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技術 抗アレルギー剤

出願人 白井松新薬株式会社
発明者 西本有貴野田君久竹中重雄
出願日 2018年2月28日 (2年0ヶ月経過) 出願番号 2018-035888
公開日 2019年9月12日 (6ヶ月経過) 公開番号 2019-151563
状態 未査定
技術分野 植物物質含有医薬 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード アレルギー対策 三種混合 乾留装置 病態対照群 水分含有 特定植物 花粉荷 乾留残渣
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年9月12日)のものです。
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図面 (8)

課題

アレルギー疾患治療において、抗ヒスタミン剤を用いる従来の治療法に伴う眠気の発生等の副作用を生じることがない、新規抗アレルギー剤の提供。

解決手段

月桃低温かつ減圧条件下乾留し、前記乾留により生じた留出分を除去することにより得られる乾留残渣を含む、抗アレルギー剤。前記乾留は温度条件が20〜60℃であり、かつ圧力条件ゲージ圧で−88kPa以下であることが好ましい。前記抗アレルギー剤は、花粉抗原とするアレルギーの予防、治療又は緩和に有用である。

概要

背景

我が国全人口の約2人に1人が、何らかのアレルギー疾患罹患しているとされている(厚生労働省リウマチアレルギー対策委員会報告書(平成23年))。とりわけ、花粉ハウスダスト等の外来性抗原を原因とするI型アレルギーは、その抗原が身近であるため罹患者が多い疾患である。

I型アレルギーは、即時型アレルギーアナフィラキシー型アレルギーとも言われ、IgE等を抗体とし、花粉やハウスダスト等の外来性抗原を主な抗原とした反応である。具体的には、例えば、IgE抗体が、皮膚や鼻粘膜等の粘膜に存在するマスト細胞に結合した状態で、前記のような外来性抗原と出会うことにより、マスト細胞からヒスタミン等の伝達物質が放出され、アレルギー反応が引き起こされる。

アレルギー反応が前記のようなメカニズムで発生するため、アレルギー疾患を予防、治療及び緩和等するために、ジフェンヒドラミン等の抗ヒスタミン剤が使用されてきた。しかしながら、抗ヒスタミン剤は、極度眠気を発生させる等の副作用を有している。従って、このような副作用の生じない抗アレルギー剤が求められてきた。

このような副作用を生じない抗アレルギー剤として、天然由来の成分を含む抗アレルギー剤が注目されている。特許文献1及び特許文献2は、このような天然由来の抗アレルギー剤を開示している。特許文献1は、スギから抽出した油を含む、スギ花粉症の予防・治療薬を開示している。特許文献2は、花粉荷、又は花粉荷の溶媒抽出物を含む抗ヒスタミン剤を開示している。

概要

アレルギー疾患の治療において、抗ヒスタミン剤を用いる従来の治療法に伴う眠気の発生等の副作用を生じることがない、新規抗アレルギー剤の提供。月桃低温かつ減圧条件下乾留し、前記乾留により生じた留出分を除去することにより得られる乾留残渣を含む、抗アレルギー剤。前記乾留は温度条件が20〜60℃であり、かつ圧力条件ゲージ圧で−88kPa以下であることが好ましい。前記抗アレルギー剤は、花粉を抗原とするアレルギーの予防、治療又は緩和に有用である。

目的

本発明は、上記のような状況に鑑みて、天然由来の抗アレルギー剤を得ることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

月桃低温かつ減圧条件下乾留し、前記乾留により生じた留出分を除去することにより得られる乾留残渣を含む、抗アレルギー剤

請求項2

前記乾留の温度条件が20〜60℃であり、かつ圧力条件ゲージ圧で−88kPa以下である、請求項1に記載の抗アレルギー剤。

請求項3

前記抗アレルギー剤が、花粉抗原とするアレルギーを予防、治療又は緩和するものである、請求項1又は2に記載の抗アレルギー剤。

技術分野

0001

本発明は、抗アレルギー剤に関する。

背景技術

0002

我が国全人口の約2人に1人が、何らかのアレルギー疾患罹患しているとされている(厚生労働省リウマチアレルギー対策委員会報告書(平成23年))。とりわけ、花粉ハウスダスト等の外来性抗原を原因とするI型アレルギーは、その抗原が身近であるため罹患者が多い疾患である。

0003

I型アレルギーは、即時型アレルギーアナフィラキシー型アレルギーとも言われ、IgE等を抗体とし、花粉やハウスダスト等の外来性抗原を主な抗原とした反応である。具体的には、例えば、IgE抗体が、皮膚や鼻粘膜等の粘膜に存在するマスト細胞に結合した状態で、前記のような外来性抗原と出会うことにより、マスト細胞からヒスタミン等の伝達物質が放出され、アレルギー反応が引き起こされる。

0004

アレルギー反応が前記のようなメカニズムで発生するため、アレルギー疾患を予防、治療及び緩和等するために、ジフェンヒドラミン等の抗ヒスタミン剤が使用されてきた。しかしながら、抗ヒスタミン剤は、極度眠気を発生させる等の副作用を有している。従って、このような副作用の生じない抗アレルギー剤が求められてきた。

0005

このような副作用を生じない抗アレルギー剤として、天然由来の成分を含む抗アレルギー剤が注目されている。特許文献1及び特許文献2は、このような天然由来の抗アレルギー剤を開示している。特許文献1は、スギから抽出した油を含む、スギ花粉症の予防・治療薬を開示している。特許文献2は、花粉荷、又は花粉荷の溶媒抽出物を含む抗ヒスタミン剤を開示している。

先行技術

0006

特開2002−234846号公報
特開2010−235524号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、上記のような状況に鑑みて、天然由来の抗アレルギー剤を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、特定植物処理物を用いることにより、前記目的が達成できることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、
[1]月桃低温かつ減圧条件下乾留し、前記乾留により生じた留出分を除去することにより得られる乾留残渣を含む、抗アレルギー剤、
[2]前記乾留の温度条件が20〜60℃であり、かつ圧力条件ゲージ圧で−88kPa以下である、[1]に記載の抗アレルギー剤、並びに
[3]前記抗アレルギー剤が、花粉を抗原とするアレルギーを予防、治療又は緩和するものである、[1]又は[2]に記載の抗アレルギー剤、
に関する。

発明の効果

0009

本発明により、抗アレルギー作用に優れた天然由来の抗アレルギー剤を得ることができる。

図面の簡単な説明

0010

マウスくしゃみ及び掻き行動回数を表すグラフ
脾臓細胞試料中におけるIgE濃度を表すグラフ
脾臓細胞試料中におけるIL−2濃度を表すグラフ
脾臓細胞試料中におけるIL−12濃度を表すグラフ
脾臓細胞試料中におけるIFN−γ濃度を表すグラフ
脾臓細胞試料中におけるIL−4濃度を表すグラフ
脾臓細胞試料中におけるIL−5濃度を表すグラフ

0011

前記の通り、本発明は、月桃を低温かつ減圧条件下において乾留(以下、「低温かつ減圧条件下における乾留」を「低温減圧乾留」とする)し、前記乾留により生じた留出分を除去することにより得られる乾留残渣を含む抗アレルギー剤に関する。以下に、本発明の抗アレルギー剤について、詳細に説明する。

0012

1.月桃
本発明の抗アレルギー剤の原料となる月桃(学名:Alpinia zerumbet)は、ショウガ科(Zingiberaceae)に属する植物である。本発明における月桃の使用部位に特に制限はなく、根及び根茎等の地下部、並びに樹皮、葉、花及び果実等の地上部であってもよく、これらの2以上を組み合わせて使用しても良い。

0013

月桃を低温減圧乾留する際に、特に前処理等は必要ない。ただし、低温減圧乾留の効率を上げることや、あらかじめ不要な成分を除去すること等を目的として、月桃に対して粉砕処理切断処理乾燥処理抽出処理、焙煎処理、超音波処理凍結処理加熱処理酵素処理及び発酵処理等の前処理を施しても良い。

0014

なお、月桃に含まれる水分量をあらかじめ制御するため、月桃に対して乾燥処理を施しても良い。乾燥処理を施す場合の月桃の水分量について特に制限はないが、例えば、水分含有量を90質量%以下とすることが好ましい。水分含有量を前記数値以下とすることにより、低温減圧乾留操作をよりスムーズに進めることにより操作時間をより短縮できる。

0015

2.低温減圧乾留操作
本発明の抗アレルギー剤は、月桃を低温減圧乾留して得られる乾留残渣を含む。低温減圧乾留操作は、例えば、減圧機構を備えた槽状乾留装置を用いて行われる。具体的には、低温減圧乾留操作は、月桃を乾留装置の槽に投入し、槽を蓋で密閉し、槽の内部を減圧することにより行われる。低温減圧乾留操作においては、必要に応じて、槽を加熱若しくは冷却し及び/又は槽内部の月桃を攪拌しても良い。低温減圧乾留操作により生じた留出分は、槽又は槽の蓋に設けられた配管等を通じて槽の外に除去される。留出分が除去された後、槽の内部に残った乾留残渣を抗アレルギー剤に使用する。

0016

低温減圧乾留操作を行う際の温度条件は、低温であることを条件として、特に制限されない。この場合低温とは、例えば、20〜90℃の温度を意味する。しかしながら、温度条件を、例えば、好ましくは20〜60℃、より好ましくは25〜55℃、さらに好ましくは30〜50℃とすることが好ましい。温度条件を前記数値範囲内とすることにより、操作後に得られる乾留残渣の有する抗アレルギー作用を著しく損なうことなく、より高い効率で低温減圧乾留操作を行うことができる。尚、前記低温減圧乾留操作を行う際の温度条件は、全て乾留装置の槽内温度(月桃を入れた槽の内部温度)を意味する。槽内温度は直接測定してもよいし、槽への加熱温度及び減圧後の槽内圧力等を元にして計算しても良い。

0017

低温減圧乾留操作を行う際の槽内の圧力条件は、槽内が減圧されていることを条件として、特に制限されない。しかしながら、圧力条件を、ゲージ圧表記で表す場合には、例えば、好ましくは−88kPa以下、より好ましくは−88〜−100kPa、さらに好ましくは−96〜−100kPaとすることが好ましい。また、絶対圧表記で表す場合には、例えば、好ましくは13.3kPa以下、より好ましくは1.3〜13.3kPa、さらに好ましくは1.3〜5.3kPaとすることが好ましい。圧力条件を上記数値範囲内とすることにより、乾留操作に過度減圧条件を要しないため、低温減圧乾留操作で使用できる機器の選択の幅を必要以上に狭めることがなく、かつより高い効率で低温減圧乾留操作を行うことができる。

0018

月桃に対する低温減圧乾留操作は、乾留後の月桃の水分含有量が0〜10質量%、好ましくは0〜8質量%、より好ましくは0〜5質量%になるまで行うことが好ましい。低温減圧乾留操作の具体的な操作時間は、使用する月桃の部位や低温減圧乾留する月桃の量等に従って変更して良い。例えば、原料の仕込みや槽内の残渣の取り出しに要する時間、槽内の減圧に要する時間及び槽内を常圧に戻す時間を除き、2〜24時間程度行って良い。

0019

低温減圧乾留操作により生じた留出分は、前記の通り除去される。除去された留出分は廃棄しても良いし、別の用途、例えば、香料化粧品等の原料として使用しても良い。

0020

3.抗アレルギー剤
本発明の抗アレルギー剤は、前記のように得られた低温減圧乾留残渣を含む。前記低温減圧乾留残渣は、槽から得られた状態でそのまま抗アレルギー剤に添加しても良い。また、槽から得られた低温減圧乾留残渣を粉砕及び切断等の後処理を行い、当該後処理後の低温減圧乾留残渣を抗アレルギー剤に添加しても良い。さらに、槽から得られた低温減圧乾留残渣を溶媒で抽出し、当該得られた抽出物を抗アレルギー剤に添加しても良い。抽出する際には、化合物を抽出する際に使用されるいかなる溶媒も使用できる。しかしながら、人体への安全性を考慮して、エタノール等のアルコール、水及びこれらの混合溶媒抽出溶媒として使用することがより好ましい。抽出方法や条件についても特に制限はなく、室温下における抽出、加熱条件下における抽出及び加圧条件下における抽出等により行うことができる。

0021

本発明の抗アレルギー剤は、経口投与経皮投与又は注射投与用であって良い。投与が容易であることから経口投与用であることがより好ましい。経口投与される抗アレルギー剤の剤型として、例えば、錠剤丸剤カプセル剤散剤及び顆粒剤等の経口投与のための内服用固形剤、並びに水剤懸濁剤乳剤シロップ剤及びエリキシル剤等の内服用液剤が挙げられる。

0022

本発明の抗アレルギー剤は、前記低温減圧乾留残渣又はその抽出物のみを含んでも良いし、これらと医薬品において通常使用されている担体との混合物であっても良い。前記担体の例として、例えば、内服用固形剤においては、例えば、ラクトースマンニトールグルコース非結晶セルロース及びデンプン等の賦形剤ヒドロキシプロピルセルロースポリビニルピロリドン及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウム等の結合材繊維素グリコール酸カルシウム等の崩壊剤ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤グルタミン酸及びアスパラギン酸等の溶解補助剤、並びに安定剤等が挙げられる。製剤化した後に、単一又は複数の層でコーティングしても良い。
前記担体の例として、例えば、内服用液剤においては、例えば、精製水、エタノール又はこれらの混合液等が希釈剤として用いられる。前記希釈剤は、必要に応じて、湿潤剤懸濁化剤乳化剤甘味剤風味剤芳香剤保存剤及び緩衝剤から選択される1又は2以上の成分を含んで良い。

0023

また、本発明の抗アレルギー剤は、さらに、抗アレルギー作用を有する他の物質、例えば、抗ヒスタミン薬や、ほかの植物由来の成分等、例えば、ジャバラの処理物、例えば、ジャバラの乾燥粉末、ジャバラの抽出物又はジャバラを低温減圧乾留して得られる留出物若しくは残渣等も含んで良い。

0024

本発明の抗アレルギー剤における月桃の低温減圧乾留残渣の含有量に特に制限はなく、例えば、月桃の低温減圧乾留残渣を抗アレルギー剤中に1〜100質量%含んで良い。

0025

本発明の抗アレルギー剤を人体に投与する場合に、その投与量は特に制限されない。例えば、低温減圧乾留残渣を含む抗アレルギー剤を投与する場合、低温減圧乾留残渣の質量として、好ましくは10〜1000mg(乾燥質量)/kg(体重)/日の量、より好ましくは15〜900mg(乾燥質量)/kg(体重)/日の量、さらに好ましくは20〜800mg(乾燥質量)/kg(体重)/日の量となることが好ましい。投与量を前記数値範囲とすることにより、より高い抗アレルギー効果を得ることができる。

0026

本発明の抗アレルギー剤は、アレルギー疾患、例えば、I型アレルギーに対する予防、治療及び/又は緩和のために使用できる。I型アレルギーの例として、例えば、ハウスダスト、ダニ、花粉、真菌トルエンジイソシアネート(TDI)及び無水トリメリット酸(TMA)等の外来性抗原を抗原とするアレルギー、例えば花粉を抗原とするアレルギーが挙げられる。

0027

以下に、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明する。なお、本発明の範囲はこれら実施例の内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内で様々な変更が可能であることは言うまでもない。

0028

1.月桃の低温減圧乾留残渣の調製
月桃の葉部約30kg(水分80質量%)を、減圧機構を備えた槽状の乾留装置の槽内に投入して、攪拌しながら乾留した。前記乾留の温度条件は35〜40℃(加熱温度及び圧力から計算された槽内温度)の間であり、圧力条件は、ゲージ圧で−98kPa、絶対圧で3.3kPaであった。低温減圧乾留操作を、留出分を除去しつつ5時間(原料の仕込みや槽内の残渣の取り出しに要する時間、減圧に要する時間、及び常圧に戻す時間を除く)行った。低温減圧乾留操作後、槽内に残った低温減圧乾留残渣を回収した。得られた低温減圧乾留残渣の量は、8kg(水分含有量約2質量%)であった。

0029

2.抗アレルギー剤の調製
前記得られた月桃の低温減圧乾留残渣を粉砕し、200メッシュを用いてふるい分けし、篩を通過した粉末粒径74μm以下の粒子)に精製水を加えることにより抗アレルギー剤(懸濁液)を調製した。前記懸濁液中に含まれる低温減圧乾留残渣の量は、100mg/mlであった。

0030

3.スギ花粉抗原アレルギーモデルマウス作出
100 μg/mL に調製した日本スギ花粉抗原(Cryj1;林原産業リン酸緩衝生理食塩水PBS溶液0.6mLと、等量の水酸化アルミニウムゲル和光純薬工業株式会社製)とを混合して混合液を得た。6週令の雌BALB/cマウス(日本エスエルシー株式会社製)の腹腔内に、前記混合液を1匹あたり200μL注射した。前記注射は、0、7、14日目に行った。その後、20日目に体重を測定し、平均体重が等しくなるように3群(n=6)に分けた(A:対照群、B:病態対照群、C:抗アレルギー剤投与群)。さらに、21日目からB:病態対照群及びC:抗アレルギー剤投与群のマウスの鼻腔に、1mg/mLに調製した精製スギ花粉抗原(Cryj1)PBS溶液をそれぞれ10μLずつ毎日投与した。A:対照群には抗原を含まないPBSを10μL毎日投与した。また、同時に、C:抗アレルギー剤投与群に対して、500mg/kg/日となるように(5ml/kg/日)前記抗アレルギー剤を毎日経口投与した。A:対照群とB:病態対照群には5ml/kg/日の水を毎日経口投与した。各群における投与の状況を以下の表にまとめてある。

0031

0032

4.スギ花粉抗原による鼻掻き行動の回数測定
35日目の鼻腔内抗原投与後にマウスを新しい空のプラスチックケージに移して、15分間の行動をビデオカメラ撮影した。撮影した映像を確認しながら、撮影開始から5分経過時点から15分経過時点までの間、マウスがくしゃみ及び鼻を触る回数を測定した(10分間の行動を観察)。くしゃみと鼻掻き行動の回数が以下の表2にまとめられており、表2の数値をグラフ化したものが図1に示されている。

0033

0034

B:病態対照群の回数が、A:対照群の回数と比較して増えていた。この結果から、B:病態対照群のマウスの鼻腔が、花粉により刺激される状態にあったことがわかる。一方で、C:抗アレルギー剤投与群においては、くしゃみ及び鼻掻き行動の回数が、B:病態対照群と比較して低下した。前記低下の程度は、A:対照群と比較して有意な差がない程度である。この結果から、C:抗アレルギー剤投与群においては、投与された抗アレルギー剤が、マウスの鼻腔に対する花粉からの刺激を抑えていたことがわかる。

0035

5.脾臓細胞試料の作成
クリーンベンチ内において、シャーレに、10%非働化Fetal Bovine Serum(FBS)、100μM2−メルカプトエタノール、100U/mLペニシリン、100μg/mL硫酸ストレプトマイシンを含むRPMI−1640液体培地(和光純薬工業株式会社製)を培養液として2ml投入し、上で前記液体培地入りのシャーレを冷却した。くしゃみ及び鼻掻き行動の回数を確認した後、三種混合麻酔下でマウスを70%エタノールで消毒し、脾臓摘出した。摘出した脾臓を、前記シャーレ内の培養液に浸した。シャーレ内で脾臓を裁断した後、シリンジピストン部を用いて細胞を押し出し、ピペットを用いて培養液内で懸濁した。シャーレを傾けて2〜3分間静置した後、脾臓細胞を懸濁させた培養液(以下、「細胞懸濁液」)を1mLずつ2本の2mL容チューブにとり、チューブにとった細胞懸濁液を遠心分離(2,500rpm、2分間、4℃) した。その上清液を除去した後、新しい前記培養液1mLをそれぞれ新たに加え、沈殿した細胞を懸濁し、遠心分離(2,500rpm、2分間、4℃)し、上清液の除去を行った(洗浄操作)。前記洗浄操作を数回繰り返した後、上清液を除去し、新しい前記培養液1mLをそれぞれ新たに加え、沈殿した細胞を懸濁し、新しい前記培養液を用いて細胞濃度を1×107cells/mLに調製した。その細胞懸濁液を24well平板マイクロプレートの各wellに1mLずつ入れ、滅菌PBSに溶かしたCryj1溶液(50μg/mL)を20 μL添加し、37℃、5% CO2に保持された24時間暗条件の恒温器内で3日間培養した。3日後、培養後の培養液を遠心分離 (2,500rpm、2分間、4℃) し、その上清をIgE及びサイトカイン測定の試料とした。なお、A:対照群、B:病態対照群及びC:抗アレルギー剤投与群のそれぞれについて、前記Cryj1溶液(50μg/mL)を添加せずに培養したサンプルを調製して、これらサンプルについてもIgE濃度及びサイトカイン濃度を測定した。

0036

6.IgE濃度の測定
前記試料中におけるIgE濃度をレビスマウスIgEELISAキット(株式会社シバヤギ製)を用いて測定した。各群における脾臓中のIgEの量が以下の表3にまとめられており、表3の数値をグラフ化したものが図2に示されている。なお、表3における「Cryj1」の列は、脾臓細胞の培養時におけるスギ花粉抗原(Cryj1)の添加の有無を表す列であり、「+」はスギ花粉抗原(Cryj1)の添加があったことを意味する(以下、特に言及しない限り他表においても同じ)。

0037

0038

A:対照群の脾臓からはIgEが検出されなかった。一方で、B:病態対照群の脾臓からはIgEが検出された。したがって、B:病態対照群のマウスは花粉に対するアレルギーを発症していたことがわかる。これに対して、C:抗アレルギー剤投与群については、IgEの濃度がB:病態対照群の量と比較して有意に低下していた。これらの結果から、本発明の抗アレルギー剤が、スギ花粉に対するアレルギー反応を有意に低下させたことがわかる。

0039

7.脾臓細胞におけるサイトカイン濃度の測定
前記試料中におけるサイトカインの濃度を測定した。サイトカイン濃度の測定は、Bio−Plexキット(Th1/Th2)(Bio−Rad社製)を用いた。濃度が測定されたサイトカインは、IL−2、IL−12、IFN−γ、IL−4及びIL−5である。これらサイトカイン濃度の測定結果が、表4に示されている。また、サイトカインごとの濃度をグラフ化したものが、図3〜7に示されている。

0040

0041

C:抗アレルギー剤投与群において、Th1サイトカインであるIL−2及びIFN−γ並びにTh0細胞をTh1細胞に分化誘導させるIL−12の産生量が、B:病態対照群と比較して優位に増加している。一方で、C:抗アレルギー剤投与群において、Th2サイトカインであるIL−4及びIL−5の産生量が、B:病態対照群と比較して優位に変化していないか又は優位に減少している。これらの結果は、本発明の抗アレルギー剤が、Th1サイトカインを活性化させる一方でTh2サイトカインを抑制し、Th1/Th2のバランスをTh1側に傾けさせることにより、アレルギー反応を抑制できたことを示している。従って、本発明の抗アレルギー剤が、スギ花粉に対するアレルギー反応を有意に低下させたことがわかる。

実施例

0042

8.まとめ
上記実施例の結果から、本発明の抗アレルギー剤が、抗アレルギー作用を有することが明らかとなった。

0043

本発明により、植物由来の抗アレルギー剤が得られる。植物由来の抗アレルギー剤は、従来からの抗ヒスタミン剤と比較して低い副作用が期待され、例えば、眠気を起こしにくい抗アレルギー剤が得られる。

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