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図面 (2)

課題

本発明は、SGLT阻害活性を有し、医薬として有用なメチルラクタム環化合物又はその製薬上許容される塩及びそれを含有する医薬組成物並びにそれらの医薬用途を提供することを目的とする。

解決手段

式[I]の化合物又はその製薬上許容される塩及びそれを含有する医薬組成物並びにそれらの医薬用途を提供する。

概要

背景

SGLT1(Na+−グルコース共輸送担体1、Sodium−Glucose Cotransporter 1)は小腸におけるグルコース及びガラクトースの吸収の大部分を担っていることが知られており、ヒトSGLT1の欠損患者ではグルコース及びガラクトースの吸収が不良となることが報告されている。更に糖尿病患者では小腸SGLT1の発現が増加していることが確認されており、糖尿病患者における糖吸収亢進は、この小腸SGLT1の高発現に起因するものと考えられる。

これらの知見から、SGLT1阻害剤は、小腸からの糖の吸収を阻害することで血糖値を正常化させることが期待され、糖尿病及び高血糖付随して起こる糖尿病性合併症に効果を示すものと考えられる。また、体内への糖の流入を抑制することで肥満症にも効果を示すものと考えられる(非特許文献1および2)。

一般名ボグリボースは、日本国薬事法14条の規定に基づく医薬品等の製造販売承認を受けた医薬品である(承認番号:21600AMZ00368等)。ボグリボースは、腸管粘膜に存在する二糖類から単糖類への分解を担う二糖類水解酵素α−グルコシダーゼ)を阻害し、腸管での糖質消化及び吸収を阻害あるいは遅延させることにより、食後過血糖を改善する。この薬理効果耐糖能異常における2型糖尿病の発症抑制に有効であることが知られている。
これらの知見から、SGLT1阻害剤により小腸からの糖の吸収を阻害し、食後過血糖を改善することが、耐糖能異常における2型糖尿病の発症抑制に有効であると考えられる。

SGLT1は心筋細胞での発現が認められる。心筋細胞へのグルコースの取り込みは通常GLUT1(Glucose Transporter Type1)及びGLUT4(Glucose Transporter Type4)が担っており、SGLT1の関与は小さいことが知られている。しかし、家族性肥大心筋症グリコーゲン蓄積性の心筋症)の原因遺伝子であるPRKAG2(AMPK(AMP−Activated Protein Kinase)のγ(gamma)2サブユニット)の変異遺伝子を導入したマウス心筋虚血処置を行ったマウスの心筋ではSGLT1の発現が誘導されており、これらの病態においてSGLT1が心筋細胞へのグルコースの取り込みに寄与していることが報告されている。SGLT1によって取り込まれたグルコースは心筋細胞内で過剰に蓄積若しくは代謝され、細胞障害を与えると考えられている。実際に前者のモデルでは非選択的なSGLT阻害剤であるフロリジンの処置により、心筋におけるグリコーゲンの蓄積が抑制されることが報告されている。
これらの知見から、SGLT1阻害剤は心筋細胞内への過剰なグルコースの取り込みを抑制することで肥大型心筋症及び虚血性心疾患に効果を示すものと考えられる(非特許文献3および4)。

癌細胞においてSGLT1は上皮増殖因子受容体(Epidermal Growth Factor Receptor、多くの癌細胞に見られる表面タンパク質)によって安定化されている。癌細胞への栄養供給にはグルコース、乳酸アミノ酸などのトランスポーターが関与しており、特にグルコースの輸送に関しては、SGLT1及びGLUT1が癌細胞に絶えずグルコースを供給していることが知られている。長期にわたってグルコースが供給されない場合、自食作用を通じて細胞が破壊される。
これらの知見から、SGLT1阻害剤は癌細胞へのグルコースの供給を抑制することで、抗癌作用を示すものと考えられる(非特許文献5および6)。

食事中の糖質は消化管内で単糖に分解され、消化管上部で吸収されるため、多くの糖が下部消化管にまで達することはない。しかし、糖吸収を遅延又は阻害する薬剤服用したり、難消化性多糖類を大量に摂取した場合には、未消化の糖が下部消化管に滞留することになり、下部消化管に滞留した未消化の糖が浸透圧性下痢を引き起こす。
SGLT1阻害剤は糖吸収を阻害することにより、下部消化管内の単糖量を増加させる。そのため、SGLT1阻害剤は便秘に効果を示すものと考えられる。

糖尿病とは、インスリンの作用が不足することで、血糖値が高くなる病気であり、持続的な高血糖は、糖尿病性合併症(例えば、細小血管症として知られる網膜症腎症及び神経障害、並びに大血管症として知られる脳血管障害、虚血性心疾患及び下肢閉塞性動脈硬化症)を引き起こしうる。血糖値が高くなることに伴う他の疾患として、肥満症を挙げることもできる。
糖尿病には、1型及び2型糖尿病が存在し、1型糖尿病はインスリンを分泌する膵β細胞が破壊されることでインスリン作用が不十分となって発症すると考えられており、2型糖尿病はインスリン分泌低下やインスリン抵抗性を含む複数の遺伝因子過食運動不足肥満ストレスなどの環境因子及び加齢が加わって発症すると考えられている。糖尿病の診断には、血糖値に基づいて分類される3つの型(正常型境界型、糖尿病型)が用いられる。以下の(1)〜(4):
(1)早朝空腹時血糖値126mg/dL以上
(2)75gOGTT(経口グルコース負荷試験)で2時間値200mg/dL以上
(3)随時血糖値200mg/dL以上
(4)HbA1cg6.5%以上
のいずれかが確認された場合は糖尿病型と判定され、糖尿病又は糖尿病の疑いがある(非特許文献7)。

上記(2)で用いられるOGTTは、糖尿病を診断する手法のひとつである。一般に、ヒトにおいては、絶食の後、75gグルコースを含む溶液を服用させ、グルコース服用から一定時間後の血糖値が200mg/dL以上であれば糖尿病と診断される(非特許文献7)。よって、OGTTは糖尿病診断の指標であり、OGTTにおいてグルコース負荷された被検体の血糖値を低下させることのできる化合物は、糖尿病に効果を示すものと考えられる。

概要

本発明は、SGLT1阻害活性を有し、医薬として有用なメチルラクタム環化合物又はその製薬上許容される塩及びそれを含有する医薬組成物並びにそれらの医薬用途を提供することを目的とする。式[I]の化合物又はその製薬上許容される塩及びそれを含有する医薬組成物並びにそれらの医薬用途を提供する。なし

目的

試験の目的は、各代謝物について、ネズミチフス菌(TA98、TA1537、TA100及びTA1535)及び大腸菌(WP2uvrA)の標準菌株においてラット代謝活性化系(S9 mix)の存在下又は非存在下における復帰突然変異誘発能の有無を評価することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

式[I]の化合物又はその製薬上許容される塩。

請求項2

請求項1に記載の化合物又はその製薬上許容される塩と、製薬上許容される担体とを含む、医薬組成物

請求項3

請求項1に記載の化合物又はその製薬上許容される塩を含む、SGLT阻害剤

請求項4

請求項1に記載の化合物又はその製薬上許容される塩を含む、糖尿病治療剤又は予防剤

請求項5

糖尿病が2型糖尿病である、請求項4に記載の治療剤又は予防剤。

請求項6

治療上有効量の、請求項1に記載の化合物又はその製薬上許容される塩を哺乳動物投与することを含む、SGLT1を阻害する方法。

請求項7

治療上有効量の、請求項1に記載の化合物又はその製薬上許容される塩を哺乳動物に投与することを含む、糖尿病を治療又は予防する方法。

請求項8

糖尿病が2型糖尿病である、請求項7に記載の方法。

請求項9

SGLT1阻害剤を製造するための請求項1に記載の化合物又はその製薬上許容される塩の使用。

請求項10

糖尿病の治療剤又は予防剤を製造するための請求項1に記載の化合物又はその製薬上許容される塩の使用。

請求項11

糖尿病が2型糖尿病である、請求項10に記載の使用。

技術分野

0001

本発明は、SGLT阻害活性を有するメチルラクタム環化合物又はその製薬上許容される塩、それを含む医薬組成物、及びそれらの医薬用途に関する。

背景技術

0002

SGLT1(Na+−グルコース共輸送担体1、Sodium−Glucose Cotransporter 1)は小腸におけるグルコース及びガラクトースの吸収の大部分を担っていることが知られており、ヒトSGLT1の欠損患者ではグルコース及びガラクトースの吸収が不良となることが報告されている。更に糖尿病患者では小腸SGLT1の発現が増加していることが確認されており、糖尿病患者における糖吸収亢進は、この小腸SGLT1の高発現に起因するものと考えられる。

0003

これらの知見から、SGLT1阻害剤は、小腸からの糖の吸収を阻害することで血糖値を正常化させることが期待され、糖尿病及び高血糖付随して起こる糖尿病性合併症に効果を示すものと考えられる。また、体内への糖の流入を抑制することで肥満症にも効果を示すものと考えられる(非特許文献1および2)。

0004

一般名ボグリボースは、日本国薬事法14条の規定に基づく医薬品等の製造販売承認を受けた医薬品である(承認番号:21600AMZ00368等)。ボグリボースは、腸管粘膜に存在する二糖類から単糖類への分解を担う二糖類水解酵素α−グルコシダーゼ)を阻害し、腸管での糖質消化及び吸収を阻害あるいは遅延させることにより、食後過血糖を改善する。この薬理効果耐糖能異常における2型糖尿病の発症抑制に有効であることが知られている。
これらの知見から、SGLT1阻害剤により小腸からの糖の吸収を阻害し、食後過血糖を改善することが、耐糖能異常における2型糖尿病の発症抑制に有効であると考えられる。

0005

SGLT1は心筋細胞での発現が認められる。心筋細胞へのグルコースの取り込みは通常GLUT1(Glucose Transporter Type1)及びGLUT4(Glucose Transporter Type4)が担っており、SGLT1の関与は小さいことが知られている。しかし、家族性肥大心筋症グリコーゲン蓄積性の心筋症)の原因遺伝子であるPRKAG2(AMPK(AMP−Activated Protein Kinase)のγ(gamma)2サブユニット)の変異遺伝子を導入したマウス心筋虚血処置を行ったマウスの心筋ではSGLT1の発現が誘導されており、これらの病態においてSGLT1が心筋細胞へのグルコースの取り込みに寄与していることが報告されている。SGLT1によって取り込まれたグルコースは心筋細胞内で過剰に蓄積若しくは代謝され、細胞障害を与えると考えられている。実際に前者のモデルでは非選択的なSGLT阻害剤であるフロリジンの処置により、心筋におけるグリコーゲンの蓄積が抑制されることが報告されている。
これらの知見から、SGLT1阻害剤は心筋細胞内への過剰なグルコースの取り込みを抑制することで肥大型心筋症及び虚血性心疾患に効果を示すものと考えられる(非特許文献3および4)。

0006

癌細胞においてSGLT1は上皮増殖因子受容体(Epidermal Growth Factor Receptor、多くの癌細胞に見られる表面タンパク質)によって安定化されている。癌細胞への栄養供給にはグルコース、乳酸アミノ酸などのトランスポーターが関与しており、特にグルコースの輸送に関しては、SGLT1及びGLUT1が癌細胞に絶えずグルコースを供給していることが知られている。長期にわたってグルコースが供給されない場合、自食作用を通じて細胞が破壊される。
これらの知見から、SGLT1阻害剤は癌細胞へのグルコースの供給を抑制することで、抗癌作用を示すものと考えられる(非特許文献5および6)。

0007

食事中の糖質は消化管内で単糖に分解され、消化管上部で吸収されるため、多くの糖が下部消化管にまで達することはない。しかし、糖吸収を遅延又は阻害する薬剤服用したり、難消化性多糖類を大量に摂取した場合には、未消化の糖が下部消化管に滞留することになり、下部消化管に滞留した未消化の糖が浸透圧性下痢を引き起こす。
SGLT1阻害剤は糖吸収を阻害することにより、下部消化管内の単糖量を増加させる。そのため、SGLT1阻害剤は便秘に効果を示すものと考えられる。

0008

糖尿病とは、インスリンの作用が不足することで、血糖値が高くなる病気であり、持続的な高血糖は、糖尿病性合併症(例えば、細小血管症として知られる網膜症腎症及び神経障害、並びに大血管症として知られる脳血管障害、虚血性心疾患及び下肢閉塞性動脈硬化症)を引き起こしうる。血糖値が高くなることに伴う他の疾患として、肥満症を挙げることもできる。
糖尿病には、1型及び2型糖尿病が存在し、1型糖尿病はインスリンを分泌する膵β細胞が破壊されることでインスリン作用が不十分となって発症すると考えられており、2型糖尿病はインスリン分泌低下やインスリン抵抗性を含む複数の遺伝因子過食運動不足肥満ストレスなどの環境因子及び加齢が加わって発症すると考えられている。糖尿病の診断には、血糖値に基づいて分類される3つの型(正常型境界型、糖尿病型)が用いられる。以下の(1)〜(4):
(1)早朝空腹時血糖値126mg/dL以上
(2)75gOGTT(経口グルコース負荷試験)で2時間値200mg/dL以上
(3)随時血糖値200mg/dL以上
(4)HbA1cg6.5%以上
のいずれかが確認された場合は糖尿病型と判定され、糖尿病又は糖尿病の疑いがある(非特許文献7)。

0009

上記(2)で用いられるOGTTは、糖尿病を診断する手法のひとつである。一般に、ヒトにおいては、絶食の後、75gグルコースを含む溶液を服用させ、グルコース服用から一定時間後の血糖値が200mg/dL以上であれば糖尿病と診断される(非特許文献7)。よって、OGTTは糖尿病診断の指標であり、OGTTにおいてグルコース負荷された被検体の血糖値を低下させることのできる化合物は、糖尿病に効果を示すものと考えられる。

先行技術

0010

Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol. 2002; 282(2):G241-8
Nature. 1991; 350(6316):354-6
J Mol Cell Cardiol. 2010; 49(4):683-92
Cardiovasc Res. 2009; 84(1):111-8
Cancer Cell. 2008, 13: 385-93
Pharmacol Ther. 2009, 121: 29-40
糖尿病治療ガイド2016-2017

0011

SGLT1阻害活性を有し、医薬として有用なメチルラクタム環化合物又はその製薬上許容される塩及びそれを含有する医薬組成物並びにそれらの医薬用途が提供される。

0012

本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、ある特定のメチルラクタム環化合物を見出し、本発明を完成した。

0013

すなわち、ある態様において、式[I]の化合物又はその製薬上許容される塩及びその医薬用途が提供される。

0014

式[I]の化合物又はその製薬上許容される塩は、SGLT1阻害活性を有することから、SGLT1活性の調節により改善が期待され得る各種疾患又は状態の治療及び/又は予防に有用であり得る。式[I]の化合物又はその製薬上許容される塩はまた、血糖値が高くなることにより引き起こされ得る各種疾患又は状態の治療及び/又は予防にも有用であり得る。

図面の簡単な説明

0015

図1は、実施例1の化合物(以下「化合物1」と称する)が、OGTTにおいてグルコース負荷されたSDラットの血糖値を、媒体と比較して有意に低下させたことを示す。
図2は、投与した化合物の中で化合物1のみが、OGTTにおいてグルコース負荷されたSDラットの血糖値を、媒体と比較して有意に低下させたことを示す。

0016

本発明は、以下に例示する具体的態様を含む。
項1. 式[I]の化合物又はその製薬上許容される塩。



項2. 項1に記載の化合物又はその製薬上許容される塩と、製薬上許容される担体とを含む、医薬組成物。
項3. 項1に記載の化合物又はその製薬上許容される塩を含む、SGLT1阻害剤。
項4. 項1に記載の化合物又はその製薬上許容される塩を含む、糖尿病の治療剤又は予防剤
項5. 糖尿病が2型糖尿病である、項4に記載の治療剤又は予防剤。
項6.治療上有効量の、項1に記載の化合物又はその製薬上許容される塩を哺乳動物に投与することを含む、SGLT1を阻害する方法。
項7. 治療上有効量の、項1に記載の化合物又はその製薬上許容される塩を哺乳動物に投与することを含む、糖尿病を治療又は予防する方法。
項8. 糖尿病が2型糖尿病である、項7に記載の方法。
項9. SGLT1阻害剤を製造するための項1に記載の化合物又はその製薬上許容される塩の使用。
項10. 糖尿病の治療剤又は予防剤を製造するための項1に記載の化合物又はその製薬上許容される塩の使用。
項11. 糖尿病が2型糖尿病である、項10に記載の使用。
項12. SGLT1の阻害に用いるための項1に記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
項13. 糖尿病の治療又は予防に用いるための項1に記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
項14. 糖尿病が2型糖尿病である、項13に記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
項15. 項2に記載の医薬組成物と、該医薬組成物を糖尿病の治療及び/又は予防に使用し得るか又は使用すべきであることを記載した該医薬組成物に関する記載物とを含む、商業パッケージ
項16. 項2に記載の医薬組成物と、当該医薬組成物を糖尿病の治療及び/又は予防に使用し得るか又は使用すべきであることを記載した当該医薬組成物に関する記載物とを含む、キット

0017

「製薬上許容される塩」とは、当技術分野で知られている、過度の毒性を伴わない塩であればいかなる塩でもよい。具体的には、無機酸との塩、有機酸との塩、無機塩基との塩、及び有機塩基との塩等が挙げられる。様々な形態の製薬上許容される塩が当分野で周知であり、例えば以下の参考文献に記載されている:
(a) Bergeら, J. Pharm. Sci., 66, p1〜19(1977)、
(b) Stahlら, 「Handbook of Pharmaceutical Sait: Properties, Selection, and Use」(Wiley-VCH, Weinheim, Germany, 2002)、
(c) Paulekuhnら, J. Med. Chem., 50, p6665-6672 (2007)。
自体公知の方法に従って、式[I]の化合物と、無機酸、有機酸、無機塩基又は有機塩基とを反応させることにより、その製薬上許容される塩を各々得ることができる。

0018

無機酸との塩としては、フッ化水素酸塩化水素酸臭化水素酸ヨウ化水素酸硝酸リン酸又は硫酸との塩が例示される。好ましくは、塩化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸又は臭化水素酸との塩が挙げられる。
有機酸との塩としては、酢酸アジピン酸アルギン酸、4−アミノサリチル酸アンヒドロメチレンクエン酸安息香酸ベンゼンスルホン酸エデト酸カルシウムショウノウ酸、カンファ−10−スルホン酸炭酸、クエン酸、エデト酸、エタン−1,2−ジスルホン酸ドデシル硫酸、エタンスルホン酸フマル酸グルコヘプトン酸、グルコン酸グルクロン酸、グルコヘプトン酸、グリコリルアルサニル酸、ヘキシルレソルシン酸、ヒドロキシナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−エタンスルホン酸、乳酸、ラクトビオン酸リンゴ酸マレイン酸マンデル酸メタンスルホン酸メチル硫酸、メチル硝酸、メチレンビスサリチル酸)、ガラクタル酸ナフタレン−2−スルホン酸、2−ナフトエ酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸オレイン酸シュウ酸、パモ酸、パントテン酸ペクチン酸ピクリン酸プロピオン酸ポリガラクツロン酸、サリチル酸、ステアリン酸コハク酸タンニン酸酒石酸、テオクル酸、チオシアン酸トリフルオロ酢酸p−トルエンスルホン酸ウンデカン酸アスパラギン酸又はグルタミン酸との塩が例示される。好ましくは、シュウ酸、マレイン酸、クエン酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、グルクロン酸、オレイン酸、パモ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸又は2−ヒドロキシ−1−エタンスルホン酸との塩が挙げられる。

0019

無機塩基との塩としては、リチウムナトリウムカリウムマグネシウム、カルシウム、バリウムアルミニウム亜鉛ビスマス又はアンモニウムとの塩が例示される。好ましくは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム又は亜鉛との塩が挙げられる。
有機塩基との塩としては、アレコリンベタインコリンクレミゾールエチレンジアミンN−メチルグルカミン、N−ベンジルフェネチルアミントリス(ヒドロキシメチルメチルアミンアルギニン又はリジンとの塩が例示される。好ましくは、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、N−メチルグルカミン又はリジンとの塩が挙げられる。

0020

式[I]の化合物又はその製薬上許容される塩は溶媒和物として存在する場合がある。「溶媒和物」とは、式[I]の化合物又はその製薬上許容される塩に、溶媒分子配位したものであり、水和物も包含される。溶媒和物は、製薬上許容される溶媒和物が好ましく、式[I]の化合物又はその製薬上許容される塩の水和物、エタノール和物、及びジメチルスルホキシド和物等が挙げられる。具体的には、式[I]の化合物の半水和物、1水和物、2水和物又は1エタノール和物、或いは式[I]の化合物のナトリウム塩の1水和物又は2塩酸塩の2/3エタノール和物等が挙げられる。これらの溶媒和物は、公知の方法に従って得ることができる。

0021

式[I]の化合物は、同位体元素(2H、3H、14C、35S等)で標識されていてもよい。

0022

式[I]の化合物又はその製薬上許容される塩は、実質的に精製された、式[I]の化合物又はその製薬上許容される塩が好ましい。さらに好ましくは、80%以上の純度に精製された、式[I]の化合物又はその製薬上許容される塩である。

0023

式[I]の化合物又はその製薬上許容される塩は、SGLT1阻害活性を有することから、SGLT1活性の調節により改善が期待され得る各種疾患又は状態、例えば、糖尿病(例えば、1型糖尿病及び2型糖尿病)、肥満症、糖尿病性合併症(例えば、細小血管症として知られる網膜症、腎症及び神経障害、並びに大血管症として知られる脳血管障害、虚血性心疾患及び下肢閉塞性動脈硬化症)、肥大型心筋症、虚血性心疾患、癌及び便秘の治療及び/又は予防に有用であり得る。

0024

「SGLT1を阻害する」とは、SGLT1の機能を阻害してその活性を消失又は減弱することを意味し、例えば、後述する試験例1の条件に基づいて、SGLT1の機能を阻害することを意味する。「SGLT1を阻害する」とは、好ましくは、「ヒトSGLT1を阻害する」である。機能の阻害又は活性の消失若しくは減弱は、好ましくはヒトの臨床的適応で行われる。

0025

「SGLT1阻害剤」とは、SGLT1を阻害する物質であれば何でもよく、低分子化合物核酸ポリペプチドタンパク質、抗体、ワクチン等であってよい。「SGLT1阻害」とは、好ましくは「ヒトSGLT1阻害剤」である。

0026

式[I]の化合物又はその製薬上許容される塩はまた、血糖値が高くなることにより引き起こされ得る各種疾患又は状態の治療及び/又は予防にも有用であり得る。
「血糖値が高くなることにより引き起こされ得る各種疾患又は状態」としては、例えば、糖尿病(例えば、1型糖尿病及び2型糖尿病)、肥満症、及び糖尿病性合併症(例えば、細小血管症として知られる網膜症、腎症及び神経障害、並びに大血管症として知られる脳血管障害、虚血性心疾患及び下肢閉塞性動脈硬化症)が挙げられる。

0027

本明細書において「治療」とは、症状の改善、重症化の防止、寛解の維持、再燃の防止、及び再発の防止を含む。
本明細書において「予防」とは、症状の発症を抑制することを含む。例えば、「糖尿病の予防」とは、耐糖能異常における2型糖尿病の発症の抑制を含む。

0028

本明細書における医薬組成物は、医薬製剤の技術分野において公知の方法に従って、治療上有効量の式[I]の化合物又はその製薬上許容される塩を、少なくとも1種以上の製薬上許容される担体等と、適宜、混合等することによって製造してもよい。該医薬組成物中の式[I]の化合物又はその製薬上許容される塩の含量は、剤形、投与量等により異なるが、例えば、組成物全体の0.1から100重量%である。

0029

式[I]の化合物又はその製薬上許容される塩の剤形としては、錠剤カプセル剤顆粒剤散剤トローチ剤シロップ剤乳剤懸濁剤等の経口剤、及び外用剤坐剤注射剤点眼剤経鼻剤、経剤等の非経口剤が挙げられる。

0030

「製薬上許容される担体」としては、製剤素材として慣用の各種有機又は無機担体物質が挙げられ、固形製剤における賦形剤崩壊剤結合剤流動化剤滑沢剤等、及び液状製剤における溶剤溶解補助剤懸濁化剤等張化剤緩衝剤無痛化剤等及び半固形製剤における基剤乳化剤湿潤剤、安定剤、安定化剤分散剤可塑剤pH調節剤吸収促進剤ゲル化剤防腐剤充填剤溶解剤、溶解補助剤、懸濁化剤等が挙げられる。更に必要に応じて、保存剤抗酸化剤着色剤甘味剤等の添加物を追加してもよい。

0031

「賦形剤」としては、乳糖白糖、D−マンニトールD−ソルビトールトウモロコシデンプンデキストリン微結晶セルロース結晶セルロースカルメロースカルメロースカルシウムカルボキシメチルスターチナトリウム低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、及びアラビアゴム等が挙げられる。
「崩壊剤」としては、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウムクロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及び結晶セルロース等が挙げられる。
「結合剤」としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン、結晶セルロース、白糖、デキストリン、デンプンゼラチン、カルメロースナトリウム、及びアラビアゴム等が挙げられる。
「流動化剤」としては、軽質無水ケイ酸、及びステアリン酸マグネシウム等が挙げられる。
「滑沢剤」としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、及びタルク等が挙げられる。
「溶剤」としては、精製水、エタノール、プロピレングリコールマクロゴールゴマ油トウモロコシ油、及びオリーブ油等が挙げられる。
「溶解補助剤」としては、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリエタノールアミン炭酸ナトリウム、及びクエン酸ナトリウム等が挙げられる。
「懸濁化剤」としては、塩化ベンザルコニウム、カルメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、プロピレングリコール、ポビドン、メチルセルロース、及びモノステアリン酸グリセリン等が挙げられる。
「等張化剤」としては、ブドウ糖、D−ソルビトール、塩化ナトリウム、及びD−マンニトール等が挙げられる。
「緩衝剤」としては、リン酸水素ナトリウム酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、及びクエン酸ナトリウム等が挙げられる。
「無痛化剤」としては、ベンジルアルコール等が挙げられる。
「基剤」としては、水、動植物油(オリーブ油、トウモロコシ油、ラッカセイ油、ゴマ油、ヒマシ油等)、低級アルコール類(エタノール、プロパノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールフェノール等)、高級脂肪酸及びそのエステルロウ類高級アルコール多価アルコール炭化水素類白色ワセリン流動パラフィンパラフィン等)、親水ワセリン精製ラノリン、吸水軟膏加水ラノリン親水軟膏、デンプン、プルランアラビアガムトラガカントガム、ゼラチン、デキストランセルロース誘導体(メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)、合成高分子カルボキシビニルポリマーポリアクリル酸ナトリウムポリビニルアルコールポリビニルピロリドン等)、プロピレングリコール、マクロゴール(マクロゴール200〜600等)、及びそれらの2種以上の組合せが挙げられる。
「保存剤」としては、パラオキシ安息香酸エチルクロロブタノール、ベンジルアルコール、デヒドロ酢酸ナトリウム、及びソルビン酸等が挙げられる。
「抗酸化剤」としては、亜硫酸ナトリウム、及びアスコルビン酸等が挙げられる。
「着色剤」としては、食用色素食用赤色2号又は3号、食用黄色4号又は5号等)、及びβ−カロテン等が挙げられる。
「甘味剤」としては、サッカリンナトリウムグリチルリチン酸二カリウム、及びアスパルテーム等が挙げられる。

0032

本明細書における医薬組成物は、ヒト以外の哺乳動物(マウス、ラットハムスターモルモットウサギネコイヌブタウシウマヒツジサル等)及びヒトに対して、経口的又は非経口的(局所直腸静脈投与筋肉内、皮下等)に投与することができる。投与量は、投与対象、疾患、症状、剤形、投与ルート等により異なるが、例えば、成人患者経口投与する場合の投与量は、有効成分である式[I]の化合物として、1日あたり、通常約0.01mg〜約1gの範囲である。これらの量を1回から数回に分けて投与することができる。

0033

式[I]の化合物又はその製薬上許容される塩を有効成分又は活性剤として含有する医薬組成物と、該医薬組成物を治療及び/又は予防に使用し得るか又は使用すべきであることを記載した該医薬組成物に関する記載物とを含む、キット(投与、治療及び/又は予防キット等)、パッケージ包装物等)及び薬剤セット(及び/又は容器)もまた有用である。このようなキット、パッケージ及び薬剤セットは、上記医薬組成物又は上記医薬組成物に用いるための1以上の有効成分及び他の薬剤又は薬物(又は成分)が充填された1以上の容器を備えていてもよい。このようなキット、パッケージ及び薬剤セットの例としては、対象疾患の治療及び/又は予防に適切に向けられた商業用キット、商業用パッケージ及び商業用薬剤セットが挙げられる。このようなキット、パッケージ及び薬剤セットに含まれる記載物としては、医薬又は生物学的製品の製造、使用又は販売を規制する政府機関により指示された形態の注意書又は添付文書であって、ヒトへの投与に関連した製品の製造、使用又は販売に関する該政府機関の承認を示す注意書又は添付文書が挙げられる。上記キット、パッケージ及び薬剤セットには、包装された製品も包含され、また、適切な投与工程(ステップ)のために構成された構造物を包含してもよいし、対象疾患の治療及び/又は予防などを含む、より好ましい医学上の治療及び/又は予防を達成できるようにして構成された構造物を包含してもよい。

0034

式[I]の化合物又はその製薬上許容される塩の製造方法を以下に説明する。しかしながら、式[I]の化合物又はその製薬上許容される塩の製造方法は、これらの製造方法に限定されるものではない。
各工程で得られる化合物は、必要に応じて、蒸留再結晶カラムクロマトグラフィー等の公知の方法で単離及び/又は精製することができるが、場合によっては、単離及び/又は精製せず次の工程に進むことができる。
本明細書において、室温とは温度を制御していない状態の温度を指し、一つの態様として1℃から40℃が挙げられる。

0035

[製造方法A]
式[I]の化合物は、以下のスキームで示される製造方法A1又はA2により製造することができる。
製造方法A1

0036

(工程A1−1)
式[I]の化合物は、式[1]の化合物又はその塩と式[2]の化合物又はその塩を、溶媒中、縮合剤及び添加剤存在下、反応させることにより製造することができる。
縮合剤としては、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(WSC・HCl)、ジイソプロピルカルボジイミド、1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロフォスフェートHATU)、{{[(1−シアノ−2−エトキシ−2−オキソエチリデンアミノオキシ}−4−モルホリノメチレン}ジメチルアンモニウムヘキサフルオロリン酸塩(COMU)、塩化4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウム・n水和物(DMT−MM)、ヘキサフルオロリン酸(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム(PyBOP)、ジフェニルホスホリルアジド、及び無水プロピルホスホン酸が例示される。
添加剤としては、例えば1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)、N−ヒドロキシコハク酸イミド(HOSu)、4−ジメチルアミノピリジン、及び1−メチルイミダゾールが例示される。
溶媒としては、例えばクロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒ピリジンアセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド等の極性溶媒;及びこれらの混合溶媒が例示される。
反応温度は、例えば0℃から100℃である。
式[1]の化合物の塩を用いる場合、塩基存在下、本反応を実施すればよい。塩基としては、例えばトリエチルアミン等の有機塩基、及び炭酸ナトリウム等のアルカリ金属塩が例示される。

0037

式[I]の化合物はまた、溶媒中、ハロゲン化剤を用いて式[2]の化合物をカルボン酸ハロゲン化物に変換した後、塩基存在下、式[1]の化合物と反応させる方法によっても製造することができる。
反応に用いるハロゲン化剤としては、例えば塩化オキサリル、及び塩化チオニルが例示される。好ましいハロゲン化剤は、塩化オキサリルである。
反応に用いる塩基としては、例えばピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基;及び炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属塩が例示される。好ましい塩基は、ピリジンである。
溶媒としては、例えばクロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒;シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;トルエン等の炭化水素系溶媒;及びこれらと水との混合溶媒が例示される。好ましい溶媒は、クロロホルムである。
反応温度は、例えば0℃から80℃であり、好ましくは0℃から60℃である。
カルボン酸ハロゲン化物の製造においては、N,N−ジメチルホルムアミドを添加剤として加えてもよい。

0038

製造方法A2



[式中、PN1はアミノ基の保護基である。好ましいPN1は、2,4−ジメトキシベンジル基である。]

0039

(工程A2−1)
式[4]の化合物は、製造方法A1工程A1−1に従って、式[1]の化合物又はその塩及び式[3]の化合物又はその塩から製造することができる。

0040

(工程A2−2)
式[I]の化合物又はその塩は、式[4]の化合物のPN1を脱保護反応で除去することにより製造することができる。脱保護反応は、PN1の種類に応じて適した条件で実施すればよい。
例えば、PN1が2,4−ジメトキシベンジル基である場合は、式[I]の化合物又はその塩は、溶媒中、添加剤存在下、酸と反応させることにより、製造することができる。
酸としては、例えばメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸及びトリフルオロ酢酸が例示される。好ましい酸は、トリフルオロ酢酸である。
添加剤としては、例えばアニソール及びトリエチルシランが例示される。好ましい添加剤は、アニソールである。
溶媒としては、例えばジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、トルエン等の炭化水素系溶媒、水、及びこれらの混合溶媒が例示される。トリフルオロ酢酸等の有機酸を溶媒として用いてもよい。
反応温度は、例えば0℃から130℃であり、好ましくは25℃から80℃である。
本工程において、酸を用いる場合、式[5]の化合物



又はその塩が得られる。式[I]の化合物又はその塩は、公知の方法によって、式[5]の化合物又はその塩の水酸基をtert−ブトキシ基に変換することにより製造することができる。
例えば、式[I]の化合物又はその塩は、過塩素酸マグネシウムの存在下、式[5]の化合物又はその塩と二炭酸ジ−tert−ブチルと反応させることにより、製造することができる。
溶媒としては、例えばクロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、及びテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒が例示される。好ましい溶媒は、クロロホルムである。
反応温度は、例えば0℃から100℃であり、好ましくは室温から70℃である。

0041

[製造方法B]
式[1]の化合物は、以下のスキームで示される製造方法B1により製造することができる。
製造方法B1



[式中、L1は脱離基である。好ましいL1は塩素臭素、又はヨウ素である。PN2はそれぞれ独立してアミンの保護基である。好ましくは、2つのPN2がそれらの結合する窒素一緒になって2,5−ジメチルピロールを形成する。]

0042

(工程B1−1)
式[7]の化合物は、公知の方法によって、式[6]の化合物又はその塩のアミノ基にPN2を導入することにより製造することができる。保護基の導入は、PN2の種類に応じて適した条件で実施すればよい。例えば、2つのPN2がそれらの結合する窒素と一緒になって2,5−ジメチルピロールを形成する場合は、式[7]の化合物は、式[6]の化合物を、溶媒中、酸性条件下、2,5−ヘキサンジオンと反応させることにより、製造することができる。
反応に用いる酸としては、例えば濃塩酸濃硫酸アミド硫酸、p−トルエンスルホン酸、及び酢酸が例示される。好ましい酸は、酢酸である。
溶媒としては、例えばエタノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン等の炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等の極性溶媒、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、及びこれらの混合溶媒が例示される。酢酸等の有機酸を溶媒として用いてもよい。
反応温度は、例えば室温から150℃であり、好ましくは80℃から140℃である。

0043

(工程B1−2)
式[8]の化合物は、例えば溶媒中、塩基及び触媒の存在下、式[7]の化合物とジブロモジフルオロメタンを反応させる工程(a)、及び、溶媒中、テトラメチルアンモニウムフルオリド又はテトラフルオロホウ酸銀(I)存在下、フッ素化する工程(b)、を含む方法により製造することができる。
工程(a)で用いられる塩基としては、例えば水素化ナトリウム、及びカリウムtert−ブトキシドが例示される。好ましい塩基は、水素化ナトリウムである。
工程(a)で用いられる触媒としては、例えばテトラブチルアンモニウムブロミド、及び亜鉛が例示される。好ましい触媒は、テトラブチルアンモニウムブロミドである。
工程(a)で用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、及びN,N−ジメチルホルムアミド等の極性溶媒が例示される。好ましい溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミドである。
工程(a)における反応温度としては、例えば0℃から40℃であり、好ましくは0℃から室温である。
工程(b)で用いられる溶媒としては、テトラメチルアンモニウムフルオリドを用いる場合、例えば1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、及びスルホラン等の極性溶媒が例示される。好ましい溶媒は、スルホランである。テトラフルオロホウ酸銀(I)を用いる場合、例えばジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒が例示される。好ましい溶媒は、ジクロロメタンである。
工程(b)の反応温度としては、テトラメチルアンモニウムフルオリドを用いる場合、例えば80℃から180℃であり、好ましくは100℃から140℃である。テトラフルオロホウ酸銀(I)を用いる場合、例えば−78℃から50℃であり、好ましくは−78℃から室温である。

0044

(工程B1−3)
式[9]の化合物は、溶媒中、塩基存在下、式[8]の化合物にL1を導入することにより製造することができる。例えばL1がヨウ素である場合は、式[9]の化合物は、溶媒中、塩基存在下、式[8]の化合物をヨウ素化することにより製造することができる。
反応に用いる塩基としては、例えばn−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、及びリチウムテトラメチルピペリジドが例示される。好ましい塩基はn−ブチルリチウムである。
ヨウ素化剤としては、例えばヨウ素、一塩化ヨウ素、N−ヨードスクシンイミド、及び1−クロロ−2−ヨードエタンが例示される。好ましいヨウ素化剤はヨウ素である。
溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン等の炭化水素系溶媒、及びこれらの混合溶媒が例示される。好ましい溶媒は、テトラヒドロフランである。
反応温度は、例えば−100℃から40℃であり、好ましくは−78℃から20℃である。

0045

(工程B1−4)
式[10]の化合物又はその塩は、式[9]の化合物のPN2を脱保護反応で除去することにより製造することができる。脱保護反応は、PN2の種類に応じて適した条件で実施すればよい。例えば、2つのPN2がそれらの結合する窒素と一緒になって2,5−ジメチルピロールを形成する場合は、式[10]の化合物又はその塩は、式[9]の化合物を、溶媒中、ヒドロキシルアミンと反応させることにより、製造することができる。
溶媒としては、例えばエタノール等のアルコール系溶媒、水、及びこれらの混合溶媒が例示される。好ましい溶媒は、アルコール系溶媒と水との混合溶媒である。
反応温度は、例えば40℃から150℃であり、好ましくは80℃から130℃である。
ヒドロキシルアミンに換えヒドロキシルアミン塩酸塩を用いてもよく、その場合は、塩基存在下、本反応を実施すればよい。塩基としては、例えばトリエチルアミン等の有機塩基、及び炭酸ナトリウム等のアルカリ金属塩が例示される。好ましい塩基はトリエチルアミンである。

0046

(工程B1−5)
式[1]の化合物又はその塩は、式[10]の化合物又はその塩と式[11]の化合物を、鈴木カップリング反応に付すことにより製造することができる。例えば、式[1]の化合物又はその塩は、式[10]の化合物又はその塩と式[11]の化合物を、溶媒中、塩基及びパラジウム触媒の存在下、反応させることにより製造することができる。
反応に用いるパラジウム触媒としては、例えばテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、[1,1’−ビスジフェニルホスフィノフェロセンジクロロパラジウム(II)−ジクロロメタン付加体、[1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、及び酢酸パラジウム(II)とトリシクロキシルホスフィン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル又は2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニルとの混合物が例示される。好ましいパラジウム触媒は[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)−ジクロロメタン付加体である。
反応に用いる塩基としては、例えばリン酸三カリウム炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、及びトリエチルアミンが例示される。好ましい塩基はリン酸三カリウム、炭酸セシウム又は炭酸ナトリウムである。
溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、及び1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、1−プロパノール、及び2−プロパノール等のアルコール系溶媒;トルエン、n−ヘキサン、及びキシレン等の炭化水素系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、及びアセトニトリル等の極性溶媒;及びこれらと水との混合溶媒が例示される。好ましい溶媒は、1,2−ジメトキシエタン、トルエン、ジメチルスルホキシド、又はこれらと水との混合溶媒である。
反応温度は、例えば20℃から150℃であり、好ましくは80℃から130℃である。

0047

式[11]の化合物は公知の方法に従って製造することができる。式[11]の化合物に換えて、対応するボロン酸エステルを用いて工程B1−5の反応を行ってもよい。例えば、ボロン酸エステルは、以下のスキームで示される製造方法B2により製造することができる。
製造方法B2



[式中、R1はフッ素又は水酸基である。L2は脱離基である。好ましいL2は塩素、臭素、ヨウ素、p−トルエンスルホニルオキシメタンスルホニルオキシ、又はトリフルオロメタンスルホニルオキシである。B(OR2)2はボロン酸エステルである。R2は例えばそれぞれ独立してメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、又はtert−ブチルであるか、あるいはOR2がそれらの結合するホウ素と一緒になって環状ボロン酸エステルを形成してもよい。好ましいB(OR2)2はボロン酸ピナコールエステルである。]

0048

(工程B2−1)
式[13]の化合物は、式[12]の化合物のR1をtert−ブトキシ基に変換することにより製造することができる。本反応は公知の方法に従って実施すればよい。
R1がフッ素の場合、式[13]の化合物は、例えば、溶媒中、式[12]の化合物とナトリウムtert−ブトキシド又はカリウムtert−ブトキシドを反応させることにより製造することができる。溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;及びN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒が例示される。好ましい溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミドである。反応温度は、例えば0℃から100℃であり、好ましくは室温から85℃である。
R1が水酸基の場合、式[13]の化合物は、例えば、製造方法A2工程A2−2に記載の、式[5]の化合物又はその塩から式[I]の化合物又はその塩を製造する方法に従って製造することができる。

0049

(工程B2−2)
式[14]の化合物は、式[13]の化合物とホウ素化合物を、溶媒中、パラジウム触媒、有機リン化合物及び塩基の存在下、反応させることにより製造することができる。
パラジウム触媒としては、例えば酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)が例示される。
有機リン化合物としては、例えばトリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル、及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニルが例示される。
パラジウム触媒及び有機リン化合物に換えて、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)−ジクロロメタン付加体、又は[1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)を用いてもよい。
塩基としては、例えば酢酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、及び炭酸カリウムが例示される。好ましい塩基は、酢酸カリウムである。
ホウ素化合物としては、例えばビス(ピナコラートジボロンが例示される。
溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;トルエン等の炭化水素系溶媒;及びN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒が例示される。好ましい溶媒は、ジメチルスルホキシドである。
反応温度は、例えば室温から150℃であり、好ましくは70℃から110℃である。

0050

[製造方法C]
式[2]の化合物又はその塩及び式[3]の化合物又はその塩は、以下のスキームで示される製造方法C1により製造することができる。
製造方法C1



[式中、PC1及びPC2はそれぞれ独立してカルボキシの保護基である。好ましいPC1及びPC2は、それぞれ独立して、メチル、エチル、tert−ブチル、又はベンジルである。R3はそれぞれ独立してメトキシ又はエトキシである。L3は脱離基である。好ましいL3は臭素又は塩素である。その他各記号は前記と同義である。]

0051

(工程C1−1)
式[17]の化合物は、溶媒中、塩基存在下、式[15]の化合物と式[16]の化合物を反応させることにより製造することができる。
反応に用いる塩基としては、例えばカリウムtert−ブトキシド、ナトリウムメトキシドナトリウムエトキシド、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムヘキサメチルジシラザン、炭酸カリウム、炭酸セシウム、及び水素化ナトリウムが例示される。好ましい塩基は、カリウムtert−ブトキシドである。
溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒;及びN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒が例示される。好ましい溶媒は、テトラヒドロフランである。
反応温度は、例えば−78℃から100℃であり、好ましくは0℃から70℃である。

0052

(工程C1−2)
式[18]の化合物は、溶媒中、塩基存在下、式[17]の化合物とホルムアルデヒド(好ましくはホルムアルデヒド水溶液)を反応させることにより製造することができる。
反応に用いる塩基としては、例えばカリウムtert−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムヘキサメチルジシラザン、炭酸カリウム、炭酸セシウム及び水素化ナトリウムが例示される。好ましい塩基は、炭酸カリウムである。
溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒;及びN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒が例示される。好ましい溶媒は、テトラヒドロフランである。
反応温度は、例えば−78℃から100℃であり、好ましくは0℃から70℃である。

0053

(工程C1−3)
式[20]の化合物は、溶媒中、化合物[18]と化合物[19]を反応させることにより製造することができる。
溶媒としては、例えばトルエン等の炭化水素系溶媒;メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒;及びこれらの混合溶媒が例示される。好ましい溶媒は、トルエンである。
反応温度は、例えば20℃から150℃であり、好ましくは80℃から130℃である。

0054

(工程C1−4)
化合物[21]又はその塩は、化合物[20]のPC1を脱保護反応で除去することにより製造することができる。脱保護反応は、PC1の種類に応じて、それぞれに適した条件で実施すればよい。例えば、PC1がエチルである場合は、化合物[21]又はその塩は、溶媒中、塩基存在下、化合物[20]を加水分解することにより、製造することができる。
反応に用いる塩基としては、例えば水酸化リチウム水酸化ナトリウム水酸化カリウム、及びナトリウムエトキシドが例示される。好ましい塩基は、ナトリウムエトキシドである。
溶媒としては、例えばエタノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、水、及びこれらの混合溶媒が例示される。好ましい溶媒は、エタノールと水の混合溶媒である。
反応温度は、例えば0℃から100℃であり、好ましくは0℃から40℃である。

0055

(工程C1−5)
式[3]の化合物又はその塩は、式[21]の化合物又はその塩から分離することにより得ることができる。式[3]の化合物又はその塩の分離は、当分野で良く知られた方法により、その分離に適した条件で実施すればよい。例えば、式[3]の化合物又はその塩は、塩基性光学分割剤とのジアステレオマー塩として分離した後、この塩を酸で分解することにより得ることができる。
塩基性光学分割剤としては、例えば(1R,2R)−(−)−2−アミノ−1−(4−ニトロフェニル)−1,3−プロパンジオールが例示される。
ジアステレオマー塩への誘導に用いられる溶媒としては、例えば2−プロパノール等のアルコール系溶媒、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル等の極性溶媒、及びこれらと水との混合溶媒が例示される。好ましい溶媒は、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン又はこれらと水との混合溶媒である。
このジアステレオマー塩は、再結晶によりその光学純度を高めることができる。再結晶に用いられる溶媒としては、例えば1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル等の極性溶媒、及びこれらと水との混合溶媒が例示される。好ましい溶媒は、アセトニトリルと水との混合溶媒である。
ジアステレオマー塩の分解に用いられる酸としては、例えば塩酸、硫酸、及び硫酸水素カリウムが例示される。好ましい酸は塩酸である。
ジアステレオマー塩の分解に用いられる溶媒としては、例えば酢酸エチル等のエステル系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、水、及びこれらの混合溶媒が例示される。好ましい溶媒は、酢酸エチルと水との混合溶媒である。

0056

(工程C1−6)
式[2]の化合物又はその塩は、式[3]の化合物又はその塩のPN1を脱保護反応で除去することにより製造することができる。脱保護反応は、PN1の種類に応じて適した条件で実施すればよい。例えば、PN1が2,4−ジメトキシベンジル基である場合は、式[2]の化合物又はその塩は、製造方法A2工程A2−2に従って製造することができる。

0057

以下に、製造例、実施例、参考例、試験例及び製剤例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。

0058

ここで、本明細書で用いられる略号の意味を以下に示す。
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
THF:テトラヒドロフラン
CPME:シクロペンチルメチルエーテル

0059

1H−NMRスペクトルはCDCl3又はDMSO−d6中、テトラメチルシラン内部標準として測定し、全δ値をppmで示す。なお、特に記述のない限り、400MHzのNMR装置で測定した。
実施例中の記号は次のような意味である。
s:シングレット(singlet)
d:ダブレット(doublet)
t:トリプレット(triplet)
q:カルテット(quartet)
dd:ダブルダブレット(double doublet)
ddd:ダブルダブルダブレット(double double doublet)
brs:ブロードシングレット(broad singlet)
m:マルチプレット(multiplet)
J:カップリング定数(coupling constant)

0060

[製造例1]2−(3−(tert−ブトキシ)−5−フルオロフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの製造

0061

(工程1)1−ブロモ−3−(tert−ブトキシ)−5−フルオロベンゼンの製造




アルゴン気流下、3−ブロモ−5−フルオロフェノール(500mg)に室温で二炭酸ジ−tert−ブチル(1.14g)、過塩素酸マグネシウム(58mg)を順次加えた。この反応混合物を50℃で1時間20分撹拌した。この反応混合液に50℃で二炭酸ジ−tert−ブチルを加えた。この反応混合液を50℃で1時間撹拌し、さらに65℃で1時間撹拌し、室温に冷却した。この反応混合液に室温で二炭酸ジ−tert−ブチルを加えた。この反応混合液を65℃で3時間撹拌した。この反応混合液を室温に冷却し、n−ヘキサン/酢酸エチル(1/1)混合液を加えた。この反応混合液を3N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。この残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー展開溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/0から20/1)で精製することにより、表題化合物(437mg)を収率68%で得た。
1H-NMR(CDCl3) δ: 1.35 (s, 9H), 6.62-6.66 (m, 1H), 6.92-6.98 (m, 2H).

0062

(工程2)2−(3−(tert−ブトキシ)−5−フルオロフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの製造




工程1で得られた1−ブロモ−3−(tert−ブトキシ)−5−フルオロベンゼン(437mg)のDMSO(5mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、室温で酢酸カリウム(434mg)、ビス(ピナコラート)ジボロン(898mg)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)・ジクロロメタン付加体(144mg)を順次加えた。この反応混合液を90℃で2.5時間撹拌した。この反応混合液を室温に冷却した。この反応混合液に、n−ヘキサン/酢酸エチル(1/1)混合液、水を順次加えた。この反応混合液を室温で50分間撹拌し、終夜静置した。この反応混合液に、n−ヘキサン/酢酸エチル(1/1)混合液、水、シリカゲル及びセライトを順次加えた。この反応混合液を撹拌した後、不溶物をろ去し、この不溶物をn−ヘキサン/酢酸エチル(1/1)混合液で洗浄した。このろ液をn−ヘキサン/酢酸エチル(1/1)混合液で抽出した。この有機層を水で2回、飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。この残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製することにより、表題化合物(443mg)を収率85%で得た。
1H-NMR(CDCl3) δ: 1.33 (s, 12H), 1.36 (s, 9H), 6.77-6.82 (m, 1H), 7.18-7.23 (m, 2H).

0063

[製造例2](3R,4R)−1−(2,4−ジメトキシベンジル)−4−メチル−5−オキソピロリジン−3−カルボン酸の製造

0064

(工程1)2−メチル−3−メチレンコハク酸ジエチルエステルの製造



窒素気流下、カリウムtert−ブトキシド(180g)に室温でTHF(2.55L)を加えた。この混合液に氷冷下、ホスホノ酢酸トリエチル(314g)を13分間かけて滴下した。使用した滴下ロートをTHF(511mL)で洗浄し、洗浄液を反応混合液に加えた。この反応混合液を氷冷下、2時間9分撹拌した。この反応混合液に氷冷下、2−ブロモプロピオン酸エチル(247g)を20分間かけて滴下した。使用した滴下ロートをTHF(79mL)で洗浄し、洗浄液を反応混合液に加えた。この反応混合液を室温で22時間45分撹拌した。この反応混合液に氷冷下、炭酸カリウム(188g)を1分間かけて加えた。この反応混合液に氷冷下、37重量%ホルムアルデヒド水溶液(152mL)を10分間かけて滴下した。この反応混合液を室温で19時間44分撹拌した。この反応混合液に室温で水(1.57L)を1分間かけて加えた。この反応混合液を室温で1時間48分撹拌した。この反応混合液を分層した。この水層をTHF(200mL)で2回抽出した。得られた有機層を合わせて濃縮した。この残渣にトルエン(471mL)と飽和食塩水(471mL)を加えた。この反応混合液を撹拌し、分層した。この有機層を硫酸ナトリウム(63g)で乾燥した。この硫酸ナトリウムをろ去した。別途、ホスホノ酢酸トリエチル(300g)を用いて同様に反応を行って得られたろ液を、上記で得られたろ液と合わせることにより、表題化合物(2.66mol相当)のトルエン溶液(約921mL)を得た。得られた表題化合物のトルエン溶液を収率100%として次工程に用いた。表題化合物の生成はHPLC分析により確認した。
HPLC測定機器及び条件を以下に示す。
測定機器:HPLCシステム島津製作高速液体クロマトグラフProminence
測定条件
カラム:Kinetex C18:2.6μm,50mm×2.1mm(Phenomenex)
カラム温度:40℃
流速:0.4mL/min.
分析時間:10min.
検出波長:UV(220nm)
移動相:(A液)水、(B液)アセトニトリル
移動相の送液:A液及びB液の混合比(A液/B液(体積%))は、注入後0分から0.01分は80/20を保持し、0.01分から7分にかけて80/20から10/90まで直線的に変化させ、7分から8分は10/90を保持し、8分から9分にかけて10/90から80/20まで直線的に変化させ、9分から10分は80/20を保持した。
上記HPLC測定条件における表題化合物の保持時間は、約3.7分であった。

0065

(工程2)(シス)−1−(2,4−ジメトキシベンジル)−4−メチル−5−オキソピロリジン−3−カルボン酸エチルエステル及び(トランス)−1−(2,4−ジメトキシベンジル)−4−メチル−5−オキソピロリジン−3−カルボン酸 エチルエステルの混合物の製造



工程1で得られた2−メチル−3−メチレンコハク酸ジエチルエステル(2.66mol相当)のトルエン溶液(約921mL)に、窒素気流下、室温で2,4−ジメトキシベンジルアミン(468g)を2分間かけて滴下した。この反応混合液を120℃で5時間45分撹拌した。この反応混合液を室温で週末静置した。この反応混合液を氷冷し、内温約15℃にした。この反応混合液に2N塩酸(1.33L)を滴下し、撹拌した。この反応混合液を分層した。この水層をトルエン(150mL)で抽出した。得られた有機層を合わせ、飽和食塩水と水の混合液(600mL、飽和食塩水/水=1/1)で洗浄し、硫酸ナトリウム(120g)で乾燥し、濃縮し、室温で終夜減圧乾燥することで、表題化合物の粗生成物(790g;シス/トランス=約1/1、5.5重量%のトルエン含む)を得た。表題化合物の生成はHPLC分析により確認した。
HPLCの測定機器及び条件を以下に示す。
測定機器:HPLCシステム島津製作所高速液体クロマトグラフProminence
測定条件:
カラム:Atlantis T3:5μm,150mm×4.6mm(Waters)
カラム温度:40℃
流速:1.15mL/min.
分析時間:18min.
検出波長:UV(220nm)
移動相:(A液)10mMリン酸(ナトリウム)バッファー(pH=2.6)、(B液)アセトニトリル
移動相の送液:A液及びB液の混合比(A液/B液(体積%))は、注入後0分から0.5分は60/40を保持し、0.5分から8分にかけて60/40から10/90まで直線的に変化させ、8分から12.5分は10/90を保持し、12.5分から13.5分にかけて10/90から60/40まで直線的に変化させ、13.5分から18分は60/40を保持した。
上記HPLC測定条件における、(シス)−1−(2,4−ジメトキシベンジル)−4−メチル−5−オキソピロリジン−3−カルボン酸 エチルエステルの保持時間は約6.6分、(トランス)−1−(2,4−ジメトキシベンジル)−4−メチル−5−オキソピロリジン−3−カルボン酸 エチルエステルの保持時間は約6.9分であった。

0066

(工程3)(トランス)−1−(2,4−ジメトキシベンジル)−4−メチル−5−オキソピロリジン−3−カルボン酸の製造



工程2で得られた(シス)−1−(2,4−ジメトキシベンジル)−4−メチル−5−オキソピロリジン−3−カルボン酸エチルエステル及び(トランス)−1−(2,4−ジメトキシベンジル)−4−メチル−5−オキソピロリジン−3−カルボン酸 エチルエステルの混合物の粗生成物(790g、5.5重量%のトルエン含む)に、窒素気流下、室温でエタノール(1.15L)を加えた。この反応混合液に室温でナトリウムエトキシド(20重量%エタノール溶液、1.15L)を31分間かけて滴下した。この反応混合液を室温で2時間57分撹拌した。この反応混合液を氷冷し、水(1.84L)を33分間かけて滴下した。この反応混合液に室温でCPME(1.8L)及びトルエン(1.8L)を加え、分層した(有機層1)。この水層にCPME(1.8L)を加え、分層した(有機層2)。この水層より溶媒を1.8L留去した。この水層に氷冷下、6N塩酸(110mL)を滴下し、酢酸エチル(1.8L)を加えた。この混合液に氷冷下、6N塩酸(300mL)を滴下し、約10分間撹拌した。この混合液に氷冷下、水(2.2L)、6N塩酸(50mL)、水(1.0L)、10重量%硫酸水素ナトリウム水溶液(300mL)、エタノール(300mL)を順次加えた。この混合液を室温で終夜撹拌した。この混合液に酢酸エチル(600mL)を加え、分層した。この水層を酢酸エチル(600mL)で2回抽出した。得られた有機層を合わせて(但し、有機層1及び有機層2を除く)、飽和食塩水と水の混合液(1L、飽和食塩水/水=1/1)で洗浄した。この有機層に硫酸ナトリウム(120g)と活性炭(30g)を加え、室温で1時間撹拌した。この混合液をセライトを通してろ過し、不溶物をろ去した。この不溶物を酢酸エチル(3L)で洗浄した。得られたろ液を合わせて濃縮し、室温で3時間減圧乾燥することで、表題化合物の粗生成物(561g)を得た。
別途、上記有機層1と有機層2を合わせて濃縮した。この残渣にトルエン(450mL)と水(450mL)を加え、分層した。この水層をトルエン(450mL)で2回洗浄した。この水層に酢酸エチル(450mL)を加えた。この混合液に氷冷下、6N塩酸(70mL)を滴下した。この混合液に酢酸エチル(300mL)を加え、分層した。この水層を酢酸エチル(150mL)で抽出した。得られた酢酸エチルの有機層を合わせて、飽和食塩水と水の混合液(225mL、飽和食塩水/水=1/1)で洗浄した。この有機層に硫酸ナトリウム(30g)と活性炭(7.5g)を加え、室温で1時間撹拌した。この混合液をろ過し、不溶物をろ去した。この不溶物を酢酸エチル(750mL)で洗浄した。得られたろ液を合わせて濃縮し、室温で3時間減圧乾燥することで、表題化合物の粗生成物(87.3g)を得た。
この粗生成物を上記で得られた表題化合物の粗生成物と合わせた混合物に、窒素気流下、CPME(3L)を加えた。この混合液を120℃で撹拌した。この混合液を17時間34分撹拌して、室温まで徐冷した。この混合液を氷冷して内温約1℃で3時間撹拌した。この析出物をろ取し、冷やしたCPME(900mL)で洗浄した。この析出物を50℃で終夜減圧乾燥することで、表題化合物(585g)を3工程収率75%で得た。表題化合物の生成はHPLC分析及びNMRにより確認した。
HPLCの測定機器及び条件は工程2と同じである。本HPLC測定条件における表題化合物の保持時間は、約3.1分であった。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.33 (d, 3H, J = 6.5 Hz), 2.68-2.85 (m, 2H), 3.33-3.48 (m, 2H), 3.80 (s, 6H), 4.43 (s, 2H), 6.42-6.46 (m, 2H), 7.11-7.15 (m, 1H).

0067

(工程4)(3R,4R)−1−(2,4−ジメトキシベンジル)−4−メチル−5−オキソピロリジン−3−カルボン酸と(1R,2R)−(−)−2−アミノ−1−(4−ニトロフェニル)−1,3−プロパンジオールのジアステレオマー塩の製造



工程3で得られた(トランス)−1−(2,4−ジメトキシベンジル)−4−メチル−5−オキソピロリジン−3−カルボン酸(585g)に、窒素気流下、室温でアセトニトリル(2.9L)を加えた。この混合液を85℃で撹拌した。この混合液に85℃で、(1R,2R)−(−)−2−アミノ−1−(4−ニトロフェニル)−1,3−プロパンジオール(254g)を14分間かけて加えた。この反応混合液を90℃で2時間48分撹拌した。この反応混合液を終夜撹拌して、室温まで冷却した。この析出物をろ取し、アセトニトリル(2.4L)で洗浄した。この析出物を8.5時間、室温、常圧で乾燥することで、表題化合物の粗結晶(516g)を得た。この粗結晶に窒素気流下、室温でアセトニトリル(2.5L)と水(0.5L)を加えた。この混合液を100℃で1時間14分撹拌した。この混合液に100℃でアセトニトリル(1.5L)を1時間7分かけて滴下した。この混合液を100℃で10分間撹拌した。この混合液を21時間10分撹拌して、室温まで冷却した。この混合液を氷冷下、3時間54分撹拌した。この析出物をろ取し、アセトニトリル(1.5L)で洗浄した。この析出物を4時間、室温、常圧で乾燥することで、表題化合物(448g、99.8%de)を収率45%で得た。表題化合物の生成はHPLC分析により確認した。
HPLCの測定機器及び条件を以下に示す。
測定機器:HPLCシステム島津製作所高速液体クロマトグラフProminence
測定条件:
カラム:CHIRAL PAK AD−3R:3μm,150mm×4.6mm(ダイセル
カラム温度:40℃
流速:0.50mL/min.
分析時間:10min.
検出波長:UV(220nm)
移動相:(A液)10mMリン酸(ナトリウム)バッファー(pH=2.6)、(B液)アセトニトリル
移動相の送液:A液及びB液の混合比(A液/B液(体積%))は、60/40を保持した。
上記HPLC測定条件における、(3R,4R)−1−(2,4−ジメトキシベンジル)−4−メチル−5−オキソピロリジン−3−カルボン酸の保持時間は約5.6分、(3S,4S)−1−(2,4−ジメトキシベンジル)−4−メチル−5−オキソピロリジン−3−カルボン酸の保持時間は約6.5分であった。
表題化合物の立体構造は、メチルイソブチルケトンから再結晶して得られた単結晶のX線結晶構造解析により、決定した。
ジアステレオマー過剰率は、本測定結果におけるHPLC面積百分率により決定した((3R,4R)体/(3S,4S)体=99.886%/0.114%)。

0068

(工程5)(3R,4R)−1−(2,4−ジメトキシベンジル)−4−メチル−5−オキソピロリジン−3−カルボン酸の製造



工程4で得られた(3R,4R)−1−(2,4−ジメトキシベンジル)−4−メチル−5−オキソピロリジン−3−カルボン酸と(1R,2R)−(−)−2−アミノ−1−(4−ニトロフェニル)−1,3−プロパンジオールのジアステレオマー塩(448g)に、室温で酢酸エチル(1.8L)と水(1.34L)を加えた。この混合液に室温で、6N塩酸(168mL)を16分間かけて滴下した。この混合液を分層した。この水層を酢酸エチル(450mL)で3回抽出した。得られた有機層を合わせて、2N塩酸(224mL)、飽和食塩水(224mL)で順次洗浄し、硫酸ナトリウム(90g)で乾燥し、濃縮した。この残渣にトルエン(220mL)を加え、濃縮した。この残渣を室温で減圧乾燥することで表題化合物(254g)を収率98%で得た。
1H-NMR(DMSO-D6) δ: 1.15 (d, 3H, J = 7.2 Hz), 2.50-2.58 (m, 1H), 2.73-2.83 (m, 1H), 3.18-3.25 (m, 1H), 3.30-3.38 (m, 1H), 3.75 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 4.19-4.35 (m, 2H), 6.48 (dd, 1H, J = 8.4, 2.3 Hz), 6.56 (d, 1H, J = 2.3 Hz), 7.00 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 12.61 (br s, 1H).

0069

[実施例1](3R,4R)−N−(5−(3−(tert−ブトキシ)−5−フルオロフェニル)−1−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−4−メチル−5−オキソピロリジン−3−カルボキサミドの合成

0070

(工程1)3−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−1H−ピラゾールの製造



1H−ピラゾール−3−アミン(100g)に室温で、酢酸(1L)を加え、5分間撹拌した。この混合液に、室温で2,5−ヘキサンジオン(148mL)を加え、5分間撹拌した。この反応混合液を120℃にて2.5時間撹拌し、室温まで冷却した。この反応混合液に水(1L)を室温で加えた。この反応混合液を室温で50分間撹拌した。析出した固体をろ取し、水(1L)で洗浄した。得られた湿固体を室温、常圧で終夜乾燥後、65℃で3日と8.5時間減圧乾燥することで、表題化合物(172.47g)を収率89%で得た。
1H-NMR(CDCl3) δ: 2.11 (s, 6H), 5.90 (s, 2H), 6.25 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.51 (d, 1H, J = 2.4 Hz).

0071

(工程2)1−(ブロモジフルオロメチル)−3−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−1H−ピラゾール及び1−(ブロモジフルオロメチル)−5−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−1H−ピラゾールの混合物の製造



アルゴン気流下、氷冷下でDMF(100mL)を水素化ナトリウム(14.9g)に加えた。この混合液に工程1で得られた3−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−1H−ピラゾール(40g)のDMF(150mL)懸濁液を氷冷下で20分間かけて滴下した。使用した滴下ロートをDMF(50mL)で洗浄し、洗浄液を反応混合液に加えた。この反応混合液を水冷下で1.5時間撹拌した。この反応混合液に氷冷下でテトラブチルアンモニウムブロミド(0.80g)を加えた。この反応混合液を氷冷下、15分間撹拌した。この反応混合液に、ジブロモジフルオロメタン(45mL)のDMF(50mL)溶液を氷冷下、15分間かけて滴下した。この反応混合液を水冷下、2時間10分撹拌した。この反応混合液にアルゴン雰囲気下、ジブロモジフルオロメタン(20mL)を水冷下、滴下した。この反応混合液を水冷下、40分間撹拌した後、終夜静置した。この反応混合液に氷冷下、飽和塩化アンモニウム水溶液(200mL)を加えた。この反応混合液に酢酸エチル及び水を加えた。この反応混合液をセライトを通してろ過し、分層した。この水層を酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を合わせ、そこに飽和食塩水を加えた。この混合液をセライトを通してろ過し、分層した。この水層を酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。この残渣にトルエン(250mL)を加え、濃縮した。この作業を再度行った。この残渣に酢酸エチル(約150mL)を加え、不溶物をろ去した。この不溶物を酢酸エチルで洗浄した。得られたろ液を合わせて濃縮した。この残渣を撹拌しながら10分間室温で減圧乾燥した。この残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=30/1から20/1)で精製することにより、表題化合物(40.6g、3.7重量%のヘキサンを含む、1−(ブロモジフルオロメチル)−3−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−1H−ピラゾール:1−(ブロモジフルオロメチル)−5−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−1H−ピラゾール=約3:1)を収率54%で得た。
1H-NMR(CDCl3) δ: 2.03 (s, 1.5H), 2.18 (s, 4.5H), 5.89 (s, 1.5H), 5.91 (s, 0.5H), 6.39-6.41 (m, 1H), 7.86-7.88 (m, 1H).

0072

(工程3)3−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−1−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール及び5−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−1−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾールの混合物の製造



工程2で得られた1−(ブロモジフルオロメチル)−3−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−1H−ピラゾール及び1−(ブロモジフルオロメチル)−5−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−1H−ピラゾールの混合物(40.6g、3.7重量%のヘキサンを含む)のスルホラン(400mL)溶液に、アルゴン気流下、室温でテトラメチルアンモニウムフルオリド(13.0g)を加えた。この反応混合液を100℃で1時間撹拌した。この反応混合液に100℃でテトラメチルアンモニウムフルオリド(9.4g)を追加した。この反応混合液を100℃で1時間15分撹拌した。この反応混合液に100℃でテトラメチルアンモニウムフルオリド(10g)を追加した。この反応混合液を100℃で40分間撹拌した。さらに、この反応混合液に100℃でテトラメチルアンモニウムフルオリド(5g)を追加した。この反応混合液を100℃で2時間5分撹拌し、室温に冷却した。この反応混合液に氷冷下で水(400mL)及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)を順次ゆっくり加えた。この反応混合液にn−ヘキサン/酢酸エチル(2/3)混合液(400mL)を加えた。この反応混合液をセライトを通してろ過し、分層した。この有機層を飽和食塩水で洗浄した。得られた水層を合わせ、n−ヘキサン/酢酸エチル(2/3)混合液(300mL)で抽出した。この有機層を飽和食塩水で洗浄した。得られた有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。この残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=30/1から25/1)で精製することにより、表題化合物(21.85g、24.4重量%のn−ヘキサンを含む、3−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−1−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール:5−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−1−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール=約6:1)を収率51%で得た。
1H-NMR(CDCl3) δ: 2.00 (s, 0.86H), 2.16 (s, 5.1H), 5.89 (s, 1.7H), 5.91 (s, 0.29H), 6.40 (d, 0.86H, J = 2.8 Hz), 6.42 (d, 0.14H, J = 1.6 Hz), 7.83 (d, 0.14H, J = 1.6 Hz), 7.87 (d, 0.86H, J = 2.8 Hz).

0073

(工程4)3−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−5−ヨード−1−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾールの製造



工程3で得られた3−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−1−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール及び5−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−1−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾールの混合物(21.85g、24.4重量%のn−ヘキサンを含む)のTHF(180mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、−70℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.55M、51.1mL)を5分間かけて滴下した。この反応混合液を−70℃で25分間撹拌した。この反応混合液に−70℃でヨウ素(18.3g)のTHF(50mL)溶液を5分間かけて滴下した。使用した滴下ロートをTHF(10mL)で洗浄し、洗浄液を反応混合液に加えた。この反応混合液を−70℃で30分間撹拌した。この反応混合液に−70℃でヨウ素(0.90g)を追加した。この反応混合液を−70℃で0.5時間撹拌した。この反応混合液に水(250mL)、酢酸エチル(250mL)を−70℃で順次加えた。この反応混合液を室温で撹拌し、分層した。この有機層を10重量%の亜硫酸水素ナトリウム水溶液(250mL)、飽和食塩水(150mL)で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。この残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=50/1から30/1)で精製した。表題化合物を含有する画分を収集し、濃縮した。この残渣にn−ヘキサンを加えた。残渣の重量が27.5gになるまで濃縮した。この残渣にn−ヘキサン(20mL)を加えた。この懸濁液を室温で10分間撹拌した。この析出物をろ取し、n−ヘキサン(30mL)で洗浄し、減圧乾燥することで表題化合物(17.14g)を収率67%で得た。さらに、このろ液を濃縮した。この残渣をn−ヘキサンから結晶化させて、表題化合物(1.63g)を収率6.4%で得た。
1H-NMR(CDCl3) δ: 2.15 (s, 6H), 5.88 (s, 2H), 6.60 (s, 1H).

0074

(工程5)5−ヨード−1−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−アミンの製造



工程4で得られた3−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−5−ヨード−1−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール(18.77g)に、室温でエタノールと水の混合液(エタノール/水=2/1、480mL)、ヒドロキシルアミン・塩酸塩(73.5g)、トリエチルアミン(14.7mL)を順次加えた。この反応混合液を100℃で38時間20分撹拌した。この反応混合液を室温に冷却し、エタノールを留去した。この反応混合液に氷冷下、水酸化ナトリウム(42.3g)の水(130mL)溶液をゆっくり加え、続いて酢酸エチル(200mL)を加えた。この反応混合液を撹拌した後、分層した。この水層を酢酸エチル(200mL)で抽出した。得られた有機層を合わせて、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。この残渣に酢酸エチル(30mL)及びn−ヘキサン(30mL)を加えて、不溶物をろ去した。このろ液を濃縮した。この残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1から3/1)で精製することにより、表題化合物(16.27g、14重量%の酢酸エチルを含む)を収率96%で得た。
1H-NMR(CDCl3) δ: 3.93 (br s, 2H), 6.09 (s, 1H).

0075

(工程6)5−(3−(tert−ブトキシ)−5−フルオロフェニル)−1−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−アミンの製造



工程5で得られた5−ヨード−1−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−アミン(80mg、14重量%の酢酸エチルを含む)のトルエン(3mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、室温で[製造例1]の(工程2)で得られた2−(3−(tert−ブトキシ)−5−フルオロフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(127mg)、酢酸パラジウム(II)(6.5mg)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(20mg)を順次加えた。この反応混合液を室温で4分間撹拌した。この反応混合液に、室温で2Mリン酸三カリウム水溶液(1.5mL)を加えた。この反応混合液を90℃で47分間撹拌した。この反応混合液を室温に冷却した。この反応混合液に、酢酸エチル及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。この反応混合液を綿栓を通してろ過し、酢酸エチルで抽出した。この有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。この残渣と、別途、工程5で得られた5−ヨード−1−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−アミン(70mg、14重量%の酢酸エチルを含む)を用いて本工程と同様にして得られた表題化合物の一部(15mg)とを合わせ、それらをシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製することにより、表題化合物(108mg)を得た。
1H-NMR(CDCl3) δ: 1.36 (s, 9H), 3.93 (br s, 2H), 5.83 (s, 1H), 6.75-6.85 (m, 3H).

0076

(工程7)(3R,4R)−N−(5−(3−(tert−ブトキシ)−5−フルオロフェニル)−1−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−1−(2,4−ジメトキシベンジル)−4−メチル−5−オキソピロリジン−3−カルボキサミドの製造



アルゴン雰囲気下、[製造例2]の(工程5)と同様にして得られた(3R,4R)−1−(2,4−ジメトキシベンジル)−4−メチル−5−オキソピロリジン−3−カルボン酸(55mg)のクロロホルム(0.55mL)溶液に、氷冷下、DMF(1μL)と塩化オキサリル(33μL)を順次加えた。この反応混合液を氷冷下で50分間撹拌した。この反応混合液を濃縮し、減圧乾燥した。この残渣にアルゴン雰囲気下、氷冷下でクロロホルム(0.4mL)、工程6で得られた5−(3−(tert−ブトキシ)−5−フルオロフェニル)−1−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−アミン(40mg)を順次加えた。この反応混合液に氷冷下、ピリジン(50μL)を加えた。この反応混合液を氷冷下で5分間、室温で35分間撹拌した。この反応混合液に室温で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。この有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。この残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製することにより、表題化合物(60mg)を収率80%で得た。表題化合物の生成は薄層クロマトグラフィーにより確認した(展開溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1、Rf値:0.19)。

0077

(工程8)(3R,4R)−N−(5−(3−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)−1−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−4−メチル−5−オキソピロリジン−3−カルボキサミドの製造



工程7で得られた(3R,4R)−N−(5−(3−(tert−ブトキシ)−5−フルオロフェニル)−1−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−1−(2,4−ジメトキシベンジル)−4−メチル−5−オキソピロリジン−3−カルボキサミド(60mg)に、室温でアニソール(58μL)及びトリフルオロ酢酸(2mL)を加えた。この反応混合液を80℃で1時間20分撹拌した。この反応混合液を濃縮した。この残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。この有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。この残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/酢酸エチル=1/1)で精製することにより、表題化合物(29.9mg)を収率76%で得た。
1H-NMR(DMSO-d6) δ: 1.06 (d, 3H, J = 7.2 Hz), 2.50-2.53 (m, 1H), 2.96-3.04 (m, 1H), 3.17-3.23 (m, 1H), 3.40-3.46 (m, 1H), 6.67-6.81 (m, 3H), 6.96 (s, 1H), 7.67 (s, 1H), 10.34 (s, 1H), 11.26 (s, 1H).

0078

(工程9)(3R,4R)−N−(5−(3−(tert−ブトキシ)−5−フルオロフェニル)−1−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−4−メチル−5−オキソピロリジン−3−カルボキサミドの製造



工程8で得られた(3R,4R)−N−(5−(3−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)−1−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−4−メチル−5−オキソピロリジン−3−カルボキサミド(30mg)に、室温で二炭酸ジ−tert−ブチル、クロロホルム(1mL)、過塩素酸マグネシウムを順次加えた。この反応混合物を55℃で0.5時間撹拌した。この反応混合液に55℃で過塩素酸マグネシウムを加えた。この反応混合液を55℃で1時間10分撹拌した。この反応混合液に55℃でさらに過塩素酸マグネシウムを加えた。この反応混合液を55℃で20分間撹拌した。この反応混合液を室温に冷却し、酢酸エチルを加えた。この反応混合液を1N塩酸、飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。この残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=15/1)で精製することにより、表題化合物(19.2mg)を収率56%で得た。
1H-NMR(DMSO-d6) δ: 1.08 (d, 3H, J = 7.2 Hz), 1.34 (s, 9H), 2.51-2.55 (m, 1H), 2.98-3.06 (m, 1H), 3.19-3.25 (m, 1H), 3.42-3.48 (m, 1H), 6.95 (s, 1H) , 7.00-7.07 (m, 2H) , 7.11-7.17 (m, 1H), 7.68 (s, 1H), 11.28 (s, 1H).
MS (M+H) 443, MS (M-H) 441

0079

(工程10)(3R,4R)−N−(5−(3−(tert−ブトキシ)−5−フルオロフェニル)−1−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)−4−メチル−5−オキソピロリジン−3−カルボキサミドの結晶の製造
表題化合物(100mg)をエタノール(0.4mL)に65℃で8分間撹拌することにより溶解させた。この混合溶液に65℃で水(0.4mL)を2分間かけて滴下した。この混合液を65℃で10分間撹拌した。この混合液を2時間かけて25℃になるまで撹拌した。さらに、この混合液を室温で2時間撹拌した。この混合液より析出した固体をろ取した。得られた固体をエタノール/水(=1/1)で洗浄し、60℃で減圧乾燥することで表題化合物の結晶(87.8mg)を88%の収率で得た。

0080

[参考例]
下記表で表される化合物A、化合物B及び化合物Cを、国際公開第2013/031922号公報の記載に基づいて得た。

0081

下記表で表される代謝物1(化合物1の代謝物)及び代謝物C(化合物Cの代謝物)を各々、本実施例1及び国際公開第2013/031922号公報の記載に基づいて得た。

0082

[試験例1]
被験化合物のSGLT1阻害活性(IC50値)は、SGLT1によって輸送されるα−メチル−D−グルコピラノシドラベル体(14C−AMG)の細胞内取り込み量を基に算出した。
1)ヒトSGLT1発現プラスミド構築
pCMV6−hSGLT1(OriGene社)を鋳型とし、ベクター由来のKozac consensus配列の前にNheI認識切断配列を付加し、ヒトSGLT1のタンパク質翻訳領域の直後に終止コドンTAGとSalI認識切断配列を付加した、ヒトSGLT1を含むDNA断片PCR(Polymerase Chain Reaction)により増幅した。精製したDNA断片を、制限酵素NheIとSalIで消化した後、NheIとXhoIで消化したpcDNA3.1(+)と連結してヒトSGLT1発現プラスミドpcDNA−hSGLT1を構築した。ベクターに挿入したヒトSGLT1の塩基配列は、GenBank登録のヒトSGLT1配列(Accession number NM_000343)のタンパク質翻訳領域と完全に一致し、また、ベクターとの接続部分の配列も想定どおりであった。

0083

2)ヒトSGLT1安定発現細胞株樹立
ヒトSGLT発現プラスミドpcDNA−hSGLT1をそれぞれCHO−K1細胞にLipofectamine2000(invitrogen社)を用いてトランスフェクションし、G418(ナカライテスク)存在下で薬剤耐性細胞株を選抜した。得られた薬剤耐性細胞株から、細胞あたりの14C−AMG取り込み量と、SGLT阻害剤であるphlorizin添加時の14C−AMG取り込み量の比(S/B比)が最も高い細胞株をヒトSGLT1安定発現細胞株として選抜した。

0084

3)SGLT1阻害活性の評価
ヒトSGLT1安定発現細胞株をBioCoatTM Poly−D−Lysine 96 well plate with Lid(Becton,Dickinson and Company社)に5×104cells/wellで播種し、37℃、5%CO2で一晩培養した。培地を100μL/wellのNa(−)buffer(140mM choline chloride、2mM KCl、1mM MgCl2、1mM CaCl2、10mMHEES、5mM Tris、pH7.4)に交換し37℃,5%CO2で20分間静置した。Na(−)bufferを除去後、BSAを含むNa(+)buffer(140mM NaCl、2mM KCl、1mM MgCl2、1mM CaCl2、10mM HEPES、5mM Tris、pH7.4)を用いて調製した被験物質溶液を40μL/well添加した。更に、8kBqの14C−AMG及び2mM AMGを含むNa(+)bufferを40μL/well加えて混和した。ブランクには、BSAを含むNa(−)bufferを40μL/well添加し、更に8kBqの14C−AMG及び2mM AMGを含むNa(−)bufferを40μL/well加えて混和した。37℃、5%CO2で1時間静置した後、100μL/wellの氷冷したwash buffer(100mM AMG、 140mM choline chloride、2mM KCl、1mM MgCl2、1mM CaCl2、10mM HEPES、5mM Tris、pH7.4)で細胞を2回洗浄して反応を停止した。50μL/wellの0.2NNaOH水溶液を添加して細胞ライセートを調製した。14C−AMGの取り込み能評価には、MicroScint−40(Perkin−Elmer社)を100μL/well分注したOptiPlate96(Perkin−Elmer社)に細胞ライセートを全量移し、TOPCOUNTNXT(Perkin−Elmer社)で14CのCPMを測定した。
各処置をしたウェルのCPMの平均値からブランクウェルのCPMの平均値を差し引いた値をデータとした。被験物質の各濃度の阻害率は、以下の式から算出した:
[(A−B)/A]×100
(式中、Aは溶媒対照のデータ、Bは被験物質処置のデータを示す)
被験物質のIC50値(50%阻害濃度)は、阻害率が50%を挟む2点の濃度とその阻害率から算出した。本試験によって、化合物1がSGLT1阻害活性を有することを確認した。

0085

[試験例2]
OGTT(経口グルコース負荷試験)
約4時間絶食した雄性、SDラット(8週齢、日本チャールス・リバー株式会社)(各群6例)に、媒体(0.5%メチルセルロース液)、又は0.5%メチルセルロース液に懸濁した化合物1(1、3又は10mg/kg)を5mL/kgで経口投与した。その16時間後に0.4g/mLのグルコース溶液を5mL/kgで経口投与することによりグルコース負荷した。グルコース負荷の直前、負荷後30分、負荷後60分及び負荷後120分に尾静脈から採血を行い、生化学自動分析装置(HITACHI、型式7180)を用いて血糖値を測定した。
結果を図1に示す。データは、媒体群に対する化合物投与群のグルコース負荷後120分までの血糖値の曲線下面積(ΔAUC)の割合(% of Vehicle)の平均値±標準偏差を表す。統計解析は、Steelの多重検定を行った。有意水準は両側5%とした。その結果、化合物1はグルコース負荷後の血糖値を媒体と比較して有意に低下させた。

0086

[試験例3]
OGTT(経口グルコース負荷試験)
約4時間絶食した雄性、SDラット(8週齢、日本チャールス・リバー株式会社)(各群5例)に、媒体(0.5%メチルセルロース液)、又は0.5%メチルセルロース液に懸濁した化合物1、化合物A又は化合物B(各3mg/kg)を5mL/kgで経口投与した。その16時間後に0.4g/mLのグルコース溶液を5mL/kgで経口投与することによりグルコース負荷した。グルコース負荷の直前、負荷後30分、負荷後60分及び負荷後120分に尾静脈から採血を行い、生化学自動分析装置(HITACHI、型式7180)を用いて血糖値を測定した。
結果を図2に示す。データは、媒体群に対する化合物投与群のグルコース負荷後120分までの血糖値の曲線下面積(ΔAUC)の割合(% of Vehicle)の平均値±標準偏差を表す。統計解析は、Dunnettの多重群検定を行った。有意水準は両側5%とした。その結果、化合物1のみがグルコース負荷後の血糖値を媒体と比較して有意に低下させた。

0087

[試験例4]
Ames試験復帰突然変異試験)
代謝物1及び代謝物Cを以下のとおり試験した。本試験の目的は、各代謝物について、ネズミチフス菌(TA98、TA1537、TA100及びTA1535)及び大腸菌(WP2uvrA)の標準菌株においてラット肝代謝活性化系(S9 mix)の存在下又は非存在下における復帰突然変異誘発能の有無を評価することである。
本試験では溶媒としてジメチルスルホキシド(DMSO,100μL/プレート)を用いた。
S9 mixの存在下又は非存在下にてプレインキュベーション法を用いて試験を行った。S9 mix非存在下での試験では、リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)を加えた。
S9 mix 0.5mL又は0.1mol/Lリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)0.5mL及び菌培養液0.1mLを、陰性対照物質(DMSOのみ)0.1mL、代謝物又は陽性対照物質を含む試験管に加えた。この混合物を37℃にて20分間振盪しながらプレインキュベーションした。プレインキュベーション後、上層寒天2mLを加え、混合物をボルテックスミキサーで混合し、プレート上に播種した。各処理あたり2つのプレートを用いた。各プレートを37±1℃にて48時間以上インキュベーションし、復帰突然変異コロニー計数した。次いで、各処理プレートあたりの復帰突然変異コロニーの平均数を算出した。被験物質の抗菌作用による生育阻害及び被験物質の析出の有無を、肉眼又は実体顕微鏡で観察した。平均復帰突然変異コロニー数が1以上の用量で陰性対照の2倍を超える用量依存的増加を示した場合、結果を陽性と判断した。統計的比較を用いずに、平均値に基づき評価した。
本試験の結果を以下の表に示す(表1〜4及び表5〜7)。結果として、代謝物1は試験菌株のいずれにおいても復帰突然変異誘発能を示さなかったのに対し、代謝物CはS9 mix存在下でのTA98及びS9 mix存在下でのTA100の試験菌株で復帰突然変異誘発能を示した。

0088

0089

0090

0091

0092

0093

0094

0095

[製剤例]
本発明化合物の製剤例としては、例えば下記の製剤処方が挙げられる。しかしながら、本発明はこれら製剤例によって限定されるものではない。
製剤例1(カプセルの製造)
(1)化合物1 30mg
(2)微結晶セルロース10mg
(3)乳糖19mg
(4)ステアリン酸マグネシウム1mg
成分(1)、(2)、(3)及び(4)を混合して、ゼラチンカプセルに充填する。

実施例

0096

製剤例2(錠剤の製造)
(1)化合物1 10g
(2)乳糖50g
(3)トウモロコシデンプン15g
(4)カルメロースカルシウム44g
(5)ステアリン酸マグネシウム1g
成分(1)、(2)、(3)の全量及び30gの成分(4)を水で練合し、真空乾燥後整粒を行う。この整粒末に14gの成分(4)及び1gの成分(5)を混合し、打錠機により打錠する。このようにして、1錠あたり化合物1を10mg含有する錠剤1000錠を得る。

0097

式[I]の化合物又はその製薬上許容される塩は、SGLT1阻害活性を有することから、SGLT1活性の調節により改善が期待され得る各種疾患又は状態の治療及び/又は予防に有用であり得る。式[I]の化合物又はその製薬上許容される塩はまた、血糖値が高くなることにより引き起こされ得る各種疾患又は状態の治療及び/又は予防にも有用であり得る。

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