ザル)、鳥類、またはサメ起源であることができる。例えば、Fcポリペプチド鎖は、ヒトのIgG1 Fcポリペプチド鎖、IgG2 Fcポリペプチド鎖、IgG3 Fcポリペプチド鎖、またはIgG4 Fcポリペプチド鎖であることができる。加えて、上に説明されたように、Fcポリペプチド鎖は、限られた数の改変を含むことができる。より詳細には、Fcポリペプチド鎖は、公知または天然の配列に比べて、アミノ酸100個あたり10個以下の単一アミノ酸の挿入、欠失、および/または置換を含有することができる。いくつかの態様では、ヘテロ二量体性Bi-Fcの2つのFcポリペプチド鎖は、例えば電荷対置換であることができるヘテロ二量体化改変を含有する。例えば、Bi-Fcの第1のポリペプチド鎖は、置換R409D、R409E、K409D、またはK409Eと、N392D、N392E、K392D、またはK392Eとを含むことができ、かつBi-Fcの第2のポリペプチド鎖は、D399KまたはD399Rと、E356K、E356R、D356K、またはD356Rとを含むことができる。あるいは、Bi-Fcの第1のポリペプチド鎖は、D399KまたはD399Rと、E356K、E356R、D356KまたはD356Rとを含むことができ、かつBi-Fcの第2のポリペプチド鎖は、R409E、R409E、K409D、またはK409Eと、N392E、N392D、K392DまたはK392Eとを含むことができる。Fcポリペプチド鎖は、本明細書において意味される、1つもしくは複数の「ホモ二量体形成に不利なFc改変」および/または1つもしくは複数の「半減期を延長するFc改変」も含むことができる。

0060

Bi-Fcの単量体性の態様では、Bi-Fcは、上記と同義の1つまたは複数の「ホモ二量体形成に不利なFc改変」を含むことができる。

0061

他の種類の改変も、Bi-Fcの一部であるFcポリペプチド鎖の一部であることができる。一局面では、Bi-Fc中に含まれるFc領域は、上記と同義の、Fc領域への「Fcγ受容体(FcγR)の結合を阻害する1つまたは複数の改変」を含むことができる。別の局面では、Bi-Fc中に含まれるFc領域は、上記と同義の、「半減期を延長する1つまたは複数のFc改変」を含むことができる。なお別の局面では、「ADCCを増強する1つまたは複数の改変」が、Bi-Fcの一部であるFc領域中に含まれることができる。

0062

いくつかの態様では、Fcポリペプチドのアミノ酸配列は、哺乳類、例えばヒトのアミノ酸配列、またはヒトのアミノ酸配列に比べてアミノ酸100個の配列あたり10個以下の単一アミノ酸の欠失、挿入、もしくは置換を含む、それらの変異体であることができる。あるいは、Bi-Fcの一部であるFcポリペプチドは、ヒトIgGFcポリペプチド鎖と90%または95%同一であることができ、同一性領域は、少なくとも約50、60、70、80、90、または100アミノ酸長であることができる。Fcポリペプチドのアイソタイプは、IgAIgDIgEIgM、またはIgG1、IgG2、IgG3、もしくはIgG4のようなIgGであり得る。下の表2に、ヒトのIgG1 Fcポリペプチド鎖配列、IgG2 Fcポリペプチド鎖配列、IgG3 Fcポリペプチド鎖配列、およびIgG4 Fcポリペプチド鎖配列のアミノ酸配列のアライメントを示す。

0063

(表2)ヒトIgGFc領域のアミノ酸配列

0064

表2に示されるナンバリングは、EUナンバリングシステムに従い、ヒトIgG1抗体の定常領域の連続ナンバリングに基づく。Edelman et al. (1969), Proc. Natl. Acad. Sci. 63: 78-85。したがって、このナンバリングは、IgG3ヒンジの追加的な長さには十分には対応していない。それでもなお、このナンバリングは、Fc領域中の位置を表すために当技術分野においてまだ一般に使用されているので、本明細書においてFc領域中の位置を示すために使用される。IgG1Fcポリペプチド、IgG2 Fcポリペプチド、およびIgG4 Fcポリペプチドのヒンジ領域は、位置約216から約230までに及ぶ。IgG2およびIgG4のヒンジ領域がIgG1のヒンジよりもそれぞれアミノ酸3個短いことがアライメントから明らかである。IgG3のヒンジはかなり長く、上流の追加的なアミノ酸47個に及ぶ。CH2領域は位置約231〜340に及び、CH3領域は位置約341〜447に及ぶ。

0065

Fcポリペプチドの天然アミノ酸配列は、わずかに変異することができる。そのような変異は、Fcポリペプチドの公知または天然アミノ酸配列中にアミノ酸100個の配列あたり10個以下の1アミノ酸の挿入、欠失および/または置換を含むことができる。置換があるならば、それらは、上記と同義の保存的アミノ酸置換であることができる。ヘテロ二量体性Bi-Fcの第1および第2のポリペプチド鎖上のFcポリペプチドは、アミノ酸配列が異なることができる。いくつかの態様では、それらは、上記と同義の1つまたは複数の「ヘテロ二量体化改変」、「ADCCを増強する改変」、「FcγRの結合を阻害する改変」、「ホモ二量体形成に不利なFc改変」、および/または「半減期を延長するFc改変」を含むことができる。

0066

Bi-Fcは、エフェクター細胞タンパク質の一部である抗原を介して免疫エフェクター細胞に結合することができ、標的細胞タンパク質の一部である抗原を介して標的細胞に結合することができる。いくつかの可能なエフェクター細胞タンパク質が下に詳細に記載されている。同様に、いくつかの可能な標的細胞タンパク質も下に記載されている。Bi-Fcは、エフェクター細胞タンパク質と標的細胞タンパク質との任意の組み合わせに結合することができる。

0067

Bi-Fcの例示的なアミノ酸配列には、以下のアミノ酸配列:SEQID NO:10および12(ヘテロ二量体性Bi-Fc);SEQ ID NO:15および12(ヘテロ二量体性Bi-Fc);ならびにSEQ ID NO:34(そのFcポリペプチド鎖部分に改変Y349T、K392D、およびK409D(EUナンバリング)を含む単量体性Bi-Fc)が含まれる。

0068

Bi-Fc分子をコードする核酸
Bi-Fcをコードする核酸が提供される。VH、VL、ヒンジ、CH1、CH2、CH3、およびCH4領域を含む免疫グロブリン領域をコードする多数の核酸配列が、当技術分野において公知である。例えば、Kabat et al. in SEQUENCESOFIMMUNOLOGICALINTEREST, Public Health Service N.I.H., Bethesda, MD, 1991を参照されたい。本明細書において提供された指針を用いて、当業者は、そのような核酸配列および/または当技術分野において公知の他の核酸配列を組み合わせて、Bi-Fcをコードする核酸配列を作製することもできる。Bi-Fcをコードする例示的な核酸には、(1)SEQ ID NO:11および13、(2)SEQ ID NO:16および13、ならびに(3)SEQ ID NO:35が含まれる。

0069

加えて、Bi-Fcをコードする核酸配列は、本明細書および他のものにおいて提供されたアミノ酸配列ならびに当技術分野における知識に基づき、当業者が決定することができる。特定のアミノ酸配列をコードするクローニングしたDNAセグメントを生産する、より伝統的な方法以外に、とりわけDNA2.0(Menlo Park, CA, USA)およびBlueHeron(Bothell, WA, USA)などの企業が、現在、化学合成され、遺伝子サイズが調整された任意の所望の配列のDNAを注文に応じて日常的に生産することで、そのようなDNAの生産工程を能率化させている。

0070

Bi-Fc分子を作製する方法
Bi-Fcは、当技術分野において周知の方法を用いて作製することができる。例えば、Bi-Fcの1つまたは2つのポリペプチド鎖をコードする核酸は、例えばトランスフォーメーショントランスフェクションエレクトロポレーション、核酸をコーティングした微粒子を用いるなどのような、多様な公知の方法により培養宿主細胞に導入することができる。いくつかの態様では、Bi-Fcをコードする核酸は、宿主細胞中に導入される前に、宿主細胞における発現に適切なベクター中に挿入することができる。典型的には、そのようなベクターは、挿入された核酸の発現をRNAおよびタンパク質レベルで可能にする配列エレメントを含有することができる。そのようなベクターは、当技術分野において周知であり、多くが市販されている。核酸を含有する宿主細胞は、細胞が核酸を発現できるようになる条件下で培養することができ、結果として生じたBi-Fcは、細胞集団または培地から収集することができる。あるいは、Bi-Fcは、インビボで、例えば植物の葉(例えばScheller et al. (2001), Nature Biotechnol. 19: 573-577およびその中に引用された参考文献参照)、(例えばZhu et al. (2005), Nature Biotechnol. 23: 1159-1169およびその中に引用された参考文献参照)、または哺乳類の乳汁(例えばLaible et al. (2012), Reprod. Fertil. Dev. 25(1): 315参照)の中で生産することができる。

0071

例えば、数ある中でもとりわけ、大腸菌(Escherichia coli)もしくはバチルスステアロサーモフィルス(Bacilis stearothermophilus)のような細菌細胞出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)もしくはピキアパストリス(Pichia pastoris)のような真菌細胞スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)細胞を含む鱗翅目昆虫細胞のような昆虫細胞、またはチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞、HeLa細胞ヒト肝細胞癌細胞、もしくは293細胞のような哺乳類細胞を含む、多様な培養宿主細胞を使用することができる。

0072

免疫エフェクター細胞およびエフェクター細胞タンパク質
Bi-Fcは、免疫エフェクター細胞の表面上に発現された分子(本明細書において「エフェクター細胞タンパク質」と呼ばれる)および標的細胞の表面上に発現された別の分子(本明細書において「標的細胞タンパク質」と呼ばれる)に結合することができる。免疫エフェクター細胞は、T細胞、NK細胞、マクロファージ、または好中球であることができる。いくつかの態様では、エフェクター細胞タンパク質は、T細胞受容体(TCR)-CD3複合体中に含まれるタンパク質である。TCR-CD3複合体は、TCRαおよびTCRβ、またはTCRγおよびTCRδに加えて、CD3ゼータ(CD3ζ)鎖、CD3イプシロン(CD3ε)鎖、CD3ガンマ(CD3γ)鎖、およびCD3デルタ(CD3δ)鎖の中からの多様なCD3鎖を含むヘテロ二量体を含む、ヘテロ多量体である。いくつかの態様では、エフェクター細胞タンパク質は、多量体性タンパク質の一部であり得るヒトCD3イプシロン(CD3ε)鎖(その成熟アミノ酸配列はSEQID NO:22に開示される)であることができる。あるいは、エフェクター細胞タンパク質は、ヒトおよび/またはカニクイザルのTCRα、TCRβ、TCRδ、TCRγ、CD3β、CD3γ、CD3δ、またはCD3ζであることができる。

0073

そのうえ、いくつかの態様では、Bi-Fcは、マウス、ラット、ウサギ、新世界ザル、および/または旧世界ザル種のような非ヒト種由来のCD3ε鎖にも結合することができる。そのような種には、非限定的に、以下の哺乳類:ハツカネズミ(Mus musculus);クマネズミ(Rattus rattus);ドブネズミ(Rattus norvegicus);カニクイザル、マカカ・ファスクラリス(Macaca fascicularis);マントヒヒ、パピオ・ハマドリアス(Papio hamadryas);ギニアヒヒ、パピオ・パピオ(Papio papio);アヌビスヒヒ、パピオ・アヌビス(Papio anubis);キイロヒヒ、パピオ・シノファルス(Papio cynocephalus);チャクマヒヒ、パピオ・ウルシヌス(Papio ursinus);コモンマーモセット(Callithrix jacchus);ワタボウタマリン(Saguinus Oedipus);およびリスザル(Saimiri sciureus)が含まれる。カニクイザルのCD3ε鎖の成熟アミノ酸配列は、SEQID NO:23に提供される。タンパク質治療剤の開発の分野において公知のように、ヒトならびに前臨床試験のために通常使用されるマウスおよびサルなどの種において同等の活性を有することができる治療剤を有することは、医薬品開発を簡略化し、促進することができる。薬物を市場に橋渡しする長く高価な工程において、そのような利点は重大な可能性がある。

0074

より具体的な態様では、ヘテロ二量体性二重特異性抗体は、ヒトCD3ε鎖であり得るまたは異なる種、特に上掲の哺乳類種のうちの1つに由来するCD3ε鎖であり得るCD3ε鎖の、最初の27個のアミノ酸内のエピトープに結合することができる。エピトープは、アミノ酸配列Gln-Asp-Gly-Asn-Glu(SEQID NO:24)を含有することができる。そのようなエピトープと結合する抗体の利点は、米国特許出願公開第2010/183615号に詳細に説明されており、その関連部分は、参照により本明細書に組み入れられる。抗体が結合するエピトープは、アラニンスキャニングによって決定することができ、それは、例えば米国特許出願公開第2010/183615号に記載されており、その関連部分は、参照により本明細書に組み入れられる。

0075

簡潔には、アラニンスキャニングは以下のように行うことができる。対照では、野生型CD3εをコードするDNAが、宿主細胞、好ましくは哺乳類T細胞系に適切な発現ベクターに挿入され、宿主細胞にトランスフェクションされ、そこでCD3εをTCR-CD3複合体の一部として発現させることができる。被験試料において、DNAは、CD3εのアミノ酸のうちの1つのみがアラニンに変更されているCD3εをコードする。DNA構築物は、1回に1つのアミノ酸がアラニンに変更されている一連の全ての分子を生成させるように作製される。Bi-Fcへの結合に関与するCD3εの細胞外ドメインにおける全ての可能性のあるアミノ酸位置をスキャンするように、構築物毎にアミノ酸1つだけが変異される。検査されるべきBi-Fcは、Bi-FcをコードするDNAにより哺乳類宿主細胞をトランスフェクションし、細胞培養物から抗体を回収することによって作製される。野生型またはアラニン置換を有するCD3εを発現している細胞へのBi-Fcの結合は、標準的な蛍光標示式細胞分取(FACS)法によって評価することができる。CD3εが特定の位置にアラニン置換を有し、検出された結合が、野生型CD3εで検出された結合よりも減少したまたは除去された試料は、改変された位置のアミノ酸が通常、CD3εへのBi-Fcの結合に関与することを示している。

0076

T細胞が免疫エフェクター細胞である場合、Bi-Fcが結合できるエフェクター細胞タンパク質には、非限定的にCD3ε、CD3γ、CD3δ、CD3ζ、TCRα、TCRβ、TCRγ、およびTCRδが含まれる。NK細胞または細胞傷害性T細胞が免疫エフェクター細胞である場合、例えばNKG2D、CD352、NKp46、またはCD16aは、エフェクター細胞タンパク質であることができる。CD8+T細胞が免疫エフェクター細胞である場合、例えば、4-1BBまたはNKG2Dは、エフェクター細胞タンパク質であることができる。あるいは、Bi-Fcは、T細胞、NK細胞、マクロファージ、または好中球上に発現された他のエフェクター細胞タンパク質に結合することもできる。

0077

標的細胞および標的細胞上に発現された標的細胞タンパク質
上に説明されたように、Bi-Fcは、エフェクター細胞タンパク質および標的細胞タンパク質に結合することができる。標的細胞タンパク質は、例えば、がん細胞、病原体に感染している細胞、または疾患、例えば炎症性自己免疫性および/もしくは線維性状態を媒介する細胞の表面上に発現され得る。いくつかの態様では、標的細胞タンパク質は、標的細胞上に高度に発現され得るが、高レベルの発現は必ずしも必要とされない。

0078

標的細胞ががん細胞である場合、本明細書記載のヘテロ二量体性二重特異性抗体は、上記のがん細胞抗原に結合することができる。がん細胞抗原は、ヒトタンパク質または別の種由来のタンパク質であることができる。例えば、ヘテロ二量体性二重特異性抗体は、数ある中でもとりわけ、マウス、ラット、ウサギ、新世界ザル、および/または旧世界ザル種由来の標的細胞タンパク質に結合し得る。そのような種には、非限定的に以下の種:ハツカネズミ;クマネズミ;ドブネズミ;カニクイザル、マカカ・ファスシクラリス;マントヒヒ、パピオ・ハマドリアス;ギニアヒヒ、パピオ・パピオ;アヌビスヒヒ、パピオ・アヌビス;キイロヒヒ、パピオ・シノセファルス;チャクマヒヒ、パピオ・ウルシヌス、コモンマーモセット、ワタボウシタマリン、およびリスザルが含まれる。

0079

いくつかの例では、標的細胞タンパク質は、感染細胞上に選択的に発現されるタンパク質であることができる。例えば、B型肝炎ウイルスHBV)またはC型肝炎ウイルス(HCV)感染の場合、標的細胞タンパク質は、感染細胞の表面上に発現された、HBVまたはHCVのエンベロープタンパク質であることができる。他の態様では、標的細胞タンパク質は、HIV感染細胞上のヒト免疫不全ウイルス(HIV)によってコードされるgp120であることができる。

0080

他の局面では、標的細胞は、自己免疫疾患または炎症性疾患を媒介する細胞であることができる。例えば、喘息におけるヒト好酸球は標的細胞であることができ、その場合、例えば、EGF様モジュール含有ムチンホルモン受容体EMR1)は、標的細胞タンパク質であることができる。あるいは、全身性エリテマトーデスの患者における過剰なヒトB細胞は、標的細胞であることができ、その場合、例えばCD19またはCD20は、標的細胞タンパク質であることができる。他の自己免疫状態では、過剰なヒトTh2 T細胞は標的細胞であることができ、その場合、例えばCCR4は、標的細胞タンパク質であることができる。同様に、標的細胞は、アテローム動脈硬化症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肝硬変、強皮症、腎臓移植線維症、腎臓同種移植腎症、または特発性肺線維症および/もしくはイディオタイプ(idiotypic)肺高血圧症を含む肺線維症のような疾患を媒介する線維細胞であることができる。そのような線維性状態について、例えば線維芽細胞活性化タンパク質α(FAPα)は、標的細胞タンパク質であることができる。

0081

標的細胞の細胞溶解アッセイ
下の実施例において、本明細書記載のBi-Fc抗体がインビトロで免疫エフェクター細胞による標的細胞の細胞溶解を誘導できるかどうかを決定するためのアッセイが記載される。このアッセイでは、免疫エフェクター細胞はT細胞である。免疫エフェクター細胞がNK細胞である場合、以下の非常に類似のアッセイを使用することができる。

0082

関心対象の標的細胞タンパク質を発現している標的細胞系を、2μMカルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル(CFSE)を用いて37℃で15分間標識し、次に洗浄することができる。次に適切な数の標識標的細胞を、1つまたは複数の96ウェル平底培養プレート中で様々な濃度の二重特異性タンパク質、対照タンパク質の存在下または非存在下、またはタンパク質不添加において4℃で40分間インキュベーションすることができる。健康なヒトドナーから単離されたNK細胞を、Miltenyi NK Cell Isolation Kit II(Miltenyi Biotec, Auburn, CA)を用いて単離し、次に標的細胞にエフェクター:標的比10:1で添加することができる。このアッセイにおける免疫エフェクター細胞であるNK細胞は、単離直後にまたは37℃で一晩培養後に使用することができる。腫瘍標的細胞、二重特異性タンパク質、および免疫エフェクター細胞を含有するプレートを、5% CO2で18〜24時間、37℃で培養することができる。適切な対照ウェルも準備することができる。アッセイ時間18〜24時間の後に、全ての細胞をウェルから取り出すことができる。ウェルの内容物の体積に等しい体積の7-AAD溶液を各試料に添加することができる。次に、下記実施例に記載のフローサイトメトリーによって試料をアッセイして、死滅した標的細胞に対する生存細胞の割合を決定することができる。

0083

治療法および組成物
Bi-Fcは、例えば様々な形態のがん、感染、自己免疫性もしくは炎症性状態および/または線維性状態を含む、多種多様な状態を処置するために使用することができる。

0084

本明細書において、Bi-Fcを含む薬学的組成物が提供される。そのような薬学的組成物は、治療有効量のBi-Fcに加えて、生理学的に許容される担体、賦形剤、または希釈剤のような1種または複数種の追加的な成分を含む。そのような追加的な成分には、多数の可能なものの中でも、緩衝剤炭水化物ポリオール、アミノ酸、キレート剤、安定剤、および/または防腐剤が含まれることができる。

0085

いくつかの態様では、Bi-Fcは、新しい領域にがん細胞を浸潤、すなわち転移させることができる隣接組織破壊および新生血管成長がしばしば付随する、未制御の、および/または不適切細胞増殖を伴う、がんを含む細胞増殖疾患を処置するために使用することができる。Bi-Fcで処置可能な状態に含まれるのは、結腸直腸ポリープ脳虚血肉眼的嚢胞性疾患多発性嚢胞腎疾患良性前立腺肥大症、および子宮内膜症を含む、不適切な細胞成長を伴う非悪性状態である。Bi-Fcは、血液悪性腫瘍または固形悪性腫瘍を処置するために使用することができる。より具体的には、Bi-Fcを使用して処置できる細胞増殖疾患は、例えば、中皮腫扁平上皮癌骨髄腫骨肉腫膠芽腫神経膠腫癌腫腺癌メラノーマ肉腫急性および慢性白血病、リンパ腫、ならびに髄膜腫ホジキン病セザリー症候群多発性骨髄腫、ならびに肺がん非小細胞肺がん小細胞肺がん咽頭がん乳がん頭頸部がん膀胱がん卵巣がん皮膚がん前立腺がん子宮頸がんがん、胃がん腎細胞がん、腎臓がん、膵臓がん結腸直腸がん子宮内膜がん食道がん肝胆道がん、骨がん、皮膚がん、および血液がんを含むがん、ならびに鼻腔および副鼻腔鼻咽頭口腔中咽頭喉頭、下喉頭、唾液腺縦隔小腸結腸直腸および肛門領域、尿管尿道陰茎精巣外陰部内分泌系中枢神経系、および形質細胞のがんが含まれる。

0086

Cancer, Principles and Practice of Oncology, 4th Edition, DeVita et al., Eds. J. B. Lippincott Co., Philadelphia, PA (1993)は、がん治療のための指針を提供している教科書の中に含まれる。適切な治療アプローチは、がんの特定の型、および関連分野において認知されている、患者の全身状態などの他の要因に応じて選択される。Bi-Fcは、がん患者の処置において単独で使用してもよいし、または他の抗腫瘍剤を使用する治療方式に追加してもよい。

0087

いくつかの態様では、Bi-Fcは、例えば化学療法剤、非化学療法的抗腫瘍剤、抗腫瘍剤、および/または放射線のようながん処置に広く採用されている多様な薬物および処置と同時に、その前、またはその後に投与することができる。例えば、化学療法および/または放射線は、本明細書記載の任意の処置の前、処置の途中、および/または処置の後に行うことができる。化学療法剤の例は上に論じられており、それらには、非限定的にシスプラチン、タキソール、エトポシド、ミトキサントロン(Novantrone(登録商標))、アクチノマイシンD、シクロヘキシミドカンプトテシン(またはその水溶性誘導体)、メトトレキサート、マイトマイシン(例えばマイトマイシンC)、ダカルバジン(DTIC)、アドリアマイシン(ドキソルビシン)およびダウノマイシンのような抗腫瘍性抗生物質、ならびに上に言及された全ての化学療法剤が含まれる。

0088

Bi-Fcは、また、数ある中でもとりわけ、感染症、例えば慢性HBV感染、HCV感染、HIV感染、エプスタイン-バーウイルスEBV)感染、またはサイトメガロウイルス(CMV)感染を処置するために使用することができる。Bi-Fcは、単独で投与してもよいし、またはそのような感染症を処置するために使用される他の治療剤の投与と同時、投与の前、または投与の後に投与してもよい。

0089

Bi-Fcは、ある細胞型を枯渇させることが有益な、他の種類の状態においてさらに利用することができる。例えば、喘息におけるヒト好酸球、全身性エリテマトーデスにおける過剰なヒトB細胞、自己免疫状態における過剰なヒトTh2 T細胞、または感染症における病原体感染細胞の枯渇が有益であり得る。線維性状態では、線維組織を形成する細胞を枯渇させることが有益であり得る。Bi-Fcは、単独で投与してもよいし、またはそのような疾患を処置するために使用される他の治療剤の投与と同時、投与の前、または投与の後に投与してもよい。

0090

治療有効用量のBi-Fcを投与することができる。治療用量を構成するBi-Fcの量は、処置される適応症、患者の体重、患者の計算された皮膚表面積に応じて変動し得る。Bi-Fcの投薬は、所望の効果を達成するように調整することができる。多くの場合に、反復投薬が必要となり得る。例えば、Bi-Fcは、1週間に2回、1週間に1回、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10週間に1回、または2、3、4、5、もしくは6ヶ月に1回投薬することができる。毎日投与されるBi-Fcの量は、約0.0036mg〜約450mgであることができる。あるいは、患者の推定皮膚表面に応じて用量を較正することができ、各用量は、約0.002mg/m2〜約250mg/m2とすることができる。別の選択肢において、患者の体重に応じて用量を較正することができ、各用量は、約0.000051mg/kg〜約6.4mg/kgとすることができる。

0091

Bi-Fc、またはそのような分子を含有する薬学的組成物は、任意の実現可能な方法によって投与することができる。経口投与は、ある特別な製剤または状況の非存在下では、胃の酸性環境中でタンパク質の断片化および/または加水分解をもたらすため、タンパク質治療剤は、通常、非経口経路によって、例えば注射によって投与される。皮下、筋肉内、静脈内、動脈内、病巣内、または腹膜ボーラス注射が、可能な投与経路である。Bi-Fcは、また、注入、例えば静脈内または皮下注入を介して投与することができる。特に皮膚に影響を与えている疾患に関して、局所投与も可能である。あるいは、Bi-Fcは、粘膜との接触により、例えば鼻腔内、下、膣、もしくは直腸投与によって、または吸入剤としての投与によって投与することができる。あるいは、Bi-Fcを含む特定の適切な薬学的組成物を経口投与することができる。

0092

本発明を上に一般的な用語で説明したが、以下の実施例を限定ではなく例示として提供する。

0093

実施例1:抗HER2 CD3εおよび抗FOLR1/ CD3εのBi-Fc分子および単鎖二重特異性分子の構築
本質的に以前に記載された方法を用いてBi-Fc分子を作製した。Loeffler et al. (2000), Blood 95(6): 2098-2103。より詳細には、ヘテロ二量体性抗HER2/CD3ε Bi-Fcをコードする構築物を以下のように作製した。抗HER2IgG抗体のVH領域をコードするDNA断片(SEQID NO:5)およびVL領域をコードするDNA断片(SEQ ID NO:6)ならびに抗ヒトCD3ε IgG抗体のVH領域をコードするDNA断片(SEQ ID NO:7)およびVL領域をコードするDNA断片(SEQ ID NO:8)を、フォワードプライマーおよびリバースプライマーを使用するPCRによって増幅し、フレキシブルリンカーを用いて一緒にスプライシングした。結果として生じた、リンカーによって連結された2つのscFvをコードする線状融合DNAをコードするDNA断片を、本明細書において単鎖抗HER2/CD3ε(SEQ ID NO:9)と呼ぶ。この構築物を抗体生産のための哺乳類発現ベクター中にサブクローニングした。

0094

単鎖抗HER2/CD3εをコードするDNAと、操作されたヒトIgG1Fc領域の2つの鎖のうちの1つをコードするDNAとを融合することによって、ヘテロ二量体性抗HER2/CD3ε Bi-Fc(SEQID NO:10)を構築した。具体的には、2つの正荷電突然変異(D356K/D399K、EUナンバリング)に加えてFcγRの結合を阻害する改変(L234AおよびL235A)を含有するFcポリペプチド鎖をコードするDNAを、単鎖抗HER2/CD3εをコードするDNAの3'末端に融合した。この抗HER/CD3ε Bi-Fcのアミノ酸配列およびそれをコードする核酸配列を、それぞれSEQ ID NO:10および11に示す。抗HER2/CD3ε Bi-Fcの一部である第2のポリペプチド鎖は、SEQ ID NO:12に示すように2つの負荷電突然変異(K392D/K409D、EUナンバリング)に加えてL234AおよびL235Aを含有するヒトIgG1 Fcポリペプチド鎖であった。このポリペプチドをコードするDNA(SEQ ID NO:13)を増幅し、適切な発現用ベクターに挿入した。類似の方法を用いて、抗HER2 scFv断片をコードするDNAを、抗ヒトFOLR1IgG抗体由来のscFv断片をコードするDNAにより置き換えることによって、単鎖抗FOLR1/CD3ε(SEQ ID NO:14)およびヘテロ二量体性抗FOLR1/CD3ε Bi-Fc(SEQ ID NO:15)を構築した。

0095

ヒトHEK293-6E細胞において一過性トランスフェクションにより上記の全ての単鎖Bi-Fc分子およびヘテロ二量体性Bi-Fc分子を産生させた。培養培地を6日後に採集した。ニッケルHISTRAP(登録商標)(GE Healthcare Bio-Sciences, L.L.C., Uppsala, Sweden)カラムクロマトグラフィーによって単鎖抗HER2/CD3ε分子および抗FOLR1/CD3ε分子を精製し、25〜300mMイミジゾール(imidizole)勾配をかけて溶出させた。調製用SUPERDEX(登録商標)200(GE Healthcare Bio-Sciences, L.L.C., Uppsala, Sweden)カラムを使用して溶出プールをサイズ交換クロマトグラフィー(SEC)によってさらに精製し、>1mg/mLに濃縮し、-70℃で保存した。50mMクエン酸塩、1M L-アルギニン、pH3.5を用いて溶出するMABSELECT SURE(商標)(GE Healthcare Bio-Sciences, L.L.C., Uppsala, Sweden)アフィニティークロマトグラフィーを用いてヘテロ二量体性抗HER2/CD3ε Bi-Fc分子および抗FOLR1/CD3ε Bi-Fc分子を精製した。10mMリン酸カリウム、161mM L-アルギニン、pH7.6を用いる、または酢酸塩およびスクロースを150mM NaCl、161mM L-アルギニン、pH5.2と共に含有する溶液を用いる調製用SECによって、溶出液を製剤化緩衝液に緩衝液交換した。

0096

実施例2:標的細胞および免疫エフェクター細胞に対する結合についてのBiTE:Fc分子の試験
CD3を発現しているT細胞およびHER2を発現しているJIMT-1細胞に対するヘテロ二量体性抗HER2/CD3ε Bi-Fcおよび単鎖抗HER2/CD3εの結合を以下のように評価した。10μg/mLヘテロ二量体性抗HER2/CD3ε Bi-Fcまたは単鎖抗HER2/CD3εの非存在下または存在下で、ヒト汎T細胞(Pan T Cell Isolation Kit II, human, Miltenyi Biotec, Auburn, CAを使用して精製)または精製JIMT-1細胞を4℃で16時間インキュベーションした。アロフィコシアニンAPC標識抗ヒトFc二次抗体を使用して、ヘテロ二量体性抗HER2/CD3ε Bi-Fcの細胞結合を検出した。マウス抗FLAG(登録商標)抗体に続いてAPC標識マウスIg特異的抗体を使用して、FLAG(登録商標)タグを含む単鎖抗HER2/CD3εを検出した。

0097

図2に示される蛍光標示式細胞分取(FACS)ヒストグラムでは、図2およびその説明に示されるように、白いプロファイルは一方の二重特異性分子の非存在下での細胞からのデータを表し、黒いプロファイルは一方の二重特異性分子の存在下での細胞からのデータを表す。これらの結果は、ヘテロ二量体性抗HER2/CD3ε Bi-Fcおよび単鎖抗HER2/CD3εが、T細胞(CD3εを発現している)およびHER2を発現しているJIMT-1細胞の両方に結合することを示している。

0098

実施例3:Bi-FcおよびT細胞の存在下での腫瘍細胞系の溶解
上記のヘテロ二量体性の抗HER2/CD3ε Bi-Fcおよび抗FOLR1/CD3ε Bi-Fcならびに単鎖の抗HER2/CD3ε分子および抗FOLR1/CD3ε分子をアッセイして、標的細胞としてHER2またはFOLR1を発現している腫瘍細胞を使用するT細胞依存性細胞溶解(TDCC)アッセイにおけるそれらの活性を決定した。簡潔には、Pan T Cell Isolation Kit II, human(Miltenyi Biotec, Auburn, CA)を使用して、健康なヒトドナーから汎T細胞を単離した。図3および4に示すように、これらのT細胞をCFSE標識腫瘍標的細胞と共に10:1の比で、様々な濃度の実施例1記載のヘテロ二量体性の抗HER2/CD3ε Bi-Fcもしくは抗FOLR1/CD3ε Bi-Fcまたは単鎖の抗HER2/CD3εもしくは抗FOR1/CD3εの存在下または非存在下でインキュベーションした。対照として、いくつかの試料はT細胞および腫瘍標的細胞を含有したが、Bi-Fcも単鎖分子も含有しなかった。

0099

抗FOLR1/CD3εのヘテロ二量体性Bi-Fcおよび単鎖分子についての標的細胞は、Cal-51細胞(細胞1個あたり約148,000個のFOLR1分子を発現している)、T47D細胞(細胞1個あたり約101,000個のFOLR1分子を発現している)、または対照細胞系BT474(これは、検出可能なレベルのFOLR1は発現しなかった)のいずれかであった。

0100

抗HER2/ CD3εのヘテロ二量体性Bi-Fcおよび単鎖分子についての標的細胞は、JIMT-1細胞(細胞1個あたり約181,000個のHER2分子を発現している)、T47D細胞(細胞1個あたり約61,000個のHER2分子を発現している)、または対照細胞系SHP77(これは、検出可能なレベルのHER2を発現しなかった)であった。

0101

39〜48時間インキュベーション後に、細胞を採集し、2本鎖核酸を染色する7-アミノ-アクチノマイシンD(7-AAD)の取り込みによって腫瘍細胞の溶解率をモニターした。無傷細胞は7-AADを排除し、一方で7-AADは死細胞または瀕死細胞の膜を透過してこれらの細胞内部の2本鎖核酸を染色することができる。特異的溶解率は次式に従って計算した:
特異的溶解%=[Bi-Fc存在下での腫瘍溶解%−二重特異性の非存在下での腫瘍細胞溶解%/総細胞溶解%−二重特異性の非存在下での腫瘍細胞溶解%]×100
総細胞溶解率を決定するために、Bi-Fcまたは単鎖分子の非存在下で免疫エフェクター細胞および標識標的細胞を含有する試料を80%冷メタノールで溶解した。

0102

抗FOLR1/CD3εヘテロ二量体性のBi-Fcおよび単鎖分子についての結果を図3に示す。抗FOLR1/CD3εヘテロ二量体性のBi-Fcおよび単鎖分子の両方は、Cal-51標的細胞およびT47D標的細胞の両方の用量依存性溶解を示した。これらの各細胞系におけるこれらの各分子についてのEC50を下の表3に示す。

0103

(表3)Bi-Fcおよび単鎖の抗FOLR1/CD3ε分子のEC50

* NAは、検出された細胞溶解がほとんどまたは全くなかったことを意味する。
これらのデータは、抗FOLR1/CD3εのヘテロ二量体性Bi-Fcおよび単鎖分子の両方がT細胞の存在下でFOLR1を発現している細胞の溶解を媒介することができるが、FOLR1を発現していない細胞の溶解を媒介しないことを示している。Bi-FcのEC50は、単鎖分子の約7〜15倍高いが、それらは依然としてpM域である。したがって、このアッセイでBi-Fcおよび単鎖分子の両方は、高度に効力がある。

0104

抗HER2/CD3εのヘテロ二量体性Bi-Fcおよび単鎖分子についての結果を図4に示す。抗HER2/CD3εのヘテロ二量体性Bi-Fcおよび単鎖分子の両方が、JIMT-1標的細胞およびT47D標的細胞の両方の用量依存性溶解を示したが、対照SHP77細胞系(これは、HER2を発現しない)の溶解を示さなかった。これらの各細胞系におけるこれらの各分子についてのEC50を下の表4に示す。

0105

(表4)Bi-Fcおよび単鎖の抗HER2/CD3ε分子のEC50

* NAは、検出された細胞溶解がほとんどまたは全くなかったことを意味する。
これらのデータは、抗HER2/CD3εのヘテロ二量体性Bi-Fcおよび単鎖分子の両方がT細胞の存在下でHER2を発現している細胞の溶解を媒介できるが、HER2を発現していない細胞の溶解を媒介しないことを示している。Bi-FcのEC50は、単鎖分子の約8.6〜10.3倍高い。

0106

実施例4:Bi-Fcおよび標的細胞の存在下でのT細胞によるサイトカインの放出
上記の抗HER2/CD3εの単鎖およびヘテロ二量体性Bi-Fcならびに抗FOLR1/CD3εの単鎖およびヘテロ二量体性Bi-Fcをアッセイして、それらがT細胞による炎症性サイトカインの産生を刺激することができるかどうかを決定した。簡潔には、Meso Scale Diagnostics, L.L.C販売のHuman TH1/TH2 7-Plex KitおよびHuman Proinflammatory 1 4-Plex ultra Sensitive Kitを使用してサイトカイン濃度について、実施例3に記載された上清のような、TDCCアッセイからの24時間細胞培養上清を評価した。製造業者指示書に従ってアッセイを行った。

0107

これらの結果を図5A、5B、6A、および6Bに示す。図5Aおよび5Bに示すように、T細胞は、抗FOLR1/CD3εのヘテロ二量体性Bi-Fcまたは単鎖の存在下およびFOLR1を発現する細胞(T47D、左側パネル)の存在下でサイトカインを分泌したが、FOLR1を発現しない細胞(BT474、右側パネル)の存在下では分泌しなかった。同様に、図6Aおよび6Bに示すように、T細胞は、抗HER2/CD3εのヘテロ二量体性Bi-Fcまたは単鎖の存在下、およびHER2を発現している細胞(JIMT-1、左側パネル)の存在下でサイトカインを分泌したが、HER2を発現しない細胞(SHP77)の存在下では分泌しなかった。したがって、ヘテロ二量体性Bi-Fcまたは単鎖分子の存在下でのT細胞によるインターフェロンγ(IFN-γ)、腫瘍壊死因子α(TNF-α)、インターロイキン-10(IL-10)、インターロイキン-2(IL-2)、およびインターロイキン-13(IL-13)の分泌は、標的細胞タンパク質を発現している細胞の存在に依存した。したがって、Bi-Fcおよび単鎖分子によるT細胞の活性化は、その活性化が標的細胞タンパク質を発現している標的細胞の存在下でのみ起こるという意味で、特異的であった。

0108

加えて、Bi-Fcは、アッセイにおいて非常に強力な活性を有し、下の表に示すようにpM域にEC50を示した。

0109

(表5)サイトカイン分泌を誘発することに関するEC50

したがって、ヘテロ二量体性Bi-Fcは、単鎖分子のほぼ2倍のサイズであるにもかかわらず、依然として、標的細胞の非存在下でなく存在下でのT細胞によるサイトカイン分泌の非常に強力な活性化因子である。加えて、ヘテロ二量体性Bi-Fcおよび単鎖分子は、非常に類似のサイトカインプロファイルを示す。抗HER2/CD3εヘテロ二量体性Bi-Fcによって誘導されたサイトカイン分泌についてのEC50は、抗HER2/CD3ε単鎖によって誘導されたEC50の約9〜19倍高かった。抗FOLR1/CD3ε Bi-Fcによって誘導されたサイトカイン分泌についてのEC50は、抗FOLR1/CD3ε単鎖によって誘導されたEC50の約4.5〜6.5倍高かった。

0110

実施例5:Bi-Fcおよび標的細胞の存在下でのT細胞活性マーカー上方制御
ヘテロ二量体性Bi-Fcが末梢血単核細胞(PBMC)の存在下および標的細胞の存在下または非存在下で、T細胞を活性化できるかどうかを決定するために、以下の実験を行った。健康なドナー由来のPBMCを、Biological Specialty Corporation of Colmar, Pennsylvaniaから購入したヒト白血球からFICOLL(商標)勾配をかけて精製した。これらのPBMCを、10:1比のJIMT-1細胞の存在下または非存在下で上記のヘテロ二量体性抗HER2/ CD3ε Bi-Fcまたは単鎖抗HER2/CD3ε二重特異性分子と共にインキュベーションした。48時間インキュベーション後に、非接着細胞をウェルから取り出し、2つの等しい試料に分けた。フルオレセインイソチオシアネートFITCコンジュゲーション抗ヒトCD3抗体に加えてアロフィコシアニン(APC)コンジュゲーション型抗CD25または抗CD69抗体を用いて全ての試料を染色した。CD25およびCD69は、T細胞の活性化マーカーである。

0111

HER2発現JIMT-1腫瘍標的細胞の非存在下ではなく存在下で、ヘテロ二量体性抗HER2/CD3ε Bi-Fcおよび抗HER2/CD3ε単鎖での、CD3+末梢T細胞によるCD25およびCD69(図7)活性化マーカーの上方制御を観測した。これらの観測から、Bi-FcによるT細胞活性化が、標的細胞タンパク質を発現している腫瘍標的細胞の存在に依存することが示唆される。抗HER2/CD3ε Bi-FcのFc領域が、FcgRへの結合を阻害する改変を含有するので、かつT細胞活性化がHER2を発現している標的細胞の非存在下で観測されないので、おそらく、T細胞活性化までの代替の潜在的経路、すなわち抗HER2/CD3ε Bi-FcのようなBi-Fcの存在下でのFcγRによる架橋は、観測された効果に関与していない。

0112

実施例6:Bi-Fcの薬物動態特性
以下の実験において、ヘテロ二量体性抗HER2/CD3ε Bi-Fc(SEQID NO:10および12のアミノ酸配列を含む)および抗HER2/CD3ε単鎖(SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を含む)の単一用量薬物動態プロファイルを、雄性NOD.SCIDマウス(Harlan, Livermore, CA)における静脈内および皮下ボーラス投与によって評価した。これらの被験分子を一部のマウスにおいて1mg/kgで外側尾静脈を介してボーラスとして静脈内に注射し、または他のマウスでは肩甲を覆う皮膚の下に皮下注射した。各時点で後眼窩静脈叢穿刺により全血約0.1mLを経時的に採血した。全血が凝固したら、試料を処理して血清を得た(1試料あたり約0.040mL)。Gyros AB(Warren, NJ)の技術を用いたイムノアッセイによって血清試料を分析し、抗HER2/CD3ε単鎖およびBi-Fcの血清中濃度を決定した。0、0.5、2、8、24、72、120、168、240、312、384、および480時間目に血清試料を収集した。分析の前に血清試料を-70℃(±10℃)に維持した。Phoenix(登録商標)6.3ソフトウェア(Pharsight, Sunnyvale, CA)を使用するノンコンパートメント解析を用いて、血清濃度から薬物動態パラメーターを推定した。

0113

ヘテロ二量体性Bi-Fcおよび単鎖分子の単一用量薬物動態プロファイルを図8に示す。急速に排出され、わずか5時間の半減期を有した単鎖分子に比べて、Bi-Fcは、延長した血清半減期(219時間)を示した。Bi-Fcの曝露は、単鎖分子についての19hr*μg/mLに比べて524hr*μg/mLという曲線下面積(AUC)によって特徴付けられた。Bi-Fcの皮下バイオアベイラビリティーは83%であったが、一方で単鎖分子の皮下バイオアベイラビリティーは29%であった。したがって、ヘテロ二量体性Bi-Fcは、単鎖分子に比べて好ましい単一用量薬物動態特性を示した。

0114

実施例7:単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcの構築
単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcを構築した。その全体構造を図1における左から2番目の略図によって表す。天然Fcポリペプチド鎖に対して特異的改変を含有する単量体性Fcポリペプチド鎖は、米国特許出願公開第2012/0244578号に記載されており、その関連部分は、参照により本明細書に組み入れられる。ヒト単量体性IgG1 Fcポリペプチド鎖(これは、ヒンジ領域を欠如し、すなわちEUナンバリングシステムの位置231から始まり、カルボキシ末端ヘキサ-ヒスチジンタグに加えて改変Y349T、K392D、およびK409Dを有した)をコードするベクターから出発し、Agilent's Quikchange Site-Directed Mutagenesis Kit(カタログ番号200518-5)を使用してさらなる突然変異を導入し、改変N297Gを特定した。したがって、最終的なFcポリペプチド鎖は、位置231のアラニンから出発し、位置447のリシンまで続き、その後にヘキサ-ヒスチジンタグが続いた(SEQID NO:92)。それは、以下の改変:N297G、Y349T、K392D、およびK409Dを含有した。

0115

抗CD33/CD3ε単鎖分子をコードするDNAを、CD33に結合性の重鎖および軽鎖可変領域に続いてCD3εに結合性の重鎖および軽鎖可変領域を含有する単鎖分子をコードする第2のベクターからPCRによって増幅した。この抗CD33/CD3ε単鎖のアミノ酸配列をSEQID NO:33に示すが、それは、米国特許出願第2012/244162号に詳細に記載されており、その関連部分は、参照により本明細書に組み入れられる。ポリメラーゼ連鎖反応によるスプライスオーバーハング伸長(PCRによるSOE)を用いて、このDNAを、上記の改変Fcポリペプチド鎖をコードするDNAに結合させた。例えば、この方法を記載している部分が、参照により本明細書に組み入れられるWarrens et al. (1997), Gene 186: 29-35を参照されたい。

0116

結果として生じた単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcのアミノ酸配列をSEQNO NO:34に提供し、それをコードする核酸配列をSEQ ID NO:35に提供する。単量体性抗CD33/CD3ε Bi-FcをコードするDNAを哺乳類細胞に導入し、それを発現に適した条件下で培養した。タンパク質を細胞上清から回収した。

0117

実施例8:CD3εまたはCD33を発現している細胞への抗CD33/CD3ε Bi-Fcの結合
CD3εもしくはCD33を発現している、またはどちらも発現していない細胞への単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcおよび抗CD33/CD3ε単鎖の結合を評価した。Molm-13細胞(CD33を発現している)、Namalwa細胞(CD33およびCD3εのどちらも発現していない)、精製ヒト汎T細胞(CD3εを発現している)、ヒトPBMC(CD3εを発現している)、およびカニクイザルPBMC(CD3εを発現している)を試験した。二重特異性分子の非存在下または存在下で細胞を4℃で2時間インキュベーションした。次に、二重特異性分子のCD3結合領域に結合する10μg/mLマウス抗体と共に細胞を4℃で一晩インキュベーションし、続いて5μg/mLAPC標識抗マウスFc二次抗体(Jackson 115-136-071)と共に4℃で2時間インキュベーションすることによって、単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcおよび抗CD33/CD3ε単鎖の細胞結合性を検出した。細胞をFACSによって分析し、シグナルの平均蛍光強度(MFI)を決定した。

0118

図9に、以下のように、多様な濃度の二重特異性分子の存在下で多様な細胞型について検出されたMFIを示す:パネルA、Molm-13細胞(CD33を発現している);パネルB、Namalwa細胞(CD33およびCD3εのどちらも発現していない);パネルC、ヒト汎T細胞(CD3εを発現している);パネルD、ヒトPBMC(CD3εを発現している);およびパネルE、カニクイザルPBMC(CD3εを発現している)。結果は、これらの2種の二重特異性分子がこれらの細胞型に類似の方法で結合することを実証しており、抗CD33/CD3ε単鎖へのFcポリペプチド鎖の付加は、このアッセイによって測定された、CD33およびCD3εに結合するその能力に、検出可能な程度には影響しなかったことを示している。

0119

実施例9:単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcの存在下でのCD33発現腫瘍細胞の溶解
上記の単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcが末梢血単核細胞(PBMC)の存在下でCD33発現腫瘍細胞の溶解を誘導することができるかどうかを決定するために、以下の実験を行った。カニクイザル由来PBMCエフェクター細胞をSNBLUSA(Shin Nippon Biomedical Laboratoriesの子会社)から入手した。このPBMC調製物では、61%がCD3+T細胞であった(データは示さず)。これらのPBMCを、カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル(CFSE)標識腫瘍標的細胞と共に10:1の比で、図10に示される濃度の単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcまたは抗CD33/CD3ε単鎖の存在下および非存在下でインキュベーションした。37℃で40〜48時間インキュベーション後に、細胞を収集し、フローサイトメトリーを用いて7AAD取り込みによって生存および死滅腫瘍細胞をモニターした。特異的溶解率を次式に従って計算した:
特異的溶解%=1−(生存細胞数(二重特異性の存在下)/生存細胞数(二重特異性の非存在下))×100

0120

これらの結果を図10に示す。図10のパネルAに示すデータは、細胞1個あたりCD33分子約33,000個を発現するMolm-13細胞が単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcおよび抗CD33/CD3ε単鎖の両方を用いて溶解されたことを示す。半値溶解濃度(EC50)はpM域内であり、すなわち、それぞれ単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcおよび抗CD33/CD3ε単鎖について1.45pMおよび0.96pMであった。したがって、単量体性Bi-FcのEC50は、単鎖分子のEC50の2倍未満高かった。図10のパネルBに示されるデータは、検出可能なレベルのCD33を発現しないNamalwa細胞の溶解はなかったことを示している。これらの観察は、単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcが、カニクイザルPBMCによる腫瘍細胞溶解を誘導する能力がある、高度に特異的で強力な試薬であることを示唆している。

0121

第2の実験で、健康なヒトドナーから単離された汎エフェクターT細胞を、CFSE標識したMolm-13またはNamalwa細胞と共に10:1の比で、図11に示される濃度の単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcまたは抗CD33/CD3ε単鎖の存在下および非存在下でインキュベーションした。37℃で40〜48時間インキュベーション後に、細胞を収集し、フローサイトメトリーを用いて7AADの取り込みにより生存および死滅腫瘍細胞をモニターした。本実施例の上に示された式に従って特異的溶解率を計算した。結果を図11に示す。

0122

単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcおよび抗CD33/CD3ε単鎖の両方を用いてMolm-13細胞の特異的溶解を観測した。図11、パネルA。EC50はpM域であり、すなわち単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcおよび抗CD33/CD3ε単鎖について、それぞれ0.65pMおよび0.12pMであった。したがって、Bi-FcについてのEC50は、単鎖分子の5〜6倍高い。試験された単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcの最高濃度で少量の溶解が検出された以外は、どちらの二重特異性分子でもNamalwa細胞の溶解は検出されなかった。図11、パネルB。T細胞の非存在下でMolm-13細胞の溶解は発生しなかった(データは示さず)。これらの観察は、上記のヘテロ二量体性Bi-Fcのように、単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcが、T細胞による腫瘍細胞の溶解を誘導する能力がある、高度に特異的で強力な試薬であることを示唆している。

0123

実施例10:単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcの存在下でのCD33発現腫瘍細胞の溶解およびPBMCからのインターフェロンγの放出
別の実験では、健康なヒトドナーまたはカニクイザルから単離されたPBMC(SNBLUSAから入手)を、それらがCD33発現腫瘍標的細胞を溶解する能力について試験した。これらの調製物では、PBMCは、CD3+ T細胞が42%(ヒト)およびCD3+ T細胞が30%(カニクイザル)であった。PBMCを、37℃でCFSE標識腫瘍標的細胞と共に5:1の比で、図12に示される濃度の単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcまたは抗CD33/CD3ε単鎖の存在下または非存在下でインキュベーションした。37℃で67時間インキュベーション後に、細胞を収集し、フローサイトメトリーを用いる7AAD取り込みによって生存および死滅腫瘍細胞をモニターした。上記式に従って特異的溶解率を計算した。結果を図12に示す。

0124

Molm-13細胞の特異的溶解を、単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcおよび抗CD33/CD3ε単鎖の両方を用いて、ヒトPBMC(図12、パネルA)またはカニクイザルPBMC(図12、パネルB)を使用して観測した。下の表6に示すように、半値溶解濃度(EC50)はpM域内であった。

0125

(表6)抗CD33/CD3ε二重特異性分子の存在下でのPBMCによるMolm-13細胞の溶解についてのEC50

0126

Molm-13細胞は、T細胞の非存在下ではどちらの二重特異性の存在下でも溶解しなかった(データは示さず)。これらのデータは、単量体性Bi-FcについてのEC50が、ピコモル濃度以下〜低ピコモル濃度域にあり、エフェクター細胞としてヒトおよびカニクイザルPBMCの両方を使用する単鎖分子のEC50に非常に近いことを示している。

0127

すぐ上に記載された細胞溶解アッセイからの24時間細胞培養上清を、市販のBD OptEIA(商標)Human IFN-γELISAKit II(BD Biosciences)およびMonkey Interferon gamma ELISA Kit(Cell Sciences)を使用してサイトカイン濃度について評価した。製造業者の指示に従ってアッセイを行った。Molm-13細胞の存在下で、IFN-γは、単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcまたは抗CD33/CD3ε単鎖で処理されたヒト(図13、パネルA)およびカニクイザル(図13、パネルB)のPBMCから放出された。これらの結果は、単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcが、抗CD33/CD3ε単鎖のように、PBMCからのインターフェロンγの放出を媒介する能力がある、高度に特異的で強力な試薬であることを示唆している。

0128

実施例11:単量体性抗CD33/CD3ε Bi-FcによるT細胞の増殖、CD25発現、およびサイトカイン放出の誘導
健康なヒトドナーから単離された汎Tエフェクター細胞をCFSEで標識し、Molm-13細胞またはNamalwa細胞のいずれかの腫瘍標的細胞と共に、10:1の比で、図14および15に示される濃度の単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcまたは抗CD33/CD3ε単鎖の存在下または非存在下でインキュベーションした。37℃で72時間インキュベーション後に、細胞を採集し、T細胞の増殖および活性化についてのマーカーであるCD25の発現をフローサイトメトリーによって分析した。

0129

CFSE色素からの蛍光シグナルが減少している細胞数をモニターすることによって増殖を評価した。CFSEによるT細胞の標識後の各細胞分裂に伴い、個別の分裂中の各細胞についてのCFSE由来蛍光シグナルの強度は減少する。CFSE標識T細胞にゲート設定し、かつ有糸分裂T細胞の数、すなわち減弱した蛍光シグナルを有する細胞の数を総T細胞数と比較することによって、増殖中のT細胞のパーセントを決定した。アロフィコシアニン(APC)標識抗ヒトCD25抗体との共培養において細胞を染色し、かつ2色フローサイトメトリーを使用してCFSE標識細胞APCレベルを測定することによって、CD25陽性T細胞のパーセントを決定した。

0130

CD33発現腫瘍細胞系であるMolm-13に加えて単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcまたは抗CD33/CD3ε単鎖のいずれかの存在下でT細胞の増殖を観測した。図14、パネルA。EC50は、単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcの存在下で1桁のpM域、すなわち4.27pMであり、抗CD33/CD3ε単鎖の存在下で1.09pMであった。検出可能なレベルのCD33を発現しないNamalwa細胞の存在下でT細胞の増殖は観測されなかった。図14、パネルA。

0131

Molm-13細胞と、単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcまたは抗CD33/CD3ε単鎖のいずれかとの存在下でT細胞は活性化マーカーCD25を発現した。図14、パネルB。T細胞は、Namalwa細胞(これは、検出可能なレベルのCD33を発現しない)およびいずれかの二重特異性の存在下でCD25を発現しなかった。図14、パネルB。これらの観測は、単量体性抗CD33/CD3ε Bi-FcがT活性化および増殖を特異的に誘導する能力があることを示唆している。

0132

すぐ上に記載したアッセイからの24時間細胞培養上清を、Meso Scale Diagnostics,LLCから市販のHuman TH1/TH2 7-Plex KitおよびHuman Proinflammatory 1 4-Plex Ultra-Sensitive Kitを使用して、サイトカイン濃度について評価した。製造業者の指示に従ってアッセイを行った。結果を図15に示す。

0133

CD33発現Molm-13腫瘍細胞系の存在下で、単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcまたは抗CD33/CD3ε単鎖で処理されたT細胞から、それぞれ図15のパネルA、B、C、D、およびEに示されるように、インターフェロンγ(IFN-γ)、腫瘍壊死因子α(TNF-α)、インターロイキン-10(IL-10)、インターロイキン-2(IL-2)、およびインターロイキン-13(IL-13)が放出された。最高のサイトカイン濃度が、IFN-γ、TNF-α、IL-2およびIL-10で見られた(400pg/mLを超える)。中等度のレベルのIL-13も観測された。CD33陰性細胞系であるNamalwaの存在下でサイトカイン分泌は観測されなかった。下の表7に、単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcまたは単鎖抗CD33/CD3εのいずれかの存在下で、Molm-13細胞による様々なサイトカインの産生についてのEC50を示す。

0134

(表7)サイトカイン産生についてのEC50

0135

これらの結果は、単量体性抗CD33/CD3ε Bi-Fcが、T細胞によるサイトカイン放出を媒介する能力がある、高度に特異的で強力な足場であることを示唆している。

0136

実施例12:抗HER2/CD3ε単鎖二重特異性または抗HER2/CD3ε Bi-Fcの存在下での細胞溶解性シナプス形成
実施例1記載の抗HER2/CD3ε単鎖二重特異性およびHER2/CD3ε Bi-Fcが、T細胞とHER2発現JIMT-1腫瘍細胞との間の細胞溶解性シナプス形成を誘導する能力を決定するために、それらの分子をアッセイした。JIMT-1細胞を、ポリ-L-リシンがコーティングされた24ウェルガラス底培養プレートに蒔いた(1%FCSおよび2g/Lグルコースを含むRPMI培地中に細胞0.5×106個/ウェル)。37℃で1時間インキュベーション後に、ガラスウェルに接着しているJIMT-1細胞を温DPBSで静かに洗浄した。1nM抗HER2/CD3ε単鎖二重特異性または抗HER2/CD3ε Bi-Fcの存在下または非存在下で、新鮮単離されたCD8+ T細胞(健康ドナーからの細胞1×106個/ウェル)を腫瘍細胞に添加し、37℃で追加的に20分間インキュベーションさせて細胞溶解シナプスを生成させた。プレートに接着している細胞を、予備加温されたDPBSで洗浄し、直ちに3.7%パラホルムアルデヒドで10分間固定した。次に細胞をDPBSで洗浄し、0.1% titron X-100を用いて室温で5分間透過処理した。一次抗体の混合物(5μg/mL抗PKCθおよび0.4μg/mL 抗CD45)を細胞と共に4℃で一晩インキュベーションし、次に3回洗浄した。8μg/mL二次抗体の混合物(抗CD45について緑および抗PKCθについて赤)を室温で3時間添加し、次にプレートをDPBSで2回洗浄した。PCKθは、免疫シナプス局在することが公知であり、一方で、CD45はT細胞表面に発現される。SLOWFADE(登録商標)Goldアンチフェード試薬をDAPI(核染料)(Life Technologies #536939)と共にガラスウェルに直接添加し、プレートを遮光して-70℃で保存した。

0137

免疫蛍光共焦点顕微鏡観察から、CD45が(緑染色)がT細胞表面に存在し(緑色のCD45染色を有する、より小さな細胞型として確認される)、一方でPKCθ(赤染色)が腫瘍細胞(より大きな細胞型として確認される)とT細胞との間のシナプス形成部位で集中的なシグナルを与えたことが示された。T細胞と腫瘍標的との間の細胞溶解シナプスが、抗HER2/CD3ε単鎖二重特異性および抗HER2/CD3ε Bi-Fcで観測されたが、二重特異性の非存在下では観測されなかった(データは示さず)。これらの観測は、細胞溶解シナプスの形成が二重特異性分子の存在に依存し、Bi-Fcが、単鎖二重特異性分子で見られたものに類似するシナプスを形成できることを示唆している。

0138

実施例13:腫瘍成長に及ぼすヘテロ二量体性抗FOLR1/CD3ε Bi-Fcのインビボ効果
下記の実験は、FOLR1発現NCI-N87-lucヒト胃癌細胞を使用するインビボのがんモデル系におけるヘテロ二量体性Bi-Fc二重特異性抗体の活性を実証している。これらの細胞は実際に、ルミネセンスによる腫瘍検出を可能にできるルシフェラーゼを発現するものの、この実験では腫瘍の物理的測定によって腫瘍成長をモニターした。50%マトリゲル中のNCI-N87-luc細胞(3×106個)を8週齢雌性NODscidガンマ(NSG)マウスに皮下移植した(0日目)。10日目に、活性化ヒト汎T細胞20×106個を各マウスに腹腔内注射によって投与した。マウスに移植されたヒト汎T細胞は、Miltenyi T cell activation/expansion kitを製造業者の指示に従って使用して、抗CD3/CD28/CD2抗体を使用して18日培養の0および14日目に、予備活性化および増大させた。11日目および18日目に、10mg/匹のGAMMAGARD[免疫グロブリン輸液(ヒト)]10%(Baxter)に加えて0.2mg/匹の抗mu FcγRII/III(クローン2.4G2)からなるFcγRブロックをIP投与した。最初のFcγRブロックの1時間後に、動物(N=10/群)に、(1)0.05mg/kgの抗FOLR1/抗CD3ε単鎖分子(SEQID NO:90のアミノ酸配列を含む)の腹腔内注射を毎日、または(2)1mg/kgのヘテロ二量体性抗FOLR1/抗CD3ε Bi-Fc(SEQ ID NO:86および88のアミノ酸配列を含む)もしくは0.9%NaCl中の25mMリシン塩酸塩、0.002%Tween 80、pH7.0(ビヒクル対照)の腹腔内注射を5日間隔で2回、を受けさせた。腫瘍体積を測定し、腫瘍が2000mm3に達したとき、または試験の終了時(27日目)に動物を安楽死させた。

0139

ビヒクル処置マウスでは、腫瘍は被験動物全てで成長した。図16を参照されたい。対照的に、単鎖抗FOLR1/CD3ε二重特異性またはヘテロ二量体性抗FOLR1/CD3ε Bi-Fcで処置されたマウスでは、腫瘍成長が有意に阻害された(ビヒクル処置マウスに比べてp<0.0001)。実験を通して、処置マウスまたは未処置マウスの体重に有意差はなかった(データは示さず)。これらのデータは、抗FOLR1/抗CD3εヘテロ二量体性Bi-Fcがインビボで標的細胞のT細胞媒介死を誘導できることを示している。

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