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課題

本発明の目的は、ナノダイヤモンド水分散体を、省エネルギーな方法によって溶媒置換して、ナノダイヤモンド有機溶媒分散体を得る方法を提供する。

解決手段

本発明のナノダイヤモンド有機溶媒分散体の製造方法は、下記水分離工程を経てナノダイヤモンド有機溶媒分散体を得ることを特徴とする。 水分離工程:ナノダイヤモンド水分散体と有機溶媒との混合物を、水のkinetic diameter以上であり、且つ前記有機溶媒のkinetic diameterより小さい大きさの孔径を有する分離膜に接触させることにより、前記混合物から水を分離して、ナノダイヤモンド有機溶媒分散体を得る工程 前記分離膜としては、ゼオライト膜を使用することが好ましい。

概要

背景

ナノダイヤモンド(以後、「ND」と称する場合がある)は高い機械的強度熱伝導性光学的透明性、高屈折率、高電気絶縁性低誘電率、低い摩擦係数等の特性を有する。また、消臭効果抗菌効果も有する。そのため、NDの水分散体有機溶媒分散体が、研磨材絶縁材料消臭剤抗菌剤等として使用されている。

ND有機溶媒分散体の製造方法として、特許文献1には、ND水分散体と、水より高沸点有機溶媒の混合物減圧蒸留に付し、より沸点の低い水を先に蒸発させて留去することにより、ND有機溶媒分散体を得る方法が記載されている。しかし、前記方法は、水の留去に多くの熱エネルギーを必要とするため、温暖化ガス排出削減目標を達成するために、省エネルギー化が強く要請されている現在において、商業スケールでの実施には不向きであった。また、水より低い沸点を有する有機溶媒には溶媒置換できないことも問題であった。

また、特許文献2にはND水分散体に含まれる水分を蒸発させてND粉末を得、得られたND粉末を有機溶媒に再分散させることによりND有機溶媒分散体を得ることが記載されている。この方法では、水より低い沸点を有する有機溶媒にも分散させることができるが、やはり、水分の蒸発に非常に多くの熱エネルギーを必要とすることが問題であった。また、一旦、乾燥させて粉末化するとNDが凝着(aggregation)し易く、有機溶媒に再分散させることは非常に困難であった。

概要

本発明の目的は、ナノダイヤモンド水分散体を、省エネルギーな方法によって溶媒置換して、ナノダイヤモンド有機溶媒分散体を得る方法を提供する。本発明のナノダイヤモンド有機溶媒分散体の製造方法は、下記水分離工程を経てナノダイヤモンド有機溶媒分散体を得ることを特徴とする。 水分離工程:ナノダイヤモンド水分散体と有機溶媒との混合物を、水のkinetic diameter以上であり、且つ前記有機溶媒のkinetic diameterより小さい大きさの孔径を有する分離膜に接触させることにより、前記混合物から水を分離して、ナノダイヤモンド有機溶媒分散体を得る工程 前記分離膜としては、ゼオライト膜を使用することが好ましい。なし

目的

本発明の目的は、ナノダイヤモンド水分散体を、省エネルギーな方法によって溶媒置換して、ナノダイヤモンド有機溶媒分散体を得る方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

下記水分離工程を経てナノダイヤモンド有機溶媒分散体を得る、ナノダイヤモンド有機溶媒分散体の製造方法。水分離工程:ナノダイヤモンド水分散体有機溶媒との混合物を、水のkinetic diameter以上であり、且つ前記有機溶媒のkinetic diameterより小さい大きさの孔径を有する分離膜に接触させることにより、前記混合物から水を分離して、ナノダイヤモンド有機溶媒分散体を得る工程

請求項2

分離膜がゼオライト膜である、請求項1に記載のナノダイヤモンド有機溶媒分散体の製造方法。

請求項3

有機溶媒が極性有機溶媒である、請求項1又は2に記載のナノダイヤモンド有機溶媒分散体の製造方法。

請求項4

水分離工程を経てナノダイヤモンド有機溶媒分散体を得、得られたナノダイヤモンド有機溶媒分散体を解砕処理に付す、請求項1〜3の何れか1項に記載のナノダイヤモンド有機溶媒分散体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、ナノダイヤモンド有機溶媒分散体の製造方法に関する。

背景技術

0002

ナノダイヤモンド(以後、「ND」と称する場合がある)は高い機械的強度熱伝導性光学的透明性、高屈折率、高電気絶縁性低誘電率、低い摩擦係数等の特性を有する。また、消臭効果抗菌効果も有する。そのため、NDの水分散体や有機溶媒分散体が、研磨材絶縁材料消臭剤抗菌剤等として使用されている。

0003

ND有機溶媒分散体の製造方法として、特許文献1には、ND水分散体と、水より高沸点有機溶媒の混合物減圧蒸留に付し、より沸点の低い水を先に蒸発させて留去することにより、ND有機溶媒分散体を得る方法が記載されている。しかし、前記方法は、水の留去に多くの熱エネルギーを必要とするため、温暖化ガス排出削減目標を達成するために、省エネルギー化が強く要請されている現在において、商業スケールでの実施には不向きであった。また、水より低い沸点を有する有機溶媒には溶媒置換できないことも問題であった。

0004

また、特許文献2にはND水分散体に含まれる水分を蒸発させてND粉末を得、得られたND粉末を有機溶媒に再分散させることによりND有機溶媒分散体を得ることが記載されている。この方法では、水より低い沸点を有する有機溶媒にも分散させることができるが、やはり、水分の蒸発に非常に多くの熱エネルギーを必要とすることが問題であった。また、一旦、乾燥させて粉末化するとNDが凝着(aggregation)し易く、有機溶媒に再分散させることは非常に困難であった。

先行技術

0005

国際公開第2014/174150号
国際公開第2009/060613号

発明が解決しようとする課題

0006

従って、本発明の目的は、ナノダイヤモンド水分散体を、省エネルギーな方法によって溶媒置換して、ナノダイヤモンド有機溶媒分散体を得る方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明者等は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、一般に、水は有機溶媒に比べてkinetic diameter(化学反応時の分子径)が小さいので、有機溶媒のkinetic diameterより小さく、且つ水のkinetic diameter以上の大きさの孔径を有する分離膜を使用して膜分離を行えば、ND水分散体の溶媒を水から有機溶媒へ、多くの熱エネルギーを必要とすることなく置換することができ、極めて優れた省エネルギー効果を発揮すること、前記膜分離プロセスによれば、水より低い沸点を有する有機溶媒にも置換することが可能であること、NDを一旦、乾固することなく溶媒置換するため、NDの凝着を抑制し、有機溶媒中においてNDを高分散させることができることを見いだした。本発明は前記知見に基づいて完成させたものである。

0008

すなわち、本発明は、下記水分離工程を経てナノダイヤモンド有機溶媒分散体を得る、ナノダイヤモンド有機溶媒分散体の製造方法を提供する。
水分離工程:ナノダイヤモンド水分散体と有機溶媒との混合物を、水のkinetic diameter以上であり、且つ前記有機溶媒のkinetic diameterより小さい大きさの孔径を有する分離膜に接触させることにより、前記混合物から水を分離して、ナノダイヤモンド有機溶媒分散体を得る工程

0009

本発明は、また、分離膜がゼオライト膜である、前記ナノダイヤモンド有機溶媒分散体の製造方法を提供する。

0010

有機溶媒が極性有機溶媒である、前記ナノダイヤモンド有機溶媒分散体の製造方法を提供する。

0011

水分離工程を経てナノダイヤモンド有機溶媒分散体を得、得られたナノダイヤモンド有機溶媒分散体を解砕処理に付す、前記ナノダイヤモンド有機溶媒分散体の製造方法を提供する。

発明の効果

0012

本発明のND有機溶媒分散体の製造方法では、膜分離プロセスを用いてND水分散体の溶媒を水から有機溶媒に置換するため、熱エネルギーを多く必要とせず、極めて省エネルギーであり、商業スケールでの実施に好適である。また、有機溶媒の沸点によらず置換できるので、汎用性に優れる。更に、NDを一旦、乾固することなく、分散性を高く維持しつつ溶媒置換するため、たとえNDの表面に凝集を抑制するための修飾基を付与せずとも、NDの凝着を抑制することができ、強力な解砕処理を行わなくても、有機溶媒中においてNDを高分散させることができる。
そして、本発明の製造方法によって得られるND有機溶媒分散体は、研磨材、絶縁材料、消臭剤、抗菌剤等として好適に使用することができる。

0013

[ND有機溶媒分散体の製造方法]
本発明のND有機溶媒分散体の製造方法は、下記水分離工程を含む。
水分離工程:ナノダイヤモンド水分散体と有機溶媒との混合物を、水のkinetic diameter以上であり、且つ前記有機溶媒のkinetic diameterより小さい大きさの孔径を有する分離膜に接触させることにより、前記混合物から水を分離して、ナノダイヤモンド有機溶媒分散体を得る工程

0014

(分離膜)
前記分離膜は、置換することが望まれる有機溶媒のkinetic diameterより小さく、且つ水のkinetic diameter以上の大きさの孔径を有するものであり、分子篩効果を備える。尚、水のkinetic diameterは3Å程度であり、一般的な有機溶媒のkinetic diameterは4Å以上である。従って、分離膜の孔径は3Å以上、4Å未満であることが好ましい。

0015

前記分子篩効果を備える分離膜としては、特に制限されることなく使用することができるが、なかでも、耐熱性化学的定性に優れる点で、ゼオライト膜を使用することが好ましい。

0016

ゼオライト膜は、基材ゼオライト層との積層体で構成される。

0017

前記基材としては、多孔質基材を使用することが好ましく、例えば、アルミナムライトジルコニアシリカチタニアゼオライトステンレス多孔質ガラス等が挙げられる。多孔質基材の細孔径は、例えば0.1〜10μm、より好ましくは0.1〜3.0μmである。

0018

ゼオライト層の膜厚は、例えば1nm以上、好ましくは1nm〜20μmである。

0019

ゼオライトは、下記式(1)で表される結晶性含水アルミノケイ酸塩である。
MI,MII1/2)m(AlmSinO2(m+n))・xH2O (1)
(式中、MIはアルカリ金属、MIIはアルカリ土類金属を示す。m、nはn≧m)

0020

ゼオライトは四面体構造を有するシリカとアルミナを基本単位とし、これらの基本単位が三次元的に連結することで結晶が形成されている。そして、前記基本単位の連結によって規則的、且つ特定の孔径を有する細孔が形成される。

0021

ゼオライトに含まれるシリカとアルミナの含有比(Si/Al;モル比)は1以上であり、なかでも、耐酸性耐水性に優れる点において5以上が好ましい。

0022

ゼオライトの孔径は前記基本単位が2次元的に連結してなる環構造に依存し、前記環構造には、酸素員環(=環構造中に酸素原子が8個含まれる)、酸素10員環、酸素12員環、酸素14員環が含まれ、環員数が増えるほど孔径は大きくなる。本発明においては、なかでも、水のkinetic diameter以上であり、且つ前記有機溶媒のkinetic diameterより小さい大きさの孔径を有する点で、酸素10員環以下の環構造を有するゼオライトが好ましく、特に、酸素8員環を有するゼオライトが好ましい。

0023

ゼオライトの結晶構造は、環構造、及びその連結方法によって異なる。酸素8員環を有する結晶構造としては、例えば、ANA、CHAERI、GIS、KFI、LTA、NAT、PAU、YUG、DDR型等が挙げられる。酸素10員環を有する結晶構造としては、例えば、AEL、EUO、FER、HEU、MELMFI、NES、TON、WEI型等が挙げられる。酸素12員環を有する結晶構造としては、例えば、AFI、ATO、BEA、CON、FAU、GME、LTL、MOR、MTW、OFF型等が挙げられる。酸素14員環を有する結晶構造としては、例えば、CLO、VFI、CFIDON型等が挙げられる。本発明においては、なかでも、水のkinetic diameter以上であり、且つ有機溶媒のkinetic diameterより小さい大きさの孔径を有する点で、酸素10員環以下の環構造を有するゼオライトが好ましく、なかでも、酸素8員環を有する結晶構造(例えば、ANA、CHA、ERI、GIS、KFI、LTA、NAT、PAU、YUG、DDR型等)のゼオライトが好ましく、特に、耐酸性、耐水性に優れる点でCHA型ゼオライトが好ましい。

0024

ゼオライト原料には、アルミナ源シリカ源が用いられる。前記アルミナ源には、硫酸アルミニウム硝酸アルミニウムアルミン酸ナトリウム、アルミナ等を用いることができる。シリカ源には、ケイ酸ナトリウムコロイダルシリカヒュームドシリカ水ガラスシリコンアルコキシド等を用いることができる。

0025

ゼオライト膜は、例えば、上記ゼオライト原料に基材を含浸させ、その後、水熱合成により前記ゼオライト原料を結晶化させる方法(水熱合成法)や、ゼオライト原料を基材の表面に塗布、乾燥し、その後、水蒸気で処理することにより前記ゼオライト原料を結晶化させる方法(ドライゲル転化法)等を用いることができる。

0026

分離膜(例えば、ゼオライト膜)の膜形状としては、例えば、中空糸型濾過膜チューブラー膜、スパイラル膜、平膜等が挙げられる。

0027

本発明においては、例えば、ゼオライト膜(商品名「MSM−1」、CHA型ゼオライト膜、三菱ケミカルエンジニアリング(株)製)等の市販品を好適に使用することができる。

0028

(有機溶媒)
有機溶媒は、ND水分散体の溶媒の置換が望まれる有機溶媒であり、好ましくは極性有機溶媒である。

0029

有機溶媒(特に、極性有機溶媒)の常圧下における沸点は特に制限がないが、例えば55〜300℃程度であり、沸点の下限は、好ましくは60℃、特に好ましくは70℃である。

0030

極性有機溶媒には、プロトン性極性有機溶媒非プロトン性極性有機溶媒が含まれる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。前記プロトン性極性有機溶媒には、例えば、エタノールイソプロパノール等の1価のアルコールや、グリセリン等の多価アルコールが含まれる。前記非プロトン性極性有機溶媒には、例えば、ジメチルエーテルジエチルエーテルテトラヒドロフラン等のエーテル類アセトンメチルエチルケトン等のケトン類アセトニトリル等のニトリル類酢酸エチル酢酸ブチル等のエステル類ヘキサントルエン等の炭化水素類ジメチルスルホキシドDMSO)、N,N−ジメチルホルムアミドDMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等が含まれる。本発明においては、なかでも、非プロトン性極性有機溶媒を使用することが、NDの分散性に優れる点で好ましい。

0031

(ND水分散体)
本発明におけるND水分散体は、NDが水中に高分散した構成を有し、ND水分散体中のNDの粒子径(D50、メディアン径)は、例えば50nm以下、好ましくは30nm以下、より好ましくは25nm以下、特に好ましくは20nm以下、最も好ましくは10nm以下である。NDの粒子径の下限は、例えば1nmである。NDの粒子径は、動的光散乱法によって測定することができる。

0032

ND水分散体中のND含有量は、例えば0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜6質量%である。

0033

前記ND水分散体は、例えば、(1)生成工程、(2)酸処理工程及び/又は(3)酸化処理工程、(4)化学的解砕工程、(5)遠心分離工程を経て製造することができる。

0034

(1)生成工程
ND水分散体に含まれるNDは、例えば爆轟法によって製造することができる。前記爆轟法には、空冷式爆轟法と水冷式爆轟法が含まれる。本発明においては、なかでも、空冷式爆轟法が一次粒子がより小さいNDを得ることができる点で好ましい。従って、本発明におけるNDは、爆轟法ND、すなわち爆轟法によって生成したNDが好ましく、より好ましくは空冷式爆轟法NDである。

0035

また、爆轟は大気雰囲気下で行っても良く、窒素雰囲気アルゴン雰囲気二酸化炭素雰囲気等の不活性ガス雰囲気下で行っても良い。

0036

爆轟法では、まず、成形された爆薬電気雷管が装着されたものを爆轟用の耐圧性容器の内部に設置し、容器内において大気組成の常圧の気体と使用爆薬とが共存する状態で、容器を密閉する。容器は例えば鉄製で、容器の容積は例えば0.5〜40m3である。爆薬としては、トリニトロトルエンTNT)とシクロトリメチレントリニトロアミンすなわちヘキソーゲンRDX)との混合物を使用することができる。TNTとRDXの質量比(TNT/RDX)は、例えば40/60〜60/40の範囲である。

0037

生成工程では、次に、電気雷管を起爆させ、容器内で爆薬を爆轟させる。爆轟とは、化学反応に伴う爆発のうち反応の生じる火炎面音速を超えた高速で移動するものをいう。爆轟の際、使用爆薬が部分的に不完全燃焼を起こして遊離した炭素原料として、爆発で生じた衝撃波の圧力とエネルギーの作用によってNDが生成する。

0038

生成工程では、次に、室温での24時間の放置により、容器およびその内部を降温させる。この放冷の後、容器の内壁に付着している粗ND(NDと不純物を含む)をヘラで掻き取る作業を行い、粗NDを回収する。回収された粗NDは、隣接する一次粒子ないし結晶子の間がファンデルワールス力の作用に加えて結晶面間クーロン相互作用が寄与して非常に強固に集成し、凝着体をなす。

0039

回収された粗NDを水中に分散することにより粗ND水分散体が得られる。粗ND水分散体には、反応に用いた容器等に含まれるAl、Fe、Co、Cr、Ni等の金属の酸化物(例えば、Fe2O3、Fe3O4、Co2O3、Co3O4、NiO、Ni2O3等)が金属性不純物として含まれ、前記金属性不純物はNDの凝着の原因となる。また、グラファイト等の副生物が含まれる場合もあり、これもNDの凝着の原因となる。

0040

(2)酸処理工程
酸処理工程は、生成工程を経て得られた粗ND水分散体に、酸を添加して金属性不純物を除去する工程である。粗ND水分散体に酸を添加することにより、粗NDに含まれる前記金属性不純物を溶解し、除去することができる。この酸処理に用いられる酸(特に、強酸)としては鉱酸が好ましく、例えば、硫酸硝酸、及びこれらの塩等が挙げられる。これらは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。酸処理に使用される酸の濃度は例えば1〜50質量%である。酸処理温度は例えば70〜150℃である。酸処理時間は例えば0.1〜24時間である。また、酸処理は、減圧下、常圧下、または加圧下で行うことが可能である。酸処理後は、例えばデカンテーションにより、固形分(NDを含む)の水洗を行うことが好ましく、特に、沈殿液のpHが例えば2〜3に至るまで、水洗を反復して行うのが好ましい。

0041

(3)酸化処理工程
酸化処理工程は、生成工程を経て得られた粗ND水分散体に、酸化剤を添加して、グラファイト(黒鉛)を除去する工程である。爆轟法で得られる粗NDには不純物としてグラファイトが含まれる場合があり、このグラファイトは、使用爆薬が部分的に不完全燃焼を起こして遊離した炭素のうちND結晶を形成しなかった炭素に由来する。例えば上記(2)酸処理工程の後に、所定の酸化剤を作用させることにより、粗NDからグラファイトを除去することができる。この酸化処理に用いられる酸化剤としては、例えば、クロム酸無水クロム酸二クロム酸、過マンガン酸過塩素酸、硝酸、及びこれらの混合物や、これらから選択される少なくとも1種の酸と他の酸(例えば硫酸等)との混酸、及びこれらの塩が挙げられる。

0042

酸化処理で使用される酸化剤の濃度は、例えば3〜50質量%である。酸化処理における酸化剤の使用量は、酸化処理に付される粗ND100質量部に対して例えば300〜500質量部である。酸化処理温度は例えば100〜200℃である。酸化処理時間は例えば1〜24時間である。酸化処理は、減圧下、常圧下、または加圧下で行うことが可能である。また、酸化処理は、グラファイトの除去効率向上の観点から、酸(特に、鉱酸。酸処理工程で使用の鉱酸と同様の例を挙げることができる)の共存下で行うのが好ましい。酸化処理に酸を用いる場合、酸の濃度は例えば5〜80質量%である。このような酸化処理の後、例えばデカンテーションにより、固形分(ND凝着体を含む)の水洗を行うことが好ましく、水洗当初の上澄み液は着色しているところ、上澄み液が目視で透明になるまで、デカンテーションによる当該固形分の水洗を反復して行うのが好ましい。

0043

(4)化学的解砕工程
(2)酸処理工程及び/又は(3)酸化処理工程を経ても、尚、NDは、一次粒子間が非常に強く相互作用して集成している凝着体(二次粒子)の形態をとる場合があり、そのような場合は化学的解砕処理を施して、NDの凝着体を解砕して一次粒子化することが好ましい。化学的解砕処理は、例えば、アルカリおよび過酸化水素を作用させることにより行うことができる。前記アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウムアンモニア水酸化カリウム等が挙げられる。アルカリの濃度は、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.2〜8質量%、更に好ましくは0.5〜5質量%である。過酸化水素の濃度は、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは2〜10質量%、更に好ましくは4〜8質量%である。処理温度は例えば40〜95℃であり、処理時間は例えば0.5〜5時間である。また、化学的解砕処理は、減圧下、常圧下、または加圧下で行うことが可能である。このような化学的解砕処理の後は、デカンテーションによって上澄みを除去することが好ましい。

0044

(5)遠心分離工程
上記(2)〜(4)工程を経ても粗大粒子が含まれる場合は、遠心力を利用して粗大粒子を除去することが好ましい。遠心分離処理における遠心力は例えば15000〜25000×gであり、遠心時間は例えば10〜120分である。これにより、ND粒子が高分散する黒色透明の上清液(ND水分散体)が得られる。得られたND水分散体について、水分量を低減してND濃度を高めることが求められる場合は、例えばエバポレーターを使用して水分を除去するができる。以上のようにして、ND水分散体を得ることができる。

0045

〔水分離工程〕
本発明における水分離工程は、上記ND水分散体と有機溶媒との混合物を、上記分離膜に接触させることにより、前記混合物から水を分離して、ND有機溶媒分散体を得る工程である。

0046

上記ND水分散体と有機溶媒との混合物を、上記分離膜に接触させると、水は上記分離膜を透過するがNDや有機溶媒は透過しないため、前記混合物から水を分離することができ、その結果、ND有機溶媒分散体が得られる。

0047

分離膜に接触させるND水分散体と有機溶媒との混合物としては、上述のND水分散体と有機溶媒との混合物が挙げられる。上述のND水分散体と有機溶媒との混合割合としては、上述のND水分散体中の水100質量部に対して有機溶媒が100質量部以上(例えば100〜1000質量部)となる範囲であることが好ましい。

0048

ND水分散体と有機溶媒との混合物を、分離膜(例えば、上記ゼオライト膜)に接触させる方法としては、パーベーパレーション法浸透気化法PV法)、ベーパーパーミエーション法蒸気透過法、VP法)が挙げられる。また、分離膜に接触させる回数や時間は特に制限がなく、必要に応じて適宜調整することができる。

0049

PV法では前記混合物を分離膜に接触させて水を透過させる。この方式は透過気化法とも呼ばれ、供給液である前記混合物を、分離膜を介して気化させ、その際、水のみを透過させることにより前記混合物から水を分離して、ND有機溶媒分散体を得る。前記混合物は気化熱で冷却されるため、加熱することが好ましい。

0050

VP法では前記混合物の蒸気を分離膜に接触させて水を透過させる。この方式は蒸気透過法とも呼ばれ、供給液である前記混合物を加熱することによって気化させ、気化した前記混合物を分離膜に接触させ、水のみを透過させることにより前記混合物から水を分離して、ND有機溶媒分散体を得る。VP法では分離膜に前記混合物を気化した状態で接触させるため、前記混合物中に含まれる不揮発成分(例えば、不純物等)が分離膜に接触することを避けることができ、膜のファウリングを低減したり、目詰まりを抑制することができ、膜の透過量を向上させて処理効率を高めたり、膜の寿命延長させるなどの効果が得られる場合がある。VP法では、ND有機溶媒分散体は、有機溶媒が気化した状態で(すなわち、気体として)得られるが、冷媒等を利用して凝縮させることで液化することができる。

0051

分離膜に前記混合物を接触させる際には、分離膜の供給側(分離膜の手前側)の圧力よりも透過側(分離膜の後ろ側)の圧力を低く設定することが、前記混合物中の水を効率良く透過させることができる点で好ましい。

0052

また、分離膜を透過して分離された水(水蒸気)は、その後、冷媒等を利用して凝縮させて回収することが好ましい。

0053

このようにして得られるND有機溶媒分散体中のND含有量は、例えば0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜6質量%である。また、ND有機溶媒分散体中の水含有量は、例えば5質量%以下、好ましくは2質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。

0054

〔解砕工程〕
本発明のND有機溶媒分散体の製造方法は、下記水分離工程以外にも必要に応じて他の工程を有していてもよく、水分離工程を経て得られたND有機溶媒分散体中のNDが凝着体を形成している場合等には、解砕工程を設けることが好ましい。

0055

解砕工程は、ND凝着体を含有するND有機溶媒分散体に解砕処理を施すことによってND凝着体(二次粒子)をND一次粒子に解砕ないし分散化するための工程であり、解砕処理を施すことにより、有機溶媒中に分散するNDの凝着体を一次粒子に解砕ないし分散化することができる。

0057

水分離工程を経て(必要に応じて、更に、解砕工程を経て)得られたND有機溶媒分散体中のNDは一次粒子の状態で高分散しており、NDの粒子径(D50、メディアン径)は、例えば50nm以下、好ましくは30nm以下、より好ましくは25nm以下、特に好ましくは20nm以下、最も好ましくは10nm以下である。NDの粒子径の下限は、例えば1nmである。NDの粒子径は、動的光散乱法によって測定することができる。また、ND有機溶媒分散体のヘーズ値は、例えば5%以下、好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下である。

0058

以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。

0059

尚、実施例における粒子径、及びヘーズ値の測定は以下の方法により行った。

0060

〈粒子径(D50)〉
分散体中のNDの粒子径(D50)は、動的光散乱法によって測定した。具体的には、Malvern社製の装置(商品名「ゼータサイザーナノZS」)を使用して、NDの粒度分布を動的光散乱法(非接触後方散乱法)によって測定した。測定に付すND分散体中の固形分濃度ないしND濃度は1質量%とした。

0061

〈ヘーズ値〉
分散体のヘーズ値(%)は、分散体に10分間の超音波処理を施したものをサンプルとして、ヘーズメーターを使用し、ガラスセルを用い、光路長1mmで測定を行った。

0062

〔実施例1〕
(生成工程)
成形された爆薬に電気雷管が装着されたものを爆轟用の耐圧性容器の内部に設置して容器を密閉した。容器は鉄製で、容器の容積は15m3であった。爆薬としては、TNTとRDXとの混合物(TNT/RDX(質量比)=50/50)0.50kgを使用した。次に、電気雷管を起爆させ、容器内で爆薬を爆轟させた。次に、室温での24時間の放置により、容器およびその内部を降温させた。この放冷の後、容器の内壁に付着しているND粗生成物(上記爆轟法で生成したND粒子の凝着体とを含む)をヘラで掻き取る作業を行い、ND粗生成物を回収した。

0063

(酸処理工程)
次に、得られたND粗生成物に対して酸処理を行った。具体的には、当該ND粗生成物200gに6Lの10質量%塩酸を加えて得られたスラリーに対し、常圧条件での還流下で1時間の加熱処理を行った。この酸処理における加熱温度は85〜100℃であった。次に、冷却後、デカンテーションにより、固形分(ND凝着体と煤を含む)の水洗を行った。沈殿液のpHが低pH側から2に至るまで、デカンテーションによる当該固形分の水洗を反復して行った。

0064

(酸化処理工程)
次に、酸化処理を行った。具体的には、酸処理後のデカンテーションを経て得た沈殿液(ND凝着体を含む)に、6Lの98質量%硫酸水溶液と1Lの69質量%硝酸水溶液とを加えてスラリーとした後、このスラリーに対し、常圧条件での還流下で48時間の加熱処理を行った。この酸化処理における加熱温度は140〜160℃であった。次に、冷却後、デカンテーションにより、固形分(ND凝着体を含む)の水洗を行った。水洗当初の上澄み液は着色しているところ、上澄み液が目視で透明になるまで、デカンテーションによる当該固形分の水洗を反復して行った。

0065

(化学的解砕工程)
次に、化学的解砕工程を行った。具体的には、酸化処理後のデカンテーションを経て得た沈殿液(ND凝着体を含む)に対して1Lの10質量%水酸化ナトリウム水溶液と1Lの30質量%過酸化水素水溶液とを加えてスラリーとした後、このスラリーに対し、常圧条件での還流下で1時間の加熱処理を行った。この処理における加熱温度は50〜105℃であった。次に、冷却後、デカンテーションによって上澄みを除いた。

0066

(遠心分離工程)
次に、遠心分離工程を行った。具体的には、化学的解砕工程を経たNDを含有する溶液から、遠心力の作用を利用した分級操作によって粗大粒子を除去した(遠心力:20000×g、遠心時間:10分)。これにより、黒色透明のND水分散体を得た。得られたND水分散体中のNDの粒子径D50(メディアン径)は5.80nm、ND水分散体のヘーズ値は0.44%であった。

0067

(水分離工程)
次に、水分離工程を行った。具体的には、遠心分離工程を経たND水分散体(ND濃度:1質量%)にNMP(沸点:202℃)を1:1(前者:後者、質量比)となるように配合し、混合物(1)を得た。得られた混合物(1)6.5Lを、下記条件下でPV法によりゼオライト膜脱水装置[(商品名「ゼブレクスZX1-80」、MSM−1膜(耐酸、耐水膜)、サイズ:φ12mm×800mL)×2本]に付して、NDのNMP分散体(1)(水分:0.7質量%、ND濃度:1質量%)を得た。得られたNDのNMP分散体(1)中のNDが凝着しており、そのヘーズ値は13.38%であった。
<ゼオライト膜脱水装置適用条件
供給側と透過側の圧力差:Max 0.4MPaG
循環流量:1.7L/min
混合物の液温:100℃
透過側の圧力:真空(10 torr)
透過時間:35時間

実施例

0068

(解砕工程)
次に、解砕工程を行った。具体的には、まず、上述の水分離工程を経たNDのNMP分散体(1)30mLについて、超音波分散機(商品名「UH−600S」、(株)エスエムテー)を使用して、パワー5(超音波周波数:20kHz)で15分間超音波処理を行って、NDのNMP分散体(2)を得た。得られたNDのNMP分散体(2)中のNDの粒子径D50(メディアン径)は7.07nmであった。また、得られたNDのNMP分散体(2)のヘーズ値は0.85%であり、NDの凝着体は一桁ナノ粒子まで解砕されたことが確認できた。

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