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技術 デッキクレーンの状態判断方法、デッキクレーンの状態判断装置及びデッキクレーンシステム

出願人 三菱重工機械システム株式会社
発明者 大串泰斗
出願日 2018年3月2日 (2年1ヶ月経過) 出願番号 2018-037923
公開日 2019年9月12日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-151461
状態 未査定
技術分野 ジブクレーン(門形、ケーブルクレーン)
主要キーワード 昇降用ワイヤー 俯仰装置 状態判断装置 俯仰軸 油圧波形 次油圧 速度検出ステップ 積み下ろし作業
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年9月12日)のものです。
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図面 (14)

課題

デッキクレーンの状態を的確に把握する。

解決手段

デッキクレーンの状態判断方法は、船舶デッキに配置されるデッキクレーンの状態判断方法であって、デッキクレーンを駆動するための油圧回路における油圧時間毎に測定して、油圧の時間波形を取得する油圧情報取得テップと、油圧の時間波形をフーリエ変換することで、周波数毎の油圧波形を生成する波形生成ステップと、波形生成ステップにおいて生成した周波数毎の油圧波形と、予め設定された正常時のデッキクレーンにおける周波数毎の油圧波形である正常油圧波形とに基づき、デッキクレーンの状態を判断する状態判断ステップと、を有する。

概要

背景

船舶には、積荷荷揚げ荷卸しする機械として、デッキクレーンを備えているものがある。特許文献1には、油圧ポンプを含む油圧駆動装置駆動源として用いたデッキクレーンが記載されている。

概要

デッキクレーンの状態を的確に把握する。デッキクレーンの状態判断方法は、船舶のデッキに配置されるデッキクレーンの状態判断方法であって、デッキクレーンを駆動するための油圧回路における油圧時間毎に測定して、油圧の時間波形を取得する油圧情報取得テップと、油圧の時間波形をフーリエ変換することで、周波数毎の油圧波形を生成する波形生成ステップと、波形生成ステップにおいて生成した周波数毎の油圧波形と、予め設定された正常時のデッキクレーンにおける周波数毎の油圧波形である正常油圧波形とに基づき、デッキクレーンの状態を判断する状態判断ステップと、を有する。

目的

本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、デッキクレーンの状態が的確に把握可能なデッキクレーンの状態判断方法、デッキクレーンの状態判断装置及びデッキクレーンシステムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

船舶デッキに配置されるデッキクレーン状態判断方法であって、前記デッキクレーンを駆動するための油圧回路における油圧時間毎に測定して、前記油圧の時間波形を取得する油圧情報取得テップと、前記油圧の時間波形をフーリエ変換することで、周波数毎の油圧波形を生成する波形生成ステップと、前記波形生成ステップにおいて生成した前記周波数毎の油圧波形と、予め設定された正常時のデッキクレーンにおける周波数毎の油圧波形である正常油圧波形とに基づき、前記デッキクレーンの状態を判断する状態判断ステップと、を有する、デッキクレーンの状態判断方法。

請求項2

前記状態判断ステップにおいて、前記油圧波形が、強度が閾値以上となるピークを有し、かつ、前記正常油圧波形が、前記油圧波形のピークがある周波数帯域に前記閾値以上の強度のピークを有さない場合に、前記デッキクレーンに異常が生じていると判断する、請求項1に記載のデッキクレーンの状態判断方法。

請求項3

前記状態判断ステップにおいて、前記油圧波形の強度が前記閾値以上となるピークの周波数帯域が、前記正常油圧波形の強度が前記閾値以上となるピークの周波数帯域と一致する場合に、前記デッキクレーンに異常が生じていないと判断する、請求項2に記載のデッキクレーンの状態判断方法。

請求項4

前記油圧回路は、前記デッキクレーンのフック昇降する昇降装置に油を供給する配管である昇降油配管と、前記デッキクレーンのジブを俯仰させる俯仰装置及び前記デッキクレーンを旋回させる旋回装置に油を供給する配管である俯仰旋回油配管とを有しており、前記油圧情報取得ステップにおいて、前記昇降油配管における油圧の時間波形と、前記俯仰旋回油配管における油圧の時間波形とを取得し、前記波形生成ステップにおいて、前記昇降油配管における油圧の周波数毎の波形である昇降油圧波形と、前記俯仰旋回油配管における油圧の周波数毎の波形である俯仰旋回油圧波形と、を生成し、前記状態判断ステップにおいて、前記昇降油圧波形に基づき、前記昇降装置に異常が生じているかを判断し、前記俯仰旋回油圧波形に基づき、前記俯仰装置又は前記旋回装置に異常が生じているかを判断する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のデッキクレーンの状態判断方法。

請求項5

前記昇降装置、前記俯仰装置、及び前記旋回装置の駆動速度を検出する速度検出ステップを更に有し、前記状態判断ステップにおいて、さらに前記駆動速度にも基づき、前記デッキクレーンの状態を判断する、請求項4に記載のデッキクレーンの状態判断方法。

請求項6

船舶のデッキに配置されるデッキクレーンの状態判断装置であって、前記デッキクレーンを駆動するための油圧回路における油圧の時間毎の測定結果に基づき生成された、前記油圧の時間波形を取得する油圧情報取得部と、前記油圧の時間波形をフーリエ変換することで、周波数毎の油圧波形を生成する波形生成部と、前記波形生成部において生成した前記周波数毎の油圧波形と、予め設定された正常時のデッキクレーンにおける周波数毎の油圧波形である正常油圧波形とに基づき、前記デッキクレーンの状態を判断する状態判断部と、を有する、デッキクレーンの状態判断装置。

請求項7

請求項6に記載のデッキクレーンの状態判断装置と、前記デッキクレーンと、を有する、デッキクレーンシステム

技術分野

0001

本発明は、デッキクレーン状態判断方法、デッキクレーンの状態判断装置及びデッキクレーンシステムに関する。

背景技術

0002

船舶には、積荷荷揚げ荷卸しする機械として、デッキクレーンを備えているものがある。特許文献1には、油圧ポンプを含む油圧駆動装置駆動源として用いたデッキクレーンが記載されている。

先行技術

0003

特開2002−220189号公報

発明が解決しようとする課題

0004

上記のデッキクレーンは、船舶とともに移動するため、メンテナンスを行える機会が限定される。例えば、油圧ポンプが意図しない場所で故障してしまうと、デッキクレーンが使用できなくなったり、メンテナンス設備がない場所で修理をすることになったりし、利用効率が低下する。従って、デッキクレーンの状態を的確に把握することが求められている。

0005

本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、デッキクレーンの状態が的確に把握可能なデッキクレーンの状態判断方法、デッキクレーンの状態判断装置及びデッキクレーンシステムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係るデッキクレーンの状態判断方法は、船舶のデッキに配置されるデッキクレーンの状態判断方法であって、前記デッキクレーンを駆動するための油圧回路における油圧時間毎に測定して、前記油圧の時間波形を取得する油圧情報取得テップと、前記油圧の時間波形をフーリエ変換することで、周波数毎の油圧波形を生成する波形生成ステップと、前記波形生成ステップにおいて生成した前記周波数毎の油圧波形と、予め設定された正常時のデッキクレーンにおける周波数毎の油圧波形である正常油圧波形とに基づき、前記デッキクレーンの状態を判断する状態判断ステップと、を有する。

0007

この状態判断方法によると、実際にデッキクレーンの各部を調べることなく、状態を判断して異常検出を行う事が可能となるため、デッキクレーンの状態を的確に把握することができる。

0008

前記状態判断ステップにおいて、前記油圧波形が、強度が閾値以上となるピークを有し、かつ、前記正常油圧波形が、前記油圧波形のピークがある周波数帯域に前記閾値以上の強度のピークを有さない場合に、前記デッキクレーンに異常が生じていると判断することが好ましい。この状態判断方法によると、正常油圧波形がピークを有さない周波数帯域に、ピークを有する場合に、異常が生じていると判断するため、デッキクレーンの状態を的確に把握することができる。

0009

前記状態判断ステップにおいて、前記油圧波形の強度が前記閾値以上となるピークの周波数帯域が、前記正常油圧波形の強度が前記閾値以上となるピークの周波数帯域と一致する場合に、前記デッキクレーンに異常が生じていないと判断することが好ましい。この状態判断方法によると、正常油圧波形と同じ周波数帯域にピークを有する場合に異常が生じていないと判断するため、デッキクレーンの状態を的確に把握することができる。

0010

前記油圧回路は、前記デッキクレーンのフック昇降する昇降装置に油を供給する配管である昇降油配管と、前記デッキクレーンのジブを俯仰させる俯仰装置及び前記デッキクレーンを旋回させる旋回装置に油を供給する配管である俯仰旋回油配管とを有しており、前記油圧情報取得ステップにおいて、前記昇降油配管における油圧の時間波形と、前記俯仰旋回油配管における油圧の時間波形とを取得し、前記波形生成ステップにおいて、前記昇降油配管における油圧の周波数毎の波形である昇降油圧波形と、前記俯仰旋回油配管における油圧の周波数毎の波形である俯仰旋回油圧波形と、を生成し、前記状態判断ステップにおいて、前記昇降油圧波形に基づき、前記昇降装置に異常が生じているかを判断し、前記俯仰旋回油圧波形に基づき、前記俯仰装置又は前記旋回装置に異常が生じているかを判断することが好ましい。この状態判断方法によると、昇降油圧波形と俯仰旋回油圧波形とに基づき状態を判断するため、デッキクレーンの状態を的確に把握することができる。

0011

前記昇降装置、前記俯仰装置、及び前記旋回装置の駆動速度を検出する速度検出ステップを更に有し、前記状態判断ステップにおいて、さらに前記駆動速度にも基づき、前記デッキクレーンの状態を判断することが好ましい。この状態判断方法によると、油圧波形に加え、駆動速度にも基づきデッキクレーンの状態を判断するため、デッキクレーンの状態をより好適に把握することができる。

0012

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係るデッキクレーンの状態判断装置は、船舶のデッキに配置されるデッキクレーンの状態判断装置であって、前記デッキクレーンを駆動するための油圧回路における油圧の時間毎の測定結果に基づき生成された、前記油圧の時間波形を取得する油圧情報取得部と、前記油圧の時間波形をフーリエ変換することで、周波数毎の油圧波形を生成する波形生成部と、前記波形生成部において生成した前記周波数毎の油圧波形と、予め設定された正常時のデッキクレーンにおける周波数毎の油圧波形である正常油圧波形とに基づき、前記デッキクレーンの状態を判断する状態判断部と、を有する。この状態判断装置によると、デッキクレーンの状態を的確に把握することができる。

発明の効果

0013

本発明によれば、デッキクレーンの状態を的確に把握することができる。

図面の簡単な説明

0014

図1は、本実施形態に係るデッキクレーンシステムの一例を示す図である。
図2は、デッキクレーンの一例を示す図である。
図3は、油圧駆動装置の一例を示す図である。
図4は、本実施形態に係るデッキクレーン制御装置の模式的なブロック図である。
図5は、本実施形態に係る状態判断装置の模式的なブロック図である。
図6は、時間波形の例を示すグラフである。
図7は、昇降油圧波形の一例を示すグラフである。
図8は、昇降油圧波形の一例を示すグラフである。
図9は、正常昇降油圧波形の一例を示すグラフである。
図10は、俯仰旋回油圧波形の一例を示すグラフである。
図11は、俯仰旋回油圧波形の一例を示すグラフである。
図12は、正常俯仰旋回油圧波形の一例を示すグラフである。
図13は、本実施形態に係る異常検出の処理フローを説明するフローチャートである。

実施例

0015

以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。

0016

図1は、本実施形態に係るデッキクレーンシステムの一例を示す図である。本実施形態に係るデッキクレーンシステム100は、貨物船等の船舶101のデッキ102上に設置され、船舶101に対して対象物Cの積み下ろし作業等を行う場合に用いられる作業機械である。デッキクレーンシステム100は、デッキクレーン10と、油圧駆動装置20と、デッキクレーン制御装置22と、状態判断装置24とを備える。

0017

デッキクレーン10は、デッキ102に複数、例えば4基設けられるが、基数についてはこれに限定されない。図2は、デッキクレーンの一例を示す図である。図2に示すように、デッキクレーン10は、旋回体11と、ジブ12と、旋回装置13と、俯仰装置14と、昇降装置15とを有する。旋回体11は、船舶101に設けられた架台16上に配置される。旋回体11は、架台16の支持面16aと直交する回転軸AX1の軸線周りに回転可能に設けられる。旋回体11は、アラームを出力する報知部11aを有する。報知部11aは、例えば音、光、各種表示等により警報を通知する機器が用いられる。

0018

ジブ12は、棒状の部材であり、基端部12aが旋回体11に取り付けられる。ジブ12は、基端部12aにおいて、水平方向に平行な俯仰軸AX2の軸線周りに揺動可能である。ジブ12は、先端部12bに滑車17を有する。滑車17には、対象物Cを吊るための昇降用ワイヤー18が掛けられている。昇降用ワイヤー18は、基端部が後述の昇降装置15のドラム15aに取り付けられる。昇降用ワイヤー18は、対象物Cを掛けるためのフック18aを先端部に有する。ジブ12には、俯仰用ワイヤー19が取り付けられる。俯仰用ワイヤー19は、一端部がジブ12のうち基端部12aと先端部12bとの間の部分に取り付けられ、他端部が後述の俯仰装置14のドラム14aに取り付けられる。

0019

旋回装置13は、油圧駆動装置20の駆動力により、旋回体11を回転軸AX1の軸線周りに回転させる。旋回装置13は、油圧駆動装置20の駆動力を旋回体11に伝達する伝達機構13aを有する。

0020

俯仰装置14は、油圧駆動装置20の駆動力によりドラム14aを回転させ、ジブ12を俯仰軸AX2の軸線周りに揺動させる。俯仰装置14は、俯仰用ワイヤー19を巻き取ることにより、ジブ12を仰方向(先端部12bが上側に移動する方向)に揺動させる。俯仰装置14は、俯仰用ワイヤー19を繰り出すことにより、ジブ12を俯方向(先端部12bが下側に移動する方向)に揺動させる。このように、俯仰装置14は、俯仰用ワイヤー19の巻き取り及び繰り出しを行うことにより、ジブ12を仰方向及び俯方向に揺動させる。

0021

昇降装置15は、油圧駆動装置20の駆動力によりドラム15aを回転させ、昇降用ワイヤー18の巻き取り及び繰り出しを行う。昇降装置15は、昇降用ワイヤー18を巻き取ることにより、フック18aを上昇させる。昇降装置15は、昇降用ワイヤー18を繰り出すことにより、フック18aを下降させる。このように、昇降装置15は、昇降用ワイヤー18の巻き取り及び繰り出しを行うことにより、フック18aを鉛直方向に昇降させる。

0022

また、デッキクレーン10には、速度センサである速度検出部13b、14b、15bが設けられている。速度検出部13bは、デッキクレーン制御装置22の制御により、旋回体11の旋回速度を、所定時間毎に測定(サンプリング)する。速度検出部14bは、デッキクレーン制御装置22の制御により、ジブ12の俯仰速度を、所定時間毎に測定(サンプリング)する。速度検出部15bは、デッキクレーン制御装置22の制御により、フック18aの昇降速度を、所定時間毎に測定(サンプリング)する。速度検出部13b、14b、15bは、測定した速度の測定結果を、デッキクレーン制御装置22に出力する。なお、図2の例では、速度検出部13b、14bがジブ12に設けられ、速度検出部15bがフック18aに設けられているが、それぞれ速度を検出できるものであれば、位置はこれに限られず任意である。また、デッキクレーン10は、旋回速度、俯仰速度、昇降速度を検出可能であれば、必ずしも速度検出部13b、14b、15bを設けなくてもよく、例えばデッキクレーン制御装置22の制御信号から、旋回速度、俯仰速度、昇降速度を検出してもよい。

0023

デッキクレーン制御装置22は、油圧駆動装置20を制御する制御装置である。デッキクレーン制御装置22は、架台16上に設けられた部屋R内に設けられている。デッキクレーン制御装置22は、部屋R内の作業者によって操作可能となっている。ただし、デッキクレーン制御装置22の設置位置は任意である。デッキクレーン制御装置22の構成については後述する。

0024

図3は、油圧駆動装置の一例を示す図である。図3に示すように、油圧駆動装置20は、主電動機30と、油圧回路31とを有する。主電動機30は、例えば船舶101の電源部(不図示)等から電力の供給を受けて、デッキクレーン制御装置22の制御により回転駆動力を発生させる。

0025

油圧回路31は、油圧ポンプ32、34と、昇降油配管36と、俯仰旋回油配管38と、油圧測定部36S、38Sと、バイパス配管39と、バイパス弁40とを有している。油圧ポンプ32は、昇降油配管36に接続された油圧ポンプである。昇降油配管36と、俯仰旋回油配管38とには、作動油Oを制御する不図示のバルブ等が設けられる。

0026

油圧ポンプ32は、主電動機30の回転駆動力により、作動油Oを、昇降油配管36に送り出す。昇降油配管36は、油圧ポンプ32と昇降装置15とに接続される配管である。昇降油配管36は、油圧ポンプ32から送られた作動油Oを、デッキクレーン10の昇降装置15に流通させる。油圧測定部36Sは、昇降油配管36に取付けられた圧力センサである。油圧測定部36Sは、デッキクレーン制御装置22の制御により、昇降油配管36内の作動油Oの圧力、すなわち油圧を、所定時間毎に測定(サンプリング)する。油圧測定部36Sは、測定した昇降油配管36内の油圧の測定結果を、デッキクレーン制御装置22に出力する。

0027

油圧ポンプ34は、主電動機30の回転駆動力により、作動油Oを、俯仰旋回油配管38に送り出す。俯仰旋回油配管38は、油圧ポンプ34と、旋回装置13及び俯仰装置14とに接続される配管である。すなわち、俯仰旋回油配管38は、一方の端部が油圧ポンプ34に接続されている。そして、俯仰旋回油配管38は、他方の端部が、旋回装置13に接続された旋回油配管38Aと、俯仰装置14に接続された俯仰油配管38Bとに分岐している。俯仰旋回油配管38は、油圧ポンプ34から送られた作動油Oの一部を、旋回油配管38Aを介して旋回装置13に流通させ、油圧ポンプ34から送られた作動油Oの他の一部を、俯仰油配管38Bを介して俯仰装置14に流通させる。

0028

油圧測定部38Sは、俯仰旋回油配管38に取付けられた圧力センサである。油圧測定部38Sは、デッキクレーン制御装置22の制御により、俯仰旋回油配管38内の作動油Oの圧力、すなわち油圧を、所定時間毎に測定(サンプリング)する。油圧測定部38Sは、測定した俯仰旋回油配管38内の油圧の測定結果を、デッキクレーン制御装置22に出力する。

0029

バイパス配管39は、昇降油配管36と俯仰旋回油配管38とに接続される配管である。バイパス配管39には、デッキクレーン制御装置22に開閉制御されるバイパス弁40が設けられている。デッキクレーン制御装置22は、例えば有負荷時には、バイパス弁40を閉じることで、昇降油配管36と俯仰旋回油配管38との間の作動油Oの流通を停止している。デッキクレーン制御装置22は、例えば無負荷時に、バイパス弁40を開くことで、昇降油配管36と俯仰旋回油配管38との間で作動油Oが流通可能にしている。これにより、無負荷時に、デッキクレーン制御装置22は、例えば、昇降油配管36からの作動油Oを、俯仰旋回油配管38に流通させて、旋回装置13と俯仰装置14との作動を補助する。

0030

次に、デッキクレーン制御装置22の構成について説明する。図4は、本実施形態に係るデッキクレーン制御装置の模式的なブロック図である。図4に示すように、デッキクレーン制御装置22は、コンピュータ、本実施形態ではPLC(Programmable Logic Controller)であり、入力部50と、出力部52と、記憶部54と、通信部56と、制御部58とを有する。

0031

入力部50は、操作者からの情報が入力可能な装置であり、例えばマウスキーボード、又はタッチパネル等である。また、入力部50は、旋回装置13と俯仰装置14と昇降装置15とを操作するための機構レバーなど)を有する。出力部52は、制御部58の制御結果や操作者からの入力内容などを出力する装置であり、本実施形態では、ディスプレイやタッチパネルなどの表示部(表示装置)である。記憶部54は、制御部58の演算内容プログラムの情報などを記憶するメモリであり、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。通信部56は、制御部58の制御により、外部装置、ここでは状態判断装置24と通信することでデータの送受信をする。通信部56は、例えばアンテナであり、無線通信により状態判断装置24とデータの送受信を行う。ただし、通信部56は、状態判断装置24と有線で接続されて、有線通信により情報を送受信するものであってもよい。制御部58は、演算装置、すなわちCPU(Central Processing Unit)である。

0032

制御部58は、動作制御部60と、測定値取得部62と、時間波形生成部64とを有する。本実施形態において、動作制御部60と、測定値取得部62と、時間波形生成部64とは、記憶部54に記憶されたソフトウェア(プログラム)を読み出すことで、後述する処理を実行する。ただし、動作制御部60と、測定値取得部62と、時間波形生成部64とは、専用の回路であってもよい。

0033

動作制御部60は、デッキクレーン10と油圧駆動装置20とを制御する。動作制御部60は、主電動機30を制御して、旋回装置13と俯仰装置14と昇降装置15とに供給する作動油Oの量を制御して、油圧をコントロールする。そして、動作制御部60は、例えば作業者の入力部50への操作に基づき、旋回装置13と俯仰装置14と昇降装置15との動作を制御する。また、動作制御部60は、油圧測定部36Sに、昇降油配管36内の油圧を測定させ、油圧測定部38Sに、俯仰旋回油配管38内の油圧を測定させる。また、動作制御部60は、速度検出部13b、14b、15bに、デッキクレーン10の旋回速度、俯仰速度、昇降速度を逐次測定させる。

0034

測定値取得部62は、油圧測定部36Sが測定した昇降油配管36内の油圧の測定値と、油圧測定部38Sが測定した俯仰旋回油配管38内の油圧の測定値とを取得する。油圧測定部36Sと油圧測定部38Sとは、所定の時間毎に油圧を測定しており、測定値取得部62は、油圧測定部36Sと油圧測定部38Sとから、逐次油圧の測定結果を取得する。測定値取得部62は、取得した油圧の測定結果を、記憶部54に記憶させる。

0035

また、測定値取得部62は、速度検出部13bが測定した旋回体11の旋回速度の測定結果を、逐次取得し、記憶部54に記憶させる。また、測定値取得部62は、速度検出部14bが測定したジブ12の俯仰速度の測定結果を、逐次取得し、記憶部54に記憶させる。また、測定値取得部62は、速度検出部15bが測定したフック18aの昇降速度の測定結果を、逐次取得し、記憶部54に記憶させる。

0036

時間波形生成部64は、測定値取得部62が取得した油圧の測定結果に基づき、油圧の時間波形を生成する。すなわち、時間波形生成部64は、測定値取得部62が取得した油圧の測定結果を時間毎にプロットすることで、時間毎の油圧の値を示す時間波形を生成する。時間波形生成部64は、油圧測定部36Sの油圧測定結果に基づき、昇降油配管36内の油圧の時間波形である昇降油時間波形を生成する。時間波形生成部64は、油圧測定部38Sの油圧測定結果に基づき、俯仰旋回油配管38内の油圧の時間波形である俯仰旋回油時間波形を生成する。また、時間波形生成部64は、速度検出部13bが測定した旋回体11の旋回速度の測定結果を時間毎にプロットして、旋回速度の時間波形(時間毎の旋回速度を示すグラフ)を生成する。同様に、時間波形生成部64は、速度検出部14bが測定したジブ12の俯仰速度の測定結果を時間毎にプロットして、俯仰速度の時間波形(時間毎の俯仰速度を示すグラフ)を生成する。同様に、時間波形生成部64は、速度検出部15bが測定したフック18aの昇降速度の測定結果を時間毎にプロットして、昇降速度の時間波形(時間毎の昇降速度を示すグラフ)を生成する。時間波形生成部64は、生成した各時間波形を、記憶部54に記憶させる。

0037

次に、状態判断装置24について説明する。図5は、本実施形態に係る状態判断装置の模式的なブロック図である。図5に示すように、状態判断装置24は、コンピュータであり、入力部70と、出力部72と、記憶部74と、通信部76と、制御部78とを有する。本実施形態において、状態判断装置24は、船舶101外、すなわち船舶101以外の箇所に設けられる。ただし、状態判断装置24は、船舶101内に設けられてもよい。また、状態判断装置24は、デッキクレーン制御装置22と別の装置であるが、共通する1つの装置であってよい。その場合、デッキクレーン制御装置22の制御部58に、制御部78が有する後述の油圧情報取得部80と、波形生成部82と、状態判断部84とが設けられることとなる。

0038

入力部70は、操作者からの情報が入力可能な装置であり、例えばマウス、キーボード、又はタッチパネル等である。出力部72は、制御部78の制御結果や操作者からの入力内容などを出力する装置であり、本実施形態では、ディスプレイやタッチパネルなどの表示部(表示装置)である。記憶部74は、制御部78の演算内容やプログラムの情報などを記憶するメモリであり、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。通信部76は、制御部78の制御により、外部装置、ここではデッキクレーン制御装置22と通信することでデータの送受信をする。通信部76は、例えばアンテナであり、無線通信によりデッキクレーン制御装置22とデータの送受信を行う。ただし、通信部76は、デッキクレーン制御装置22と有線で接続されて、有線通信により情報を送受信するものであってもよい。制御部78は、演算装置、すなわちCPU(Central Processing Unit)である。

0039

制御部78は、油圧情報取得部80と、波形生成部82と、状態判断部84とを有する。本実施形態において、油圧情報取得部80と、波形生成部82と、状態判断部84とは、記憶部74に記憶されたソフトウェア(プログラム)を読み出すことで、後述する処理を実行する。ただし、油圧情報取得部80と、波形生成部82と、状態判断部84とは、専用の回路であってもよい。

0040

油圧情報取得部80は、通信部76を介して、デッキクレーン制御装置22が生成したそれぞれの時間波形、すなわち、昇降油時間波形と、俯仰旋回油時間波形と、旋回速度の時間波形と、俯仰速度の時間波形と、昇降速度の時間波形とを取得する。油圧情報取得部80は、時間波形を逐次取得する必要はなく、例えば数日、数週間、数か月に一度などの所定の期間毎に取得すればよい。また、油圧情報取得部80が時間波形を取得するタイミングは、予め設定されたものでなくてよく、異常の検出を行おうとするタイミングで、取得してよい。なお、この場合の時間波形のデータは、油圧情報取得部80が時間波形を前回取得した時刻からの、全時間を含むデータであることに限られず、その全時間より短い時間のデータであってよい。油圧情報取得部80が取得する時間波形のデータは、例えば数時間などのデータであってよい。また、油圧情報取得部80は、時間波形を、例えば電子メールにより受信してもよい。

0041

波形生成部82は、油圧情報取得部80が取得した油圧の時間波形をフーリエ変換することで、周波数毎の油圧波形を生成する。すなわち、波形生成部82は、油圧の時間波形を、フーリエ変換して、周波数毎に油圧の強度を示す波形に変換する。具体的には、波形生成部82は、昇降油時間波形をフーリエ変換して、昇降油配管36における油圧の周波数毎の波形である昇降油圧波形を生成する。そして、波形生成部82は、俯仰旋回油時間波形をフーリエ変換して、俯仰旋回油配管38における油圧の周波数毎の波形である俯仰旋回油圧波形を生成する。

0042

状態判断部84は、波形生成部82が生成した周波数毎の油圧波形、すなわち、昇降油圧波形と俯仰旋回油圧波形とを取得する。また、状態判断部84は、予め記憶部74に記憶されていた、正常油圧波形を読み出す。正常油圧波形とは、予め設定されている周波数毎の油圧波形であり、デッキクレーン10に不具合が発生していない正常時における、周波数毎の油圧波形である。状態判断装置24は、昇降油配管36における正常油圧波形である正常昇降油圧波形と、俯仰旋回油配管38における正常油圧波形である正常俯仰旋回油圧波形とを、予め記憶部74に記憶させている。

0043

そして、状態判断部84は、波形生成部82が生成した周波数毎の油圧波形と、正常油圧波形とに基づき、デッキクレーン10の状態を判定する。すなわち、状態判断部84は、波形生成部82が生成した周波数毎の油圧波形と、正常油圧波形とに基づき、デッキクレーン10に異常が生じているか、又は異常が生じる可能性があるかを判断する。具体的には、状態判断部84は、昇降油圧波形と正常昇降油圧波形とを比較することで、昇降装置15の状態を判断する。状態判断部84は、俯仰旋回油圧波形と正常俯仰旋回油圧波形とを比較することで、旋回装置13及び俯仰装置14の状態を判断する。

0044

以下、状態判断部84による状態判定の例について説明する。図6は、時間波形の例を示すグラフである。図6の一番上のグラフは、時間毎の昇降速度の値を示す波形であり、すなわち、昇降速度の時間波形である。図6の上から二番目のグラフは、時間毎の俯仰速度の値を示す波形であり、すなわち、俯仰速度の時間波形である。図6の上から三番目のグラフは、時間毎の旋回速度の値を示す波形であり、すなわち、旋回速度の時間波形である。図6の上から四番目のグラフは、時間毎の昇降油配管36における油圧を示す波形であり、すなわち、昇降油時間波形である。図6の上から五番目のグラフは、時間毎の俯仰旋回油配管38における油圧を示す波形であり、すなわち、俯仰旋回油時間波形である。

0045

図6の例では、時刻t0から時刻t6までの時間波形を示している。図6の例では、昇降速度の時間波形に示すように、時刻t0から時刻t1まで昇降装置15を駆動して、俯仰速度の時間波形に示すように、時刻t2から時刻t3まで俯仰装置14を駆動して、旋回速度の時間波形に示すように、時刻t4から時刻t5まで旋回装置13を駆動している。そして、昇降油時間波形は、時刻t0から、時刻t1の若干後の時刻まで、油圧が変動した波形となっており、俯仰旋回油時間波形は、時刻t2から時刻t5の若干後の時刻まで、油圧が変動した波形となっている。ただし、これらの時間波形は一例であり、時間波形は、各装置の状態や制御内容に応じたものとなる。

0046

図7及び図8は、昇降油圧波形の一例を示すグラフであり、図9は、正常昇降油圧波形の一例を示すグラフである。図7は、状態判断部84に正常であると判断される場合の昇降油圧波形の一例を示しており、図8は、状態判断部84に異常であると判断される場合の昇降油圧波形の一例を示している。また、閾値T1は、状態判断部84が異常であると判断するためのピーク強度の閾値を示している。閾値T1は、予め設定された閾値である。図7に示す昇降油圧波形は、ピークP1Aを有する波形となる。また、図8に示す昇降油圧波形は、ピークP1Aと同じ周波数帯域にピークP1Bを有し、さらに、ピークP1Aと異なる周波数帯域に、ピークP2を有している。図8の例では、ピークP2は、ピークP1Aより周波数帯域が高いピークであり、ピークP1Aより強度が小さいが、閾値T1より強度が高くなっている。一方、図9に示すように、正常昇降油圧波形は、ピークP1A、P1Bと同じ周波数帯域に、ピークP1Cを有する。しかし、正常昇降油圧波形は、ピークP2と同じ周波数帯域に、閾値T1より強度が高くなるピークを有していない。

0047

このように、図7に示す昇降油圧波形は、閾値T1より強度が高いピークP1Aが、正常昇降油圧波形のピークP1Cと、同じ周波数帯域にある。そして、図7に示す昇降油圧波形は、正常昇降油圧波形のピークP1Cと異なる周波数帯域に、閾値T1より強度が高いピークを有さない。状態判断部84は、このような場合に、昇降装置15や昇降油配管36に異常が生じていない、すなわち正常であると判定する。言い換えれば、状態判断部84は、昇降油圧波形の有する閾値T1以上のピークの周波数帯域が、正常昇降油圧波形の有する閾値T1以上のピークの周波数帯域と一致する場合は、昇降装置15や昇降油配管36に異常が生じていないと判断する。

0048

一方、図8に示す昇降油圧波形は、閾値T1より強度が高いピークP1Bは、正常昇降油圧波形のピークP1Cと、同じ周波数帯域にある。しかし、正常昇降油圧波形は、昇降油圧波形の閾値T1より強度が高いピークP2の周波数帯域に、強度が閾値T1以上となるピークを有していない。状態判断部84は、このような場合に、昇降装置15や昇降油配管36に異常が生じていると判定する。言い換えれば、昇降油圧波形が、強度が閾値T1以上なるピーク(ここではピークP2)を有し、かつ、正常昇降油圧波形が、そのピーク(ここではピークP2)の周波数帯域に、閾値T1以上の強度のピークを有さない場合、状態判断部84は、昇降装置15や昇降油配管36に異常が生じていると判定する。このように、状態判断部84は、正常昇降油圧波形において強度が閾値T1以上となるピークが無い周波数帯域に、昇降油圧波形の強度が閾値T1以上となるピーク(以下、異常ピークとする)が、少なくとも1つあれば、昇降装置15や昇降油配管36に異常が生じていると判定する。ただし、状態判断部84は、異常ピークが1つであることを判断の閾値としなくてもよく、異常ピークが2つ以上となる所定数以上あれば、昇降装置15や昇降油配管36に異常が生じていると判定してもよい。

0049

図10及び図11は、俯仰旋回油圧波形の一例を示すグラフであり、図12は、正常俯仰旋回油圧波形の一例を示すグラフである。図10は、状態判断部84に正常であると判断される場合の俯仰旋回油圧波形の一例を示しており、図11は、状態判断部84に異常であると判断される場合の俯仰旋回油圧波形の一例を示している。また、閾値T2は、状態判断部84が異常であると判断するためのピーク強度の閾値を示している。閾値T2は、予め設定された閾値である。図10に示す俯仰旋回油圧波形は、ピークP3Aを有する波形となる。また、図11に示す俯仰旋回油圧波形は、ピークP3Aと同じ周波数帯域にピークP3Bを有し、さらに、ピークP3Aと異なる周波数帯域に、ピークP4を有している。図11の例では、ピークP4は、ピークP3Aより周波数帯域が高いピークであり、ピークP3Aより強度が小さいが、閾値T2より強度が高くなっている。一方、図12に示すように、正常俯仰旋回油圧波形は、ピークP3A、P3Bと同じ周波数帯域に、ピークP3Cを有する。しかし、正常俯仰旋回油圧波形は、ピークP4と同じ周波数帯域に、閾値T2より強度が高くなるピークを有していない。

0050

このように、図10に示す俯仰旋回油圧波形は、閾値T2より強度が高いピークP3Aが、正常俯仰旋回油圧波形のピークP3Cと、同じ周波数帯域にある。そして、図10に示す俯仰旋回油圧波形は、正常俯仰旋回油圧波形のピークP3Cと異なる周波数帯域に、閾値T2より強度が高いピークを有さない。状態判断部84は、このような場合に、旋回装置13や俯仰装置14や俯仰旋回油配管38に異常が生じていない、すなわち正常であると判定する。言い換えれば、状態判断部84は、俯仰旋回油圧波形の有する閾値T2以上のピークの周波数帯域が、正常俯仰旋回油圧波形の有する閾値T2以上のピークの周波数帯域と一致する場合は、旋回装置13や俯仰装置14や俯仰旋回油配管38に異常が生じていないと判断する。

0051

一方、図11に示す俯仰旋回油圧波形は、閾値T2より強度が高いピークP3Bは、正常俯仰旋回油圧波形のピークP3Cと、同じ周波数帯域にある。しかし、正常俯仰旋回油圧波形は、俯仰旋回油圧波形の閾値T2より強度が高いピークP4の周波数帯域に、強度が閾値T2以上となるピークを有していない。状態判断部84は、このような場合に、旋回装置13や俯仰装置14や俯仰旋回油配管38に異常が生じていると判定する。すなわち、状態判断部84は、昇降油圧波形と同様に、俯仰旋回油圧波形に異常ピークが少なくとも1つあれば、旋回装置13や俯仰装置14や俯仰旋回油配管38に異常が生じていると判定する。ただし、状態判断部84は、異常ピークが、2つ以上となる所定数以上あれば、旋回装置13や俯仰装置14や俯仰旋回油配管38に異常が生じていると判定してもよい。

0052

例えば、昇降油配管36や俯仰旋回油配管38において、バイパス弁40や他の図示しない弁から、作動油Oが漏れている場合、油圧が異常脈動し、昇降油圧波形や俯仰旋回油圧波形は、正常昇降油圧波形や正常俯仰旋回油圧波形と異なる周波数帯域にピークを有する可能性がある。状態判断部84は、上記のように油圧波形と正常油圧波形とのピークを比較して、異なる周波数帯域のピークである異常ピークがある場合に、異常があると判断する。従って、状態判断装置24は、作動油Oの漏れなどの異常を、検出することが可能となる。なお、検出される異常としては、作動油Oの漏れに限られず、正常油圧波形に対して油圧波形に変化が生じるものであれば、検出可能である。

0053

また、状態判断部84は、これらの油圧波形に加え、旋回速度、俯仰速度、及び昇降速度の検出結果にも基づき、判定を行ってもよい。例えば、状態判断部84は、俯仰旋回油圧波形に異常ピークが生じており、かつ、旋回速度が異常であって俯仰速度が正常である場合に、俯仰装置14は正常であるが、旋回装置13に異常が生じていると判断してもよい。旋回速度が異常である場合とは、例えば、作業者が命令した速度と、速度センサが検出した実際の速度が異なる場合などが挙げられる。同様に、状態判断部84は、俯仰旋回油圧波形に異常ピークが生じており、かつ、俯仰速度が異常であって旋回速度が正常である場合に、旋回装置13は正常であるが、俯仰装置14に異常が生じていると判断してもよい。

0054

状態判断部84は、異常であると判断した場合、異常がある旨を、出力部72に出力させる。出力部72は、異常がある旨を、画面に表示してもよいし、音として通知してもよい。すなわち、状態判断部84は、異常がある旨を操作者に通知させればよい。また、状態判断部84は、異常であると判断した場合、異常がある旨の情報を、通信部76を介して、デッキクレーン制御装置22に出力してもよい。デッキクレーン制御装置22は、通信部56を介して異常がある旨の情報を受信したら、動作制御部60の制御により、異常がある旨を、出力部52に出力させる。この場合も、異常がある旨の通知方法は、画像や音など、任意である。また、デッキクレーン制御装置22は、報知部11aにアラームを報知させることで、異常がある旨を通知してもよい。

0055

以上説明した異常検出の処理フローを、フローチャートに基づき説明する。図13は、本実施形態に係る異常検出の処理フローを説明するフローチャートである。図13に示すように、異常検出の際、デッキクレーン制御装置22が、油圧測定部36S、38Sに、昇降油配管36と俯仰旋回油配管38との油圧を測定させて、時間波形生成部64により、時間波形、すなわち昇降油時間波形と俯仰旋回油時間波形とを生成する(ステップS10)。そして、状態判断装置24は、所定の期間毎に、時間波形を取得して、油圧波形を生成する(ステップS12)。すなわち、状態判断装置24は、油圧情報取得部80により、所定の期間毎に、デッキクレーン制御装置22から、昇降油時間波形と俯仰旋回油時間波形とを取得する。そして、状態判断装置24は、波形生成部82により、昇降油時間波形と俯仰旋回油時間波形とをフーリエ変換して、周波数毎の油圧の強度を示す、昇降油圧波形と俯仰旋回油圧波形とを生成する。

0056

そして、状態判断装置24は、状態判断部84により、油圧波形と正常油圧波形とを比較して(ステップS14)、異常があるかを判定する(ステップS16)。状態判断部84は、昇降油圧波形と正常昇降油圧波形とを比較して、昇降油圧波形に異常ピークがある場合に、昇降装置15や昇降油配管36に異常が生じていると判断する。そして、状態判断部84は、俯仰旋回油圧波形と正常俯仰旋回油圧波形とを比較して、俯仰旋回油圧波形に異常ピークがある場合に、旋回装置13や俯仰装置14や俯仰旋回油配管38に異常が生じていると判断する。状態判断装置24は、異常があると判断した場合(ステップS16;Yes)、異常がある旨を通知し(ステップS18)、本処理を終了する。状態判断装置24は、異常があると判断しない場合(ステップS16;No)、すなわち異常がないと判断した場合、本処理を終了する。ただし、状態判断装置24は、異常がないと判断した場合、異常がない旨を通知してもよい。

0057

以上説明したように、本実施形態に係る状態判断装置24は、船舶101のデッキ102に配置されるデッキクレーン10の状態を判断する。状態判断装置24は、油圧情報取得部80と、波形生成部82と、状態判断部84とを有する。油圧情報取得部80は、デッキクレーン10を駆動するための油圧回路31における油圧を時間毎に測定して、油圧の時間波形を取得する。波形生成部82は、油圧の時間波形をフーリエ変換することで、周波数毎の油圧波形を生成する。状態判断部84は、波形生成部82が生成した周波数毎の油圧波形と、予め設定された正常油圧波形と基づき、デッキクレーン10の状態を判断する。正常油圧波形とは、正常時のデッキクレーン10における周波数毎の油圧波形であり、予め設定(記憶)されている油圧波形である。

0058

デッキクレーン10は、船舶101とともに移動するため、メンテナンスを行える機会が限定されており、実際にデッキクレーン10の各部を調べて状態を判断する機会が限られる。それに対し、本実施形態に係る状態判断装置24は、油圧センサによって油圧を測定しておき、その油圧の測定結果から、周波数毎の油圧波形を生成する。そして、その油圧波形を、予め設定しておいた正常油圧波形と比較することで、デッキクレーン10の状態を判断する。従って、この状態判断装置24によると、実際にデッキクレーン10の各部を調べることなく、状態を判断して異常検出を行う事が可能となり、デッキクレーン10の状態を的確に把握することができる。

0059

また、状態判断装置24は、フーリエ変換した油圧波形を用いるため、実際に故障が生じる前に、油圧の変動を検知して、故障の予兆を、異常として検出することも可能となり、デッキクレーン10の状態を的確に把握することができる。また、状態判断装置24は、ある時間における時間波形から油圧波形を生成することが可能であるため、常にデッキクレーン10の状態を検出していなくても、必要な際にだけ検出を行うことで、異常検出を行う事が可能となる。

0060

なお、本実施形態においては、状態判断部84が、状態を判断していたが、状態判断部84による状態の判断は、作業者が行ってもよい。この場合、状態判断装置24は、油圧波形と正常油圧波形とを、出力部52に出力したり紙面印刷したりすることで、作業者に通知する。作業者は、油圧波形と正常油圧波形とを比較することで、状態判断装置24と同様の方法で、状態を判断する。従って、このように作業者が判断しても、同様に、デッキクレーン10の状態を的確に把握することができる。

0061

すなわち、本実施形態における状態判断方法は、油圧情報取得ステップと、波形生成ステップと、状態判断ステップとを有し、状態判断ステップについては、作業者が行ってもよい。油圧情報取得ステップにおいては、デッキクレーン10を駆動するための油圧回路31における油圧を時間毎に測定して、油圧の時間波形を取得する。波形生成ステップにおいては、油圧の時間波形をフーリエ変換することで、周波数毎の油圧波形を生成する。状態判断ステップにおいては、波形生成部82が生成した周波数毎の油圧波形と、予め設定された正常油圧波形と基づき、デッキクレーン10の状態を判断する。

0062

また、状態判断部84は、油圧波形が、強度が閾値以上となるピークを有し、かつ、正常油圧波形が、油圧波形のピークがある周波数帯域に前記閾値以上の強度のピークを有さない場合に、デッキクレーン10に異常が生じていると判断する。この状態判断部84は、油圧波形が、正常油圧波形がピークを有さない周波数帯域に、ピーク、すなわち異常ピークを有する場合に、異常が生じていると判断する。従って、状態判断装置24は、デッキクレーン10の状態を的確に把握することができる。

0063

また、状態判断部84は、油圧波形の強度が閾値以上となるピークの周波数帯域が、正常油圧波形の強度が閾値以上となるピークの周波数帯域と一致する場合に、デッキクレーン10に異常が生じていないと判断する。この状態判断部84は、油圧波形が、正常油圧波形と同じ周波数帯域にピークを有する場合に、デッキクレーン10に異常が生じていないと判断する。従って、状態判断装置24は、デッキクレーン10の状態を的確に把握する。

0064

また、油圧回路31は、昇降油配管36と、俯仰旋回油配管38とを有している。昇降油配管36は、フック18aを昇降する昇降装置15に油を供給する配管である。俯仰旋回油配管38は、ジブ12を俯仰させる俯仰装置14と、デッキクレーン10を旋回させる旋回装置13とに、油を供給する配管である。油圧情報取得部80は、昇降油配管36における油圧の時間波形と、俯仰旋回油配管38における油圧の時間波形とを取得する。波形生成部82は、昇降油配管36における油圧の周波数毎の波形である昇降油圧波形と、俯仰旋回油配管38における油圧の周波数毎の波形である俯仰旋回油圧波形と、を生成する。状態判断部84は、昇降油圧波形に基づき、昇降装置15に異常が生じているかを判断し、俯仰旋回油圧波形に基づき、俯仰装置14又は旋回装置13に異常が生じているかを判断する。この状態判断装置24は、昇降油圧波形と俯仰旋回油圧波形とに基づき状態を判断するため、デッキクレーン10の状態を的確に把握することができる。

0065

また、状態判断装置24は、昇降装置15、俯仰装置14、及び旋回装置13の駆動速度の検出結果を取得する。状態判断部84は、さらにこれらの駆動速度にも基づき、デッキクレーン10の状態を判断する。この状態判断装置24は、油圧波形に加え、駆動速度にも基づきデッキクレーン10の状態を判断するため、デッキクレーン10の状態をより好適に把握することができる。

0066

以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。

0067

10デッキクレーン
11旋回体
12ジブ
13旋回装置
13a伝達機構
14俯仰装置
15昇降装置
18aフック
20油圧駆動装置
22 デッキクレーン制御装置
24状態判断装置
30主電動機
31油圧回路
32、34油圧ポンプ
36昇降油配管
36S、38S油圧測定部
38 俯仰旋回油配管
60動作制御部
62測定値取得部
64時間波形生成部
80 油圧情報取得部
82波形生成部
84状態判断部
100 デッキクレーンシステム
101船舶
102 デッキ

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