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技術 包装体

出願人 三井化学東セロ株式会社
発明者 中村修
出願日 2018年3月2日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-037849
公開日 2019年9月12日 (9ヶ月経過) 公開番号 2019-151376
状態 未査定
技術分野 包装体
主要キーワード ヒートシール処理 電気抵抗式 ゾルゲルプロセス 説明文中 塩化ビニリデンモノマー サランラテックス 乾燥抑制 評価時間
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

課題

水分を比較的多く含んだ物品(湿った物品)の乾燥を抑える包装体の提供。

解決手段

包装袋により物品が密封されている包装体であって、包装袋は、袋の内表面側から、シーラント層と、熱可塑性樹脂を含有する第1樹脂層と、金属原子含有無機物層と、ポリ塩化ビニリデン含有層と、熱可塑性樹脂を含有する第2樹脂層とがこの順で設けられたものである。また、密封されている物品の水分活性は0.75より大きく1.00以下である。

概要

背景

物品包装して、当該物品の経時変化吸湿または乾燥、酸化など)を抑制することを意図した、気体透過性が低いフィルムの開発が様々に行われている。このようなフィルムは「バリアフィルム」などとも呼称される。
例えば、特許文献1には、高分子フィルム基材の少なくとも片面に無機材料蒸着膜が形成され、さらにその蒸着膜の上にポリ塩化ビニリデン塗膜が積層されているフィルムが記載されている。

概要

水分を比較的多く含んだ物品(湿った物品)の乾燥を抑える包装体の提供。包装袋により物品が密封されている包装体であって、包装袋は、袋の内表面側から、シーラント層と、熱可塑性樹脂を含有する第1樹脂層と、金属原子含有無機物層と、ポリ塩化ビニリデン含有層と、熱可塑性樹脂を含有する第2樹脂層とがこの順で設けられたものである。また、密封されている物品の水分活性は0.75より大きく1.00以下である。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

包装袋により物品密封されている包装体であって、前記包装袋は、袋の内表面側から、シーラント層と、熱可塑性樹脂を含有する第1樹脂層と、金属原子含有無機物層と、ポリ塩化ビニリデン含有層と、熱可塑性樹脂を含有する第2樹脂層とがこの順で設けられたものであり、前記物品の水分活性が0.75より大きく1.00以下である包装体。

請求項2

請求項1に記載の包装体であって、前記包装袋が、当該包装袋に精製水を密封して温度40±2℃、湿度7±3%RHの環境に精製水を密封して178時間放置後の内表面側から外表面側への水蒸気透過度が1.0g/(m2・day)以下の包装袋である包装体。

請求項3

請求項1または2に記載の包装体であって、前記第1樹脂層が、ポリエステルを含む包装体。

請求項4

請求項1〜3のいずれか1項に記載の包装体であって、前記金属原子含有無機物層が、アルミニウム原子を含む包装体。

請求項5

請求項1〜4のいずれか1項に記載の包装体であって、前記物品が、食品または医薬品である包装体。

技術分野

0001

本発明は、包装体に関する。より具体的には、水分が比較的多い物品密封した包装体に関する。

背景技術

0002

物品を包装して、当該物品の経時変化吸湿または乾燥、酸化など)を抑制することを意図した、気体透過性が低いフィルムの開発が様々に行われている。このようなフィルムは「バリアフィルム」などとも呼称される。
例えば、特許文献1には、高分子フィルム基材の少なくとも片面に無機材料蒸着膜が形成され、さらにその蒸着膜の上にポリ塩化ビニリデン塗膜が積層されているフィルムが記載されている。

先行技術

0003

特開平8−39718号公報

発明が解決しようとする課題

0004

上記のように、バリアフィルムについては様々な検討がなされてきている。
しかし、本発明者の知見によれば、従来のバリアフィルムにおいては、特に水蒸気遮断性について、改善の余地があることが分かった。具体的には、従来のバリアフィルムを用いて同じ物品を密封した場合でも、バリア層の配置によっては水蒸気のバリア性能が低下することがあった。例えば、湿った物品をバリアフィルムで包装して乾燥を防ごうとしても、十分に乾燥を防げないことがあった。また、物品の密封直後の水蒸気バリア性能は良好なものの、時間が経つにつれ水蒸気バリア性能が悪化する場合もあった。

0005

本発明者は、上記知見に基づき、さまざまな検討を行った。
その結果、バリアフィルム自体について適切なものを選択・設計することはもちろん重要であるが、それに加え、バリアフィルムを袋としたときの実際の水蒸気バリア性や、包装する物品との「相性」なども考慮して、積層フィルムや袋を設計することが重要なことを見出した。
本発明者は、上記知見も踏まえ、特に今回、水分を比較的多く含んだ物品(湿った物品)の乾燥を抑えることを目的として鋭意検討を進めた。

課題を解決するための手段

0006

検討の結果、本発明者は、以下に提供される発明をなし、上記課題を達成できることを見出した。

0007

本発明によれば、以下の包装体が提供される。
[1]
包装袋により物品が密封されている包装体であって、
前記包装袋は、袋の内表面側から、シーラント層と、熱可塑性樹脂を含有する第1樹脂層と、金属原子含有無機物層と、ポリ塩化ビニリデン含有層と、熱可塑性樹脂を含有する第2樹脂層とがこの順で設けられたものであり、
前記物品の水分活性が0.75より大きく1.00以下である包装体。
[2]
[1]に記載の包装体であって、
前記包装袋が、当該包装袋に精製水を密封して温度40±2℃、湿度7±3%RHの環境に精製水を密封して178時間放置後の内表面側から外表面側への水蒸気透過度が1.0g/(m2・day)以下の包装袋である包装体。
[3]
[1]または[2]に記載の包装体であって、
前記第1樹脂層が、ポリエステルを含む包装体。
[4]
[1]〜[3]のいずれか1に記載の包装体であって、
前記無機物層が、アルミニウム原子を含む包装体。
[5]
[1]〜[4]のいずれか1に記載の包装体であって、
前記物品が、食品または医薬品である包装体。

発明の効果

0008

本発明によれば、水分を比較的多く含んだ物品(湿った物品)の乾燥を抑えることが可能となる。

図面の簡単な説明

0009

本実施形態の包装体の一例を示すものである。
本実施形態の包装体の別の例(変形例)を示すものである。

0010

以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
煩雑さを避けるため、(i)同一図面内に同一の構成要素が複数ある場合には、その1つのみに符号を付し、全てには符号を付さない場合や、(ii)特に図2以降において、図1と同様の構成要素に改めては符号を付さない場合がある。
図面はあくまで説明用のものであり、図面中の各部材の形状や寸法比などは、必ずしも現実の物品と対応するものではない。

0011

明細書中数値範囲の説明における「a〜b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。例えば、1〜5μmとは、1μm以上5μm以下を意味する。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換か無置換かを記していない表記は、置換基を有しないものと置換基を有するものの両方を包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。

0012

<包装体>
図1は、本実施形態の包装体の一例(包装体1)を示すものである。
包装体1においては、物品3が、包装袋2により密封されている。図1においては、包装袋2の右の開口部が、適当な手段により閉じられ、そして物品3が包装袋2により密封されている。
包装袋2は、5層の積層構造のフィルム(積層フィルム)で形成されている。この積層構造は、包装袋2の内表面側から、シーラント層(シーラント層11)、熱可塑性樹脂を含有する第1樹脂層(第1樹脂層12)、金属原子含有無機物層(無機物層13)、ポリ塩化ビニリデン含有層(ポリ塩化ビニリデン含有層14)、および熱可塑性樹脂を含有する第2樹脂層(第2樹脂層15)となっている。
物品3の水分活性は0.75より大きく1.00以下である。

0013

このような包装体1により、なぜ、包装した物品(物品3)の乾燥を抑制できるのか、そのメカニズム等は必ずしも全てが明らかではないが、以下のように説明することができる。

0014

本発明者は、まず、上述した問題、すなわち、従来のバリアフィルムを用いて同じ物品を密封した場合でも、バリア層の配置によっては水蒸気のバリア性能が低下することがあった原因を検討した。
具体的には、本発明者は、水蒸気のバリア性が高い(水蒸気透過度が小さい)フィルムとして知られている、ポリ塩化ビニリデン含有層と金属原子を含有する無機物層とを備えたフィルムを設計・試作するなどして、水分量が比較的多い物品を密封する検討を行った。その検討の中で、同じフィルムを用いて作成された包装袋であっても、バリアフィルムにおけるバリア層の配置(順番)により、水蒸気バリア性(乾燥抑制能力)に違いが生じることがわかった。

0015

本発明者は、乾燥抑制能力の低下について、包装する物品にあわせてバリアフィルムの構成を適切に配置することにより、効果的に物品の乾燥を抑えられる(物品を保湿できる)ことを見出した。
すなわち、水分量が比較的多い物品を密封して包装体とする場合、空気中の水分は、包装体の「内部」から「外部」へ流れることとなり、上記の本発明の層構成によって、このような空気中の水分の流れを効果的に遮断するものと考えられる。具体的には、無機物層13が、ポリ塩化ビニリデン含有層14よりも包装体の内表面側に存在するように配置することにより(包装体1においては、無機物層13がポリ塩化ビニリデン含有層14よりも内表面側に存在する)、比較的長期にわたって水蒸気バリア性を維持することができると考えられる。

0016

従来、バリアフィルム単独での水蒸気遮断性の向上技術は様々に検討されてきた。しかし、包装対象の物品は多種多様であるところ(例えば食品でも、乾燥したものもあれば水分豊富なものもある)、包装する物品の性質や、所望する保存性に合わせて水分の「流れ方向」を考慮して包装材料を水蒸気遮断性の観点から最適な配置に設計することについては検討されてきていなかった。
本実施形態の包装体(包装体1)は、このような、これまで検討されていなかった視点に基づくものである。

0017

特に、ポリ塩化ビニリデン含有層と金属原子含有無機物層を組み合わせたバリアフィルムは、従来、乾燥物の吸湿抑制に主として用いられてきたところ、本発明者らは、上記のような総合的な検討により、意外にも、ポリ塩化ビニリデン含有層と金属原子含有無機物層を組み合わせたバリアフィルムを乾燥抑制用途にも好ましく用いられることを見出した。

0018

包装体1の各構成要素などについて説明する。
・包装袋2
図1において、包装袋2は、例えば、開口部を有した袋体の、その開口部が適当な手段により閉じられた(密封された)ものである。
開口部を閉じる手段は特に限定されないが、密封性を高める観点から、一例としてヒートシール処理が好ましい。ただし、密封性が担保される限り、他の方法により開口部が閉じられていてもよい。また、図示はされていないが、密封性が担保される限り、閉じられる開口部は2箇所以上あってもよい。
包装袋2の大きさや形状に特に制限は無く、包装する物品の分量や体積に基づき適宜設定可能である。あくまで一例であるが、包装袋2は、その内表面積が10〜2000cm2、好ましくは100〜1800cm2となるように設計することができる。
包装袋2は、その外表面に何らかの印字印刷等がされていてもよい。

0019

・シーラント層11
シーラント層11は、工業的・商業的に行われる条件でのヒートシール処理(熱融着処理)により包装袋2の開口部を閉じることができる性質を有するものである限り、特に限定されない。

0020

シーラント層11は、典型的には熱可塑性樹脂を含む。
シーラント層11としては、例えば、エチレンプロピレンブテン−1ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1等のα−オレフィン単独重合体若しくは共重合体高圧法低密度ポリエチレン線状低密度ポリエチレン(いわゆるLLDPE)、高密度ポリエチレンポリプロピレンポリプロピレンランダム共重合体低結晶性あるいは非晶性のエチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・ブテン−1ランダム共重合体、プロピレン・ブテン−1ランダム共重合体などから選択される一種または二種以上のポリオレフィンを含む樹脂組成物により形成された層、エチレン・酢酸ビニル共重合体EVA)を含む樹脂組成物により形成される層、EVAおよびポリオレフィンを含む樹脂組成物により形成された層などが挙げられる。

0021

シーラント層11が含む熱可塑性樹脂は、ヒートシール性の観点からは、無延伸であることが好ましい。より具体的には、シーラント層11は、ホモポリプロピレン、および、プロピレンと炭素数2または4〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体から選択される一種または二種以上を含む無延伸ポリプロピレンを含む層であることが好ましい。

0022

シーラント層11は、熱可塑性樹脂以外の成分を含んでもよい。例えば、防曇剤アンチブロッキング剤等の添加剤ウレタン系樹脂尿素系樹脂メラミン系樹脂エポキシ系樹脂アルキッド系樹脂等の接着性の樹脂が含まれていてもよい。

0023

また、シーラント層11は接着剤として設けられてもよい。例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、アルキッド系樹脂等の接着性樹脂を含む接着剤を乾燥・硬化させることにより設けてもよい。

0024

シーラント層11の厚みは、好ましくは10〜100μm、より好ましくは15〜80μm、更に好ましくは20〜60μmである。この厚みとすることで、十分なヒートシール性を得つつ、ハンドリング性が良好な包装袋2を得ることができる。

0025

・第1樹脂層12
第1樹脂層12は、熱可塑性樹脂を含む樹脂層であれば、特に限定されない。
第1樹脂層12には、包装袋2の「基材層」として袋の基本的な強度を担保する役割や、無機物層13を安定的に担持して包装袋2の水蒸気バリア能を安定させる役割などが期待される。

0026

第1樹脂層12に適用可能な熱可塑性樹脂としては、公知の熱可塑性樹脂が挙げられる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリ(1−ブテン)等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレートポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ナイロン−6、ナイロン−66、ポリメタキシレンアジパミド等のポリアミドポリ塩化ビニルポリイミド;エチレン・酢酸ビニル共重合体;ポリアクリロニトリルポリカーボネートポリスチレンアイオノマー;等から選択される一種または二種以上が挙げられる。

0027

上記の中でも、無機物層13を安定的に担持する観点などから、第1樹脂層12が含む熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレンやポリエステルが好ましい。また、耐熱性等の観点からポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルがより好ましい。ポリエステルは熱可塑性樹脂の中でも比較的高融点であり、無機物層13を蒸着等の方法で形成する場合であっても無機物層13を安定的に担持することができる。

0028

第1樹脂層12の厚みは、好ましくは5〜50μm、より好ましくは8〜30μm、更に好ましくは10〜20μmである。この厚みとすることで、包装袋2を十分な強度とすることができ、また、無機物層13を安定的に担持できると考えられる。包装袋2のハンドリング性を良好とすることができる。

0029

・無機物層13
無機物層13を構成する無機物は、金属原子を含有する無機物である限り特に限定されず、例えば、金属や金属酸化物等が挙げられる。より具体的には、ベリリウムマグネシウムカルシウムストロンチウムバリウム等の周期表2A族元素チタンジルコニウムルテニウムハフニウムタンタル等の周期表遷移元素亜鉛等の周期表2B族元素;アルミニウムガリウムインジウムタリウム等の周期表3B族元素;ケイ素ゲルマニウム、錫等の周期表4B族元素;セレンテルル等の周期表6B族元素等の単体合金または酸化物等から選択される一種または二種以上を挙げることができる。
これら無機物の中でも、バリア性やコスト等の観点から、酸化ケイ素酸化アルミニウム、アルミニウムからなる群から選択される一種または二種以上の無機物が好ましい。特に、水蒸気バリア性の観点からアルミニウム、酸化アルミニウムが好ましく、透明性が確保されるという観点から酸化アルミニウムであることが好ましい。なお、酸化ケイ素には、二酸化ケイ素の他、一酸化ケイ素亜酸化ケイ素が含有されていてもよい。
無機物層13は、無機物特有の緻密な(すき間が少ない)ミクロ構造により、水蒸気のバリア性に寄与するものである。

0030

無機物層13は、好ましくは上記無機物の少なくとも一種により形成されている。無機物層13は単層の無機物層から構成されていてもよいし、複数の無機物層から構成されていてもよい。また、無機物層13が複数の無機物層から構成されている場合には、同一種類の無機物層から構成されていてもよいし、異なった種類の無機物層から構成されていてもよい。

0031

無機物層13の形成方法は特に限定されない。例えば、真空蒸着法スパッタリング法プラズマ気相成長法CVD法)等の真空プロセス等により、第1樹脂層12の表面またはポリ塩化ビニリデン含有層14の表面に無機物層13を形成することができる。

0032

無機物層13の厚さは、好ましくは1〜500nm、より好ましくは5〜300nm以下、より好ましくは7〜150nmである。この厚みとすることで、十分な水蒸気バリア能、ハンドリング性(かさばらない)、他の層との密着性などのバランスを最適化できる。
なお、この厚さは、例えば、透過型電子顕微鏡走査型電子顕微鏡による観察画像により求めることができる。

0033

・ポリ塩化ビニリデン含有層14
ポリ塩化ビニリデンは、フィルムとしたとき、汎用的な合成樹脂の中では水蒸気透過率がかなり小さい樹脂として知られている。すなわち、ポリ塩化ビニリデン含有層14は、物品の吸湿抑制に重要な役割を果たす。
ポリ塩化ビニリデン含有層14は、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む限り、特に限定されない。ここで「ポリ塩化ビニリデン系樹脂」とは、塩化ビニリデンモノマーに対応する構造単位を含むものであれば特に限定されず、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)であってもよいし、塩化ビニリデンと、塩化ビニリデンと共重合可能な他の単量体との共重合体であってもよい。

0034

上記共重合体としては、塩化ビニリデンの含有割合が60質量%以上99質量%以下であり、塩化ビニリデンと共重合可能な単量体の含有割合が1質量%以上40質量%以下である共重合体を挙げることができる。塩化ビニリデンと共重合可能な単量体としては、例えば、塩化ビニルアクリロニトリルアクリル酸アクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素数1〜18)、メタクリル酸メタクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素数1〜18)、無水マレイン酸イタコン酸、イタコン酸アルキルエステル酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、イソブチレンブタジエン等から選択される一種または二種以上を挙げることができる。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂は、公知の方法で製造することで得てもよいし、種々の市販品を用いてもよい。市販品としては、旭化成社製のサランレジンシリーズ等が挙げられる。

0035

ポリ塩化ビニリデン系樹脂の形態は、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の微粒子を含むラテックス(水系の乳濁液)の形態であってもよい。
この場合は、水蒸気バリア性を安定させる観点から、無機物層13と、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の微粒子を含むラテックスからなる層の間に、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を有機溶剤に溶解させて塗布したポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む層を設けることが好ましい。
このラテックスについては、従来公知の方法で製造してもよいし、種々の市販品を用いてもよい。市販品としては、旭化成社製のサランラテックスシリーズ等が挙げられる。

0036

なお、ポリ塩化ビニリデン含有層14は、ポリ塩化ビニリデン系樹脂以外の成分を含んでもよい。例えば、種々の添加剤や接着性樹脂、膜形成性を良化させる成分(例えば、シランカップリング剤界面活性剤消泡剤レベリング剤等)を含んでもよい。

0037

上記のポリ塩化ビニリデン系樹脂を原材料としてポリ塩化ビニリデン含有層14を形成する方法は、特に限定されない。
例えば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を有機溶剤に溶解して、無機物層13または第2樹脂層15の表面に塗布し、そして乾燥させることによりポリ塩化ビニリデン含有層14を形成することができる。このとき使用可能な有機溶剤は、使用するポリ塩化ビニリデン系樹脂の種類に応じて適宜選択されるため特に限定されないが、例えば、アセトンメチルエチルケトンシクロヘキサノン等のケトン類ジオキサンジエチルエーテルテトラヒドロフラン等のエーテル類ベンゼントルエンキシレン等の芳香族炭化水素類酢酸エチル酢酸ブチル等のエステル類ジメチルホルムアミド等のアミド類;これらの混合溶媒;等が挙げられる。これらの中でも、テトラヒドロフランとトルエンとの混合溶媒、メチルエチルケトンとトルエンとの混合溶媒およびテトラヒドロフランとトルエンとメチルエチルケトンとの混合溶媒が好ましい。上記のような有機溶剤に溶解させたポリ塩化ビニリデンを用いてポリ塩化ビニリデン含有層14を形成することができる。
また、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の微粒子を含むラテックスを、無機物層13または第2樹脂層15の表面に塗布し、そして乾燥させることによりポリ塩化ビニリデン含有層14を形成してもよい。

0038

さらに、上述のように無機物層13の表面に有機溶剤に溶解させたポリ塩化ビニリデンを用いてポリ塩化ビニリデン含有層14を形成することと、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の微粒子を含むラテックスによりポリ塩化ビニリデン含有層14を形成することの両方を行い、2層構成のポリ塩化ビニリデン含有層14を形成してもよい。
特にこの場合、当該2層のうち、無機物層13の側の層については有機溶剤を用いて層形成し、第2樹脂層15の側の層についてはラテックスにより層形成することが好ましい。これは、(1)有機溶剤を用いて層形成するほうが無機物層13との接着性をより高められること、(2)一般にはラテックス形態のポリ塩化ビニリデンは安価であり、また、界面活性剤を含有させるなどで製造工程での帯電防止性に優れ、塵の付着などが抑えられること、等が理由である。

0039

ポリ塩化ビニリデン含有層14の厚みは、好ましくは0.05〜20μm、より好ましくは0.1〜10μm、更に好ましくは0.2〜5μmである。なお、ポリ塩化ビニリデン含有層14が多層を含む場合(例えば、上述の、有機溶剤系およびラテックス系の両方で層形成する場合など)には、それら多層の合計の厚みがここに示された厚みであることが好ましい。
この厚みとすることで、十分な水蒸気バリア能があり、かつ、ハンドリング性が良好な(かさばらない)包装袋2を得ることができる。

0040

・第2樹脂層15
第2樹脂層15は、熱可塑性樹脂を含む樹脂層であれば、特に限定されない。
第2樹脂層15は、ポリ塩化ビニリデン含有層14などが、外部からの衝撃を直接受けることを防ぎ、ポリ塩化ビニリデン含有層14などが損傷して水蒸気バリア性が低下することを抑える役割(すなわち、ポリ塩化ビニリデン含有層14などを保護する役割)が期待される。また、市場流通時に必要な、包装体表面への印字・印刷を容易とする役割も期待される。

0041

第2樹脂層15が含むことができる熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリ(1−ブテン)等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ナイロン−6、ナイロン−66、ポリメタキシレンアジパミド等のポリアミド;ポリ塩化ビニル;ポリイミド;エチレン・酢酸ビニル共重合体;ポリアクリロニトリル;ポリカーボネート;ポリスチレン;アイオノマー;等から選択される一種または二種以上を挙げることができる。
熱可塑性樹脂として好ましくはポリプロピレンであり、より好ましくは一軸または二軸延伸ポリプロピレンである。

0042

第2樹脂層15は、熱可塑性樹脂以外の成分を含んでもよい。例えば、防曇剤やアンチブロッキング剤等の添加剤や、接着剤(他の層との密着性を高めるため)などが含まれていてもよい。

0043

第2樹脂層15の厚みは、好ましくは5〜50μm、より好ましくは8〜30μm、更に好ましくは10〜20μmである。この厚みとすることで、外部からの衝撃を十分に抑えることができ、またハンドリング性が良好な(かさばらない)包装袋2を得ることができる。

0044

・水蒸気透過度
包装体1の水蒸気透過度は、当然ながら、小さいことが好ましい。
具体的には、包装体1を構成する包装袋2に精製水を密封して、温度40±2℃、湿度7±3%RHの環境に178時間放置後の内表面側から外表面側への水蒸気透過度が、1.0g/(m2・day)以下であることが好ましく、0.8g/(m2・day)以下であることがより好ましく、0.5g/(m2・day)以下であることが更に好ましい。水蒸気透過度は低ければ低いほどよいが、現実的には、水蒸気透過度は通常0.01 g/(m2・day)以上である。

0045

・製造方法
包装袋2の積層構造(積層フィルム)の製造方法について、まとめてここで述べる。
包装袋2を構成する積層フィルムは、任意の方法で製造すればよいが、好ましくは以下手順で製造することができる。

0046

(1)第1樹脂層層12構成する基材、例えばPETフィルムなどの熱可塑性樹脂を含むフィルムを準備する。
このフィルムは、無機物層13との接着性を高めるために、コロナ処理プラズマ処理アンダーコート処理プライマーコート処理、フレーム処理等の表面処理が行われていてもよい。

0047

(2)無機物層13を形成する。
形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ気相成長法(CVD法)等の真空プロセスや、ゾルゲルプロセス等が挙げられる。

0048

(3−1)ポリ塩化ビニリデン系樹脂を有機溶剤に溶解したものを、無機物層13の表面に塗布して、ポリ塩化ビニリデン含有層14を形成する。
ここで用いることができるポリ塩化ビニリデン系樹脂や有機溶剤は、前述のとおりである。
塗布量は、通常0.05〜5.0g/m2、好ましくは0.07〜2.0g/m2、より好ましくは0.1〜0.5g/m2である。また、厚さ(乾燥後の厚さ)は、通常0.02〜3.1μm、好ましくは0.05〜1.3μmである。これらは、バリア性、透明性、残留有機溶媒量、密着性、取扱い性等のバランスの観点から決定される。

0049

(3−2)ポリ塩化ビニリデン系樹脂の微粒子を含むラテックスを、上記(3−1)で形成されたポリ塩化ビニリデン含有層14の表面に塗布して、2層構成のポリ塩化ビニリデン含有層14を形成する。
ここで用いることができるラテックスについては、前述のとおりである。
塗布量は、通常0.2〜10.0g/m2、好ましくは0.5〜5.0g/m2、より好ましくは0.8〜3.0g/m2である。また、厚さ(乾燥後の厚さ)は、通常0.1〜6.2μm、好ましくは0.2〜1.8μmである。これらは、バリア性、透明性、残留有機溶媒量、密着性、取扱い性等のバランスの観点から決定される。

0050

なお、(3−1)および(3−2)において、塗布の方法や装置は、特に限定されない。例えば、エアーナイフコーターキスロールコーターメタリングバーコーターグラビアロールコーターリバースロールコーターディップコーターダイコーターメイヤーバー塗工装置等の公知の塗工機を用いて工程(3−1)および/または(3−2)を行うことができる。

0051

また、(3−1)および(3−2)において、塗布後の乾燥方法は特に限定されない。例えば、アーチドライヤーストレートバスドライヤー、タワードライヤー、ドラムドライヤーフローティングドライヤー等の公知の乾燥機を用いて乾燥する方法が挙げられる。乾燥温度は、通常50〜200℃、好ましくは70〜150℃、より好ましくは90〜130℃である。乾燥時間は、通常5秒〜10分、好ましくは5秒〜3分、より好ましくは5秒〜1分である。

0052

上記の乾燥後、必要によりオーブン等によりエージング処理を行うことが好ましい。例えば、上記乾燥後のフィルムを、好ましくは35〜60℃以下、より好ましくは40〜50℃のオーブン中で、好ましくは24時間〜120時間、より好ましくは48〜72時間エージング処理する。このエージング処理によりポリ塩化ビニリデン系樹脂の結晶化が促進され、バリア性能をより一層向上させることができる。

0053

(4)第2樹脂層15を形成する。
例えば、適当な熱可塑性樹脂(ポリプロピレン等)を含むフィルムを準備する。そして、このフィルムを、ドライラミネート法により上記(3−2)で形成されたポリ塩化ビニリデン含有層14と貼り合わせる。ドライラミネートの具体的な方法や、使用される接着剤などは、公知技術を適宜適用することができる。

0054

(5)シーラント層11を形成する。
無延伸ポリプロピレンフィルムなどのヒートシール性のある樹脂フィルム熱可塑性樹脂フィルム)を、第1樹脂層12における無機物層13と反対側の面に貼り付けることで、シーラント層11を形成することができる。貼り付ける方法は、上記(4)と同様、ドライラミネート法を適用することができる。

0055

・物品3
本実施形態の包装体において、包装袋2により密封される物品3の水分活性は、0.75より大きく1.00以下である。
「水分活性」とは、一般に、物品中の自由水の割合を表す数値として知られており、食品を入れた密閉包装材内の水蒸気圧(P)とその温度における純水の蒸気圧(PO)の比(P/PO)により定義される。水分活性は、特に、食品の保存性の指標としてよく用いられる。
水分活性は、常法に従い、コンウェイ法や電気抵抗式湿度センサー法などにより測定することができる。例えば、卓上型温湿度測定器ハイグロラボ(ロトロニック社製)により測定することができる。

0056

「物品の水分活性が0.75より大きく1.00以下である」とは、一般的には、その物品の水分量が比較的多い(湿っている)ことを表す。本実施形態の包装体においては、物品3が保持している水分が空気中に蒸発して物品3が乾燥することを、比較的長期間にわたって抑制することができる。
なお、物品3の水分活性は、0.75より大きく1.00以下であれば特に限定されない。

0057

物品3は、好ましくは、食品、医薬品である。
食品としては、水分活性が0.75より大きく1.00以下のもの全般が含まれる。例えば、ケーキ、パン米飯ジャムなどを挙げることができる。
医薬品の例としては、液状の医薬品などを挙げることができる。
また、上記以外の物品3としては、粘土(例えば、工作用・工芸用の粘土類)、ウェットシートウェットティッシュメイク落としシート)、おしぼりなどが挙げられ、これら物品を包装した場合でも、乾燥を効果的に長期間抑制可能である。
物品3は、もちろんこれら列挙されたもののみに限定されるものではない。

0058

<包装体の変形例>
図2は、本実施形態の包装体の変形例を示すものである。
図2においては、小さな包装袋2Bにより物品3Bが密封された複数の個包装が、大きな包装袋2Cによりさらに密封されている。
図2においては、小さな包装袋2Bを構成するフィルムおよび/または大きな包装袋2Cを構成するフィルムが、図1で説明された5層構造の積層フィルムであり、そして袋の内表面側から、シーラント層11、第1樹脂層12、無機物層13、ポリ塩化ビニリデン含有層14、および第2樹脂層15となっている(図2においては、これら層構成は明示されていない)。

0059

すなわち、小さな包装袋2Bと大きな包装袋2Cの少なくとも一方が、特定の5層を特定の配置で備えたフィルムであることで、物品3Bの乾燥抑制の効果を得ることができる。

0060

小さな包装袋2Bと大きな包装袋2Cの両方が、特定の5層構成のフィルムであれば、物品3Bの乾燥抑制の効果をより一層得られると考えられる。
一方、小さな包装袋2Bと大きな包装袋2Cの一方のみが、特定の5層構成のフィルムであってもよい。この場合、他方の包装袋を構成するフィルムは、任意のものであってよく、ヒートシール性、耐久性印刷適性意匠性、コスト等から適宜選択される。ポリ塩化ビニリデンや無機物以外の、水蒸気バリア性が比較的高い素材を採用することも考えられる。

0061

以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。

0062

本発明の実施態様を、実施例および比較例に基づき詳細に説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。

0063

<実施例1:包装袋の作製>
第1樹脂層として、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ユニチカ社製エンブレット登録商標)PET12)を準備した。このフィルムのコロナ処理面に、高周波誘導加熱方式により、アルミニウムを加熱蒸発させ、さらに酸素を導入し、基材フィルム上に厚みが10nmになるように酸化アルミニウムを蒸着し、酸化アルミニウム層(無機物層)を形成した。
この無機物層の上に、以下の有機溶剤系ポリ塩化ビニリデン系樹脂層と、ラテックス系ポリ塩化ビニリデン系樹脂層とを順次形成した。

0064

ここで、有機溶剤系ポリ塩化ビニリデン系樹脂層およびラテックス系ポリ塩化ビニリデン系樹脂層の形成方法は以下のとおりである。
まず、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(旭化成社製、サランレジンF216)を、トルエンとメチルエチルケトンの混合有機溶媒質量比:トルエン/メチルエチルケトン=1/2)に溶解させ、ポリ塩化ビニリデン系樹脂溶液固形分5質量%)を調製した。
次いで、このポリ塩化ビニリデン系樹脂溶液を、乾燥後の塗工量が0.2g/m2になるように酸化アルミニウム層上にアプリケーターで塗工し、乾燥させて溶媒を除去することにより、有機溶剤系ポリ塩化ビニリデン系樹脂層を形成した。
続いて、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の微粒子を含むラテックス(旭化成社製、サランラテックスL536B)を10%アンモニア水中和し、乾燥後の塗工量が0.9g/m2になるように有機溶剤系ポリ塩化ビニリデン系樹脂層上にメイヤーバーで塗工し、乾燥させて溶媒を除去することによりラテックス系ポリ塩化ビニリデン系樹脂層を形成した。

0065

形成された有機溶剤系ポリ塩化ビニリデン系樹脂層の厚さは0.12μmであった。また、形成されたラテックス系ポリ塩化ビニリデン系樹脂層の厚さは0.56μmであった。
このようにして、ポリ塩化ビニリデン系樹脂積層フィルムを得た。

0066

上記ポリ塩化ビニリデン系樹脂積層フィルムのポリ塩化ビニリデン系樹脂層面に、厚さ20μmの延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム(三井化学セロ社製、品番:WH−OPHE−1#20)をドライラミネート法により貼り合わせて、第2樹脂層とした。貼り合わせは、この延伸ポリエチレンフィルムのコロナ処理面に、接着剤(三井化学社製、タケラック(登録商標)A−310/タケネート(登録商標)A−3=12/1(質量比))を3.0g/m2塗布して、上記ラテックス系ポリ塩化ビニリデン系樹脂層と密着させることにより行った。

0067

最後に、第1樹脂層の無機物層が設けられた面とは反対の面に、厚さ40μmの無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムを貼りつけて、シーラント層とした。
具体的には、三井化学東セロ社製の無延伸ポリプロピレンフィルム(商品名:GLC)の片面に、接着剤(三井化学社製、タケラック(登録商標)A−310/タケネート(登録商標)A−3=12/1(質量比))を3.0g/m2塗布し、第1樹脂層の無機物層が設けられた面とは反対の面と、無延伸ポリプロピレンフィルムの接着剤塗布面が接するように貼り合せた。

0068

以上の工程で得られた積層フィルムを、内表面積が0.01m2になるように製袋して、包装袋を得た。このとき、シーラント層(CPPフィルム)が袋の内表面側となるように、第2樹脂層の延伸ポリプロピレンフィルムが袋の外表面側となるようにした。

0069

<実施例2:包装袋の作製>
実施例1において、ポリ塩化ビニリデン系樹脂積層フィルムに貼り合わせる第2樹脂層のフィルムを、厚さ12μmのPETフィルム(商品名:エンブレットPET、ユニチカ社製)に変えた以外は、実施例1と同様にして包装袋を得た。

0070

<実施例3:包装袋の作製>
実施例1において、ポリ塩化ビニリデン系樹脂積層フィルムに貼り合わせる第2樹脂層のフィルムを、厚さ15μmの延伸ナイロン(ONY)フィルム(商品名:エンブレムONBC、ユニチカ社製)に変えた以外は、実施例1と同様にして包装袋を得た。

0071

<比較例1:包装袋の作成>
まず、実施例1と同様にして、ポリ塩化ビニリデン系樹脂積層フィルム(厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に、無機物層と、有機溶剤系ポリ塩化ビニリデン系樹脂層と、ラテックス系ポリ塩化ビニリデン系樹脂層とがこの順に積層されたフィルム)を得た。

0072

このポリ塩化ビニリデン系樹脂積層フィルムの、PETフィルムの側の面に、厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム(三井化学東セロ社製、品番:WH−OPHE−1#20)をドライラミネート法により貼り合わせて、外表面層とした。
また、ポリ塩化ビニリデン系樹脂積層フィルムの、ラテックス系ポリ塩化ビニリデン系樹脂層の側の面に、三井化学東セロ社製の無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム(商品名:GLC、厚み40μm)をドライラミネート法により貼り合わせて、シーラント層とした。
得られた積層フィルムを、内表面積が0.01m2になるように製袋して、包装袋を得た。このとき、貼り合わせたシーラント層(CPPフィルム)が袋の内表面側となるようにした。

0073

<比較例2:包装袋の作成>
比較例1において、外表面層のフィルムを、PETフィルム(商品名:エンブレットPET12、ユニチカ社製、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム)に変えた以外は、比較例1と同様にして包装袋を得た。

0074

<比較例3:包装袋の作成>
比較例1において、外表面層のフィルムを、厚さ15μmの二軸延伸ナイロン(ONY)フィルム(商品名:エンブレムONBC−15ユニチカ社製)に変えた以外は、比較例1と同様にして包装袋を得た。

0075

<評価>
各実施例および比較例で得られた袋内に、内容物として精製水を8g入れ、袋の入り口をヒートシールして密封し、包装体を得た。
この、精製水を密封した包装体を、温度40±2℃、湿度7±3%RHの環境下に178時間保管した。保管前後の包装体の質量を測定し、その質量差の絶対値を求めた。その値を、袋の内表面積(0.01m2)および評価時間((178/24)日)で割り算することで、袋の内表面側から外表面側への水蒸気透過度[g/m2・day]を算出した。

0076

袋の層構成および水蒸気透過度の評価結果を、表1および表2に示す。なお、包装袋の構成の略号アルファベット文字)の意味については、実施例1〜比較例3の説明文中で説明しているとおりである。また、高水分物の包装適性の点で、上記で算出した水蒸気透過度の値が0.5[g/m2・day]以下であったものに○、0.5[g/m2・day]超であったものに×を記載した。

0077

0078

0079

表1および表2からわかるとおり、実施例1〜3の包装袋、すなわち、内表面側から、シーラント層、熱可塑性樹脂を含有する第1樹脂層、金属原子含有無機物層、ポリ塩化ビニリデン含有層および熱可塑性樹脂を含有する第2樹脂層がこの順で設けられた包装袋は、比較例1〜3の包装袋に比べて、有意に水蒸気透過度が低かった。つまり、実施例1〜3のような5層構成の包装袋により、水分の多い物品を密封した場合、その物品の乾燥を抑えられることが示された。

実施例

0080

また、比較例1〜3から、実施例1〜3と同様の層を備えた包装袋であっても、「層の順番」が特定の順番でなければ、水蒸気透過度を実施例1〜3のレベルまでは低くできないことがわかる。前述のように、水分の「流れの方向」を考慮した包装袋の設計が重要であることが示唆される。

0081

1包装体
2、2B、2C包装袋
3、3B物品
11シーラント層
12 第1樹脂層
13無機物層
14ポリ塩化ビニリデン含有層
15 第2樹脂層

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