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技術 封止樹脂組成物の運搬方法及び梱包物

出願人 住友ベークライト株式会社
発明者 伊藤祐輔
出願日 2019年4月22日 (11ヶ月経過) 出願番号 2019-080745
公開日 2019年9月12日 (6ヶ月経過) 公開番号 2019-151408
状態 未査定
技術分野 包装体 高分子組成物
主要キーワード 外側包装 内側包装 崩壊角 ワイヤー長 ヒートフロー 自動成形 球状無機フィラー 硬化物比重
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年9月12日)のものです。
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図面 (10)

課題

封止樹脂組成物包装資材に収容後、使用するために包装資材から取出すまでの間に発生しうる、一部の封止樹脂組成物同士の固結を抑制する。

解決手段

包装資材(外側包装資材(10)及び内側包装資材(20))に収容され、かつ、10℃以下の状態で運搬される顆粒状の封止樹脂組成物(30)の運搬方法であって、封止樹脂組成物を収容した包装資材(外側包装資材及び内側包装資材)を、温度4℃、相対湿度35%で24時間放置し、次いで、温度23℃、相対湿度50%で24時間放置した後に包装資材(外側包装資材及び内側包装資材)から取出した封止樹脂組成物は、差角が10度以上となる条件で、包装資材(外側包装資材及び内側包装資材)に収容された封止樹脂組成物を運搬する運搬方法。

概要

背景

特許文献1には、半導体素子封止するために使用される半導体封止用エポキシ樹脂成形材料梱包方法に関する発明が開示されている。当該発明では、梱包状態での半導体封止用エポキシ樹脂成形材料への吸湿を防止するため、乾燥材と半導体封止用エポキシ樹脂成形材料を同一袋内に入れて封緘する。

概要

封止樹脂組成物包装資材に収容後、使用するために包装資材から取出すまでの間に発生しうる、一部の封止樹脂組成物同士の固結を抑制する。包装資材(外側包装資材(10)及び内側包装資材(20))に収容され、かつ、10℃以下の状態で運搬される顆粒状の封止樹脂組成物(30)の運搬方法であって、封止樹脂組成物を収容した包装資材(外側包装資材及び内側包装資材)を、温度4℃、相対湿度35%で24時間放置し、次いで、温度23℃、相対湿度50%で24時間放置した後に包装資材(外側包装資材及び内側包装資材)から取出した封止樹脂組成物は、差角が10度以上となる条件で、包装資材(外側包装資材及び内側包装資材)に収容された封止樹脂組成物を運搬する運搬方法。

目的

本発明は、顆粒状の封止樹脂組成物を包装資材に収容後発生しうる、一部の封止樹脂組成物同士の固結を抑制することを課題とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

顆粒状の封止樹脂組成物包装資材に収容し、かつ、10℃以下の状態で運搬する前記顆粒状の封止樹脂組成物の運搬方法であって、前記封止樹脂組成物の嵩密度をM(g/cc)、前記包装資材内に収容された状態における、前記封止樹脂組成物による堆積物の高さをL(cm)とすると、M×L≦25を満たし、前記封止樹脂組成物を収容した前記包装資材を、温度4℃、相対湿度35%で24時間放置し、次いで、温度23℃、相対湿度50%で24時間放置した後に前記包装資材から取出した前記封止樹脂組成物は、差角が10度以上となる運搬方法。

請求項2

顆粒状の封止樹脂組成物を包装資材に収容し、かつ、10℃以下の状態で運搬する前記顆粒状の封止樹脂組成物の運搬方法であって、前記封止樹脂組成物の嵩密度をM(g/cc)、前記包装資材内に収容された状態における、前記封止樹脂組成物による堆積物の高さをL(cm)とすると、M×L≦25を満たし、前記封止樹脂組成物を収容した前記包装資材を、温度4℃、相対湿度35%で24時間放置し、次いで、温度23℃、相対湿度50%で24時間放置した後に前記包装資材から取出した前記封止樹脂組成物は、目開き2mmのパス品の含有率が90重量%以上となる運搬方法。

請求項3

請求項1又は2に記載の運搬方法において、前記包装資材は、前記封止樹脂組成物が直接収容される内側包装資材と、前記内側包装資材が収容される1つまたは複数の部屋を内部に有する外側包装資材とを含み、前記外側包装資材内に収容された状態における1つの前記内側包装資材の高さをH(cm)とすると、M×H≦25を満たす運搬方法。

請求項4

請求項1又は2に記載の運搬方法において、前記包装資材は、前記封止樹脂組成物が直接収容される1つまたは複数の部屋を内部に有する外側包装資材を含み、前記外側包装資材の底面を地面に載置した状態における前記部屋の高さをN(cm)とすると、M×N≦25を満たす運搬方法。

請求項5

請求項1から4のいずれか1項に記載の運搬方法において、前記封止樹脂組成物は、無機フィラーを含む運搬方法。

請求項6

請求項1から5のいずれか1項に記載の運搬方法において、前記封止樹脂組成物は、エポキシ樹脂を含む運搬方法。

請求項7

請求項1から6のいずれか1項に記載の運搬方法において、前記封止樹脂組成物は、フェノール樹脂を含む運搬方法。

請求項8

請求項1から4のいずれか1項に記載の運搬方法において、前記封止樹脂組成物は、圧縮成形により素子封止するために用いられる顆粒状の封止用エポキシ樹脂組成物であって、(a)エポキシ樹脂と、(b)硬化剤と、(c)無機フィラーとを必須成分として含み、温度変調示差走査熱量計を用いて測定した前記封止用エポキシ樹脂組成物の粉粒体ガラス転移温度が12℃以上35℃以下である運搬方法。

請求項9

請求項1から8のいずれか1項に記載の運搬方法において、前記封止樹脂組成物は、ビフェニルアラルキル樹脂を含む運搬方法。

請求項10

請求項1から9のいずれか1項に記載の運搬方法において、前記封止樹脂組成物は、ビフェニル型エポキシ樹脂を含む運搬方法。

請求項11

請求項1から10のいずれか1項に記載の運搬方法において、前記封止樹脂組成物は、ホスフィン化合物キノン化合物との付加物を含む運搬方法。

請求項12

請求項1から11のいずれか1項に記載の運搬方法において、前記封止樹脂組成物が直接収容される前記包装資材は、ポリエチレンで構成されている運搬方法。

請求項13

請求項12に記載の運搬方法において、前記ポリエチレンは、透湿度が5g/m2・日以上20g/m2・日以下である運搬方法。

請求項14

包装資材と、前記包装資材内に収容された顆粒状の封止樹脂組成物と、を有し、前記封止樹脂組成物を収容した前記包装資材を、温度4℃、相対湿度35%で24時間放置し、次いで、温度23℃、相対湿度50%で24時間放置した後に前記包装資材から取出した前記封止樹脂組成物は、差角が10度以上である梱包物

請求項15

包装資材と、前記包装資材内に収容された顆粒状の封止樹脂組成物と、を有し、前記封止樹脂組成物を収容した前記包装資材を、温度4℃、相対湿度35%で24時間放置し、次いで、温度23℃、相対湿度50%で24時間放置した後に前記包装資材から取出した前記封止樹脂組成物は、目開き2mmの篩パス品の含有率が90重量%以上である梱包物。

技術分野

0001

本発明は、封止樹脂組成物運搬方法及び梱包物に関する。

背景技術

0002

特許文献1には、半導体素子封止するために使用される半導体封止用エポキシ樹脂成形材料梱包方法に関する発明が開示されている。当該発明では、梱包状態での半導体封止用エポキシ樹脂成形材料への吸湿を防止するため、乾燥材と半導体封止用エポキシ樹脂成形材料を同一袋内に入れて封緘する。

先行技術

0003

特開2004−90971号公報

発明が解決しようとする課題

0004

本発明者は、半導体素子、トランジスタサイリスタダイオード固体撮像素子コンデンサ抵抗LEDなどの電子部品を封止するために使用される顆粒状の封止樹脂組成物において、以下のような課題を見出した。

0005

従来、例えば袋などの内側包装資材に封止樹脂組成物を収容した後、1つまたは複数の当該内側包装資材を、金属缶段ボールなどからなる1つの外側包装資材に収容し、当該状態で保管及び運送していた。そして、使用時にこれらの包装資材開封し、包装資材から封止樹脂組成物を取り出し、そして、取出した封止樹脂組成物を使用していた。

0006

ここで、顆粒状の封止樹脂組成物の場合、包装資材に収容後、使用するために包装資材から取出すまでの間に、一部の封止樹脂組成物同士が固結し、塊状となる場合や潜在的に塊状となりやすい状態(すなわち後述の移送プロセスで塊状となってしまう状態)となっている場合があった。このような塊状物は、例えば半導体素子を圧縮成形する際、包装資材から取出した顆粒状封止樹脂組成物を成形機の所定の場所に供給し、フィーダー等に移送し、フィーダーから樹脂材料供給容器に移送し、計量するプロセスで不具合が発生し、円滑な自動成形の妨げになる恐れがあった。また、圧縮成形時金型上に配置した顆粒状組成物に塊状物が存在するとその部分だけが熱の伝わりが遅く、封止樹脂組成物が完全に溶融しきらないまま型締めを行うことになり、ワイヤーが変形したり、未充填が発生する恐れがあった。

0007

本発明は、顆粒状の封止樹脂組成物を包装資材に収容後発生しうる、一部の封止樹脂組成物同士の固結を抑制することを課題とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明によれば、
顆粒状の封止樹脂組成物を包装資材に収容し、かつ、10℃以下の状態で運搬する前記顆粒状の封止樹脂組成物の運搬方法であって、
前記封止樹脂組成物の嵩密度をM(g/cc)、
前記包装資材内に収容された状態における、前記封止樹脂組成物による堆積物の高さをL(cm)とすると、M×L≦25を満たし、
前記封止樹脂組成物を収容した前記包装資材を、温度4℃、相対湿度35%で24時間放置し、次いで、温度23℃、相対湿度50%で24時間放置した後に前記包装資材から取出した前記封止樹脂組成物は、差角が10度以上となる運搬方法が提供される。

0009

また、本発明によれば、
顆粒状の封止樹脂組成物を包装資材に収容し、かつ、10℃以下の状態で運搬する前記顆粒状の封止樹脂組成物の運搬方法であって、
前記封止樹脂組成物の嵩密度をM(g/cc)、
前記包装資材内に収容された状態における、前記封止樹脂組成物による堆積物の高さをL(cm)とすると、M×L≦25を満たし、
前記封止樹脂組成物を収容した前記包装資材を、温度4℃、相対湿度35%で24時間放置し、次いで、温度23℃、相対湿度50%で24時間放置した後に前記包装資材から取出した前記封止樹脂組成物は、目開き2mmのパス品の含有率が90重量%以上となる運搬方法が提供される。

0010

また、本発明によれば、
包装資材と、
前記包装資材内に収容された顆粒状の封止樹脂組成物と、
を有し、
前記封止樹脂組成物を収容した前記包装資材を、温度4℃、相対湿度35%で24時間放置し、次いで、温度23℃、相対湿度50%で24時間放置した後に前記包装資材から取出した前記封止樹脂組成物は、差角が10度以上である梱包物が提供される。

0011

また、本発明によれば、
包装資材と、
前記包装資材内に収容された顆粒状の封止樹脂組成物と、
を有し、
前記封止樹脂組成物を収容した前記包装資材を、温度4℃、相対湿度35%で24時間放置し、次いで、温度23℃、相対湿度50%で24時間放置した後に前記包装資材から取出した前記封止樹脂組成物は、目開き2mmの篩パス品の含有率が90重量%以上である梱包物が提供される。

発明の効果

0012

本発明によれば、顆粒状の封止樹脂組成物を包装資材に収容後発生しうる、一部の封止樹脂組成物同士の固結を抑制できる。

図面の簡単な説明

0013

上述した目的、および、その他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、および、それに付随する以下の図面によって、さらに明らかになる。
本実施形態の梱包方法で顆粒状の封止樹脂組成物を梱包した状態の一例を模式的に示す断面図である。
本実施形態の外側包装資材の一例を模式的に示す斜視図である。
本実施形態の外側包装資材の一例を模式的に示す斜視図である。
本実施形態の外側包装資材の一例を模式的に示す斜視図である。
本実施形態の封止樹脂組成物を用いて圧縮成形により半導体素子を封止して半導体装置を得る方法における、搬送から量までの一例の概略図である。
本実施形態の封止樹脂組成物を用いて圧縮成形により半導体素子を封止して半導体装置を得る方法における、金型の下型キャビティへの供給方法の一例の概略図である。
本実施形態に係る封止樹脂組成物を用いて、リードフレームに搭載した半導体素子を封止して得られる半導体装置の一例について、断面構造を示した図である。
本実施形態に係る封止樹脂組成物を用いて、回路基板に搭載した半導体素子を封止して得られる半導体装置の一例について、断面構造を示した図である。
安息角(φ)、崩壊角(θ)の測定方法を示した概略図である。

0014

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。

0015

<<第1の実施形態>>
まず、本実施形態の概念について説明する。包装資材に収容された顆粒状の封止樹脂組成物(以下、単に「封止樹脂組成物」と言う場合がある)は、その後、様々な場所に運搬されていくが、10℃以下の状態(10℃以下に保たれた空間内に保管された状態)で運搬される場合がある。そして、所定の場所に運搬された後、封止樹脂組成物は室温に戻され、当該状態で使用される。なお、所定の場所に運搬された後、使用されるまでの間、10℃以下の状態で保管される場合がある。

0016

本発明者は、このような環境の変化、すなわち、10℃以下の状態で所定時間放置された後、室温に戻されて所定時間放置される環境の変化により、封止樹脂組成物同士の固結が促進され得ることを見出した。そして、上述のような環境変化後の封止樹脂組成物が適切な状態となるようにコントロールすることで、封止樹脂組成物同士の固結の問題を低減できることを新たに見出した。

0017

本実施形態の運搬方法は、包装資材に収容され、かつ、10℃以下の状態で運搬される顆粒状の封止樹脂組成物の運搬方法であって、以下の(条件1)及び(条件2)の少なくとも一方の条件下で、包装資材に収容された封止樹脂組成物を運搬することを特徴とする。本発明者は、以下の(条件1)及び(条件2)の少なくとも一方の条件下で包装資材に収容された顆粒状の封止樹脂組成物を運搬した場合、封止樹脂組成物同士の固結の問題を低減できることを確認した。

0018

(条件1)封止樹脂組成物を収容した包装資材を、温度4℃、相対湿度35%で24時間放置し、次いで、温度23℃、相対湿度50%で24時間放置した後に包装資材から取出した封止樹脂組成物は、差角が10度以上となる条件。なお、差角が11度以上となる条件が好ましく、差角が12度以上となる条件がより好ましい。差角がこのような条件を満たす場合、封止樹脂組成物を成形機内で搬送、計量する際の固結トラブルの低減や金型上での封止樹脂組成物の撒きむらによるワイヤー変形の抑制の点で好ましい。

0019

差角は、安息角と崩壊角との差である。安息角及び崩壊角の測定装置としては、パウダーテスター(ホソカワミクロン(株)製)等が挙げられる。

0020

(条件2)封止樹脂組成物を収容した包装資材を、温度4℃、相対湿度35%で24時間放置し、次いで、温度23℃、相対湿度50%で24時間放置した後に包装資材から取出した封止樹脂組成物は、目開き2mmの篩パス品を90重量%以上含有する条件。なお、目開き2mmの篩パス品を95重量%以上含有する条件がより好ましい。このような条件を満たす場合、封止樹脂組成物を成形機内で搬送、計量する際の固結トラブルの低減や金型上での封止樹脂組成物の撒きむらによるワイヤー変形の抑制を優れたものとすることができる。

0021

以降では、「封止樹脂組成物を収容した包装資材を、温度4℃、相対湿度35%で24時間放置し、次いで、温度23℃、相対湿度50%で24時間放置する処理」を、「常温戻し処理」という。

0022

以下、上記(条件1)及び(条件2)の少なくとも一方の条件を満たす手段の一例について説明する。

0023

本発明者は、顆粒状の封止樹脂組成物同士が所定以上の力で押しつけられ合った状態で、常温戻し処理がなされた場合、封止樹脂組成物同士の固結が促進されると考えた。そして、常温戻し処理がなされる際における封止樹脂組成物同士が互いに押しつけられ合う力を所定の値以下(未満)となるようにコントロールすることで、上記条件1及び条件2の少なくとも一方を実現でき、封止樹脂組成物の成形機内での搬送、計量する際の固結トラブルの低減や金型上での封止樹脂組成物の撒きむらによるワイヤー変形の抑制を優れたものとすることができることを見出した。

0024

ところで、包装資材内の下方側に収容された封止樹脂組成物には、上方側に収容された封止樹脂組成物の重さに起因した力が加わる。例えば、1つの内側包装資材(袋)内に、高さ方向に積み重なるように多量の封止樹脂組成物を収容した場合、当該包装資材内の下方側に位置する封止樹脂組成物には、当該包装資材内の上方側に位置する封止樹脂組成物の重さに起因した力が加わる。また、1つの外側包装資材(段ボールなど)内に複数の内側包装資材を積み重ねて収容した場合、下方側に位置する内側包装資材内に収容された封止樹脂組成物には、上方側に位置する内側包装資材内に収容された封止樹脂組成物の重さに起因した力が加わる。

0025

本発明者は、封止樹脂組成物同士が互いに押しつけられ合う力をコントロールする手段として、包装資材内の上方側に収容された封止樹脂組成物の重さに起因して下方側に収容された封止樹脂組成物に加わる力(以下、「自重力」という)をコントロールする手段を検討した。すなわち、封止樹脂組成物に加わる自重力の最大値、具体的には、下方側に位置する封止樹脂組成物に加わる自重力の最大値を適切にコントロールする手段を検討した。そして、自重力を適切にコントロールすることで、上記条件1及び条件2の少なくとも一方を実現できることを見出した。

0026

次に、封止樹脂組成物に加わる自重力をコントロールする手段の一例について説明する。

0027

図1に、包装資材に収容された顆粒状の封止樹脂組成物の断面模式図の一例を示す。図1に示すように、本実施形態では、封止樹脂組成物30を内側包装資材20に収容し、封緘した後、当該内側包装資材20を外側包装資材10に収容する。そして、封止樹脂組成物30の嵩密度をM(g/cc)、包装資材内に収容された状態における封止樹脂組成物30による堆積物の高さをL(cm)とすると、M×L≦25を満たすようにする。本発明者は、当該条件を満たすように、以下で説明する封止樹脂組成物30を梱包した場合、上記(条件1)及び(条件2)の少なくとも一方の条件を満たすことを確認している。また、M×Lの値を25以下の範囲でより小さくなる方向に適切に調整することで、以下の実施例で示すように、常温戻し処理後の差角が上記列挙した好ましい角度となる条件や、目開き2mmの篩パス品の含有率が上記列挙した好ましい範囲となる条件を満たすことを確認している。具体的には、M×L≦20を満たすのがより好ましく、M×L≦15を満たすのがより好ましい。

0028

なお、外側包装資材10内に収容された状態における内側包装資材20の高さをH(cm)とした場合、M×H≦25を満たしてもよい。L≦Hの関係を必ず満たすので、M×H≦25を満たす場合、M×L≦25も必ず満たすこととなる。なお、M×H≦20を満たすのがより好ましく、M×H≦15を満たすのがより好ましい。

0029

さらに、外側包装資材10により形成される内側包装資材20を収容する空間(部屋)の高さをN(cm)とした場合、M×N≦25を満たしてもよい。L≦Nの関係を必ず満たすので、M×N≦25を満たす場合、M×L≦25も必ず満たすこととなる。なお、M×N≦20を満たすのがより好ましく、M×N≦15を満たすのがより好ましい。

0030

<封止樹脂組成物30>
封止樹脂組成物30は、半導体素子、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード、固体撮像素子、コンデンサ、抵抗、LEDなどの電子部品を封止するために使用される。封止樹脂組成物30は、(a)エポキシ樹脂、(b)硬化剤、(c)無機フィラー、(d)硬化促進剤、(e)カップリング剤の中の一つ以上を含んでもよい。そして、封止樹脂組成物30は顆粒状である。嵩密度は製造方法や製造条件などによりその分布の態様が異なるが、例えば0.5g/cc以上1.5g/cc以下にコントロールすることができる。本発明では特に封止樹脂組成物の嵩密度が0.8g/cc以上1.4g/cc以下、好ましくは0.9g/cc以上1.3g/cc以下の嵩密度の封止樹脂組成物においてその効果がより顕著となる。本実施形態の封止樹脂組成物30が上記の嵩密度を得るには、封止樹脂組成物30の硬化物真比重が1.6g/cc以上2.3g/cc以下、好ましくは1.8g/cc以上2.1g/cc以下である場合において、任意の粒度分布調整手段を使用して、2mm以上の粒子の割合が3質量%以下、2mm未満1mm以上の粒子の割合が15質量%以上50質量%以下、1mm未満106μm以上の粒子の割合が45質量%以上80質量%以下、粒径106μm未満の微粉が5質量%以下、好ましくは2mm以上の粒子の割合が1.5質量%以下、2mm未満1mm以上の粒子の割合が20質量%以上45質量%以下、1mm未満106μm以上の粒子の割合が50質量%以上75質量%以下、粒径106μm未満の微粉が3質量%以下の粒度分布に調整すればよい。粒度分布調整手段としては、当業者に公知のものであれば何ら差し支えないが、粉砕篩分法、遠心製粉法ホットカット法などを使用することができ、中でも粒度調整が容易であるので粉砕篩分法が好ましい。篩分けJIS標準篩を用いることができる。

0031

なお、ここでの嵩密度は以下の方法で測定した値である。

0032

パウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社製)を用い、内径50.46mm、深さ50mm、容積100cm3の測定容器の上部に円筒を取り付けたものに封止樹脂組成物30の試料をゆるやかに入れた後、180回のタッピングを行い、その後、上部円筒を取り除き、測定容器上部に堆積した試料をブレードすりきり、測定容器に充填された試料の重量を測定することにより求める。

0033

次に、封止樹脂組成物30が含有できる各成分について詳述し、その後、封止樹脂組成物30の製造方法の一例を説明する。

0034

[(a)エポキシ樹脂]
(a)エポキシ樹脂の例は、1分子内にエポキシ基を2個以上有するモノマーオリゴマーポリマー全般であり、その分子量、分子構造を特に限定するものではないが、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂スチルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂等の結晶性エポキシ樹脂クレゾールノボラック型エポキシ樹脂フェノールノボラック型エポキシ樹脂ナフトールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂フェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレン骨格含有ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、アルコキシナフタレン骨格含有フェノールアラルキルエポキシ樹脂等のフェノールアラルキル型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂等の3官能型エポキシ樹脂ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、テルペン変性フェノール型エポキシ樹脂等の変性フェノール型エポキシ樹脂;トリアジン核含有エポキシ樹脂等の複素環含有エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、分子構造にビフェニル骨格を持ちエポキシ当量が180以上であるものを用いることが好ましい。

0035

(a)エポキシ樹脂全体の配合割合の下限値については、特に限定されないが、全樹脂組成物中に、2質量%以上であることが好ましく、4質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。配合割合の下限値が上記範囲内であると、流動性の低下等を引き起こす恐れが少ない。また、(a)エポキシ樹脂全体の配合割合の上限値についても、特に限定されないが、全樹脂組成物中に、25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、13質量%以下であることがより好ましい。配合割合の上限値が上記範囲内であると、耐半田性の低下等を引き起こす恐れが少ない。また、固結を生じにくくするため、用いるエポキシ樹脂の種類に応じて配合割合を適宜調整することが望ましい。

0036

[(b)硬化剤]
(b)硬化剤としては、エポキシ樹脂と反応して硬化させるものであれば特に限定されず、例えば、エチレンジアミントリメチレンジアミンテトラメチレンジアミンヘキサメチレンジアミン等の炭素数2〜20の直鎖脂肪族ジアミンメタフェニレンジアミンパラフェニレンジアミンパラキシレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルプロパン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノジシクロヘキサンビス(4−アミノフェニルフェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレンメタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサンジシアノジアミド等のアミン類アニリン変性レゾール樹脂ジメチルエーテルレゾール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂フェノールノボラック樹脂クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂ノニルフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;フェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂等のフェノールアラルキル樹脂;ナフタレン骨格アントラセン骨格のような縮合多環構造を有するフェノール樹脂ポリパラオキシスチレン等のポリオキシスチレンヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸MTHPA)などの脂環族酸無水物、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸BTDA)などの芳香族酸無水物などを含む酸無水物等;ポリサルファイドチオエステルチオエーテルなどのポリメルカプタン化合物イソシアネートプレポリマーブロック化イソシアネートなどのイソシアネート化合物カルボン酸含有ポリエステル樹脂などの有機酸類が例示される。これらは1種類を単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらの内、半導体封止材料に用いる硬化剤としては、耐湿性信頼性等の点から、1分子内に少なくとも2個のフェノール性水酸基を有する化合物が好ましく、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂、トリスフェノールメタンノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;レゾール型フェノール樹脂;ポリパラオキシスチレン等のポリオキシスチレン;フェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂等が例示される。また、分子構造にフェニレン及び/又はビフェニル骨格を持ち水酸基当量が160以上であるものを用いることが好ましい。

0037

(b)硬化剤全体の配合割合の下限値については、特に限定されないが、全樹脂組成物中に、1.5質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。配合割合の下限値が上記範囲内であると、充分な流動性を得ることができる。また、(b)硬化剤全体の配合割合の上限値についても、特に限定されないが、全樹脂組成物中に、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、8質量%以下であることがより好ましい。配合割合の上限値が上記範囲内であると、良好な耐半田性を得ることができる。また、固結を生じにくくするため、用いる硬化剤の種類に応じて配合割合を適宜調整することが望ましい。

0038

また、(b)硬化剤としてフェノール樹脂系硬化剤を用いる場合においては、エポキシ樹脂全体とフェノール樹脂系硬化剤全体との配合比率としては、エポキシ樹脂全体のエポキシ基数(EP)とフェノール樹脂系硬化剤全体のフェノール性水酸基数(OH)との当量比(EP/OH)が0.8以上、1.3以下であることが好ましい。当量比がこの範囲内であると、樹脂組成物成形時に充分な硬化性を得ることができる。また、当量比がこの範囲内であると、樹脂硬化物における良好な物性を得ることができる。また、エリア表面実装型の半導体装置における反りの低減という点を考慮すると、樹脂組成物の硬化性及び樹脂硬化物のガラス転移温度又は熱時弾性率を高めることができるように、用いる硬化促進剤の種類に応じてエポキシ樹脂全体のエポキシ基数(EP)と(b)硬化剤全体のフェノール性水酸基数(OH)との当量比(EP/OH)を調整することが望ましい。また、融け性を向上させるため、用いるエポキシ樹脂、フェノール樹脂系硬化剤の種類に応じて当量比を適宜調整することが望ましい。

0039

またエポキシ樹脂全体とフェノール樹脂系硬化剤全体の封止樹脂組成物における配合割合の下限値は3.5質量%以上が好ましく、7質量%以上がより好ましく、10質量%以上がより好ましい。上限値は45質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましく、21質量%以下がより好ましい。前記範囲内とすることで良好な耐半田性などの電子部品の信頼性や流動性、充填性などの成形性等を良好にすることができ、固結を生じにくくすることができる。

0040

[(c)無機フィラー]
(c)無機フィラーとしては、封止樹脂組成物30としたとき固結性が良好であれば特に制限はなく、例えば、溶融破砕シリカ溶融球状シリカ結晶性シリカ、2次凝集シリカ等のシリカ;アルミナ窒化ケイ素窒化アルミニウム窒化ホウ素酸化チタン炭化ケイ素水酸化アルミニウム水酸化マグネシウムチタンホワイトタルククレーマイカガラス繊維等が挙げられる。これらの中でも、特にシリカが好ましく、溶融球状シリカがより好ましい。また、粒子形状は限りなく真球状であることが好ましく、また、粒子の大きさの異なるものを混合することにより充填量を多くすることができる。また、樹脂組成物の融け性を向上させるため、溶融球状シリカを用いるのが好ましい。

0041

(c)無機フィラーは1種または2種以上のフィラーを混合していてもよく、その全体の比表面積SSA)は、5m2/g以下であると好ましく、下限は、0.1m2/g以上が好ましく、2m2/g以上がより好ましい。また、(c)無機フィラー全体の平均粒径(D50)は、1μm以上30μm以下であると好ましく、2μm以上20μm以下がより好ましく、5μm以上20μm以下がより好ましい。

0042

(c)無機フィラーとしては、比表面積(SSA)及び/又は平均粒径(D50)が異なる2種以上の(c)無機フィラーを用いることもできる。

0043

平均粒径(D50)が相対的に大きい(c)無機フィラーの例として、平均粒径(D50)が好ましくは5μm以上35μm以下、より好ましくは10μm以上30μm以下の球状シリカが挙げられる。このような平均粒径(D50)が相対的に大きい(c)無機フィラーの含有量は、(c)無機フィラー全体に対して、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、より好ましくは60質量%以上とすることができる。

0044

平均粒径(D50)が相対的に大きい(c)無機フィラーの好ましい例として、平均粒径(D50)が5μm以上35μm以下であり、かつ、下記(i)乃至(v)をいずれも満たす粒子径分布を備えた溶融球状シリカ(c1)が挙げられる。

0045

(i)粒子径が1μm以下の粒子を(c1)溶融球状シリカ全体を基準として、1〜4.5質量%含む、
(ii)粒子径が2μm以下の粒子を7質量%以上11質量%以下含む、
(iii)粒子径が3μm以下の粒子を13質量%以上17質量%以下含む、
(iv)粒子径が48μmを超える粒子を2質量%以上7質量%以下含む、
(v)粒子径が24μmを超える粒子を33質量%以上40質量%以下含む。

0046

このような(c1)溶融球状シリカの含有量は、(c)無機フィラー中に好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、より好ましくは60質量%以上とすることができる。こうすることで、融け性をより優れたものとすることができる。

0047

平均粒径(D50)が相対的に大きい(c)無機フィラーとして、比表面積が好ましくは0.1m2/g以上5.0m2/g以下、より好ましくは1.5m2/g以上5.0m2/g以下の球状シリカを用いることが好ましい。このような球状シリカの含有量は、(c)無機フィラー全体に対して、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、より好ましくは60質量%以上とすることができる。

0048

また、平均粒径(D50)が相対的に小さい(c)無機フィラーの例として、平均粒径(D50)が好ましくは0.1μm以上5μm未満の球状シリカが挙げられる。このような平均粒径(D50)が相対的に小さい(c)無機フィラーの含有量は、(c)無機フィラー全体に対して、好ましくは60質量%以下、より好ましくは45質量%以下、より好ましくは、30質量%以下とすることができる。

0049

平均粒径(D50)が相対的に小さい(c)無機フィラーの好ましい例として、平均粒径(D50)が0.1μm以上5μm未満の溶融球状シリカ(c2)、より好ましい例として平均粒径(D50)が0.1μm以上1μm以下の溶融球状シリカ(c3)、および平均粒径(D50)が1μm以上5μm未満の溶融球状シリカ(c4)を各々単独または組合わせて用いる例が挙げられる。

0050

また、平均粒径(D50)が相対的に小さい(c)無機フィラーとして、比表面積が3.0m2/g以上10.0m2/g以下、より好ましくは3.5m2/g以上8m2/g以下の球状シリカが挙げられる。このような球状シリカの含有量は、(c)無機フィラー全体に対して、好ましくは80質量%以下、より好ましくは50質量%以下、より好ましくは20質量%以下とすることができる。

0051

比表面積(SSA)及び/又は平均粒径(D50)が異なる(c)無機フィラーを組み合せる場合のより好ましい態様としては、(c)無機フィラー中に、(c1)溶融球状シリカを70質量%以上94質量%以下含み、かつ、(c2)溶融球状シリカを6質量%以上30質量%以下含むことが好ましい。より好ましい態様としては、(c)無機フィラー中に、(c1)溶融球状シリカを70質量%以上94質量%以下含み、平均粒径(D50)が0.1μm以上1μm以下の(c3)溶融球状シリカを1質量%以上29質量%以下、および平均粒径(D50)が1μm以上5μm以下の(c4)溶融球状シリカを1質量%以上29質量%以下含み、かつ前記(c3)溶融球状シリカおよび(c4)溶融球状シリカの合計量が6質量%以上30質量%以下含むものとすることができる。こうすることで、よりいっそう優れた融け性が発現し好ましい。

0052

なお、本実施形態において、(c)無機フィラーの比表面積(SSA)は、市販の比表面積計(例えば、(株)マウンテック製MACSORB HM−MODEL−1201等)で測定して求めたものをいう。また、(c)無機フィラーの平均粒径(D50)及び粒子径は、市販のレーザー式粒度分布計(例えば、(株)島津製作所製、SALD−7000等)で測定して求めたものをいう。

0053

(c)無機フィラーの含有割合の下限値としては、本実施形態の封止樹脂組成物30全体を基準として60質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましい。(c)無機フィラーの含有割合の下限値が上記範囲内であると、樹脂組成物の硬化物物性として、吸湿量が増加したり、強度が低下したりすることがなく、良好な耐半田クラック性を得ることができ、固結を生じにくいものとなる。また、(c)無機フィラーの含有割合の上限値としては、樹脂組成物全体の95質量%以下であることが好ましく、92質量%以下であることがより好ましく、90質量%以下であることが特に好ましい。(c)無機フィラーの含有割合の上限値が上記範囲内であると、流動性が損なわれることがなく、良好な成形性を得ることができる。また、良好な耐半田性が得られる範囲内で、(c)無機フィラーの含有量を低く設定することが好ましい。

0054

[(d)硬化促進剤]
(d)硬化促進剤としては、エポキシ基とフェノール性水酸基との硬化反応を促進させるものであればよく、一般に封止材料に使用するものを用いることができる。具体例としては、有機ホスフィンテトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物ホスフィン化合物キノン化合物との付加物ホスホニウム化合物シラン化合物との付加物等のリン原子含有化合物;1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、イミダゾールなどのアミジン系化合物ベンジルジメチルアミンなどの3級アミンや前記化合物の4級オニウム塩であるアミジニウム塩アンモニウム塩などに代表される窒素原子含有化合物が挙げられる。これらのうち、硬化性の観点からはリン原子含有化合物が好ましく、流動性と硬化性のバランスの観点からは、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物等の潜伏性を有する硬化促進剤がより好ましい。流動性という点を考慮するとテトラ置換ホスホニウム化合物が特に好ましく、また耐半田性の観点では、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物が特に好ましく、また潜伏的硬化性という点を考慮すると、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物が特に好ましい。また、連続成形性の観点では、テトラ置換ホスホニウム化合物が好ましい。また、コスト面を考えると、有機ホスフィン、窒素原子含有化合物も好適に用いられる。

0055

本実施形態に係る封止樹脂組成物30で用いることができる有機ホスフィンとしては、例えばエチルホスフィンフェニルホスフィン等の第1ホスフィン;ジメチルホスフィン、ジフェニルホスフィン等の第2ホスフィン;トリメチルホスフィントリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の第3ホスフィンが挙げられる。

0056

本実施形態に係るエポキシ樹脂組成物で用いることができるテトラ置換ホスホニウム化合物としては、例えば下記一般式(1)で表される化合物等が挙げられる。

0057

0058

一般式(1)において、Pはリン原子を表し、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して芳香族基又はアルキル基を表し、Aはヒドロキシル基カルボキシル基チオール基から選ばれる官能基のいずれかを芳香環に少なくとも1つ有する芳香族有機酸アニオンを表し、AHはヒドロキシル基、カルボキシル基、チオール基から選ばれる官能基のいずれかを芳香環に少なくとも1つ有する芳香族有機酸を表し、x及びyは1〜3の数であり、zは0〜3の数であり、かつx=yである。

0059

一般式(1)で表される化合物は、例えば以下のようにして得られるが、これに限定されるものではない。まず、テトラ置換ホスホニウムハライドと芳香族有機酸と塩基有機溶剤に混ぜ均一に混合し、その溶液系内に芳香族有機酸アニオンを発生させる。次いで、水を加えると、一般式(1)で表される化合物を沈殿させることができる。一般式(1)で表される化合物において、合成時の収得率と硬化促進効果のバランスに優れるという観点では、リン原子に結合するR1、R2、R3及びR4がフェニル基であり、かつAHはヒドロキシル基を芳香環に有する化合物、すなわちフェノール化合物であり、かつAは該フェノール化合物のアニオンであるのが好ましい。なお、フェノール化合物とは、単環のフェノールクレゾールカテコールレゾルシン縮合多環式ナフトールジヒドロキシナフタレン、複数の芳香環を備える(多環式の)ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノールフェニルフェノールフェノールノボラックなどを概念に含むものであり、中でも水酸基を2個有するフェノール化合物が好ましく用いられる。

0060

本実施形態に係るエポキシ樹脂組成物で用いることができるホスホベタイン化合物としては、例えば下記一般式(2)で表される化合物等が挙げられる。

0061

0062

一般式(2)において、Pはリン原子を表し、Oは酸素原子を表し、X1は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Y1はヒドロキシル基を表し、aは0〜5の数であり、bは0〜4の数である。

0063

一般式(2)で表される化合物は、例えば以下のようにして得られる。まず、第三ホスフィンであるトリ芳香族置換ホスフィンジアゾニウム塩とを接触させ、トリ芳香族置換ホスフィンとジアゾニウム塩が有するジアゾニウム基とを置換させる工程を経て得られる。しかしこれに限定されるものではない。

0064

本実施形態に係るエポキシ樹脂組成物で用いることができるホスフィン化合物とキノン化合物との付加物としては、例えば下記一般式(3)で表される化合物等が挙げられる。

0065

0066

一般式(3)において、Pはリン原子を表し、Oは酸素原子を表し、OHはヒドロキシ基を表し、R5、R6及びR7は、互いに独立して、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表し、R8、R9及びR10は、互いに独立して、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、R8とR9は互いに結合して環を形成していてもよい。

0067

ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物に用いるホスフィン化合物としては、例えばトリフェニルホスフィン、トリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(アルコキシフェニル)ホスフィン、トリナフチルホスフィン、トリス(ベンジル)ホスフィン等の芳香環に無置換又はアルキル基、アルコキシル基等の置換基が存在するものが好ましく、アルキル基、アルコキシル基等の置換基としては1〜6の炭素数を有するものが挙げられる。入手しやすさの観点からはトリフェニルホスフィンが好ましい。また、4−ヒドロキシ−2−(トリフェニルホスホニウムフェノラート等も挙げられる。

0068

またホスフィン化合物とキノン化合物との付加物に用いるキノン化合物としては、o−ベンゾキノンp−ベンゾキノンアントラキノン類が挙げられ、中でもp−ベンゾキノンが保存安定性の点から好ましい。

0069

ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物の製造方法としては、有機第三ホスフィンとベンゾキノン類の両者が溶解することができる溶媒中で接触、混合させることにより付加物を得ることができる。溶媒としてはアセトンメチルエチルケトン等のケトン類で付加物への溶解性が低いものがよい。しかしこれに限定されるものではない。

0070

一般式(3)で表される化合物において、リン原子に結合するR5、R6及びR7がフェニル基であり、かつR8、R9及びR10が水素原子である化合物、すなわち1,4−ベンゾキノンとトリフェニルホスフィンを付加させた化合物が硬化したエポキシ樹脂組成物の熱時弾性率を低下させる点で好ましい。

0071

本実施形態に係るエポキシ樹脂組成物で用いることができるホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物としては、例えば下記式(4)で表される化合物等が挙げられる。

0072

0073

一般式(4)において、Pはリン原子を表し、Siは珪素原子を表す。R11、R12、R13及びR14は、互いに独立して、芳香環又は複素環を有する有機基、あるいは脂肪族基を表し、X2は、基Y2及びY3と結合する有機基である。X3は、基Y4及びY5と結合する有機基である。Y2及びY3は、プロトン供与性基プロトンを放出してなる基を表し、同一分子内の基Y2及びY3が珪素原子と結合してキレート構造を形成するものである。Y4及びY5はプロトン供与性基がプロトンを放出してなる基を表し、同一分子内の基Y4及びY5が珪素原子と結合してキレート構造を形成するものである。X2、及びX3は互いに同一であっても異なっていてもよく、Y2、Y3、Y4、及びY5は互いに同一であっても異なっていてもよい。Z1は芳香環又は複素環を有する有機基、あるいは脂肪族基である。

0074

一般式(4)において、R11、R12、R13及びR14としては、例えば、フェニル基、メチルフェニル基メトキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基ナフチル基ヒドロキシナフチル基ベンジル基メチル基エチル基n−ブチル基、n−オクチル基及びシクロヘキシル基等が挙げられ、これらの中でも、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、ヒドロキシナフチル基等の置換基を有する芳香族基もしくは無置換の芳香族基がより好ましい。

0075

このような一般式(4)中の−Y2−X2−Y3−、及び−Y4−X3−Y5−で表される基は、プロトン供与体が、プロトンを2個放出してなる基で構成されるものであり、プロトン供与体としては、好ましくは分子内にカルボキシル基または水酸基を少なくとも2個有する有機酸が好ましく、さらに芳香環を構成する炭素上にカルボキシル基または水酸基を少なくとも2個有する芳香族化合物が好ましく、さらには芳香環を構成する隣接する炭素上に水酸基を少なくとも2個有する芳香族化合物がより好ましい。例えば、カテコール、ピロガロール、1,2−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,2'−ビフェノール、1,1'−ビ−2−ナフトールサリチル酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸クロラニル酸タンニン酸、2−ヒドロキシベンジルアルコール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,2−プロパンジオール及びグリセリン等が挙げられる。これらの中でも、原料入手の容易さと硬化促進効果のバランスという観点では、カテコール、1,2−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレンがより好ましい。

0076

また、一般式(4)中のZ1は、芳香環又は複素環を有する有機基又は脂肪族基を表し、これらの具体的な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基ブチル基、ヘキシル基及びオクチル基等の脂肪族炭化水素基や、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基及びビフェニル基等の芳香族炭化水素基グリシジルオキシプロピル基、メルカプトプロピル基、アミノプロピル基及びビニル基等の反応性置換基などが挙げられるが、これらの中でも、メチル基、エチル基、フェニル基、ナフチル基及びビフェニル基が熱安定性の面から、より好ましい。

0077

ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物の製造方法としては、メタノールを入れたフラスコに、フェニルトリメトキシシラン等のシラン化合物、2,3−ジヒドロキシナフタレン等のプロトン供与体を加えて溶かし、次に室温攪拌下ナトリウムメトキシドメタノール溶液滴下する。さらにそこへ予め用意したテトラフェニルホスホニウムブロマイド等のテトラ置換ホスホニウムハライドをメタノールに溶かした溶液を、室温攪拌下滴下すると結晶析出する。析出した結晶を濾過水洗真空乾燥すると、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物が得られる。しかし、これに限定されるものではない。

0078

(d)硬化促進剤全体の配合割合の下限値は、全樹脂組成物中0.1質量%以上であることが好ましい。(d)硬化促進剤全体の配合割合の下限値が上記範囲内であると、充分な硬化性を得ることができる。また、(d)硬化促進剤全体の配合割合の上限値は、全樹脂組成物中1質量%以下であることが好ましい。(d)硬化促進剤全体の配合割合の上限値が上記範囲内であると、充分な流動性を得ることができる。また、融け性を向上させるため、用いる硬化促進剤の種類に応じて配合割合を適宜調整することが望ましい。

0079

[(e)カップリング剤]
(e)カップリング剤としては、エポキシシランメルカプトシランアミノシランアルキルシランウレイドシランビニルシラン等の各種シラン系化合物チタン系化合物アルミニウムキレート類、アルミニウムジルコニウム系化合物等の公知のカップリング剤を用いることができる。これらを例示すると、ビニルトリクロロシランビニルトリメトキシシランビニルトリエトキシシランビニルトリス(β−メトキシエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−[ビス(β−ヒドロキシエチル)]アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(β−アミノエチル)アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N−(ジメトキシメチルシリルイソプロピル)エチレンジアミン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシランメチルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシリル−N−(1,3−ジメチルーブチリデンプロピルアミン加水分解物等のシラン系カップリング剤、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシルホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等のチタネート系カップリング剤などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0080

(e)カップリング剤の配合量は、(c)無機フィラーに対して0.05質量%以上3質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上2.5質量%以下がより好ましい。0.05質量%以上とすることで、フレームを良好に接着することができ、3質量%以下とすることで、成形性を向上させることができる。

0081

[その他]
本実施形態の封止樹脂組成物30には、上記の成分以外に、必要に応じて、カーボンブラック等の着色剤天然ワックス合成ワックス高級脂肪酸もしくはその金属塩類パラフィン酸化ポリエチレン等の離型剤シリコーンオイルシリコーンゴム等の低応力剤ハイドロタルサイト等のイオン捕捉剤;水酸化アルミニウム等の難燃剤酸化防止剤等の各種添加剤を配合することができる。

0082

[封止樹脂組成物のガラス転移温度]
以上述べてきた好ましい成分等を適宜使用し、後述する製造方法等で得た本実施形態の封止樹脂組成物のガラス転移温度(つまり硬化させる前の組成物のガラス転移温度)は15℃以上30℃以下が好ましい。前記範囲内とすることで固結しづらく、また金型上ですばやく溶融するという好ましい態様を有することができる。

0083

なお、封止樹脂組成物のガラス転移温度は温度変調示差走査熱量計(以下モジュレイテッドDSCまたはMDSCと記載する)を使用し、5℃/min、大気下で測定し、JISK7121に従って値を求めた。

0084

[製造方法]
次に、封止樹脂組成物30の製造方法の一例を説明する。

0085

本実施形態の封止樹脂組成物30は、上記成分を混合混練した後、粉砕、造粒押出切断、篩分等の各種の手法を単独または組み合わせることにより、顆粒状にすることができる。例えば、各原料成分ミキサー予備混合後、ロールニーダー又は押出機等の混練機により加熱混練後、複数の小孔を有する円筒状外周部と円盤状の底面から構成される回転子の内側に、溶融混練された樹脂組成物を供給し、その樹脂組成物を、回転子を回転させて得られる遠心力によって小孔を通過させて得る方法(遠心製粉法);前記と同様の混練後、冷却、粉砕工程を経て粉砕物としたものを、篩を用いて粗粒と微紛の除去を行って得る方法(粉砕篩分法);各原料成分をミキサーで予備混合後、スクリュー先端部に小径を複数配置したダイを設置した押出機を用いて、加熱混練を行うとともに、ダイに配置された小孔からストランド状に押し出されてくる溶融樹脂をダイ面に略平行に摺動回転するカッターで切断して得る方法(以下、「ホットカット法」とも言う。)等が挙げられる。いずれの方法でも混練条件、遠心条件、篩分条件、切断条件等を選ぶことにより、所望の粒度分布や嵩密度を得ることができる。なお、遠心製粉法は、例えば、特開2010−159400号公報に記載されている。

0086

<内側包装資材20>
内側包装資材20には、直接、封止樹脂組成物30が収容される。内側包装資材20は、例えば、プラスチック袋(例:ポリエチレン袋)、紙袋等の袋であってもよいし、または、所定の強度を有するプラスチック容器金属容器等であってもよい。内側包装資材20は、例えばポリエチレンで構成されていてもよい。ポリエチレンは、透湿度が5g/m2・日以上20g/m2・日以下のポリエチレンであってもよい。封止樹脂組成物30を収容後、内側包装資材20は封緘される。封緘の手段は特段制限されず、従来のあらゆる手段を利用できる。

0087

<外側包装資材10>
外側包装資材10には、封止樹脂組成物30を収容して封緘された内側包装資材20が収容される。また、外側包装資材10内に、直接、封止樹脂組成物30が収容されてもよい。外側包装資材10は、例えば、金属缶や段ボール箱等、所定の強度を有する容器とすることができる。なお、外側包装資材10の使用態様として、複数の外側包装資材10を多段に積み重ねたり、また、外側包装資材10の上に他の物品等を積み重ねたりする場合が考えられる。このような使用態様を想定し、外側包装資材10は、所定の重さ(設計的事項)の物品が積層されても大きく変形せず、当該物品の重さが当該外側包装資材10の内部に収容された封止樹脂組成物30にかからない程度の強度を有するのが好ましい。

0088

<梱包方法>
図1に示すように、本実施形態では、封止樹脂組成物30を内側包装資材20に収容し、封緘した後、当該内側包装資材20を外側包装資材10に収容する。そして、封止樹脂組成物30の嵩密度をM(g/cc)、包装資材内に収容された状態における封止樹脂組成物30による堆積物の高さをL(cm)とすると、M×L≦25を満たすようにする。なお、本実施形態において特に0.8g/cc以上1.4g/cc以下、好ましくは0.9g/cc以上1.3g/cc以下の嵩密度の封止樹脂組成物30においてその効果がより顕著となる。本実施形態では、要求性能などにより決定された封止樹脂組成物30の嵩密度Mに基づいて、堆積物の高さL(cm)をコントロールする。具体的には、M×L≦25を満たすように、堆積物の高さL(cm)の上限をコントロールする。高さLは27cm以下、好ましくは25cm以下、より好ましくは22cm以下、より好ましくは15cm以下とする。

0089

顆粒状の封止樹脂組成物30の高さL(cm)の上限のコントロールは、封止樹脂組成物30を収容するスペースの形状、大きさ、収容する量等を調整することで実現できる。その他、例えば、内側包装資材20の高さH(cm)の上限をコントロールすることで、実現してもよい(L≦H)。高さHが27cm以下、好ましくは25cm以下、より好ましくは22cm以下、より好ましくは15cm以下となるように調整する。または、外側包装資材10により形成される内側包装資材20を収容する空間の高さN(cm)の上限をコントロールすることで、実現してもよい(L≦H≦N)。

0090

ここで、高さH、Nは、通常の慣習に従い内側包装資材20及び/又は外側包装資材10の所定の面を底面として地面に載置した状態における高さを意味する(以下も同様)。例えば、包装資材に天地を特定する情報(文字記号など)が付されている場合、当該情報に従い包装資材を地面に載置した状態における高さを意味する。また、包装資材の側面に文字、図形などからなる模様が付されている場合、当該模様の上下が正しくなるように包装資材を地面に載置した状態における高さを意味する。しかし、本実施形態では外側包装資材10に如何なる向きに印字されていても、その物流、保管過程で本実施形態の作用効果に鑑みて、重力方向を下方向、その反対方向を上方向とした場合にその包装資材の下端から上方向に高さを測定し、M×H≦25なる関係を満たす場合、本実施形態の範囲内となる。

0091

なお、前記梱包方法等の本実施形態の梱包方法の内側包装資材20内、または外側包装資材10と内側包装資材20の間の空間に乾燥や酸素吸収の作用のある薬剤を有した容器を本実施形態の効果を損なわない方法で備えることもできる。

0092

<変形例1>
図1に示した実施形態では、1つの外側包装資材10に1つの内側包装資材20を収容していた。しかし、1つの外側包装資材10に複数の内側包装資材20を収容することもできる。

0093

例えば、図2に示すように、外側包装資材10の高さ方向に伸び仕切り11で、外側包装資材10の内部を複数の部屋に区分けしてもよい。そして、複数の内側包装資材20(不図示)を個別に、複数の部屋各々に収容してもよい。図2では、外側包装資材10の内部を4つの部屋に区分けしているが、その数は特段制限されない。また、図2では、各部屋の形状は四角柱となっているが、これに制限されず、その他、三角柱等であってもよい。

0094

本変形例においても、M×L≦25を満たすように封止樹脂組成物30を梱包する。なお、M×H≦25を満たすように封止樹脂組成物30を梱包してもよい。また、M×N≦25を満たすように封止樹脂組成物30を梱包してもよい。

0095

その他の変形例として、例えば、図3に示すように、外側包装資材10の高さ方向と略垂直な方向に伸びる仕切り12で、外側包装資材10の内部を複数の部屋に区分け(上下に区分け)してもよい。そして、複数の内側包装資材20(不図示)を個別に、複数の部屋各々に収容してもよい。図3では、外側包装資材10の内部を2つの部屋に区分けしているが、その数は特段制限されない。

0096

なお、図3に示すように複数の部屋を、外側包装資材10の高さ方向に積層した多段構成とする場合、上段側の部屋に収容された内側包装資材20の重さが、下段側の部屋に収容された内側包装資材20内の封止樹脂組成物30にかからないようにする上段支持手段を備えるのが好ましい。上段支持手段の構成は特段制限されないが、例えば、図3に示すように、外側包装資材10の4隅に設けられた所定高さの土台13で上段支持手段を実現してもよい。仕切り12は土台13の上に載置されることで、支持される。そして、仕切り12及び土台13を、上段に収容される封止樹脂組成物30を収容した内側包装資材20の重さに耐えうる強度に構成しておく。なお、土台13は、外側包装資材10の4隅以外の位置に設けてもよい。

0097

本変形例において、上段側の部屋に収容された内側包装資材20の重さが、下段側の部屋に収容された内側包装資材20内の封止樹脂組成物30にかからない場合、封止樹脂組成物30による堆積物の高さL(cm)は、各部屋に収容された内側包装資材20内の封止樹脂組成物30各々の堆積物の高さとなる。

0098

そして、本変形例においても、M×L≦25を満たすように封止樹脂組成物30を梱包する。なお、M×H≦25を満たすように封止樹脂組成物30を梱包してもよい。また、M×N≦25を満たすように封止樹脂組成物30を梱包してもよい。本変形例の場合、外側包装資材10により形成される内側包装資材20を収容する空間の高さNは、内側包装資材20を収容する各部屋の高さを意味する。

0099

その他の変形例として、例えば、図4に示すように、外側包装資材10の高さ方向に伸びる仕切り11と、高さ方向と垂直な方向に伸びる仕切り12とで、外側包装資材10の内部を複数の部屋に区分けしてもよい。そして、複数の部屋各々に、内側包装資材20(不図示)を収容してもよい。図4では、外側包装資材10の内部を8つの部屋に区分けしているが、その数は特段制限されない。本変形例においても、上段支持手段を備えるのが好ましいが、図4においては省略している。

0100

本変形例においても、M×L≦25を満たすように封止樹脂組成物30を梱包する。なお、M×H≦25を満たすように封止樹脂組成物30を梱包してもよい。また、M×N≦25を満たすように封止樹脂組成物30を梱包してもよい。本変形例の場合、外側包装資材10により形成される内側包装資材20を収容する空間の高さNは、内側包装資材20を収容する各部屋の高さを意味する。

0101

本変形例においても、図1を用いて説明した実施形態と同様の作用効果を実現できる。

0102

<変形例2>
図1に示した例及び変形例1では、通常の慣習に従い外側包装資材10の所定の面を底面として地面に載置した状態における高さ(L、HまたはN)を調整(変更)することで、自重力の最大値を所望の範囲に制限する構成を説明した。しかし、保管スペースなどの制限により、通常の慣習に従わず、外側包装資材10のその他の面を底面として地面に載置する使用形態も考えられる。

0103

そこで、本変形例では、外側包装資材10が有する複数の外面のいずれの面を底面として地面に載置しても、自重力の最大値を所望の範囲に制限できる構成とする。

0104

例えば、通常の慣習に従った外側包装資材10の底面と異なる面各々を底面として地面に載置した状態における内側包装資材20の高さをH´とすると、M×H´≦25を満たすように設計する。または、通常の慣習に従った外側包装資材10の底面と異なる面各々を底面として地面に載置した状態における、外側包装資材10により形成される内側包装資材20を収容する空間の高さをN´とすると、M×N´≦25を満たすように設計する。これらは、内側包装資材20の形状、または、外側包装資材10の形状、内部空間の仕切り方等を調整することで、実現することができる。

0105

なお、その他の構成は、図1に示した実施形態及び変形例1と同様である。本変形例においても、図1を用いて説明した実施形態と同様の作用効果を実現できる。

0106

<変形例3>
図1に示した実施形態及び変形例1及び2では、封止樹脂組成物30を内側包装資材20に収容し、当該内側包装資材20を外側包装資材10に収容していた。本変形例では、外側包装資材10に直接封止樹脂組成物30を梱包する。その他の構成は、図1に示した実施形態及び変形例1及び2と同様である。

0107

例えば、密閉性がよく、内部に1つ又は複数の部屋を有する外側包装資材10の各部屋に、封止樹脂組成物30を直接収容する。本変形例においても、M×L≦25を満たすように封止樹脂組成物30を梱包する。また、M×N≦25を満たすように封止樹脂組成物30を梱包してもよい。各部屋の高さN(cm)は、M×N≦25を満たすよう調整されている。なお、外側包装資材10が有する複数の外面のいずれを底面として地面に載置した場合にも、各部屋の高さをN(cm)は、M×N≦25を満たすよう調整されていてもよい。また、外側包装資材10の内部は多段になるように複数の部屋に区分けされていてもよい。かかる場合、ある部屋に収容された封止樹脂組成物30の重さが、他の部屋に収容された封止樹脂組成物30にかからないように、外側包装資材10は構成されているのが好ましい。このような構成は、上記説明した例(上段支持手段を利用する例)等を利用して実現できる。

0108

次に、顆粒状の封止樹脂組成物を用いて圧縮成形により半導体素子を封止してなる本実施形態の半導体装置について説明する。まず、本実施形態の顆粒状の封止樹脂組成物を用いて圧縮成形により半導体素子を封止して半導体装置を得る方法を説明する。

0109

顆粒状の封止樹脂組成物の秤量及び金型キャビティへの供給方法の概略図を図5及び6に示す。封止樹脂組成物30を瞬時に下型キャビティ104内に供給することができるシャッター等の樹脂材料供給機構を備えた樹脂材料供給容器102上に、振動フィーダー101等の搬送手段を用いて顆粒状の封止樹脂組成物30を一定量搬送し、顆粒状の封止樹脂組成物30が入れられた樹脂材料供給容器102を準備する(図5参照)。この際、樹脂材料供給容器102における顆粒状の封止樹脂組成物30の計量は、樹脂材料供給容器102の下に設置した計量手段により行うことができる。本実施形態で重要な固結により生じる塊状物の問題は本工程で生じる場合が多い。つまり、本発明において(条件1)または(条件2)を満たさない場合、顆粒状の封止樹脂組成物は搬送時の流動が円滑にならなかったり、固結しやすい状態だと、成形機投入時に既に塊状物が生じていたり、前記振動フィーダー101等での搬送中や、樹脂材料供給容器上でダマまたは顆粒の一部が搬送されず残存してしまうこととなり塊状物が生じてしまうなどの問題が生じる。次に圧縮成形金型上型下型の間に、顆粒状の封止樹脂組成物30が入れられた樹脂材料供給容器102を設置するとともに、半導体素子を搭載したリードフレーム又は回路基板を、クランプ吸着等の固定手段により圧縮成形金型の上型に、半導体素子搭載面が下側になるようにして固定する(図示せず)。尚、リードフレーム又は回路基板が貫通する部分のある構造の場合は、半導体素子搭載面の反対側の面にフィルム等を用いて裏打ちをする。

0110

次いで、樹脂材料供給容器102の底面を構成するシャッター等の樹脂材料供給機構により、秤量された顆粒状の封止樹脂組成物30を下型キャビティ104内へ供給すると(図6参照)、顆粒状の封止樹脂組成物30は下型キャビティ104内で所定温度にて溶融される。さらに、樹脂材料供給容器102を金型外へ搬出したのち、必要に応じてキャビティ内を減圧下にしながら、圧縮成形機により型締めを行って、溶融した封止樹脂組成物が半導体素子を取り囲むようにキャビティ内に充填させ、さらに所定時間、封止樹脂組成物を硬化させることにより、半導体素子を封止成形する。この際、前記塊状物が存在したり、顆粒の流動が円滑にならない場合、既に生じていた塊状物が金型上に載置され、または移送時に塊状物が生じてしまうなどの問題で熱回りが不均一となり、十分に溶融しない部分でワイヤー変形が増大する。所定時間経過後、金型を開き、半導体装置の取り出しを行う。なお、キャビティ内を減圧下にして脱気成形することは必須ではないが、封止樹脂組成物の硬化物中のボイドを低減できるため好ましい。また、リードフレーム又は回路基板に搭載される半導体素子は、複数であってもよく、かつ積層又は並列して搭載されていてもよい。

0111

本実施形態では上記(条件1)、(条件2)を満たすことで、封止樹脂組成物の成形機内での搬送、計量する際の固結トラブルの低減や金型上での封止樹脂組成物の撒きむらによるワイヤー変形の抑制に優れた効果を奏するものである。

0112

本実施形態の半導体装置で封止される半導体素子としては、特に限定されるものではなく、例えば、集積回路大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード、固体撮像素子等が挙げられる。

0113

本実施形態の半導体装置の形態としては、特に限定されないが、例えば、ボールグリッドアレイ(BGA)、MAPタイプのBGA等が挙げられる。又、チップ・サイズ・パッケージ(CSP)、クワッドフラット・ノンリーデッド・パッケージ(QFN)、スモールアウトライン・ノンリーデッド・パッケージ(SON)、リードフレーム・BGA(LF−BGA)等にも適用可能である。

0114

圧縮成形で封止樹脂組成物の硬化物により半導体素子を封止した本実施形態の半導体装置は、そのまま、或いは80℃から200℃程度の温度で、10分から10時間程度の時間をかけて完全硬化させた後、電子機器等に搭載される。

0115

以下に、リードフレーム又は回路基板と、リードフレーム又は回路基板上に積層又は並列して搭載された1以上の半導体素子と、リードフレーム又は回路基板と半導体素子とを電気的に接続するボンディングワイヤと、半導体素子とボンディングワイヤを封止する封止材とを備えた半導体装置について、図を用いて詳細に説明するが、本実施形態はボンディングワイヤを用いたものに限定されるものではない。

0116

図7は、本実施形態に係る封止樹脂組成物30を用いて、リードフレームに搭載した半導体素子を封止して得られる半導体装置の一例について、断面構造を示した図である。ダイパッド403上に、ダイボンド材硬化体402を介して半導体素子401が固定されている。半導体素子401の電極パッドとリードフレーム405との間はワイヤー404によって接続されている。半導体素子401は、本実施形態の封止樹脂組成物30の硬化体で構成される封止材406によって封止されている。

0117

図8は、本実施形態に係る封止樹脂組成物30を用いて、回路基板に搭載した半導体素子を封止して得られる半導体装置の一例について、断面構造を示した図である。回路基板408上にダイボンド材硬化体402を介して半導体素子401が固定されている。半導体素子401の電極パッドと回路基板408上の電極パッドとの間はワイヤー404によって接続されている。本実施形態の封止樹脂組成物30の硬化体で構成される封止材406によって、回路基板408の半導体素子401が搭載された片面側のみが封止されている。回路基板408上の電極パッド407は回路基板408上の非封止面側の半田ボール409と内部で接合されている。

0118

なお、本実施形態の封止樹脂組成物30は、集積回路、大規模集積回路などの半導体素子に限定されず、種々の素子、例えば、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード、固体撮像素子、コンデンサ、抵抗、LEDなどを封止することができる。

0119

<<第2の実施形態>>
本発明者は封止用エポキシ樹脂粒子同士の互着防止について鋭意検討し、温度変調示差走査熱量計を用いて測定したエポキシ樹脂組成物(封止用エポキシ樹脂組成物)の粉粒体ガラス転移温度という尺度が、上述した条件1及び条件2を満たすための設計指針として有効であることをさらに見出した。以下、本実施形態について説明する。

0120

本実施形態に係る顆粒状の封止用エポキシ樹脂組成物は、温度変調示差走査熱量計(Modulated Differential Scanning Calorimetry:MDSC)を用いて測定した粉粒体ガラス転移温度が12℃以上35℃以下である。この粉粒体ガラス転移温度が、かかる範囲にあることによって、条件1及び条件2が満たされやすくなる。

0121

温度変調示差走査熱量計を用いて測定した粉粒体ガラス転移温度とは、顆粒状の封止用エポキシ樹脂組成物の互着防止性を示す尺度である。この温度変調示差走査熱量計は、定速昇温と同時にサイン波状温度変調を加えて昇温する測定法である。このため、従来の示差走査熱量計とは異なり、比熱変化に対応したヒートフローを測定することができるようになり、より精密に樹脂組成物の互着防止性を評価することが可能となる。

0122

また、温度変調示差走査熱量計を用いて測定した粉粒体ガラス転移温度は、12℃以上35℃以下であることが好ましく、14℃以上30℃以下であるとより好ましい。この範囲にあることによって、条件1及び条件2が満たされやすくなる。

0123

ここで、温度変調示差走査熱量計を用いて測定した粉粒体ガラス転移温度は、具体的に、以下のように測定することができる。粉粒体ガラス転移温度は、5℃/min、大気気流下で温度変調示差走査熱量計を用いて測定し、JIS K7121に従って値を求めた。

0124

なお、本実施形態に係る封止用エポキシ樹脂組成物は、JIS標準篩を用いて篩分により測定した粒度分布における、特定の大きさの粒子の含有量を制御すると、封止用エポキシ樹脂組成物の互着防止性をより一層向上させることができる。

0125

9meshのJIS標準篩を用いて篩分により測定した封止用エポキシ樹脂組成物の粒度分布における、粒径2mm以上の粒子の含有量が、本実施形態に係る封止用エポキシ樹脂組成物に対して3質量%以下であることが好ましい。この範囲に制御することによって、互着防止性をより一層向上させることができる。なお、上記粒径2mm以上の粒子の含有量が1.5質量%以下であるとより好ましい。

0126

150meshのJIS標準篩を用いて篩分により測定した封止用エポキシ樹脂組成物の粒度分布における、粒径106μm未満の微粉の含有量についても、本実施形態に係る封止用エポキシ樹脂組成物に対して5質量%以下であることが好ましい。この範囲に制御することによって、互着防止性をより一層向上させることができる。なお、上記粒径106μm未満の微粉の含有量が3質量%以下であるとより好ましい。

0127

さらに粒度分布が上記条件1、条件2を満たすための好ましい態様としては、2mm以上の粒子の割合が3質量%以下、2mm未満1mm以上の粒子の割合が15質量%以上50質量%以下、1mm未満106μm以上の粒子の割合が45質量%以上80質量%以下、粒径106μm未満の微粉が5質量%以下、好ましくは2mm以上の粒子の割合が1.5質量%以下、2mm未満1mm以上の粒子の割合が20質量%以上45質量%以下、1mm未満106μm以上の粒子の割合が50質量%以上75質量%以下、粒径106μm未満の微粉が3質量%以下の粒度分布に調整すればよい。

0128

<封止樹脂組成物30>
本実施形態の封止樹脂組成物30は、(a)エポキシ樹脂と(b)硬化剤と、(c)無機フィラーとを必須成分として含むが、(d)硬化促進剤、(e)カップリング剤をさらに含んでいてもよい。以下、各成分について具体的に説明する。

0129

[(a)エポキシ樹脂]
(a)エポキシ樹脂は、配合割合を除くその他の構成は、第1の実施形態と同様とすることができる。

0130

(a)エポキシ樹脂全体の配合割合の下限値については、特に限定されないが、全樹脂組成物中に、2質量%以上であることが好ましく、4質量%以上であることがより好ましい。配合割合の下限値が上記範囲内であると、流動性の低下等を引き起こす恐れが少ない。また、(a)エポキシ樹脂全体の配合割合の上限値についても、特に限定されないが、全樹脂組成物中に、22質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。配合割合の上限値が上記範囲内であると、粉粒体ガラス転移温度の低下が少なく、互着を適正に抑制することができ、耐半田性の低下等を引き起こす恐れが少ない。また、融け性を向上させるため、用いる(a)エポキシ樹脂の種類に応じて配合割合を適宜調整することが望ましい。

0131

[(b)硬化剤]
(b)硬化剤は、配合割合を除くその他の構成は、第1の実施形態と同様とすることができる。

0132

(b)硬化剤全体の配合割合の下限値については、特に限定されないが、全樹脂組成物中に、2質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。配合割合の下限値が上記範囲内であると、充分な流動性を得ることができる。また、(b)硬化剤全体の配合割合の上限値についても、特に限定されないが、全樹脂組成物中に、16質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。配合割合の上限値が上記範囲内であると、粉粒体ガラス転移温度の低下が少なく、互着を適正に抑制することができ、良好な耐半田性を得ることができる。また、融け性を向上させるため、用いる(b)硬化剤の種類に応じて配合割合を適宜調整することが望ましい。

0133

また、(b)硬化剤としてフェノール樹脂系硬化剤を用いる場合において、エポキシ樹脂全体とフェノール樹脂系硬化剤全体との配合比率として、エポキシ樹脂全体のエポキシ基数(EP)とフェノール樹脂系硬化剤全体のフェノール性水酸基数(OH)との当量比(EP/OH)が0.8以上、1.3以下であることが好ましい。当量比がこの範囲内であると、樹脂組成物の成形時に充分な硬化性を得ることができる。また、当量比がこの範囲内であると、樹脂硬化物における良好な物性を得ることができる。また、エリア表面実装型の半導体装置における反りの低減という点を考慮すると、樹脂組成物の硬化性及び樹脂硬化物のガラス転移温度又は熱時弾性率を高めることができるように、用いる硬化促進剤の種類に応じてエポキシ樹脂全体のエポキシ基数(EP)と(b)硬化剤全体のフェノール性水酸基数(OH)との当量比(EP/OH)を調整することが望ましい。また、融け性を向上させるため、用いるエポキシ樹脂、フェノール樹脂系硬化剤の種類に応じて当量比を適宜調整することが望ましい。

0134

[(c)無機フィラー]
(c)無機フィラーは、含有割合を除くその他の構成は、第1の実施形態と同様とすることができる。

0135

(c)無機フィラーの含有割合の下限値としては、本実施形態の封止用エポキシ樹脂組成物全体を基準として61質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましい。(c)無機フィラーの含有割合の下限値が上記範囲内であると、粉粒体ガラス転移温度の低下が少なく、互着を適正に抑制することができ、樹脂組成物の硬化物物性として、吸湿量が増加したり、強度が低下したりすることがなく、良好な耐半田クラック性を得ることができる。また、(c)無機フィラーの含有割合の上限値としては、樹脂組成物全体の95質量%以下であることが好ましく、92質量%以下であることがより好ましく、90質量%以下であることが特に好ましい。(c)無機フィラーの含有割合の上限値が上記範囲内であると、流動性が損なわれることがなく、良好な成形性を得ることができる。また、良好な耐半田性が得られる範囲内で、(c)無機フィラーの含有量を低く設定することが好ましい。

0136

また、(a)エポキシ樹脂、(b)硬化剤、および(c)無機フィラーの含有量が、封止用エポキシ樹脂組成物の総量に対して、(a)2質量%以上22質量%以下、(b)2質量%以上16質量%以下、(c)61質量%以上、95質量%以下である時、特に互着を適正に抑制することができ、かつ優れた耐半田性等の信頼性や成形性を得ることができる。前記互着との関係は明らかではないが、封止用エポキシ樹脂組成物を一定期間保存静置した際に、粒子極表面近傍樹脂成分がわずかずつ塑性変形を生じると隣接粒子同士が融着するが、前記範囲であると、該塑性変形が生じにくくなるのではないかと考えられる。

0137

[(d)硬化促進剤]
(d)硬化促進剤の構成は第1の実施形態と同様とすることができる。

0138

[(e)カップリング剤]
(e)カップリング剤の構成は第1の実施形態と同様とすることができる。

0139

[その他]
本実施形態の封止樹脂組成物30には、上記の成分以外に、必要に応じて、カーボンブラック等の着色剤;天然ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸もしくはその金属塩類、パラフィン、酸化ポリエチレン等の離型剤;シリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力剤;ハイドロタルサイト等のイオン捕捉剤;水酸化アルミニウム等の難燃剤;酸化防止剤等の各種添加剤を配合することができる。

0140

なお、封止樹脂組成物30の製造方法、包装資材(内側包装資材20及び/又は外側包装資材10)の構成、梱包方法、封止樹脂組成物30を用いた半導体素子の封止方法及び封止された半導体装置の構成は第1の実施形態と同様である。

0141

以上説明した第1及び第2の実施形態によれば、封止樹脂組成物30を包装資材(内側包装資材20及び/又は外側包装資材10)内に収容した梱包物、及び、封止樹脂組成物30を包装資材(内側包装資材20及び/又は外側包装資材10)内に収容した状態で運搬する運搬方法の発明の説明もなされている。

0142

以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。

0143

実施例、比較例で用いた成分について下記に示す。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂1:ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製NC3000)
エポキシ樹脂2:ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、YX4000H)

0144

(フェノール樹脂)
フェノール樹脂1:ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂(明和化成(株)製、MEH−7851SS)
フェノール樹脂2:フェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂(三井化学(株)製、XLC−4L)

0145

(無機フィラー)
球状無機フィラー1:球状溶融シリカ(平均粒径16μm、比表面積2.1m2/g)
球状無機フィラー2:球状溶融シリカ(平均粒径10μm、比表面積4.7m2/g)
球状無機フィラー3:球状溶融シリカ(平均粒径32μm、比表面積1.5m2/g)

0146

球状無機フィラー1〜3中の粒子径の分布を表1に示す。

0147

0148

微球無機フィラー1:球状溶融シリカ(平均粒径0.5μm、比表面積6.1m2/g)
微球無機フィラー2:球状溶融シリカ(平均粒径1.5μm、比表面積4.0m2/g)

0149

(その他の成分)
硬化促進剤1:トリフェニルホスフィン
カップリング剤:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
カーボンブラック
ワックス:カルナバワックス

0150

<実施例1、2、5>
表2で示す配合のエポキシ樹脂組成物の原材料スーパーミキサーにより5分間粉砕混合したのち、この混合原料を直径65mmのシリンダー内径を持つ同方向回転二軸押出機にてスクリュー回転数30RPM、100℃の樹脂温度で溶融混練し、冷却、粉砕工程を経て粉砕物としたものを、篩を用いて粒度調整を行い粉粒状の封止樹脂組成物30を得た。封止樹脂組成物30の性状は表2に示す。

0151

次に上段支持手段を備えた図4に準じた梱包方法で上下段合わせて8部屋を備えた縦横32cm、高さ28cmの段ボールケース(外側包装資材10)に内側包装資材20としてポリ袋を用いて前記で得た封止樹脂組成物30を各々内側包装資材20の高さが表2に示す値となるように収納、封緘し、段ボールケースをガムテープで閉じた(この梱包方法をAと呼ぶ、表2においても同様の手法で表記)。このような梱包後、温度4℃、相対湿度35%で24時間放置し、次いで、開封しないまま温度23℃、相対湿度50%で24時間放置した(常温戻し処理)。

0152

なお、本実施例での内側包装資材の高さHは、梱包された封止樹脂組成物30が内側包装資材の上面に接する状態で測定したものであり、実質、内側包装資材の高さHと封止樹脂組成物30の高さLは同等とみなすことができる。ちなみに、内側包装資材の厚みは数百ミクロンであったので、当該厚みを考慮した場合の封止樹脂組成物30の高さLと内側包装資材20の高さHの誤差は数ミリであった。以下の実施例、比較例はすべて同様の厚みの内側包装資材を使用し、内側包装資材20の高さの測定も同様に行った。

0153

常温戻し処理後、圧縮成形機(TOWA株式会社製、PMC1040)の所定の位置に封止樹脂組成物30を投入したが、塊状物は全く見られなかった。さらに振動フィーダー上、樹脂材料供給容器上、金型上にそれぞれ搬送、散布された封止樹脂組成物30にも全く塊状物は見られなかった。

0154

<実施例3、4>
実施例1と同様に封止樹脂組成物30を得た。封止樹脂組成物30の性状は表2に示す。

0155

次に図2に準じた梱包方法で4部屋を備えた縦横32cm、高さ20cmの段ボールケース(外側包装資材10)に内側包装資材20としてポリ袋を用いて前記で得た封止樹脂組成物30を各々内側包装資材20の高さが表2に示す値となるように収納、封緘し、段ボールケースをガムテープで閉じた(本実施例の梱包方法をBと呼ぶ、表2においても同様の手法で表記)。このような梱包後、温度4℃、相対湿度35%で24時間放置し、次いで、開封しないまま温度23℃、相対湿度50%で24時間放置した(常温戻し処理)。

0156

常温戻し処理後、圧縮成形機(TOWA株式会社製、PMC1040)の所定の位置に封止樹脂組成物30を投入したが、塊状物は全く見られなかった。さらに振動フィーダー上、樹脂材料供給容器上、金型上にそれぞれ搬送、散布された封止樹脂組成物30にも全く塊状物は見られなかった。

0157

<比較例1乃至5>
表2に示す配合で実施例1と同様に封止樹脂組成物を得た。

0158

次に、ポリ袋の中に上記処理で得た封止樹脂組成物を収納した後、当該ポリ袋を、縦横32cm、高さ35cmの段ボールケースであって、図2と同様に内部が4部屋に区切られたものの中に、各ポリ袋の高さが表2に示す値となるように収納、封緘し(比較例の梱包方法をCと呼ぶ、表2においても同様の手法で表記)、実施例1と同様に常温戻し処理、及び、成形を行った。その結果いずれも塊状物が成形機投入時、または搬送、計量時等で見出された。

0159

0160

評価方法
実施例及び比較例における粉粒状の封止樹脂組成物を下記の方法で調整、評価した。

0161

1.比表面積(SSA)
(株)マウンテック製MACSORB HM−MODEL−1201を使用し、BET流動法により評価した。

0162

2.無機フィラーの平均粒径(D50)
(株)島津製作所製、SALD−7000を使用し、レーザー回折式粒度分布測定法にて評価した。D50はメジアン径である。

0163

3.封止樹脂組成物顆粒の粒度分布
ロータップ振動機備え付けた目開き2.00mm、1.00mm、及び0.106mmのJIS標準篩を用いて粒度分布を調整、決定した。

0164

4.真比重
得られた封止樹脂組成物を一旦所定の寸法のタブレット打錠し、トランスファー成形機を用い、金型温度175±5℃、注入圧力7MPa、硬化時間120秒で、直径50mm×厚さ3mmの円盤を成形し、質量、体積を求め硬化物比重を計算した。

0165

5.嵩密度
パウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社製)を用い、内径50.46mm、深さ50mm、容積100cm3の測定容器の上部に円筒を取り付けたものに封止樹脂組成物の試料をゆるやかに入れた後、180回のタッピングを行い、その後、上部円筒を取り除き、測定容器上部に堆積した試料をブレードですりきり、測定容器に充填された試料の重量を測定することにより求めた。

0166

6.スパイラルフロー
低圧トランスファー成形機コータキ精機社製、「KTS−15」)を用いて、ANSIASTMD 3123−72に準じたスパイラルフロー測定用金型に、175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間120秒の条件で、各実施例および各比較例の封止樹脂組成物を注入し、流動長を測定し、これをスパイラルフロー(cm)とした。

0167

7.差角
図9に示したとおり、パウダーテスター(ホソカワミクロン(株)製、型式—PT−E)に備え付けた直径80mmの円板水平板205の中心に向けて、漏斗201を用いて垂直方向から常温戻し処理後の顆粒状の樹脂組成物202を投入し、水平板205上に円錐状の顆粒体204を形成させた。顆粒状の樹脂組成物202の投入は円錐が一定形状を保つまで行い、分度器を用いて図5のように仰角(φ)を求め安息角とした。次に、水平板205と同じ台座206上にある109gの分銅203を高さ160mmのところから三回落下させ、衝撃によって一部の顆粒状の樹脂組成物が崩壊して脱落した後、水平板205上に残った円錐状の顆粒体207の仰角(θ)を、分度器を用いて図5のように求め崩壊角とした。そして、測定した安息角と崩壊角との差を求め差角とした。

0168

8.目開き2mmの篩パス品の含有率
常温戻し処理後の顆粒状の樹脂組成物をロータップ振動機に備え付けた目開き2mmのJIS標準篩を用い、20分間に亘って振動させながら40gの試料を篩に通して分級し篩に残る粒状体粒体の重量を計測した。このように計測した重量を分級前の試料の重量を基準にして重量比を算出した。

0169

9.MDSCによる封止樹脂組成物ガラス転移温度(Tg)
温度変調示差走査熱量計(以下モジュレイテッドDSCまたはMDSCと記載する)を使用し、本発明の封止樹脂組成物(硬化前のもの)を5℃/min、大気下で測定し、JIS K7121に従って値を求めた。

0170

10.ワイヤー変形
厚み0.5mm、幅50mm、長さ210mmの回路基板上に、厚み0.3mm、7.5mm角の半導体素子を銀ペーストにて接着し、径18μm、長さ7mmの金線ワイヤーピッチ間隔60μmで半導体素子と回路基板に接合したものを、圧縮成形機(TOWA株式会社製、PMC1040)により一括で封止成形し、MAP成形品を得た。この際の成形条件は、金型温度175℃、成形圧力3.9MPa、硬化時間120秒で行った。次いで、得られたMAP成形品をダイシングにより個片化し、模擬半導体装置を得た。得られた模擬半導体装置におけるワイヤー流れ量を、軟X線装置(ソフテクス株式会社製、PRO−TEST−100)を用いてパッケージの対角線上にある最も長い金ワイヤー4本(長さ7mm)の平均の流れ率を測定し、ワイヤー流れ率(ワイヤー流れ量/ワイヤー長×100(%))を算出した。

0171

評価結果は、表2に示す。実施例1乃至5いずれも、上記条件1及び2の両方を満たしている。なお、実施例1乃至5における差角及び目開き2mmの篩パス品の含有率の値を比較すると、特定条件での処理後の差角が大きく、目開き2mmの篩パス品の含有率が高い実施例1、2、5が最も好ましく、実施例4が次に好ましく、実施例3が次に好ましいことが分かる。すなわち、本願発明の条件1、2を満たすためは、M×Hが25以下となるのが好ましく、M×Hが20以下であることがより好ましく、M×Hが15以下であることが最も好ましいことが分かる。

0172

なお、実施例1乃至5では封止樹脂組成物に塊状物は存在せず、ワイヤー変形量が小さかった。一方比較例の封止樹脂組成物では成形機に投入する際、塊状物が散見され、金型上で塊状物が十分に溶融せず、ワイヤー変形が大きくなった。

実施例

0173

この出願は、2013年7月10日に出願された日本特許出願特願2013−144382号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

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